説明

引下線コネクタ

【課題】ボルトの締め付け中にラチェットレンチがボルトから外れにくく、作業性を向上できる引下線コネクタを提供すること。
【解決手段】引下線コネクタ1は、第1凹部10cが形成された第1保持部材10と、第2凹部20cが形成された第2保持部材20と、第1保持部材10と第2保持部材20とを連結する連結部30と、弾性部材40と、第1保持部材10を貫通する第1貫通穴11と、第2保持部材20を貫通する第2貫通穴21と、第1貫通穴11又は第2貫通穴21に螺合可能なボルト部材50と、第1保持部材10に設けられ電線部材が接続可能な電線接続部60と、第1保持部材10に設けられ第2保持部材20の外面側に突出して延びる第1板部材12a、該第1板部材12aに設けられ該第1板部材12aに対して所定角度屈曲して延びる屈曲板部材12b、及び屈曲板部材12bの先端側に形成される切り欠き部12cを備える第1把持部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電線(高圧線)と、この高圧線から分岐される引下線とを接続する引下線コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引下線コネクタの高圧線への取り付けは、高所作業車に乗った作業者によって以下のような手順で行っていた。まず、引下線コネクタの把持部を把持して、当該引下線コネクタを高圧線に仮保持させる。次に、高圧線を、引下線コネクタに設けられているボルトで締め付ける。ここで、ボルトの締め付けは、間接活線工具(ヤットコ)の先端にラチェットレンチを取り付けた状態で、ラチェットレンチをボルトの頭部に嵌めて回動することによって行う。ラチェットレンチによってボルトを締め付けて高圧線に引下線を取り付ける構成の引下線コネクタは、例えば、特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−56942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来技術において、ボルトの頭部へのラチェットレンチの取り付けは、不安定な姿勢で行う高所作業であり、また、高圧線が風で揺れたりするので容易ではない。また、ボルトの締め付け作業中に、ラチェットレンチがボルトから外れてしまうこともあった。
【0005】
従って、本発明は、ボルトの頭部へラチェットレンチを容易に取り付けることができると共に、ボルトの締め付け中にラチェットレンチがボルトから外れにくくできる引下線コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、配電線が配置される第1凹部が先端側の内面に形成された第1保持部材と、配電線が配置される第2凹部が先端側の内面に形成され、該第2凹部が前記第1凹部に対向して配置される第2保持部材と、前記第1保持部材の先端側と前記第2保持部材の先端側とを開閉可能に、前記第1保持部材の基端側と前記第2保持部材の基端側とを連結する連結部と、前記第1保持部材と前記第2保持部材とが閉じる方向に該第1保持部材及び該第2保持部材を付勢する弾性部材と、前記第1保持部材を貫通する第1貫通穴と、前記第2保持部材を貫通する第2貫通穴と、前記第1貫通穴又は前記第2貫通穴に螺合可能なボルト部材と、前記第1保持部材及び/又は前記第2保持部材に設けられ電線部材が接続可能な電線接続部と、前記第1保持部材の基端側又は前記第2保持部材の基端側に設けられ前記第2保持部材の外面側に突出して延びる第1板部材、該第1板部材の先端側に設けられ該第1板部材に対して所定角度屈曲して前記第1貫通穴又は前記第2貫通穴が形成された側に延びる屈曲板部材、及び前記屈曲板部材の先端側に形成され、該屈曲板部材が凹状に切り欠かれた切り欠き部を備える第1把持部と、を備える引下線コネクタに関する。
【0007】
また、引下線コネクタは、前記第1保持部材の基端側又は前記第2保持部材の基端側に設けられ、前記第1板部材に対して所定角度を有して延びる板状の第2把持部を更に備えることが好ましい。
【0008】
また、引下線コネクタは、前記電線接続部に連結されて前記第1保持部材及び前記第2保持部材から突出すると共に、先端側において前記電線部材に接続される硬質の棒状部材70を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の引下線コネクタによれば、ボルトの頭部へラチェットレンチを容易に取り付けることができると共に、ボルトの締め付け中にラチェットレンチをボルトから外れにくくできる。これにより、作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る引下線コネクタを、高圧線に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る引下線コネクタの実施形態を示す正面図である(高圧線に取り付ける前の状態)。
【図3】本発明に係る引下線コネクタの実施形態を示す側面図である。
【図4】本発明に係る引下線コネクタの実施形態を示す正面図である(高圧線に取り付けた状態)。
【図5】本発明の実施形態に係る引下線コネクタの取り付け手順を示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る引下線コネクタを示す要部側面図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態を示す要部正面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態を示す要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の引下線コネクタ1の好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る引下線コネクタ1を高圧線Hに取り付けた状態を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る引下線コネクタ1を示す正面図である(高圧線Hに取り付ける前の状態を示す)。図3は、本実施形態の引下線コネクタ1の実施形態を示す側面図である。図4は、本実施形態に係る引下線コネクタ1示す正面図である(高圧線Hに取り付けた状態を示す)。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の引下線コネクタ1は、高圧線Hと変圧器Tとを接続する引下線Lを、高圧線Hに接続するために用いられる。
図2〜図4に示すように、引下線コネクタ1は、第1保持部材10と、第2保持部材20と、連結部としての連結ピン30と、弾性部材40と、第1貫通穴11と、第2貫通穴21と、ボルト部材50と、電線接続部60と、棒状部材70と、第1把持部12と、第2把持部13と、第3把持部14と、を備える。
【0013】
第1保持部材10は、縦長状に構成され、基端側を形成する正面視略円形状の基部10aと、先端側を形成する起立部10bとを備える。起立部10bの内面には、第1保持部材10の幅方向に延びる第1凹部10cが形成される。この第1凹部10cには、配電線である高圧線Hが配置される。この第1保持部材10は、アルミニウムや鉄等の導電性材料で形成されている。
【0014】
第2保持部材20は、第1保持部材10と同様に、縦長状に構成され、基部20aと起立部20bとを備える。そして、起立部20bの内面には、第2保持部材20の幅方向に延びる第2凹部20cが形成されている。この第2凹部20cには、高圧線Hが配置される。第2保持部材20も導電性材料で形成される。
【0015】
第1保持部材10の基部10aの中央部及び第2保持部材20の基部20aの中央部には、それぞれ、貫通孔である穴部60,60が形成されている。
連結ピン30は、導電性に富む硬質の硬銅線で形成され、第1保持部材10と第2保持部材20とを連結する。より具体的には、第1保持部材10と第2保持部材20とは、穴部60,60が重なり合った状態で、これらの穴部60,60に連結ピン30が挿通されることで連結される。これにより、第1保持部材10の起立部10bと第2保持部材20の起立部20bとは、開閉可能に構成される。
【0016】
弾性部材40は、第1保持部材10の起立部10bと第2保持部材20の起立部20bとを閉じる方向に付勢する。この弾性部材40は、図2及び図4に示すように、正面視略半円弧状の円弧部41と、円弧部41の両端から内方に向かって延びる二つの線状部42,42とを備える。
【0017】
以上の弾性部材40によれば、円弧部41の弾力を、線状部42,42を介して第1保持部材10の起立部10bと第2保持部材20の起立部20bとに伝達して、これらの起立部10b、20bを相互に閉じる方向に付勢できる。
【0018】
第1貫通穴11は、図2及び図4に示すように、第1保持部材10を水平方向(第2保持部材20に向かう方向)に貫通する。また、第2貫通穴21は、第1貫通穴11に対向して形成され、第2保持部材20を水平方向に貫通する。第1貫通穴11には、螺条が形成され、雌ネジを構成する。第2貫通穴21は、通常の穴部を形成する。
【0019】
ボルト部材50は、頭部50aとネジ部50bとを備える。本実施形態のボルト部材50は、第2保持部材20の側から挿入される。従って、ボルト部材50のネジ部50bが第2貫通穴21を挿通して第1貫通穴11の螺条に螺合し、ボルト部材50の頭部50aが第2保持部材20の側面に露出する。尚、ボルト部材50には、締め付けを強固なものとすべく、平座金51とバネ座金52が嵌装されている。
【0020】
電線接続部60は、第1保持部材10及び第2保持部材20に形成され、電線部材である軟銅製の引下線Lが間接的に接続される。本実施形態では、電線接続部60は、第1保持部材10と第2保持部材20とに設けられ、連結ピン30が挿通される穴部60により構成される。
【0021】
棒状部材70は、導電性が高く硬質である硬銅線で構成されており、電線接続部60に連結される。棒状部材70は、第1把持部材及び前記第2把持部材から突出すると共に、先端側において引下線Lに接続される。本実施形態では、棒状部材70は、連結ピン30と一体的に形成され、第2保持部材20の側面から突出する。
【0022】
第1把持部12は、図2〜図4に示すように、ボルト部材50の頭部50aの直下に設けられる。この第1把持部12は、第1板部材12aと、屈曲板部材12bと、切り欠き部12cとを備える。
第1板部材12aは、第2保持部材20の外面側に、斜め下方向に向けて突出して延びている。屈曲板部材12bは、第1板部材12aの先端側に設けられ、この第1板部材12aに対して所定角度(本実施形態では約90度)、斜め上方向に屈曲して第2貫通穴21が形成された側に延びる。
【0023】
切り欠き部12cは、屈曲板部材12bの先端側に、この屈曲板部材12bを凹状(円弧状)に切り欠いて形成されている。この切り欠き部12cは、ボルト部材50の頭部50aの直下に形成され、当該頭部50aに嵌着されるラチェットレンチRのソケット部Sの外径よりやや大きい直径を有する(図4参照)。従って、この切り欠き部12cによって、屈曲板部材12bに、ソケット部Sの下面側に近接する(あるいは軽く当接する)円弧状の支持面12dが形成される。
【0024】
第2把持部13は、第2保持部材20の基部20aに設けられ、第1把持部12の第1板部材12aに対して所定角度θの位置に形成され、垂直下方向に延出される。
第3把持部14は、第1保持部材10の基部10a(又は第2保持部材20の基部20a)から、第2把持部13に対して同一所定角度θの位置に形成され、第1把持部12とは反対側の斜め下方向に延びる。
【0025】
本実施形態に係る引下線コネクタ1は、次のようにして取り付けることができる。図5を参照して説明する。尚、図5(b)〜図5(d)の作業は、高所作業車に乗った作業者によって、高圧線Hの下側から行われる。
【0026】
(1)最初に、図5(a)に示すように、引下線コネクタ1を引下線Lに接続する。この接続は、まず、引下線コネクタ1の棒状部材70の先端部と引下線Lの先端部同士を、圧縮スリーブ71の内部で重ね合わせた状態とする。次に、圧縮スリーブ71を圧縮工具で圧縮する。これにより、棒状部材70の先端部と引下線Lの先端部とが固着されて接続される。尚、圧縮スリーブ71や圧縮スリーブ71の近傍等の絶縁性が必要な部分は、絶縁テープ等で被覆する。
【0027】
(2)次に、図5(b)に示すように、引下線コネクタ1に棒状部材70を介して接続されている引下線Lを、高圧線Hに巻き付ける。ここで、引下線コネクタ1と引下線Lとの間には硬質な棒状部材70が存在する。従って、引下線Lが引下線コネクタ1との接続部分で折れ曲がって、第1保持部材10等の突起物を有する引下線コネクタ1に絡みつくといった事態が防止される。尚、引下線Lは、引下線コネクタ1が地上へ落下するのを防止する等の目的で高圧線Hに巻き付けられる。
【0028】
(3)続いて、図5(c)に示すように、引下線コネクタ1を高圧線Hに仮固定する。この仮固定では、まず、引下線コネクタ1のボルト部材50を弛めた状態とした後、引下線コネクタ1を押し上げて、第1凹部10cと第2凹部20cとの間に高圧線H(被覆剥ぎ取り部分)を押し込む。この際、弾性部材40が第1保持部材10と第2保持部材20を閉じる方向に付勢しているので、高圧線Hは、第1保持部材10の先端部10tと第2保持部材20の先端部20tとを、弾性部材40の付勢力に抗して押し広げるようにして第1凹部10cと第2凹部20cとの間に侵入する。また、高圧線Hが第1保持部材10と第2保持部材20との間に侵入した後、第1保持部材10の先端部10tと第2保持部材20の先端部20tとの間隔は、弾性部材40の付勢力によって縮まるので、引下線コネクタ1はこの仮固定状態でも高圧線Hから脱落しない。
【0029】
尚、この仮固定においては、引下線コネクタ1にはそれぞれ異なる方向に延びる複数の突起物(第1把持部12、第2把持部13、第3把持部14、棒状部材70)が設けられているので、作業者の位置から最も掴み易い突起物を掴んで、引下線コネクタ1を押し上げることができる。
【0030】
(4)最後に、図5(d)に示すように、ボルト部材50を締め付けて引下線コネクタ1を高圧線Hに固定する。ボルトの締付けは、まず、引下線コネクタ1の第1把持部12等を保持した状態で、絶縁ヤットコで挟持したラチェットレンチRのソケット部Sをボルト部材50の頭部50aに嵌め込む。この際、ボルト部材50の頭部50aの直下には第1把持部12が設けられ、この第1把持部12には円弧状の支持面12dが形成されている。従って、ソケット部Sの下面側をこの支持面12dに軽く当接させた状態で頭部50aに嵌め込むことができる。
【0031】
次に、ラチェットレンチRを、ボルト部材50を締め付ける方向と弛める方向へ交互に回動させてボルト部材50を締め付ける。この際、ラチェットレンチRのソケット部Sがボルト部材50の頭部50aから外れそうになることがあるが、その場合、ソケット部Sの下側面が支持面12dに当接する。従って、ソケット部Sは頭部50aから外れ難い。
【0032】
通常、作業者は、高圧線Hの下方からボルト部材50の締め付けを行うので、ラチェットレンチRのソケット部Sには下方に向かって力が作用し易い。従って、ソケット部Sが下側に向かって外れ易いが、その下側に支持面12dが存在するので、ソケット部Sの外れが防止される。特に、雨天での作業中ではソケット部Sが滑って外れ易いが、支持面12dの働きによってこうした外れが防止できる。
【0033】
ラチェットレンチRの回動によって、ボルト部材50は、第1保持部材10と第2保持部材20とを、相互に近づく方向に移動させる。これにより、高圧線Hは、第1保持部材10(第1凹部10c)と第2保持部材20(第2凹部20c)との間で強固に保持されて固定される。
【0034】
ボルト部材50を締め付ける際にも、複数の突起物(第1把持部12、第2把持部13、第3把持部14、あるいは棒状部材70)のいずれかを掴み、引下線コネクタ1の姿勢を安定させる。ここでも、この複数の突起物はそれぞれ異なる方向に延びているので、作業者が最も掴み易い突起物を掴んで作業することができる。尚、図1に示すように、引下線コネクタ1を固定後、必要に応じて当該引下線コネクタ1を覆う絶縁カバーCを取り付ける。
【0035】
本実施形態の引下線コネクタ1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)第1把持部12を第2保持部材20の外面側に突出させ、かつ、この第1把持部12を、第1板部材12aと屈曲板部材12bとを含んで構成し、更に、屈曲板部材12bの先端側に切り欠き部12cを設けた。これにより、ボルト部材50を締め付ける際に、ボルト部材50の締め付けに用いるラチェットレンチRのソケット部Sを第1把持部12の支持面12dによって支持させることができる。また、ソケット部Sをボルト部材50の頭部50aに嵌着する際にも、当該ソケット部Sを第1把持部12の支持面12dによって頭部50aに案内することができる。
これにより、ボルト部材50の締め付けに際して、ラチェットレンチRをボルト部材50から脱落し難くでき、また、ソケット部Sを容易に頭部50aに嵌着することができる。その結果、引下線コネクタ1の取り付け作業性を向上できる。
【0036】
(2)第1把持部12に対して所定角度θを有して延びる第2把持部13と、第2把持部13から同一所定角度θを有して延びる第3把持部14を設けた。これにより、引下線コネクタ1を高圧線Hに取り付ける場合に、引下線コネクタ1の取り付け箇所の下方において、第1把持部12を把持できる位置、第2把持部13を把持できる位置、あるいは第3把持部14を把持できる位置のいずれかから取り付けを行える。よって、引下線コネクタ1の高圧線Hへの取り付けを行う場合における作業位置に応じて把持する把持部を選択できるので作業位置の自由度を向上できる。
【0037】
(3)引下線コネクタ1を、電線部材(引下線L)に接続される硬質の棒状部材70を含んで構成した。これにより、引下線コネクタ1と引下線Lとの接続部分が引下線コネクタ1(第1保持部材10及び第2保持部材20)の重量によって折れ曲がることを防げる。よって、引下線コネクタ1を高圧線Hに取り付ける場合に、引下線Lが引下線コネクタ1に絡むのを防止することができる。その結果、引下線Lの高圧線Hへの巻き付け作業が容易となり、引下線コネクタ1の高圧線Hへの取り付けを容易に行える。この棒状部材70は、第1把持部12や第2把持部13等と同様に把持部としての機能も備える。
【0038】
尚、本発明の引下線コネクタ1は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態の第1把持部12の支持面12dは、ラチェットレンチRのソケット部Sの下側面のみに近接させているが、これに代えて、図6に示すように、それより上側部分にも近接させる支持面12eとすることができる。これにより、ラチェットレンチRの脱落を更に確実に防止できる。
【0039】
また、本実施形態では、棒状部材70を、連結ピン30と一体的に構成したが、これに限らない。即ち、棒状部材を、連結ピンと別部材により構成してもよい。また、引下線コネクタを、棒状部材を含まず構成し、引下線を直接、電線接続部に接続してもよい。
【0040】
また、本実施形態では、把持部を3本(第1把持部12、第2把持部13、第3把持部14)としているが、これに代えて、第1把持部12のみとすることができる。また、第1把持部12と第2把持部13のみとすることができる。更には、把持部を4本以上とすることもできる。
【0041】
更に、本実施形態では、電線接続部60を連結ピン30が挿通する穴部で構成しているが、これに代えて、図7に示すように、第1保持部材10や第2保持部材20の適宜の箇所に別個に形成した穴60aで構成することもできる。あるいは、穴を形成することなく、図8に示すように、第1保持部材10又は第2保持部材20の表面に突起部を形成し、この突起部60bを電線接続部60とすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 引下線コネクタ
10 第1保持部材
10a 基部
10b 起立部
10c 第1凹部
10t 先端部
11 第1貫通穴
12 第1把持部
12a 第1板部材
12b 屈曲板部材
12c 切り欠き部
12d 支持面
12e 支持面
13 第2把持部
14 第3把持部
20 第2保持部材
20a 基部
20b 起立部
20c 第2凹部
20t 先端部
21 第2貫通穴
30 連結部(連結ピン)
40 弾性部材
41 円弧部
42 線状部
50 ボルト部材
50a 頭部
50b ネジ部
51 平座金
52 バネ座金
60 電線接続部(穴部)
60a 電線接続部(穴)
60b 電線接続部(突起部)
70 棒状部材
71 圧縮スリーブ
R ラチェットレンチ
S ソケット部
C 絶縁カバー
H 配電線(高圧線)
L 電線部材(引下線)
θ 所定角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配電線が配置される第1凹部が先端側の内面に形成された第1保持部材と、
配電線が配置される第2凹部が先端側の内面に形成され、該第2凹部が前記第1凹部に対向して配置される第2保持部材と、
前記第1保持部材の先端側と前記第2保持部材の先端側とを開閉可能に、前記第1保持部材の基端側と前記第2保持部材の基端側とを連結する連結部と、
前記第1保持部材と前記第2保持部材とが閉じる方向に該第1保持部材及び該第2保持部材を付勢する弾性部材と、
前記第1保持部材を貫通する第1貫通穴と、
前記第2保持部材を貫通する第2貫通穴と、
前記第1貫通穴又は前記第2貫通穴に螺合可能なボルト部材と、
前記第1保持部材及び/又は前記第2保持部材に設けられ電線部材が直接的又は間接的に接続可能な電線接続部と、
前記第1保持部材の基端側又は前記第2保持部材の基端側に設けられ前記第2保持部材の外面側に突出して延びる第1板部材、該第1板部材の先端側に設けられ該第1板部材に対して所定角度屈曲して前記第1貫通穴又は第2貫通穴が形成された側に延びる屈曲板部材、及び前記屈曲板部材の先端側に形成され、該屈曲板部材が凹状に切り欠かれた切り欠き部を備える第1把持部と、を備える引下線コネクタ。
【請求項2】
前記第1保持部材の基端側又は前記第2保持部材の基端側に設けられ、前記第1板部材に対して所定角度を有して延びる板状の第2把持部を更に備える請求項1に記載の引下線コネクタ。
【請求項3】
前記電線接続部に連結されて前記第1保持部材及び前記第2保持部材から突出すると共に、先端側において前記電線部材に接続される硬質の棒状部材を更に備える請求項1又は2に記載の引下線コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−152086(P2012−152086A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10820(P2011−10820)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】