説明

微生物の培養方法及び微生物の培養装置

【課題】培養の障害となる培養阻害要因(物質)を直接排除することにより、培養を安定的に促進する微生物の培養方法及び微生物の培養装置を提供すること。
【解決手段】培地に導電性繊維および/もしくは導電性粒状物からなる導電性物質を含有した後、該導電性物質に電圧を印加することを特徴とする微生物の培養方法であり、培養器本体100と、該培養器本体100内に導電性繊維により形成された織布又は不織布からなり、微生物を担持させた電極2と、培地5とを備え、該培養器本100体内に電気化学的に酸化型−還元型の相互変換が可能な酸化還元型物質を分散してなり、電位印加によって電極2に接触又は近傍に存在している酸化型物質に対して電子供与し、前記電子供与により生成する還元型物質と培養阻害物質とを反応させて培養阻害物質を還元することによる培養阻害物質除去手段を有することを特徴とする微生物の培養装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微生物の培養方法及び微生物の培養装置に関し、詳しくは嫌気性菌やVNC菌において菌体の増殖と、菌叢の観察や菌株の単離などを行うことのできる微生物の培養方法及び微生物の培養装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自然界から微生物を分離し、培養し、そのコロニーなどを得る方法としては、伝統的な平板培養法がコッホにより発明されて以来、様々な方法が開発され、それにより産業上有用な微生物が数多く分離され利用されてきた。
【0003】
しかし、地球上に存在する微生物の多くは、平板培養法などによって培養することができないものである。絶対嫌気性菌や、高温高圧条件などの環境下に生きる菌の中には、DNA配列のみで存在が示唆されているものもある。また、培養できたとしても使用培地や培養環境などをかなり厳密に管理する必要があった。
【0004】
生きているけれども培養が困難な菌はその状態からVNC(Viable but non−culturable)菌と呼ばれている。VNC菌には、本来培養が不可能あるいは困難な菌と、培養条件下における各種のストレスの結果として培養が不可能な状態になった菌も含まれる。
【0005】
最近、いわゆるVNC状態(生きているが培養困難な状態)で自然界に存在する微生物を、培養が可能な状態あるいは平板培養でコロニーを形成する状態にする技術、換言すれば仮死、休眠状態にあるようなVNC状微生物を通常の微生物に蘇生、活性化させる技術により、実際の菌叢はこれまで知られていなかった状態であることが見出されるようになった。
【0006】
VNC状態の微生物の蘇生技術に関しては、特許文献1にはカタラーゼを含む培地を用いる技術、特許文献2にはシステインを含む培地を用いる技術が開示されている。カタラーゼやシステインの還元性等に基づくストレス原因物質の捕捉効果が、VNC状態の回復に効果があるというものである。
【0007】
また、特許文献3には好気的な環境下で培養されてきた鉄酸化細菌や大腸菌のような細菌を、第二鉄イオンと水素を含有する培地で、電圧をかけながら嫌気的環境で培養する技術が開示されている。
【0008】
一方、微生物担持電極を用いて脱硫、有機物分解する手法が開示されているが、電気培養に関しては記載されていない。
【特許文献1】特開2004−89106号公報
【特許文献2】特開2006−288272号公報
【特許文献3】特許第3777534号公報
【特許文献4】特開2006−159112号公報
【特許文献5】特開2005−317520号公報 グラファイト電極を用いた発電方法
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1や2のような還元性の物質を添加する方法では添加物質の消費と共に効果が薄れてしまう。
【0010】
特許文献3の技術は、培養液に通電して電圧をかけて電子供与体である第一鉄イオン(Fe2+)をいわゆる酸化還元メディエータとして電子受容体である第二鉄イオン(Fe3+)に再生して効果の持続性を持たせた電気培養技術である。
【0011】
この技術はフェリシアン化鉄/フェロシアン化鉄の酸化還元メディエータと、グルコースオキシダーゼの系によりグルコース濃度を定量する酵素センサにおける技術と同様のものである。そのため、系内に比較的高い濃度の酸化還元メディエータを必要とし、これは人為的に添加してその濃度を保持する必要がある技術である。
【0012】
一般に、微生物の培養において、障害になる大きな原因は、微生物が受ける各種のストレスなどであると言われている。特許文献3は、このようなストレス原因物質を除去する技術とは異なっているので、かかる微生物培養阻害要因の問題について特許文献3では何等言及していない。
【0013】
本発明者らは、かかる微生物培養阻害の問題を解消して安定した培養技術を確立するために、鋭意検討した結果、導電性電極に微生物を担持し、その担持された微生物の極近くで電気化学的な酸化還元反応を生起させ、その近くの微生物の細胞内に電気化学的な生成物である還元物質を進入させて培養阻害要因(物質)に直接作用させて培養障害物質を排除することにより、培養を安定的に促進することを見出し、本発明に至った。
【0014】
そこで、本発明の課題は、培養の障害となる培養阻害要因(物質)を直接排除することにより、培養を安定的に促進する微生物の培養方法及び微生物の培養装置を提供することにある。
【0015】
本発明の他の課題は以下の記載によって明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題は以下の各発明によって解決される。
【0017】
(請求項1)
培地に導電性繊維および/もしくは導電性粒状物からなる導電性物質を含有した後、該導電性物質に電圧を印加することを特徴とする微生物の培養方法。
【0018】
(請求項2)
培養器本体内の培地に導電性繊維および/もしくは導電性粒状物からなる導電性物質と、電気化学的に酸化型−還元型の相互変換が可能な酸化還元型物質とを含有し、前記導電性物質に微生物を担持させてなる微生物の培養装置を用いた培養方法であって、
前記導電性物質に電圧を印加して酸化型物質に電子を供与して還元型物質に変換する工程と、
該還元型物質と培養阻害物質が反応して培養阻害物質を除去する工程と、
有することを特徴とする微生物の培養方法。
【0019】
(請求項3)
前記導電性繊維が、炭素繊維を1400℃〜3000℃の温度で焼成して得られる導電性炭素繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の微生物の培養方法。
【0020】
(請求項4)
導電性繊維および/もしくは導電性粒状物からなる導電性物質を含有した培地と、該導電性物質に電圧を印加する手段を有することを特徴とする微生物の培養装置。
【0021】
(請求項5)
培養器本体と、
該培養器本体内に平面状に敷設された導電性繊維により形成された織布又は不織布からなり、微生物を担持させた電極と、
該培養器本体内に有する培地とを備え、
該培養器本体内に電気化学的に酸化型−還元型の相互変換が可能な酸化還元型物質を分散してなり、
電位印加によって電極に接触又は近傍に存在している酸化型物質に対して電子供与し、前記電子供与により生成する還元型物質と培養阻害物質とを反応させて培養阻害物質を還元することによる培養阻害物質除去手段を有することを特徴とする微生物の培養装置。
【0022】
(請求項6)
前記導電性繊維が、炭素繊維を1400℃〜3000℃の温度で焼成して得られる導電性炭素繊維であることを特徴とする請求項4又は5記載の微生物の培養装置。
【0023】
(請求項7)
前記培地が淡色微粉末を含む寒天培地であり、該培地が平面状に敷設された導電性炭素繊維により形成された織布又は不織布の上面に設けられることを特徴とする請求項5又は6記載の微生物の培養装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、培養の障害となる培養阻害要因(物質)を直接排除することにより、培養を安定的に促進する微生物の培養方法及び微生物の培養装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る微生物の培養方法を実施するための培養装置の一例を示す説明図である。
【0027】
同図において、1は培養器であり、培地5を入れる培養器本体100と蓋体101からなり、嫌気培養可能に密封可能に構成されることが好ましい。培養器1の形態は、格別限定されないが、円形容器、角柱状容器等のいずれでもよく、縦長であっても横長であってよい。
【0028】
また材質は、樹脂製、金属製、ガラス製、セラミック製などのいずれでもよく、外部から培養微生物を視認可能にする上では透明容器が好ましい。図示の例では扁平状の円形容器を用いている。
【0029】
2は電極(作用極)であり、電極(作用極)2は導電性繊維により形成された織布又は不織布及び/もしくは導電性の粒状物によって構成される。
【0030】
ここで、導電性という場合は、電子導電性を意味する。
【0031】
導電性繊維としては、炭素質、グラファイト質の導電性炭素繊維、導電性炭化物(カーバイト)繊維、などを用いることができ、中でも炭素繊維を1400℃以上3000℃以下、好ましくは1600℃以上2000℃の温度で焼成して得られる導電性炭素繊維を用いることが、培養微生物を増殖する上で好ましい。
【0032】
導電性繊維によって電極を構成するには、これらの繊維素材を織布又は不織布にしたものをシート状に広げて使用することもできるし、あるいは渦巻状に巻いて使用することもできる。
【0033】
導電性粒状物としては、粉末活性炭などを含む炭素粒子を、1300℃以上の温度で空気を遮断して焼成して得られる。
【0034】
図示の例では、円形容器の底部に導電性繊維をシート状に敷設した態様が示されている。
【0035】
本発明において、導電性物質の添加密度や、織布又は不織布の導電性炭素繊維の充填密度は、培養対象によって広い範囲を取ることができ、必ずしも導電体同士が電気的に接触している必要もない。イオンを介しても電極電位は維持できるからである。
【0036】
本発明の電極2は培養しようとする微生物が担持されている。ここで担持というのは、微生物が電極2の繊維(導電性粒状物を用いる場合はその粒子)に固定されている状態を意味している。固定される要因は微生物自体の粘着力であってもよいし、あるいは繊維自体を表面処理して付着・固定し易いようにして微生物を固定するなどの態様を含む。
【0037】
3は白金ワイヤーなどからなるリード線であり、培養器本体100の外部に設けられた電圧印加部4と作用極2を接続している。
【0038】
5は培養器本体100内に用いられる培地であり、電極2に電気的に接している。
【0039】
電極2が培地5に接する態様としては、培地5が液体培地である場合には電極2に培地5を含浸させてもよく、培地が寒天培地のような固体培地である場合は、電極2をシート状に広げてその上に載置することもできる。また熱い液体状の際に電極2を含浸させて冷却固化することもできる。
【0040】
電極2をシート状に広げて配置する場合、電極2を培養器本体100の底面を覆うように敷き詰めることも好ましく、その場合には、固体培地であっても培養器全体に印加した電圧の効果を及ぼすことができる。
【0041】
培養器本体100内には、電気化学的に酸化型−還元型の相互変換が可能な物質(酸化還元型物質)を分散してなる。かかる物質としては、キノン化合物−ハイドロキノン化合物などが挙げられる。キノン化合物は酸化型で電子受容体であり、ハイドロキノン化合物は還元型で電子供与体である。これらの酸化還元性物質は、人為的に添加しなくてもいわゆる細胞外キノンを用いることができる。
【0042】
キノン化合物−ハイドロキノン化合物は、微生物系では細胞外キノンとして通常存在しているため、新たに添加する必要が無い場合が多いが、存在量が少なすぎる、あるいは存在していなかった場合には外部添加する必要がある。
【0043】
また培地5には、増殖に必要な炭素源などを含有していることも好ましく、その他の成分は、培養する細菌の増殖に必要であり、かつ電子供与体と電子受容体の酸化還元を阻害する等の悪影響を与えないものであれば特に制限されない。
【0044】
また、培地5に電子供与体と電子受容体の酸化還元を阻害する等の悪影響を与えない淡色微粉末を添加することは形成されたコロニーを観察する上で好ましい。かかる淡色微粉末としてはシリカ微粉末などが挙げられる。
【0045】
6は対極室であり、内部に電解液600(例えば3.3規定KCl)を入れてあり、対極601が設けられている。対極601としては、参照極を兼ねることもできるという利点から、銀などを用いることができる。対極601はリード線7によって電圧印加部4に接続されている。なお必要により別途参照極を設けることもできる。対極室6は培地5に陽イオン交換膜8等を介して接して配置されることが好ましい。
【0046】
なお、図1の例では、対極を対極室の上部から挿入した態様について説明したが、これに限定されず、培養器本体100の側面から挿入する態様でもよい。
【0047】
本発明では、培養器内の導電性繊維などに微生物が担持され、培養が行われる。
【0048】
図1のような培養器の底部にシート状に敷設した態様では平板培養の形態で電圧を印加することができるので、効率的に微生物の検出または単離を行うことができる。
【0049】
これにより、試料中の菌数測定や、菌叢の変化等の観察を嫌気性菌やVNC菌等に拡張することができる手法を提供することができる。
【0050】
また、印加電圧を培養途中で変化させて菌叢変化を観察することも可能になる。
【0051】
本態様の培養装置は、図示しない培養手段を有している。この培養手段の内容を図2に基づいて説明する。図2は嫌気性の微生物に対して培養を促進させる態様を示している。
【0052】
図2において、200は作用極(電極)2を構成する導電性炭素繊維である。導電性炭素繊維200は、図示しないが、電源(電圧印加部4)の陰極(−)に接続されている。導電性炭素繊維200には、微生物201が担持されている。電極の近傍には電気化学的に酸化型−還元型の相互変換が可能な物質(酸化還元型物質)としてAが存在している。
【0053】
電圧印加部4から電圧を印加されると、電極である繊維200に接触している酸化型物質Aに電子供与される。即ち物質Aは還元される。
【0054】
電子供与により生成する還元型物質A′は、微生物201の細胞内に進入する。細胞内で培養阻害物質(酸素種)と遭遇し反応する。
【0055】
かかる反応によって培養阻害物質は還元され、細胞の培養阻害物質でなくなる(酸化力が削減される)。かかる阻害物質がなくなれば、微生物201の培養を阻害する要因が解消され、微生物の培養を行うことができる。
【0056】
作用極2を正極と陰極のどちらに接続するかは培養対象の微生物により異なる。微生物が嫌気性である場合(図2)は、還元性であることで培養が進むので作用極2は陰極に接続する。逆に、好気性である場合は陽極に接続する。
【0057】
本発明の培養方法の特徴は、導電性物質(例えば導電性繊維電極)に電圧を印加して酸化型物質に電子を供与して還元型物質に変換する工程と、該還元型物質が培養阻害物質とが反応して培養阻害物質を除去する工程とを有することを特徴とする。
【0058】
一般に、ストレスの結果として活性酸素主が生成する。その主なものは、一重項酸素、ヒドロキシラジカル、過酸化水素などである。
【0059】
本発明では、導電性繊維電極を用い、その電極に微生物が担持され、しかも酸化−還元型物質が微生物の極めて近い場所で直接還元され、その還元物質が近くの微生物に直接作用するので、培養阻害物質物質の還元も確実に安定して行える。
【0060】
また培養においては、電極電位の制御によって酸化還元並行をずらすことができる。また、温度によってずれた平衡を補正することもできる。
【0061】
具体的には、下記数式1で制御可能である。Tが一定であればF(クーロン)に依存するだけだからである。
【0062】
【数1】

【実施例】
【0063】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
【0064】
実施例1
導電性炭素繊維:導電性多孔質は日本カーボン社製カーボンフェルト前駆体、GF−8を水と酸化アルミニウム散布後、電気炉にて約1400℃にて焼成したものを使用した。
対極:銀電極を用い、対極液には0.33規定KClを使用した。
隔膜:旭硝子社製セレミオンCMVを用いた。
【0065】
培養装置:図1に示す電位制御培養器(直径約100mm)に、前記の導電性炭素繊維織布をシート状に敷設した。
そのシートの上に、表1の組成の培地を設けた。培地量は45ml用いた。
【0066】
作用極の電極電位を0Vとし、メタン発酵汚泥を約1ml混合して、硫酸塩還元菌の培養を試みた。
【0067】
硫酸塩還元菌は培地中の硫酸鉄(III)を還元するので、硫化鉄(II)を含む黒色のコロニーが観察される。
【0068】
【表1】

【0069】
実施例2、3
実施例1と同じ条件で培地作用極の電極電位を表2のようにして培養した。
【0070】
参考例1
実施例1と同じ条件で培地作用極の電極電位を+0.5Vとして培養した。
【0071】
<評価>
実施例1〜3および参考例1の結果、観察された硫酸塩還元菌コロニー数(硫酸鉄黒色斑)を表2に示す。
【0072】
【表2】

【0073】
表2により、硫酸塩還元菌の代謝が抑制される電位領域(+0.5v)では硫化鉄の黒色斑コロニーはほとんど生ぜず、卑になるにつれてその数が増加することがわかった。
【0074】
しかし、−0.9vではメタン生成菌の代謝が活性化し、硫酸塩還元菌と競合してくると考えられ、黒色斑数は減少した。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る微生物の培養方法を実施するための培養装置の一例を示す説明図
【図2】培養阻害物質を除去する方法を説明する図
【符号の説明】
【0076】
1:培養器
100:培養器本体
101:蓋体
2:電極(作用極)
200:導電性炭素繊維
201:微生物
3:リード線
4:電圧印加部
5:培地
6:対極室
600:電解液
601:対極
7:リード線
8:陽イオン交換膜
A:酸化還元型物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地に導電性繊維および/もしくは導電性粒状物からなる導電性物質を含有した後、該導電性物質に電圧を印加することを特徴とする微生物の培養方法。
【請求項2】
培養器本体内の培地に導電性繊維および/もしくは導電性粒状物からなる導電性物質と、電気化学的に酸化型−還元型の相互変換が可能な酸化還元型物質とを含有し、前記導電性物質に微生物を担持させてなる微生物の培養装置を用いた培養方法であって、
前記導電性物質に電圧を印加して酸化型物質に電子を供与して還元型物質に変換する工程と、
該還元型物質と培養阻害物質が反応して培養阻害物質を除去する工程と、
有することを特徴とする微生物の培養方法。
【請求項3】
前記導電性繊維が、炭素繊維を1400℃〜3000℃の温度で焼成して得られる導電性炭素繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の微生物の培養方法。
【請求項4】
導電性繊維および/もしくは導電性粒状物からなる導電性物質を含有した培地と、該導電性物質に電圧を印加する手段を有することを特徴とする微生物の培養装置。
【請求項5】
培養器本体と、
該培養器本体内に平面状に敷設された導電性繊維により形成された織布又は不織布からなり、微生物を担持させた電極と、
該培養器本体内に有する培地とを備え、
該培養器本体内に電気化学的に酸化型−還元型の相互変換が可能な酸化還元型物質を分散してなり、
電位印加によって電極に接触又は近傍に存在している酸化型物質に対して電子供与し、前記電子供与により生成する還元型物質と培養阻害物質とを反応させて培養阻害物質を還元することによる培養阻害物質除去手段を有することを特徴とする微生物の培養装置。
【請求項6】
前記導電性繊維が、炭素繊維を1400℃〜3000℃の温度で焼成して得られる導電性炭素繊維であることを特徴とする請求項4又は5記載の微生物の培養装置。
【請求項7】
前記培地が淡色微粉末を含む寒天培地であり、該培地が平面状に敷設された導電性炭素繊維により形成された織布又は不織布の上面に設けられることを特徴とする請求項5又は6記載の微生物の培養装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−65940(P2009−65940A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240050(P2007−240050)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】