説明

微小突起列のための自己−作動性アプリケーター

アプリケーターを作動させるように適合されている、ハウジング、ハウジング内で移動可能なピストンおよびキャップを有する微小突起部材を患者の角質層に適用するためのアプリケーター。このアプリケーターは自己−設定性でありそして自動−誘発性であり、それは他のタイプのアプリケーター装置を予備−設定しそして作動させるための力または手の器用さのない患者によるアプリケーターを使用に可能にする。

【発明の詳細な説明】
【関連出願に対するクロス−リファレンス】
【0001】
本出願は2003年10月31日に出願された米国暫定出願番号第60/16,182号の権利を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は貫通部材を皮膚に圧しつけ(impact)により適用するための装置および方法に関し、そしてより特に、本発明は角質層に貫通部材、例えば微小突起列を再現可能に貫通させるための、薬剤の経皮移送または試料採取のための、自己−設定性の自動−誘発性の圧しつけ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
活性薬剤(または薬品)は最も簡便には経口的にまたは注射により投与される。残念なことに、多くの剤は経口投与される時には、それらが吸収されないかまたは血液流に入る前に悪影響を受けそしてその結果として所望する活性を有していないため、多くの剤は全く無効であるかまたは徹底的に減じられた効力を有する。さらに、経口的に投与される剤は典型的には注射された剤と同程度に急速な効果を与えない。他方で、血液流の中への剤の直接注射は、投与中の剤の変化は確実にないが、時には劣悪な患者コンプライアンスをもたらすような困難で、不便で、苦痛のある且つ不快な工程である。
【0004】
従って、一般原則として、経皮移送はそうでなければ皮下注射または静脈注入により移送する必要があるであろう活性薬剤の投与方法を提供する。経皮剤移送はこれらの分野の両方において改良を与える。経皮移送は、経口移送と比べた時に、消化管の苛酷な環境を回避し、胃腸薬品の代謝を迂回し、初回通過効果を減少させそして消化および酵素による可能な脱活性化を回避する。
【0005】
ここで使用される用語「経皮」は、皮膚の実質的な切開または貫通、例えば手術ナイフを用いる切開または皮下針を用いる皮膚の穿刺、を伴わない活性薬剤(例えば、治療剤、例えば薬品または免疫学的活性薬剤、例えばワクチン)の皮膚を通しての局部組織または全身的循環系への移送をさす。
【0006】
剤を移送するためには、経皮剤移送システムは一般的に剤を投与するための受動拡散に頼るが、能動的経皮剤移送システムは電気(例えば、イオン泳動)および超音波(例えば、音泳動(phonophoresis))を包含する外部エネルギー源に頼る。さらに普遍的な受動経皮剤移送システムは典型的には高濃度の剤を含有する剤受器を包含する。受器は皮膚に接触するように適合され、それが剤を皮膚を通してそして患者の身体組織または血液流の中に拡散させることを可能にする。
【0007】
当該技術で既知であるように、経皮剤流動率は皮膚の状態、剤分子の寸法および物理的/化学的性質、並びに皮膚を隔てた濃度勾配に依存する。多くの活性薬剤に対する皮膚の低い浸透性のために、経皮移送は限定された用途を有していた。この低い浸透性は主として最も外側の層である角質層に起因し、それは脂質二重層により囲まれたケラチン繊維が充填された平らな死滅細胞(すなわち、角質細胞)よりなる。脂質二重層のこの高度に整列された構造が相対的に非浸透性の特性を角質層に与える。
【0008】
受動経皮拡散剤流動率を増加させる1つの普遍的な方法は、皮膚浸透促進剤を用いる皮膚の予備処理または薬品と一緒の同時移送を包含する。浸透促進剤は、剤を中を通して移送させる身体表面に適用される時に、そこを通る剤の流動率を高める。しかしながら、経
皮蛋白質流動率を高める際のこれらの方法の効力は、数例では、限定されていた。
【0009】
上記のように、能動的移送システムは角質層を通る剤の流動を助けそして、ほとんどの場合には、促進させるために外部エネルギー源を使用する。経皮剤移送用の1つのそのような促進法は「電気移送」と称する。電気移送は電位を使用し、それは身体表面、例えば皮膚、を通る剤の移送を助けるための電流の適用を生ずる。
【0010】
最も外側の皮膚層を機械的に貫通または破壊してそれにより皮膚内への経路を作成して経皮移送される剤の量を増加させるために開発された多くの技術およびシステムもある。乱切り器として知られる初期ワクチン注射装置は一般的に、皮膚に適用されそして適用領域で引っかくかまたは小さい切開部を作成する複数の歯または針を含んでいた。ワクチンは例えば特許文献1に開示されているように皮膚に局所的に、または特許文献2、特許文献3、および特許文献4に開示されているように乱切り器の歯に適用される湿った液体状のいずれかで適用された。
【0011】
しかしながら、乱切り器には多くの不利益および欠点が伴う。剤を移送するための乱切り器の使用における重大な欠点は、経皮剤流動率および生じた移送される薬用量を決める際の困難さである。また、穿孔を偏らせそして阻止する皮膚の弾性、変形性および反発性のために、極小穿刺部材はしばしば皮膚に均一に貫通せず、および/または皮膚貫通時に剤の液体コーティングを拭い落とす。
【0012】
さらに、皮膚の自己−治癒工程のために、皮膚内に作成された穿孔または隙間は角質層からの穿刺部材の除去後に閉じる傾向がある。それ故、皮膚の弾性は極小穿刺部材に適用された活性薬剤液体コーティングをこれらの部材の皮膚内への貫通時に除去するように作用する。さらに、穿刺部材により作成された極小隙間は装置の除去後に速やかに治癒し、それ故、穿刺部材により作成された経路を通る液体剤溶液の通過を限定しそしてそれはまたそのような装置の経皮流動率を限定する。
【0013】
極小皮膚穿刺部材を使用して経皮薬品移送を促進させる他のシステムおよび装置は、全て引用することにより本発明の内容となる、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、並びにPCT公報である特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、および特許文献24に開示されている。
【0014】
開示されたシステムおよび装置は皮膚の最も外側の層(すなわち、角質層)を穿刺するために種々の形状、寸法および列の穿刺部材を使用する。これらの文献に開示された穿刺部材は一般的に薄い平らな部材、例えばパッドまたはシート、から垂直に伸びる。これらの装置のあるものにおける穿刺部材は非常に小さく、あるものは約25−400ミクロンだけの微小突起長さおよび約5−50ミクロンだけの微小突起厚さを有する。これらの極小の穿刺/切断部材は角質層の中に対応する小さい微小隙間/微小切断部を作成してその中を通る経皮剤移送を促進させる。
【0015】
開示されたシステムは典型的には、活性薬剤を保持するための受器および剤を受器から角質層を通して例えば装置自体の中空の歯により、移送させるように適合される移送システムを含む。例は、PCT公報である特許文献25に開示されている装置であり、それは液体剤受器を有する。
【0016】
ここに引用されることにより本発明の内容となる特許文献26に開示されているように、身体受器内に含有される代わりに微小突起または微小突起列の上にコーティングされて
移送される活性薬剤を有することも可能である。これは別個の身体受器および受器用に特異的な薬剤調合物または組成物を開発する必要性を除く。
【0017】
皮膚を通る剤の移送または試料採取を改良するために微小突起列が使用される時には、一定の、完全な、そして反復可能な貫通が所望される。その皮膚−接触側面から突起する微小突起部を有する皮膚パッチの手動式適用はしばしばパッチの長さおよび幅を越える穿刺深さにおける有意な変動をもたらす。さらに、自動装置を用いて適用する方式のために一定で且つ反復可能方式で微小突起列の長さおよび幅だけでなく1つの微小突起列から次へも角質層穿刺を与える手動式適用は使用者が微小突起列である列を角質層に対する適用間で穿刺における大きな変動をもたらす。
【0018】
体液(例えば、血液)試料採取用のランセットの移送のためのある種の既知のスプリング充填アプリケーターはPCT公報である特許文献27および特許文献28に記載されている。しかしながら、これらの装置はそれらが適用前にアプリケーター装置の両手による予備−設定を必要とするため使用が困難である。特に、既知のスプリング充填ランセットアプリケーターは予備−設定のために離して引っ張られる装置の2つの部分を必要とするかまたは予備−設定のために離して引っ張られる装置の1つの部分を必要とするかまたは予備−設定のために装置の他方の部分に関して捩じられる装置の1つの部分を必要とする。これらの動作の両方において、両手による予備−設定操作が必要である。これらの装置を使用する患者の多くは予備−設定されたこれらの既知のアプリケーター装置に対する力がないか、または手先の器用さがない。
【0019】
特許文献29には、微小突起列を適用するように適合される別のスプリング充填アプリケーターが開示されている。記載されたアプリケーターはアプリケーターの片手による予備−設定を可能にする予備−設定機構を含む。
【0020】
アプリケーターの欠点はそれ故、アプリケーターが依然として使用前に装置の手動式予備−設定の別個の段階を必要とすることである。それ故、使用前に装置の手動式予備−設定の別個の段階を排除するアプリケーターを提供することが望ましい。
【特許文献1】米国特許第5,487,726号明細書
【特許文献2】米国特許第4,453,926号明細書
【特許文献3】米国特許第4,109,655号明細書
【特許文献4】米国特許第3,136,314号明細書
【特許文献5】米国特許第5,879,326号明細書
【特許文献6】米国特許第3,814,097号明細書
【特許文献7】米国特許第5,279,54号明細書
【特許文献8】米国特許第5,250,023号明細書
【特許文献9】米国特許第3,964,482号明細書
【特許文献10】米国特許再発行第25,637号明細書
【特許文献11】国際公開第96/37155号パンフレット
【特許文献12】国際公開第96/37256号パンフレット
【特許文献13】国際公開第96/17648号パンフレット
【特許文献14】国際公開第97/03718号パンフレット
【特許文献15】国際公開第98/11937号パンフレット
【特許文献16】国際公開第98/00193号パンフレット
【特許文献17】国際公開第97/48440号パンフレット
【特許文献18】国際公開第97/48441号パンフレット
【特許文献19】国際公開第97/48442号パンフレット
【特許文献20】国際公開第98/00193号パンフレット
【特許文献21】国際公開第99/64580号パンフレット
【特許文献22】国際公開第98/28037号パンフレット
【特許文献23】国際公開第98/29298号パンフレット
【特許文献24】国際公開第98/29365号パンフレット
【特許文献25】国際公開第93/17754号パンフレット
【特許文献26】米国特許出願公開第10/045,842号明細書
【特許文献27】国際公開第99/26539号パンフレット
【特許文献28】国際公開第97/42886号パンフレット
【特許文献29】米国特許出願公開第09/976,763号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
従って、本発明の目的は先行技術のアプリケーター装置に伴う上記の欠点および不利益を実質的に減少するかまたは排除するような微小突起部材または列を患者に適用するためのアプリケーターを提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、使用前に装置の手動式予備−設定の別個の段階を排除する自動予備−設定アプリケーターを提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、微小突起部材または列を患者に適用するように適合される自動予備−設定および自動誘発性アプリケーターを提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、小突起部材または列を一定で且つ反復可能な方法で適用する自動予備−設定および自動誘発性アプリケーターを提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、デザインが簡潔である微小突起列を適用するための自動予備−設定および自動誘発性アプリケーターを提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、最少の構成部材を必要としそして延長された使用寿命を有する微小突起列を適用するための自動予備−設定および自動誘発性アプリケーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
発明の要旨
上記の目的並びに以下で挙げられそして明らかになるであろうものに応じて、本発明に従う微小突起列を患者に適用するためのアプリケーターは(i)第一および第二端部を有するハウジング、(ii)本来の位置からハウジングの第一端部が微小突起部材を受容するように適合されるハウジングに関して予備−設定された位置に移動するように適合されるキャップ、(iii)予備−設定された位置から作動させられた位置に移動して、ピストンがハウジングの端部からキャップと向かい合って伸びるように適合される、微小突起部材を角質層に対して圧しつけるためのハウジング内に滑動可能式に配置されるピストン、(iv)圧しつけ力をピストンに与えそしてピストンをハウジングの第一端部から角質層近くの作動させられた位置に向かって偏らせるように適合され、キャップおよびピストンが予備−設定された位置にある時に圧しつけスプリングが活動化させられるキャップおよびハウジングと連絡している圧しつけスプリング、(v)予備−設定力をキャップに与えそしてキャップを予備−設定された位置から本来の位置に偏らせるように適合され、ピストンが作動させられた位置にある時に予備−設定スプリングが活動化させられる、キャップおよびハウジングと連絡している予備−設定スプリング、(vi)キャップおよび予備−設定スプリングと共働してキャップが予備−設定された位置から本来の位置に移動する時にピストンを本来の位置に戻すように適合される、キャップおよびピストンと連絡している第一の掛け金組み立て品、(vii)ピストンを予備−設定された位置に配置するためのハウジングおよびピストンと連絡している第二の掛け金組み立て品、並びに(vii)キャップが本来の位置から予備−設定された位置に移動し、圧しつけスプリングが活動化させられそして開放部材がはずれ、それによりピストンが予備−設定された位置から作動させられた位置に移動しそして微小突起部材を角質層内に圧し入れる時に第二の掛け金組み立て品と連絡するように適合される、キャップと連絡している開放部材を含んでなる。
【0028】
好ましくは、圧しつけスプリングは約0.005−0.5ジュール/cmの範囲内の圧しつけ(貯えられた)エネルギーを有する。より好ましくは、圧しつけスプリング40は約0.01−0.3ジュール/cmの範囲内の貯えられたエネルギーを有する。
【0029】
本発明の1つの態様では、圧しつけスプリングは約0.5−20メートル(m)/秒の範囲内の、より好ましくは、約1.0−10m/秒の範囲内の、圧しつけ速度を有する。
【0030】
本発明の1つの態様では、ピストンは約0.1−20cmの範囲内の、より好ましくは、約1.0−10cmの範囲内の、表面積を有する。
【0031】
本発明の好ましい態様では、微小突起部材は少なくとも1種の生物学的活性薬剤を含む。
【0032】
本発明の別の態様によると、微小突起部材を患者の角質層に対して圧しつけるための装置は(i)本来の位置からハウジングに関して予備−設定された位置に移動するように適合されるキャップを含む、第一および第二端部を有するハウジング、(ii)微小突起部材を受容しそして配置するようにさらに適合される、第二端部近くのハウジングを噛み合わせるように適合される保持具、(iii)第一および第二端部を有するハウジング、(iv)本来の位置からハウジングの第一端部が微小突起部材を受容するように適合されるハウジングに関して予備−設定された位置に移動するように適合されるキャップ、(v)予備−設定された位置から作動させられた位置に移動するように適合される、微小突起部材を角質層に対して圧しつけるためのハウジング内に滑動可能式に配置されるピストン、(vi)圧しつけ力をピストンに与えそしてピストンをハウジングの第一端部から角質層近くの作動させられた位置に向かって偏らせるように適合され、キャップおよびピストンが予備−設定された位置にある時に圧しつけスプリングが活動化させられる、キャップおよびハウジングと連絡している圧しつけスプリング、(vii)予備−設定力をキャップに与えそしてキャップを予備−設定された位置から本来の位置に偏らせるように適合され、ピストンが作動させられた位置にある時に予備−設定スプリングが活動化させられる、キャップおよびハウジングと連絡している予備−設定スプリング、(viii)キャップおよび予備−設定スプリングと共働してキャップが予備−設定された位置から本来の位置に移動する時にピストンを本来の位置に戻すように適合される、キャップおよびピストンと連絡している第一の掛け金組み立て品、(ix)ピストンを予備−設定された位置に配置するためのハウジングおよびピストンと連絡している第二の掛け金組み立て品、並びに(x)キャップが本来の位置から予備−設定された位置に移動し、圧しつけスプリングが活動化させられそして開放部材がはずれ、それによりピストンが予備−設定された位置から作動させられた位置に移動しそして微小突起部材を角質層内に圧し入れる時に第二の掛け金組み立て品と連絡するように適合される、キャップと連絡している開放部材を含んでなる。
【0033】
本発明の別の態様によると、(i)薬剤調合物を含有するゲルパック、並びにゲルパックを受容するように適合され、それにより薬剤調合物が微小突起部材開口部を通って流れるような、上部および底表面、微小突起部材を通って伸びる複数の開口部および微小突起部材の底表面から突起する複数の角質層−穿刺用微小突起を有する微小突起部材を含むパ
ッチシステム、並びに(ii)ハウジングの第一端部が微小突起部材を受容するように適合される第一および第二端部を有するハウジング、本来の位置からハウジングに関して予備−設定された位置に移動するように適合されるキャップ、予備−設定された位置から作動させられた位置に移動するように適合される微小突起部材を角質層に対して圧しつけるためのハウジング内に滑動可能式に配置されるピストン、圧しつけ力をピストンに与えそしてピストンをハウジングの第一端部から角質層近くの作動させられた位置に向かって偏らせるように適合されキャップおよびピストンが予備−設定された位置にある時に圧しつけスプリングが活動化させられるキャップおよびハウジングと連絡している圧しつけスプリング、予備−設定力をキャップに与えそしてキャップを予備−設定された位置から本来の位置に偏らせるように適合されピストンが作動させられた位置にある時に予備−設定スプリングが活動化させられるキャップおよびハウジングと連絡している予備−設定スプリング、キャップおよび予備−設定スプリングと共働してキャップが予備−設定された位置から該本来の位置に移動する時にピストンを本来の位置に戻すように適合されキャップおよびピストンと連絡している第一の掛け金組み立て品、ピストンを予備−設定された位置に配置するためのハウジングおよびピストンと連絡している第二の掛け金組み立て品、並びにキャップが本来の位置から予備−設定された位置に移動し圧しつけスプリングが活動化させられそして開放部材がはずれそれによりピストンが予備−設定された位置から作動させられた位置に移動しそして微小突起部材を角質層内に圧し入れる時に第二の掛け金組み立て品と連絡するように適合されるキャップと連絡している開放部材を含むアプリケーターを含んでなる、生物学的活性薬剤を患者に移送するための経皮移送システムが開示される。
【0034】
好ましくは、アプリケーターは第二端部近くのアプリケーターハウジングを噛み合わせるように適合される保持具を含んでなり、保持具は微小突起部材を受容しそして配置するようにさらに適合される。
【0035】
好ましい態様では、薬剤調合物は少なくとも1種の生物学的活性薬剤を含む。
【0036】
本発明の1つの態様では、生物学的活性薬剤はレウティナイジング(leutinizing)ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRH同族体(例えば、ゴセレリン(goserelin)、ロイプロリド(leuprolide)、ブセレリン(buserelin)、トリプトレリン(triptorelin)、ゴナドレリン(gonadorelin)、およびナプファレリン(napfarelin)、ノトロピン類(menotropins)(ウロフォリトロピン(urofollitropin)(FSH)およびLH))、バソプレッシン(vasopressin)、デスモプレッシン(desmopressin)、コルチコトロピン(corticotropin)(ACTH)、ACTH同族体、例えばACTH(1−24)、カルシトニン(calcitonin)、パラチロイドホルモン(parathyroid hormone)(PTH)、バソプレッシン(vasopressin)、デアミノ[Val4,D−Arg8]アルギニンバソプレッシン(deamino[Val4,D−Arg8]arginine vasopressin)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、エリスロポイエチン(erythropoietin)(EPO)、顆粒球大赤血球コロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、インターロイキン−10(IL−10)、グルカゴン、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、インスリン、インスルトロピン(insultropin)、カルシトニン(calcitonin)、オクトレオチド(octreotide)、エンドルフィン(endorphin)、TRN、NT−36(化学名:N−[[(s)−4−オキソ−2−アゼチジニル]カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド)、リプレシン(liprecin)、下垂体ホルモン類(例えば、HGH、HMG、酢酸デスモプレッシン(desmopressin acetate)など)、卵胞ルテオイド類(follicle luteoids)、aANF、成長因子、例えば成長因子放出ホルモン(GFRF)、bMSH、GH、ソマトスタチン(somatostatin)、ブラジキニン(bradykinin)、ソマトトロピン(somatotropin)、血小板−誘導成長因子放出因子、アスパラギナーゼ(asparaginase)、硫酸ブレオマイシン(bleomycin sulfate)、キモパパイン(chymopapain)、コレシストキニン(cholecystokinin)、絨毛膜ゴナドトロピン(chorionic gonadotropin)、コルチコトロピン(corticotrophin)(ACTH)、エリスロポイエチン(erythropoietin)、エポプロステノール(epoprostenol)(血小板凝集抑制剤)、グルカゴン(glucagons)、HCG、ヒルログ(hirulog)、ヒアルロニダーゼ(hyaluronidaze)、インターフェロン、インターロイキン類、メノトロピン類(menotropins)(ウロフォリトロピン(urofollitropin)(FSH)およびLH)、オキシトシン(oxytocin)、ストレプトキナーゼ(streptokinase)、組織プラスミノーゲン活性化剤、ウロキナーゼ(urokinase)、バソプレッシン(vasopressin)、デスモプレッシン(desmopressin)、ANP、ANPクリアランス阻害剤、アンギオテンシン(angiotensin)II拮抗物質、抗利尿ホルモン作用物質、ブラジキン(bradykinn)拮抗物質、セレダーゼ(ceredase)、CSI類、カルシトニン(calcitonin)遺伝子関連ペプチド(CGRP)、エンケファリン類(enkephalins)、FAB断片、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、向神経性因子、コロニー刺激因子、甲状腺ホルモン(PTH)および作用物質、甲状腺ホルモン拮抗物質、プロスタグランジン拮抗物質、ペンチゲチド(pentigetide)、蛋白質C、蛋白質S、レニン(renin)阻害剤、チモシン(thymosin)アルファ−1、血栓崩壊剤、TNF、バソプレッシン拮抗物質同族体、アルファ−1坑トリプシン(組み換え体)、TGF−ベータ、フォンダパリヌックス(fondaparinux)、アルデパリン(ardeparin)、ダルテパリン(dalteparin)、デフィビロチド(defibrotide)、エノキサパリン(enoxaparin)、ヒルジン(hirudin)、ナドロパリン(nadroparin)、レビパリン(reviparin)、チンザパリン(tinzaparin)、多硫化ペントサン(pentosan polysulfate)、オリゴヌクレオチド類およびオリゴヌクレオチド誘導体、アレンドロニック・アシド(alendronic acid)、クロドロニック・アシド(clodronic acid)、エチドロニック・アシド(etidronic acid)、イバンドロニック・アシド(ibandronic acid)、インカドロニック・アシド(incadronic acid)、パミドロニック・アシド(pamidronic acid)、リセドロニック・アシド(risedronic acid)、チルドロニック・アシド(tiludronic acid)、ゾレドロニック・アシド(zoledronic acid)、アルガトロバン(argatroban)、RWJ445167、RWJ−671818、およびそれらの混合物よりなる群から選択される。
【0037】
本発明の別の態様では、生物学的活性薬剤は蛋白質、多糖類、オリゴ糖類、リポ蛋白質、弱化されたまたは死滅したウイルス類、例えばサイトメガロウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、ヒト・乳頭腫ウイルス、風疹ウイルス、および水痘帯状疱疹(varicella zoster)、弱化されたまたは死滅した細菌類、例えば百日咳菌(bordetella pertussis)、破傷風菌(clostridium tetani)、ジフテリア菌(corynebacterium diphtheriae)、A群連鎖球菌(group A streptococcus)、レジオネラ・ニューモフィラ(legionella pneumophila)、髄膜炎菌(neisseria meningitides)、緑膿菌(pseudomonas aeruginosa)、肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)、梅毒トレポネマ(treponema pallidum)、およびビブリオ・コレラエ(vibrio cholerae)、並びにそれらの混合物の形態の抗原よりなる群から選択される。
【0038】
別の態様では、薬剤調合物は経路開通性調節剤(pathway patency modulator)および血管収縮薬よりなる群から選択される少なくとも1種の追加の製薬剤を含む。
【0039】
図面の簡単な記述
別の特徴および利点は以下のそしてより特に添付図面で示されているような本発明の好ましい態様の記述から明らかになり、そしてここでは同様な参照指示文字は一般的に図面全体にわたり同じ部分または部材をさし、そして
図1は本発明に従うアプリケーターに連結されたパッチ保持具を有する初期配置すなわち本来位置を示すアプリケーターの1つの態様の前面断面図であり、
図2は本発明に従う予備−設定された位置を示す保持具の前面断面図であり、
図3は本発明に従う皮膚部位近くにピストンがある作動させられた位置を示す保持具の前面断面図であり、
図4は図1に示された本来位置にあるアプリケーターの側面断面図であり、
図5は図2に示された予備−設定された位置にあるアプリケーターの側面断面図であり、図6は図3に示された作動させられた位置にあるアプリケーターの側面断面図であり、
図7は本発明に従う図1〜6に示されたアプリケーターと共働するように適合されるパッチ保持具の前面断面図であり、
図8は図7に示されたパッチ保持具の透視図であり、そして
図9は微小突起列の1つの態様の部分的透視図である。
【0040】
発明の詳細な記述
本発明を詳細に記述する前に、本発明は特定の例示された物質、方法または構造に限定されず、もちろんそれらを変更しうることを理解すべきである。それ故、ここに記載されているものと同様なまたは同等な多くの物質および方法を本発明の実施において使用しうるが、好ましい物質および方法がここに記載される。
【0041】
ここで使用される用語は本発明の特定の態様を記述する目的だけに使用されそして限定する意図はない。
【0042】
その他に定義されない限り、ここで使用される全ての技術的および科学的用語は本発明が関与する当業者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
【0043】
さらに、ここに引用される全ての文献、特許および特許出願は、以上および以下のどちらでも、引用されることにより本発明の内容となる。
【0044】
最後に、この明細書および添付された特許請求の範囲で使用される際には、単数形である「a」「an」および「the」は内容が明らかに別のものを記述してない限り複数指示を含む。それ故、例えば、「微小突起」に関する言及は2種もしくはそれ以上の微小突起などを含む。
【0045】
定義
ここで使用される用語「経皮」は、局所または全身療法のための皮膚内へのおよび/または皮膚を通る剤の移送を意味する。
【0046】
ここで使用される用語「経皮流動率」は、経皮移送の割合を意味する。
【0047】
ここで使用される用語「生物学的活性薬剤」は、治療的に有効な量で投与される時に薬理学的に有効である薬品を含有する物質または混合物の組成物をさす。そのような活性薬剤の例はレウティナイジングホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRH同族体(例えばゴセレリン、ロイプロリド、ブセレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、およびナプファレリン、メノトロピン類(ウロフォリトロピン(FSH)および(LH))、バソプレッシン、デスモプレッシン、コルチコトロピン(ACTH)、ACTH同族体、例えばACTH(1−24)、カルシトニン、バソプレッシン、デアミノ[Val4,D−Arg8]アルギニンバソプレッシン、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、エリスロポイエチン(EPO)、顆粒球大赤血球コロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、インターロイキン−10(IL−10)、グルカゴン、成長ホルモン放出因子(GHRF)、インスリン、インスルトロピン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRN、NT−36(化学名:N−[[(s)−4−オキソ−2−アゼチジニル]カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド)、リプレシン、aANF、bMSH、ソマトスタチン、ブラジキニンン、ソマトトロピン、血小板−誘発性成長因子放出因子、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛膜ゴナドトロピン、エポプロステノール(血小板凝集抑制剤)、グルカゴン、ヒルログ、ヒアルロニダーゼ、インターフェロン、インターロイキン類、メノトロピン類(ウロホリトロピン(FSH)およびLH)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲン活性化剤、ウロキナーゼ、ANP、ANPクリアランス阻害剤、アンギオテンシンII拮抗物質、抗利尿ホルモン作用物質、ブラジキン拮抗物質、セレダーゼ、CSI類、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、エンカファリン類、FAB断片、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、向神経性因子、コロニー刺激因子、甲状腺ホルモン(PTH)および作用物質、甲状腺ホルモン拮抗物質、プロスタグランジン拮抗物質、ペンチゲチド、蛋白質C、蛋白質S、レニン阻害剤、チモシンアルファ−1、血栓崩壊剤、TNF、バソプレッシン抗物質同族体、アルファ−1坑トリプシン(組み換え体)、TGF−ベータ、フォンダパリヌックス、アルデパリン、ダルテパリン、デフィビロチド、エノキサパリン、ヒルジン、ナドロパリン、レビパリン、チンザパリン、多硫化ペントサン、オリゴヌクレオチド類およびオリゴヌクレオチド誘導体、例えばフォルミビルセン(formivirsen)、アレンドロニック・アシド、クロドロニック・アシド、エチドロニック・アシド、イバンドロニック・アシド、インカドロニック・アシド、パミドロニック・アシド、リセドロニック・アシド、チルドロニック・アシド、ゾレドロニック・アシド、アルガトロバン、RWJ445167、RWJ−671818、およびそれらの混合物を包含するが、限定されない。
【0048】
示された生物学的活性薬剤は種々の形態で、例えば遊離塩基、酸、変化したもしくは変化しない分子、分子複合体の成分または非刺激性の薬理学的に許容可能な塩、でありうる。さらに、身体pH、酵素などで容易に加水分解されうる活性薬剤の簡単な誘導体(例えばエーテル類、エステル類、アミド類など)も使用できる。
【0049】
ここで使用される用語「生物学的活性薬剤」は、「ワクチン」または他の免疫学的活性薬剤もしくは免疫学的活性薬剤の製造を誘発しうる剤を含有する物質または混合物の組成物もさし、そしてそれは免疫学的に有効な量で投与される時に直接的または間接的に免疫学的に有効である。
【0050】
ここで使用される用語「ワクチン」は、従来のおよび/または市販のワクチン類をさし、流感ワクチン、ライム(Lyme)病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ウイルス、おたふく風邪ワクチン、水痘ワクチン、天然痘ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、およびジフテリアワクチン、組み換え蛋白質ワクチン類、DNAワクチン類並びに治療用の癌ワクチン類を包含するが、限定されない。それ故、用語「ワクチン」は蛋白質、多糖類、オリゴ糖類、リポ蛋白質、弱化されたまたは死滅したウイルス類、例えばサイトメガロウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、ヒト・乳頭腫ウイルス、風疹ウイルス、および水痘帯状疱疹、弱化されたまたは死滅した細菌類、例えば百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、A群連鎖球菌、レジオネラ・ニューモフィラ、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、梅毒トレポネマ、およびビブリロ・コレレ、並びにそれらの混合物の形態の抗原を包含するが、限定されない。
【0051】
1種より多い生物学的活性薬剤を薬剤調合物または微小突起コーティングに導入しうること、および用語「活性薬剤」は2種もしくはそれ以上のそのような活性薬剤の使用を何ら除外しないことを理解すべきである。
【0052】
ここで使用される用語「生物学的に有効な量」または「生物学的に有効な割合」は、生物学的活性薬剤が製薬学的活性薬剤である時に使用され、そして所望する治療上の、しばしば有益な、結果を与えるのに必要な薬理学的活性薬剤の量または割合をさす。
【0053】
用語「生物学的に有効な量」または「生物学的に有効な割合」は、生物学的活性薬剤が免疫学的活性薬剤である時にも使用され、そして所望する治療上の、しばしば有益な結果を与えるのに必要な免疫学的活性薬剤の量または割合をさす。
【0054】
ここで使用される用語「血管収縮剤」は、血管の内腔を狭めそしてその結果として末梢血液流を減ずる物質または混合物の組成物をさす。適する血管収縮剤の例はアミドエフリン(amidephrine)、カファミノール(cafaminol)、シクロペンタミン(cyclopentamine)、デオキシエピネフリン(deoxyepinephrine)、エピネフリン(epinephrine)、フェリプレッシン(felypressin)、インダナゾリン(indanazoline)、メチゾリン(metizoline)、ミドドリン(midodrine)、ナファゾリン(naphazoline)、ノルデフリン(nordefrin)、オクトドリン(octodrine)、オリンプレッシン(orinpressin)、オキシメタゾリン(oxymetazoline)、フェニルエフリン(phenylephrine)、フェニルエタノールアミン(phenylethanolamine)、フェニルプロパノールアミン(phenylpropanolamine)、プロピルヘキセドリン(propylhexedrine)、シュードエフェドリン(psuedoephedrine)、テトラヒドロゾリン(tetrahydrozoline)、トラマゾリン(tramazoline)、ツアミノヘプタン(tuaminoheptane)、チマゾリン(tymazoline)、バソプレッシン、キシロメタゾリン(xylometazoline)およびそれらの混合物を包含するが、限定されない。
【0055】
ここで使用される用語「微小突起」および「微小突出」は、生存動物、特に哺乳動物そしてより特に人間、の皮膚の角質層を通ってその下にある表皮層、すなわち表皮および真皮層、内を穿刺または切断するように適合される穿刺部材をさす。
【0056】
本発明の1つの態様では、微小突起は1000ミクロンより短い突起長さを有する。別の態様では、微小突起は500ミクロンより短い、より好ましくは250ミクロンより短い、突起長さを有する。微小突起は典型的には約5〜50ミクロンの幅および厚さを有する。微小突起は種々の形状、例えば針、刃、ピン、孔、およびそれらの組み合わせ、に形成できる。
【0057】
ここで使用される用語「微小突起列」は角質層を穿刺するための列の中に配置された複数の微小突起をさす。微小突起列は、複数の微小突起を薄いシートからエッチングまたは穿孔しそしてシートの面から微小突起を折るかまたは曲げて例えば図5に示されているよ
うな構造を形成することにより、形成することができる。微小突起列は他の既知の方法で、例えば米国特許第6.050,988号明細書に開示されたように1つもしくは複数の片の各々の端部に沿って微小突起を有する1種もしくはそれ以上の片を形成することにより、形成することもできる。
【0058】
シートまたは部材の面積に関する言及およびシートまたは部材の面積当たりのある種の性質に関する言及は、シートの外周囲または境界により囲まれる面積をさす。
【0059】
当業者により認識されるように、本発明のアプリケーターは経皮治療剤移送と共に角質層への微小突起列の反復圧しつけ適用または試料採取用に容易に使用することができる。アプリケーター10はある種のタイプの微小突起列を用いる使用に関して記載されているが、アプリケーターは他のタイプの角質層微小−貫通部材を用いても使用できることを理解すべきである。
【0060】
ここで詳細に論じられているように、本発明のアプリケーターは自動予備−設定性であり、そしてそれ故、使用前のアプリケーターの手動式予備−設定段階を排除する。アプリケーターは自動−誘発性でもある。アプリケーターはそれ故、他のタイプのスプリング−充填アプリケーター装置を予備−設定するための手の力または操作上の器用さがない患者によっても容易に使用することができる。
【0061】
本発明のアプリケーターは、ピストンを装置から偏らせてより少なく圧迫しながら同じ行程で同等もしくはそれより多いエネルギーを貯えうるより小さい直径の線から製造されるより小さい直径のスプリングの使用を可能にする圧しつけスプリングの直径の外側に充填される誘発機構を追加的に使用する。圧しつけスプリングの減じられた質量はより大きい圧しつけ速度を達成するためのスプリングを圧縮するのに使用される力をより小さくすることも可能にする。
【0062】
さらに、圧しつけスプリングおよび予備−設定スプリングは異なる内径および外径を有しそしてアプリケーター中のそれらの位置が誤った位置へのスプリングの偶発的配置の可能性を防止する。ピストン、内部カップおよび外部カップも重要でありうるため、それらを機能的方向にだけ組み立てることができる。
【0063】
ピストン、内部カップおよび外部カップを一緒にスナップで締めて追加の組み立て段階に必要なもの、例えば挿入スクリュー、超音波溶接、接着剤結合または溶媒結合、を回避するようにも設計されそして構成される。スナップはまたアプリケーターの離脱を難しくし、機構の操作を邪魔する。
【0064】
次に図1−3を参照すると、アプリケーター10は一般的に、内部カップ14およびハウジング12内で移動可能なピストン30を有するハウジング12を含む。図1に示されているように、ハウジング12はアプリケーター10を作動させて角質層にパッチ60または微小突起列64を圧しつけるための外側カップ(またはキャップ)20をさらに含む。
【0065】
アプリケーター10は外側カップ20の上部23から内部に伸びるスプリングガイド22の内部に配置される圧しつけスプリング40をさらに含む。圧しつけスプリング40はピストンスプリング座すなわち窪み34の中にも位置する。本発明によると、圧しつけスプリング40はピストン30をアプリケーターハウジング23に関して下方(矢印Aにより示される方向)に偏らせる。
【0066】
図2に示されるように、ピストン30は下部表面すなわち面32を有し、それは本発明
によると実質的に平らでもよく、わずかに窪んでもよくまたは身体表面(すなわち、具体的な皮膚部位)に応じて構成することもできる。ここで詳細に論じられるように、アプリケーター10が作動される時に、ピストン30の下部表面32が微小突起列または微小突起列を含有する経皮パッチを角質層に圧しつけそして穿刺する。
【0067】
本発明によると、ピストン面32は好ましくは約0.1−20cmの範囲内の表面積を有する。より好ましくは、ピストン面32は約1−10cmの範囲内の表面積を有する。
【0068】
図1を再び参照すると、アプリケーター10は圧しつけスプリングの周りに配置される予備−設定スプリング42をさらに含む。予備−設定スプリング42は内部カップ14の上部近くに配置されるスプリング座16の中にも位置する。ここで詳細に論じられるように、予備−設定スプリング42はアプリケーター10の作動後に外部カップ20を内部カップ14に関して上方(矢印Bにより示される方向)に偏らせる。
【0069】
図1に示されるように、内部カップ14はピストン30を予備−設定された位置に保ちそしてピストン30のそこを越える上部方向への動きを制限する上部19aおよび底19b表面を有するピストン停止具18をさらに含む。
【0070】
次に図4(これは図1に示された図面に関して約90°回転されたアプリケーター10の別の断面図である)を参照すると、ピストン30は少なくとも1個の、より好ましくは、少なくとも2個の、ピストン面32と反対側の端部近くに配置される固定部材36(すなわち、第一の掛け金組み立て体)を含む。本発明によると、固定部材36はアプリケーター10の作動後に外側カップ20を固定部材座24に接触させ(図6参照)そして図4に示されているようにピストン30を予備−設定された位置に上昇させる。
【0071】
図1に示されるように、ピストン30は少なくとも1個の、より好ましくは、少なくとも2個の、柔軟性の開放掛け金38(すなわち、第二掛け金組み立て品)をさらに含む。本発明によると、開放掛け金38は内部カップ14の上部19aおよびピストン停止具18と連絡する(またはその上に配置される)ように設計されそして適合される。(図1および2参照)。以下で詳細に論じられるように、開放掛け金38は内部に曲がるようにも適合され、そしてその結果として、カップ20およびその結果としてスプリングガイド22が本来の位置から予備−設定された位置に移動する時に停止具18からはずれる(図2参照)。
【0072】
図1−6はアプリケーター10に作業的に固定されるパッチ保持具50もさらに示す。次に図7および8を参照すると、保持具50は好ましくは内部カップ14の先端15と噛み合うように構成される第一端部52を有する実質的に輪の形状を有する。保持具50の第二のすなわち先頭の端部54が角質層接触表面を提供する。
【0073】
次に図7を参照すると、保持具50はパッチ60を受容するように適合されるパッチ座56を含む。パッチ60を保持具50内に設置する方法は変えることができる(例えば、パッチ60は保持具50の先端54近くに配置することができる)が、パッチ微小突起と他の対象(例えば、使用者の指)との偶発的接触を避けるために、図8に示されているように、パッチ60を先端54から遠位に設置することが好ましい。
【0074】
一例によると、パッチ60はパッチベース材料の脆い部分により、パッチ座56に付着されたパッチ材料62の輪状の環に連結される。パッチ60はピストン30の下向きの力により保持具座56から離される。或いは、パッチ60はピストン30に取り外し可能式に連結されまたはピストン30下の皮膚の上に配置されうる。
【0075】
示されるように、アプリケーター10の2つの有意な特徴は、圧しつけスプリング40および予備−設定スプリング42の位置、並びに小さい直径そしてその結果として低質量の圧しつけスプリング40の使用である。
【0076】
当該技術で既知であるように、スプリングの質量(m)はスプリング材料の密度(ρ)、線の直径(d)および線の長さ(L)の函数であり;
m=ρπLd/4
線の長さ(L)はスプリングの平均直径(D)、スプリングの長さ(s)およびピッチ(P)の函数である:
【0077】
【数1】

【0078】
当該技術でさらに既知であるように、スプリングの硬さ(k)はスプリング材料のモジュラス(E)、線の直径(d)、スプリングの平均直径(D)、スプリングの長さ(s)およびピッチ(P)の函数である:
k=EPd/8sD
圧しつけスプリングの硬さ対重量の比を最大にするためには、線の直径であるdを最大にすべきであり且つスプリングの平均直径を最小にすべきである。
【0079】
さらに、スプリング内に貯えられるエネルギー(PE)はスプリングの硬さ(k)並びにその工程の開始時(x)および終点(x)におけるスプリングの圧縮量の函数である:
PE=k(x−x)/2
示された関係および本発明の1つの態様によると、衝撃スプリング40は約0.005−0.5ジュール/cmの範囲内の貯えられたすなわち圧しつけエネルギーを有し、ここで面積(すなわち、cm)はピストン面32に関する。より好ましくは、圧しつけスプリング40は約0.01−0.3ジュール/cmの範囲内の貯えられたエネルギーを有する。
【0080】
本発明によると、示された態様では、圧しつけスプリング40は0.5−20m/秒の圧しつけ速度を有する。より好ましくは、圧しつけスプリング40は1−10m/秒の圧しつけ速度を有する。
【0081】
次に図面を参照しながら、アプリケーター10の操作を詳細に記述する。まず図1〜4を参照すると、保持具50内に位置するパッチ60を有する本来のすなわち準備がなされた位置にあるアプリケーター10が示される。図1に示されるように、本来の位置では、ピストン30はピストン停止具18に対して配置されそして柔軟性の開放掛け金38がピストン停止具18の上部19aの上に着座する。
【0082】
次に図2および図4(これは図2に示された図面に関して約90°回転されたアプリケーター10の別の断面図である)を参照すると、使用者がアプリケーター10を皮膚部位5に対して置きそして外側カップ20に下向きの力(矢印Bにより示される方向)をかけ、スプリングガイド22が開放掛け金38に接触するまで圧しつけスプリング40および予備−設定スプリング42が圧しつけられ(すなわち、活動化させられ)、開放掛け金38を内側に(矢印RおよびRにより示される方向に)曲げ、それにより開放掛け金38がピストン停止具18をはずし、そしてピストン30が作動させられた位置に下方に移動しそして皮膚部位5(すなわち、角質層)にパッチ60を圧しつける(図3および6参照)。
【0083】
本発明によると、キャップ20およびその結果として示された作動前の皮膚部位5にかけられる力(すなわち、下方保持力)は好ましくは15ポンド以下であり、より好ましくは、下方保持力は約2−15ポンドの範囲内である。さらにより好ましくは、下方保持力は約5−10ポンドの範囲内であり、それはアプリケーター10の反動を実質的に減少させそして、ほとんどの場合に、排除する。
【0084】
本発明によると、パッチ60が皮膚部位5を圧しつける時点で皮膚部位5が最適な張力下にあるようにするために下方保持力が保持具50の先端54により角質層を伸ばす。本発明の別の推奨される態様(示されていない)では、保持具50は開放力がアプリケーター10に適用される時に角質層をさらに伸ばす保持具50の先頭端部54上に配置される柔軟性の偏向環を含む。
【0085】
次に図3および6を参照すると、ピストン30が作動させられた位置にある(ピストン30が保持具50の先端54近くにある)時には、予備−設定スプリング42が圧しつけられ(すなわち活動化させられ)そして、その結果として、アプリケーター外側カップ20を上向き方向に偏らせる。下向きの力が外側カップ20から除かれる時には予備−設定スプリング42により供給される偏向力が外側カップ20およびそれと連絡している(図6参照)ピストン30を図1および6に示される本来の位置に逆に移動させる。
【0086】
示されていない別の態様によると、開放掛け金38はピストン停止具18の上部19aと連絡する傾斜面を有する。この態様によると、使用者がアプリケーターを皮膚部位5に対して置きそして下向きの力をかける時には、開放力が得られるまで圧しつけスプリング40および予備−設定スプリング42が圧しつけそして活動化させ、それにより開放掛け金38がはずれ(すなわち、ピストン停止具18から滑り除去され)そしてピストン30が図3および6に示される作動させられた位置に下方に移動する。
【0087】
本発明のアプリケーター10は、微小突起列64、剤受器、および裏材を一般的に含むパッチ60と共に使用することができる。しかしながら、アプリケーター10をアプリケーター受器のない微小突起列と共に使用することもできる。この場合、引用することにより本発明の内容となる現在出願継続中の米国特許出願公開第60/514,387号明細書に開示されているように、微小突起列は予備処理部材として使用され、引き続き別個の経皮剤移送または試料採取装置を用いて剤を適用する。
【0088】
或いは、例えば引用することにより本発明の内容となる米国特許出願公開第10/674,626号明細書および第60/514,443号明細書に開示されているように、例えば、ワクチンの皮膚内移送用に、微小突起列が剤を微小突起上のコーティングとして含むことができる。
【0089】
アプリケーター10は他の微小−穿刺部材、例えば引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,879,326号明細書およびPCT公報である国際出願第99/29364号パンフレットに開示されているもの、を角質層に対して圧しつけするために使用することもできる。
【0090】
次に図9を参照すると、本発明の範囲内で使用できる微小突起列64の1つの態様が示される。図5に示されるように、微小突起列64はシートまたは板70の1つの表面から下方に伸びる複数の微小突起68を含む。微小突起68は好ましくは圧力が列64(またはパッチ60)に適用される時に表皮の角質層に貫通するように寸法決定されそして成形
される。
【0091】
微小突起68は身体表面内の微小な隙間を形成して、物質(例えば、ヒドロゲル調合物)の身体表面を通る投与を増加させるようにさらに適合される。ここで使用される用語「身体表面」は一般的に動物または人間の皮膚をさす。
【0092】
微小突起68は一般的にはシート材料の単一品から製造されそして皮膚の角質層を穿刺するのに充分な形状および長さである。
【0093】
示された態様では、シート70は活性薬剤の内部移動を促進させるための微小突起68の間に開口部69を有するように製造される。
【0094】
上記の微小突起列64並びに本発明の範囲内で使用できる他の微小突起装置および列のさらなる詳細は、引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,322,808号明細書、第6,230,051B1号明細書およびPCT公報である米国出願番号第10/045,842号明細書に開示されている。
【0095】
当業者により認識されるであろうように、本発明のアプリケーターは経皮剤移送、経皮分析物(例えば、グルコース)試料採取、または両者と関連して使用することができる。本発明と一緒の使用のための経皮移送装置は受動装置、負の圧力で駆動される装置、浸透装置、および逆電気移送装置を包含するが、限定されない。
【0096】
以上の記述から、本発明がとりわけ生物学的活性薬剤を患者に移送するための有効で且つ効率的な手段を提供することを当業者は容易に確認できる。
【0097】
当業者により認識されるであろうように、本発明は多くの利点、例えば
・自己−設定性
・自動−誘発性
・先行技術アプリケーターと比べてより低い下方保持または開放力
・容易な組み立て性
・事実上の不正手段防止性、
を与える。
【0098】
本発明の精神および範囲から逸脱せずに、当業者は本発明に種々の変更および改変を行ってそれを種々の用途および条件に適合させることができる。それ自体、これらの変更および改変は適切であり、同等であり、そして以下の特許請求の範囲の同等性の全範囲内にあることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は本発明に従うアプリケーターに連結されたパッチ保持具を有する初期配置すなわち本来位置を示すアプリケーターの1つの態様の前面断面図である。
【図2】図2は本発明に従う予備−設定された位置を示す保持具の前面断面図である。
【図3】図3は本発明に従う皮膚部位近くにピストンがある作動させられた位置を示す保持具の前面断面図である。
【図4】図4は図1に示された本来位置にあるアプリケーターの側面断面図である。
【図5】図5は図2に示された予備−設定された位置にあるアプリケーターの側面断面図である。
【図6】図6は図3に示された作動させられた位置にあるアプリケーターの側面断面図である。
【図7】図7は本発明に従う図1〜6に示されたアプリケーターと共働するように適合されるパッチ保持具の前面断面図である。
【図8】図8は図7に示されたパッチ保持具の透視図である。
【図9】図9は微小突起列の1つの態様の部分的透視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの第一端部が微小突起部材を受容するように適合される、第一および第二端部を有するハウジング、
本来の位置から該ハウジングに関して予備−設定された位置に移動するように適合されるキャップ、
該予備−設定された位置から作動させられた位置に移動するように適合される、該微小突起部材を角質層に対して圧しつけるための該ハウジング内に滑動可能式に配置されるピストン、
圧しつけ力を該ピストンに与えそして該ピストンを該ハウジングの該第一端部から角質層近くの作動させられた位置に向かって偏らせるように適合され、該キャップおよび該ピストンが該予備−設定された位置にある時に圧しつけスプリングが活動化させられる、該キャップおよび該ハウジングと連絡している圧しつけスプリング、
予備−設定力を該キャップに与えそして該キャップを該予備−設定された位置から該本来の位置に偏らせるように適合され、該ピストンが該作動させられた位置にある時に予備−設定スプリングが活動化させられる、該キャップおよび該ハウジングと連絡している予備−設定スプリング、
該キャップおよび該予備−設定スプリングと共働して該キャップが該予備−設定された位置から該本来の位置に移動する時に該ピストンを該本来の位置に戻すように適合される、該キャップおよび該ピストンと連絡している第一の掛け金組み立て品、
該ピストンを該予備−設定された位置に配置するための該ハウジングおよび該ピストンと連絡している第二の掛け金組み立て品、並びに
該キャップが該本来の位置から該予備−設定された位置に移動し、該圧しつけスプリングが活動化させられそして該第二の掛け金組み立て品がはずれ、それにより該ピストンが該予備−設定された位置から該作動させられた位置に移動しそして該微小突起部材を角質層内に圧し入れる時に該第二の掛け金組み立て品と連絡するように適合される、該キャップと連絡している開放部材
を含んでなる、微小突起部材を患者の角質層に対して圧しつけるための装置。
【請求項2】
該圧しつけスプリングが約0.005〜0.5ジュール/cmの範囲内の貯えられたエネルギーを有する請求項1の装置。
【請求項3】
該圧しつけスプリングが約0.01〜0.3ジュール/cmの範囲内の貯えられたエネルギーを有する請求項2の装置。
【請求項4】
該圧しつけスプリングが約0.5〜20m/秒の範囲内の圧しつけ速度を有する請求項1の装置。
【請求項5】
該圧しつけスプリングが約1.0〜10m/秒の範囲内の圧しつけ速度を有する請求項4の装置。
【請求項6】
該ピストンが約0.1〜20cmの範囲内の表面積を有する面を含む請求項1の装置。
【請求項7】
該面が約1.0〜10cmの範囲内の表面積を有する、請求項6の装置。
【請求項8】
該微小突起部材が少なくとも1種の生物学的活性薬剤を有する薬剤調合物を含む請求項1の装置。
【請求項9】
該第二の掛け金組み立て品が該圧しつけスプリングの外側に配置される請求項1の装置。
【請求項10】
該予備−設定スプリングが該圧しつけスプリングの外側に配置される請求項1の装置。
【請求項11】
第一および第二端部を有するハウジング、
微小突起部材を受容しそして配置するようにさらに適合される、該第二端部近くの該ハウジングを噛み合わせるように適合される保持具、
本来の位置から該ハウジングに関して予備−設定された位置に移動するように適合されるキャップ、
該予備−設定された位置から作動させられた位置に移動するように適合される、該微小突起部材を角質層に対して圧しつけるための該ハウジング内に滑動可能式に配置されるピストン、
圧しつけ力を該ピストンに与えそして該ピストンを該ハウジングの該第一端部から角質層近くの作動させられた位置に向かって偏らせるように適合され、該キャップおよび該ピストンが該予備−設定された位置にある時に圧しつけスプリングが活動化させられる、該キャップおよび該ハウジングと連絡している圧しつけスプリング、
予備−設定力を該キャップに与えそして該キャップを該予備−設定された位置から該本来の位置に偏らせるように適合され、該ピストンが該作動させられた位置にある時に予備−設定スプリングが活動化させられる、該キャップおよび該ハウジングと連絡している予備−設定スプリング、
該キャップおよび該予備−設定スプリングと共働して該キャップが該予備−設定された位置から該本来の位置に移動する時に該ピストンを該本来の位置に戻すように適合される、該キャップおよび該ピストンと連絡している第一の掛け金組み立て品、
該ピストンを該予備−設定された位置に配置するための該ハウジングおよび該ピストンと連絡している第二の掛け金組み立て品、並びに
該キャップが該本来の位置から該予備−設定された位置に移動し、該圧しつけスプリングが活動化させられそして該第二の掛け金組み立て品がはずれ、それにより該ピストンが該予備−設定された位置から該作動させられた位置に移動しそして該微小突起部材を角質層内に圧し入れる時に該第二の掛け金組み立て品と連絡するように適合される、該キャップと連絡している開放部材
を含んでなる、微小突起部材を患者の角質層に対して圧しつけるための装置。
【請求項12】
ヒドロゲル調合物を含有するゲルパック、並びに該ゲルパックを受容するように適合され、それにより該ヒドロゲル調合物が微小突起部材開口部を通って流れる、上部および底表面、該微小突起部材を通って伸びる複数の開口部および該微小突起部材の底表面から突起する複数の角質層−穿刺用微小突起を有する微小突起部材を含むパッチシステム、並びに
第一および第二端部を有するハウジング、本来の位置からハウジングの第一端部が微小突起部材を受容するように適合される該ハウジングに関して予備−設定された位置に移動するように適合されるキャップ、該予備−設定された位置から角質層近くの作動させられた位置に移動するように適合される該微小突起部材を角質層に対して圧しつけるための該ハウジング内に滑動可能式に配置されるピストン、圧しつけ力をピストンに与えそしてピストンを該ハウジングの該第一端部から作動させられた位置に向かって偏らせるように適合され該キャップおよび該ピストンが該予備−設定された位置にある時に圧しつけスプリングが活動化させられる該キャップおよび該ハウジングと連絡している圧しつけスプリング、予備−設定力を該キャップに与えそして該キャップを該予備−設定された位置から該本来の位置に偏らせるように適合され該ピストンが該作動させられた位置にある時に予備−設定スプリングが活動化させられる該キャップおよび該ハウジングと連絡している予備−設定スプリング、該キャップおよび該予備−設定スプリングと共働して該キャップが該予備−設定された位置から該本来の位置に移動する時に該ピストンを該本来の位置に戻す
ように適合される該キャップおよび該ピストンと連絡している第一の掛け金組み立て品、該ピストンを該予備−設定された位置に配置するための該ハウジングおよび該ピストンと連絡している第二の掛け金組み立て品、並びに該キャップが該本来の位置から該予備−設定された位置に移動し該圧しつけスプリングが活動化させられそして該第二の掛け金組み立て品がはずれそれにより該ピストンが該予備−設定された位置から該作動させられた位置に移動しそして該微小突起部材を角質層内に圧し入れる時に該第二の掛け金組み立て品と連絡するように適合される該キャップと連絡している開放部材を含むアプリケーター
を含んでなる、生物学的活性薬剤を患者に移送するための装置。
【請求項13】
該ヒドロゲル調合物が少なくとも1種の生物学的活性薬剤を含む請求項12の移送システム。
【請求項14】
該生物学的活性薬剤がレウティナイジング(leutinizing)ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRH同族体、バソプレッシン(vasopressin)、デスモプレッシン(desmopressin)、コルチコトロピン(corticotropin)(ACTH)、ACTH同族体、カルシトニン(calcitonin)、パラチロイドホルモン(parathyroid hormone)(PTH)、バソプレッシン(vasopressin)、デアミノ[Val4,D−Arg8]アルギニンバソプレッシン(deamino[Val4,D−Arg8]arginine vasopressin)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、エリスロポイエチン(erythropoietin)(EPO)、顆粒球大赤血球コロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、インターロイキン−10(IL−10)、グルカゴン、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、インスリン、インスルトロピン(insultropin)、カルシトニン(calcitonin)、オクトレオチド(octreotide)、エンドルフィン(endorphin)、TRN、N−[[(s)−4−オキソ−2−アゼチジニル]カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド、リプレシン(liprecin)、下垂体ホルモン類、卵胞ルテオイド類(follicle luteoids)、aANF、成長因子、bMSH、GH、ソマトスタチン(somatostatin)、ブラジキニン(bradykinin)、ソマトトロピン(somatotropin)、血小板−誘導成長因子放出因子、アスパラギナーゼ(asparaginase)、硫酸ブレオマイシン(bleomycin sulfate)、キモパパイン(chymopapain)、コレシストキニン(cholecystokinin)、絨毛膜ゴナドトロピン(chorionic gonadotropin)、コルチコトロピン(corticotrophin)(ACTH)、エリスロポイエチン(erythropoietin)、エポプロステノール(epoprostenol)(血小板凝集抑制剤)、グルカゴン(glucagons)、HCG、ヒルログ(hirulog)、ヒアルロニダーゼ(hyaluronidaze)、インターフェロン、インターロイキン類、メノトロピン類(menotropins)(ウロフォリトロピン(urofollitropin)(FSH)およびLH)、オキシトシン(oxytocin)、ストレプトキナーゼ(streptokinase)、組織プラスミノーゲン活性化剤、ウロキナーゼ(urokinase)、バソプレッシン(vasopressin)、デスモプレッシン(desmopressin)、ANP、ANPクリアランス阻害剤、アンギオテンシン(angiotensin)II拮抗物質、抗利尿ホルモン作用物質、ブラジキン(bradykinn)拮抗物質、セレダーゼ(ceredase)、CSI類、カルシトニン(calcitonin)遺伝子関連ペプチド(CGRP)、エンケファリン類(enkephalins)、FAB断片、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、向神経性因子、コロニー刺激因子、甲状腺ホルモン(PTH)および作用物質、甲状腺ホルモン拮抗物質、プロスタグランジン拮抗物質、ペンチゲチド(pentigetide)、蛋白質C、蛋白質S、レニン(renin)阻害剤、チモシン(thymosin)アルファ−1、血栓崩壊剤、TNF、バソプレッシン拮抗物質同族体、アルファ−1坑トリプシン(組み換え体)、TGF−ベータ、フォンダパリヌックス(fondaparinux)、アルデパリン(ardeparin)、ダルテパリン(dalteparin)、デフィビロチド(defibrotide)、エノキサパリン(enoxaparin)、ヒルジン(hirudin)、ナドロパリン(nadroparin)、レビパリン(reviparin)、チンザパリン(tinzaparin)、多硫化ペントサン(pentosan polysulfate)、オリゴヌクレオチド類およびオリゴヌクレオチド誘導体、アレンドロニック・アシド(alendronic acid)、クロドロニック・アシド(clodronic acid)、エチドロニック・アシド(etidronic acid)、イバンドロニック・アシド(ibandronic acid)、インカドロニック・アシド(incadronic acid)、パミドロニック・アシド(pamidronic acid)、リセドロニック・アシド(risedronic acid)、チルドロニック・アシド(tiludronic acid)、ゾレドロニック・アシド(zoledronic acid)、アルガトロバン(argatroban)、RWJ445167、RWJ−671818、およびそれらの混合物よりなる群から選択される請求項13の移送システム。
【請求項15】
該生物学的活性薬剤が蛋白質、多糖類、オリゴ糖類、リポ蛋白質、弱化されたまたは死滅したウイルス類、例えばサイトメガロウイルス、肝炎Bウイルス、肝炎Cウイルス、ヒト・乳頭腫ウイルス、風疹ウイルス、および水痘帯状疱疹(varicella zoster)、弱化されたまたは死滅した細菌類、例えば百日咳菌(bordetella pertussis)、破傷風菌(clostridium tetani)、ジフテリア菌(corynebacterium diphtheriae)、A群連鎖球菌(group A streptococcus)、レジオネラ・ニューモフィラ(legionella pneumophila)、髄膜炎菌(neisseria meningitides)、緑膿菌(pseudomonas aeruginosa)、肺炎連鎖球菌(streptococcus pneumoniae)、梅毒トレポネマ(treponema pallidum)、およびビブリオ・コレラエ(vibrio cholerae)、並びにそれらの混合物の形態の抗原よりなる群から選択される請求項13の移送システム。
【請求項16】
該ヒドロゲル調合物が少なくとも1種の経路開通性調節剤(pathway patency modulator)を含む請求項12の移送システム。
【請求項17】
該ヒドロゲル調合物が少なくとも1種の血管収縮薬を含む請求項12の移送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−509706(P2007−509706A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538124(P2006−538124)
【出願日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/035052
【国際公開番号】WO2005/044333
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】