説明

微多孔膜補強用不織布

【課題】高い空孔率を有する微多孔膜の特性を阻害することなく、組立て時の工程安定性と製品としての十分な強度や耐薬品性を付与する補強体を提供する。
【解決手段】繊維径が3〜12μmであるガラス繊維と、繊維径が1μm以上であるポリオレフィン系繊維とを含有し、ポリオレフィン系繊維によって熱接着されてなる微多孔膜補強用不織布であり、該不織布の空孔率が45%以上である微多孔膜補強用不織布。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い空孔率を有する微多孔膜の補強用不織布に関する。更に詳しくは、フィルターやセパレーターの用途に適した高い空孔率を有する微多孔膜に対して、十分な強度を付与し、且つ微多孔膜の特性を阻害しない補強用不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
エアフィルター、バグフィルターおよび液濾過用フィルター等のフィルター、並びに二次電池およびキャパシター等に用いられるセパレーターに対して、高分子材料を用いた微多孔膜が広く使用されている。一般に微多孔膜は織布および不織布等の素材と比べ高強度であり、また緻密性に優れるため、前記用途の中でも、特に、精密濾過膜および限外濾過膜、並びにリチウムイオン二次電池用セパレーターとして幅広く使用されている。
【0003】
近年、フィルターにおいては、濾過流速または微多孔膜の濾過寿命を更に向上させるために、また、セパレーターにおいては、電極間のイオン移動速度を速めて、高出力で低い電池抵抗の二次電池を得るために、微多孔膜の空孔率を更に高くする傾向にある。しかし、空孔率を高くすることで、微多孔膜の強度は低下してしまう。
【0004】
そこで、高い空孔率の微多孔膜をフィルターやセパレーターに用いる場合には、微多孔膜の強度を向上させるために、微多孔膜を厚くする等の対応が採られている。しかしながら、微多孔膜が厚くなると流速の低下、またはイオン移動の阻害に繋がり、要求される濾過速度または高出力に対応することが困難になっている。
【0005】
微多孔膜の強度を向上させる試みとしては、例えば、25μm以下の厚みを有し、平織り、綾織りおよび朱子織等の手法で作製したガラス繊維織物にポリオレフィンを含浸し、微多孔膜を形成させて得られる、空孔率80%以下のガラス繊維織物補強ポリオレフィン微多孔膜が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、例えば、セパレーター材料又は支持体として、化学的及び/又は熱的に結合され、最大引っ張り強さが15N/5cm、最大引張伸びが最大35%である厚さ30μm以下の不織布を用いる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、不織布を構成する繊維の一つとしてガラス繊維が利用されている。
【0007】
更に、マイクロガラス繊維、アルミナ繊維およびアルミナシリカ繊維等からなる、平均繊維径が3μm以下の無機繊維を20〜80重量%含んだ非水電解液電池セパレーターが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
特許文献1に記載の方法では、ガラス繊維織物を微多孔膜の補強体に用いていることから、透過性および耐熱性に優れ、微多孔膜の強度を向上できる。一方、織物の強度は織られる繊維の密度(織密度:本/25mm)により変動し、繊維密度が高い程強度は高くなっていく。
【0009】
例えば、繊維径5μmの単糸を織密度が縦横56本/25mmの平織りで作製した場合、目開きは縦横約440μmとなる。しかし、該織物を補強体として用いる場合、当該幅広な目開きに部分的な応力(濾過物による突刺し等)が掛かった際に、貫通および破損等の障害が生じることがある。
【0010】
特に織布の場合、幅広な目開きがほぼ均一に分布するため、更に障害の懸念が高くなる。勿論、織密度を更に高くすることで障害を抑制することはできる。しかし、この場合、作製に要するコストも高くなり、フィルターまたはセパレーター用素材として用いた場合に、コストが大幅に上昇し、実用的ではない。
【0011】
また、特許文献2に記載のガラス繊維の比重は、不織布を構成する他の高分子材料の比重と異なり、2.54g/cmと高い。そのため、他の高分子材料、特にポリオレフィン樹脂等の比重が低い素材からなる繊維とガラス繊維とを混合した際に、特許文献2に開示された技術では、少なくとも2種類の繊維が均一に分散した不織布を得ることが難しい。
【0012】
さらに、特許文献3に記載の方法の構成で得られる不織布は、非常に緻密であることから、高い空孔率を有する微多孔膜の補強材として用いた場合、不織布の空孔が律速となるため、高い空孔率を有する微多孔膜の特性を十分に発現させることが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2004−269579号公報
【特許文献2】特開2005−054348号公報
【特許文献3】国際公開第96/30954号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このようなことから、本発明の課題は、高い空孔率を有する微多孔膜の特性を阻害することなく、製造時の工程安定性と製品としての十分な強度や耐薬品性を付与する補強体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、下記の構成を有する補強用不織布を微多孔膜の補強体として用いることで、前記課題を解決することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させた。
【0016】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]繊維径が3〜12μmであるガラス繊維と、繊維径が1μm以上であるポリオレフィン系繊維とを含有し、ポリオレフィン系繊維によって熱接着されてなる微多孔膜補強用不織布であり、該不織布の空孔率が45%以上である微多孔膜補強用不織布。
[2]ポリオレフィン系繊維が、フィブリル繊維および複合繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である[1]に記載の微多孔膜補強用不織布。
[3]微多孔膜補強用不織布が、300〜2500MPa(MD)のヤング率を有する[1]または[2]に記載の微多孔膜補強用不織布。
[4]ガラス繊維の含有量が、10〜80質量%である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の微多孔膜補強用不織布。
[5]微多孔膜が、45%以上の空孔率を有する[1]〜[4]のいずれか1項に記載の微多孔膜補強用不織布。
【発明の効果】
【0017】
本発明の微多孔膜補強用不織布は、繊維径が3〜12μmであるガラス繊維と、繊維径が1μm以上であるポリオレフィン系繊維とを含有することで、耐薬品性に優れている。また、本発明の微多孔膜補強用不織布は、ポリオレフィン系繊維によって熱接着されており、空孔率が45%以上であることから、高い空孔率を有する微多孔膜に対して、当該微多孔膜の特性を阻害することなく、十分な強度を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、繊維径が3〜12μmであるガラス繊維と、繊維径が1μm以上であるポリオレフィン系繊維とを含有し、ポリオレフィン系繊維によって熱接着されてなる微多孔膜補強用不織布であり、前記不織布の空孔率が45%以上である。
【0019】
I.ガラス繊維
ガラス繊維としては、従来公知のガラス繊維が使用できる。そのガラス繊維の組成としては、例えば、Aガラス、ARガラス、Eガラス、ECRガラスおよびSガラス等を挙げることができ、汎用のEガラス組成のガラス繊維を用いることが特に好ましい。
【0020】
ガラス繊維の繊維径は、3〜12μmであり、3〜9μmであることが好ましい。ガラス繊維の繊維径が3μm未満であると、微多孔膜補強用不織布が緻密となり、微多孔膜の特性に影響を与える。また、フィルターの濾過速度やセパレーターの抵抗をより低くする目的で微多孔膜の厚みを薄くする必要があるため、繊維径は12μm以下であることが必要である。
【0021】
ガラス繊維は、市販のものを用いることができ、例えば、ユニチカ(株)製「UPDE1/8ZA505(商品名)」が利用できる。
【0022】
微多孔膜補強用不織布中のガラス繊維の含有量は、10〜90質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、20〜70質量%であることがさらに好ましく、30〜60質量%であることが特に好ましい。微多孔膜補強用不織布中に上記範囲でガラス繊維を含有することで、強度が不足する微多孔膜の強度を実用的な範囲まで向上させることができる。
【0023】
ガラス繊維の繊維長は、特に限定されないが、1〜50mmであることが好ましく、2〜25mmであることがより好ましく、2〜10mmであることが特に好ましい。ガラス繊維のカット長を1mm以上とすることにより、十分な曲げ弾性が得られる。また、50mm以下とすることにより、水中においてガラス繊維が分散し易くなり、均一な微多孔膜補強用不織布が得られる。
【0024】
II.ポリオレフィン系繊維
ポリオレフィン系繊維としては、例えば、フィブリル繊維、単一繊維および複合繊維等が挙げられ、特にフィブリル繊維および複合繊維が好ましい。
【0025】
ポリオレフィン系繊維の繊維径は、1μm以上であり、1μm〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、2〜25μmであることが特に好ましい。ポリオレフィン系繊維の繊維径を1μm以上とすることにより、補強用不織布としての十分な強度が得られ、且つ微多孔膜の空孔特性を阻害しない高い空孔率を有する補強用不織布を作製できる。
【0026】
ポリオレフィン系繊維の繊維長は、特に限定されないが、1〜50mmであることが好ましく、2〜25mmであることがより好ましく、2〜10mmであることが特に好ましい。ポリオレフィン系繊維の繊維長を当該範囲とすることで、複数の繊維接着点を得られることによる十分な破断強度が得易くなり、且つ水中における分散性が向上、均一な微多孔膜補強用不織布が得られる。
【0027】
微多孔膜補強用不織布中のポリオレフィン系繊維の含有量は、10〜90質量%であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることがさらに好ましく、40〜70質量%であることが特に好ましい。微多孔膜補強用不織布中に当該範囲でポリオレフィン系繊維を含有することで、強度が不足する微多孔膜の強度を実用的な範囲まで向上させることができる。
【0028】
微多孔膜補強用不織布中のガラス繊維/ポリオレフィン系繊維(質量比)は、10/90〜90/10とすることが好ましく、20/80〜80/20とすることがより好ましく、30/70〜70/30とすることが特に好ましい。当該範囲とすることで、ガラス繊維が持つ十分な曲げ弾性と、ポリオレフィン系繊維の熱接着により得られる破断強度とのバランスが採れた補強用不織布を得ることができる。
【0029】
本発明の微多孔膜補強用不織布により補強された微多孔膜(以下、複合膜ともいう)を構成するガラス繊維の繊維径または含有量を、定性、定量的に確認する方法としては、例えば、下記(1)〜(4)の方法が挙げられる。勿論、例示したこれらの手法に限定されず、他の手法でも確認可能である。
(1)複合膜断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で直接観察する。
(2)複合膜をフルオロポリマーが熱分解する400℃以上の高温雰囲気下で焼成し、残ったガラス分から質量を算出する。
(3)微多孔膜の原料が特にポリフッ化ビニリデンの場合、ジメチルホルムアミドおよびアセトン等の該ポリマーを溶解可能な溶媒中に浸漬し、残った微多孔膜補強用不織布の質量を測定する。その後、同様に400℃以上の高温雰囲気下で焼成し、残ったガラス分から質量を算出する。
(4)複合膜を薬剤(例えば、フッ酸などのフッ素系薬剤)中に浸漬し、ガラス繊維を分解除去した後の複合膜質量を差し引いて求める。
【0030】
II−1.フィブリル繊維
フィブリル繊維としては、ポリオレフィンからなるフィブリル形状を有する多分岐状合成繊維が利用できる。特にフィブリル繊維が有する微細な捲縮は、水中において比重の高いガラス繊維を絡めとり、沈降し易く安定分散の難しいガラス繊維の安定分散化に寄与することができるため好ましい。絡みとられたガラス繊維は、その後、熱処理においてフィブリル繊維が熱接着することで、更なる強度の向上に繋げることができる。具体的には、三井化学(株)製SWP EST−8(商品名)が利用できる。
【0031】
フィブリル繊維に用いられるポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン共重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリメチルペンテン、1,2−ポリブタジエンおよび1,4−ポリブタジエン等が挙げられる。
【0032】
更にこれらの単独重合体に、単独重合体を構成する単量体以外のエチレンまたはブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1および4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンが共重合成分として少量含有されていてもよい。また、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、スチレンおよびα−メチルスチレン等の他のエチレン系不飽和モノマーが共重合成分として少量含有されていてもよい。また上記ポリオレフィン樹脂を2種以上混合して使用してもよい。これらは、通常のチーグラーナッタ触媒から重合されたポリオレフィン樹脂だけでなく、メタロセン触媒から重合されたポリオレフィン樹脂、およびそれらの共重合体も好ましく用いることができる。また、好適に使用できるポリオレフィン樹脂のメルトマスフローレイト(以下、MFRと略す)は、紡糸可能な範囲であれば特に限定されることはないが、1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは、5〜70g/10分である。
【0033】
上記MFR以外のポリオレフィンの物性、例えばQ値(重量平均分子量/数平均分子量)、ロックウェル硬度、分岐メチル鎖数等の物性は、本発明の要件を満たすものであれば、特に限定されない。
【0034】
また、フィブリル繊維の表面を親水性処理することで、抄紙性を向上させることができ、水中分散性を良好にすることができる。
【0035】
微多孔膜補強用不織布中のフィブリル繊維の含有量は、10〜60質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。微多孔膜補強用不織布中に当該範囲でフィブリル繊維を含有することで、熱接着による破断強度の向上と水中における安定分散性に寄与することができる。
【0036】
フィブリル繊維の繊維長は、0.5〜5mmであることが好ましく、0.5〜3mmであることがより好ましい。フィブリル繊維の繊維長を当該範囲とすることで、水中にて自己交絡による塊の発生が少なく、良好な安定分散性を得ることができる。
【0037】
II−2.単一繊維
単一繊維としては、ポリオレフィン樹脂からなる、単一の断面構造の繊維が利用できる。単一繊維に用いられるポリオレフィン樹脂としては、II−1において列挙したポリオレフィン樹脂が挙げられる。
【0038】
また、単一繊維の表面を親水性処理することで、抄紙性を向上させることができ、水中分散性を良好にすることができる。
【0039】
微多孔膜補強用不織布中の単一繊維の含有量は、10〜80質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。当該範囲内とすることで、熱接着により十分な破断強度を得ることができる。
【0040】
単一繊維の繊維径は1μm以上であり、1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、2〜25μmであることが特に好ましい。単一繊維の繊維径を当該範囲内とすることで、補強用不織布としての十分な強度が得られ、且つ微多孔膜の空孔特性を阻害しない高い空孔率を有する微多孔膜補強用不織布を作製できる。
【0041】
単一繊維の繊維長は、特に限定されないが、1〜50mmであることが好ましく、2〜25mmであることがより好ましく、2〜10mmであることが特に好ましい。単一繊維の繊維長を当該範囲内とすることで、複数の繊維接着点を得られることによる十分な破断強度が得易くなり、且つ水中における分散性が向上し、均一な微多孔膜補強用不織布が得られる。
【0042】
II−3.複合繊維
複合繊維としては、ポリオレフィン樹脂を第1成分とし、第1成分より融点の高い熱可塑性樹脂を第2成分として、前記第1成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して形成してなる、熱接着性を有する複合繊維が利用できる。
【0043】
具体的な複合繊維の形態としては、第1成分が鞘成分、第2成分が芯成分となる鞘芯型複合繊維、前記において芯成分の断面における位置が偏心したいわゆる偏心鞘芯型複合繊維、および第1成分と第2成分が貼り合わされた形状となるいわゆる並列型複合繊維(サイドバイサイド型複合繊維)、および第1成分と第2成分が2つ以上交互に配列され、物理的な応力により剥離分割する剥離分割型複合繊維が好適に用いられる。
【0044】
並列型複合繊維の断面における第1成分と第2成分の割合(複合比)は1:1であってもよく、一方の成分が繊維断面において他方の成分より大きな断面積を占める形になっていてもよい。
【0045】
また、複合繊維の表面を親水性処理することで、抄紙性を向上させることができ、水中分散性を良好にすることができる。
【0046】
複合繊維の第1成分と第2成分との容積割合(繊維断面を採用した場合にはその断面の面積割合に該当する=複合比)は、通常、第1成分:第2成分の比率で10:90〜90:10であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。第1成分と第2成分との容積割合が当該範囲であるとガラス繊維との接着性が良好となるため好ましい。
【0047】
第1成分に用いられるポリオレフィン樹脂としては、II−1において列挙したポリオレフィン樹脂、およびこれらを幹ポリマーとする変性ポリオレフィン等が挙げられる。なお、幹ポリマーとしては、融点範囲およびグラフト反応の容易性を考慮すると、ポリエチレンが好ましい。
【0048】
変性ポリオレフィンは、変性剤を幹ポリマーにグラフト重合する通常の方法で製造することができる。変性ポリオレフィンに用いられる変性剤は、不飽和カルボン酸、その酸無水物から選ばれた少なくとも1種を含むビニルモノマーであることが好ましい。
【0049】
変性ポリオレフィンとしては、具体的には、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸およびメタクリル酸等から選択された不飽和カルボン酸、若しくはその無水物を必須成分とし、それ以外のビニルモノマーを含むことができる。
【0050】
それ以外のビニルモノマーとしては、ラジカル重合性に優れた汎用モノマー使用することができる。当該ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類、並びに同様なアクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0051】
前記ビニルモノマーの変性ポリオレフィン中の濃度は0.05〜2モル/Kgであることが好ましい。そのうち不飽和カルボン酸若しくは不飽和カルボン酸無水物の合計量は、0.03〜2モル/Kgであることが好ましい。
【0052】
変性ポリオレフィン中のカルボン酸若しくは不飽和カルボン酸無水物は、接着性に直接寄与する成分である。また、他のビニルモノマーは、酸のポリマー中への均一分散を助けることによって、接着性を側面から助けると共に、極性の乏しいポリオレフィンに極性を付与し、他素材との親和性を向上して、均一分散の向上に寄与する。
【0053】
変性ポリオレフィンは、2種以上の混合物(異種ポリマーの混合物)として用いてもよく、または変性ポリオレフィンと幹ポリマーとの混合物として用いてもよい。異種ポリマーの混合物であった場合にも、ポリマー中の変性剤の含量が0.05〜2モル/Kgの範囲に入っていればよい。
【0054】
第2成分として用いられる第1成分より融点の高い熱可塑性樹脂としては、II−1において列挙したポリオレフィン樹脂、並びにポリエステルおよびポリアミド等の結晶性ポリマーを用いることができる。ポリオレフィン樹脂の場合、そのMFR(メルトマスフローレイト)は、特に限定するもではなく、紡糸可能な範囲であれば特に限定されることはないが、1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは、5〜70g/10分である。また、ポリエステルの場合、そのIV(固有粘度)は、0.49〜1.0dL/gが好ましい。
【0055】
これらのポリマーの中では、耐薬品性および融点の面からみて、プロピレン単独重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン共重合体、またはプロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体が好ましい。
【0056】
また、ポリエチレンテレフタレートを用いた場合には、弾力性に優れる補強用不織布が得られる。即ち、更なる付加価値および要求性能に対し、第2成分を選択することが可能である。
【0057】
微多孔膜補強用不織布中の複合繊維の含有量は、10〜80質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。微多孔膜補強用不織布の複合繊維の含有量を10質量%以上とすることで、十分な微多孔膜補強用不織布の強度が得られる。また、80質量%以下とすることで、十分な微多孔膜補強用不織布の曲げ弾性が得られる。
【0058】
フィブリル繊維と複合繊維とを組み合わせて用いる場合、フィブリル繊維/複合繊維(質量比)は、10/90〜90/10とすることが好ましく、25/75〜75/25とすることがより好ましい。当該範囲内とすることで、熱接着による破断強度の向上と水中での安定分散性とのバランスが取れた、均一な微多孔膜補強用不織布が得られる。
【0059】
複合繊維の繊維径は1μm以上であり、1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましく、2〜25μmであることが特に好ましい。複合繊維の繊維径を当該範囲内とすることで、微多孔膜補強用不織布としての十分な強度が得られ、且つ微多孔膜の空孔特性を阻害しない高い空孔率を有する微多孔膜補強用不織布を作製できる。
【0060】
複合繊維の繊維長は、特に限定されないが、1〜50mmであることが好ましく、2〜25mmであることがより好ましく、2〜10mmであることが特に好ましい。複合繊維の繊維長を当該範囲内とすることで複数の繊維接着点を得られることによる十分な破断強度が得易くなり、且つ水中における分散性が向上、均一な微多孔膜補強用不織布が得られる。
【0061】
III.その他の添加剤
本発明において、ポリオレフィン樹脂および熱可塑性樹脂には、本発明の効果を妨げない範囲内で、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料および可塑剤などの添加剤を適宜、添加してもよい。
【0062】
IV.製造方法
本発明の微多孔膜補強用不織布は、湿式抄紙法、乾式抄紙法およびエアレイド法等の方法で製造することができる。なかでも、湿式抄紙法で製造すれば、ガラス繊維とポリオレフィン系繊維とが均一に混合できるので好ましい。湿式抄紙法で製造するときに、水を分散材として使用することから、ガラス繊維およびポリオレフィン系繊維の表面は親水性処理が行われているとさらによい。
【0063】
親水性処理としては、繊維表面に界面活性剤を付着させる方法が利用できる。界面活性剤としては、市販されている親水性油剤を用いることが好ましく、例えば、アルキルフォスフェートK塩が利用できる。
【0064】
湿式抄紙法により本発明の微多孔膜補強用不織布を製造する場合は、ガラス繊維とポリオレフィン系繊維とを、分散剤の存在下に水中にて攪拌し、叩解機等の機器を用いて均一に混合・分散させて分散液を調製後、該分散液を脱水混抄して乾燥させウェブとする。
【0065】
前記抄紙工程に用いる抄紙機としては、通常の丸網、長網、短網および傾斜ワイヤーなど公知にある設備を任意に用いることで作製できる。また、乾燥工程においては、通常用いる円筒ドライヤーおよびヤンキードライヤー等の設備を用いて、得られたウェブを加熱および乾燥することができる。
【0066】
前記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、アミン系界面活性剤、スルホコハク酸およびポリアクリルアミド等が挙げられる。分散液における分散剤の含有量は、0.1〜5質量%とすることが好ましく、0.1〜3質量%とすることがより好ましい。
【0067】
前記分散液におけるガラス繊維とポリオレフィン系繊維との合計含有量は、0.005〜5質量%とすることが好ましく、0.005〜3質量%とすることがより好ましい。
【0068】
更に、プレス機およびヤンキードライヤー等のフラットロール等の設備を用いて、ウェブを加圧および熱接着させることにより、厚みが薄く、高強度の補強用不織布を作製することができる。使用されるポリオレフィン系繊維に応じて、通常100〜160℃のフラットロール温度が選択できる。熱接着は、ウェブ中のポリオレフィン系繊維の溶融による結合、即ち、接着剤を添加することなくウェブを熱接着させることで、微多孔膜補強用不織布が得られる。
【0069】
V.微多孔膜補強用不織布の物性
本発明の微多孔膜補強用不織布の空孔率は、45%以上であれば、上限は特に制限はないが、45〜80%であることが好ましく、50〜75%であることがより好ましく、50〜70%であることが特に好ましい。上記範囲であれば、補強する微多孔膜の性能を損なうことがなく、また、十分に補強することができる。微多孔膜補強用不織布の空孔率は、実施例において後述する方法により測定する。
【0070】
本発明の微多孔膜補強用不織布の目付は、特に限定はなく、用いる素材樹脂の種類や用途に応じた目付の不織布とすればよく、2〜30g/mであることが好ましく、2〜10g/mであることがより好ましい。
【0071】
本発明の微多孔膜補強用不織布のヤング率は、250〜2500MPa(MD)であることが好ましく、300〜2500MPa(MD)であることがより好ましく、500〜2500MPa(MD)であることがさらに好ましく、800〜2500MPa(MD)であることが特に好ましい。
【0072】
ヤング率を300MPa(MD)以上とすることにより、製造時の工程安定性と製品としての十分な強度を得ることができる。また、2500MPa(MD)以下とすることにより、製品への成形時にカット不良や賦型性の低下がない補強用不織布を得ることができる。微多孔膜補強用不織布のヤング率は、実施例において後述する方法により測定する。
【0073】
本発明の微多孔膜補強用不織布の厚みは、特に限定はないが、10〜40μmであることが好ましく、15〜30μmであることがより好ましい。厚みを10μm以上とすることにより、微多孔膜に対し十分な強度を付与することができる。また、40μm以下とすることにより、厚み増加による濾過速度の低下やイオンの移動抵抗増加を最小限に抑えることができる。
【0074】
VI.微多孔膜
本発明において、「微多孔膜」とは、厚み方向の断面に対し、対称または非対称の連通孔を有する平膜状の成形体を指す。本発明において、補強対象となる微多孔膜の空孔率は、特に限定されないが、45%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが特に好ましい。なお、微多孔膜の機能が損なわれない範囲であれば、空孔率の上限は特に限定されない。
【0075】
微多孔膜の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体およびポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−46、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11およびナイロン−12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンおよびポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、ポリアセタール、ポリスチレン、セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン並びにポリスルホン等を挙げることができる。特に、ポリマー溶液の調製が容易なポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン並びにセルロースが、耐薬品性、開孔率および孔径分布の安定性の点で好ましい。
【0076】
本発明の微多孔膜補強用不織布により微多孔膜を補強する方法としては、以下の(a)および(b)の方法が挙げられる。
【0077】
(a)微多孔膜補強用不織布と微多孔膜とを積層して一体化する方法
微多孔膜補強用不織布と微多孔膜とを積層して一体化して複合膜とする方法としては、例えば、貼り付け、圧着等が挙げられる。微多孔膜補強用不織布は、微多孔膜の片面に積層してもよいし、両面に積層してもよく、微多孔膜補強用不織布を中層に配置し、上下両面に微多孔膜を配置してもよい。
【0078】
(b)微多孔膜補強用不織布を微多孔膜原料の溶液中に含浸、塗布させて、乾燥することにより、固化する方法
具体的には、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、セルロース等を有機または無機溶媒に溶解させ、該ポリマーに対する相溶性が低い溶媒を多孔化剤として適量加えてポリマー溶液を調製する。その後前記補強用不織布にポリマー溶液を含浸または塗布等の手法で付着させる。その後、水やアルコール等の貧溶媒中に含浸または加熱乾燥による溶媒蒸発等の手法を用いて、微多孔膜補強用不織布と微多孔膜とが一体化した複合膜を得ることができる。
【0079】
前記方法により得られる、本発明の微多孔膜補強用不織布を積層することにより補強された複合膜、および微多孔膜補強用不織布を微多孔膜原料の溶液中に含浸させて固化させた複合膜は、フィルターおよびセパレーター等として用いることができる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明を実施例および比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例、比較例における用語と物性の測定方法は以下の通りである。
【0081】
ヤング率の測定方法:
引張試験機としてストログラフR−3(型式,株式会社東洋精機製)を用いて、ASTM D882で規定されている薄いプラスチックシートの引張試験に基づきフィルムの加重と伸張率曲線(応力−歪曲線)を求め、立ち上がりの勾配よりヤング率を求めた。あらかじめ厚さを測定した補強用不織布について120mm×10mmの試験片をn=5点用意し、チャック間50mmで固定した後引張速度5mm/分にて応力−歪曲線を作成する。立ち上がりの勾配より1%伸張時の加重を求め、断面積で除した値をヤング率(単位:MPa)とする。ヤング率は常温(23±1℃)で測定した。なお、断面積はサンプルの平均厚さにサンプル幅である10mmをかけた概算値を用いた。
【0082】
破断強度の測定方法:
引張試験機としてストログラフR−3(型式,株式会社東洋精機製)を用いて、ASTM D882で規定されている薄いプラスチックシートの引張試験に基づきフィルムの加重と伸張率曲線(応力−歪曲線)を求め、破断時の強度を求めた。あらかじめ厚さを測定した補強用不織布について120mm×10mmの試験片をn=5点用意し、チャック間50mmで固定した後引張速度500mm/分にて応力−歪曲線を作成した。サンプルが破断した時の強度を破断強度(単位:MPa)とする。破断強度は常温(23±1℃)で測定した。なお、断面積はサンプルの平均厚さにサンプル幅である10mmをかけた概算値を用いた。
【0083】
空孔率の測定方法:
空孔率は、縦15cm×横15cmにカットした不織布の面積と平均厚さ、乾燥質量を測定した後、IPA(イソプロピルアルコール)を浸透させ、浸透後、過剰なIPAを拭取り、速やかに質量を測定し、浸透したIPA質量を基に体積を求めて下記式(1)より不織布の空孔率を算出した。
【0084】
空孔率(%)=浸透したIPAの体積(cm)/不織布の理論体積(cm)×100 ・・・(1)
(不織布の理論体積は、サンプルの平均厚さ×面積より算出)
【0085】
また、ガラス繊維として、以下の繊維を用いた。
・UPDE1/8ZA505(商品名):ユニチカ(株)製ガラス短繊維(繊維径6μm、カット長3mm)
【0086】
ポリオレフィン系繊維として、以下の繊維を用いた。
・SWP EST−8(商品名):三井化学(株)製合成パルプ
・ESC871(商品名):チッソ(株)製PE/PP鞘芯複合繊維〔繊維径15μm(1.7dtex)、カット長5mm〕
・ESC846(商品名):チッソ(株)製PE/PP鞘芯複合繊維〔繊維径12μm(1.1dtex)、カット長5mm〕
・EDC810(商品名):チッソ(株)製PE/PP複合分割繊維〔繊維径15μm(1.7dtex)、カット長5mm〕
・EPC820(商品名):チッソ(株)製PP/PP複合繊維〔繊維径17.5μm(2.2dtex)、カット長5mm〕
・INTACKS810(商品名):チッソ(株)製変性PE/PP複合繊維〔繊維径15μm(1.7dtex)、カット長5mm〕
【0087】
[実施例1〜14]
ビーカー中に、ポリオレフィン系繊維と、ガラス繊維とを表1に示した割合(質量比)で、両者の合計の質量が1gになるように加え、さらにポリエチレンオキサイドを0.5質量%溶解した水を1000ml加え、分散させて、試料とした。この試料を全量用いて、TAPPI型準拠の角型抄紙機で抄紙し、ウェブとした。
【0088】
得られたウェブを吸水紙に挾んで1時間脱水した後、カレンダーロールを用いてさらに脱水と圧密とを行った。得られたウェブを60℃の乾燥機で3時間乾燥した後、140℃のヤンキードライヤーによって、10秒間、熱処理し、本発明の微多孔膜補強用不織布を製造した。得られた微多孔膜補強用不織布の空孔率、ヤング率を測定した。その結果を表1および表2に示す。なお、ここでいう圧密とは、ウェブに荷重を加えて、ウェブの厚みを薄くすることである。
【0089】
[比較例1]
ガラス製織布として日東紡(株)製ガラスクロスWEA1027(製品記号)を補強材として用い、空孔率、ヤング率を測定した。その結果を表2に示す。
【0090】
【表1】

【0091】
【表2】

【0092】
表1および表2に示すように、本発明の微多孔膜補強用不織布である実施例1〜12の不織布は、高い空孔率を保持しつつ、十分な破断強度を保持しており、優れた性能を有することが分かった。また、実施例1〜10と実施例11および12とを比較することにより、微多孔膜補強用不織布におけるガラス繊維の含有量は、20〜80質量%とすることにより、破断強度を向上できることが分かった。
【0093】
一方、比較例1の不織布は、約3500MPaと非常に高いヤング率を有し、剛直であるため、フィルターやセパレーターとして組み込む際、カットや成形が困難であった。
【0094】
[実施例15](含浸による微多孔膜の補強)
微多孔膜の原料である溶液を、酢化度60.6%の三酢酸セルロースをジクロロメタン中に7質量%となるように加えて溶解した後、三酢酸セルロースと同量のn−オクタノールを加えて十分に攪拌して調製した。
【0095】
実施例8で調製した不織布に、前記微多孔膜の原料である溶液を満たしたディップコーターを通過させて含浸コートさせた。コート後、80℃にて5分間乾燥させることによりジクロロメタンを蒸発させた後、メタノールで残存n−オクタノールを除去して三酢酸セルロースで形成された複合膜を得た。得られた複合膜のヤング率を測定した結果、1400MPaであった。
【0096】
[実施例16](含浸による微多孔膜の補強)
微多孔膜の原料である溶液を、ポリフッ化ビニリデン樹脂(アルケマ社製Kynar741)6gをジメチルホルムアミド21g中に加えて溶解した後、ポリエチレングリコール(和光製PEG600)3gを加えて十分に攪拌した後、脱泡して調製した。
【0097】
実施例1で調製した不織布をガラス板上に乗せ、該不織布に微多孔膜の原料である溶液を、不織布縦10×横10cm当り6ml加えた後、市販のアプリケーターを用いて、厚みが250μmとなるよう均一に塗布した。
【0098】
塗布後、貧溶媒である水中に10分間浸漬してポリフッ化ビニリデン樹脂を析出させ、乾燥後、ポリフッ化ビニリデンで形成された複合膜を得た。得られた複合膜のヤング率を測定した結果、1400MPaであった。
【0099】
これらの結果から、本発明の微多孔膜補強用不織布は、高い空孔率を有する微多孔膜の特性を阻害することなく、十分な破断強度を付与できることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の微多孔膜補強用不織布は、フィルターおよびセパレーター等の補強材として使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維径が3〜12μmであるガラス繊維と、繊維径が1μm以上であるポリオレフィン系繊維とを含有し、ポリオレフィン系繊維によって熱接着されてなる微多孔膜補強用不織布であり、該不織布の空孔率が45%以上である微多孔膜補強用不織布。
【請求項2】
ポリオレフィン系繊維が、フィブリル繊維および複合繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の微多孔膜補強用不織布。
【請求項3】
微多孔膜補強用不織布が、300〜2500MPa(MD)のヤング率を有する請求項1または2に記載の微多孔膜補強用不織布。
【請求項4】
ガラス繊維の含有量が、10〜80質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の微多孔膜補強用不織布。
【請求項5】
微多孔膜が、45%以上の空孔率を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の微多孔膜補強用不織布。

【公開番号】特開2012−144824(P2012−144824A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4967(P2011−4967)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(311002067)JNC株式会社 (208)
【出願人】(596032100)JNC石油化学株式会社 (309)
【Fターム(参考)】