説明

微生物計測システム

【課題】ATP法を用いて不特定の微生物を計測し、管理することのできる微生物計測システムを提供する。
【解決手段】試料を吸引口14から吸引する吸引手段と、吸引された試料中の微生物を所定の担体に捕集する捕集手段22と、捕集された微生物に所定の試薬を供給することによって前記微生物の細胞内のATPを発光反応させる発光反応手段24と、発光反応させた微生物の発光強度を計測する光学計測手段28と、計測された発光強度の計測値をATP量と任意の微生物の細胞数に換算し、これらの換算値に基づいて運転条件を変更する演算制御装置30と、を備える。演算制御装置30は、ATP量の換算値が単位容積あたりに許容される微生物数を超えているか否かを判断する第1の判断と、ATP量の換算値の平均値に対する増減幅が所定の範囲内であるか否かを判断する第2の判断と、を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微生物計測システムに係り、特にATP法を用いた微生物計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
微生物数の計測は、食品衛生や医薬品環境などの分野で重要であり、高感度かつ迅速な方法を用いて、製品や環境中の微生物をオンラインで計測することが求められている。
【0003】
従来の微生物数の計測法としては、寒天培地を用いたコロニーカウント法や液体培地を用いた濁度測法などがあるが、これらの方法では、培養に一日から数日の時間を要するという問題があり、さらに濁度計測法においては、死菌や塵埃と生菌との区別ができないという問題があった。
【0004】
これに対して、近年では、迅速で感度の高い微生物計測方法として、発光試薬や蛍光試薬を用いて微生物細胞の構成物を特異的に標識し、発光強度を計測して微生物を求める方法が提案されている。このうち、ATP法は、生きた細胞が必ず含有する化学物質ATP(アデノリン−3−リン酸)を微生物数の指標とする方法であり、数〜数十分程度で計測が可能である。
【0005】
ATP法は、特許文献1に記載されるように、生物由来の酵素であるルシフェラーゼとその基質タンパク質であるルシフェリンによる生物発光を利用している。そして、微生物を含む試料からATPを抽出し、これをルシフェリン−ルシフェラーゼ混合液を添加して発光させることによって、発光強度からATP量を求める。
【0006】
微生物細胞が含有する1細胞あたりのATP量は、微生物の種類によって異なるため、ATP法は試料中の微生物の種類が明らかな場合に非常に有効である。この場合、既知量の微生物を含む試料を用いて作成した検量線を利用し、微生物細胞数へ換算することができる。
【0007】
また、試料が複数微生物の混合である場合には、特許文献2に開示されるように、標的微生物特異的抗体を用いて微生物を分離した後にATP法で定量することにより、標的とする微生物数を求めることができる。
【特許文献1】特許第3070780号公報
【特許文献2】特開2006−81506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の方法では、標的以外の微生物が含まれる際に、これを計測することができず、衛生管理や環境管理の分野では使用できないという問題があった。衛生管理や環境管理の分野では、不特定の微生物を含む試料を対象として単位容量あたりの微生物数を管理する必要があり、従来のATP法で、不特定の微生物に対して微生物数への換算ができず、異常な増殖を検知できないため、適用できないという問題があった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、ATP法を用いて不特定の微生物を計測し、管理することのできる微生物計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、試料を吸引口から吸引する吸引手段と、前記吸引された試料中の微生物を所定の担体に捕集する捕集手段と、前記捕集された微生物に所定の試薬を供給することによって前記微生物の細胞内のATPを発光反応させる発光反応手段と、前記発光反応させた微生物の発光強度を計測する光学計測手段と、前記光学計測手段で計測された発光強度の計測値を、ATP量と任意の微生物の細胞数に換算し、これらの換算値に基づいて運転条件を変更する演算制御装置と、を備え、前記演算制御装置は、前記ATP量の換算値が単位容積あたりに許容される微生物数を超えているか否かを判断する第1の判断と、前記ATP量の換算値の平均値に対する増減幅が所定の範囲内であるか否かを判断する第2の判断と、を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明によれば、ATP量換算値が単位容積あたりに許容される微生物数を超えているか否かを判断し、さらに、ATP量換算値の平均値に対する増減幅が所定範囲内であるか否かを判断するようにしたので、不特定の微生物であっても、微生物の異常な増殖を検出することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記演算制御装置が前記第1の判断で前記ATP量の換算値が単位容積あたりに許容される微生物数を超えたと判断した際、又は、前記第2の判断で前記ATP量の換算値の平均値に対する増減幅が所定の範囲内を超えたと判断した際、映像又は音によって警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明によれば、微生物の異常な増殖を警告手段によって作業者に確実に知らせることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は請求項1の発明において、前記演算制御装置は、前記ATP量の換算値が増加傾向にあるか否かを判断する第3の判断を行い、該第3の判断の結果に基づいて前記運転条件を変更することを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明によれば、ATP量の換算値が増加傾向にある際に、運転条件を変更するので、不特定微生物がゆっくりと大きく増加した場合であっても異常を検出することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は請求項1の発明において、前記吸引口の近傍に人感センサを設け、該センサの測定値に基づいて前記第1、第2の判断の基準を変えることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明によれば、人の有無に応じて判断基準を変更するようにしたので、より高精度な管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ATP量の換算値が単位容積あたりに許容される微生物数を超えているか否かを判断し、さらに、ATP量の換算値の平均値に対する増減幅が所定の範囲内であるか否かを判断するようにしたので、不特定な微生物であっても、微生物の異常な増殖を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下添付図面に従って本発明に係る微生物計測システムの好ましい実施形態について説明する。
【0020】
図1は微生物計測システムの構成を模式的に示している。同図に示す微生物計測システム10は、対象室12内に浮遊する浮遊微生物を測定対象とするシステムであり、対象室12の内部には、測定口14及びセンサ16が設けられる。
【0021】
センサ16は、対象室12内の人の存在を感知するセンサであり、後述の計測ユニット20の演算・制御機構30に電気的に接続される。測定口14は、浮遊微生物をエアともに吸引するための開口であり、搬送路18を介して計測ユニット20の捕集機構22に接続される。
【0022】
計測ユニット20は、捕集機構22、反応機構24、試薬供給機構26、光学計測機構28、及び、演算・制御機構30を備えており、前述した搬送路18は捕集機構22に接続される。捕集機構22は、エア中に浮遊する微生物を所定の担体に捕集する装置であり、捕集された微生物はポンプ32によって供給管34に送られる。供給管34は、反応機構24の反応容器36に接続されており、この反応容器36に微生物が供給されてATPが抽出される。
【0023】
反応容器36には、試薬供給機構26が接続されており、この試薬供給機構26によって、ルシフェリン−ルシフェラーゼ混合液が反応容器36に添加される。これにより、反応機構24では、微生物からATPが抽出されるとともに、ルシフェリン−ルシフェラーゼ混合液の添加によって生物発光反応が行われる。
【0024】
反応機構24の反応容器36には、光学計測機構28が接続されており、この光学計測機構28によって、反応容器36内での生物発光反応の発光量が計測される。光学計測機構28は、演算・制御機構30に電気的に接続されており、光学計測機構28の計測値のデータ(以下、発光強度Lという)が演算・制御機構30に出力される。
【0025】
演算・制御機構30には、入力機構38が接続されており、この入力機構38によって、演算に必要な基準値等が測定に先立って入力される。演算・制御機構30は、入力機構38で入力されたデータ、前述のセンサ16の測定値、光学計測機構28で測定した発光強度Lに基づいて以下のように制御を行う。
【0026】
図2は、演算・制御機構30の制御フローを示している。
【0027】
まず、制御を行うにあたり、各種の設定を行っておく(ステップS1)。すなわち、許容清浄度A(CFU/m)、微生物1細胞あたりのATP量B(mol/CFU)、変化係数Cを設定する。ここで、許容清浄度Aとは、対象室12の清浄度の許容値(微生物濃度規格)であり、たとえば無菌医薬品製造施設の場合には、グレードBである5CFU/mに設定される。
【0028】
微生物1細胞あたりのATP量Bは、一般に空中浮遊菌として存在する微生物の値であり、たとえば一般的な室内環境菌である Bacillus subtilis (Bacillus spizizenii) ATCC 9372 の値として7.13が適用される。なお、微生物1細胞あたりのATP量Bは、N.hattori et al./Analytical Biochemistry 319 287-295(2003)に示されているように、微生物の種類によって異なっている。図4の表は、一般的な室内環境菌1細胞あたりのATP量の一例を示しており、本実施の形態では、この表1の微生物なかから対象となる微生物を選択することによって、微生物1細胞あたりのATP量Bを決定する。なお、微生物の選択は、対象室12の浮遊菌を別装置で測定し、測定された微生物を選択するとよい。また、入力機構38等によって、測定毎に微生物を選択するようにしてもよい。ただし、微生物(試料の中身)が全く未知である場合には、微生物1細胞あたりのATP量Bを示す一般的な値として、1 mol (1×10-18mol)が入力される。一方、変化係数Cは、後述の換算値Xと、その平均値Yによって、|X−Y|/Yで表されるXの変化量の係数であり、たとえば0.5に設定される。
【0029】
次いで、発光強度Lを用いて、ATP量換算値X(mol/m3)を演算する(ステップS2)。そして、求めた換算値Xを用いて、菌数換算値P(=X/B)を求め(ステップS9)、さらにその菌数換算値Pを表示機構40に表示する(ステップS10)。
【0030】
一方で、ステップS2で求めた換算値Xを用いて第1の判断を行う(ステップS3)。第1の判断とは、換算値Xが第1の判断式(X<A×B)を満たすか否かの判断であり、この第1の判断式を満たした場合に、対象室12の清浄度基準を満足したことを確認できる。第1の判断式を満たした場合(すなわちXがA×Bよりも小さい場合)には次のステップS4に進む一方で、第1の判断式を満たさない場合には、エラーメッセージの表示を行う(ステップS8)。
【0031】
ステップS4では、換算値Xと同条件下で測定された前回までの平均値Yを演算する。そして、求めた平均値Yと換算値Xとを用いて第2の判断を行う(ステップS5)。第2の判断とは、平均値Y、換算値X、変化定数Cが第2の判断式(|X−Y|/Y<C)を満たすか否かの判断であり、この第2の判断式を満たす場合には、ATP量換算値Xの増減幅が一定範囲内であること、すなわち微生物量の増減が小さいことを確認できる。第2の判断式を満たす場合には、ステップS6に進み、第2の判断式を満たさない場合には、ステップS8でエラーメッセージの表示を行う。
【0032】
ステップS6では、第3の判断を行う。第3の判断では、所定時間(たとえば30分)ごとに換算値Xを比較する。そして、n回目の換算値Xの値をY、(n−1)回目の換算値Xの値をYn−1とした際に第3の判断式(Y>Yn−1)を満たす回数(頻度)によって判断を行い、たとえば、第3の判断式を満たす回数が全体の半数以内の場合を許容範囲として判断する。これにより、換算値Xが小さく連続的に増加する場合に、これを検出することができる。たとえば、微生物1細胞あたりのATP量Bが小さい Staphylococcus epidermidis などの微生物が混入して徐々に増加している場合であっても、これを検出することができる。
【0033】
ステップS6において、許容範囲であると判断した場合にはステップS7に進み、換算値Xと平均値Yを表示する。一方、ステップS7において許容範囲外と判断した場合には、ステップS8に進み、エラーメッセージを表示する。このステップ8のエラーメッセージにおいても、換算値Xや平均値Yも同時に表示することが好ましい。
【0034】
以上の制御により、微生物数が基準を超えた場合だけでなく、微生物数が短時間に大きく増加した場合や、長期間にわたって微生物数が増加した場合を検出することができ、微生物の異常な増加を検出することができる。
【0035】
次に上記の如く構成された微生物計測システム10の作用について説明する。
【0036】
まず、ポンプ32を駆動することによって試料を測定口14から吸引する。吸引された試料は、搬送路18を介して捕集機構22に搬送され、この捕集機構22によって、含有する微生物が捕集回収される。捕集回収された微生物は、供給管34を通って反応機構24に供給される。反応機構24では、微生物からATPが抽出され、必要な試薬が試薬供給機構26から供給されることによって、ルシフェリン−ルシフェラーゼ混合液添加による生物発光反応が行われる。光学計測機構28は、その発光を計測し、その情報を演算・制御機構30に送信する。
【0037】
演算・制御機構30は、上述したように、光学計測機構28から受け取る発光強度Lの他に入力機構38から入力される管理基準値や測定条件、センサ16から入力される測定条件の情報を記録し、発光強度LをATP量及び任意の微生物の細胞数に換算するとともに、これを統計処理した数値に対応して運転条件を(たとえば測定頻度をあげるように)変更し、さらに、微生物が異常に増殖した場合にはエラーメッセージを表示する。すなわち、微生物数が基準を超えた場合や、微生物数が短時間に大きく増加した場合、さらには、長期間にわたって微生物数が増加した場合に、これを検出してエラーメッセージを表示することができる。したがって、本実施の形態によれば、不特定の微生物であっても、その異常な増殖を検出することができ、衛生管理や環境管理の分野で好適に用いることができる。
【0038】
次に第2の実施形態を図3に基づいて説明する。図3は、演算・制御機構30における第2の実施形態の制御フローを示している。なお、図2のフローと同じステップは、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0039】
同図に示す実施形態では、まず、図2のフローと同様に、許容清浄度A(CFU/m)、微生物1細胞あたりのATP量B(mol/CFU)、変化係数Cを予め設定しておく(ステップS1)。
【0040】
次いで、発光強度Lを用いて、ATP量換算値X(mol/m3)を演算する(ステップS2)。そして、求めた換算値Xを用いて、菌数換算値P(=X/B)を求め(ステップS9)、さらにその菌数換算値Pを表示機構40に表示する(ステップS10)。
【0041】
一方で、ステップS2で求めた換算値Xを、センサ16の測定値に基づいてその演算値を分類する(ステップS11〜S14)。すなわち、センサ16から測定値が入力されることによって(ステップS11)、対象室12に人が居る場合(作業時)と、対象室12に人がいない場合(非作業時)とを判別し(ステップS12)、人が居る場合の演算値をX1とし(ステップS13)、人が居ない場合の演算値をX2とする(ステップS14)。そして、それぞれの場合において、図2のフローにおけるステップS3〜ステップS7と同様の制御を行う。
【0042】
人が居ると判断した場合(ステップS13)には、換算値X1を用いて、第1の判断式(X1<A1×B)を満たすか否かを判断する(ステップS15)。ここで、A1は作業時における許容清浄度である。そして、第1の判断式を満たす場合は、作業時の対象室12の清浄度基準を満足したことが確認されるので、次のステップS15に進み、換算値X1の前回までの平均値Y1を演算し、さらに、この平均値Y1と換算値X1とを用いて、第2の判断式(|X1−Y1|/Y1<C)を満たすか否かを判断する(ステップS17)。第2の判断式を満たす場合には、ATP量換算値X1の増減幅が一定範囲内であることが確認されるので、次のステップS18に進み、第3の判断として増加傾向にあるか否かを判断する。そして、増加傾向でないことが確認できた場合には、正常な状態であるとして、表示機構40に換算値X1と平均値Y1を表示する(ステップS19)。
【0043】
なお、ステップS15で微生物数が基準を満たさないと判断した場合や、ステップS17で微生物の増減幅が一定の範囲を超えたと判断した場合、さらには、ステップS18で微生物数が増加傾向であると判断した場合には、表示機構40にエラーメッセージを表示するとともに、X1、Y1の値を表示する(ステップS8)。
【0044】
同様に、人が居ないと判断した場合(ステップS14)には、換算値X2を用いて、第1の判断式(X2<A2×B)を満たすか否かを判断する(ステップS20)。ここで、A2は非作業時における許容清浄度であり、A1よりも高い清浄度に設定される。そして、第1の判断式を満たす場合は、非作業時の対象室12の清浄度基準を満足したことが確認されるので、次のステップS21に進み、換算値X2の前回までの平均値Y2を演算し、さらに、この平均値Y2と換算値X2とを用いて、第2の判断式(|X2−Y2|/Y2<C)を満たすか否かを判断する(ステップS22)。第2の判断式を満たす場合には、ATP量換算値X2の増減幅が一定範囲内であることが確認されるので、次のステップS23に進み、第3の判断として増加傾向にあるか否かを判断する。そして、増加傾向でないことが確認できた場合には、正常な状態であるとして、表示機構40に換算値X2と平均値Y2を表示する(ステップS24)。
【0045】
なお、ステップS20で微生物数が基準を満たさないと判断した場合や、ステップS22で微生物の増減幅が一定の範囲を超えたと判断した場合、さらにはステップS23で微生物数が増加傾向であると判断した場合は、表示機構40にエラーメッセージを表示するとともに、X2、Y2の値を表示する(ステップS8)。
【0046】
以上説明したように、第2の実施形態では、作業時と非作業時とに分けて制御を行うので、それぞれの場合において微生物の異常な増殖を精度良く検出することができる。
【0047】
なお、上述した実施形態では、空中に浮遊する微生物の測定、管理を対象としたが、測定・管理の対象は浮遊微生物に限定するものではなく、液中の微生物や付着微生物であってもよい。
【0048】
また、上述した実施形態は、微生物1細胞あたりのATP量Bを入力機構38から入力するようにしたが、これに限定するものではなく、本発明の微生物計測システム10を用いて任意の微生物のB値を求め、これを演算・制御機構30に記憶させておくようにしてもよい。この場合、測定時には表示機構40において微生物種を選択するだけで、微生物のB値を読み込むようにすればよい。
【0049】
上述した実施形態では、第3の判断を30分毎に行うようにしたが、これに限定するものではない。さらにその時間間隔を入力機構38等によって任意に変更できるようにしてもよい。
【0050】
また、上述した実施形態では、センサ16によって人の有無を検知するようにしたが、装置の稼働状態を検知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る微生物計測システムを模式的に示す構成図
【図2】演算・制御機構でのフローを示す図
【図3】図2と異なるフローを示す図
【図4】微生物の種類とATP量を示す表図
【符号の説明】
【0052】
10…微生物計測システム、12…対象室、14…測定、16…センサ、18…搬送路、20…計測ユニット、22…捕集機構、24…反応機構、26…試薬供給機構、28…光学計測機構、30…演算・制御機構、32…ポンプ、34…供給管、36…反応容器、38…入力機構、40…表示機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を吸引口から吸引する吸引手段と、
前記吸引された試料中の微生物を所定の担体に捕集する捕集手段と、
前記捕集された微生物に所定の試薬を供給することによって前記微生物の細胞内のATPを発光反応させる発光反応手段と、
前記発光反応させた微生物の発光強度を計測する光学計測手段と、
前記光学計測手段で計測された発光強度の計測値を、ATP量と任意の微生物の細胞数に換算し、これらの換算値に基づいて運転条件を変更する演算制御装置と、を備え、
前記演算制御装置は、
前記ATP量の換算値が単位容積あたりに許容される微生物数を超えているか否かを判断する第1の判断と、
前記ATP量の換算値の平均値に対する増減幅が所定の範囲内であるか否かを判断する第2の判断と、を行うことを特徴とする微生物計測システム。
【請求項2】
前記演算制御装置が前記第1の判断で前記ATP量の換算値が単位容積あたりに許容される微生物数を超えたと判断した際、又は、前記第2の判断で前記ATP量の換算値の平均値に対する増減幅が所定の範囲内を超えたと判断した際、映像又は音によって警告を発する警告手段を備えたことを特徴とする微生物計測システム。
【請求項3】
前記演算制御装置は、前記ATP量の換算値が増加傾向にあるか否かを判断する第3の判断を行い、該第3の判断の結果に基づいて前記運転条件を変更することを特徴とする請求項1に記載の微生物計測システム。
【請求項4】
前記吸引口の近傍に人感センサを設け、該センサの測定値に基づいて前記第1、第2の判断の基準を変えることを特徴とする請求項1に記載の微生物計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−17852(P2009−17852A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184545(P2007−184545)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】