弾球遊技機
【課題】外部からの不正なクレジット情報でクレジット数を加算させる不正行為を防止できる弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技球の入賞を検知する入賞検知手段B3と、入賞の検知に応じて所定のクレジットを付与するとともに送信したクレジット情報を記憶する入賞管理部B23と、入賞管理部からのクレジット情報を受信して付与されたクレジットを、発射可能な遊技球を付与する記憶クレジットに加算するとともに、受信したクレジット情報を記憶するクレジット情報管理部B24と、入賞検知手段により所定時間内に遊技球の入賞が遊技機内に封入された遊技球の数を超える回数検知された場合に、入賞管理部による送信クレジット情報とクレジット情報管理部における受信クレジット情報との整合性を確認して、クレジット情報管理部が入賞管理部からクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないかを検知する不正クレジット検知部B27とを備える。
【解決手段】遊技球の入賞を検知する入賞検知手段B3と、入賞の検知に応じて所定のクレジットを付与するとともに送信したクレジット情報を記憶する入賞管理部B23と、入賞管理部からのクレジット情報を受信して付与されたクレジットを、発射可能な遊技球を付与する記憶クレジットに加算するとともに、受信したクレジット情報を記憶するクレジット情報管理部B24と、入賞検知手段により所定時間内に遊技球の入賞が遊技機内に封入された遊技球の数を超える回数検知された場合に、入賞管理部による送信クレジット情報とクレジット情報管理部における受信クレジット情報との整合性を確認して、クレジット情報管理部が入賞管理部からクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないかを検知する不正クレジット検知部B27とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射装置から発射された遊技球を遊技領域内で落下させながら移動させて入賞具に入賞させる遊技を行うように構成された弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような構成の弾球遊技機は、パチンコ機等として従来から良く知られている。パチンコ機は、遊技者が遊技球を購入し、これを球皿上に投入した上で、発射ハンドルを操作して遊技を行うようになっている。具体的には、球皿に遊技球が投入されると、球皿に繋がる整列通路から遊技球が一球ずつ発射装置内に送り込まれ、遊技者の発射ハンドル操作に応じて、発射装置により遊技球が一球ずつ遊技領域内に発射されるように構成されている。このように発射されて遊技領域内に打ち出された遊技球は、遊技釘等に案内されて落下経路を変更しながら落下移動し、この移動の間において遊技領域内に設けられた入賞具に遊技球が入り込む、すなわち、入賞すると、この入賞に応じて所定の数の遊技球が賞球として球皿に払い出されるように構成されている。遊技者はこのようにして遊技を行い、払い出された賞球を貯めて、これを賞品と交換するというようなシステムとなっている。
【0003】
ところで、上記構成のパチンコ機等のような弾球遊技機では、遊技開始に先立って遊技球を購入して球皿に投入し、遊技により貯めた賞球を数えて、その数に応じて賞品を獲得するというシステムであるため、常に遊技球を用いた遊技となるが、多数の遊技球を必要とし、遊技球は鋼球からなり重いため、その扱いが面倒もしくは煩雑であるという問題がある。また、遊技球は遊技中に汚れたりするため、多数の遊技球の全てについて洗浄が必要となるという問題や、遊技中に遊技者が遊技球を落として遊技施設の床等に遊技球が散乱しがちであるという問題がある。
【0004】
このようなことから、遊技領域内での遊技球の落下移動に応じて入賞具へ遊技球を入賞させるという遊技形式を用いるが、遊技者側において遊技球を扱う必要をなくす形式の弾球遊技機、例えば、特許文献1に記載のように、封入循環式のパチンコ機が考えられている。このような封入循環式のパチンコ機においては、特許文献1に記載されているように、パチンコ機に併設された球貸し機に購入したカードを挿入し、カードに記録されている残高情報(遊技者が遊技できる遊技球の数)をクレジット(持ち球)に変換して、パチンコ機内に封入された所定の数の遊技球を当該クレジット数に対応する数だけ遊技領域内に打ち出すことが可能な構成となっており、これにより上述の問題の発生を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6‐170055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような封入循環式のパチンコ機等の弾球遊技機では、遊技領域内に設けられた入賞口に遊技球が入賞すると、その入賞に応じてクレジット情報を送信して所定数が賞球としてクレジット数(持ち球数)に加算されように構成されている。このように、正常な遊技では、入賞口への遊技球の入賞に応じてクレジット情報が送信されてクレジット数が加算されるものであるが、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為(ゴト行為)が存在し、このような不正行為を防止する策を講じることが必要であるという課題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができるような構成の弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的達成のために、本発明に係る弾球遊技機は、少なくとも一つの入賞口が設けられた遊技領域を有した遊技装置と、前記遊技領域内に遊技球を打ち出す発射装置と、前記発射装置により発射可能な遊技球を付与するためのクレジットを記憶するクレジット記憶手段とを備え、前記クレジット記憶手段に記憶されたクレジットに対応して前記発射装置から遊技球を発射する制御を行い、発射された遊技球を前記遊技領域内で落下させながら移動させて前記入賞口に入賞させる遊技を行うように構成される。そして、前記遊技領域内で落下移動して前記入賞口に入賞しなかった遊技球を流入させるアウト球口と、前記入賞口に入賞した遊技球および前記アウト口に流入した遊技球を集めて貯留する球貯留部と、前記球貯留部に貯留された遊技球を前記発射装置に供給する球供給部とを備え、前記発射装置により前記遊技領域内に発射されて遊技に使用された遊技球を、前記球貯留部に集めて前記球供給部により前記発射装置に供給し、再び前記遊技領域内発射する構成として、所定の数の遊技球を封入状態で循環使用するように構成される。その上で、前記入賞口への遊技球の入賞を検知する入賞検知手段と、前記入賞検知手段による前記遊技球の入賞の検知に応じてクレジット情報を送信して所定のクレジットを付与するとともに、送信したクレジット情報を記憶しておくクレジット付与手段と、前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報を受信して前記クレジット付与手段により付与されたクレジットを、前記クレジット記憶手段に記憶された記憶クレジットに加算して、前記記憶クレジットを更新するとともに、受信したクレジット情報を記憶しておくクレジット更新手段と、前記入賞検知手段により所定時間内に前記遊技球の入賞が遊技機内に封入された遊技球の数を超える回数検知された場合に、前記クレジット付与手段による送信クレジット情報と前記クレジット更新手段における受信クレジット情報との整合性を確認して、前記クレジット更新手段が前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないか否かを検知する不正クレジット検知手段とを備えて構成される。なお、上記クレジット情報とは、例えば、遊技球の入賞の検知に応じて送受信されるコマンドやクレジットの加算値に関する情報等に相当する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る弾球遊技機によれば、入賞口への遊技球の入賞に応じてクレジット情報を送信して所定のクレジットを付与し、このように付与されたクレジット情報を受信してクレジットを更新する構成の弾球遊技機において、遊技球の入賞回数が所定の回数になった場合に、送信クレジット情報と受信クレジット情報の整合性を確認することで、受信クレジット情報の中に不正なクレジット情報が含まれていないか否かを検知するように構成されているので、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機の正面図である。
【図2】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機の背面図である。
【図3】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機のガラス扉を開放した状態での正面図である。
【図4】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機に設けられた制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】上記制御装置による制御内容全般を示すフローチャートである。
【図6】上記制御装置によるカード情報管理処理を示すフローチャートである。
【図7】上記制御装置による球貸し処理を示すフローチャートである。
【図8】上記制御装置による発射球検知処理を示すフローチャートである。
【図9】上記制御装置による入賞球検知処理を示すフローチャートである。
【図10】上記制御装置によるファール球検知処理を示すフローチャートである。
【図11】上記制御装置によるクレジット提示更新処理を示すフローチャートである。
【図12】上記制御装置による不正クレジット検知処理を示すフローチャートである。
【図13】上記不正クレジット検知処理における送受信クレジット情報の整合確認の具体例について説明する図である。
【図14】上記送受信クレジット情報の整合確認の他の具体例について説明する図である。
【図15】上記制御装置による精算処理を示すフローチャートである。
【図16】上記不正クレジット検知処理の他の実施形態を示すフレーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る弾球遊技機を適用した封入循環式のパチンコ機PMの正面図および背面図を図1及び図2に示すとともに、ガラス扉を開放した状態でのパチンコ機PMにおける前枠の前面領域の正面図を図3に示しており、先ずこれらの図を参照してパチンコ機PMの全体構成について概要説明する。
【0012】
パチンコ機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
【0013】
前枠2の前面側には、前枠2の前面域に合わせた方形状のガラス扉5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス扉5の背後に位置する前枠2の前面側には、遊技盤20を着脱可能に収容する収容枠が設けられており、この収容枠の上部領域に遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5を通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。
【0014】
遊技盤20は、図3に示すように、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルータ加工した化粧板21を基板とし、その前面側に内外の案内レール22が円弧状に固設されて略円形の遊技領域PAが区画形成される。遊技領域PAには、多数本の遊技釘(図示せず)とともに風車23や各種の入賞具24,25,26、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる図柄表示装置28などの遊技構成部品が取り付けられている。また、遊技領域PAの下端部には、各入賞具に入賞せずに遊技領域PAを転動流下した遊技球を化粧盤21の裏面側に排出するアウト口27が設けられており、このアウト口27内にはアウト球を検出するための通過型センサからなるアウト球検知器27sが介装されている。
【0015】
一般入賞具(「一般入賞口」とも称する)24は、遊技球が落入可能な入賞口を有する固定入賞具であり、この入賞口に落入した遊技球は化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた通過型センサからなる一般入賞球検知器24sを通過することによって入賞が検出される。
【0016】
始動入賞具(「始動入賞口」とも称する)25は、図柄の変動開始の条件を定める入賞具であり、この入賞口に落入した遊技球は化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた始動入賞球検知器25sを通過することによって入賞が検出される。
【0017】
大入賞具(「大入賞口」とも称する)26は、いわゆるアタッカー型の可動入賞具であり、横長方形状の大入賞口を覆う開閉扉が開閉可能に取り付けられている。開閉扉は通常閉止されており、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉の上部が前方にほぼ90度倒されて大入賞口が開放される。大入賞口に落入した遊技球は化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた大入賞球検知器26sを通過することによって入賞が検出される。
【0018】
化粧板21の裏面側には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板41を収容した主制御基板ユニット41Uや、図柄表示装置28の作動を制御する演出制御基板42を収容した演出制御基板ユニット42Uが取り付けられるとともに、各入賞具24,25,26に落入して化粧板21の裏面側に導かれたセーフ球、及びアウト口27を通って化粧板21の裏面側に導かれたアウト球(これらを纏めて「遊技済み球」と称する)を、化粧板21の裏面に沿って前枠2の背面側下部に設けられた遊技球循環装置100へと導く球寄せカバー(図示せず)が取り付けられている。
【0019】
前枠2の前面下部には遊技盤20と上下に整合し得る遊技補助盤30と称される補助機構部が設けられており、この遊技補助盤30の各部に、遊技盤20に設けられた案内レール22を介して遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する発射機構31、この発射機構31から発射された遊技球を案内レール22へ導く発射レール部32、遊技領域PAに到達できずに案内レール22を戻ってくる遊技球(すなわちファール球)を回収するためのファール球戻り口33、前枠2裏面に配設された遊技球循環装置100から遊技球を発射レール部32の球着座部に1球ずつ供給するための球送り開口35などが設けられている。ここで、発射ハンドル7、発射機構31、及び発射レール部32などから遊技球発射装置50が構成されている。一方、この遊技補助盤30の背後に位置して前枠2の裏面側には、ファール球戻り口33に落下したファール球を検出するファール球検知器36s、発射機構31により遊技領域PAへ打ち出されて遊技盤20の裏面側に排出された遊技済み球及び遊技領域PAへ到達できずにファール球戻り口33に落入したファール球を球貯留部(図示略)に集めて貯留し、この球貯留部に貯留された遊技球を再び発射機構31に供給する遊技球循環装置100、この遊技球循環装置100から発射レール部32の球着座部に送出される遊技球を検出する発射球検知器37sなどが取り付けられている。遊技球循環装置100の詳細構成については後で詳述する。
【0020】
ガラス扉5は、図1に示すように、前枠2の前面に揺動開閉可能に取り付けられた窓枠6の背面側に、この窓枠6の窓口を閉止するようにしてガラスアッセンブリが取り付けられて構成されており、ガラス扉5の前面側下部には遊技球の発射操作を行うための発射ハンドル7が前方に突出して設けられ、その正面左側に位置して操作ユニット10が設けられている。この操作ユニット10には、遊技者の保有する持ち球数情報(遊技球の残高情報)を記録したカード(例えば、プリペイドカードなどの磁気カード)を投入するカード投入口11と、遊技者が必要とする要求球貸し数などの各種設定値を入力可能なテンキー12と、遊技者がパチンコ機正面側から押下操作可能な球貸しボタン13、スタートボタン14、及び精算ボタン15等の各種操作ボタンと、投入されたカードの残高を提示するカード残高提示部16a、遊技者の持ち球数(以下において「クレジット数」とも称する)を提示するクレジット提示部16b、及びその他のクレジットに関する情報を提示する予備クレジット提示部16cからなるクレジット提示装置16と、投入されたカードの読み取り・書き込み機能を有するカードリーダ・ライタ17などが取り付けられている。なお、ガラス扉5の前面側には発光ダイオード(LED)やランプ等の電飾装置や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生させるスピーカー等が適宜設けられるが、図1においてはこれらの図示を省略している。
【0021】
窓枠2の裏面側には、図2に示すように、外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの矩形枠状に形成された裏セット盤40が着脱可能に取り付けられている。裏セット盤40は、遊技盤20の背後に位置する上部領域に、前後連通して開口する大型の窓口開口40aを有している。裏セット盤40の背面側には、パチンコ機PM各部に電力を供給する電源基板43(電源基板ユニット43U)、遊技球発射装置50及び遊技球循環装置100による発射・球送制御(循環作動制御)を行うとともに遊技球のクレジット情報に関する制御等を行うクレジット制御基板44(クレジット制御基板ユニット44U)などが取り付けられている。また、裏セット盤40の窓口開口40a内に位置して遊技盤20の背面側には、前述したように、パチンコ機PMにおける制御の中枢を担う主制御基板41(主制御基板ユニット41U)、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出の制御を行う演出制御基板42(演出制御基板ユニット42U)などが取り付けられ、これらの制御基板とパチンコ機PM各部の電気・電子部品がコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成されている。
【0022】
以上のように構成されるパチンコ機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2やガラス扉5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供される。遊技者の所有するカードが操作ユニット10のカード投入口11に投入されると、その記録情報が内部のカードリーダ・ライタ17により読み取られてクレジット表示装置16のカード残高提示部16aにカード残高が表示され、この残高(持ち球数)を限度として遊技者の要求する球貸し数が球貸しボタン13の押下操作回数に応じて設定される(テンキー12により設定してもよい)。球貸しボタン13が押下操作されると、要求球貸し数(クレジット数)が数値としてクレジット提示部16bに表示され、これに応じた個数の遊技球が遊技者に対して貸し出され、中央のスタートボタン14の押下操作をもって遊技球を発射し得る状態、すなわち遊技が開始可能な状態になる。発射ハンドル7が回動操作されると、遊技球循環装置100に貯留された遊技球(機内に所定個数封入された遊技球)が1球ずつ遊技補助盤30の発射レール部32に送り出され、発射機構31により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
【0023】
このパチンコゲームでは、発射機構31により打ち出された遊技球は、入賞球、アウト球、ファール球のいずれかとして検出されたのち遊技球循環装置100に回収・貯留され、発射機構31における打球位置(発射レール部32の球着座部)に再び供給されて発射され、以後循環使用されることになる。クレジット提示部16bにおいては、これに提示されるクレジット数が遊技の展開状況(遊技球の発射、入賞など)に応じて適時加減算されながら変動表示され、パチンコ機PMの正面側から遊技者がいつでも現在のクレジット数を視覚的に確認できるようになっている。このように遊技の展開状況に応じてクレジット数は加算又は減算されて変動されるが、クレジット数が「0」に至るまで、あるいは、遊技者によって操作パネル10上の精算ボタン15が押下操作されるまでは、遊技者は遊技を続行することが可能である。
【0024】
次に、このパチンコ機PMにおける制御装置の基本構成を、図4に示すブロック図を参照して説明する。制御装置は、主制御基板41、演出制御基板42、電源基板43、クレジット制御基板44等から構成されるコントロールユニットCUを有し、各種の作動制御を行うものである。以下においては、遊技球が遊技領域PA内に打ち出されたときにおける遊技球の入賞等に伴う払出制御関連を行う制御装置のシステム構成を説明するが、演出制御基板42による図柄表示装置28での演出表示制御、遊技領域PA内や、ガラス扉5の前面側に設けられた電飾装置による電飾制御、スピーカーによる遊技の展開状況に応じた効果音の発生制御、および、電源基板43によるパチンコ機PM各部への電力供給制御については、本願発明と関連しないため、それらの説明を省略する。
【0025】
図4に示す制御装置は、コントロールユニットCUに種々の装置を接続して構成される。具体的には、発射球検知手段B1(発射球検知器37s)、ファール球検知手段B2(ファール球検知器36s)、入賞検知手段B3(一般入賞球検知器24s、始動入賞球検知器25s、大入賞球検知器26s等)、アウト球検知手段B4(アウト球検知器27s)といった遊技球を検知する手段がコントロールユニットCUに接続されて、それらの検知信号を送出する。
【0026】
コントロールユニットCUには、さらに、カードリーダ・ライタ手段B11(カードリーダ・ライタ17)、カード残高提示手段B12(カード残高提示部16a)、操作手段B13(テンキー12、球貸しボタン13、スタートボタン14、精算ボタン15)、クレジット提示手段B14(クレジット提示部16b)、遊技球発射手段B15(遊技球発射装置50)、遊技球循環手段B16(遊技球循環装置100)が接続されている。
【0027】
コントロールユニットCUは、循環球管理部B21、カード情報管理部B22、入賞管理部B23、クレジット情報管理部B24、クレジット提示更新部B25、循環制御部B26、不正クレジット検知部B27を備えている。
【0028】
循環球管理部B21は、発射球検知手段B1、ファール球検知手段B2、入賞検知手段B3およびアウト球検知手段B4により検知される遊技球の移動検知に基づいて、球詰まりの有無や、遊技領域PA内に居る遊技球の数を監視し、遊技機の内部で遊技球がスムーズに循環しているか否かを監視する。
【0029】
カード情報管理部B22は、カードの投入の有無や、このカードに書き込まれている遊技データ(クレジット情報など)の管理や演算処理およびその提示、遊技終了時におけるカード処理等を行う。例えば、カードリーダ・ライタ手段B11によりカード投入口11にカードが投入されたか否かを監視し、カードが投入されたときには、カードリーダ・ライタ17により、このカードに記憶されているクレジット情報を読み取り、且つ、必要に応じてカードにクレジット情報等を書き込み、カードを排出する処理を行う。また、操作手段B13の操作内容等に応じて、球貸し数の設定、貸し出し、クレジットの精算処理等を行うとともに、これらの処理を受けた現在のカードの残高情報をカード残高提示手段B12に提示させる。
【0030】
入賞管理部B23は、入賞検知手段B3(一般入賞球検知器24s、始動入賞球検知器25s、大入賞球検知器26s等)から各入賞具24,25,26等への遊技球の入賞情報を受け、各入賞具24,25,26等に対応するクレジット情報を送信してクレジットを付与する処理を行う。また、入賞管理部B23は、送信したクレジット情報をメモリB23bに記憶させる。
【0031】
クレジット情報管理部B24は、発射球検知手段B1、ファール球検知手段B2、入賞検知手段B3により遊技球が検知されると、その検知毎に対応するクレジット情報を受信して持ち球数(クレジット数)を演算部B24aにより演算させ、メモリB24bに演算部B24aによる演算結果を記憶させる。また、クレジット情報管理部B24は、受信したクレジット情報もメモリB24bに記憶させるようになっている。
【0032】
クレジット提示更新部B25は、発射球検知手段B1により遊技球の発射が検知されたときから所定時間が経過するまでは発射検知時にメモリB24bに記憶されているクレジット数(持ち球数)をクレジット提示手段B14に提示させ、前記所定時間が経過したときにはその時点でメモリB24bに記憶されているクレジット数(持ち球数)に変更してクレジット提示手段B14に提示させる。
【0033】
循環制御部B26は、遊技球発射手段B15により遊技球を遊技領域PA内に発射させるとともに、遊技球循環手段B16によりこの遊技領域PA内に発射されて遊技に使用された遊技球を回収して遊技球発射手段B15に供給して、再び遊技領域PA内に発射可能となるように循環させる。
【0034】
不正クレジット検知部B27は、遊技球の入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認して、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないか否かを検知する。そして、不正クレジット検知部B27は、クレジット情報管理部B24が不正クレジット情報を受信したことを検知すると、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行う。なおこのとき、発射機構31による遊技球の発射を規制するなどして、遊技を中断させるようにしてもよい。
【0035】
このような構成の制御装置による具体的な制御内容について、図5〜図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
図5は、このパチンコ機PMのメインフローチャートである。制御装置は、パチンコ遊技機PMの稼働中、カード情報管理処理S10、球貸し処理S20、発射球検知処理S30、入賞球検知処理S40、ファール球検知処理S50、クレジット提示更新処理S60、不正クレジット検知処理S80、精算処理S70等の処理を繰り返し実行する。
【0037】
まず、カード情報管理処理S10について、図6を参照して説明する。パチンコゲームに際しては、まずカードがカード投入口11へ投入されると、カードリーダ・ライタ17によりカードに記録された識別番号等が読み取られ(ステップS11)、制御装置により当該カードが有効か否かの判定処理が行われる(ステップS12)。この処理では、例えば当該カードが偽造品であるか否か、有効期限切れか否かなど、球貸しを受け得るカードであるか否かについての判定を行う。そして、球貸しを受け得るカードではないと判定した場合は、このカードをカード投入口11から排出する(ステップS13)。
【0038】
一方、球貸しを受け得るカードであると判定した場合、そのカードに記憶されているクレジット情報(カード残高)がカード残高提示部16aに提示されるとともに、遊技者は球貸しボタン13と精算ボタン15のいずれかを選択して押下することが可能となる。
【0039】
ここで、遊技者が精算ボタン15を押下することなく(ステップS14)、球貸しボタン13を押下操作した場合(ステップS15)、この球貸しボタン13の操作回数に応じて球貸し数が設定されるとともに(ステップS16)、カード残高提示部16aにはこの設定された球貸し数に対応する度数を差し引いたカード残高が提示される(ステップS17)。なお、球貸し数の設定方法については、上記の方法に限定されず、例えばテンキー12で所望の球貸し数を直接入力して設定できるようにしてもよい。
【0040】
一方、遊技者が精算ボタン15を押下操作した場合(ステップS14)、その時点での(後述する精算処理S70の処理結果を受けて)持ち球数等の遊技データをカードリーダ・ライタ17によりカードに書き込んだ後(ステップS18)、カードをカード投入口11から排出する(ステップS19)。
【0041】
次に、球貸し処理S20について、図7を参照して説明する。この処理は、ステップS16にて球貸し数の設定が行われると、これに同期して実行されるものである。本実施形態では、完全クレジット式のパチンコ機を想定しており、実際に遊技球の払い出し(球貸し)を受ける代わりに、これがクレジット数(持ち球数)に換算されて、当該パチンコ機PMにクレジットされるようになっている。例えば、遊技者に貸し出された球数が25個であれば、これがクレジット数「25」に換算される。
【0042】
このように球貸し数が設定された後に(ステップS21)、遊技者がスタートボタン14を押下操作した場合(ステップS22)、(制御装置にプログラムされた不図示の)持ち球数カウンタの値が当該クレジット数「25」だけ加算され(ステップS23)、このときの持ち球数カウンタの値はメモリB24bに記憶される(ステップS24)。また、これと同期又は追従して、クレジット提示処理が行われ、メモリB24bに記憶された情報、つまり新たにクレジットされたクレジット数「25」を反映した合計のクレジット数がクレジット提示部16bに提示される(ステップS25)。なお、遊技継続中に球貸しを受ける場合、スタートボタン14を操作することなく、球貸しボタン13のみを押下操作するだけで、この球貸しボタン13の操作回数に応じた球貸しが受けられる(クレジット数が加算される)ようにしてもよい。
【0043】
例えば、遊技開始前に球貸しを受ける場合、その時点での遊技者の持ち球数が「0」であれば、このときパチンコ機PMに新たにクレジットされたクレジット数「25」が、そのままクレジット提示部16bに「25」として提示される。これに対し、遊技継続中に球貸しを受ける場合、その時点での遊技者の持ち球数が「75」であれば、このときパチンコ機PMに新たにクレジットされたクレジット数「25」を加えた合計のクレジット数「100」が、クレジット提示部16bに提示される。
【0044】
なお、ステップS22において遊技者がスタートボタン14を押下操作した場合、遊技球循環装置100により発射機構31における打球位置に遊技球が供給され、パチンコゲームが開始可能な状態となる。この後、遊技者は、パチンコ機PMに設けられた発射ハンドル7を操作して、遊技球を遊技領域PA内に発射させることで、上記したようにクレジットされたクレジット数(持ち球数)の範囲内で遊技を行うことができる。
【0045】
一方、遊技者が球貸しボタン13の押下操作しなかった場合(ステップS21)、或いは球貸しボタン13を押下操作したもののこれに続けてスタートボタン14を押下操作しなかった場合(ステップSS22)は、本処理S20を終了する。
【0046】
発射球検知処理S30について、図8を参照して説明する。この発射球検知処理S30では、発射機構31により遊技領域PA内へ発射された遊技球が、発射球検知器37sによって1個ずつ検知されると(ステップS31)、その検知毎に、持ち球数カウンタの値(すなわち、メモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数))から当該発射球数に対応して「1」ずつ減算され(ステップS32)、「1」ずつ減算された後の持ち球数カウンタの値がメモリB24bに更新記憶される(ステップS33)。
【0047】
入賞球検知処理S40について、図9を参照して説明する。この処理では、遊技領域PAに発射された遊技球が、各入賞具24,25,26のいずれかに入賞すると、それらが各入賞球検知器24s,25s,26sにより検知される(ステップS41)。そして、検知された入賞具24,25,26の種類に対応する値(賞球数)が、持ち球数カウンタの値(すなわち、メモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数))に当該賞球数に対応して加算され(ステップS42)、この賞球数が加算された後の持ち球数カウンタの値がメモリB24bに更新記憶される(ステップS43)。
【0048】
なお、上記の賞球数は、各入賞具24,25,26の種類に応じて設定されている。例えば、一般入賞具24に入賞した場合の賞球数は「15」であり、この賞球数がクレジットへ加算される。また、始動入賞具25に入賞した場合の賞球数は「3」であり、この賞球数がクレジットへ加算される。また、大入賞具26に入賞した場合の賞球数は「12」であり、この賞球数がクレジットへ加算される。
【0049】
このように発射機構31によって遊技球が発射され、発射球検知器37sによって1個ずつ検知される毎に、当該パチンコ機PMにクレジットされているクレジット数から「1」ずつ減算されていく。また、発射球が入賞すると、その入賞具(例えば、一般入賞具24、始動入賞具25、大入賞具26など)の種類に対応する値(賞球数)がクレジット数に加算されていく。そして、所定の精算条件が成立するまで、例えば遊技者によって精算ボタン15が押下されるか、或いは、クレジット数が「0(ゼロ)」になるまで、遊技を行うことができる。
【0050】
なお、各入賞具24,25,26に入賞した遊技球、および、各入賞具24,25,26のいずれにも入賞することなく遊技領域PAを落下してアウト口27から排出された遊技球は、遊技盤20の裏面側に導かれた後、遊技球循環装置100へ導入され、再び発射機構31の打球位置に送られることで、再び遊技領域PAへ発射可能に循環されている。
【0051】
ファール球検知処理S50について、図10を参照して説明する。このファール球検知処理S50では、発射機構31により発射されたものの、遊技領域PAへ到達しないで戻って来た遊技球(ファール球)が、ファール球検知器36sによって1個ずつ検知されると(ステップS51)、その検知毎に、持ち球数カウンタの値(すなわち、メモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数))に当該ファール球数に対応して「1」ずつ加算され(ステップS52)、「1」ずつ加算された後の持ち球数カウンタの値がメモリB24bに更新記憶される(ステップS53)。
【0052】
クレジット提示更新処理S60について、図11を参照して説明する。この処理では、発射球検知器37sにより遊技球の発射が検知された場合(ステップS61)、この検知されたときから予め定められた提示遅延時間が経過したか否かの判定処理を行う(ステップS62)。ここで、提示遅延時間が経過していないと判定された場合、この提示遅延時間が経過するまでは発射検知時にメモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット)を、クレジット提示部16bに提示する(ステップS63)。一方、提示遅延時間が経過したと判定された場合(ステップS62)、提示遅延時間が経過したときにメモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット)に更新して提示する(ステップS64)。
【0053】
なお、上記の提示遅延時間として、遊技球が発射機構31によって遊技領域PA内へ発射されたときに、この遊技球が発射球検知器37sにより検知されてから、この発射球が遊技領域PAへ到達せずファール球となって戻った場合に、ファール球検知器36sによりこのファール球が検知されるまでの予想所要時間、例えば0.6秒〜1秒程度の範囲で設定することが好ましい。これにより、発射されたがファール球となる場合、提示遅延時間の間において、発射検知によるクレジット数の減少がファール球検知によるクレジットの増加と相殺されることとなり、提示されているクレジット数の増減はないものとして提示される。もし提示遅延時間が設定されていないと、発射球検知時にクレジット数が1個減少提示され、続いてファール球検知時にクレジットが1個増加するという提示となるため、提示クレジットが短時間の間に増減表示されて見難くなるのであるが、このような増減表示がなくなるため、遊技者は持ち球数の状況が理解し易くなり、遊技をより楽しむことができる。
【0054】
不正クレジット検知処理S80について、図12を参照して説明する。この処理では、各入賞球検知器24s,25s,26sのいずれかにより遊技球の入賞が検知された場合(ステップS81)、この入賞により入賞回数が予め設定された不正検知到来回数Nに達したか否かの判定処理を行う(ステップS82)。ここで、入賞回数が不正検知到来回数Nに達したと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認する(ステップS83)。一方、いずれの入賞球検知器においても遊技球の入賞が検知されていない場合、もしくは入賞回数が不正検知到来回数Nに達していないと判定された場合は、本不正クレジット検知処理S80を終了する。
【0055】
ステップS83における送受信クレジット情報の整合確認は、例えば、図13に示すように、送受信したクレジット数の加算値について、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24にそれぞれ記憶されている値が一致しているか否かを確認する。図14に示す例では、不正検知到来回数Nが「3回」に設定されている。まず、最初の入賞では、入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に「クレジット数に10加算」というクレジット情報(賞球コマンド)が送信され、入賞管理部B23のメモリB23bにおいて入賞クレジット総数「10」が記憶され、クレジット情報管理部B24のメモリB24bにおいては、入賞検知時に記憶されているクレジット数(以下、入賞時クレジット数と称する)n1に加算クレジット数「10」を加算した更新クレジット数とともに、加算クレジット総数「10」が記憶される。
【0056】
2回目の入賞では、入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に「クレジット数に5加算」というクレジット情報(賞球コマンド)が送信され、入賞管理部B23(メモリB23b)において入賞クレジット総数「15」が記憶され、クレジット情報管理部B24(メモリB24b)において入賞時クレジット数n2に加算クレジット数「5」を加算した更新クレジット数および加算クレジット総数「15」が記憶される。3回目の入賞では、「クレジット数に3加算」というクレジット情報が送信され、入賞管理部B23において入賞クレジット総数「18」が記憶され、クレジット情報管理部B24において入賞時クレジット数n3に加算クレジット数「3」を加算した更新クレジット数および加算クレジット総数「18」が記憶される。
【0057】
そして、入賞回数が不正検知到来回数Nとして設定された3回になると、不正クレジット検知部B27において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された入賞クレジット総数とクレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された加算クレジット総数とが一致した値であるか否かの判定を行う。図13の場合には各クレジット総数がともに「18」で一致した値であるため、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正なクレジット情報を受信しておらず正常であると判定される。これに対し、クレジット情報管理部B24が外部から不正なクレジット情報を受信した場合、クレジット情報管理部B24に記憶された加算クレジット総数が入賞管理部B23に記憶された入賞クレジット総数よりも大きくなる、すなわちクレジット情報管理部B24が実際にクレジット数に加算した値が入賞管理部B23から指令された指令値よりも大きくなるため、クレジット管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正なクレジット情報を受信したことがわかり、異常であると判定される。
【0058】
このような送受信クレジット情報の整合確認において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された送信クレジット情報とクレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された受信クレジット情報とが一致した値であると判定された場合(ステップS84)、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24のメモリに記憶されていた各クレジット情報をクリアし(ステップS85)、次回の不正クレジット検知処理における不正検知到来回数Nを例えば1〜10で抽選して設定する(ステップS86)。一方、送受信クレジット情報が一致した値でないと判定された場合、すなわちクレジット情報管理部B24が外部から不正なクレジット情報を受信したと判定された場合、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行う(ステップS87)。
【0059】
なお、ステップS83における送受信クレジット情報の整合確認は、例えば、図14に示すように、送受信した入賞クレジット情報(入賞コマンド)の数について、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24にそれぞれ記憶されている数が一致しているか否かを確認するようにしてもよい。図14に示す例でも、不正検知到来回数Nが「3回」に設定されている。なお、図14において、コマンドAが遊技球の入賞に応じて入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に送信される入賞クレジット情報(入賞コマンド)であり、コマンドBが遊技球の発射検知やファール検知等に応じて送信されるクレジット情報(入賞コマンド以外のコマンド)である。
【0060】
まず、図14に「第1チェックポイント」として示すように、入賞回数が不正検知到来回数Nとして設定された3回になると、すなわち入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が3回送信されると、不正クレジット検知部B27において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された送信クレジット情報に含まれる入賞クレジット情報の数と、クレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された受信クレジット情報に含まれる入賞クレジット情報の数とが一致した数であるか否かの判定を行う。この「第1チェックポイント」の場合には、入賞管理部B23から3個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が送信され、クレジット情報管理部B24でも3個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が受信されており、各入賞クレジット情報の数が一致しているため、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正なクレジット情報を受信しておらず正常であると判定される。そして、上述したように、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24のメモリに記憶されていた各クレジット情報(送受信コマンド)がクリアされる。
【0061】
その後、図14に「第2チェックポイント」として示すように、再び入賞回数が不正検知到来回数Nとして設定された3回になると、不正クレジット検知部B27において、入賞管理部B23(メモリB23b)およびクレジット情報管理部B24(メモリB24b)にそれぞれ記憶された入賞クレジット情報(入賞コマンド)の数が一致した数であるか否かの判定を行われるが、この「第2チェックポイント」までの間に、外部から不正な入賞クレジット情報が送信され、この入賞クレジット情報をクレジット情報管理部B24が受信したものとする。この場合には、入賞管理部B23から3個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が送信されたにもかかわらず、クレジット情報管理部B24では4個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が受信されており、この送受信された入賞クレジット情報(入賞コマンドA)の数が相違しているため、クレジット管理部B24が入賞管理部B23から送信された入賞クレジット情報以外の不正な入賞クレジット情報を受信したことがわかり、異常であると判定される。そして、上述したように、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知が行われる。
【0062】
精算処理S70について、図15を参照して説明する。この処理では、遊技者が精算ボタン15を押下した場合(ステップS71)、精算条件が成立し、制御装置により、発射ハンドル7を操作しても発射機構31が作動しなくなり、発射機構31による遊技球の発射を停止させる(ステップS73)。なお、ゲームを続行する場合には、再度球貸しボタン13を操作すればよい。
【0063】
ここで、所定の精算条件が成立した後にファール球や入賞の検知の可能性があるため、この精算条件が成立してから所定時間(例えば、10秒間)経過した後に、その時点でメモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数)の情報がカードリーダ・ライタ17に送信される(ステップS74)。そして、このクレジット情報を送信する処理が終了したとき、当該クレジット数はリセットされる。
【0064】
例えば、この段階で、貸し球数「25」+賞球数「30」−発射球数「11」なる演算によって、遊技者の所有する持ち球数(クレジット数)が「44」である場合、当該持ち球数(クレジット数)がカードリーダ・ライタ17に送信されることになる。また、上記のような待機処理によって、ファール球や入賞が検知された場合には、それに応じた値が持ち球数カウンタに加算されるので、かかる加算分を加えた持ち球数(クレジット数)情報が、カードリーダ・ライタ17に送信されることになる。
【0065】
また、(遊技者が精算ボタン15を押下操作したのではなく(ステップS71))遊技によって持ち球数(クレジット数)が「0」になった場合(ステップS72)も、精算条件が成立し、その後の処理は上記と同様の処理S73,S74となる。この場合も、ゲームを続行するためには、再度球貸しボタン13を操作すればよい。
【0066】
以上のように、本実施形態に係るパチンコ機PMによれば、入賞回数が不正検知到来回数Nに達したと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認するように構成されているので、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23以外から送信された不正なクレジット情報を受信したことを確実に検知することができ、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができる。また、送受信クレジット情報の整合性を確認する条件である不正検知到来回数N(入賞回数)を毎回抽選によりランダムに設定するように構成されているので、不正検知のタイミングがランダムになるため、この不正検知を逃れようとするような不正行為も防止することができる。
【0067】
次に、不正クレジット検知処理の他の実施形態について、図16を参照して説明する。この不正クレジット検知処理S80′では、各入賞球検知器24s,25s,26sのいずれかにより遊技球の入賞が検知された場合(ステップS81′)、この処理における最初の入賞検知から所定時間内に、不正検知到来回数N′を超えたか否かの判定処理を行う(ステップS82′,83′)。ここで、入賞回数が所定時間内に不正検知到来回数N′を超えたと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認する(ステップS84′)。なお、この整合確認は、上記実施形態と同様に、例えば図14,15に示したように行われる。一方、いずれの入賞球検知器においても遊技球の入賞が検知されていない場合、もしくは入賞回数が所定時間内に不正検知到来回数N′を超えていないと判定された場合は、本不正クレジット検知処理S80′を終了する。
【0068】
なお、送受信クレジット情報の整合性を確認する条件である不正検知到来回数N′(入賞回数)は、パチンコ機PM内に封入された遊技球の数に基づいて設定される。さらに、この不正検知到来回数N′および上記所定時間は、発射機構31から遊技球が何秒間隔で発射されるか(発射機構31の発射能力)、遊技領域PAに居る遊技球の数および遊技領域PAの盤面構成等に基づいて設定される。例えば、パチンコ機PM内に遊技球が20球封入されており、発射機構31が0.6秒間隔で遊技球を発射する場合には、上記所定時間が12秒に設定され、不正検知到来回数N′が21回に設定される、つまり、12秒間に21回の入賞が検知された場合に、送受信クレジット情報の整合性を確認するように構成される。なお、遊技領域PA内に居る遊技球の数は、発射球検知手段B1、ファール球検知手段B2、入賞検知手段B3およびアウト球検知手段B4により検知される遊技球の移動検知に基づいて監視することができる。
【0069】
ステップS84′において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された送信クレジット情報とクレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された受信クレジット情報とが一致した値であると判定された場合(ステップS85′)、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24のメモリに記憶されていた各クレジット情報をクリアする(ステップS86′)。一方、送受信クレジット情報が一致した値でないと判定された場合、すなわちクレジット情報管理部B24が外部から不正なクレジット情報を受信したと判定された場合、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行う(ステップS87′)。
【0070】
なお、ステップS82′,83′において、入賞回数が所定時間内に不正検知到来回数N′を超えたと判定された場合に、ステップS84′における送受信クレジット情報の整合性の確認をとばして、直ちに図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行うように構成してもよい。このように構成した場合には、遊技球に釣り糸等を取り付けた遊技球を遊技領域PA内に侵入させて、この遊技球を入賞具に入賞させ、釣り糸等を操作することでこの遊技球を入賞検知器に何度も検知させて、多数のクレジットを加算させるような不正行為も確実に検知することができ、このような不正行為を抑止することができる。
【0071】
このような実施形態に係るパチンコ機PMによれば、入賞回数が、所定時間内に、パチンコ機内に封入された遊技球の数に基づいて設定された不正検知到来回数N′を超えたと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認するように構成されているので、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23以外から送信された不正なクレジット情報を受信したことを確実に検知することができ、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができる。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。例えば、上記実施形態では、クレジットの提示は、操作ユニット10に設けられたクレジット提示装置16において行われているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる図柄表示装置28において行うように構成してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、カード投入口11、テンキー12、球貸しボタン13およびカードリーダ・ライタ17等からなるカードユニットをパチンコ機PMと一体に設けた構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、カードユニットを、パチンコ機PMとは別の装置としてパチンコ機PMに隣接して併設し、このカードユニットとパチンコ機PMの相互間のやりとりで、上記のようなクレジットに関する制御を行うように構成してもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、封入循環式のパチンコ機に例に挙げて説明したが、弾球遊技機であれば、封入循環式のパチンコ機以外の遊技機にも適用することが可能である。例えば、払い出し方式のパチンコ機、雀球遊技機やアレンジボール機等においても、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
PM パチンコ機
PA 遊技領域
B1 入賞検知手段
CU コントロールユニット
B14 クレジット提示手段
B23 入賞管理部(クレジット付与手段)
B24 クレジット情報管理部(クレジット更新手段)
B27 不正クレジット検知部(不正クレジット検知手段)
24 一般入賞具
25 始動入賞具
26 大入賞具
31 発射機構(発射装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、発射装置から発射された遊技球を遊技領域内で落下させながら移動させて入賞具に入賞させる遊技を行うように構成された弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような構成の弾球遊技機は、パチンコ機等として従来から良く知られている。パチンコ機は、遊技者が遊技球を購入し、これを球皿上に投入した上で、発射ハンドルを操作して遊技を行うようになっている。具体的には、球皿に遊技球が投入されると、球皿に繋がる整列通路から遊技球が一球ずつ発射装置内に送り込まれ、遊技者の発射ハンドル操作に応じて、発射装置により遊技球が一球ずつ遊技領域内に発射されるように構成されている。このように発射されて遊技領域内に打ち出された遊技球は、遊技釘等に案内されて落下経路を変更しながら落下移動し、この移動の間において遊技領域内に設けられた入賞具に遊技球が入り込む、すなわち、入賞すると、この入賞に応じて所定の数の遊技球が賞球として球皿に払い出されるように構成されている。遊技者はこのようにして遊技を行い、払い出された賞球を貯めて、これを賞品と交換するというようなシステムとなっている。
【0003】
ところで、上記構成のパチンコ機等のような弾球遊技機では、遊技開始に先立って遊技球を購入して球皿に投入し、遊技により貯めた賞球を数えて、その数に応じて賞品を獲得するというシステムであるため、常に遊技球を用いた遊技となるが、多数の遊技球を必要とし、遊技球は鋼球からなり重いため、その扱いが面倒もしくは煩雑であるという問題がある。また、遊技球は遊技中に汚れたりするため、多数の遊技球の全てについて洗浄が必要となるという問題や、遊技中に遊技者が遊技球を落として遊技施設の床等に遊技球が散乱しがちであるという問題がある。
【0004】
このようなことから、遊技領域内での遊技球の落下移動に応じて入賞具へ遊技球を入賞させるという遊技形式を用いるが、遊技者側において遊技球を扱う必要をなくす形式の弾球遊技機、例えば、特許文献1に記載のように、封入循環式のパチンコ機が考えられている。このような封入循環式のパチンコ機においては、特許文献1に記載されているように、パチンコ機に併設された球貸し機に購入したカードを挿入し、カードに記録されている残高情報(遊技者が遊技できる遊技球の数)をクレジット(持ち球)に変換して、パチンコ機内に封入された所定の数の遊技球を当該クレジット数に対応する数だけ遊技領域内に打ち出すことが可能な構成となっており、これにより上述の問題の発生を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6‐170055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような封入循環式のパチンコ機等の弾球遊技機では、遊技領域内に設けられた入賞口に遊技球が入賞すると、その入賞に応じてクレジット情報を送信して所定数が賞球としてクレジット数(持ち球数)に加算されように構成されている。このように、正常な遊技では、入賞口への遊技球の入賞に応じてクレジット情報が送信されてクレジット数が加算されるものであるが、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為(ゴト行為)が存在し、このような不正行為を防止する策を講じることが必要であるという課題があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができるような構成の弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的達成のために、本発明に係る弾球遊技機は、少なくとも一つの入賞口が設けられた遊技領域を有した遊技装置と、前記遊技領域内に遊技球を打ち出す発射装置と、前記発射装置により発射可能な遊技球を付与するためのクレジットを記憶するクレジット記憶手段とを備え、前記クレジット記憶手段に記憶されたクレジットに対応して前記発射装置から遊技球を発射する制御を行い、発射された遊技球を前記遊技領域内で落下させながら移動させて前記入賞口に入賞させる遊技を行うように構成される。そして、前記遊技領域内で落下移動して前記入賞口に入賞しなかった遊技球を流入させるアウト球口と、前記入賞口に入賞した遊技球および前記アウト口に流入した遊技球を集めて貯留する球貯留部と、前記球貯留部に貯留された遊技球を前記発射装置に供給する球供給部とを備え、前記発射装置により前記遊技領域内に発射されて遊技に使用された遊技球を、前記球貯留部に集めて前記球供給部により前記発射装置に供給し、再び前記遊技領域内発射する構成として、所定の数の遊技球を封入状態で循環使用するように構成される。その上で、前記入賞口への遊技球の入賞を検知する入賞検知手段と、前記入賞検知手段による前記遊技球の入賞の検知に応じてクレジット情報を送信して所定のクレジットを付与するとともに、送信したクレジット情報を記憶しておくクレジット付与手段と、前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報を受信して前記クレジット付与手段により付与されたクレジットを、前記クレジット記憶手段に記憶された記憶クレジットに加算して、前記記憶クレジットを更新するとともに、受信したクレジット情報を記憶しておくクレジット更新手段と、前記入賞検知手段により所定時間内に前記遊技球の入賞が遊技機内に封入された遊技球の数を超える回数検知された場合に、前記クレジット付与手段による送信クレジット情報と前記クレジット更新手段における受信クレジット情報との整合性を確認して、前記クレジット更新手段が前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないか否かを検知する不正クレジット検知手段とを備えて構成される。なお、上記クレジット情報とは、例えば、遊技球の入賞の検知に応じて送受信されるコマンドやクレジットの加算値に関する情報等に相当する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る弾球遊技機によれば、入賞口への遊技球の入賞に応じてクレジット情報を送信して所定のクレジットを付与し、このように付与されたクレジット情報を受信してクレジットを更新する構成の弾球遊技機において、遊技球の入賞回数が所定の回数になった場合に、送信クレジット情報と受信クレジット情報の整合性を確認することで、受信クレジット情報の中に不正なクレジット情報が含まれていないか否かを検知するように構成されているので、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機の正面図である。
【図2】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機の背面図である。
【図3】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機のガラス扉を開放した状態での正面図である。
【図4】本実施形態に係る封入循環式のパチンコ機に設けられた制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】上記制御装置による制御内容全般を示すフローチャートである。
【図6】上記制御装置によるカード情報管理処理を示すフローチャートである。
【図7】上記制御装置による球貸し処理を示すフローチャートである。
【図8】上記制御装置による発射球検知処理を示すフローチャートである。
【図9】上記制御装置による入賞球検知処理を示すフローチャートである。
【図10】上記制御装置によるファール球検知処理を示すフローチャートである。
【図11】上記制御装置によるクレジット提示更新処理を示すフローチャートである。
【図12】上記制御装置による不正クレジット検知処理を示すフローチャートである。
【図13】上記不正クレジット検知処理における送受信クレジット情報の整合確認の具体例について説明する図である。
【図14】上記送受信クレジット情報の整合確認の他の具体例について説明する図である。
【図15】上記制御装置による精算処理を示すフローチャートである。
【図16】上記不正クレジット検知処理の他の実施形態を示すフレーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る弾球遊技機を適用した封入循環式のパチンコ機PMの正面図および背面図を図1及び図2に示すとともに、ガラス扉を開放した状態でのパチンコ機PMにおける前枠の前面領域の正面図を図3に示しており、先ずこれらの図を参照してパチンコ機PMの全体構成について概要説明する。
【0012】
パチンコ機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
【0013】
前枠2の前面側には、前枠2の前面域に合わせた方形状のガラス扉5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス扉5の背後に位置する前枠2の前面側には、遊技盤20を着脱可能に収容する収容枠が設けられており、この収容枠の上部領域に遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5を通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを臨ませるようになっている。
【0014】
遊技盤20は、図3に示すように、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルータ加工した化粧板21を基板とし、その前面側に内外の案内レール22が円弧状に固設されて略円形の遊技領域PAが区画形成される。遊技領域PAには、多数本の遊技釘(図示せず)とともに風車23や各種の入賞具24,25,26、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる図柄表示装置28などの遊技構成部品が取り付けられている。また、遊技領域PAの下端部には、各入賞具に入賞せずに遊技領域PAを転動流下した遊技球を化粧盤21の裏面側に排出するアウト口27が設けられており、このアウト口27内にはアウト球を検出するための通過型センサからなるアウト球検知器27sが介装されている。
【0015】
一般入賞具(「一般入賞口」とも称する)24は、遊技球が落入可能な入賞口を有する固定入賞具であり、この入賞口に落入した遊技球は化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた通過型センサからなる一般入賞球検知器24sを通過することによって入賞が検出される。
【0016】
始動入賞具(「始動入賞口」とも称する)25は、図柄の変動開始の条件を定める入賞具であり、この入賞口に落入した遊技球は化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた始動入賞球検知器25sを通過することによって入賞が検出される。
【0017】
大入賞具(「大入賞口」とも称する)26は、いわゆるアタッカー型の可動入賞具であり、横長方形状の大入賞口を覆う開閉扉が開閉可能に取り付けられている。開閉扉は通常閉止されており、遊技中における所定の入賞条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉の上部が前方にほぼ90度倒されて大入賞口が開放される。大入賞口に落入した遊技球は化粧板21の裏面側に排出され、該裏面側に設けられた大入賞球検知器26sを通過することによって入賞が検出される。
【0018】
化粧板21の裏面側には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板41を収容した主制御基板ユニット41Uや、図柄表示装置28の作動を制御する演出制御基板42を収容した演出制御基板ユニット42Uが取り付けられるとともに、各入賞具24,25,26に落入して化粧板21の裏面側に導かれたセーフ球、及びアウト口27を通って化粧板21の裏面側に導かれたアウト球(これらを纏めて「遊技済み球」と称する)を、化粧板21の裏面に沿って前枠2の背面側下部に設けられた遊技球循環装置100へと導く球寄せカバー(図示せず)が取り付けられている。
【0019】
前枠2の前面下部には遊技盤20と上下に整合し得る遊技補助盤30と称される補助機構部が設けられており、この遊技補助盤30の各部に、遊技盤20に設けられた案内レール22を介して遊技領域PAへ向けて遊技球を発射する発射機構31、この発射機構31から発射された遊技球を案内レール22へ導く発射レール部32、遊技領域PAに到達できずに案内レール22を戻ってくる遊技球(すなわちファール球)を回収するためのファール球戻り口33、前枠2裏面に配設された遊技球循環装置100から遊技球を発射レール部32の球着座部に1球ずつ供給するための球送り開口35などが設けられている。ここで、発射ハンドル7、発射機構31、及び発射レール部32などから遊技球発射装置50が構成されている。一方、この遊技補助盤30の背後に位置して前枠2の裏面側には、ファール球戻り口33に落下したファール球を検出するファール球検知器36s、発射機構31により遊技領域PAへ打ち出されて遊技盤20の裏面側に排出された遊技済み球及び遊技領域PAへ到達できずにファール球戻り口33に落入したファール球を球貯留部(図示略)に集めて貯留し、この球貯留部に貯留された遊技球を再び発射機構31に供給する遊技球循環装置100、この遊技球循環装置100から発射レール部32の球着座部に送出される遊技球を検出する発射球検知器37sなどが取り付けられている。遊技球循環装置100の詳細構成については後で詳述する。
【0020】
ガラス扉5は、図1に示すように、前枠2の前面に揺動開閉可能に取り付けられた窓枠6の背面側に、この窓枠6の窓口を閉止するようにしてガラスアッセンブリが取り付けられて構成されており、ガラス扉5の前面側下部には遊技球の発射操作を行うための発射ハンドル7が前方に突出して設けられ、その正面左側に位置して操作ユニット10が設けられている。この操作ユニット10には、遊技者の保有する持ち球数情報(遊技球の残高情報)を記録したカード(例えば、プリペイドカードなどの磁気カード)を投入するカード投入口11と、遊技者が必要とする要求球貸し数などの各種設定値を入力可能なテンキー12と、遊技者がパチンコ機正面側から押下操作可能な球貸しボタン13、スタートボタン14、及び精算ボタン15等の各種操作ボタンと、投入されたカードの残高を提示するカード残高提示部16a、遊技者の持ち球数(以下において「クレジット数」とも称する)を提示するクレジット提示部16b、及びその他のクレジットに関する情報を提示する予備クレジット提示部16cからなるクレジット提示装置16と、投入されたカードの読み取り・書き込み機能を有するカードリーダ・ライタ17などが取り付けられている。なお、ガラス扉5の前面側には発光ダイオード(LED)やランプ等の電飾装置や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生させるスピーカー等が適宜設けられるが、図1においてはこれらの図示を省略している。
【0021】
窓枠2の裏面側には、図2に示すように、外枠1の内寸サイズよりも幾分小さめの矩形枠状に形成された裏セット盤40が着脱可能に取り付けられている。裏セット盤40は、遊技盤20の背後に位置する上部領域に、前後連通して開口する大型の窓口開口40aを有している。裏セット盤40の背面側には、パチンコ機PM各部に電力を供給する電源基板43(電源基板ユニット43U)、遊技球発射装置50及び遊技球循環装置100による発射・球送制御(循環作動制御)を行うとともに遊技球のクレジット情報に関する制御等を行うクレジット制御基板44(クレジット制御基板ユニット44U)などが取り付けられている。また、裏セット盤40の窓口開口40a内に位置して遊技盤20の背面側には、前述したように、パチンコ機PMにおける制御の中枢を担う主制御基板41(主制御基板ユニット41U)、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出の制御を行う演出制御基板42(演出制御基板ユニット42U)などが取り付けられ、これらの制御基板とパチンコ機PM各部の電気・電子部品がコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが作動可能に構成されている。
【0022】
以上のように構成されるパチンコ機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2やガラス扉5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供される。遊技者の所有するカードが操作ユニット10のカード投入口11に投入されると、その記録情報が内部のカードリーダ・ライタ17により読み取られてクレジット表示装置16のカード残高提示部16aにカード残高が表示され、この残高(持ち球数)を限度として遊技者の要求する球貸し数が球貸しボタン13の押下操作回数に応じて設定される(テンキー12により設定してもよい)。球貸しボタン13が押下操作されると、要求球貸し数(クレジット数)が数値としてクレジット提示部16bに表示され、これに応じた個数の遊技球が遊技者に対して貸し出され、中央のスタートボタン14の押下操作をもって遊技球を発射し得る状態、すなわち遊技が開始可能な状態になる。発射ハンドル7が回動操作されると、遊技球循環装置100に貯留された遊技球(機内に所定個数封入された遊技球)が1球ずつ遊技補助盤30の発射レール部32に送り出され、発射機構31により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
【0023】
このパチンコゲームでは、発射機構31により打ち出された遊技球は、入賞球、アウト球、ファール球のいずれかとして検出されたのち遊技球循環装置100に回収・貯留され、発射機構31における打球位置(発射レール部32の球着座部)に再び供給されて発射され、以後循環使用されることになる。クレジット提示部16bにおいては、これに提示されるクレジット数が遊技の展開状況(遊技球の発射、入賞など)に応じて適時加減算されながら変動表示され、パチンコ機PMの正面側から遊技者がいつでも現在のクレジット数を視覚的に確認できるようになっている。このように遊技の展開状況に応じてクレジット数は加算又は減算されて変動されるが、クレジット数が「0」に至るまで、あるいは、遊技者によって操作パネル10上の精算ボタン15が押下操作されるまでは、遊技者は遊技を続行することが可能である。
【0024】
次に、このパチンコ機PMにおける制御装置の基本構成を、図4に示すブロック図を参照して説明する。制御装置は、主制御基板41、演出制御基板42、電源基板43、クレジット制御基板44等から構成されるコントロールユニットCUを有し、各種の作動制御を行うものである。以下においては、遊技球が遊技領域PA内に打ち出されたときにおける遊技球の入賞等に伴う払出制御関連を行う制御装置のシステム構成を説明するが、演出制御基板42による図柄表示装置28での演出表示制御、遊技領域PA内や、ガラス扉5の前面側に設けられた電飾装置による電飾制御、スピーカーによる遊技の展開状況に応じた効果音の発生制御、および、電源基板43によるパチンコ機PM各部への電力供給制御については、本願発明と関連しないため、それらの説明を省略する。
【0025】
図4に示す制御装置は、コントロールユニットCUに種々の装置を接続して構成される。具体的には、発射球検知手段B1(発射球検知器37s)、ファール球検知手段B2(ファール球検知器36s)、入賞検知手段B3(一般入賞球検知器24s、始動入賞球検知器25s、大入賞球検知器26s等)、アウト球検知手段B4(アウト球検知器27s)といった遊技球を検知する手段がコントロールユニットCUに接続されて、それらの検知信号を送出する。
【0026】
コントロールユニットCUには、さらに、カードリーダ・ライタ手段B11(カードリーダ・ライタ17)、カード残高提示手段B12(カード残高提示部16a)、操作手段B13(テンキー12、球貸しボタン13、スタートボタン14、精算ボタン15)、クレジット提示手段B14(クレジット提示部16b)、遊技球発射手段B15(遊技球発射装置50)、遊技球循環手段B16(遊技球循環装置100)が接続されている。
【0027】
コントロールユニットCUは、循環球管理部B21、カード情報管理部B22、入賞管理部B23、クレジット情報管理部B24、クレジット提示更新部B25、循環制御部B26、不正クレジット検知部B27を備えている。
【0028】
循環球管理部B21は、発射球検知手段B1、ファール球検知手段B2、入賞検知手段B3およびアウト球検知手段B4により検知される遊技球の移動検知に基づいて、球詰まりの有無や、遊技領域PA内に居る遊技球の数を監視し、遊技機の内部で遊技球がスムーズに循環しているか否かを監視する。
【0029】
カード情報管理部B22は、カードの投入の有無や、このカードに書き込まれている遊技データ(クレジット情報など)の管理や演算処理およびその提示、遊技終了時におけるカード処理等を行う。例えば、カードリーダ・ライタ手段B11によりカード投入口11にカードが投入されたか否かを監視し、カードが投入されたときには、カードリーダ・ライタ17により、このカードに記憶されているクレジット情報を読み取り、且つ、必要に応じてカードにクレジット情報等を書き込み、カードを排出する処理を行う。また、操作手段B13の操作内容等に応じて、球貸し数の設定、貸し出し、クレジットの精算処理等を行うとともに、これらの処理を受けた現在のカードの残高情報をカード残高提示手段B12に提示させる。
【0030】
入賞管理部B23は、入賞検知手段B3(一般入賞球検知器24s、始動入賞球検知器25s、大入賞球検知器26s等)から各入賞具24,25,26等への遊技球の入賞情報を受け、各入賞具24,25,26等に対応するクレジット情報を送信してクレジットを付与する処理を行う。また、入賞管理部B23は、送信したクレジット情報をメモリB23bに記憶させる。
【0031】
クレジット情報管理部B24は、発射球検知手段B1、ファール球検知手段B2、入賞検知手段B3により遊技球が検知されると、その検知毎に対応するクレジット情報を受信して持ち球数(クレジット数)を演算部B24aにより演算させ、メモリB24bに演算部B24aによる演算結果を記憶させる。また、クレジット情報管理部B24は、受信したクレジット情報もメモリB24bに記憶させるようになっている。
【0032】
クレジット提示更新部B25は、発射球検知手段B1により遊技球の発射が検知されたときから所定時間が経過するまでは発射検知時にメモリB24bに記憶されているクレジット数(持ち球数)をクレジット提示手段B14に提示させ、前記所定時間が経過したときにはその時点でメモリB24bに記憶されているクレジット数(持ち球数)に変更してクレジット提示手段B14に提示させる。
【0033】
循環制御部B26は、遊技球発射手段B15により遊技球を遊技領域PA内に発射させるとともに、遊技球循環手段B16によりこの遊技領域PA内に発射されて遊技に使用された遊技球を回収して遊技球発射手段B15に供給して、再び遊技領域PA内に発射可能となるように循環させる。
【0034】
不正クレジット検知部B27は、遊技球の入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認して、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないか否かを検知する。そして、不正クレジット検知部B27は、クレジット情報管理部B24が不正クレジット情報を受信したことを検知すると、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行う。なおこのとき、発射機構31による遊技球の発射を規制するなどして、遊技を中断させるようにしてもよい。
【0035】
このような構成の制御装置による具体的な制御内容について、図5〜図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
図5は、このパチンコ機PMのメインフローチャートである。制御装置は、パチンコ遊技機PMの稼働中、カード情報管理処理S10、球貸し処理S20、発射球検知処理S30、入賞球検知処理S40、ファール球検知処理S50、クレジット提示更新処理S60、不正クレジット検知処理S80、精算処理S70等の処理を繰り返し実行する。
【0037】
まず、カード情報管理処理S10について、図6を参照して説明する。パチンコゲームに際しては、まずカードがカード投入口11へ投入されると、カードリーダ・ライタ17によりカードに記録された識別番号等が読み取られ(ステップS11)、制御装置により当該カードが有効か否かの判定処理が行われる(ステップS12)。この処理では、例えば当該カードが偽造品であるか否か、有効期限切れか否かなど、球貸しを受け得るカードであるか否かについての判定を行う。そして、球貸しを受け得るカードではないと判定した場合は、このカードをカード投入口11から排出する(ステップS13)。
【0038】
一方、球貸しを受け得るカードであると判定した場合、そのカードに記憶されているクレジット情報(カード残高)がカード残高提示部16aに提示されるとともに、遊技者は球貸しボタン13と精算ボタン15のいずれかを選択して押下することが可能となる。
【0039】
ここで、遊技者が精算ボタン15を押下することなく(ステップS14)、球貸しボタン13を押下操作した場合(ステップS15)、この球貸しボタン13の操作回数に応じて球貸し数が設定されるとともに(ステップS16)、カード残高提示部16aにはこの設定された球貸し数に対応する度数を差し引いたカード残高が提示される(ステップS17)。なお、球貸し数の設定方法については、上記の方法に限定されず、例えばテンキー12で所望の球貸し数を直接入力して設定できるようにしてもよい。
【0040】
一方、遊技者が精算ボタン15を押下操作した場合(ステップS14)、その時点での(後述する精算処理S70の処理結果を受けて)持ち球数等の遊技データをカードリーダ・ライタ17によりカードに書き込んだ後(ステップS18)、カードをカード投入口11から排出する(ステップS19)。
【0041】
次に、球貸し処理S20について、図7を参照して説明する。この処理は、ステップS16にて球貸し数の設定が行われると、これに同期して実行されるものである。本実施形態では、完全クレジット式のパチンコ機を想定しており、実際に遊技球の払い出し(球貸し)を受ける代わりに、これがクレジット数(持ち球数)に換算されて、当該パチンコ機PMにクレジットされるようになっている。例えば、遊技者に貸し出された球数が25個であれば、これがクレジット数「25」に換算される。
【0042】
このように球貸し数が設定された後に(ステップS21)、遊技者がスタートボタン14を押下操作した場合(ステップS22)、(制御装置にプログラムされた不図示の)持ち球数カウンタの値が当該クレジット数「25」だけ加算され(ステップS23)、このときの持ち球数カウンタの値はメモリB24bに記憶される(ステップS24)。また、これと同期又は追従して、クレジット提示処理が行われ、メモリB24bに記憶された情報、つまり新たにクレジットされたクレジット数「25」を反映した合計のクレジット数がクレジット提示部16bに提示される(ステップS25)。なお、遊技継続中に球貸しを受ける場合、スタートボタン14を操作することなく、球貸しボタン13のみを押下操作するだけで、この球貸しボタン13の操作回数に応じた球貸しが受けられる(クレジット数が加算される)ようにしてもよい。
【0043】
例えば、遊技開始前に球貸しを受ける場合、その時点での遊技者の持ち球数が「0」であれば、このときパチンコ機PMに新たにクレジットされたクレジット数「25」が、そのままクレジット提示部16bに「25」として提示される。これに対し、遊技継続中に球貸しを受ける場合、その時点での遊技者の持ち球数が「75」であれば、このときパチンコ機PMに新たにクレジットされたクレジット数「25」を加えた合計のクレジット数「100」が、クレジット提示部16bに提示される。
【0044】
なお、ステップS22において遊技者がスタートボタン14を押下操作した場合、遊技球循環装置100により発射機構31における打球位置に遊技球が供給され、パチンコゲームが開始可能な状態となる。この後、遊技者は、パチンコ機PMに設けられた発射ハンドル7を操作して、遊技球を遊技領域PA内に発射させることで、上記したようにクレジットされたクレジット数(持ち球数)の範囲内で遊技を行うことができる。
【0045】
一方、遊技者が球貸しボタン13の押下操作しなかった場合(ステップS21)、或いは球貸しボタン13を押下操作したもののこれに続けてスタートボタン14を押下操作しなかった場合(ステップSS22)は、本処理S20を終了する。
【0046】
発射球検知処理S30について、図8を参照して説明する。この発射球検知処理S30では、発射機構31により遊技領域PA内へ発射された遊技球が、発射球検知器37sによって1個ずつ検知されると(ステップS31)、その検知毎に、持ち球数カウンタの値(すなわち、メモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数))から当該発射球数に対応して「1」ずつ減算され(ステップS32)、「1」ずつ減算された後の持ち球数カウンタの値がメモリB24bに更新記憶される(ステップS33)。
【0047】
入賞球検知処理S40について、図9を参照して説明する。この処理では、遊技領域PAに発射された遊技球が、各入賞具24,25,26のいずれかに入賞すると、それらが各入賞球検知器24s,25s,26sにより検知される(ステップS41)。そして、検知された入賞具24,25,26の種類に対応する値(賞球数)が、持ち球数カウンタの値(すなわち、メモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数))に当該賞球数に対応して加算され(ステップS42)、この賞球数が加算された後の持ち球数カウンタの値がメモリB24bに更新記憶される(ステップS43)。
【0048】
なお、上記の賞球数は、各入賞具24,25,26の種類に応じて設定されている。例えば、一般入賞具24に入賞した場合の賞球数は「15」であり、この賞球数がクレジットへ加算される。また、始動入賞具25に入賞した場合の賞球数は「3」であり、この賞球数がクレジットへ加算される。また、大入賞具26に入賞した場合の賞球数は「12」であり、この賞球数がクレジットへ加算される。
【0049】
このように発射機構31によって遊技球が発射され、発射球検知器37sによって1個ずつ検知される毎に、当該パチンコ機PMにクレジットされているクレジット数から「1」ずつ減算されていく。また、発射球が入賞すると、その入賞具(例えば、一般入賞具24、始動入賞具25、大入賞具26など)の種類に対応する値(賞球数)がクレジット数に加算されていく。そして、所定の精算条件が成立するまで、例えば遊技者によって精算ボタン15が押下されるか、或いは、クレジット数が「0(ゼロ)」になるまで、遊技を行うことができる。
【0050】
なお、各入賞具24,25,26に入賞した遊技球、および、各入賞具24,25,26のいずれにも入賞することなく遊技領域PAを落下してアウト口27から排出された遊技球は、遊技盤20の裏面側に導かれた後、遊技球循環装置100へ導入され、再び発射機構31の打球位置に送られることで、再び遊技領域PAへ発射可能に循環されている。
【0051】
ファール球検知処理S50について、図10を参照して説明する。このファール球検知処理S50では、発射機構31により発射されたものの、遊技領域PAへ到達しないで戻って来た遊技球(ファール球)が、ファール球検知器36sによって1個ずつ検知されると(ステップS51)、その検知毎に、持ち球数カウンタの値(すなわち、メモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数))に当該ファール球数に対応して「1」ずつ加算され(ステップS52)、「1」ずつ加算された後の持ち球数カウンタの値がメモリB24bに更新記憶される(ステップS53)。
【0052】
クレジット提示更新処理S60について、図11を参照して説明する。この処理では、発射球検知器37sにより遊技球の発射が検知された場合(ステップS61)、この検知されたときから予め定められた提示遅延時間が経過したか否かの判定処理を行う(ステップS62)。ここで、提示遅延時間が経過していないと判定された場合、この提示遅延時間が経過するまでは発射検知時にメモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット)を、クレジット提示部16bに提示する(ステップS63)。一方、提示遅延時間が経過したと判定された場合(ステップS62)、提示遅延時間が経過したときにメモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット)に更新して提示する(ステップS64)。
【0053】
なお、上記の提示遅延時間として、遊技球が発射機構31によって遊技領域PA内へ発射されたときに、この遊技球が発射球検知器37sにより検知されてから、この発射球が遊技領域PAへ到達せずファール球となって戻った場合に、ファール球検知器36sによりこのファール球が検知されるまでの予想所要時間、例えば0.6秒〜1秒程度の範囲で設定することが好ましい。これにより、発射されたがファール球となる場合、提示遅延時間の間において、発射検知によるクレジット数の減少がファール球検知によるクレジットの増加と相殺されることとなり、提示されているクレジット数の増減はないものとして提示される。もし提示遅延時間が設定されていないと、発射球検知時にクレジット数が1個減少提示され、続いてファール球検知時にクレジットが1個増加するという提示となるため、提示クレジットが短時間の間に増減表示されて見難くなるのであるが、このような増減表示がなくなるため、遊技者は持ち球数の状況が理解し易くなり、遊技をより楽しむことができる。
【0054】
不正クレジット検知処理S80について、図12を参照して説明する。この処理では、各入賞球検知器24s,25s,26sのいずれかにより遊技球の入賞が検知された場合(ステップS81)、この入賞により入賞回数が予め設定された不正検知到来回数Nに達したか否かの判定処理を行う(ステップS82)。ここで、入賞回数が不正検知到来回数Nに達したと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認する(ステップS83)。一方、いずれの入賞球検知器においても遊技球の入賞が検知されていない場合、もしくは入賞回数が不正検知到来回数Nに達していないと判定された場合は、本不正クレジット検知処理S80を終了する。
【0055】
ステップS83における送受信クレジット情報の整合確認は、例えば、図13に示すように、送受信したクレジット数の加算値について、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24にそれぞれ記憶されている値が一致しているか否かを確認する。図14に示す例では、不正検知到来回数Nが「3回」に設定されている。まず、最初の入賞では、入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に「クレジット数に10加算」というクレジット情報(賞球コマンド)が送信され、入賞管理部B23のメモリB23bにおいて入賞クレジット総数「10」が記憶され、クレジット情報管理部B24のメモリB24bにおいては、入賞検知時に記憶されているクレジット数(以下、入賞時クレジット数と称する)n1に加算クレジット数「10」を加算した更新クレジット数とともに、加算クレジット総数「10」が記憶される。
【0056】
2回目の入賞では、入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に「クレジット数に5加算」というクレジット情報(賞球コマンド)が送信され、入賞管理部B23(メモリB23b)において入賞クレジット総数「15」が記憶され、クレジット情報管理部B24(メモリB24b)において入賞時クレジット数n2に加算クレジット数「5」を加算した更新クレジット数および加算クレジット総数「15」が記憶される。3回目の入賞では、「クレジット数に3加算」というクレジット情報が送信され、入賞管理部B23において入賞クレジット総数「18」が記憶され、クレジット情報管理部B24において入賞時クレジット数n3に加算クレジット数「3」を加算した更新クレジット数および加算クレジット総数「18」が記憶される。
【0057】
そして、入賞回数が不正検知到来回数Nとして設定された3回になると、不正クレジット検知部B27において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された入賞クレジット総数とクレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された加算クレジット総数とが一致した値であるか否かの判定を行う。図13の場合には各クレジット総数がともに「18」で一致した値であるため、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正なクレジット情報を受信しておらず正常であると判定される。これに対し、クレジット情報管理部B24が外部から不正なクレジット情報を受信した場合、クレジット情報管理部B24に記憶された加算クレジット総数が入賞管理部B23に記憶された入賞クレジット総数よりも大きくなる、すなわちクレジット情報管理部B24が実際にクレジット数に加算した値が入賞管理部B23から指令された指令値よりも大きくなるため、クレジット管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正なクレジット情報を受信したことがわかり、異常であると判定される。
【0058】
このような送受信クレジット情報の整合確認において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された送信クレジット情報とクレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された受信クレジット情報とが一致した値であると判定された場合(ステップS84)、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24のメモリに記憶されていた各クレジット情報をクリアし(ステップS85)、次回の不正クレジット検知処理における不正検知到来回数Nを例えば1〜10で抽選して設定する(ステップS86)。一方、送受信クレジット情報が一致した値でないと判定された場合、すなわちクレジット情報管理部B24が外部から不正なクレジット情報を受信したと判定された場合、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行う(ステップS87)。
【0059】
なお、ステップS83における送受信クレジット情報の整合確認は、例えば、図14に示すように、送受信した入賞クレジット情報(入賞コマンド)の数について、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24にそれぞれ記憶されている数が一致しているか否かを確認するようにしてもよい。図14に示す例でも、不正検知到来回数Nが「3回」に設定されている。なお、図14において、コマンドAが遊技球の入賞に応じて入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に送信される入賞クレジット情報(入賞コマンド)であり、コマンドBが遊技球の発射検知やファール検知等に応じて送信されるクレジット情報(入賞コマンド以外のコマンド)である。
【0060】
まず、図14に「第1チェックポイント」として示すように、入賞回数が不正検知到来回数Nとして設定された3回になると、すなわち入賞管理部B23からクレジット情報管理部B24に入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が3回送信されると、不正クレジット検知部B27において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された送信クレジット情報に含まれる入賞クレジット情報の数と、クレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された受信クレジット情報に含まれる入賞クレジット情報の数とが一致した数であるか否かの判定を行う。この「第1チェックポイント」の場合には、入賞管理部B23から3個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が送信され、クレジット情報管理部B24でも3個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が受信されており、各入賞クレジット情報の数が一致しているため、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23から送信されたクレジット情報以外の不正なクレジット情報を受信しておらず正常であると判定される。そして、上述したように、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24のメモリに記憶されていた各クレジット情報(送受信コマンド)がクリアされる。
【0061】
その後、図14に「第2チェックポイント」として示すように、再び入賞回数が不正検知到来回数Nとして設定された3回になると、不正クレジット検知部B27において、入賞管理部B23(メモリB23b)およびクレジット情報管理部B24(メモリB24b)にそれぞれ記憶された入賞クレジット情報(入賞コマンド)の数が一致した数であるか否かの判定を行われるが、この「第2チェックポイント」までの間に、外部から不正な入賞クレジット情報が送信され、この入賞クレジット情報をクレジット情報管理部B24が受信したものとする。この場合には、入賞管理部B23から3個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が送信されたにもかかわらず、クレジット情報管理部B24では4個の入賞クレジット情報(入賞コマンドA)が受信されており、この送受信された入賞クレジット情報(入賞コマンドA)の数が相違しているため、クレジット管理部B24が入賞管理部B23から送信された入賞クレジット情報以外の不正な入賞クレジット情報を受信したことがわかり、異常であると判定される。そして、上述したように、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知が行われる。
【0062】
精算処理S70について、図15を参照して説明する。この処理では、遊技者が精算ボタン15を押下した場合(ステップS71)、精算条件が成立し、制御装置により、発射ハンドル7を操作しても発射機構31が作動しなくなり、発射機構31による遊技球の発射を停止させる(ステップS73)。なお、ゲームを続行する場合には、再度球貸しボタン13を操作すればよい。
【0063】
ここで、所定の精算条件が成立した後にファール球や入賞の検知の可能性があるため、この精算条件が成立してから所定時間(例えば、10秒間)経過した後に、その時点でメモリB24bに記憶されている持ち球数(クレジット数)の情報がカードリーダ・ライタ17に送信される(ステップS74)。そして、このクレジット情報を送信する処理が終了したとき、当該クレジット数はリセットされる。
【0064】
例えば、この段階で、貸し球数「25」+賞球数「30」−発射球数「11」なる演算によって、遊技者の所有する持ち球数(クレジット数)が「44」である場合、当該持ち球数(クレジット数)がカードリーダ・ライタ17に送信されることになる。また、上記のような待機処理によって、ファール球や入賞が検知された場合には、それに応じた値が持ち球数カウンタに加算されるので、かかる加算分を加えた持ち球数(クレジット数)情報が、カードリーダ・ライタ17に送信されることになる。
【0065】
また、(遊技者が精算ボタン15を押下操作したのではなく(ステップS71))遊技によって持ち球数(クレジット数)が「0」になった場合(ステップS72)も、精算条件が成立し、その後の処理は上記と同様の処理S73,S74となる。この場合も、ゲームを続行するためには、再度球貸しボタン13を操作すればよい。
【0066】
以上のように、本実施形態に係るパチンコ機PMによれば、入賞回数が不正検知到来回数Nに達したと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認するように構成されているので、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23以外から送信された不正なクレジット情報を受信したことを確実に検知することができ、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができる。また、送受信クレジット情報の整合性を確認する条件である不正検知到来回数N(入賞回数)を毎回抽選によりランダムに設定するように構成されているので、不正検知のタイミングがランダムになるため、この不正検知を逃れようとするような不正行為も防止することができる。
【0067】
次に、不正クレジット検知処理の他の実施形態について、図16を参照して説明する。この不正クレジット検知処理S80′では、各入賞球検知器24s,25s,26sのいずれかにより遊技球の入賞が検知された場合(ステップS81′)、この処理における最初の入賞検知から所定時間内に、不正検知到来回数N′を超えたか否かの判定処理を行う(ステップS82′,83′)。ここで、入賞回数が所定時間内に不正検知到来回数N′を超えたと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認する(ステップS84′)。なお、この整合確認は、上記実施形態と同様に、例えば図14,15に示したように行われる。一方、いずれの入賞球検知器においても遊技球の入賞が検知されていない場合、もしくは入賞回数が所定時間内に不正検知到来回数N′を超えていないと判定された場合は、本不正クレジット検知処理S80′を終了する。
【0068】
なお、送受信クレジット情報の整合性を確認する条件である不正検知到来回数N′(入賞回数)は、パチンコ機PM内に封入された遊技球の数に基づいて設定される。さらに、この不正検知到来回数N′および上記所定時間は、発射機構31から遊技球が何秒間隔で発射されるか(発射機構31の発射能力)、遊技領域PAに居る遊技球の数および遊技領域PAの盤面構成等に基づいて設定される。例えば、パチンコ機PM内に遊技球が20球封入されており、発射機構31が0.6秒間隔で遊技球を発射する場合には、上記所定時間が12秒に設定され、不正検知到来回数N′が21回に設定される、つまり、12秒間に21回の入賞が検知された場合に、送受信クレジット情報の整合性を確認するように構成される。なお、遊技領域PA内に居る遊技球の数は、発射球検知手段B1、ファール球検知手段B2、入賞検知手段B3およびアウト球検知手段B4により検知される遊技球の移動検知に基づいて監視することができる。
【0069】
ステップS84′において、入賞管理部B23(メモリB23b)に記憶された送信クレジット情報とクレジット情報管理部B24(メモリB24b)に記憶された受信クレジット情報とが一致した値であると判定された場合(ステップS85′)、入賞管理部B23およびクレジット情報管理部B24のメモリに記憶されていた各クレジット情報をクリアする(ステップS86′)。一方、送受信クレジット情報が一致した値でないと判定された場合、すなわちクレジット情報管理部B24が外部から不正なクレジット情報を受信したと判定された場合、図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行う(ステップS87′)。
【0070】
なお、ステップS82′,83′において、入賞回数が所定時間内に不正検知到来回数N′を超えたと判定された場合に、ステップS84′における送受信クレジット情報の整合性の確認をとばして、直ちに図柄表示装置28やスピーカー等を用いて異常報知を行うように構成してもよい。このように構成した場合には、遊技球に釣り糸等を取り付けた遊技球を遊技領域PA内に侵入させて、この遊技球を入賞具に入賞させ、釣り糸等を操作することでこの遊技球を入賞検知器に何度も検知させて、多数のクレジットを加算させるような不正行為も確実に検知することができ、このような不正行為を抑止することができる。
【0071】
このような実施形態に係るパチンコ機PMによれば、入賞回数が、所定時間内に、パチンコ機内に封入された遊技球の数に基づいて設定された不正検知到来回数N′を超えたと判定された場合、各入賞に対応して入賞管理部B23から送信されメモリB23bに記憶されている送信クレジット情報と、クレジット情報管理部B24において受信されメモリB24bに記憶されている受信クレジット情報との整合性を確認するように構成されているので、クレジット情報管理部B24が入賞管理部B23以外から送信された不正なクレジット情報を受信したことを確実に検知することができ、外部から不正なクレジット情報を送信することによりクレジット数を加算させるような不正行為を防止することができる。
【0072】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。例えば、上記実施形態では、クレジットの提示は、操作ユニット10に設けられたクレジット提示装置16において行われているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる図柄表示装置28において行うように構成してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、カード投入口11、テンキー12、球貸しボタン13およびカードリーダ・ライタ17等からなるカードユニットをパチンコ機PMと一体に設けた構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、カードユニットを、パチンコ機PMとは別の装置としてパチンコ機PMに隣接して併設し、このカードユニットとパチンコ機PMの相互間のやりとりで、上記のようなクレジットに関する制御を行うように構成してもよい。
【0074】
また、上記実施形態においては、封入循環式のパチンコ機に例に挙げて説明したが、弾球遊技機であれば、封入循環式のパチンコ機以外の遊技機にも適用することが可能である。例えば、払い出し方式のパチンコ機、雀球遊技機やアレンジボール機等においても、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
PM パチンコ機
PA 遊技領域
B1 入賞検知手段
CU コントロールユニット
B14 クレジット提示手段
B23 入賞管理部(クレジット付与手段)
B24 クレジット情報管理部(クレジット更新手段)
B27 不正クレジット検知部(不正クレジット検知手段)
24 一般入賞具
25 始動入賞具
26 大入賞具
31 発射機構(発射装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの入賞口が設けられた遊技領域を有した遊技装置と、前記遊技領域内に遊技球を打ち出す発射装置と、前記発射装置により発射可能な遊技球を付与するためのクレジットを記憶するクレジット記憶手段とを備え、前記クレジット記憶手段に記憶されたクレジットに対応して前記発射装置から遊技球を発射する制御を行い、発射された遊技球を前記遊技領域内で落下させながら移動させて前記入賞口に入賞させる遊技を行うように構成された弾球遊技機であって、
前記遊技領域内で落下移動して前記入賞口に入賞しなかった遊技球を流入させるアウト球口と、前記入賞口に入賞した遊技球および前記アウト口に流入した遊技球を集めて貯留する球貯留部と、前記球貯留部に貯留された遊技球を前記発射装置に供給する球供給部とを備え、前記発射装置により前記遊技領域内に発射されて遊技に使用された遊技球を、前記球貯留部に集めて前記球供給部により前記発射装置に供給し、再び前記遊技領域内発射する構成として、所定の数の遊技球を封入状態で循環使用するように構成され、
前記入賞口への遊技球の入賞を検知する入賞検知手段と、
前記入賞検知手段による前記遊技球の入賞の検知に応じてクレジット情報を送信して所定のクレジットを付与するとともに、送信したクレジット情報を記憶しておくクレジット付与手段と、
前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報を受信して前記クレジット付与手段により付与されたクレジットを、前記クレジット記憶手段に記憶された記憶クレジットに加算して、前記記憶クレジットを更新するとともに、受信したクレジット情報を記憶しておくクレジット更新手段と、
前記入賞検知手段により所定時間内に前記遊技球の入賞が遊技機内に封入された遊技球の数を超える回数検知された場合に、前記クレジット付与手段による送信クレジット情報と前記クレジット更新手段における受信クレジット情報との整合性を確認して、前記クレジット更新手段が前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないか否かを検知する不正クレジット検知手段とを備えることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項1】
少なくとも一つの入賞口が設けられた遊技領域を有した遊技装置と、前記遊技領域内に遊技球を打ち出す発射装置と、前記発射装置により発射可能な遊技球を付与するためのクレジットを記憶するクレジット記憶手段とを備え、前記クレジット記憶手段に記憶されたクレジットに対応して前記発射装置から遊技球を発射する制御を行い、発射された遊技球を前記遊技領域内で落下させながら移動させて前記入賞口に入賞させる遊技を行うように構成された弾球遊技機であって、
前記遊技領域内で落下移動して前記入賞口に入賞しなかった遊技球を流入させるアウト球口と、前記入賞口に入賞した遊技球および前記アウト口に流入した遊技球を集めて貯留する球貯留部と、前記球貯留部に貯留された遊技球を前記発射装置に供給する球供給部とを備え、前記発射装置により前記遊技領域内に発射されて遊技に使用された遊技球を、前記球貯留部に集めて前記球供給部により前記発射装置に供給し、再び前記遊技領域内発射する構成として、所定の数の遊技球を封入状態で循環使用するように構成され、
前記入賞口への遊技球の入賞を検知する入賞検知手段と、
前記入賞検知手段による前記遊技球の入賞の検知に応じてクレジット情報を送信して所定のクレジットを付与するとともに、送信したクレジット情報を記憶しておくクレジット付与手段と、
前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報を受信して前記クレジット付与手段により付与されたクレジットを、前記クレジット記憶手段に記憶された記憶クレジットに加算して、前記記憶クレジットを更新するとともに、受信したクレジット情報を記憶しておくクレジット更新手段と、
前記入賞検知手段により所定時間内に前記遊技球の入賞が遊技機内に封入された遊技球の数を超える回数検知された場合に、前記クレジット付与手段による送信クレジット情報と前記クレジット更新手段における受信クレジット情報との整合性を確認して、前記クレジット更新手段が前記クレジット付与手段から送信されたクレジット情報以外の不正クレジット情報を受信していないか否かを検知する不正クレジット検知手段とを備えることを特徴とする弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−179148(P2012−179148A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43193(P2011−43193)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
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