強度評価装置及び強度評価方法
【課題】構造物の広範囲に渡る強度評価を簡易な構成で効率的に行うこと。
【解決手段】供試体23の評価対象領域に光を照射する光照射ユニット201と、照明下における供試体23の評価対象領域の画像を取得する撮像ユニット202と、荷重を与える前の評価対象領域の画像と荷重付加後の評価対象領域の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成部と、差分画像における注目画素を順番に走査し、該注目画素の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成部と、第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換部と、第2グラフに基づいて、供試体23における評価対象領域の強度を評価する評価部とを具備する強度評価装置を提供する。
【解決手段】供試体23の評価対象領域に光を照射する光照射ユニット201と、照明下における供試体23の評価対象領域の画像を取得する撮像ユニット202と、荷重を与える前の評価対象領域の画像と荷重付加後の評価対象領域の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成部と、差分画像における注目画素を順番に走査し、該注目画素の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成部と、第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換部と、第2グラフに基づいて、供試体23における評価対象領域の強度を評価する評価部とを具備する強度評価装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の強度評価を行う強度評価装置及び強度評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物の構造健全性を評価する健全性評価の一つとして、構造物に所定の荷重を与え、そのときの構造物の変位やひずみを測定する強度評価が行われている。通常、ひずみや変位の測定には、歪ゲージや変位計等のセンサが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−055797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、大型構造物等のように、強度評価を行う領域が広範囲にわたる場合には、歪ゲージや変位計等のセンサを強度評価領域全体に取り付けなければならず、多くのセンサが必要となる。このため、評価のための構成が複雑化する等の問題があった。また、構造物全域にセンサを取り付けることは不可能であるため、センサが取り付けられていない箇所については荷重を与えたときの挙動が計測できず、計測箇所にムラが生じる等の問題もあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、構造物の広範囲に渡る強度評価を簡易な構成で効率的に行うことのできる強度評価装置及び強度評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価装置であって、前記供試体の評価対象領域に光を照射する光照射手段と、照明下における前記供試体の評価対象領域の画像を取得する撮像手段と、荷重を与える前の前記評価対象領域の画像と荷重付加後の前記評価対象領域の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成手段と、該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成手段と、前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換手段と、前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価手段とを具備する強度評価装置を提供する。
【0007】
このような構成によれば、供試体に荷重が与えられる強度試験が開始されるときから終了するまでの間において、撮像手段により供試体の評価対象領域の画像が取得される。そして、荷重を充てる前の供試体の画像と荷重付加後の供試体の画像とが比較されることにより輝度の差分画像が作成され、この輝度の差分画像に基づいて第1グラフが作成される。この第1グラフは、差分画像において画素を所定の条件に従って走査したときの各画素の位置とその位置における輝度差を示したものであるので、評価対象領域における輝度差の変化を示す信号としてみなすことができる。また、評価対象領域にひずみが生ずるとその部分の乱反射によって画像の輝度が変化するから、この第1グラフは、供試体に荷重を付加したときの評価対象領域に生じた歪みの挙動を表した信号として取り扱うことができる。また、このような第1グラフにおいて、ひずみが生じた場合には、その部分において周波数が変化することとなる。従って、第1グラフを周波数領域の信号に変換して周波数変化の傾向を顕在化し、この周波数領域のグラフである第2グラフに基づいて強度を評価することで、より高い精度で評価対象領域のひずみの状態を評価することが可能となる。
【0008】
上記強度評価装置において、前記評価手段は、前記第2グラフにおける所定のモードの面積とその他のモードの面積との比率に基づいて、前記評価対象領域のひずみの程度を判定し、該所定のモードは着目するひずみの傾向に基づいて決定されることとしてもよい。
【0009】
これにより、評価対象領域のひずみの程度を容易に判定することができる。また、評価対象領域に発生するひずみの傾向、例えば、ひずみの発生する方向や間隔等によって、第1グラフに発生する周波数変化の様子が変わるため、着目するひずみの傾向に基づいて第2グラフにおける着目する所定のモードを決定することで、より正確にひずみの様子を判定することが可能となる。
例えば、座屈を検出する場合には、ある位置が凹む(または膨らむ)ので、1次モードに着目して判定を行えばよい。
【0010】
上記強度評価装置において、前記供試体は、所定サイズのパネルが略筒状に繋ぎ合された形状を有しており、前記撮像手段は、前記供試体を構成する複数のパネルのうち、前記評価対象領域に該当する領域全体を撮影できるように少なくとも1台配置されており、前記第1グラフ作成手段は、前記第1グラフを前記パネル単位で作成し、前記評価手段は、パネル単位で作成された前記第2グラフからパネル単位で座屈したか否かを判定し、座屈したと判定した前記パネルの数を評価結果として出力することとしてもよい。
【0011】
このように、評価対象領域が複数のパネルによって形成されている場合には、パネル毎に座屈の有無を判定し、座屈したパネルの枚数を数えることにより、容易に評価対象領域の強度評価を行うことが可能となる。
【0012】
上記強度評価装置において、前記照明手段は、前記供試体の上方または下方に放射状に複数配置されていることが好ましい。
【0013】
このように証明手段が配置されていることにより、供試体をほぼ同じ照度でまんべんなく照らすことができ、評価対象領域内における局所的な輝度差をなくすことができる。
【0014】
本発明は、供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価方法であって、前記供試体に光を照射し、照明下における前記供試体の画像を取得する画像取得過程と、荷重を与える前の前記供試体の画像と荷重付加後の前記供試体の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成過程と、該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成過程と、前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換過程と、前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価過程とを含む強度評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、構造物の広範囲に渡る強度評価を簡易な構成で効率的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】強度評価の対象である宇宙ステーション輸送機の概略構成を示す側面図である。
【図2】非与圧キャリアの全体概略構造を示す斜視図である。
【図3】供試体を荷重付加装置に組み付けた状況を示す縦断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3のX−X断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る強度評価装置の概略構成を示した図である。
【図7】光照射ユニットの配置例を示した図である。
【図8】計算ユニットが備える機能を展開して示した機能ブロック図である。
【図9】撮像ユニットの各カメラによって取得された画像の一例を示した図である。
【図10】図9に示した画像に所定の画像処理を施して生成される画像を示した図である。
【図11】注目画素の走査順の一例を示した図である。
【図12】第1グラフの一例を示した図である。
【図13】第2グラフの一例を示した図である。
【図14】強度試験において供試体に与えられた荷重と座屈パネルの数との関係の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る強度評価装置及び強度評価方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
〔供試体及び荷重付加装置について〕
まず、本実施形態に係る強度評価装置による強度評価の対象となる構造物(供試体)及び該供試体に荷重を与える荷重付加装置について説明する。
図1は、強度評価の対象である宇宙ステーション輸送機(H−II Transfer Vehicle:HTV)1の概略構成を示す側面図である。
【0019】
HTV1は、全長約10m、直径約4mの円筒形状をした構造物である。HTV1は、ロケットによって打ち上げられ、宇宙空間を自身で移動して宇宙ステーションとドッキングする。
HTV1は、食糧や衣類、各種実験装置など最大6トンの補給物資を宇宙ステーションに送り届け、補給を終えた後は、用途を終えた実験機器や使用後の衣類など不要品を積み込み、大気圏へ再突入する。
【0020】
HTV1には、宇宙ステーションの船内で使用する物資を運ぶ与圧キャリア3と、船外で使用する物資を運ぶ非与圧キャリア5と、HTV1の制御を行う電気モジュール7と、動力源を構成する推進モジュール9とが備えられている。
与圧キャリア3には、宇宙ステーションとドッキングするハッチ部11が備えられている。与圧キャリア3の内部は打上げから宇宙ステーションに接続されるまで、地上と同じ略1気圧に保たれており、宇宙ステーションとの接続中は、ハッチ部11を経由して宇宙ステーション乗員によって物資の搬出、不用品の搬入が行われる。
【0021】
非与圧キャリア5は、略円筒形状をし、内部に曝露パレットと呼ばれる貨物トレーが搭載される。船外で使用する実験装置などは、この曝露パレットに搭載された状態で搬送され、宇宙ステーションのロボットアームによって取り出され、所定の場所に設置される。
非与圧キャリア5には、暴露パレットを搭載するパレット台13と、曝露パレットを引出および挿入するための開口部15とが備えられている。
【0022】
図2は、非与圧キャリア5の全体概略構造を示す斜視図である。
非与圧キャリア5の主構造(一次構造)は、図2に示されるようにパネル17がストリンガ19およびフレーム21によって周囲を支持されたセミモノコック構造である。
パネル17は、略円筒形状をした薄板であり、たとえば、アルミ合金製である。
【0023】
パネル17は、主として非与圧キャリア5(すなわち、HTV1)の軸線方向および軸線方向に直交する方向(横揺れ加速度)の荷重を受けるものである。パネル17は、これらの荷重による軸応力およびせん断応力に耐荷する形となるが、軽量化要求が厳しい事情から、弾性領域での座屈は許容する設計、すなわち、ポストバックリング設計となっているため、柔な構造である。
座屈後のパネル17は、軸線方向荷重に対しては、ストリンガへの荷重再配分により、軸船に直交する荷重(せん断荷重)に対しては、不完全張力場を形成し、非与圧キャリア5の軸線方向に直角方向の荷重に耐荷するが、永久変形(残留ひずみ)が生じないように構成されている。
また、ストリンガ19と結合されている部位の近傍領域は、軸線方向荷重の伝達にも寄与する。
【0024】
ストリンガ19は、パネル17の外周面側に非与圧キャリア5(すなわち、HTV1)の軸線方向に延在するように取り付けられている型材である。ストリンガ19は、パネル17の周上に間隔をあけて複数、たとえば、48本取り付けられている。
ストリンガ19は、最も厳しい軸線方向の圧縮力荷重を伝達させる働きを有している。
【0025】
フレーム21は、ドーナツ形状をし、パネル17の内周面側に周方向に延在するように取り付けられている。フレーム21は、非与圧キャリア5の軸線方向に間隔をあけて複数、たとえば、5本取り付けられている。
フレーム21は、パネル17およびストリンガ19による荷重伝達を円滑にするために剛性を保持するのを主目的とした部材である。フレーム21の本数、配置および断面形状は、非与圧キャリア5の機体剛性を保つように設定されている。
【0026】
以上、非与圧キャリア5の主構造について説明したが、与圧キャリア3、電気モジュール7および推進モジュール9の主構造も略同じ構造とされている。
なお、ストリンガ19は、与圧キャリア3、非与圧キャリア5、電気モジュール7および推進モジュール9間を通じて、周方向略同一位相に配置されている。
【0027】
開口部15の周辺部は、厳しい集中荷重に晒されるので、種々の補強がなされている。
たとえば、開口部15の両側には、一般部位のストリンガ19の10倍以上に当たる強度および剛性を有する縦通材(ロンジロン)が配置されている。また、同じ領域に配置されるパネル17はいかなる座屈も許容しないように一般部位の3倍以上の板厚とされている。さらに、開口部15のコーナー部位には、応力集中を緩和するための補強ブラケット(ガセット)が配置されている。
【0028】
パレット台13は、図2に示されるように、中空の円錐台形状をし、打上時上方に位置する小径部端に暴露パレットを取り付ける取付部が備えられている。
【0029】
電気モジュール7の内部には、二次構造として誘導制御系、電力供給系、通信データ処理系および通信系の電子機器が搭載されている。
推進モジュール9には、二次構造として合計32基のロケットエンジンおよび燃料タンク等が装備されている。推進モジュール9は、これらのロケットエンジンを使って、ロケット分離後にHTV1の軌道を変えたり、電気モジュール7からの指令によって方向を自由に調整して宇宙ステーションと会合飛行を行ったりする。
【0030】
次に、HTV1の非与圧キャリア5および電気モジュール7の主構造を対象として、荷重を与える荷重付加装置について説明する。HTV1は、宇宙空間に出ると荷重がほとんど無くなるので、打上げ時の荷重に耐えられる構造であるかが問題となる。
【0031】
図3は、供試体23を荷重付加装置25に組み付けた状況を示す縦断面図である。図4は、図3の平面図である。図5は、図3のX−X断面図である。
供試体23は、与圧キャリア3のダミー構造である与圧部ダミー27と、非与圧キャリア5の実構造を用いる非与圧部29と、電気モジュール7の実構造を用いる電気モジュール部31と、推進モジュール9のダミー構造である推進モジュールダミー33とが、この順に上下方向に接合されている。
【0032】
供試体23は、高さが約8m、直径が約4mの略円筒形状をしている。供試体23は、たとえば、軸線方向に直交する水平方向の荷重を主として受け持つパネルの厚さが約1mmと薄いので、水平方向の荷重に対しては限界荷重近辺での変位量が急撃に大きくなる、いわゆる、柔な構造をした構造物である。
【0033】
非与圧部29の内部に備えられたパレット台15の上には、暴露パレットのダミー構造である暴露パレットダミー35が取り付けられている。
暴露パレットダミー35には、パレット台13に固定して取り付けられる矩形状の板である取付部37と、取付部37にそれを貫通して上下方向に延在する中空円筒形状をしたパレット荷重点部39と、パレット荷重点部39を保持するとともに取付部37を補強する4枚の支持板41とが備えられている。
【0034】
パレット荷重点部39は、その軸線中心が非与圧部29の軸線中心と略一致するように設置されている。
支持板41は、略三角形状をした板部材である。支持板41は、それぞれ取付部37の四隅からパレット荷重点部39の中心軸線に向けて配置されている。支持板41は、面部が上下方向に延在するようにその一辺が取付部37の上部に固定され、他の一辺がパレット荷重点39の外周部に固定されている。
【0035】
電気モジュール部31の内部には、電気モジュール7の内部に格納される各種電子機器を模擬する電気モジュール二次構造ダミー43が備えられている。
電気モジュール二次構造ダミー43には、取付部45と、取付部45にそれを貫通して上下方向に延在する中空円筒形状をした電子機器荷重点部47とが備えられている。
取付部45は、略円形をした板部材であり、その外周端がパネル17に取り付けられている。取付部45の上面は、放射状に配置された複数の型材によって補強されている。
電子機器荷重点部47は、その軸線中心が非与圧部29の軸線中心と略一致するように設置されている。
【0036】
推進モジュールダミー33は、床面49に固定して取り付けられている。
与圧部ダミー27の上端部には、略円筒形状の与圧荷重点部51が備えられている。与圧荷重点部51は、その軸線中心が非与圧部29の軸線中心と略一致するように設置されている。
【0037】
荷重付加装置25には、非与圧部29の軸線方向に荷重を負荷する軸線方向荷重負荷部53と、この軸線方向に略直交する水平方向に荷重を負荷する第一水平方向荷重負荷部55および第二水平方向荷重負荷部57と、制御部59とが備えられている。
【0038】
軸線方向荷重負荷部53は、供試体23の内部空間に設置されている。軸線方向荷重負荷部53には、床面49に固定して取り付けられた取付台61と、取付台61の上面に取り付けられた与圧垂直荷重負荷部材63、一対のパレット垂直荷重負荷部材65および一対の電子機器垂直荷重負荷部材67とが備えられている。
【0039】
与圧垂直荷重負荷部材63は、供試体23の軸線中心位置に軸線方向に延在するように設置され、与圧荷重点部51に対し供試体23の軸線方向に荷重を負荷するものである。
与圧垂直荷重負荷部材63には、下端が取付台61に揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ69と、一端が油圧ジャッキ69のピストンロッドに取り付けられ、電子機器荷重点部47およびパレット荷重点部39の中空部を通って他端が与圧荷重点部51に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド71と、負荷された荷重を測定するロードセル73と、油圧ジャッキ69のピストンロッドの変位を計測する変位計75とが備えられている。
【0040】
各パレット垂直荷重負荷部材65は、与圧垂直荷重負荷部材63を挟んで対向する位置に設置され、パレット荷重点部39に対し供試体23の軸線方向に荷重を負荷するものである。
各パレット垂直荷重負荷部材65には、それぞれ下端が取付台61に揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ77と、一端が油圧ジャッキ77のピストンロッドに取り付けられ、電子機器荷重点部47の中空部を通って他端がパレット荷重点部39に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド79と、負荷された荷重を測定するロードセル81と、油圧ジャッキ77のピストンロッドの変位を計測する変位計83とが備えられている。
【0041】
各電子機器垂直荷重負荷部材67は、与圧垂直荷重負荷部材63を挟んで対向し、パレット垂直荷重負荷部材65から周方向で略90度離れた位置に設置され、電子機器荷重点部47に対し供試体23の軸線方向に荷重を負荷するものである。
各電子機器垂直荷重負荷部材67には、それぞれ下端が取付台61に揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ85と、一端が油圧ジャッキ85のピストンロッドに取り付けられ、他端が電子機器荷重点部47に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド(図示省略)と、負荷された荷重を測定するロードセル(図示省略)と、油圧ジャッキ85のピストンロッドの変位を計測する変位計(図示省略)とが備えられている。
【0042】
このように、軸線方向荷重負荷部53は、与圧荷重負荷部材63の回りに各パレット垂直荷重負荷部材65および各電子機器垂直荷重負荷部材67を90度間隔で配置されているので、占有面積を小さくすることができる。
【0043】
第一水平方向荷重負荷部55および第二水平方向荷重負荷部57は、供試体23の軸線中心回りに略90度離れた位置に設置されている。第一水平方向荷重負荷部55および第二水平方向荷重負荷部57は構成が略同じであるので、以下、主として第一水平方向荷重負荷部55について構成を説明する。第一水平方向荷重負荷部55の部材には、符号にサ”a”を、第二水平方向荷重負荷部57の部材には、符号にサフィックス”b”を付して区別する。
【0044】
第一水平方向荷重負荷部55には、下端部が床面49に固定され、上下方向に延在する支柱87aと、支柱87aに取り付けられた与圧水平荷重負荷部材89a、パレット水平荷重負荷部材91aおよび電子機器水平荷重負荷部材93aとが備えられている。
【0045】
与圧水平荷重負荷部材89aは、支柱87aの上端部に供試体23の軸線中心に向けて略水平に延在するように取り付けられ、与圧荷重点部51に対し水平方向に荷重を負荷するものである。
与圧水平荷重負荷部材89aには、一端が支柱87aに揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ95aと、一端が油圧ジャッキ95aのピストンロッドに取り付けられ、他端が与圧荷重点部51に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド97aと、負荷された荷重を測定するロードセル99aと、油圧ジャッキ95aのピストンロッドの変位を計測する変位計101aとが備えられている。
【0046】
与圧水平荷重負荷部材89aおよび与圧水平荷重負荷部材89bは、略直交するように配置されている。
このように、水平方向に負荷される荷重は2方向から与圧荷重点部51に作用するので、与圧荷重点部51に負荷される略水平面内の荷重は、与圧水平荷重負荷部材89aで負荷される荷重と与圧水平荷重負荷部材89bで負荷される荷重が合成された大きさとなる。したがって、油圧ジャッキ95aおよび油圧ジャッキ95bを制御し、与圧水平荷重負荷部材89aおよび与圧水平荷重負荷部材89bの荷重レベルを制御することによって水平面内で任意の方向に荷重を負荷することができる。
これに与圧垂直荷重負荷部材63による供試体23の軸線方向に荷重を加えることにより与圧荷重点部51に3次元で任意の方向に荷重を負荷することができる。
【0047】
パレット水平荷重負荷部材91aは、支柱87aにおけるパレット荷重点部39の上端部位置と略同等の高さ位置に供試体23の軸線中心に向けて略水平に延在するように取り付けられ、パレット荷重点部39に対し水平方向に荷重を負荷するものである。
パレット水平荷重負荷部材91aには、一端が支柱87aに揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ103aと、一端が油圧ジャッキ103aのピストンロッドに取り付けられ、他端がパレット荷重点部39に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド105aと、負荷された荷重を測定するロードセル107aと、油圧ジャッキ103aのピストンロッドの変位を計測する変位計109aとが備えられている。
【0048】
パレット水平荷重負荷部材91aおよびパレット水平荷重負荷部材91bは、略直交するように配置され、それぞれ開口部15に挿通されている。
このように、水平方向に負荷される荷重は2方向からパレット荷重点部39に作用するので、上述した与圧荷重点部51と同様にパレット荷重点部39に対し水平面内で任意の方向に荷重を負荷することができる。
これにパレット垂直荷重負荷部材65による供試体23の軸線方向に荷重を加えることによりパレット荷重点部39に3次元で任意の方向に荷重を負荷することができる。
【0049】
電子機器水平荷重負荷部材93aは、支柱87aにおける電子機器荷重点部47の上端部位置と略同等の高さ位置に供試体23の軸線中心に向けて略水平に延在するように取り付けられ、電子機器荷重点部47に対し水平方向に荷重を負荷するものである。
電子機器水平荷重負荷部材93aには、一端が支柱87aに揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ111aと、一端が油圧ジャッキ111aのピストンロッドに取り付けられ、他端が電子機器荷重点部47に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド113aと、負荷された荷重を測定するロードセル115aと、油圧ジャッキ111aのピストンロッドの変位を計測する変位計117aと、が備えられている。
【0050】
電子機器水平荷重負荷部材93aおよび電子機器水平荷重負荷部材93bは、図4に示されるように供試体23の軸線中心回りに90度に近い鋭角の関係に配置されている。
このように、水平方向に負荷される荷重は2方向から電子機器荷重点部47に作用するので、上述した与圧荷重点部51と同様に電子機器荷重点部47に対し水平面内で任意の方向に荷重を負荷することができる。
これに電子機器垂直荷重負荷部材67による供試体23の軸線方向に荷重を加えることにより電子機器荷重点部47に3次元で任意の方向に荷重を負荷することができる。
【0051】
制御部59は、与圧垂直荷重負荷部材63、パレット垂直荷重負荷部材65、電子機器垂直荷重負荷部材67、与圧水平荷重負荷部材89a,89b、パレット水平荷重負荷部材91a,91bおよび電子機器水平荷重負荷部材93a,93bの荷重負荷動作を含め、荷重付加装置25の動作を制御する。
【0052】
〔強度評価装置について〕
次に、本実施形態に係る強度評価装置および強度評価方法について説明する。
本実施形態に係る強度評価装置は、上記供試体23のうち、主に非与圧部29のパネル17の座屈状態を判定するものである。換言すると、本実施形態において、強度評価の対象となる領域は、非与圧部29において連結して外壁を形成している複数のパネル17である。
【0053】
強度評価装置は、図6に示すように、供試体23の評価対象領域に光を照射する光照射ユニット(光照射手段)201と、照明下における評価対象領域の画像を取得する撮像ユニット(撮像手段)202と、撮像ユニット202によって取得された評価対象領域の画像に基づいて、供試体23における評価対象領域の強度を評価する計算ユニット203とを備えている。
【0054】
この強度評価装置の構成のうち、上記光照射ユニット201及び撮像ユニット202とは、上記供試体23内に配置されているが、計算ユニット203の配置については特に限定されない。例えば、計算ユニット203は、上述した荷重付加装置25に一体化されて設けられていてもよいし、試験を監視する監視室に配置されていてもよい。
【0055】
上記光照射ユニット201は、図7に示すように、与圧部ダミー27の底板211に、放射状に配置された複数の蛍光灯212を有している。
上記撮像ユニット202は、供試体23における評価対象領域を全て撮影できるような位置に設置されている。本実施形態においては、評価対象領域は、供試体23の非与圧部29の外壁の一部を形成している複数のパネル17であるので、これら評価対象領域に該当するパネル17全体を撮影できるように、2台のカメラ213が非与圧部29の中心部周辺から非与圧部29のパネル17に向けて設置されている。
【0056】
撮影ユニット202は、荷重付加装置25によって荷重が与えられる前の状態及び荷重が与えられている強度試験の最中において、評価対象領域の画像を取得し、これらを計算ユニット203に出力する。
【0057】
計算ユニット203は、撮影ユニット202から送られてくる画像を処理することにより、評価対象領域におけるパネルの状況を評価する。本実施形態では、具体的には、評価対象領域に該当する各パネル17が座屈しているか否かを判定し、座屈しているパネルの数を試験結果として出力する。
具体的には、計算ユニット203はコンピュータであり、CPU、RAM等の主記憶装置、補助記憶装置等を備えている。補助記憶装置は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。この補助記憶装置には、各種プログラムが格納されており、CPUが補助記憶装置から主記憶装置にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
【0058】
図8は、計算ユニット203が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図8に示されるように、計算ユニット203は、画像作成部221、第1グラフ作成部222、信号変換部223、及び評価部224を備えている。
画像作成部221は、荷重を与える前の供試体23の画像と荷重付加中または荷重付加後の供試体23の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する。
第1グラフ作成部222は、画像作成部221によって作成された差分画像における注目画素を順番に走査し、該注目画素の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する。
【0059】
信号変換部223は、第1グラフ作成部222によって作成された第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する。
評価部224は、第2グラフに基づいて、供試体23における評価対象領域の強度を評価する。
【0060】
計算ユニット203による上記評価対象領域の強度評価は、例えば、荷重付加装置25による荷重試験が行われている間、撮像ユニット202から送られてくる画像を逐次処理することにより試験と並行して行われてもよいし、強度試験が行われている間においては撮像ユニット202により取得された画像を計算ユニット203内の記憶部(図示略)に蓄積しておき、強度試験が終了した後に記憶部に蓄積された画像を処理することにより、強度評価を行うこととしてもよい。このように、荷重付加装置25による供試体への荷重付加と強度評価装置による強度評価とは時刻を同じにして行われてもよいし、時間ずれを持って行われてもよい。
【0061】
次に、本実施形態に係る強度評価装置の作用について説明する。ここでは、撮像ユニット202により取得された画像を記憶部に蓄積しておき、荷重付加装置25による荷重付加が終了した後に、記憶部に蓄積された画像を解析して強度評価を行う場合について説明する。
【0062】
まず、荷重付加装置25による荷重付加が開始される場合には、制御部59において供試体23に付加する荷重分布が、打上げ時慣性力荷重の実機条件に近い分布に設定される。制御部59は、この荷重分布を再現するために、与圧荷重点部51、パレット荷重点部39および電子機器荷重点部47に作用させる荷重の方向および大きさの荷重条件を計算し、計算した荷重条件に基づいて与圧垂直荷重負荷部材63、パレット垂直荷重負荷部材65、電子機器垂直荷重負荷部材67、与圧水平荷重負荷部材89a,89b、パレット水平荷重負荷部材91a,91bおよび電子機器水平荷重負荷部材93a,93bの荷重負荷動作を設定する。これにより、供試体23に対して設定された分布に基づいて荷重が徐々に与えられていくことになる。
荷重付加装置25による荷重付加期間において、撮像ユニット202のカメラにより、供試体23の評価対象領域の画像が連続的にまたは所定の時間間隔で取得される。これにより、荷重付加期間における評価対象領域の挙動が画像情報として納められる。撮像ユニット202によって取得された画像は、例えば、計算ユニットに転送され、計算ユニット内の記憶部に蓄積される。
【0063】
このようにして、荷重付加装置25による荷重付加が終了すると、計算ユニット203による強度評価が実施される。
まず、計算ユニット203の画像作成部221は、記憶部から荷重付加前における画像を読み出し、この画像に対して所定の画像処理を施す。
例えば、図9(a),(b)に示すように、撮像ユニット202の各カメラ213によって取得された画像には、パネルの位置によって歪みが生じている。したがって、ここでの画像処理では、このような、画像上の歪みを排除し、パネル17が略四角形として表示されるように画像を修正する処理が実施される。これにより、例えば、図9(a),(b)に示した画像は、図10に示すような画像に修正される。
【0064】
続いて、画像作成部221は、記憶部に蓄積されている荷重付加中の所定時刻における画像を読み出し、この画像に対しても上記画像処理を実施する。
続いて、画像作成部221は、画像処理後の試験前の画像(以下、「基準画像」という。)と、画像処理後の所定時刻における画像(以下、「比較画像」という。)とを比較し、輝度の差分画像を作成する。このとき、基準画像と比較画像とで位置ずれが生じていた場合には、その位置ずれを修正するような位置ずれ修正処理を追加してもよい。このような位置ずれ修正処理を行うことで、正確に差分画像を作成することができる。
【0065】
次に、画像作成部221は、輝度の差分画像から各パネル17の領域を切り出す処理を行う。このパネルの切り出し処理は、画像上のエッジ等を検出することにより自動で行ってもよいし、例えば、通常の画像処理後の画像を表示部(図示略)等に表示することで作業員に提供し、この画像において各パネル17の領域を作業員に指定させ、この入力指示に基づいて各パネルを切り出すこととしてもよい。
【0066】
画像作成部221は、このようにしてパネル毎の差分画像を作成すると、この各パネル17の差分画像を第1グラフ作成部222に出力する。
第1グラフ作成部222は、画像作成部221によって作成された複数のパネル17の差分画像のうちの一枚を処理対象画像として取り出し、この差分画像における注目画素を順番に走査し、該注目画素の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する。
注目画素の走査順は、例えば、図11に示すように、左から右へ、下から上へ行う。なお、走査順は、評価対象領域に生ずるひずみの方向性に基づいて決定することが好ましい。第1グラフ作成部222は、注目画素を走査させながらそのときそのときの画素値、すなわち荷重付加前と荷重付加中の画像の輝度差を取得し、これを横軸に画素が、縦軸に輝度差が示された座標系にプロットすることで、第1グラフを作成する。
図12に第1グラフの一例を示す。横軸において、0の位置が差分画像の左下画素、横軸の最大値が差分画像の右上画素に相当する。画像作成部221は、このような第1グラフをパネル単位で作成し、この第1グラフを信号変換部223に出力する。
【0067】
信号変換部223は、第1グラフ作成部222によって作成された第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する。例えば、信号変換部223は、第1グラフに表わされた波形を時間領域における波形としてみなし、この信号を高速フーリエ変換(FFT)することにより、周波数領域のグラフを作成する。図13に第2グラフの一例を示す。第2グラフにおいて、横軸は周波数、縦軸は信号レベルである。
信号変換部223は、各パネルの第2グラフを作成すると、これらを評価部224に出力する。
【0068】
評価部224は、第2グラフにおける1次モードのレベルとその他のモードのレベルとを比較する。具体的には、第2グラフにおける1次モードの面積と、その他のモードの面積とを算出し、1次モードの面積とその他のモードの面積との比率を算出する。そして、この比率が所定の閾値を超えた場合に、本パネルが座屈したと判定する。そして、座屈したと判定したパネルの数を評価結果として、上記比較画像が取得された時刻と対応付けて出力する。
【0069】
そして、記憶部に蓄積されている荷重付加中の各時刻における画像に対して上記処理を行っていくことにより、荷重付加試験が開始されてから終了するまでの座屈パネルの数の増加傾向がグラフとして表わされることとなる。また、強度試験開始からの時刻がわかれば、制御部59により供試体23に加えられているその時々の荷重の大きさがわかるため、荷重と座屈パネルの数との関係も把握することができる。
図14は、強度試験において供試体に与えられた荷重と座屈パネルの数との関係の一例を示した図である。
【0070】
以上、本実施形態に係る強度評価装置及び強度評価方法によれば、歪ゲージや変位計等のセンサによって評価対象領域の強度を評価するのではなく、評価対象領域の挙動の様子を画像情報として捉え、この画像を解析することにより強度を評価するので、強度試験領域が広範囲にわたる場合でも、センサ等の増大を招くことなく、簡易な構成で効率的に強度評価を行うことができる。
【0071】
なお、本実施形態では、画素毎に輝度差を検出し、画素単位で第1グラフを作成していたが、これに限られず、例えば、複数の画素で構成される画素領域を走査させ、画素領域における平均輝度差を用いて第1グラフを作成することとしてもよい。このように、画素領域とすることで、処理負担を軽減させることが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
17 パネル
23 供試体
29 非与圧部
201 光照射ユニット
202 撮像ユニット
203 計算ユニット
212 蛍光灯
213 カメラ
221 画像作成部
222 第1グラフ作成部
223 信号変換部
224 評価部
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の強度評価を行う強度評価装置及び強度評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造物の構造健全性を評価する健全性評価の一つとして、構造物に所定の荷重を与え、そのときの構造物の変位やひずみを測定する強度評価が行われている。通常、ひずみや変位の測定には、歪ゲージや変位計等のセンサが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−055797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、大型構造物等のように、強度評価を行う領域が広範囲にわたる場合には、歪ゲージや変位計等のセンサを強度評価領域全体に取り付けなければならず、多くのセンサが必要となる。このため、評価のための構成が複雑化する等の問題があった。また、構造物全域にセンサを取り付けることは不可能であるため、センサが取り付けられていない箇所については荷重を与えたときの挙動が計測できず、計測箇所にムラが生じる等の問題もあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、構造物の広範囲に渡る強度評価を簡易な構成で効率的に行うことのできる強度評価装置及び強度評価方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価装置であって、前記供試体の評価対象領域に光を照射する光照射手段と、照明下における前記供試体の評価対象領域の画像を取得する撮像手段と、荷重を与える前の前記評価対象領域の画像と荷重付加後の前記評価対象領域の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成手段と、該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成手段と、前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換手段と、前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価手段とを具備する強度評価装置を提供する。
【0007】
このような構成によれば、供試体に荷重が与えられる強度試験が開始されるときから終了するまでの間において、撮像手段により供試体の評価対象領域の画像が取得される。そして、荷重を充てる前の供試体の画像と荷重付加後の供試体の画像とが比較されることにより輝度の差分画像が作成され、この輝度の差分画像に基づいて第1グラフが作成される。この第1グラフは、差分画像において画素を所定の条件に従って走査したときの各画素の位置とその位置における輝度差を示したものであるので、評価対象領域における輝度差の変化を示す信号としてみなすことができる。また、評価対象領域にひずみが生ずるとその部分の乱反射によって画像の輝度が変化するから、この第1グラフは、供試体に荷重を付加したときの評価対象領域に生じた歪みの挙動を表した信号として取り扱うことができる。また、このような第1グラフにおいて、ひずみが生じた場合には、その部分において周波数が変化することとなる。従って、第1グラフを周波数領域の信号に変換して周波数変化の傾向を顕在化し、この周波数領域のグラフである第2グラフに基づいて強度を評価することで、より高い精度で評価対象領域のひずみの状態を評価することが可能となる。
【0008】
上記強度評価装置において、前記評価手段は、前記第2グラフにおける所定のモードの面積とその他のモードの面積との比率に基づいて、前記評価対象領域のひずみの程度を判定し、該所定のモードは着目するひずみの傾向に基づいて決定されることとしてもよい。
【0009】
これにより、評価対象領域のひずみの程度を容易に判定することができる。また、評価対象領域に発生するひずみの傾向、例えば、ひずみの発生する方向や間隔等によって、第1グラフに発生する周波数変化の様子が変わるため、着目するひずみの傾向に基づいて第2グラフにおける着目する所定のモードを決定することで、より正確にひずみの様子を判定することが可能となる。
例えば、座屈を検出する場合には、ある位置が凹む(または膨らむ)ので、1次モードに着目して判定を行えばよい。
【0010】
上記強度評価装置において、前記供試体は、所定サイズのパネルが略筒状に繋ぎ合された形状を有しており、前記撮像手段は、前記供試体を構成する複数のパネルのうち、前記評価対象領域に該当する領域全体を撮影できるように少なくとも1台配置されており、前記第1グラフ作成手段は、前記第1グラフを前記パネル単位で作成し、前記評価手段は、パネル単位で作成された前記第2グラフからパネル単位で座屈したか否かを判定し、座屈したと判定した前記パネルの数を評価結果として出力することとしてもよい。
【0011】
このように、評価対象領域が複数のパネルによって形成されている場合には、パネル毎に座屈の有無を判定し、座屈したパネルの枚数を数えることにより、容易に評価対象領域の強度評価を行うことが可能となる。
【0012】
上記強度評価装置において、前記照明手段は、前記供試体の上方または下方に放射状に複数配置されていることが好ましい。
【0013】
このように証明手段が配置されていることにより、供試体をほぼ同じ照度でまんべんなく照らすことができ、評価対象領域内における局所的な輝度差をなくすことができる。
【0014】
本発明は、供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価方法であって、前記供試体に光を照射し、照明下における前記供試体の画像を取得する画像取得過程と、荷重を与える前の前記供試体の画像と荷重付加後の前記供試体の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成過程と、該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成過程と、前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換過程と、前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価過程とを含む強度評価方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、構造物の広範囲に渡る強度評価を簡易な構成で効率的に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】強度評価の対象である宇宙ステーション輸送機の概略構成を示す側面図である。
【図2】非与圧キャリアの全体概略構造を示す斜視図である。
【図3】供試体を荷重付加装置に組み付けた状況を示す縦断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図3のX−X断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る強度評価装置の概略構成を示した図である。
【図7】光照射ユニットの配置例を示した図である。
【図8】計算ユニットが備える機能を展開して示した機能ブロック図である。
【図9】撮像ユニットの各カメラによって取得された画像の一例を示した図である。
【図10】図9に示した画像に所定の画像処理を施して生成される画像を示した図である。
【図11】注目画素の走査順の一例を示した図である。
【図12】第1グラフの一例を示した図である。
【図13】第2グラフの一例を示した図である。
【図14】強度試験において供試体に与えられた荷重と座屈パネルの数との関係の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る強度評価装置及び強度評価方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
〔供試体及び荷重付加装置について〕
まず、本実施形態に係る強度評価装置による強度評価の対象となる構造物(供試体)及び該供試体に荷重を与える荷重付加装置について説明する。
図1は、強度評価の対象である宇宙ステーション輸送機(H−II Transfer Vehicle:HTV)1の概略構成を示す側面図である。
【0019】
HTV1は、全長約10m、直径約4mの円筒形状をした構造物である。HTV1は、ロケットによって打ち上げられ、宇宙空間を自身で移動して宇宙ステーションとドッキングする。
HTV1は、食糧や衣類、各種実験装置など最大6トンの補給物資を宇宙ステーションに送り届け、補給を終えた後は、用途を終えた実験機器や使用後の衣類など不要品を積み込み、大気圏へ再突入する。
【0020】
HTV1には、宇宙ステーションの船内で使用する物資を運ぶ与圧キャリア3と、船外で使用する物資を運ぶ非与圧キャリア5と、HTV1の制御を行う電気モジュール7と、動力源を構成する推進モジュール9とが備えられている。
与圧キャリア3には、宇宙ステーションとドッキングするハッチ部11が備えられている。与圧キャリア3の内部は打上げから宇宙ステーションに接続されるまで、地上と同じ略1気圧に保たれており、宇宙ステーションとの接続中は、ハッチ部11を経由して宇宙ステーション乗員によって物資の搬出、不用品の搬入が行われる。
【0021】
非与圧キャリア5は、略円筒形状をし、内部に曝露パレットと呼ばれる貨物トレーが搭載される。船外で使用する実験装置などは、この曝露パレットに搭載された状態で搬送され、宇宙ステーションのロボットアームによって取り出され、所定の場所に設置される。
非与圧キャリア5には、暴露パレットを搭載するパレット台13と、曝露パレットを引出および挿入するための開口部15とが備えられている。
【0022】
図2は、非与圧キャリア5の全体概略構造を示す斜視図である。
非与圧キャリア5の主構造(一次構造)は、図2に示されるようにパネル17がストリンガ19およびフレーム21によって周囲を支持されたセミモノコック構造である。
パネル17は、略円筒形状をした薄板であり、たとえば、アルミ合金製である。
【0023】
パネル17は、主として非与圧キャリア5(すなわち、HTV1)の軸線方向および軸線方向に直交する方向(横揺れ加速度)の荷重を受けるものである。パネル17は、これらの荷重による軸応力およびせん断応力に耐荷する形となるが、軽量化要求が厳しい事情から、弾性領域での座屈は許容する設計、すなわち、ポストバックリング設計となっているため、柔な構造である。
座屈後のパネル17は、軸線方向荷重に対しては、ストリンガへの荷重再配分により、軸船に直交する荷重(せん断荷重)に対しては、不完全張力場を形成し、非与圧キャリア5の軸線方向に直角方向の荷重に耐荷するが、永久変形(残留ひずみ)が生じないように構成されている。
また、ストリンガ19と結合されている部位の近傍領域は、軸線方向荷重の伝達にも寄与する。
【0024】
ストリンガ19は、パネル17の外周面側に非与圧キャリア5(すなわち、HTV1)の軸線方向に延在するように取り付けられている型材である。ストリンガ19は、パネル17の周上に間隔をあけて複数、たとえば、48本取り付けられている。
ストリンガ19は、最も厳しい軸線方向の圧縮力荷重を伝達させる働きを有している。
【0025】
フレーム21は、ドーナツ形状をし、パネル17の内周面側に周方向に延在するように取り付けられている。フレーム21は、非与圧キャリア5の軸線方向に間隔をあけて複数、たとえば、5本取り付けられている。
フレーム21は、パネル17およびストリンガ19による荷重伝達を円滑にするために剛性を保持するのを主目的とした部材である。フレーム21の本数、配置および断面形状は、非与圧キャリア5の機体剛性を保つように設定されている。
【0026】
以上、非与圧キャリア5の主構造について説明したが、与圧キャリア3、電気モジュール7および推進モジュール9の主構造も略同じ構造とされている。
なお、ストリンガ19は、与圧キャリア3、非与圧キャリア5、電気モジュール7および推進モジュール9間を通じて、周方向略同一位相に配置されている。
【0027】
開口部15の周辺部は、厳しい集中荷重に晒されるので、種々の補強がなされている。
たとえば、開口部15の両側には、一般部位のストリンガ19の10倍以上に当たる強度および剛性を有する縦通材(ロンジロン)が配置されている。また、同じ領域に配置されるパネル17はいかなる座屈も許容しないように一般部位の3倍以上の板厚とされている。さらに、開口部15のコーナー部位には、応力集中を緩和するための補強ブラケット(ガセット)が配置されている。
【0028】
パレット台13は、図2に示されるように、中空の円錐台形状をし、打上時上方に位置する小径部端に暴露パレットを取り付ける取付部が備えられている。
【0029】
電気モジュール7の内部には、二次構造として誘導制御系、電力供給系、通信データ処理系および通信系の電子機器が搭載されている。
推進モジュール9には、二次構造として合計32基のロケットエンジンおよび燃料タンク等が装備されている。推進モジュール9は、これらのロケットエンジンを使って、ロケット分離後にHTV1の軌道を変えたり、電気モジュール7からの指令によって方向を自由に調整して宇宙ステーションと会合飛行を行ったりする。
【0030】
次に、HTV1の非与圧キャリア5および電気モジュール7の主構造を対象として、荷重を与える荷重付加装置について説明する。HTV1は、宇宙空間に出ると荷重がほとんど無くなるので、打上げ時の荷重に耐えられる構造であるかが問題となる。
【0031】
図3は、供試体23を荷重付加装置25に組み付けた状況を示す縦断面図である。図4は、図3の平面図である。図5は、図3のX−X断面図である。
供試体23は、与圧キャリア3のダミー構造である与圧部ダミー27と、非与圧キャリア5の実構造を用いる非与圧部29と、電気モジュール7の実構造を用いる電気モジュール部31と、推進モジュール9のダミー構造である推進モジュールダミー33とが、この順に上下方向に接合されている。
【0032】
供試体23は、高さが約8m、直径が約4mの略円筒形状をしている。供試体23は、たとえば、軸線方向に直交する水平方向の荷重を主として受け持つパネルの厚さが約1mmと薄いので、水平方向の荷重に対しては限界荷重近辺での変位量が急撃に大きくなる、いわゆる、柔な構造をした構造物である。
【0033】
非与圧部29の内部に備えられたパレット台15の上には、暴露パレットのダミー構造である暴露パレットダミー35が取り付けられている。
暴露パレットダミー35には、パレット台13に固定して取り付けられる矩形状の板である取付部37と、取付部37にそれを貫通して上下方向に延在する中空円筒形状をしたパレット荷重点部39と、パレット荷重点部39を保持するとともに取付部37を補強する4枚の支持板41とが備えられている。
【0034】
パレット荷重点部39は、その軸線中心が非与圧部29の軸線中心と略一致するように設置されている。
支持板41は、略三角形状をした板部材である。支持板41は、それぞれ取付部37の四隅からパレット荷重点部39の中心軸線に向けて配置されている。支持板41は、面部が上下方向に延在するようにその一辺が取付部37の上部に固定され、他の一辺がパレット荷重点39の外周部に固定されている。
【0035】
電気モジュール部31の内部には、電気モジュール7の内部に格納される各種電子機器を模擬する電気モジュール二次構造ダミー43が備えられている。
電気モジュール二次構造ダミー43には、取付部45と、取付部45にそれを貫通して上下方向に延在する中空円筒形状をした電子機器荷重点部47とが備えられている。
取付部45は、略円形をした板部材であり、その外周端がパネル17に取り付けられている。取付部45の上面は、放射状に配置された複数の型材によって補強されている。
電子機器荷重点部47は、その軸線中心が非与圧部29の軸線中心と略一致するように設置されている。
【0036】
推進モジュールダミー33は、床面49に固定して取り付けられている。
与圧部ダミー27の上端部には、略円筒形状の与圧荷重点部51が備えられている。与圧荷重点部51は、その軸線中心が非与圧部29の軸線中心と略一致するように設置されている。
【0037】
荷重付加装置25には、非与圧部29の軸線方向に荷重を負荷する軸線方向荷重負荷部53と、この軸線方向に略直交する水平方向に荷重を負荷する第一水平方向荷重負荷部55および第二水平方向荷重負荷部57と、制御部59とが備えられている。
【0038】
軸線方向荷重負荷部53は、供試体23の内部空間に設置されている。軸線方向荷重負荷部53には、床面49に固定して取り付けられた取付台61と、取付台61の上面に取り付けられた与圧垂直荷重負荷部材63、一対のパレット垂直荷重負荷部材65および一対の電子機器垂直荷重負荷部材67とが備えられている。
【0039】
与圧垂直荷重負荷部材63は、供試体23の軸線中心位置に軸線方向に延在するように設置され、与圧荷重点部51に対し供試体23の軸線方向に荷重を負荷するものである。
与圧垂直荷重負荷部材63には、下端が取付台61に揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ69と、一端が油圧ジャッキ69のピストンロッドに取り付けられ、電子機器荷重点部47およびパレット荷重点部39の中空部を通って他端が与圧荷重点部51に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド71と、負荷された荷重を測定するロードセル73と、油圧ジャッキ69のピストンロッドの変位を計測する変位計75とが備えられている。
【0040】
各パレット垂直荷重負荷部材65は、与圧垂直荷重負荷部材63を挟んで対向する位置に設置され、パレット荷重点部39に対し供試体23の軸線方向に荷重を負荷するものである。
各パレット垂直荷重負荷部材65には、それぞれ下端が取付台61に揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ77と、一端が油圧ジャッキ77のピストンロッドに取り付けられ、電子機器荷重点部47の中空部を通って他端がパレット荷重点部39に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド79と、負荷された荷重を測定するロードセル81と、油圧ジャッキ77のピストンロッドの変位を計測する変位計83とが備えられている。
【0041】
各電子機器垂直荷重負荷部材67は、与圧垂直荷重負荷部材63を挟んで対向し、パレット垂直荷重負荷部材65から周方向で略90度離れた位置に設置され、電子機器荷重点部47に対し供試体23の軸線方向に荷重を負荷するものである。
各電子機器垂直荷重負荷部材67には、それぞれ下端が取付台61に揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ85と、一端が油圧ジャッキ85のピストンロッドに取り付けられ、他端が電子機器荷重点部47に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド(図示省略)と、負荷された荷重を測定するロードセル(図示省略)と、油圧ジャッキ85のピストンロッドの変位を計測する変位計(図示省略)とが備えられている。
【0042】
このように、軸線方向荷重負荷部53は、与圧荷重負荷部材63の回りに各パレット垂直荷重負荷部材65および各電子機器垂直荷重負荷部材67を90度間隔で配置されているので、占有面積を小さくすることができる。
【0043】
第一水平方向荷重負荷部55および第二水平方向荷重負荷部57は、供試体23の軸線中心回りに略90度離れた位置に設置されている。第一水平方向荷重負荷部55および第二水平方向荷重負荷部57は構成が略同じであるので、以下、主として第一水平方向荷重負荷部55について構成を説明する。第一水平方向荷重負荷部55の部材には、符号にサ”a”を、第二水平方向荷重負荷部57の部材には、符号にサフィックス”b”を付して区別する。
【0044】
第一水平方向荷重負荷部55には、下端部が床面49に固定され、上下方向に延在する支柱87aと、支柱87aに取り付けられた与圧水平荷重負荷部材89a、パレット水平荷重負荷部材91aおよび電子機器水平荷重負荷部材93aとが備えられている。
【0045】
与圧水平荷重負荷部材89aは、支柱87aの上端部に供試体23の軸線中心に向けて略水平に延在するように取り付けられ、与圧荷重点部51に対し水平方向に荷重を負荷するものである。
与圧水平荷重負荷部材89aには、一端が支柱87aに揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ95aと、一端が油圧ジャッキ95aのピストンロッドに取り付けられ、他端が与圧荷重点部51に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド97aと、負荷された荷重を測定するロードセル99aと、油圧ジャッキ95aのピストンロッドの変位を計測する変位計101aとが備えられている。
【0046】
与圧水平荷重負荷部材89aおよび与圧水平荷重負荷部材89bは、略直交するように配置されている。
このように、水平方向に負荷される荷重は2方向から与圧荷重点部51に作用するので、与圧荷重点部51に負荷される略水平面内の荷重は、与圧水平荷重負荷部材89aで負荷される荷重と与圧水平荷重負荷部材89bで負荷される荷重が合成された大きさとなる。したがって、油圧ジャッキ95aおよび油圧ジャッキ95bを制御し、与圧水平荷重負荷部材89aおよび与圧水平荷重負荷部材89bの荷重レベルを制御することによって水平面内で任意の方向に荷重を負荷することができる。
これに与圧垂直荷重負荷部材63による供試体23の軸線方向に荷重を加えることにより与圧荷重点部51に3次元で任意の方向に荷重を負荷することができる。
【0047】
パレット水平荷重負荷部材91aは、支柱87aにおけるパレット荷重点部39の上端部位置と略同等の高さ位置に供試体23の軸線中心に向けて略水平に延在するように取り付けられ、パレット荷重点部39に対し水平方向に荷重を負荷するものである。
パレット水平荷重負荷部材91aには、一端が支柱87aに揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ103aと、一端が油圧ジャッキ103aのピストンロッドに取り付けられ、他端がパレット荷重点部39に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド105aと、負荷された荷重を測定するロードセル107aと、油圧ジャッキ103aのピストンロッドの変位を計測する変位計109aとが備えられている。
【0048】
パレット水平荷重負荷部材91aおよびパレット水平荷重負荷部材91bは、略直交するように配置され、それぞれ開口部15に挿通されている。
このように、水平方向に負荷される荷重は2方向からパレット荷重点部39に作用するので、上述した与圧荷重点部51と同様にパレット荷重点部39に対し水平面内で任意の方向に荷重を負荷することができる。
これにパレット垂直荷重負荷部材65による供試体23の軸線方向に荷重を加えることによりパレット荷重点部39に3次元で任意の方向に荷重を負荷することができる。
【0049】
電子機器水平荷重負荷部材93aは、支柱87aにおける電子機器荷重点部47の上端部位置と略同等の高さ位置に供試体23の軸線中心に向けて略水平に延在するように取り付けられ、電子機器荷重点部47に対し水平方向に荷重を負荷するものである。
電子機器水平荷重負荷部材93aには、一端が支柱87aに揺動可能に取り付けられた油圧ジャッキ111aと、一端が油圧ジャッキ111aのピストンロッドに取り付けられ、他端が電子機器荷重点部47に揺動可能に取り付けられた荷重負荷用ロッド113aと、負荷された荷重を測定するロードセル115aと、油圧ジャッキ111aのピストンロッドの変位を計測する変位計117aと、が備えられている。
【0050】
電子機器水平荷重負荷部材93aおよび電子機器水平荷重負荷部材93bは、図4に示されるように供試体23の軸線中心回りに90度に近い鋭角の関係に配置されている。
このように、水平方向に負荷される荷重は2方向から電子機器荷重点部47に作用するので、上述した与圧荷重点部51と同様に電子機器荷重点部47に対し水平面内で任意の方向に荷重を負荷することができる。
これに電子機器垂直荷重負荷部材67による供試体23の軸線方向に荷重を加えることにより電子機器荷重点部47に3次元で任意の方向に荷重を負荷することができる。
【0051】
制御部59は、与圧垂直荷重負荷部材63、パレット垂直荷重負荷部材65、電子機器垂直荷重負荷部材67、与圧水平荷重負荷部材89a,89b、パレット水平荷重負荷部材91a,91bおよび電子機器水平荷重負荷部材93a,93bの荷重負荷動作を含め、荷重付加装置25の動作を制御する。
【0052】
〔強度評価装置について〕
次に、本実施形態に係る強度評価装置および強度評価方法について説明する。
本実施形態に係る強度評価装置は、上記供試体23のうち、主に非与圧部29のパネル17の座屈状態を判定するものである。換言すると、本実施形態において、強度評価の対象となる領域は、非与圧部29において連結して外壁を形成している複数のパネル17である。
【0053】
強度評価装置は、図6に示すように、供試体23の評価対象領域に光を照射する光照射ユニット(光照射手段)201と、照明下における評価対象領域の画像を取得する撮像ユニット(撮像手段)202と、撮像ユニット202によって取得された評価対象領域の画像に基づいて、供試体23における評価対象領域の強度を評価する計算ユニット203とを備えている。
【0054】
この強度評価装置の構成のうち、上記光照射ユニット201及び撮像ユニット202とは、上記供試体23内に配置されているが、計算ユニット203の配置については特に限定されない。例えば、計算ユニット203は、上述した荷重付加装置25に一体化されて設けられていてもよいし、試験を監視する監視室に配置されていてもよい。
【0055】
上記光照射ユニット201は、図7に示すように、与圧部ダミー27の底板211に、放射状に配置された複数の蛍光灯212を有している。
上記撮像ユニット202は、供試体23における評価対象領域を全て撮影できるような位置に設置されている。本実施形態においては、評価対象領域は、供試体23の非与圧部29の外壁の一部を形成している複数のパネル17であるので、これら評価対象領域に該当するパネル17全体を撮影できるように、2台のカメラ213が非与圧部29の中心部周辺から非与圧部29のパネル17に向けて設置されている。
【0056】
撮影ユニット202は、荷重付加装置25によって荷重が与えられる前の状態及び荷重が与えられている強度試験の最中において、評価対象領域の画像を取得し、これらを計算ユニット203に出力する。
【0057】
計算ユニット203は、撮影ユニット202から送られてくる画像を処理することにより、評価対象領域におけるパネルの状況を評価する。本実施形態では、具体的には、評価対象領域に該当する各パネル17が座屈しているか否かを判定し、座屈しているパネルの数を試験結果として出力する。
具体的には、計算ユニット203はコンピュータであり、CPU、RAM等の主記憶装置、補助記憶装置等を備えている。補助記憶装置は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。この補助記憶装置には、各種プログラムが格納されており、CPUが補助記憶装置から主記憶装置にプログラムを読み出し、実行することにより種々の処理を実現させる。
【0058】
図8は、計算ユニット203が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図8に示されるように、計算ユニット203は、画像作成部221、第1グラフ作成部222、信号変換部223、及び評価部224を備えている。
画像作成部221は、荷重を与える前の供試体23の画像と荷重付加中または荷重付加後の供試体23の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する。
第1グラフ作成部222は、画像作成部221によって作成された差分画像における注目画素を順番に走査し、該注目画素の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する。
【0059】
信号変換部223は、第1グラフ作成部222によって作成された第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する。
評価部224は、第2グラフに基づいて、供試体23における評価対象領域の強度を評価する。
【0060】
計算ユニット203による上記評価対象領域の強度評価は、例えば、荷重付加装置25による荷重試験が行われている間、撮像ユニット202から送られてくる画像を逐次処理することにより試験と並行して行われてもよいし、強度試験が行われている間においては撮像ユニット202により取得された画像を計算ユニット203内の記憶部(図示略)に蓄積しておき、強度試験が終了した後に記憶部に蓄積された画像を処理することにより、強度評価を行うこととしてもよい。このように、荷重付加装置25による供試体への荷重付加と強度評価装置による強度評価とは時刻を同じにして行われてもよいし、時間ずれを持って行われてもよい。
【0061】
次に、本実施形態に係る強度評価装置の作用について説明する。ここでは、撮像ユニット202により取得された画像を記憶部に蓄積しておき、荷重付加装置25による荷重付加が終了した後に、記憶部に蓄積された画像を解析して強度評価を行う場合について説明する。
【0062】
まず、荷重付加装置25による荷重付加が開始される場合には、制御部59において供試体23に付加する荷重分布が、打上げ時慣性力荷重の実機条件に近い分布に設定される。制御部59は、この荷重分布を再現するために、与圧荷重点部51、パレット荷重点部39および電子機器荷重点部47に作用させる荷重の方向および大きさの荷重条件を計算し、計算した荷重条件に基づいて与圧垂直荷重負荷部材63、パレット垂直荷重負荷部材65、電子機器垂直荷重負荷部材67、与圧水平荷重負荷部材89a,89b、パレット水平荷重負荷部材91a,91bおよび電子機器水平荷重負荷部材93a,93bの荷重負荷動作を設定する。これにより、供試体23に対して設定された分布に基づいて荷重が徐々に与えられていくことになる。
荷重付加装置25による荷重付加期間において、撮像ユニット202のカメラにより、供試体23の評価対象領域の画像が連続的にまたは所定の時間間隔で取得される。これにより、荷重付加期間における評価対象領域の挙動が画像情報として納められる。撮像ユニット202によって取得された画像は、例えば、計算ユニットに転送され、計算ユニット内の記憶部に蓄積される。
【0063】
このようにして、荷重付加装置25による荷重付加が終了すると、計算ユニット203による強度評価が実施される。
まず、計算ユニット203の画像作成部221は、記憶部から荷重付加前における画像を読み出し、この画像に対して所定の画像処理を施す。
例えば、図9(a),(b)に示すように、撮像ユニット202の各カメラ213によって取得された画像には、パネルの位置によって歪みが生じている。したがって、ここでの画像処理では、このような、画像上の歪みを排除し、パネル17が略四角形として表示されるように画像を修正する処理が実施される。これにより、例えば、図9(a),(b)に示した画像は、図10に示すような画像に修正される。
【0064】
続いて、画像作成部221は、記憶部に蓄積されている荷重付加中の所定時刻における画像を読み出し、この画像に対しても上記画像処理を実施する。
続いて、画像作成部221は、画像処理後の試験前の画像(以下、「基準画像」という。)と、画像処理後の所定時刻における画像(以下、「比較画像」という。)とを比較し、輝度の差分画像を作成する。このとき、基準画像と比較画像とで位置ずれが生じていた場合には、その位置ずれを修正するような位置ずれ修正処理を追加してもよい。このような位置ずれ修正処理を行うことで、正確に差分画像を作成することができる。
【0065】
次に、画像作成部221は、輝度の差分画像から各パネル17の領域を切り出す処理を行う。このパネルの切り出し処理は、画像上のエッジ等を検出することにより自動で行ってもよいし、例えば、通常の画像処理後の画像を表示部(図示略)等に表示することで作業員に提供し、この画像において各パネル17の領域を作業員に指定させ、この入力指示に基づいて各パネルを切り出すこととしてもよい。
【0066】
画像作成部221は、このようにしてパネル毎の差分画像を作成すると、この各パネル17の差分画像を第1グラフ作成部222に出力する。
第1グラフ作成部222は、画像作成部221によって作成された複数のパネル17の差分画像のうちの一枚を処理対象画像として取り出し、この差分画像における注目画素を順番に走査し、該注目画素の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する。
注目画素の走査順は、例えば、図11に示すように、左から右へ、下から上へ行う。なお、走査順は、評価対象領域に生ずるひずみの方向性に基づいて決定することが好ましい。第1グラフ作成部222は、注目画素を走査させながらそのときそのときの画素値、すなわち荷重付加前と荷重付加中の画像の輝度差を取得し、これを横軸に画素が、縦軸に輝度差が示された座標系にプロットすることで、第1グラフを作成する。
図12に第1グラフの一例を示す。横軸において、0の位置が差分画像の左下画素、横軸の最大値が差分画像の右上画素に相当する。画像作成部221は、このような第1グラフをパネル単位で作成し、この第1グラフを信号変換部223に出力する。
【0067】
信号変換部223は、第1グラフ作成部222によって作成された第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する。例えば、信号変換部223は、第1グラフに表わされた波形を時間領域における波形としてみなし、この信号を高速フーリエ変換(FFT)することにより、周波数領域のグラフを作成する。図13に第2グラフの一例を示す。第2グラフにおいて、横軸は周波数、縦軸は信号レベルである。
信号変換部223は、各パネルの第2グラフを作成すると、これらを評価部224に出力する。
【0068】
評価部224は、第2グラフにおける1次モードのレベルとその他のモードのレベルとを比較する。具体的には、第2グラフにおける1次モードの面積と、その他のモードの面積とを算出し、1次モードの面積とその他のモードの面積との比率を算出する。そして、この比率が所定の閾値を超えた場合に、本パネルが座屈したと判定する。そして、座屈したと判定したパネルの数を評価結果として、上記比較画像が取得された時刻と対応付けて出力する。
【0069】
そして、記憶部に蓄積されている荷重付加中の各時刻における画像に対して上記処理を行っていくことにより、荷重付加試験が開始されてから終了するまでの座屈パネルの数の増加傾向がグラフとして表わされることとなる。また、強度試験開始からの時刻がわかれば、制御部59により供試体23に加えられているその時々の荷重の大きさがわかるため、荷重と座屈パネルの数との関係も把握することができる。
図14は、強度試験において供試体に与えられた荷重と座屈パネルの数との関係の一例を示した図である。
【0070】
以上、本実施形態に係る強度評価装置及び強度評価方法によれば、歪ゲージや変位計等のセンサによって評価対象領域の強度を評価するのではなく、評価対象領域の挙動の様子を画像情報として捉え、この画像を解析することにより強度を評価するので、強度試験領域が広範囲にわたる場合でも、センサ等の増大を招くことなく、簡易な構成で効率的に強度評価を行うことができる。
【0071】
なお、本実施形態では、画素毎に輝度差を検出し、画素単位で第1グラフを作成していたが、これに限られず、例えば、複数の画素で構成される画素領域を走査させ、画素領域における平均輝度差を用いて第1グラフを作成することとしてもよい。このように、画素領域とすることで、処理負担を軽減させることが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
17 パネル
23 供試体
29 非与圧部
201 光照射ユニット
202 撮像ユニット
203 計算ユニット
212 蛍光灯
213 カメラ
221 画像作成部
222 第1グラフ作成部
223 信号変換部
224 評価部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価装置であって、
前記供試体の評価対象領域に光を照射する光照射手段と、
照明下における前記供試体の評価対象領域の画像を取得する撮像手段と、
荷重を与える前の前記評価対象領域の画像と荷重付加後の前記評価対象領域の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成手段と、
該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成手段と、
前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換手段と、
前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価手段と
を具備する強度評価装置。
【請求項2】
前記評価手段は、前記第2グラフにおける所定のモードの面積とその他のモードの面積との比率に基づいて前記評価対象領域のひずみの程度を判定し、該所定のモードは着目するひずみの傾向に基づいて決定される請求項1に記載の強度評価装置。
【請求項3】
前記供試体は、所定サイズのパネルが略筒状に繋ぎ合された形状を有しており、
前記撮像手段は、前記供試体を構成する複数のパネルのうち、前記評価対象領域に該当する領域全体を撮影できるように少なくとも1台配置されており、
前記第1グラフ作成手段は、前記第1グラフを前記パネル単位で作成し、
前記評価手段は、パネル単位で作成された前記第2グラフからパネル単位で座屈したか否かを判定し、座屈したと判定した前記パネルの数を評価結果として出力する請求項1または請求項2に記載の強度評価装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記供試体の上方または下方に放射状に複数配置されている請求項3に記載の強度評価装置。
【請求項5】
供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価方法であって、
前記供試体に光を照射し、照明下における前記供試体の画像を取得する画像取得過程と、
荷重を与える前の前記供試体の画像と荷重付加後の前記供試体の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成過程と、
該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成過程と、
前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換過程と、
前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価過程と
を含む強度評価方法。
【請求項1】
供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価装置であって、
前記供試体の評価対象領域に光を照射する光照射手段と、
照明下における前記供試体の評価対象領域の画像を取得する撮像手段と、
荷重を与える前の前記評価対象領域の画像と荷重付加後の前記評価対象領域の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成手段と、
該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成手段と、
前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換手段と、
前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価手段と
を具備する強度評価装置。
【請求項2】
前記評価手段は、前記第2グラフにおける所定のモードの面積とその他のモードの面積との比率に基づいて前記評価対象領域のひずみの程度を判定し、該所定のモードは着目するひずみの傾向に基づいて決定される請求項1に記載の強度評価装置。
【請求項3】
前記供試体は、所定サイズのパネルが略筒状に繋ぎ合された形状を有しており、
前記撮像手段は、前記供試体を構成する複数のパネルのうち、前記評価対象領域に該当する領域全体を撮影できるように少なくとも1台配置されており、
前記第1グラフ作成手段は、前記第1グラフを前記パネル単位で作成し、
前記評価手段は、パネル単位で作成された前記第2グラフからパネル単位で座屈したか否かを判定し、座屈したと判定した前記パネルの数を評価結果として出力する請求項1または請求項2に記載の強度評価装置。
【請求項4】
前記照明手段は、前記供試体の上方または下方に放射状に複数配置されている請求項3に記載の強度評価装置。
【請求項5】
供試体に荷重を与えた場合の該供試体における評価対象領域の強度を評価する強度評価方法であって、
前記供試体に光を照射し、照明下における前記供試体の画像を取得する画像取得過程と、
荷重を与える前の前記供試体の画像と荷重付加後の前記供試体の画像とを比較し、輝度の差分画像を作成する画像作成過程と、
該差分画像における注目画素または所定の画素数からなる注目領域を順番に走査し、該注目画素または該注目領域の輝度差をそれぞれ読み取ることにより、横軸に画素または注目領域を縦軸に輝度差を示した第1グラフを作成する第1グラフ作成過程と、
前記第1グラフを周波数領域のグラフである第2グラフに変換する信号変換過程と、
前記第2グラフに基づいて、前記供試体における前記評価対象領域の強度を評価する評価過程と
を含む強度評価方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−117824(P2011−117824A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275322(P2009−275322)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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