説明

弾球遊技機の発射ハンドル

【課題】異物の挿入を抑制して、発射ハンドルの故障の発生を減少させ、遊技の健全化を図る。
【解決手段】回動レバー40の内側に円筒状の防護部材80を挿入し、該防護部材80は、回動レバー40に隣接するハンドルベース30と蓋体50の内側まで延出させた構成とする。回動レバー40とハンドルベース30との間、又は回動レバー40と蓋体50との間に介挿物を挿入すると、防護部材80の周面に当たり、介挿が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機における発射ハンドルに係り、詳しくはハンドル固定のための介挿物の挿入を抑制する構成を有する弾球遊技機の発射ハンドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機には、回動操作可能に構成された発射ハンドルが設けられ、この発射ハンドルの回動角度位置に応じた発射強度で、発射機構部から遊技盤に遊技球が発射される。
遊技者は、発射ハンドルの回動角度を調節しながら、遊技盤への遊技球の投入位置を調整する。そして、一旦投入位置が定まると発射ハンドルの位置を動かさず定位置に維持する。しかしながら、発射ハンドルには、復帰スプリングが設けられており、発射ハンドルにはホームポジションへ復帰する方向へ付勢力が常時働いており、長時間遊技している間に、遊技者の腕が疲労してしまう。
このため、遊技者は回動する発射ハンドルとハンドル本体側ケーシングとの間にコインやマッチなどの異物をこじ入れ、発射ハンドルを固定する手法を採る者がいた。
【特許文献1】特開2001−170267号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のように発射ハンドルの部材の隙間に異物をこじ入れる行為は、発射ハンドルの構成部材に傷をつけ、発射ハンドルの故障を増加させる原因となっており、問題であった。また、特許文献1に記載の発射ハンドル構造では、構成が複雑となりイニシャルコストがかかるといった問題があった。
この発明の目的は、異物の挿入を抑制して、発射ハンドルの故障の発生を減少させ、遊技の健全化を図ることのできる弾球遊技機の発射ハンドルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
(1) 弾球遊技機本体側に設けられたハンドル本体と、
ハンドル本体の先端部において回動自在に支持された回動レバーと、
前記回動レバーの先端側に位置し、前記ハンドル本体に支持された蓋体とを備えた弾球遊技機の発射ハンドルであって、
前記蓋体と前記回動レバーと前記ハンドル本体との各内周に接触し、前記回動レバーと一体回動する筒状の防護部材を有する弾球遊技機の発射ハンドル。
【0005】
(2) 前記防護部材は、前記蓋体に接触する先端部周縁において外側に突出したフランジ部を有し、
前記蓋体は、前記防護部材に接触する端部周縁において内側に突出し、前記防護部材のフランジ部の基端側に、摺動自在に嵌め合わされる接合部を有し、
前記防護部材は、前記蓋体に対して、軸方向に移動不能に構成されている上記(1)記載の弾球遊技機の発射ハンドル。
【0006】
(3) 前記回動レバーは、前記ハンドル本体に設けられた回動軸に連結される連結部を内側に有し、前記防護部材は連結部を収容する切欠部を有する上記(1)または(2)に記載の弾球遊技機の発射ハンドル。
【0007】
(4) 前記防護部材は、前記ハンドル本体に設けられた回動軸に連結される連結部を内側に有する上記(1)または(2)に記載の弾球遊技機の発射ハンドル。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、防護部材が、ハンドル本体と回動レバーとの間、及び回動レバーと蓋体との間に位置するため、これらの隙間に介挿物を挿入すると、防護部材の周面に当たることとなり、これにより、介挿物のこじ入いれが抑制される。
請求項2に記載の発明によれば、防護部材と蓋体は、フランジ部と接合部とによって接続されており、介挿物を蓋体と回動レバーとの間に、こじ入れた場合に、蓋体の変形を防護部材のフランジ部が抑制し、回動レバーと蓋体との間に、介挿物をこじ入れられる隙間が生じない。
【0009】
請求項3に記載の発明によれば、連結部を切欠部に収容することで、回動レバーと防護部材とは一体で回動する構成となる。
請求項4に記載の発明によれば、回動レバーの全周にわたって防護部材が位置することとなり、より確実に介挿物のこじ入れを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本実施形態における遊技機を示す図である。以下、本明細書において、遊技機の遊技者が配置される側を正面、前面又は前側として表現し、遊技者の配置位置に対して反対側を背面、後面又は後側とし、図1に示されているような正面視において、左右方向をY軸方向、前後方向をX軸方向、鉛直方向をZ軸と定義し、右方向をY軸方向の正方向、前側から後側へ向かう方向をX軸方向の正方向、鉛直下方へ向かう方向をZ軸の正方向と定義する。
図1においてパチンコ遊技機100は、外郭方形枠サイズに形成されて縦長の固定保持枠を構成する外枠10の開口前面に、外枠10に合わせて方形枠サイズに形成された開閉搭載用の前枠2を備えている。
【0011】
前枠2は、外枠1の正面左側上下に取り付けられたヒンジ金具3A、3Bにより外枠1に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、外枠1の正面右側に設けられた施錠装置12によって閉鎖状態に保持されるようになっている。
前枠2の上部領域には、遊技盤3が配置されており、遊技盤3は、所定板厚の積層合板の裏側にセルを貼り付けてルーター(役物取り付け孔)加工した化粧板を基板とし、その前面側には図示しないが、環状に取り付けられたガイドレールに囲まれて画成された円形状の遊技領域6が設けられている。
【0012】
遊技領域6には、略中央部に表示装置として図柄変動表示装置6jが設置される窓部で構成された表示部6aが設けられている。表示部6aの周りには装飾部材6Bや、始動入賞口6c、および特別入賞口6d、その他入賞口6kなどがそれぞれ配置されている。遊技領域下部にはアウト球を回収するアウト口6eも設けられており、始動入賞口6cや特別入賞口6dに入賞せずに落下したアウト球を遊技盤3の背面側から機外に排出できるようになっている。
また、前枠2の前面上部側には、遊技盤3を視認できるように透明なガラス盤を備えたガラス枠70が水平方向に開閉可能かつ着脱可能に設けられ、通常は、施錠装置12により閉鎖状態に保持されて遊技盤3の前面を覆っている。
【0013】
前枠2の前面下部側でガラス枠70の下方には、皿ユニット701が、前枠2に開閉支持されている背面板(図示されず)に取り付けられて設けてある。皿ユニット701は、図示しない施錠装置により通常、閉鎖状態に保持されている。皿ユニット701は、球受け皿を構成している球貯留部701aと、球貯留部701aの正面左側下部に設けられた灰皿701bと、球貯留部701aの正面右側下部に設けられた発射ハンドルHと、ボタン701dとを有している。
【0014】
図2は、弾球遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ71は弾球遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基盤72は、弾球遊技機100の全体動作を制御し、特に始動入賞口6cへ入球したときの抽選等、遊技動作全体を処理する。サブ基盤73は、液晶ユニット6AJを備え、表示部6a(図柄表示装置6j)における表示内容を制御し、特にメイン基盤72による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基盤72およびサブ基盤73は、遊技制御手段200を構成する。セット基盤74は、賞球タンクBTや賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニットBOT等を含む。払出ユニットBOTは、各入賞口への入賞に応じて賞球タンクBTから供給される遊技球を球貯留部701aへ払い出す。払出制御基盤75は、払出ユニットBOTによる払出動作を制御する。発射装置14は、球貯留部701aの貯留球を遊技領域6へ1球ずつ発射する。発射制御手段140を備える発射制御基盤140Bは、発射装置14の発射動作を制御する。電源ユニット76は、弾球遊技機100の各部へ電力を供給する。発射装置14は、発射機構部21を有し、発射機構部21は、発射モータ21mと打球杵21aを備えている。
【0015】
弾球遊技機100は、ガラス枠70、皿ユニット701などが閉鎖施錠された状態で遊技に供され、球貯留部701aに遊技球を貯留させて発射ハンドルHを回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドルHが回動操作されると、球貯留部701aに貯留された遊技球が1球ずつ発射機構部21に送り出され、発射機構部21の打球杵21aにより遊技領域6に打ち出され、パチンコゲームが展開される。
【0016】
次に、発射ハンドルHの構成について詳述する。図3は、発射ハンドルHの分解斜視図、図4は、同じく部分断面側面図である。
発射ハンドルHは、弾球遊技球機100の下部にある皿ユニッ701から前方に突出するハンドルベース30、ハンドルベース30の前方に回動可能に支持された回動レバー40、発射ハンドルHの前端に固定配設されたキャップ体50、回動レバー40の内側に付設された防護部材80などを備えて構成される。
【0017】
ハンドル本体であるハンドルベース30は、皿ユニット701の下部に固定されて前方に突出する円筒状の支軸部31と、この支軸部31の前方に椀状に開く機構収容部32からなり、これらはネジ締結することにより結合される。なお、支軸部31と機構収容部32は、それぞれABS樹脂などの樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段で形成されている。
機構収容部32は、内周側に一部切り欠かれた略円筒形の支持フランジ部33が前方に延出して成型され、内側に先端側に平行軸部を有する中空軸状の支軸34(34a,34b,34c)が前方に突出して成型されている。また、隣接する支軸34b,34cの間には、捻りバネ55を係止するバネ支柱35が前方に突出して成型されている。また、機構収容部32には、発射装置14の作動をオン・オフする作動スイッチ36と、この作動スイッチ36に近接して揺動可能に軸支される発射停止ボタン37とが取り付けられている。発射停止ボタン37には、支持フランジ部33に形成された切り欠き部から機構収容部32の外方に突出しているボタン操作部が形成されている。
【0018】
そして、機構収容部32には、ハンドル回転軸61と、可変抵抗器63と、ハンドル軸61と可変抵抗器63とを連結する連結ギア64と、タッチ検出器65が配設されている。
ハンドル回転軸61は、支持フランジ部33の軸心に位置するように機構収容部32を貫通して取り付けられており、前端に第1ギア61aと、該第1ギア61aから前方に突出し且つ略平行である2本の連結ピン61b,61bとを備えている。
【0019】
可変抵抗器(ポテンショメータ)63は、ハンドル回転軸61を介して回動レバー40の回動角度を抵抗の大きさとして検出するものであり、機構収容部32を貫通して取り付けられ、前方に突出する検出軸の先端がDカットに成形されており、ハンドル回転軸61の第1ギア61aと係合する連結ギア64のザグリ部(図示略)と嵌合するようになっている。なお、可変抵抗器63により検出された抵抗値は、発射制御基盤140に送信され、発射モータ21mを駆動制御するための情報として用いられる。
【0020】
タッチ検出器65は、遊技の公正上、発射ハンドルHの操作が遊技者の手による操作であるときに遊技球を打ち出せるようにする必要があるため、遊技者が回動レバー40に接触しているか否かを検出するためのものである。タッチ検出器65は、回動レバー40の表面に施された導電性の硬質メッキ部分であるタッチ部と、このタッチ部と図示しないリード線により電気的に接続されて該タッチ部の静電容量の変化を検出する検出回路部65aとを備え、タッチ部に接触している物体の静電容量の変化が特定値を示したとき検出回路部65aは遊技者(人体)が発射ハンドルH(回動レバー40)に接触したと検出するように構成されている。
【0021】
回動レバー40は、遊技者が操作して発射強度を調整する部分であり、ハンドルベース30の前方に支持され、全体としては円筒状をなし、遊技者が把持するグリップ部41と、このグリップ部41から略三角形状に外周方向に突出する指掛け部42(42a,42b,42c)とを有し、ハンドルベース30と同様の樹脂材料を用いて一体成型されたうえ、表面に導電性の硬質メッキを施して形成される。
【0022】
グリップ部41の内側には、前後を仕切る板状の連結部43が形成され、連結部43に、ハンドル回転軸61の先端が接続される。連結部43には、これを貫通する回動規制溝45(45a,45b)が形成され、また回動規制溝45より内側には、ハンドル回転軸61の2本の連結ピン61bとそれぞれ係脱可能な長孔状のピン係合孔46が軸心を挟んで形成されている。
【0023】
回動規制溝45(45a,45b)は、グリップ部41の軸線を中心とする円弧状に形成されるとともに、その溝幅が支軸34a,34b,34cの先端側の平行軸部の径よりもわずかに大きめに形成されており、支軸34a,34b,34cを前後に挿通させて各支軸の外周面と係脱可能に形成されている。そして、これら回動規制溝45a,45bは、回動規制溝45aが支軸34aと係合し、回動規制溝45bが2本の支軸34b,34cと係合する。このような3点の支軸34a,34b,34cとの係合によって、回動レバー40は、機構収容部32と同一の軸線上に配設され、回動規制溝45の円弧形態により軸線周りに回動可能に支持される。また、連結部43の前方側には、回動レバー40の回動軸に沿って、バネ支軸47が立設されている。
【0024】
グリップ部41に形成された指掛け部42は、主として親指が掛止される第1指掛け部42a、人差し指と中指との間に挟持される第2指掛け部42b、薬指と小指の間に挟持される第3指掛け部42cからなる。各指掛け部42a,42b,42cは丸み帯びた三角錐形態をなし、グリップ部41から外周方向に突出する外殻壁面により形成されている。各指掛け部42a,42b,42cの角度位置及び形状は人間工学的な見地に基づいて設定されており、遊技者が発射ハンドルHを前方から把持したときに、指掛け部42を利用して回動レバー40を回動操作しやすいように構成されている。
【0025】
図4は、発射ハンドルHの部分断面側面図である。防護部材80は、円筒形状に形成され、外周面は回動レバー40の内周面に接触している。防護部材80の先端外周端には、外側へ向けて形成されたフランジ部82が形成されている。また、防護部材80の基端は、回動レバー40の後方に突出し、機構収容部32の支持フランジ部33に摺動自在に嵌合している。
【0026】
防護部材80の基端には、相互に対向する位置に切欠部84a、84bが形成されている。防護部材80を回動レバー40に挿入した状態で、切欠部84a、84b内に、回動レバー40の連結部43が収容される。この切欠部84a、84bと連結部43とによって、防護部材80は回動レバー40と一体として回動する。
【0027】
防護部材80のフランジ部82には、キャップ体50が取り付けられている。防護部材80の前方を覆って発射ハンドルHの前端に固定配設されるキャップ体50は、球殻状に形成されており、ハンドルベース30と同様の樹脂材料を用いて一体成型される。
蓋体としてのキャップ体50の基端部には、防護部材80のフランジ部82摺動自在に嵌め合わされる接合部53が設けられている。接合部53は、キャップ体50の基端開口部の内周縁に形成されたキャップフランジ531と、その内側に形成された溝532とを備え、該溝532内に防護部材80のフランジ部82が収容される。また、キャップフランジ531は、防護部材80のフランジ部82の基端側を覆い、回動レバー40の先端縁との間に介挿される。
【0028】
接合部53とフランジ部82との接合により、防護部材80の先端縁とキャップ体50との基端縁との接合は強固となり、キャップ体50と回動レバー40との間に介挿物を挿入する余地を消失させている。
また、キャップ体50の内部には、回動レバー40の回動規制溝45a,45bを通って前方に突出する支軸34a,34b,34cと位置整合して、これら支軸34a,34b,34cの前端に形成されたザグリ部とそれぞれ嵌合する固定ボス52が突出成型されている。なお、図3には、支軸34aに対応する固定ボスは図示せず、支軸34b,34cに対応する固定ボス52b,52cのみ図示している。固定ボス52の中心には、それぞれネジを受容するネジ受容孔が形成されている。
【0029】
回動レバー40は、上下のピン係合孔46をハンドル回転軸61の連結ピン61bと係合させ、ハンドルベース30から前方に突出する支軸34a,34b,34c及びバネ支柱35を回動規制溝45a,45bを通して前方に挿通させ、捻りバネ55のコイル部を回動レバー40のプレート部前面に前方に延びるように円筒状に形成されたバネ支軸47に掛合させた上、この捻りバネ55の一端を回動レバー40の連結部43の前面に形成されたバネフック48に掛止し、他端をバネ支柱35の前端部にネジ固定することで、ハンドルベース30の前方に取り付けられる。
【0030】
そして、回動レバー40の前方からキャップ体50を覆い被せて、キャップ体50内面の固定ボス52を支軸34の前端のザグリ部に嵌合させ、機構収容部32の後方から支軸34a,34b,34cの中空軸の内部にネジを挿入して締め込むことで、ハンドルベース30とキャップ体50とが連結固定されて、これらの間には回動レバー40が回動可能に挟持される。回動レバー40は、捻りバネ55の作用により基準角度位置(遊技球発射装置の作動がオフとなる位置)の方向に常時付勢されており、常には基準角度位置に保持される。
【0031】
上記構成の発射ハンドルHは、遊技者が(捻りバネ55の付勢力に抗して)回動レバー40を回動操作した場合、ピン係合孔46で係合する連結ピン61b,61b及び第1ギア61aと係合する連結ギア64を介して可変抵抗器63の検出軸が回動され、その抵抗値に応じた発射強度、すなわち回動レバー40の回動角度位置に応じた発射強度で、遊技球が遊技盤3に向けて発射される。
【0032】
また、発射ハンドルHは、タッチ検出器65による遊技者の接触検知を条件として、回動レバー40が回動させられると、ピン係合孔46で係合する連結ピン61b,61b及び第1ギア61aと係合する連結ギア64を介して可変抵抗器63の検出軸が回動され、その抵抗値に応じた発射強度、すなわち回動レバー40の回動角度位置に応じた発射強度で、遊技球が遊技盤3に向けて発射される。
なお、遊技終了等で遊技者が発射ハンドルHから手を離した場合、回動レバー40は捻りバネ55の付勢力により自動的に基準角度位置に戻り、遊技球発射装置の作動がオフになる。
【0033】
図5は、回動レバー40と防護部材80の他の構成例を示す全体斜視図である。防護部材80の内側には、前後を仕切る板状の連結部83が形成され、連結部83に、ハンドル回転軸61の先端が接続される。連結部83には、これを貫通する回動規制溝85(85a,85b)が形成され、また回動規制溝85より内側には、ハンドル回転軸61の2本の連結ピン61bとそれぞれ係脱可能な長孔状のピン係合孔86が軸心を挟んで形成されている。
【0034】
回動規制溝85(85a,85b)は、防護部材80の軸線を中心とする円弧状に形成されるとともに、その溝幅が支軸34a,34b,34cの先端側の平行軸部の径よりもわずかに大きめに形成されており、支軸34a,34b,34cを前後に挿通させて各支軸の外周面と係脱可能に形成されている。そして、これら回動規制溝85a,85bは、回動規制溝85aが支軸34aと係合し、回動規制溝85bが2本の支軸34b,34cと係合する。このような3点の支軸34a,34b,34cとの係合によって、防護部材80は、機構収容部32と同一の軸線上に配設され、回動規制溝85の円弧形態により軸線周りに回動可能に支持される。また、連結部83の前方側には、防護部材80の回動軸に沿って、バネ支軸87が立設されている。なお、連結部83の前側面には、バネフック88が設けられ、捻りバネ55の一端が係止される。
【0035】
また、防護部材80の周面には、軸方向に平行に形成されたキー811が、1つ又は2個以上設けられている(図示の例では、3つ)。周面から突出しているキー811は、回動レバー40のグリップ部41の内周に形成されたキー溝44にそれぞれ嵌入される。キー811がキー溝44に嵌め合わされることにより、防護部材80と回動レバー40が一体回動する構成となっている。
【0036】
以上のような構成とすることによって、防護部材80の後端部81は、ハンドルベース30の、機構収容部32開口に形成された支持フランジ部33内に摺動自在に嵌入される。これにより、回動レバー40の基端とハンドルベース30先端との間に、防護部材80が重なることとなり、回動レバー40とハンドルベース30の間への介挿物の介挿は、防護部材80によって防御されることとなる。また、ハンドルベース30側の支持フランジ部33は、内周側が切り欠かれた構成であることから、薄肉となり、介挿物を保持するための十分な厚さを有さない。このため、回動レバー40とハンドルベース30との間の介挿物を、介挿した状態で維持することも困難となる。
【0037】
次に、本遊技機における遊技制御を行う遊技制御手段について説明する。図8において、遊技制御手段200は、遊技の進行や演出等を含む弾球遊技機100全体を統括制御する手段である。遊技制御手段200は、演算等を行うCPUと、遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと、CPUが各種の制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等とを備える。遊技制御手段200は、遊技盤3の背面側に設けられた制御基板上に設けられている。ここで、遊技制御手段200は、1つの制御基板上に限らず、既述のように複数の制御基板(メイン基盤72及びサブ基盤73)上にわたって設けられていても良い。遊技制御手段200は、本実施形態では、以下の各手段を備える。
【0038】
(入賞球検出手段)
入賞球検出手段21は、入賞口6k、始動入賞口6c及び特別入賞口6dに遊技球が入賞したときに、その入賞を検出するものである。これらの入賞口6k、始動入賞口6c及び特別入賞口6dには、それぞれ、入賞口センサ5s、始動入賞口センサ57及び特別入賞口センサ6dsが設けられ、それぞれ入賞球検出手段21に電気的に接続されている。
【0039】
(抽選手段)
抽選手段22は、入賞球検出手段21により、始動入賞口6cへの遊技球の入賞が検出されたことを条件として、可変表示手段である図柄変動表示装置6jに表示する停止図柄に関する抽選を行うものであり、本実施形態では、▲1▼当選/非当選の有無、▲2▼図柄変動表示装置6jの図柄の変動表示後の停止図柄、及び▲3▼図柄の変動表示中の変動パターンの抽選を行う。抽選手段22は、これらの▲1▼〜▲3▼の抽選を行うべく、当たり抽選手段22aと、停止図柄抽選手段22bと、変動パターン抽選手段22cとを備える。
【0040】
(当たり抽選手段)
当たり抽選手段22aは、本実施形態では、当たり判定用乱数発生手段と、当たり判定用乱数取得手段と、当たり判定手段とを備える。
当たり判定用乱数発生手段は、制御プログラム等によって所定の周期(例えば、16ビット乱数による0〜65535の周期)を有する当たり判定用乱数を発生させる。当たり判定用乱数取得手段は、当たり判定用乱数発生手段によって発生した当たり判定用乱数のうち1の当たり判定用乱数を、所定の時、本実施形態では始動入賞口センサ57から送信された検出信号を入賞球検出手段21が受信した時に取得する。
当たり判定手段は、当たり判定用乱数取得手段により取得された当たり判定用乱数に基づいて、当選であるか非当選であるかを判定する。
当選と判定された場合には、後述する演出画像制御手段27にコマンドを送る。
【0041】
(停止図柄抽選手段)
停止図柄抽選手段22bは、当たり抽選手段22aの当たり判定手段の判定結果に基づいていて、図柄変動表示装置6jに停止表示すべき停止図柄を抽選するものである。
(変動パターン抽選手段)
変動パターン抽選手段22cは、図柄変動表示装置6jに表示すべき図柄の変動パターンを抽選するものである。
当たり抽選手段22aの当たり判定手段での判定手段での判定結果に基づいて、複数種類の図柄の変動パターンを記憶したデータテーブルを参照して、いずれか1つの変動パターンを選択する。
【0042】
(図柄表示制御手段)
図柄表示制御手段23は、始動入賞口6cへの遊技球の入賞により、入賞球検出手段21が検出信号を受信したことを条件として、図柄変動表示装置6jの図柄の変動表示及び停止表示を行うように制御するものである。
(特別遊技制御手段)
特別遊技制御手段24は、当たり抽選手段22aの当たり判定用乱数取得手段により取得された当たり判定用乱数が当選図柄変動表示装置6jにより停止表示された図柄が当選図柄(例えば「777」)となった場合に、特別遊技に移行させ、その終了条件を満たすまで特別遊技を実行するものである。ここで「特別遊技」とは、通常遊技以上に遊技球が入賞しやすい状態が作り出され、具体的には、特別入賞口6dが開放され、遊技球を受け入れ易い状態になることで、それまで以上に賞球の獲得が期待できる遊技である。
【0043】
(球搬出制御手段)
球搬出制御手段25は、賞球の払出し等を行うための球搬出装置25dの駆動を制御するものである。上述したように、始動入賞口センサ57及び特別入賞口センサ6dsからの検出信号を入賞球検出手段21が受信したときに、その入賞に対応する数の賞球を払い出すように、球搬出装置25dを制御する。球搬出装置25dは、駆動されると、球を弾球遊技機1の皿701aに払い出す。
【0044】
(普通図柄制御手段)
普通図柄制御手段26は、上述した普通図柄変動表示装置264dの変動表示及び停止表示を制御するためのものであり、以下の各手段を備える。
(入球検出手段)
入球検出手段262は、有効となっている普通図柄始動口6iを遊技球が通過したときに、それを検出するものである。
普通図柄始動口6iを遊技球が通過すると、普通図柄始動口センサ6isから、そのときの検出信号が入球検出手段262に送信される。この検出信号を受信したときに、入球検出手段262は、普通図柄始動口6iを遊技球が通過したことを検出する。
【0045】
(普通図柄抽選手段)
普通図柄抽選手段263は、有効となっている普通図柄始動口6iを遊技球が通過したことを条件として、普通図柄変動表示装置264dに停止表示すべき図柄を抽選によって決定するものである。
普通図柄抽選手段263は、上述した当たり抽選手段22aと同様に、当たり判定用乱数発生手段と当たり判定用乱数値取得手段と、当たり判定手段とを備える。
【0046】
(普通図柄変動制御手段)
普通図柄変動制御手段264は、普通図柄変動口6iを遊技球が通過したときに、普通図柄抽選手段263の抽選結果に基づいて、普通図柄変動表示装置264dの図柄の変動表示及び停止表示を行うように制御するものである。
普通図柄変動制御手段264は、普通図柄変動表示装置264dの図柄を所定時間変化させ後、最終的には普通図柄抽選手段263によって決定された図柄を普通図柄変動表示装置264dに停止表示させる。
【0047】
(球誘導装置制御手段)
球誘導装置制御手段265は、普通図柄抽選手段263の抽選結果に基づいて、球誘導装置265dの作動を制御するものである。具体的には、普通図柄抽選手段263による抽選で当選したときは、球誘導装置265dを作動させるように制御する。これと逆に、普通図柄抽選手段263による抽選で非当選であったときは、球誘導装置265を作動させない。この実施形態では、球誘導装置265dは、駆動装置50B及び開閉装置52で構成される。
【0048】
(演出画像制御手段)
演出画像制御手段27は、図柄変動表示装置6jに表示される演出画像を制御する。
演出画像制御手段27は、当たり抽選手段22aにより、当選の旨のコマンドを受け取った場合には、図柄変動表示装置6jに表示される演出画像を選択し、これを表示する。
さらに、本発明の発射ハンドルHが設けられる弾球遊技機は、発射制御手段140を備える。
【0049】
発射制御手段140は、発射モータ21mの発射制御を行うためのものであり、発射モータ駆動制御手段141と、発射強度決定手段142とを備えている。発射制御手段140には、発射モータ21mが電気的に接続されており、さらに、作動スイッチ36、可変抵抗器63、タッチ検出器65が電気的に接続され、これらの検出信号が供給される。
【0050】
発射モータ駆動制御手段141は、発射機構部21の打球杵21aを揺動付勢する発射モータ21mの駆動制御を行うためのものである。
発射強度決定手段142は、可変抵抗器63により検出された抵抗値、すなわち遊技球が発射されない基準角度位置に対する現在の発射ハンドルHの回動角度位置に基づいて、遊技球を遊技領域6内に発射する強度を決定するためのものである。また、タッチ検出器65からの検出信号が供給されていることを条件に、発射モータ21mの駆動を行い、かつ、作動スイッチ36からの検出信号が供給されている間は、発射モータ21mは駆動しない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】弾球遊技機の全体正面図である。
【図2】弾球遊技機の全体背面図である。
【図3】発射ハンドルの分解斜視図である。
【図4】発射ハンドルの全体側面図である。
【図5】回動レバーと防護部材の他の構成を示す分解斜視図である。
【図6】遊技制御手段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0052】
100 弾球遊技機
1 外枠
12 施錠装置
2 前枠
3 遊技盤
3A、3B ヒンジ金具
30 ハンドルベース
40 回動レバー
50 キャップ体
6 遊技領域
6a 表示部
6c 始動入賞口
6d 特別入賞口
70 ガラス枠
701 皿ユニット
701a 球貯留部
701b 灰皿
80 防護部材
H 発射ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾球遊技機本体側に設けられたハンドル本体と、
ハンドル本体の先端部において回動自在に支持された回動レバーと、
前記回動レバーの先端側に位置し、前記ハンドル本体に支持された蓋体とを備えた弾球遊技機の発射ハンドルであって、
前記蓋体と前記回動レバーと前記ハンドル本体との各内周に接触し、前記回動レバーと一体回動する筒状の防護部材を有する弾球遊技機の発射ハンドル。
【請求項2】
前記防護部材は、前記蓋体に接触する先端部周縁において外側に突出したフランジ部を有し、
前記蓋体は、前記防護部材に接触する端部周縁において内側に突出し、前記防護部材のフランジ部の基端側に、摺動自在に嵌め合わされる接合部を有し、
前記防護部材は、前記蓋体に対して、軸方向に移動不能に構成されている請求項1に記載の弾球遊技機の発射ハンドル。
【請求項3】
前記回動レバーは、前記ハンドル本体に設けられた回動軸に連結される連結部を内側に有し、前記防護部材は連結部を収容する切欠部を有する請求項1または2に記載の弾球遊技機の発射ハンドル。
【請求項4】
前記防護部材は、前記ハンドル本体に設けられた回動軸に連結される連結部を内側に有する請求項1または2に記載の弾球遊技機の発射ハンドル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−245835(P2008−245835A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89650(P2007−89650)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】