説明

微生物を用いた土壌診断法

【課題】植物を植えてその結果をみることなく、短時間かつ簡便に病害が発生している土壌を判断する土壌診断法を提供する。
【解決手段】微生物を、微生物を活性化させるための添加剤およびメディエーター存在下で検査対象土壌と接触させた後、その微生物の活性度を測定することにより土壌を診断する。これにより、病害に対する適切な処置を施したうえでの植物の栽培が可能となり、病害による作物不作などを未然に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物を利用した土壌診断法に関する。さらに詳しくは、微生物を利用して病害が発生している土壌か否かを判定する土壌診断法に関する。
【背景技術】
【0002】
農業に従事する者にとって、土壌が健全であるか病気に冒されているものであるかは、重大な関心事である。しかし、多くの場合実際に植物を植えた後、病害が発生してから病害土壌であったことが判明することとなるため、その後に農薬を散布するなどの対応がなされているのが現状である。
【0003】
一般的な発病予測の方法としては、過去の発病度調査結果に基づいて推定する方法などが用いられているが、前年まで全く発病しなかった土壌においても発病が確認されることもあり、また予測を行うに際しては、少なくとも数年間にわたる調査が必要なため、簡易に病害発生の有無を判断する方法が強く望まれている。
【特許文献1】特開2002−305971号公報
【特許文献2】特開2004−185222号公報
【非特許文献1】山形大紀要農学 10,771-782(1989)
【非特許文献2】山形大紀要農学 9,17-22(1997)
【非特許文献3】山形農林学会報 50,19-24(1993)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、植物を植えてその結果をみることなく、短時間かつ簡便に病害が発生している土壌を判断する土壌診断法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる本発明の目的は、微生物を、微生物を活性化させるための添加剤およびメディエーター存在下で検査対象土壌と接触させた後、その微生物の活性度を測定することにより土壌を診断する方法によって達成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明方法を用いることにより、植物を植えてその結果をみることなく、短時間かつ簡便に病害が発生している土壌を判断することができるので、病害に対する適切な処置を施したうえでの植物の栽培が可能となり、病害による作物不作などを未然に防止することができるといった優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
微生物としては、病害土壌と接触した際に、病気に冒されていないいわゆる健全土壌と接触した場合とは、その増殖に差がみられる微生物であれば特に限定されないが、好ましくは土壌微生物が用いられる。
【0008】
土壌微生物は、大きく細菌類、放線菌類、糸状菌類、に分けられ、細菌類としては、アセトバクター属、アルカリゲネス属、Bacillus cereusなどのバチルス属、バークフォルデリア属、コリネバクテリウム属、フラボバクテリウム属、グルコノバクター属、ラクトバチルス属、マイコバクテリウム属、ミクロコッカス属、プロテウス属、シュードモナス属、Ralstonia solanacearumなどのラルストニア属、リゾビウム属、ロドコッカス属、スフィンゴモナス属、ストレプトコッカス属、ザイモモナス属などが、一般土壌放線菌類としては、ストレプトマイセス属、アクチノマデュラ属、グリコマイセス属、ノカルディア属、サッカロモノスポラ属、ストレプトバーティシリウム属などが、また一般土壌糸状菌類としては、アファノマイセス属、アスペルギルス属、キャンディダ属、クラドスポリウム属、ムコール属、ペニシリウム属、フィトフィトラ属、リゾプス属、トリコデルマ属、トルラ属などが挙げられ、好ましくはバチルス属、さらに好ましくはBacillus cereusが用いられる。
【0009】
測定に際し、検査対象土壌は、PBS緩衝液などの緩衝液に懸濁され、0〜27℃、好ましくは15〜25℃で振とうすることにより土壌成分を抽出した状態で用いられる。これ以上の温度で抽出が行われると、検査対象土壌中に存在する微生物が活性化され過ぎるため、好ましくない。
【0010】
土壌成分の抽出に際しては、好ましくは微生物懸濁液中に微生物を活性化させるための添加剤、例えば一般的に用いられている微生物増殖用の培地、例えばLB培地、ポテトデキストロース培地、肉エキス培地などの他に、King'B培地、SM培地など特定の微生物群の増殖を選択的に促進・抑制するような添加剤あるいは、糖類、アミノ酸、タンパク質などが用いられる。これらは、微生物懸濁液中に1/1000〜1/3量程度、好ましくは1/100〜1/5量程度添加される。このような微生物を活性化させるための添加剤を用いることにより、微生物が各種病害土壌と接触した場合あるいは健全土壌と接触した場合にみられる増殖の差が、より一層明確に示されるようになる。
【0011】
微生物を検査対象土壌と接触させるに際して用いられる微生物を活性化させるための添加剤としては、土壌成分の抽出に際して用いられるものと同様のものが挙げられる。
【0012】
土壌成分の抽出液は、そこに含まれる微生物の測定への影響を排除し、検査対象土壌が有する静菌作用を測定することを目的とする場合には、土壌成分の抽出後、滅菌処理が行われる。滅菌方法としては、滅菌フィルターを用いたろ過滅菌や、オートクレーブを用いて土壌成分の抽出液を処理する方法などが挙げられるが、高温高圧処理による抽出成分の変化を避ける観点からは、ろ過滅菌が用いられる。
【0013】
微生物の活性度とは、微生物の生菌数または活力などに依存する酸化還元能力、濁度、呼吸量(二酸化炭素発生量)、色素による菌体の着色、蛍光染色による強度などを測定することにより得られる数値を指しており、好ましくは呼吸に関る酵素活性を測定することにより得られる数値が用いられる。
【0014】
呼吸に関る酵素活性を測定する方法としては、微生物を検査対象土壌と接触させるに際して、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム、レザズリンなどのメディエーターを添加して、0〜24時間、好ましくは10分〜8時間、さらに好ましくは2〜5時間反応を行った後に印加電圧を加えて得られる電流値を測定することにより行われる。これにより、土壌中の土壌微生物の呼吸に伴う細胞質中の電子伝達系の活動による還元触媒活性能を、メディエーターを介して電気化学的に測定し、土壌環境を数値化することとなる。
【0015】
微生物および検査対象土壌の接触は、0〜27℃、好ましくは20〜27℃で行われる。これ以上の温度で抽出が行われると、検査対象土壌中に存在する微生物が活性化され過ぎるため、好ましくない。
【実施例】
【0016】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0017】
実施例1
バチルス セレウス(Bacillus cereus)K12N(FERM P-17147)をLB培地(10g Bacto-Tryptone、5g Yeast Extract、10g NaClを1Lの蒸留水に溶解し滅菌したもの)に植菌し、IWAKI Universal Shaker SHK-U4を用いて、30℃、150 rpmの条件下で一晩振とう培養した。4℃、8000rpm、5分の条件で遠心分離により集菌し、PBS緩衝液(和光純薬製品)により3回洗浄した。得られた菌液を、PBS緩衝液を用いて、OD580=120となるように調製したもの25μl、PBS緩衝液(和光純薬製品)875μlおよびLB培地100μlを混合し、これに最終濃度80 mMになるようメディエーターとしてのヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(関東化学製品)26mgを添加して、反応溶液総量を1mlにした。スターラーを用いて攪拌しながら反応を行い、メディエーター添加後、所定時間経過時に溶液中に炭素電極の作用極と対極を浸漬し、900 mVの印加電圧を加えて3秒後に得られる電流値(微生物由来の酸化還元反応による)を、電気化学アナライザー(ALS, MODEL 1202)を用いてクロノアンペロメトリー法により3回測定した。電気化学測定中は、恒温槽(タイテック社製品Cool Thermo Unit, CTU-N)を用いて反応系を25℃に保ち、測定を行った。
【0018】
得られた結果は、次の表に示される。

経過時間 1 2 3 平均 標準偏差
30秒 38.28 41.51 39.9 1.1
30分 102.6 107.3 103.7 104.5 0.6
1時間 175.2 189.2 179.5 181.3 1.3
2 〃 397.3 384.4 358.8 380.2 15.1
3 〃 476.0 476.6 489.8 480.8 6.4
4 〃 474.7 474.7 489.3 479.6 6.9
【0019】
その結果、メディエーター添加2時間後においては、多少のぶれが認められるものの、3〜4時間後のデータにおいては誤差が1.5%以下であることが示された。他の様々な検討から、反応開始後二時間以上経過した場合にサンプル間の差が最も顕著に見られる傾向が確認されており、種々の土壌サンプルを用いての測定においては、3〜4時間後の電流値を採用しての比較検討が適当であることが示された。
【0020】
実施例2
実施例1において、同様に調製したBacillus cereus菌液25μlおよび(1)PBS緩衝液(和光純薬製品)965μlおよびPD培地10μlまたは(2)土壌サンプル975μlを混合したものを用いて、メディエーター添加4時間後までの電流値の測定が行われた。ここで、土壌サンプルとしては、長後土(横浜市長後にて採取)、白菜根こぶ病土壌(長野県中信地区にて採取)またはレタス病害土壌(長野県中信地区にて採取)5gをPBS緩衝液20mlに懸濁し、これに0.2ml(土壌懸濁液の1/100量相当)のPD培地(Difco社製品 Potato Dextroth 24gを1Lの蒸留水に溶解後滅菌)を添加して、25℃で一晩振とうすることにより土壌成分を抽出した後、4℃、8000rpm、5分の条件で遠心分離した上澄液が用いられた。
【0021】
比較例
実施例2において、菌液が用いられず、(1)がPBS緩衝液(和光純薬製品)990μlおよびPD培地10μlに、(2)の土壌サンプル量が1000μlにそれぞれ変更されて用いられた。
【0022】
実施例2(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)および比較例1(―◆―PBS、―■―レタス病害土壌、―▲―白菜根こぶ病土壌、―●―長後土)で得られた結果は、図1に示される。その結果、菌存在下では使用した土壌サンプルが病害土であるか健全土であるかに依存して電流応答が異なるのに対し、土壌サンプルのみの場合には土壌サンプル間の違いはみられず、ほぼ同一の値となることが示された。
【0023】
実施例3
実施例2において、(1)がPBS緩衝液(和光純薬製品)875μlおよびPD培地100μlに、また土壌サンプル調製時においてPD培地量が2ml(土壌懸濁液の1/10量相当)にそれぞれ変更されて用いられた。得られた結果は、図2(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0024】
実施例4
実施例2において、(1)がPBS緩衝液(和光純薬製品)965μlおよびLB培地10μlに、また土壌サンプル調製時においてPD培地の代わりに同量(土壌懸濁液の1/100量相当)のLB培地にそれぞれ変更されて用いられた。得られた結果は、図3(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0025】
実施例5
実施例2において、(1)がPBS緩衝液(和光純薬製品)875μlおよびLB培地100μlに、また土壌サンプル調製時においてPD培地の代わりにLB培地2ml(土壌懸濁液の1/10量相当)にそれぞれ変更されて用いられた。得られた結果は、図4(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0026】
実施例2および3あるいは4および5をそれぞれ比較すると、土壌けんだく液: 微生物を活性化させるための添加剤=1:100よりも1:10の方が土壌サンプル間の電流応答の差が明確で、土壌診断に適していることが示された。
【0027】
実施例6
実施例2において、(1)がPBS緩衝液(和光純薬製品)875μlおよびKing's B培地(Bacto-Tryptone 20g、 Glycerol 10ml、 K2HPO4 1.5g、 MgSO4 1.5gを蒸留水1Lに溶解後滅菌)100μlに、また土壌サンプル調製時においてPD培地の代わりにKing's B培地2ml(土壌懸濁液の1/10量相当)にそれぞれ変更されて用いられた。得られた結果は、図5(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0028】
実施例7
実施例2において、土壌サンプル調製時においてPD培地が用いられず、また(1)がPBS緩衝液(和光純薬製品)875μlおよびKing's B培地100μlに、(2)が土壌サンプル875μlおよびKing's B培地100μlにそれぞれ変更されて用いられた。得られた結果は、図6(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0029】
実施例8
実施例2において、(1)がPBS緩衝液(和光純薬製品)875μlおよびSM培地(Bacto-Tryptone 10g、Glucose 10g、Yeast Extract 1g、KH2PO4 1.5g、K2HPO4 1.0g、MgSO4 0.5gを蒸留水1Lに溶解後滅菌)100μlに、また土壌サンプル調製時においてPD培地の代わりにSM培地2ml(土壌懸濁液の1/10量相当)にそれぞれ変更されて用いられた。得られた結果は、図7(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0030】
実施例3、5、6、8の結果を比較すると、実施例6の場合にサンプル間のBacillus cereusの電流応答の差が最も明確であり、長後土・白菜根こぶ土壌・レタス病害土壌サンプルの組み合わせで土壌診断を行う際には、King's B培地が最適であることが示された。このように、土壌けんだく液を一晩振とうして成分を抽出するに際して、添加する微生物を活性化させるための添加剤を数種比較検討することにより、測定したいサンプル群の性質に応じて最適な微生物を活性化させるための添加剤の選択を行うことが好ましいといえる。また、実施例6および実施例7の結果を比較すると、土壌サンプル抽出をKing's B培地存在下で行った場合には、健全土壌および病害土壌サンプル間での電流応答の差が培地非存在下に比べて顕著となることから、土壌サンプル抽出時に培地を存在させることが好ましいことが示唆された。
【0031】
実施例9
実施例6において、土壌サンプルとして、土壌成分を抽出後、4℃、8000rpm、5分の条件で遠心分離処理した上澄みを、マイレクスフィルター(Millipore社製品Millex GP、孔径0.22 μm)を用いて滅菌処理したものが用いられた。得られた結果は、図8(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0032】
実施例10
実施例6において、土壌サンプルとして、土壌成分を抽出後、4℃、8000rpm、5分の条件で遠心分離処理後の上澄を121℃、1時間の条件でオートクレーブにて滅菌処理したものが用いられた。得られた結果は、図9(―◇―PBS、―□―レタス病害土壌、―△―白菜根こぶ病土壌、―○―長後土)に示される。
【0033】
実施例9および10は、実施例6における土壌中にもともと生息する微生物の影響を除外することを目的として、検討を行ったものであり、滅菌処理後の土壌サンプルを用いた場合にも、健全土壌・病害土壌サンプル存在下でのBacillus cereusの応答が異なることが確認された。得られた結果は、これらの方法を用いることにより、土壌中にもともと生息する微生物の影響ではなく、土壌サンプルに含有されている有機・無機化合物など作物の生育に影響を与えうる様々な要素を加味した土壌診断の実現が可能となることを示唆している。
【0034】
また、実施例2〜10で得られた結果より、各種病害土壌に比べて健全土壌に対するBacillus cereus K12Nの応答値は、いずれも低いことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】Bacillus cereus K12Nの1/100 濃度のPD培地を用いて抽出した各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図2】Bacillus cereus K12Nの1/10 濃度のPD培地を用いて抽出した各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図3】Bacillus cereus K12Nの1/100 濃度のLB培地を用いて抽出した各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図4】Bacillus cereus K12Nの1/10 濃度のLB培地を用いて抽出した各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図5】Bacillus cereus K12Nの1/10 濃度のKing's B培地を用いて抽出した各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図6】Bacillus cereus K12Nの培地を用いずに抽出を行った各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図7】Bacillus cereus K12Nの1/10 濃度のSM培地を用いて抽出した各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図8】Bacillus cereus K12Nの1/10 濃度のKing's B培地を用いて抽出し、さらにろ過滅菌を行った各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。
【図9】Bacillus cereus K12Nの1/10 濃度のKing's B培地を用いて抽出し、さらにオートクレーブ処理を行った各種土壌サンプルに対する電流応答値の経時変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を、微生物を活性化させるための添加剤およびメディエーター存在下で検査対象土壌と接触させた後、その微生物の活性度を測定することにより土壌を診断することを特徴とする微生物を用いた土壌診断法。
【請求項2】
微生物が、土壌微生物である請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項3】
微生物が、バチルス属に属する微生物である請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項4】
微生物が、バチルス セレウス(Bacillus cereus)である請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項5】
微生物が、バチルス セレウス(Bacillus cereus)K12N(FERM P-17147)である請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項6】
検査対象土壌が、緩衝液に懸濁した後、0〜27℃で振とうすることにより土壌成分を抽出した状態で用いられる請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項7】
さらに微生物を活性化させるための添加剤が添加されて振とうが行われる請求項6記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項8】
微生物を活性化させるための添加剤として、微生物増殖用培地が用いられる請求項1または7記載の土壌環境の診断方法。
【請求項9】
微生物増殖用培地がPD培地、LB培地、King's B培地またはSM培地である請求項8記載の土壌環境の診断方法。
【請求項10】
微生物を活性化させるための添加剤として、特定の微生物群の増殖を選択的に促進または抑制するための添加剤が用いられる請求項1または7記載の土壌環境の診断方法。
【請求項11】
微生物を活性化させるための添加剤として、糖類、アミノ酸またはタンパク質が用いられる請求項1または7記載の土壌環境の診断方法。
【請求項12】
土壌成分の抽出後、抽出液が滅菌処理される請求項6記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項13】
微生物の活性度が、呼吸量を測定することにより行われる請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項14】
微生物および検査対象土壌の接触後、0〜24時間後における活性度が測定される請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項15】
微生物および検査対象土壌の接触が、0〜27℃で行われる請求項1記載の微生物を用いた土壌診断法。
【請求項16】
病気に冒されていない健全な土壌と比較して、微生物の活性度が高い値を示す土壌について、病害土壌であると判断することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の微生物を用いた土壌診断法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−138(P2007−138A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332932(P2005−332932)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(591042403)株式会社サカタのタネ (10)
【Fターム(参考)】