説明

復元可能な乾燥血漿製剤

【課題】流動層乾燥された血漿製剤を提供すること。
【解決手段】本発明は、ほ乳類の対象から血漿サンプルを採取する(工程i)、該サンプ
ルを凍結する(工程ii)、この凍結サンプルを顆粒状にする(工程iii)、顆粒状の凍結
サンプルを篩にかけ、400μmより小さな粒子を除去する(工程iv)、篩にかけた凍結サンプルを、流動層乾燥機の中で-5℃〜-20℃の範囲の温度で乾燥させる(工程v)、必要であればこの篩にかけられたサンプルを、流動層乾燥機の中で-5℃〜45℃の温度で乾燥させる(工程vi)、を含む製造方法、これにより製造される流動層乾燥血漿、およびこれを含むキットである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、復元可能な乾燥血漿製剤、その調製方法および復元方法、ならびに医学的および非医学的な(例えば研究)使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血漿は、電解質、タンパク質および有機低分子が溶解した、電気的に中性な水溶液であり、全血の60体積%を構成している。血漿は、とりわけ凝固因子、免疫グロブリン、補体タンパク質および輸送タンパク質を含有している。
【0003】
血漿は、様々な重要な用途を有している。例えば、原発性の疾患であるか外傷後(偶発的または外科的)かに拘わらず、火傷、ショックおよび凝固障害を伴う患者の治療のためである。また、いくつかの免疫疾患の治療においても使用される。
【0004】
新鮮な凍結血漿は、すべての凝固タンパク質および他の血漿タンパク質の供給源であり、したがって、深刻な失血の後、大きな手術の最中または血漿タンパク質の喪失が起きたとき、ならびに抗凝固薬治療を転換するために使用される。また、大量の輸血の後に凝固因子を交換するため、または凝固因子が充分に生産されない場面においても使用されうる。
【0005】
血漿は、主にショックや火傷の患者を治療するために使用される、アルブミンなどの血漿成分を供給するために加工される。また、移植活動を増加させる臓器保存の場合においても関心が持たれている。その他の血漿成分としては、出血異常の治療に用いられる第VIII因子が挙げられる。
【0006】
さらに、限られた期間内に特定の抗体量の水準を引き上げることを目的とした臨床医薬に利用するために、抗体を抽出する場合にも、加工された血漿は不可欠である。破傷風、肝炎、水痘および狂犬病のような疾患に関係する抗体が、該抗体となり得る。Rh陽性の胎児を身ごもっているRh陰性の妊婦に対して用いられる抗D抗体も同様である。
【0007】
病院は、例えば外科手術の際の使用のために、新鮮な凍結血漿の備蓄を保有している。
このため、保健当局および病院はたいてい、通常の需要を満たすため、血液の連続的な収集、分配および貯蔵に依存している。そして供給を最高段階に維持するために、血液製剤を要求している患者には決まって、まだ保持有効期限内にある最も古いもの、すなわち状態が次善のものが供給される。供給が需要を満たすには不充分な状況、たとえば多数の負傷者が発生した事故の場合や、稀な血液型を持つ個人が適合する血液製剤を多量に必要としている場合には、新鮮な供給を遠隔地から輸送する必要があるが、このため、供給や輸送の機会が制限されると患者の生命は危機にさらされる。
【0008】
結果として、重大事故や多数の負傷者の発生事態時に、病院および保健当局は輸血に供せられる血液製剤の供給が不足する危険に直面する。このような環境下で、病院および保健当局は、提供者を募り必要時間内に充分な血液を集めることに頼ることはできない。なぜならば、とりわけ、提供者の血液は使用前にどのような疾患(例えばHIV感染)の検査
をも受けなくてはならないからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このため、現在可能な期間よりも長期間保管でき、しかも必要が生じたときに(例えば
標準的な血液型の血液製剤の供給が枯渇したときなど)患者への輸血に向けて迅速に復元できるような血液製剤が必要とされている。さらに、現在輸血用に用い得る材料よりは安全で信頼できる血液製剤が要求されている。その上、遠隔地および大都市の中心部の両方において、既製品の積荷およびその冷蔵が必要なために、血液製剤の物流が複雑になっている。
【0010】
このような製剤として特に好ましいものは、復元可能な乾燥血漿である。凝固因子の濃縮物は、純度の高い凍結乾燥粉末として入手可能であり、真空凍結乾燥された血漿が知られているが、これは乾燥時間が比較的長いためコストが高いという欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らはこのたび驚くべきことに、乾燥した血漿を製造すること、それを常態下または穏和な冷蔵状態で保管すること、ならびに製剤を復元して生細胞を含有する輸血液を作りだすことが、これと同等の冷蔵した血液製剤についての最長保管期限をかなり越えて保管した後でも可能であることを見出した。乾燥時間もまた、流動層乾燥機を用いることにより顕著に短縮された。
【0012】
したがって、本発明の一つの態様として、流動層乾燥された血漿が提供される。この製剤の乾燥は、一般的には低温から中程度の温度で行われる。
この乾燥製剤は、蒸留水で再水和させ、関係する種の血液における通常範囲内の重量モル浸透圧濃度となるようにし、関係する種の通常の昼間体温から1℃以内の温度としたと
きに、新鮮な血漿または新鮮な凍結血漿の代替品として好適である。そして、タンパク質およびその他の関連する物質の有効性は、真空凍結乾燥させた血漿を用いた場合と比較して、驚くほど良く保持される。関連する血液物質、例えばアルブミン、抗体(例えば水痘・帯状ヘルペスウィルス抗体およびその他のIgG)および第VIII因子に関しては、本発明
の製剤内に保有されている内容物は、従来の技術により製造されたものと少なくとも同等であるか、それよりも良い。特に、IgG、アルブミンおよび水痘・帯状ヘルペスウィルス
抗体の、本発明の製剤における内容物は、真空凍結乾燥のような従来に技術により製造された製剤と比較すると、優れている。
【0013】
本発明の別の態様として、本発明は流動層乾燥された血漿の製造方法を提供する。その製造方法は以下の工程を含む:
ほ乳類の対象から血漿サンプルを採取する;
該サンプルを凍結する;
この凍結サンプルを顆粒状にする;
顆粒状の凍結サンプルを篩にかけ、400μmより小さな粒子、好ましくは800μmより小さな粒子を除去する;
篩にかけた凍結サンプルを、流動層乾燥機の中で-5℃〜-20℃の範囲の温度で乾燥させる

必要に応じてさらに、前記の篩にかけられたサンプルを、流動層乾燥機の中で-5℃〜45℃、好ましくは0℃〜30℃、さらに好ましくは10〜25℃の温度で乾燥させる。
【0014】
本発明の更に別の態様として、流動層乾燥された血漿を含有する、乾燥した復元可能な生物製剤を提供する。
凍結に先立ち、この血漿は抗ウィルスの化学的処置、透析および/または抗体の除去を経てもよい。
【0015】
本発明による製剤は、4℃で貯蔵し、蒸留水で復元することができる。復元に先立ち、
このサンプルは放射線照射が施されてもよい。復元された製剤は、必要ならば濾過してもよく、所望に応じてさらに貯蔵するために冷凍してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
粒子の最初の乾燥は、−5〜-20℃、特に-6〜-15℃、具体的には-8〜-12℃の範囲の温度で、例えば-10℃で行う。上述のように、乾燥操作を加速するために、引き続き高温(例
えば10〜25℃)での乾燥段階を行ってもよい。さらに、+45℃まで、より好ましくは+20℃までの乾燥過程を設けてもよい。乾燥工程の継続時間は使用する温度に依存するが、好ましくは10時間を超過しない。8時間までの乾燥時間が好ましい。
【0017】
乾燥は、乾燥製剤の全水分含量が好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜17重量%、特には5〜12重量%、さらには7〜10重量%となるまで行う。
乾燥工程においては、従来の乾燥媒体(例えば空気、窒素など)を使用することができる;しかし、窒素、酸素を低減させた空気または希ガスを使用することが好ましい。
【0018】
乾燥工程におけるガス分圧は、好ましくは大気圧の10%以内である。
従来の流動層乾燥機では粒子の層を流動化させるためにガスを用いているが、本発明では代わりに、機械的に(例えば櫂やスクリューを備えて相互に逆回転している平行アームによって)層を流動化している乾燥機を使用することができる。このような機械的な流動層は、例えば高分子業界でメタロセン触媒を担体粒子に含浸させるときに(例えばボレアリス社の特許出願を見よ)使用されている。もしも機械的な流動化が用いられるならば、乾燥機内のガス圧は大気圧に準じることが好ましい。
【0019】
所望により、乾燥製剤におけるタンパク質の生物活性を増すために、ポリエーテル(例えばPEGのようなポリアルキレンオキシド)、多糖類、糖(トレハロースなど)または“
中性の”ポリペプチド(ポリグリシンなど)のような水溶性の保護ポリマーを、乾燥が行われる前に血漿に添加してもよい。この点について、例えば1重量%またはそれよりも多
い量を用いることができる。
【0020】
本発明の顆粒化段階により得られる粒子は、好ましくは固体またはゲル状であり、特に好ましくは固体形状である。粒子の大きさ(すなわち粒子の直径の最頻値)は、好ましくは0.05〜5mm、より好ましくは0.4〜3.4mm、特に好ましくは0.5〜3mmの範囲である。した
がって、望むならば、使用前に粒子を等級分けして(篩にかけて)所望の大きさの粒子を選択してもよい。粒子の大きさを実質的に均一にすることで、この粒子は実質的に一様に乾燥される。
【0021】
本発明の製法で必要とされる工程に先立つ工程として、細胞の除去により血漿を製造するよう血液サンプルを処理してもよい。この処理は、例えば濾過など、細胞を除去するのに好適ないかなる手段を用いてもよい。しかし、遠心分離が好ましく用いられる。採血の後、遠心分離は従来から、血液細胞の濃縮物と細胞を含有しない血漿とを貯蔵の前に分離して調製するために使用されている。細胞を除去する工程は、何サイクルかの遠心分離、分離、希釈、遠心分離などを含んでいても良い。
【0022】
細胞の除去の後、次の処理まで、血漿は冷蔵して(例えば1〜4℃で)、典型的には35日間まで貯蔵しておくことができる。しかし、血漿は最小限に延ばすだけで、好ましくは7
日だけで、より好ましくはわずか24時間で次の処理がなされるのが好ましい。
【0023】
本発明は脈管系を有するあらゆる動物からの血液に対して適用可能であるが、ほ乳類の血液、とりわけヒトの血液に対して特に適切である。
サンプルを採取する段階において、血液は健康な提供者から、例えば関係する保健当局またはノルウェーではノルウェー保健省からの国際的な勧告に従って採取するのが好ましい。
【0024】
血液の採取については、例えば「免疫血液学の基礎および応用概念」(Blaneyら, Mosby, 2000年)の第11章に記述されている。
このサンプルは次に、たとえば従来の遠心分離器を使用して、細胞の除去が行われる。この結果得られる血漿は、次の処理を速やかに行ってもよいし、次の処理まで冷蔵し(例えば1〜4℃)、典型的には5週間までの期間保存してもよい。
【0025】
乾燥粒子の血漿は、容器に密封をして包装するのが便利である。密封容器内の気体は無酸素であること、たとえば窒素やヘリウムが好ましい。密封容器は常温で貯蔵してもよいが、望ましくは凍結、または−20℃〜+10℃、好ましくは−10℃〜+4℃で冷蔵もしくは
冷凍して貯蔵する。
【0026】
乾燥血漿は、無菌の水溶液と、好ましくは、乾燥製剤と混合したときに通常の新鮮な血漿から10%以内の等張性を有する溶液が得られるものと混合して復元することができる。
したがって本発明の別の態様として、輸血用の液体の製造方法が提供される。該製造方法は、本発明による乾燥粒子の血漿を生理学的に許容できる無菌の水溶液に分散させることを含む。
【0027】
復元工程を単純化し、自動化に適するようにするために、投与量を一定にするピペットを用いて行う方法が開発された。新鮮な血漿と同じ初期水分含量を有する溶液を提供するために、決まった量の液体が必要となる粉末製剤が秤量される。これにより、本発明の別の態様が提供される。
【0028】
さらに本発明の別の態様として、1つ目に本発明による乾燥粒子の血漿を入れた容器と、2つ目に無菌で生理学的に許容できる復元用の水溶液を入れた容器とを含有する用具一式(キット)が提供される。
【0029】
輸血用の液体が2種類以上の血液成分、例えば赤血球、血小板および血漿タンパク質を含有することが望まれている場合は、別々に製造された乾燥血液製剤を組み合わせて使用することが可能である。例えば、赤血球を含有する乾燥血液製剤と、本発明による乾燥血漿とである。組み合わせるのは、復元の前でも後でもよい。
【0030】
以下、本発明について、なんら限定を意図しない以下の実施例により、さらに記述する。
【実施例1】
【0031】
流動層乾燥された血漿の製造
新鮮な凍結血漿(Octapharma AG社製「OCTAPLAS」200ml)を、-20℃にて3mmの微小球に凍結顆粒化し、篩にかけて800μmより小さな粒子を除去した。次いで、得られた粒子を表1に示した温度にて流動層乾燥機で乾燥させた。サンプル2、5および6については、第2乾燥工程を+20℃にて行った。その後、乾燥された黄色/白色の粉末サンプルを真空包装し
た。
【0032】
【表1】

【実施例2】
【0033】
乾燥製剤の復元
実施例1に記載したようにして製造された乾燥血漿製剤のサンプルを、+4℃で6ヶ月間貯蔵した後、蒸留水で200mlに再水和させた。粉末は極めて良好に溶解した。得られた液体
は黄色で、血漿のようであった。
【0034】
復元されたサンプル1、2、3、5および6について、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、IgGおよびアルブミンの分析を行った。結果は下記表2に示す通りである。
【0035】
【表2】

【実施例3】
【0036】
流動層乾燥された血漿の製造
ウィルスが不活性化された新鮮な凍結血漿8リットルを、トロンハイム(ノルウェー)
のセントオラフ(Saint Olavs)病院の血液バンクから入手した。血漿は、200mlのバッグに収容されており、すべてのバッグがAタイプの血漿で、プールされたバッチから取られ
たものである。製造および乾燥に先立ち、バッグは-45℃に保たれた。低温〜中程度の温
度の流動層乾燥機を用いてそれらのバッチを処理し、それぞれFBD1、FBD2、FBD3、FBD4、FBD5およびFBD6として表示した。サンプルは、-15℃、-10℃および-5℃の単一の低温方式、あるいは、-15℃と+20℃、-10℃と+20℃および-5℃と+20℃といった、低温〜中程度の
温度を組み合わせた温度で乾燥させた。-45℃から-10℃へと暖めた後、すべてのバッチを顆粒化し、篩にかけて3.4mmから400μmの間の粒子を得た。これらの顆粒化されたバッチ
は、乾燥させるまで-25℃で保存した。典型的な乾燥曲線は、-10℃の低温流動層乾燥にお
ける時間に対する水分含量を示す図1により提示される。縦軸が湿重量での水分含量の百
分率(%wb)を示し、横軸が空気入口温度10℃での乾燥時間を時間単位で示す。
【実施例4】
【0037】
粉末の復元方法
実施例3で製造されたすべての粉末サンプルは、蒸留水を加えた後、1〜2分の間に素早
く復元された。測定装置のオペレータによる標準的な復元手順およびより簡便な取り扱いを提供するための方法が確立された。オペレータまたはアシスタントは、測定容器中へ挿入する前に、粉末サンプルに一定容量の蒸留水を加えるだけでよい。粉末の最終的な水分を考慮して、新鮮な凍結血漿またはレファレンスの血漿と等しい初期水分含量を有する溶液を得るために、決められた量の蒸留水が加えられるよう、それぞれのサンプル重量を計算し、秤量した。手順は、次の通りにまとめられる:
・測定装置の容器にあう試験管の中で粉末を計量する(例えば、試験管1本あたり0.088〜0.101グラム)、
・投与量が一定になるピペットを用いて1または2mlの蒸留水を加える、
・均一に混合するよう試験管を震盪する、
・測定装置に試験管を装着し、データを得る。
【実施例5】
【0038】
分析および結果
実施例3および4より得られたサンプルについて、アルブミン、免疫グロブリンIgGおよ
び水痘・帯状ヘルペスに対する抗体/IgGをトロンハイムのセントオラフ病院にて分析し
、第VIII因子をオスロのリクス(Riks)病院にて分析した。免疫測定法を用いて、水痘・帯状ヘルペスに対する抗体/IgGの検出および定量を行った。結果は、表3〜6に示すとおり
である。
表3:アルブミン分析(g/L)
14〜50歳の成人についての正常値=40〜50g/L
【0039】
【表3】

【0040】
表4:免疫グロブリン-IgG分析(g/L)
男性の正常値=6.1〜14.9
【0041】
【表4】

【0042】
表5:抗水痘−帯状疱疹ウィルス抗体/IgGの分析
0.1より大きい値の光学密度の読みは、抗体の存在を示す。
【0043】
【表5】

【0044】
表6:第VIII因子の分析(%)
【0045】
【表6】

【0046】
表3〜6において、“Ref T-F”は、解凍され凍結された血漿から得たレファレンス(例
えば真空凍結乾燥に用いられたサンプルのタイプ)を、また“Ref Gran”は凍結中に顆粒化された血漿から得られたレファレンスを意味する。どちらのタイプのレファレンスサンプルも乾燥はされていない。
【0047】
表3〜6に示された結果について、本発明による製剤とRef T-Fサンプルとに対する分散
分析を行った。これにより、本発明の製剤についてより優れた数値は、偶発的な要素よりも工程における処理の違いにより、ほぼ確かなものであることが示された(アルブミン:有意水準0.14%;IgG:有意水準0.00031%;水痘・帯状ヘルペスウィルス抗体:有意水準0.019%)。
【0048】
これらの結果は、本発明の製剤が、Ref T-Fサンプルよりも顕著に優れたアルブミン、IgGおよび水痘・帯状ヘルペスウィルス抗体の含有量を維持していることを示している。
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動層乾燥された血漿。
【請求項2】
以下の工程を含む流動層乾燥された血漿の製造方法:
ほ乳類の対象から血漿サンプルを採取する;
該サンプルを凍結する;
この凍結サンプルを顆粒状にする;
顆粒状の凍結サンプルを篩にかけ、400μmより小さな粒子を除去する;
篩にかけた凍結サンプルを、流動層乾燥機の中で-5℃〜-20℃の範囲の温度で乾燥させる

さらに、この篩にかけられたサンプルを、流動層乾燥機の中で-5℃〜45℃の温度で乾燥させてもよい。
【請求項3】
上記の顆粒状の凍結サンプルを篩にかけ、800μmより小さな粒子を除去することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、上記の篩にかけられたサンプルを、流動層乾燥機の中で-5℃〜45℃の温度で乾燥させることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
さらに、上記の篩にかけられたサンプルを、流動層乾燥機の中で0℃〜30℃の温度で乾
燥させることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
さらに、上記の篩にかけられたサンプルを、流動層乾燥機の中で10℃〜25℃の温度で乾燥させることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
水分含量が5〜12重量%になるよう乾燥させることを特徴とする、請求項2〜6のいずれ
かに記載の方法。
【請求項8】
請求項1の、または請求項2〜7のいずれかにより製造された乾燥粒状血漿を、生理学的
に許容できる無菌の水溶液に分散させることを含む、輸血液の製造方法。
【請求項9】
請求項1の、または請求項2〜7のいずれかにより製造された乾燥粒状血漿を入れた1番目の容器と、生理学的に許容できる復元用無菌水溶液を入れた2番目の容器とを含有すキッ
ト。

【公表番号】特表2006−519825(P2006−519825A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505927(P2006−505927)
【出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000968
【国際公開番号】WO2004/078187
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(502288816)
【Fターム(参考)】