説明

弾球遊技機

【課題】電気制御手段を用いない安価な遊技球発射装置を提供する。
【解決手段】遊技球を打撃するノックアーム120と、ノックアームの揺動範囲を規定するアーム台座111と、ノックアームを駆動する駆動手段115と、操作ハンドル130とを有する遊技球の発射装置であって、ノックアームの停止位置を移動して揺動範囲を変更するためにアーム台座の移動をガイドするアーム台座ガイド手段100aと、操作ハンドルの回動操作とアーム台座の移動とを連動する連動手段201とを有している。操作ハンドルの回動操作に連動してアーム台座がノックアームの揺動範囲を大きくする方向へ移動すると、ノックアームが一定の出力で駆動されるとしても、操作ハンドルの回動量に応じた打撃強さで遊技球を発射することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店等の遊技場に設置して使用されるパチンコ機等の弾球遊技機に関し、特にその遊技球の発射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機は遊技球が流下する遊技領域が遊技盤上に形成されており、パチンコ機に設けられた発射装置の操作ハンドルを回動操作すると、該操作ハンドルの回動量に基づく発射強度で遊技球が遊技領域に向けて発射されるようになっている。
この発射装置には、ロータリーソレノイドなどによって駆動されるハンマー状のノックアームが設けられており、該ノックアームを操作ハンドルの回動量に基づく打ち出し速度で運動させて遊技球を打つことで、操作ハンドルの回動量に基づく発射強度で遊技球が打ち出される。
発射装置によって打ち出された遊技球は、発射装置の上方に設けられた上レールと下レールから形成される案内通路を通り、遊技領域に投入される。
【0003】
このような発射装置mの従来例を、図1に示す。
該発射装置mは、ベース板10上にそれぞれ組み付けられた、第1ストッパ11、第2ストッパ12、下部玉保持部13、上部玉保持部14、ロータリーソレノイド15、ノックアーム20、および操作ハンドル(図示しない)から構成されている。
このうち、ノックアーム20は、正面から見た形状が略へ字状の長片部21と、この長片部21に対して所定の角度をなす短片部22とから構成され、長片部21の一端部と、短片部22の一端部とが略V字状に連結されている。この連結部分に設けた回動軸23にロータリーソレノイド15の駆動軸が固定され、ベース板10と平行に回動可能とされている。また長片部21の先端には、遊技球Qを打撃する打球ヘッド21aが設けられており、この打球ヘッド21aの揺動範囲を規定するために、第1ストッパ11および第2ストッパがベース板10の所定位置に固定されている。
【0004】
ロータリーソレノイド15への給電が行われると、第1ストッパ11上にその長片部21を当接して停止していたノックアーム20は、上方(図中、時計方向)に瞬間的に回動し、下部玉保持部13および上部玉保持部14によって設けられた、遊技球を一時的に保持する位置に装填されている遊技球Qを、打球ヘッド21aが打撃し、その直後に短片部22が第2ストッパ12に当接して制止される。ロータリーソレノイド15への給電が停止されると、ノックアーム20は第2ストッパ12に制止された位置から自重によって反時計方向に回動し、長片部21が再び第1ストッパ11に当接して制止される。
この一連の動作によって、打撃された遊技球Qは、下部玉保持部13のガイド面13a上を滑走しながら発射される。
【0005】
ここで、操作ハンドルの回動軸には、ロータリーエンコーダなどの回動量検出手段が設けられており、該回動量検出手段により操作ハンドルの回動量を検出し、その回動量検出値に応じた回動量信号が回動量演算部に送られる。回動量演算部は、送られてきた回動量信号に基づき、対応した大きさの電圧信号を発射回路に送る。発射回路は、回動量演算部から送られてきた該電圧信号と、遊技者が操作ハンドルに触れることで接触検知処理部から送られてきた発射許可信号とに基づいて、対応した大きさの駆動信号をロータリーソレノイド15に送るので、ロータリーソレノイド15は操作ハンドルの回動量に応じた強さで駆動されることとなる。
このようにして、操作ハンドルの回動量に基づいて遊技球の発射強度が調節されている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−143971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、遊技球の発射強度の調節には、操作ハンドルの回動量を電気的に検出し、その回動量検出値に応じてロータリーソレノイド15の駆動電圧の制御を行うなどの上記したような電気的制御手段が必要である。しかしながら、このような電気的制御手段は遊技機のコストアップの要因となっている。
【0008】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価な構成によって遊技球の発射強度の調節を行うことができるパチンコ機における遊技球の発射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、水平軸を中心に揺動することにより遊技球を打撃するノックアームと、前記ノックアームの揺動範囲を規定するアーム台座と、前記ノックアームを停止位置から遊技球を打撃する位置へ駆動する駆動手段と、遊技球の打撃強さを操作可能な操作ハンドルと、を有する遊技球の発射装置であって、
前記ノックアームの前記停止位置を移動して前記揺動範囲を変更するために前記アーム台座の移動をガイドするアーム台座ガイド手段と、前記アーム台座ガイド手段に沿って前記ノックアームの前記揺動範囲を最小にする初期位置へ前記アーム台座を付勢するアーム台座付勢手段と、前記操作ハンドルの操作と前記アーム台座の移動とを連動する連動手段と、を有し、
前記駆動手段は、前記ノックアームを前記停止位置から予め定められた一定の出力で駆動するものであり、
前記連動手段は、遊技球の打撃強さを大きくする方向への前記操作ハンドルの操作に連動して、前記アーム台座を、前記付勢手段に抗して前記初期位置から前記ノックアームの揺動範囲を大きくする方向へ移動させること特徴とした。
【0010】
本発明は、このように構成したことにより、遊技者が操作ハンドルを遊技球の発射強度を強くする方向に回動すると、その回動量に連動してノックアームの停止位置を規定するアーム台座が移動し、ノックアームの停止位置から遊技球を打撃する位置までの範囲(ノックアームの揺動範囲)が広くなる。ノックアームの駆動手段(ロータリーソレノイド)はノックアームを停止位置から予め定められた一定の出力で駆動するが、この揺動範囲が広くなるとノックアームのストローク長が延びるので、ノックアームの遊技球を打撃する力が強くなり、遊技球はより強く発射されることとなる。
したがって、従来のように、ロータリーソレノイドの駆動強さを電気的に制御する手段の必要が無く、構成が簡単となると共に、発射装置の製品コストを小さくすることができる。
また、操作ハンドルの回動とアーム台座の移動とを連動する連動手段を、比較的単純な機械的手段として構成することができるので、構成が簡単となると共に製品コストを小さくすることができる。
【0011】
また、本発明は、前記操作ハンドルへの操作者の接触を検知するタッチセンサと、前記アーム台座の前記初期位置からの移動を検知する検知センサと、を設け、
前記駆動手段は、前記タッチセンサと前記検知センサからの検知信号により、前記ノックアームを駆動することを特徴とした。
【0012】
本発明は、このように構成したことにより、遊技者が遊技機を操作しない状態で発射装置が駆動されることを防止することができる。また、前記検知センサを、アーム台座の初期位置に設けた単なるスイッチとすることが可能なので、従来のように回動量を検知する複雑なセンサとする必要が無く、構成が簡単となると共に製品コストを小さくすることができる。
【0013】
このように、本発明によれば、遊技球の発射強度の調整を、比較的簡単な構成によって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来例におけるパチンコ機の発射装置。
【図2】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の発射装置であって、アーム台座が初期位置にある状態での、操作ハンドルを外した状態での遊技者側からの斜視図。
【図3】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の発射装置であって、アーム台座が初期位置にある状態での、操作ハンドルを除いた状態での遊技者側からの正面図。
【図4】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の発射装置であって、アーム台座が初期位置にある状態での、操作ハンドルを除いた状態での遊技者とは反対側からの正面図。
【図5】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の発射装置であって、図3における状態での斜視図。
【図6】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の発射装置であって、発射強度を強くした場合の、遊技者とは反対側からの正面図。
【図7】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の発射装置であって、発射強度を強くした場合の、遊技者側からの斜視図。
【図8】本発明の実施形態例に係るパチンコ機の右上方からの全体斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について説明する。
パチンコ機Pは、図8に示すように、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2の内側に収容された遊技盤3と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部8が形成されて透明なガラス板が嵌め込まれたガラス扉4と、前面枠2の下側に開閉自在に配設され、遊技球を収容する受皿5を有する前面ボード6と、前面枠2の略右下部に前面ボード6に覆われて設けられた発射装置M(図8中では、前面ボード6によって覆われているため、図示せず)と、前面ボード6に取り付けられたハンドル7等を具備している。
そして、この発射装置Mは、ロータリーソレノイド115を手前側(遊技者側)に載置した図2に示す状態で、発射装置Mの各構成要素が載置されるベース板100を介して、前面ボード6に取り付けられている。遊技者が操作する操作ハンドル7は、該ベース板100の手前側(遊技者側)に位置するように、前面ボード6を介して発射装置Mに取り付けられている。
【0016】
このベース板100上には、図2ないし図7に示すように、その奥側(遊技者とは反対側)に、アーム台座111、第2ストッパ112、下部玉保持部113、上部玉保持部114、ノックアーム120等が設けられ、その手前側(遊技者側)には、発射装置Mの駆動源であるロータリーソレノイド115等が設けられている。
ノックアーム120は、正面から見た形状が略へ字状の長片部121と、この長片部121に対して所定の角度をなす短片部122とから構成され、長片部121の一端部と、短片部122の一端部とが略V字状に連結されている。この連結部分に設けた挿通孔に、ロータリーソレノイド115の駆動軸123が固定されている。また、長片部121の先端には、遊技球を打撃する打球ヘッド121aが設けられている。
そして、ノックアーム120の回動を規制するために、長片部121と短片部122とに対応してそれぞれアーム台座(第1ストッパ)111と第2ストッパ112とが配置されている。アーム台座111(第1ストッパ)には、長片部121の略へ字状の屈曲部が当接し、第2ストッパ112には、短片部122の先端部分が当接している。
【0017】
したがって、アーム台座111は、ロータリーソレノイド115が駆動する前の、ノックアーム120の始動位置を規定するのに対し、第2ストッパ112は、ロータリーソレノイド115が駆動して遊技球が打撃された直後の、ノックアームの停止位置を規定するものとされており、したがって、これらアーム台座111および第2ストッパ112によってノックアームの揺動範囲が規定されている。
【0018】
また、図示しない遊技球の供給装置(いわゆる整流器)から供給される遊技球を発射装置Mに一時的に保持するために、下部玉保持部113および上部玉保持部114が設けられている。下部玉保持部113と上部玉保持部114との間隔は、遊技球Qを一時的に保持する位置(図4および図5に示されている遊技球Qの位置)において、打球ヘッド121aの直径よりも広く、遊技球Qの直径よりも狭い幅となっている。さらに、この遊技球Qを一時的に保持する位置は、打球ヘッド121aの回動軌跡上に位置している。なお、下部玉保持部113は、打撃された遊技球を発射方向にガイドするガイド手段としても機能するように、発射方向に延びる所定のガイド長を有している。
【0019】
次に、ノックアーム120の揺動範囲を規定するアーム台座(第1ストッパ)111および第2ストッパ112について説明する。
ノックアーム120の短片部122を停止させる第2ストッパ112は、従来の発射装置におけるものと同様に、ノックアーム120の打球ヘッド121aが、上記した遊技球を一時的に保持する位置に達して遊技球Qを打撃した直後に停止するように、ベース板100上の所定の位置に固設されている。
これに対し、ノックアーム120の長片部121を停止させるアーム台座(第1ストッパ)111は、その停止位置(始動位置)を変更することで、ノックアーム120の揺動範囲を変更することができるように構成されている。つまり、ベース板100上には、上下方向に延びるガイドスリット(アーム台座ガイド手段)100aが形成されており、アーム台座111は、このガイドスリット100aに沿うように上下方向に移動可能とされている。この構成に関しては、後に詳述する。
【0020】
また、遊技者が操作する操作ハンドル130の回動量をアーム台座111の直線移動量に変換する連動手段200が、ベース板100の、ノックアーム120が設けられていないほうの側面(遊技者側の側面)上に設けられている。
この連動手段200は、図2および図3に示すように、遊技者が回動操作する操作ハンドル130の回転軸131と接続する第1ピニオン201aと、該第1ピニオン201aに歯合する第2ピニオン201bと、該第2ピニオン201bに歯合して直線運動に変換するラック202によって構成されている。
【0021】
このラック202には、その側面に、ベース板100と平行となるようにスライダ203が固設されており、該スライダ203は、ベース板100に設けられたアーム台座ガイド手段(ガイドスリット)100a、100a’にその両側部をガイドされながら、図2および図3に示す上下方向にスライド可能となっている。
ベース板100には、2つのガイドスリット100a、100a’の間にそれらガイドスリット100a、100a’と平行にアーム台座スリット100bが切り欠かれており、スライダ203は、このアーム台座スリット100bを跨ぐようにスライドする。
このアーム台座スリット100bは、アーム台座111が陥入可能なスリット幅に形成されており、アーム台座111は、このアーム台座スリット100bに陥入するようにスライダ203上に固設されている。
したがって、アーム台座111は、アーム台座ガイド手段(ガイドスリット)100aに沿うように、アーム台座スリット100b内を上下方向に移動可能とされている。
【0022】
これにより、遊技者が操作ハンドル130を、遊技球を強く打ち出す方向に回転させると(つまり右回転させると)、スライダ203はアーム台座ガイド手段(ガイドスリット)100aに沿って下方にスライドすることとなり、該スライダ203上に設けられているアーム台座111も下方に移動し、ノックアーム120の停止位置(始動位置)が下方に移動することとなる。したがって、ノックアーム120の揺動範囲が広がることとなる。
【0023】
また、ベース板100とラック202の上端との間には、ラック202を上方に引き上げるバネ部材204が配置されており、アーム台座111を、ノックアーム120の揺動範囲を極小にする初期位置の方向へバネ付勢している。
さらに、ベース板100上には、ラック202の上限位置に設けられて、該上限位置からのラック202の移動を検知するための検知センサ205が設けられている。
したがって、操作ハンドル130が回動操作されていない状態では、アーム台座111はノックアーム120の揺動範囲を極小とする初期位置にあるが、遊技者が操作ハンドル130を遊技球の打ち出し方向に回動させると、該検知センサ205によってアーム台座111の上記上限位置からの移動が検知されることとなる。
【0024】
また、発射装置Mには、従来例と同様、遊技者が操作ハンドル130に接触したことを検知するタッチセンサ(図示せず)が設けられており、該タッチセンサからの信号と、上記した上限位置に設けた検知センサ205からの検知信号が共に出力されることにより、ロータリーソレノイド115に対し所定(一定)の駆動電圧による駆動信号が出力されるように構成されている。
【0025】
以下、このように構成された実施の形態例の作用について、説明する。
遊技者が操作ハンドル130に触れて遊技球発射方向に回動させると、接触センサからの信号と、操作ハンドル130の回動に連動してアーム台座111が移動することによって出力される検知センサ205からの信号とが、共に出力されることにより、ロータリーソレノイド115に対し所定(一定)の駆動電圧による駆動信号が出力される。
ロータリーソレノイド115へ駆動信号が出力されると、ロータリーソレノイド115は所定の駆動力により駆動され、ノックアーム120は遊技球を打撃する方向に駆動される。
これに伴い、ノックアーム120は、その長片部121がアーム台座111上で停止していた位置(始動位置)から、上方(図4、6中、時計回り方向)に瞬間的に回動し、遊技球を一時的に保持する位置に装填されていた遊技球Qを打球ヘッド121aが打撃し、その直後に短片部122が第2ストッパ112に当接して制止される。
ロータリーソレノイド115への給電が停止されると、ノックアーム120は第2ストッパ112に制止された位置から自重によって反時計方向に回動し、長片部121がアーム台座111に当接して停止される。
【0026】
ここで、遊技者による操作ハンドル130の回動量は、ピニオン210a、bやラック202により構成される連動手段200により、アーム台座111の移動量に変換されている。
したがって、操作ハンドル130が遊技球を強く打ち出す方向に回動されると、その回動量に応じて、アーム台座111は、図4に示す状態から図6に示す状態となるように、初期位置からノックアーム120の揺動範囲を広くする方向に移動する。
ロータリーソレノイド115は所定(一定)の駆動力により起動されるだけであるが、ノックアーム120の揺動範囲が広くなると、アーム台座111から遊技球Qを打撃する位置までの移動量(ストローク量)が多くなるので、遊技球Qを打撃する位置でのノックアーム120の運動量は増加し、そのため遊技球Qの発射強度が大きくなる。
【0027】
これに対し、操作ハンドル130が少ししか回動されない状態だと、図4に示すように、ノックアーム120の揺動範囲が殆ど確保できないので、ノックアーム120の移動量(ストローク量)は小さく、ノックアーム120はトップスピードに至らない前に遊技球Qを打撃することとなる。つまり、この状態では、遊技球Qを打撃する位置でのノックアーム120の運動量は小さいままであり、したがって遊技球Qの発射強度は小さくなる。
【0028】
このように、本実施の形態例では、遊技球の打撃強さの調整をノックアーム120の揺動範囲を調整することで行うことができるので、従来のように、ロータリーソレノイドなどのノックアーム120の駆動手段を電気的に制御する手段が必要なく、構成が簡単となると共に、発射装置Mの製品コストを小さくすることができる。
また、操作ハンドル130の回動とアーム台座111の移動とを連動する連動手段200を、比較的単純な機械的手段として構成することができるので、操作ハンドルの回動量を検出するロータリーエンコーダなどの電気的な回動量検出手段が必要なく、構成が簡単となると共に製品コストを低減することができ、故障に対するリスクも低減することができる。
【0029】
また、タッチセンサと検知センサ205とからの出力に応じてロータリーソレノイド115の駆動信号を出力するので、本発明においても、遊技者が遊技機に触れない状態で発射装置Mが操作されることを防止することができる。
さらに、検知センサ205を、ラック202の上限位置に設けた単なるスイッチとすることが可能なので、従来のように回動量を検知する複雑なセンサ等を用いる必要が無く、構成が簡単となると共に製品コストを小さくすることもできる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術思想の範囲内で、以下のような様々な変形が可能である。
【0031】
上記の実施形態では、ノックアーム120の揺動範囲を最小にする初期位置へアーム台座を付勢する手段(アーム台座付勢手段)は、ラック202に設けたバネ部材204により構成しているが、この構成に限ることなく、操作ハンドル130内にその回転軸131を左方向に付勢するようにするバネ部材を設けたり、或いは、スライダ203を上方に付勢するバネ部材を該スライダ203に直接設けたりするなどの構成を採用することができる。
【0032】
上記の実施形態では、アーム台座ガイド手段100aを、ベース板100を切り欠いたガイドスリットとして形成したが、これに限ることなく、ベース板100上にガイドレールを形成し、該ガイドレールによってアーム台座111の移動をガイドするなどの構成を採用することもできる。
【0033】
上記の実施形態では、前記操作ハンドル130の回動操作と前記アーム台座111の直線移動とを連動する連動手段200をラック&ピニオンによって構成したが、これに限ることなく、ベルトなどの他の機械的連動手段を採用することができる。
【0034】
上記の実施形態では、検知センサ205をラック202の上限位置に設置したが、アーム台座の初期位置からの移動を検知する構成であればよく、スライダ203の上限位置に設置したり、あるいはアーム台座111の初期位置に直接設置したりすることもできる。
【符号の説明】
【0035】
10、100 ベース板
100a、100a’ ガイドスリット(アーム台座ガイド手段)
100b アーム台座スリット
11 第1ストッパ
111 アーム台座
12、112 第2ストッパ
13、113 下部玉保持部
14、114 上部玉保持部
15、115 ロータリーソレノイド
20、120 ノックアーム
21、121 長片部
21a、121a 打球ヘッド
22、122 短片部
130 操作ハンドル
200 連動手段
201a、201b ピニオン
202 ラック
203 スライダ
204 バネ部材(アーム台座付勢手段)
205 検知センサ
Q 遊技球
M、m 発射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平軸を中心に揺動することにより遊技球を打撃するノックアームと、前記ノックアームの揺動範囲を規定するアーム台座と、前記ノックアームを停止位置から遊技球を打撃する位置へ駆動する駆動手段と、遊技球の打撃強さを操作可能な操作ハンドルと、を有する遊技球の発射装置であって、
前記ノックアームの前記停止位置を移動して前記揺動範囲を変更するために前記アーム台座の移動をガイドするアーム台座ガイド手段と、前記アーム台座ガイド手段に沿って前記ノックアームの前記揺動範囲を最小にする初期位置へ前記アーム台座を付勢するアーム台座付勢手段と、前記操作ハンドルの操作と前記アーム台座の移動とを連動する連動手段と、を有し、
前記駆動手段は、前記ノックアームを前記停止位置から予め定められた一定の出力で駆動するものであり、
前記連動手段は、遊技球の打撃強さを大きくする方向への前記操作ハンドルの操作に連動して、前記アーム台座を、前記付勢手段に抗して前記初期位置から前記ノックアームの揺動範囲を大きくする方向へ移動させること特徴とする遊技球の発射装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記操作ハンドルへの操作者の接触を検知するタッチセンサと、前記アーム台座の前記初期位置からの移動を検知する検知センサと、を設け、
前記駆動手段は、前記タッチセンサと前記検知センサからの検知信号により、前記ノックアームを駆動することを特徴とする遊技球の発射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−13669(P2013−13669A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150272(P2011−150272)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】