張力による活性化可能な基材
【課題】輸送時に高密度であり、消費者の使用時に表面積の増加及び低密度であるティッシュ製品を得る。
【解決手段】一連のスリット44又は他の脆弱線42が引張り線に平行な方向へ伸びて、ティッシュ40が示強性の第2の状態を達成することができる。示強性の第2の状態の値は、活性化後には異なる。強い特性値の変化により、高い密度の製品が消費者へ輸送されるので、輸送の節約ができる。使用時点で、消費者が製品を活性化して、表面積の増加及び低密度を達成する。表面積の増加及びこれに伴う密度の低下により、清浄における有効性が増加する。塑性的に活性化可能な状態は、ティッシュ40中の一連のスリット44又は他の脆弱線42により提供され得る。そのティッシュは、フェイシャル・ティッシュ、バス・ティッシュ、紙タオル、ナプキン、身体拭き、モップヘッドなどとして使用することができる。
【解決手段】一連のスリット44又は他の脆弱線42が引張り線に平行な方向へ伸びて、ティッシュ40が示強性の第2の状態を達成することができる。示強性の第2の状態の値は、活性化後には異なる。強い特性値の変化により、高い密度の製品が消費者へ輸送されるので、輸送の節約ができる。使用時点で、消費者が製品を活性化して、表面積の増加及び低密度を達成する。表面積の増加及びこれに伴う密度の低下により、清浄における有効性が増加する。塑性的に活性化可能な状態は、ティッシュ40中の一連のスリット44又は他の脆弱線42により提供され得る。そのティッシュは、フェイシャル・ティッシュ、バス・ティッシュ、紙タオル、ナプキン、身体拭き、モップヘッドなどとして使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願に対する相互参考)
本出願は、2000年11月3日にジュナン・カオ(Junan Kao)らの名で出願された「張力による活性化可能な基材(Tension Activatable Substrate)」という名称の先願の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、示強性の第1の状態から示強性の第2の状態へ使用者が活性化可能な可撓性基材に関する。
【0003】
(発明の背景)
不織基材、特にティッシュ・ペーパーは、当該技術分野で周知である。ティッシュ・ペーパーは、フェイシャル・ティッシュ、バス・ティッシュ、紙タオル、ナプキン、及び拭取り紙として、一般に使用されている。より最近では、合成不織布が、シャワーで人の肌を洗うプーフ(poof)として、床や他の硬質表面を清浄するための使い捨てモップヘッドとして使用されてきた。好適な身体洗い用具が、1997年7月22日にゴードン(Gordon)らへ発行され、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,650,384号、及び本発明の譲受人に譲渡されたPCT国際公開公報WO98/15262、WO99/25318、WO99/06793に開示されており、その全てを参照として本明細書に組み込む。使い捨て不織基材を有する代表的なモップが、2000年8月15日にポリエイチオ(Polieicchio)らへ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,101,661号、及び1999年5月4日にキングリ(Kingry)らへ発行された米国特許第Des.409,343号の双方に参照として本明細書に組込まれ、本出願人によってスィッファー(Swiffer)モップとして市販され、例示されている。別個の孔あき不織基材が、1999年4月20日にトロクハン(Trokhan)へ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,895,627号にも例示されており、参照として本明細書に組み込む。1998年3月26日にシェリー(Sherry)の名で公開されて本発明の譲受人に譲渡された、PCT国際公開公報WO98/11813では、湿らせることができる洗浄パッドを有する洗浄器具が開示されており、参照として本明細書に組み込む。
【0004】
低密度を有する、又は高い嵩を有するともいう、ティッシュ・ペーパーを製造することが、ティッシュ・ペーパー製造技術でのかねてからの目標であった。密度を下げることによりティッシュを改良する当該技術分野で最初の試みの1つは、1967年1月31日にサンフォード(Sanford)らへ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第3,301,746号に見られ、参照として本明細書に組み込む。サンフォード(Sanford)らは、従来のプレスフェルトで乾燥したティッシュよりも実質的に低い全体密度を有する、通風で乾燥した紙を開示している。1980年3月4日にトロクハン(Trokhan)へ発行された米国特許第4,191,609号では通風で乾燥する低密度の紙の改良が開示されており、参照として本明細書に組み込む。この特許が開示している紙は、柔軟性を増加する2軸的に千鳥状パターンの低密度域を有して作られる。
【0005】
更に別の一連の本発明の譲受人に譲渡された特許では、感光性樹脂を有するベルトを使用することによる低密度抄紙が例示される。この技術は、それまで入手不可能だった柔軟性を抄紙用工程へ与えた。そのような技術を示している代表的な特許として、本発明の譲受人に譲渡された米国特許群、1985年7月16日にトロクハン(Trokhan)へ発行された第4,529,480号、1987年1月20日にトロクハンへ発行された第4,637,859号、1994年11月15日にスマルコスキー(Smurkoski)らへ発行された第5,364,504号、1996年6月25日にトロクハンらへ発行された第5,529,664号、1997年10月21日にラッシュ(Rasch)らへ発行された第5,679,222号、1998年2月3日にエイヤース(Ayers)らへ発行された第5,714,041号、及び1999年5月25日にトロクハンへ発行された第5,906,710号が挙げられ、参照として本明細書に組み込む。
【0006】
低密度ティッシュを達成したとされる更に別の技術が、1999年8月3日にファーリングトン(Farrington)ジュニアらへ発行された米国特許第5,932,068号に見られる。この特許によれば、クレープ加工無しの低密度ティッシュの製造を意味している。
【0007】
しかしながら、前述のティッシュ・ペーパーの各開示によれば、単一セットの示強性だけを有するティッシュ・ペーパーが使用者へ提供される。示強性として、密度、厚さ、摩擦係数、体積(単位面積基準で)、表面積(単位面積基準で)、及び空隙容量が挙げられるが、これには限定されない。
【0008】
より具体的には、従来技術のティッシュ・ペーパーは、単一の全体密度又はかさ密度だけを有する。使用者は、製造プロセスが一旦完了すると、ティッシュ・ペーパーの密度に大きな影響を与えることはできない。しかし、使用者は、購入時点で最初から存在する密度とは異なる密度のティッシュ・ペーパーを望むときがある。例えば、使用者は、輸送及び貯蔵には高い密度のティッシュ・ペーパーを望み、最終使用には低い密度のティッシュ・ペーパーを望むことがある。その場合、第1の密度で提供され第2の十分に低い密度に変形可能なティッシュ・ペーパー・シートを有することができれば、消費者にとって便利である。
【0009】
同様に、使用者は、ティッシュ・ペーパーを第1の体積から第2の体積及び/又は厚さに変形することを望むこともある。第2の体積及び/又は厚さは、第1のものより大きくてもよい。体積増加及び/又は厚さ増加は、使用者の使用時点以前では、第1の、並びにより小さい体積及び/又は厚さで輸送及び貯蔵するという利益を提供することができる。使用時点で、消費者は、ティッシュ・ペーパーを第2、並びにより大きい体積及び/又は厚さへ、活性化することができる。体積及び/又は厚さのかかる増加があると、例えば、体積増加及び/又は厚さ増加が使用中の使用者の手を保護できるという利益をもたらす。このことは、製品をバス・ティッシュとして又は他の表面の洗浄に使用する場合に、特に有利であり得る。
【0010】
同様に、使用者は、製造工程が一旦完了すると、ティッシュ・ペーパーの表面積を著しく変更することは通常できない。本明細書で使用する用語「表面積」は、そのティッシュ・ペーパーの平らな平面への単位投影面積内に含まれる、トポグラフィーを考慮したティッシュ・ペーパーの表面域の広さを指す。表面域のこの広さは、一般的に、ティッシュ・ペーパーの投影された平面寸法を測定することによって得られる表面積よりも広い。使用者は、輸送及び貯蔵には第1の表面積を、及び使用には第2の表面積を望むことがある。
【0011】
同様に、使用者は、清浄のために提供することができる、複数の外部に出た端部を有するティッシュ・ペーパーを望むことがある。その端部は、清浄される物質を除去するための剥ぎ取り作用を提供する。このことは、製品をバス・ティッシュ又は他のクリーニング用具として使用する場合に、特に有利であり得る。活性化した時に本発明のティッシュ・ペーパーにもたらされる、より広い表面積が、最終的に、清浄のためのより広い使用可能面積を生み出すと考えられる。特に、スリットの各端部が清浄される表面から異物を剥ぎ取る機会を提供する。スリット間の空隙に異物を捕捉することができるので、清浄の有効性を増すことができる。この清浄有効性の改善は、ティッシュ・ペーパーの摩擦係数の増加として表されることも可能である。
【0012】
同様に、本発明によるティッシュ・ペーパーがバス・ティッシュとして使用する場合、活性化したときの高い空隙容量により水流し性の改善がもたらされることは、予期できるものである。水流し性を改善したトイレットペーパーを製造する当該技術分野での1つの試みが、1997年7月29日にツェング(Tseng)へ発行された米国特許第5,652,035号に見られる。この特許では、四分区間に分割されたバスティッシュ・ペーパーが開示されている。対角的に向き合う四分区間が、平行なスリット群を有する。そのティッシュは、2対の対角的に向き合う四分区間を有する。各対は、対角的に向き合う四分区間内のスリットと互いに平行であって、隣接する四分区間内のスリットと互いに垂直である、スリット群を有する。この配置により水流し性の改善を提供することができるが、消費者は引張り力をかけることによりティッシュ・ペーパーを容易に活性化することはできない。使用者がティッシュを掴んで引き離すと、引張り力の線に垂直のスリットはティッシュ・ペーパーを開く傾向があるが、引張り力の適用に並行のスリットには、通常伸張性はない。そのティッシュは以降、説明するように、適切には活性化されない。
【0013】
1975年7月15日にガイサー(Gaisser)へ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第3,895,128号では、乾燥機に添加する布地軟化剤として使用可能な布地コンディショニング物品が開示されており、参考として本明細書に組み込む。1976年3月16日にマックアリ(McQueary)へ発行された米国特許第3,944,694号及び1976年5月11日にマックアリ(McQueary)へ発行された米国特許第3,956,556号では、スリット及び穿孔をその中に有する、布地コンディショニング物品が開示されており、双方が本発明の譲受人に譲渡され、参照として本明細書に組み込む。これらの布地コンディショナー物品も又、乾燥機に添加する布地軟化剤として使用可能である。スリット及び穿孔の目的は、布地コンディショニング物品を貫通する空気の流れを可能にするためであり、これにより、乾燥機に添加する布地軟化剤として使用するときに排気の妨げを防ぐ。
【0014】
本発明による基材が乾燥機に添加する布地軟化剤として使用される場合、使用時点での基材の活性化により、低密度/高空隙空間の基材が提供され、乾燥機での使用の最中に、乾燥機を貫通する空気流に特に良く適する。
【0015】
スリット加工技術の他の適用が、1997年9月16日にグッドリッヒ(Goodrich)らへ発行された米国特許第5,667,871号に見られる。グッドリッヒ(Goodrich)らは、代表的な70ポンド(32kg)普通クラフト紙を使用して、充填材を形成する。その材料は、梱包の内部などの中空空間を満たすのに使用される。同様に、1994年11月22日にマイダ(Maida)らへ発行された米国特許第5,365,819号は、多数のスリットを使用するパッキング材を形成する方法を教示する。スリットにより、その材料が、荷重を支えると共に弾力性がある三次元形状に拡大することができる。
【0016】
スリット加工技術の更に別の例が、1994年12月20日にシュッド(Schuld)らへ発行された米国特許第5,374,381号に示されている。シュッド(Schuld)らは、特に加湿器内で有用な蒸発エレメント又はカートリッジを教示する。そのエレメントは、多数層のスリットと、吸取り型の紙で作られた拡大された毛管作用材料を含む。構造強度のために、金属層又は他のフレームが設けられる。
【0017】
本発明による基材は、バス・ティッシュ、フェイシャル・ティッシュ、紙タオル、ナプキン、雑巾、スポンジ、ごしごし洗い、プーフ、身体洗い、フィルター、顔マスク、枕材料、詰め物、保温材、パッキング材、包帯、傷包帯材、乾燥機添加布地軟化剤、おむつや衛生ナプキンやタンポンなどの吸収性製品用コア、屋外使用排水媒体、植物苗床等として使用することができる。その基材は、最終用途に関わらず、使用時点で、又は製造工程の中間点で、活性化が可能である。
【0018】
(発明の概要)
本発明は、ティッシュ・ペーパーの概ね平面的な基材を含む。ティッシュ・ペーパーは、セルロース繊維及び/又は合成繊維を含むことができる。ティッシュ・ペーパーは、脆弱線のパターンを備える。脆弱線は、長軸を有することができる。脆弱線は、格子状に配置することができ、同一の長さ及びピッチにしてもよく、又は様々な大きさ及び形状を有することができる。脆弱線の長軸は、真っ直ぐであり、平行及び/又は共通の方向に向けることができる。脆弱線は、曲線状であり、様々な斜め関係に向けることもできる。
【0019】
ティッシュは、張力で塑性的に活性化することができる。活性化の方向は、脆弱線の長軸に概ね垂直とすることができる。活性化すると、ティッシュ・ペーパーは、示強性の第1の状態から示強性の第2の状態へ変形される。例えば、活性化すると、ティッシュ・ペーパーのZ方向の厚さは、増加する。
【0020】
(詳細な説明)
図1〜図12を参照すると、本発明は、可撓性の、巨視的には平面上の基材シートを含む。その基材は、以降、第1の実施でティッシュ・ペーパー40として説明されるが、代替実施及び材料も特許請求する発明の範囲内にあることを理解されたい。ティッシュ・ペーパー・シート40は、縦方向及びこれに直交する幅方向を有する。集合的には、これら2つの方向は、XY平面と、XY平面に直交するZ方向とを画定する。ティッシュ・ペーパー40は、不定の長さとすることができる。長方形のティッシュ・ペーパー40が描かれているが、円、定形及び異形多角形などの他の形状も、本発明の範囲内であることを理解されたい。
【0021】
ティッシュ・ペーパー40は、ティッシュ・ペーパー40の厚さを十分に又は完全に貫通してZ方向に延びる、複数の脆弱線42を有する。脆弱線42は、ティッシュ・ペーパー40内のスリット44、切り込み、穿孔、開口、坪量をかなり減量した域、又はいずれかの他の人工物とすることができ、これにより、以降説明するように活性化した時に、網状組織全体に分散した穴を有する基本的に連続の網状組織を形成することができる。
【0022】
ティッシュ・ペーパー40の活性化は、ティッシュ・ペーパー40の1つ以上の示強性の塑性的変化を指す。ティッシュ・ペーパー40を活性化するには、引張り力を適用することにより、張力で伸張させる。適用する引張り力は、脆弱線42の長軸に概ね垂直とすることができ、その結果、最大の伸びが生じる。
【0023】
活性化の間、ティッシュは、対向する引張り力により塑性的に伸ばされる。引張り力は、脆弱線42の長軸に垂直に、好ましくは完全に垂直に、ベクトル構成成分を有する方向に生じる。塑性的な伸張により、ティッシュ・ペーパー40が対向する引張り力の適用に応じて、長さ又は厚さを永久的に増加することを意味する。増加した長さは、適用された引張り力が除かれた後に、ある程度は弛緩し得、ティッシュ・ペーパー40は、元の長さには戻らない。
【0024】
ティッシュ・ペーパー40は、セルロース性のもので、従来型乾燥又は既知の抄紙用技術を使用する通風乾燥されたものである。ティッシュ・ペーパー40は、一定又は変化する坪量及び/又は密度とすることが出来、特に好ましい多重坪量の実施態様を以降、説明する。本発明によるティッシュ・ペーパー40は、本発明の譲受人に譲渡された次の任意の米国特許により製造することができ、次の開示を参照として本明細書に組み込む:1985年7月16日にトロクハン(Trokhan)へ発行された第4,529,480号、1987年1月20日にトロクハンへ発行された第4,637,859号、1994年11月15日にスマルコスキー(Smurkoski)らへ発行された第5,364,504号、1996年6月25日にトロクハンらへ発行された第5,529,664号、1997年10月21日にラッシュ(Rasch)らへ発行された第5,679,222号、1998年2月3日にエイヤース(Ayers)らへ発行された第5,714,041号、1999年5月25日にトロクハンへ発行された第5,906,710号、1999年11月9日にワイスマン(Weisman)らへ発行された第5,980,691号、1996年8月27日にファン(Phan)へ発行された第5,549,790号、1996年9月17日にトロクハンらへ発行された第5,556,509号、1996年12月3日にアンプルスキー(Ampulski)らへ発行された第5,580,423号、1997年3月11日にファンへ発行された第5,609,725号、1997年5月13日にトロクハンらへ発行された第5,629,052号、1997年7月10日にアンプルスキーらへ発行された第5,637,194号、1997年10月7日にマクファーランド(McFarland)らへ発行された第5,674,663号、1997年12月2日にアンプルスキーらへ発行された第5,693,187号、1998年1月20日にトロクハンらへ発行された第5,709,775号、1998年7月7日にアンプルスキーらへ発行された第5,776,307号、1998年8月18日にアンプルスキーらへ発行された第5,795,440号、1998年9月29日にファンへ発行された第5,814,190号、1998年10月6日にトロクハンらへ発行された第5,817,377号、1998年12月8日にアンプルスキーらへ発行された第5,846,379号、1999年1月5日にアンプルスキーらへ発行された第5,855,739号、1999年1月19日にアンプルスキーらへ発行された第5,861,082号、1999年2月16日にトロクハンらへ発行された第5,871,887号、1999年4月27日にアンプルスキーらへ発行された第5,897,745号、1999年5月18日にアンプルスキーらへ発行された第5,904,811号、及び2000年4月18日にアンプルスキーへ発行された第6,051,105号。
【0025】
あるいは、そのティッシュは、クレープ加工無しで作ることもできる。クレープ加工無しで作られるティッシュが、1999年8月3日にファーリングトン(Farrington)ジュニアらに発行された米国特許第5,392,068号により例示される。
【0026】
本発明で使用するために選定したティッシュ・ペーパー40が以降説明するように多重密度又は多重坪量を含み通風乾燥された場合、当業者ならば、製造中のティッシュ・ペーパー40から水を除去するために、ミクロポア乾燥を利用しようと考えるであろう。ミクロポア乾燥では、流れ制限体が、通風乾燥の空気流路中に置かれる。そのミクロポア媒体は、乾燥するティッシュ・ペーパー40の間隙よりも小さい孔を有する。ミクロポア乾燥は、本発明の譲受人に譲渡された次の米国特許に従って実行することができ、これらを参考として本明細書に組み込む:1994年1月4日にエンサイン(Ensign)らへ発行された第5,274,930号、1995年8月1日にエンサインらへ発行された第5,437,107号、1996年7月30日にエンサインらへ発行された第5,539,996号、1996年12月10日にエンサインらへ発行された第5,581,906号、1996年12月17日にエンサインらへ発行された第5,584,126号、1996年12月17日にエンサインらへ発行された第5,584,128号、1997年5月6日にエンサインらへ発行された第5,625,961号、1999年6月15日にトロクハン(Trokhan)らへ発行された第5,912,072号、1999年8月24日にエンサインらへ発行された第5,942,322号、2000年2月8日にステルジェス(Stelljes)らへ発行された第6,021,583号、及び2000年8月22日にエンサインらへ発行された第6,105,276号。
【0027】
あるいは、上述したように、全体又は部分が非セルロース性の基材も、本発明の範囲に包含される。本発明による基材は、セルロース繊維、合成繊維、及びこれらの混合物を含むことができる。本発明による不織布を製造するのに好適な1つの装置が、1999年4月20日にトロクハン(Trokhan)らへ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,895,623号に示されており、参照として本明細書へ組み込む。
【0028】
本発明によるティッシュを更に詳細に調べると、このティッシュは、複数の脆弱線42を有する。脆弱線42は以降、スリット44として説明されるが、本発明はそのように限定されるものではないことを理解すべきである。脆弱線42は、穿孔、開口などを含むことができる。本明細書で使用する穿孔は、ティッシュ中では不連続であったり中断していたりすることによって、ティッシュのZ方向の全厚を貫通するものではなくXY平面内で本質的に一次元である。穿孔は、切込むこと、又はティッシュ内の繊維を永久的に圧縮する/変形することにより作ることができる。スリットは、認識し得る第1の方向を有して基本的に線状であり、垂直方向には認識し得る寸法は殆どない。スリットは、ティッシュ・ペーパー40のZ方向の厚さを完全に貫いて延びる。スリット44及び開口は、基本的に直線であっても、又は曲線であってもよい。対照的に、開口は、別の型の脆弱線である。開口は、X及びY両方向に認識し得る寸法を有する。開口は、ティッシュ・ペーパー40の厚さを部分的に又は完全に貫通して延びる穴として考えることができる。したがって、止り穴及び通り穴両方が開口として包含される。穿孔、スリット44、開口、又は他の脆弱線42は、格子を形成することができる。脆弱線42の間には、ランド部48がある。ランド部48は、活性化したときのティッシュの体積を画定する網目となる。
【0029】
この議論の目的上、スリット44は、縦方向を向いているとするが、スリット44が幅方向を向いても、又は縦方向及び幅方向に関して斜め関係であってもよいと理解すべきである。あるいは、ティッシュ・ペーパー40は、縦方向及び幅方向両方にスリット44を有することができる。スリット44は、一方向に互いにずれることができる。スリット44が一方向にずれるとき、1つのスリットの端部は、スリット44の長軸に垂直である隣接スリットの端部と交差しない。あるいは、スリット44は、隣接スリット44から二方向にずれてもよく、又は隣接スリット44と整列してもよい。
【0030】
図27を参考して、発明のパターンを説明するために、次の記号を使用する。
【0031】
Lは、スリット44の長さ。
【0032】
Aは、活性化前のスリット44の幅。スリットの幅は、極小量幅のスリットの場合、ゼロに近づく、又はゼロであるとみなす。
【0033】
Dは、長さ方向の、隣接スリット44との間の距離。
【0034】
Wは、幅方向の隣接スリット44との間の距離、すなわち、ランド部48の幅を言う。一般的に、スリット長さLは、スリットの間の距離Dよりも大きく、その結果、張力で活性化すると長い伸びが生じる。
【0035】
ユニットセルは、互いに敷き詰めてランド48及び脆弱線42のXYパターンを形成することができる、最小繰返しユニットであるとする。
【0036】
Imxは、スリット44の長さ方向のユニットセルの長さであるとし、数学的にはL+Dの和と等価である。
【0037】
Icxは、幅方向のユニットセルの長さであり、数学的には2W+2Aの和であるとみなされる。
【0038】
Nmは、長さ方向にとったシートのユニットセルの数である。
【0039】
Ncは、幅方向にとったシートのユニットセルの数である。
【0040】
スリットの長さLが、活性化したときの開孔部の大きさを支配する。したがって、スリットの長さLが、幅方向の全体の伸びに影響を与える。隣接スリットの間の距離Wが、ランド部48の幅を画定し、活性化したときの、Z方向の拡大の大きさとティッシュ・ペーパー40の一般外観とを制御する。スリットの幅Aは、一般的に、活性化前にはゼロであるとみなすことができる。この幅が、Z方向の拡大になんらかの寄与をすることがあり、特定の型の網目を提供する。例えば、スリット44が、異物やゴミなどを除去するための掻き集める動きを提供するのが望ましいこともある。スリットの間の距離Dが、幅方向の引張り強度を制御する。スリットの間の距離Wが、Z方向拡大、長さ方向の引張り強度を制御し、活性化したときのいずれかのすくい部又はランド部48の大きさに影響を与える。そのようなランド部48は、活性化したとき、基材平面に対して約45度を向く。
【0041】
次の比は、活性化したときの、本発明によるティッシュの作用及び特性に影響する。L/Wは、隣接スリット44の間の距離に対するスリットの長さの比であり、この距離はスリット44の長軸に対して垂直にとる。L/Wの比は、活性化したときの、不透明度の程度又はシートの透き通って見える面積を制御する。L/W比がより低いと、活性化したときに不透明度がより高くなり、一方、L/W比がより高いと、活性化したときにより大きな開孔面積になり、したがって不透明度が低くなる。
【0042】
L/Dは、スリット長さに対する、スリット44に平行な方向のスリット44の間の距離の比である。L/Dの比は、構造的な破壊が生じる前の、スリット44の長軸に垂直な伸びの大きさを制御する1つの要因である。L/Dの比がより低いと、構造的な破壊が生じる前の、スリット44に垂直の伸びがより少なくなるが、L/W比がより高いと、より大きな伸びが達成可能になる。
【0043】
ランド部の幅Wが小さくなりすぎると、ティッシュ・ペーパー40が、活性化の間に十分な強度を有さなく、活性化したとき、裂けて片となることがある。あるいは、ランド部の幅Wが大きすぎると、活性化するのに過度の引張り力が必要なことがある。同様に、隣接スリット44の間の距離Dが小さすぎると、活性化したときに、ティッシュ・ペーパー40が裂けることがある。
【0044】
A/Wは、スリットの幅に対する隣接スリット44の間の距離の比であり、この距離はスリット44の長軸に対して垂直になる。A/Wは、活性化前のティッシュの開孔面積の大きさを制御する1つの要因である。A/Wの比がより低いと、活性化前のシート開孔面積がより小さく、したがってより不透明になり、一方A/W比がより高いと、活性化前の開孔面積がより大きくなる。
【0045】
スリット44は第1の方向に向く長さLを有するが、ティッシュ・ペーパー40は通常、長さLすなわちスリット44の長軸に垂直の方向に活性化されることを認識すべきである。したがって、ティッシュ・ペーパー40の長さLは、一般的に、スリット44の長さLに垂直になる。スリット44又はティッシュ・ペーパー40の幅方向は、スリット44の長さ方向に垂直である。
【0046】
次の表1は、図1〜図8の実施態様の場合の、上述のパラメータに対する既知の作用範囲を示す。第1の方向及び第2の方向の異なるユニットセルの数は、ティッシュ・ペーパー40のパターンの複雑さに直接的に正比例する。縮退している場合には、巧妙なパターンは、シート全体を通じて1つのユニットセルを有することができる。
【0047】
【表1】
図9〜図12を参考すると、本発明によるティッシュ・ペーパー40の代替実施態様が示される。この実施態様では、縦方向及び幅方向に対して斜めに向く脆弱線42が例示される。この配置により提供される利点は、縦方向か、幅方向か、又は縦方向か横方向に対するある角度かに向けられた対向する引張り力により、ティッシュが活性化できることである。この配置は又、複数プライ・ティッシュの場合に、プライの著しい相互作用が生じるという利点を提供する。活性化すると、複数プライ積層体内の隣接プライとの相互作用により、1つのプライの連結極大点が、嵩又はZ方向拡大を捕らえて維持すると考えられる。
【0048】
図9及び図10は、正弦波形で絡み合う脆弱線42を有するティッシュ・ペーパー40を示す。正弦波スリット44を選定する場合、隣接スリット44は、同位相か、180度位相ずれか、又は中間位相かである。あるいは、スリット44は、曲線であって、円や楕円などの部分を描いてもよい。曲線スリット44を選定する場合、スリット44は、同じ方向の凹面で向くか、反対の凹面を有する交互のスリット44で向くか、中間の向きかである。この配置により提供される利点も、縦方向か、幅方向か、又は縦方向か横方向に対するある角度かに向けられた対向する引張り力により、活性化可能なことである。正弦波パターンは、活性化したとき、ランド部48の端部で丸い曲線を提供する。この配置により、使用中に消費者をすりむく粗い点がないという利点が得られる。あるいは、図11及び図12に示すように、スリット44は、並行である必要はない。交互のスリット44は、隣接スリット44に対して、及び/又は縦方向に対して、及び/又は幅方向に対して、斜めに向けることができる。図11及び図12は、山形紋形状の脆弱線42を有するティッシュ・ペーパー40のパターンを示す。ヘリングボーン形の脆弱線42のパターンも利用できることは、当業者には明らかであろう。
【0049】
図29A及び図29Bを参照すると、他の2つのパターンが例示されている。図29Aのパターンは、方向82又は方向84のいずれかに活性化可能である。方向84への活性化は、方向82への活性化よりも大きなひずみを、すなわち荷重のピークに達成しながら、破断せずに提供すると予想される。同様に図29Bを参照すると、そのパターンは、半円形の脆弱線42と、真っ直ぐ平行で、一方向にずれた脆弱線42との両方を含む。真っ直ぐで一方向にずれた脆弱線42に垂直に活性化するには、半円形の脆弱線42からの寄与も又伴う。しかし、真っ直ぐな脆弱線42に平行な方向への活性化は、半円形の脆弱線42からのひずみへの寄与を伴うのみである。それ故に、真っ直ぐな脆弱線42に垂直な方向への活性化は、真っ直ぐな脆弱線42に平行な方向への活性化よりも、破断せずにより大きな伸びが可能であると予想される。したがって、図29A及び図29Bの実施態様により、使用者が使用時点で望む特性に従って、どの角度の活性化を利用するか選択することが可能になる。
【0050】
様々なパターンの脆弱線42を同じティッシュ・ペーパー40へ混入できることを、当業者は認識するであろう。例えば、ユニットセルは、真っ直ぐや曲線の脆弱線42からなることができ、スリット44や開口などを含むことができる。
【0051】
次の表2は、本発明の6つの非制限的な代表的実施態様の場合の、スリット44及びひも状物の寸法を示す。活性化前の寸法は、表1に示される。
【0052】
【表2】
図1〜図12を更に参照すると、本発明による上の6つのティッシュ・ペーパー40の活性化の前及び後が示される。活性化前には、ティッシュ・ペーパー40は、Z方向に測定した第1の厚さを有する。
【0053】
ティッシュ・ペーパー40は、塑性拡大に応じてZ方向厚さも増加する。Z方向厚さのかかる増加は、従来のポアッソン効果の理論で予想されることに反する。代わりに、シートのZ方向厚さは増加する。ティッシュ・ペーパー40は、適用した引張り力を除いても元の厚さには戻らない。更に、ティッシュ・ペーパー40は、適用した引張り力に平行な伸びよりも大きい量又はパーセントで、Z方向へ拡大することもある。このように、ティッシュ・ペーパー40は、二次元肥大特性を示す。
【0054】
したがって、本発明により、ポアッソン効果による欠点がないティッシュ・ペーパー40が得られる。活性化すると、Z方向に薄くなるのではなく、本発明によるティッシュ・ペーパー40は、Z方向にむしろ厚くなる。この方法により、これまで得られたものよりも低い、極端に低い密度を有するティッシュ・ペーパー40が結果として生じる。
【0055】
表3は、図27のティッシュ・ペーパー40の1つのユニットセルの4つの異なる点での活性化効果を、厚さ、活性化方向の長さ、第2の方向の長さ、表3に記すティッシュ・ペーパー40のユニットセルの体積に関して示す。図3のティッシュ・ペーパー40は次の寸法を有する:L=1.0cm、D=0.2cm、W=0.4cm、及びA=0.02cm。ティッシュ・ペーパー40の長さ方向は、適用した引張り力の方向に平行とする。幅方向は、適用した引張り力の方向に垂直とする。
【0056】
【表3】
これまでの議論は、単一プライのティッシュ・ペーパー40の実施態様が対象である。複数プライ・ティッシュ・ペーパー40の実施態様もまた可能である。複数プライ実施態様では、本製品は、少なくとも2つの、並びにいずれかの合理的な数までのティッシュ基材から構成することができる。複数プライを形成するティッシュ基材は、同一の材料組成でも、異なる材料組成でもよい。例えば、3つ(又はより多く)のプライの実施態様が利用できる。かかる実施態様は、2つの外側プライ及び1つ以上の中央プライを含むことができる。外側プライは、使用者の皮膚に対して柔らかく、表面をこするのに効果的であるなどの特性を備えることも可能である。中央プライは、強度を備えること、又は活性化した時クレンザー若しくは他の機能添加剤の放出を行うことができる。更に、当該技術分野で既知のように1つ又は両方の外側プライは、脆弱線42無しのティッシュ・ペーパー40を含むことができる。
【0057】
複数プライ実施態様を選定する場合、プライは、異なるパターンの脆弱線42を備えてもよい。例えば、内側プライは、活性化した時にロフトと嵩を増進するパターンを備えることができる。外側プライは、触感が好ましく、又は特定の対象表面をこするのに効果的な、パターンを備えることもできる。複数プライシートの分析結果を次の表4に示す。平行で一方向にずらせたスリット44を有する図27に示したものと同様な幾何形状を試験した。スリット44及びティッシュ・ペーパー40は、活性化前に次のパラメータを有した:
【0058】
【表4】
図26を参照として、ティッシュ・ペーパー40中のスリット44又は他の脆弱線42は、いずれかの好適な方法でティッシュ・ペーパー40へ付与することができる。図26は、バッキングロール52に対して使用し、ティッシュ・ペーパー40へスリット44を付与することができるロータリナイフ50を示す。ロータリナイフ50上のブレードのパターンが、ティッシュ中のスリット44に対応する。ブレードの間の間隔が、ティッシュ中のランド部48に対応する。ティッシュはそのナイフに対して、好ましくはニップを通して動かされて、連続工程中にスリット44が付与され得る。
【0059】
あるいは、ナイフは平らであって、ティッシュ・ペーパー40の内部にスリット44をスタンプすることもできる。これはバッチ工法を必要とし、ティッシュ内部にスリット44がスタンプされる。次に、ティッシュ・ペーパー40はスタンプナイフに、あるいは、ナイフの下に置かれた新しいティッシュ・ペーパー40に関連して動かされる。次にナイフが活性化されて、スリット44をスタンプし、上述のようにパターン内部にランド部48を残す。
【0060】
更により好ましい実施では、脆弱線42は、ティッシュ・ペーパー40内部の低坪量領域を含むことができる。ティッシュ・ペーパー40は、多重坪量を有して、高い坪量がランド部48をつくり、低い坪量がスリット44又は脆弱線42をつくることができる。
【0061】
好ましい実施態様では、ティッシュは、多重坪量のペーパーを含み、スリット44を低坪量領域として、又は縮退した場合には開口としてさえも有する。多重坪量のペーパーを製造するためには、立ち上がった突出部を有するフォーミング・ワイヤを設ける。突出部は、幾つかの実施では少なくとも10の縦横比を、別の実施では少なくとも20を、更に別の実施では少なくとも30を有することができる。フォーミング・ワイヤの突出部が脆弱線42に対応し、一方突出部の間の間隔がランド部48に対応する。特に好ましい方法では、ティッシュ・ペーパー40の高坪量領域は、フォーミング・ワイヤの平面に垂直にとるときに、突出部の高さよりも低い又はわずかに高い高さを有することができる。特に好ましい実施では、低坪量領域は、突出部をわずかに覆ってブリッジを架けるだけであり、非常に低い坪量の領域を残してこれが活性化したときに開口となる。この配置により、開口の縁の繊維が、粗い縁ではなく柔軟性をもたらすという利点が得られる。その柔軟性は、部分的には、活性化によって破断する繊維結合のためであると考えられる。結合の破断は、繊維の一端を取付けたままにして、一端を自由にし、すなわち、本質的に片持ち状態とすることに起因する。そのような柔軟性は、活性化されたティッシュ・ペーパー40が、バス・ティッシュ又は身体拭取り布で生じるように上皮清浄用具として使用されるものとする場合、特に望ましい。複数プライ製品の場合、スリット44の縁の繊維は、隣接プライの対応する繊維に対して固定され得る。かかる固定は、活性化後の製品の嵩及びZ方向厚さを維持する助けになると考えられる。
【0062】
多重坪量紙は、本発明の譲受人に譲渡された次の米国特許のいずれかにより製造することができ、これらを参照として本明細書に組み込む:1993年9月14日にトロクハン(Trokhan)らへ発行された第5,245,025号、1996年6月18日にトロクハンらへ発行された第5,527,428号、1996年7月9日にトロクハンらへ発行された第5,534,326号、1997年8月5日にトロクハンらへ発行された第5,654,076号、1998年10月13日にファン(Phan)らへ発行された第5,820,730号、1994年1月11日にファンらへ発行された第5,277,761号、1995年8月22日にファンらへ発行された第5,443,691号、1998年9月8日にファンらへ発行された第5,804,036号、1996年4月2日にトロクハンらへ発行された第5,503,715号、1997年3月25日にファンらへ発行された第5,614,061号、1998年9月8日にファンらへ発行された第5,804,281号、1999年4月20日にトロクハンらへ発行された第5,895,623号、及び1999年5月4日にフストン(Huston)へ発行された第5,900,122号。
【0063】
試験方法
本発明は、次のように特徴付けることができる。第1の特徴付けは、荷重−伸び曲線から得られる、ピーク荷重時に生じる伸びを使用する。ひずみとも呼ばれるピーク時の伸びは、2つの直交方向に測定する。1つの方向は、活性化方向、すなわち破断しない最大のひずみ方向である。もう一つの方向は最大のひずみ方向に直交する。これらの方向は、幅方向及び縦方向とそれぞれ一致させることができる。活性化方向、例えば幅方向などの、以降に説明する荷重−伸び曲線のバンド幅70をもまた、ピークまでの移動平均に関して、決定する。製品の活性化前及び後の両方の体積及び厚さを測定し、体積指数及び厚さ指数をそれぞれ得る。本発明は、摩擦係数、縦方向及び幅方向へ測定したときの可撓性、並びに縦方向及び幅方向の可撓性の比によっても、特徴付けることができる。
【0064】
以降説明するそれぞれの試験に対して、指示がない限り、サンプルを選定して提供する。サンプルは、ティッシュ・ペーパー40の脆弱線42のパターンの少なくとも1つのユニットセルを含むものとし、消費者に提供される1つのユニットと一致していなければならない。パターンが近接していて、複数の脆弱線42が単一の製品上にある場合、1つの製品をサンプルとして提供する。例えば、サンプルは、バス・ティッシュの単一のシート、単一の洗浄器具などとしてもよい。
【0065】
ピーク荷重への伸びの測定は、次のように行う。試験するサンプルについて上に挙げた2つの方向を決定する。
【0066】
張力試験器を使用して、荷重−伸び曲線データを測定する。張力試験器の爪の大きさは、サンプル幅に少なくとも等しく、サンプル幅は試験される方向に直交である。サンプルが張力試験器に対して大き過ぎる場合、6インチ(15.24cm)角に切り詰めてもよい。サンプルを6インチ(15.24cm)に切り詰める場合、試験するサンプルの一部分は、XY平面のいずれの方向に応力をかけたときでも最大のZ方向変化を達成するサンプル部分の代表でなければならない。引張り試験器のゲージ長さは、試験するサンプルの長さの75%と等しくする。サンプルは、第1の方向に向け、爪の部分で両方向に中心をとって、クランプする。クロスヘッドを、毎分20インチ(50.8cm)の一定速度で離し、結果として得られる荷重−伸び曲線を、毎秒20データ点のサンプリング周波数で記録する。伸び試験の距離は、サンプルがピーク荷重に達成するように、十分大きくなければならない。
【0067】
記録は、ペンシルバニア州(Philadelphia, PA)フィラデルフィアのスィングアルバートインスツルメント社(Thwing−Albert Instrument Company)から入手可能なアナリシスプレゼンテイションソフトウエア(Analysis Presentation Software)・バージョン5.3を使用して行うことができる。このソフトウエアは、クロスヘッド移動量に対する絶対荷重としてデータを記録する。絶対荷重は、試験する方向に直交する初期サンプル幅によって荷重を割り、センチメートル当りのグラムに正規化する。クロスヘッド移動量は、クロスヘッド移動量を初期ゲージ長さで割り100を乗じ、パーセントひずみに換算する。ピーク応力、又は荷重は、荷重−伸び曲線から見出される。ピーク荷重に対応する伸びを、得られたひずみとして記録する。この手順を第2の方向に繰り返す。各方向に5つのサンプルを試験し、結果を平均してその特定の方向におけるピーク荷重でのひずみを得る。ひずみ比とは、ピーク荷重時の縦方向伸びに対するピーク荷重時の幅方向伸びに対する比であって、単なる割り算により見出される。
【0068】
次の表5は、様々な従来技術製品及び本発明の様々な実施態様についてのピーク荷重時における縦方向ひずみ及び幅方向ひずみを示す。従来技術によるティッシュ・ペーパー40は通常、幅方向に比較的低いひずみ値を有した。これが生じるのは、製造工程中のクレープ加工、ラッシュトランスファー、ウエットマイクロコントラクションなどの、通常縦方向に生じる短縮のためである。
【0069】
スリット44の長さ及び幅方向、並びに/又はティッシュ・ペーパー40の長さ及び幅方向が、縦方向及び幅方向と一致する必要がないことを、当業者は理解するであろう。しかしながら、これらの方向は、周知であって当業者に理解されるので、以降に示すサンプルで便宜上使用する。
【0070】
しかし、本発明では、スリット44は、縦方向に平行に向く長軸を有してもよく、通常は有する。スリット44のそのような向きにより、幅方向への活性化が可能になる。この方向が好ましいのは、これにより、縦方向への不慮の活性化が生じる傾向が少なくなるからである。不慮の活性化は、例えば分配中に起こることもある。
【0071】
表5に示すように、本発明によるティッシュ・ペーパー40は、少なくとも30%の、幾つかの実施では少なくとも60%の、別の実施では少なくとも90%の、別の実施では少なくとも120%の、更に別の実施では少なくとも150%の、幅方向のひずみを有することができる。同様に、本発明により、従来技術で得られるよりもほぼ一桁大きいひずみ比が得られる。ひずみ比は、ピーク荷重時の2つの直交する方向のひずみの比である。直交する方向は、縦方向及び幅方向と一致することができる。ひずみ比は少なくとも2、実施では少なくとも4、更に別の実施では少なくとも6とすることができる。
【0072】
【表5】
図13A〜図18を参照すると、従来技術及び本発明による幾つかの代表的な荷重−伸び曲線が示されている。荷重−伸び曲線は、より小さなピーク荷重値で、従来技術で得ることができる伸びよりも、本発明でいかに大きな伸びを得ることができるかを示す。
【0073】
第2のパラメータであるバンド幅70は、次のようにして測定する。前述の荷重−伸び曲線のピーク荷重までを、ローリング平均技法を使用して平滑化する。最初の3%のひずみは、ノイズ除去のために、削除する。全ての3つの連続データ点を相互に平均し、所与のデータ点の移動平均がそのデータ点の直前及び直後の点の平均に等しくなるよう曲線を平滑化する。
【0074】
図19〜図24を参照すると、平滑化した曲線の上及び下への偏差の大きさが、ローリング平均から荷重を引き算してピーク荷重で割り算することによりピーク荷重のパーセントとして表わされ各データ点で見られる。図19〜図24では、X軸がローリング平均曲線を表す。ローリング平均よりも大きい(グラフ上の上)全ての点を再び相互に平均して、バンド幅70の上限を得る。同様に、ローリング平均よりも小さい(グラフ上の下)全ての点を再び共に平均して、バンド幅70の下限を得る。バンド幅70は、上限及び下限の絶対値の合計として定義される。
【0075】
当業者には周知の、ワシントン州レッドモンド(Redmond, WA)のマイクロソフト社から入手可能なエクセルソフトウエア、又は他のいずれかのスプレッドシートが利用可能である。次の表6に示すように、荷重−伸び曲線からとったデータ点を、配列フォームにプロットすることができる。第1列は、各データ点のひずみを表す。本発明によるティッシュ・ペーパー40の場合、荷重−伸び曲線全体は、従来技術では200以上のデータ点を生み、本発明では1200以上の個々のデータ点を生み出すことができる。しかし、ピーク荷重までのデータ点のみが考慮される。したがって、利用する点をnとすると、nは200以上程度である。従来技術のサンプルは通常、より少ない合計データ点を示し、20以上程度であったことに留意すべきである。
【0076】
表6の第1列は、ひずみである。荷重列のn番目のデータ点が荷重−伸び曲線上のピークデータ点に等しいときに、次の表6が終わっていることに注意されたい。第2列は、第1列の各ひずみに対応する荷重である。第3列は、第2列のそれぞれの3つの連続データ点に見られる荷重のローリング平均である。ローリング平均は、ひずみ曲線上の各点で、ひずみ曲線上の特定点の直前及び直後のデータ点を考慮する。第4列は、いずれかの特定データ点のローリング平均からの荷重の偏差を表す。かかる偏差は、第3列の値から第2列の値を引き、その差を第2列中のピーク荷重で割ることにより見出される。第5列は、第4列から得た全ての正の値を表す。これらの値を相互に平均して、バンド幅70の上限を得る。第6列は、第4列から得た全ての負の値を表す。これらの値を相互に平均して、バンド幅70の下限を得る。
【0077】
【表6】
図19〜図25を参照すると、平滑化した荷重−伸び曲線は、ローリング平均を真直水平線として使用し、プロットすることができる。ピーク荷重に対するパーセントとして表したローリング平均からの偏差をプロットし、バンド幅の上限及び下限も同様にプロットする。
【0078】
次の表7に見られるように、従来技術は通常、本発明よりはかなり小さいバンド幅70を示す。好ましくは、本発明は、幾つかの実施で少なくとも0.5のバンド幅70を有し、別の実施では少なくとも0.7、別の実施では少なくとも0.9を有する。本発明の比較的大きいバンド幅70は、紐状物の漸増的破壊によるものであり、その結果、大きなランド部48(個々の繊維よりも)が破壊する時に生じる、より小さな荷重支持容量になると考えられる。
【0079】
【表7】
Z方向厚さ及びサンプル体積は、次のように測定する。試験する未活性状態のサンプルを、平らな水平基準表面の上に置く。ティッシュ・ペーパー40は、最大に記入された正方形を表示する。0.015インチ(0.0381cm)の厚さを有する、平らな正方形302ステンレス鋼のプラテン60を準備する。プラテン60は、前述の記入した正方形の1/9の大きさ及び面積を有する。サンプルの記された正方形に対してプラテン60の大きさを決定するに際しては、様々な大きさの製品に対応する物差が入手できる。
【0080】
図28を参考すると、プラテン60の中心が見られる。プラテン60は、中心で交差してプラテン60の各コーナーへ延びる対角線で記されている。対角線には、中心から各コーナーへ2/3の距離の位置と、中心の、合計5つの位置に印を入れてある。これら5つの位置は、引き続く厚さ測定の測定点を示す。
【0081】
ステンレス鋼プラテン60を基準表面の上に置き、日本の(株)ミツトヨにて製造されるデジマチックハイトゲージモデルNo.HDS−8"Mを使用して、板自体の自厚をゼロとする。ハイトゲージの触診先端を、サンプルの上に静置した時にプラテン60と接触する点まで落とす。プラテン60の中心上でゲージをゼロとすることにより、プラテン60の平面性を試験する。他の全ての測定点表示が+/−0.01インチ(0.254mm)であるならば、プラテン60は平らであるとする。サンプルを、基準面の上に置き、破損前の最大%ひずみの方向が測定者の左右となるような向きとする。
【0082】
図28を参照すると、サンプルは、接着テープをサンプルの全幅に沿って使用して、最左縁及び最右縁で基準表面に固定されている。接着テープは、サンプル全長の12.5%を左右両側で固定し、サンプル中間の75%を分析のためのゲージ長さとして残すべきである。プラテン60を、サンプルを乱さないように注意して、サンプルの上に置く。プラテン60は、プラテン60の縁が前述の第1及び第2の方向と揃うように、サンプル上で中心をとる。プラテン60の高さは、自厚を勘定に入れたときサンプルの厚さを表しており、プラテン60上に表示した5点のそれぞれで測定する。5つの読みの平均高さは、プラテン60がこの位置の時のZ方向厚さを表しており、このプラテン60の位置に記録される。
【0083】
プラテン60が各位置にある間に、プラテン60のそれぞれの側の、このセグメント(プラテン60の増分方向に垂直)に対するサンプルの平均幅も測定する。最後に、サンプルの長さを決定する。サンプルの長さは、測定しているプラテン60の側の長さに等しい。サンプルの長さ及び幅は、マサチューセッツ州アソール(Athol, MA.)のスターレット社(The Starrett Company)から入手可能な普通スケールを使用して、1.6mmの精度まで測定することができる。
【0084】
プラテン60を、その最初の位置の左(又は右)へ完全に一位置分動かして、n+1の位置にする。そのセグメントの5点の高さ、並びに長さ及び幅を、再び測定する。プラテン60を再び左(又は右)へ完全に一位置分動かして、5点を測定して平均する。この手順を、サンプルの縁に達するまで続ける。プラテン60の外側及び増分方向に垂直のサンプルの厚さは測定しない。接着テープで固定したサンプルの部分は測定しない。サンプルの縁では、サンプルの内側にあるプラテン60上の点だけを考慮する。縁の場合、セグメントの長さは、プラテン60の片側の長さに等しくなくてもよい。プラテン60がサンプルをオーバーハングする場合、サンプルの外側にあるいずれの点も、高さ測定に考慮しない。次に、プラテン60を中心位置の右(又は左)へ一位置分戻してn−1の位置とし、手順をサンプルの反対側の縁に達するまで繰り返す。各位置の高さ測定値を平均して、プラテン60の各位置に対する1つの高さを得る。
【0085】
プラテン60の各位置で、高さと幅と長さを乗ずる。このようにして、プラテン60の各増分位置に対する体積が見出される。増分位置でのこれらの体積を合計して、サンプルの最終体積を得る。
【0086】
次に、サンプルを張力で活性化する。まず、サンプルを固定していた接着テープを取り除いて、サンプルの全幅に沿ってサンプルをクランプする(再び、その形状の最左端及び最右端上の12.5%で)。次に、クランプを毎分50.8cmで動かして離し、サンプルを張力で活性化する。適切なひずみを見つけるために、前述の荷重−伸び曲線を使用する。伸びは、本発明による製品の使用中に通常生じる活性化方向で測定する。
【0087】
サンプルのゲージ長さを、上記ピーク値に達するのに必要なひずみの75%まで、張力で伸ばす。この伸びを、75%ピーク伸びと呼ぶ。張力荷重による破損は生じない。サンプルのゲージ長さを、75%ピーク伸びから67%ピーク伸びまで弛緩させる。製品内部の固有のばね力によって弛緩が生じない場合、手で弛緩を誘起することができる。次に、サンプルを、水平な基準面上の所定の位置に必要に応じて接着テープを使用して、注意深く67%ピーク伸びに保持する。上述したように体積測定を繰り返す。
【0088】
それぞれの状態で3つのサンプルを試験する。状態1の3つの体積を平均する。状態2の3つの体積を平均する。体積指数は、状態2の平均体積を状態1の平均体積で割ったものとして考えることができる。体積指数は、サンプルの伸ばされた部分の体積の変化を表す。
【0089】
厚さ指数は、次のようにして見出される。状態1の3つのサンプルのそれぞれに対して、プラテン60のいずれかの位置での最大の厚さを見つける。上の体積測定の厚さデータを使用することができ、又は新しい厚さ測定を行うことができる。
【0090】
活性化した3つのサンプルのそれぞれに対して、プラテン60のいずれかの位置での最大の厚さを見つける。次に、3つのサンプルのそれぞれに対して、これら最大値の比を得る。次に、3つの比を相互に平均して、3つのサンプルに基づくその製品を代表する厚さ指数を得る。
【0091】
次の表8を参照すると、従来技術による製品は、引張り力を適用した時に、目立った活性化をしない又は示強性を変化させないことがわかる。それ故に、従来技術サンプルの体積指数はほぼ1に等しい。本発明は、少なくとも5の、別の実施では少なくとも10の、別の実施では少なくとも15の、別の実施では少なくとも20の、及び別の実施では少なくとも25の、体積指数を有することができる。
【0092】
次の表8を更に参照すると、状態1及び状態2の平均の厚さは、各プラテン60位置に対する厚さ及び面積を合計して各プラテン60の位置に対する面積の合計で割ることで表される平均である。これは、概念的には、各プラテン60の位置の面積で割り算した、体積の重みつき平均と考えることができる。再び、状態1及び状態2の厚さのそれぞれの3つのサンプルの平均が表される。
【0093】
状態1及び状態2の最大の厚さは、それぞれの状態における3つの同一サンプルの最大の厚さの平均である。しかし、厚さ指数を決定するためには、それぞれのサンプルに対して1つの、つまり3つの厚さ指数を上述のように見出し、次に平均することが認識されるべきである。
【0094】
本発明によるティッシュ・ペーパー40は、少なくとも2の、幾つかの実施では少なくとも4の、幾つかの実施では少なくとも6の、幾つかの実施では少なくとも8の、幾つかの実施では少なくとも10の、及び更に別の実施では少なくとも12の、厚さ指数を有することができる。
【0095】
【表8】
本発明によるティッシュ・ペーパー40の厚さは、プライ数によって決まる。本明細書で説明して特許請求する実施態様の場合、1つ、2つ、又はnプライ、ここでnは約2と約8との間の整数を有する実施態様、及び幾つかの実施では4と6との間が好適であることが判明した。本明細書で説明して特許請求する複数プライ実施態様の場合、本発明によるティッシュ・ペーパー40は、上述のように測定する状態2の任意の場所での厚さとして、少なくとも約0.5cm、幾つかの実施では約1cm、別の実施では少なくとも約1.3cm、別の実施では少なくとも約1.5cm、及び更に別の実施では少なくとも約1.7cmを有することができる。単一プライ実施態様の場合、その厚さは、少なくとも約0.3cm、別の実施では少なくとも約0.4cm、更に別の実施では少なくとも約0.5cm、及び更に別の実施では少なくとも約0.6cmとすることができる。一般的に、脆弱線の間の垂直距離Wが増すにつれて、ティッシュ・ペーパー40の厚さも同様に増加する。活性化するとランド域Wがティッシュ・ペーパー40の平面外へ変形する傾向があるので、厚さの増加に対応するために、スリット長さは十分に長くなければならないことを当業者は理解するであろう。
【0096】
更に、本発明のティッシュ・ペーパー40は、活性化の後、従来技術で見られるよりも低い密度を有する。考慮中のティッシュの密度を測定するために、次の手順を用いる。ティッシュの体積を、上で説明したように決定する。ティッシュの質量を、デジタル天秤を使用してグラムで決定する。好適な天秤は、0.0001gの分解能を有し、デラウエア州ゲッティンゲン(Goettingen,DE)のサートリアス社(The Sartorius Company)から入手可能である。密度は、単にサンプルの質量を体積で割り算したものである。表9を参照すると、従来技術による様々な製品、及び特許請求する発明による様々な製品の密度が示されている。活性化すると、本発明による製品は、従来技術のものよりもほぼ一桁小さい密度を有する。本発明による製品は、バス・ティッシュやフェイシャル・ティッシュや硬質表面クリーナー用などの低密度基材として使用するとき、特に有利である。
【0097】
【表9】
上の表9で見ることができるように、本発明は、0.01g/cm3未満の、幾つかの実施では0.009g/cm3未満の、別の実施では0.008g/cm3未満の、別の実施では0.007g/cm3未満の、及び更に別の実施では0.006g/cm3未満の密度を有することができる。
【0098】
更に別のパラメータを参照すると、本発明は又、活性化すると比較的高い摩擦係数を有する。平均摩擦係数は、縦方向及び幅方向に測定した摩擦係数の平均である。摩擦係数は、カトーテック(株)から入手可能なカワバタエバリュエイションシステム(KES)試験器を使用して測定する。サンプルを水平基準表面上に固定する。焼結ガラス製の約12.2グラム重量のプローブ及びアームを使用する。プローブは、20mmの直径及びポロシティCを有する焼結したガラスであって、ニュージャージー州ヴァインランド(Vineland, NJ)のエースグラス社(Ace Glass,Inc.)からカタログ番号7176−14で入手可能である。図30A及び図30Bを参照すると、プローブは、角を面取りするために修正してある。プローブの底周辺の角は、100グリットサンドペーパーを使用して面取りする。ノートンアブレーシブ(Norton Abrasives)のK224 100−Jサンドペーパーが好適であると判明している。そのプローブを、サンプルに沿って毎分0.1cmの速度で2.0cmの距離を引く。プローブの方向は逆転され、2方向試験パターンとする。異なるサンプルを提供する。このサンプルは、第1のサンプルに対して90度の向きとし、試験を繰り返す。それぞれの方向に前向き及び後ろ向きのトレース(4試験点)を平均して、そのサンプルの摩擦係数を得る。3つのそのようなサンプルの平均により、ティッシュ・ペーパー40の摩擦係数が得られる。次の表10に示すように、本発明は活性化すると、少なくとも1.8、幾つかの実施では2.0を超え、別の実施では2.2を超え、更に別の実施では2.4を超える摩擦係数を有する。
【0099】
【表10】
サンプルの剛性は、ASTM B1388−64から適合させたカンチレバードレープ試験器を使用して測定することができる。サンプルは、2.54cmの幅、及び水平から45度の垂れを生じるに十分な長さを有する。ティッシュの場合10.16cmの長さ、及び紙タオルの場合15.24cmが、十分であると判明している。サンプルは、縦方向か幅方向かいずれかに平行な長軸を有する。3000平方フィート当りのポンド(6250平方センチメートル当りのグラム)でのサンプル坪量は、当業者に周知の技法を使用して決定され、本明細書では繰り返さない。サンプルは、サンプルのオーバーハングを生じることができる90度自由隅部を有する、水平試験台の上に置く。サンプルを、毎秒1/2インチ(1.27cm)の速度で自由端を越えて動かし、サンプルのオーバーハング部分が水平から45度垂れるまで行う。サンプルのオーバーハングの長さを、0.5cmの正確さで測定する。
【0100】
サンプルの厚さを、上述のように測定する。次に、曲げ率を、次の式により見出す:
曲げ率(kg/cm2)={(オーバーハングの長さ(cm)/2)3×坪量(ポンド/3000平方フィート)×119.24}/[厚さ(1/1000インチすなわちミル)]3
次の表11に見られるように、本発明は、従来技術で得ることができものよりもほぼ一桁小さい幅方向曲げ率を有する。本発明は、0.01kg/cm2未満、0.005kg/cm2未満の、幾つかの実施では0.001kg/cm2未満、幾つかの実施では0.0005kg/cm2未満、幾つかの実施では0.0001kg/cm2未満、及び幾つかの実施では0.00005kg/cm2未満の幅方向の曲げ率を有することができる。しかし、幅方向に対する縦方向の曲げ率の比は、従来技術で得ることができものよりもほぼ一桁大きい。幅方向に対する縦方向の曲げ率の比は、幾つかの実施では少なくとも約5、幾つかの実施では少なくとも約10、別の実施では少なくとも約15、及び別の実施では少なくとも20とすることができる。
【0101】
【表11】
MD曲げ率及びCD曲げ率の状態1/状態2の比も、次の表VIBに示す。表12に示すように、少なくとも4、幾つかの実施では少なくとも5、及び別の実施では少なくとも6の、CD可撓性の状態1/状態2の比を得ることができる。
【0102】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】真っ直ぐで平行な及び一方向にずれているスリットを有する、本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の断片的な上部平面図である。図1のスリットは、抄紙中に低坪量領域としてつくられた。
【図2】図1のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図3】真っ直ぐで平行な、一方向にずれているスリットを有する、本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の断片的な上部平面図であり、図3のティッシュ・ペーパーは識別可能な幅を有する。図3のスリットは、抄紙工程中に低坪量領域として作られたものであるが、図1の対応するスリットよりは高い坪量を有する。
【図4】図3のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図5】真っ直ぐで平行な、一方向にずれているスリットを有する本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の、断片的な上部平面図であり、図5のティッシュ・ペーパーは識別可能な幅を有する。図5のスリットは、抄紙工程中に低坪量領域として作られたものであって、図3のスリットの長さの1/2の長さである。
【図6】図5のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図7】真っ直ぐで平行な、一方向にずれているスリットを有する、本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の、断片的な上部平面図である。図7のティッシュ・ペーパーの基材は、チャーミンウルトラ(Charmin Ultra)型バス・ティッシュであり、フォーミング・ワイヤ側がこちらに面している。図7のティッシュ・ペーパーは、ロータリスリッターを使用して製造した。
【図8】図7のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図9】中断した正弦パターンを形成するスリットを有するティッシュ・ペーパーの断片的な上部平面図である。図9のティッシュ・ペーパーの基材は、チャーミン(Charmin)型バス・ティッシュであり、フォーミング・ワイヤ側がこちらに面している。図9のティッシュ・ペーパーは、レーザーカッターを使用して製造した。
【図10】図9のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図11】絡み合って二方向に交互に配置された山形紋パターンのスリットを有する、本発明によるティッシュ・ペーパー40の断片的な上部平面図である。図11のティッシュ・ペーパーの基材は、チャーミン(Charmin)型バスティッシュで作られており、フォーミング・ワイヤ側がビューアの反対側に面している。図11のティッシュ・ペーパーは、レーザーカッターを使用して製造した。
【図12】図11のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図13A】図1及び図2のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸び曲線である。図13Aは又、フォートジェイムス社(Fort James Corporation)により作られたキルテッドノーザーンウルトラ(Quilted Northern Ultra)バス・ティッシュとブラウニー(Brawny)紙タオルの双方、並びにキンバリークラーク社(Kimberly Clark Corporation)により作られたクリネックス(Kleenex)フェイシャル・ティッシュの活性化への反応を示す。
【図13B】図13Aの荷重−伸び曲線であり、ひずみスケールを圧縮している。
【図14】図3及び図4のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図15】図15は、図5及び図6のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図16】図7及び図8のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図17】図9及び図10のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図18】図11及び図12のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図19】図13A及び図13Bに示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図20】図14に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図21】図15に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図22】図16に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図23】図17に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図24】図18に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図25】図19の本発明、及び従来技術サンプルのバンド幅のグラフである。
【図26】本発明のティッシュにスリットを作ることに使用できる、ロータリナイフの斜視図である。
【図27】分析に使用した寸法を示す、代表的なスリットパターンの上部平面略図である。
【図28】厚さ測定をどのようにして行うかを示す、ティッシュ・ペーパー及びプラテンの上部平面略図である。
【図29A】第1の方向及び第2の方向に直交して向けられたスリットを有するティッシュ・ペーパーの部分的な平面図であり、第1の方向のスリットが第2の方向のスリットよりも著しい長さを有する。
【図29B】第1の方向に向けられた真っ直ぐなスリットと真っ直ぐなスリットの間に挿入された曲線状スリットとを有する、ティッシュ・ペーパーの断片的な上部平面図である。
【図30A】摩擦係数試験工程で使用されるプローブの底面略図である。
【図30B】図30Aのプローブの、線30B−30Bに沿って見る縦断面図である。
【背景技術】
【0001】
(関連出願に対する相互参考)
本出願は、2000年11月3日にジュナン・カオ(Junan Kao)らの名で出願された「張力による活性化可能な基材(Tension Activatable Substrate)」という名称の先願の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、示強性の第1の状態から示強性の第2の状態へ使用者が活性化可能な可撓性基材に関する。
【0003】
(発明の背景)
不織基材、特にティッシュ・ペーパーは、当該技術分野で周知である。ティッシュ・ペーパーは、フェイシャル・ティッシュ、バス・ティッシュ、紙タオル、ナプキン、及び拭取り紙として、一般に使用されている。より最近では、合成不織布が、シャワーで人の肌を洗うプーフ(poof)として、床や他の硬質表面を清浄するための使い捨てモップヘッドとして使用されてきた。好適な身体洗い用具が、1997年7月22日にゴードン(Gordon)らへ発行され、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,650,384号、及び本発明の譲受人に譲渡されたPCT国際公開公報WO98/15262、WO99/25318、WO99/06793に開示されており、その全てを参照として本明細書に組み込む。使い捨て不織基材を有する代表的なモップが、2000年8月15日にポリエイチオ(Polieicchio)らへ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,101,661号、及び1999年5月4日にキングリ(Kingry)らへ発行された米国特許第Des.409,343号の双方に参照として本明細書に組込まれ、本出願人によってスィッファー(Swiffer)モップとして市販され、例示されている。別個の孔あき不織基材が、1999年4月20日にトロクハン(Trokhan)へ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,895,627号にも例示されており、参照として本明細書に組み込む。1998年3月26日にシェリー(Sherry)の名で公開されて本発明の譲受人に譲渡された、PCT国際公開公報WO98/11813では、湿らせることができる洗浄パッドを有する洗浄器具が開示されており、参照として本明細書に組み込む。
【0004】
低密度を有する、又は高い嵩を有するともいう、ティッシュ・ペーパーを製造することが、ティッシュ・ペーパー製造技術でのかねてからの目標であった。密度を下げることによりティッシュを改良する当該技術分野で最初の試みの1つは、1967年1月31日にサンフォード(Sanford)らへ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第3,301,746号に見られ、参照として本明細書に組み込む。サンフォード(Sanford)らは、従来のプレスフェルトで乾燥したティッシュよりも実質的に低い全体密度を有する、通風で乾燥した紙を開示している。1980年3月4日にトロクハン(Trokhan)へ発行された米国特許第4,191,609号では通風で乾燥する低密度の紙の改良が開示されており、参照として本明細書に組み込む。この特許が開示している紙は、柔軟性を増加する2軸的に千鳥状パターンの低密度域を有して作られる。
【0005】
更に別の一連の本発明の譲受人に譲渡された特許では、感光性樹脂を有するベルトを使用することによる低密度抄紙が例示される。この技術は、それまで入手不可能だった柔軟性を抄紙用工程へ与えた。そのような技術を示している代表的な特許として、本発明の譲受人に譲渡された米国特許群、1985年7月16日にトロクハン(Trokhan)へ発行された第4,529,480号、1987年1月20日にトロクハンへ発行された第4,637,859号、1994年11月15日にスマルコスキー(Smurkoski)らへ発行された第5,364,504号、1996年6月25日にトロクハンらへ発行された第5,529,664号、1997年10月21日にラッシュ(Rasch)らへ発行された第5,679,222号、1998年2月3日にエイヤース(Ayers)らへ発行された第5,714,041号、及び1999年5月25日にトロクハンへ発行された第5,906,710号が挙げられ、参照として本明細書に組み込む。
【0006】
低密度ティッシュを達成したとされる更に別の技術が、1999年8月3日にファーリングトン(Farrington)ジュニアらへ発行された米国特許第5,932,068号に見られる。この特許によれば、クレープ加工無しの低密度ティッシュの製造を意味している。
【0007】
しかしながら、前述のティッシュ・ペーパーの各開示によれば、単一セットの示強性だけを有するティッシュ・ペーパーが使用者へ提供される。示強性として、密度、厚さ、摩擦係数、体積(単位面積基準で)、表面積(単位面積基準で)、及び空隙容量が挙げられるが、これには限定されない。
【0008】
より具体的には、従来技術のティッシュ・ペーパーは、単一の全体密度又はかさ密度だけを有する。使用者は、製造プロセスが一旦完了すると、ティッシュ・ペーパーの密度に大きな影響を与えることはできない。しかし、使用者は、購入時点で最初から存在する密度とは異なる密度のティッシュ・ペーパーを望むときがある。例えば、使用者は、輸送及び貯蔵には高い密度のティッシュ・ペーパーを望み、最終使用には低い密度のティッシュ・ペーパーを望むことがある。その場合、第1の密度で提供され第2の十分に低い密度に変形可能なティッシュ・ペーパー・シートを有することができれば、消費者にとって便利である。
【0009】
同様に、使用者は、ティッシュ・ペーパーを第1の体積から第2の体積及び/又は厚さに変形することを望むこともある。第2の体積及び/又は厚さは、第1のものより大きくてもよい。体積増加及び/又は厚さ増加は、使用者の使用時点以前では、第1の、並びにより小さい体積及び/又は厚さで輸送及び貯蔵するという利益を提供することができる。使用時点で、消費者は、ティッシュ・ペーパーを第2、並びにより大きい体積及び/又は厚さへ、活性化することができる。体積及び/又は厚さのかかる増加があると、例えば、体積増加及び/又は厚さ増加が使用中の使用者の手を保護できるという利益をもたらす。このことは、製品をバス・ティッシュとして又は他の表面の洗浄に使用する場合に、特に有利であり得る。
【0010】
同様に、使用者は、製造工程が一旦完了すると、ティッシュ・ペーパーの表面積を著しく変更することは通常できない。本明細書で使用する用語「表面積」は、そのティッシュ・ペーパーの平らな平面への単位投影面積内に含まれる、トポグラフィーを考慮したティッシュ・ペーパーの表面域の広さを指す。表面域のこの広さは、一般的に、ティッシュ・ペーパーの投影された平面寸法を測定することによって得られる表面積よりも広い。使用者は、輸送及び貯蔵には第1の表面積を、及び使用には第2の表面積を望むことがある。
【0011】
同様に、使用者は、清浄のために提供することができる、複数の外部に出た端部を有するティッシュ・ペーパーを望むことがある。その端部は、清浄される物質を除去するための剥ぎ取り作用を提供する。このことは、製品をバス・ティッシュ又は他のクリーニング用具として使用する場合に、特に有利であり得る。活性化した時に本発明のティッシュ・ペーパーにもたらされる、より広い表面積が、最終的に、清浄のためのより広い使用可能面積を生み出すと考えられる。特に、スリットの各端部が清浄される表面から異物を剥ぎ取る機会を提供する。スリット間の空隙に異物を捕捉することができるので、清浄の有効性を増すことができる。この清浄有効性の改善は、ティッシュ・ペーパーの摩擦係数の増加として表されることも可能である。
【0012】
同様に、本発明によるティッシュ・ペーパーがバス・ティッシュとして使用する場合、活性化したときの高い空隙容量により水流し性の改善がもたらされることは、予期できるものである。水流し性を改善したトイレットペーパーを製造する当該技術分野での1つの試みが、1997年7月29日にツェング(Tseng)へ発行された米国特許第5,652,035号に見られる。この特許では、四分区間に分割されたバスティッシュ・ペーパーが開示されている。対角的に向き合う四分区間が、平行なスリット群を有する。そのティッシュは、2対の対角的に向き合う四分区間を有する。各対は、対角的に向き合う四分区間内のスリットと互いに平行であって、隣接する四分区間内のスリットと互いに垂直である、スリット群を有する。この配置により水流し性の改善を提供することができるが、消費者は引張り力をかけることによりティッシュ・ペーパーを容易に活性化することはできない。使用者がティッシュを掴んで引き離すと、引張り力の線に垂直のスリットはティッシュ・ペーパーを開く傾向があるが、引張り力の適用に並行のスリットには、通常伸張性はない。そのティッシュは以降、説明するように、適切には活性化されない。
【0013】
1975年7月15日にガイサー(Gaisser)へ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第3,895,128号では、乾燥機に添加する布地軟化剤として使用可能な布地コンディショニング物品が開示されており、参考として本明細書に組み込む。1976年3月16日にマックアリ(McQueary)へ発行された米国特許第3,944,694号及び1976年5月11日にマックアリ(McQueary)へ発行された米国特許第3,956,556号では、スリット及び穿孔をその中に有する、布地コンディショニング物品が開示されており、双方が本発明の譲受人に譲渡され、参照として本明細書に組み込む。これらの布地コンディショナー物品も又、乾燥機に添加する布地軟化剤として使用可能である。スリット及び穿孔の目的は、布地コンディショニング物品を貫通する空気の流れを可能にするためであり、これにより、乾燥機に添加する布地軟化剤として使用するときに排気の妨げを防ぐ。
【0014】
本発明による基材が乾燥機に添加する布地軟化剤として使用される場合、使用時点での基材の活性化により、低密度/高空隙空間の基材が提供され、乾燥機での使用の最中に、乾燥機を貫通する空気流に特に良く適する。
【0015】
スリット加工技術の他の適用が、1997年9月16日にグッドリッヒ(Goodrich)らへ発行された米国特許第5,667,871号に見られる。グッドリッヒ(Goodrich)らは、代表的な70ポンド(32kg)普通クラフト紙を使用して、充填材を形成する。その材料は、梱包の内部などの中空空間を満たすのに使用される。同様に、1994年11月22日にマイダ(Maida)らへ発行された米国特許第5,365,819号は、多数のスリットを使用するパッキング材を形成する方法を教示する。スリットにより、その材料が、荷重を支えると共に弾力性がある三次元形状に拡大することができる。
【0016】
スリット加工技術の更に別の例が、1994年12月20日にシュッド(Schuld)らへ発行された米国特許第5,374,381号に示されている。シュッド(Schuld)らは、特に加湿器内で有用な蒸発エレメント又はカートリッジを教示する。そのエレメントは、多数層のスリットと、吸取り型の紙で作られた拡大された毛管作用材料を含む。構造強度のために、金属層又は他のフレームが設けられる。
【0017】
本発明による基材は、バス・ティッシュ、フェイシャル・ティッシュ、紙タオル、ナプキン、雑巾、スポンジ、ごしごし洗い、プーフ、身体洗い、フィルター、顔マスク、枕材料、詰め物、保温材、パッキング材、包帯、傷包帯材、乾燥機添加布地軟化剤、おむつや衛生ナプキンやタンポンなどの吸収性製品用コア、屋外使用排水媒体、植物苗床等として使用することができる。その基材は、最終用途に関わらず、使用時点で、又は製造工程の中間点で、活性化が可能である。
【0018】
(発明の概要)
本発明は、ティッシュ・ペーパーの概ね平面的な基材を含む。ティッシュ・ペーパーは、セルロース繊維及び/又は合成繊維を含むことができる。ティッシュ・ペーパーは、脆弱線のパターンを備える。脆弱線は、長軸を有することができる。脆弱線は、格子状に配置することができ、同一の長さ及びピッチにしてもよく、又は様々な大きさ及び形状を有することができる。脆弱線の長軸は、真っ直ぐであり、平行及び/又は共通の方向に向けることができる。脆弱線は、曲線状であり、様々な斜め関係に向けることもできる。
【0019】
ティッシュは、張力で塑性的に活性化することができる。活性化の方向は、脆弱線の長軸に概ね垂直とすることができる。活性化すると、ティッシュ・ペーパーは、示強性の第1の状態から示強性の第2の状態へ変形される。例えば、活性化すると、ティッシュ・ペーパーのZ方向の厚さは、増加する。
【0020】
(詳細な説明)
図1〜図12を参照すると、本発明は、可撓性の、巨視的には平面上の基材シートを含む。その基材は、以降、第1の実施でティッシュ・ペーパー40として説明されるが、代替実施及び材料も特許請求する発明の範囲内にあることを理解されたい。ティッシュ・ペーパー・シート40は、縦方向及びこれに直交する幅方向を有する。集合的には、これら2つの方向は、XY平面と、XY平面に直交するZ方向とを画定する。ティッシュ・ペーパー40は、不定の長さとすることができる。長方形のティッシュ・ペーパー40が描かれているが、円、定形及び異形多角形などの他の形状も、本発明の範囲内であることを理解されたい。
【0021】
ティッシュ・ペーパー40は、ティッシュ・ペーパー40の厚さを十分に又は完全に貫通してZ方向に延びる、複数の脆弱線42を有する。脆弱線42は、ティッシュ・ペーパー40内のスリット44、切り込み、穿孔、開口、坪量をかなり減量した域、又はいずれかの他の人工物とすることができ、これにより、以降説明するように活性化した時に、網状組織全体に分散した穴を有する基本的に連続の網状組織を形成することができる。
【0022】
ティッシュ・ペーパー40の活性化は、ティッシュ・ペーパー40の1つ以上の示強性の塑性的変化を指す。ティッシュ・ペーパー40を活性化するには、引張り力を適用することにより、張力で伸張させる。適用する引張り力は、脆弱線42の長軸に概ね垂直とすることができ、その結果、最大の伸びが生じる。
【0023】
活性化の間、ティッシュは、対向する引張り力により塑性的に伸ばされる。引張り力は、脆弱線42の長軸に垂直に、好ましくは完全に垂直に、ベクトル構成成分を有する方向に生じる。塑性的な伸張により、ティッシュ・ペーパー40が対向する引張り力の適用に応じて、長さ又は厚さを永久的に増加することを意味する。増加した長さは、適用された引張り力が除かれた後に、ある程度は弛緩し得、ティッシュ・ペーパー40は、元の長さには戻らない。
【0024】
ティッシュ・ペーパー40は、セルロース性のもので、従来型乾燥又は既知の抄紙用技術を使用する通風乾燥されたものである。ティッシュ・ペーパー40は、一定又は変化する坪量及び/又は密度とすることが出来、特に好ましい多重坪量の実施態様を以降、説明する。本発明によるティッシュ・ペーパー40は、本発明の譲受人に譲渡された次の任意の米国特許により製造することができ、次の開示を参照として本明細書に組み込む:1985年7月16日にトロクハン(Trokhan)へ発行された第4,529,480号、1987年1月20日にトロクハンへ発行された第4,637,859号、1994年11月15日にスマルコスキー(Smurkoski)らへ発行された第5,364,504号、1996年6月25日にトロクハンらへ発行された第5,529,664号、1997年10月21日にラッシュ(Rasch)らへ発行された第5,679,222号、1998年2月3日にエイヤース(Ayers)らへ発行された第5,714,041号、1999年5月25日にトロクハンへ発行された第5,906,710号、1999年11月9日にワイスマン(Weisman)らへ発行された第5,980,691号、1996年8月27日にファン(Phan)へ発行された第5,549,790号、1996年9月17日にトロクハンらへ発行された第5,556,509号、1996年12月3日にアンプルスキー(Ampulski)らへ発行された第5,580,423号、1997年3月11日にファンへ発行された第5,609,725号、1997年5月13日にトロクハンらへ発行された第5,629,052号、1997年7月10日にアンプルスキーらへ発行された第5,637,194号、1997年10月7日にマクファーランド(McFarland)らへ発行された第5,674,663号、1997年12月2日にアンプルスキーらへ発行された第5,693,187号、1998年1月20日にトロクハンらへ発行された第5,709,775号、1998年7月7日にアンプルスキーらへ発行された第5,776,307号、1998年8月18日にアンプルスキーらへ発行された第5,795,440号、1998年9月29日にファンへ発行された第5,814,190号、1998年10月6日にトロクハンらへ発行された第5,817,377号、1998年12月8日にアンプルスキーらへ発行された第5,846,379号、1999年1月5日にアンプルスキーらへ発行された第5,855,739号、1999年1月19日にアンプルスキーらへ発行された第5,861,082号、1999年2月16日にトロクハンらへ発行された第5,871,887号、1999年4月27日にアンプルスキーらへ発行された第5,897,745号、1999年5月18日にアンプルスキーらへ発行された第5,904,811号、及び2000年4月18日にアンプルスキーへ発行された第6,051,105号。
【0025】
あるいは、そのティッシュは、クレープ加工無しで作ることもできる。クレープ加工無しで作られるティッシュが、1999年8月3日にファーリングトン(Farrington)ジュニアらに発行された米国特許第5,392,068号により例示される。
【0026】
本発明で使用するために選定したティッシュ・ペーパー40が以降説明するように多重密度又は多重坪量を含み通風乾燥された場合、当業者ならば、製造中のティッシュ・ペーパー40から水を除去するために、ミクロポア乾燥を利用しようと考えるであろう。ミクロポア乾燥では、流れ制限体が、通風乾燥の空気流路中に置かれる。そのミクロポア媒体は、乾燥するティッシュ・ペーパー40の間隙よりも小さい孔を有する。ミクロポア乾燥は、本発明の譲受人に譲渡された次の米国特許に従って実行することができ、これらを参考として本明細書に組み込む:1994年1月4日にエンサイン(Ensign)らへ発行された第5,274,930号、1995年8月1日にエンサインらへ発行された第5,437,107号、1996年7月30日にエンサインらへ発行された第5,539,996号、1996年12月10日にエンサインらへ発行された第5,581,906号、1996年12月17日にエンサインらへ発行された第5,584,126号、1996年12月17日にエンサインらへ発行された第5,584,128号、1997年5月6日にエンサインらへ発行された第5,625,961号、1999年6月15日にトロクハン(Trokhan)らへ発行された第5,912,072号、1999年8月24日にエンサインらへ発行された第5,942,322号、2000年2月8日にステルジェス(Stelljes)らへ発行された第6,021,583号、及び2000年8月22日にエンサインらへ発行された第6,105,276号。
【0027】
あるいは、上述したように、全体又は部分が非セルロース性の基材も、本発明の範囲に包含される。本発明による基材は、セルロース繊維、合成繊維、及びこれらの混合物を含むことができる。本発明による不織布を製造するのに好適な1つの装置が、1999年4月20日にトロクハン(Trokhan)らへ発行されて本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,895,623号に示されており、参照として本明細書へ組み込む。
【0028】
本発明によるティッシュを更に詳細に調べると、このティッシュは、複数の脆弱線42を有する。脆弱線42は以降、スリット44として説明されるが、本発明はそのように限定されるものではないことを理解すべきである。脆弱線42は、穿孔、開口などを含むことができる。本明細書で使用する穿孔は、ティッシュ中では不連続であったり中断していたりすることによって、ティッシュのZ方向の全厚を貫通するものではなくXY平面内で本質的に一次元である。穿孔は、切込むこと、又はティッシュ内の繊維を永久的に圧縮する/変形することにより作ることができる。スリットは、認識し得る第1の方向を有して基本的に線状であり、垂直方向には認識し得る寸法は殆どない。スリットは、ティッシュ・ペーパー40のZ方向の厚さを完全に貫いて延びる。スリット44及び開口は、基本的に直線であっても、又は曲線であってもよい。対照的に、開口は、別の型の脆弱線である。開口は、X及びY両方向に認識し得る寸法を有する。開口は、ティッシュ・ペーパー40の厚さを部分的に又は完全に貫通して延びる穴として考えることができる。したがって、止り穴及び通り穴両方が開口として包含される。穿孔、スリット44、開口、又は他の脆弱線42は、格子を形成することができる。脆弱線42の間には、ランド部48がある。ランド部48は、活性化したときのティッシュの体積を画定する網目となる。
【0029】
この議論の目的上、スリット44は、縦方向を向いているとするが、スリット44が幅方向を向いても、又は縦方向及び幅方向に関して斜め関係であってもよいと理解すべきである。あるいは、ティッシュ・ペーパー40は、縦方向及び幅方向両方にスリット44を有することができる。スリット44は、一方向に互いにずれることができる。スリット44が一方向にずれるとき、1つのスリットの端部は、スリット44の長軸に垂直である隣接スリットの端部と交差しない。あるいは、スリット44は、隣接スリット44から二方向にずれてもよく、又は隣接スリット44と整列してもよい。
【0030】
図27を参考して、発明のパターンを説明するために、次の記号を使用する。
【0031】
Lは、スリット44の長さ。
【0032】
Aは、活性化前のスリット44の幅。スリットの幅は、極小量幅のスリットの場合、ゼロに近づく、又はゼロであるとみなす。
【0033】
Dは、長さ方向の、隣接スリット44との間の距離。
【0034】
Wは、幅方向の隣接スリット44との間の距離、すなわち、ランド部48の幅を言う。一般的に、スリット長さLは、スリットの間の距離Dよりも大きく、その結果、張力で活性化すると長い伸びが生じる。
【0035】
ユニットセルは、互いに敷き詰めてランド48及び脆弱線42のXYパターンを形成することができる、最小繰返しユニットであるとする。
【0036】
Imxは、スリット44の長さ方向のユニットセルの長さであるとし、数学的にはL+Dの和と等価である。
【0037】
Icxは、幅方向のユニットセルの長さであり、数学的には2W+2Aの和であるとみなされる。
【0038】
Nmは、長さ方向にとったシートのユニットセルの数である。
【0039】
Ncは、幅方向にとったシートのユニットセルの数である。
【0040】
スリットの長さLが、活性化したときの開孔部の大きさを支配する。したがって、スリットの長さLが、幅方向の全体の伸びに影響を与える。隣接スリットの間の距離Wが、ランド部48の幅を画定し、活性化したときの、Z方向の拡大の大きさとティッシュ・ペーパー40の一般外観とを制御する。スリットの幅Aは、一般的に、活性化前にはゼロであるとみなすことができる。この幅が、Z方向の拡大になんらかの寄与をすることがあり、特定の型の網目を提供する。例えば、スリット44が、異物やゴミなどを除去するための掻き集める動きを提供するのが望ましいこともある。スリットの間の距離Dが、幅方向の引張り強度を制御する。スリットの間の距離Wが、Z方向拡大、長さ方向の引張り強度を制御し、活性化したときのいずれかのすくい部又はランド部48の大きさに影響を与える。そのようなランド部48は、活性化したとき、基材平面に対して約45度を向く。
【0041】
次の比は、活性化したときの、本発明によるティッシュの作用及び特性に影響する。L/Wは、隣接スリット44の間の距離に対するスリットの長さの比であり、この距離はスリット44の長軸に対して垂直にとる。L/Wの比は、活性化したときの、不透明度の程度又はシートの透き通って見える面積を制御する。L/W比がより低いと、活性化したときに不透明度がより高くなり、一方、L/W比がより高いと、活性化したときにより大きな開孔面積になり、したがって不透明度が低くなる。
【0042】
L/Dは、スリット長さに対する、スリット44に平行な方向のスリット44の間の距離の比である。L/Dの比は、構造的な破壊が生じる前の、スリット44の長軸に垂直な伸びの大きさを制御する1つの要因である。L/Dの比がより低いと、構造的な破壊が生じる前の、スリット44に垂直の伸びがより少なくなるが、L/W比がより高いと、より大きな伸びが達成可能になる。
【0043】
ランド部の幅Wが小さくなりすぎると、ティッシュ・ペーパー40が、活性化の間に十分な強度を有さなく、活性化したとき、裂けて片となることがある。あるいは、ランド部の幅Wが大きすぎると、活性化するのに過度の引張り力が必要なことがある。同様に、隣接スリット44の間の距離Dが小さすぎると、活性化したときに、ティッシュ・ペーパー40が裂けることがある。
【0044】
A/Wは、スリットの幅に対する隣接スリット44の間の距離の比であり、この距離はスリット44の長軸に対して垂直になる。A/Wは、活性化前のティッシュの開孔面積の大きさを制御する1つの要因である。A/Wの比がより低いと、活性化前のシート開孔面積がより小さく、したがってより不透明になり、一方A/W比がより高いと、活性化前の開孔面積がより大きくなる。
【0045】
スリット44は第1の方向に向く長さLを有するが、ティッシュ・ペーパー40は通常、長さLすなわちスリット44の長軸に垂直の方向に活性化されることを認識すべきである。したがって、ティッシュ・ペーパー40の長さLは、一般的に、スリット44の長さLに垂直になる。スリット44又はティッシュ・ペーパー40の幅方向は、スリット44の長さ方向に垂直である。
【0046】
次の表1は、図1〜図8の実施態様の場合の、上述のパラメータに対する既知の作用範囲を示す。第1の方向及び第2の方向の異なるユニットセルの数は、ティッシュ・ペーパー40のパターンの複雑さに直接的に正比例する。縮退している場合には、巧妙なパターンは、シート全体を通じて1つのユニットセルを有することができる。
【0047】
【表1】
図9〜図12を参考すると、本発明によるティッシュ・ペーパー40の代替実施態様が示される。この実施態様では、縦方向及び幅方向に対して斜めに向く脆弱線42が例示される。この配置により提供される利点は、縦方向か、幅方向か、又は縦方向か横方向に対するある角度かに向けられた対向する引張り力により、ティッシュが活性化できることである。この配置は又、複数プライ・ティッシュの場合に、プライの著しい相互作用が生じるという利点を提供する。活性化すると、複数プライ積層体内の隣接プライとの相互作用により、1つのプライの連結極大点が、嵩又はZ方向拡大を捕らえて維持すると考えられる。
【0048】
図9及び図10は、正弦波形で絡み合う脆弱線42を有するティッシュ・ペーパー40を示す。正弦波スリット44を選定する場合、隣接スリット44は、同位相か、180度位相ずれか、又は中間位相かである。あるいは、スリット44は、曲線であって、円や楕円などの部分を描いてもよい。曲線スリット44を選定する場合、スリット44は、同じ方向の凹面で向くか、反対の凹面を有する交互のスリット44で向くか、中間の向きかである。この配置により提供される利点も、縦方向か、幅方向か、又は縦方向か横方向に対するある角度かに向けられた対向する引張り力により、活性化可能なことである。正弦波パターンは、活性化したとき、ランド部48の端部で丸い曲線を提供する。この配置により、使用中に消費者をすりむく粗い点がないという利点が得られる。あるいは、図11及び図12に示すように、スリット44は、並行である必要はない。交互のスリット44は、隣接スリット44に対して、及び/又は縦方向に対して、及び/又は幅方向に対して、斜めに向けることができる。図11及び図12は、山形紋形状の脆弱線42を有するティッシュ・ペーパー40のパターンを示す。ヘリングボーン形の脆弱線42のパターンも利用できることは、当業者には明らかであろう。
【0049】
図29A及び図29Bを参照すると、他の2つのパターンが例示されている。図29Aのパターンは、方向82又は方向84のいずれかに活性化可能である。方向84への活性化は、方向82への活性化よりも大きなひずみを、すなわち荷重のピークに達成しながら、破断せずに提供すると予想される。同様に図29Bを参照すると、そのパターンは、半円形の脆弱線42と、真っ直ぐ平行で、一方向にずれた脆弱線42との両方を含む。真っ直ぐで一方向にずれた脆弱線42に垂直に活性化するには、半円形の脆弱線42からの寄与も又伴う。しかし、真っ直ぐな脆弱線42に平行な方向への活性化は、半円形の脆弱線42からのひずみへの寄与を伴うのみである。それ故に、真っ直ぐな脆弱線42に垂直な方向への活性化は、真っ直ぐな脆弱線42に平行な方向への活性化よりも、破断せずにより大きな伸びが可能であると予想される。したがって、図29A及び図29Bの実施態様により、使用者が使用時点で望む特性に従って、どの角度の活性化を利用するか選択することが可能になる。
【0050】
様々なパターンの脆弱線42を同じティッシュ・ペーパー40へ混入できることを、当業者は認識するであろう。例えば、ユニットセルは、真っ直ぐや曲線の脆弱線42からなることができ、スリット44や開口などを含むことができる。
【0051】
次の表2は、本発明の6つの非制限的な代表的実施態様の場合の、スリット44及びひも状物の寸法を示す。活性化前の寸法は、表1に示される。
【0052】
【表2】
図1〜図12を更に参照すると、本発明による上の6つのティッシュ・ペーパー40の活性化の前及び後が示される。活性化前には、ティッシュ・ペーパー40は、Z方向に測定した第1の厚さを有する。
【0053】
ティッシュ・ペーパー40は、塑性拡大に応じてZ方向厚さも増加する。Z方向厚さのかかる増加は、従来のポアッソン効果の理論で予想されることに反する。代わりに、シートのZ方向厚さは増加する。ティッシュ・ペーパー40は、適用した引張り力を除いても元の厚さには戻らない。更に、ティッシュ・ペーパー40は、適用した引張り力に平行な伸びよりも大きい量又はパーセントで、Z方向へ拡大することもある。このように、ティッシュ・ペーパー40は、二次元肥大特性を示す。
【0054】
したがって、本発明により、ポアッソン効果による欠点がないティッシュ・ペーパー40が得られる。活性化すると、Z方向に薄くなるのではなく、本発明によるティッシュ・ペーパー40は、Z方向にむしろ厚くなる。この方法により、これまで得られたものよりも低い、極端に低い密度を有するティッシュ・ペーパー40が結果として生じる。
【0055】
表3は、図27のティッシュ・ペーパー40の1つのユニットセルの4つの異なる点での活性化効果を、厚さ、活性化方向の長さ、第2の方向の長さ、表3に記すティッシュ・ペーパー40のユニットセルの体積に関して示す。図3のティッシュ・ペーパー40は次の寸法を有する:L=1.0cm、D=0.2cm、W=0.4cm、及びA=0.02cm。ティッシュ・ペーパー40の長さ方向は、適用した引張り力の方向に平行とする。幅方向は、適用した引張り力の方向に垂直とする。
【0056】
【表3】
これまでの議論は、単一プライのティッシュ・ペーパー40の実施態様が対象である。複数プライ・ティッシュ・ペーパー40の実施態様もまた可能である。複数プライ実施態様では、本製品は、少なくとも2つの、並びにいずれかの合理的な数までのティッシュ基材から構成することができる。複数プライを形成するティッシュ基材は、同一の材料組成でも、異なる材料組成でもよい。例えば、3つ(又はより多く)のプライの実施態様が利用できる。かかる実施態様は、2つの外側プライ及び1つ以上の中央プライを含むことができる。外側プライは、使用者の皮膚に対して柔らかく、表面をこするのに効果的であるなどの特性を備えることも可能である。中央プライは、強度を備えること、又は活性化した時クレンザー若しくは他の機能添加剤の放出を行うことができる。更に、当該技術分野で既知のように1つ又は両方の外側プライは、脆弱線42無しのティッシュ・ペーパー40を含むことができる。
【0057】
複数プライ実施態様を選定する場合、プライは、異なるパターンの脆弱線42を備えてもよい。例えば、内側プライは、活性化した時にロフトと嵩を増進するパターンを備えることができる。外側プライは、触感が好ましく、又は特定の対象表面をこするのに効果的な、パターンを備えることもできる。複数プライシートの分析結果を次の表4に示す。平行で一方向にずらせたスリット44を有する図27に示したものと同様な幾何形状を試験した。スリット44及びティッシュ・ペーパー40は、活性化前に次のパラメータを有した:
【0058】
【表4】
図26を参照として、ティッシュ・ペーパー40中のスリット44又は他の脆弱線42は、いずれかの好適な方法でティッシュ・ペーパー40へ付与することができる。図26は、バッキングロール52に対して使用し、ティッシュ・ペーパー40へスリット44を付与することができるロータリナイフ50を示す。ロータリナイフ50上のブレードのパターンが、ティッシュ中のスリット44に対応する。ブレードの間の間隔が、ティッシュ中のランド部48に対応する。ティッシュはそのナイフに対して、好ましくはニップを通して動かされて、連続工程中にスリット44が付与され得る。
【0059】
あるいは、ナイフは平らであって、ティッシュ・ペーパー40の内部にスリット44をスタンプすることもできる。これはバッチ工法を必要とし、ティッシュ内部にスリット44がスタンプされる。次に、ティッシュ・ペーパー40はスタンプナイフに、あるいは、ナイフの下に置かれた新しいティッシュ・ペーパー40に関連して動かされる。次にナイフが活性化されて、スリット44をスタンプし、上述のようにパターン内部にランド部48を残す。
【0060】
更により好ましい実施では、脆弱線42は、ティッシュ・ペーパー40内部の低坪量領域を含むことができる。ティッシュ・ペーパー40は、多重坪量を有して、高い坪量がランド部48をつくり、低い坪量がスリット44又は脆弱線42をつくることができる。
【0061】
好ましい実施態様では、ティッシュは、多重坪量のペーパーを含み、スリット44を低坪量領域として、又は縮退した場合には開口としてさえも有する。多重坪量のペーパーを製造するためには、立ち上がった突出部を有するフォーミング・ワイヤを設ける。突出部は、幾つかの実施では少なくとも10の縦横比を、別の実施では少なくとも20を、更に別の実施では少なくとも30を有することができる。フォーミング・ワイヤの突出部が脆弱線42に対応し、一方突出部の間の間隔がランド部48に対応する。特に好ましい方法では、ティッシュ・ペーパー40の高坪量領域は、フォーミング・ワイヤの平面に垂直にとるときに、突出部の高さよりも低い又はわずかに高い高さを有することができる。特に好ましい実施では、低坪量領域は、突出部をわずかに覆ってブリッジを架けるだけであり、非常に低い坪量の領域を残してこれが活性化したときに開口となる。この配置により、開口の縁の繊維が、粗い縁ではなく柔軟性をもたらすという利点が得られる。その柔軟性は、部分的には、活性化によって破断する繊維結合のためであると考えられる。結合の破断は、繊維の一端を取付けたままにして、一端を自由にし、すなわち、本質的に片持ち状態とすることに起因する。そのような柔軟性は、活性化されたティッシュ・ペーパー40が、バス・ティッシュ又は身体拭取り布で生じるように上皮清浄用具として使用されるものとする場合、特に望ましい。複数プライ製品の場合、スリット44の縁の繊維は、隣接プライの対応する繊維に対して固定され得る。かかる固定は、活性化後の製品の嵩及びZ方向厚さを維持する助けになると考えられる。
【0062】
多重坪量紙は、本発明の譲受人に譲渡された次の米国特許のいずれかにより製造することができ、これらを参照として本明細書に組み込む:1993年9月14日にトロクハン(Trokhan)らへ発行された第5,245,025号、1996年6月18日にトロクハンらへ発行された第5,527,428号、1996年7月9日にトロクハンらへ発行された第5,534,326号、1997年8月5日にトロクハンらへ発行された第5,654,076号、1998年10月13日にファン(Phan)らへ発行された第5,820,730号、1994年1月11日にファンらへ発行された第5,277,761号、1995年8月22日にファンらへ発行された第5,443,691号、1998年9月8日にファンらへ発行された第5,804,036号、1996年4月2日にトロクハンらへ発行された第5,503,715号、1997年3月25日にファンらへ発行された第5,614,061号、1998年9月8日にファンらへ発行された第5,804,281号、1999年4月20日にトロクハンらへ発行された第5,895,623号、及び1999年5月4日にフストン(Huston)へ発行された第5,900,122号。
【0063】
試験方法
本発明は、次のように特徴付けることができる。第1の特徴付けは、荷重−伸び曲線から得られる、ピーク荷重時に生じる伸びを使用する。ひずみとも呼ばれるピーク時の伸びは、2つの直交方向に測定する。1つの方向は、活性化方向、すなわち破断しない最大のひずみ方向である。もう一つの方向は最大のひずみ方向に直交する。これらの方向は、幅方向及び縦方向とそれぞれ一致させることができる。活性化方向、例えば幅方向などの、以降に説明する荷重−伸び曲線のバンド幅70をもまた、ピークまでの移動平均に関して、決定する。製品の活性化前及び後の両方の体積及び厚さを測定し、体積指数及び厚さ指数をそれぞれ得る。本発明は、摩擦係数、縦方向及び幅方向へ測定したときの可撓性、並びに縦方向及び幅方向の可撓性の比によっても、特徴付けることができる。
【0064】
以降説明するそれぞれの試験に対して、指示がない限り、サンプルを選定して提供する。サンプルは、ティッシュ・ペーパー40の脆弱線42のパターンの少なくとも1つのユニットセルを含むものとし、消費者に提供される1つのユニットと一致していなければならない。パターンが近接していて、複数の脆弱線42が単一の製品上にある場合、1つの製品をサンプルとして提供する。例えば、サンプルは、バス・ティッシュの単一のシート、単一の洗浄器具などとしてもよい。
【0065】
ピーク荷重への伸びの測定は、次のように行う。試験するサンプルについて上に挙げた2つの方向を決定する。
【0066】
張力試験器を使用して、荷重−伸び曲線データを測定する。張力試験器の爪の大きさは、サンプル幅に少なくとも等しく、サンプル幅は試験される方向に直交である。サンプルが張力試験器に対して大き過ぎる場合、6インチ(15.24cm)角に切り詰めてもよい。サンプルを6インチ(15.24cm)に切り詰める場合、試験するサンプルの一部分は、XY平面のいずれの方向に応力をかけたときでも最大のZ方向変化を達成するサンプル部分の代表でなければならない。引張り試験器のゲージ長さは、試験するサンプルの長さの75%と等しくする。サンプルは、第1の方向に向け、爪の部分で両方向に中心をとって、クランプする。クロスヘッドを、毎分20インチ(50.8cm)の一定速度で離し、結果として得られる荷重−伸び曲線を、毎秒20データ点のサンプリング周波数で記録する。伸び試験の距離は、サンプルがピーク荷重に達成するように、十分大きくなければならない。
【0067】
記録は、ペンシルバニア州(Philadelphia, PA)フィラデルフィアのスィングアルバートインスツルメント社(Thwing−Albert Instrument Company)から入手可能なアナリシスプレゼンテイションソフトウエア(Analysis Presentation Software)・バージョン5.3を使用して行うことができる。このソフトウエアは、クロスヘッド移動量に対する絶対荷重としてデータを記録する。絶対荷重は、試験する方向に直交する初期サンプル幅によって荷重を割り、センチメートル当りのグラムに正規化する。クロスヘッド移動量は、クロスヘッド移動量を初期ゲージ長さで割り100を乗じ、パーセントひずみに換算する。ピーク応力、又は荷重は、荷重−伸び曲線から見出される。ピーク荷重に対応する伸びを、得られたひずみとして記録する。この手順を第2の方向に繰り返す。各方向に5つのサンプルを試験し、結果を平均してその特定の方向におけるピーク荷重でのひずみを得る。ひずみ比とは、ピーク荷重時の縦方向伸びに対するピーク荷重時の幅方向伸びに対する比であって、単なる割り算により見出される。
【0068】
次の表5は、様々な従来技術製品及び本発明の様々な実施態様についてのピーク荷重時における縦方向ひずみ及び幅方向ひずみを示す。従来技術によるティッシュ・ペーパー40は通常、幅方向に比較的低いひずみ値を有した。これが生じるのは、製造工程中のクレープ加工、ラッシュトランスファー、ウエットマイクロコントラクションなどの、通常縦方向に生じる短縮のためである。
【0069】
スリット44の長さ及び幅方向、並びに/又はティッシュ・ペーパー40の長さ及び幅方向が、縦方向及び幅方向と一致する必要がないことを、当業者は理解するであろう。しかしながら、これらの方向は、周知であって当業者に理解されるので、以降に示すサンプルで便宜上使用する。
【0070】
しかし、本発明では、スリット44は、縦方向に平行に向く長軸を有してもよく、通常は有する。スリット44のそのような向きにより、幅方向への活性化が可能になる。この方向が好ましいのは、これにより、縦方向への不慮の活性化が生じる傾向が少なくなるからである。不慮の活性化は、例えば分配中に起こることもある。
【0071】
表5に示すように、本発明によるティッシュ・ペーパー40は、少なくとも30%の、幾つかの実施では少なくとも60%の、別の実施では少なくとも90%の、別の実施では少なくとも120%の、更に別の実施では少なくとも150%の、幅方向のひずみを有することができる。同様に、本発明により、従来技術で得られるよりもほぼ一桁大きいひずみ比が得られる。ひずみ比は、ピーク荷重時の2つの直交する方向のひずみの比である。直交する方向は、縦方向及び幅方向と一致することができる。ひずみ比は少なくとも2、実施では少なくとも4、更に別の実施では少なくとも6とすることができる。
【0072】
【表5】
図13A〜図18を参照すると、従来技術及び本発明による幾つかの代表的な荷重−伸び曲線が示されている。荷重−伸び曲線は、より小さなピーク荷重値で、従来技術で得ることができる伸びよりも、本発明でいかに大きな伸びを得ることができるかを示す。
【0073】
第2のパラメータであるバンド幅70は、次のようにして測定する。前述の荷重−伸び曲線のピーク荷重までを、ローリング平均技法を使用して平滑化する。最初の3%のひずみは、ノイズ除去のために、削除する。全ての3つの連続データ点を相互に平均し、所与のデータ点の移動平均がそのデータ点の直前及び直後の点の平均に等しくなるよう曲線を平滑化する。
【0074】
図19〜図24を参照すると、平滑化した曲線の上及び下への偏差の大きさが、ローリング平均から荷重を引き算してピーク荷重で割り算することによりピーク荷重のパーセントとして表わされ各データ点で見られる。図19〜図24では、X軸がローリング平均曲線を表す。ローリング平均よりも大きい(グラフ上の上)全ての点を再び相互に平均して、バンド幅70の上限を得る。同様に、ローリング平均よりも小さい(グラフ上の下)全ての点を再び共に平均して、バンド幅70の下限を得る。バンド幅70は、上限及び下限の絶対値の合計として定義される。
【0075】
当業者には周知の、ワシントン州レッドモンド(Redmond, WA)のマイクロソフト社から入手可能なエクセルソフトウエア、又は他のいずれかのスプレッドシートが利用可能である。次の表6に示すように、荷重−伸び曲線からとったデータ点を、配列フォームにプロットすることができる。第1列は、各データ点のひずみを表す。本発明によるティッシュ・ペーパー40の場合、荷重−伸び曲線全体は、従来技術では200以上のデータ点を生み、本発明では1200以上の個々のデータ点を生み出すことができる。しかし、ピーク荷重までのデータ点のみが考慮される。したがって、利用する点をnとすると、nは200以上程度である。従来技術のサンプルは通常、より少ない合計データ点を示し、20以上程度であったことに留意すべきである。
【0076】
表6の第1列は、ひずみである。荷重列のn番目のデータ点が荷重−伸び曲線上のピークデータ点に等しいときに、次の表6が終わっていることに注意されたい。第2列は、第1列の各ひずみに対応する荷重である。第3列は、第2列のそれぞれの3つの連続データ点に見られる荷重のローリング平均である。ローリング平均は、ひずみ曲線上の各点で、ひずみ曲線上の特定点の直前及び直後のデータ点を考慮する。第4列は、いずれかの特定データ点のローリング平均からの荷重の偏差を表す。かかる偏差は、第3列の値から第2列の値を引き、その差を第2列中のピーク荷重で割ることにより見出される。第5列は、第4列から得た全ての正の値を表す。これらの値を相互に平均して、バンド幅70の上限を得る。第6列は、第4列から得た全ての負の値を表す。これらの値を相互に平均して、バンド幅70の下限を得る。
【0077】
【表6】
図19〜図25を参照すると、平滑化した荷重−伸び曲線は、ローリング平均を真直水平線として使用し、プロットすることができる。ピーク荷重に対するパーセントとして表したローリング平均からの偏差をプロットし、バンド幅の上限及び下限も同様にプロットする。
【0078】
次の表7に見られるように、従来技術は通常、本発明よりはかなり小さいバンド幅70を示す。好ましくは、本発明は、幾つかの実施で少なくとも0.5のバンド幅70を有し、別の実施では少なくとも0.7、別の実施では少なくとも0.9を有する。本発明の比較的大きいバンド幅70は、紐状物の漸増的破壊によるものであり、その結果、大きなランド部48(個々の繊維よりも)が破壊する時に生じる、より小さな荷重支持容量になると考えられる。
【0079】
【表7】
Z方向厚さ及びサンプル体積は、次のように測定する。試験する未活性状態のサンプルを、平らな水平基準表面の上に置く。ティッシュ・ペーパー40は、最大に記入された正方形を表示する。0.015インチ(0.0381cm)の厚さを有する、平らな正方形302ステンレス鋼のプラテン60を準備する。プラテン60は、前述の記入した正方形の1/9の大きさ及び面積を有する。サンプルの記された正方形に対してプラテン60の大きさを決定するに際しては、様々な大きさの製品に対応する物差が入手できる。
【0080】
図28を参考すると、プラテン60の中心が見られる。プラテン60は、中心で交差してプラテン60の各コーナーへ延びる対角線で記されている。対角線には、中心から各コーナーへ2/3の距離の位置と、中心の、合計5つの位置に印を入れてある。これら5つの位置は、引き続く厚さ測定の測定点を示す。
【0081】
ステンレス鋼プラテン60を基準表面の上に置き、日本の(株)ミツトヨにて製造されるデジマチックハイトゲージモデルNo.HDS−8"Mを使用して、板自体の自厚をゼロとする。ハイトゲージの触診先端を、サンプルの上に静置した時にプラテン60と接触する点まで落とす。プラテン60の中心上でゲージをゼロとすることにより、プラテン60の平面性を試験する。他の全ての測定点表示が+/−0.01インチ(0.254mm)であるならば、プラテン60は平らであるとする。サンプルを、基準面の上に置き、破損前の最大%ひずみの方向が測定者の左右となるような向きとする。
【0082】
図28を参照すると、サンプルは、接着テープをサンプルの全幅に沿って使用して、最左縁及び最右縁で基準表面に固定されている。接着テープは、サンプル全長の12.5%を左右両側で固定し、サンプル中間の75%を分析のためのゲージ長さとして残すべきである。プラテン60を、サンプルを乱さないように注意して、サンプルの上に置く。プラテン60は、プラテン60の縁が前述の第1及び第2の方向と揃うように、サンプル上で中心をとる。プラテン60の高さは、自厚を勘定に入れたときサンプルの厚さを表しており、プラテン60上に表示した5点のそれぞれで測定する。5つの読みの平均高さは、プラテン60がこの位置の時のZ方向厚さを表しており、このプラテン60の位置に記録される。
【0083】
プラテン60が各位置にある間に、プラテン60のそれぞれの側の、このセグメント(プラテン60の増分方向に垂直)に対するサンプルの平均幅も測定する。最後に、サンプルの長さを決定する。サンプルの長さは、測定しているプラテン60の側の長さに等しい。サンプルの長さ及び幅は、マサチューセッツ州アソール(Athol, MA.)のスターレット社(The Starrett Company)から入手可能な普通スケールを使用して、1.6mmの精度まで測定することができる。
【0084】
プラテン60を、その最初の位置の左(又は右)へ完全に一位置分動かして、n+1の位置にする。そのセグメントの5点の高さ、並びに長さ及び幅を、再び測定する。プラテン60を再び左(又は右)へ完全に一位置分動かして、5点を測定して平均する。この手順を、サンプルの縁に達するまで続ける。プラテン60の外側及び増分方向に垂直のサンプルの厚さは測定しない。接着テープで固定したサンプルの部分は測定しない。サンプルの縁では、サンプルの内側にあるプラテン60上の点だけを考慮する。縁の場合、セグメントの長さは、プラテン60の片側の長さに等しくなくてもよい。プラテン60がサンプルをオーバーハングする場合、サンプルの外側にあるいずれの点も、高さ測定に考慮しない。次に、プラテン60を中心位置の右(又は左)へ一位置分戻してn−1の位置とし、手順をサンプルの反対側の縁に達するまで繰り返す。各位置の高さ測定値を平均して、プラテン60の各位置に対する1つの高さを得る。
【0085】
プラテン60の各位置で、高さと幅と長さを乗ずる。このようにして、プラテン60の各増分位置に対する体積が見出される。増分位置でのこれらの体積を合計して、サンプルの最終体積を得る。
【0086】
次に、サンプルを張力で活性化する。まず、サンプルを固定していた接着テープを取り除いて、サンプルの全幅に沿ってサンプルをクランプする(再び、その形状の最左端及び最右端上の12.5%で)。次に、クランプを毎分50.8cmで動かして離し、サンプルを張力で活性化する。適切なひずみを見つけるために、前述の荷重−伸び曲線を使用する。伸びは、本発明による製品の使用中に通常生じる活性化方向で測定する。
【0087】
サンプルのゲージ長さを、上記ピーク値に達するのに必要なひずみの75%まで、張力で伸ばす。この伸びを、75%ピーク伸びと呼ぶ。張力荷重による破損は生じない。サンプルのゲージ長さを、75%ピーク伸びから67%ピーク伸びまで弛緩させる。製品内部の固有のばね力によって弛緩が生じない場合、手で弛緩を誘起することができる。次に、サンプルを、水平な基準面上の所定の位置に必要に応じて接着テープを使用して、注意深く67%ピーク伸びに保持する。上述したように体積測定を繰り返す。
【0088】
それぞれの状態で3つのサンプルを試験する。状態1の3つの体積を平均する。状態2の3つの体積を平均する。体積指数は、状態2の平均体積を状態1の平均体積で割ったものとして考えることができる。体積指数は、サンプルの伸ばされた部分の体積の変化を表す。
【0089】
厚さ指数は、次のようにして見出される。状態1の3つのサンプルのそれぞれに対して、プラテン60のいずれかの位置での最大の厚さを見つける。上の体積測定の厚さデータを使用することができ、又は新しい厚さ測定を行うことができる。
【0090】
活性化した3つのサンプルのそれぞれに対して、プラテン60のいずれかの位置での最大の厚さを見つける。次に、3つのサンプルのそれぞれに対して、これら最大値の比を得る。次に、3つの比を相互に平均して、3つのサンプルに基づくその製品を代表する厚さ指数を得る。
【0091】
次の表8を参照すると、従来技術による製品は、引張り力を適用した時に、目立った活性化をしない又は示強性を変化させないことがわかる。それ故に、従来技術サンプルの体積指数はほぼ1に等しい。本発明は、少なくとも5の、別の実施では少なくとも10の、別の実施では少なくとも15の、別の実施では少なくとも20の、及び別の実施では少なくとも25の、体積指数を有することができる。
【0092】
次の表8を更に参照すると、状態1及び状態2の平均の厚さは、各プラテン60位置に対する厚さ及び面積を合計して各プラテン60の位置に対する面積の合計で割ることで表される平均である。これは、概念的には、各プラテン60の位置の面積で割り算した、体積の重みつき平均と考えることができる。再び、状態1及び状態2の厚さのそれぞれの3つのサンプルの平均が表される。
【0093】
状態1及び状態2の最大の厚さは、それぞれの状態における3つの同一サンプルの最大の厚さの平均である。しかし、厚さ指数を決定するためには、それぞれのサンプルに対して1つの、つまり3つの厚さ指数を上述のように見出し、次に平均することが認識されるべきである。
【0094】
本発明によるティッシュ・ペーパー40は、少なくとも2の、幾つかの実施では少なくとも4の、幾つかの実施では少なくとも6の、幾つかの実施では少なくとも8の、幾つかの実施では少なくとも10の、及び更に別の実施では少なくとも12の、厚さ指数を有することができる。
【0095】
【表8】
本発明によるティッシュ・ペーパー40の厚さは、プライ数によって決まる。本明細書で説明して特許請求する実施態様の場合、1つ、2つ、又はnプライ、ここでnは約2と約8との間の整数を有する実施態様、及び幾つかの実施では4と6との間が好適であることが判明した。本明細書で説明して特許請求する複数プライ実施態様の場合、本発明によるティッシュ・ペーパー40は、上述のように測定する状態2の任意の場所での厚さとして、少なくとも約0.5cm、幾つかの実施では約1cm、別の実施では少なくとも約1.3cm、別の実施では少なくとも約1.5cm、及び更に別の実施では少なくとも約1.7cmを有することができる。単一プライ実施態様の場合、その厚さは、少なくとも約0.3cm、別の実施では少なくとも約0.4cm、更に別の実施では少なくとも約0.5cm、及び更に別の実施では少なくとも約0.6cmとすることができる。一般的に、脆弱線の間の垂直距離Wが増すにつれて、ティッシュ・ペーパー40の厚さも同様に増加する。活性化するとランド域Wがティッシュ・ペーパー40の平面外へ変形する傾向があるので、厚さの増加に対応するために、スリット長さは十分に長くなければならないことを当業者は理解するであろう。
【0096】
更に、本発明のティッシュ・ペーパー40は、活性化の後、従来技術で見られるよりも低い密度を有する。考慮中のティッシュの密度を測定するために、次の手順を用いる。ティッシュの体積を、上で説明したように決定する。ティッシュの質量を、デジタル天秤を使用してグラムで決定する。好適な天秤は、0.0001gの分解能を有し、デラウエア州ゲッティンゲン(Goettingen,DE)のサートリアス社(The Sartorius Company)から入手可能である。密度は、単にサンプルの質量を体積で割り算したものである。表9を参照すると、従来技術による様々な製品、及び特許請求する発明による様々な製品の密度が示されている。活性化すると、本発明による製品は、従来技術のものよりもほぼ一桁小さい密度を有する。本発明による製品は、バス・ティッシュやフェイシャル・ティッシュや硬質表面クリーナー用などの低密度基材として使用するとき、特に有利である。
【0097】
【表9】
上の表9で見ることができるように、本発明は、0.01g/cm3未満の、幾つかの実施では0.009g/cm3未満の、別の実施では0.008g/cm3未満の、別の実施では0.007g/cm3未満の、及び更に別の実施では0.006g/cm3未満の密度を有することができる。
【0098】
更に別のパラメータを参照すると、本発明は又、活性化すると比較的高い摩擦係数を有する。平均摩擦係数は、縦方向及び幅方向に測定した摩擦係数の平均である。摩擦係数は、カトーテック(株)から入手可能なカワバタエバリュエイションシステム(KES)試験器を使用して測定する。サンプルを水平基準表面上に固定する。焼結ガラス製の約12.2グラム重量のプローブ及びアームを使用する。プローブは、20mmの直径及びポロシティCを有する焼結したガラスであって、ニュージャージー州ヴァインランド(Vineland, NJ)のエースグラス社(Ace Glass,Inc.)からカタログ番号7176−14で入手可能である。図30A及び図30Bを参照すると、プローブは、角を面取りするために修正してある。プローブの底周辺の角は、100グリットサンドペーパーを使用して面取りする。ノートンアブレーシブ(Norton Abrasives)のK224 100−Jサンドペーパーが好適であると判明している。そのプローブを、サンプルに沿って毎分0.1cmの速度で2.0cmの距離を引く。プローブの方向は逆転され、2方向試験パターンとする。異なるサンプルを提供する。このサンプルは、第1のサンプルに対して90度の向きとし、試験を繰り返す。それぞれの方向に前向き及び後ろ向きのトレース(4試験点)を平均して、そのサンプルの摩擦係数を得る。3つのそのようなサンプルの平均により、ティッシュ・ペーパー40の摩擦係数が得られる。次の表10に示すように、本発明は活性化すると、少なくとも1.8、幾つかの実施では2.0を超え、別の実施では2.2を超え、更に別の実施では2.4を超える摩擦係数を有する。
【0099】
【表10】
サンプルの剛性は、ASTM B1388−64から適合させたカンチレバードレープ試験器を使用して測定することができる。サンプルは、2.54cmの幅、及び水平から45度の垂れを生じるに十分な長さを有する。ティッシュの場合10.16cmの長さ、及び紙タオルの場合15.24cmが、十分であると判明している。サンプルは、縦方向か幅方向かいずれかに平行な長軸を有する。3000平方フィート当りのポンド(6250平方センチメートル当りのグラム)でのサンプル坪量は、当業者に周知の技法を使用して決定され、本明細書では繰り返さない。サンプルは、サンプルのオーバーハングを生じることができる90度自由隅部を有する、水平試験台の上に置く。サンプルを、毎秒1/2インチ(1.27cm)の速度で自由端を越えて動かし、サンプルのオーバーハング部分が水平から45度垂れるまで行う。サンプルのオーバーハングの長さを、0.5cmの正確さで測定する。
【0100】
サンプルの厚さを、上述のように測定する。次に、曲げ率を、次の式により見出す:
曲げ率(kg/cm2)={(オーバーハングの長さ(cm)/2)3×坪量(ポンド/3000平方フィート)×119.24}/[厚さ(1/1000インチすなわちミル)]3
次の表11に見られるように、本発明は、従来技術で得ることができものよりもほぼ一桁小さい幅方向曲げ率を有する。本発明は、0.01kg/cm2未満、0.005kg/cm2未満の、幾つかの実施では0.001kg/cm2未満、幾つかの実施では0.0005kg/cm2未満、幾つかの実施では0.0001kg/cm2未満、及び幾つかの実施では0.00005kg/cm2未満の幅方向の曲げ率を有することができる。しかし、幅方向に対する縦方向の曲げ率の比は、従来技術で得ることができものよりもほぼ一桁大きい。幅方向に対する縦方向の曲げ率の比は、幾つかの実施では少なくとも約5、幾つかの実施では少なくとも約10、別の実施では少なくとも約15、及び別の実施では少なくとも20とすることができる。
【0101】
【表11】
MD曲げ率及びCD曲げ率の状態1/状態2の比も、次の表VIBに示す。表12に示すように、少なくとも4、幾つかの実施では少なくとも5、及び別の実施では少なくとも6の、CD可撓性の状態1/状態2の比を得ることができる。
【0102】
【表12】
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】真っ直ぐで平行な及び一方向にずれているスリットを有する、本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の断片的な上部平面図である。図1のスリットは、抄紙中に低坪量領域としてつくられた。
【図2】図1のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図3】真っ直ぐで平行な、一方向にずれているスリットを有する、本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の断片的な上部平面図であり、図3のティッシュ・ペーパーは識別可能な幅を有する。図3のスリットは、抄紙工程中に低坪量領域として作られたものであるが、図1の対応するスリットよりは高い坪量を有する。
【図4】図3のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図5】真っ直ぐで平行な、一方向にずれているスリットを有する本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の、断片的な上部平面図であり、図5のティッシュ・ペーパーは識別可能な幅を有する。図5のスリットは、抄紙工程中に低坪量領域として作られたものであって、図3のスリットの長さの1/2の長さである。
【図6】図5のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図7】真っ直ぐで平行な、一方向にずれているスリットを有する、本発明による代表的なティッシュ・ペーパーの、活性化前の、断片的な上部平面図である。図7のティッシュ・ペーパーの基材は、チャーミンウルトラ(Charmin Ultra)型バス・ティッシュであり、フォーミング・ワイヤ側がこちらに面している。図7のティッシュ・ペーパーは、ロータリスリッターを使用して製造した。
【図8】図7のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図9】中断した正弦パターンを形成するスリットを有するティッシュ・ペーパーの断片的な上部平面図である。図9のティッシュ・ペーパーの基材は、チャーミン(Charmin)型バス・ティッシュであり、フォーミング・ワイヤ側がこちらに面している。図9のティッシュ・ペーパーは、レーザーカッターを使用して製造した。
【図10】図9のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図11】絡み合って二方向に交互に配置された山形紋パターンのスリットを有する、本発明によるティッシュ・ペーパー40の断片的な上部平面図である。図11のティッシュ・ペーパーの基材は、チャーミン(Charmin)型バスティッシュで作られており、フォーミング・ワイヤ側がビューアの反対側に面している。図11のティッシュ・ペーパーは、レーザーカッターを使用して製造した。
【図12】図11のティッシュ・ペーパーの、活性化後の、断片的な上部平面図である。
【図13A】図1及び図2のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸び曲線である。図13Aは又、フォートジェイムス社(Fort James Corporation)により作られたキルテッドノーザーンウルトラ(Quilted Northern Ultra)バス・ティッシュとブラウニー(Brawny)紙タオルの双方、並びにキンバリークラーク社(Kimberly Clark Corporation)により作られたクリネックス(Kleenex)フェイシャル・ティッシュの活性化への反応を示す。
【図13B】図13Aの荷重−伸び曲線であり、ひずみスケールを圧縮している。
【図14】図3及び図4のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図15】図15は、図5及び図6のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図16】図7及び図8のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図17】図9及び図10のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図18】図11及び図12のティッシュ・ペーパーの活性化への反応を示す、荷重−伸びである。
【図19】図13A及び図13Bに示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図20】図14に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図21】図15に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図22】図16に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図23】図17に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図24】図18に示した荷重−伸びのバンド幅のグラフである。
【図25】図19の本発明、及び従来技術サンプルのバンド幅のグラフである。
【図26】本発明のティッシュにスリットを作ることに使用できる、ロータリナイフの斜視図である。
【図27】分析に使用した寸法を示す、代表的なスリットパターンの上部平面略図である。
【図28】厚さ測定をどのようにして行うかを示す、ティッシュ・ペーパー及びプラテンの上部平面略図である。
【図29A】第1の方向及び第2の方向に直交して向けられたスリットを有するティッシュ・ペーパーの部分的な平面図であり、第1の方向のスリットが第2の方向のスリットよりも著しい長さを有する。
【図29B】第1の方向に向けられた真っ直ぐなスリットと真っ直ぐなスリットの間に挿入された曲線状スリットとを有する、ティッシュ・ペーパーの断片的な上部平面図である。
【図30A】摩擦係数試験工程で使用されるプローブの底面略図である。
【図30B】図30Aのプローブの、線30B−30Bに沿って見る縦断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数プライ・ティッシュ製品であって、前記複数プライ・ティッシュ製品が、XY平面及びXY平面に垂直なZ方向を画定し、少なくとも2mmの厚さ及び0.01g/cm3未満の密度を有するティッシュ製品。
【請求項2】
縦方向及び縦方向に直交する幅方向を有し、0.01kg/cm2未満の幅方向の可撓性を有する、請求項1に記載の複数プライ・ティッシュ製品。
【請求項3】
貫通する開口を有する複数プライ・ティッシュ・ペーパーであって、少なくとも1.8の摩擦係数を有する複数プライ・ティッシュ・ペーパー。
【請求項4】
少なくとも2.2の摩擦係数を有する、請求項3に記載の複数プライ・ティッシュ・ペーパー。
【請求項5】
前記複数プライ・ティッシュ・ペーパーが、荷重−伸び曲線を生じながら第1の状態から第2の状態へ活性化可能であり、前記荷重−伸び曲線が、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.9のバンド幅を有する、請求項3または4のいずれか1項に記載のティッシュ・ペーパー。
【請求項6】
前記荷重−伸び曲線が、少なくとも0.9のバンド幅を有する、請求項5に記載のティッシュ・ペーパー。
【請求項1】
複数プライ・ティッシュ製品であって、前記複数プライ・ティッシュ製品が、XY平面及びXY平面に垂直なZ方向を画定し、少なくとも2mmの厚さ及び0.01g/cm3未満の密度を有するティッシュ製品。
【請求項2】
縦方向及び縦方向に直交する幅方向を有し、0.01kg/cm2未満の幅方向の可撓性を有する、請求項1に記載の複数プライ・ティッシュ製品。
【請求項3】
貫通する開口を有する複数プライ・ティッシュ・ペーパーであって、少なくとも1.8の摩擦係数を有する複数プライ・ティッシュ・ペーパー。
【請求項4】
少なくとも2.2の摩擦係数を有する、請求項3に記載の複数プライ・ティッシュ・ペーパー。
【請求項5】
前記複数プライ・ティッシュ・ペーパーが、荷重−伸び曲線を生じながら第1の状態から第2の状態へ活性化可能であり、前記荷重−伸び曲線が、少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.9のバンド幅を有する、請求項3または4のいずれか1項に記載のティッシュ・ペーパー。
【請求項6】
前記荷重−伸び曲線が、少なくとも0.9のバンド幅を有する、請求項5に記載のティッシュ・ペーパー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【公開番号】特開2008−237903(P2008−237903A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63483(P2008−63483)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【分割の表示】特願2002−538896(P2002−538896)の分割
【原出願日】平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【分割の表示】特願2002−538896(P2002−538896)の分割
【原出願日】平成13年10月31日(2001.10.31)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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