説明

微小部品の整列装置

【課題】超音波振動を利用した実用的な微小部品の整列装置を提供すること。
【解決手段】微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔(11)を整列配置して備える整列板(12)、整列板の周縁部に沿って上方に配置されている枠体(13)、整列板の下方に間隔をあけて配置されている、整列板の各々の透孔と対応する位置に微小部品の圧入が可能な透孔(14)を備える弾性シート(15)、弾性シートの下面に配置されている支持板(16)、そして前記の整列板の上面に固定された超音波振動子(17)を含む微小部品の整列装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、チップ型電子部品に代表される微小なサイズの部品を整列するために有利に用いることができる微小部品の整列装置、そして前記の整列装置を用いた微小部品の整列方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、チップ型電子部品(微小電子部品)の端部に電極層を形成する工程においては、例えば、多数のチップ型電子部品を、粘着シートの粘着面に各々の電子部品がその一方の端部にて粘着固定された状態にて整列配置し、そして粘着シートを支持しながら各々の電子部品の他方の端部を所定の厚みに塗布された導電性ペースト中に浸漬することにより、多数の電子部品に同時に電極層が形成されている。
【0003】
このように、多数のチップ型電子部品に同時に電極層を形成するため、粘着シートの粘着面に多数の電子部品を整列配置する装置(以下、整列装置という)が用いられている。このような整列装置は、チップ型電子部品に代表される微小電子部品に限らず、例えば、多数の精密機械部品(微小部品)を、粘着シートの粘着面に整列配置された状態にて同時に表面処理(例えば、塗装)するために用いることもできる。
【0004】
特許文献1には、例えば、上面に粘着面が設けられた保持治具、この保持治具の上方にスペーサを介して前記保持治具と間隔をあけて配置されている、多数の整列穴(透孔)を有する整列板、そして整列板の周縁部に沿って上方に配置されている枠部(枠体)を備えるチップ型電子部品の整列保持装置(整列装置)が開示されている。そして前記の保持治具としては、例えば、金属板のような硬質板(支持板)の上面に粘着ラバー(粘着シート)を貼り付けたものが用いられている。
【0005】
同文献の整列装置では、その整列板を振動あるいは揺動させることにより、整列板の上面に供給された多数のチップ型電子部品を、整列板の透孔に収容して整列配置させると共に、透孔に収容された各々の電子部品の一方の端部(底部)を粘着シートに粘着固定させる。そして、多数のチップ型電子部品が整列配置された粘着シートから整列板(および枠体)を分離したのち、粘着シート及び支持板(保持治具)を支持しながら、粘着シートに粘着固定された各々の電子部品の他方の端部を所定の厚みに塗布された導電性ペースト中に浸漬することにより、多数の電子部品に同時に電極層が形成される。
【0006】
また、特許文献2には、小型コンデンサなどの電子部品(電気用小型パーツ)の端部のコーティング方法が開示されている。この方法では、多数の電子部品を整列配置するために、各々電子部品を所定方向に収容することのできる多数の透孔を備えた整列板(収容プレート)、整列板の周縁部に沿って上方に配置されている枠体(供給枠)、そして整列板の下面に接触配置され、整列板の各々の透孔と対応する位置に透孔を備える操作プレートからなる装置(以下、整列装置と云う)が用いられている。そして、前記の操作プレートの各々の透孔は、その内壁面に弾性材料がコーティングされており、前記の電子部品の圧入が可能とさている。
【0007】
同文献の整列装置では、例えば、整列板を振動させることにより整列板の各々の透孔に電子部品を収容し、この電子部品の頂面を押圧して、その底部を操作プレートの透孔に圧入して仮固定することにより、多数の電子部品を操作プレートに仮固定された状態にて整列配置する。
【0008】
一般に、このような公知の微小部品の整列装置においては、整列板を機械的に振動させる(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2005−347656号公報
【特許文献2】特公昭62−20685号公報(第2図及び第6図)
【特許文献3】特開平8−72819号公報(段落番号[0010]、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記のように、従来の整列装置では、整列板の透孔に微小部品を収容させるために整列板を機械的に振動させる。このような機械的な振動はその振幅が大きいため、前記のように整列板を機械的に振動させた場合に、整列板の上面に供給された微小部品が別の微小部品、整列板の透孔の開口周縁部、あるいは枠体の内側面に強く衝突して、微小部品に大きな衝撃が付与され易い。このような衝撃は、直ちに微小部品に破損を生じさせるとは限らないが、なるべく小さいことが望ましい。
【0011】
また、従来の整列装置においては、微小部品のサイズが小さくなるに従い、微小部品が静電気により整列板に吸着して整列板の上面を移動し難くなる。このように整列板に吸着した微小部品を整列板の透孔に収容するために整列板を更に大きな振幅で機械的に振動させると、微小部品に大きな衝撃が付与され、この微小部品が整列板の上面を飛び跳ねるように移動することがある。このため、微小部品を整列板の透孔に収容するために必要な時間、すなわち微小部品を整列するために必要な時間が長くなる傾向にある。
【0012】
本発明の課題は、上記の問題を解決する実用的な微小部品の整列装置及び整列方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔を整列配置して備える整列板、整列板の周縁部に沿って上方に配置されている枠体、整列板の下方に間隔をあけて配置されている、整列板の各々の透孔と対応する位置に微小部品の圧入が可能な透孔を備える弾性シート、弾性シートの下面に配置されている支持板、そして前記の整列板の上面に固定された超音波振動子を含む微小部品の整列装置にある。
【0014】
本発明の整列装置の好ましい態様は、次の通りである。
a)枠体が、整列板の周縁部に設置された二以上のスペーサを介して整列板と間隔をあけて配置されている。
b)前記のa)の整列装置において、枠体と二以上のスペーサとの接触面積が、整列板の上面の面積の0.1乃至30%の範囲内にある。
c)前記のa)の整列装置において、整列板の厚みとスペーサの厚みとを合計した値が、整列対象の微小部品の長さの1.0乃至1.7倍の範囲内の値に設定されている。
d)超音波振動子が、整列板の多数の透孔が形成された領域の両外側に互いに平行に配置されている、各々整列板の上面に沿って伸びる一対の棒状の圧電振動子から構成されている。
【0015】
本発明はまた、下記の(1)〜(4)の工程を含む微小部品の整列方法にもある。
(1)微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔を整列配置して備える整列板、整列板の周縁部に沿って上方に配置されている枠体、整列板の下方に間隔をあけて配置されている、整列板の各々の透孔と対応する位置に微小部品の圧入が可能な透孔を備える弾性シート、弾性シートの下面に配置されている支持板、そして前記の整列板の上面に固定された超音波振動子を含む微小部品の整列装置を用意する工程。
(2)整列板の上面に多数の微小部品を供給する工程。
(3)超音波振動子に電気エネルギーを付与して超音波振動子にて超音波振動を発振させ、この超音波振動を整列板に伝達することにより、整列板の上面に供給された微小部品を整列板の透孔に収容する工程。
(4)整列板の透孔に収容された微小部品の頂面を押圧して、その底部を弾性シートの透孔に圧入して仮固定することにより、前記の微小部品を弾性シートに仮固定された状態にて整列配置する工程。
【0016】
本発明の整列方法の好ましい態様は、次の通りである。
a)前記の微小部品を整列板の透孔に収容する工程に続いて、整列板の上面から整列板の透孔に収容されていない微小部品を除去する工程を含む。
b)超音波振動子に付与する電気エネルギーの大きさを調節することにより、整列板を1乃至10μmの範囲内の振幅にて超音波振動させる。
c)超音波振動子にて周波数が1乃至100kHzの範囲内にある超音波振動を発振させる。
d)微小部品が微小電子部品である。
【0017】
本発明は更にまた、微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔を整列配置して備える整列板と、この整列板の表面に固定された超音波振動子からなる微小部品の振動整列板にもある。
【0018】
本発明の振動整列板の好ましい態様は、次の通りである。
a)超音波振動子が、整列板の多数の透孔が形成された領域の両外側に互いに平行に配置されている、各々整列板の表面に沿って伸びる一対の棒状の圧電振動子から構成されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の整列装置(整列方法)は、多数の微小部品をこれらの微小部品に大きな衝撃を付与することなく整列配置することができる実用的な装置(方法)である。
本発明の振動整列板を用いることにより、多数の微小部品をこれらの微小部品に大きな衝撃を付与することなく整列配置する各種の構成の整列装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
先ず、本発明の微小部品の整列装置を、添付の図面を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明の微小部品の整列装置10の構成例を示す断面図である。
【0022】
図1に示す本発明の微小部品の整列装置10は、微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔11、11、〜を整列配置して備える整列板12、整列板12の周縁部に沿って上方に配置されている枠体13、整列板12の下方に間隔をあけて配置されている、整列板12の各々の透孔11と対応する位置に微小部品の圧入が可能な透孔14を備える弾性シート15、弾性シート15の下面に配置されている支持板16、そして前記の整列板12の上面に固定された超音波振動子17などから構成されている。
【0023】
この整列装置10の構成の理解を容易とするため、先ず整列装置10を用いた微小部品の整列方法(本発明の微小部品の整列方法)を、添付の図1〜図6を参照しながら説明する。
【0024】
本発明の微小部品の整列方法は、下記(1)〜(4)の工程を実施することからなる。
(1)例えば、チップ型電子部品(微小部品)を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔11、11、〜を整列配置して備える整列板12、整列板12の周縁部に沿って上方に配置されている枠体13、整列板12の下方に間隔をあけて配置されている、整列板12の各々の透孔11と対応する位置に前記の電子部品の圧入が可能な透孔14を備える弾性シート15、弾性シート15の下面に配置されている支持板16、そして前記の整列板12の上面に固定された超音波振動子17を含む微小部品の整列装置10を用意する工程(図1参照)。
(2)整列板12の上面に、多数のチップ型電子部品18、18、〜を供給する工程(図2参照)。
(3)超音波振動子17に、例えば、電源19にて発生した電気エネルギー(例、交流電圧)を付与して超音波振動子17にて超音波振動を発振させ、この超音波振動を整列板12に伝達することにより、整列板12の上面に供給された電子部品18を整列板12の透孔11に収容する工程(図3参照)。
(4)整列板12の透孔11に収容された電子部品18の頂面を、例えば、整列板12の多数の透孔11、11、〜と対応する多数のピン21、21、〜を持つ押圧具22を用いて押圧して、電子部品18の底部を弾性シート15の透孔14に圧入して仮固定することにより、電子部品18を弾性シート15に仮固定された状態にて整列配置する工程(図5参照)。
【0025】
そして、図6に示すように電子部品18が仮固定された弾性シート15から、整列板、枠体、そして支持板を取り除いたのち、この弾性シート15を支持しながら、弾性シート15に仮固定された各々の電子部品18の弾性シート15の側とは逆側の端部を所定の厚みに塗布された導電性ペースト中に浸漬することにより、多数の電子部品18、18、〜に同時に電極層を形成することができる。
【0026】
本発明の整列方法では、整列板12の上面に固定された超音波振動子17が発振する超音波振動を整列板12に付与して整列板12を超音波振動させる。整列板12の上面に供給された微小部品18が前記の超音波振動によって揺動を開始することで整列板12上で微細な跳動が発生し、このため微小部品18は整列板12との連続の接触を持続することができず、この接触面の減少が整列板12と微小部品18の静止摩擦抵抗を減じる。すなわち、整列板12が超音波振動すると、整列板12とその上面に供給された微小部品との摩擦抵抗が大幅に低減するため、この電子部品は整列板12の上面を滑るように移動して整列板12の透孔11に収容される。また、整列板12は、微小な(例えば、1〜10μm程度の)振幅で超音波振動するため、その上面に供給される微小部品に付与される衝撃は非常に小さい。このように、本発明の整列方法は、多数の微小部品をこれらの微小部品に大きな衝撃を付与することなく整列配置することができる実用的な方法である。
【0027】
なお、上記の本発明の微小部品の整列方法には、前記(2)の工程の前に、予め超音波振動子17に電気エネルギーを付与して超音波振動子17にて超音波振動を発振させておき、次に前記(2)の整列板12の上面に多数のチップ型電子部品(微小部品)18、18、〜を供給する工程を実施し、そして前記(3)の工程を実施する方法、すなわち上記(2)の工程の前後を通じて超音波振動子17にて超音波振動を継続的に発振させる方法も含まれる。
【0028】
そして、本発明の整列方法においては、前記(3)の電子部品(微小部品)を整列板の透孔に収容する工程に続いて、整列板12の上面から整列板12の透孔11に収容されていない電子部品18を除去する工程(図4参照)を含むことが好ましい。
【0029】
整列板12の上面に供給される電子部品(微小部品)18の数が整列板12の透孔11の数よりも多いと、前記(3)の電子部品を整列板の透孔に収容する工程を実施したのちに、図3に示すように整列板12の上面に透孔11に収容されていない電子部品18が残る。このように整列板12の上面に残された電子部品18は、図5に示すように整列板12の透孔11に収容された電子部品18の頂面を押圧具22のピン21で押圧する際に、前記ピン21の透孔11の内部への進入を妨げる。
【0030】
整列板12の上面から整列板12の透孔11に収容されていない電子部品(微小部品)18を除去する方法の例としては、前記(3)の工程にて電子部品を整列板12の透孔11に収容したのちに、整列板12を傾斜移動させたり、あるいは整列板12の上面に残った電子部品に圧縮空気を吹き付けたりするなどして、整列板12の上面に残った電子部品を整列板12の周縁部に移動する方法が挙げられる。
【0031】
次に、本発明の微小部品の整列装置10の構成を、添付の図1〜図6、そして図7に示す整列装置10の分解斜視図を参照しながら詳しく説明する。
【0032】
整列装置10は、例えば、端面が一辺0.2mmの正方形で、そして長さが0.4mmの角柱状の微小部品(チップ型電子部品)を整列配置する装置である。
【0033】
整列板12は、前記の微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔11、11、〜を整列配置した状態にて備えている。
【0034】
整列板12の各々の透孔11の直径は、前記の微小部品が、その長さ方向を上下方向に一致させて(所定方向に向けて)収容されるように、前記の微小部品の端面のサイズ(前記の角柱状の微小部品の場合、その正方形の端面の対角線の長さ)よりも大きく、かつ微小部品の長さよりも小さな値(例えば、0.35mm)に設定される。なお、透孔の開口の形状は、円形以外の形状(例、長円形や多角形)であってよい。
【0035】
整列板12は、例えば、アルミニウム、あるいはステンレススチールに代表される金属材料から形成される。整列板12の材料としては、合成樹脂、その他の本発明の目的に合致する公知の材料を使用することができる。
【0036】
整列板12上で超音波振動によって跳動搬送される際の微小部品同士、または微小部品と、枠体もしくは整列板などとの接触摩擦帯電による静電付着を避けるため、整列板12や枠体13などの微小部品18と接触する可能性のある部材を一定の体積抵抗値以下である導電性材料から構成すること、あるいは整列板12や枠体13などの微小部品18と接触する可能性のある部材の表面を前記の静電付着を避けるために一定の導電性材料でコーティングすることは有効である。
【0037】
整列板12の上面に供給された微小部品を円滑かつ低衝撃下で移動搬送するため、整列板12や枠体13など微小部品18と接触する可能性のある部材の少なくとも表面を、摺動性や滑性に優れる潤滑性固形材料から構成することは有効である。例えば、整列板の上面に摺動性や滑性に優れる潤滑性固形材料から形成された薄膜を付設することが好ましい。前記の薄膜の代表例としては、フッ素樹脂薄膜、あるいはフッ素樹脂微粒子を含有するニッケル−リン薄膜が挙げられる。
【0038】
前記の整列板12上面には、例えば、接着剤を用いて超音波振動子17が固定される。超音波振動子としては、例えば、圧電振動子やランジュバン型超音波振動子に代表される電歪振動子、あるいは磁歪振動子などの公知の超音波振動子を用いることができる。
【0039】
図7に示すように、超音波振動子17は、整列板12の多数の透孔11、11、〜が形成された領域の両外側に互いに平行に配置されている、各々整列板12の上面に沿って伸びる一対の棒状の圧電振動子17a、17bから構成されていることが好ましい。このような棒状の圧電振動子17a、17bを用いると整列板12が均一に超音波振動するため、整列板12の多数の透孔に均一に微小部品が収容される。整列板が不均一に超音波振動すると、整列板の超音波振動の振幅が小さい領域にある透孔の内部に微小部品が収容され難くなる。
【0040】
また、図7に示すように、多数の透孔11、11〜を、整列板12の圧電振動子17aの側と、圧電振動子17bの側とに分離した状態で形成し、そして整列板12の両者の振動子17a、17bの間の透孔が形成されていない領域に、前記とは別の棒状の圧電振動子17cを更に固定することもできる。整列板12に固定する棒状の圧電振動子の数が多いほど、整列板12を更に均一に超音波振動させることができる。
【0041】
圧電振動子17a、17bの各々は、例えば、その幅(W)が2.0mmに、長さ(L)が58.5mmに、そして厚み(T)が3.0mmに設定されている。
【0042】
圧電振動子17a、17b、17cの各々としては、例えば、角柱状の圧電体の上下の各々の表面に電極が付設された構成の圧電振動子が用いられる。各々の圧電振動子の圧電体は、通常、その厚み方向に分極処理される。
【0043】
圧電体の材料の例としては、ジルコン酸チタン酸鉛系の圧電セラミック材料、およびポリフッ化ビニリデン樹脂に代表される圧電高分子材料が挙げられる。また、電極の材料の例としては、銀やリン青銅などの金属材料が挙げられる。
【0044】
図3に示すように、圧電振動子17a、17b、17cの各々には、例えば、電気配線23を介して電源19が電気的に接続される。
【0045】
そして、電源19にて発生した電気エネルギー(例えば、交流電圧)を、各々の圧電振動子の上下の各々の表面に備えられた電極層の間に付与すると、圧電振動子17a、17b、17cの各々にて超音波振動が発振する。
【0046】
そして、圧電振動子17a、17b、17cの各々が発振する超音波振動は整列板12に伝達し、これにより整列板12が超音波振動する。整列板12が超音波振動すると、整列板12とその上面に供給された微小部品との摩擦抵抗が大幅に低減するため、この電子部品は整列板12の上面を滑るように移動して整列板12の透孔11に収容される。また、整列板12は、微小な(例えば、1〜10μm程度の)振幅で超音波振動するため、その上面に供給される微小部品に付与される衝撃は非常に小さい。このように、本発明の整列装置は、多数の微小部品をこれらの微小部品に大きな衝撃を付与することなく整列配置することができる実用的な装置である。
【0047】
整列板12に付与する超音波振動の周波数、すなわち圧電振動子17a、17b、17cの各々にて発生する超音波振動の周波数は、1乃至100kHzの範囲内にあることが好ましい。超音波振動の周波数が1kHz未満であると整列装置にて騒音が発生し易く、そして100kHzを超えると各々の圧電波振動子にて発生する超音波振動の振幅が極端に小さくなるため、整列板12と微小部品との摩擦抵抗が増加して、整列板12の上面における微小部品の移動が不十分になる。
【0048】
超音波振動子にて発振させる超音波振動の強度(振幅)及び周波数の一方、あるいは両方を、微小部品を整列する操作中に可変とする(変動させる)こと、前記の超音波振動の強度及び周波数の一方、あるいは両方を制御することもできる。超音波振動の強度(振幅)は、例えば、整列板の上面での微小部品の移動の状態(整列板の上面で微小部品が円滑に移動しているか否か)を確認しながら増減することができる。また、超音波振動の周波数は、例えば、整列板の透孔の位置と整列板に生じる超音波振動の腹の位置が一致して、整列板の透孔に微小部品が収容され難い場合に増減することができる。
【0049】
図7に示すように、前記の整列板12の上方には、整列板12の周縁部に沿って枠体13が配置されている。枠体13は、整列板12の上面に供給された微小部品が整列板12の周縁外側から落下することを防止する。
【0050】
枠体13は、例えば、アルミニウムあるいはステンレススチールに代表される金属材料から形成される。枠体13の材料としては、前記のように合成樹脂、その他の本発明の目的に合致する公知の材料を使用することができる。
【0051】
また、整列板12上で超音波振動によって跳動搬送される際の微小部品と枠体との接触摩擦帯電による静電付着を避けるため、枠体13を一定の体積抵抗値以下である導電性材料から構成すること、あるいは枠体13の表面を前記の静電付着を避けるために一定の導電性材料でコーティングすることは有効である。
【0052】
本発明の整列装置では、整列板12と枠体13とを互いに間隔をあけた状態で配置することが好ましい。整列板12と枠体13とを互いに密着した状態で配置すると、整列板12に固定された超音波振動子17が発生する超音波振動が、整列板12を介して枠体13に伝達し、この枠体13を超音波振動させるために用いられる。このように、超音波振動子17が発生する超音波振動(エネルギー)の一部分が枠体13を超音波振動させるために用いられると、整列板12の超音波振動の振幅が極端に小さくなる。このため、整列板12と微小部品との摩擦抵抗が増加して、整列板12の上面における微小部品の移動が不十分になる。
【0053】
整列板12と枠体13とは、互いに間隔をあけた状態で各々別々に支持することが理想的であるが、実用的には、前記の枠体13が、図1及び図7に示すように整列板12の周縁部に配置された二以上のスペーサ25、25、〜を介して整列板12と間隔をあけて配置されていることが好ましい。
【0054】
枠体13への超音波振動の伝達を抑制するため、整列板12と、二以上のスペーサ25、25〜との接触面積は、整列板12の上面の面積(整列板の幅×長さ)の30%以下の値、実用的には0.1乃至30%の範囲内の値に設定することが好ましい。
【0055】
スペーサ25の厚みは、整列板12の上面に供給された微小部品が、整列板12と枠体13との隙間を通って整列板12から落下することを防止するため、微小部品の幅及び厚みのいずれよりも小さな値に設定される。例えば、図1及び図7に示すの整列装置10の各々のスペーサ25の厚みは0.05mmに設定されている。
【0056】
スペーサ25は、例えば、アルミニウムやステンレススチールに代表される金属材料、
あるいは樹脂材料から形成される。
【0057】
一方、前記の整列板の下方には、整列板12と間隔をあけた状態で、この整列板12の各々の透孔11と対応する位置に微小部品の圧入が可能な円形の透孔14を備える弾性シート15が配置される。
【0058】
弾性シート15の透孔14の直径は、前記の微小部品の底部を圧入して仮固定することができるように、前記の微小部品の端面のサイズ(前記の角柱状の微小部品の場合、その正方形の端面の対角線の長さ)よりも小さなサイズ(例えば、0.22mm)に設定される。なお、透孔の開口の形状は、円形以外の形状(例、長円形、多角形)であってもよい。
【0059】
弾性シート15としては、例えば、厚みが0.2mmのステンレス製の金属シートの各々の表面に厚みが0.3mmのゴム製のシートが貼り付けられた積層シートが用いられている。
【0060】
このように、本発明で用いる弾性シート15は、微小部品を圧入する透孔14の周縁が弾性材料から形成されていれば、その全体がゴムなどの弾性材料から形成されている必要はない。例えば、前記の特許文献3の整列装置に使用されている、各々内壁面が弾性材料でコーティングされた多数の透孔を持つ弾性シート(操作プレート)のように、微小部品の圧入が可能な多数の透孔を持つ公知のシートを用いることができる。
【0061】
本発明の整列装置では、整列板12と弾性シート15とを互いに間隔をあけた状態で配置する。整列板12と弾性シート15とを互いに密着した状態で配置すると、整列板12に固定された超音波振動子17が発生する超音波振動が、整列板12を介して弾性シート15に伝達し、弾性シート15の内部にて損失する。このように、超音波振動子17が発生する超音波振動(エネルギー)の一部分が弾性シート15の内部で損失すると、整列板12の超音波振動の振幅が極端に小さくなる。このため、整列板12と微小部品との摩擦抵抗が増加して、整列板12の上面における微小部品の移動が不十分になる。
【0062】
整列板12と弾性シート15とは、互いに間隔をあけた状態で各々別々に支持することが理想的であるが、実用的には、前記の弾性シート15が、図1及び図7に示すように整列板12の周縁部に配置された二以上のスペーサ(例えば、スペーサ26、26)を介して整列板12と間隔をあけて配置されていることが好ましい。
【0063】
弾性シート15への超音波振動の伝達を抑制するため、整列板12と、二以上のスペーサ(例えば、スペーサ26、26)との接触面積は、整列板12の上面の面積(整列板の幅×長さ)の30%以下の値、実用的は0.1乃至30%の範囲内の値に設定することが好ましい。整列板12と、二以上のスペーサ(例えば、スペーサ26、26)との接触面積を小さくするためには、例えば、これらのスペーサとして、一方の端部が弾性シート15に固定あるいは埋設され、他方の端部が整列板12の側に突き出された二以上のピン(あるいは小径のボルト等)を用いることができる。
【0064】
図1及び図7に示すスペーサ26としては、例えば、厚みが0.08mmの粘着テープを整列板12の下面に貼り付けて使用している。スペーサ26は、スペーサ25と同様に、例えば、アルミニウムやステンレススチールに代表される金属材料製、あるいは樹脂から形成することもできる。
【0065】
整列板12の厚みとスペーサ26の厚みとを合計した値は、整列板の12上面から微小部品(電子部品)の頂部が突き出ないように、微小部品の長さの1.0倍以上の値であることが好ましい。透孔11に収容された微小部品の頂部が整列板12の上面から突き出ると、整列板12の上面に供給された前記とは別の微小部品の移動が妨げられる。
【0066】
また、整列板12の厚みとスペーサ26の厚みとを合計した値は、整列板12の各々の透孔11の内部に二以上の電子部品が積み重ねられた状態にて収容されることを防止するため、微小部品の長さの1.7倍以下(特に1.5倍以下)であることが望ましい。
【0067】
すなわち、整列板12の厚みとスペーサ26の厚みとを合計した値は、微小部品の長さの1.0乃至1.7倍の範囲内の値に設定されていることが好ましく、1.0乃至1.5倍の範囲内の値に設定されていることが更に好ましい。
【0068】
整列装置10の場合、整列板12の厚みは0.5mmに設定され、スペーサ26の厚みは0.08mmに設定されている、すなわち両者の厚みを合計した値は、整列対象の微小部品である電子部品18の長さ(0.4mm)の1.45倍に設定されている。
【0069】
弾性シート15の下面には、支持板16が配置される。この支持板16が弾性シート15の下面を支持するため、図5に示すように微小部品18の頂部を押圧することにより、微小部品18を弾性シート15の透孔14の内部に円滑に圧入することができる。
【0070】
支持板16は、例えば、アルミニウムやステンレススチールに代表される金属材料、あるいは樹脂材料などから形成される。図1〜図7に示す整列装置10の支持板16としては、例えば、厚みが10mmのアルミニウム板が用いられている。
【0071】
次に、整列装置10の組み立て方法を、添付の図7を参照しながら説明する。
【0072】
先ず、整列板12の上面に、例えば、接着剤を用いて棒状の圧電振動子17a、17b、17cを固定する。この整列板12の上に、例えば、スペーサ25、25、〜を介して枠体13を配置する。そして、整列板12の下方から、ボルト27、27、〜の各々を、ワッシャー28の透孔、整列板12の透孔12b、そしてスペーサ25の透孔25aを通して、枠体13の下面に備えられたねじ穴に挿入して締め付けることにより、整列板12と枠体13とをスペーサ25、25、〜を介して互いに間隔をあけた状態にて固定する。
【0073】
次に、支持板16の上面に、弾性シート15、スペーサ26、26、そして前記のようにボルト27、27、〜及びスペーサ25、25、〜を用いて互いに間隔をあけて固定された整列板12と枠体13とを配置することにより、整列装置10を組み立てることができる。この際に、支持板16の上面に立設された位置決め用のピン16aを、弾性シート15の透孔15a、スペーサ26の透孔26a、整列板12の透孔12a、そして枠体13の透孔13aに挿入することにより、これらの位置決めが行なわれる。
【0074】
本発明の整列装置には、微小部品を整列するために必要な時間を短くするため、整列装置を傾斜移動させる駆動装置が備えられていることが好ましい。
【0075】
図8は、本発明の微小部品の整列装置10及び整列装置10を傾斜移動させる駆動装置40の構成例を示す正面図であり、図9及び図10は、それぞれ図8に示す整列装置10及び駆動装置40の平面図及び左側面図であり、そして図11は、図8に記入した切断線I−I線に沿って切断した整列装置10及び駆動装置40の断面図である。
【0076】
図8〜図10に示す整列装置10を傾斜移動させる駆動装置40は、基台41、基台41の上面に立設された支柱42a、42a、42b、42bを介して基台41の上方に配置された天板43、天板43に上に固定されているモータ44、上端が前記のモータ44の駆動軸に接続され、下端が基台41の表面に設置された軸受45に支持されているねじ軸46aと、ねじ軸46aの周囲に備えられたナット46bとからなるボールねじ46、ボールねじ46のナット46bに支持固定された昇降プレート47などから構成されている。
【0077】
前記の昇降プレート47はまた、前記の基台41と天板43とを連結する上記とは別の支柱48、48の周囲に備えられたスライダ(ブッシュ)49、49に支持固定されている。
【0078】
そして、前記のモータ44を駆動して、このモータ44の駆動軸に接続されたボールねじ46のねじ軸46aを回転させ、ボールねじ46のナット46bを上昇あるいは下降させることにより、このナット46b及びスライダ49、49に支持された昇降プレート47を上昇あるいは下降させることができる。
【0079】
一方、整列装置10は、その枠体13の表面に回転自在に支持固定されたヒンジピン51、51と、このヒンジピン51、51に固定されたにクランプアーム52、52により、その枠体13と支持板16とが互いに締め付けられた状態で固定されている。
【0080】
そして、整列装置10は、その枠体13が、前記の駆動装置40の天板43の下面から下方に伸びる一対のアーム53、53と、前記の昇降プレート47の下面から下方に伸びる一対のアーム54、54に支持された状態にて、基台41の上方に配置されている。
【0081】
前記の各々のアーム53、53と整列装置10の枠体13とは、枠体13の表面に回転自在に支持固定されているヒンジピン55、55を介して互いに連結されている。また前記の各々のアーム54、54と整列装置10の枠体13もまた、枠体13の表面に回転自在に支持固定されたヒンジピン56、56を介して互いに接続されている。
【0082】
そして、前記のように駆動装置40のモータ44を駆動して、昇降プレート47をアーム54、54と共に上昇させると、図8にて枠体13の右側に備えられているヒンジピン56が枠体13と共に上昇する。このため、整列装置10は、前記のヒンジピン56が上昇するに従い、図8にて枠体13の左側に備えられているヒンジピン55を中心として傾斜移動して右上がりの状態になる。同様に、駆動装置40のモータ44を駆動して、昇降プレート47をアーム54、54と共に下降させると、図8にて枠体13の右側に備えられているヒンジピン56が枠体13と共に下降する。このため、整列装置10は、前記のヒンジピン56が下降するに従い、図8にて枠体13の左側に備えられているヒンジピン55を中心として傾斜移動して右下がりの状態になる。
【0083】
このように駆動装置40のモータ44を駆動して、その駆動軸に接続されたボールねじ46のねじ軸46aの正転及び逆転を繰り返すことにより、整列装置10の整列板12は、枠体13に備えられたヒンジピン55、55を中心として揺動する。そして、前記のように整列板に超音波振動を付与しながら整列板12を揺動させることにより、微小部品(チップ型電子部品)が整列板12の表面を滑るように往復する移動を繰り返すため、微小部品を整列するために必要な時間を短くすることができる。また、微小部品が整列板12の上面を広範囲に移動するため、微小部品の整列板12の透孔11の内部への充填率(整列の作業を終了した際に内部に微小部品が収容されている透孔11の数/整列板12が備える透孔11の全数)を高くすることができる。
【0084】
なお、前記のように微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔を整列配置して備える整列板12と、この整列板の表面に固定された超音波振動子17からなる本発明の振動整列板は、例えば、その下方(整列板の振動子が固定されていない表面の側)に間隔をあけて粘着シートを配置することにより、特許文献1の整列装置と同様に整列板の下方から微小部品を取り出す整列装置を構成するための部品として有利に用いることができる。
【0085】
また、本発明の振動整列板は、その下方に間隔をあけて整列板の透孔に収容された微小部品を支持する支持部材を配置し、そして整列板の厚みを、透孔に収容された微小部品が整列板の上面から突き出る値に設定することにより、整列板の上面から突き出た微小部品に粘着シートを貼り付け、整列板の上方から微小部品を取り出す整列装置を構成するための部品としても有利に用いることができる。
【0086】
このように、本発明の振動整列板を用いることにより、多数の微小部品をこれらの微小部品に大きな衝撃を付与することなく整列配置する各種の構成の整列装置を提供することができる。なお、本発明の振動整列板を用いて各種の整列装置を構成する場合、整列板の下方に配置される前記の粘着シートや支持部材は、整列板を十分に超音波振動させるため、整列板と間隔をあけて配置することが必要である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の微小部品の整列装置の構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の微小部品の整列方法を示す図である。
【図3】本発明の微小部品の整列方法を示す別の図である。
【図4】本発明の微小部品の整列方法を示す更に別の図である。
【図5】本発明の微小部品の整列方法を示す更に別の図である。
【図6】本発明の微小部品の整列方法を示す更に別の図である。
【図7】図1の整列装置10の分解斜視図である。
【図8】本発明の微小部品の整列装置10及び整列装置10を傾斜移動させる駆動装置40の構成例を示す正面図である。
【図9】図8に示す整列装置10及び駆動装置40の平面図である。
【図10】図8に示す整列装置10及び駆動装置40の左側面図である。
【図11】図8に記入した切断線I−I線に沿って切断した整列装置10及び駆動装置40の断面図である。
【符号の説明】
【0088】
10 整列装置
11 透孔
12 整列板
12a、12b 透孔
13 枠体
13a 透孔
14 透孔
15 弾性シート
15a 透孔
16 支持板
16a 位置決め用のピン
17 超音波振動子
17a、17b、17c 圧電振動子
18 微小部品(チップ型電子部品)
19 電源
21 ピン
22 押圧具
23 電気配線
25 スペーサ
25a 透孔
26 スペーサ
26a 透孔
27 ボルト
28 ワッシャー
40 駆動装置
41 基台
42a、42b 支柱
43 天板
44 モータ
45 軸受
46 ボールねじ
46a ねじ軸
46b ナット
47 昇降プレート
48 支柱
49 スライダ
51 ヒンジピン
52 クランプアーム
53、54 アーム
55、56 ヒンジピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔を整列配置して備える整列板、該整列板の周縁部に沿って上方に配置されている枠体、該整列板の下方に間隔をあけて配置されている、整列板の各々の透孔と対応する位置に微小部品の圧入が可能な透孔を備える弾性シート、該弾性シートの下面に配置されている支持板、そして該整列板の上面に固定された超音波振動子を含む微小部品の整列装置。
【請求項2】
枠体が、整列板の周縁部に設置された二以上のスペーサを介して該整列板と間隔をあけて配置されている請求項1に記載の整列装置。
【請求項3】
枠体と二以上のスペーサとの接触面積が、整列板の上面の面積の0.1乃至30%の範囲内にある請求項2に記載の整列装置。
【請求項4】
整列板の厚みとスペーサの厚みとを合計した値が、整列対象の微小部品の長さの1.0乃至1.7倍の範囲内の値に設定されている請求項2に記載の整列装置。
【請求項5】
超音波振動子が、整列板の多数の透孔が形成された領域の両外側に互いに平行に配置されている、各々整列板の上面に沿って伸びる一対の棒状の圧電振動子からなる請求項1に記載の整列装置。
【請求項6】
下記の工程を含む微小部品の整列方法:
(1)微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔を整列配置して備える整列板、該整列板の周縁部に沿って上方に配置されている枠体、該整列板の下方に間隔をあけて配置されている、整列板の各々の透孔と対応する位置に微小部品の圧入が可能な透孔を備える弾性シート、該弾性シートの下面に配置されている支持板、そして該整列板の上面に固定された超音波振動子を含む微小部品の整列装置を用意する工程;
(2)整列板の上面に多数の微小部品を供給する工程;
(3)超音波振動子に電気エネルギーを付与して該超音波振動子にて超音波振動を発振させ、この超音波振動を整列板に伝達することにより、整列板の上面に供給された微小部品を整列板の透孔に収容する工程;そして、
(4)整列板の透孔に収容された微小部品の頂面を押圧して、その底部を弾性シートの透孔に圧入して仮固定することにより、該微小部品を弾性シートに仮固定された状態にて整列配置する工程。
【請求項7】
微小部品を整列板の透孔に収容する工程に続いて、整列板の上面から該整列板の透孔に収容されていない微小部品を除去する工程を含む請求項6に記載の整列方法。
【請求項8】
超音波振動子に付与する電気エネルギーの大きさを調節することにより、整列板を1乃至10μmの範囲内の振幅にて超音波振動させる請求項6に記載の整列方法。
【請求項9】
超音波振動子にて周波数が1乃至100kHzの範囲内にある超音波振動を発振させる請求項6に記載の整列方法。
【請求項10】
微小部品が微小電子部品である請求項6に記載の整列方法。
【請求項11】
微小部品を所定方向に向けて収容することのできる多数の透孔を整列配置して備える整列板と、該整列板の表面に固定された超音波振動子からなる微小部品の振動整列板。
【請求項12】
超音波振動子が、整列板の多数の透孔が形成された領域の両外側に互いに平行に配置されている、各々整列板の表面に沿って伸びる一対の棒状の圧電振動子からなる請求項11に記載の振動整列板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−155080(P2009−155080A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337402(P2007−337402)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(502257890)株式会社プロデュース (24)
【出願人】(394000493)ヒーハイスト精工株式会社 (76)
【Fターム(参考)】