説明

微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩およびその合成方法

本発明は、その合成時の形態で、表1に記載したラインを含むX線回折パターンを有する、新規な微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩骨格(BPC-1と表示)、およびマイクロ波-水熱条件下のフッ化物媒体中で有機鋳型剤として4-ジメチルアミノピリジンを用いるその合成方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩骨格、またはその置換された誘導体に関する。また、本発明は、マイクロ波-水熱条件下のフッ化物媒体中でのその合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景および先行技術
結晶性分子篩は、四面体配位のカチオン[TO4]を有する三次元微孔質骨格を有する。一般に、アルミニウムおよびケイ素のカチオンの酸素四面体を含む骨格は、ゼオライトとして一般に知られている微孔質アルミノケイ酸塩骨格の生成をもたらす。一方、ゼオ型分子篩として分類される三次元微孔質アルミノリン酸塩(AIPO)骨格は、AlとPのカチオンの酸素四面体から構成されるのに対し、シリコアルミノリン酸塩(SAPO)型分子篩は、Si、Al、およびPのカチオンの酸素四面体から構成される。
【0003】
分子篩は、典型的に、ポアウインドウ(pore window)に存在するT原子の数に基づくポアウインドウのサイズに関して表現される。典型的に、それらは、細孔の開口に基づいて、小さい、中くらいの、および大きい細孔の分子篩に分類される。小さい細孔の分子篩は、0.4〜0.5nmの細孔サイズを有する。中くらいの細孔の分子篩は、0.5〜0.6nmの細孔サイズを有し、一方、大きい細孔の分子篩は、0.6〜0.8nmの細孔の開口を有する(R. Szostak, Molecular Sieves: Principles of synthesis and Identification, 2nd edition, Blackie Academic and Professional, London, 1998(非特許文献1))。
【0004】
石油精製、石油化学、精密化学の分野における結晶性分子篩の広範囲な用途は、産業および学術の双方において、それらの発見についての持続した研究努力をもたらした。このことは、最近、ITQ-13(Corma, et.al., Angew. Chem. Int. Ed. 42, 1156-1159 (2003)(非特許文献2))、ITQ-12(Barrett et.al. Chem. Commun. (2003)(非特許文献3))、SSZ-53, -59(Burton et.al. Chemistry: a Eur. Journal 9, 5737-5748 (2003)(非特許文献4), Chemistry: a Eur. Journal 9, 5737-5748 (2003)(非特許文献5))のような新たな骨格の合成という結果となった。
【0005】
分子篩は、通常、有機窒素化合物のような有機構造規定剤(organic structure directing agent)の存在中の100〜200℃の温度範囲で、アルミニウム、シリカおよび/またはリンの源を含む反応性ゲルから、水熱条件下で合成される。よく使用される窒素化合物は、アミン、ジアミン、および四級アンモニウム塩である。
【0006】
また、こうした合成は、グリコールのような非水系溶媒を使用するソルボサーマル(solvothermal)条件下で行われる。また、鉱化剤の使用が、分子篩の合成に実施される。例えば、欧州特許公開第A-337,479号(特許文献1)は、ZSM-5の合成のため、低いpHの水の中でフッ化水素を使用してガラス中でシリカを鉱化することを開示している。また、CHA骨格を有するアルミノリン酸塩またはシリコアルミノリン酸塩分子篩の合成のためのフッ化物媒体の使用が、米国特許第6,793,901号(特許文献2)に記載されている。また、フッ化物媒体の使用が大きいゼオライト結晶の生成をもたらすと報告されている(Berger et.al. Microporous and Mesoporous Materials 83, (1-3), 2005, 333-344(非特許文献6))。
【0007】
上記のゼオライトのいくつかは、当初、米国特許第4,073,865号(特許文献3)のプロセスにしたがい、流動化剤(mobilizing agent)が通常の水酸化物イオンではなくフッ化物イオンであるフッ化物媒体中で合成された。こうしたフッ素含有反応系の1つの長所は、従来のOH-媒体中で得られるゼオライトよりも欠陥の少ない純粋なケイ酸含有ゼオライトの製造を可能にすることである(J M Chezeau et al, Zeolites 1991, 11, 598(非特許文献7))。フッ素含有反応媒体を使用するさらなる決定的な長所は、ITQ-7、ITQ-13、ITQ-12、およびITQ-17ゼオライトの場合のような、4つの四面体の複合サイクルを含む新規な骨格トポロジーの製造を可能にすることである。
【0008】
最近、フッ化物媒体の使用は、新規な細孔の大きいアルミノリン酸塩を主成分とするSFO型分子篩の結晶化をもたらした(Morris et al. Chem. Mater. 2004, 16, 2844(非特許文献8))。
【0009】
より最近、フッ化物を含まない媒体からのEMM-8相の結晶化(米国特許出願公開第2006/0074267号(特許文献4))が開示された。こうした骨格は、焼成するとSFO型骨格と同型構造であると主張された。
【0010】
本発明において開示される結晶性分子篩組成物BPC-1は、2θ 5〜10°の範囲に4つのピークがある特有のX線回折パターンを示し、かつEMM-8のそれと相違する。それゆえ、その構造骨格は、EMM-8のそれと基本的に相違する。
【0011】
一般に、分子篩の結晶化は、100〜200℃の温度範囲の水熱条件下で行われ、通常、相形成のために長い結晶化時間を必要とする。これは、場合により、不純物相としてトリジマイト、クリストバライト、ベルリナイト、石英のような熱力学的に安定な濃密相の形成をもたらす。これは、結晶化条件下でのゼオライト骨格の準安定な性質によるものである。さらに、従来の水熱的アプローチは、多くはエネルギー大量消費的であることが分かる。
【0012】
分子篩のマイクロ波を利用した合成は、比較的新しい研究分野である(Komarneni, et.al. Mater. Res. Bull. 1992, 27, 1393(非特許文献9); Ionics 1995, 21, 95(非特許文献10))。それは、従来の合成を超える多くの明確な長所を提供する。それらには、均一な核生成をもたらす、容積加熱(volumetric heating)による結晶化温度までの迅速な加熱、および沈澱ゲルの迅速な溶解による早期過飽和、最終的には従来のオートクレーブ加熱と比較して短い結晶化時間が挙げられる。また、それはエネルギー効率が良く、かつ経済的でもある。
【0013】
この方法は、いくつかの種類のゼオライト、即ち、ゼオライトA、Y、ZSM-5、MCM-41、金属置換アルミノリン酸塩、およびガロホスフェート(gallophosphate)の合成に首尾よく適用されてきた。また、それはメソ構造のチオゲルマナート/硫化ゲルマニウムの合成にも首尾よく適用されてきた。また、マイクロ波を利用したアプローチを用いたチタン置換MCM-41分子篩の迅速な合成も報告された。最近、マイクロ波-水熱条件下でのSBA-15ならびにTi-およびZr-SBA-15骨格の迅速な合成が報告された(Cundy, C. S. Coll. Czech. Chem. Commun. 1998, 63, 1699(非特許文献11), Oberender et.al. Mat. Res. Symp. Proc. 1999, 547, 433(非特許文献12), Kang, et.al. Catal. Lett. 1999, 59, 45(非特許文献13), Newalkar, et.al. Chem. Commun. 2000, 2389(非特許文献14), Chem. Mater. 2001, 13, 552(非特許文献15))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許公開第A-337,479号
【特許文献2】米国特許第6,793,901号
【特許文献3】米国特許第4,073,865号
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0074267号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】R. Szostak, Molecular Sieves: Principles of synthesis and Identification, 2nd edition, Blackie Academic and Professional, London, 1998
【非特許文献2】Corma, et.al., Angew. Chem. Int. Ed. 42, 1156-1159 (2003)
【非特許文献3】Barrett et.al. Chem. Commun. (2003)
【非特許文献4】Burton et.al. Chemistry: a Eur. Journal 9, 5737-5748 (2003)
【非特許文献5】Chemistry: a Eur. Journal 9, 5737-5748 (2003)
【非特許文献6】Berger et.al. Microporous and Mesoporous Materials 83, (1-3), 2005, 333-344
【非特許文献7】J M Chezeau et al, Zeolites 1991, 11, 598
【非特許文献8】Morris et al. Chem. Mater. 2004, 16, 2844
【非特許文献9】Komarneni, et.al. Mater. Res. Bull. 1992, 27, 1393
【非特許文献10】Ionics 1995, 21, 95
【非特許文献11】Cundy, C. S. Coll. Czech. Chem. Commun. 1998, 63, 1699
【非特許文献12】Oberender et.al. Mat. Res. Symp. Proc. 1999, 547, 433
【非特許文献13】Kang, et.al. Catal. Lett. 1999, 59, 45
【非特許文献14】Newalkar, et.al. Chem. Commun. 2000, 2389
【非特許文献15】Chem. Mater. 2001, 13, 552
【発明の概要】
【0016】
本発明者らの研究におけるマイクロ波-水熱条件の使用は、フッ化物イオンの存在下での新規な微孔質アルミノリン酸塩骨格(BPC-1と表示)の発明をもたらした。また、結晶化した骨格は、焼成すると、SFO型の骨格と同型構造であると思われる。
【0017】
発明の目的
それゆえ、本発明の重要な目的は、BPC-1と表示される新規な微孔質アルミノリン酸塩骨格を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、マイクロ波-水熱条件下のフッ化物媒体中での結晶性BPC-1の合成方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、成分のモル比に関して、BPC-1の化学組成を提供することである。
【0020】
発明の要旨
したがって、本発明は、BPC-1と命名した新規な微孔質結晶性アルミノリン酸塩(ALPO)、アルミノシリコリン酸塩(APSO)、メタロアルミノリン酸塩(MAPO)、およびメタロアルミノシリコリン酸塩(MAPSO)、ならびにその調製方法を提供する。BPC-1は、その化学組成がモル比に関して以下のように表される基本的な骨格構造を有する。
Al2O3 : 1.0±0.2 P2O5 : xSiO2 : yMeO : zF : mR
式中、
xは0〜0.15であり;
yは0〜0.2であり;
zは0〜0.80であり;
mは0.3〜5であり;
Rは少なくとも1つの有機鋳型剤(構造規定剤)を表し;好ましくは、Rは4-ジメチルアミノピリジンであり;かつMeは、分子篩中のAlO2およびPO2の酸化物構造単位の四面体と一緒に酸化物を形成することができるアルミニウム、リン、またはケイ素以外の少なくとも1つの元素を表す(例えば、二価金属など)。
【0021】
本発明の微孔質結晶性物質は、無水ベースの実験式でmR : aF- : (MxAlyPz)O2と表され;式中、Rは少なくとも1つの有機鋳型剤(構造規定剤)を表し;その有機鋳型剤は、好ましくは、4-ジメチルアミノピリジンであり;
mは(MxAlyPz)O2の1モル当たりのRのモル数であり、好ましくは、mは0〜2.0であり;
aは(MxAlyPz)O2の1モル当たりのフッ化物イオン(F-)のモル数であり、好ましくは、aは0.05〜1.25であり;
好ましくは、m/aは3.5以下であり;
Mは、元素の周期表の3d族ならびにIIIAおよび/またはIVA族の元素の1つから選択される金属であり、好ましくは、Mは、B、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Mg、Mn、V、Ni、Sn、Ti、ZnおよびZrからなる群より選択され、より好ましくは、Mはケイ素であり;ならびにx、y、およびzは、四面体酸化物としてのM、AlおよびPのモル分率を表し、1つの態様において、xは0〜0.20であり、yは0.3〜0.5であり、かつzは0.3〜0.5である。
【0022】
また、本発明は、
(a)水、アルミニウムおよびリンの反応源、フッ化物イオン源、任意でアルミニウムおよびリン以外の金属源またはシリカ源、ならびに少なくとも1つの有機鋳型を含み、該有機鋳型剤が4-ジメチルアミノピリジンである反応混合物を形成する工程;
(b)水熱条件下で前記反応混合物の結晶化を誘起して結晶性物質を得る工程;ならびに
(c)反応混合物から前記結晶性物質を回収する工程
を含む、微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩骨格(BPC-1と表示)の合成方法も提供する。
【0023】
BPC-1の合成方法の1つの態様において、F-イオン源は、金属フッ化物塩、テトラアルキルアンモニウムフッ化物塩および/またはそれらの混合物から選択され;その金属フッ化物塩は、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムおよび/またはフッ化アンモニウムを含む群から選択され;かつそのテトラアルキルアンモニウムフッ化物塩は、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウムおよび/またはフッ化水素を含む群から選択される。
【0024】
BPC-1の合成方法の別の態様において、金属源は、B、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Mg、Mn、V、Ni、Sn、Ti、ZnおよびZrを含む群から選択される。
【0025】
BPC-1の合成方法の別の態様において、反応混合物は、Al2O3 : P2O5 : 0.5 HF : 0.3〜2 R : 10〜100 H2Oのモル比で調製され、式中、Rは有機鋳型剤4-ジメチルアミノピリジンである。
【0026】
BPC-1の合成方法の別の態様において、反応混合物は、P2O5 : Al2O3 = 0.5〜1.5 SiO2 : Al2O3 = 0〜0.8 H2O : Al2O3 = 10〜100 R : Al2O3 = 0.5〜5.0 F : Al2O3 = 0.1〜0.8のモル比の範囲内で調製され、式中、Rは有機鋳型剤4-ジメチルアミノピリジンである。
【0027】
BPC-1の合成方法の別の態様において、反応混合物は、P2O5 : Al2O3 = 0.9〜1.1 SiO2/MO2 : Al2O3 = 0.01〜0.3 H2O : Al2O3 = 30〜60 R : Al2O3 = 1.0〜4.0 F : Al2O3 = 0〜0.5のモル比の範囲内で調製され、式中、Rは有機鋳型剤4-ジメチルアミノピリジンであり、かつMは、B、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Mg、Mn、V、Ni、Sn、Ti、ZnおよびZrからなる群より選択される。
【0028】
BPC-1の合成方法の別の態様において、前記反応混合物の結晶化は、マイクロ波-水熱条件下で誘起される。
【0029】
好ましい特徴において、本発明は、4-ジメチルアミノピリジンを用いて合成される新規な結晶性分子篩を提供し、これはその合成時の形態において、表1に記載したラインを含むX線回折パターンを有する。
【0030】
別の好ましい特徴において、本発明の結晶性分子篩の焼成した形態は、表2に記載したラインを含むX線回折パターンを有する。
【0031】
別の好ましい特徴において、本発明の結晶性分子篩の焼成した形態は、400℃超で脱水すると、2θ 5〜40°の範囲に弱いX線結晶化度を示す。
【0032】
別の好ましい特徴において、本発明の結晶性分子篩の焼成した形態は、水和すると、400℃超で脱水した後の2θ 5〜40°の範囲に、その結晶化度を回復する。
【0033】
別の好ましい特徴において、本発明の結晶性分子篩の焼成した形態は、[AlO4]および[PO4]頂点共有四面体単位(corner sharing tetrahedral unit)を含み、かつ表1に記載したラインを含むX線回折パターンを有する。
【0034】
別の好ましい特徴において、本発明の結晶性分子篩の焼成した形態は、[SiO4]頂点共有四面体単位も含む。
【0035】
好ましい特徴において、本発明の結晶性分子篩の焼成した形態は、水素化異性化(hydroisomerization)反応、アルキル化反応、酸化反応、とりわけエポキシ化反応、および炭化水素の分離のような、吸着および触媒に基づく炭化水素プロセスに採用することができる。
【0036】
合成時の水和したBPC-1は、少なくとも本明細書下記に述べる表1のd間隔を含み、かつEMM-8骨格について報告されたものと相違するX線粉末回折パターンを示す(図1b)。
【0037】
焼成とそれに続く水和の後、BPC-1は、少なくとも本明細書下記に述べる表2のd間隔を含むX線粉末回折パターンを示す。
【0038】
焼成と脱水の後、BPC-1は、弱いX線粉末回折パターンを示す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1a】合成時のBPC-1のX線パターン(CuKα)である。
【図1b】合成時のBPC-1のX線パターン(CuKα)、およびそのEMM-8との比較である。
【図2】焼成し、かつ水和したBPC-1のX線パターン(CuKα)である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
発明の詳細な説明
本発明の新規な微孔質アルミノリン酸塩BPC-1は、リンおよびアルミニウムの反応源ならびに有機鋳型剤または構造規定剤(4-ジメチルアミノピリジン)、F-イオン源、ならびに任意で付加的な二価金属またはシリカ源を含む反応混合物から、マイクロ波-水熱結晶化によって製造することができる。
【0041】
調製プロセスは、典型的に、モル比に関して下記の反応混合物を形成することを含む。
Al2O3 : P2O5 : 0.5 HF : 0.3〜2 R : 10〜100 H2O
式中、Rは有機鋳型剤4-ジメチルアミノピリジンである。反応混合物は、この反応混合物に対して不活性のテフロン容器に入れられ、少なくとも約100℃、好ましくは、150℃〜300℃の温度の静的条件下で、結晶化するまで、通常は5〜120分間にわたって、マイクロ波-水熱条件(MARS-5、CEM Corp、米国)の下で加熱される。次いで、濾過または遠心分離のような任意の好都合な方法によって固体の結晶性反応生成物を回収し、水で洗浄し、周囲温度〜約100℃の温度で空気中で乾燥する。
【0042】
好ましい結晶化方法において、リン源はリン酸であり、かつアルミニウム源は商品名Catapal(Sasol)の水和した酸化アルミニウムであり、温度は150℃〜200℃であり、結晶化時間は15〜60分間であり、かつ反応混合物中の化合物の比は以下である。
Al2O3 : 1.0〜1.2 P2O5 : 0.5 HF : 1.0〜2.0 R : 50〜75 H2O
【0043】
鋳型剤は、4-ジメチルアミノピリジンであり、かつ反応混合物中に、1モルのアルミナ当たり約1.0〜1.5モルの範囲の量で存在する。さらに、マグネシウム、マンガン、コバルト、亜鉛、ニッケル等のような二価金属の源を添加することもできる。こうした場合、これらの金属は、格子中のAlと置き換わるため、合成において提供されたAlの量は、それに応じて減少する。あるいは、シリカを反応に導入することもできる。典型的に、ケイ素は、格子中のPと置き換わるため、合成において提供されたPの量は、それに応じて減少する。
【0044】
BPC-1の、鋳型を含有する合成時の形態は、その化学組成がモル比に関して以下のように表される基本的な骨格構造を有する。
Al2O3 : 1.0±0.2 P2O5 : 0.14 R : xSiO2 : yMeO : zF
式中、x、y、Meおよびzは、上記に規定した通りである。
【0045】
合成時のBPC-1は、少なくとも下記の表1に示すd間隔を含む固有のX線粉末回折パターン(図1)を有する。
【0046】
(表1)合成時のBPC-1のX線回折データ

【0047】
水和した合成時のBPC-1についての実際の相対強度を含む完全なX線粉末回折パターンを下記の表1Aに示す。
【0048】
(表1A)合成時のBPC-1のX線回折データ

【0049】
相対強度I/I0は、X線回折図上の最高強度ラインに100の値が与えられる相対強度の尺度として与えられ、5W<10、10M<40、40S<80、VS85であり、これらの表記VS、S、M、およびWは、それぞれ、非常に強い、強い、中程度、および弱いを表す。
【0050】
合成時のBPC-1組成物を焼成する場合、即ち、典型的に約300℃〜約700℃の十分に高い温度で加熱して結晶内細孔系に存在する実質的に全ての有機鋳型剤を除去した後、再水和すると、その組成物は、少なくとも下記の表2に示すd間隔を含むX線粉末回折パターン(図2)を有する。
【0051】
(表2)焼成し、かつ水和したBPC-1のX線回折データ

【0052】
X線回折図は、銅Kα1線(λ=1.5406Å)を用いる従来の粉末技術を用い、回折計を用いる放射線結晶解析によって得られる。角度2θによって表される回折ピークの位置から出発して、ブラッグの関係を用い、サンプルの固有の格子面間隔dhklを計算する。dhklに対する測定誤差δ(dhkl)は、2θの測定における絶対誤差δ(2θ)の関数として、ブラッグの関係から計算される。±0.2°の絶対誤差δ(2θ)は、通常、許容される。dhklの各値についての相対強度Irelは、対応する回折ピークの高さから測定される。本発明の結晶性固体BPC-1のX線回折図は、少なくとも、表1に示したdhkl値を有するラインを含む。dhklの列は、格子面間隔についての平均値をオングストローム(Å)で示す。これらの値の各々は、±0.2〜±0.008Åの範囲の測定誤差δ(dhkl)を有する。
【0053】
BPC-1の室温の粉末X線回折パターンは、吸蔵した有機鋳型とフッ化物イオンを除去するための焼成の後、劇的に変化する。焼成し、かつ水和した形態におけるSFO型骨格の分子篩についてのX線回折パターン(米国特許出願公開第2005/0087478号)とEMM-8について報告されたもの(米国特許出願公開第2006/0074267号)とは、酷似していると思われる。
【0054】
焼成したBPC-1は、AS-1C(Quantachrome、米国)を用いた77Kでの窒素の吸着-脱着の等温線測定で測定された、相当のミクロ細孔率(microporosity)を有する。測定された等温線は、I型に特有であり、事実上、BPC-1の焼成した形態についての微小孔の性質を立証している。測定されたミクロ細孔率は、FAU型ゼオライトについて報告されたレベルに近いことが分かり、それゆえ12環と8環の予想される存在を示している。
【0055】
水和したBPC-1の焼成した形態は、脱水すると、X線結晶化度を緩めることが分かり、かつ湿り空気に曝すと結晶化度を回復することが分かる。
【0056】
焼成した形態のBPC-1は、精密化学品の製造における種々の炭化水素変換および酸化反応における触媒または触媒担体としてそれを有用なものにする表面特性を示す。こうしたことは、例えば、骨格の置換によって、含浸、ドーピング等によって、触媒組成物の製造について当技術分野において旧来より用いられた方法によって、触媒的に活性な金属と関連付けることができる。
【0057】
さらに、その焼成した形態におけるBPC-1は、分子種の分離のための分子篩として使用することができる。
【0058】
以下の例は、本発明を例証するために提示するものであって、それらを限定するものとして解釈されるものではない。
【0059】
実施例1:BPC-1の合成
必要量の水和した酸化アルミニウム(擬ベーマイト)、85重量%のオルトリン酸(H3PO4)、水、フッ化水素酸、および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を混合して、
1.5 DMAP : Al2O3 : P2O5 : 0.5 HF : 50 H2O
の反応性ゲル組成物を得ることによってBPC-1を調製する。
【0060】
均一な混合物が観察されるまで、得られた混合物を攪拌する。ポリテトラフルオロエチレンを裏張りした圧力容器の中に反応混合物を密閉し、自己圧力(autogenous pressure)のマイクロ波-水熱条件下で、5分間にわたって180℃で加熱する。固体の反応生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、周囲温度で空気中で乾燥する。
【0061】
固体の反応生成物の一部を分析し、以下の化学分析を得る。
14.6重量%のAl、15.5重量%のP、および1.4重量%のF-
【0062】
結晶化した固体中に存在する有機含有量を、200〜600℃の温度範囲の重量減少を追跡することによる熱重量分析によって得る。有機含有量は、約22重量%であることが分かる。
【0063】
結晶化した生成物を相同定のためにX線粉末回折によって分析すると、表1のようにBPC-1であることが分かる。
【0064】
実施例2
実施例1で説明した手順のように反応性ゲルを調製する。ポリテトラフルオロエチレンを裏張りした圧力容器の中に反応混合物を密閉し、自己圧力のマイクロ波-水熱条件下で、15分間にわたって180℃で加熱する。固体の反応生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、周囲温度で空気中で乾燥する。
【0065】
結晶化した生成物を相同定のためにX線粉末回折によって分析すると、表1のようにBPC-1であることが分かる。
【0066】
実施例3
実施例1で説明した手順のように反応性ゲルを調製する。ポリテトラフルオロエチレンを裏張りした圧力容器の中に反応混合物を密閉し、自己圧力のマイクロ波-水熱条件下で、30分間にわたって180℃で加熱する。固体の反応生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、周囲温度で空気中で乾燥する。
【0067】
結晶化した生成物を相同定のためにX線粉末回折によって分析すると、表1のようにBPC-1であることが分かる。
【0068】
実施例4
実施例1で説明した手順のように反応性ゲルを調製する。ポリテトラフルオロエチレンを裏張りした圧力容器の中に反応混合物を密閉し、自己圧力のマイクロ波-水熱条件下で、60分間にわたって180℃で加熱する。固体の反応生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、周囲温度で空気中で乾燥する。
【0069】
結晶化した生成物を相同定のためにX線粉末回折によって分析すると、表1のようにBPC-1であることが分かる。
【0070】
実施例5
実施例1で説明した手順のように反応性ゲルを調製する。ポリテトラフルオロエチレンを裏張りした圧力容器の中に反応混合物を密閉し、自己圧力のマイクロ波-水熱条件下で、120分間にわたって180℃で加熱する。固体の反応生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、周囲温度で空気中で乾燥する。
【0071】
結晶化した生成物を相同定のためにX線粉末回折によって分析すると、表1のようにBPC-1であることが分かる。
【0072】
実施例6
実施例1で説明した手順のように反応性ゲルを調製し、調製したゲルに、必要量のCabosil M-5アモルファスヒュームドシリカを添加する。得られた混合物を、再度、均一になるまで混合する。反応混合物の組成は以下のモル比である。
1.5 DMAP : Al2O3 : P2O5 : 0.5 HF : 0.1 SiO2 : 50 H2O
【0073】
ポリテトラフルオロエチレンを裏張りした圧力容器の中に反応混合物を密閉し、自己圧力のマイクロ波-水熱条件下で、120分間にわたって180℃で加熱する。固体の反応生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、周囲温度で空気中で乾燥する。
【0074】
固体の反応生成物の一部を分析し、以下の化学分析を得る。
0.67重量%のSi、14.6重量%のAl、14.7重量%のP、および1.4重量%のF-
【0075】
結晶化した固体中に存在する有機含有量を、200〜600℃の温度範囲の重量減少を追跡することによる熱重量分析によって得た。有機含有量は、約22重量%であることが分かる。
【0076】
結晶化した生成物を相同定のためにX線粉末回折によって分析すると、表1のようにBPC-1であることが分かる。
【0077】
実施例7
実施例1で説明した手順のように反応性ゲルを調製し、調製したゲルに、必要量の硝酸コバルトアモルファスヒュームドシリカを添加する。得られた混合物を、再度、均一になるまで混合する。反応混合物の組成は以下のモル比である。
1.75 DMAP : Al2O3 : P2O5 : 0.5 HF : 0.1 Co2O3 : 50 H2O
【0078】
ポリテトラフルオロエチレンを裏張りした圧力容器の中に反応混合物を密閉し、自己圧力のマイクロ波-水熱条件下で、120分間にわたって180℃で加熱する。固体の反応生成物を濾過によって回収し、水で洗浄し、周囲温度で空気中で乾燥する。
【0079】
固体の反応生成物の一部を分析し、以下の化学分析を得る。
1.8重量%のCo、11.1重量%のAl、12.7重量%のP、および1.4重量%のF-
【0080】
結晶化した生成物を相同定のためにX線粉末回折によって分析すると、表1のようにBPC-1であることが分かる。
【0081】
実施例8:BPC-1の焼成
実施例1で得られた物質を、次のようにして空気中で焼成する。薄層の物質を、管状の石英反応器内で、室温から120℃まで1℃/分の速度で加熱し、120℃で2時間にわたって保持する。次いで、その温度を540℃まで同じ速度で昇温させ、この温度で10時間にわたって保持する。
【0082】
実施例9:X線回折の解析
実施例7の物質について、CuKα線を用い、0.02°のステップ幅および1秒間のステップ時間で、5〜40°の2θ範囲でX線回折パターンを測定する。X線回折パターンは、Philips X'pert粉末回折計システムを用いて測定した。測定したX線回折パターンは、表2の通りであることが分かる。
【0083】
実施例10:窒素吸着の解析
BPC-1の焼成した形態は、QuantachromeのAS-1Cユニットで記録した77Kでの吸着等温線に基づき、約800m2/gの表面積で約0.28cc/gの微小孔体積(tプロット)を有する。窒素吸着等温線を、非線形密度関数理論(NLDFT)のアプローチ(J. Phys. Chem. B.; 2001 105(29); 6817)および従来のtプロット法(J. Catalysis, 1965, 4, 319)を用いて解析する。また、DFT解析は、BPC-1の焼成した形態が少なくとも1つの大きな細孔を有することも示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モル比に関して以下のように表される化学組成の、新規な微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩骨格(BPC-1と表示):
Al2O3 : 1.0±0.2 P2O5 : xSiO2 : yMeO : zF : mR
式中、
xは0〜0.15であり;
yは0〜0.2であり;
zは0〜0.80であり;
mは0.3〜5であり;
Rは少なくとも1つの有機鋳型剤を表し;かつ
Meは、分子篩中のAlO2およびPO2の酸化物構造単位の四面体と一緒に酸化物を形成することができる、アルミニウム、リンまたはケイ素以外の少なくとも1つの元素を表す(例えば、二価金属など)。
【請求項2】
無水ベースの下記実験式で表される、請求項1記載の微孔質結晶性物質:
mR : aF- : (MxAlyPz)O2
式中、
Rは少なくとも1つの有機鋳型剤を表し;
mは(MxAlyPz)O2の1モル当たりのRのモル数であり;
aは(MxAlyPz)O2の1モル当たりのフッ化物イオン(F-)のモル数であり;
Mは、元素の周期表の3d族ならびにIIIAおよび/またはIVA族の元素の1つから選択される金属であり;かつ
x、y、およびzは、四面体酸化物としてのM、AlおよびPのモル分率を表す。
【請求項3】
mが0〜2.0である、請求項2記載の微孔質結晶性物質。
【請求項4】
aが0.05〜1.25である、請求項2および3のいずれか一項記載の微孔質結晶性物質。
【請求項5】
m/aが3.5以下である、請求項2〜4のいずれか一項記載の微孔質結晶性物質。
【請求項6】
Mが、B、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Mg、Mn、V、Ni、Sn、Ti、ZnおよびZrからなる群より選択される、請求項2〜5のいずれか一項記載の微孔質結晶性物質。
【請求項7】
Mがケイ素である、請求項2〜6のいずれか一項記載の微孔質結晶性物質。
【請求項8】
xが0〜0.20であり、yが0.3〜0.5であり、かつzが0.3〜0.5である、請求項2〜7のいずれか一項記載の微孔質結晶性物質。
【請求項9】
前記有機鋳型剤が4-ジメチルアミノピリジンである、請求項2〜8のいずれか一項記載の微孔質結晶性物質。
【請求項10】
(a)水、アルミニウムおよびリンの反応源、フッ化物イオン源、任意でアルミニウムおよびリン以外の金属源またはシリカ源、ならびに少なくとも1つの有機鋳型を、式中Rが少なくとも1つの有機鋳型剤を表す以下のモル比
Al2O3 : P2O5 : 0.5 HF : 0.3〜2 R : 10〜100 H2O
で含む、反応混合物を調製する工程;
(b)水熱条件下で前記反応混合物の結晶化を誘起して結晶性物質を得る工程;ならびに
(c)反応混合物から前記結晶性物質を回収する工程
を含む、モル比に関して以下のように表される化学組成の微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩骨格(BPC-1と表示)の合成方法:
Al2O3 : 1.0±0.2 P2O5 : xSiO2 : yMeO : zF : mR
式中、
Xは0〜0.15であり;
yは0〜0.2であり;
zは0〜0.80であり;
mは0.3〜5であり;
Rは少なくとも1つの有機鋳型剤を表し;かつ
Meは、分子篩中のAlO2およびPO2の酸化物構造単位の四面体と一緒に酸化物を形成することができる、アルミニウム、リンまたはケイ素以外の少なくとも1つの元素を表す(例えば、二価金属など)。
【請求項11】
前記フッ化物イオン源が、金属フッ化物塩、テトラアルキルアンモニウムフッ化物塩および/またはそれらの混合物から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記金属フッ化物塩が、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムおよび/またはフッ化アンモニウムを含む群から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記テトラアルキルアンモニウムフッ化物塩が、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウムおよび/またはフッ化水素を含む群から選択される、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記金属源が、B、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Mg、Mn、V、Ni、Sn、Ti、ZnおよびZrを含む群から選択される、請求項10〜13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
前記反応混合物が、P2O5 : Al2O3 = 0.5〜1.5 SiO2 : Al2O3 = 0〜0.8 H2O : Al2O3 = 10〜100 R : Al2O3 = 0.5〜5.0 F : Al2O3 = 0.1〜0.8のモル比の範囲内で調製され、Rが有機鋳型剤である、請求項10〜14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
前記有機鋳型剤が4-ジメチルアミノピリジンである、請求項10〜15のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
前記反応混合物が、P2O5 : Al2O3 = 0.9〜1.1 SiO2/MO2 : Al2O3 = 0.01〜0.3 H2O : Al2O3 = 30〜60 R : Al2O3 = 1.0〜4.0 F : Al2O3 = 0〜0.5のモル比の範囲内で調製され、Rが有機鋳型剤4-ジメチルアミノピリジンであり、かつMが、B、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、Ge、Mg、Mn、V、Ni、Sn、Ti、ZnおよびZrからなる群より選択される、請求項10〜16のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記反応混合物の結晶化が、マイクロ波-水熱条件下で誘起される、請求項10〜17のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
本願明細書に実質的に記載され、本願明細書の実施例および添付図面に関連する、モル比に関して以下のように表される化学組成の新規な微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩骨格(BPC-1と表示):
Al2O3 : 1.0±0.2 P2O5 : xSiO2 : yMeO : zF : mR。
【請求項20】
本願明細書に実質的に記載され、本願明細書の実施例および添付図面に関連する、モル比に関して以下のように表される化学組成の微孔質結晶性シリコアルミノ/(メタロ)アルミノリン酸塩分子篩骨格(BPC-1と表示)の合成方法:
Al2O3 : 1.0±0.2 P2O5 : xSiO2 : yMeO : zF : mR。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−544552(P2009−544552A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520130(P2009−520130)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【国際出願番号】PCT/IN2007/000302
【国際公開番号】WO2008/035374
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508375402)バーラト ペトローリアム コーポレーション リミテッド (3)
【Fターム(参考)】