説明

引き上げ式カーテン装置

【課題】コンパクトに梱包できて梱包コスト及び輸送コストの低減を期し得ると共に窓部の幅の違いに容易に応ずることができ、しかも、出窓に対しても適用容易な引き上げ式カーテン装置を提供する。
【解決手段】カーテン2の上縁部分3の左右端側にのみ板状の張設支持片11,11を取着する。一方の張設支持片11aにロック具16を設けると共に、左右の張設支持片11,11に、カーテンレール10に掛着し得る第1の取付片13を設ける。上縁部分3の中間には、カーテンレール10に掛着し得る第2の取付片100を設ける。カーテン2を昇降させるための昇降コード15の複数本がカーテン2に設けられており、各昇降コード6がロック具16のコード案内路に挿通されている。コード案内路を通った昇降コード15を下方に引くことによりカーテン2が引き上げられ、所要の引き上げ状態で、各昇降コード15はロック具16によりロックされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる引き上げ式カーテン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げ可能に構成された従来の引き上げ式カーテン装置aは、図38〜39に示すように、付設されるべき窓部の横幅に略等しい長さに設定した直棒状の一本ものの支持バーbを、窓開口部の上縁に沿ってブラケットを介して取り付け、該支持バーbの室内側の面部に、面状ファスナc,cを介してカーテンdの上縁部分eを固定し、該カーテンdを吊下状態にすると共に、該支持バーbの一端にロック具fを固定してなるものであった。
【0003】
そして該支持バーbには、図39に示すようにその長さ方向に沿って、ロック具fの固定側から支持バーの反対側に向けて所要間隔で案内リングgを設けると共に、該案内リングgの数に相当する本数の昇降コードhの束jを前記ロック具fに通し、その束jを構成する昇降コードhを、前記案内リングg毎に垂らし、該垂らした昇降コードhを、カーテンdの裏面において上下方向に所要間隔で設けたコード挿通部kに順次挿通せしめ、該昇降コードhの下端をカーテンdの下端寄り部位に固定状態としてなるものであった。
【0004】
そして、前記ロック具fに挿通した昇降コードの束jを下方に引くことにより、前記カーテンdを、図38に示すように、ひだ状部分nが積み重なる状態に引き上げ可能となされており、所要の引き上げ状態で、昇降コードhが前記ロック具fの係止作用によってロックされ、カーテンdがその引き上げ状態で固定されるように構成されていた。
【0005】
しかしながら、かかる構成の引き上げ式カーテン装置aによるときは、これを付設しようとする窓部の幅が一定していないために、窓部の幅に応じて、それに見合う長さの支持バーをオーダーメイドで製作せざるを得なかった。かかることから、その支持バーの製造コストが高くつく問題があった。又、前記直線状の支持バーbは、窓部の横幅に略等しい長さに設定されることから、その長さが180cm程度の長いものになることもある。このような長さの長い支持バーを部品として具える引き上げ式カーテン装置にあっては、各部品を包装箱に収容し梱包して出荷する際、前記長い支持バーの全体を収容できるように長さの大なる包装箱を要したため、梱包コストや輸送コストの上昇を招く問題があった。又販売店においては、その陳列のために広い売場スペースを要する不経済があった。
【0006】
そこで本発明者は特開2003−310422号公報において、カーテンの上縁部分を着脱可能に支持でき、且つカーテンレールに着脱可能で、該カーテンレールの長さに合わせて伸縮可能な伸縮式の支持バーを具えた引き上げ式カーテン装置を提案した。
該引き上げ式カーテン装置によるときは、同一の支持バーによって窓部の幅の違いに容易に応ずることができると共に、支持バーの短縮によって梱包状態を小さくできることから梱包コストや輸送コストの低減を期し得る利点があった。又、販売店においては陳列スペースを削減できる経済性があった。
【0007】
しかしながら該引き上げ式カーテン装置は、支持バーを短縮できるとはいっても、支持バーの強度面や伸縮の構造面から該支持バーの最小短縮長さに限界があり、合理的な範囲としては1/2程度まであった。従って、例えば180cm程度の長い支持バーであれば、合理的には90cm〜100cm程度の短縮長さにできるのが精々であり、極端に短縮することには無理があって前記と同様の問題を招来した。
【0008】
又、カーテンの上縁部分の全長に亘って支持バーが配置されることから、該引き上げ式カーテン装置を出窓に適用せんとする場合は、出窓の上端の外縁に沿って屈曲状態(台形状や円弧状等の屈曲状態)に固定されたカーテンレールの該屈曲状態に合わせて支持バーを個別に屈曲させなければならなかった。かかることから、前記引き上げ式カーテン装置は、出窓に対しては適用が困難であった。
【特許文献1】特開2003−310422号公報(2−5頁、図1、図18)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、窓部の幅の違いに容易に応ずることができるのはもとより、コンパクトに梱包できて梱包コストの低減及び輸送コストの低減を期し得ると共に、出窓に対しても適用容易な引き上げ式カーテン装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る引き上げ式カーテン装置は、カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片にはロック具が設けられ、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられている。又、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが、該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とするものである。
【0011】
又、本発明に係る引き上げ式カーテン装置のより具体的な態様は、カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が分離可能に取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片には、ロック具を着脱可能に保持するホルダーが固定されており、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられている。又、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが、該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とするものである。
【0012】
又、本発明に係る引き上げ式カーテン装置のより具体的な他の態様は、カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が分離可能に取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片には、ロック具を着脱可能に保持するホルダーが固定されており、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられている。又、前記カーテンの上縁部分の左右端側には、向き合う方向に開口する収容袋部が設けられ、該収容袋部の袋底部は、前記上縁部分の端部に沿わせて上下に長く形成され、該両収容袋部に前記張設支持片の外側部分が挿入されており、該張設支持片は、上下に長い張設支持片外端が上下に長い前記袋底部に当接した状態で、前記上縁部分に面状ファスナを介して分離可能に取着されている。そして、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とするものである。
【0013】
前記した各引き上げ式カーテン装置において、前記第2の取付片を、前記案内部の近傍部位において前記上縁部分に設けるのがよい。
【0014】
又、前記した各引き上げ式カーテン装置において、前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片を、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片とするのがよい。
【0015】
カーテンの上縁部分に収容袋部が設けられた前記引き上げ式カーテン装置において、前記収容袋部は、前記カーテンを構成するカーテン基材の上側部分の左右端において外方に突設された折返し片を内側に折り返すと共に該折返し片の上下を被折返し部に固着することによって形成するのがよい。
【0016】
カーテンの上縁部分に収容袋部が設けられた前記引き上げ式カーテン装置において、前記カーテンの上縁部分に、該上縁部分の長さ方向に係止孔が並設されてなる掛止テープを、その両端部分がカーテン基材の上側部分の左右端から外方に突出するように固定すると共に、該突設された折り返し片を内側に折り返し、該折り返し片の上下を被折り返し部に固着することによって前記収容袋部を形成し、又、前記係止孔に前記案内部を掛着するのがよい。
【0017】
カーテンの上縁部分に収容袋部が設けられた前記引き上げ式カーテン装置において、前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片を、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片として構成し、且つ、該フック状掛着片を、前記張設支持片の前記収容袋部から突出した部分の左右に所要間隔を置いて設けるのがよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係るカーテン装置は、カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、第1の取付片によりカーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が取着され、又、該上縁部分の、左右の張設支持片間の中間部分に、カーテンレールに取り付けられる第2の取付片が設けられた構成を採用している。かかることから、両張設支持片に逆向きの押圧力を加えて前記上縁部分を長さ方向で張った状態(張設状態)にでき、この状態を保持できる。従って本発明によるときは、従来のような、上縁部分の全長に亘る長い支持バー(一本ものや伸縮式の支持バー)を用いなくても、ひだ状部分が見栄えよく積み重なる状態に引き上げられる引き上げ式カーテン装置を構成できることとなる。
【0019】
このように本発明に係るカーテン装置は、カーテンの上縁部分の全長に亘る一本ものの支持バーを必要とすることなくカーテンの上縁部分の左右端側にのみ、短い長さの張設支持片を取着して構成できることから、該カーテンを、張設支持片間の部分において自由に折り畳むことができる。従って、張設支持片が取着されたカーテンをコンパクトに梱包できる。或いは、前記張設支持片がカーテンと分離した状態で、該張設支持片を、折り畳んだカーテンとセットにして梱包する場合も、同様にして全体をコンパクトに梱包できる。又、前記した特開2003−310422号公報が開示する伸縮式の支持バーを具えるカーテン装置と対比した場合も、該張設支持片の長さを、最小縮小状態の支持バーの長さよりも短く設定できるため、前記と同様のコンパクトな梱包が可能となる。
【0020】
このように本発明によるときは、カーテン装置を構成するカーテンや張設支持片等の部品をコンパクトに梱包(例えば、全体を60cm程度以下の短い長さに梱包)して出荷できるため、梱包コストの低減と輸送コストの低減を達成できると共に、梱包状態がコンパクトであるために取り扱い性も向上する。又、販売店における陳列スペースの削減を達成できる経済性もある。
【0021】
(2) 又本発明に係るカーテン装置は、前記張設支持片を板状に形成するため、該板状の張設支持片に逆向きの押圧力を加えて前記上縁部分を張った状態とする(張設する)際、該上縁部分に加わる荷重を該張設支持片の面積で分散させ得る。かかることから、該上縁部分に局部的に荷重が集中するのを防止できて安定した張設作用が得られると共に、該上縁部分が損傷したり該上縁部分が不自然に変形してカーテンの見栄えが悪くなる等の問題を発生させることもない。
【0022】
(3) 本発明に係るカーテン装置は、カーテンの左右端側にのみ張設支持片を設ける構成を採用するため、該上縁部分の張設支持片間の部分は屈曲自在である。かかることから本発明は、直線状のカーテンレールを具える窓部等に適用できるのは元より、屈曲したカーテンレールが設けられた出窓等に対しても適用容易である。
【0023】
(4) 第2の取付片を前記案内部の近傍部位において前記上縁部分に設けることにより、昇降コードを介して前記案内部に加わる吊下荷重が、該第2の取付片を介して前記カーテンレールに安定的に支持されることとなって好ましい。
【0024】
(5) 特に、カーテンの上縁部分の左右端側に、向き合う方向に開口する収容袋部を設け、該収容袋部に前記張設支持片の外側部分を挿入させる構成を採用した場合は、カーテンの上縁部分を張った状態でカーテンレールに取り付ける際、該外側部分が収容袋部に安定的に拘束される。且つ、該張設支持片の上下に長い外端が前記収容袋部の上下に長い袋底部に当接した状態で、両張設支持片が前記上縁部分を逆向きに押圧できることになる。かかることからカーテンの上縁部分を、無理に変形させることなく確実に張設させ得る。
【0025】
(6) 前記収容袋部を形成するに際し、前記カーテンを構成するカーテン基材の上側部分に、外方に延長するように折り返し片を設け、該折り返し片を内側に折り返すと共に、該折り返し片の上下を被折り返し部に縫製等の手段によって固着する場合は、前記収容袋部を容易に形成できる利点がある。この場合、カーテン基材の上縁部分に掛止テープをその両端部分がカーテン基材の上側部分の左右端から外方に突出するように固定するときは、該折り返し片を内側に折り返すと共に該折り返し片を被折り返し部に適宜固着することによって収容袋部を形成できる。かかることから、カーテン基材そのものに一連に折り返し片を設ける必要がなくなりカーテン基材の製作がより容易となる。
【0026】
(7) カーテンの上縁部分の左右端側に収容袋部を設ける場合において、前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片を、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片として構成し、且つ、該フック状掛着片を、前記張設支持片の前記収容袋部から突出した部分の左右に所要間隔を置いて設ける構成を採用した場合は、第1の取付片を簡易に構成できると共に、該張設支持片をカーテンの上縁部分に面状ファスナを介して取着するときも、該取着部分に無理な荷重を作用させることなく、張設支持片の水平状態を確保してカーテンの上縁部分を無理なく張設できる利点がある。
【実施例1】
【0027】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜4において本発明に係る引き上げ式カーテン装置(以下カーテン装置という)1は、カーテン2の上縁部分3の左右端側(両端側)5,6に、向き合う方向に開口する収容袋部7,7が設けられており、カーテンレール10に着脱可能の板状の張設支持片11,11が、その外側部分12,12が該収容袋部7,7に挿入された状態で前記上縁部分3に分離可能に取着されている。そして該張設支持片11,11には、該カーテンレール10に着脱可能に取り付けられる第1の取付片13が設けられると共に、一方の張設支持片11aには、前記カーテン2に取り付けられた昇降コード15をロックさせるロック具16を着脱可能に保持するホルダー17が固定されている。
【0028】
前記カーテンレール10は、カーテンを吊下するために使用されている既製品であり、図示しないブラケットを介して、窓部の上縁に沿って取り付けられている。図2〜5はその一例を示すもので、対向した受片19,19を下端に有する軽量溝形鋼材を用いて構成されており、該対向する受片19,19で下方から支持された吊り具20がレール長さ方向に摺動できる。又、該カーテンレール10の左右端側には、掛着孔21が設けられた固定部材22,22が固定される。
【0029】
前記固定部材22は、例えば図5〜6に示すように、水平片23の一側縁に、長さ方向の中央部分に切欠部25が設けられた垂直片26を折曲形成してなるL字状部材27を具えている。なお該切欠部25は無くてもよい。そして該垂直片26の、前記切欠部25の両側部分の左右に、2個の掛着孔21a,21b、21c,21dが設けられている。又、前記水平片23の左右端側にはネジ孔29,29(図6〜7)が設けられると共に各ネジ孔29に、その下側から固定ネジ30が挿通され、前記水平片23の上面で突出したネジ軸部31が、例えば矩形板状を呈する固定片32の中央部に設けたネジ孔33(図6〜7)に螺合され、該固定片32と前記水平片23との間にバネ部材35、例えばコイルバネ35aが稍圧縮状態で介装されている。これにより、該固定片32が前記水平片23から浮き上がっている。なお該バネ部材35の最小圧縮状態の厚さは、前記受片19の厚さに等しいか、それ以下に設定されている。
【0030】
かかる構成の固定部材22は、カーテンレール10の左右端側に固定されるのであるが、その際、前記固定片32,32を、図7(A)に示すように、前記水平片23の長さ方向(左右方向)に向きを揃えた状態でカーテンレール10の内部25に挿入し、その後、図7(B)に示すように、両固定片32,32の向きを前後方向に変える。前記のように、固定片32が前記水平片23から浮き上がっているため、固定片32,32と水平片23との間に前記前後の受片19,19を介在させるのが容易である。
【0031】
前記のように両固定片32,32の向きを変えた状態で前記固定ネジ30を締め付けると、図7(C)に示すように、水平片23と固定片32との間で前記受片19,19が挾持状態となり、固定部材22がカーテンレール10に固定されることとなる。この状態で、圧縮状態の前記バネ部材35は前後の受片19,19間の空間34に納まる。
【0032】
前記カーテン2は、左右幅が例えば180cm程度である矩形シート状のカーテン基材36を用いて構成されており、図8に示すように、該カーテン基材36の上側部分37の後面39に、90mm程度の上下幅を有する係止テープ40が重ね合わせられ且つ上下の縁部分38,38で縫着され、該係止テープ40の両端部分は、前記カーテン基材36の左右両端41,42から40mm程度突出する折り返し片43,43とされている。該折り返し片43,43は図9に示すように、内側に折り曲げられると共に、その上の縁部分45と中央部分46と下の縁部分47が被折り返し部(カーテンの上縁部分)49(図8)に例えば縫製により固着され、中央縫製部分50と下縁縫製部分51との間に前記収容袋部7が形成されている。該収容袋部7の開口部52の上下長さは例えば46mm程度に設定され、該収容袋部7の深さ(上縁部分3の長さ方向で見た深さ)は37mm程度に設定されている。
【0033】
又前記係止テープ40の下縁部分53には、図9に示すように、その長さ方向に、6mm程度の間隔で係止孔55が並設されている。そして前記上縁部分3の後面55の、長さ方向の左右端側及び中間部分に、図1、図3〜4、図10に示すように、前記昇降コード15を横方向で案内する案内部56が設けられている。該案内部56は、例えば、前記昇降コード15を横方向で挿通させるリング状案内具56aを以って構成されており、そのフック部57が前記係止孔55の内の所要のものに引っ掛けられることによって、前記上縁部分3に前記案内部56が設けられている。なお、隣り合う案内部56,56間の間隔は略等しく設定されている。本実施例においては、該案内部56の個数は7個に設定され、隣り合う案内部56,56間の間隔は27cm程度に設定されている。なお、前記一方の張設支持片11a側に存する案内部56aは、図3に示すように、後述のホルダー17に近接させて設けられている。
【0034】
又前記カーテン基材36の下端部分は、図11に示すように、後側に例えば50mm程度の幅で折り曲げられ且つ折り曲げ片59の左右の側部分60,61及び上の縁部分62が縫製されることにより、図1に示すように、ウエイトバー63の収容部65が形成されている。なお該上の縁部分62の一方の端部側は縫製されておらず、該ウエイトバー63の出し入れ口64とされている。該ウエイトバー63は、本実施例においては図12に示すように、55cm弱の長さを有する分割バー67,67,67が筒状連結具68,68を介して直線状に連結され、全長が170cm程度に設定されており、前記出し入れ口64を通して前記収容部65内に納められ、該ウエイトバー63はカーテン下部のウエイトとなっている。
【0035】
そして図13〜14に示すように、該収容袋部7内の前記被折り曲げ部49の後面66及び、前記上縁部分3の後面67の、該収容袋部7の開口部52から稍離れた部位に第1の面状ファスナ69が固定されている。前記後面67に固定された面状ファスナ69aの固定位置は、例えば、その内側の縁70が、前記収容袋部7の開口部52から120mm程度離れた部位に設定される。
【0036】
又前記張設支持片11は、本実施例においては、カーテンの上縁部分3の長さ方向に長い矩形板状に形成されており、長さが130〜150mm程度、例えば135mm程度で、且つ幅が30mm程度の矩形板状に形成されている。そして図3〜4、図15に示すように、該張設支持片11の外側部分12が前記収容袋部7内に挿入され、該張設支持片11の上下に長い張設支持片外端71が、前記収容袋部7の上下に長い袋底部72に当接状態とされる。又、該張設支持片11の前面73の両端側には図13に示すように第2の面状ファスナ75が固定されており、かかる構成の張設支持片11は、その外側部分12が前記収容袋部7,7内に挿入された状態で、前記第1、第2の面状ファスナ69,75、69,75の係合によって、カーテン2の上縁部分3に分離可能に取着されている。
【0037】
又、各張設支持片11,11の上の縁部分には、本実施例においては図13〜14,図16に示すように、前記収容袋部7に外側部分12が収容された状態で、該収容袋部7の開口部52寄り部位と、それよりも40mm程度内方に位置した部位の2箇所に、取付孔76,76が設けられ、各取付孔76,76に、例えばフック状掛着片としての前記第1の取付片13,13が取着されている。該第1の取付片13,13は、前記固定部材22の垂直片26に設けられた前記掛着孔21に着脱可能に掛着し得るものであり、その際、図5に示す、前記切欠部25を挟んで外側に位置する2個の掛着孔21a,21c、又は、内側に位置する2個の掛着孔21b,21dが選択される。
【0038】
又前記ホルダー17は、図16に示すように、前記一方の張設支持片11aを挿通させ得る上下に長い矩形状挿通孔80が設けられてなる矩形板状の固定筒部81の下端に、対向状態の前後の垂下片82,82を具える矩形筒状の保持筒部83が設けられている。そして、前記固定筒部81の後面85の略中央にはねじ込み筒部86が突設され該ねじ込み筒部86にビス87がねじ込み可能となされている。
【0039】
かかる構成を有するホルダー17を前記張設支持片11aに固定する要領は、該張設支持片11aを図16に矢印で示す方向に前記矩形状挿通孔80に挿通させ、該ホルダー17を前記開口部52側に位置せしめ、その後図17に示すように、前記ねじ込み筒部86に前記ビス87をねじ込み、該ビス87の先端89を前記張設支持片11aに押圧状態として行う。
【0040】
そして前記ロック具16は図3に示すように、前記保持筒部83内に、着脱可能に弾性圧入状態で挿入せしめられ、該挿入された状態で前記ホルダー17に保持される。
【0041】
又前記カーテン2の後面90には、図2〜4に示すように、前記した夫々の案内部56の下側に位置させて、上下所要間隔でリング状のコード挿通部91が設けられている。前記昇降コード15は、図1〜2に示すように、夫々の案内部56に対応させて設けられており、該案内部56を挿通して下方に延び、上下方向に並設された各コード挿通部91に挿通せしめられると共に、その下端部92がカーテンの所要部位(本実施の形態においては下端近傍部位)93に固定状態とされる。この固定は、例えば結着手段や引掛け手段、昇降コードの下端に設けた突部をカーテンに設けた挿通部の下縁と係合させる係合手段等の適宜手段により行われる。そして各昇降コード15は、前記案内部56を挿通して前記ホルダー17側に延長せしめられ、7本の昇降コード15が、図3、図18に示すように、前記ホルダー17に保持されているロック具16のコード案内路95に挿通せしめられている。
【0042】
該ロック具16は、図18に示すように、前記コード案内路95にロックローラ96が納設されている。該ロックローラ96は、図18に矢印で示す斜め方向で上下動可能であり、上方向に移動するにつれ、該ロックローラ96とコード案内路95の外側の壁面97との間の距離が小さくなるように構成されている。そして前記7本の昇降コード15は、これを図18に矢印で示すように内側に傾けたとき前記ロックローラ96の周面99に接触可能となるように、前記コード案内路95に下向きに挿通せしめられている。
【0043】
かかる構成のカーテン2は、図1〜2に示すようにカーテンレール10に吊下状態とされるのであるが、その際、図1〜2、図3〜4、図15に示すように、カーテン2の上縁部分3の左右端側5,6を、前記張設支持片11,11を介して、前記カーテンレール10に固定された前記固定部材22,22に前記第1の取付片13により掛着状態に取り付ける。併せて、該左右の張設支持片11,11間の中間部分98において前記案内部56の近傍部位に取り付けられた、例えばフック状掛着片としての第2の取付片100の夫々を、前記吊り具20の掛着孔101に掛着状態に取り付ける。そしてこの状態で、該上縁部分3をその長さ方向に張った状態(張設状態)とする。なお該第2の取付片100は、例えば図3に示すように、縫着された前記係止テープ40を前後から弾性的に挾持し得るU字状挾持部102の後側の片103の上端に、前記吊り具20に着脱可能に掛着し得る係合片105を下方に屈曲した構成を有している。
【0044】
然して、前記コード案内路95を通った7本の昇降コード15を下方に引くと、前記カーテン2が、図19に示すように、ひだ状部分106が積み重なる状態で引き上げられていく。本実施例においては、前記のように、第2の取付片100を前記案内部56の近傍部位において前記上縁部分3に取り付けているため、ひだ状部分106が引き上げられる際、昇降コード15を介して前記案内部56に加わる吊下荷重が、該第2の取付片100を介して前記カーテンレール10に安定的に支持されることとなる。
【0045】
そして、所要の引き上げ状態で前記ロック具16をロック状態に作動させる。この作動は、前記昇降コード15の束107を、図18に矢印で示すように内側にしゃくるように傾けて前記ロックローラ96の周面99に接触させて行う。引き上げたカーテンが自重で下降しようとすることに伴う前記昇降コード15の戻り作用により、前記ロックローラ96が図20に示すように上昇し、その結果、各昇降コード15が該ロックローラ96とコード案内路95の外側の壁面97との間で挾持された状態となる。これにより昇降コード15がロックされ、従ってカーテン2の所要の引き上げ状態が保持されることになるのである。
【0046】
又前記とは逆に、前記昇降コードの束107を、図20に矢印で示すように外側にしゃくるように傾けることにより、該昇降コード15と前記ロックローラ96との接触が解除されて該ロックローラ96が図18に示すように下に落ちる。これにより前記挾持状態が解除されるため、カーテン2を下ろすことができる。
【0047】
前記カーテン装置1を組み立てるために必要な前記張設支持片11,11は、カーテン2の上縁部分3の全長に亘る長さのものではなく該上縁部分3の左右端側にのみ取着される短い長さのものであるため(本実施例においては135mm程度)、カーテンや張設支持片等の部品をセットにして梱包するための包装箱の長さは、これらを収容できる短い長さのものでよい。かかることから、カーテンの上縁部分の全長に亘る従来の長い支持バーを梱包する場合に比し、包装箱の長さを極端に短く設定できる。又、従来の伸縮式の支持バーを梱包する場合と比べても、包装箱の長さをより短く設定できる。前記カーテンの下縁部分にウエイトバー63が装着される場合、該ウエイトバーを分割バーの連結体として構成しても何ら不具合がないため、包装箱の長さをより短く設定できることは、該分割バーも含めて梱包するときも変わりがない。この梱包に際しては、前記昇降コード15をカーテン2に取り付けると共に前記左右の張設支持片11,11を前記のようにしてカーテンの上縁部分3に取着し、且つ前記ロック具16をホルダー79に保持させておくのがよい。
【0048】
このようにして梱包され販売されたカーテン装置の組立セットを用いてカーテン装置1を組み立てるには、先ず図5に示すように、前記固定部材22,22を、カーテンレール10の左右端側に、前記のように固定ネジ30を締め付けることによって固定する。その後、図15に示すように、何れか一方の張設支持片、例えば前記一方の張設支持片11aに取り付けられている前記第1の取付片13,13を、一方の固定部材22の掛着孔21,21に掛着する。又、前記各第2の取付片100を所要の吊り具20の掛着孔101に掛着する。そして、他方の張設支持片11bに取り付けられている前記第1の取付片13,13を、前記上縁部分3を張った状態にしながら他方の固定部材22の掛着孔21,21に掛着する。この掛着の際、前記上縁部分3が張った状態となるように、前記切欠部25を挟んで外側に位置する2個の掛着孔21a,21c、或いは、該切欠部25を挟んで内側に位置する2個の掛着孔21b,21dが適宜選択される(図5参照)。これにより、該上縁部分3の左右端側及び中間部分がカーテンレール10に吊下され、且つ該上縁部分3がその長さ方向に張られた状態(張設された状態)の前記カーテン装置1が構成されることとなる。
【0049】
このように上縁部分3を張った状態とする際、左右の張設支持片11,11の外側部分12,12が、前記収容袋部7,7に挿入されて該収容袋部7,7に拘束された状態にあることから、前記張設支持片外端71が前記袋底部72に安定的な線接触状態となり、カーテンの上縁部分3を無理に変形させることなく該袋底部72を外方に安定的に押圧できる。かかることから、該押圧時に前記張設支持片11,11が上縁部分3から剥離しにくく該上縁部分3を確実且つ容易に張設できる。
【0050】
特に本実施例においては、上縁部分3を張る際の荷重が張設支持片11の両側に設けられた2個の第1の取付片13,13で支持されるため、該上縁部分3のカーテンレール10に対する張設を、左右の張設支持片11,11の水平状態を保ちつつ行なうことができる。かかることから、張設支持片11,11が上縁部分3から一層剥離しにくい。
【0051】
前記カーテン2を洗濯するためにカーテン装置1を分解するには、前記第1の取付片13,13を前記固定部材22,22から取り外すと共に前記第2の取付片100を前記吊り具20から取り外し、左右の張設支持片11,11をカーテンレール10から分離した状態とする。
【0052】
その後、前記第1、第2の面状ファスナ69,75、69,75の係合解除によって前記一方の張設支持片11aをカーテン2の上縁部分3から分離させ、且つ、前記ロック具16を前記ホルダー17から取り外す。又、前記面状ファスナ69,75、69,75の係合解除によって前記他方の張設支持片11bを前記上縁部分3から分離させる。又、前記ウエイトバー63を前記出し入れ口64を通して収容部65から取り外す。
【0053】
このようにしてカーテンの上縁部分3を分離させ且つロック具16を取り外しても、7本の昇降コード15がカーテン2に所要配置状態で取り付いた状態にあり、且つ昇降コード15がロック具16に所要に通された状態にあってカーテン2とロック具16が昇降コードを介して連なっている。そのため、例えば、該カーテン2とロック具16と昇降コード15を洗濯袋に納めて、カーテンを容易に洗濯できる。
【0054】
洗濯後は、前記したと同様の作業工程を経ることによってカーテン装置1を容易に組み立てることができる。カーテン2とロック具16に昇降コード15が所要状態に取り付いているため、洗濯後にカーテン装置を組み立てる際、昇降コード15をカーテン2やロック具16に取り付け直さなければならないといった面倒さがない。
【0055】
図21は、カーテン2の左右幅を90cm程度に形成した場合のカーテン装置1を示すもので、昇降コード15の総本数が4本に設定されている。その他の構成は前記と同様であり、同一構成部分には同一の符号が付されている。
【0056】
図22〜23、図24〜26は、本発明に係るカーテン装置1が出窓109に適用された場合を示すものであり、カーテンレール10が屈曲状態で該出窓109の上端の外縁に沿って固定されている。該カーテンレール10は例えば台形状や円弧状等に屈曲している。図22〜23においては台形状に一連に屈曲しており、両側の屈曲部110,110の長さは350mm程度に設定されている。又、該カーテンレール10に吊下されるカーテン2は前記と同様の構成を有し、その上縁部分3の左右端側(両端側)5,6に、向き合う方向に開口する収容袋部7,7が設けられている。そして図24〜25に示すように、該カーテンレール10に着脱可能の張設支持片11,11が、その外側部分12,12が該収容袋部7,7に挿入された状態で、第1、第2の面状ファスナ69,75を介して上縁部分3に分離可能に取着されている。該張設支持片11,11の長さは、前記屈曲部110,110の長さよりも稍短い140mm程度に設定されている。又、該張設支持片11,11には前記と同様にして第1の取付片13が取り付けられると共に、前記上縁部分3の左右の張設支持片11,11間の中間部分98には、所要間隔で前記第2の取付片100が取り付けられている。
【0057】
かかる構成のカーテン2は、その上縁部分3が、前記カーテンレール10の屈曲状態に合わせた屈曲状態で配置され、該上縁部分3の左右端側(両端側)に取着された左右の張設支持片11,11が、図24〜25に示すように、該カーテンレール10の左右端側(両端側)に前記と同様にして固定された固定部材22,22の垂直片26に設けられた掛着孔21,21に、前記第1の取付片13,13、13,13を介して着脱可能に掛着される。又、該上縁部分3の中間部分98が、図26に示すように、前記カーテンレール10の吊り具20に前記第2の取付片100を介して掛着され、前記張設支持片外端71が、前記袋底部72を外方に線接触状態で押圧することにより、該上縁部分3がその長さ方向に張られたカーテン装置1が構成される。カーテン2の前記中間部分98には張設支持片が設けられていないため、該上縁部分3をカーテンレール10の屈曲状態に合わせて自由に屈曲させることができ、しかも該上縁部分3を張った状態(張設状態)にできるのである。そして、該カーテン2の下部に設けたウエイトバーの収容部65には、図22〜23に示すようにウエイトバー63が納められ、カーテン下部のウエイトとなっている。前記ウエイトバー63は、全体が一連に形成されてもよいのであるが、本実施例においては、カーテン2の屈曲部108で分離されている。ウエイトバーがこのように分離されていても、カーテン下部に均一状態にウエイトが掛かる。そして、ウエイトバー63をこのように分離することにより、前記収容部65へのウエイトバー63の挿入が容易となる。
【0058】
かかる構成を有する引き上げ式カーテン装置1も、そのカーテン2を、前記と同様にして、ひだ状部分が積み重なる状態で引き上げることができ、所要の引き上げ状態をロック具16により保持できる。
【実施例2】
【0059】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0060】
(1) 本発明に係る引き上げ式カーテン装置1において、前記カーテン2の上縁部分3の左右端側に、向き合う方向に開口する収容袋部7,7を設ける場合、該収容袋部7は、外方に突出されたカーテン基材36の突出部分及び、係止テープ40の外方突出部分としての折り返し片の双方を重ねて内側に折り返すと共に、該折り返された部分の上下を被折り返し部(カーテンの上縁部分)に縫製等の手段により固着することによっても形成できることの他、カーテン基材36の上側部分の左右端側に覆い片を重ね合わせると共に該覆い片の上下縁及び外縁を、該上縁部分に縫製等の手段により固着する等によっても形成できる。
【0061】
(2) 本発明に係る引き上げ式カーテン装置1において、カーテン2の上縁部分3に前記のような収容袋部7が設けられないこともある。この場合は、カーテンの上縁部分3を張設状態にカーテンレール10に取り付ける際の外力の作用によって張設支持片11が上縁部分3から剥離しないように、該張設支持片11を面状ファスナを介して上縁部分3に強固に取着したり、該張設支持片11を上縁部分3に縫製や接着等の固定手段で強固に取着する。
【0062】
(3) 張設支持片11に取り付ける第1の取付片13を図13〜14に示すようなフック状掛着片として構成する場合、該フック状掛着片13aの取り付け個数は、図3〜4に示すように左右2個等、複数個とされることの他、張設支持片11と上縁部分3との剥離を防止できる限り1個とされることもある。
【0063】
(4)カーテン2の上縁部分3を張設状態にカーテンレール10に取り付けるに際して前記構成の固定部材22を介在させるときは、前記のように行うことの他、次のように行なうこともできる。即ち、何れか一方の固定部材をカーテンレール10に固定し且つ該固定部材に、何れか一方の張設支持片をフック状掛着片(第1の取付片)を介して掛着させると共に、他方の固定部材をカーテンレール10に移動可能に設け且つ該固定部材に他方の張設支持片(第1の取付片)を掛着させ、該他方の固定部材を前記一方の固定部材から離れる方向に移動させて前記上縁部分3を張った状態とし、該状態で該固定部材をカーテンレール10に固定する作業手順によることもある。
【0064】
(5) 図27〜29は、前記固定部材22の他の態様を示すものであり、フック状掛着片13aとしての第1の取付片13,13を掛着させるための掛着孔21,21が逆T字状に形成されている他は、前記と同様の構成を有しており、同一構成部分には同一の符号を付している。該逆T字状の掛着孔21,21は、夫々、前記フック状掛着片13aを殆ど遊びのない状態で左右方向に移動させる横長の移動孔101の中央部に、前記フック状掛着片13aの引っ掛けを容易に行なわせる稍大径の引っ掛け孔102が上方向に連設された構成を有している。なお図27〜29において、切欠部25は無くてもよい。
【0065】
かかる構成の固定部材22を用いてカーテン2の上縁部分3を張設状態にカーテンレール10に取り付けるに際しては、図29に示すように、何れか一方の固定部材22aを、前記と同様の要領によりカーテンレール10に固定ネジ30の締め付けによって固定すると共に、他方の固定部材22bをカーテンレール10に前記と同様にして移動可能に設ける。その後、前記一方の固定部材22aの左右の掛着孔21,21に、一方の張設支持片11aの左右のフック状掛着片13a,13aを掛着するのであるが、その際、該フック状掛着片13a,13aを前記左右の引っ掛け孔102,102(図27)に引っ掛ける。又、前記他方の固定部材22bの左右の掛着孔21,21に、他方の張設支持片11bの左右のフック状掛着片13a,13aを掛着するのであるが、その際、該フック状掛着片13a,13aを前記左右の引っ掛け孔102,102(図27)に引っ掛ける。その後、該他方の固定部材22bを前記一方の固定部材22aから離れる方向(図29に矢印で示す方向)に移動させて前記上縁部分3を張った状態とする。
【0066】
これにより図29に示すように、前記一方の張設支持片11aに設けられている左右のフック状掛着片13a,13aは、前記一方の固定部材22aの左右に設けられている掛着孔21,21の前記移動孔101,101を、図29の右方向に移動して該移動孔101,101の右端103,103(図27、図29)に位置する。又、前記他方の張設支持片11bの左右のフック状掛着片13a,13aは、前記他方の固定部材22bの左右に設けられている前記掛着孔21,21の前記移動孔101,101を、図29の左方向に移動して、両移動孔101,101の左端105,105(図27、図29)に位置する。これにより、前記上縁部分3が張った状態となる。そして、両張設支持片11a,11bに設けられている各フック状掛着片13aは、殆ど遊びのない状態で前記移動孔101の端部に位置しているため、両調節支持片11a,1bを逆方向に押圧して前記上縁部分3を張った状態とする際において、前記掛着孔21に対するフック状掛着片13aの掛着状態の安定性向上が図られることとなる。この状態で、該他方の固定部材22bが、前記と同様の要領によりカーテンレール10にネジ固定される。
【0067】
(6) 図30〜32は、前記左右の張設支持片11,11をカーテンレール10に着脱可能に取り付けるための前記第1の取付片13の他の態様を示すものであり、該張設支持片11の上縁に一体に連設されている。該第1の取付片13は、本実施例においては、図31に拡大して示すように、前記収容袋部7から突出した部分106の上縁107で上方向に突出する立片109の上端において、後方に直角に屈曲する水平片110が屈曲形成されている。そして、該水平片110の左右端側にネジ孔111,111が設けられると共に各ネジ孔111,111に、その下側から固定ネジ112が挿通され、前記水平片110の上面で突出したネジ軸部113が、例えば矩形板状を呈する固定片115の中央部分に設けたネジ孔116に、前記と同様にバネ部材117を介在させて螺合されている。かかる構成を有する第1の取付片13をカーテンレール10に取り付ける要領は、前記固定部材22をカーテンレール10に固定する要領と同様であるためその具体的な説明は省略する。
【0068】
第1の取付片13をこのように構成する場合、左右の張設支持片11,11がカーテン2の上縁部分3の左右端側に取着された状態で、該左右の第1の取付片13,13をカーテンレール10に取り付けてもよいのであるが、作業性を考慮すれば、例えば次のように行なうのがよい。これを図33によって説明すれば、カーテン2の上縁部分3から分離された状態の一方の張設支持片11aを、その第1の取付片13で前記カーテンレール10の一端側に固定した後、該張設支持片11aの外側部分12を、カーテンの上縁部分3に設けられている収容袋部7に挿入する。その後、カーテンの上縁部分3の他端側に、外側部分12が収容袋部7に収容された状態にある張設支持片11bの前記第1の取付片13を、前記カーテンレール10の他端側に固定するのであるが、その際、該他方の張設支持片11bを前記一方の張設支持片11aから離れる方向(図33に矢印で示す方向)に移動させて前記上縁部分3を張った状態にして行なう。
【0069】
(7) 前記カーテンレール10の断面形状及び、該カーテンレールの長さ方向に吊り具20を摺動可能に取り付ける構成は、前記実施例で示したものに特定されない。例えば、円環状取付片を具えた吊り具の該円環状取付片に棒状のカーテンレールを挿通せしめ、該棒状のカーテンレールの長さ方向で該吊り具が摺動するように構成されることもある。
【0070】
(8) 本発明に係る引き上げ式カーテン装置1は、表裏二重のカーテンに対しても適用できる。この場合、例えば、一方のカーテンは薄地に形成し他方のカーテンは厚地に形成するのがよい。このような表裏のカーテン2a,2bに対して本発明を応用した場合は、各カーテン2a,2bに対応させて、一方の張設支持片11にロック具16が設けられる。今、両カーテン2a,2bの上縁部分3a,3bが図34に示すように一体化している場合は、図34に示すように、各カーテン2a,2bに対応する如く設定された、ロック具16が設けられる張設支持片が、同一の張設支持片(例えば図34に示す左端側の張設支持片11a)とされる場合と、図35に示すように、ロック具16が設けられる張設支持片が、一方のカーテン2aに関しては左端側の張設支持片11aとされ、且つ他方のカーテン2bに関しては右端側の張設支持片11bとされることもある。なお表裏のカーテン2a,2bは、前記カーテンレール10の表側と裏側に分けて配置されることもある。
【0071】
(9) 前記ロック具は、ひだ状部分が積み重なる状態に所要に引き上げられたカーテンの該引き上げ状態を保持するために前記昇降コードをロックできる構成のものであれば、前記実施例で示したものの他、各種に構成できる。
又前記ロック具は、前記ホルダーを介在させることなく、張設支持片に直接固定状態に設けられることもある。
【0072】
(10)前記吊り具20は、例えば図36に示すように、ネジ固定等によりカーテンレール10の長さ方向に摺動しない固定状態で設けられることもある。
【0073】
(11)カーテン2に上下所要間隔で設けられる前記コード挿通部91は、前記実施例で示したように、カーテンに取り付けられた挿通部材を用いて構成することの他、例えば図37に示すように、カーテン2に設けた透孔として構成することもある。又、カーテンの上縁部分に設ける案内部56は、昇降コード15を横方向でロック具16に向けて案内できるものであれば各種に構成できる。
【0074】
(12)張設支持片11に設けられる前記第1の取付片13は、前記の他、カーテンレール10に着脱可能に取り付けられる各種構成のものを採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係るカーテン装置を示す背面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】本発明に係るカーテン装置の一端側を説明する分解斜視図である。
【図4】本発明に係るカーテン装置の他端側を説明する分解斜視図である。
【図5】固定部材が取り付けられたカーテンレールを示す部分斜視図である。
【図6】固定部材を示す斜視図である。
【図7】カーテンレールに対する固定部材の固定要領を説明する断面図である。
【図8】カーテン基材の上側部分に係止テープを、その両端部分がカーテン基材の両端から突出する如く縫着した状態を示す部分斜視図である。
【図9】その折り返し片を内側に折り曲げて縫製することにより形成された収容袋部を示す斜視図である。
【図10】カーテンの上縁部分に案内具と第2の取付片を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】カーテンの下縁部分に形成されたウエイトバーの収容部をウエイトバーの収容状態で示す部分斜視図である。
【図12】ウエイトバーの構成を説明する斜視図である。
【図13】ホルダーが固定された張設支持片をカーテンの上縁部分の一端側に取着する工程を説明する斜視図である。
【図14】ホルダーを有さない張設支持片をカーテンの上縁部分の他端側に取着する工程を説明する斜視図である。
【図15】カーテンの上縁部分の左右端側に張設支持片を取着し、且つ上縁部分を張設した状態を示す背面図である。
【図16】張設支持片とホルダーとロック具を分解して示す斜視図である。
【図17】支持片に対するホルダーの取り付け状態を示す断面図である。
【図18】ロック具のロック解除状態を示す断面図である。
【図19】カーテンの引き上げ状態を示す部分斜視図である。
【図20】ロック具のロック状態を示す断面図である。
【図21】本発明に係るカーテン装置の他の実施例を示す背面図である。
【図22】出窓に適用されたカーテン装置を一端側から見た斜視図である。
【図23】その他端側から見た斜視図である。
【図24】その一端側から見た斜視図の部分拡大図である。
【図25】その他端側から見た斜視図の部分拡大図である。
【図26】その一端側から見た斜視図の中間部分拡大図である。
【図27】固定部材の他の態様を示す斜視図である。
【図28】その固定部材をカーテンレールに固定した状態を示す斜視図である。
【図29】その固定部材を用いてカーテンの上縁部分を張設した状態を示す背面図である。
【図30】第1の取付片の他の態様を、張設支持片がカーテンの上縁部分の左端側に取着された状態で示す斜視図である。
【図31】第1の取付片が設けられた張設支持片を示す斜視図である。
【図32】その第1の取付片を、張設支持片がカーテンの上縁部分の右端側に取着された状態で示す斜視図である。
【図33】その第1の取付片が設けられた張設支持片をカーテンの上縁部分の左右端側に取着し、且つ上縁部分を張った状態を示す背面図である。
【図34】本発明に係るカーテン装置が表裏二重のカーテンに応用された場合の一実施例を示す部分斜視図である。
【図35】本発明に係るカーテン装置が表裏二重のカーテンに応用された場合の他の実施例を示す部分斜視図である。
【図36】カーテンレールに設けられる吊り具の他の態様を示す斜視図である。
【図37】コード挿通部の他の態様を示す断面図である。
【図38】従来のカーテン装置を説明する斜視図である。
【図39】その背面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 カーテン装置
2 カーテン
3 上縁部分
7 収容袋部
10 カーテンレール
11 張設支持片
13 第1の取付片
15 昇降コード
16 ロック具
17 ホルダー
21 掛着孔
22 固定部材
36 カーテン基材
40 係止テープ
43 折り返し片
49 被折り返し部
56 案内具
63 ウエイトバー
65 収容部
66 出し入れ口
67 分割バー
71 張設支持片外端
72 袋底部
91 コード挿通部
95 コード案内路
96 ロックローラ
100 第2の取付片
109 出窓
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる引き上げ式カーテン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げ可能に構成された従来の引き上げ式カーテン装置aは、図38〜39に示すように、付設されるべき窓部の横幅に略等しい長さに設定した直棒状の一本ものの支持バーbを、窓開口部の上縁に沿ってブラケットを介して取り付け、該支持バーbの室内側の面部に、面状ファスナc,cを介してカーテンdの上縁部分eを固定し、該カーテンdを吊下状態にすると共に、該支持バーbの一端にロック具fを固定してなるものであった。
【0003】
そして該支持バーbには、図39に示すようにその長さ方向に沿って、ロック具fの固定側から支持バーの反対側に向けて所要間隔で案内リングgを設けると共に、該案内リングgの数に相当する本数の昇降コードhの束jを前記ロック具fに通し、その束jを構成する昇降コードhを、前記案内リングg毎に垂らし、該垂らした昇降コードhを、カーテンdの裏面において上下方向に所要間隔で設けたコード挿通部kに順次挿通せしめ、該昇降コードhの下端をカーテンdの下端寄り部位に固定状態としてなるものであった。
【0004】
そして、前記ロック具fに挿通した昇降コードの束jを下方に引くことにより、前記カーテンdを、図38に示すように、ひだ状部分nが積み重なる状態に引き上げ可能となされており、所要の引き上げ状態で、昇降コードhが前記ロック具fの係止作用によってロックされ、カーテンdがその引き上げ状態で固定されるように構成されていた。
【0005】
しかしながら、かかる構成の引き上げ式カーテン装置aによるときは、これを付設しようとする窓部の幅が一定していないために、窓部の幅に応じて、それに見合う長さの支持バーをオーダーメイドで製作せざるを得なかった。かかることから、その支持バーの製造コストが高くつく問題があった。又、前記直線状の支持バーbは、窓部の横幅に略等しい長さに設定されることから、その長さが180cm程度の長いものになることもある。このような長さの長い支持バーを部品として具える引き上げ式カーテン装置にあっては、各部品を包装箱に収容し梱包して出荷する際、前記長い支持バーの全体を収容できるように長さの大なる包装箱を要したため、梱包コストや輸送コストの上昇を招く問題があった。又販売店においては、その陳列のために広い売場スペースを要する不経済があった。
【0006】
そこで本発明者は特開2003−310422号公報において、カーテンの上縁部分を着脱可能に支持でき、且つカーテンレールに着脱可能で、該カーテンレールの長さに合わせて伸縮可能な伸縮式の支持バーを具えた引き上げ式カーテン装置を提案した。
該引き上げ式カーテン装置によるときは、同一の支持バーによって窓部の幅の違いに容易に応ずることができると共に、支持バーの短縮によって梱包状態を小さくできることから梱包コストや輸送コストの低減を期し得る利点があった。又、販売店においては陳列スペースを削減できる経済性があった。
【0007】
しかしながら該引き上げ式カーテン装置は、支持バーを短縮できるとはいっても、支持バーの強度面や伸縮の構造面から該支持バーの最小短縮長さに限界があり、合理的な範囲としては1/2程度まであった。従って、例えば180cm程度の長い支持バーであれば、合理的には90cm〜100cm程度の短縮長さにできるのが精々であり、極端に短縮することには無理があって前記と同様の問題を招来した。
【0008】
又、カーテンの上縁部分の全長に亘って支持バーが配置されることから、該引き上げ式カーテン装置を出窓に適用せんとする場合は、出窓の上端の外縁に沿って屈曲状態(台形状や円弧状等の屈曲状態)に固定されたカーテンレールの該屈曲状態に合わせて支持バーを個別に屈曲させなければならなかった。かかることから、前記引き上げ式カーテン装置は、出窓に対しては適用が困難であった。
【特許文献1】特開2003−310422号公報(2−5頁、図1、図18)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、窓部の幅の違いに容易に応ずることができるのはもとより、コンパクトに梱包できて梱包コストの低減及び輸送コストの低減を期し得ると共に、出窓に対しても適用容易な引き上げ式カーテン装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る引き上げ式カーテン装置は、カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が分離可能に取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片には、ロック具を着脱可能に保持するホルダーが固定されており、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられている。又、前記カーテンの上縁部分の左右端側には、向き合う方向に開口する収容袋部が設けられ、該収容袋部の袋底部は、前記上縁部分の端部に沿わせて上下に長く形成され、該両収容袋部に前記張設支持片の外側部分が挿入されており、該張設支持片は、上下に長い張設支持片外端が上下に長い前記袋底部に当接した状態で、前記上縁部分に面状ファスナを介して分離可能に取着されている。そして、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とするものである。
【0011】
前記引き上げ式カーテン装置において、前記第2の取付片を、前記案内部の近傍部位において前記上縁部分に設けるのがよい。
【0012】
又、前記引き上げ式カーテン装置において、前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片を、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片とするのがよい。
【0013】
又前記引き上げ式カーテン装置において、前記収容袋部は、前記カーテンを構成するカーテン基材の上側部分の左右端において外方に突設された折返し片を内側に折り返すと共に該折返し片の上下を被折返し部に固着することによって形成するのがよい。
【0014】
又前記引き上げ式カーテン装置において、前記カーテンの上縁部分に、該上縁部分の長さ方向に係止孔が並設されてなる掛止テープを、その両端部分がカーテン基材の上側部分の左右端から外方に突出するように固定すると共に、該突設された折り返し片を内側に折り返し、該折り返し片の上下を被折り返し部に固着することによって前記収容袋部を形成し、又、前記係止孔に前記案内部を掛着するのがよい。
【0015】
又前記引き上げ式カーテン装置において、前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片を、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片として構成し、且つ、該フック状掛着片を、前記張設支持片の前記収容袋部から突出した部分の左右に所要間隔を置いて設けるのがよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係るカーテン装置は、カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、第1の取付片によりカーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が取着され、又、該上縁部分の、左右の張設支持片間の中間部分に、カーテンレールに取り付けられる第2の取付片が設けられた構成を採用している。かかることから、両張設支持片に逆向きの押圧力を加えて前記上縁部分を長さ方向で張った状態(張設状態)にでき、この状態を保持できる。従って本発明によるときは、従来のような、上縁部分の全長に亘る長い支持バー(一本ものや伸縮式の支持バー)を用いなくても、ひだ状部分が見栄えよく積み重なる状態に引き上げられる引き上げ式カーテン装置を構成できることとなる。
【0017】
このように本発明に係るカーテン装置は、カーテンの上縁部分の全長に亘る一本ものの支持バーを必要とすることなくカーテンの上縁部分の左右端側にのみ、短い長さの張設支持片を取着して構成できることから、該カーテンを、張設支持片間の部分において自由に折り畳むことができる。従って、張設支持片が取着されたカーテンをコンパクトに梱包できる。或いは、前記張設支持片がカーテンと分離した状態で、該張設支持片を、折り畳んだカーテンとセットにして梱包する場合も、同様にして全体をコンパクトに梱包できる。又、前記した特開2003−310422号公報が開示する伸縮式の支持バーを具えるカーテン装置と対比した場合も、該張設支持片の長さを、最小縮小状態の支持バーの長さよりも短く設定できるため、前記と同様のコンパクトな梱包が可能となる。
【0018】
このように本発明によるときは、カーテン装置を構成するカーテンや張設支持片等の部品をコンパクトに梱包(例えば、全体を60cm程度以下の短い長さに梱包)して出荷できるため、梱包コストの低減と輸送コストの低減を達成できると共に、梱包状態がコンパクトであるために取り扱い性も向上する。又、販売店における陳列スペースの削減を達成できる経済性もある。
【0019】
(2) 又本発明に係るカーテン装置は、前記張設支持片を板状に形成するため、該板状の張設支持片に逆向きの押圧力を加えて前記上縁部分を張った状態とする(張設する)際、該上縁部分に加わる荷重を該張設支持片の面積で分散させ得る。かかることから、該上縁部分に局部的に荷重が集中するのを防止できて安定した張設作用が得られると共に、該上縁部分が損傷したり該上縁部分が不自然に変形してカーテンの見栄えが悪くなる等の問題を発生させることもない。
【0020】
(3) 本発明に係るカーテン装置は、カーテンの左右端側にのみ張設支持片を設ける構成を採用するため、該上縁部分の張設支持片間の部分は屈曲自在である。かかることから本発明は、直線状のカーテンレールを具える窓部等に適用できるのは元より、屈曲したカーテンレールが設けられた出窓等に対しても適用容易である。
【0021】
(4) 第2の取付片を前記案内部の近傍部位において前記上縁部分に設けることにより、昇降コードを介して前記案内部に加わる吊下荷重が、該第2の取付片を介して前記カーテンレールに安定的に支持されることとなって好ましい。
【0022】
(5) カーテンの上縁部分の左右端側に、向き合う方向に開口する収容袋部を設け、該収容袋部に前記張設支持片の外側部分を挿入させる構成を採用しているため、カーテンの上縁部分を張った状態でカーテンレールに取り付ける際、該外側部分が収容袋部に安定的に拘束される。且つ、該張設支持片の上下に長い外端が前記収容袋部の上下に長い袋底部に当接した状態で、両張設支持片が前記上縁部分を逆向きに押圧できることになる。かかることからカーテンの上縁部分を、無理に変形させることなく確実に張設させ得る。
【0023】
(6) 前記収容袋部を形成するに際し、前記カーテンを構成するカーテン基材の上側部分に、外方に延長するように折り返し片を設け、該折り返し片を内側に折り返すと共に、該折り返し片の上下を被折り返し部に縫製等の手段によって固着する場合は、前記収容袋部を容易に形成できる利点がある。この場合、カーテン基材の上縁部分に掛止テープをその両端部分がカーテン基材の上側部分の左右端から外方に突出するように固定するときは、該折り返し片を内側に折り返すと共に該折り返し片を被折り返し部に適宜固着することによって収容袋部を形成できる。かかることから、カーテン基材そのものに一連に折り返し片を設ける必要がなくなりカーテン基材の製作がより容易となる。
【0024】
(7) カーテンの上縁部分の左右端側に収容袋部を設ける場合において、前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片を、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片として構成し、且つ、該フック状掛着片を、前記張設支持片の前記収容袋部から突出した部分の左右に所要間隔を置いて設ける構成を採用した場合は、第1の取付片を簡易に構成できると共に、該張設支持片をカーテンの上縁部分に面状ファスナを介して取着するときも、該取着部分に無理な荷重を作用させることなく、張設支持片の水平状態を確保してカーテンの上縁部分を無理なく張設できる利点がある。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜4において本発明に係る引き上げ式カーテン装置(以下カーテン装置という)1は、カーテン2の上縁部分3の左右端側(両端側)5,6に、向き合う方向に開口する収容袋部7,7が設けられており、カーテンレール10に着脱可能の板状の張設支持片11,11が、その外側部分12,12が該収容袋部7,7に挿入された状態で前記上縁部分3に分離可能に取着されている。そして該張設支持片11,11には、該カーテンレール10に着脱可能に取り付けられる第1の取付片13が設けられると共に、一方の張設支持片11aには、前記カーテン2に取り付けられた昇降コード15をロックさせるロック具16を着脱可能に保持するホルダー17が固定されている。
【0026】
前記カーテンレール10は、カーテンを吊下するために使用されている既製品であり、図示しないブラケットを介して、窓部の上縁に沿って取り付けられている。図2〜5はその一例を示すもので、対向した受片19,19を下端に有する軽量溝形鋼材を用いて構成されており、該対向する受片19,19で下方から支持された吊り具20がレール長さ方向に摺動できる。又、該カーテンレール10の左右端側には、掛着孔21が設けられた固定部材22,22が固定される。
【0027】
前記固定部材22は、例えば図5〜6に示すように、水平片23の一側縁に、長さ方向の中央部分に切欠部25が設けられた垂直片26を折曲形成してなるL字状部材27を具えている。なお該切欠部25は無くてもよい。そして該垂直片26の、前記切欠部25の両側部分の左右に、2個の掛着孔21a,21b、21c,21dが設けられている。又、前記水平片23の左右端側にはネジ孔29,29(図6〜7)が設けられると共に各ネジ孔29に、その下側から固定ネジ30が挿通され、前記水平片23の上面で突出したネジ軸部31が、例えば矩形板状を呈する固定片32の中央部に設けたネジ孔33(図6〜7)に螺合され、該固定片32と前記水平片23との間にバネ部材35、例えばコイルバネ35aが稍圧縮状態で介装されている。これにより、該固定片32が前記水平片23から浮き上がっている。なお該バネ部材35の最小圧縮状態の厚さは、前記受片19の厚さに等しいか、それ以下に設定されている。
【0028】
かかる構成の固定部材22は、カーテンレール10の左右端側に固定されるのであるが、その際、前記固定片32,32を、図7(A)に示すように、前記水平片23の長さ方向(左右方向)に向きを揃えた状態でカーテンレール10の内部25に挿入し、その後、図7(B)に示すように、両固定片32,32の向きを前後方向に変える。前記のように、固定片32が前記水平片23から浮き上がっているため、固定片32,32と水平片23との間に前記前後の受片19,19を介在させるのが容易である。
【0029】
前記のように両固定片32,32の向きを変えた状態で前記固定ネジ30を締め付けると、図7(C)に示すように、水平片23と固定片32との間で前記受片19,19が挾持状態となり、固定部材22がカーテンレール10に固定されることとなる。この状態で、圧縮状態の前記バネ部材35は前後の受片19,19間の空間34に納まる。
【0030】
前記カーテン2は、左右幅が例えば180cm程度である矩形シート状のカーテン基材36を用いて構成されており、図8に示すように、該カーテン基材36の上側部分37の後面39に、90mm程度の上下幅を有する係止テープ40が重ね合わせられ且つ上下の縁部分38,38で縫着され、該係止テープ40の両端部分は、前記カーテン基材36の左右両端41,42から40mm程度突出する折り返し片43,43とされている。該折り返し片43,43は図9に示すように、内側に折り曲げられると共に、その上の縁部分45と中央部分46と下の縁部分47が被折り返し部(カーテンの上縁部分)49(図8)に例えば縫製により固着され、中央縫製部分50と下縁縫製部分51との間に前記収容袋部7が形成されている。該収容袋部7の開口部52の上下長さは例えば46mm程度に設定され、該収容袋部7の深さ(上縁部分3の長さ方向で見た深さ)は37mm程度に設定されている。
【0031】
又前記係止テープ40の下縁部分53には、図9に示すように、その長さ方向に、6mm程度の間隔で係止孔55が並設されている。そして前記上縁部分3の後面55の、長さ方向の左右端側及び中間部分に、図1、図3〜4、図10に示すように、前記昇降コード15を横方向で案内する案内部56が設けられている。該案内部56は、例えば、前記昇降コード15を横方向で挿通させるリング状案内具56aを以って構成されており、そのフック部57が前記係止孔55の内の所要のものに引っ掛けられることによって、前記上縁部分3に前記案内部56が設けられている。なお、隣り合う案内部56,56間の間隔は略等しく設定されている。本実施例においては、該案内部56の個数は7個に設定され、隣り合う案内部56,56間の間隔は27cm程度に設定されている。なお、前記一方の張設支持片11a側に存する案内部56aは、図3に示すように、後述のホルダー17に近接させて設けられている。
【0032】
又前記カーテン基材36の下端部分は、図11に示すように、後側に例えば50mm程度の幅で折り曲げられ且つ折り曲げ片59の左右の側部分60,61及び上の縁部分62が縫製されることにより、図1に示すように、ウエイトバー63の収容部65が形成されている。なお該上の縁部分62の一方の端部側は縫製されておらず、該ウエイトバー63の出し入れ口64とされている。該ウエイトバー63は、本実施例においては図12に示すように、55cm弱の長さを有する分割バー67,67,67が筒状連結具68,68を介して直線状に連結され、全長が170cm程度に設定されており、前記出し入れ口64を通して前記収容部65内に納められ、該ウエイトバー63はカーテン下部のウエイトとなっている。
【0033】
そして図13〜14に示すように、該収容袋部7内の前記被折り曲げ部49の後面66及び、前記上縁部分3の後面67の、該収容袋部7の開口部52から稍離れた部位に第1の面状ファスナ69が固定されている。前記後面67に固定された面状ファスナ69aの固定位置は、例えば、その内側の縁70が、前記収容袋部7の開口部52から120mm程度離れた部位に設定される。
【0034】
又前記張設支持片11は、本実施例においては、カーテンの上縁部分3の長さ方向に長い矩形板状に形成されており、長さが130〜150mm程度、例えば135mm程度で、且つ幅が30mm程度の矩形板状に形成されている。そして図3〜4、図15に示すように、該張設支持片11の外側部分12が前記収容袋部7内に挿入され、該張設支持片11の上下に長い張設支持片外端71が、前記収容袋部7の上下に長い袋底部72に当接状態とされる。又、該張設支持片11の前面73の両端側には図13に示すように第2の面状ファスナ75が固定されており、かかる構成の張設支持片11は、その外側部分12が前記収容袋部7,7内に挿入された状態で、前記第1、第2の面状ファスナ69,75、69,75の係合によって、カーテン2の上縁部分3に分離可能に取着されている。
【0035】
又、各張設支持片11,11の上の縁部分には、本実施例においては図13〜14,図16に示すように、前記収容袋部7に外側部分12が収容された状態で、該収容袋部7の開口部52寄り部位と、それよりも40mm程度内方に位置した部位の2箇所に、取付孔76,76が設けられ、各取付孔76,76に、例えばフック状掛着片としての前記第1の取付片13,13が取着されている。該第1の取付片13,13は、前記固定部材22の垂直片26に設けられた前記掛着孔21に着脱可能に掛着し得るものであり、その際、図5に示す、前記切欠部25を挟んで外側に位置する2個の掛着孔21a,21c、又は、内側に位置する2個の掛着孔21b,21dが選択される。
【0036】
又前記ホルダー17は、図16に示すように、前記一方の張設支持片11aを挿通させ得る上下に長い矩形状挿通孔80が設けられてなる矩形板状の固定筒部81の下端に、対向状態の前後の垂下片82,82を具える矩形筒状の保持筒部83が設けられている。そして、前記固定筒部81の後面85の略中央にはねじ込み筒部86が突設され該ねじ込み筒部86にビス87がねじ込み可能となされている。
【0037】
かかる構成を有するホルダー17を前記張設支持片11aに固定する要領は、該張設支持片11aを図16に矢印で示す方向に前記矩形状挿通孔80に挿通させ、該ホルダー17を前記開口部52側に位置せしめ、その後図17に示すように、前記ねじ込み筒部86に前記ビス87をねじ込み、該ビス87の先端89を前記張設支持片11aに押圧状態として行う。
【0038】
そして前記ロック具16は図3に示すように、前記保持筒部83内に、着脱可能に弾性圧入状態で挿入せしめられ、該挿入された状態で前記ホルダー17に保持される。
【0039】
又前記カーテン2の後面90には、図2〜4に示すように、前記した夫々の案内部56の下側に位置させて、上下所要間隔でリング状のコード挿通部91が設けられている。前記昇降コード15は、図1〜2に示すように、夫々の案内部56に対応させて設けられており、該案内部56を挿通して下方に延び、上下方向に並設された各コード挿通部91に挿通せしめられると共に、その下端部92がカーテンの所要部位(本実施の形態においては下端近傍部位)93に固定状態とされる。この固定は、例えば結着手段や引掛け手段、昇降コードの下端に設けた突部をカーテンに設けた挿通部の下縁と係合させる係合手段等の適宜手段により行われる。そして各昇降コード15は、前記案内部56を挿通して前記ホルダー17側に延長せしめられ、7本の昇降コード15が、図3、図18に示すように、前記ホルダー17に保持されているロック具16のコード案内路95に挿通せしめられている。
【0040】
該ロック具16は、図18に示すように、前記コード案内路95にロックローラ96が納設されている。該ロックローラ96は、図18に矢印で示す斜め方向で上下動可能であり、上方向に移動するにつれ、該ロックローラ96とコード案内路95の外側の壁面97との間の距離が小さくなるように構成されている。そして前記7本の昇降コード15は、これを図18に矢印で示すように内側に傾けたとき前記ロックローラ96の周面99に接触可能となるように、前記コード案内路95に下向きに挿通せしめられている。
【0041】
かかる構成のカーテン2は、図1〜2に示すようにカーテンレール10に吊下状態とされるのであるが、その際、図1〜2、図3〜4、図15に示すように、カーテン2の上縁部分3の左右端側5,6を、前記張設支持片11,11を介して、前記カーテンレール10に固定された前記固定部材22,22に前記第1の取付片13により掛着状態に取り付ける。併せて、該左右の張設支持片11,11間の中間部分98において前記案内部56の近傍部位に取り付けられた、例えばフック状掛着片としての第2の取付片100の夫々を、前記吊り具20の掛着孔101に掛着状態に取り付ける。そしてこの状態で、該上縁部分3をその長さ方向に張った状態(張設状態)とする。なお該第2の取付片100は、例えば図3に示すように、縫着された前記係止テープ40を前後から弾性的に挾持し得るU字状挾持部102の後側の片103の上端に、前記吊り具20に着脱可能に掛着し得る係合片105を下方に屈曲した構成を有している。
【0042】
然して、前記コード案内路95を通った7本の昇降コード15を下方に引くと、前記カーテン2が、図19に示すように、ひだ状部分106が積み重なる状態で引き上げられていく。本実施例においては、前記のように、第2の取付片100を前記案内部56の近傍部位において前記上縁部分3に取り付けているため、ひだ状部分106が引き上げられる際、昇降コード15を介して前記案内部56に加わる吊下荷重が、該第2の取付片100を介して前記カーテンレール10に安定的に支持されることとなる。
【0043】
そして、所要の引き上げ状態で前記ロック具16をロック状態に作動させる。この作動は、前記昇降コード15の束107を、図18に矢印で示すように内側にしゃくるように傾けて前記ロックローラ96の周面99に接触させて行う。引き上げたカーテンが自重で下降しようとすることに伴う前記昇降コード15の戻り作用により、前記ロックローラ96が図20に示すように上昇し、その結果、各昇降コード15が該ロックローラ96とコード案内路95の外側の壁面97との間で挾持された状態となる。これにより昇降コード15がロックされ、従ってカーテン2の所要の引き上げ状態が保持されることになるのである。
【0044】
又前記とは逆に、前記昇降コードの束107を、図20に矢印で示すように外側にしゃくるように傾けることにより、該昇降コード15と前記ロックローラ96との接触が解除されて該ロックローラ96が図18に示すように下に落ちる。これにより前記挾持状態が解除されるため、カーテン2を下ろすことができる。
【0045】
前記カーテン装置1を組み立てるために必要な前記張設支持片11,11は、カーテン2の上縁部分3の全長に亘る長さのものではなく該上縁部分3の左右端側にのみ取着される短い長さのものであるため(本実施例においては135mm程度)、カーテンや張設支持片等の部品をセットにして梱包するための包装箱の長さは、これらを収容できる短い長さのものでよい。かかることから、カーテンの上縁部分の全長に亘る従来の長い支持バーを梱包する場合に比し、包装箱の長さを極端に短く設定できる。又、従来の伸縮式の支持バーを梱包する場合と比べても、包装箱の長さをより短く設定できる。前記カーテンの下縁部分にウエイトバー63が装着される場合、該ウエイトバーを分割バーの連結体として構成しても何ら不具合がないため、包装箱の長さをより短く設定できることは、該分割バーも含めて梱包するときも変わりがない。この梱包に際しては、前記昇降コード15をカーテン2に取り付けると共に前記左右の張設支持片11,11を前記のようにしてカーテンの上縁部分3に取着し、且つ前記ロック具16をホルダー79に保持させておくのがよい。
【0046】
このようにして梱包され販売されたカーテン装置の組立セットを用いてカーテン装置1を組み立てるには、先ず図5に示すように、前記固定部材22,22を、カーテンレール10の左右端側に、前記のように固定ネジ30を締め付けることによって固定する。その後、図15に示すように、何れか一方の張設支持片、例えば前記一方の張設支持片11aに取り付けられている前記第1の取付片13,13を、一方の固定部材22の掛着孔21,21に掛着する。又、前記各第2の取付片100を所要の吊り具20の掛着孔101に掛着する。そして、他方の張設支持片11bに取り付けられている前記第1の取付片13,13を、前記上縁部分3を張った状態にしながら他方の固定部材22の掛着孔21,21に掛着する。この掛着の際、前記上縁部分3が張った状態となるように、前記切欠部25を挟んで外側に位置する2個の掛着孔21a,21c、或いは、該切欠部25を挟んで内側に位置する2個の掛着孔21b,21dが適宜選択される(図5参照)。これにより、該上縁部分3の左右端側及び中間部分がカーテンレール10に吊下され、且つ該上縁部分3がその長さ方向に張られた状態(張設された状態)の前記カーテン装置1が構成されることとなる。
【0047】
このように上縁部分3を張った状態とする際、左右の張設支持片11,11の外側部分12,12が、前記収容袋部7,7に挿入されて該収容袋部7,7に拘束された状態にあることから、前記張設支持片外端71が前記袋底部72に安定的な線接触状態となり、カーテンの上縁部分3を無理に変形させることなく該袋底部72を外方に安定的に押圧できる。かかることから、該押圧時に前記張設支持片11,11が上縁部分3から剥離しにくく該上縁部分3を確実且つ容易に張設できる。
【0048】
特に本実施例においては、上縁部分3を張る際の荷重が張設支持片11の両側に設けられた2個の第1の取付片13,13で支持されるため、該上縁部分3のカーテンレール10に対する張設を、左右の張設支持片11,11の水平状態を保ちつつ行なうことができる。かかることから、張設支持片11,11が上縁部分3から一層剥離しにくい。
【0049】
前記カーテン2を洗濯するためにカーテン装置1を分解するには、前記第1の取付片13,13を前記固定部材22,22から取り外すと共に前記第2の取付片100を前記吊り具20から取り外し、左右の張設支持片11,11をカーテンレール10から分離した状態とする。
【0050】
その後、前記第1、第2の面状ファスナ69,75、69,75の係合解除によって前記一方の張設支持片11aをカーテン2の上縁部分3から分離させ、且つ、前記ロック具16を前記ホルダー17から取り外す。又、前記面状ファスナ69,75、69,75の係合解除によって前記他方の張設支持片11bを前記上縁部分3から分離させる。又、前記ウエイトバー63を前記出し入れ口64を通して収容部65から取り外す。
【0051】
このようにしてカーテンの上縁部分3を分離させ且つロック具16を取り外しても、7本の昇降コード15がカーテン2に所要配置状態で取り付いた状態にあり、且つ昇降コード15がロック具16に所要に通された状態にあってカーテン2とロック具16が昇降コードを介して連なっている。そのため、例えば、該カーテン2とロック具16と昇降コード15を洗濯袋に納めて、カーテンを容易に洗濯できる。
【0052】
洗濯後は、前記したと同様の作業工程を経ることによってカーテン装置1を容易に組み立てることができる。カーテン2とロック具16に昇降コード15が所要状態に取り付いているため、洗濯後にカーテン装置を組み立てる際、昇降コード15をカーテン2やロック具16に取り付け直さなければならないといった面倒さがない。
【0053】
図21は、カーテン2の左右幅を90cm程度に形成した場合のカーテン装置1を示すもので、昇降コード15の総本数が4本に設定されている。その他の構成は前記と同様であり、同一構成部分には同一の符号が付されている。
【0054】
図22〜23、図24〜26は、本発明に係るカーテン装置1が出窓109に適用された場合を示すものであり、カーテンレール10が屈曲状態で該出窓109の上端の外縁に沿って固定されている。該カーテンレール10は例えば台形状や円弧状等に屈曲している。図22〜23においては台形状に一連に屈曲しており、両側の屈曲部110,110の長さは350mm程度に設定されている。又、該カーテンレール10に吊下されるカーテン2は前記と同様の構成を有し、その上縁部分3の左右端側(両端側)5,6に、向き合う方向に開口する収容袋部7,7が設けられている。そして図24〜25に示すように、該カーテンレール10に着脱可能の張設支持片11,11が、その外側部分12,12が該収容袋部7,7に挿入された状態で、第1、第2の面状ファスナ69,75を介して上縁部分3に分離可能に取着されている。該張設支持片11,11の長さは、前記屈曲部110,110の長さよりも稍短い140mm程度に設定されている。又、該張設支持片11,11には前記と同様にして第1の取付片13が取り付けられると共に、前記上縁部分3の左右の張設支持片11,11間の中間部分98には、所要間隔で前記第2の取付片100が取り付けられている。
【0055】
かかる構成のカーテン2は、その上縁部分3が、前記カーテンレール10の屈曲状態に合わせた屈曲状態で配置され、該上縁部分3の左右端側(両端側)に取着された左右の張設支持片11,11が、図24〜25に示すように、該カーテンレール10の左右端側(両端側)に前記と同様にして固定された固定部材22,22の垂直片26に設けられた掛着孔21,21に、前記第1の取付片13,13、13,13を介して着脱可能に掛着される。又、該上縁部分3の中間部分98が、図26に示すように、前記カーテンレール10の吊り具20に前記第2の取付片100を介して掛着され、前記張設支持片外端71が、前記袋底部72を外方に線接触状態で押圧することにより、該上縁部分3がその長さ方向に張られたカーテン装置1が構成される。カーテン2の前記中間部分98には張設支持片が設けられていないため、該上縁部分3をカーテンレール10の屈曲状態に合わせて自由に屈曲させることができ、しかも該上縁部分3を張った状態(張設状態)にできるのである。そして、該カーテン2の下部に設けたウエイトバーの収容部65には、図22〜23に示すようにウエイトバー63が納められ、カーテン下部のウエイトとなっている。前記ウエイトバー63は、全体が一連に形成されてもよいのであるが、本実施例においては、カーテン2の屈曲部108で分離されている。ウエイトバーがこのように分離されていても、カーテン下部に均一状態にウエイトが掛かる。そして、ウエイトバー63をこのように分離することにより、前記収容部65へのウエイトバー63の挿入が容易となる。
【0056】
かかる構成を有する引き上げ式カーテン装置1も、そのカーテン2を、前記と同様にして、ひだ状部分が積み重なる状態で引き上げることができ、所要の引き上げ状態をロック具16により保持できる。
【実施例2】
【0057】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0058】
(1) 本発明に係る引き上げ式カーテン装置1において、前記カーテン2の上縁部分3の左右端側に、向き合う方向に開口する収容袋部7,7を設ける場合、該収容袋部7は、外方に突出されたカーテン基材36の突出部分及び、係止テープ40の外方突出部分としての折り返し片の双方を重ねて内側に折り返すと共に、該折り返された部分の上下を被折り返し部(カーテンの上縁部分)に縫製等の手段により固着することによっても形成できることの他、カーテン基材36の上側部分の左右端側に覆い片を重ね合わせると共に該覆い片の上下縁及び外縁を、該上縁部分に縫製等の手段により固着する等によっても形成できる。
【0059】
(2) 張設支持片11に取り付ける第1の取付片13を図13〜14に示すようなフック状掛着片として構成する場合、該フック状掛着片13aの取り付け個数は、図3〜4に示すように左右2個等、複数個とされることの他、張設支持片11と上縁部分3との剥離を防止できる限り1個とされることもある。
【0060】
(3)カーテン2の上縁部分3を張設状態にカーテンレール10に取り付けるに際して前記構成の固定部材22を介在させるときは、前記のように行うことの他、次のように行なうこともできる。即ち、何れか一方の固定部材をカーテンレール10に固定し且つ該固定部材に、何れか一方の張設支持片をフック状掛着片(第1の取付片)を介して掛着させると共に、他方の固定部材をカーテンレール10に移動可能に設け且つ該固定部材に他方の張設支持片(第1の取付片)を掛着させ、該他方の固定部材を前記一方の固定部材から離れる方向に移動させて前記上縁部分3を張った状態とし、該状態で該固定部材をカーテンレール10に固定する作業手順によることもある。
【0061】
(4) 図27〜29は、前記固定部材22の他の態様を示すものであり、フック状掛着片13aとしての第1の取付片13,13を掛着させるための掛着孔21,21が逆T字状に形成されている他は、前記と同様の構成を有しており、同一構成部分には同一の符号を付している。該逆T字状の掛着孔21,21は、夫々、前記フック状掛着片13aを殆ど遊びのない状態で左右方向に移動させる横長の移動孔101の中央部に、前記フック状掛着片13aの引っ掛けを容易に行なわせる稍大径の引っ掛け孔102が上方向に連設された構成を有している。なお図27〜29において、切欠部25は無くてもよい。
【0062】
かかる構成2固定部材22を用いてカーテン2の上縁部分3を張設状態にカーテンレール10に取り付けるに際しては、図29に示すように、何れか一方の固定部材22aを、前記と同様の要領によりカーテンレール10に固定ネジ30の締め付けによって固定すると共に、他方の固定部材22bをカーテンレール10に前記と同様にして移動可能に設ける。その後、前記一方の固定部材22aの左右の掛着孔21,21に、一方の張設支持片11aの左右のフック状掛着片13a,13aを掛着するのであるが、その際、該フック状掛着片13a,13aを前記左右の引っ掛け孔102,102(図27)に引っ掛ける。又、前記他方の固定部材22bの左右の掛着孔21,21に、他方の張設支持片11bの左右のフック状掛着片13a,13aを掛着するのであるが、その際、該フック状掛着片13a,13aを前記左右の引っ掛け孔102,102(図27)に引っ掛ける。その後、該他方の固定部材22bを前記一方の固定部材22aから離れる方向(図29に矢印で示す方向)に移動させて前記上縁部分3を張った状態とする。
【0063】
これにより図29に示すように、前記一方の張設支持片11aに設けられている左右のフック状掛着片13a,13aは、前記一方の固定部材22aの左右に設けられている掛着孔21,21の前記移動孔101,101を、図29の右方向に移動して該移動孔101,101の右端103,103(図27、図29)に位置する。又、前記他方の張設支持片11bの左右のフック状掛着片13a,13aは、前記他方の固定部材22bの左右に設けられている前記掛着孔21,21の前記移動孔101,101を、図29の左方向に移動して、両移動孔101,101の左端105,105(図27、図29)に位置する。これにより、前記上縁部分3が張った状態となる。そして、両張設支持片11a,11bに設けられている各フック状掛着片13aは、殆ど遊びのない状態で前記移動孔101の端部に位置しているため、両調節支持片11a,1bを逆方向に押圧して前記上縁部分3を張った状態とする際において、前記掛着孔21に対するフック状掛着片13aの掛着状態の安定性向上が図られることとなる。この状態で、該他方の固定部材22bが、前記と同様の要領によりカーテンレール10にネジ固定される。
【0064】
(5) 図30〜32は、前記左右の張設支持片11,11をカーテンレール10に着脱可能に取り付けるための前記第1の取付片13の他の態様を示すものであり、該張設支持片11の上縁に一体に連設されている。該第1の取付片13は、本実施例においては、図31に拡大して示すように、前記収容袋部7から突出した部分106の上縁107で上方向に突出する立片109の上端において、後方に直角に屈曲する水平片110が屈曲形成されている。そして、該水平片110の左右端側にネジ孔111,111が設けられると共に各ネジ孔111,111に、その下側から固定ネジ112が挿通され、前記水平片110の上面で突出したネジ軸部113が、例えば矩形板状を呈する固定片115の中央部分に設けたネジ孔116に、前記と同様にバネ部材117を介在させて螺合されている。かかる構成を有する第1の取付片13をカーテンレール10に取り付ける要領は、前記固定部材22をカーテンレール10に固定する要領と同様であるためその具体的な説明は省略する。
【0065】
第1の取付片13をこのように構成する場合、左右の張設支持片11,11がカーテン2の上縁部分3の左右端側に取着された状態で、該左右の第1の取付片13,13をカーテンレール10に取り付けてもよいのであるが、作業性を考慮すれば、例えば次のように行なうのがよい。これを図33によって説明すれば、カーテン2の上縁部分3から分離された状態の一方の張設支持片11aを、その第1の取付片13で前記カーテンレール10の一端側に固定した後、該張設支持片11aの外側部分12を、カーテンの上縁部分3に設けられている収容袋部7に挿入する。その後、カーテンの上縁部分3の他端側に、外側部分12が収容袋部7に収容された状態にある張設支持片11bの前記第1の取付片13を、前記カーテンレール10の他端側に固定するのであるが、その際、該他方の張設支持片11bを前記一方の張設支持片11aから離れる方向(図33に矢印で示す方向)に移動させて前記上縁部分3を張った状態にして行なう。
【0066】
(6) 前記カーテンレール10の断面形状及び、該カーテンレールの長さ方向に吊り具20を摺動可能に取り付ける構成は、前記実施例で示したものに特定されない。例えば、円環状取付片を具えた吊り具の該円環状取付片に棒状のカーテンレールを挿通せしめ、該棒状のカーテンレールの長さ方向で該吊り具が摺動するように構成されることもある。
【0067】
(7) 本発明に係る引き上げ式カーテン装置1は、表裏二重のカーテンに対しても適用できる。この場合、例えば、一方のカーテンは薄地に形成し他方のカーテンは厚地に形成するのがよい。このような表裏のカーテン2a,2bに対して本発明を応用した場合は、各カーテン2a,2bに対応させて、一方の張設支持片11にロック具16が設けられる。今、両カーテン2a,2bの上縁部分3a,3bが図34に示すように一体化している場合は、図34に示すように、各カーテン2a,2bに対応する如く設定された、ロック具16が設けられる張設支持片が、同一の張設支持片(例えば図34に示す左端側の張設支持片11a)とされる場合と、図35に示すように、ロック具16が設けられる張設支持片が、一方のカーテン2aに関しては左端側の張設支持片11aとされ、且つ他方のカーテン2bに関しては右端側の張設支持片11bとされることもある。なお表裏のカーテン2a,2bは、前記カーテンレール10の表側と裏側に分けて配置されることもある。
【0068】
(8) 前記ロック具は、ひだ状部分が積み重なる状態に所要に引き上げられたカーテンの該引き上げ状態を保持するために前記昇降コードをロックできる構成のものであれば、前記実施例で示したものの他、各種に構成できる。
又前記ロック具は、前記ホルダーを介在させることなく、張設支持片に直接固定状態に設けられることもある。
【0069】
(9) 前記吊り具20は、例えば図36に示すように、ネジ固定等によりカーテンレール10の長さ方向に摺動しない固定状態で設けられることもある。
【0070】
(10)カーテン2に上下所要間隔で設けられる前記コード挿通部91は、前記実施例で示したように、カーテンに取り付けられた挿通部材を用いて構成することの他、例えば図37に示すように、カーテン2に設けた透孔として構成することもある。又、カーテンの上縁部分に設ける案内部56は、昇降コード15を横方向でロック具16に向けて案内できるものであれば各種に構成できる。
【0071】
(11)張設支持片11に設けられる前記第1の取付片13は、前記の他、カーテンレール10に着脱可能に取り付けられる各種構成のものを採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るカーテン装置を示す背面図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】本発明に係るカーテン装置の一端側を説明する分解斜視図である。
【図4】本発明に係るカーテン装置の他端側を説明する分解斜視図である。
【図5】固定部材が取り付けられたカーテンレールを示す部分斜視図である。
【図6】固定部材を示す斜視図である。
【図7】カーテンレールに対する固定部材の固定要領を説明する断面図である。
【図8】カーテン基材の上側部分に係止テープを、その両端部分がカーテン基材の両端から突出する如く縫着した状態を示す部分斜視図である。
【図9】その折り返し片を内側に折り曲げて縫製することにより形成された収容袋部を示す斜視図である。
【図10】カーテンの上縁部分に案内具と第2の取付片を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】カーテンの下縁部分に形成されたウエイトバーの収容部をウエイトバーの収容状態で示す部分斜視図である。
【図12】ウエイトバーの構成を説明する斜視図である。
【図13】ホルダーが固定された張設支持片をカーテンの上縁部分の一端側に取着する工程を説明する斜視図である。
【図14】ホルダーを有さない張設支持片をカーテンの上縁部分の他端側に取着する工程を説明する斜視図である。
【図15】カーテンの上縁部分の左右端側に張設支持片を取着し、且つ上縁部分を張設した状態を示す背面図である。
【図16】張設支持片とホルダーとロック具を分解して示す斜視図である。
【図17】支持片に対するホルダーの取り付け状態を示す断面図である。
【図18】ロック具のロック解除状態を示す断面図である。
【図19】カーテンの引き上げ状態を示す部分斜視図である。
【図20】ロック具のロック状態を示す断面図である。
【図21】本発明に係るカーテン装置の他の実施例を示す背面図である。
【図22】出窓に適用されたカーテン装置を一端側から見た斜視図である。
【図23】その他端側から見た斜視図である。
【図24】その一端側から見た斜視図の部分拡大図である。
【図25】その他端側から見た斜視図の部分拡大図である。
【図26】その一端側から見た斜視図の中間部分拡大図である。
【図27】固定部材の他の態様を示す斜視図である。
【図28】その固定部材をカーテンレールに固定した状態を示す斜視図である。
【図29】その固定部材を用いてカーテンの上縁部分を張設した状態を示す背面図である。
【図30】第1の取付片の他の態様を、張設支持片がカーテンの上縁部分の左端側に取着された状態で示す斜視図である。
【図31】第1の取付片が設けられた張設支持片を示す斜視図である。
【図32】その第1の取付片を、張設支持片がカーテンの上縁部分の右端側に取着された状態で示す斜視図である。
【図33】その第1の取付片が設けられた張設支持片をカーテンの上縁部分の左右端側に取着し、且つ上縁部分を張った状態を示す背面図である。
【図34】本発明に係るカーテン装置が表裏二重のカーテンに応用された場合の一実施例を示す部分斜視図である。
【図35】本発明に係るカーテン装置が表裏二重のカーテンに応用された場合の他の実施例を示す部分斜視図である。
【図36】カーテンレールに設けられる吊り具の他の態様を示す斜視図である。
【図37】コード挿通部の他の態様を示す断面図である。
【図38】従来のカーテン装置を説明する斜視図である。
【図39】その背面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 カーテン装置
2 カーテン
3 上縁部分
7 収容袋部
10 カーテンレール
11 張設支持片
13 第1の取付片
15 昇降コード
16 ロック具
17 ホルダー
21 掛着孔
22 固定部材
36 カーテン基材
40 係止テープ
43 折り返し片
49 被折り返し部
56 案内具
63 ウエイトバー
65 収容部
66 出し入れ口
67 分割バー
71 張設支持片外端
72 袋底部
91 コード挿通部
95 コード案内路
96 ロックローラ
100 第2の取付片
109 出窓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片にはロック具が設けられ、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられており、
又、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが、該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とする引き上げ式カーテン装置。
【請求項2】
カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が分離可能に取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片には、ロック具を着脱可能に保持するホルダーが固定されており、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられており、
又、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが、該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とする引き上げ式カーテン装置。
【請求項3】
カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が分離可能に取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片には、ロック具を着脱可能に保持するホルダーが固定されており、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられており、
又、前記カーテンの上縁部分の左右端側には、向き合う方向に開口する収容袋部が設けられ、該収容袋部の袋底部は、前記上縁部分の端部に沿わせて上下に長く形成され、該両収容袋部に前記張設支持片の外側部分が挿入されており、該張設支持片は、上下に長い張設支持片外端が上下に長い前記袋底部に当接した状態で、前記上縁部分に面状ファスナを介して分離可能に取着されており、又、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とする引き上げ式カーテン装置。
【請求項4】
前記第2の取付片が、前記案内部の近傍部位において前記上縁部分に設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項5】
前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片は、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項6】
前記収容袋部は、前記カーテンを構成するカーテン基材の上側部分の左右端において外方に突設された折返し片を内側に折り返すと共に該折返し片の上下を被折返し部に固着することによって形成されていることを特徴とする請求項3記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項7】
前記カーテンの上縁部分に、該上縁部分の長さ方向に係止孔が並設されてなる掛止テープを、その両端部分がカーテン基材の上側部分の左右端から外方に突出するように固定すると共に、該突設された折り返し片を内側に折り返し、該折り返し片の上下を被折り返し部に固着することによって前記収容袋部が形成され、又、前記係止孔には前記案内部が掛着されることを特徴とする請求項3記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項8】
前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片は、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片として構成され、且つ、該フック状掛着片が、前記張設支持片の前記収容袋部から突出した部分の左右に所要間隔を置いて設けられていることを特徴とする請求項3記載の引き上げ式カーテン装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンの上縁部分の左右端側にのみ、カーテンレールに着脱可能の板状の張設支持片が分離可能に取着され、該張設支持片には、該カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第1の取付片が設けられると共に、一方の張設支持片には、ロック具を着脱可能に保持するホルダーが固定されており、又、前記上縁部分の、前記左右の張設支持片間の部分には、前記カーテンレールに着脱可能に取り付けられる第2の取付片が設けられており、
又、前記カーテンの上縁部分の左右端側には、向き合う方向に開口する収容袋部が設けられ、該収容袋部の袋底部は、前記上縁部分の端部に沿わせて上下に長く形成され、該両収容袋部に前記張設支持片の外側部分が挿入されており、該張設支持片は、上下に長い張設支持片外端が上下に長い前記袋底部に当接した状態で、前記上縁部分に面状ファスナを介して分離可能に取着されており、又、前記カーテンの幅方向の少なくとも両側で昇降コードが上下方向に配置され、該昇降コードは、該カーテンに上下所要間隔で設けたコード挿通部に挿通せしめられ、その下端部がカーテンの所要部位に固定状態とされると共に、各昇降コードが該カーテンの上縁部分に設けた案内部に案内されて前記ロック具側に延長され、全ての昇降コードが該ロック具のコード案内路に挿通せしめられており、該コード案内路を通った昇降コードを下方に引くことによって、前記カーテンが、ひだ状部分が積み重なる状態に引き上げられる如くなされ、所要の引上げ状態で前記昇降コードが前記ロック具によりロックされることを特徴とする引き上げ式カーテン装置。
【請求項2】
前記第2の取付片が、前記案内部の近傍部位において前記上縁部分に設けられていることを特徴とする請求項1記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項3】
前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片は、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片であることを特徴とする請求項1記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項4】
前記収容袋部は、前記カーテンを構成するカーテン基材の上側部分の左右端において外方に突設された折返し片を内側に折り返すと共に該折返し片の上下を被折返し部に固着することによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項5】
前記カーテンの上縁部分に、該上縁部分の長さ方向に係止孔が並設されてなる掛止テープを、その両端部分がカーテン基材の上側部分の左右端から外方に突出するように固定すると共に、該突設された折り返し片を内側に折り返し、該折り返し片の上下を被折り返し部に固着することによって前記収容袋部が形成され、又、前記係止孔には前記案内部が掛着されることを特徴とする請求項1記載の引き上げ式カーテン装置。
【請求項6】
前記張設支持片に設けられる前記第1の取付片は、前記カーテンレールに固定された固定部材の掛着孔に掛着されるフック状掛着片として構成され、且つ、該フック状掛着片が、前記張設支持片の前記収容袋部から突出した部分の左右に所要間隔を置いて設けられていることを特徴とする請求項1記載の引き上げ式カーテン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2006−198319(P2006−198319A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15693(P2005−15693)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【特許番号】特許第3725895号(P3725895)
【特許公報発行日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(502082074)
【出願人】(505028853)株式会社サンスプリント (1)
【Fターム(参考)】