説明

徐放性シリカマイクロカプセル

本発明は好適な徐放性を呈するマイクロカプセルに関し、マイクロカプセルは活性成分を有しシリカ殻に封入されたコア物質を有し、シリカ殻の外面はそれに結合する周期表の2a族、8族、2b族および3a族から選択される金属の層を有する。他の側面では、本発明はマイクロカプセル、すなわち農薬活性成分と好適な担体とを含むマイクロカプセルを含む農薬組成物を製造する方法に関し、また農薬組成物を有害生物の存在するまたは存在すると予測される場所に有効量散布する過程を含む、有害生物を制御する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は好適な徐放性を呈する処理されたマイクロカプセルに関する。本発明はまた、処理されたマイクロカプセルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの分野、特に農芸化学の分野においては、活性成分の放出制御を提供する組成物を製造することへの高い要望がある。そのような組成物を用いれば活性成分が一定期間に渡って放出されるため、農薬の使用が低頻度および/あるいは低散布量であっても、有害生物の望ましい制御を提供できる。
【0003】
そのような放出制御を提供するための従来方法には、活性成分をマイクロカプセルに封入する方法がある。そのようなマイクロカプセルは従来典型的にはポリ尿素のような有機ポリマーから成るものであった。しかしながら、コア物質にポリイソシアネートを含むため、そのようなポリ尿素の技術は多くの農薬にとって役立たないと考えられる(特許文献1参照)。さらに、そのような有機ポリマーの使用はある環境下では環境的観点から望ましくないであろう。
【0004】
そのような制限を克服するため、ゾル‐ゲルエマルション重合過程を用いて農薬をシリカ殻に封入することが提案された。このように例えば特許文献1には、放出制御を達成するためにシリカマイクロカプセルに封入された農薬を使用することが開示されており、長期の残存活性が確認されている。類似のものでは、特許文献2、特許文献3および特許文献4ではすべて活性成分(農薬を含む)を非変性シリカ殻に封入するためのゾル‐ゲル過程について開示がある。
【0005】
それらのシリカマイクロカプセルはある程度の徐放性を呈するとはいえ、残存活性が向上し、同時にそれらシリカマイクロカプセルの利点を維持する組成物を製造するのが望ましい。
【0006】
PCT出願の特許文献5は、カプセル化の工程と化粧品のための活性素材のための組成物(とくに日焼け止め)を開示しており、素材は皮膚刺激物質となる可能性があり、皮膚と接触しないように調剤されるべきである。この開示はゾル‐ゲル法で製造されたシリカ殻は、IVB族、IVA族又はVA族の金属のアルコキシまたはアシロキシ化合物による後処理よって不透過性を高めることが可能であることを示唆する。そのような高度に不透過性の殻は、殻壁内に維持されるべき活性成分を封入するのに好適である一方、活性成分(例えば農薬)が殻から放出されて効力を発揮する目的には役に立たない。すなわち、特許文献6を読めば、ゾル‐ゲル法で製造されたシリカ殻を金属で後処理すると不透過性が過剰となり、有効なカプセル化農薬としての使用に適さないと結論づけられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0254082号明細書
【特許文献2】米国特許第6303149号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0292676号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0199523号明細書
【特許文献5】国際公開第03/066209号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある側面において、本発明は好適な徐放性を呈する処理されたマイクロカプセルに関し、処理されたマイクロカプセルは外面を有するシリカ殻に封入された活性成分を有するコア物質を有し、前記シリカ殻の前記外面は金属の層に接合し、前記金属は周期表の2a族、8族、2b族および3a族の金属からなる群より選択されることを特徴とする。
【0009】
他の側面において、本発明はそのような処理されたマイクロカプセルを製造する方法に関し、方法は、a)ゾル‐ゲル重合過程を用いてコア物質をシリカ殻に封入し、マイクロカプセルを形成する工程と、b)前記マイクロカプセルを無機酸、又は周期表の2a族、8族、2b族および3a族の金属からなる群より選択される金属の塩、を用いて処理する工程と、を有する。
【0010】
さらなる側面において、本発明は、a)農薬を活性成分とする処理されたマイクロカプセルと、b)担体と、を含む農薬組成物に関する。
【0011】
他の側面において、本発明は有害生物を制御する方法に関し、その方法は、それらの農薬組成物を有害生物の存在するまたは存在すると予測される場所に有効量散布する過程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】硫酸アルミニウムで後処理された本発明のマイクロカプセルのNMRスペクトルで、Si−O−SiとSi−O−Alの相互作用を定量化するためにデコンボリューションしたものである。
【図2】後処理されていないシリカマイクロカプセルのNMRスペクトルで、Si−O−Siの相互作用を定量化するためにデコンボリューションしたものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ある側面において、本発明は好適な徐放性を呈する処理されたマイクロカプセルに関し、処理されたマイクロカプセルは外面を有するシリカ殻に封入された活性成分を有するコア物質を有し、前記シリカ殻の前記外面は金属の層に接合し、前記金属は周期表の2a族、8族、2b族および3a族の金属からなる群より選択されることを特徴とする。
【0014】
本明細書で用いられる「コア物質」とはマイクロカプセルの内部を指し、マイクロカプセルの殻によって包囲される活性成分を含む。コア物質は、活性成分と、活性成分を溶解または分散させる液状担体のような任意の賦形剤との両方を指す。
【0015】
本明細書で使用される「マイクロカプセル」の言葉は、無機2a族、8族、2b族および3a族の金属の塩又は酸によって後処理されて変性されていないシリカ殻に封入されたコア物質を含む組成物を指す。
【0016】
本明細書で用いる「処理されたマイクロカプセル」の言葉は、無機2a族、8族、2b族および3a族の金属の塩又は酸によって後処理されて変性されたシリカ殻に封入されたコア物質を含む組成物を指す。
【0017】
活性成分は、後処理されて本発明のマイクロカプセルとなる、シリカマイクロカプセルを製造するために使用されるゾル‐ゲル重合過程において使用されるシリカ前駆体に分散可能か溶解可能な任意の物質を含んでよい。好適には、そのような活性成分は実質的に水に不溶で、水への溶解度が室温(20℃)で約0.5重量%より低く、典型的には約0.25重量%より低く、約0.1重量%より低い場合もある。
【0018】
好適には、活性成分は農薬である。本明細書で用いられる「農薬」の言葉は、有害生物を駆除し、忌避し、殺す分子または分子の組み合わせを指し、有害生物は例えば、限定するものではないが、有害または不快な虫、雑草、蠕虫、菌、バクテリア、及びそれらの類似物であり、特に農作物の保護に使用可能で、建築物の保護、芝生の保護、農薬のようなその他の目的にも使用可能であり、農薬は、限定するもでないが殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、殺線虫剤、殺寄生虫剤、所望の植物種の生育を促進、又は望ましくない有害生物の生育を遅延させる成長制御剤を含む。
【0019】
好適には、コア物質の全重量を基準とした農薬の濃度は、約2〜約100重量%;より好適には約10〜約100重量%;最も好適には約20〜約100重量%の範囲である。
【0020】
使用可能な除草剤の例は、アセトクロール、アクロニフェン、アラクロール、アニロホス、アスラム、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスリド、ベンゾイルプロップ−エチル、ブロモキシニル、ブタクロール、ブテナクロール、ブトラリン、カルフェントラゾン−エチル、クロルブファム、クロルフェンプロップ−メチル、クロルプロファム、クロジナホップ−プロパルギル、クロホップイソブチル、クロマゾン、クロキントセット−メチル、シクロキシジム、シオメトリニル、ジアレート、ジクロホップ−メチル、ジエタチル−エチル、ジフルフェニカン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド−P、ジノセブ、エタルフルラリン、エトフメセート、エトキシスルフロン、フェノキサプロップ、フェンチアプロップ−エチル、フェントラザミド、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P−ブチル、フルクロラリン、フルオログリコフェン−エチル、フルロクロリドン、フルオキシピル−メチル、ハロキシホップ−P−メチル、イドスルフロン、オクタン酸イオキシニル、ラクトフェン、MCPB−エチル、メソトリオン、メトキシフェノン、メトラクロール、メトリブジン、ニトロフェン、ノナン酸、オルビンカルブ、オキサジアゾン、ペンディメタリン、ペトキサミド、フェンメディファム、ピノキサデン、プロパキザホップ、プロピスクロール、ピリデート、ピリフタリド、キノリン、キザロホップ−テフリル、S−メトラクロール、チオベンカルブ、トリ−アレート、トリジファン、トリフロキシスルフロン−ナトリウム、トリフルラリン、および任意の上記化合物の混合物を含む。
【0021】
代表的な殺虫剤は、アバメクチン、アルジカルブ、アルドリン、アルファシペルメトリン、アベルメクチン、アジンホスエチル、ベータシフルトリン、ベータシぺルメトリン、ビフェントリン、ビオレメトリン、ブロモホス、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、カルボフラン、カルバリル、クロルフェンビンホス、クロルホキシム、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロフェンテジン、シフルトリン、シペルメトリン、シロマジン、DDVP、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ダイアジノン、ジコホル、ジメトエート、ジメトモルフ、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、エマメクチン安息香酸塩、EPN、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エトフェンプロックス、フェナミホス、フェンクロルホス、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンスルホチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フルフェノクスウロン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ガンマシハロトリン、イミダクロプリド、イソプロカルブ、イベルメクチン、ラムダシハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルホン、メタミドホス、メチダチオン、メソミル、メトルカルブ、モノクロトホス、ニクロサミド、ノバルロン、パラチオン、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホキシム、ピリミホスエチル、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロポクスル、プロトエート、ピメトロジン、スルプロホス、テトラメトリン、チアメトキサム、チアクロプリド、チオジカルブ、チオナジン、トランスフルトリン、トリアザメート、トリブホス、トリフルムロン、ゼータシぺルメトリン、および上記化合物の任意の混合物を含む。
【0022】
使用しうる殺菌剤は、アルジモルフ、アゾキシストロビン、ビナパクリル、ブチオベート、キャプタン、クロロタロニル、シフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジノブトン、ジノカップ、デデモルフ酢酸塩、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エトリジアゾール、フェナミドン、フェンプロピモルフ、フェニトロパン、フルシラゾール、ホルペット、フララキシル、フルメシクロックス、イマザリル、イソプロチオラン、クレソキシムメチル、メフェノキサム、メトミノストロビン、ニトロタルイソプロピル、ペンコナゾール、2−フェニルフェノール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリメタニル、キプロジニル、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、トリアジミノール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、および上記化合物の任意の混合物を含む。
【0023】
本発明のマイクロカプセルのシリカ殻の外面は、それに接合し、周期表の2a族、8族、2b族および3a族の金属から選択される金属の層を有する。それらの層は連続層または不連続層であってよい。
【0024】
それらの金属は好適にはカルシウム、マグネシウム、鉄、ニッケル、銅、ホウ素及びアルミニウムからなる群から選ばれる。最も好適には、金属はアルミニウムである。
【0025】
他の側面において、本発明は処理されたマイクロカプセルを製造する方法に関し、方法は、a)ゾル‐ゲル重合過程を用いてコア物質をシリカ殻に封入し、マイクロカプセルを形成する工程と、b)前記マイクロカプセルを無機酸、又は周期表の2a族、8族、2b族および3a族から選択される金属の塩、を用いて処理する工程と、を含む。
【0026】
コア物質をシリカ殻に封入するためのゾル‐ゲル重合過程は当技術分野において知られており、例えば米国特許第6303149号明細書、米国特許出願公開第2007/0292676号明細書、米国特許出願公開第2008/0254082号明細書、米国特許出願公開第2008/0199523号明細書、PCT出願の国際公開第03/066209号に記載があり、それらの開示は本明細書に参照として含まれる。そのようなあらゆる過程が本発明の方法のステップ(a)に対応するマイクロカプセルを製造するために利用できる。
【0027】
本発明の好適な実施形態によれば、シリカ殻は、Si(OR)の化学式で表されるケイ素アルコキシド単量体のin−situ重合を含むゾル‐ゲル過程によって製造される。ここでRはC−Cのアルキル基である。本明細書で用いられる「in−situ重合」の言葉は、ゾル‐ゲル前駆体のゾル‐ゲル重合過程を指し、ゾル‐ゲル前駆体の加水分解および縮合反応の結果、エマルションの油‐水界面においてシリカ殻を形成する。
【0028】
さらに、本発明の好適な実施形態によれば、ケイ素アルコキシド単量体はテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびそれらの混合物より選ばれる。
【0029】
前駆体(ケイ素アルコキシド単量体)は、単独の単量体であってよく、その他に前駆体は複数の単位を有してよい。例えば、前駆体は前駆体のオリゴマーであってよく、例えば加水分解前処理されたテトラエトキシシラン(TEOS)であってよく、これはTEOSの加水分解に由来しており、封入に使用できる短鎖ポリマーを得るために使用できる。
【0030】
最も好適にはケイ素アルコキシド単量体又はオリゴマーは純粋なシリカ殻を形成する(すなわち有機化学的に変性されていないシリカ)。
【0031】
本発明の方法は、水中油型エマルションの調製に端を発し、前駆体と少なくとも1種の活性成分(好適には農薬)を含んだコア物質とを含んだ疎水性溶液(油層)は水溶液中で乳化され、エマルションは他の水溶液との混合によって縮合‐重合反応を加速させる必要がある場合とない場合とがある。
【0032】
本発明の好適な実施形態によれば、マイクロカプセルの調製工程には、水中油型エマルションの調製工程が含まれ、Si(OR)の化学式を持つ水に不溶のシリコンアルコキシド単量体と、コア物質と、を含む水に不溶の液相が、pHが約2〜約13の範囲である水溶液からなる水層中で、好適なせん断力と温度条件の下で乳化される。ここでRはC〜Cのアルキル基である。より好適には、pHの範囲は約2〜約7である。この工程はさらに、pHが約2〜約13の範囲である水溶液中で得られたエマルションを混合、撹拌し、懸濁液中でマイクロカプセルとする過程を含んでよい。
【0033】
好適には、ケイ素アルコキシド単量体とコア物質との重量比は約3:97〜約30:70の範囲であり、より好適には約3:97〜約15:85の範囲である。
【0034】
マイクロカプセルの粒子サイズは、直径約0.01〜約1000マイクロメートルの範囲であってよく、好適には直径約0.1〜約100マイクロメートル、より好適には直径約1〜約10マイクロメートルである。
【0035】
本発明の過程のステップbでは、ステップaで製造されたマイクロカプセルが無機2a族、8族、2b族または3a族の金属の塩または酸によって処理される。好適な塩は塩化物、硝酸塩、硫酸塩を含む。好適な反応物は塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ホウ酸、塩化鉄、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムを含み、硫酸アルミニウムと塩化アルミニウムは特段好適である。
【0036】
本発明の過程のステップbの好適な実施形態によれば、ステップaで製造されたマイクロカプセル懸濁液は水で希釈される。混合物は均一となるまで撹拌され、アルキル硫酸ナトリウムの水溶液が添加される。次の試薬は良好な撹拌状態の下、それぞれの添加ステップの途中または合間に添加される:金属塩水溶液;ポリビニルアルコール水溶液;およびケイ酸ナトリウム水溶液。得られたスラリーは金属で処理された少なくとも1種の活性成分を含むシリカカプセルを含む。
【0037】
ステップbで用いられた希釈液と試薬との好適な量は、ステップで生成されたマイクロカプセル懸濁液を基準として次の通りである。
【0038】
ステップaで生成されたマイクロカプセル懸濁液は、十分な水によって希釈され、撹拌が容易な混合物とするのが好適である。そのような混合物を生成するために必要な水の量は、マイクロカプセル懸濁液を基準として約25重量%〜約50重量%であり、好適には約30重量%〜約35重量%である。
【0039】
アルキル硫酸ナトリウムのアルキル基は好適には炭素原子数が6〜18、最も好適には炭素数が10〜12である。この化合物の含有量はマイクロカプセル懸濁液を基準として約0.25重量%〜2.0重量%、より好適には約0.5重量%〜1.0重量%である。
【0040】
金属塩の水溶液は、金属処理されたシリカ殻壁においてシリカと金属とのモル比(シリカのモル数:金属酸化物のモル数)が好適には約5:1〜約15:1、より好適には約8:1〜約10:1となるように添加される。
【0041】
ポリビニルアルコールは取り扱いを容易にするため、添加前に水で希釈されることが好適であるが、当過程では必須ではない。金属処理されたカプセルスラリーにおけるポリビニルアルコールの含有量は好適には、マイクロカプセル懸濁液の重量を基準として約1.0重量%〜約2.0重量%、より好適には1.4重量%〜1.6重量%である。
【0042】
ケイ酸ナトリウム水溶液は好適には10.0%〜30.0%のケイ酸ナトリウム溶液で、マイクロカプセル懸濁液の重量を基準として約1.0重量%〜約10.0重量%、より好適には約5.0重量%〜約6.0重量%が添加される。
【0043】
本発明の農薬組成物は、a)農薬を活性成分として含む処理されたマイクロカプセルと、b)担体と、を含む。
【0044】
好適には、担体は水性の担体である。より好適には、担体は水であり、水は分散湿潤剤、増粘剤、および類似物を添加剤としてさらに含んでよい。
【0045】
処理されたマイクロカプセルは、固体、半固体または液体分散性担体ビヒクル及び/あるいは所望であれば他の既知の相溶性の活性試薬、例えば他の農薬、または肥料、成長制御剤等との混合物として用いられてよく、または溶液、エマルション、懸濁液、粉末、ペースト、泡、錠剤、ポリマーシート、エアロゾル等のすぐに使用できる状態の特定の調剤形態として用いられてよい。好適には調剤は水媒体中の処理されたマイクロカプセルの懸濁液の形である。
【0046】
他の側面において、本発明は有害生物を制御する方法に関し、その方法は、上述の農薬組成物を有害生物の存在するまたは存在すると予測される場所に有効量散布する過程を含む。散布の量、場所は、使用する活性成分と制御すべき有害生物とに依存する。しかしながら、当業者は当技術分野の一般的な方法を用いてその量を容易に決定できるであろう。本発明の組成物は活性成分の放出制御が向上しており、このため、この組成物は低頻度及び/あるいは低散布度量で有害生物の所望の制御を提供できる。
【実施例1】
【0047】
実施例1:クロルピリホスを含むアルミナ処理されたシリカカプセルの調製
a)クロルピリホスを含むシリカカプセルの調製
スターラーを備えた5リットルの混合容器に1%の塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液を1200.03g加えた。溶液を室温において撹拌した。
【0048】
スターラーを備えた3リットルの混合容器に精製したパラフィン系石油(サンスプレー6N、Sunoco社より市販)94.50gと重芳香族ナフサ(Aromatic 200、ExxonMobil chemical Companyより市販)31.62g、エポキシ化大豆油5.49g、オクタナール2.40g、オルトケイ酸テトラエチル180.14g、テクニカルグレード(純度95.0%)の温(50℃)クロルピリホス286.62gを加えた。混合物を均一となるまで撹拌した。
【0049】
第二の容器の内容物を第一の容器に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後、ポリトロン6100高速せん断撹拌機を用いて混合物を6500RPMで1.5分間ホモジナイズした。D90において8ミクロンより小さい粒子サイズが達成された。混合物を、オーバーヘッドスターラーを取り付けた3リットルのジャケット付き反応器に移し、撹拌混合物を40℃まで加温した。撹拌を続けながら、0.0005Nの塩酸水溶液を1200.6g添加した。添加後、得られた混合物を40℃において約20時間撹拌した。混合物を約25℃まで冷却し、遠心分離容器に小分けにして移し、3500RPMにおいて30分間遠心分離を行った。上澄み液をそれぞれの遠心分離容器から取り除き、シリカカプセルに封入されたクロルピリホスをウエットケーキとして全量549.4g回収した。
【0050】
b)クロルピリホスを含有するアルミニウム架橋シリカカプセル
スターラーを備えた混合容器に脱イオン水229.71gとデシル硫酸ナトリウム(Stepan社から市販のPolystep B−25)3.83gを加えた。混合物を溶液となるまで撹拌した。この溶液にステップaで調製した536.00gのシリカカプセル封入クロルピリホスウエットケーキを添加し、スラリーが均一となるまで混合物を撹拌した。硫酸アルミニウムの3%水溶液(122.51g)をゆっくりと添加し、添加後に約10分間撹拌を継続した。ポリビニルアルコールの33%水溶液22.97g(Sekisui Specialty Chemicalsから市販のCelvol 24−203)を滴下しながら添加し、添加後に混合物を約2分間撹拌した。ケイ酸ナトリウムの14%水溶液30.63gを撹拌状態を良好に保ちながら非常にゆっくり添加し、添加後に混合物を約2時間撹拌した。得られたスラリーによって、クロルピリホスを含むアルミナ処理されたシリカカプセル915.03gが得られた。スラリーのサンプルをHPLCによって解析した結果、28.3重量%のクロルピリホスを含有することが見出された。
【0051】
c)クロルピリホスを含むアルミナ処理されたカプセルの凍結乾燥
ステップbで製造した600mlのスラリーをVirTis乾燥フラスコに注いだ。フラスコをドライアイス‐アセトンバスに載置し、スラリーが凍結するまで放置した。凍結したスラリーの入ったフラスコをVirTis凍結乾燥機(SP Industriesより市販)に移し、マイナス80℃で24時間真空凍結乾燥した。乾燥フラスコを凍結乾燥機から取出し室温まで温めた。乾燥フラスコの内容物を取出し、清潔なガラス容器に保存した。
【0052】
B.比較実験A:クロルピリホスを含むシリカカプセルの調製
スターラーを備えた5リットルの混合容器に1%の塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液を1200.3g加えた。溶液を室温において撹拌した。
【0053】
スターラーを備えた3リットルの混合容器に精製したパラフィン系石油(サンスプレー6N、Sunoco社より市販)94.59gと重芳香族ナフサ(Aromatic 200、ExxonMobil chemical Companyより市販)31.52g、エポキシ化大豆油5.5g、オクタナール2.42g、オルトケイ酸テトラエチル180.11g、テクニカルグレード(純度95.0%)の温(50℃)クロルピリホス287.4gを加えた。混合物を均一となるまで撹拌した。
【0054】
第二の容器の内容物を第一の容器に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後、ポリトロン6100高速せん断撹拌機を用いて混合物を6500RPMで1.5分間ホモジナイズした。D90において8ミクロンより小さい粒子サイズが達成された。混合物を、オーバーヘッドスターラーを取り付けた3リットルのジャケット付き反応器に移し、撹拌混合物を40℃まで加温した。撹拌を続けながら、0.0005Nの塩酸水溶液を1200.0g添加した。添加後、混合物を40℃において約20時間撹拌した。混合物を約25℃まで冷却し、遠心分離容器に小分けにして移し、3500RPMにおいて30分間遠心分離を行った。上澄み液をそれぞれの遠心分離容器から取り除き、シリカカプセルに封入されたクロルピリホスをウエットケーキとして全量416.0g回収した。
【0055】
C)NMRによる評価
実施例1と比較実験Aとで製造したサンプルのNMRによる評価を次の方法で行った。固体H MAS、Hデカップリングを用いた29Si MAS、H→29Si CPMAS NMRの実験を25℃でBruker A VIII 300(7.0T)を用いて行った。4mm CP MASプローブを用い、回転速度は3.0(H)および2.5(29Si)kHzであった。 サンプルはそれぞれ4mmのBrukerジルコニアローターに直接充填した。Hおよび29Siの化学シフトは外部標準としてそれぞれテトラメチルシラン0.0ppmおよびテトラキス(トリメチルシリル)シラン‐10ppmを基準とした。スペクトルのデコンボリューションはAcorn NMR社から市販のNUTSソフトウェアを用いて行った。
【0056】
デコンボリューションを行った実験1のスペクトルを図1に、比較実験Aのものを図2に掲載した。実施例1のスペクトルにはQ3(Al)‐Si(OAl)(OH)(OSi)3に相当すると考えられる‐とQ4(Al)‐Si(OAl)(OSi)に相当すると考えられる‐とが存在するが、比較実験Aのスペクトルには存在しない。ピークQ2(Si(OH)(OSi)に相当)、Q3(Si(OH)(OSi)に相当)、Q4(Si(OSi)に相当)は両方のスペクトルに存在する。
【実施例2】
【0057】
実施例2:クロルピリホスを含むシリカカプセルのアルミナ後処理とそのカプセル懸濁液の調製
a)クロルピリホスを含むシリカカプセルの調製
撹拌羽根とインラインホモジナイザーを備えた15リットルのジャケット付き混合容器に、25%の塩化セチルトリメチルアンモニウム242.1gと5810.6gの脱イオン水を加えた。混合物をスターラーで撹拌し、40℃まで加温した。
【0058】
15リットルの第二のジャケット付き混合容器に精製したパラフィン系石油(サンスプレー6N、Sunoco社より市販)476.7gと重芳香族ナフサ(Aromatic 200、ExxonMobil chemical Companyより市販)158.9gとを加えた。第二の混合容器の内容物をスターラーで撹拌し40℃まで加温した。40℃に到達した時点で、27.2gの温(50℃)エポキシ化大豆油を添加し、オクタナール12.1g、オルトケイ酸テトラエチル907.9g、テクニカルグレード(純度95.0%)の温(50℃)クロルピリホス1443.1gを添加した。混合物を均一となるまで撹拌した。
【0059】
第二の容器の内容物を第一の容器に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後、インラインホモジナイザーを起動して6000RPMに設定し、混合物をホモジナイザーで循環させた。ホモジナイズは90%の粒子(D90)が8ミクロンより小さくなるまで継続した。1Nの塩酸溶液(3.03g)を6050.2gの脱イオン水で希釈し、希釈した酸を第一の混合容器に添加した。得られた混合物を40℃で約19時間撹拌した。混合物を約25℃まで冷却し、Sorval RC3C遠心分離機に移し、3500RPMで30分間遠心分離を行った。上澄み液を取り除き、2690.8gのシリカカプセルに封入されたクロルピリホスをウエットケーキとして回収した。
【0060】
b)クロルピリホスを含むアルミナ処理されたシリカカプセル
Cowles撹拌羽根を備えた混合容器にステップaで調製したシリカカプセルに封入されたクロルピリホス2690.8g、脱イオン水1153.5g、デシル硫酸ナトリウム(Stepan社から市販のPolystep B−25)19.1gを加えた。混合物をスラリーが均一となるまで撹拌羽根で撹拌した。撹拌羽根を取り除き、Silversonバッチホモジナイザーに置き換えた。ホモジナイズ速度を徐々に上げて1200RPMとした硫酸アルミニウムの3%水溶液(769.0g)をゆっくりと添加し、添加後約1分間ホモジナイズを継続した。混合物を撹拌羽根を備えた混合容器に移し、15分間撹拌した。ポリビニルアルコール溶液38.2g(Sekisui Specialty Chemicalsから市販のCelvol 24−203)と脱イオン水77.0gとの混合物をゆっくりと添加し、添加後、混合物を約15分間撹拌した。撹拌羽根をバッチホモジナイザーと置き換えた。ケイ酸ナトリウムの28%水溶液153.9gを、ホモジナイザーで撹拌状態を良好に保ちながら非常にゆっくり添加した。添加後、ホモジナイズを1分間継続した。ホモジナイザーを取り除いて撹拌羽根に置き換え、混合物を約3時間撹拌した。得られたスラリーによって、クロルピリホスを含むアルミナ処理されたシリカカプセル4650.0gが得られた。スラリーのサンプルをHPLCによって解析した結果、26.8重量%のクロルピリホスを含有することが見出された。
【0061】
c)クロルピリホスを含むアルミナ処理されたシリカカプセルのカプセル懸濁液の調製
スターラーを備えた混合容器に、ステップbで調製したスラリー4650.0g、112.5gの脱イオン水と168.3gのトリスチリルフェノールエトキシレートにポリビニルピロリドン(ISP社より市販のPVP K−30)37.5gを溶解した溶液、カリウム塩(Rhodia Novecareより市販のSoprophor(登録商標) FLK)、アクリルグラフトコポリマー(Cruda Chemicals社より市販のAtlox(登録商標)4913)、グリセリン140.2gを加えた。それぞれの成分の添加時には撹拌状態が良好となるようにした。8.0gのキサンタンガムと2.0gのバイオサイド(Arch Chemicalsより市販のProxel GXL)を390.0gの水に溶解した溶液を調製し、この溶液140.2gを混合物に加えた。混合物を3時間撹拌し、グリセリン140.2g、キサンタンガム/バイオサイド溶液146.2g、脱イオン水200gを加えた。得られたカプセル懸濁液調剤を撹拌して全ての成分を良好に分散させ、クロルピリホスを含むアルミナ処理されたシリカカプセル調剤5831.5gを最終的に得た。調剤のサンプルをHPLCによって解析した結果、22.7重量%のクロルピリホスを含有することが見出された。調剤をプラスチック容器に収納し、容器は後の使用のために密封した。
【0062】
比較実験B
a)クロルピリホスを含むシリカカプセルの調製
スターラーを備えた5リットルの混合容器に1%の塩化セチルトリメチルアンモニウム水溶液を1200.0g加えた。溶液を室温において撹拌した。
【0063】
スターラーを備えた3リットルの混合容器に精製したパラフィン系石油(サンスプレー6N、Sunoco社より市販)94.5gと重芳香族ナフサ(Aromatic 200、ExxonMobil chemical Companyより市販)31.5g、エポキシ化大豆油5.4g、オクタナール2.4g、オルトケイ酸テトラエチル180.0g、テクニカルグレード(純度95.0%)の温(50℃)クロルピリホス286.2gを加えた。混合物を均一となるまで撹拌した。
【0064】
第二の容器の内容物を第一の容器に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後、ポリトロン6100高速せん断撹拌機を用いて混合物を6500RPMで1.5分間ホモジナイズした。D90において8ミクロンより小さい粒子サイズが達成された。混合物を、オーバーヘッドスターラーを取り付けた5リットルのジャケット付き反応器に移し、撹拌混合物を40℃まで加温した。撹拌を続けながら、0.0005Nの塩酸水溶液を1200.0g添加した。添加後、得られた混合物を40℃において約20時間撹拌した。混合物を約25℃まで冷却し、遠心分離容器に小分けにして移し、3500RPMにおいて30分間遠心分離を行った。上澄み液をそれぞれの遠心分離容器から取り除き、シリカカプセルに封入されたクロルピリホスをウエットケーキとして全量517.8g回収した。
【0065】
b)クロルピリホスを含むシリカカプセルのカプセル懸濁液の調製
スターラーを備えた混合容器にステップaで調製したケーキ35.0gとポリビニルピロリドン5%水溶液8.75gを加えた。均一なスラリーが得られるまで混合物を撹拌した。
【0066】
スターラーを備えた第二の混合容器に上記のスラリー32.6g、ポリビニルピロリドン(ISP社より市販のPVP K−30)0.82g,アクリルグラフトコポリマー(Cruda Chemicals社より市販のAtlox(登録商標)4913)0.63g、グリセリン3.15gを加えた。それぞれの成分の添加時には撹拌状態が良好となるようにした。8.0gのキサンタンガムと2.0gのバイオサイド(Arch Chemicalsより市販のProxel GXL)を390.0gの水に溶解した溶液を調製し、この溶液3.15gを混合物に加えた。脱イオン水(21.46g)を加え、得られたカプセル懸濁液調剤を撹拌して全ての成分を良好に分散させ、最終的に63.09gの調剤を得た。調剤のサンプルをHPLCによって解析した結果、21.2重量%のクロルピリホスを含有することが見出された。調剤を後の使用のためにプラスチック容器に収納した。
【0067】
カプセル封入されたクロルピリホス調剤のバイオアッセイ
実施例2と比較実験Bのカプセル封入されたクロルピリホス試験調剤を、散布量280.5L/haで散布された際に散布率が560gm ai/haとなるように脱イオン水で希釈した。インゲンマメを3インチのプラスチック鉢にMetro−Mix培養混合土(Sun Gro Horticulture Canada社より市販)を用いて1鉢あたり1個となるように栽培した。インゲンマメを温室に移し、毎日水をやった。植え付けの約12日後、植物の葉は散布に十分なサイズとなった。それぞれの調剤あたり16のインゲンマメに対し、アレンブームスプレーヤを用い、40〜44psiで280.5L/haとなるように較正し、中空円錐噴霧端を用いて散布した。処理した植物はフードに移動させ、葉が乾燥するまで保管した。乾燥させた植物を栽培箱に移し、16時間明期、8時間暗期の光周期で30℃、湿度50%を保持し、処理の3、7、10及び14日後(DAT)に試験のために必要となるまで地下かんがいより散水を行った。
【0068】
シロイチモンジョトウの幼虫(Spodoptera exigua)に対する試験では、20個の葉片(直径1インチ)を処理済のインゲンマメから切り取り、それぞれの葉片は水で湿潤したフィルター紙を備えたプラスチックペトリ皿(50x9mm)に個別に載置した。2匹の2齢のシロイチモンジョトウの幼虫をそれぞれのペトリ皿に傷つかないように注意しながら載置した。プラスチックの蓋をそれぞれの皿に置き、25℃、相対湿度50%、光周期12時間明期、12時間暗期で72時間保持した。72時間の暴露時間の後、皿を開け、死んだ、瀕死のまたは生きている虫の数を数えた。虫は動きが制限されたり直立を維持できない場合に「瀕死」と分類した。虫の数を用いて、試験化学物質の活性を制御%の単位で表示した。制御%は試験において虫の総数(TI)に対する死んだ又は瀕死の虫の数(TD)から導出される:
【0069】
【数1】

【0070】
下記の表1は、クロルピリホスを含むアルミニウム架橋シリカカプセル調剤とクロルピリホスを含むシリカカプセル調剤とのシロイチモンジョトウの幼虫に対する制御%をまとめたものである。
【0071】
【表1】

【0072】
表1に見られるように、クロルピリホスを含むシリカカプセル調剤は処理の10日後に殺虫能力を失い始め、処理の14日後に良好な殺虫制御を失っている。一方、クロルピリホスを含むアルミナ処理カプセル調剤は処理の10日後にも14日後にも完全な殺虫制御を呈している。
【実施例3】
【0073】
a)94.5gのSunspray 6Nと31.5gのAromatic 200とを混合して有機相を調製した。これに180.0gのオルトケイ酸テトラエチル、2.4gの1−オクタナール、4.4gのエポキシ化大豆油、286.2gのテクニカルベースの融解クロルピリホスを加えた。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液48.0gを脱イオン水1152.0gに溶解して、水相を調製した。有機相を撹拌しながらゆっくりと水相に注いだ。ポリトロン6100高速せん断撹拌機を用いて6500rpmで撹拌しながら、粗エマルションをホモジナイズし、粒子の90%(D90)が7.7μmより小さくなるようにした。0.0005Nの塩酸1200gを加えることによって、シリカ殻の形成が開始された。
【0074】
混合物の温度を40℃に保持しながら、混合物を24時間撹拌した。水とクロルピリホス‐シリカマイクロカプセルとを含むウエットケーキ(517.8g)が混合物の遠心分離の後に得られ、43.0%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0075】
b)ステップa)のマイクロカプセル35.64gを脱イオン水14.46gに混合撹拌させ、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に0.28gのPolystep B25、9.98gの硫酸アルミニウム3%溶液、2.05gのケイ酸ナトリウム28%溶液、0.46gのポリビニルアルコール溶液、1.00gの脱イオン水を添加した。それぞれの添加においては均一となるまで撹拌した。最後の添加が終わった後、混合物を室温で3時間撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には30.6%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0076】
c)ステップb)の処理されたマイクロカプセル生成物5.01gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:0.26gのポリビニルピロリドン25%溶液、0.08gのPolystep B25、0.06gのAtlox 4913、0.07gのSoprophor FLK、0.33gのグリセリン、0.25%キサンタンガムに加えた0.10%Proxel GXL分散液0.31g、0.62gの水。最終生成物は20.3%のクロルピリホスを含み、D90において10.4μmであった。
【実施例4】
【0077】
a)94.57gのSunspray 6Nと31.58gのAromatic 200とを混合して有機相を調製した。これに180.12gのオルトケイ酸テトラエチル、2.39gの1−オクタナール、5.46gのエポキシ化大豆油、287.20gのテクニカルベースの融解クロルピリホスを加えた。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液48.14gを脱イオン水1152.0gに溶解して、水相を調製した。有機相を撹拌しながらゆっくりと水相に注いだ。ポリトロン6100高速せん断撹拌機を用いて6500rpmで撹拌しながら、粗エマルションをホモジナイズし、粒子の90%(D90)が3.7μmより小さくなるようにした。0.0005Nの塩酸1200gを加えることによって、シリカ殻の形成が開始された。反応混合物の温度を40℃に保持しながら、混合物を24時間撹拌した。水とクロルピリホス‐シリカコア殻カプセルとを含むウエットケーキ(513g)が混合物の遠心分離の後に得られ、38.6%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0078】
b)ステップa)のクロルピリホス‐シリカコア殻カプセル50.00gを脱イオン水21.43gに混合撹拌させ、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に0.36gのPolystep B25、11.43gの2.83%硫酸亜鉛溶液、2.14gの33%ポリビニルアルコール水溶液、2.86gの14%ケイ酸ナトリウム溶液を添加した。それぞれの添加においては均一となるまで撹拌した。最後の添加が終わった後、混合物を室温で3時間撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には28.4%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0079】
c)ステップb)の処理されたマイクロカプセル生成物75gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:1.92gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、2.40gのAtlox 4913、2.88gのSoprophor FLK、4.80gのグリセリン、4.80gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、0.96gのトリポリリン酸ナトリウム、3.2gの水。最終生成物は23.5%のクロルピリホスを含み、D90において4.0μmであった。
【実施例5】
【0080】
a)50.00gのクロルピリホスマイクロカプセル生成物(上記の実施例3aに記載の方法で製造)を、0.36gのPolystep B25を含む21.43gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に11.43gの2.83%塩化鉄(II)溶液、2.14gの33%ポリビニルアルコール水溶液を、添加に際してそれぞれ均一となるまで撹拌しながら加えた。撹拌にはCowles撹拌機を700rpmのスピードで用い、2.86gの14%ケイ酸ナトリウム溶液を加え、混合物を室温において2時間撹拌した。撹拌にはCowles撹拌機を1000rpmのスピードで用いた。処理されたマイクロカプセル生成物には30.7%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0081】
b)ステップa)の処理されたマイクロカプセル生成物75gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:2.07gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、2.59gのAtlox 4913、3.00gのSoprophor FLK、5.19gのグリセリン、5.19gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、1.04gのトリポリリン酸ナトリウム、9.53gの水。最終生成物は21.35%のクロルピリホスを含み、D90において3.83μmであった。
【実施例6】
【0082】
a)50.00gのクロルピリホスマイクロカプセル生成物(上記の実施例3aに記載の方法で製造)を、0.36gのPolystep B25を含む21.43gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に11.43gの1.08%ホウ酸、2.14gの33%ポリビニルアルコール水溶液、2.86gの14%ケイ酸ナトリウムを添加した。それぞれの添加においては均一となるまで撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には30%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0083】
b)ステップa)の処理されたマイクロカプセル生成物73gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:1.97gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、2.47gのAtlox 4913、2.96gのSoprophor FLK、4.93gのグリセリン、4.93gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、0.99gのトリポリリン酸ナトリウム、7.40gの水。最終生成物は22.25%のクロルピリホスを含み、D90において86.88μmであった。
【実施例7】
【0084】
a)50.00gのクロルピリホスマイクロカプセル生成物(上記の実施例3aに記載の方法で製造)を、0.36gのPolystep B25を含む21.43gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に11.43gの2.3%塩化アルミニウム、2.14gの33%ポリビニルアルコール水溶液、2.86gの14%ケイ酸ナトリウムを添加した。それぞれの添加においては混合物を均一となるまで撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には27.9%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0085】
b)ステップa)の処理されたマイクロカプセル生成物75gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:1.89gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、2.36gのAtlox 4913、2.83gのSoprophor FLK、4.71gのグリセリン、4.71gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、0.94gのトリポリリン酸ナトリウム、1.82gの水。最終生成物は23.35%のクロルピリホスを含み、D90において3.97μmであった。
【実施例8】
【0086】
a)50.00gのクロルピリホスマイクロカプセル生成物(上記の実施例3aに記載の方法で製造)を、0.36gのPolystep B25を含む21.43gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に11.43gの3.8%硝酸アルミニウム、2.14gの33%ポリビニルアルコール水溶液、2.86gの14%ケイ酸ナトリウムを添加した。それぞれの添加においては混合物を均一となるまで撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には28.2%のクロルピリホスが含まれることが見出された。
【0087】
b)ステップa)の処理されたマイクロカプセル生成物74gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:1.88gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、2.35gのAtlox 4913、2.82gのSoprophor FLK、4.70gのグリセリン、4.70gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、0.94gのトリポリリン酸ナトリウム、2.61gの水。終生成物は23.15%のクロルピリホスを含み、D90において4.065μmであった。
【実施例9】
【0088】
a)21gのAromatic 200と30gのオルトケイ酸テトラエチル、49gのカルフェントラゾンエチルを混合して有機相を調製した。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液8gを脱イオン水192gに溶解して、水相を調製した。有機相を撹拌しながらゆっくりと水相に注ぎ、D90において2.875μmの粗エマルションが形成された。0.0005Nの塩酸200gを加えることによって、シリカ殻の形成が開始された。混合物を重合が完了するまで撹拌した。水とカルフェントラゾンエチルマイクロカプセルとを含むウエットケーキ(87.2g)が、混合物の遠心分離の後に得られた。
【0089】
b)ステップa)で製造した80.00gのカルフェントラゾンエチルウエットケーキを、0.57gのPolystep B25を含む34.29gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に18.29gの3%硫酸アルミニウム、3.43gの33%ポリビニルアルコール水溶液、4.68gの14%ケイ酸ナトリウムを添加した。それぞれの添加においては混合物を均一となるまで撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には28.2%のカルフェントラゾンエチルが含まれることが見出された。
【0090】
c)ステップa)の処理されたマイクロカプセル生成物127.50gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:3.60gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、4.49gのAtlox 4913、5.39gのSoprophor FLK、8.99gのグリセリン、8.99gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、1.80gのトリポリリン酸ナトリウム、19.02gの水。最終生成物は19.9%のカルフェントラゾンエチルを含み、D90において4.849μmであった。
【実施例10】
【0091】
a)21gのAromatic 200と30gのオルトケイ酸テトラエチル、49gのビフェントリンを混合して有機相を調製した。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液8gを脱イオン水192gに溶解して、水相を調製した。有機相を撹拌しながらゆっくりと水相に注ぎ、D90において3.152μmの粗エマルションが形成された。0.0005Nの塩酸200gを加えることによって、シリカ殻の形成が開始された。混合物を重合が完了するまで撹拌した。水とビフェントリンマイクロカプセルとを含むウエットケーキ(88g)が、混合物の遠心分離の後に得られた。
【0092】
b)ステップa)で製造した80.00gのビフェントリンウエットケーキを、0.57gのPolystep B25を含む34.29gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に18.29gの3%硫酸アルミニウム、3.43gの33%ポリビニルアルコール水溶液、4.57gの14%ケイ酸ナトリウムを添加した。それぞれの添加においては混合物を均一となるまで撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には27.7%のビフェントリンが含まれることが見出された。
【0093】
c)ステップb)の処理されたマイクロカプセル生成物125.00gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:3.46gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、4.33gのAtlox 4913、5.19gのSoprophor FL、8.66gのグリセリン、8.66gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、1.73gのトリポリリン酸ナトリウム、16.10gの水。終生成物は20.8%のビフェントリンを含み、D90において3.727μmであった。
【実施例11】
【0094】
a)52.50gのAromatic 200と30.00gのオルトケイ酸テトラエチル、17.50gの95%テブコナゾールを混合して有機相を調製した。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液8gを脱イオン水192gに溶解して、水相を調製した。有機相を撹拌しながらゆっくりと水相に注ぎ、D90において1.597μmの粗エマルションが形成された。0.0005Nの塩酸200gを加えることによって、シリカ殻の形成が開始された。混合物を重合が完了するまで撹拌した。水とテブコナゾールマイクロカプセルとを含むウエットケーキ(88g)が、混合物の遠心分離の後に得られた。
【0095】
b)ステップa)で製造した98.00gのテブコナゾールウエットケーキを、0.70gのPolystep B25を含む42.00gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に22.40gの3%硫酸アルミニウム、4.20gの33%ポリビニルアルコール水溶液、5.71gの14%ケイ酸ナトリウムを添加した。それぞれの添加においては混合物を均一となるまで撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には9.3%のテブコナゾールが含まれることが見出された。
【0096】
c)ステップa)の処理されたマイクロカプセル生成物140.00gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:3.44gのポリビニルピロリドン溶液(K−30溶液)、4.30gのAtlox 4913、5.16gのSoprophor FLK、8.60gのグリセリン、8.60gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、1.72gのトリポリリン酸ナトリウム、0.18gの水。最終生成物は7.1%のテブコナゾールを含み、D90において3.329μmであった。
【実施例12】
【0097】
a)25gのAromatic 200と20.00gのオルトケイ酸テトラエチル、1.3gのAgrimer AL22、62.5gのペンディメタリンを混合して有機相を調製し、溶解を完全にするために20分間の超音波分解を行った。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液3.5gとCelvol 24−203、2.0gとを脱イオン水136gに溶解して、水相を調製した。水相を撹拌しながらゆっくりと有機相に注ぎ、D90において12.3μmの粗エマルションが形成された。0.001Nの塩酸をエマルションのpHが3.4となるまで添加することによって、シリカ殻の形成が開始された。混合物を重合が完了するまで40℃において一晩撹拌した。水とペンディメタリンとを含むウエットケーキ(120g)が、混合物の遠心分離の後に得られた。
【0098】
b)ステップa)で製造した28.0gのペンディメタリンウエットケーキを、0.2gのPolystep B25を含む12gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に2.4gの6%硫酸アルミニウム、1.2gの33%ポリビニルアルコール水溶液を加え、最後にゆっくりと1.6gの14%ケイ酸ナトリウムを加えた。それぞれの添加においては混合物を均一となるまで撹拌した。処理されたマイクロカプセル生成物には30.9%のペンディメタリンが含まれることが見出された。
【0099】
c)ステップb)の処理されたマイクロカプセル生成物125.00gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:4.4gの25%ポリビニルピロリドン水溶液(K−30溶液)、0.55gのAtlox 4913、1.66gのSoprophor FLK、2.74gのグリセリン、2.75gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan、0.55gのトリポリリン酸ナトリウム、5.0gの脱イオン水。最終生成物は20.8%のペンディメタリンを含み、D90において13.15mであった。
【実施例13】
【0100】
a)テクニカルグレードの2,4−D エチルヘキシルエステル101.15gとコーンオイル17.85gとを混合して有機相を調製した。これに対し、51gのオルトケイ酸テトラエチルを加え、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液17.0gを脱イオン水153.0gに溶解して水相を調製した。有機相を撹拌しながらゆっくりと水相に注いだ。ポリトロン6100高速せん断撹拌機を用いて5500rpmで撹拌しながら、粗エマルションをホモジナイズし、粒子の90%(D90)が10μmより小さくなるようにした。0.0005Nの塩酸509gを加えることによって、シリカ殻の形成が開始された。反応混合物の温度を45℃に保持しながら、混合物を24時間撹拌した。水と2,4−D EHE−シリカマイクロカプセルとを含むウエットケーキが、混合物の遠心分離の後に得られた。
【0101】
b)上記の2,4−D EHEマイクロカプセル生成物16.90gを、0.17gの20%Reax 88Aを含む3.31gの脱イオン水に手動で撹拌混合し、均一な流体スラリーを得た。これに対し、順に0.87gの10%硫酸アルミニウム、2.39gの10%ポリビニルアルコール水溶液、1.35gの10%ケイ酸ナトリウムを添加した。添加に際してはそれぞれ均一となるまで混合物を撹拌した。c)ステップb)の処理されたマイクロカプセル生成物13.64gに次の成分を順に添加し、添加ごとに撹拌し、調剤を調製した:1.0gのポリビニルピロリドン溶液(40% K−30溶液)、2.0gのReax 88A、1.0gのAtlox 4913、1.21gのグリセリン、1.0gの0.50%Proxel+2.0%Kelzan。最終生成物は28.4%の2,4−D EHEを含み、D90において7.6μmであった。
【実施例14】
【0102】
a)120.0gのクロマゾン、60.0gのオルトケイ酸テトラエチル、15gのエポキシ化大豆油を混合し、有機相を調製した。ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩化物(CTAC)の25%水溶液3.0gを脱イオン水300.0gに溶解して、水相を調製した。有機相を撹拌しながらゆっくりと水相に注いだ。Waring Blenderを用いて粗エマルションをホモジナイズし、粒子の90%(D90)が10μmより小さくなるようにした。pHが3.0〜3.5となるように数滴の酢酸を添加し、シリカ殻の形成が開始された。混合物を室温において24時間撹拌した。
【0103】
b)ステップa)で製造したクロマゾンマイクロカプセル混合物52.00g(24%含有)を撹拌し、40%硫酸アルミニウムを2g滴下した。28%ケイ酸ナトリウム1.5gと40%ポリビニルピロリドン溶液(K−30 溶液)5gとを順次加えた。28%ケイ酸ナトリウム1.7gをさらに加えた後、混合物を均一となるまで撹拌した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面を有するシリカ殻に封入された活性成分を含むコア物質を含み、
前記シリカ殻の前記外面は、それと接合する金属の層を有し、
前記金属は周期表の2a族、8族、2b族および3a族の金属からなる群より選択されること、
を特徴とする処理されたマイクロカプセル。
【請求項2】
前記活性成分は農薬であること、
を特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル。
【請求項3】
前記金属がマグネシウム、カルシウム、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、ホウ素からなる群より選択されること、
を特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセル。
【請求項4】
前記金属がアルミニウムであること、
を特徴とする請求項3に記載のマイクロカプセル。
【請求項5】
前記農薬が除草剤であること、
を特徴とする請求項2に記載のマイクロカプセル。
【請求項6】
前記除草剤が、アセトクロール、アクロニフェン、アラクロール、アニロホス、アスラム、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスリド、ベンゾイルプロップ−エチル、ブロモキシニル、ブタクロール、ブテナクロール、ブトラリン、カルフェントラゾン−エチル、クロルブファム、クロルフェンプロップ−メチル、クロロファム、クロジナホップ−プロパルギル、クロホップイソブチル、クロマゾン、クロキントセット−メチル、シクロキシジム、シオメトリニル、ジアレート、ジクロホップ−メチル、ジエタチル−エチル、ジフルフェニカン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド−P、ジノセブ、エタルフルラリン、エトフメセート、エトキシスルフロン、フェノキサプロップ、フェンチアプロップ−エチル、フェントラザミド、フルアジホップ−ブチル、フルアジホップ−P−ブチル、フルクロラリン、フルオログリコフェン−エチル、フルロクロリドン、フルロキシピル−メチル、ハロキシホップ−P−メチル、イドスルフロン、オクタン酸イオキシニル、ラクトフェン、MCPB−エチル、メソトリオン、メトキシフェノン、メトラクロール、メトリブジン、ニトロフェン、ノナン酸、オルビンカルブ、オキサジアゾン、ペンディメタリン、ペトキサミド、フェンメディファム、ピノキサデン、プロパキザホップ、プロピスクロール、ピリデート、ピリフタリド、キノリン、キザロホップ−テフリル、S−メトラクロール、チオベンカルブ、トリ−アレート、トリジファン、トリフロキシスルフロン−ナトリウム、トリフルラリン、およびそれらの混合物からなる群より選択されること、
を特徴とする請求項5に記載のマイクロカプセル。
【請求項7】
前記農薬が殺虫剤であること、
を特徴とする請求項2に記載のマイクロカプセル。
【請求項8】
前記殺虫剤が、アバメクチン、アルジカルブ、アルドリン、アルファシペルメトリン、アベルメクチン、アジンホスエチル、ベータシフルトリン、ベータシぺルメトリン、ビフェントリン、ビオレメトリン、ブロモホス、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、カルボフラン、カルバリル、クロルフェンビンホス、クロルホキシム、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロフェンテジン、シフルトリン、シペルメトリン、シロマジン、DDVP、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ダイアジノン、ジコホル、ジメトエート、ジメトモルフ、ジメチルビンホス、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、エマメクチン安息香酸塩、EPN、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エトフェンプロックス、フェナミホス、フェンクロルホス、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンスルホチオン、フェンバレレート、フィプロニル、フルフェノクスウロン、ホスメチラン、ホスチアゼート、ガンマシハロトリン、イミダクロプリド、イソプロカルブ、イベルメクチン、ラムダシハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルホン、メタミドホス、メチダチオン、メソミル、メトルカルブ、モノクロトホス、ニクロサミド、ノバルロン、パラチオン、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホキシム、ピリミホスエチル、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロポクスル、プロトエート、ピメトロジン、スルプロホス、テトラメトリン、チアメトキサム、チアクロプリド、チオジカルブ、チオナジン、トランスフルトリン、トリアザメート、トリブホス、トリフルムロン、ゼータシぺルメトリン、およびそれらの混合物からなる群より選択されること、
を特徴とする請求項7に記載のマイクロカプセル。
【請求項9】
前記農薬が殺菌剤であること、
を特徴とする請求項2に記載のマイクロカプセル。
【請求項10】
前記殺菌剤が、アルジモルフ、アゾキシストロビン、ビナパクリル、ブチオベート、キャプタン、クロロタロニル、シフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジノブトン、ジノカップ、デデモルフ酢酸塩、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エトリジアゾール、フェナミドン、フェンプロピモルフ、フェニトロパン、フルシラゾール、ホルペット、フララキシル、フルメシクロックス、イマザリル、イソプロチオラン、クレソキシムメチル、メフェノキサム、メトミノストロビン、ニトロタルイソプロピル、ペンコナゾール、2−フェニルフェノール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリメタニル、キプロジニル、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、トリアジミノール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、およびそれらの混合物からなる群より選択されること、
を特徴とする請求項9に記載のマイクロカプセル。
【請求項11】
マイクロカプセルを製造する方法において、
a)ゾル‐ゲル重合過程を用いてコア物質をシリカ殻に封入し、マイクロカプセルを形成する工程と、
b)前記マイクロカプセルを無機酸、又は周期表の2a族、8族、2b族および3a族の金属からなる群より選択される金属の塩、を用いて処理する工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
a)農薬を活性成分として含む処理されたマイクロカプセルと、
b)担体と、
を含む、農薬組成物。
【請求項13】
有害生物の存在するまたは存在すると予測される場所に請求項12に記載の農薬組成物を有効量散布する工程を含むこと、
を含む、有害生物を制御する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−513663(P2013−513663A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544599(P2012−544599)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/059102
【国際公開番号】WO2011/081787
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(391022452)エフ エム シー コーポレーション (74)
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
【出願人】(502378966)ゾル−ゲル テクノロジーズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】