説明

弦楽器用抵抗型弦高測定器

【課題】弦楽器の弦高を精度よく測定し数値化する。
【解決手段】被測定弦楽器に電気伝導体の計測弦を張り、絶縁体で作った楔形測定子の上部斜面に膜状で且つ一様な抵抗体を張り、抵抗体の両端に電圧を掛けながら測定したい楽器ネック部の弦に接触するまで挿入する。
抵抗体と計測弦が接触した時の計測弦の電圧を計測する事によって、楔測定子のどの位置に計測弦が接したかを知り、楽器のネックと弦の距離である弦高を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弦楽器の弦高を抵抗の変化により、測定する方法に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2009−23571
[整理番号] KT0001
[提出日] 平成21年9月16日
[書類名] 特許願
[発明者] 高野 卓雄
[発明の名称]弦楽器用弦高測定器
【特許文献2】特願2009−253456
[整理番号] KT0002
[提出日] 平成21年10月15日
[書類名] 特許願
[発明者] 高野 卓雄
[発明の名称]弦楽器弦高測定器用センサー
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来楽器を使用するにつれて変化していく弦楽器の弦高を測定し管理するには、物差しや適当な厚みのゲージを使用して弦高を測定し管理していた。
この様な測定では十分な精度と客観性の在る計測が出来ないため、感覚に頼った弦高管理を行っている点である。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は実際の弦の変わりに電気伝導体で作られた計測弦を計測したい楽器に張り、絶縁体で作った楔形測定子の上部斜面に膜状で且つ一様な抵抗体を張り、両端に電圧をかけて測定したい楽器ネック部と計測弦の間に挿入し、ネック上を滑らせながら抵抗体に計測弦が接触するまで挿入する。
楔形測定子の抵抗体と計測弦が接触した所で、接触インジケーターを点灯すると同時に、その時の電圧をサンプルホールド回路に記憶させる。
記憶された電圧を計測する事によって、楔形測定子のどの位置に計測弦が最初に接触したかを知り、楽器のネックと弦の距離である弦高を測定する。
【発明の効果】
【0004】
本発明の弦高測定により、弦楽器の演奏しやすさと音質に影響がある弦高を正確に測定し管理することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は弦高測定装置の実施方法を示した説明図である。
【図2】図2は弦高測定装置の計測方法を示した説明図である。
【図3】図3は弦高測定装置のセンサー部と計測弦の詳細を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
計測は楔形測定子を接触インジケーターが点灯する所までネック上を滑らせながら挿入する。
接触インジケーターが点灯したところで電圧計の値を読み取り弦高を求める。
【実施例】
【0007】
図1は、本発明装置の1実施例で弦楽器の各部と弦高測定装置の楔形測定子及び計測弦との関係を示している。
【0008】
図2は、本発明装置の計測原理で、楽器のネックから一方の端の高さがA(mm)他の端の高さがB(mm)の一様な抵抗を持った抵抗体のA端にA(V)同じくB端にB(V)の電圧を供給する。
この時抵抗体のネックからH(mm)の高さの部位の電圧はH(V)と成る。
従って抵抗体のH点に接する計測弦の電圧はH(V)と成り、弦高H(mm)を電圧計にて直接読み取ることが出来る。
またこの時電圧コンパレーターで電圧HとBを比較し、H>Bの時接触インジケーターが点灯し、且つサンプルホールド回路によりその時の電圧H(V)を記憶するようにしておく。
図の様にA>BであればH>Bと成る為、計測弦と抵抗体が接触すればコンパレーターがON状態と成り、接触インジケーターは点灯し且つサンプルホールド回路はホールド状態になる。
この状態で電圧計を読むならば計測弦が抵抗体に接触した瞬間の電圧を知ることになり、その時の電圧計の読みH(V)の単位を(mm)に代えればそのまま弦高と成る。
【0009】
図3は、本発明装置を実施する際の楔形測定子、抵抗体、計測弦及び楽器ネックの関係を示している。
【符号の説明】
【0010】
1 本発明装置の計測弦
2 本発明装置のセンサー
3 弦楽器のブリッジ
4 弦楽器の共鳴箱
5 弦楽器のネック
6 弦楽器の弦巻取り具
7 抵抗体H部の高さ(Hmm:弦高)
22 抵抗体
71 抵抗体A端の高さ(Amm)
72 抵抗体B端の高さ(Bmm)
701 抵抗体A端への供給電圧(AV)
702 抵抗体B端への供給電圧(BV)
703 電圧計(接触時読み:HV)
710 電圧コンパレーター
711 接触インジケーター
712 サンプルホールド回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弦楽器に張った電気伝導体で作られた計測弦と、絶縁体で作った楔形測定子の上部斜面に膜状で且つ一様な抵抗体を張り、抵抗体の両端に電圧をかけながら楔形測定子を楽器ネック部と弦の間に挿入し、抵抗体が計測弦に接した時の計測弦の電圧を計測し、弦楽器の弦高を求める弦高測定装置
【請求項2】
上記[請求項1]に於ける計測において、抵抗体の両端に電圧をかけるに当り、[図2]にある様に、夫々の端の高さの読みA(mm),B(mm)の単位を(V)に代えた電圧A(V),B(V)を加える。
この様な状態で抵抗体の一点に接した計測弦の電圧を電圧計で計測すれば、電圧計の読みH(V)の単位を(mm)に変えたものH(mm)がそのまま、その位置の弦高を表す様に出来る。
【請求項3】
上記[請求項1]に於ける計測において、[図2]にある様に、抵抗体に計測弦が接した時にコンパレーターの出力がONするようにし、その出力でインジケーターを点灯すると共に、計測弦の電圧を入力したサンプルホールド回路をホールド状態にする。
このサンプルホールド回路の出力をインジケーター点灯中に計測する事で、楔形測定子を挿入する事で計測弦が変位する直前の位置における電圧を、電圧計で計測する事が出来る。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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