説明

微生物の増殖抑制方法および食品機械

【課題】 効果的に微生物の増殖を抑制することにある。さらに、殺菌のために特別なエネルギーを使用することなく、省エネルギーで微生物の増殖を抑制することである。
【解決手段】 pH10以上のボイラ水を装置の構成要素に吹きかけて微生物の増殖を抑制することを特徴とする。また、ボイラ水のpHが10以上であることを検出して吹きかけることを特徴とする。また、前記装置が食品機械であることを特徴とする。さらには、ボイラ水がボイラのブロー水であることを特徴とする。処理槽2とこの処理槽2内を減圧するための熱交換器3を含む減圧手段4とを有する食品機械であって、前記処理1および/または熱交換器3の内壁面に対してpH10以上のボイラ水を吹きかける吹きかけ手段6を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、微生物の増殖抑制方法および真空冷却機などの食品機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空冷却機の処理槽内を蒸気により殺菌、洗浄する方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−152公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の蒸気による殺菌は、所定の殺菌効果を得ることができるが、場合によっては温度が低下すると生き残った微生物が再び増殖を始め、不衛生な状態となる虞がある。また、洗浄のために蒸気を使用するので、熱的なロスが大きく、省エネルギーの観点から課題がある。
この発明が解決しようとする課題は、効果的に微生物の増殖を抑制することにある。さらに、殺菌のために特別なエネルギーを使用することなく、省エネルギーで微生物の増殖を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、pH10以上のボイラ水を装置の構成要素に吹きかけて微生物の増殖を抑制することを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、pH10以上のボイラ水を吹きかけるので、殆どの微生物が生育不可能となり、しかも付着した高アルカリ水により増殖抑制効果が持続的に発揮され、高い衛生状態を保持することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、ボイラ水のpHが10以上であることを検出して吹きかけることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、pHが10以上であることを検出して吹きかけるので、確実に微生物の増殖を抑制することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記装置が食品機械であることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、衛生的であることが至上命題の食品機械を衛生度の高い状態に維持することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3において、ボイラ水がボイラのブロー水であることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、通常捨てられるブロー水を用いるので、特別なエネルギーを必要としないので、省エネルギーの増殖抑制を行うことができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、処理槽とこの処理槽内を減圧するための熱交換器を含む減圧
手段とを有する食品機械であって、前記処理槽および/または熱交換器の内壁面に対してpH10以上のボイラ水を吹きかける吹きかけ手段を備えることを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、微生物の発生し易い食品機械の処理槽および/または熱交換器における微生物の増殖を効果的に抑制することができる。衛生的であることが至上命題の食品機械を衛生度の高い状態に維持することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、ボイラ水がボイラのブロー水であることを特徴としている。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、通常捨てられるブロー水を用いるので、特別なエネルギーを必要としないので、省エネルギーの増殖抑制を行うことができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6において、ボイラ水がpH10以上であることを検出する検出手段を備えることを特徴としている。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、pHが10以上であることを検出して吹きかけるの吹きかけ手段を有しているので、確実に細菌の増殖を抑制することができる。
【0019】
さらに、請求項8に記載の発明は、処理槽とこの処理槽内を減圧するための熱交換器を含む減圧手段とを有する食品機械であって、前記処理槽および/または熱交換器の内壁面に対してボイラのブロー水を吹きかける吹きかけ手段を備えることを特徴としている。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、高アルカリのブロー水を用いているので、微生物の発生し易い食品機械の処理槽および/または熱交換器における微生物の増殖を効果的に抑制することができる。衛生的であることが至上命題の食品機械を衛生度の高い状態に維持することができる。また、通常捨てられるブロー水を用いるので、特別なエネルギーを必要としないので、省エネルギーの増殖抑制を行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、高アルカリのボイラ水による微生物の増殖抑制により、高い衛生状態を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
この発明の実施の形態を説明する前に、この明細書に使用する用語の意味を説明する。「ボイラ水」とは、ボイラの缶体内の水、すなわち缶水であり、高アルカリの缶水を意味する。また、「ブロー水」とは、濃縮度を下げるために前記ボイラの缶体内部から排出される缶水を意味する。「吹きかけ」とは、微生物の増殖を抑制する対象物に直接吹きかけるだけでなく、別の部位に吹きかけたボイラ水が微生物の増殖を抑制する対象物に至り,すなわち供給され、ボイラ水と接触状態とすることをも含んだ概念である。この意味において、「吹きかけ手段」は、ボイラ水の接触手段またはボイラ水の供給手段と称することができる。さらに、「微生物」とは、グラム陰性細菌、グラム陽性細菌、酵母、カビを含む概念である。
【0023】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、pH10以上のボイラ水を装置の構成要素に吹きかけて微生物の増殖を抑制する微生物の増殖抑制方法を特徴としている。
【0024】
この実施の形態によれば、pHが10以上のボイラ水が微生物の増殖しやすい装置の構成要素に吹きかけられるので、殆どの細菌は、増殖が抑制される。また、吹きかけられた
ボイラ水は、前記構成要素に残留して細菌の増殖抑制効果はしばらく持続するので、蒸気による殺菌を行う方法と比較して、抑制持続効果が大きい。
【0025】
つぎに、この実施の形態における要素について説明する。前記ボイラ水は、好ましくは、前記缶体の底部から排出されるブロー水とする。こうすることにより、捨てられることがしばしばであるブロー水を用いて微生物の増殖抑制を行うので、蒸気による殺菌を行う方法と比較して、省エネルギーとなる。
【0026】
前記ブロー水は、好ましくは、前記装置に近接または一体に設置されるボイラのブロー水とするが、これに限定されるものではなく、前記装置から離れた位置に設置のボイラのブロー水とすることができる。
【0027】
また、前記ボイラの形式など特定のものに限定されない。すなわち,一般蒸気を生成する一般ボイラ(蒸気発生器)のブロー水が利用できる場合は、そのブロー水を利用する。一般ボイラのブロー水を利用できない場合は、一般蒸気を加熱源として軟水または通常の市水などを間接加熱して蒸気を生成するリボイラを設け、このリボイラのブロー水を用いることができる。また、前記ボイラの熱源についても特定されないものであり、その熱源を電気ヒータとすることができる。
【0028】
前記ボイラ水は、前記ボイラの運転により濃縮が進むことにより、pHは上昇する。そして、濃縮が進むとpHは、10以上となることが知られている。この実施の形態においては、好ましくは、前記ボイラの缶水のpHを直接または間接に検出してpH10以上となったことをpH検出手段により検出したうえで、ブロー水を吹きかけるように構成する。こうすることにより、微生物の増殖抑制効果を確実なものとすることができる。このpH検出手段としては、電気伝導度を検出する手段とすることができるが、それ以外の手段とすることができる。また、ブロー水のpHを10以上とするには、前記ボイラの運転時間(給蒸時間)とブロー水の濃縮度との間に所定の関係があるので、運転時間によりpHを推定することによる間接的にpHを検出するpH検出手段とすることができる。
【0029】
さらに、前記装置は、好ましくは、真空冷却機や真空冷却機能を有する食品機械とする。真空冷却機能を有する食品機械は、食材の真空冷却時に食材が飛散して、処理槽やこの処理槽を減圧する減圧手段へ到達する。これを放置しておくと、微生物が増殖して、食品機械の構成要素が不衛生な状態となる虞がある。前記減圧手段において、蒸気を凝縮するための熱交換器に食材が付着して微生物が増殖することがある。このため、ブロー水を吹きかける対象となる構成要素は、好ましくは、前記処理槽および前記熱交換器の内壁面(前記処理槽内の気体が流通して接触する壁面)とするが、いずれか一方とすることができる。また、別の構成要素に吹きかけても良い。
【0030】
すなわち、この実施の形態の方法が適用される食品機械の形態としては、つぎの態様1および態様2を含む。
【0031】
(食品機械の態様1)
態様1の食品機械は、処理槽とこの処理槽内を減圧するための熱交換器を含む減圧手段とを有する食品機械であって、前記処理槽および/または熱交換器の内壁面に対してpH10以上のボイラ水を吹きかける吹きかけ手段を備えることを特徴とする。
【0032】
この態様1において、前記吹きかけ手段は、好ましくは、ブロー水を吹きかけるものとする。そして、前記熱交換器へブロー水を吹きかける場合の前記吹きかけ手段は、前記ボイラの缶底(缶体内底部)と前記熱交換器の上流側とを吹きかけ制御弁を有するブロー水ラインで結ぶことにより構成することができる。この吹きかけ手段は、40℃〜150℃
のブロー水を噴射状態またはフラッシュ状態で吹きかける。噴射状態とは、ブロー水が蒸気とならずに液体の状態で前記熱交換器の内壁面に吹きかけられる状態を意味し、気化しないので液体の衝突による洗浄効果が大きい。フラッシュ状態とは、ブロー水の多くが蒸発する状態をいう。この噴射状態となるか、フラッシュ状態となるかは、前記ボイラの缶水の温度と、前記ブローラインの先端,すなわち噴射直前のブロー水温度と、前記熱交換器内の圧力により決まる。
【0033】
また、前記処理槽へブロー水を吹きかける場合の前記吹きかけ手段は、ブロー水の噴出を制御するガンと前記ボイラの缶底(缶体内底部)とをブロー水ラインで結ぶことにより構成することができる。この構成においては、前記ガンと別にブロー水ラインにブロー水の吹きかけを制御する吹きかけ制御弁を設けることができる。
【0034】
この態様1においては、好ましくは、ボイラ水またはブロー水がpH10以上であることを検出する検出手段を備える。この検出手段は、前記の通りである。
【0035】
(食品機械の態様2)
前記態様2の食品機械は、処理槽とこの処理槽内を減圧するための熱交換器を含む減圧手段とを有する食品機械であって、前記処理槽および/または熱交換器の内壁面に対してボイラのブロー水を吹きかける吹きかけ手段を備えることを特徴とする。
【0036】
この態様2において、ブロー水は、好ましくは、pH10以上とするが、pH10に近ければ若干低いpHであっても良い。その他の構成は、前記態様1と同様である。
【実施例】
【0037】
以下、この発明の微生物の増殖抑制方法を実施する食品機械としての真空冷却機を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、同実施例の概略構成を説明する図であり、図2は、ブロー水の供給状態を説明する図である。
【0038】
この実施例の真空冷却機1は、食材を収容する処理槽2と、熱交換器3を含み前記処理槽2内を減圧する減圧手段4と、前記処理槽2内を復圧する復圧手段5と、前記熱交換器3の内壁面に対してボイラのpH10以上のブロー水を吹きかける吹きかけ手段6などを主要部として備える。
【0039】
前記減圧手段4は、前記処理槽2内の気体を吸引することで、前記処理槽2内を減圧するものであり、真空吸引ライン7に蒸気エゼクタ8,前記熱交換器3,前記処理槽2方向への流れを阻止する逆止弁9および水封式の真空ポンプ10を設けたものとしている。
【0040】
前記熱交換器3は、周知の間接式の熱交換器から構成され、前記真空吸引ライン7が上下に配置されるように縦配置(図1の紙面において上下方向に配置)される
【0041】
前記蒸気エゼクタ8へは蒸気発生器としてのボイラ11にて生成される蒸気が供給される。前記ボイラ11は、この実施例では、電気ヒータ(図示省略)を熱源とし、第一給水ライン12により供給される給水を軟水化する軟水器13から軟水が給水として供給されるように含んで構成されている。
【0042】
前記熱交換器3への冷却水および前記真空ポンプ10への封水供給は、それぞれ第二給水ライン14,第三給水ライン15により供給され、これらの水は、それぞれ第一排水ライン16,第二排水ライン17により排出されるように構成されている。
【0043】
前記復圧手段5は、復圧ライン18,フィルタ19および復圧制御弁20を含んで構成
される。
【0044】
ここで、この発明の特徴とする前記吹きかけ手段6について説明する。この吹きかけ手段6は、ブロー水ライン21,このブロー水ライン21に設けられる吹きかけ制御弁22,熱回収器23を含んで構成されている。前記ブロー水ライン21は、前記ボイラ11の濃縮されたブロー水を排出し、前記熱交換器3の内壁面へブロー水を供給するように、一端が前記ボイラ11の缶体(図示省略)の底部と接続され、他端が前記真空吸引ライン7における前記熱交換器3の上流側(図1の紙面で上端側へ)と接続される。前記一端は前記熱交換器3と直接接続することができる。
【0045】
前記熱回収器23は、前記ブロー水ライン21を流通するブロー水と前記第一給水ライン12を流通する給水とを間接的に熱交換するもので、ブロー水の熱を回収する機能と前記吹きかけ手段6により前記熱交換器3の内壁面へ供給するブロー水の温度を調整する機能とを有している。
【0046】
前記ボイラ11には、その缶体内のブロー水のpHを検出するpH検出器24を備え、真空冷却機1の真空冷却運転が終了した運転停止時であって、ブロー水のpHが10以上となると制御器25は、pH検出器24からの信号を入力して、前記吹きかけ制御弁22を開き、前記熱交換器3の内壁面に対してpH10以上のブロー水を吹きかけるように構成されている。この制御器24は、この発明の吹きかけ手段6の一部を構成する。
【0047】
また、前記制御器25は、前記pH検出器24および前記処理槽2内の圧力を検出する圧力検出器(図示省略)などの信号を入力し、前記減圧手段4および前記復圧手段5の作動を制御して、周知の前記処理槽2内の空気を排出する空気排除工程,この空気排除工程後において前記処理槽1内を真空引きして食材を真空冷却する真空冷却工程,この真空冷却工程後に前記処理槽2内を大気圧に復圧する復圧工程を行う。前記制御器24による前記減圧手段4の制御は、前記真空ポンプ10の制御の他、前記蒸気エゼクタ8への蒸気の供給の制御および前記熱交換器3へ給水の制御を含んでいる。
【0048】
以上の実施例における吹きかけ手段6による微生物の増殖抑制の作用を説明する。前記真空冷却機1の運転停止中であって、前記pH検出器24によるpHが10以上を検出して、前記制御器25は、所定時間だけ前記吹きかけ制御弁22を開き、前記ブロー水ライン21を通して前記熱交換器3へpH10以上の高アルカリのブロー水を供給する。前記熱交換器へ供給されたブロー水は、排水してもしなくても良い。ブロー水を排水する場合は、前記熱交換器3が負圧の場合、前記真空ポンプ10を作動させ、正圧の場合は、前記真空ポンプ10を作動させるか、作動させないで差圧により排水する。前記吹きかけ制御弁22の制御は、好ましくは、時間をおいて複数回間欠的に開くが、連続的に開くように構成することができる。
【0049】
この実施例では前記吹きかけ手段6により、pH10以上の60℃〜150℃のブロー水を噴射状態またはフラッシュ状態で吹きかけるように選択可能である。噴射状態とは、ブロー水が蒸気とならずに液体の状態をいい、フラッシュ状態とは、ブロー水の多くが蒸発する状態をいう。この噴射状態となるか、フラッシュ状態となるかは、前記ボイラ11の缶水の温度T1と、前記ブロー水ライン21の先端,すなわち吹きかけ直前のブロー水温度T2と、前記熱交換器3内の圧力Pにより決まる。具体的には、図2に示す表の通り、缶水の温度T1に応じて、噴射状態1,噴射状態2,フラッシュ状態1,フラッシュ状態2を選択可能である。前記熱交換器3内の圧力Pは、前記処理槽2の密閉状態で前記減圧手段4の制御により実現される。前記ボイラ11内の圧力と温度とは、飽和蒸気圧の絶対圧力:0.0125〜5kg/cm2に対して温度:10℃〜150℃に対応しており、図2の温度T1が90℃は、ボイラ11の停止、所定時間を経過することにより得られ
る。
【0050】
前記熱交換器3内にpH10以上のブロー水が供給されることにより、殆どの微生物の増殖が抑制される。これは、微生物には、生育可能な上限pHと下限pHとがあり、(土戸講習会テキスト「微生物制御と洗浄制御」松田敏生氏著の表3を参照,表3の出典は、哲朗明他:微生物制御 科学と工学p21 講談社サイエンチフィック(2002))に示されるように、pH10位以上であると殆どの微生物は、生育不可能となるからである。そして、ブロー水の吹きかけ終了後も前記熱交換器3の内壁はブロー水により濡れた状態にあるのでその間微生物の増殖を抑制することができる。
【0051】
ここで、前記作用効果に加えて、この実施例の特有の効果について説明する。ブロー水を用いることなく、試薬(NaOH)を用いて、または隔膜式電解装置を用いて、pH10以上のアルカリ水を調整し、このアルカリ水を用いて微生物の増殖を抑制する方法も考えられるが、この方法では、アルカリ水生成のための特別の装置が必要となるとともに、アルカリ水を対象物へ吹きかけるためのポンプが必要となる。これに対して、この実施例によれば、高アルカリ水を製造する為の特別の装置が不要となるとともに、前記ボイラ11内の圧力と前記熱交換器3内の圧力差により、ブロー水を吹きかけることできるので、吹きかけのためのポンプが不要となる。具体的には、前記ボイラ11内が大気圧以上の場合、前記真空ポンプ10を作動させることなく、ブロー水を前記熱交換器3へ供給でき、前記ボイラ11内が大気圧以下の場合は、前記真空ポンプ10を作動させて前記熱交換器3内圧力を前記ボイラ11よりも低くすることで、ブロー水を前記熱交換器3へ供給することができる。
【0052】
この発明は、前記実施例に限定されるものではない。すなわち、前記ボイラ11は電気ボイラ以外のボイラとすることができ、前記蒸気エゼクタ8へ供給する蒸気を通常の第二のボイラ(図示省略)とする場合には、この第二ボイラのブロー水を用いることができる。また、この第二ボイラのブロー水が利用できない場合は、この第二ボイラの蒸気を用いて蒸気の間接加熱により蒸気を生成するリボイラ(図示省略)を前記ボイラ11に近接または一体的に備え、このリボイラのブロー水を用いるように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施例の概略構成を説明する図である。
【図2】同実施例のブロー水の異なる供給状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0054】
1 真空冷却機
2 処理槽
3 熱交換器
4 減圧手段
6 吹きかけ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pH10以上のボイラ水を装置の構成要素に吹きかけて微生物の増殖を抑制することを特徴とする微生物の増殖抑制方法。
【請求項2】
ボイラ水のpHが10以上であることを検出して吹きかけることを特徴とする請求項1に記載の微生物の増殖抑制方法。
【請求項3】
前記装置が食品機械であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微生物の増殖抑制方法。
【請求項4】
ボイラ水がボイラのブロー水であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の微生物の増殖抑制方法。
【請求項5】
処理槽とこの処理槽内を減圧するための熱交換器を含む減圧手段とを有する食品機械であって、前記処理槽および/または熱交換器の内壁面に対してpH10以上のボイラ水を吹きかける吹きかけ手段を備えることを特徴とする食品機械。
【請求項6】
ボイラ水がボイラのブロー水であることを特徴とする請求項5に記載の食品機械。
【請求項7】
ボイラ水がpH10以上であることを検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載の食品機械。
【請求項8】
処理槽とこの処理槽内を減圧するための熱交換器を含む減圧手段とを有する食品機械であって、前記処理槽および/または熱交換器の内壁面に対してボイラのブロー水を吹きかける吹きかけ手段を備えることを特徴とする食品機械。


【図1】
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【図2】
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