微生物試料の処理ユニット
【課題】大量の生物試料を、また必要ならばクリーンルーム状態において、さまざまな基準に従って、特にこれらの基準が最初から生じる、又は処理段階中に変化するときに、処理する非常に異なった方法を用いる可能性を生じさせる。
【解決手段】本発明は、微生物試料を処理するためのユニットであって、たとえば微量滴定板内の試料を搬送するコンベヤ装置を有するユニットに関する。運搬装置上の1点に、処理ステーションが配置されている。ここで処理用の試料は、試料容器に入った状態で運搬装置から処理装置へ移送され、処理装置は、幾つかの処理領域を有することができ、そのうちの1つだけが常に処理位置にある。処理は、処理装置によって処理位置内で実行され、処理装置は、操作装置によってそのアイドル位置から処理位置へ変位させられる。操作装置は、処理装置の機械的及び機能的結合を行うための結合装置を有する。
【解決手段】本発明は、微生物試料を処理するためのユニットであって、たとえば微量滴定板内の試料を搬送するコンベヤ装置を有するユニットに関する。運搬装置上の1点に、処理ステーションが配置されている。ここで処理用の試料は、試料容器に入った状態で運搬装置から処理装置へ移送され、処理装置は、幾つかの処理領域を有することができ、そのうちの1つだけが常に処理位置にある。処理は、処理装置によって処理位置内で実行され、処理装置は、操作装置によってそのアイドル位置から処理位置へ変位させられる。操作装置は、処理装置の機械的及び機能的結合を行うための結合装置を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物試料を処理するための自動システム、又は自動化することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロチューブ内に入った微生物試料を特別な方法で処理することは、既知である。上記処理は、一定量の液体を液体試料から引き出すこと、試薬を導入すること、さまざまなパラメータを検定することなどからなる。大量の試料を頻繁に処理しなければならないので、マイクロチューブは、微量滴定板の形を有することができる受け器内に保管される場合が多い。微量滴定板の一部分を操作装置によって運搬できることも、すでに既知である。微量滴定板に機械可読ラベルを付けて、特定の微量滴定板内の特定試料の位置データを電子メモリにセーブすることが可能である。
【0003】
生物試料用の処理装置が、ヨーロッパ特許出願第1348485号から既知である。
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願第1348485号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大量の生物試料を、また必要ならばクリーンルーム状態において、さまざまな基準に従って、特にこれらの基準が最初から生じる、又は処理段階中に変化するときに、処理する非常に異なった方法を用いる可能性を生じさせるという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する、生物試料の自動処理ユニットを提供する。
【発明の実施の形態】
【0006】
ユニットは、試料容器を運搬するために制御駆動部によって動作させることができる運搬装置を有する。容器は、微量滴定板又は他のタイプの試料容器、たとえばウェルなどのキャビティを含むこともできる。ユニットはさらに、少なくとも1つの処理位置を含み、処理すべき試料をそこへ搬送する。それは、処理装置、たとえばピペット装置で処理される。この処理装置は、処理動作が、処理位置と向き合うこの点において該装置で起きることができるように、操作装置によって位置付けられる。
【0007】
このタイプの作業分散には、運搬装置、処理装置及び操作装置などの個々の装置又は器具が、互いに最大限に独立的に働き、それにより、それらの仕事を中央制御装置によって制御し、検査し、且つ左右することができるという利点がある。個々の操作装置を、それらの特別な作業に適応させることができる。たとえば、運搬装置はもっぱら、必要な試料容器及び消耗品すべての運搬に充てられる。操作装置の仕事は、処理装置の助けで、試料容器を規定通りに処理することである。
【0008】
本発明によるさらなる発展において空の試料容器を与えることができるために、ユニットは、試料容器を与えるためのマガジンと、試料容器をマガジンから取り出し、取り扱って運搬装置へ送る装置とを特徴とすることができる。また、この操作装置も、その他の操作装置から独立的に働くが、それを中央制御装置で制御することができる。
【0009】
特定状態の下で特定の処理期間を必要とする試料を処理できるようにするために、本発明によるさらなる発展において、ユニットは培養器を特徴とすることができ、該培養器は、試料を所定環境に収容するために使用されることができる。
【0010】
冒頭に述べた利点、すなわち本発明による運搬及び処理の独立性をさらに発展させるために、本発明によれば、処理位置を運搬装置の運搬部分の外側に配置することができるようになる。「運搬部分」という用語は、運搬装置に連結された試料容器が運搬されていく部分であると理解される。「この運搬部分の外側」とは、試料容器を、運搬装置が作業を続けることができるほど十分に遠くに変位させることを意味する。したがって、処理位置は、運搬部分の2側部の各々で横方向に配置されることができるが、運搬部分の上方又は下方にも配置されることができる。
【0011】
試料容器を運搬装置から処理位置へ送るために、本発明によれば、ユニットは移送装置を特徴とすることができる。この移送装置は、処理後に試料容器を処理位置から運搬装置へ戻す働きもすることができる。個々の場合の状況に応じて、運搬装置から処理位置への移送装置として、個別の操作装置を設けることができ、また、試料容器を処理位置から運搬装置へ送るために、第2移送装置を使用することができる。
【0012】
たとえば、移送装置は、運搬装置の停止時に送り出しを行うように働くことができる。移送装置を運搬装置と一緒に移動させ、それにより、試料容器を運搬装置で移動させる間、切り換え動作を行うことができるようにすることも可能である。
【0013】
本発明のさらなる発展では、この移送装置も同様に、その他の装置から独立的に、特に操作装置から独立的に作動するようにすることができる。
【0014】
生物試料の実際の処理が、処理位置で行われることは、すでに上述した。そうする際に、試料容器は処理位置で静止したままである。操作装置により、処理装置がこの位置へ運ばれる。非常に小型の試料容器の場合、操作装置は処理装置を、それが試料容器の開口と合致するように位置決めする。本発明のさらなる発展では、操作装置を、処理装置に機械的結合するだけでなく、機能的結合もするように構成することが提案される。たとえば、操作装置及び処理装置間の機械的結合を介してプラグ接続又は同様の接触を確立することにより、電力供給を行うこともできる。処理装置が機械的仕事も実施しなければならない場合、操作装置及び処理装置間を機械的駆動部によって結合することさえできる。それを処理装置に結合することにより、負の空気圧又は過剰圧力媒体を接続することも考えられる。このように、処理装置が操作装置に結合されるとき、とりわけ、その処理装置だけが処理の準備ができていることが確保又は実現される。この手段は、処理装置に可能な限り少ない数のケーブル又はホース接続を使用するという目的にも役立つ。クリーンルーム内を動き回るホース及びケーブルは、主たる汚染源である。
【0015】
操作装置を介して媒体(培養液)、水、洗浄液及び排出管を結合することも可能であり、これは、処理装置上のホースをなくすのを助ける。
【0016】
処理装置は、動作中でないとき、待機ステーションに配置される。この待機ステーションは、処理領域の外側に配置され、それにより、それは試料容器の運搬及び処理位置での試料容器の送り出しとかち合うことがない。
【0017】
本発明のさらなる発展では、待機ステーションを、そのステーションでの後の処理に備えて処理装置を準備しておくだけでなく、作業の中断時に装置のクリーニングを行うように構成することができる。特定の処理装置が使用されていない期間中、それのクリーニングを行うことができ、それにより、処理装置の待機時間を活用することができる。これは、ユニットの全処理量を向上させる。また、処理装置及び付着ステーション間で機能的結合をもたらすこともできる。これは、異なった仕事との機能的結合を含む。このように、付着時及び処理中断時のセルフクリーニング動作の制御時に、処理装置への電力供給を達成すべきである。
【0018】
生物試料に対して多種多様な処理を頻繁に実施しなければならないので、本発明のさらなる発展では、ユニットは、それぞれ独自の待機ステーションを特徴とする幾つかの独立的に動作する処理装置を特徴とすることができる。ユニットの制御部は操作装置を制御して、それがそれぞれの仕事に必要な処理装置を選択し、その処理装置を処理位置へ運ぶようにする。
【0019】
処理装置のクリーニング、たとえば個々の各処理後の殺菌のために相当な時間が必要な処理の場合、幾つかの同様な処理装置を設けることが好都合であろう。これは、本発明に基づいて、操作装置を処理装置から分離させることによって可能である。
【0020】
本発明に従って運搬領域、処理領域、操作装置及び処理装置を分離することにより、クリーニングの必要性が高い直列処理を個々の動作の間に取り扱うとき、2つの処理の取り扱いを交互に、たとえば1がクリーニングの必要性が高い直列処理を表すとき、1−2−1−2−1−3−1−4−1−2−1−2の順に行うことが可能になる。
【0021】
もちろん、処理装置は、たとえば微量滴定板のすべてのマイクロチューブ用に、多数の試料容器を有するように構成されることができる。処理装置はまた、処理位置にある試料容器を選択することが可能であり、それにより、処理作業を適当に行うことができるように構成されることができる。
【0022】
本発明のさらなる発展では、処理装置の待機位置及び/又は処理位置は、操作装置が単一の自由度に沿った直線運動を行うことによって処理装置の位置を選択して接近することができるように、配置されるようにすることができる。たとえば、直線に沿って移動可能な操作装置では、待機位置も直線に沿って配置することができる。しかしながら、固定軸を中心にして回転可能である操作装置を使用する場合、処理装置の待機位置を円経路に沿って配置することが妥当である。
【0023】
本発明のさらなる特徴によれば、操作装置の自由度が、運搬装置の運搬方向に平行な運動を有することも、同様に妥当である。
【0024】
ユニットの効率をさらに改善するために、処理位置自体が、好ましくは運搬装置の運搬方向に平行な方向に移動可能であるようにすることができる。これは、幾つかの処理装置が設けられ、処理装置の待機位置を置く領域が幾分大きくなって、処理装置がホース接続を必要とするときに特に有効である。その場合、処理位置を処理装置の待機位置へより近づけることができる。処理場所の限定されない移動により、製品段の上方での供給ホースの限界移動が排除されるので、これはクリーンルーム内での処理時に特に好都合である。
【0025】
操作装置を介した媒体供給により、ホース及びケーブルを省くことができるとき、他方では、処理ステーションを静止構造内に配置することも可能である。その場合、それらは、レールに載せるために制限された可動度を有する処理工具を有する必要がない。
【0026】
たとえば、キャリッジによって処理位置が移動可能であるとき、本発明によるさらなる発展では、キャリッジはまた、幾つかの処理ステーションであって、常にそのうちの1つだけが処理位置で処理装置と連結されることができる、幾つかの処理ステーションを特徴とすることができる。このように、処理を継続する間、手渡し動作を行うことができる。
【0027】
試料容器を移動させる運搬装置は好ましくは、回転運搬装置であって、その内部を試料容器が閉鎖経路に沿って移動する。この閉鎖運搬経路が2つの平行部分及び2つの連結リターンプーリを特徴とするとき、特に妥当である。したがって、運搬経路は、楕円形に対応する。操作装置は、たとえば直線部分の近傍に位置付けられることができる。しかしながら、空間的理由から、操作装置及び/又は処理装置及び/又は処理位置をリターンプーリ内に配置することが好ましい。比較的多くの待機位置をそこに配置することができ、それらは、長距離にわたることなく、操作装置によって制御されることができる。
【0028】
処理位置は、運搬部分と処理装置の待機位置との間に好都合に配置されることができる。
【0029】
本発明によれば、試料容器として、微量滴定板を設けることができる。
【0030】
試料容器の運搬は、たとえば、運搬装置が、一定間隔の微量滴定板用の受け器を特徴とし、それぞれの微量滴定板用に1つの受け器が設けられる。移送装置は、それが微量滴定板又は試料容器又は幾つかの試料容器を処理位置に手渡すように構成されることができる。移送装置が受け器を試料容器とともに処理位置へ移送することも、同様に可能であって、本発明によって提案される。
【0031】
ユニットが、空の試料容器を保管するためのマガジンを特徴とすることができることを前述した。このタイプのマガジンは、駆動部によって回転させることができるカルーセルタワーとして構成されることが多く、送りは1つの位置で垂直列に沿って行われる。
【0032】
本発明はここで代わりに、マガジンが、一列の試料容器を直列に配置するために前側まで延びる少なくとも一直線を、好ましくは上下に配置された多数のレールを特徴とする。このように、より多数の試料容器を狭い空間内に収容することができる。好ましくは、幾つかのそのようなレール構造を互いに横に並べて配置する。
【0033】
本発明のさらなる発展では、容器を前側の方向に装填してストッパに当接させるように、レールを形成することができるようになっている。このように、試料容器がガイドウェイ内にまだ得られるならば、前側で試料容器を常に自由にすることが、送り出し点で確保される。それは、操作装置によってそこで達成されることができる。
【0034】
容器が載せられた従動ローラにより、前側からの引き入れを行うことができる。
【0035】
試料容器の装填のさらなる可能性として、容器を載せる回転ベルトを、たとえば2つの平行な回転ベルトを設けることができる。その場合、ベルトをモータによって駆動することができる。
【0036】
送りプロセスのために、ベルト及びローラ間、又はローラ及び容器間に滑りが広く存在するようにすることができる。しかしながら、ベルト又はローラと駆動部との間に滑りが生じることも、同様に可能であり、本発明の範囲に含まれる。
【0037】
さらなる可能性は、コンベヤの傾斜形状によって装填プロセスを生じることを含む。それにより、コンベヤをローラコンベヤにして、試料容器をローラ上に載せて、それら自体の重量によって前側のストッパに当たるように装填することができる。この前側のローラコンベヤが下向きの傾斜を特徴とする場合、マガジン用の駆動部が必要なくなる。
【0038】
さらなる可能性として、平滑材料で被覆したコンベヤベルトであり、それにより、重量の作用で試料容器を同様に前方へ送り、コンベヤラインに沿って摺動させることができる、コンベヤベルトがある。
【0039】
操作装置は、それぞれ各列から第1試料容器を取り出す一方、その他のものは摺動する、又は所定位置で転動する。上下に配置されたローラコンベヤからなる複数のディスクにより、マガジンを互いに横に並べて構成することができ、マガジンは、たとえば密集した空間内に多数の微量滴定板を収容することができる。それにより、ローラコンベヤは、試料容器用、特に微量滴定板用の上部ガイドを特徴とすることができる。ローラの上側とそれぞれの上部ガイドの底側との間の距離を、取り外した蓋の高さと試料容器の蓋を外した底部分の高さの合計より小さいようにすることができる。
【0040】
ローラの上部ガイドがそれぞれ上部ローラコンベヤによって形成されるように、ローラコンベヤを構成することが、特に役立つ。
【0041】
試料容器を取り出すために、操作装置は、それが前側の試料容器をストッパの上方へ持ち上げるように構成されることができる。
【0042】
第2の可能性として、次の試料容器の前方の容器の移行中、操作装置が試料の容器の前方のストッパを解除して、水平に開いた隙間内へそれを滑り込ませる。
【0043】
運搬装置に必要な下向き勾配の、したがって水平面に対して傾斜したローラコンベヤから試料容器を移行させる間、水平に配置された試料容器と次の試料容器との間に常にギャップが生じる。このギャップは、次の試料容器の前側上縁部上に強い応力を生じる効果を有する。これにより、蓋がはね飛ぶ可能性がある。さらに、ローラコンベヤに製品を装填するとき、製品が送り出し開口の位置でストッパ縁部に全力でぶつかる、又はすでに送出されている製品にぶつかる。この場合でも、入ってくる製品の蓋がはね飛んで、ガイドウェイを塞ぐであろう。また、前側の容器を上昇させるとき、蓋がはね飛ぶ危険が常に存在する。蓋の上方かつ上部ガイドの下方の余裕が蓋のはね飛びを防止するような寸法であるので、蓋のはね飛びが防止される。
【0044】
本発明によるユニット用に可能な培養器は、その培養器に出し入れする試料容器の送りが、直線且つ水平線で行われるように、配置されることができる。この目的のため、培養器は、運搬装置と同じ高さに配置された開口を特徴とすることができる。開口は、試料容器を培養器に入れたり、それから取り出すのに役立つ。
【0045】
それは、試料容器がそれにぴったり合って通過するような高さの寸法を特徴とする。試料容器を出し入れするための操作装置を培養器の外側に配置して、開口に沿って移動させることができる。開口は、すべての試料容器を培養器の内部で利用可能な受け器に直接的に押し込むことができる長さである。
【0046】
本発明のさらなる発展では、培養器の内部に設けられた操作装置によって試料容器を移動させることができるように、培養器を構成することが可能であろう。しかしながら、駆動部は培養器の外側に配置される。壁を貫通して引き込まれて、軸受けに取り付けられたシャフトにより、それを駆動部と結合させることができる。これらの軸受けは、適当に密閉されることができる。駆動部を培養器の外側に配置することにより、汚染の危険がほとんどなくなる。培養器の内部をクリーンルーム状態にしておかなければならないので、これは特に重要である。さらに、アグレッシブガス又は薬品によって内部空間を消毒する可能性も存在する。
【0047】
内部空間内の気候状態を標準化するために、培養器内の試料容器をゆっくり移動させるように、駆動部を構成することができる。
【0048】
内部に支配的である状態が、培養器への積み下ろし時に乱されるのをできる限り少なくするために、本発明によるさらなる発展では、培養器が入口水門を特徴とし、それにより、内容物の装填及び取り出しの目的のためにだけ開くようにすることができる。たとえば、この入口水門は、回転ドアと同様に構成されることができる。
【0049】
複数の試料容器を横に並べて配置するために、培養器が長時間にわたって開いている可能性があるので、本発明によれば、水門のドアを分割することができる。
【0050】
本発明によれば、閉鎖経路に沿って配置され、且つその経路に沿って、好ましくは両方向に運搬可能である試料容器用の複数の受け器を特徴とする培養器をユニットに設けることも可能である。「試料容器」について、この場合、複数のマイクロチューブ又は同様の操作装置を収容する微量滴定板を考えることもできる。閉鎖経路に沿った移動とは、各受け器を、培養器への装填、及びその内容物を取り出すことによる培養器からの排出を行うために開口が設けられている点へ運ぶことを意味する。この閉鎖経路はたとえば、受け器を2つの回転チェーン、ベルト又はロザリオに似た他の手段に取り付けて、特に懸架することで形成される。このように、試料容器は培養器内も移動することができ、それにより、すべての試料容器が同一ルーム内に保持される。
【0051】
本発明のさらなる発展では、チェーン、シェルフ又は同様のものが、それに対して垂直方向に進む多数のストランドを特徴とするようにすることができる。これにより、培養器の高さを減少させ、それにより、内部がやや立方体形状になり、より均一な状態を有することができる。
【0052】
本発明のさらなる発展では、培養器は、駆動可能な回転ベルトからなる多数段を特徴とする、又はそのような駆動部を特徴とすることができる。各段に、平行な試料容器列を収容することができる。
【0053】
本発明のさらなる発展では、垂直方向に移動可能であり、且つ任意の高さ、又は少なくとも運搬段の幾つかに対応する高さで停止することができる運搬セグメントを備えることができる。このように、1つの入口開口であって、培養器ハウジングの全幅にわたって延びる長さを特徴とするであろうが、試料容器を外側からそれに押し通すことができるほどの高さがあればよい1つの入口開口に対処することもできる。これは、運搬セグメントによって対応段まで昇降させることができる。運搬セグメントは、互いに隣り合わせて配置される一連の試料容器を収容することができる。上記段に、二次元的に広がった試料容器が設けられる。
【0054】
本発明の別のさらなる発展では、運搬セグメントと段の回転ベルトとの間に駆動結合部を設けることができ、運搬セグメントが対応段の高さにあるとき、それを作動させることができる。その場合、運搬セグメントの移動により、一連の試料容器をその段上へ移送することができ、この移送プロセス中に、その段は1サイクルずつ前進させられる。この目的のために、コンベヤベルト用の能動駆動部がまったく必要ない。
【0055】
本発明のさらに別の発展では、培養器は戻しセグメントを特徴とし、この戻しセグメントは、運搬セグメントと同様に、垂直方向及び横方向に移動することができ、且つ段の高さで停止できるようにすることができる。この戻しセグメントは、段に押し通されて別の段へ戻される試料容器を受け取るために使用され、その別の段から、運搬セグメントが位置する場所へ戻される。
【0056】
戻しセグメントと段の回転ベルトとの間にも、駆動結合部を設けることができる。高さと駆動部及び上記段の戻しセグメント間の結合部が一致するとき、これを作動させることができる。戻しセグメントは好ましくは、運搬セグメントのように、両方向に駆動されることができる。
【0057】
培養器に供給するために操作装置を設けることができ、これは、培養器の外側に設けられて、培養器の入口開口に沿って移動することができる。本発明によれば、さらなる発展のユニットは、ある点で、又はまれに発生する状態において手動式動作が望ましい場合、運搬装置に対する試料容器の手動送り又は取り出しを行うための装填ステーションを特徴とすることができる。
【0058】
本発明によれば、ユニットは同様に、試料容器がもはや必要ないとき、それらのための自動排出ステーションを特徴とすることができる。ユニットは、処理ステーション内での試料容器の送出の直前に、その蓋を取り外すための装置を特徴とすることができる。特別且つ珍しいさらなる処理を実行するために、個別の追加分析又は処理ステーションを運搬セクションに沿って配置することができる。本明細書で述べるマガジン及び培養器はまた、本明細書に記載したユニットのタイプに関係なく使用されることができ、それにより、それらに対して独立的な保護を要求する。本発明の追加的な特徴、詳細及び選択は、特許請求の範囲及び要約書から生じ、その両方の表現は、本発明の好適な実施形態の以下の説明及び図面を含む出願書類の内容に言及する。
【実施例】
【0059】
図1は、本発明によるユニットの一例を、上方から見た全体図で示す。ユニットは、運搬装置1を含み、これはたとえば、チェーン又はベルトで形成される。この運搬装置は、駆動部(図示せず)によって駆動され、原則的に移動は両方向に可能であるが、一方向だけの移動が好ましい。運搬装置は、試料容器用の複数の受け器2を閉鎖経路に沿って駆動し、閉鎖経路は、2つのリターンプーリ4によって互いに連結される2つの平行な直線部分3を特徴とする。運搬装置が回転チェーンを特徴とすると考えるとき、リターンプーリ4はリターン歯車で形成されるであろう。しかしながら、運搬装置が実際にチェーンを有する必要はない。たとえば、図1に記載された形状を特徴とするガイドを設けることもできる。受け器2は、一定間隔を置いて配置され、運搬装置によって駆動される。移動は、間欠的又は連続的であることができる。
【0060】
生物試料は、図1に示すとき、運搬装置1の下端部で処理される。ユニットのさまざまな詳細が位置する基部5が設置され、それらの詳細については後述する。
【0061】
図示の例では、運搬装置1の直線走行部分3のそばに、空の試料容器用の2つのマガジン6が配置されている。各マガジン6は、操作装置7を備えており、これは、試料容器、たとえば微量滴定板をマガジン6から取り出して、受け器2に入れる。これらの試料容器は次に、運搬装置によって図1の底部の処理ステーションまで運ばれる。
【0062】
反対側に培養器が配置され、その内部で、試料の処理中、いっぱい入った試料容器が一定期間にわたって待つことができる。
【0063】
運搬装置1上に受け器2を送るために、移送装置9が使用されるが、これについては詳細に説明しない。
【0064】
機械基部5上において、試料を処理するための操作装置が自由状態にある。キャリッジ10が、受け器2が占める場所の外側で円形ガイド上に配置され、これは、リターンプーリ4の中心回りに両方向に限定移動可能である。微量滴定板用の幾つかの受け器11が、キャリッジ10上に設けられている。同様に、幾つかの処理装置12が、キャリッジ10及び受け器11が占める場所の外側に配置されており、ここでそれらは待機位置を特徴とする。したがって、処理装置12の待機位置は、キャリッジ10の周り及びリターンプーリ4の周りに同心状に配置された円形ガイド上にある。
【0065】
リターンプーリ自体の内部において、操作装置13が、リターンプーリ4の中心点回りに回転可能に取り付けられており、これはリターンプーリ4の中心点回りに旋回することができるとともに、他の移動を実行することもできる。
【0066】
図示の実施形態の場合、受け器2は、運搬装置1の外側に配置され、マガジン6及び培養器8も、外側に配置されている。試料容器をマガジン6から受け器2へ、また受け器2から培養器8へ送出する間、実際の運搬装置は邪魔しない。より複雑な移送装置では、運搬装置の異なる側において、一方で受け器2を、他方で培養器8及びマガジン6を、配置することもできるであろう。
【0067】
上述したように、キャリッジ10の受け器11は、運搬装置の受け器2の領域の外側に配置されており、処理装置12の待機位置も、キャリッジ10の領域の外側にある。
【0068】
操作装置13のそばに、カルーセル14が配置され、これは試料容器の蓋を保持することができる。グリッパ15が、処理ステーションに接近中の試料容器の蓋を取り除き、それをカルーセル14上に載せることができる。処理ステーションを通過した後、グリッパ15は再びカルーセル14からそれぞれの蓋を取り上げて、試料容器に被せる。カルーセル14は、運搬装置1と同一速度で回転する。このように、各蓋を、それを取り外した試料容器に対応付けることができる。
【0069】
処理装置12、キャリッジ10及び運搬装置の受け器2の配置が、図2に再び示されている。図2は、非常に概略的に理解されるものとする。処理装置12は、キャリッジ10のガイドレールの外側の待機位置に配置されている。微量滴定板用の幾つかの受け器11が、キャリッジ10上に設けられている。運搬装置1の受け器2の運搬経路は、操作装置13が内部に配置される処理ステーションの中心点に最も近い位置にある。操作装置は、リターンプーリ4において運搬装置1の中心軸を中心にして回転することができるだけでなく、両アーム16及び17を揺動させることもできる。さらにまた、前端部には、より短いアーム18が揺動できるように取り付けられており、このアームの自由端部に結合装置19が設けられている。結合装置19で、操作装置13の前アーム18は処理装置12上のソケットと結合する。次に、この処理装置12をその待機位置から取り出して、キャリッジ10上の受け器11と向き合わせて位置付け、次に、処理装置12がキャリッジ10上の受け器11内の試料容器を処理することができるまで、降下させる。試料容器は、移送装置(図示せず)によって運搬装置の受け器2からキャリッジ10上の受け器11に移送されている。試料容器の処理は、常にキャリッジ10上の受け器11内で行われ、ここで、常に1つの受け器11だけが処理位置にある。この処理位置は、固定場所を特徴とする必要はなく、キャリッジ10の移動の一定部分にわたって変わることができる。ホース接続部又はラインを特徴とする処理装置12では、処理を行うべき受け器11を、対応の装置12へより近づける。したがって、試料容器が入っている幾つかの受け器11がキャリッジ10上で使用可能であるときでも、常に1つの処理位置だけが存在する。
【0070】
次に、マガジン6を拡大して詳細に示す図3〜図6を考えると、マガジン6は、試料容器20用の、互いに上下に配置されたガイド上に、互いに横に並んだ幾つかの板を有する。図3は、これを概略的に示すだけである。個々のガイド用に格子状構造体を有すれば十分であるので、個々の板の間に仕切壁を配置する必要もない。個々のガイド内に、試料容器20が連続的に配置されており、第1試料容器20は、図4に見られるストッパにより、滑り落ちることが防止される。残りの試料容器20は、それらの重量により、それぞれの前側の容器の上に位置する。図3は、前側から見たそのようなマガジンを示している。前側は、装置7で送り出しが行うべきそれぞれの側部である。
【0071】
図4は、マガジンのガイドウェイに直列に配置された2つの試料容器20を概略的な側面図で示す。ガイドレールは、ローラコンベヤとして形成されている。側部ウィング21にローラ22が回転可能に取り付けられている。2つのローラ22間の距離は、各位置の1つの試料容器20が幾つかのそのようなローラ22上に位置するように選択される。図4から推理することができるように、試料容器20の上側23とすぐ上の側部レール21のローラ22との間の距離は短い。最上位置の側部レール21を除けば、それぞれすぐ上の側部レール21のローラ22は、そこに得られる試料容器用のガイドを形成するだけでなく、下側の試料容器20用のガイドも形成する。
【0072】
上述したように、各ガイドウェイの前側試料容器20は、ストッパ24によってマガジンから脱落すること、又は滑り出ること、又は転がり出ることが防止される。試料容器20をマガジンから取り出すには、操作装置が試料容器20の前側底縁部を、それがストッパ24を越えるのに十分な高さに持ち上げなければならない。試料容器20の上側23と上側の側部レール21のローラ22との間の空間が、ストッパ24の上縁部とその下にあるローラ22の上縁部との間の距離よりわずかに広いので、これが可能である。
【0073】
前側の容器20をその前側付近で持ち上げて、それが水平面に近づくようにすると、その後側の上端部が、次の試料容器20の蓋25の前側の上縁部を押し付ける。これは、この試料容器20の蓋がはね飛ぶ危険をもたらす。しかしながら、試料容器は、処理ステーションに達するまで、蓋を備えていなければならない。試料容器として一般的に使用される微量滴定板は、図5に概略的に示されているよう見える。試料容器は、蓋25と下側部分26とを有する。下側部分26は、段差部27を有し、これは、下側部分の上縁部28から一定距離を特徴とする。蓋25は、下側部分26の段差部27より上方に残る下側部分の帯状部を取り囲むように形成されている。閉鎖状態では、蓋25の底縁部29が、段差部27上に載る。したがって、蓋25を下側部分26から持ち上げることができるようにするためには、蓋25を上縁部28及び段差部27間の距離だけ上昇させなければならない。蓋が不注意ではね飛ぶことを防止するために、互いに上下に配置された2つのコンベヤ21間の距離は、蓋25の上側23とその上のローラ22との間の距離が、段差部27から上縁部28までの距離より短くなるように決定される。これにより、そのようなマガジンをこの適用例に使用することが可能になるが、その場合、傾斜したガイドウェイと水平位置との間の遷移のために、蓋がはね飛ぶ危険が存在する。
【0074】
図6は、ガイドウェイ内の、蓋及び下側部分を有する試料容器を正面から見た図を示す。ここで、側部レール21上のローラ22は、試料容器20をその縁部に沿って支持するだけであり、そのため、中間領域が自由になっていることがわかる。ここに操作装置を当てることができる。
【0075】
図7は、生物試料を処理するユニット内に使用することができるときの培養器を非常に簡単な形で示す。断熱壁を有するハウジング内に、回転運搬手段30が配置されており、これは、上部領域内に配置された3つのガイドプーリ31と、下部領域内に配置された4つのガイドプーリ32とによって案内される。図示しない駆動部によって回転運搬手段30を移動させることができる。好ましくは、それを両方向に移動させることができる。したがって、回転運搬手段のすべての点を、培養器への装填及びそれからの排出用の開口32に合わせることができる。試料容器20用の受け器35が、回転運搬手段に、たとえば2本のチェーン34に取り付けられる。これらは側部にL字部材36を有し、これは上向きに並べられ、上部領域で、チェーン34上の軸37を中心にして回動する。その結果、チェーン34が瞬間的にいかに走行しているかに関係なく、受け器35を並べることができる。幾つかの垂直ストランドを使用することにより、培養器の内部の高さを減少させることができ、これにより、その内部空間内の温度分布をより均一にすることができる。
【0076】
図9は、図7の培養器の入口開口33をいかに構成できるかを詳細に示す。多くの試料容器20が、図8に示す受け器35上に互いに隣り合わせて配置される。培養器は、図7の図面に対して垂直方向に長いことを特徴とする。95%を超える高レベルの湿度が培養器内に存在し、また存在する必要があるので、試料容器への装填及びそれからの排出時に、入口開口を必要な広さに開くだけにし、それにより、湿度が低下することがないようにするべきである。この目的のため、本発明のさらなる発展では、図9に示すように、水門41を設けることができる。開口内に、切り欠き部43を有する往復及び回転式シリンダ42が配置されている。このシリンダ42は、水平軸44を中心にして回転可能である。培養器の、開口33の上方及び下方の壁45は、円形シリンダの一部分の形状を特徴とする壁部分46を含む。回転式シリンダ42は、壁部分46上に密封接触状態に載るように配置される。図示の位置において、試料容器20をシリンダ42の内部に挿入することができる。回転により、シリンダを押し出すことができるように、開口43を整合させることができる。シリンダ42の内部を部分的に満たすこともできる。
【0077】
図10は、培養器の前側から開口を示す。上述した理由から、開口を非常に長くすることができるので、それを細分割することが可能である。これが、図10に示されている。この場合、左位置に切り欠き部43を有するシリンダ42が半開き状態にあるのに対して、次の位置では閉鎖されている。個々の水門の開口の細分割を、たとえば単一の試料容器20の幅に対応させることができる。
【0078】
図11及び図12は、培養器の第2実施形態であって、特に本発明によるユニットにいかに適用することができるかを示す。図7及び図8の培養器では、試料容器20が経路に沿って直列に配置されるのに対して、培養器内での試料容器の別の収容方法が提案されている。この場合、試料容器20に複数の平行段が提供されており、図11は、そのうちの2段だけを示す。各段において、回転ベルト48が設けられ、その上側ストランド49上に、試料容器20が配置される。回転ベルト48は、それぞれ2つのガイドプーリ50に掛けて案内される。
【0079】
各段のそれぞれのガイドプーリ50の前方及び後方に、2つのシャフトが設けられ、その内部に、矢印51で表されるように、高さ方向に移動可能なセグメントがそれぞれ配置されている。運搬セグメント52が、入口開口33の後方に配置されている。これは、コンベヤベルト53を有し、このベルトは2つの平行なガイドプーリ54に掛けて案内される。図11においてこのコンベヤベルト53の左から右まで測定した幅は、サンプル容器20の寸法にほぼ対応する。図11の図面の平面に対して垂直方向のコンベヤベルト53の長さは、この方向の培養器の全寸と同じ大きさである。上述したように、運搬セグメント52は、培養器の全高にわたって移動することができる。それは、高さ移動用の駆動部を備え、その駆動部は、コンベヤベルトをガイドプーリ54に掛けて両方向に移動させるための駆動部とともに、培養器内部の外側に配置される。結合部材55が一方のガイドプーリ54に連結されており、これは、各段のコンベヤベルト48のガイドプーリ50上の対応の相手側結合部材56と合わせて、結合部を表す。運搬セグメント52を特定段と同じ高さに移動させると、2つの結合部材55、56を連結させることができる。そして、運搬セグメント52用の駆動部が、その段の回転ベルト48も駆動することができる。
【0080】
入口開口33の、壁から離れる方向に面する反対側に、戻しセグメント57が配置されており、これは実際には、運搬セグメント52とまったく同様に形成されている。ここでも、培養器の内部に面しているガイドプーリ54用の駆動部は、結合部材55を備え、これは、その段のベルト48の対応の結合部材56と相互作用することができる。
【0081】
図11には概略的に示されているだけである結合部材は、培養器の仕切壁58を貫通して、やはり培養器のハウジング内にあるが培養器の内部の一部ではない空間59内へ突出している。ガイドプーリ54のシャフトの延長部分に配置された歯車60間で、結合部をかみ合わせることができ、それにより、適正な回転方向が定められる。これは、幾つかの歯車によって行われることができ、また他の方法、たとえば磁気結合も適用することができる。
【0082】
図11又は図12に従った培養器が動作する原理及び/又は仕方は、以下の通りである。開口33の前方に得られる、開口33の長さに沿って移動可能な移送装置に助けられて、試料容器は開放している水門を通って、開口33の後方の運搬セグメント52上に移送される。同時に処理されるべき製品が、運搬セグメント52上へ少しずつ押し進められる。処理用のさらなる試料容器がなくなるとすぐに、運搬セグメント52が、ある段の高さまで上昇する。次に、結合部材55、56からなる結合部が連結されて、運搬セグメント52の水平駆動部を動作させる。それにより、一連の試料容器20が、運搬セグメント52から対応段のベルト48上へ移送される一方、その段に得られる試料容器20は同時に、1サイクルずつさらに移動させられる。その後、結合部が再び解除されて、運搬セグメント52はその始動位置へ再び移動する。この手順が幾度も繰り返される。試料容器20が対応段の端部の反対側に達するとすぐに、それらは同様にして、戻し運搬セグメント57から引き継がれる。ここでも、同様に動作する結合部が設けられている。一連の試料容器20を引き継いだ後、戻し運搬セグメント57はそれらを別の段へ運び、そこでそれらはこの上記段のベルト上に逆にして載せられる。そして、このベルトは循環式に逆方向に移動し、それにより、そのプロセスの最後で試料容器20を入口開口33の後方の運搬セグメント52によって再び受け取ることができる。ここから、それらを培養器から取り出すことができる。試料容器20は、それらを入れた順番と同じ順番で培養器から取り出される。したがって、これはFIFO(先入れ先出し)培養器又はメモリを含む。
【0083】
運搬セグメント52、57によって駆動部が段に結合されると、それらはどこでも同一速度で動作し、それにより、一方向に動作する段の数は、逆方向に動作する段の数と同じである。ある方向に動作する段は、制御装置によって決定されることができる。
【0084】
図13は、本発明に従ったユニットと組み合わせるのが有利であるさらなる装置を示す。試料容器の蓋を持ち上げる装置がそこに設けられるが、試料の処理時に邪魔になることは、図1を参照しながら上述した。他方、蓋は、正しい試料容器上に、すなわち、それを取り外した試料容器上に再び載置されなければならない。図13は、これの第2の可能性を示す。回転板61が設けられており、これは、運搬装置の2本のストランドの中間の垂直軸を中心にして回転可能である。
【0085】
回転板61の底側に、それぞれ蓋用に配置された幾つかの受け器62があり、その中心に吸着カップ63が設けられ、管64を介して負圧に接続されている。試料容器20用の受け器の下側に、板66を押し上げることができる駆動部65が設けられている。駆動部65は、受け器の2本のアームの間の板を押して、吸着カップ63の底側上の蓋がユニットに達するまで、試料容器20全体を持ち上げる。それに達したとき、それ以上の空気をホース64で吸い込むことができなくなるので、制御装置は圧力降下によってこれを検出することができる。この時点に達するとすぐに、駆動部65は板66を再び下方へ移動させ、それにより、試料容器20が再び受け器上に降ろされる。次に回転板61を回転させ、それにより、現時点で蓋を内側にしっかり保持している受け器62が、試料容器20の移動と同一サイクルで移動する。反対側で、蓋は、それを取り外した試料容器20上に再び載置されることができる。したがって、蓋及び試料容器間の関連性が確実に保持されるように、注意が払われる。
【0086】
したがって、本発明は、自動的に動作すべきユニットであって、複数のサンプルを自動的に処理することができるユニットを提供する。処理方法が試料毎に変わる可能性があり、また、処理方法及び/又は試料に応じて、処理時間が非常に短くなり得ることも起きるであろう。
【0087】
処理領域の内部には、多くの場合にクリーンルーム状態が広がっている。特に操作装置又は試料キャリヤの移動を意味する作動活動をクリーンルーム状態に適応させなければならない、すなわち、それらを最小限に抑えなければならない。本発明は、異なる可能な処理の数を減少させることなく、操作装置の数を最小限に抑えることで、これを解決する。さらに、本発明は、処理能力を低下させることなく、試料の処理に必要な空間全体を狭い領域に制限する。さらに、処理ステップ間で試料キャリヤを移動させることなく、異なった処理装置での試料の処理が可能である。
【0088】
次に、図14について考える。図1では、ユニットの端部において、すべての作業場所が操作装置13からグリップ距離に配置されていることが、処理ステーション上に示されていた。非常に概略的であるが、図14は、側方処理ステーション72を、操作装置13を備える処理ステーション用の延長配置レール71上に配置することができ、その上で活動を、操作装置13から独立している作業ステーションによって実行することができることを示す。さらに、図14は、処理領域全体を外壁73によって包囲することができることを示している。また、運搬部分自体は、処理領域の外壁73とつながった、図示しないトンネルを通って進むことができる。
【0089】
図1及び図14に従った実施形態の操作装置13は固定点に配置され、それにより、グリッパアームは、固定式垂直軸を中心にして回転することができるが、図15は、操作装置13が、コンベヤ部分の長手方向にレール74上を移動することができる変更形を示している。これにより、配置レール71上の処理ステーションだけでなく、直線処理ステーション72にも装填することが可能になる。
【0090】
図16もやはり変更形実施形態であって、基部105上の固定式操作装置13に加えて、やはり直線側方処理ステーション72が配置され、その上に送り及び他の操作装置75が設けられている変更形実施形態を示す。これらの操作装置75は、直線レール76に沿って移動することができ、したがって、構造が簡単であるとともに、制御が容易である。もちろん、複数の操作装置75をレール76上に配置することができる。非常に多数の個別制御可能な処理ステーションのため、本実施形態において、幾つかの蓋用パイル14を対応のグリッパ15とともに設けることができる。
【0091】
図15及び図16に従った実施形態においても、基部105はハウジング73内に配置されており、ハウジングは、把持することが必要な点で開放することができる。ハウジングは好ましくは、透明材料で形成され、それにより、すべての処理を外側から目視検査することもできるようにする。
【0092】
図1に示された運搬装置は回転装置を有し、その上に、容器又は同様の物体用の受け器を取り付けることができる。受け器の数に従って、また必要ならば、一定の容器に必要な処理の数に従って、回転装置も並はずれた長さを有することができる。何らかの理由で直線装置を収容することができない場合、本発明によれば、幾つかの運搬部分を有する配置ユニットを構成し、次にそれらを互いに組み合わせ、それにより、1つの運搬部分から別の運搬部分への送出が可能であるようにすることができる。図17は、一例を示す。さらに、本発明は、格子寸法、及び格子寸法の整数倍に対応する長さを有する運搬部分の個別部分から、運搬部分をいかに構成すべきかを決定する。たとえば、図17では、運搬部分77の長さが格子寸法の6倍に等しく、また隣接の運搬部分78の長さが格子寸法の8倍に等しい。
【0093】
図17の配置では、1つの運搬部分のリターンプーリ端部に、隣接の運搬部分のリターンプーリ端部が配置される。また、リターンプーリ端部を有するさらなる運搬部分を、第1運搬部分の直線部分上に配置することができる。
【0094】
図1には、運搬装置のリターンプーリが概略的に示され、説明されているだけである。図18及び図19は、幾分拡大した詳細図でより詳細な構造を示している。ここでは、受け器ガイドがその駆動部から分離されている。受け器用に運搬ネスト80が設けられ、これらは、外側スロット付きリンク82及び内側スロット付きリンク83を備えるコンベヤ81内を案内される。運搬ネスト80は、内側スロット付きリンク及び外側スロット付きリンクの両方のキャスタ84によって案内される。その結果、滑らかな走行だけでなく、運搬ネスト、及びそれらと連結されるべき、被処理試料用の受け器の正確な位置決めも確保される。運搬ネストは、歯付きベルト85と連結されることができ、その場合、ベルトは案内の仕事ではなく、運搬の仕事を引き受ける。運搬ネストは、歯付きベルト85のギャップ内の突起部とかみ合うことができる。それにより、ある運搬ネストの、次の運搬ネストに対する位置は、歯付きベルト85のピッチに対応する格子寸法に設定されることができる。
【0095】
歯車86が、歯付きベルト85を駆動し、且つ戻し、その歯車は、その外周の形状であって、歯付きベルト85の歯に対応するとともに、運搬ネストを収容するための追加ネスト87も有する形状を特徴とする。運搬ネストを図18の図面の平面以外の平面で収容すること、及び歯付きベルト85及び運搬ネスト80間の連結を、そのような運搬ネスト87をなくした歯車も使用できるように設計することも考えられる。
【0096】
図19は、運搬ネスト80がガイドウェイ81内に係合する様子の非常に簡略的な断面を示す。外側スロット付きリンク82及び内側スロット付きリンク83を有するガイドウェイ81は、レール88内に収容されており、レールの下側に、供給ライン及び制御ラインを収容するための中空形材89が取り付けられている。運搬ネスト80の上側に、受け器90が挿入されており、これは、移送装置91によって運搬ネスト80の上方及び下方の両方で押し付けられることができる。この目的のために、移送装置91は、たとえば自由端部に吸着カップ93を有するアーム92を備えている。移送装置91は、レール88に横向きに固定されたコンソール93に取り付けられる。移送装置は、レール88上のどこにでも、図1ではマガジン6が位置する場所に取り付けることができる。もちろん、このタイプの移送装置は、受け器を1つの運搬装置から別の運搬装置へ、たとえば、図17に示されているように、これらの運搬装置が出会う点で移送するために使用されることもできる。
【0097】
図4〜図6は、運搬部分のそばに配置された保管マガジン6を示し、これから消耗品を排出して運搬部分上に載置することができる。図20及び図21は、そのような消耗品を内部に保管するそのようなマガジンのさらなる実施形態を示す。消耗品は、たとえば、蓋付き又は蓋なしの多種多様なフォーマットの微量滴定板、又はさまざまな寸法の細胞培養ボトルを意味することができる。微量滴定板フォーマットのラックでもよく、これらはたとえば、チューブを備えている。保管すべきこれらの製品は、適正なラック面と、クリーナ用の把持面を与える垂直壁とを有する。さらに、積み重ね可能な製品を互いに積み重ねることができる。
【0098】
図20に短い形で示されたマガジンは、ラックを備え、ラックは、床96の上を押すために、運搬部分の端部に対応付けられた領域内のローラ95を特徴とする。ローラ95を底部に取り付けた端部から距離をおいて、テーブル脚部97が設けられている。このテーブル脚部97は、旋回することができる。ローラ95はラックを担持しており、ラックは上部分が水平であって、そこに従動コンベヤベルトの形の運搬装置98が設けられている。コンベヤベルト99の下に支持板100が配置されており、これらはリフト装置101(図示せず)によって個別に持ち上げられることができる。各支持板100の位置は、保管すべき物品パイル102を支持する。右端部に、パイル102を手動で載せるための受け取り位置が設けられている。
【0099】
支持板100を有する運搬装置98とトンネル104内に収容された運搬装置3との間に、運搬セグメント103が配置されており、トンネルの長さは、物品パイル102の対応寸法より幾分大きい。運搬セグメント103は、ある限度内を垂直方向に移動可能である。それは、やはり制御状態で移動可能な回転コンベヤベルトを備える。運搬セグメント103は、物品パイル102の最下位置の物品をハウジング105の開口及びトンネル104の開口を通して、処理装置の運搬装置3へそれぞれ移送する目的で働き、図19の移送装置91はその運搬装置3用に設けられている。
【0100】
マガジン内での保管のさらなる詳細のため、図21を参照する。これは、図20の配置を図20の左側から見た図である。保管された物品パイル102が、側部レール107の最下縁部フランジ106上のマガジン内に保管されている。これは、1つの物品108について示されている。ここで物品108のスタック102をさらに運搬しようとする場合、支持板100を対応のリフト装置101によって、そのパイルがコンベヤベルト99の上に載るまで持ち上げて、側部フランジ106から持ち上げる。次に、ベルト99によって運搬を行うことができる。
【0101】
運搬セグメント103は、リフトテーブル108上に取り付けられ、これは駆動部によってアセンブリレール109に対して持ち上げられることができる。このため、概略的に示されたガイドロッド110が設けられている。リフトテーブル108及び運搬セグメント103の下端部位置は、パイル内の最下位置の製品がフランジ106上に載るように選択される。
【0102】
アセンブリレール109上に、それぞれ左右に回動するストップ機構111が設けられており、それらの下端部112を水平動作式昇降機構113によって移動させることができる。上端部114はキャッチ板115を有し、これで上端部をユニットの、物品108の側壁上へ持っていくことができ、それにより、そのような物品をしっかり保持することができる。リフトテーブル108の移動の上端位置は、パイルの下から2番目の物品108が、ストップ機構111のキャッチ板115の間で運搬セグメント103の上に載るように選択される。
【0103】
水平動作式リフトユニット113は、たとえば磁石であることができる。
【0104】
図20には、マガジンの、運搬部分103に隣接する側部で上部及び底部領域にそれぞれ割り出し装置120が配置されていることがわかる。この割り出し装置により、ユニットを受け取るトンネル104に対するマガジンの正確な位置決め及び位置合わせが行われる。自動機構を介して、マガジンは割り出し位置で使用され、それにより、基部ユニットに製品を移送するための正確な位置決めが達成される。この位置では、ローラ95が床96からわずかに持ち上げられ、それにより、機械的過剰精度が生じない。
【0105】
マガジンの反対側に、制御パネル121がグリップ122と一緒に配置されている。制御パネル121は、割り出し装置を起動させるために、すなわちマガジンを再び取り外すために使用される。
【0106】
マガジンのハウジング105内の運搬は次のように行われる。すべての運搬セグメント、すなわち支持板100に対応する領域は、製品がセグメント上にあるか否かを確認する光信号ボタンを備えている。パイルの前方の運搬セグメントが空であることが検出されると、運搬装置は、製品パイルを1つのセグメントから次のセグメントへ搬送する。両方のセグメントの支持板100が持ち上げられ、それにより、1つのセグメントから次のセグメントへ連続運搬が行われる。放棄された運搬セグメントがもはや製品を認識しないとすぐに、送りがうまく完結し、両方の運搬セグメントがそれらの支持板100を再び降下させることができる。
【0107】
トンネル104内の本体への運搬用に、運搬セグメント103に割り当てられたパイルから製品を移送する場合、この運搬セグメント103が、下から2番目の製品をストッパ機構111のキャッチ板115が把持して保持することができる高さまで、パイルを持ち上げるであろう。キャッチ板115が保持できるように、ストッパ機構を起動させる。ここで、パイルをストッパ機構111によって保持しながら、運搬セグメント103を降下させる。開始位置において、この時に個別に運搬セグメント103上に載置されている移送装置91からの物体を保持して、基部ユニットへ移送することができる。
【0108】
図20及び図21に記載されている幾つかのそのようなマガジンを、図1及び図17に示したユニットの運搬部分に沿って配置することができる。割り出し装置を解放した後、マガジンを外して、新しくユニットの外側に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明による生物試料の処理及び取り扱いを行うユニットの概略的な全体図を示す。
【図2】操作装置、運搬部分、処理位置及び取り扱い装置の空間配置を示す。
【図3】試料容器を保管するマガジンの概略図を示す。
【図4】マガジンの一区画の概略図である。
【図5】試料を受け取る容器の概略図である。
【図6】マガジンの一区画の概略図である。
【図7】培養器の概略図である。
【図8】図7に従った培養器用の受け器の概略的配置を示す。
【図9】培養器開口用の水門の概略的側面図を示す。
【図10】図9に従った培養器開口を右側から見た部分図を示す。
【図11】第2培養器の概略的配置を示す。
【図12】図11に従った培養器用のタイプの駆動部の簡略断面を示す。
【図13】試料容器から蓋を取り外す装置の配置を示す。
【図14】簡略化した形によるユニットの処理端部の平面図を示す。
【図15】変更形実施形態の場合の、図14に対応する平面図を示す。
【図16】図15と異なる変更を再び加えた実施形態の平面図を示す。
【図17】幾つかの回転運搬装置の概略的配置を示す。
【図18】運搬部分の端部の戻し構造を拡大して示す。
【図19】運搬装置上へ受け器を送出するための装置を示す。
【図20】消耗品の保管用の装置の側面図を示す。
【図21】図20の配置を図20の左側から見た正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物試料を処理するための自動システム、又は自動化することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロチューブ内に入った微生物試料を特別な方法で処理することは、既知である。上記処理は、一定量の液体を液体試料から引き出すこと、試薬を導入すること、さまざまなパラメータを検定することなどからなる。大量の試料を頻繁に処理しなければならないので、マイクロチューブは、微量滴定板の形を有することができる受け器内に保管される場合が多い。微量滴定板の一部分を操作装置によって運搬できることも、すでに既知である。微量滴定板に機械可読ラベルを付けて、特定の微量滴定板内の特定試料の位置データを電子メモリにセーブすることが可能である。
【0003】
生物試料用の処理装置が、ヨーロッパ特許出願第1348485号から既知である。
【特許文献1】ヨーロッパ特許出願第1348485号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、大量の生物試料を、また必要ならばクリーンルーム状態において、さまざまな基準に従って、特にこれらの基準が最初から生じる、又は処理段階中に変化するときに、処理する非常に異なった方法を用いる可能性を生じさせるという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載の特徴を有する、生物試料の自動処理ユニットを提供する。
【発明の実施の形態】
【0006】
ユニットは、試料容器を運搬するために制御駆動部によって動作させることができる運搬装置を有する。容器は、微量滴定板又は他のタイプの試料容器、たとえばウェルなどのキャビティを含むこともできる。ユニットはさらに、少なくとも1つの処理位置を含み、処理すべき試料をそこへ搬送する。それは、処理装置、たとえばピペット装置で処理される。この処理装置は、処理動作が、処理位置と向き合うこの点において該装置で起きることができるように、操作装置によって位置付けられる。
【0007】
このタイプの作業分散には、運搬装置、処理装置及び操作装置などの個々の装置又は器具が、互いに最大限に独立的に働き、それにより、それらの仕事を中央制御装置によって制御し、検査し、且つ左右することができるという利点がある。個々の操作装置を、それらの特別な作業に適応させることができる。たとえば、運搬装置はもっぱら、必要な試料容器及び消耗品すべての運搬に充てられる。操作装置の仕事は、処理装置の助けで、試料容器を規定通りに処理することである。
【0008】
本発明によるさらなる発展において空の試料容器を与えることができるために、ユニットは、試料容器を与えるためのマガジンと、試料容器をマガジンから取り出し、取り扱って運搬装置へ送る装置とを特徴とすることができる。また、この操作装置も、その他の操作装置から独立的に働くが、それを中央制御装置で制御することができる。
【0009】
特定状態の下で特定の処理期間を必要とする試料を処理できるようにするために、本発明によるさらなる発展において、ユニットは培養器を特徴とすることができ、該培養器は、試料を所定環境に収容するために使用されることができる。
【0010】
冒頭に述べた利点、すなわち本発明による運搬及び処理の独立性をさらに発展させるために、本発明によれば、処理位置を運搬装置の運搬部分の外側に配置することができるようになる。「運搬部分」という用語は、運搬装置に連結された試料容器が運搬されていく部分であると理解される。「この運搬部分の外側」とは、試料容器を、運搬装置が作業を続けることができるほど十分に遠くに変位させることを意味する。したがって、処理位置は、運搬部分の2側部の各々で横方向に配置されることができるが、運搬部分の上方又は下方にも配置されることができる。
【0011】
試料容器を運搬装置から処理位置へ送るために、本発明によれば、ユニットは移送装置を特徴とすることができる。この移送装置は、処理後に試料容器を処理位置から運搬装置へ戻す働きもすることができる。個々の場合の状況に応じて、運搬装置から処理位置への移送装置として、個別の操作装置を設けることができ、また、試料容器を処理位置から運搬装置へ送るために、第2移送装置を使用することができる。
【0012】
たとえば、移送装置は、運搬装置の停止時に送り出しを行うように働くことができる。移送装置を運搬装置と一緒に移動させ、それにより、試料容器を運搬装置で移動させる間、切り換え動作を行うことができるようにすることも可能である。
【0013】
本発明のさらなる発展では、この移送装置も同様に、その他の装置から独立的に、特に操作装置から独立的に作動するようにすることができる。
【0014】
生物試料の実際の処理が、処理位置で行われることは、すでに上述した。そうする際に、試料容器は処理位置で静止したままである。操作装置により、処理装置がこの位置へ運ばれる。非常に小型の試料容器の場合、操作装置は処理装置を、それが試料容器の開口と合致するように位置決めする。本発明のさらなる発展では、操作装置を、処理装置に機械的結合するだけでなく、機能的結合もするように構成することが提案される。たとえば、操作装置及び処理装置間の機械的結合を介してプラグ接続又は同様の接触を確立することにより、電力供給を行うこともできる。処理装置が機械的仕事も実施しなければならない場合、操作装置及び処理装置間を機械的駆動部によって結合することさえできる。それを処理装置に結合することにより、負の空気圧又は過剰圧力媒体を接続することも考えられる。このように、処理装置が操作装置に結合されるとき、とりわけ、その処理装置だけが処理の準備ができていることが確保又は実現される。この手段は、処理装置に可能な限り少ない数のケーブル又はホース接続を使用するという目的にも役立つ。クリーンルーム内を動き回るホース及びケーブルは、主たる汚染源である。
【0015】
操作装置を介して媒体(培養液)、水、洗浄液及び排出管を結合することも可能であり、これは、処理装置上のホースをなくすのを助ける。
【0016】
処理装置は、動作中でないとき、待機ステーションに配置される。この待機ステーションは、処理領域の外側に配置され、それにより、それは試料容器の運搬及び処理位置での試料容器の送り出しとかち合うことがない。
【0017】
本発明のさらなる発展では、待機ステーションを、そのステーションでの後の処理に備えて処理装置を準備しておくだけでなく、作業の中断時に装置のクリーニングを行うように構成することができる。特定の処理装置が使用されていない期間中、それのクリーニングを行うことができ、それにより、処理装置の待機時間を活用することができる。これは、ユニットの全処理量を向上させる。また、処理装置及び付着ステーション間で機能的結合をもたらすこともできる。これは、異なった仕事との機能的結合を含む。このように、付着時及び処理中断時のセルフクリーニング動作の制御時に、処理装置への電力供給を達成すべきである。
【0018】
生物試料に対して多種多様な処理を頻繁に実施しなければならないので、本発明のさらなる発展では、ユニットは、それぞれ独自の待機ステーションを特徴とする幾つかの独立的に動作する処理装置を特徴とすることができる。ユニットの制御部は操作装置を制御して、それがそれぞれの仕事に必要な処理装置を選択し、その処理装置を処理位置へ運ぶようにする。
【0019】
処理装置のクリーニング、たとえば個々の各処理後の殺菌のために相当な時間が必要な処理の場合、幾つかの同様な処理装置を設けることが好都合であろう。これは、本発明に基づいて、操作装置を処理装置から分離させることによって可能である。
【0020】
本発明に従って運搬領域、処理領域、操作装置及び処理装置を分離することにより、クリーニングの必要性が高い直列処理を個々の動作の間に取り扱うとき、2つの処理の取り扱いを交互に、たとえば1がクリーニングの必要性が高い直列処理を表すとき、1−2−1−2−1−3−1−4−1−2−1−2の順に行うことが可能になる。
【0021】
もちろん、処理装置は、たとえば微量滴定板のすべてのマイクロチューブ用に、多数の試料容器を有するように構成されることができる。処理装置はまた、処理位置にある試料容器を選択することが可能であり、それにより、処理作業を適当に行うことができるように構成されることができる。
【0022】
本発明のさらなる発展では、処理装置の待機位置及び/又は処理位置は、操作装置が単一の自由度に沿った直線運動を行うことによって処理装置の位置を選択して接近することができるように、配置されるようにすることができる。たとえば、直線に沿って移動可能な操作装置では、待機位置も直線に沿って配置することができる。しかしながら、固定軸を中心にして回転可能である操作装置を使用する場合、処理装置の待機位置を円経路に沿って配置することが妥当である。
【0023】
本発明のさらなる特徴によれば、操作装置の自由度が、運搬装置の運搬方向に平行な運動を有することも、同様に妥当である。
【0024】
ユニットの効率をさらに改善するために、処理位置自体が、好ましくは運搬装置の運搬方向に平行な方向に移動可能であるようにすることができる。これは、幾つかの処理装置が設けられ、処理装置の待機位置を置く領域が幾分大きくなって、処理装置がホース接続を必要とするときに特に有効である。その場合、処理位置を処理装置の待機位置へより近づけることができる。処理場所の限定されない移動により、製品段の上方での供給ホースの限界移動が排除されるので、これはクリーンルーム内での処理時に特に好都合である。
【0025】
操作装置を介した媒体供給により、ホース及びケーブルを省くことができるとき、他方では、処理ステーションを静止構造内に配置することも可能である。その場合、それらは、レールに載せるために制限された可動度を有する処理工具を有する必要がない。
【0026】
たとえば、キャリッジによって処理位置が移動可能であるとき、本発明によるさらなる発展では、キャリッジはまた、幾つかの処理ステーションであって、常にそのうちの1つだけが処理位置で処理装置と連結されることができる、幾つかの処理ステーションを特徴とすることができる。このように、処理を継続する間、手渡し動作を行うことができる。
【0027】
試料容器を移動させる運搬装置は好ましくは、回転運搬装置であって、その内部を試料容器が閉鎖経路に沿って移動する。この閉鎖運搬経路が2つの平行部分及び2つの連結リターンプーリを特徴とするとき、特に妥当である。したがって、運搬経路は、楕円形に対応する。操作装置は、たとえば直線部分の近傍に位置付けられることができる。しかしながら、空間的理由から、操作装置及び/又は処理装置及び/又は処理位置をリターンプーリ内に配置することが好ましい。比較的多くの待機位置をそこに配置することができ、それらは、長距離にわたることなく、操作装置によって制御されることができる。
【0028】
処理位置は、運搬部分と処理装置の待機位置との間に好都合に配置されることができる。
【0029】
本発明によれば、試料容器として、微量滴定板を設けることができる。
【0030】
試料容器の運搬は、たとえば、運搬装置が、一定間隔の微量滴定板用の受け器を特徴とし、それぞれの微量滴定板用に1つの受け器が設けられる。移送装置は、それが微量滴定板又は試料容器又は幾つかの試料容器を処理位置に手渡すように構成されることができる。移送装置が受け器を試料容器とともに処理位置へ移送することも、同様に可能であって、本発明によって提案される。
【0031】
ユニットが、空の試料容器を保管するためのマガジンを特徴とすることができることを前述した。このタイプのマガジンは、駆動部によって回転させることができるカルーセルタワーとして構成されることが多く、送りは1つの位置で垂直列に沿って行われる。
【0032】
本発明はここで代わりに、マガジンが、一列の試料容器を直列に配置するために前側まで延びる少なくとも一直線を、好ましくは上下に配置された多数のレールを特徴とする。このように、より多数の試料容器を狭い空間内に収容することができる。好ましくは、幾つかのそのようなレール構造を互いに横に並べて配置する。
【0033】
本発明のさらなる発展では、容器を前側の方向に装填してストッパに当接させるように、レールを形成することができるようになっている。このように、試料容器がガイドウェイ内にまだ得られるならば、前側で試料容器を常に自由にすることが、送り出し点で確保される。それは、操作装置によってそこで達成されることができる。
【0034】
容器が載せられた従動ローラにより、前側からの引き入れを行うことができる。
【0035】
試料容器の装填のさらなる可能性として、容器を載せる回転ベルトを、たとえば2つの平行な回転ベルトを設けることができる。その場合、ベルトをモータによって駆動することができる。
【0036】
送りプロセスのために、ベルト及びローラ間、又はローラ及び容器間に滑りが広く存在するようにすることができる。しかしながら、ベルト又はローラと駆動部との間に滑りが生じることも、同様に可能であり、本発明の範囲に含まれる。
【0037】
さらなる可能性は、コンベヤの傾斜形状によって装填プロセスを生じることを含む。それにより、コンベヤをローラコンベヤにして、試料容器をローラ上に載せて、それら自体の重量によって前側のストッパに当たるように装填することができる。この前側のローラコンベヤが下向きの傾斜を特徴とする場合、マガジン用の駆動部が必要なくなる。
【0038】
さらなる可能性として、平滑材料で被覆したコンベヤベルトであり、それにより、重量の作用で試料容器を同様に前方へ送り、コンベヤラインに沿って摺動させることができる、コンベヤベルトがある。
【0039】
操作装置は、それぞれ各列から第1試料容器を取り出す一方、その他のものは摺動する、又は所定位置で転動する。上下に配置されたローラコンベヤからなる複数のディスクにより、マガジンを互いに横に並べて構成することができ、マガジンは、たとえば密集した空間内に多数の微量滴定板を収容することができる。それにより、ローラコンベヤは、試料容器用、特に微量滴定板用の上部ガイドを特徴とすることができる。ローラの上側とそれぞれの上部ガイドの底側との間の距離を、取り外した蓋の高さと試料容器の蓋を外した底部分の高さの合計より小さいようにすることができる。
【0040】
ローラの上部ガイドがそれぞれ上部ローラコンベヤによって形成されるように、ローラコンベヤを構成することが、特に役立つ。
【0041】
試料容器を取り出すために、操作装置は、それが前側の試料容器をストッパの上方へ持ち上げるように構成されることができる。
【0042】
第2の可能性として、次の試料容器の前方の容器の移行中、操作装置が試料の容器の前方のストッパを解除して、水平に開いた隙間内へそれを滑り込ませる。
【0043】
運搬装置に必要な下向き勾配の、したがって水平面に対して傾斜したローラコンベヤから試料容器を移行させる間、水平に配置された試料容器と次の試料容器との間に常にギャップが生じる。このギャップは、次の試料容器の前側上縁部上に強い応力を生じる効果を有する。これにより、蓋がはね飛ぶ可能性がある。さらに、ローラコンベヤに製品を装填するとき、製品が送り出し開口の位置でストッパ縁部に全力でぶつかる、又はすでに送出されている製品にぶつかる。この場合でも、入ってくる製品の蓋がはね飛んで、ガイドウェイを塞ぐであろう。また、前側の容器を上昇させるとき、蓋がはね飛ぶ危険が常に存在する。蓋の上方かつ上部ガイドの下方の余裕が蓋のはね飛びを防止するような寸法であるので、蓋のはね飛びが防止される。
【0044】
本発明によるユニット用に可能な培養器は、その培養器に出し入れする試料容器の送りが、直線且つ水平線で行われるように、配置されることができる。この目的のため、培養器は、運搬装置と同じ高さに配置された開口を特徴とすることができる。開口は、試料容器を培養器に入れたり、それから取り出すのに役立つ。
【0045】
それは、試料容器がそれにぴったり合って通過するような高さの寸法を特徴とする。試料容器を出し入れするための操作装置を培養器の外側に配置して、開口に沿って移動させることができる。開口は、すべての試料容器を培養器の内部で利用可能な受け器に直接的に押し込むことができる長さである。
【0046】
本発明のさらなる発展では、培養器の内部に設けられた操作装置によって試料容器を移動させることができるように、培養器を構成することが可能であろう。しかしながら、駆動部は培養器の外側に配置される。壁を貫通して引き込まれて、軸受けに取り付けられたシャフトにより、それを駆動部と結合させることができる。これらの軸受けは、適当に密閉されることができる。駆動部を培養器の外側に配置することにより、汚染の危険がほとんどなくなる。培養器の内部をクリーンルーム状態にしておかなければならないので、これは特に重要である。さらに、アグレッシブガス又は薬品によって内部空間を消毒する可能性も存在する。
【0047】
内部空間内の気候状態を標準化するために、培養器内の試料容器をゆっくり移動させるように、駆動部を構成することができる。
【0048】
内部に支配的である状態が、培養器への積み下ろし時に乱されるのをできる限り少なくするために、本発明によるさらなる発展では、培養器が入口水門を特徴とし、それにより、内容物の装填及び取り出しの目的のためにだけ開くようにすることができる。たとえば、この入口水門は、回転ドアと同様に構成されることができる。
【0049】
複数の試料容器を横に並べて配置するために、培養器が長時間にわたって開いている可能性があるので、本発明によれば、水門のドアを分割することができる。
【0050】
本発明によれば、閉鎖経路に沿って配置され、且つその経路に沿って、好ましくは両方向に運搬可能である試料容器用の複数の受け器を特徴とする培養器をユニットに設けることも可能である。「試料容器」について、この場合、複数のマイクロチューブ又は同様の操作装置を収容する微量滴定板を考えることもできる。閉鎖経路に沿った移動とは、各受け器を、培養器への装填、及びその内容物を取り出すことによる培養器からの排出を行うために開口が設けられている点へ運ぶことを意味する。この閉鎖経路はたとえば、受け器を2つの回転チェーン、ベルト又はロザリオに似た他の手段に取り付けて、特に懸架することで形成される。このように、試料容器は培養器内も移動することができ、それにより、すべての試料容器が同一ルーム内に保持される。
【0051】
本発明のさらなる発展では、チェーン、シェルフ又は同様のものが、それに対して垂直方向に進む多数のストランドを特徴とするようにすることができる。これにより、培養器の高さを減少させ、それにより、内部がやや立方体形状になり、より均一な状態を有することができる。
【0052】
本発明のさらなる発展では、培養器は、駆動可能な回転ベルトからなる多数段を特徴とする、又はそのような駆動部を特徴とすることができる。各段に、平行な試料容器列を収容することができる。
【0053】
本発明のさらなる発展では、垂直方向に移動可能であり、且つ任意の高さ、又は少なくとも運搬段の幾つかに対応する高さで停止することができる運搬セグメントを備えることができる。このように、1つの入口開口であって、培養器ハウジングの全幅にわたって延びる長さを特徴とするであろうが、試料容器を外側からそれに押し通すことができるほどの高さがあればよい1つの入口開口に対処することもできる。これは、運搬セグメントによって対応段まで昇降させることができる。運搬セグメントは、互いに隣り合わせて配置される一連の試料容器を収容することができる。上記段に、二次元的に広がった試料容器が設けられる。
【0054】
本発明の別のさらなる発展では、運搬セグメントと段の回転ベルトとの間に駆動結合部を設けることができ、運搬セグメントが対応段の高さにあるとき、それを作動させることができる。その場合、運搬セグメントの移動により、一連の試料容器をその段上へ移送することができ、この移送プロセス中に、その段は1サイクルずつ前進させられる。この目的のために、コンベヤベルト用の能動駆動部がまったく必要ない。
【0055】
本発明のさらに別の発展では、培養器は戻しセグメントを特徴とし、この戻しセグメントは、運搬セグメントと同様に、垂直方向及び横方向に移動することができ、且つ段の高さで停止できるようにすることができる。この戻しセグメントは、段に押し通されて別の段へ戻される試料容器を受け取るために使用され、その別の段から、運搬セグメントが位置する場所へ戻される。
【0056】
戻しセグメントと段の回転ベルトとの間にも、駆動結合部を設けることができる。高さと駆動部及び上記段の戻しセグメント間の結合部が一致するとき、これを作動させることができる。戻しセグメントは好ましくは、運搬セグメントのように、両方向に駆動されることができる。
【0057】
培養器に供給するために操作装置を設けることができ、これは、培養器の外側に設けられて、培養器の入口開口に沿って移動することができる。本発明によれば、さらなる発展のユニットは、ある点で、又はまれに発生する状態において手動式動作が望ましい場合、運搬装置に対する試料容器の手動送り又は取り出しを行うための装填ステーションを特徴とすることができる。
【0058】
本発明によれば、ユニットは同様に、試料容器がもはや必要ないとき、それらのための自動排出ステーションを特徴とすることができる。ユニットは、処理ステーション内での試料容器の送出の直前に、その蓋を取り外すための装置を特徴とすることができる。特別且つ珍しいさらなる処理を実行するために、個別の追加分析又は処理ステーションを運搬セクションに沿って配置することができる。本明細書で述べるマガジン及び培養器はまた、本明細書に記載したユニットのタイプに関係なく使用されることができ、それにより、それらに対して独立的な保護を要求する。本発明の追加的な特徴、詳細及び選択は、特許請求の範囲及び要約書から生じ、その両方の表現は、本発明の好適な実施形態の以下の説明及び図面を含む出願書類の内容に言及する。
【実施例】
【0059】
図1は、本発明によるユニットの一例を、上方から見た全体図で示す。ユニットは、運搬装置1を含み、これはたとえば、チェーン又はベルトで形成される。この運搬装置は、駆動部(図示せず)によって駆動され、原則的に移動は両方向に可能であるが、一方向だけの移動が好ましい。運搬装置は、試料容器用の複数の受け器2を閉鎖経路に沿って駆動し、閉鎖経路は、2つのリターンプーリ4によって互いに連結される2つの平行な直線部分3を特徴とする。運搬装置が回転チェーンを特徴とすると考えるとき、リターンプーリ4はリターン歯車で形成されるであろう。しかしながら、運搬装置が実際にチェーンを有する必要はない。たとえば、図1に記載された形状を特徴とするガイドを設けることもできる。受け器2は、一定間隔を置いて配置され、運搬装置によって駆動される。移動は、間欠的又は連続的であることができる。
【0060】
生物試料は、図1に示すとき、運搬装置1の下端部で処理される。ユニットのさまざまな詳細が位置する基部5が設置され、それらの詳細については後述する。
【0061】
図示の例では、運搬装置1の直線走行部分3のそばに、空の試料容器用の2つのマガジン6が配置されている。各マガジン6は、操作装置7を備えており、これは、試料容器、たとえば微量滴定板をマガジン6から取り出して、受け器2に入れる。これらの試料容器は次に、運搬装置によって図1の底部の処理ステーションまで運ばれる。
【0062】
反対側に培養器が配置され、その内部で、試料の処理中、いっぱい入った試料容器が一定期間にわたって待つことができる。
【0063】
運搬装置1上に受け器2を送るために、移送装置9が使用されるが、これについては詳細に説明しない。
【0064】
機械基部5上において、試料を処理するための操作装置が自由状態にある。キャリッジ10が、受け器2が占める場所の外側で円形ガイド上に配置され、これは、リターンプーリ4の中心回りに両方向に限定移動可能である。微量滴定板用の幾つかの受け器11が、キャリッジ10上に設けられている。同様に、幾つかの処理装置12が、キャリッジ10及び受け器11が占める場所の外側に配置されており、ここでそれらは待機位置を特徴とする。したがって、処理装置12の待機位置は、キャリッジ10の周り及びリターンプーリ4の周りに同心状に配置された円形ガイド上にある。
【0065】
リターンプーリ自体の内部において、操作装置13が、リターンプーリ4の中心点回りに回転可能に取り付けられており、これはリターンプーリ4の中心点回りに旋回することができるとともに、他の移動を実行することもできる。
【0066】
図示の実施形態の場合、受け器2は、運搬装置1の外側に配置され、マガジン6及び培養器8も、外側に配置されている。試料容器をマガジン6から受け器2へ、また受け器2から培養器8へ送出する間、実際の運搬装置は邪魔しない。より複雑な移送装置では、運搬装置の異なる側において、一方で受け器2を、他方で培養器8及びマガジン6を、配置することもできるであろう。
【0067】
上述したように、キャリッジ10の受け器11は、運搬装置の受け器2の領域の外側に配置されており、処理装置12の待機位置も、キャリッジ10の領域の外側にある。
【0068】
操作装置13のそばに、カルーセル14が配置され、これは試料容器の蓋を保持することができる。グリッパ15が、処理ステーションに接近中の試料容器の蓋を取り除き、それをカルーセル14上に載せることができる。処理ステーションを通過した後、グリッパ15は再びカルーセル14からそれぞれの蓋を取り上げて、試料容器に被せる。カルーセル14は、運搬装置1と同一速度で回転する。このように、各蓋を、それを取り外した試料容器に対応付けることができる。
【0069】
処理装置12、キャリッジ10及び運搬装置の受け器2の配置が、図2に再び示されている。図2は、非常に概略的に理解されるものとする。処理装置12は、キャリッジ10のガイドレールの外側の待機位置に配置されている。微量滴定板用の幾つかの受け器11が、キャリッジ10上に設けられている。運搬装置1の受け器2の運搬経路は、操作装置13が内部に配置される処理ステーションの中心点に最も近い位置にある。操作装置は、リターンプーリ4において運搬装置1の中心軸を中心にして回転することができるだけでなく、両アーム16及び17を揺動させることもできる。さらにまた、前端部には、より短いアーム18が揺動できるように取り付けられており、このアームの自由端部に結合装置19が設けられている。結合装置19で、操作装置13の前アーム18は処理装置12上のソケットと結合する。次に、この処理装置12をその待機位置から取り出して、キャリッジ10上の受け器11と向き合わせて位置付け、次に、処理装置12がキャリッジ10上の受け器11内の試料容器を処理することができるまで、降下させる。試料容器は、移送装置(図示せず)によって運搬装置の受け器2からキャリッジ10上の受け器11に移送されている。試料容器の処理は、常にキャリッジ10上の受け器11内で行われ、ここで、常に1つの受け器11だけが処理位置にある。この処理位置は、固定場所を特徴とする必要はなく、キャリッジ10の移動の一定部分にわたって変わることができる。ホース接続部又はラインを特徴とする処理装置12では、処理を行うべき受け器11を、対応の装置12へより近づける。したがって、試料容器が入っている幾つかの受け器11がキャリッジ10上で使用可能であるときでも、常に1つの処理位置だけが存在する。
【0070】
次に、マガジン6を拡大して詳細に示す図3〜図6を考えると、マガジン6は、試料容器20用の、互いに上下に配置されたガイド上に、互いに横に並んだ幾つかの板を有する。図3は、これを概略的に示すだけである。個々のガイド用に格子状構造体を有すれば十分であるので、個々の板の間に仕切壁を配置する必要もない。個々のガイド内に、試料容器20が連続的に配置されており、第1試料容器20は、図4に見られるストッパにより、滑り落ちることが防止される。残りの試料容器20は、それらの重量により、それぞれの前側の容器の上に位置する。図3は、前側から見たそのようなマガジンを示している。前側は、装置7で送り出しが行うべきそれぞれの側部である。
【0071】
図4は、マガジンのガイドウェイに直列に配置された2つの試料容器20を概略的な側面図で示す。ガイドレールは、ローラコンベヤとして形成されている。側部ウィング21にローラ22が回転可能に取り付けられている。2つのローラ22間の距離は、各位置の1つの試料容器20が幾つかのそのようなローラ22上に位置するように選択される。図4から推理することができるように、試料容器20の上側23とすぐ上の側部レール21のローラ22との間の距離は短い。最上位置の側部レール21を除けば、それぞれすぐ上の側部レール21のローラ22は、そこに得られる試料容器用のガイドを形成するだけでなく、下側の試料容器20用のガイドも形成する。
【0072】
上述したように、各ガイドウェイの前側試料容器20は、ストッパ24によってマガジンから脱落すること、又は滑り出ること、又は転がり出ることが防止される。試料容器20をマガジンから取り出すには、操作装置が試料容器20の前側底縁部を、それがストッパ24を越えるのに十分な高さに持ち上げなければならない。試料容器20の上側23と上側の側部レール21のローラ22との間の空間が、ストッパ24の上縁部とその下にあるローラ22の上縁部との間の距離よりわずかに広いので、これが可能である。
【0073】
前側の容器20をその前側付近で持ち上げて、それが水平面に近づくようにすると、その後側の上端部が、次の試料容器20の蓋25の前側の上縁部を押し付ける。これは、この試料容器20の蓋がはね飛ぶ危険をもたらす。しかしながら、試料容器は、処理ステーションに達するまで、蓋を備えていなければならない。試料容器として一般的に使用される微量滴定板は、図5に概略的に示されているよう見える。試料容器は、蓋25と下側部分26とを有する。下側部分26は、段差部27を有し、これは、下側部分の上縁部28から一定距離を特徴とする。蓋25は、下側部分26の段差部27より上方に残る下側部分の帯状部を取り囲むように形成されている。閉鎖状態では、蓋25の底縁部29が、段差部27上に載る。したがって、蓋25を下側部分26から持ち上げることができるようにするためには、蓋25を上縁部28及び段差部27間の距離だけ上昇させなければならない。蓋が不注意ではね飛ぶことを防止するために、互いに上下に配置された2つのコンベヤ21間の距離は、蓋25の上側23とその上のローラ22との間の距離が、段差部27から上縁部28までの距離より短くなるように決定される。これにより、そのようなマガジンをこの適用例に使用することが可能になるが、その場合、傾斜したガイドウェイと水平位置との間の遷移のために、蓋がはね飛ぶ危険が存在する。
【0074】
図6は、ガイドウェイ内の、蓋及び下側部分を有する試料容器を正面から見た図を示す。ここで、側部レール21上のローラ22は、試料容器20をその縁部に沿って支持するだけであり、そのため、中間領域が自由になっていることがわかる。ここに操作装置を当てることができる。
【0075】
図7は、生物試料を処理するユニット内に使用することができるときの培養器を非常に簡単な形で示す。断熱壁を有するハウジング内に、回転運搬手段30が配置されており、これは、上部領域内に配置された3つのガイドプーリ31と、下部領域内に配置された4つのガイドプーリ32とによって案内される。図示しない駆動部によって回転運搬手段30を移動させることができる。好ましくは、それを両方向に移動させることができる。したがって、回転運搬手段のすべての点を、培養器への装填及びそれからの排出用の開口32に合わせることができる。試料容器20用の受け器35が、回転運搬手段に、たとえば2本のチェーン34に取り付けられる。これらは側部にL字部材36を有し、これは上向きに並べられ、上部領域で、チェーン34上の軸37を中心にして回動する。その結果、チェーン34が瞬間的にいかに走行しているかに関係なく、受け器35を並べることができる。幾つかの垂直ストランドを使用することにより、培養器の内部の高さを減少させることができ、これにより、その内部空間内の温度分布をより均一にすることができる。
【0076】
図9は、図7の培養器の入口開口33をいかに構成できるかを詳細に示す。多くの試料容器20が、図8に示す受け器35上に互いに隣り合わせて配置される。培養器は、図7の図面に対して垂直方向に長いことを特徴とする。95%を超える高レベルの湿度が培養器内に存在し、また存在する必要があるので、試料容器への装填及びそれからの排出時に、入口開口を必要な広さに開くだけにし、それにより、湿度が低下することがないようにするべきである。この目的のため、本発明のさらなる発展では、図9に示すように、水門41を設けることができる。開口内に、切り欠き部43を有する往復及び回転式シリンダ42が配置されている。このシリンダ42は、水平軸44を中心にして回転可能である。培養器の、開口33の上方及び下方の壁45は、円形シリンダの一部分の形状を特徴とする壁部分46を含む。回転式シリンダ42は、壁部分46上に密封接触状態に載るように配置される。図示の位置において、試料容器20をシリンダ42の内部に挿入することができる。回転により、シリンダを押し出すことができるように、開口43を整合させることができる。シリンダ42の内部を部分的に満たすこともできる。
【0077】
図10は、培養器の前側から開口を示す。上述した理由から、開口を非常に長くすることができるので、それを細分割することが可能である。これが、図10に示されている。この場合、左位置に切り欠き部43を有するシリンダ42が半開き状態にあるのに対して、次の位置では閉鎖されている。個々の水門の開口の細分割を、たとえば単一の試料容器20の幅に対応させることができる。
【0078】
図11及び図12は、培養器の第2実施形態であって、特に本発明によるユニットにいかに適用することができるかを示す。図7及び図8の培養器では、試料容器20が経路に沿って直列に配置されるのに対して、培養器内での試料容器の別の収容方法が提案されている。この場合、試料容器20に複数の平行段が提供されており、図11は、そのうちの2段だけを示す。各段において、回転ベルト48が設けられ、その上側ストランド49上に、試料容器20が配置される。回転ベルト48は、それぞれ2つのガイドプーリ50に掛けて案内される。
【0079】
各段のそれぞれのガイドプーリ50の前方及び後方に、2つのシャフトが設けられ、その内部に、矢印51で表されるように、高さ方向に移動可能なセグメントがそれぞれ配置されている。運搬セグメント52が、入口開口33の後方に配置されている。これは、コンベヤベルト53を有し、このベルトは2つの平行なガイドプーリ54に掛けて案内される。図11においてこのコンベヤベルト53の左から右まで測定した幅は、サンプル容器20の寸法にほぼ対応する。図11の図面の平面に対して垂直方向のコンベヤベルト53の長さは、この方向の培養器の全寸と同じ大きさである。上述したように、運搬セグメント52は、培養器の全高にわたって移動することができる。それは、高さ移動用の駆動部を備え、その駆動部は、コンベヤベルトをガイドプーリ54に掛けて両方向に移動させるための駆動部とともに、培養器内部の外側に配置される。結合部材55が一方のガイドプーリ54に連結されており、これは、各段のコンベヤベルト48のガイドプーリ50上の対応の相手側結合部材56と合わせて、結合部を表す。運搬セグメント52を特定段と同じ高さに移動させると、2つの結合部材55、56を連結させることができる。そして、運搬セグメント52用の駆動部が、その段の回転ベルト48も駆動することができる。
【0080】
入口開口33の、壁から離れる方向に面する反対側に、戻しセグメント57が配置されており、これは実際には、運搬セグメント52とまったく同様に形成されている。ここでも、培養器の内部に面しているガイドプーリ54用の駆動部は、結合部材55を備え、これは、その段のベルト48の対応の結合部材56と相互作用することができる。
【0081】
図11には概略的に示されているだけである結合部材は、培養器の仕切壁58を貫通して、やはり培養器のハウジング内にあるが培養器の内部の一部ではない空間59内へ突出している。ガイドプーリ54のシャフトの延長部分に配置された歯車60間で、結合部をかみ合わせることができ、それにより、適正な回転方向が定められる。これは、幾つかの歯車によって行われることができ、また他の方法、たとえば磁気結合も適用することができる。
【0082】
図11又は図12に従った培養器が動作する原理及び/又は仕方は、以下の通りである。開口33の前方に得られる、開口33の長さに沿って移動可能な移送装置に助けられて、試料容器は開放している水門を通って、開口33の後方の運搬セグメント52上に移送される。同時に処理されるべき製品が、運搬セグメント52上へ少しずつ押し進められる。処理用のさらなる試料容器がなくなるとすぐに、運搬セグメント52が、ある段の高さまで上昇する。次に、結合部材55、56からなる結合部が連結されて、運搬セグメント52の水平駆動部を動作させる。それにより、一連の試料容器20が、運搬セグメント52から対応段のベルト48上へ移送される一方、その段に得られる試料容器20は同時に、1サイクルずつさらに移動させられる。その後、結合部が再び解除されて、運搬セグメント52はその始動位置へ再び移動する。この手順が幾度も繰り返される。試料容器20が対応段の端部の反対側に達するとすぐに、それらは同様にして、戻し運搬セグメント57から引き継がれる。ここでも、同様に動作する結合部が設けられている。一連の試料容器20を引き継いだ後、戻し運搬セグメント57はそれらを別の段へ運び、そこでそれらはこの上記段のベルト上に逆にして載せられる。そして、このベルトは循環式に逆方向に移動し、それにより、そのプロセスの最後で試料容器20を入口開口33の後方の運搬セグメント52によって再び受け取ることができる。ここから、それらを培養器から取り出すことができる。試料容器20は、それらを入れた順番と同じ順番で培養器から取り出される。したがって、これはFIFO(先入れ先出し)培養器又はメモリを含む。
【0083】
運搬セグメント52、57によって駆動部が段に結合されると、それらはどこでも同一速度で動作し、それにより、一方向に動作する段の数は、逆方向に動作する段の数と同じである。ある方向に動作する段は、制御装置によって決定されることができる。
【0084】
図13は、本発明に従ったユニットと組み合わせるのが有利であるさらなる装置を示す。試料容器の蓋を持ち上げる装置がそこに設けられるが、試料の処理時に邪魔になることは、図1を参照しながら上述した。他方、蓋は、正しい試料容器上に、すなわち、それを取り外した試料容器上に再び載置されなければならない。図13は、これの第2の可能性を示す。回転板61が設けられており、これは、運搬装置の2本のストランドの中間の垂直軸を中心にして回転可能である。
【0085】
回転板61の底側に、それぞれ蓋用に配置された幾つかの受け器62があり、その中心に吸着カップ63が設けられ、管64を介して負圧に接続されている。試料容器20用の受け器の下側に、板66を押し上げることができる駆動部65が設けられている。駆動部65は、受け器の2本のアームの間の板を押して、吸着カップ63の底側上の蓋がユニットに達するまで、試料容器20全体を持ち上げる。それに達したとき、それ以上の空気をホース64で吸い込むことができなくなるので、制御装置は圧力降下によってこれを検出することができる。この時点に達するとすぐに、駆動部65は板66を再び下方へ移動させ、それにより、試料容器20が再び受け器上に降ろされる。次に回転板61を回転させ、それにより、現時点で蓋を内側にしっかり保持している受け器62が、試料容器20の移動と同一サイクルで移動する。反対側で、蓋は、それを取り外した試料容器20上に再び載置されることができる。したがって、蓋及び試料容器間の関連性が確実に保持されるように、注意が払われる。
【0086】
したがって、本発明は、自動的に動作すべきユニットであって、複数のサンプルを自動的に処理することができるユニットを提供する。処理方法が試料毎に変わる可能性があり、また、処理方法及び/又は試料に応じて、処理時間が非常に短くなり得ることも起きるであろう。
【0087】
処理領域の内部には、多くの場合にクリーンルーム状態が広がっている。特に操作装置又は試料キャリヤの移動を意味する作動活動をクリーンルーム状態に適応させなければならない、すなわち、それらを最小限に抑えなければならない。本発明は、異なる可能な処理の数を減少させることなく、操作装置の数を最小限に抑えることで、これを解決する。さらに、本発明は、処理能力を低下させることなく、試料の処理に必要な空間全体を狭い領域に制限する。さらに、処理ステップ間で試料キャリヤを移動させることなく、異なった処理装置での試料の処理が可能である。
【0088】
次に、図14について考える。図1では、ユニットの端部において、すべての作業場所が操作装置13からグリップ距離に配置されていることが、処理ステーション上に示されていた。非常に概略的であるが、図14は、側方処理ステーション72を、操作装置13を備える処理ステーション用の延長配置レール71上に配置することができ、その上で活動を、操作装置13から独立している作業ステーションによって実行することができることを示す。さらに、図14は、処理領域全体を外壁73によって包囲することができることを示している。また、運搬部分自体は、処理領域の外壁73とつながった、図示しないトンネルを通って進むことができる。
【0089】
図1及び図14に従った実施形態の操作装置13は固定点に配置され、それにより、グリッパアームは、固定式垂直軸を中心にして回転することができるが、図15は、操作装置13が、コンベヤ部分の長手方向にレール74上を移動することができる変更形を示している。これにより、配置レール71上の処理ステーションだけでなく、直線処理ステーション72にも装填することが可能になる。
【0090】
図16もやはり変更形実施形態であって、基部105上の固定式操作装置13に加えて、やはり直線側方処理ステーション72が配置され、その上に送り及び他の操作装置75が設けられている変更形実施形態を示す。これらの操作装置75は、直線レール76に沿って移動することができ、したがって、構造が簡単であるとともに、制御が容易である。もちろん、複数の操作装置75をレール76上に配置することができる。非常に多数の個別制御可能な処理ステーションのため、本実施形態において、幾つかの蓋用パイル14を対応のグリッパ15とともに設けることができる。
【0091】
図15及び図16に従った実施形態においても、基部105はハウジング73内に配置されており、ハウジングは、把持することが必要な点で開放することができる。ハウジングは好ましくは、透明材料で形成され、それにより、すべての処理を外側から目視検査することもできるようにする。
【0092】
図1に示された運搬装置は回転装置を有し、その上に、容器又は同様の物体用の受け器を取り付けることができる。受け器の数に従って、また必要ならば、一定の容器に必要な処理の数に従って、回転装置も並はずれた長さを有することができる。何らかの理由で直線装置を収容することができない場合、本発明によれば、幾つかの運搬部分を有する配置ユニットを構成し、次にそれらを互いに組み合わせ、それにより、1つの運搬部分から別の運搬部分への送出が可能であるようにすることができる。図17は、一例を示す。さらに、本発明は、格子寸法、及び格子寸法の整数倍に対応する長さを有する運搬部分の個別部分から、運搬部分をいかに構成すべきかを決定する。たとえば、図17では、運搬部分77の長さが格子寸法の6倍に等しく、また隣接の運搬部分78の長さが格子寸法の8倍に等しい。
【0093】
図17の配置では、1つの運搬部分のリターンプーリ端部に、隣接の運搬部分のリターンプーリ端部が配置される。また、リターンプーリ端部を有するさらなる運搬部分を、第1運搬部分の直線部分上に配置することができる。
【0094】
図1には、運搬装置のリターンプーリが概略的に示され、説明されているだけである。図18及び図19は、幾分拡大した詳細図でより詳細な構造を示している。ここでは、受け器ガイドがその駆動部から分離されている。受け器用に運搬ネスト80が設けられ、これらは、外側スロット付きリンク82及び内側スロット付きリンク83を備えるコンベヤ81内を案内される。運搬ネスト80は、内側スロット付きリンク及び外側スロット付きリンクの両方のキャスタ84によって案内される。その結果、滑らかな走行だけでなく、運搬ネスト、及びそれらと連結されるべき、被処理試料用の受け器の正確な位置決めも確保される。運搬ネストは、歯付きベルト85と連結されることができ、その場合、ベルトは案内の仕事ではなく、運搬の仕事を引き受ける。運搬ネストは、歯付きベルト85のギャップ内の突起部とかみ合うことができる。それにより、ある運搬ネストの、次の運搬ネストに対する位置は、歯付きベルト85のピッチに対応する格子寸法に設定されることができる。
【0095】
歯車86が、歯付きベルト85を駆動し、且つ戻し、その歯車は、その外周の形状であって、歯付きベルト85の歯に対応するとともに、運搬ネストを収容するための追加ネスト87も有する形状を特徴とする。運搬ネストを図18の図面の平面以外の平面で収容すること、及び歯付きベルト85及び運搬ネスト80間の連結を、そのような運搬ネスト87をなくした歯車も使用できるように設計することも考えられる。
【0096】
図19は、運搬ネスト80がガイドウェイ81内に係合する様子の非常に簡略的な断面を示す。外側スロット付きリンク82及び内側スロット付きリンク83を有するガイドウェイ81は、レール88内に収容されており、レールの下側に、供給ライン及び制御ラインを収容するための中空形材89が取り付けられている。運搬ネスト80の上側に、受け器90が挿入されており、これは、移送装置91によって運搬ネスト80の上方及び下方の両方で押し付けられることができる。この目的のために、移送装置91は、たとえば自由端部に吸着カップ93を有するアーム92を備えている。移送装置91は、レール88に横向きに固定されたコンソール93に取り付けられる。移送装置は、レール88上のどこにでも、図1ではマガジン6が位置する場所に取り付けることができる。もちろん、このタイプの移送装置は、受け器を1つの運搬装置から別の運搬装置へ、たとえば、図17に示されているように、これらの運搬装置が出会う点で移送するために使用されることもできる。
【0097】
図4〜図6は、運搬部分のそばに配置された保管マガジン6を示し、これから消耗品を排出して運搬部分上に載置することができる。図20及び図21は、そのような消耗品を内部に保管するそのようなマガジンのさらなる実施形態を示す。消耗品は、たとえば、蓋付き又は蓋なしの多種多様なフォーマットの微量滴定板、又はさまざまな寸法の細胞培養ボトルを意味することができる。微量滴定板フォーマットのラックでもよく、これらはたとえば、チューブを備えている。保管すべきこれらの製品は、適正なラック面と、クリーナ用の把持面を与える垂直壁とを有する。さらに、積み重ね可能な製品を互いに積み重ねることができる。
【0098】
図20に短い形で示されたマガジンは、ラックを備え、ラックは、床96の上を押すために、運搬部分の端部に対応付けられた領域内のローラ95を特徴とする。ローラ95を底部に取り付けた端部から距離をおいて、テーブル脚部97が設けられている。このテーブル脚部97は、旋回することができる。ローラ95はラックを担持しており、ラックは上部分が水平であって、そこに従動コンベヤベルトの形の運搬装置98が設けられている。コンベヤベルト99の下に支持板100が配置されており、これらはリフト装置101(図示せず)によって個別に持ち上げられることができる。各支持板100の位置は、保管すべき物品パイル102を支持する。右端部に、パイル102を手動で載せるための受け取り位置が設けられている。
【0099】
支持板100を有する運搬装置98とトンネル104内に収容された運搬装置3との間に、運搬セグメント103が配置されており、トンネルの長さは、物品パイル102の対応寸法より幾分大きい。運搬セグメント103は、ある限度内を垂直方向に移動可能である。それは、やはり制御状態で移動可能な回転コンベヤベルトを備える。運搬セグメント103は、物品パイル102の最下位置の物品をハウジング105の開口及びトンネル104の開口を通して、処理装置の運搬装置3へそれぞれ移送する目的で働き、図19の移送装置91はその運搬装置3用に設けられている。
【0100】
マガジン内での保管のさらなる詳細のため、図21を参照する。これは、図20の配置を図20の左側から見た図である。保管された物品パイル102が、側部レール107の最下縁部フランジ106上のマガジン内に保管されている。これは、1つの物品108について示されている。ここで物品108のスタック102をさらに運搬しようとする場合、支持板100を対応のリフト装置101によって、そのパイルがコンベヤベルト99の上に載るまで持ち上げて、側部フランジ106から持ち上げる。次に、ベルト99によって運搬を行うことができる。
【0101】
運搬セグメント103は、リフトテーブル108上に取り付けられ、これは駆動部によってアセンブリレール109に対して持ち上げられることができる。このため、概略的に示されたガイドロッド110が設けられている。リフトテーブル108及び運搬セグメント103の下端部位置は、パイル内の最下位置の製品がフランジ106上に載るように選択される。
【0102】
アセンブリレール109上に、それぞれ左右に回動するストップ機構111が設けられており、それらの下端部112を水平動作式昇降機構113によって移動させることができる。上端部114はキャッチ板115を有し、これで上端部をユニットの、物品108の側壁上へ持っていくことができ、それにより、そのような物品をしっかり保持することができる。リフトテーブル108の移動の上端位置は、パイルの下から2番目の物品108が、ストップ機構111のキャッチ板115の間で運搬セグメント103の上に載るように選択される。
【0103】
水平動作式リフトユニット113は、たとえば磁石であることができる。
【0104】
図20には、マガジンの、運搬部分103に隣接する側部で上部及び底部領域にそれぞれ割り出し装置120が配置されていることがわかる。この割り出し装置により、ユニットを受け取るトンネル104に対するマガジンの正確な位置決め及び位置合わせが行われる。自動機構を介して、マガジンは割り出し位置で使用され、それにより、基部ユニットに製品を移送するための正確な位置決めが達成される。この位置では、ローラ95が床96からわずかに持ち上げられ、それにより、機械的過剰精度が生じない。
【0105】
マガジンの反対側に、制御パネル121がグリップ122と一緒に配置されている。制御パネル121は、割り出し装置を起動させるために、すなわちマガジンを再び取り外すために使用される。
【0106】
マガジンのハウジング105内の運搬は次のように行われる。すべての運搬セグメント、すなわち支持板100に対応する領域は、製品がセグメント上にあるか否かを確認する光信号ボタンを備えている。パイルの前方の運搬セグメントが空であることが検出されると、運搬装置は、製品パイルを1つのセグメントから次のセグメントへ搬送する。両方のセグメントの支持板100が持ち上げられ、それにより、1つのセグメントから次のセグメントへ連続運搬が行われる。放棄された運搬セグメントがもはや製品を認識しないとすぐに、送りがうまく完結し、両方の運搬セグメントがそれらの支持板100を再び降下させることができる。
【0107】
トンネル104内の本体への運搬用に、運搬セグメント103に割り当てられたパイルから製品を移送する場合、この運搬セグメント103が、下から2番目の製品をストッパ機構111のキャッチ板115が把持して保持することができる高さまで、パイルを持ち上げるであろう。キャッチ板115が保持できるように、ストッパ機構を起動させる。ここで、パイルをストッパ機構111によって保持しながら、運搬セグメント103を降下させる。開始位置において、この時に個別に運搬セグメント103上に載置されている移送装置91からの物体を保持して、基部ユニットへ移送することができる。
【0108】
図20及び図21に記載されている幾つかのそのようなマガジンを、図1及び図17に示したユニットの運搬部分に沿って配置することができる。割り出し装置を解放した後、マガジンを外して、新しくユニットの外側に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明による生物試料の処理及び取り扱いを行うユニットの概略的な全体図を示す。
【図2】操作装置、運搬部分、処理位置及び取り扱い装置の空間配置を示す。
【図3】試料容器を保管するマガジンの概略図を示す。
【図4】マガジンの一区画の概略図である。
【図5】試料を受け取る容器の概略図である。
【図6】マガジンの一区画の概略図である。
【図7】培養器の概略図である。
【図8】図7に従った培養器用の受け器の概略的配置を示す。
【図9】培養器開口用の水門の概略的側面図を示す。
【図10】図9に従った培養器開口を右側から見た部分図を示す。
【図11】第2培養器の概略的配置を示す。
【図12】図11に従った培養器用のタイプの駆動部の簡略断面を示す。
【図13】試料容器から蓋を取り外す装置の配置を示す。
【図14】簡略化した形によるユニットの処理端部の平面図を示す。
【図15】変更形実施形態の場合の、図14に対応する平面図を示す。
【図16】図15と異なる変更を再び加えた実施形態の平面図を示す。
【図17】幾つかの回転運搬装置の概略的配置を示す。
【図18】運搬部分の端部の戻し構造を拡大して示す。
【図19】運搬装置上へ受け器を送出するための装置を示す。
【図20】消耗品の保管用の装置の側面図を示す。
【図21】図20の配置を図20の左側から見た正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.1 試料容器(20)を運搬するための回転運搬装置(1)と、
1.2 試料容器(20)内の試料用の少なくとも1つの処理位置と、
1.3 試料用の少なくとも1つの処理装置(12)と、
1.4 処理装置(12)を処理位置と向き合わせて位置付けるための操作装置(13)と、
を備える、生物試料の自動処理ユニット。
【請求項2】
特に試料容器(20)内の消耗物質を保管するためのマガジン(6)と、消耗物質/試料容器(20)を排出し、且つ消耗物質/試料容器(20)を運搬装置(1)に送出するための装置(7)とを備える、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
試料を規定の環境内に収容するための培養器(8)を備える、請求項1又は2に記載のユニット。
【請求項4】
処理位置は、運搬装置(1)の運搬部分の外側に配置される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項5】
試料容器(20)を運搬装置(1)から処理位置へ、且つ/又はその逆に送出するための移送装置を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項6】
移送装置は、操作装置(13)から独立して働く、請求項5に記載のユニット。
【請求項7】
操作装置(13)は、処理装置(12)の機械的及び機能的結合を行うように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項8】
待機ステーションが、処理装置(12)用に処理位置の外側に配置される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項9】
待機ステーションは、処理装置(12)のクリーニング、点検、及び前記ステーションでのさらなる作業の準備を行うことができるように形成される、請求項8に記載のユニット。
【請求項10】
互いに独立的に動作する幾つかの処理装置(12)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項11】
処理装置(12)の待機位置及び/又は処理位置は、操作装置(13)がその自由度の1つに沿った直線運動を介してその位置に接近することができるように配置される、請求項8〜10のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項12】
処理装置(12)の待機位置及び/又は処理位置は、運搬装置の運搬方向に平行なライン上に配置される、請求項8〜11のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項13】
操作装置(13)の1つの自由度は、運搬装置(1)の運搬方向に平行な運動である、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項14】
運搬装置の運搬方向に平行な一方向の処理位置は、移動可能である、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項15】
幾つかの処理ステーション及び1つの処理位置を備える、請求項14に記載のユニット。
【請求項16】
運搬装置(1)は、試料容器(20)を2つの平行なストランド及び2つのリターンプーリ(4)を特徴とする経路に沿って移動させる、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項17】
処理装置(12)及び/又は処理位置及び/又は操作装置(13)は、リターンプーリ領域(4)内に配置される、請求項15に記載のユニット。
【請求項18】
処理位置は、運搬装置(1)の運搬部分と処理装置(12)の待機位置との間に配置される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項19】
試料容器として微量滴定板が設けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項20】
運搬装置(1)は、微量滴定板用の受け器(2)を特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項21】
移送装置は、受け器(2)を運搬装置(1)から処理位置へ移送するように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項22】
移送装置は、微量滴定板(2)を運搬装置(1)から処理位置へ移送するように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項23】
マガジン(6)は、一連の試料容器(20)を連続配置するために前方に傾斜した少なくとも1つのローラコンベヤ、好ましくは上下に配置された複数のローラコンベヤを特徴とする、請求項2〜22のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項24】
コンベヤは、試料容器(20)がマガジン(6)の前方向に装填されて、その位置にあるストッパ(24)に当たるように構成される、請求項23に記載のユニット。
【請求項25】
試料容器(20)は、試料容器(20)が載っている従動ローラによって装填される、請求項24に記載のユニット。
【請求項26】
試料容器(20)は、試料容器(20)が載っている従動ローラによって装填される、請求項24に記載のユニット。
【請求項27】
一方のベルト/ローラと、他方の試料容器(20)との間にスリップを生じる、請求項25又は26に記載のユニット。
【請求項28】
一方のベルト又はローラと、他方のこれらのための駆動部との間にスリップを生じる、請求項25〜27のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項29】
試料容器20用のガイドウェイの傾斜配列により、送り効果が生じる、請求項23又は24に記載のユニット。
【請求項30】
コンベヤは、ローラコンベヤである、請求項29に記載のユニット。
【請求項31】
コンベヤは、平滑材料で被覆された表面を特徴とする、請求項29に記載のユニット。
【請求項32】
ローラコンベヤは、試料容器(20)用の上部ガイドを特徴とする、請求項23〜31のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項33】
試料容器ガイドの上側とそれぞれの試料容器ガイドの底側との間の距離は、取り外された蓋(25)の高さ及び蓋なしの試料容器(20)の下側部分(26)の高さの合計より短い、請求項32に記載のユニット。
【請求項34】
ローラコンベヤの上部ガイドは、それぞれのすぐ上のローラコンベヤのローラ(22)によって形成される、請求項32又は33に記載のユニット。
【請求項35】
操作装置は、前側の試料容器(20)をストッパ(24)の上方へ持ち上げるように形成される、請求項2〜34のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項36】
操作装置は、まさに滑り落ちていく試料容器(20)の移動中、前側の試料容器(20)の前方のストッパ(24)を外して、それを次の試料容器(20)の前方の水平開口ギャップに挿入するように形成される、請求項2〜34のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項37】
培養器(8)は、培養器に出し入れする試料容器(20)の送りが、直線的且つ水平に起きるように配置される、請求項3〜36のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項38】
培養器(8)は、試料容器(20)の新しい移動が、培養器(8)の内部の操作装置によって行われ、それにより、駆動部が培養器(8)の外側に配置されるように構成される、請求項37に記載のユニット。
【請求項39】
培養器(8)は、試料容器(20)の装填及び取り出しの目的のためにだけ開く入口水門を特徴とする、請求項37又は38に記載のユニット。
【請求項40】
コンベヤは、平滑材料で被覆された表面を特徴とする、請求項39に記載のユニット。
【請求項41】
培養器(8)は、閉鎖経路に沿って配置され、且つ前記経路に沿って、好ましくは両方向に運搬可能な試料容器20用の複数の受け器(35)を特徴とする、請求項3〜40のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項42】
受け器(35)は、2つの回転チェーン(34)、ベルト、又はロザリオのようなものに懸架される、請求項41に記載のユニット。
【請求項43】
チェーン(34)、ベルト又は同様のものは、多数の垂直方向に進むストランドを特徴とする、請求項42に記載のユニット。
【請求項44】
培養器(8)は、駆動可能な戻しベルト(48)で形成された、又はそれらを特徴とする複数の段を特徴とする、請求項37〜43のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項45】
垂直方向に移動可能であり、且つ運搬段の任意のものの高さで停止することができる運搬セグメント(52)を備える、請求項44に記載のユニット。
【請求項46】
運搬セグメント(52)と1つの段の回転ベルト(48)との間に、それぞれの高さが等しいときに係合することができる駆動結合部が設けられて、運搬セグメント(52)の駆動部がその段に結合される、請求項44又は45に記載のユニット。
【請求項47】
垂直方向に移動可能であり、且つ段の任意の高さで停止することができる戻し運搬セグメント(57)を備える、請求項44〜46のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項48】
戻し運搬セグメント(57)と1つの段の回転ベルト(48)との間に、戻し運搬セグメント(57)及びその段間で高さが等しいときに係合することができる駆動結合部が設けられて、戻し運搬セグメント(57)の駆動部がその段に結合される、請求項47に記載のユニット。
【請求項49】
運搬セグメント(52)及び戻し運搬セグメント(57)は、両方向に駆動されることができる、請求項47又は48に記載のユニット。
【請求項50】
培養器(8)に供給するための操作装置が、培養器(8)の外側に設けられて、培養器(8)の入口開口(33)に沿って移動することができる、請求項3〜49のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項51】
運搬装置内で試料容器(20)を手動入力するための装填ステーションを備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項52】
試料容器(20)用の自動排出ステーションを備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項53】
蓋を試料容器(20)から取り外す、又はそれに載置するための装置を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項54】
運搬装置の運搬部分に沿って追加の処理ステーションを備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項55】
運搬装置は、試料容器(20)用に設けられた受け器内の消耗物質を運搬するように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項56】
消耗物質及び試料容器(20)の保管を行うためのマガジンは、運搬部分と機械的且つ/又は機能的に接続可能である(図20)ユニットとして形成される、請求項2〜55のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項57】
マガジンは、消耗物質のパイル(102)を段階的にさらに運搬するための駆動ユニットと、パイル(102)の一部分を運搬装置に送り出すための移送装置とを特徴とする、請求項56に記載のユニット。
【請求項58】
マガジンの移送装置は、パイル(102)を下から上へ処理する、請求項56又は57に記載のユニット。
【請求項59】
操作装置(13)は、運搬装置の長手方向にも追加的に移動可能である、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項60】
運搬装置(1)は、互いに連結可能なモジュラーユニットで形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項1】
1.1 試料容器(20)を運搬するための回転運搬装置(1)と、
1.2 試料容器(20)内の試料用の少なくとも1つの処理位置と、
1.3 試料用の少なくとも1つの処理装置(12)と、
1.4 処理装置(12)を処理位置と向き合わせて位置付けるための操作装置(13)と、
を備える、生物試料の自動処理ユニット。
【請求項2】
特に試料容器(20)内の消耗物質を保管するためのマガジン(6)と、消耗物質/試料容器(20)を排出し、且つ消耗物質/試料容器(20)を運搬装置(1)に送出するための装置(7)とを備える、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
試料を規定の環境内に収容するための培養器(8)を備える、請求項1又は2に記載のユニット。
【請求項4】
処理位置は、運搬装置(1)の運搬部分の外側に配置される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項5】
試料容器(20)を運搬装置(1)から処理位置へ、且つ/又はその逆に送出するための移送装置を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項6】
移送装置は、操作装置(13)から独立して働く、請求項5に記載のユニット。
【請求項7】
操作装置(13)は、処理装置(12)の機械的及び機能的結合を行うように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項8】
待機ステーションが、処理装置(12)用に処理位置の外側に配置される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項9】
待機ステーションは、処理装置(12)のクリーニング、点検、及び前記ステーションでのさらなる作業の準備を行うことができるように形成される、請求項8に記載のユニット。
【請求項10】
互いに独立的に動作する幾つかの処理装置(12)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項11】
処理装置(12)の待機位置及び/又は処理位置は、操作装置(13)がその自由度の1つに沿った直線運動を介してその位置に接近することができるように配置される、請求項8〜10のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項12】
処理装置(12)の待機位置及び/又は処理位置は、運搬装置の運搬方向に平行なライン上に配置される、請求項8〜11のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項13】
操作装置(13)の1つの自由度は、運搬装置(1)の運搬方向に平行な運動である、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項14】
運搬装置の運搬方向に平行な一方向の処理位置は、移動可能である、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項15】
幾つかの処理ステーション及び1つの処理位置を備える、請求項14に記載のユニット。
【請求項16】
運搬装置(1)は、試料容器(20)を2つの平行なストランド及び2つのリターンプーリ(4)を特徴とする経路に沿って移動させる、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項17】
処理装置(12)及び/又は処理位置及び/又は操作装置(13)は、リターンプーリ領域(4)内に配置される、請求項15に記載のユニット。
【請求項18】
処理位置は、運搬装置(1)の運搬部分と処理装置(12)の待機位置との間に配置される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項19】
試料容器として微量滴定板が設けられる、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項20】
運搬装置(1)は、微量滴定板用の受け器(2)を特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項21】
移送装置は、受け器(2)を運搬装置(1)から処理位置へ移送するように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項22】
移送装置は、微量滴定板(2)を運搬装置(1)から処理位置へ移送するように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項23】
マガジン(6)は、一連の試料容器(20)を連続配置するために前方に傾斜した少なくとも1つのローラコンベヤ、好ましくは上下に配置された複数のローラコンベヤを特徴とする、請求項2〜22のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項24】
コンベヤは、試料容器(20)がマガジン(6)の前方向に装填されて、その位置にあるストッパ(24)に当たるように構成される、請求項23に記載のユニット。
【請求項25】
試料容器(20)は、試料容器(20)が載っている従動ローラによって装填される、請求項24に記載のユニット。
【請求項26】
試料容器(20)は、試料容器(20)が載っている従動ローラによって装填される、請求項24に記載のユニット。
【請求項27】
一方のベルト/ローラと、他方の試料容器(20)との間にスリップを生じる、請求項25又は26に記載のユニット。
【請求項28】
一方のベルト又はローラと、他方のこれらのための駆動部との間にスリップを生じる、請求項25〜27のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項29】
試料容器20用のガイドウェイの傾斜配列により、送り効果が生じる、請求項23又は24に記載のユニット。
【請求項30】
コンベヤは、ローラコンベヤである、請求項29に記載のユニット。
【請求項31】
コンベヤは、平滑材料で被覆された表面を特徴とする、請求項29に記載のユニット。
【請求項32】
ローラコンベヤは、試料容器(20)用の上部ガイドを特徴とする、請求項23〜31のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項33】
試料容器ガイドの上側とそれぞれの試料容器ガイドの底側との間の距離は、取り外された蓋(25)の高さ及び蓋なしの試料容器(20)の下側部分(26)の高さの合計より短い、請求項32に記載のユニット。
【請求項34】
ローラコンベヤの上部ガイドは、それぞれのすぐ上のローラコンベヤのローラ(22)によって形成される、請求項32又は33に記載のユニット。
【請求項35】
操作装置は、前側の試料容器(20)をストッパ(24)の上方へ持ち上げるように形成される、請求項2〜34のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項36】
操作装置は、まさに滑り落ちていく試料容器(20)の移動中、前側の試料容器(20)の前方のストッパ(24)を外して、それを次の試料容器(20)の前方の水平開口ギャップに挿入するように形成される、請求項2〜34のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項37】
培養器(8)は、培養器に出し入れする試料容器(20)の送りが、直線的且つ水平に起きるように配置される、請求項3〜36のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項38】
培養器(8)は、試料容器(20)の新しい移動が、培養器(8)の内部の操作装置によって行われ、それにより、駆動部が培養器(8)の外側に配置されるように構成される、請求項37に記載のユニット。
【請求項39】
培養器(8)は、試料容器(20)の装填及び取り出しの目的のためにだけ開く入口水門を特徴とする、請求項37又は38に記載のユニット。
【請求項40】
コンベヤは、平滑材料で被覆された表面を特徴とする、請求項39に記載のユニット。
【請求項41】
培養器(8)は、閉鎖経路に沿って配置され、且つ前記経路に沿って、好ましくは両方向に運搬可能な試料容器20用の複数の受け器(35)を特徴とする、請求項3〜40のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項42】
受け器(35)は、2つの回転チェーン(34)、ベルト、又はロザリオのようなものに懸架される、請求項41に記載のユニット。
【請求項43】
チェーン(34)、ベルト又は同様のものは、多数の垂直方向に進むストランドを特徴とする、請求項42に記載のユニット。
【請求項44】
培養器(8)は、駆動可能な戻しベルト(48)で形成された、又はそれらを特徴とする複数の段を特徴とする、請求項37〜43のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項45】
垂直方向に移動可能であり、且つ運搬段の任意のものの高さで停止することができる運搬セグメント(52)を備える、請求項44に記載のユニット。
【請求項46】
運搬セグメント(52)と1つの段の回転ベルト(48)との間に、それぞれの高さが等しいときに係合することができる駆動結合部が設けられて、運搬セグメント(52)の駆動部がその段に結合される、請求項44又は45に記載のユニット。
【請求項47】
垂直方向に移動可能であり、且つ段の任意の高さで停止することができる戻し運搬セグメント(57)を備える、請求項44〜46のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項48】
戻し運搬セグメント(57)と1つの段の回転ベルト(48)との間に、戻し運搬セグメント(57)及びその段間で高さが等しいときに係合することができる駆動結合部が設けられて、戻し運搬セグメント(57)の駆動部がその段に結合される、請求項47に記載のユニット。
【請求項49】
運搬セグメント(52)及び戻し運搬セグメント(57)は、両方向に駆動されることができる、請求項47又は48に記載のユニット。
【請求項50】
培養器(8)に供給するための操作装置が、培養器(8)の外側に設けられて、培養器(8)の入口開口(33)に沿って移動することができる、請求項3〜49のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項51】
運搬装置内で試料容器(20)を手動入力するための装填ステーションを備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項52】
試料容器(20)用の自動排出ステーションを備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項53】
蓋を試料容器(20)から取り外す、又はそれに載置するための装置を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項54】
運搬装置の運搬部分に沿って追加の処理ステーションを備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項55】
運搬装置は、試料容器(20)用に設けられた受け器内の消耗物質を運搬するように形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項56】
消耗物質及び試料容器(20)の保管を行うためのマガジンは、運搬部分と機械的且つ/又は機能的に接続可能である(図20)ユニットとして形成される、請求項2〜55のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項57】
マガジンは、消耗物質のパイル(102)を段階的にさらに運搬するための駆動ユニットと、パイル(102)の一部分を運搬装置に送り出すための移送装置とを特徴とする、請求項56に記載のユニット。
【請求項58】
マガジンの移送装置は、パイル(102)を下から上へ処理する、請求項56又は57に記載のユニット。
【請求項59】
操作装置(13)は、運搬装置の長手方向にも追加的に移動可能である、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項60】
運搬装置(1)は、互いに連結可能なモジュラーユニットで形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2008−511295(P2008−511295A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528781(P2007−528781)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009441
【国際公開番号】WO2006/027163
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(507050285)バイオプラン コンサルティング ゲーエムベーハー (1)
【出願人】(507050274)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009441
【国際公開番号】WO2006/027163
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(507050285)バイオプラン コンサルティング ゲーエムベーハー (1)
【出願人】(507050274)
【Fターム(参考)】
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