説明

弾球遊技機

【課題】遊技者が特別な操作入力を行うことなく、自己の要求に応じて図柄の変動表示を強制的に停止可能とする。
【解決手段】スキップ判定装置61は、図柄制御装置14aが複数の特別図柄の少なくとも1つの変動表示を開始してからこれら複数の特別図柄の全てを停止表示するまでの変動表示中において、予め定められた所定のタイミング以降に遊技者が球発射ハンドル10による遊技球の発射操作を継続しているか否かを判定する。図柄制御装置14aは、遊技者が発射操作を継続しているとスキップ判定装置61が判定したとき、事前に決定された停止時期を無効として変動表示中の全ての特別図柄を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ遊技機等の弾球遊技機には、ハンドル操作によって遊技球を発射する発射装置が設けられ、この発射装置によって発射された遊技球が特定入賞口(始動入賞口)に入賞するのに応じて、表示装置に表示される特別図柄の変動(電子的な当否抽選)が開始される。そして、当否抽選の結果当選した場合には、表示装置に所定の特別図柄の組み合わせが表示され、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態が生起される。大当たり遊技状態では、特別入賞口(大入賞口)が開閉して遊技球を受け入れるので、遊技者は多くの賞球を獲得することができる。
【0003】
また、特別図柄の変動開始から変動終了(停止)までの間に遊技球が特定入賞口に入賞した場合は、所定数(保留上限数)までその結果が記憶されて蓄積し、先に記憶された抽選結果から報知演出が順次実行される。従って、保留上限数に達した状態では、遊技球が特定入賞口に入賞しても当否抽選が実行されない。このため、抽選結果が保留上限数に達したことを認識した遊技者は、現在実行中の特別図柄の変動表示が終了するまで、遊技球の発射を一時的に停止する可能性がある。また、遊技時間の制約を受ける遊技者にとっては、特別図柄の変動表示を愉しむよりも、むしろその実行時間を短縮した方が好ましい場合もある。
【0004】
これに対し、遊技者からの操作入力により、図柄の変動表示を強制的に終了させて停止させる機能を有する遊技機がある。強制停止用の操作部は、遊技者が操作可能な場所に配置され、遊技者が操作部を操作することのより、変動中の図柄が強制的に停止する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−000792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の遊技機では、変動中の図柄を停止させたい遊技者は、その都度操作部を操作しなければならず、煩雑である。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者が特別な操作入力を行うことなく、自己の要求に応じて図柄の変動表示を強制的に停止させることが可能な弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、発射手段と表示手段と抽選手段と停止時期決定手段と表示制御手段と判定手段とを備える。
【0009】
発射手段は、遊技者に操作されて遊技盤の遊技領域に遊技球を発射する。表示手段は、遊技盤に設けられている。抽選手段は、所定の実行条件が成立したとき、遊技者にとって有利な遊技状態を生起するか否かの電子的な当否抽選を実行する。停止時期決定手段は、 複数の識別情報群(例えば図柄群)のそれぞれの停止時期を決定する。表示制御手段は、表示手段に、複数の識別情報群をそれぞれ変動表示するとともに、変動表示している各識別情報群を、抽選手段の抽選結果に対応する確定識別情報で決定された停止時期にそれぞれ停止表示することにより、抽選結果を遊技者に報知する。判定手段は、表示制御手段が複数の識別情報群の少なくとも1つの変動表示を開始してからこれら複数の識別情報群の全てを停止表示するまでの変動表示中において、予め定められた所定のタイミング以降に遊技者が発射手段による遊技球の発射操作を継続しているか否かを判定する。
【0010】
表示制御手段は、遊技者が発射操作を継続していると判定手段が判定したとき、事前に決定された停止時期を無効として変動表示中の全ての識別情報群を確定識別情報で停止表示する。
【0011】
上記構成では、表示制御手段が複数の識別情報群の少なくとも1つの変動表示を開始してからこれら複数の識別情報群の全てを停止表示するまでの変動表示中において、予め定められた所定のタイミング以降に遊技者が発射手段による遊技球の発射操作を継続している場合、判定手段は、遊技者が発射操作を継続していると判定し、表示制御手段は、決定された停止時期を無効として変動表示中の全ての識別情報群を確定識別情報で停止表示する。従って、遊技者は、予め定められた所定のタイミング以降に遊技球の発射操作を継続することにより、変動表示中の識別情報群の全てを強制的に停止表示させることができ、反対に、予め定められた所定のタイミング以降に遊技球の発射操作を中断することにより、変動表示中の識別情報群を強制的に停止表示させることなく継続して変動表示させることができる。すなわち、変動表示を愉しむよりも抽選結果を早期に知ることを優先して遊技を早く先に進めたい遊技者にとっては、遊技球の発射操作を中断せずに継続することが好ましく、この発射操作の継続によって、抽選結果を早期に知ることができる。反対に、抽選結果を早期に知ることよりも変動表示を愉しむことを優先して遊技を行いたい遊技者にとっては、遊技球の発射操作を中断することに対して抵抗感が少なく、この発射操作の中断によって、変動表示を強制的に停止させずに継続させることができる。
【0012】
すなわち、遊技者は、特別な操作入力を行うことなく、遊技球の発射操作の継続又は中断という遊技の実行に不可欠な動作によって、図柄の変動表示の継続又は強制的な停止を選択することができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の弾球遊技機であって、所定のタイミングとして、表示制御手段が、複数の識別情報群のうち1つの識別情報群を除く他の全ての識別情報群を、抽選手段の抽選結果が当選である可能性を有するリーチ態様の確定識別情報で停止表示したときが設定され、表示制御手段は、遊技者が発射操作を継続していると前記判定手段が判定したとき、上記1つの識別情報群を確定識別情報で停止表示する。
【0014】
上記構成では、最後に変動表示している1つの識別情報群の停止結果(確定識別情報)によって当選が報知される可能性を有するリーチ発生時において、遊技者は、遊技球の発射操作を継続することによって、変動表示中の1つの識別情報群を強制的に停止表示させることができ、反対に、遊技球の発射操作を中断することにより、変動表示中の1つの識別情報群を強制的に停止表示させることなく継続して変動表示させることができる。すなわち、遊技者の興味を惹き付けるため変動表示時間が比較的長く設定されるリーチ発生時において、遊技者は、遊技球の発射操作を継続することによって変動表示を強制的に停止させることができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、上記第1又は第2に態様の弾球遊技機であって、遊技領域に発射された遊技球の個数を所定のタイミングからカウントする発射数計数手段を備える。判定手段は、発射数計数手段がカウントした遊技球の個数が予め定められた所定個数に達したとき、遊技者が発射操作を継続していると判定する。
【0016】
上記構成では、遊技者は、所定のタイミングから所定個数以上の遊技球を発射させることによって、変動表示を強制的に停止させることができる。
【0017】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様の弾球遊技機であって、所定のタイミングからの時間を計時する計時手段を備える。判定手段は、計時手段が計時した時間が所定時間に達したとき、発射数計数手段がカウントした遊技球の個数が所定個数に達したか否かを判定し、所定個数に達しているとき遊技者が発射操作を継続していると判定し、所定個数に達していないとき遊技者が発射操作を継続していないと判定する。
【0018】
上記構成では、所定のタイミングから所定時間以内に遊技球の発射数が所定個数に達すると、変動表示は強制的に停止し、所定のタイミングから所定時間以内に遊技球の発射数が所定個数に達しなければ、所定時間経過後に遊技球の発射が再開されても変動表示は強制的に停止せずに継続する。従って、遊技者は、所定のタイミングから所定時間経過後であれば、変動表示を継続しつつ、遊技球を発射させることができる。
【0019】
本発明の第5の態様は、上記第1又は第2の態様の弾球遊技機であって、遊技者が発射手段を操作しているか否かを検知する発射操作検知手段を備える。判定手段は、発射操作検知手段が所定のタイミングから所定時間以上継続して発射手段の操作を検知したとき、遊技者が発射操作を継続していると判定する。
【0020】
上記構成では、遊技者は、所定のタイミングから所定時間以上の発射手段の操作を継続することによって、変動表示を強制的に停止させることができるとともに、所定のタイミングから所定時間経過後であれば、変動表示を継続しつつ、発射手段の操作を再開することができる。
【0021】
本発明の第6の態様は、上記第1から第5の態様の何れかの弾球遊技機であって、判定手段による判定が実行されていることを遊技者に報知する報知手段を備える。
【0022】
上記構成では、遊技者は、遊技球の発射操作の継続によって変動表示が強制的に停止する状態であることを、報知手段からの報知によって容易に認識することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、遊技者は、特別な操作入力を行うことなく、自己の要求に応じて図柄の変動表示を強制的に停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して、遊技機設置営業店等の場所に設置され、遊技媒体としての遊技球の供給に基づいて遊技者に遊技を行わせる弾球遊技機(以下、単に遊技機と称する)の構成及び動作について説明する。
【0025】
なお、本実施形態では、図1に示すような、現金等の対価を支払って遊技機設置営業店から遊技者が購入したプリペイドカードをプリペイドカードユニット(以下、CRユニットと称す)1に読み込ませることにより、遊技に使用する遊技球を借り受ける形態下で遊技者が遊技する遊技機の構成及び動作について説明する。より具体的には、この遊技機は、図3に示すように、借り受けた遊技球が予め定められた特定入賞口(スタートチャッカー、始動入賞口)2に受け入れられ入賞状態になった時に電子的な当否抽選を行い、抽選の結果が当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態となるように、特別入賞口(大入賞口)3を遊技球が入賞し易い状態にする遊技機である。
【0026】
[遊技機の構造概略]
本実施形態の遊技機は、外部的構造として、外枠(木枠)4、本体部材(本体)5、開口枠扉6、遊技盤7、球受皿付き扉8、球受皿9、回動式操作ハンドル(球発射ハンドル)10、球貸し関係操作部11、及び球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12等をその前面側に備えている。また、この遊技機は、内部的構造として、主制御装置13、副制御装置14、遊技球払出装置15、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、回収通路部材18、貯留タンク19、遊技球を払い出すときに用いる通路部材(賞球口)20、及びその他、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23等をその後面側に備えている。
【0027】
以下、図1〜図7を参照して、本実施形態の遊技機の構成を、外部的構造、内部的構造、遊技領域の構成、及び電気的構成の順に詳しく説明する。
【0028】
〔外部的構造〕
始めに、本実施形態の遊技機の外部的構造について説明する。
【0029】
前記外枠4は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
【0030】
前記本体部材5は、外枠4の内部に備えられ、ヒンジ部26を介して外枠4に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体部材5は、枠状に形成され、内側に空間部を有している。
【0031】
前記開口枠扉6は、ロック機能25付きで且つ開閉自在となるように遊技機の前面側となる本体部材5の前面に対しヒンジ部26を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部27とした扉部材である。この開口枠扉6には、開口部27に対向してガラス製又は樹脂製の透明板部材28が設けられ、さらに、開口部27近傍には、電飾29やスピーカ30が取り付けられている。
【0032】
前記遊技盤7は、その盤面に遊技領域31を有し、本体部材5の空間部に臨むように、所定の固定部材を用いて本体部材5に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域31は、遊技盤7を本体部材5に装着した後、開口部27から観察することができる。
【0033】
前記球受皿付き扉8は、遊技機前面において本体部材5の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。なお、本実施形態では、球受皿付き扉8には以下の部材が取り付けられている。
(1)複数の遊技球が貯留可能で且つ、発射駆動装置23へと遊技球を案内させる通路が設けられた球受皿9。
(2)発射駆動装置23へと案内された遊技球を遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出す操作を行う、遊技球の発射停止ボタン10aを備えた発射手段としての回動式操作ハンドル(球発射ハンドル)10。
(3)プリペイドカード読み込み処理関係、及び遊技者が借り受ける遊技球(以下、貸球と称す)の貸し出し処理関係の指示を行うボタンを備えた球貸し関係操作部11。
(4)球受皿9に貯留させた遊技球を遊技者が箱状の遊技球収集容器へと排出させるための球受皿9用の貯留球排出操作ボタン12。
【0034】
前記球発射ハンドル10の操作面には、タッチセンサ60が設けられている。遊技者がタッチセンサ60に触れた状態で球発射ハンドル10を回すと、後述する発射駆動装置23が作動して遊技球が発射する。
【0035】
〔内部的構造〕
次に、本実施形態の遊技機の内部的構造について説明する。
【0036】
前記主制御装置13は、本発明に係る制御手段として機能し、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられている。この主制御装置13は、電気的な遊技制御の処理を行い、主要な処理情報を生成する。
【0037】
前記副制御装置14は、本体部材5若しくは遊技盤7又はこれらに備え付けられる支持部材等を介して設けられ、主制御装置13が生成した処理情報に従って、所定の出力態様処理を実行させる制御を行う装置である。なお、詳しくは後述するが、副制御装置14は、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置52を有する。
【0038】
前記遊技球払出装置15は、予め定められた入賞条件が成立するのに応じて遊技利益として所定数の遊技球を払出す(以下、賞球と称す)駆動源を備えた装置である。
【0039】
前記球貸信号制御装置16は、プリペイドカード読み込み処理関係、及び貸球の貸し出し処理関係の制御を行う装置である。
【0040】
前記可動物制御装置17は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技領域31内に配設された複数の可動物(例えば、可動片44、可動扉45、入賞領域振分物、演出用移動物等)を作動状態にするための装置であり、複数の可動物に対応して個別に設けられている。なお、本実施形態の可動物制御装置17は、可動片駆動装置、可動扉駆動装置、入賞領域振分駆動装置、及び演出用移動物駆動装置を有する。
【0041】
前記回収通路部材18は、球発射ハンドル10によって遊技盤7の盤面に設けられた遊技領域31へと打ち出された遊技球を遊技盤7の裏側へと回収する通路(俗称、集合樋)となる部材である。
【0042】
前記遊技球を払い出す時に用いる通路部材20は、球受皿9に賞球又は貸球を案内する通路となる部材である。
【0043】
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて遊技機内の各制御装置に対して電力を供給する装置である。
【0044】
前記発射制御装置22は、球発射ハンドル10を介して遊技球を遊技領域31へと打ち出す操作が行われた時に、タッチセンサ60からの検知信号を受信していることを条件として、発射作動間隔(例えば、1分間に遊技球を100球発射させるようにする等)の制御と、球発射ハンドル10の回動量に応じた遊技球の発射強度の調整を行う装置である。
【0045】
前記発射駆動装置23は、発射制御装置22による打ち出し制御に応じて、遊技球の打ち出し駆動部を作動させ、遊技球を遊技領域31へと打ち出す装置である。
【0046】
〔遊技領域の構成〕
次に、本実施形態の遊技機の遊技領域31の構成について説明する。
【0047】
前記遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール32と遊技球規制レール33によって略円形状となるように区画形成され、球発射ハンドル10によって打ち出された遊技球の移動範囲を規制する領域である。すなわち、ガイドレール32と遊技球規制レール33とは、遊技盤7の盤面上に略円形状の遊技領域31を画成するとともに、発射駆動装置23と遊技領域31との間に遊技球の発射通路63を画成する。発射通路63の下流端(上端)は遊技領域31の上部に連通する。なお、遊技球規制レール33は前記ガイドレール32に連続的に接続するように構成され、ガイドレール32と遊技球規制レール33は全体として螺旋をなして遊技盤7の盤面に配設されている。
【0048】
また、遊技領域31内には、表示手段及び報知手段としての可変表示装置(特別図柄表示装置)34、LED(Light Emitting Diode)表示装置35、ステージ36、所定入賞口(一般入賞口)37、所定通過口(スルーチャッカー)38,46、アウト口39、遊技釘(図示せず)、風車40、特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42、演出用表示ランプ43等が設けられている。
【0049】
前記可変表示装置34は、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた入賞口への遊技球の入賞等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別表示情報(例えば、図柄、キャラクタ、背景画像等)を可変表示させた後に停止表示する表示制御装置である。なお、この可変表示装置34には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)、ドラム式表示装置、ドットマトリクス表示装置、7セグ表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置等の表示装置を適用することができる。
【0050】
前記LED表示装置35は、遊技者への様々な情報をLEDにより表示する装置であり、例えば、予め定められた条件が成立(例えば、予め定められた通過口への遊技球の通過等)するのに応じて実行される電子的な当否抽選の結果に従って、識別情報としての識別点灯情報をLEDにより可変表示させた後に停止表示する。
【0051】
前記ステージ36は、可変表示装置34の下方において遊技球を一時的に滞在状態とし、その後、遊技球の落下を許容する踊り場部を備えた構造物である。
【0052】
前記所定入賞口37は、遊技領域31内における適宜な位置に複数設けられ、落下してくる遊技球を受け入れる開口部を備えた構造物である。なお、特定入賞口2及び特別入賞口3もこの所定入賞口37に含まれる。
【0053】
ここで、前記特定入賞口2とは、複数の入賞口のいずれかであって、入賞口の開口範囲の拡縮を行わせる電動式の可動片44を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、可変表示装置34に識別表示情報を可変表示させると共に、遊技者に賞球を獲得させる入賞口である。また、前記特別入賞口3とは、複数の入賞口のいずれかであって、入賞口を露出させる開口状態と入賞口を閉鎖する閉口状態を生成する電動式の可動扉45を備え、遊技球が入賞口に入賞するのに応じて、他の入賞口と比較して多くの賞球を遊技者に獲得させる入賞口である。なお、以下では、特定入賞口2及び特別入賞口3以外の複数の所定入賞口37をその他入賞口37と称する。
【0054】
前記所定通過口38,46は、遊技領域31内における適宜な位置に所定数設けられ、落下してくる遊技球を通過させるゲートを備えた構造物である。
【0055】
前記アウト口39は、所定入賞口37のいずれにも入ることがなかった遊技球を集束する位置に設けられた遊技球の回収開口部である。
【0056】
前記遊技釘は、遊技球と接触させることにより遊技球の移動方向を不規則にする、若しくは遊技球の移動方向を規制するために、遊技盤7の盤面の適宜な位置に打ち込まれる複数の棒状部材である。
【0057】
前記風車40は、遊技球の接触によって自転可能な回転部材である。
【0058】
前記特定保留数表示ランプ41は、前記特定入賞口2への入賞後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
【0059】
前記通過保留数表示ランプ42は、前記所定通過口38への通過達成後の可変表示開始に係る保留状態を点灯又は消灯により報知する発光装置である。
【0060】
前記演出用表示ランプ43は、電源投入後の遊技状態の変化に応じて多彩な点灯態様とする発光装置である。
【0061】
また、発射通路63の下流端には、発射通路63から遊技領域31へ進入する遊技球を検知し、その検知信号(発射球検知信号)を後述するスキップ判定装置61へ出力する発射球検知センサ62(図7に示す)が設けられている。
【0062】
〔電気的構成〕
次に、本実施形態の遊技機の電気的構成について説明する。
【0063】
本実施形態となる遊技機は、電気的構成として、CRユニット1、抽選手段としての主制御装置13、副制御装置14、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23、各種の検知センサ47、集中管理装置48、払出制御装置52、発射球検知センサ62等を備える。なお、CRユニット1、球貸信号制御装置16、可動物制御装置17、電源供給装置21、発射制御装置22、発射駆動装置23、及び発射球検知センサ62の構成は上述の通りであるので、以下ではその説明を省略する。
【0064】
前記主制御装置13は、CPU(Central Processing Unit:中央命令処理部)13a、予め定められた制御プログラム(コンピュータプログラム)を格納するROM(Read Only Memory:書換不可記憶部)13b、生成された処理情報の一時記憶及び記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory:書換可能記憶部)13c、周期的な信号を発生させる周波数発生回路部13d等により構成され、遊技機内における主要な情報処理を行うと共に、副制御装置14に入力する処理情報を生成する装置である。
【0065】
前記副制御装置14は、停止時期決定手段、表示制御手段及び報知手段としての図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び判定手段、発射数計数手段及び計時手段としてのスキップ判定装置61により構成され、主制御装置13が生成した処理情報に従って所定の出力態様処理を行う。なお、副制御装置14は、出力態様処理毎の装置として構成しても、各出力態様処理を複数組み合わせて構成してもよい。また、副制御装置14を構成する各制御装置は、処理情報に従って独立して処理を実行可能なように、内部にCPU,ROM,RAMを備える。また、スキップ判定装置61を図柄制御装置14a内に設けてもよい。
【0066】
ここで、前記図柄制御装置14aは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ(VDP)50を介して可変表示装置34、又はLED表示装置35を制御することにより、識別点灯情報又は識別表示情報を変動表示させた後に停止表示する制御を行う装置である。
【0067】
前記ランプ制御装置14bは、主制御装置13が生成した処理情報に従って、開口枠扉6の電飾29(演出報知ランプ、払出ランプ、トラブルランプを含む)や遊技領域31内に設けられた演出用表示ランプ(電飾)43、又は特定保留数表示ランプ41、通過保留数表示ランプ42等を点灯制御する装置である。なお、特定保留数表示ランプ41又は通過保留数表示ランプ42が表す情報は可変表示装置34による識別表示情報として報知してもよい。
【0068】
前記音声制御装置14cは、主制御装置13が生成した処理情報に従ってスピーカ30やサウンドプロセッサ等の音声発生装置51を制御して音声を発生させる装置である。
【0069】
前記検知センサ47は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより構成される。そして、各検知センサはそれぞれ、特定入賞口2、特別入賞口3、入賞特定領域(例えば、特別入賞口3の略中央部より右側領域)、所定通過口38,46、その他入賞口37、賞球口20、及び球詰まりが発生し易い球通路部材49の球通路49a近傍に設けられ、各場所における遊技球の通過の有無を検知する。
【0070】
前記スキップ判定装置61は、所定の条件が成立したときに、後述する特別図柄の変動を強制終了させて停止させる(スキップさせる)ためのスキップ実行指示信号を図柄制御装置14aに送信する装置である。スキップ判定装置61のCPUは、後述する判定実行時間を計時するためのタイマとして機能するとともに、後述するスキップ判定処理を実行する。また、スキップ判定装置61のROMには、スキップ判定処理をCPUに実行させるためのプログラムが予め記憶され、このプログラムには、後述する判定上限時間やスキップ実行指示信号の送信条件となるスキップ実行発射数が含まれている。さらに、スキップ判定装置61のRAMには、発射球数を記憶する発射球数記憶領域が設定され、CPUとRAMの発射球数記憶領域とは、発射球数を計数する発射数カウンタとして機能する。
【0071】
前記集中管理装置48は、主制御装置13が生成した処理情報を遊技機の外部において管理する装置である。
【0072】
前記払出制御装置52は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、遊技球払出装置15により所定数の賞球を払出す制御を行う装置である。また、前記払出制御装置52は、主制御装置13が生成した処理情報に従って、球貸信号制御装置16を介して、CRユニット1に読み込ませたプリペイドカードに格納したデータ情報を参照して、所定数の貸球を払出す制御を行うと共に、貸球の払出し個数を計数して管理をする装置である。
【0073】
[遊技機の動作]
次に、本実施形態の遊技機の動作を主制御装置13、副制御装置14、及び可動物制御装置17の動作に分けて説明する。
【0074】
〔主制御装置の動作〕
始めに、主たる遊技制御を行う主制御装置13の動作について説明する。
【0075】
前記電源供給装置21は、電源が投入されるのに応じて、遊技機の電気的な制御装置に対し電力を供給する。そして、主制御装置13のCPU13aは、電源が供給されると、初期設定として下記必要確認事項のチェックを行い、遊技機が適正な起動状態となっているか否かをチェックする。
【0076】
ここで、本実施形態におけるメインルーチン処理は、主制御装置13に備えられたROM13bに予め格納された制御プログラム(コンピュータプログラム)により実行される。そして、主制御装置13のCPU13aは、メインルーチン処理として、乱数更新処理、入力検知受信処理、入力管理処理、異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、準備球払出処理、外部情報管理処理、及び出力管理処理を行う。
【0077】
なお、このメインルーチン処理とは、周波数発生回路部13dが生成する周期的な信号に基づく分周設定により定期的なタイミングパルス(例えば4ミリ秒)を生成し、生成されたタイミングパルスに合わせて、CPU13aが、前記各処理の読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。
【0078】
以下、前記メインルーチン処理の各処理のうち、乱数更新処理、入力検知受信処理、入力管理処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び出力管理処理について詳しく説明する。
【0079】
『乱数更新処理』
前記乱数更新処理は、抽選遊技処理と複数の所定数値群のグループから成る乱数生成範囲とを対応するように個別の種類毎に設定し、この設定に基づいて乱数を生成する処理である。なお、本実施形態における乱数とは、抽選遊技処理毎に応じた乱数生成範囲を設定した乱数生成プログラム(例えば、当否判定用の乱数生成範囲は0〜699、変動パターン決定用の乱数生成範囲は0〜39、表示図柄決定用の乱数生成範囲は0〜11等)に従って、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて前記乱数生成範囲内において数値を+1ずつ更新した時の数値を意味する。また、この乱数更新処理は、主制御装置13のROM13bに格納される制御プログラムによるソフトウェア的な処理に限られず、外部に設けられた物理的装置となる乱数発生手段に基づいて乱数の更新処理を行わせ、この乱数を主制御装置13のCPU13aに取り込んで乱数抽出の制御処理をさせるようにしてもよい。
【0080】
『入力検知受信処理』
前記入力検知受信処理は、特定入賞球検知センサ47a、特別入賞球検知センサ47b、入賞特定領域検知センサ47c、通過球検知センサ47d、その他入賞球検知センサ47e、遊技球払出検知センサ47f、及びエラー検知センサ47gにより生成された入力情報があるか否かをタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視、及びセンサからの入力情報を受信する処理である。
【0081】
『入力管理処理』
前記入力管理処理は、入力検知受信処理により受信した入力情報を解析し、どの検知センサからの入力信号であるか等の解析結果に応じて、例えば、複数の入賞口毎に入賞させた各々の遊技球個数の計数管理や、入賞検知に係る受信時から該入賞に基づく制御処理が開始されるまでの時間管理等の処理を行い、後述する異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び賞球払出処理を行う上で、適宜に該処理結果を使用できるようにする処理である。
【0082】
『特別図柄制御処理』
前記特別図柄制御処理は、特定入賞口2の近傍に設けられた特定入賞球検知センサ47aから入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選を行い、当選の場合には、通常の遊技状態から遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)となるように特別入賞口3に遊技球が入賞し易くする処理である。また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、可変表示装置34で識別表示情報(以下、特別図柄と称す)を表示制御することに関係する処理も行う。
【0083】
ここで、特別図柄とは、前記特定入賞口2への遊技球の入賞に基づく前記当否抽選の結果を可変表示する複数の識別情報群(例えば、それぞれが変動する左・中・右の3つの図柄)である。抽選結果が当選の場合には、複数の識別情報群が、予め定められた特定の組み合わせ(確定識別情報)で停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄が全て同じ図柄で揃った状態)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して短時間に多くの賞球が獲得可能な状態が連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、複数の識別情報が、前記特定の組み合わせ以外の予め定められた組み合わせ(確定識別情報)で停止した表示態様(例えば、左・中・右の3つの図柄のうち少なくとも1つが他と異なっている状態)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。
【0084】
また、前記特別図柄における可変表示とは、予め設定された、互いに異なる複数種類の特別図柄(例えば、12種類)を、所定速度で周期的に順次表示させる態様を、複数の表示領域(例えば、左・中・右等の3つ)にて行う表示方法である。以下、可変表示及びこれに付随する背景変動(キャラクタ表示を含む)における演出を報知演出と称する。
【0085】
この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、特定入賞口2への遊技球の入賞を契機として、乱数抽出による予め定められた数値の比較に応じた当否抽選、及び該抽選結果に係る表示制御を行うために、当否判定(抽選)用となる有利な遊技状態に移行させるか否かの当否用の乱数と、可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた可変表示となる報知演出をするための変動パターン決定用の乱数と、同じく可変表示装置34にて当否の判定結果に応じた停止表示の態様とするための特別図柄決定用の乱数とを乱数更新処理にて生成する。そして、主制御装置13のCPU13aは、生成した乱数を個別に読み出し、取得乱数として記憶手段に記憶する。
【0086】
また、この特別図柄制御処理では、主制御装置13のCPU13aは、乱数の取得時点で既に特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件として、記憶させた当否用の取得乱数と、数値振分けデータ群としてテーブルに予め設定されている当否用比較数値とを照合して比較することで当否判定を行い、その結果である当否情報を記憶手段に記憶する。
【0087】
次に、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用の変動パターン比較用数値と、該記憶された変動パターン決定用の取得乱数とを、記憶手段に記憶した当否情報に応じて照合して比較することにより、変動パターン決定判定を行い、その結果である当たり又は外れ用とする変動パターン情報(パターン番号)を記憶手段に記憶する。
【0088】
さらに、主制御装置13のCPU13aは、予めテーブルに当否に基づいて分類して記憶してある当たり又は外れ用から成る停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)の特別図柄比較用数値と、該記憶された特別図柄決定用の取得乱数とを、前記記憶した当否情報と当たり又は外れ用とする変動パターン情報に応じて照合して比較することにより、特別図柄決定判定を行い、その結果から得られる複数の特別図柄のそれぞれを個別に停止表示させる、当たり又は外れ用となる特別図柄情報(左・中・右の特別図柄番号)を記憶手段に記憶する。
【0089】
ここで、変動パターン比較用数値、或いは特別図柄比較用数値を有するテーブルとこれに対応させた取得乱数とに応じて照合して比較することは、当たりの場合は当たり用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断し、外れの場合は外れ用の比較用数値とこれに対応した取得乱数との組み合わせの一致を判断することにより、合致するものを探し出す処理である。そして、前記合致に応じた当たり又は外れ用の変動パターン番号、或いは当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号が記憶手段に記憶される。
【0090】
なお、前記乱数発生手段による乱数の取得時点において、「特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていないことを条件に当否判定を行う」としたが、該契機条件は任意に設計変更可能なものとする。
【0091】
これまで説明した特別図柄制御処理により、特定入賞口2における入賞後に得られる処理情報として、以下の情報が生成される。
(1)当たり又は外れ用の変動パターン番号。
(2)所定の可変表示領域に対し一時的に停止表示(微動表示を含む)をさせる、当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号。
(3)該一時的に停止表示をさせる複数の特別図柄に対して停止表示の態様とさせるための確定停止指示番号。
(4)前記当否判定における当たりの場合の大当たり移行指示番号。
【0092】
そして、後述する出力管理処理を介して副制御装置14側へ前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号を送信する時に、決定された変動パターンに対応する制御処理実行時間を主制御装置13のCPU13aにて設定し、カウント演算処理を行わせるタイマを更新する。なお、このタイマによる制御処理実行時間の経過に応じたタイミングで確定停止指示番号と前記当否判定における当たりの場合の大当たり移行指示番号が出力管理処理を介して送信される。
【0093】
従って、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるか否かは、例えば、当否判定用の抽選遊技処理と、0〜697個の「外れ用数値」に通常用当たりと対応付けられた「特別用数値」、及び該通常用当たりよりも有益な当たりとして対応付けられた「特集用数値」を含めた計700個から成る「乱数生成範囲」とを対応するように前記乱数更新処理において設定し、前述した特定入賞口2への遊技球の入賞時に応じたタイミングで更新された数値が乱数として読み出し取得され、該取得乱数が「特別用数値」又は「特殊用数値」となるかの当否判定の結果によって決定する。すなわち、該入賞を契機とした1/350の抽選確率で当たり判定となる場合に前記移行させる条件が満たされることとなる。
【0094】
また、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるための前記特別図柄の組み合わせ(例えば、左・中・右の特別図柄が同種の並び態様)を当たり停止表示の態様とした時、その一歩手前の未確定表示を所謂リーチ演出と称するが、そのようなリーチ演出等を含む、そ他の様々な報知演出の内容は、(a)前記当否判定された当たり又は外れの結果と、(b)前述した特定入賞口2に対する遊技球の入賞タイミングによって読み出される変動パターン決定用及び特別図柄決定用の取得乱数とに基づいて決定する。すなわち、前記図柄制御装置14aを介した可変表示装置34にてランダムに可変表示し得るようになる。
【0095】
なお、前記乱数発生手段により乱数の取得時点において、特別図柄制御による報知演出処理等の先行制御処理が行われていた場合には、主制御装置13のCPU13aは、該制御処理が終了するまで、読み出し結果である特別図柄制御に係る取得乱数又は前記表示態様の実行のための処理情報を記憶手段に記憶し、記憶したことを報知するために、乱数等の格納毎に特定保留数表示ランプ41を1つずつ点灯すべく、副制御装置14(ランプ制御装置14b)側へ送信する点灯命令情報を生成する。
【0096】
そして、可変表示している変動パターンの変動表示時間の推移を管理すべく設定しているカウント演算による更新をしているタイマに基づいて、主制御装置13のCPU13aが、停止表示の態様報知時間のタイミングに合わせて、記憶手段に記憶された不必要な取得乱数又は処理情報の削除を行うと共に、確定停止指示番号を送信した時に、特定保留数表示ランプ41を1つずつ消灯させる。すなわち、副制御装置14(ランプ制御装置14b)は、特定保留数表示ランプ41の点灯処理が行われている場合には、該確定停止指示番号を消灯命令処理情報として用いるようになる。
【0097】
なお、本実施形態では、前記取得乱数又は処理情報を記憶手段に記憶させる時に、記憶すべき該取得乱数又は処理情報の上限個数(例えば、5個)を予め定めておき、先行制御処理に係る取得乱数又は処理情報の記憶を含めた合計記憶個数が上限の場合、主制御装置13のCPU13aは、該取得乱数又は処理情報を生成する条件が満たされていても無効条件成立として、記憶する制御は行わず、特別図柄制御の当否判定も行わない。
【0098】
また、この特別図柄制御処理では、前記有利な遊技状態(大当たり遊技状態)に移行させるか否かの当否判定の結果が当たりとなり、この当たり結果を報知するため、前記特別図柄の組み合わせによる予め定められた停止表示の態様を実行する場合において、主制御装置13のCPU13aは、以下のような処理をする。すなわち、主制御装置13のCPU13aは、当たりに対応して、前記有利な遊技状態に移行させるために、(a)前記特別入賞口3に対して閉口するように備えさせていた可動扉45を開口状態とし、(b)該開口状態が所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞口3に対して所定個数(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかのいずれかの条件を満たすことを条件に、可動扉45を閉口制御し、さらに、(c)該開口状態中に入賞した遊技球のいずれかが特別入賞口3内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、可動扉45を連続的に開口状態とし、(d)前述と同様の条件成立の推移にて可動扉45を開閉することを、所定上限回数(例えば、16回)が達成されるまで繰り返すよう指示する処理情報を生成する。
【0099】
さらに、前記当否用の取得乱数と当否用比較数値のテーブルとの照合による当否判定時に、該取得乱数が「予め定められている特殊用数値(例えば、当たり確率上昇変動状態への移行と対応させた数値)」による当たりである、と判定された場合には、主制御装置13のCPU13aは、前記有利な遊技状態の終了後において用いるテーブルを、例えば、当選確率が1/350から1/75となるような当たり発生確率が高いテーブルへと参照テーブルを変更し、その後、前記特定入賞口2への入賞に基づく可変表示の回数が所定回数(例えば、10000回)となるまでか、又は特別図柄制御に係る当たりと判定される条件が満たされたら、変更前のテーブルに戻すように指示するための処理情報を生成する。このような処理情報で制御される遊技状態を特典遊技状態ということとする。
【0100】
また、前記特典遊技状態における別の実施形態として、1つの変動パターンに係る変動表示時間が通常遊技状態時と比較して短い変動パターンを設定したテーブルを設け、特殊乱数による当たりと判定された場合、主制御装置13のCPU13aは、該テーブルへと参照テーブルを変更し、前記特定入賞口2への入賞に基づく可変表示の回数が所定回数(例えば、10000回)となるまでか、又は、特別図柄制御に係る当たりと判定される条件が満たされたら、変更前のテーブルに戻すよう指示する処理情報を生成するようにしてもよい。すなわち、本発明においては、前記特典遊技状態の形態には拘らない。
【0101】
『普通図柄制御処理』
前記普通図柄制御処理は、遊技者にとって有利な遊技状態とする処理であり、所定通過口38近傍に設けられた通過球検知センサ47dからの入力情報を受信するのに応じて電子的な当否抽選を行い、当選の場合に前記特定入賞口2の入口両側に設けた可動片44を拡大して、その開口範囲を拡大させ、打ち出した遊技球を該特定入賞口2に入り易くする処理である。また、この普通図柄制御処理では、LED表示装置35で普通図柄と称される識別情報を表示制御する処理も行う。
【0102】
ここで、普通図柄とは、前記通過球検知センサ47dからの入力情報に応じた当否抽選の結果を可変表示又は点滅表示する所定数の識別情報(例:「○・−」→当選図柄、「−・×」→外れ図柄)である。抽選結果が当選の場合には、所定数の識別情報が予め定められた特定の組み合わせで停止した表示態様(例:「○・−」)となり、これにより、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、小当たり)に移行したことが報知される。係る遊技状態では、通常遊技状態と比較して、打ち出した遊技球が入賞し易い状態が単発的又は連続的に発生する。一方、抽選結果が外れの場合には、所定数の識別情報が、予め定められた特定の組み合わせ以外で停止した表示態様(例:「−・×」)となり、これにより、通常遊技状態が継続していることが報知される。なお、本発明においては、識別情報を表示制御するLED表示装置35の代わりに、前記可変表示装置34又はドラム式やドットマトリクス式の表示装置等でもよく、表示方法には拘らない。
【0103】
『ランプ管理処理』
前記ランプ管理処理は、前記入力管理処理にて生成する入賞処理情報等のランプ点灯に係る処理情報があるか否かを、タイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に応じて監視し、該ランプ点灯に係る処理情報がある場合に、その処理情報に対応した出力態様となる発光処理情報を生成する処理である。そして、主制御装置13のCPU13aは、前記生成した発光処理情報を副制御装置14側へ送信し、ランプ管理処理における点灯報知の出力態様とし実行するべく、該発光処理情報を記憶手段に記憶する。
【0104】
『出力管理処理』
前記出力管理処理とは、異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び準備球払出処理により生成された処理情報を、副制御装置14側へ送信するために、出力データを編集し、該処理情報の出力タイミングを通知するためのストローブ(STB)信号を伴わせて、該出力編集した記憶情報を送信する処理である。
【0105】
〔副制御装置の動作〕
次に、副制御装置14の動作について説明する。
【0106】
前記副制御装置14は、電源投入による起動開始時、初期設定を行い、必要確認事項のチェック処理を行う。そして、チェック処理結果が正常であれば、該副制御装置14におけるメインルーチン処理への移行を許可し、主制御装置13のCPU13aから送信された記憶情報である主制御起動開始情報等を受信する。
【0107】
なお、前記副制御装置14のメインルーチン処理とは、図柄制御装置14a、ランプ制御装置14b、音声制御装置14c、及び払出制御装置52のそれぞれに備えられたROMに予め格納された主要な制御プログラムを、周波数派生回路部13dで生成した定期的なタイミングパルス(例えば、4ミリ秒)に合わせて、読み込み更新、又は書き込み記憶、又は該記憶の削除等を含む制御実行処理を繰り返し実行する基本ルーチンのことである。以下、前記副制御装置14のメインルーチン処理における基本的な処理の一例について説明する。
【0108】
始めに、副制御装置14は、前記出力管理処理にて送信した処理情報を受信したか否かをタイミングパルスに応じて監視し、受信が行われている場合に記憶手段(例えば、RAM)に記憶する。次に、副制御装置14は、該受信した処理情報の解析処理を行い、どのような遊技状態における異常監視処理、特別図柄制御処理、普通図柄制御処理、ランプ管理処理、及び準備球払出処理のいずれかの処理情報(先行コマンド)で且つ、どのような出力態様を実行させる処理情報(後続コマンド番号)かの判別を行う。
【0109】
そして、副制御装置14は、該解析処理の結果に応じたフラグの設定、及び出力態様に係る制御処理実行時間に基づきカウント演算するタイマを設定し、予め定められた制御プログラムを格納する記憶手段(例えば、ROM)から、該解析処理の結果に応じた出力態様用の制御プログラムを読み出して実行する制御処理を行う。
【0110】
以下、処理情報を受信した場合の、図柄制御装置14aの動作について説明する。
【0111】
処理情報が特別図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号と、所定の可変表示領域に対し一時的な停止表示(微動表示を含む)をさせる当たり又は外れ用の複数の特別図柄番号(例えば、左・中・右の3つ)であった場合、図柄制御装置14aは、特別図柄制御用の通常遊技状態における当否に基づいて予め分類して記憶してある報知演出分類テーブルと、該変動パターン番号とを照合して比較することで当たり又は外れ用の報知演出分類テーブルを決定する。
【0112】
そして、図柄制御装置14aは、前記決定した報知演出分類テーブルに基づいて、該図柄制御装置14aに設けられた演出選択用乱数を更新する乱数発生手段から、前記変動パターン番号の受信に応じ読み出して記憶手段に記憶させた取得乱数との照合による比較により、当たり用の報知演出データ又は外れ用の報知演出データを設定する。
【0113】
また、図柄制御装置14aは、所定の可変表示領域に対し停止表示を行う複数種類の特別図柄がプログラムされている通常遊技状態用の特別図柄分類テーブルと、該複数の特別図柄番号との個別の照合による比較により、前記可変表示装置34にて停止表示を行う当たり又は外れ用の複数の特別図柄データのそれぞれを設定する。なお、特別図柄分類テーブルに格納された停止表示用の特別図柄は、一時的な停止を含むようにしてもよい。その後、図柄制御装置14aは、VDP50を介する可変表示装置34にて、該設定した報知演出データと複数の特別図柄データに応じた、可変表示及び停止表示の表示制御を行う。
【0114】
なお、図柄制御装置14aは、前記変動パターン番号と複数の特別図柄番号の送信又は受信に応じて、カウント演算による更新を行う前記主制御装置13又は副制御装置14のタイマによる、表示制御に係る処理実行時間の経過のタイミングに基づいて送信又は受信する確定停止指示番号に従って、可変表示の表示制御が行われた複数の特別図柄に対して停止表示の態様(例えば、左・中・右の並び態様)とする処理を行う。
【0115】
また、前記確定停止指示番号の受信時において、大当たり移行指示番号を受信していた場合、図柄制御装置14aは、遊技者にとって有利な遊技状態の報知演出データを設定し、前記停止表示の態様とした後に大当たり用の表示制御を行う。なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における情報であった場合には、図柄制御装置14aは、特別図柄制御に係る前記報知演出分類テーブル又は特別図柄分類テーブルに参照テーブルを変更し、該有利な遊技状態又は特典遊技状態の時に行う可変表示及び停止表示とする当たり又は外れ用の報知演出データ、及び当たり又は外れ用の複数の特別図柄データを設定する。
【0116】
また、図柄制御装置14aは、上記リーチ演出を行う場合、所定の1つの特別図柄を除く他の全ての特別図柄(例えば、左・中・右の特別図柄のうち左・右の特別図柄)を、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させるための前記特別図柄の組み合わせを構成する図柄(例えば、左・右が同種の特別図柄)で停止(以下、この停止時をリーチ発生時と称する)してから、前記所定の1つ特別図柄(例えば、中の特別図柄)を変動して停止する表示制御を行う。さらに、図柄制御装置14aは、前記リーチ発生時に前記スキップ判定装置61へリーチ発生信号を送信する。
【0117】
また、図柄制御装置14aは、変動表示開始時または変動表示中の特別図柄をスキップして瞬時に停止表示とするスキップ判定処理を行う。すなわち、スキップ判定装置61からスキップ実行指示信号を受信すると、図柄制御装置14aは、その時に実行している報知演出データを破棄し、複数の特別図柄データに応じた停止表示が直ぐに行われるように、VDP50を介して可変表示装置34の表示制御を行う。これにより、特別図柄の変動表示が強制的に終了する。
【0118】
また、前記当たり用の報知演出分類テーブルに記憶された当たり用の報知演出データには、前記外れ用の報知演出分類テーブルに記憶された外れ用の報知演出データと共通する演出データ(共通の演出データ)と共通しない演出データ(当たり専用の演出データ)とが含まれる。同様に、前記外れ用の報知演出分類テーブルに記憶された外れ用の報知演出データには、前記当たり用の報知演出分類テーブルに記憶された当たり用の報知演出データと共通する演出データ(前記共通の演出データ)と共通しない演出データ(外れ専用の演出データ)とが含まれる。さらに、前記共通する演出データは、当たり用の報知演出データの割合が比較的高い演出データ(当たり頻度の高い演出データ)と、当たり用の報知演出データの割合が比較的低い演出データ(当たり頻度の低い演出データ)とを含む。従って、当たり専用の演出データ又は当たり頻度の高い演出データ(以下、両者を含めて高信頼度の演出データと称する)が設定されると、大当たり遊技状態が発生する可能性が比較的高く、遊技者にとって信頼度(期待度)の高い演出の表示制御が行われ、外れ専用の演出データ又は当たり頻度の低い演出データ(以下、両者を含めて低信頼度の演出データと称する)が設定されると、大当たり遊技状態が発生する可能性が比較的低く、遊技者にとって信頼度(期待度)の低い演出の表示制御が行われる。
【0119】
また、図柄制御装置14aは、設定した演出データが高信頼度か低信頼度かを識別可能な信頼度情報(高信頼度を示す信頼度情報又は低信頼度を示す信頼度情報)を、前記リーチ発生信号に含めて前記スキップ判定装置61へ送信する。
【0120】
また、前記受信情報が、普通図柄制御用の通常遊技状態における当たり又は外れ用の変動パターン番号と、当たり又は外れ用の普通図柄番号であった場合には、図柄制御装置14aは、普通図柄制御用の通常遊技状態における遊技状態に応じて予め分類して記憶してある点滅演出分類テーブルと、該変動パターン番号とを照合して比較することで、当たり又は外れ用の変動表示データを設定する。
【0121】
また、図柄制御装置14aは、所定の点滅表示領域に対し停止表示させる普通図柄がプログラムされている通常遊技状態用の普通図柄分類テーブルと、該普通図柄番号との照合による比較により、前記LED表示装置35にて停止表示させる当たり又は外れ用の普通図柄データを設定する。
【0122】
なお、図柄制御装置14aは、前記変動パターン番号と普通図柄番号の送信又は受信に応じて、カウント演算による更新を行う主制御装置13又は副制御装置14のタイマによる、表示制御に係る処理実行時間の経過のタイミングに基づいて送信又は受信する確定停止指示番号に従って、点滅表示の表示制御が行われた普通図柄に対して停止表示の態様(例えば、「○・−」、又は「−・×」の点灯態様)とする処理を行う。
【0123】
また、前記確定停止指示番号の受信時において、小当たり移行指示番号を受信した場合は、図柄制御装置14aは、遊技者にとって有利な遊技となる状態の点滅演出データを設定し、前記停止表示の態様とした後に小当たり用の表示制御を行う。
【0124】
なお、該受信情報が、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技となる状態又は特典遊技状態における記憶情報であった場合には、図柄制御装置14aは、普通図柄制御に係る前記点滅演出分類テーブル又は特別図柄分類テーブルが参照するテーブルの変更を行い、該有利な遊技となる状態又は特典遊技状態の時に行う点滅表示する当たり又は外れ用の点滅演出データ、及び当たり又は外れ用の複数の特別図柄データを設定する。
【0125】
また、図柄制御装置14aは、前記スキップ判定装置61へ前記リーチ発生信号を送信した後、前記スキップ実行指示信号又は後述する判定終了信号を受信するまで、スキップ判定実行報知画像の表示制御を行う。このスキップ判定実行報知画像は、可変表示装置34の表示画面において、特別図柄の表示領域以外の所定の領域にウインドウ表示される。
【0126】
次に、スキップ判定装置61が行うスキップ判定処理について、図8フローチャートに基づき説明する。
【0127】
スキップ判定処理は、2つの特別図柄が停止したリーチ発生時から残りの1つの特別図柄が停止するまでの変動表示中(リーチ演出中)において、遊技者が遊技球の発射操作を継続しているか否かを判定し、発射操作を継続している場合に、スキップ実行指示信号を図柄制御装置14aに送信する処理である。
【0128】
スキップ判定装置61は、図柄制御装置14aからリーチ発生信号を受信すると、図8に示すスキップ判定処理を開始し、ステップS1において、受信したリーチ発生信号に含まれる信頼度情報に基づき、図柄制御装置14aが設定した演出データが高信頼度か低信頼度かを判別する。高信頼度と判別した場合にはステップS2へ進み、低信頼度と判別した場合にはステップS3へ進む。
【0129】
ステップS2では、高信頼度用のスキップ実行発射数N1を設定し、ステップS3では低信頼度用のスキップ実行発射数N2を設定する。高信頼度用のスキップ実行発射数N1は、低信頼度用のスキップ実行発射数N2よりも多い(N1>N2)。
【0130】
ステップ2またはステップS3で判定上限時間を設定すると、タイマをスタートし(ステップS4)、ステップS5へ進む。なお、ステップ判定装置61は、タイマが計時した時間を示す情報(判定実行時間情報)を所定時間毎に図柄制御装置14aへ送信する。
【0131】
ステップS5では、タイマの値(判定実行時間)が予め設定された判定上限時間以下であるか否かを判定し、判定上限時間以下と判定した場合には、ステップS6へ進む。なお、この判定上限時間は、高信頼度用のスキップ実行発射数N1の遊技球の発射に必要な最少時間よりも長い。
【0132】
ステップS6では、遊技球が発射されたか否か(発射球検知センサ62から発射球検知信号を受信したか否か)を判定し、遊技球が発射されたと判定した場合(発射球検知信号を受信した場合)には、ステップS7へ進み、発射数カウンタのカウント値を「1」増加し、ステップS8へ進む。なお、ステップ判定装置61は、発射数カウンタのカウント値を示す情報(発射数情報)を所定時間毎に図柄制御装置14aへ送信する。
【0133】
ステップS8では、発射数カウンタのカウント値(発射球数)が所定値(ステップS2又はステップS3で設定したスキップ実行発射数)に達したか否か(遊技者が遊技球の発射操作を継続したか否か)を判定し、スキップ実行発射数に達した(遊技者が遊技球の発射操作を継続した)と判定した場合には、ステップS9へ進む。
【0134】
また、ステップS6において遊技球が発射されていないと判定した場合、及びステップS8においてスキップ実行発射数に達していないと判定した場合には、それぞれステップS5へ戻る。
【0135】
ステップS9では、タイマ及び発射数カウンタをリセットして、ステップS10へ進む。ステップS10では、図柄制御装置14aへスキップ実行指示信号を送信した後、本処理を終了する。
【0136】
また、ステップS5において判定上限時間を超えていると判定した場合には、ステップS11へ進む。ステップS11では、タイマ及び発射数カウンタをリセットしてステップS12へ進む。ステップS12では、図柄制御装置14aへ判定終了信号を送信した後、本処理を終了する。
【0137】
すなわち、上記スキップ判定処理では、リーチ発生信号を受信してから判定上限時間以内にスキップ実行発射数以上の遊技球が発射された場合にはスキップ実行指示信号を、スキップ実行発射数以上の遊技球が発射されずに判定上限時間以内に達した場合には判定終了信号を、図柄制御装置14aへそれぞれ送信する。
【0138】
次に、スキップ判定装置61によるスキップ判定処理の実行中に図柄制御装置14aが行う上記スキップ判定実行報知画像の表示制御処理について説明する。
【0139】
図柄制御装置14aは、スキップ判定装置61へリーチ発生信号を送信することによってスキップ判定実行報知画像の表示制御処理を開始し、スキップ判定装置61からスキップ実行指示信号又は判定終了信号を受信することによって本処理を終了する。
【0140】
本処理では、スキップ判定を実行している旨を示す文字等(例えば、「スキップ判定実行中」などの文字)と、スキップ判定実行時間と、発射球数と、を含むスキップ判定実行報知画像の表示制御を行う。図柄制御装置14aは、スキップ判定装置61から判定実行時間情報を受信する度にスキップ判定実行時間を更新して表示し、発射数情報を受信する度に発射球数を更新して表示する。
【0141】
〔可動物制御装置の動作〕
次に、可動物制御装置17の動作を、可動片駆動装置、可動扉駆動装置、入賞領域振分駆動装置の動作に分けて説明する。
【0142】
『可動片駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の通常遊技状態における小当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2の開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を所定時間(例えば、0.2秒)拡大し、その後再び縮小するように、前記可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加する拡大実行処理を所定回数(例えば、1回)行うよう指示するためのコマンドを生成する。
【0143】
また、主制御装置13による処理において、普通図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態又は特典遊技状態における小当たり移行指示指示番号を生成した場合には、前記可動片駆動装置は、前記特定入賞口2に対して開口範囲を縮小させていた一対の可動片44を0.2秒から1.7秒へと長くして拡大して再び縮小するように、可動片駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を送電し、また、拡大実行処理を例えば1回から2回へと多くして行う指示をするコマンドを生成する。
【0144】
さらに、主制御装置13による処理において、ランプ管理制御又は賞球払出制御等からなる処理情報を生成するのに応じて、前記可動片駆動装置が、前記演出用移動物駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、適宜な変動状態となる演出動作を所定時間行うコマンドを生成する。
【0145】
『可動扉駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、特別図柄制御用の通常遊技状態又は特典遊技状態における大当たり移行指示番号を生成するのに応じて、前記可動扉駆動装置は、前記可動扉駆動装置に設けられたソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を送信する。そして、前記可動扉駆動装置は、前記特別入賞口3に対して閉口させていた可動扉45を作動させて開口状態とし、開口となってから所定時間(例えば、30秒)経過するか、又は該特別入賞口3に対して所定個数(例えば、10個)の遊技球を入賞させるかのいずれかの条件を満たしたら、再び閉口状態とする実行処理を行う指示をするコマンドを生成する。
【0146】
さらに、前記開口状態中に入賞させた遊技球のいずれかが特別入賞口3内に設けられた入賞特定領域を通過して、入賞特定領域検知センサ47cにて検知されたことを条件として、前記可動扉駆動装置は、可動扉45を再び閉口状態となるようにし、前記と同様の条件成立時に可動扉45を開閉することを所定上限回数が達成されるまで繰り返すように、ソレノイド等の駆動部に対して所定電圧を印加指示するコマンドを生成する。
【0147】
なお、前記可動扉駆動装置における開閉処理の実行中に、特別図柄制御用の遊技者にとって有利な遊技状態における大当たり移行指示番号が生成された場合には、該開閉処理が終了するまで、大当たり移行指示番号の生成に基づく制御処理は行われずに保留状態とする。
【0148】
『入賞領域振分駆動装置の動作』
主制御装置13による処理において、前記特別入賞口3を開口状態とするコマンドを生成するのに応じて、入賞領域振分駆動装置は、前記特別入賞口3内にある入賞領域振分物に設けられたソレノイド等の駆動物に対して所定電圧(例えば、12V)を印加し、特定入賞領域振分のシーソー運動となるように該開口状態中において可動させるコマンドを生成する。
【0149】
このように、本実施形態によれば、リーチ発生時から残りの1つの特別図柄が停止するまでの変動表示中において、遊技者は、遊技球の発射操作を継続する(判定上限時間以内にスキップ実行発射数以上の遊技球を発射する)ことによって、変動中の1つの特別図柄を強制的に停止表示させることができ、反対に、遊技球の発射操作を中断する(判定上限時間以内にスキップ実行発射数以上の遊技球を発射しない)ことにより、変動中の1つの特別図柄を強制的に停止表示させることなく継続して変動表示させることができる。すなわち、変動表示を愉しむよりも抽選結果を早期に知ることを優先して遊技を早く先に進めたい遊技者にとっては、遊技球の発射操作を中断せずに継続することが好ましく、この発射操作の継続によって、抽選結果を早期に知ることができる。反対に、抽選結果を早期に知ることよりも変動表示を愉しむことを優先して遊技を行いたい遊技者にとっては、遊技球の発射操作を中断することに対して抵抗感が少なく、この発射操作の中断によって、変動表示を強制的に停止させずに継続させることができる。
【0150】
すなわち、遊技者は、特別な操作入力を行うことなく、遊技球の発射操作の継続又は中断という遊技の実行に不可欠な動作の有無によって、特別図柄の変動表示の継続又は強制的な停止を選択することができる。
【0151】
また、リーチ発生時から判定上限時間以内に遊技球の発射数がスキップ実行発射数に達すると、変動表示は強制的に停止し、リーチ発生時から判定上限時間以内に遊技球の発射数がスキップ実行発射数に達しなければ、判定上限時間経過後に遊技球の発射が再開されても変動表示は強制的に停止せずに継続する。従って、遊技者は、リーチ発生時から判定上限時間経過後であれば、特別図柄の変動表示を継続しつつ、遊技球を発射させることができる。
【0152】
さらに、ステップ判定装置61が設定するステップ実行発射数は、図柄制御装置14aが高信頼度の演出データを設定した場合と低信頼度の演出データを設定した場合とで相違し、高信頼度の演出データを設定した場合(信頼度が高い演出が実行される場合)の方が低信頼度の演出データを設定した場合(信頼度が低い演出が実行される場合)よりも多い。すなわち、信頼度が高い演出が実行される場合には、信頼度が低い場合に比べて、多くの遊技球を発射しないとスキップが実行されない(特別図柄の変動表示が強制的に停止されない)。従って、遊技者は、信頼度が高い演出が実行されている場合、信頼度が低い演出が実行されている場合よりも遅い時期までにスキップを回避するか否かの判断を行えばよく、信頼度が高い演出を不用意にスキップしてしまうという不都合を回避し易い。
【0153】
なお、上記実施形態では、遊技者が遊技球の発射操作を継続しているか否かを、スキップ実行発射数以上の遊技球を発射しているか否かによって判定したが、これに代えて、タッチセンサ60(発射操作検知手段)が触れられた状態で球発射ハンドル10が所定時間以上継続して回転操作されているか否かを検知し、所定時間以上継続して回転操作されている場合に遊技者が遊技球の発射操作を継続していると判定してもよい。
【0154】
また、上記実施形態では、可変表示装置34に表示するスキップ判定実行報知画像によって、スキップ判定処理が実行されていることを遊技者に報知したが、これ以外の手段(例えば、スピーカ30からの音声、LED、ランプなど)によってこれを報知してもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、リーチ発生時にスキップ判定処理を開始したが、他のタイミング(例えば、3つの特別図柄のうちの1つが停止表示されたタイミング)でスキップ判定処理を開始してもよい。
【0156】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】本発明の実施形態となる遊技機の外観斜視図である。
【図2】図1に示す遊技機の背面斜視図である。
【図3】図1に示す遊技機の前面斜視図ある。
【図4】図1に示す遊技機の背面図である。
【図5】図1に示す遊技機の分解斜視図である。
【図6】図1に示す遊技機の分解斜視図である。
【図7】図1に示す遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】本実施形態のスキップ判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0158】
2…特定入賞口、7…遊技盤、10…球発射ハンドル(発射手段)、13…主制御装置(抽選手段)、13a…CPU、14…副制御装置、14a…図柄制御装置(停止時期決定手段、表示制御手段、報知手段)、31…遊技領域、34…可変表示装置(表示手段、報知手段)、60…タッチセンサ(発射操作検知手段)、61…スキップ判定装置(判定手段、発射数計数手段、計時手段)、62…発射球検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に操作されて遊技盤の遊技領域に遊技球を発射する発射手段と、
前記遊技盤に設けられた表示手段と、
所定の実行条件が成立したとき、遊技者にとって有利な遊技状態を生起するか否かの電子的な当否抽選を実行する抽選手段と、
複数の識別情報群のそれぞれの停止時期を決定する停止時期決定手段と、
前記表示手段に、前記複数の識別情報群をそれぞれ変動表示するとともに、変動表示している各識別情報群を、前記抽選手段の抽選結果に対応する確定識別情報で前記決定された停止時期にそれぞれ停止表示することにより、前記抽選結果を遊技者に報知する表示制御手段と、
前記表示制御手段が前記複数の識別情報群の少なくとも1つの変動表示を開始してから該複数の識別情報群の全てを停止表示するまでの変動表示中において、予め定められた所定のタイミング以降に遊技者が前記発射手段による遊技球の発射操作を継続しているか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記表示制御手段は、遊技者が発射操作を継続していると前記判定手段が判定したとき、前記決定された停止時期を無効として変動表示中の全ての識別情報群を前記確定識別情報で停止表示する
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の弾球遊技機であって、
前記所定のタイミングは、前記表示制御手段が、前記複数の識別情報群のうち1つの識別情報群を除く他の全ての識別情報群を、前記抽選手段の抽選結果が当選である可能性を有するリーチ態様の確定識別情報で停止表示したときであり、
前記表示制御手段は、遊技者が発射操作を継続していると前記判定手段が判定したとき、前記1つの識別情報群を前記確定識別情報で停止表示する
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機であって、
前記遊技領域に発射された遊技球の個数を前記所定のタイミングからカウントする発射数計数手段を備え、
前記判定手段は、前記発射数計数手段がカウントした遊技球の個数が予め定められた所定個数に達したとき、遊技者が発射操作を継続していると判定する
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の弾球遊技機であって、
前記所定のタイミングからの時間を計時する計時手段を備え、
前記判定手段は、前記計時手段が計時した時間が所定時間に達したとき、前記発射数計数手段がカウントした遊技球の個数が前記所定個数に達したか否かを判定し、前記所定個数に達しているとき遊技者が発射操作を継続していると判定し、前記所定個数に達していないとき遊技者が発射操作を継続していないと判定する
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機であって、
前記遊技者が前記発射手段を操作しているか否かを検知する発射操作検知手段を備え、
前記判定手段は、前記発射操作検知手段が前記所定のタイミングから所定時間以上継続して前記発射手段の操作を検知したとき、遊技者が発射操作を継続していると判定する
ことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載の弾球遊技機であって、
前記判定手段による判定が実行されていることを遊技者に報知する報知手段を備えた
ことを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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