説明

循環発電装置

【課題】設置する場所の条件が厳しくなく、且つ発電効率が天候に影響されない循環発電装置を提供する。
【解決手段】内部に少なくとも一つの仕切板が設けられ、前記仕切板によりその内部が少なくとも、一つの上収容室と、一つの下収容室と、に仕切られ、前記仕切板には、前記上収容室と前記下収容室とを連通する水漏れ口が設けられる筐体と、前記下収容室に設けられる少なくとも一つの下水車モジュールと、水吸上げ口と、排水口と、を有し、前記水吸上げ口が前記下収容室の底部に位置し、前記排水口が前記上収容室に位置する水吸上げチューブと、前記水吸上げ口から前記排水口に液体を吸上げるポンプ装置と、水車モジュールに駆動されて発電する発電モジュールと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置に関し、特に、空気の圧力差と重力とによって駆動される循環発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
目下、グリーンエネルギーの研究開発が盛んになっており、グリーンエネルギーは、発電装置によりソーラーエネルギー、風力および水力などを利用して発電して得られるエネルギーである。しかし、上記の発電装置は、技術的なネック及び制限があり、且つ室外に設置することが必要であり、例えばソーラーエネルギーを利用する発電装置は日照が良い場所に設置する必要があり、風力を利用する発電装置は風速が一定以上である場所に設置する必要があり、水力を利用する発電装置は川やダムの付近に設置する必要がある。
【0003】
上記の発電装置は、設置する場所の条件が厳しく、且つ発電効率が天候に影響され易く、発電効率が不安定であり、そして長期間に室外に設置するため、寿命が短縮し、これにより、このような発電装置による電力は極めて高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の主な目的は、設置する場所の条件が厳しくなく、且つ発電効率が天候に影響されない循環発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の循環発電装置によると、内部に少なくとも一つの仕切板が設けられ、前記仕切板によりその内部が少なくとも、一つの上収容室と、一つの下収容室と、に仕切られ、前記仕切板には、前記上収容室と前記下収容室とを連通する水漏れ口が設けられる筐体と、前記下収容室に設けられる少なくとも一つの下水車モジュールと、水吸上げ口と、排水口と、を有し、前記水吸上げ口が前記下収容室の底部に位置し、前記排水口が前記上収容室に位置する水吸上げチューブと、前記水吸上げ口から前記排水口に液体を吸上げるポンプ装置と、水車モジュールに駆動されて発電する発電モジュールと、を含み、前記上収容室と前記下収容室との内部に前記液体が収容され、前記上収容室に収容される前記液体は、前記上収容室の底部に蓄積し、重力により前記水漏れ口を経由して前記下収容室に進入し、このとき、前記下収容室の気圧が増加し、且つ前記ポンプ装置の加圧により、前記下収容室の底部にある前記液体は、前記水吸上げ口から前記排水口に流動して、前記上収容室に流入することを特徴とする。
【0006】
本発明の循環発電装置によると、前記下水車モジュールと前記発電モジュールとの間に伝動装置が設けられ、前記伝動装置はギア組であり、前記下水車モジュールの周面に歯部が多数設けられ、前記歯部は前記ギア組のうちの一つのギアと噛合って連動することを特徴とする。
【0007】
本発明の循環発電装置によると、前記仕切板は漏斗状を呈し、前記水漏れ口は前記仕切板の最も低い箇所に位置することを特徴とする。
【0008】
本発明の循環発電装置によると、前記上収容室が前記排水口に対応し、そして上水車モジュールと、前記上水車モジュールに駆動される発電モジュールと、が設けられることを特徴とする。
【0009】
本発明の循環発電装置によると、内部に少なくとも一つの仕切板が設けられ、前記仕切板によりその内部が少なくとも、一つの上収容室と、一つの下収容室と、に仕切られ、前記仕切板には、前記上収容室と前記下収容室とを連通する水漏れ口が設けられる筐体と、前記上収容室に設けられる上水車モジュールと、水吸上げ口と、排水口と、を有し、前記水吸上げ口が前記下収容室の底部に位置し、前記排水口が前記上収容室に位置する水吸上げチューブと、前記水吸上げ口から前記排水口に液体を吸上げるポンプ装置と、水車モジュールに駆動されて発電する発電モジュールと、を含み、前記上収容室と前記下収容室との内部に前記液体が収容され、前記上収容室に収容される前記液体は、前記上収容室の底部に蓄積し、重力により前記水漏れ口を経由して前記下収容室に進入して前記下収容室の底部に蓄積し、このとき、前記下収容室の気圧が増加し、且つ前記ポンプ装置の加圧により、前記下収容室の底部にある前記液体は、前記水吸上げ口から前記排水口に流動して、前記上収容室に流入して前記上水車モジュールを駆動して、前記上収容室の底部に蓄積することを特徴とする。
【0010】
本発明の循環発電装置によると、前記上水車モジュールと前記発電モジュールとの間に伝動装置が設けられ、前記伝動装置はギア組であることを特徴とする。
【0011】
本発明の循環発電装置によると、前記上水車モジュールの周面に歯部が多数設けられ、前記歯部は前記ギア組のうちの一つのギアと噛合って連動することを特徴とする。
【0012】
本発明の循環発電装置によると、前記仕切板は漏斗状を呈し、前記水漏れ口は前記仕切板の最も低い箇所に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の循環発電装置によれば、設置する場所の条件が厳しくなく、且つ発電効率が天候に影響されないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例の透視図である。
【図2】本発明の一実施例の断面図である。
【図3】本発明の一実施例の使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1及び図2を参照する。本発明の一実施例の循環発電装置は、筐体10と、上水車モジュール20と、下水車モジュール30と、水吸上げチューブ40と、発電モジュール50と、ポンプ装置60と、を含む。
【0016】
筐体10は、その内部に少なくとも一つの仕切板11が設けられ、仕切板11によりその内部が、一つの上収容室12と、一つの下収容室13と、に仕切られ、もちろん、二つ以上の収容室に仕切られてもよい。上収容室12は、上端が封止される収容室であり、もちろん、上端が開放してもよいが、上下収容室が封止される収容室であることが好ましい。仕切板11には、上収容室12と下収容室13とを連通する水漏れ口14が設けられる。仕切板11は、平板でもよいが、漏斗状を呈することが好ましい。水漏れ口14は仕切板11の最も低い箇所に位置する。
【0017】
上水車モジュール20は上収容室12に設けられる。下水車モジュール30は下収容室13に設けられる。下水車モジュール30は水漏れ口14に対応する。上水車モジュール20と下水車モジュール30との周面には、複数の板が距離を置いて環設され、これにより、上水車モジュール20と下水車モジュール30との周面に液体の蓄積区が形成される。
【0018】
水吸上げチューブ40は、水吸上げ口41と、排水口42と、を有し、水吸上げ口41が下収容室13の底部に位置し、排水口42は、上収容室12に位置し、上水車モジュール20に対応する。水吸上げ口41と排水口42との開口の面積は水漏れ口14の開口の面積よりも小さく、これにより、水やオイルなどの液体の滴下速度が加速される。小さい開口面積を有する、水吸上げ口41と、排水口42とにより、管内の圧力が増加し、液体を吸上げ可能な高さが大幅に増加する。
【0019】
発電モジュール50は、上水車モジュール20と下水車モジュール30とのうちの少なくとも一つの回転に駆動されて発電する。上下水車モジュール20、30と発電モジュール50の間に伝動装置が設けられることが好ましい。本実施例では、伝動装置がギア組であり、上下水車モジュール20、30の周面に歯部が多数設けられ、前記歯部は前記ギア組のうちの一つのギア51と噛合って連動する。もちろん、発電モジュール50は、上下水車モジュール20、30の軸心に設けられてもいいし、ベルトやローラチェーンなどの伝動装置により上下水車モジュール20、30と連動して回転してもよい。
【0020】
図3を参照する。上収容室12と下収容室13とに液体(例えば水やオイルなど)が蓄積されており、説明を容易にするために、液体は水を例にして説明する。本発明の一実施例の循環発電装置が稼動しているときには、上収容室12にある液体は、上収容室12の底部に蓄積し、すなわち、漏斗状を呈する仕切板11の上で蓄積し、重力により水漏れ口14を経由して下収容室13の下水車モジュール30の蓄積区に滴下し、前記蓄積区にある水の重量が一定以上になると、下水車モジュール30が回転して、液体が下収容室13の底部に蓄積する。このとき、下収容室13の気圧が増加し(下収容室13の水位が上昇して空気が圧縮されるため)、上収容室12の気圧が減少し(上収容室12の水位が降下するため)、気圧の差により、下収容室13の底部に蓄積する液体は、水吸上げ口41から排水口42に吸上げて、上水車モジュール20の蓄積区に滴下し、前記蓄積区にある水の重量が一定以上になると、上水車モジュール20が回転し、このとき、発電モジュール50が駆動されて発電する。
【0021】
本発明の一実施例の循環発電装置は、液体が上収容室12から下収容室13に流入して下収容室13にある空気を圧縮して、この気圧により下収容室13から上収容室12に液体を輸送することの他に、低電力消費のポンプ装置60も設けている。ポンプ装置60により、気圧の差により水吸上げチューブ40に押込まれる水が加圧されて排水口42を経由して上収容室12に流入する。下収容室13に圧力検知ユニット(図示せず)を設けることが好ましい。気圧の差が不足である場合には、前記圧力検知ユニットによりポンプ装置60が起動され、これにより、下収容室13から上収容室12に液体を輸送することができる。そうすると、ポンプ装置60の電力の無駄な消費を回避できる。
【0022】
また、本発明のポンプ装置60の電力の消費は、発電モジュール50の発電量よりも小さいことが必要であり、そうすると、発電モジュール50の発電量からポンプ装置60の電力の消費を引いた電力を外部の装置に供給することができる。もちろん、ポンプ装置60を駆動する電力は、一部が発電モジュール50から供給し、一部が外部の電力(例えば市電)を受けてもよい。そうすると、ポンプ装置60の電力の消費が何時も発電モジュール50の発電量よりも少ないことを確保できる。
【0023】
上記の説明から明らかなように、本発明の一実施例の循環発電装置は、重力および気圧の差を利用すると共に、簡易なポンプ装置を利用するため、持続に発電することができ、そして室内外の何れかの空間に設置することができるため、室外の過酷な天候による循環発電装置の劣化を防止できる。
【0024】
一方、本発明の一実施例の循環発電装置は、上収容室12と下収容室13とのうちの少なくとも一つにドアを設けてもよい。そうすると、水車モジュールなどの保全作業が利便になる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、発電装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0026】
10:筐体
11:仕切板
12:上収容室
13:下収容室
14:水漏れ口
20:上水車モジュール
30:下水車モジュール
40:水吸上げチューブ
41:水吸上げ口
42:排水口
50:発電モジュール
51:ギア
60:ポンプ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に少なくとも一つの仕切板が設けられ、前記仕切板によりその内部が少なくとも、一つの上収容室と、一つの下収容室と、に仕切られ、前記仕切板には、前記上収容室と前記下収容室とを連通する水漏れ口が設けられる筐体と、
前記下収容室に設けられる少なくとも一つの下水車モジュールと、
水吸上げ口と、排水口と、を有し、前記水吸上げ口が前記下収容室の底部に位置し、前記排水口が前記上収容室に位置する水吸上げチューブと、
前記水吸上げ口から前記排水口に液体を吸上げるポンプ装置と、
水車モジュールに駆動されて発電する発電モジュールと、を含み、
前記上収容室と前記下収容室との内部に前記液体が収容され、前記上収容室に収容される前記液体は、前記上収容室の底部に蓄積し、重力により前記水漏れ口を経由して前記下収容室に進入し、このとき、前記下収容室の気圧が増加し、且つ前記ポンプ装置の加圧により、前記下収容室の底部にある前記液体は、前記水吸上げ口から前記排水口に流動して、前記上収容室に流入することを特徴とする循環発電装置。
【請求項2】
前記下水車モジュールと前記発電モジュールとの間に伝動装置が設けられ、前記伝動装置はギア組であり、前記下水車モジュールの周面に歯部が多数設けられ、前記歯部は前記ギア組のうちの一つのギアと噛合って連動することを特徴とする、請求項1に記載の循環発電装置。
【請求項3】
前記仕切板は漏斗状を呈し、前記水漏れ口は前記仕切板の最も低い箇所に位置することを特徴とする、請求項1に記載の循環発電装置。
【請求項4】
前記上収容室が前記排水口に対応し、そして上水車モジュールと、前記上水車モジュールに駆動される発電モジュールと、が設けられることを特徴とする、請求項3に記載の循環発電装置。
【請求項5】
内部に少なくとも一つの仕切板が設けられ、前記仕切板によりその内部が少なくとも、一つの上収容室と、一つの下収容室と、に仕切られ、前記仕切板には、前記上収容室と前記下収容室とを連通する水漏れ口が設けられる筐体と、
前記上収容室に設けられる上水車モジュールと、
水吸上げ口と、排水口と、を有し、前記水吸上げ口が前記下収容室の底部に位置し、前記排水口が前記上収容室に位置する水吸上げチューブと、
前記水吸上げ口から前記排水口に液体を吸上げるポンプ装置と、
水車モジュールに駆動されて発電する発電モジュールと、を含み、
前記上収容室と前記下収容室との内部に前記液体が収容され、前記上収容室に収容される前記液体は、前記上収容室の底部に蓄積し、重力により前記水漏れ口を経由して前記下収容室に進入して前記下収容室の底部に蓄積し、このとき、前記下収容室の気圧が増加し、且つ前記ポンプ装置の加圧により、前記下収容室の底部にある前記液体は、前記水吸上げ口から前記排水口に流動して、前記上収容室に流入して前記上水車モジュールを駆動して、前記上収容室の底部に蓄積することを特徴とする循環発電装置。
【請求項6】
前記上水車モジュールと前記発電モジュールとの間に伝動装置が設けられ、前記伝動装置はギア組であることを特徴とする、請求項5に記載の循環発電装置。
【請求項7】
前記上水車モジュールの周面に歯部が多数設けられ、前記歯部は前記ギア組のうちの一つのギアと噛合って連動することを特徴とする、請求項6に記載の循環発電装置。
【請求項8】
前記仕切板は漏斗状を呈し、前記水漏れ口は前記仕切板の最も低い箇所に位置することを特徴とする、請求項5に記載の循環発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−77618(P2012−77618A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220390(P2010−220390)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(510110703)
【Fターム(参考)】