微噴霧化ベンチュリー管およびこれを用いた微噴霧化装置
【課題】 本発明は、微噴霧化ベンチュリー管、および微噴霧化ベンチュリー管を用いた微噴霧化装置に関する。
【解決手段】 微噴霧化ベンチュリー管(61)は、液体供給管(20)、および圧縮空気供給管(10)を含み、前記導管は、それぞれ、噴霧化領域(30)に一つのノズル開口を有し、噴霧化領域では、前記供給管から流入する加圧された空気が、液体供給から流入する液体を噴霧化する。本発明によれば、前記ベンチュリー管は、圧縮空気供給管ノズル(15)に対して液体供給管ノズル(25)の相対的位置を調節する調節手段(70)を有する。実施態様では、調節手段は、少なくとも液体供給ノズルの長軸位置および/または液体供給ノズルの角度位置を調節することが可能である。本ベンチュリー管は、噴霧化領域にノズル、外部に開口を持つフリーエアーの供給管(40)を有することが好ましい。
【解決手段】 微噴霧化ベンチュリー管(61)は、液体供給管(20)、および圧縮空気供給管(10)を含み、前記導管は、それぞれ、噴霧化領域(30)に一つのノズル開口を有し、噴霧化領域では、前記供給管から流入する加圧された空気が、液体供給から流入する液体を噴霧化する。本発明によれば、前記ベンチュリー管は、圧縮空気供給管ノズル(15)に対して液体供給管ノズル(25)の相対的位置を調節する調節手段(70)を有する。実施態様では、調節手段は、少なくとも液体供給ノズルの長軸位置および/または液体供給ノズルの角度位置を調節することが可能である。本ベンチュリー管は、噴霧化領域にノズル、外部に開口を持つフリーエアーの供給管(40)を有することが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微噴霧化ベンチュリー管、および同管を用いた微噴霧化装置に関する。
【0002】
本発明は特に、液体拡散用の、例えば、香水、液状燃料等の拡散のための装置に適用される。
【0003】
本発明の第1目的は、空中に飛散する液体微粒子を実現することである。
【0004】
微噴霧化とは、液体粒子のサイズが1ミクロン未満である場合を意味し、そのサイズが約1と10ミクロンの間にある場合は常に噴霧化を意味し、そのサイズが約10ミクロンよりも大きい場合は霧化を意味することを想起しなければならない。
【背景技術】
【0005】
加圧空気のジェット流が、ベンチュリー効果を通じて、飛散されるべき液体を吸引し、液体粒子の形で前記液体の拡散を実現する微噴霧化ベンチュリー管が知られる。これらベンチュリー管はそれぞれ、ベンチュリー管本体を構成する1種以上の金属部品を加工することによって製造される。これらのベンチュリー管は、各種ベンチュリー管において、噴霧化液体粒子の方向、および、噴霧化液体粒子の拡散角度が同一とならないほどの製造バラツキを示す。さらに、一定サイズの噴霧化液体粒子を発するように噴霧化する微噴霧化ベンチュリー管は無い。従って、ベンチュリー管から発せられる流れにおいて、相当割合の大型粒子が見出されるが、これは、それらの粒子を捕捉するための特定の手段の存在を要求する。
【0006】
最後に、このようなベンチュリー管において唯一の調節可能なパラメータは、ベンチュリー管に注入される空気の圧である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これらの欠点を救済することを意図するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、第1局面において、微噴霧化ベンチュリー管であって、液体配送管および、液体導入管と加圧空気導入管を含み、後者の両管は、それぞれ、噴霧化領域に向けた少なくとも一つのノズル端を設け、噴霧化領域では、空気導入管から流入する加圧空気が、液体配送管から流入する液体を噴霧化し、かつ、加圧空気導入管ノズルに対して液体配送管の位置を調節する調節手段を有することを特徴とする微噴霧化ベンチュリー管に関する。
【0009】
上記の配置によって、製造の良好な再現性が実現される。なぜなら、液体配送管の調節によって、製造バラツキを少なくとも部分的に補償し、噴霧化液体粒子の流れを各用途に対して適応させることが可能となるからである。
【0010】
調節手段は、液体配送管の軸にそって液体導入ノズルの少なくとも長軸位置を調節するように設計される。
【0011】
上記の配置のために、噴霧化液体粒子の、少なくとも平均拡散角度は調節可能となる。
【0012】
液体導入ノズルは、液体配送管軸に対して回転対称性を持たず、調節手段は、液体配送管軸に対して液体導入ノズルの少なくとも角度位置を調節するように設計される。
【0013】
上記の配置のために、この管の回転によって、該ベンチュリー管の動作、ベンチュリー管の出力、および噴霧化粒子のサイズを変更することが可能となる。
【0014】
ベンチュリー管は、噴霧化領域にノズル、および開放空気開口を備えたフリーエアー導入管を有する。
【0015】
上記の配置のために、注入される空気の量は減り、ベンリュリー管の動作はより経済的となる。本発明者は実際、空気導入管のノズルによって注入される空気の他に、フリーエアー導入管から進入する空気が、液体噴霧化に参加すること、あるいは、少なくとも著明に噴霧化液体出力を増すことを発見した。従って、本発明のベンチュリー管は、小型のコンプレッサー、少ない電力使用、加圧空気流はフリーエアー導入管からの追加フローによって補給されるために、少ない加圧空気流の補給で動作することが可能である。
【0016】
ベンチュリー管は、噴霧化領域の下流にテーパーを有する。
【0017】
上記の配置のために、噴霧化液体粒子流はテーパーノズルにおいて拡散される。
【0018】
本発明はまた、上で略述されたもののようなベンチュリー管を有する噴霧化装置にも関わる。
【0019】
装置はさらに、噴霧化領域の出口に設けられ、噴霧化領域を流出する粒子流の側方部に位置する噴霧化液体粒子を保持するように設計されるダイフラムを有する。
【0020】
上記の配置のために、噴霧化液体粒子流の周囲に位置する、比較的大型の液体粒子は、ダイアフラムによって保持され、噴霧化される液体の容器の中に恐らく回収される。
【0021】
ベンチュリー管は噴霧化領域にノズルを備えた空気吸引管を含み、装置は、空気吸引管の別の開口に陰圧センサーと、前記センサーから到来し、吸引管内部の陰圧を示す信号を処理する処理手段とを有する。
【0022】
本発明の別の特性によれば、陰圧センサーは、空気吸引管を完全に空白にするか、別態様として、空白化はほんの部分的なものであり、圧力センサー本体が、大なり小なり相当の負荷損失をもたらすものであってもよい。
【0023】
上記の配置のために、陰圧センサーによって、噴霧化領域の液体配送管において液体の不在を決定することが可能になる。そのために、本発明者は、このノズルに液体が存在しない場合に圧力センサーによって感受される陰圧値は、前記ノズルが噴霧化される液体を含んでいる場合の陰圧値と異なることを発見した。上に略述した空気吸引管およびフリーエアー導入管は相互に交換的に使用されることがあることに注意しなければならない。
【0024】
次に、信号処理手段は、音、視覚、または、有線/無線による遠方伝達性警告を発し、および/または、ノズルに圧縮空気を送るエアーコンプレッサーへの電力遮断を招くことが可能である。
【0025】
液体吸引管はまた、開放空気開口を有する。従って、液体吸引管は、上に略述したフリーエアー導入管の利点、すなわち、注入空気量が低下する、およびベンチュリー管の操作がより経済的となるという利点を提供する。
【0026】
本発明の、その他の利点、目的および特性は、付属の図面に基づいて下記の説明を参照することによって明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1から4のそれぞれにおいて、ベンチュリー管61から64がそれぞれ見られるが、各ベンチュリー管は、ベンチュリー管本体、空気導入管10、噴霧化される液体の配送管20、空気導入管10のノズル15、液体配送管20のノズル25が配される噴霧化領域30、噴霧化領域30にノズル45を有するフリーエアー導入管40を含み、噴霧化領域は、ベンチュリー管本体、および同本体に流入する各種導管の内部に形成され、さらに具体的に言うと前記導管は、ベンチュリー管に形成された孔に嵌合し、導管の円筒外側面と、対応する孔の円筒面の間には適正な密封性が実現されることを特徴とするベンチュリー管である。導管20が、円筒形室によって形成される噴霧化領域30に進入するのが見て取れる。導管20は、収納部と被収納部とから成り、被収納部は収納部に、隙間無く嵌合されて、または、ほぼ隙間無い嵌合によって取り付けられ、ノズル25が、被収納部の末端に配されることが見て取れる。嵌合のタイプによっては、被収納部が収納部の内部をスライドすること、またはそれを阻止することが可能となる。
【0028】
ノズル45は、導管40の長軸に対して垂直な幾何学的面にあること、ノズル15は、導管10の長軸に対して垂直な幾何学的面に従って配置されることが見て取れる。さらに、導管10、20および40の長軸は互いに直交する、すなわち、導管10の長軸は、導管40および20の長軸に対して垂直であることも見て取れる。さらに、導管40と20は軸揃えされていることも見て取れる。
【0029】
空気導入管10は、加圧空気、例えば、大気圧に等しい1倍から10倍の間の圧を加えた空気を供給するコンプレッサー(図9)に接続される。液体配送管20は、その一端において、噴霧化される液体の容器(図6、7および9)に接続される。噴霧化領域30では、空気導入管10のノズル15、液体配送管20のノズル25は、それぞれ、ベンチュリー効果を通じて液体が噴霧化領域30に吸引され、ノズルから流出する気流が、よく知られたやり方で噴霧化領域30の出口50に向けて噴霧化液体粒子の流れを形成するように配置される。
【0030】
ベンチュリー管61から64は、液体配送管20のノズル25の位置に関する調節手段70を持つことに注目すべきである。ベンチュリー管61から64において、調節は、液体配送管20の長軸方向のスライドおよび/または回転によって実現される。このことを実行するために、液体配送管にはネジ溝部を設け、ベンチュリー管本体には、前記導管を受容するよう設計された貫通孔にタップを立て、導管のネジ溝が、貫通孔のタップに適合するようになっていてもよい。この解決法では、導管の軸方向変位は、その回転と分かちがたく結びついている。別の実施態様によれば、液体吸引管20と対応する貫通孔は滑らかであり、そのために、導管の長軸方向調節は、その回転調節とは独立することが可能となっている。
【0031】
調節手段70によるノズル25の位置調節によって、ベンチュリー管61から64までの動作パラメータを変えること、製造バラツキを少なくとも部分的に補償すること、および、噴霧化液体粒子流を各用途に合わせて調節することが可能となる。ノズル25を長軸方向に移動することによって、噴霧化液体粒子の、空気導入管軸10に対する、少なくとも平均拡散角度が調整される。
【0032】
図1において、ノズル15と25は、導管25の厚みを除いては、互いに接触する。一方、図2では、ノズル25は、ノズル25の直径と同程度の大きさの距離だけ、すなわち、この直径の半分から3倍の距離だけ、ノズル15から離れている。
【0033】
図3では、図2と同じ要素に加えて、噴霧化領域30に向けて軸方向に延びるテーパー75が注目される。図4では、図3と同じ要素に加えて、ダイアフラムとして作用する、すなわち、噴霧化液体粒子の流れを側面から保持する円筒形チャンバー80の形をしたテーパー75の延長部が注目される。従って、全体として、この流れの側方部に位置する比較的大型の粒子は、チャンバー80の円筒側面に落下し、重力作用によって流下して、噴霧化領域の中、または噴霧化される液体の容器の中のいずれかに回収される(図6から8まで参照)。
【0034】
図1から3では、ノズル25と45は平行な幾何学面に従って配置され、ノズル25は、導管20の長軸に対して垂直な幾何学的面にあることが注目される。一方、図4では、液体配送ノズル25は、液体配送管軸に対して回転対称性に設けられていないこと、すなわち、ノズル25の平面は、導管25の長軸に対して、90度とは異なる角度を示すことが注目される。別の解決法では、回転対称の欠如は、導管20の非円形に反映される。調節手段70は、液体配送管20に対する、液体配送ノズル25の少なくとも角度位置を調節するように設計される。この導管20の回転によって、ベンチュリー管64の動作を変えることが可能になる。
【0035】
図には示されていないが、別態様として、ノズル25の位置の調節手段70は、公知の機械的手段に基づいて、ノズル15の軸にそった、前記ノズル25と、ノズル15との距離を調節すること、前記ノズル25と、ノズル15の軸との距離を調節すること、および/または、ノズル15の軸と、ノズル25の軸の間の角度を調節することも可能である。
【0036】
図1から4のそれぞれにおいて、噴霧化領域30においてノズル45を介して終端を形成し、また、開放空気、例えば、噴霧化される液体容器中の開放空気の中にさらに別の開口が設けられるフリーエアー導入管40が注目される(図6から8迄を参照)。噴霧化領域30のフリーエアー導入管のノズル45の形および/または位置によって、例えば、ベンチュリー効果によって、または、ノズル15によって注入される気流によって噴霧化領域30の側方部分に形成される陰圧作用によって、フリーエアー(大気)がこの区域に吸引される。本発明者は、このフリーエアー導入管40を持たない類似のベンチュリー管と比べて、フリーエアー導入管40の存在によって、ベンチュリー管61から64までの各管の効率を増大させることが可能であることに注目した。
【0037】
図5において、空気導入管10、一方では噴霧化される液体の搬送のため、他方ではフリーエアーの導入のための円筒形導管85、空気導入管10のノズル15、および、導管85の二つの開口86と87を有する噴霧化領域30を有するベンチュリー管65が注目される。 導管85は、ベンチュリー管65本体に形成された円筒形貫通孔中をスライドするように設計される。このようにして、この貫通孔から成る調節手段70は、軸に対する回転と、軸に沿う移動の両方に関して導管85のスライドを可能とする。これによって、ノズル15に対する開口86および87の位置を変化させることが可能となり、このようにして、これらの開口は、ベンチュリー管65操作の二つの調節パラメータを構成する。開口86および87の他に、導管85は、一端においてフリーエアー開口を持ち、他端において、噴霧化される液体の容器の中に開口を持つ。
【0038】
開口86および87は円形であり、ノズル15の直径と事実上等しい直径を持つ。この二つの開口は、導管85の長軸に関して対称的な位置に配される。従って、二つの開口は正反対の位置にある。
【0039】
図6から8までは、噴霧化される液体の容器100を示し、噴霧化される液体の配送管120は、容器100に含まれる液体中に投入される中空の棒状体121、および、ベンチュリー管160に挿入される二次導管122から成り、前記二次導管は、導管120と連通的関係にある。ベンチュリー管160は、中心フランジ161を介して、独立して、または、ベンチュリー管本体の基礎を形成しながら容器の縁に載置される。防犯リング162が、容器の上部周囲に配され、その上部において密栓カラー163を介して中心フランジ161に対し密着する。この防犯リング162は、取り外し不能なやり方で容器に付着される。さらに、ベンチュリー管160は、その内部に空気導入管110aおよび噴霧体放出管195が形成されるキャップ164によって被われる。
【0040】
空気導入管110aは、圧縮空気の供給源、例えば、コンプレッサーの圧縮空気アウトプットに対して隙間無く取り付けられた取付端部110bによって適当に延長される。この取付端部110bは、図示のように垂直でもよいし、上方に、または下方に延びてもよいが、前記取付端部はまた水平位置を取ってもよい。
【0041】
キャップ164は、中心フランジ161にネジ留めされ、防犯リング162上の密栓カラー163を被う。各ネジは、フランジ161を貫通する孔に、次いで、キャップ164に形成される盲孔タップに挿入される。このような配置のために、ネジヘッドは、容器内部空間、またはその対向位置にあることになり、従って、接近不能である。
【0042】
従って、防犯リング162が容器に固定された後は、リングを破壊することなしには、ベンチュリー管を外し、容器の内容物に接近することは不可能である。
【0043】
さらに、本装置は、単一使用に限られ、容器に含まれる液体の消失後は廃棄される、ディスポーザブルなものであってもよい。
【0044】
容器に最初に含まれていた液体の完全な消失前に、または消失後に、何かの外来物質または液体を、装置、特に容器へ導入することを阻止し、それによって安全性を強化するため、装置の外側から内部への接近を可能とする様々の導管にチェックバルブのような安全確保手段を設けてもよい。
【0045】
ベンチュリー管160は、キャップに設けられる導管110aと連通関係にある空気導入管110、二次導管122、その中に、空気導入管110のノズル115および液体配送管120のノズル125が存在する噴霧化領域130、噴霧化領域130の出口150、二次導管122の位置の調節手段170、噴霧化領域の、テーパー175の延長出口150、および、テーパーに延びる円筒チャンバー180を有する。調節手段170は、マイクロメーターピッチのネジから成る。ベンチュリー管160はまた、噴霧化領域130にノズル145を持つフリーエアー導入管140を持ってもよい。このフリーエアー導入管は、キャップに設けられる貫通導管140aと連通関係にある。
【0046】
好ましい設計では、噴霧化される液体の導管121は、その下端においてフィルター121aを有する。このフィルターは、容器の中の液体の中に投入される。
【0047】
フリーエアー導入管または吸引管140はまた、陰圧センサーを受容するように設計された開口142をその特徴とする(図9参照)。
【0048】
噴霧化領域130では、空気導入管110のノズル115、液体配送管120のノズル125は、それぞれ、ベンチュリー効果を通じて液体が噴霧化領域130に吸引され、ノズル115から流出する気流が、よく知られたやり方で噴霧化領域130の出口150に向けて噴霧化液体粒子流を形成するように配置される。
【0049】
本発明者は、このフリーエアー導入管140を持たない同じベンチュリー管と比べて、フリーエアー導入管140の存在によって、ベンチュリー管160の出力を増大させることが可能であることに注目した。さらに、吸引導管は、チャンバー180に空気を吸引するので、ベンチュリー管からの流れの一部は噴霧化領域に注入され、このために、チャンバー180を脱出する流れにおける噴霧化液体粒子の濃度を増大させることが可能となる。
【0050】
本発明の一つの局面に特徴的なやり方として、チャンバー180から出る流れが、ベンチュリー管160から出る際に通過する逸出開口190は、液体容器100内に終端を形成し、かつ、液体容器100は、逸出開口190から出てきた噴霧化液体粒子の一部がそれを通じて容器100から脱出する噴霧化液体粒子放出口195、および、本装置を取り囲む雰囲気中に拡散される噴霧化液を有する。
【0051】
このようにして、比較的大型の液体粒子は、重力作用によって、または、容器100内におけるその慣性によって落下し、そこで噴霧化される液体に加わる。
【0052】
好ましい設計では、逸出開口190は、容器に含まれる液体の表面に向けられる。
【0053】
図9は、容器100とベンチュリー管160、コンプレッサー210、コンプレッサー210用電源220、圧力センサー230、処理手段240、警告信号発生器250、音伝達器260、指示灯270、および、コンピュータネットワーク280を有する噴霧化装置200を示す。
【0054】
圧力センサー230は、導管140の開口142に配され、噴霧化領域130の側方部の圧(または陰圧)を表す信号を発生する。処理手段240、例えば電子ボード(マイクロプロセッサータイプのものが考えられる)、コンピュータ、または閾値回路は、圧力センサー230によって送信される信号を受容し、この信号の指定の変動基準に基づいて、警告信号発生器250に警告信号を発生させ、この信号は、音伝達器260、指示器270、および/またはコンピュータネットワーク280に送られる。
【0055】
指定の基準とは、例えば、閾値レベルを下回る測定圧の低下、または、5分よりも短い時間に測定された少なくとも10%の圧低下である。
【0056】
本発明者は実際、ノズル125に液体が無くなったとき圧力センサー230によって感受される陰圧値は、前記ノズルが、噴霧化される液体を含んでいる時の陰圧値と異なることを発見した。図6から9に示される実施態様では、測定された圧力値は、ノズル125に液体が無い場合の方が、ノズル125にまだ噴霧化される液体がある場合に比べてより低い。
【0057】
警告信号発生器250は、下記の指令を発するように設計される。すなわち、例えばスピーカーから成る音伝達器260による音信号の伝達、例えばLEDから成る指示灯270による視覚信号の伝達、および/または、例えば、コンピュータシステムに接続されるキャプチャーボードそのものに、有線または無線的に接続されるコンピュータネットワーク280による警告信号の伝達である。
【0058】
処理手段はまた、それが、噴霧化される液体がもはや無いことを検出した場合に、コンプレッサー210の電源を切るように設計される。
【0059】
図10は、初期化工程300であって、その際、ベンチュリー管が噴霧化される液体の容器に接続され、ベンチュリー管による噴霧化液体粒子の容器内部での噴射が実行される初期化工程300を示す。
【0060】
次に、工程310において、エアーコンプレッサーが起動されて、噴霧化される液体が容器内に吸引される。
【0061】
次に、工程310において吸引された液体の各部分について、噴霧化領域への注入工程320が実行され、噴霧化液体粒子の前記容器中への噴射工程330が起こる。
【0062】
次に、噴霧化液体粒子の一部は、工程340の際に、放出開口から容器を出る。
【0063】
工程320から340と平行して、容器中の空気の一部が、工程350でフリーエアー導入管の中に吸引され、工程360で噴霧化領域に注入される。
【0064】
工程320から360と平行して、測定工程370が噴霧化領域の圧について実行され、さらに、前記測定値について処理工程380が実行される。
【0065】
好ましい設計によれば、測定工程370において、圧は、噴霧化領域にノズルを持ち、また恐らくは、例えば、容器内にフリーエアー開口を持つ吸引導管内で測定される。
【0066】
処理工程380では、図9に基づいて説明したように、圧が指定の変動基準に合致した場合はいつでも、コンプレッサー操作が停止させられるか、あるいは、警告信号が発せられる。
【0067】
図11は、逸出開口190の、好ましくはこの開口末端に設けられる肩部、すなわち、噴霧化チャンバーの反対側(図6参照)に挿入が可能な、三つの側方開口197を備えた円形成分またはダイアフラム196を示す。この円形成分の機能は、噴霧化液体の最大粒子を保持し、それによって、それら粒子が大径の滴を形成し、重力作用の下に容器100中に落下するようにすることである。これによって、噴霧化される液体の酸化を招きやすい乳剤の形成が阻止される。
【0068】
図12は、ノズル25の別の形態26を示す(図1から4を参照)。
【0069】
この別形態では、ノズル25の開口は、液体配送管70と、加圧空気導入管10のノズルを取り囲む円筒との交差によって形成される、加圧空気導入管を軸とする非平面形を持つ。本発明者は、この特定の形態26が、噴霧化ベンチュリー管61から64において良好な効率を実現することに注目した。任意の他の形態、例えば、三角形のものを設けてもよい。
【0070】
前述の装置は、図13および14に示すように、区画に仕切った保護ケースに適当に配置される。図から見て取れるように、このケースは、ロック付きの閉じ蓋を持つ。ケースの区画の内の一つは、本発明の装置を受容するように設計され、区画の内の別の一つは、圧縮空気エアコンプレッサーを受容するように設計される。コンプレッサーによって圧縮された空気の出力口は、第1区画に固定され、噴霧化装置のキャップソケット末端を受容するように設計されたソケットに対して、屈曲性または剛性ラインを通じて接続される。装置の電子部品を受容するためにもう一つの区画が設けられる。
【0071】
好ましい設計では、装置の自由な脱着性を変えずにケース内部に装置を確保するために、装置は、第1区画に取り付けた二つの固定スタッドと蝶番を介して協調するように設計されたロックレバーを備える。
【0072】
本発明は、等価的技術分野から為される、任意の改善および別態様を、本発明の範囲から逸脱することなく受容することが可能であることを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1(a)】本発明の第1局面の、第1特別実施態様によるベンチュリー管の断面図である。
【図1(b)】図1(a)の詳細を拡大スケールで示す図である。
【図2】本発明の第1局面の、第2特別実施態様によるベンチュリー管の断面図を示す。
【図3】本発明の第1局面の、第3実施態様によるベンチュリー管の断面図を示す。
【図4】本発明の第1局面の、第4特別実施態様によるベンチュリー管の断面図を示す。
【図5】本発明の第1局面の、別の特別実施態様によるベンチュリー管の断面斜視図を示す。
【図6】本発明の別の局面による噴霧化装置の特別実施態様の断面図を示す。
【図7】本発明の別の局面による噴霧化装置の特別実施態様の断面図を示す。
【図8】図6の詳細図である。
【図9】警告発生手段を有する微噴霧化装置を示す。
【図10】本発明の一つの局面の主題である処理の特別実施態様による微噴霧化装置の、工程フローチャートを表す模式図である。
【図11】図6から9に示した実施態様に適用が可能なシャッターの模式図である。
【図12】本発明の各実施態様に使用が可能な、液体配送管ノズルの別形態の模式図である。
【図13】本発明の装置を受容するよう設計された、ケースの開放時の斜視図である。
【図14】本発明の装置を受容するよう設計された、ケースの閉鎖時の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微噴霧化ベンチュリー管、および同管を用いた微噴霧化装置に関する。
【0002】
本発明は特に、液体拡散用の、例えば、香水、液状燃料等の拡散のための装置に適用される。
【0003】
本発明の第1目的は、空中に飛散する液体微粒子を実現することである。
【0004】
微噴霧化とは、液体粒子のサイズが1ミクロン未満である場合を意味し、そのサイズが約1と10ミクロンの間にある場合は常に噴霧化を意味し、そのサイズが約10ミクロンよりも大きい場合は霧化を意味することを想起しなければならない。
【背景技術】
【0005】
加圧空気のジェット流が、ベンチュリー効果を通じて、飛散されるべき液体を吸引し、液体粒子の形で前記液体の拡散を実現する微噴霧化ベンチュリー管が知られる。これらベンチュリー管はそれぞれ、ベンチュリー管本体を構成する1種以上の金属部品を加工することによって製造される。これらのベンチュリー管は、各種ベンチュリー管において、噴霧化液体粒子の方向、および、噴霧化液体粒子の拡散角度が同一とならないほどの製造バラツキを示す。さらに、一定サイズの噴霧化液体粒子を発するように噴霧化する微噴霧化ベンチュリー管は無い。従って、ベンチュリー管から発せられる流れにおいて、相当割合の大型粒子が見出されるが、これは、それらの粒子を捕捉するための特定の手段の存在を要求する。
【0006】
最後に、このようなベンチュリー管において唯一の調節可能なパラメータは、ベンチュリー管に注入される空気の圧である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これらの欠点を救済することを意図するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、第1局面において、微噴霧化ベンチュリー管であって、液体配送管および、液体導入管と加圧空気導入管を含み、後者の両管は、それぞれ、噴霧化領域に向けた少なくとも一つのノズル端を設け、噴霧化領域では、空気導入管から流入する加圧空気が、液体配送管から流入する液体を噴霧化し、かつ、加圧空気導入管ノズルに対して液体配送管の位置を調節する調節手段を有することを特徴とする微噴霧化ベンチュリー管に関する。
【0009】
上記の配置によって、製造の良好な再現性が実現される。なぜなら、液体配送管の調節によって、製造バラツキを少なくとも部分的に補償し、噴霧化液体粒子の流れを各用途に対して適応させることが可能となるからである。
【0010】
調節手段は、液体配送管の軸にそって液体導入ノズルの少なくとも長軸位置を調節するように設計される。
【0011】
上記の配置のために、噴霧化液体粒子の、少なくとも平均拡散角度は調節可能となる。
【0012】
液体導入ノズルは、液体配送管軸に対して回転対称性を持たず、調節手段は、液体配送管軸に対して液体導入ノズルの少なくとも角度位置を調節するように設計される。
【0013】
上記の配置のために、この管の回転によって、該ベンチュリー管の動作、ベンチュリー管の出力、および噴霧化粒子のサイズを変更することが可能となる。
【0014】
ベンチュリー管は、噴霧化領域にノズル、および開放空気開口を備えたフリーエアー導入管を有する。
【0015】
上記の配置のために、注入される空気の量は減り、ベンリュリー管の動作はより経済的となる。本発明者は実際、空気導入管のノズルによって注入される空気の他に、フリーエアー導入管から進入する空気が、液体噴霧化に参加すること、あるいは、少なくとも著明に噴霧化液体出力を増すことを発見した。従って、本発明のベンチュリー管は、小型のコンプレッサー、少ない電力使用、加圧空気流はフリーエアー導入管からの追加フローによって補給されるために、少ない加圧空気流の補給で動作することが可能である。
【0016】
ベンチュリー管は、噴霧化領域の下流にテーパーを有する。
【0017】
上記の配置のために、噴霧化液体粒子流はテーパーノズルにおいて拡散される。
【0018】
本発明はまた、上で略述されたもののようなベンチュリー管を有する噴霧化装置にも関わる。
【0019】
装置はさらに、噴霧化領域の出口に設けられ、噴霧化領域を流出する粒子流の側方部に位置する噴霧化液体粒子を保持するように設計されるダイフラムを有する。
【0020】
上記の配置のために、噴霧化液体粒子流の周囲に位置する、比較的大型の液体粒子は、ダイアフラムによって保持され、噴霧化される液体の容器の中に恐らく回収される。
【0021】
ベンチュリー管は噴霧化領域にノズルを備えた空気吸引管を含み、装置は、空気吸引管の別の開口に陰圧センサーと、前記センサーから到来し、吸引管内部の陰圧を示す信号を処理する処理手段とを有する。
【0022】
本発明の別の特性によれば、陰圧センサーは、空気吸引管を完全に空白にするか、別態様として、空白化はほんの部分的なものであり、圧力センサー本体が、大なり小なり相当の負荷損失をもたらすものであってもよい。
【0023】
上記の配置のために、陰圧センサーによって、噴霧化領域の液体配送管において液体の不在を決定することが可能になる。そのために、本発明者は、このノズルに液体が存在しない場合に圧力センサーによって感受される陰圧値は、前記ノズルが噴霧化される液体を含んでいる場合の陰圧値と異なることを発見した。上に略述した空気吸引管およびフリーエアー導入管は相互に交換的に使用されることがあることに注意しなければならない。
【0024】
次に、信号処理手段は、音、視覚、または、有線/無線による遠方伝達性警告を発し、および/または、ノズルに圧縮空気を送るエアーコンプレッサーへの電力遮断を招くことが可能である。
【0025】
液体吸引管はまた、開放空気開口を有する。従って、液体吸引管は、上に略述したフリーエアー導入管の利点、すなわち、注入空気量が低下する、およびベンチュリー管の操作がより経済的となるという利点を提供する。
【0026】
本発明の、その他の利点、目的および特性は、付属の図面に基づいて下記の説明を参照することによって明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1から4のそれぞれにおいて、ベンチュリー管61から64がそれぞれ見られるが、各ベンチュリー管は、ベンチュリー管本体、空気導入管10、噴霧化される液体の配送管20、空気導入管10のノズル15、液体配送管20のノズル25が配される噴霧化領域30、噴霧化領域30にノズル45を有するフリーエアー導入管40を含み、噴霧化領域は、ベンチュリー管本体、および同本体に流入する各種導管の内部に形成され、さらに具体的に言うと前記導管は、ベンチュリー管に形成された孔に嵌合し、導管の円筒外側面と、対応する孔の円筒面の間には適正な密封性が実現されることを特徴とするベンチュリー管である。導管20が、円筒形室によって形成される噴霧化領域30に進入するのが見て取れる。導管20は、収納部と被収納部とから成り、被収納部は収納部に、隙間無く嵌合されて、または、ほぼ隙間無い嵌合によって取り付けられ、ノズル25が、被収納部の末端に配されることが見て取れる。嵌合のタイプによっては、被収納部が収納部の内部をスライドすること、またはそれを阻止することが可能となる。
【0028】
ノズル45は、導管40の長軸に対して垂直な幾何学的面にあること、ノズル15は、導管10の長軸に対して垂直な幾何学的面に従って配置されることが見て取れる。さらに、導管10、20および40の長軸は互いに直交する、すなわち、導管10の長軸は、導管40および20の長軸に対して垂直であることも見て取れる。さらに、導管40と20は軸揃えされていることも見て取れる。
【0029】
空気導入管10は、加圧空気、例えば、大気圧に等しい1倍から10倍の間の圧を加えた空気を供給するコンプレッサー(図9)に接続される。液体配送管20は、その一端において、噴霧化される液体の容器(図6、7および9)に接続される。噴霧化領域30では、空気導入管10のノズル15、液体配送管20のノズル25は、それぞれ、ベンチュリー効果を通じて液体が噴霧化領域30に吸引され、ノズルから流出する気流が、よく知られたやり方で噴霧化領域30の出口50に向けて噴霧化液体粒子の流れを形成するように配置される。
【0030】
ベンチュリー管61から64は、液体配送管20のノズル25の位置に関する調節手段70を持つことに注目すべきである。ベンチュリー管61から64において、調節は、液体配送管20の長軸方向のスライドおよび/または回転によって実現される。このことを実行するために、液体配送管にはネジ溝部を設け、ベンチュリー管本体には、前記導管を受容するよう設計された貫通孔にタップを立て、導管のネジ溝が、貫通孔のタップに適合するようになっていてもよい。この解決法では、導管の軸方向変位は、その回転と分かちがたく結びついている。別の実施態様によれば、液体吸引管20と対応する貫通孔は滑らかであり、そのために、導管の長軸方向調節は、その回転調節とは独立することが可能となっている。
【0031】
調節手段70によるノズル25の位置調節によって、ベンチュリー管61から64までの動作パラメータを変えること、製造バラツキを少なくとも部分的に補償すること、および、噴霧化液体粒子流を各用途に合わせて調節することが可能となる。ノズル25を長軸方向に移動することによって、噴霧化液体粒子の、空気導入管軸10に対する、少なくとも平均拡散角度が調整される。
【0032】
図1において、ノズル15と25は、導管25の厚みを除いては、互いに接触する。一方、図2では、ノズル25は、ノズル25の直径と同程度の大きさの距離だけ、すなわち、この直径の半分から3倍の距離だけ、ノズル15から離れている。
【0033】
図3では、図2と同じ要素に加えて、噴霧化領域30に向けて軸方向に延びるテーパー75が注目される。図4では、図3と同じ要素に加えて、ダイアフラムとして作用する、すなわち、噴霧化液体粒子の流れを側面から保持する円筒形チャンバー80の形をしたテーパー75の延長部が注目される。従って、全体として、この流れの側方部に位置する比較的大型の粒子は、チャンバー80の円筒側面に落下し、重力作用によって流下して、噴霧化領域の中、または噴霧化される液体の容器の中のいずれかに回収される(図6から8まで参照)。
【0034】
図1から3では、ノズル25と45は平行な幾何学面に従って配置され、ノズル25は、導管20の長軸に対して垂直な幾何学的面にあることが注目される。一方、図4では、液体配送ノズル25は、液体配送管軸に対して回転対称性に設けられていないこと、すなわち、ノズル25の平面は、導管25の長軸に対して、90度とは異なる角度を示すことが注目される。別の解決法では、回転対称の欠如は、導管20の非円形に反映される。調節手段70は、液体配送管20に対する、液体配送ノズル25の少なくとも角度位置を調節するように設計される。この導管20の回転によって、ベンチュリー管64の動作を変えることが可能になる。
【0035】
図には示されていないが、別態様として、ノズル25の位置の調節手段70は、公知の機械的手段に基づいて、ノズル15の軸にそった、前記ノズル25と、ノズル15との距離を調節すること、前記ノズル25と、ノズル15の軸との距離を調節すること、および/または、ノズル15の軸と、ノズル25の軸の間の角度を調節することも可能である。
【0036】
図1から4のそれぞれにおいて、噴霧化領域30においてノズル45を介して終端を形成し、また、開放空気、例えば、噴霧化される液体容器中の開放空気の中にさらに別の開口が設けられるフリーエアー導入管40が注目される(図6から8迄を参照)。噴霧化領域30のフリーエアー導入管のノズル45の形および/または位置によって、例えば、ベンチュリー効果によって、または、ノズル15によって注入される気流によって噴霧化領域30の側方部分に形成される陰圧作用によって、フリーエアー(大気)がこの区域に吸引される。本発明者は、このフリーエアー導入管40を持たない類似のベンチュリー管と比べて、フリーエアー導入管40の存在によって、ベンチュリー管61から64までの各管の効率を増大させることが可能であることに注目した。
【0037】
図5において、空気導入管10、一方では噴霧化される液体の搬送のため、他方ではフリーエアーの導入のための円筒形導管85、空気導入管10のノズル15、および、導管85の二つの開口86と87を有する噴霧化領域30を有するベンチュリー管65が注目される。 導管85は、ベンチュリー管65本体に形成された円筒形貫通孔中をスライドするように設計される。このようにして、この貫通孔から成る調節手段70は、軸に対する回転と、軸に沿う移動の両方に関して導管85のスライドを可能とする。これによって、ノズル15に対する開口86および87の位置を変化させることが可能となり、このようにして、これらの開口は、ベンチュリー管65操作の二つの調節パラメータを構成する。開口86および87の他に、導管85は、一端においてフリーエアー開口を持ち、他端において、噴霧化される液体の容器の中に開口を持つ。
【0038】
開口86および87は円形であり、ノズル15の直径と事実上等しい直径を持つ。この二つの開口は、導管85の長軸に関して対称的な位置に配される。従って、二つの開口は正反対の位置にある。
【0039】
図6から8までは、噴霧化される液体の容器100を示し、噴霧化される液体の配送管120は、容器100に含まれる液体中に投入される中空の棒状体121、および、ベンチュリー管160に挿入される二次導管122から成り、前記二次導管は、導管120と連通的関係にある。ベンチュリー管160は、中心フランジ161を介して、独立して、または、ベンチュリー管本体の基礎を形成しながら容器の縁に載置される。防犯リング162が、容器の上部周囲に配され、その上部において密栓カラー163を介して中心フランジ161に対し密着する。この防犯リング162は、取り外し不能なやり方で容器に付着される。さらに、ベンチュリー管160は、その内部に空気導入管110aおよび噴霧体放出管195が形成されるキャップ164によって被われる。
【0040】
空気導入管110aは、圧縮空気の供給源、例えば、コンプレッサーの圧縮空気アウトプットに対して隙間無く取り付けられた取付端部110bによって適当に延長される。この取付端部110bは、図示のように垂直でもよいし、上方に、または下方に延びてもよいが、前記取付端部はまた水平位置を取ってもよい。
【0041】
キャップ164は、中心フランジ161にネジ留めされ、防犯リング162上の密栓カラー163を被う。各ネジは、フランジ161を貫通する孔に、次いで、キャップ164に形成される盲孔タップに挿入される。このような配置のために、ネジヘッドは、容器内部空間、またはその対向位置にあることになり、従って、接近不能である。
【0042】
従って、防犯リング162が容器に固定された後は、リングを破壊することなしには、ベンチュリー管を外し、容器の内容物に接近することは不可能である。
【0043】
さらに、本装置は、単一使用に限られ、容器に含まれる液体の消失後は廃棄される、ディスポーザブルなものであってもよい。
【0044】
容器に最初に含まれていた液体の完全な消失前に、または消失後に、何かの外来物質または液体を、装置、特に容器へ導入することを阻止し、それによって安全性を強化するため、装置の外側から内部への接近を可能とする様々の導管にチェックバルブのような安全確保手段を設けてもよい。
【0045】
ベンチュリー管160は、キャップに設けられる導管110aと連通関係にある空気導入管110、二次導管122、その中に、空気導入管110のノズル115および液体配送管120のノズル125が存在する噴霧化領域130、噴霧化領域130の出口150、二次導管122の位置の調節手段170、噴霧化領域の、テーパー175の延長出口150、および、テーパーに延びる円筒チャンバー180を有する。調節手段170は、マイクロメーターピッチのネジから成る。ベンチュリー管160はまた、噴霧化領域130にノズル145を持つフリーエアー導入管140を持ってもよい。このフリーエアー導入管は、キャップに設けられる貫通導管140aと連通関係にある。
【0046】
好ましい設計では、噴霧化される液体の導管121は、その下端においてフィルター121aを有する。このフィルターは、容器の中の液体の中に投入される。
【0047】
フリーエアー導入管または吸引管140はまた、陰圧センサーを受容するように設計された開口142をその特徴とする(図9参照)。
【0048】
噴霧化領域130では、空気導入管110のノズル115、液体配送管120のノズル125は、それぞれ、ベンチュリー効果を通じて液体が噴霧化領域130に吸引され、ノズル115から流出する気流が、よく知られたやり方で噴霧化領域130の出口150に向けて噴霧化液体粒子流を形成するように配置される。
【0049】
本発明者は、このフリーエアー導入管140を持たない同じベンチュリー管と比べて、フリーエアー導入管140の存在によって、ベンチュリー管160の出力を増大させることが可能であることに注目した。さらに、吸引導管は、チャンバー180に空気を吸引するので、ベンチュリー管からの流れの一部は噴霧化領域に注入され、このために、チャンバー180を脱出する流れにおける噴霧化液体粒子の濃度を増大させることが可能となる。
【0050】
本発明の一つの局面に特徴的なやり方として、チャンバー180から出る流れが、ベンチュリー管160から出る際に通過する逸出開口190は、液体容器100内に終端を形成し、かつ、液体容器100は、逸出開口190から出てきた噴霧化液体粒子の一部がそれを通じて容器100から脱出する噴霧化液体粒子放出口195、および、本装置を取り囲む雰囲気中に拡散される噴霧化液を有する。
【0051】
このようにして、比較的大型の液体粒子は、重力作用によって、または、容器100内におけるその慣性によって落下し、そこで噴霧化される液体に加わる。
【0052】
好ましい設計では、逸出開口190は、容器に含まれる液体の表面に向けられる。
【0053】
図9は、容器100とベンチュリー管160、コンプレッサー210、コンプレッサー210用電源220、圧力センサー230、処理手段240、警告信号発生器250、音伝達器260、指示灯270、および、コンピュータネットワーク280を有する噴霧化装置200を示す。
【0054】
圧力センサー230は、導管140の開口142に配され、噴霧化領域130の側方部の圧(または陰圧)を表す信号を発生する。処理手段240、例えば電子ボード(マイクロプロセッサータイプのものが考えられる)、コンピュータ、または閾値回路は、圧力センサー230によって送信される信号を受容し、この信号の指定の変動基準に基づいて、警告信号発生器250に警告信号を発生させ、この信号は、音伝達器260、指示器270、および/またはコンピュータネットワーク280に送られる。
【0055】
指定の基準とは、例えば、閾値レベルを下回る測定圧の低下、または、5分よりも短い時間に測定された少なくとも10%の圧低下である。
【0056】
本発明者は実際、ノズル125に液体が無くなったとき圧力センサー230によって感受される陰圧値は、前記ノズルが、噴霧化される液体を含んでいる時の陰圧値と異なることを発見した。図6から9に示される実施態様では、測定された圧力値は、ノズル125に液体が無い場合の方が、ノズル125にまだ噴霧化される液体がある場合に比べてより低い。
【0057】
警告信号発生器250は、下記の指令を発するように設計される。すなわち、例えばスピーカーから成る音伝達器260による音信号の伝達、例えばLEDから成る指示灯270による視覚信号の伝達、および/または、例えば、コンピュータシステムに接続されるキャプチャーボードそのものに、有線または無線的に接続されるコンピュータネットワーク280による警告信号の伝達である。
【0058】
処理手段はまた、それが、噴霧化される液体がもはや無いことを検出した場合に、コンプレッサー210の電源を切るように設計される。
【0059】
図10は、初期化工程300であって、その際、ベンチュリー管が噴霧化される液体の容器に接続され、ベンチュリー管による噴霧化液体粒子の容器内部での噴射が実行される初期化工程300を示す。
【0060】
次に、工程310において、エアーコンプレッサーが起動されて、噴霧化される液体が容器内に吸引される。
【0061】
次に、工程310において吸引された液体の各部分について、噴霧化領域への注入工程320が実行され、噴霧化液体粒子の前記容器中への噴射工程330が起こる。
【0062】
次に、噴霧化液体粒子の一部は、工程340の際に、放出開口から容器を出る。
【0063】
工程320から340と平行して、容器中の空気の一部が、工程350でフリーエアー導入管の中に吸引され、工程360で噴霧化領域に注入される。
【0064】
工程320から360と平行して、測定工程370が噴霧化領域の圧について実行され、さらに、前記測定値について処理工程380が実行される。
【0065】
好ましい設計によれば、測定工程370において、圧は、噴霧化領域にノズルを持ち、また恐らくは、例えば、容器内にフリーエアー開口を持つ吸引導管内で測定される。
【0066】
処理工程380では、図9に基づいて説明したように、圧が指定の変動基準に合致した場合はいつでも、コンプレッサー操作が停止させられるか、あるいは、警告信号が発せられる。
【0067】
図11は、逸出開口190の、好ましくはこの開口末端に設けられる肩部、すなわち、噴霧化チャンバーの反対側(図6参照)に挿入が可能な、三つの側方開口197を備えた円形成分またはダイアフラム196を示す。この円形成分の機能は、噴霧化液体の最大粒子を保持し、それによって、それら粒子が大径の滴を形成し、重力作用の下に容器100中に落下するようにすることである。これによって、噴霧化される液体の酸化を招きやすい乳剤の形成が阻止される。
【0068】
図12は、ノズル25の別の形態26を示す(図1から4を参照)。
【0069】
この別形態では、ノズル25の開口は、液体配送管70と、加圧空気導入管10のノズルを取り囲む円筒との交差によって形成される、加圧空気導入管を軸とする非平面形を持つ。本発明者は、この特定の形態26が、噴霧化ベンチュリー管61から64において良好な効率を実現することに注目した。任意の他の形態、例えば、三角形のものを設けてもよい。
【0070】
前述の装置は、図13および14に示すように、区画に仕切った保護ケースに適当に配置される。図から見て取れるように、このケースは、ロック付きの閉じ蓋を持つ。ケースの区画の内の一つは、本発明の装置を受容するように設計され、区画の内の別の一つは、圧縮空気エアコンプレッサーを受容するように設計される。コンプレッサーによって圧縮された空気の出力口は、第1区画に固定され、噴霧化装置のキャップソケット末端を受容するように設計されたソケットに対して、屈曲性または剛性ラインを通じて接続される。装置の電子部品を受容するためにもう一つの区画が設けられる。
【0071】
好ましい設計では、装置の自由な脱着性を変えずにケース内部に装置を確保するために、装置は、第1区画に取り付けた二つの固定スタッドと蝶番を介して協調するように設計されたロックレバーを備える。
【0072】
本発明は、等価的技術分野から為される、任意の改善および別態様を、本発明の範囲から逸脱することなく受容することが可能であることを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1(a)】本発明の第1局面の、第1特別実施態様によるベンチュリー管の断面図である。
【図1(b)】図1(a)の詳細を拡大スケールで示す図である。
【図2】本発明の第1局面の、第2特別実施態様によるベンチュリー管の断面図を示す。
【図3】本発明の第1局面の、第3実施態様によるベンチュリー管の断面図を示す。
【図4】本発明の第1局面の、第4特別実施態様によるベンチュリー管の断面図を示す。
【図5】本発明の第1局面の、別の特別実施態様によるベンチュリー管の断面斜視図を示す。
【図6】本発明の別の局面による噴霧化装置の特別実施態様の断面図を示す。
【図7】本発明の別の局面による噴霧化装置の特別実施態様の断面図を示す。
【図8】図6の詳細図である。
【図9】警告発生手段を有する微噴霧化装置を示す。
【図10】本発明の一つの局面の主題である処理の特別実施態様による微噴霧化装置の、工程フローチャートを表す模式図である。
【図11】図6から9に示した実施態様に適用が可能なシャッターの模式図である。
【図12】本発明の各実施態様に使用が可能な、液体配送管ノズルの別形態の模式図である。
【図13】本発明の装置を受容するよう設計された、ケースの開放時の斜視図である。
【図14】本発明の装置を受容するよう設計された、ケースの閉鎖時の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンチュリー管(61から65、160)であって、液体配送管(20,85,120)、および圧縮空気導入管(10,110)を含み、前記両導管は、それぞれ、液体配送管から加圧空気が到来する噴霧化領域(30,130)に向けた少なくとも一つのノズル末端を備え、前記ベンチュリー管は、圧縮空気導入管ノズル(15,115)に対して液体配送管ノズル(25,125)の位置を調節する調節手段(70,170)を有することを特徴とするベンチュリー管。
【請求項2】
前記調節手段(70,170)は、前記液体配送管(20,85,120)の軸にそって液体導入ノズル(25,125)の少なくとも長軸位置を調節するように設計されることを特徴とする、請求項1に記載のベンチュリー管。
【請求項3】
前記液体導入ノズル(25)は、液体配送管(20,85)の軸に関して回転対称性を持たず、調節手段(70)は、液体配送管軸に対する液体導入ノズルの少なくとも角度位置を調節するように設計されることを特徴とする、請求項1または2に記載のベンチュリー管。
【請求項4】
前記ノズルは、噴霧化領域(30,130)にノズル、および開放空気開口を備えるフリーエアー導入管(40,140)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のベンチュリー管。
【請求項5】
前記ベンチュリー管は、噴霧化領域(30,130)の下流にテーパー(75,175)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のベンチュリー管。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のベンチュリー管(61から65、160)を有することを特徴とする微噴霧化装置。
【請求項7】
微噴霧化装置であって、該微噴霧化装置は、噴霧化領域(30,130)の出力口(50,150)に設置され、噴霧化領域から到来する粒子流の側方部に位置する噴霧化液体粒子を保持するように設計されるダイアフラム(80,180)を有することを特徴とする、請求項6に記載の微噴霧化装置。
【請求項8】
前記ベンチュリー管は、噴霧化領域(130)にノズルを備える空気吸引管(145)を含み、前記装置は、空気吸引管(142)の別開口において陰圧センサー(230)、および、前記センサーから到来し、吸引管内部の陰圧を示す信号の処理手段(240)を有することを特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載の微噴霧化装置。
【請求項9】
前記信号処理手段(240)は、音、視覚、または遠隔伝達警告を発するように、または、前記ベンチュリー管に圧縮空気を供給するエアーコンプレッサーへの電力を遮断させるように設計されることを特徴とする、請求項8に記載の微噴霧化装置。
【請求項10】
前記吸引管(140)が、開放空気開口(141)を有することを特徴とする、請求項8または9に記載の微噴霧化装置。
【請求項1】
ベンチュリー管(61から65、160)であって、液体配送管(20,85,120)、および圧縮空気導入管(10,110)を含み、前記両導管は、それぞれ、液体配送管から加圧空気が到来する噴霧化領域(30,130)に向けた少なくとも一つのノズル末端を備え、前記ベンチュリー管は、圧縮空気導入管ノズル(15,115)に対して液体配送管ノズル(25,125)の位置を調節する調節手段(70,170)を有することを特徴とするベンチュリー管。
【請求項2】
前記調節手段(70,170)は、前記液体配送管(20,85,120)の軸にそって液体導入ノズル(25,125)の少なくとも長軸位置を調節するように設計されることを特徴とする、請求項1に記載のベンチュリー管。
【請求項3】
前記液体導入ノズル(25)は、液体配送管(20,85)の軸に関して回転対称性を持たず、調節手段(70)は、液体配送管軸に対する液体導入ノズルの少なくとも角度位置を調節するように設計されることを特徴とする、請求項1または2に記載のベンチュリー管。
【請求項4】
前記ノズルは、噴霧化領域(30,130)にノズル、および開放空気開口を備えるフリーエアー導入管(40,140)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のベンチュリー管。
【請求項5】
前記ベンチュリー管は、噴霧化領域(30,130)の下流にテーパー(75,175)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のベンチュリー管。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のベンチュリー管(61から65、160)を有することを特徴とする微噴霧化装置。
【請求項7】
微噴霧化装置であって、該微噴霧化装置は、噴霧化領域(30,130)の出力口(50,150)に設置され、噴霧化領域から到来する粒子流の側方部に位置する噴霧化液体粒子を保持するように設計されるダイアフラム(80,180)を有することを特徴とする、請求項6に記載の微噴霧化装置。
【請求項8】
前記ベンチュリー管は、噴霧化領域(130)にノズルを備える空気吸引管(145)を含み、前記装置は、空気吸引管(142)の別開口において陰圧センサー(230)、および、前記センサーから到来し、吸引管内部の陰圧を示す信号の処理手段(240)を有することを特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載の微噴霧化装置。
【請求項9】
前記信号処理手段(240)は、音、視覚、または遠隔伝達警告を発するように、または、前記ベンチュリー管に圧縮空気を供給するエアーコンプレッサーへの電力を遮断させるように設計されることを特徴とする、請求項8に記載の微噴霧化装置。
【請求項10】
前記吸引管(140)が、開放空気開口(141)を有することを特徴とする、請求項8または9に記載の微噴霧化装置。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2006−519691(P2006−519691A)
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505464(P2006−505464)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050294
【国際公開番号】WO2004/080605
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505342047)プロリテック エス.アー. (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050294
【国際公開番号】WO2004/080605
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(505342047)プロリテック エス.アー. (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]