説明

弁部材による定量吐出装置

【課題】弾性シール部材を構成する断面コ字形状の包囲シールのピストン本体の外周面より若干突出し得る先端部に関して、外方向へ外拡変位する自由度を持たせてシール効果の向上を図ること。
【解決手段】内筒体が駆動源の駆動力により回動すること及び弁部材の押し出し作動体を駆動作動杆から取り外すことができることを前提とする弁部材による定量吐出装置に於いて、押し出し作動体のピストン本体の後端部に段差状の切欠部分を周設すると共に、該切欠部分の後端面にオネジを形成し、該切欠部分に先端側が切欠部分を形成する垂直壁面に圧接し得る弾性リングを内装する断面コ字形状の包囲シールを嵌合し、該包囲シールの垂直後端面をオネジに螺合するリング状の押え具でねじ込み、前記弾性リングの弾性変形を利用して前記包囲シールの周壁部の先端面をピストン本体の外周面より若干突出し得るように、該周壁部を傾斜状に外拡変位させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、粉状物、粒状物、豆、切断した肉類や野菜等の固形物を定量ずつ吐出可能な弁部材による定量吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1と特許文献2には、弁部材が、外弁としての外筒体と、この外筒体に回動自在に組み込まれた内弁としての内筒体と、この内筒体に摺動部分が組み込まれかつ従動作動杆を有する押し出し作動体とを備え、一方、駆動源側が、駆動源と該駆動源の力によりかつ支持部材に案内されて水平移動する駆動作動杆とを備え、弁部材の従動作動杆と駆動源側の駆動作動杆との連結時、前記弁部材の後端部の係合部分が前記駆動作動杆に取付けた連結支持具に係脱する作動杆の係脱構造とを備える弁部材による定量吐出装置が開示されている。
【0003】
また、前記特許文献1の図3には、ピストンとしての押し出し作動体のシール構造が開示されている。該押し出し作動体のシール構造は、前記シリンダー(内弁)6に摺動自在に嵌合した押し出し作動体のピストン本体7の後端部を短円筒状シール21が嵌合するように若干小径に形成し、該短円筒状シール21は、その先端内周面が拡開するテーパー23に形成し、該テーパーに当接する前記ピストン本体7の後端部の外周面に周設した段部を前方に向けて上昇するテーパー20に形成し、前記短円筒状シール後方から短円筒状シール用押え具22を嵌合して、前記短円筒状シール21を前方に向けて押圧することにより、前記短円筒状シール先端をピストン本体7の外周面より若干突出し得るように構成したものである(符号は公報記載のもの)。
【0004】
上記押し出し作動体のシール構造は、該特許文献の段落0015に記載されているように、「(内弁に対するピストン本体の)嵌合を緩くしても、嵌合部(ピストン本体の外周面と内弁の内周面)からスープ液が漏れ難く、且つ、(押し出し作動体の)押出し及び引込みの駆動トルクを小さくすることができる」いう優れた効果を有するが、短円筒状シール21は環状に形成され、しかもピストン本体7の後端部の切欠状段部に密着状態に嵌合すると共に、非弾力性の環状押え具22の前面によって直接押え付けられていることから、そのピストン本体7の外周面より若干突出し得る先端(先端乃至周壁端部)は、外方向へ外拡変位する自由度はなった。
【0005】
そこで、特許文献1の記載の利点(特に、ピストン本体の嵌合部としての摺接部分を内弁の内周壁に間隙を有する状態で嵌めることにより、内弁に対する押し出し作動体の装着及び取り外しが容易であるという効果)を生かしつつ、ピストン本体7の外周面より若干突出し得る先端(先端乃至周壁端部)に関して、外方向へ傾斜状に外拡変位する自由度を持たせてシール効果の向上を図るとことができる押し出し作動体のシール構造の出現が期待されている。
【0006】
ところで、特許文献1と特許文献2の各内筒体の内周面は、断面円形なので、内筒体が180度回転して、その内弁開口が外筒体の吐出口に連通したとき、内筒体に収納された液体、例えば具入りスープ類は全て自然に流れ落ちる利点があるものの、ホッパーから外筒体を介して落下した収納物が、米、大豆、加工材料、食品材料、加工後の食品(例えば炒飯)等の固形物である場合には、内筒体が筒状にあるのに対して、内弁開口が内筒体の壁面の一部に形成された円形(長孔も含む)なので、固形物の一部が内弁開口の縁部等に残り、押し出し作動体が前進しても、外筒体の吐出口から全て排出されないという問題点があった。そこで、望ましくは、内筒体に落ち込んだ固形物が全て内弁開口から外弁の吐出口へとスムースに排出(落下も含む)される弁部材による定量吐出装置の出現が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】

【特許文献1】特開2004−188385号
【特許文献2】特開2007−7505号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の所期の目的は、弁部材の押し出し作動体を駆動作動杆から取り外すことができることを前提として、すなわち、内弁に対する押し出し作動体の装着及び取り外しが容易であるという効果を生かしつつ、弾性シール部材を構成する断面コ字形状の包囲シールのピストン本体の外周面より若干突出し得る周壁部に関して、外方向へ傾斜状に外拡変位する自由度を持たせてシール効果の向上を図ることである。予備的な目的は、特許文献1、特許文献2等の問題点に鑑み、内筒体に落ち込んだ粉状物や固形物が全て内弁開口から外弁の吐出口へスムースに押し出されることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の弁部材による定量吐出装置は、弁部材が、外弁としての外筒体と、この外筒体に回動自在に組み込まれた内弁としての内筒体と、この内筒体にピストン本体が組み込まれた押し出し作動体を備え、一方、駆動源側が、駆動源と該駆動源の力によりかつ支持部材に案内されて水平移動する駆動作動杆を備え、弁部材の従動作動杆と駆動源側の駆動作動杆との連結時、前記弁部材の後端部の係合部分が前記駆動作動杆に取付けた連結支持具に係脱する作動杆の係脱構造とを備え、前記内筒体が前記駆動源の駆動力により回動すること及び前記弁部材の押し出し作動体を駆動作動杆から取り外すことができることを前提とする弁部材による定量吐出装置に於いて、前記押し出し作動体のピストン本体の後端部に段差状の切欠部分を周設すると共に、該切欠部分の後端面にオネジを形成し、該切欠部分に先端側が前記切欠部分を形成する垂直壁面に圧接し得る弾性リングを内装する断面コ字形状の包囲シールを嵌合し、さらに、該包囲シールの垂直後端面を前記オネジに螺合するリング状の押え具でねじ込み、前記弾性リングの弾性変形を利用して前記包囲シールの周壁部の先端面をピストン本体の外周面より若干突出し得るように、該周壁部を傾斜状に外拡変位させたことを特徴とする。
【0010】
上記構成に於いて、ピストン本体18aの先端面に内筒体の内周壁に設けた被嵌合部と嵌合する嵌合部52を突出形成し、該嵌合部52の下端面は、前記ピストン本体18aの下端面よりも半径方向の内側に位置していることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の弁部材による定量吐出装置は、弁部材が、外弁としての外筒体と、この外筒体に回動自在に組み込まれた内弁としての内筒体と、この内筒体にピストン本体が組み込まれた押し出し作動体を備え、一方、駆動源側が、駆動源と該駆動源の力によりかつ支持部材に案内されて水平移動する駆動作動杆を備え、弁部材の従動作動杆と駆動源側の駆動作動杆との連結時、前記弁部材の後端部の係合部分が前記駆動作動杆に取付けた連結支持具に係脱する作動杆の係脱構造とを備え、前記内筒体が前記駆動源の駆動力により回動すること及び前記弁部材の押し出し作動体を駆動作動杆から取り外すことができることを前提とする弁部材による定量吐出装置に於いて、前記押し出し作動体のピストン本体の後端部に段差状の切欠部分を周設し、該切欠部分に先端側が前記切欠部分を形成する垂直壁面に圧接し得る弾性リングを内装する断面コ字形状の包囲シールを嵌合し、一方、押し出し作動体の従動作動杆(ピストンロッド)の根元部分に形成したオネジに螺合するリング状の押え具を該従動作動杆に設け、前記押え具をねじ込むことによって前記包囲シールの垂直後端面を該押え具の周端部前面で押圧することにより、前記弾性リングの弾性変形を利用して前記包囲シールの周壁部の先端面をピストン本体の外周面より若干突出し得るように該周壁部を傾斜状に外拡変位させたことを特徴とする。
【0012】
本発明の定量吐出装置は、液体、粉状物、粒状物、豆、切断した肉類や野菜等の固形物を定量ずつ吐出可能である。ここで、「固形物」には、米などの粒状物、豆、切断した肉類や野菜等が含まれる。また、固形物は加工前の材料のみならず、加工後の物(例えば炒飯)も含まれる。また、ここでの「固形物」は、主なるものを固形物をとして液体を含んでも良い。
【発明の効果】
【0013】
(a)内弁に対する押し出し作動体の装着及び取り外しが容易であるという効果を生かしつつ、弾性シール部材を構成する断面コ字形状の包囲シールのピストン本体の外周面より若干突出し得る先端部(周壁部)に関して、外方向へ傾斜状に外拡変位する自由度を持たせてシール効果の向上を図ることができる。
(b)請求項2に記載の発明は、ピストン本体18aの先端面の嵌合部52の下端面は、前記ピストン本体18aの下端面よりも半径方向の内側に位置しているので、押し出し作動体の装着及び取り外しがより一層簡単になると共に、内筒体に落ち込んだ粉状物や固形物を全て外弁の吐出口からスムースに排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、本発明の主要部を説明し、次に、本発明を構成する各部材を詳細に説明する。図1乃至図18は本発明の一例である。
【0015】
(1)本発明の特徴部分
本発明の特徴部分は、押し出し作動体18のピストン本体(摺動部分)18aの後端部に装着した弾性シール部材60が二重構造となっている点である。すなわち、図11で示すように、弾性シール部材60は、弾性リング61と、この弾性リング61の前面側を除いて該弾性リング61を囲む断面コ字形状の包囲シール62とから成る。そして、前記弾性リングの弾性変形を利用して前記包囲シールの周壁部62bの先端面をピストン本体18aの外周面より若干突出し得るように、該周壁部62bを傾斜状に外拡変位させた点が新しい。
【0016】
弾性リング61及び包囲シール62は、共に合成樹脂製である。それ故に、弾性シール部材60は弾性変形機能、弾性変形復帰機能、剛性的機能等を有する。
【0017】
しかして、本実施例では、図12及び図13で示すように、押し出し作動体18のピストン本体(摺動部分)18aの後端部に段差状の切欠部分63を周設すると共に、該切欠部分63の後端面にオネジ64を形成し、該切欠部分63にその先端側が前記切欠部分を形成する垂直壁面63aに圧接し得る弾性リング61を内装する断面コ字形状の包囲シール62を嵌合し、さらに、該包囲シール62の垂直後端面62aを前記オネジ64に螺合するリング状の押え具65でねじ込み、前記弾性リング61の弾性変形を利用して前記包囲シール62のピストン本体18aの外周面より、その先端部が若干突出し得る周壁部62bを外拡変位させる。
【0018】
上記構成に於いては、図10で示すように、内筒体11、正確には内筒体11を構成する長筒状本体11aの内周面とピストン本体(摺動部分)18aの外周面との間に若干の間隙dが生じるので、押し出し作動体18を内筒体(内弁)11に嵌め込む際、ピストン本体(摺動部分)18aが若干傾斜状態になっても、該押し出し作動体18を内筒体(内弁)11に容易に嵌め込むことができる。
【0019】
特に、本実施例の押し出し作動体18は、ピストン本体18aの先端面に肉厚状の嵌合部52が突出形成され、該肉厚状(逆谷型形状)の嵌合部52の下端面は、前記ピストン本体18aの下端面よりも半径方向の内側に位置しているので、内筒体(内弁)11に対する押し出し作動体18の装着及び取り外しが容易であるという効果を十分に生かすことができる。
【0020】
また、包囲シール62の周壁部62bは、リング状の押え具65でねじ込むことによって、弾性リング61が包囲シール62の垂直後端面62aの内壁面と切欠部分63の垂直壁面63aにサンドイッチ状に押圧されるので、該弾性リング61は物理的に切欠部分の間隙が存在する上下方向へ膨らむように弾性変形し、その結果、図13で示すように、垂直後端面62aに直交する周壁部62bは傾斜状に外拡変位する。それ故に、周壁部62bの先端面は、ピストン本体18aの外周面より若干突出する。
【0021】
しかして、内筒体(内弁)11の所定容積室aに圧力が加わると、傾斜状周壁部62bの環状先端面に圧力が加わるので、リング状の押え具65に対して自由度を有する周壁部62bは、開く方向へと弾性変位する。したがって、弾性シール部材60のシー効果を十分に発揮させることができる。
【0022】
(2)予備的な特徴事項
本発明の予備的な特徴事項は、ピストンに相当する押しだし作動体18が内筒体11と共に共働回動することができるように内筒体11に嵌合し、内筒体11が外筒体2に対して吐出可能な状態になると、押しだし作動体18は前進して内筒体の先端部側に収納された粉状物や固形物を内弁開口12および外弁の吐出口6を介して外部へと押し出し、一方、少なくとも、押しだし作動体18が内筒体11と共に共働回動して待機待ちの状態となったときは、ホッパー5から固形物を内筒体の先端部側に受け入れるために後退することである。
【0023】
具体的には、例えば図17、図18等で示すように、内筒体11の内周壁の先端部側に断面凹所状の被嵌合部51を設け、一方、押しだし作動体18のピストン本体18aの先端部に前記被嵌合部51に丁度嵌合する突出状の嵌合部52を設け、前記押し出し作動体18は、ホッパー5から落下した粉状物や固形物bを、前記被嵌合部51に収納した状態でかつ押し出し作動体18の後方側に配設された駆動源21の駆動力により、前記内筒体11と共に外筒体2の吐出口6へと回動する。
【0024】
ここで、図18を参照にすると、被嵌合部51は断面U字形状あるいは外周面の開口部分51aから内部の底面に相当する非開口部分51bに至るにしたがって次第に幅が狭くなっている。被嵌合部51の断面形状はU字形状でも良いが、望ましくは、実施例で示したように、「谷型形状」が望ましい。被嵌合部51の断面形状を谷型形状にすると、内筒体11が180度回転して吐出状態になったとき、被嵌合部51の開口部分51aの方が、非開口部分51bよりも幅広なので、つまり、被嵌合部51の開口部53が山型形状になるので、被嵌合部51の開口部53内の粉状物や固形物bは、外筒体2の吐出口6から出る(例えば落下しかつ吐出口から排出される)ときに、内筒体11内に残留せずに、全て、スムースに自重落下乃至押し出される。被嵌合部51の開口部分51aの大きさ(幅)は、外弁開口3、内弁開口12等にそれぞれ適合するように設定されている。
【0025】
望ましくは、図2で示すように、押しだし作動体18が引き込み動作をして原点位置へと後退したときには、押しだし作動体18の突出状の嵌合部52は被嵌合部51の後端部から外れないように設定されている。図2では、押しだし作動体18の後退時、押しだし作動体18の肉厚状の嵌合部52が内筒体11の被嵌合部51の後端部に支持されている状態を示している。
【0026】
さらに、本実施例では、図2で示すように、押し出し作動体18の嵌合部52の先端面は、内筒体11がホッパー5から固形物bを受け入れる状態を基準にすると、後方側に若干傾斜しているので、固形物bを受け入れ易いと同時に押し出し易い。
【0027】
(3)各部材の具体的構成
Xは弁部材による定量吐出装置で、この定量吐出装置Xの外筒体、内筒体等は、固定側部材1の上部水平板1aの上面に横方向に配設されている。また、上部水平板1aには、符号を付さない弁部材用開口、駆動歯車用開口、伝動歯車用開口など複数個の開口或いは切欠部が適宜に形成されている。また、上部水平板1aの下面側には、定量吐出装置X用の一つの駆動源(駆動モータ)21が横方向にモータ取付け板を介して配設されている。また、上部水平板1aの上面側の後端部には、ケース状の取付け枠1cが設けられ、該取付け枠1cの貫通孔は、押し出し作動体18の作動杆(以下、「従動作動杆19」という)を係止する駆動作動杆20の後端部を案内する。従動作動杆19と駆動駆動作動杆20は、後述する作動杆の係脱構造Zにより、着脱自在に連結され得る。
【0028】
そして、取付け枠1cには、押し出し作動体18用の位置検出手段S2が所要間隔を有して複数個配設されている。また、取付け枠1c内には、押し出し作動体18用の回転防止台37が設置され、該回転防止台37の上面には、駆動作動杆20に設けた係合部20bと係合する被係合部37aが形成されている。前記駆動作動杆20の係合部20bは、駆動作動杆20と交差する垂直の係合片(例えば係合ピン)であり、一方、前記被係合部37aは、長溝状のガイト溝である。本実施例では、係合部20bの突出上端部に、検出手段S2用のインデックス或いは磁石片38が水平状態に設けられている。したがって、押し出し作動体18は、駆動作動杆20に設けた係合部20bと固定側部材1に設けた被係合部37aとで構成される回転防止手段を介して往復動可能である。
【0029】
さらに、固定側部材1は、上部水平板1aと対向する下部水平板1bを有し、この下部水平板1bの上面には、クラッチ機構Yを構成する駆動手段(ソレノイド)31が横方向に配設されている。
【0030】
(4)外筒体2
外筒体(外弁)2は、左右の両端部がそれぞれ開口する長筒状の周胴部分2aと、この周胴部分2aの一端部側の開口に嵌合するヘッド2bとから成る。まず、周胴部分2aの構成について説明する。3は一端部上面に形成された外弁開口で、この外弁開口3にはホッパー5が取り外し可能に装着されている。6は一端部下面に形成された吐出口で、この吐出口6は、前記外弁開口3と対向すると共に、該吐出口6には、筒状の吐出ノズルを含むシール部材7が螺着自在に取付けられる。また、ヘッド2bを有する外筒体2は、所要の長さを有し、かつ、上部水平板1aに取り外し可能に固定されている。前記外弁開口3及び吐出口6は、本実施例では単数である。また外弁開口3と吐出口6の形状は、例えば円形である。
【0031】
(5)内筒体11
内筒体(内弁)11は、本実施例では、一つの駆動源21の駆動力により回転すると共に、ホッパー5から外弁開口3を介して所定量の粉状体あるいは固形物bを内部に取り込み、かつ、吐出口6を介して外部に吐出する定量筒体である。
【0032】
したがって、内筒体11は、弁本体に相当する外筒体2に対して内弁の機能を発揮する。そこで、内筒体11の挿入先端部(図面上、左)には、外筒体2の外弁開口3及び吐出口6に選択的に連通する一つの内弁開口12が形成されている。
【0033】
ところで、本実施例の内筒体11は、長筒状本体11aと、該長筒状本体と係脱可能であり、かつ、後述する連結支持具を包む短筒状後端部11bとを有し、前記短筒状後端部11bは、駆動源側に設けられた弾発性部材4により長筒状本体11aの後端部に係合する方向に常に付勢されている。
【0034】
付言すれば、本実施例の弁部材Vは、外弁開口3及び吐出口6を有する外弁としての外筒体2と、この外筒体に回動自在に組み込まれた内弁としての内筒体11と、この内筒体にピストン本体18aが組み込まれかつ従動作動杆19を有する押し出し作動体(ピストン)18とから成る。そして、弁部材Vは、作動杆同士19,20の連結時、該弁部材Vを連結支持具41の係止部46のテーパー46bに対して水平方向に押し込むと、簡単に連結状態となり、一方、弁部材Vを取り外す時、該弁部材Vを、例えば多少持ち上げすると、弁部材Vと連結支持具41の係合関係が簡単に解消するように工夫されている。
【0035】
ここで、図1及び図2を参照にして長筒状本体11aと短筒状後端部11bとの係合関係を説明する。長筒状本体11a後端部の接合端面には、単数又は複数個の被係合部(切欠溝)13が形成されている。したがって、短筒状後端部11bの接合端面には、前記被係合部13と係脱する単数又は複数個の係合部(突起)が形成されている。本実施例の弾発性部材4は、固定側部材1の上部水平板1aの上面に設けられた第1支持板17aと短筒状後端部11bの外壁面との間に位置するように従動歯車14の筒状軸部14aに巻装されている。
【0036】
また、図1を参照にして、従動歯車14の筒状軸部14aと短筒状後端部11bとの係合関係を説明する。図1は従動歯車14と内筒体11とが一体的に組み合っている概略説明図である。従動歯車14は、筒状軸部14aの外周壁に複数個の被係合部分(軸方向の切欠部分)15を有している。したがって、短筒状後端部11bは、その軸孔の縁部に前記被係合部分15に係合する係合する複数個の係合部(突起)16を有している。
【0037】
従動歯車14は、駆動作動杆20に遊嵌合し、かつ、駆動歯車23と噛合するように第1支持板17aと第2支持板17bとの間に配設されている。第2支持板17bは、第1支持板17aと対向するように固定側部材1の上部水平板1aの上面に設けられている。駆動モータ21の駆動力により、出力軸22側の駆動歯車23が回転すると、従動歯車14及び内筒体11が同時に回転する。
【0038】
しかして、内筒体11の内弁開口12は、上方の外弁開口3と連通している間下方の吐出口6は閉鎖され、一方、内弁開口12が吐出口6と連通している間外弁開口3は閉鎖される。
【0039】
(6)内筒体11用の検出手段S1
固定側部材1の上部水平板1aの上方には、内筒体11用の検出手段S1が第2支持板17bを介して配設されている。この検出手段S1は、内筒体11の回転位置を検出する。検出手段S1は、ホールIC原理を利用したもの、発光素子と受光素子を利用してもの等が適宜に採用され得る。本実施例では、従動歯車14の外周壁の適宜部位に複数の磁石をそれぞれ固定し、一方、固定側部材1の検出手段S1としてホール素子を採用している。
【0040】
したがって、内筒体11が駆動源21の駆動力によって「180度」回転し、一つの磁石が検出手段S1に対面した時、検出手段S1は磁石の「N極」の磁束を拾って、図示しない制御部に内筒体11の回転位置を出力し得る。
【0041】
(7)押し出し作動体18
押し出し作動体18のシール構造は、前述したとおりである。押し出し作動体18は、内筒体11に組み込まれた先端部にピストン本体18aを有する。ピストン本体18aは、所定位置(例えば最大吐出量の所)へ後退すると、所定容積室aを形成し、一方、所定位置へ前進すると、内筒体11の先端部側の前記所定容積室a内に落下した粉状物や固形物bを押し出す機能を有している。
【0042】
本実施例の作動杆は、弁の洗浄、部品交換等の目的から、弁部材Vを簡単に固定側部材1に簡単にセット又は取り外すために、適当な箇所で「二分割」されている。すなわち、一方は弁部材Vを構成する押し出し作動体18の従動作動杆19であり、他方は固定側部材1にスライド自在に配設された駆動源側の駆動作動杆20である。
【0043】
ところで、前記駆動作動杆20は、固定側部材1の所定位置に配設された短筒状内筒体11b、従動歯車14、支持板17a,17b等を貫通すると共に、本実施例では「長杆状の螺杆体」である。
【0044】
そして、駆動作動杆20と一体的に連結された押し出し作動体18は、固定側部材1に設けたクラッチ機構Yのクラッチ34を介して同一の駆動モータ21の駆動力により(一例)、該駆動モータ21の軸方向に往復動するように設けられている。そこで、定量吐出装置X用の駆動源21について説明する。
【0045】
(8)駆動源21
駆動源としての駆動モータ21は、左右一対の軸受け板24,25を介して上部水平板1aの下面側に横設されている。左側の軸受け板24は、出力軸22の基部側を支持すると共に、モータ取付け板の役割を果たしている。一方、右側の軸受け板25は出力軸22の突出端部を支持している。したがって、駆動モータ21の出力軸22は、安定状態に支持されている。駆動モータ21の出力軸22には、従動歯車14と噛合する駆動歯車23が固定されている。駆動歯車23は出力軸22と共働する。また、出力軸22には、駆動歯車23に対して所要間隔を有して対向する伝動歯車(第2の駆動歯車)26が固定されている。したがって、伝動歯車26も出力軸22と共働する。
【0046】
そして、伝動歯車26には、駆動作動杆20に形成した螺杆部分20aに螺合する筒状螺合体(第2の従動歯車)27が噛合する。したがって、筒状螺合体27が駆動モータ21の駆動力により正転方向・逆転方向にそれぞれ回転すると、押し出し作動体18は、駆動作動杆20を介して内筒体11内を往復動する。
【0047】
前記筒状螺合体27は、上部水平板1aの上面に所定間隔を有して固定された第2支持板17bと取付け枠1cにサンドイッチ状に支持されている。筒状螺合体27は、所定位置にて安定状態に回転する。
【0048】
(9)押し出し作動体用の検出手段S2
押し出し作動体18用の検出手段S2は、押し出し作動体18の原点(始動)位置、押し出し作動体の前進端位置等を検出するためにケース状の取付け枠1cに複数個配設されている。検出手段S2の一例としてはリミットスイッチが用いられている。なお、検出手段S2用のインデックス或いは磁石38は、駆動作動杆20の係合部20bを介して設けられている。
【0049】
(10)クラッチ機構Y
ところで、駆動歯車23及び伝動歯車26の対向面には、被係合部(小孔、小溝など)23a,26aが複数個形成されている。被係合部23a,26aにはクラッチ機構Yを構成するクラッチ34が係脱する。
【0050】
一つのクラッチ機構Yの構成部材を説明する。31は下部水平板1bの上面に横設されたクラッチ用駆動手段(例えばソレノイド)である。32はソレノイド31の作動杆、33は作動杆32の先端部に直交状態に固定された上向きの係合腕である。
【0051】
34は駆動モータ21の出力軸22に軸方向にスライド自在に設けられ、かつ、駆動歯車23又は伝動歯車26に選択的に結合するクラッチである。本実施例のクラッチ34は、段面視、外観形状がH型形状に見えるブロック体であり、一方の垂直板には、駆動歯車23の被係合部23aと係脱する複数個の係合ピンが設けられている。
【0052】
一方、他方の垂直板には、伝動歯車26の被係合部26aと係脱する複数個の係合ピンが設けられている。前述した係合腕33の上端部は、垂直板35,垂直板36の間に位置する。
【0053】
したがって、ソレノイド31の作動杆32が伸長した場合には、クラッチ34は駆動モータ21に接近する方向へスライドし、左側の垂直板35が駆動歯車23に結合する。一方、ソレノイド31の作動杆32が収縮した場合には、クラッチ34は駆動モータ21から離れる方向へスライドし、右側の垂直板36が伝動歯車26に結合する。それ故に、クラッチ機構Yを介して一つの駆動モータ21の駆動力により弁部材Vの内筒体11を回転することが出来ると共に、内筒体11に組み込んだ押し出し作動体18を往復動させることができる。
【0054】
(11)定量吐出装置の作用
今仮に、図示しない操作手段(始動スイッチ)を操作すると、例えばソレノイド31の作動杆32が収縮する。作動杆32が右方向へ移動すると、クラッチ34も同方向にスライドして伝動歯車26と結合する。
【0055】
そこで、駆動モータ21が起動(正転)すると、押し出し作動体18は、伝動歯車26と噛合する筒状螺合体27を介して所定位置(吐出量の設定値)まで後退し、この時、押し出し作動体18用検出手段S2の一つが押し出し作動体の後退位置を検出する。押し出し作動体18が後退すると、該押し出し作動体18が所定位置で停止することから、内筒体内に所定量の粉状物或いは固形物bが落下する。
【0056】
次に、ソレノイド31の作動杆32が伸長すると、クラッチ34も同方向に出力軸22をスライドして駆動歯車23に結合する。この時、クラッチ34の垂直板35の係合ピン35aが駆動歯車23の被係合部23aに係合する。
【0057】
そこで、駆動モータ21が起動すると、内筒体11は、駆動歯車23と噛合する従動歯車14を介して所定量(例えば180度)回転する。この時、押し出し作動体18は内筒体11と一緒に共働回転する。押し出し作動体18の後端部の係合部分19aは、連結支持具41の凹所状の被係合部46に係合していることから、押し出し作動体18は安定した状態で内筒体11と共に回動する。内筒体11の回転位置は、検出手段S1によって検出される。内筒体11が所定量回転すると、一つの内弁開口12は下方へ移行して外筒体2の吐出口6に連通する(図18参照)。
【0058】
したがって、内筒体11内の粉状物あるいは固形物bは吐出口6から落下し始める。この時、ソレノイド31の作動杆32が復帰(収縮)すると共に、駆動モータ21が逆転方向へ回転可能となる。したがって、押し出し作動体18は、伝動歯車26の伝動力により、所定位置まで前進する。これにより、押し出し作動体18のピストン本体18aにより、内筒体11内の粉状物あるいは固形物bは全て押し出される(図17参照)。しかる後に、ソレノイド31の作動杆32が伸長する。そうすると、駆動モータ21の駆動力は駆動歯車23に伝わるので、内筒体11は再び所定量回転する。
【0059】
以上のように、内筒体(内弁)11は、駆動源21の駆動力により回転すると共に、ホッパー5から外弁開口3を介して所定量の粉状物あるいは固形物bを内部に取り込み、かつ、吐出口6を介して外部に吐出する。一方、押し出し作動体18は、クラッチ機構Y並びに作動杆の係脱構造Zを介して、かつ、前記駆動源21の駆動力により軸方向に往復動する。次に、作動杆の係脱構造Zについて説明する。
【0060】
(12)作動杆の係脱構造Z
図14を参照にして定量吐出装置の作動杆の係脱構造(以下、「係脱構造Z」という)を説明する。本発明の係脱構造Zは、簡単に指摘すると、固定側部材1から取り外し可能な弁部材Vの従動作動杆19と、固定側部材1に一体的に配設された駆動源21側の駆動作動杆20との連結構造である。本実施例では、弁部材Vそのものを固定側部材1から取り外すことができるように固定側部材1の駆動作動杆20に連結する。弁部材Vそのものを駆動作動杆20に連結し、及び駆動作動杆20から取り外す理由は、弁部材Vを構成する部材の分解が楽だからである。したがって、構成部材の洗浄ができる。
【0061】
連結支持具41は、バネ部材43で常時所定方向に付勢された状態で前記駆動作動杆20に「片手式」に軸支されている。連結支持具41の具体的構成は、上端部に横軸42用の左右一対の軸孔44aを有する左右の取付け用枢支板部44と、これらの枢支板部44の先端部に連設する円形状の垂直板部45と、該垂直板部45の前面下端部に突出状態に連設する受け皿状の係止部46とから成る。そして、金属製又は硬質樹脂製の連結支持具41の各部位の構成部分について付言すると、前記垂直状態の左右の枢支板部44は、駆動作動杆20の先端部の左右の側壁にそれぞれ適合するように所要の大きさや形状に形成され、また、前記垂直板部45は、従動作動杆19の垂直先端面に対して十分な押圧機能を発揮することができるように垂直な押圧面45aを有し、また、前記係止部46の上面には、従動作動杆19の球台形状、すい台形状等の台形状に形成された係合部分19aが係脱する係合凹所46aが形成され、さらに、前記係合凹所46aの先端部には、連結時、前記係合部分19aに摺接するテーパー46bが形成されている。加えて、図15で示すように、前記垂直板部45の内面下端部には、突起状のバネ支持部47が設けられている。また、垂直板部45の内面は、駆動作動杆18の先端面上部に当接している。
【0062】
付言すると、連結支持具41を枢支する横軸42は、取付け用枢支板部の上端部に位置し、一方、連結支持具41を水平状態の位置へ付勢するバネ部材43は、連結支持具の下部側に位置している。そして、前記バネ部材43は、一端部は連結支持具41のバネ支持部47に支持され、他端部は駆動作動杆20の先端の下面に突設したバネ端支持部20cに取付けられている。
【0063】
上記構成に於いて、弁部材Vの連結時、該弁部材Vを連結支持具41の係止部46のテーパー46bに対して押し込むと、連結支持具41は弁部材Vの従動作動杆19の係合部分19aのテーパーに押圧され、横軸42を支点に係止部46が下がる方向へと回転する。そして、前記従動作動杆19の係合部分19aが連結支持具41のテーパー46bを滑り超えると、連結支持具41はバネ部材43のバネ力により復帰する。その結果、弁部材Vの係合部分19aは、自動的に連結支持具41の皿状係止部46に自動的に係止される。一方、弁部材Vを取り外す時、例えば弁部材Vの先端部を持ち上げると、連結支持具41の垂直板部45の上端部は、駆動作動杆20の先端面上部に支持されていることから、或いは係止部46が皿状に形成されていることから、簡単に弁部材Vと連結支持具41の係合関係を解消させることができる。なお、図1に於いて、cはコップ類である。
【実施例】
【0064】
図10に於いて、ピストン本体(摺動部分)18aは中空であるが、発明としては、ピストン本体の中は中空、中実のいずれであっても良い。また、断面コ字形状の包囲シール62は、その一例として、デュポン社のポリマー製品に採用されているテフロン(登録商標)を用いている。また、本実施例の押し出し作動体18のピストン本体18aは、その先端面に肉厚状の嵌合部52を有し、一方、内筒体11の内周壁の先端部側に前記嵌合部52の形状に対応する断面凹所状の被嵌合部51が設けられているが、請求項1に於いて、嵌合部52及び被嵌合部51は発明の本質的事項ではない。付言すると、請求項1に記載の発明は、特許文献1、特許文献2等の定量吐出装置にも適用することができる。
【0065】
また、図3を参照にすると、内弁開口12は、円形状の外弁開口3に対して長孔状に形成されている。付言すると、内筒体11の周壁の一部に形成された内弁開口12は、内筒体11の先端部側に長手方向に長孔状に形成されている。このように内弁開口12が長孔状に形成された場合には、被嵌合部51の大きさや形状も、当然、内弁開口12の大きさや形状に対応させる必要がある。
【0066】
また、本実施例では、内筒体11の内周壁の先端部側に断面凹所状の被嵌合部51を一体的に固定しているが、図15で示すように、被嵌合部51を内筒体11の内周壁に一体成形しても良い。さらに、被嵌合部51の形状は、粉状物や固形物の種類如何によって、例えば断面V字形状に形成することもできる。一方、押し出し作動体18の突出状の嵌合部52の形状も、粉状物や固形物の種類如何によって、単数又は複数本のアーム形状にすることもできる。
【0067】
次に、図20乃至図23は本発明の第2実施例を示す。この第2実施例が前記第1実施例と主に異なる点は、押し出し作動体18Aのリング状の押え具65Aの螺合する相手は、ピストン本体18aではなく、従動作動杆(ピストンロッド)19である。
【0068】
付言すると、従動作動杆(ピストンロッド)19の取付け部分に相当する根元部分にオネジ66を形成し、このオネジ66に螺合するメネジ67を中心部に有するリング状の押え具65Aを従動作動杆(ピストンロッド)19に設けた点が、第1実施例の押し出し作動体18と相違する。
【0069】
しかして、第2実施例では、押し出し作動体18Aのピストン本体18aの後端部に段差状の切欠部分63を周設し、該切欠部分に先端側が前記切欠部分を形成する垂直壁面63aに圧接し得る弾性リング61を内装する断面コ字形状の包囲シール62を嵌合し、一方、押し出し作動体18Aの従動作動杆(ピストンロッド)19の根元部分に形成したオネジ66に螺合するリング状の押え具65Aを該従動作動杆に設け、前記押え具65Aをねじ込むことによって前記包囲シール62の垂直後端面62aを該押え具の周端部前面68で押圧することにより、前記弾性リング61の弾性変形を利用して前記包囲シール62の周壁部62bの先端面をピストン本体18aの外周面より若干突出し得るように、該周壁部62bを傾斜状に外拡変位させた。
【0070】
このように第1実施例を設計変更しても、本発明の所期の目的及び効果を得ることができる。なお、リング状の押え具65Aの周端部前面68は、前方側に若干突壁状に周設されているが、該突壁は、断面コ字形状の包囲シール62の垂直後端面62aがピストン本体18aの後端面から所要量突出する場合には不要である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、主にポンプ業界で製造され、例えば液体、粉状物、固形物等を小分けしてお客に提供する食品等のサービス業の業界で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1乃至図18は本発明の第1実施例を示す各説明図。図19は内筒体11の他の実施例を示す説明図、図20乃至図23は本発明の第2実施例を示す各説明図。
【図1】定量吐出装置の概略断面説明図(例えば押し出し作動体が内筒体の前壁まで前進し、内筒体内の固形物が排出された状態)。
【図2】要部(内筒体内の押し出し作動体が原点位置まで後退した状態)の説明図
【図3】主要部の分解斜視図(内筒体の後端部は省略)。
【図4】図3の4−4線の概略断面図。
【図5】図3の5−5線の概略断面図。
【図6】図3の6−6線の概略断面図
【図7】図3の7−7線の概略断面図
【図8】内筒体の被嵌合部を示す斜視図。
【図9】図9(a)は押し出し作動体の正面図、図9(b)は押し出し作動体の右側面図。
【図10】本発明の特徴事項(押し出し作動体のシール構造)の概略断面説明図。
【図11】要部(シール部材)の分解斜視図。
【図12】図12(a)は、切欠部分にシール部材60を嵌め込んだ説明図。図12(b)は押え具65を螺合した説明図。
【図13】図13(a)、図13(b)は押え具65をねじ込んだ状態の説明図。
【図14】押し出し作動体と、内筒体の後端部と、内筒体内の連結支軸等の斜視図。
【図15】要部の概略説明図(正面図)。
【図16】要部の概略説明図(平面図)。
【図17】作用の概略断面説明図(特に、押し出し作動体の動きを示す)。
【図18】作用の概略断面説明図(特に、内筒体の回転状態を示す)。
【図19】図19(a)、図19(b)内筒体11の他の実施例を示す説明図。
【図20】第2実施例の押し出し作動体18Aの説明図(押え具65Aを締め付けた状態)。
【図21】押え具65Aの説明図。
【図22】押え具65Aを締め付ける前の概略説明図。
【図23】押え具65Aを締め付けた状態の要部を示す説明図。X…定量吐出装置、Y…クラッチ機構、1…固定側部材、V…弁部材、2…外筒体、3…外弁開口、5…ホッパー、6…吐出口、7…シール構造、8…内周支持面、b…、液体、粉状物、固形物等、11…内筒体、12…内弁開口、14…従動歯車、18,18A…押し出し作動体、18a…ピストン本体(摺動部分)、17a…支持部材、19…従動作動杆、19a…係合部分、20…駆動作動杆、20a…螺杆部分、20b…係合部、20c…バネ端支持部、21…駆動モータ、22…出力軸、23…駆動歯車、26…伝動歯車、27…筒状螺合体、31…駆動手段(ソレノイド)、34…クラッチ、37…回転防止台、41…連結支持具、42…横軸、43…バネ部材、51…被嵌合部、51a…開口部分、51b…非開口部分、52…嵌合部、53…開口部、60…弾性シール部材、61…弾性リング、62…包囲シール、62a…垂直後端面、62b…周壁部、63…切欠部分、63a…垂直壁面、64…オネジ、65,65A…押え具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁部材が、外弁としての外筒体と、この外筒体に回動自在に組み込まれた内弁としての内筒体と、この内筒体にピストン本体が組み込まれた押し出し作動体を備え、一方、駆動源側が、駆動源と該駆動源の力によりかつ支持部材に案内されて水平移動する駆動作動杆を備え、弁部材の従動作動杆と駆動源側の駆動作動杆との連結時、前記弁部材の後端部の係合部分が前記駆動作動杆に取付けた連結支持具に係脱する作動杆の係脱構造とを備え、前記内筒体が前記駆動源の駆動力により回動すること及び前記弁部材の押し出し作動体を駆動作動杆から取り外すことができることを前提とする弁部材による定量吐出装置に於いて、前記押し出し作動体のピストン本体の後端部に段差状の切欠部分を周設すると共に、該切欠部分の後端面にオネジを形成し、該切欠部分に先端側が前記切欠部分を形成する垂直壁面に圧接し得る弾性リングを内装する断面コ字形状の包囲シールを嵌合し、さらに、該包囲シールの垂直後端面を前記オネジに螺合するリング状の押え具でねじ込み、前記弾性リングの弾性変形を利用して前記包囲シールの周壁部の先端面をピストン本体の外周面より若干突出し得るように該周壁部を傾斜状に外拡変位させたことを特徴とする弁部材による定量吐出装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、ピストン本体18aの先端面に内筒体の内周壁に設けた被嵌合部と嵌合する嵌合部52を突出形成し、該嵌合部52の下端面は、前記ピストン本体18aの下端面よりも半径方向の内側に位置していることを特徴とする弁部材による定量吐出装置。
【請求項3】
弁部材が、外弁としての外筒体と、この外筒体に回動自在に組み込まれた内弁としての内筒体と、この内筒体にピストン本体が組み込まれた押し出し作動体を備え、一方、駆動源側が、駆動源と該駆動源の力によりかつ支持部材に案内されて水平移動する駆動作動杆を備え、弁部材の従動作動杆と駆動源側の駆動作動杆との連結時、前記弁部材の後端部の係合部分が前記駆動作動杆に取付けた連結支持具に係脱する作動杆の係脱構造とを備え、前記内筒体が前記駆動源の駆動力により回動すること及び前記弁部材の押し出し作動体を駆動作動杆から取り外すことができることを前提とする弁部材による定量吐出装置に於いて、前記押し出し作動体のピストン本体の後端部に段差状の切欠部分を周設し、該切欠部分に先端側が前記切欠部分を形成する垂直壁面に圧接し得る弾性リングを内装する断面コ字形状の包囲シールを嵌合し、一方、押し出し作動体の従動作動杆(ピストンロッド)の根元部分に形成したオネジに螺合するリング状の押え具を該従動作動杆に設け、前記押え具をねじ込むことによって前記包囲シールの垂直後端面を該押え具の周端部前面で押圧することにより、前記弾性リングの弾性変形を利用して前記包囲シールの周壁部の先端面をピストン本体の外周面より若干突出し得るように該周壁部を傾斜状に外拡変位させたことを特徴とする弁部材による定量吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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