説明

微細水滴発生装置

【課題】使用者がノズルのクリーニング作業を行う必要がなく、常に安定した給水または安定した空気の噴出が行われる微細水発生装置を提供する。
【解決手段】微細水滴発生装置1の内部に給水手段または空気噴出手段に付着した異物を除去するクリーニング手段6を備える。使用者が水タンク3を本体2に装着または脱着する力をクリーニング手段6の駆動力として利用し、給水手段としての給水ノズル9の内部または空気噴出手段としてのエアーノズル11の内部を摺動できるように配置されたクリーニングピン14を摺動させることにより、給水ノズル9またはエアーノズル11の内部に付着した異物を除去することができ、使用者が給水ノズル9またはエアーノズル11のクリーニング作業を行わなくても常に安定した給水または安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細水滴を発生させる微細水滴発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
供給された水に対して高速の空気流を衝突させることによって微細化した水を発生する微細水滴発生装置があるが、市水など硬度の高い水を給水ノズルより供給し、その給水ノズル内部や給水ノズルの給水口において水が蒸発しうる構造になっているものは、水の蒸発により市水に含まれるカルシウム分などのスケール成分が析出した異物や、市水に含まれている異物などが給水口や給水ノズル内部に付着することによって給水ノズルが詰まってしまい、給水が不安定になることがある。また、高速の空気流を噴出する空気噴出手段として備えられたエアーノズルの内部や、エアーノズルの噴出口においても噴出する空気に含まれていた異物などが付着し、エアーノズルを詰まらせてしまい、空気の噴出が不安定になることがある。このような現象を防いで給水ノズルから安定して水を給水し、エアーノズルから安定した空気を噴出するために、使用者は定期的に給水ノズルまたはエアーノズルを装置から取り外し、これらに付着した異物を除去するクリーニング作業を行う必要がある。
【0003】
上記の問題に対し、安定した給水または安定した空気の噴出を行うための解決手段として、例えば、給水ノズルの給水口の径を1.5mmφ±0.1mmとすることにより、スケール成分や異物の付着による給水ノズルの詰まりを抑制し、使用者がノズルのクリーニング作業を行う頻度を少なくしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−330285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の課題解決手段は、使用者がノズルのクリーニング作業を行う頻度を少なくすることができるが、クリーニング作業自体を無くすものではないため、使用者は頻度は少ないものの定期的にノズルを取り外してクリーニング作業を実行しなければならないものであった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するものであり、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行う必要がなく、常に安定した給水または安定した空気の噴出が行われる微細水滴発生装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明が講じた第1の課題解決手段は、水を供給する給水手段と、空気を噴出する空気噴出手段を有し、給水手段から供給される水に対し空気噴出手段から噴出される空気を衝突させることによって微細水滴を発生する微細水滴発生装置において、微細水滴発生装置は給水手段または空気噴出手段に付着した異物を除去するクリーニング手段を備えることを特徴とするものである。
【0007】
この手段により、給水手段としての給水ノズルまたは/および空気噴出手段としてのエアーノズルに付着した異物を除去するためのクリーニング手段を微細水滴発生装置内部に備えるため、使用者がクリーニング作業を行わなくても微細水滴発生装置に備えられたクリーニング手段が作動することにより給水ノズルまたは/およびエアーノズルのクリーニングが定期的に行われるので、使用者はノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても安定した給水または安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0008】
また、本発明が講じた第2の課題解決手段は上記第1または第2の課題解決手段において、クリーニング手段はセルフクリーニングであることを特徴とするものである。
【0009】
この手段により、微細水滴発生装置は自動で給水ノズルまたは/およびエアーノズルをセルフクリーニングし、使用者がノズルのクリーニングを行わなくても常に安定した水や空気が供給されるようにすることができる。
【0010】
また、本発明が講じた第3の課題解決手段は上記第1または第2の課題解決手段において、本体と、水を貯留する水タンクを備え、クリーニング手段は水タンクの本体に装着する時または脱着する時に作動することを特徴とするものである。
【0011】
この手段により、使用者が水タンクを本体に装着または脱着する度にクリーニング手段が作動してクリーニングが行われることになるので、使用者がクリーニング作業を行わなくても微細水滴発生装置は給水ノズルまたは/およびエアーノズルを定期的にクリーニングし常に安定した水や空気が供給されるようにすることができる。
【0012】
また、本発明が講じた第4の課題解決手段は上記第3の課題解決手段において、クリーニング手段は、給水手段または空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、使用者が水タンクを装着または脱着する力を駆動力としてクリーニングピンを摺動することを特徴とするものである。
【0013】
この手段により、使用者が水タンクを本体に装着または脱着する際、その水タンクの装脱着に使う使用者の力を駆動力としてクリーニングピンが摺動し異物を除去するので、水タンクを脱着する度に定期的にクリーニングが行われることになり、常に安定した水または/および空気が供給されるようになる。また、水タンクを装脱着するときの使用者の力を駆動力としてクリーニング手段が作動するので、他に駆動源を具備する必要を無くすことができる。
【0014】
また、本発明が講じた第5の課題解決手段は上記第1または第2の課題解決手段において、微細水滴発生装置の運転スイッチの操作に連動してクリーニング手段が作動することを特徴とするものである。
【0015】
この手段により、クリーニング手段が微細水滴発生装置の運転スイッチのオンオフに連動するので、使用者が装置の運転スイッチを操作する度にクリーニングが行われることになるので、定期的にクリーニングを行う必要がなく常に安定した水または/および空気が供給されるようにすることができる。
【0016】
また、本発明が講じた第6の課題解決手段は上記第5の課題解決手段において、クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、クリーニングピンに駆動力を供給する駆動装置を備え、微細水滴発生装置の運転スイッチのオンオフに連動して駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動することを特徴とするものである。
【0017】
この手段により、使用者が装置の運転スイッチをオンオフする度に駆動装置が作動してクリーニングピンが摺動して異物を除去することができ、また、装置の使用直前、使用直後にクリーニングを行うことになるので、常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0018】
また、本発明が講じた第7の課題解決手段は上記第1または第2の課題解決手段において、水を貯留する水タンクを備え、クリーニング手段は水タンクの水位に連動して作動することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0019】
この手段により、クリーニング手段が水タンクの水位に連動するので、水タンクの水位が任意の水位より下回った際にクリーニングを行い、常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0020】
また、本発明が講じた第8の課題解決手段は上記第7の課題解決手段において、クリーニング手段は給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、水タンクの水位を検出する水位検出手段と、クリーニングピンに駆動力を供給する駆動装置を備え、水タンクの任意の水位を感知して駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動することを特徴とするものである。
【0021】
この手段により、水位検出手段が水タンクの水位の低下を感知すると駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動して異物を除去するので、常に安定した水または空気が供給されるようになる。
【0022】
また、本発明が講じた第9の課題解決手段は上記第1または第2の課題解決手段において、空気噴出手段は空気を圧縮する空気圧縮装置を備え、クリーニング手段は空気圧縮手段によって圧縮された空気の圧力を駆動力として作動することを特徴とするものである。
【0023】
この手段により、空気圧縮装置によって圧縮された空気の圧力を一部利用してクリーニング手段が作動するようになり、空気圧縮装置を運転または停止する度にクリーニングが行われるので、常に安定した給水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0024】
また、本発明が講じた第10の課題解決手段は上記第9の課題解決手段において、クリーニング手段が給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、クリーニングピンを支持する支持部材を備え、クリーニングピンは支持部材に加えられた空気の圧力によって摺動することを特徴とするものである。
【0025】
この手段により、空気圧縮手段によって圧縮された空気の圧力がクリーニングピンを支持する支持部材に加えられ、その結果クリーニングピンが給水手段または/および空気噴出手段の内部を摺動することによって、給水手段または/および空気噴出手段の内部表面に付着した異物を除去するので、常に安定した水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0026】
また、本発明が講じた第11の課題解決手段は上記第1乃至第10の課題解決手段のいずれかにおいて、クリーニング手段が給水手段または空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、クリーニングピンが給水手段または/および空気噴出手段の内部で回転することを特徴とするものである。
【0027】
この手段により、クリーニングピンが給水手段または空気噴出手段の内部においてクリーニングピンの長軸を中心軸として回転し、給水手段または/および空気噴出手段の内部を摺動することによって、給水手段または空気噴出手段の内部表面に付着した異物を除去し、常に安定した水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0028】
また、本発明が講じた第12の課題解決手段は上記第11の課題解決手段において、クリーニングピンの少なくとも一部に多角柱部分を有し、多角柱部分を給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口に挿入できるようにすることを特徴とするものである。
【0029】
この手段により、クリーニングピンを回転させた際、多角柱部分の角の部分が異物の隙間もしくは異物と給水手段の内部表面または空気噴出手段の内部表面との隙間に食い込み、効率よくそれらを給水手段または空気噴出手段の外部へ掻きだすことができる。
【0030】
また、本発明が講じた第13の課題解決手段は上記第1乃至第12の課題解決手段において、クリーニング手段が給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、運転時に前記クリーニングピンを給水手段または/および空気噴出手段から抜けないようにすることを特徴とするものである。
【0031】
この手段により、運転中においてクリーニングピンが給水口または/および噴出口から抜けないので、運転停止時などにクリーニングピンが給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口に挿入される際、スムーズに給気口または/および噴出口に挿入されるようになり、クリーニングピンが給水手段または/および空気噴出手段の他の部位に衝突して損傷させてしまうのを予防することができる。
【0032】
また、本発明が講じた第14の課題解決手段は上記第1乃至第13の課題解決手段において、微細水滴発生装置の運転停止時に、給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口を密閉する密閉手段を備えることを特徴とするものである。
【0033】
この手段により、運転停止時に給水口または/および噴出口を密閉し、給水口または/および噴出口への水の浸入を抑制することにより給水口または/および噴出口における水の蒸発を抑制できるので、給水口に供給された水または/および噴出口に飛散した水が運転停止後に残留し、その水が蒸発して含有物が析出し、給水口または/および噴出口を詰まらせてしまうことを予防することができる。
【0034】
また、本発明が講じた第15の課題解決手段は上記第13または第14の課題解決手段において、クリーニング手段が給水手段または空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、前記クリーニングピンは大径部20および小径部21にて構成し、運転停止時に大径部20が給水手段の給水口または空気噴出手段の噴出口に位置し、運転時に給水口または噴出口に小径部21が位置するように構成することを特徴とするものである。
【0035】
この手段により、微細水滴発生装置の運転停止時にクリーニングピンの大径部20が給水口または/および噴出口を密閉し、給水口または/および噴出口への水の浸入を抑制でき、給水口または/および噴出口における水の蒸発を抑制できるので、給水口に供給された水または/および噴出口に飛散した水が残留し、そこで蒸発して含有物が析出し、給水口または/および噴出口を詰まらせてしまうことを予防することができる。また、運転時には小径部21が給水口または/および噴出口に位置するので水または/および空気を流通させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、給水手段としての給水ノズルまたは/および空気噴出手段としてのエアーノズルに付着した異物を除去するためのクリーニング手段が微細水滴発生装置内部に備えるため、使用者がクリーニング作業を行わなくても微細水滴発生装置に備えられたクリーニング手段が作動することにより給水ノズルまたは/およびエアーノズルのクリーニングが定期的に行われるので、使用者はノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても安定した給水または安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0037】
また、微細水滴発生装置は自動でクリーニング、自己洗浄、自己清掃、自己クリーニングを行うので、使用者がノズルのクリーニング作業を行わなくても常に安定した水や空気が供給されるようにすることができる。
【0038】
また、使用者が水タンクを本体に装着または脱着する度にクリーニング手段が作動してクリーニングが行われることになるので、使用者がクリーニング作業を行わなくても定期的にクリーニングが行われ常に安定した水や空気が供給されるようにすることができる。
【0039】
使用者が水タンクを本体に装着または脱着する際、その水タンクの装脱着に使う使用者の力を駆動力としてクリーニングピンを摺動させて異物を除去するので、水タンクを脱着する度に定期的にクリーニングが行われることになり、常に安定した水または/および空気が供給されるようになる。また、水タンクを装脱着するときの使用者の力を駆動力としてクリーニング手段が作動するので、他に駆動源を具備する必要をなくすことができる。
【0040】
また、クリーニング手段が微細水滴発生装置の運転スイッチのオンオフに連動するので、使用者が装置の運転スイッチを操作する度にクリーニングが行われることになるので、定期的にクリーニングを行う必要がなく常に安定した水または/および空気が供給されるようにすることができる。
【0041】
また、使用者が装置の運転スイッチをオンオフする度に駆動装置が作動してクリーニングピンが摺動して異物を除去することができ、また、装置の使用直前、使用直後にクリーニングを行うことになるので、使用時に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0042】
また、クリーニング手段が水タンクの水位に連動するので、水タンクの水位が任意の水位より下回った際にクリーニングを行うので、常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0043】
また、水位検出手段が水タンクの水位の低下を感知して駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動して異物を除去するので、常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0044】
また、空気圧縮装置によって圧縮された空気の圧力を一部利用してクリーニング手段が作動するようになり、空気圧縮装置を運転または停止する度にクリーニングが行われ、常に安定した給水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0045】
また、空気圧縮手段によって圧縮された空気の圧力がクリーニングピンを支持する支持部材に加えられ、その結果クリーニングピンが給水手段または/および空気噴出手段の内部を摺動することによって、給水手段または/および空気噴出手段の内部表面に付着した異物を除去し、常に安定した水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0046】
また、クリーニングピンが給水手段または空気噴出手段の内部においてクリーニングピンの長軸を中心軸として回転し、給水手段または/および空気噴出手段の内部を摺動することによって、給水手段または空気噴出手段の内部表面に付着した異物を除去し、常に安定した水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0047】
また、クリーニングピンを回転させた際、多角柱部分の角の部分が異物の隙間もしくは異物と給水手段の内部表面または空気噴出手段の内部表面との隙間に食い込み、効率よくそれらを給水手段または空気噴出手段の外部へ掻きだすことができる。
【0048】
運転中においてクリーニングピンが給水口または/および噴出口から抜けないので、運転停止時などにクリーニングピンが給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口に挿入される際、スムーズに給気口または/および噴出口に挿入され、クリーニングピンが給水手段または/および空気噴出手段の他の部位に衝突して損傷させてしまうのを予防することができる。
【0049】
運転停止時に給水口または/および噴出口を密閉し、給水口または/および噴出口への水の浸入を抑制することにより給水口または/および噴出口における水の蒸発を抑制できるので、給水口に供給された水または/および噴出口に飛散した水が運転停止後に残留し、その水が蒸発して含有物が析出し、給水口または/および噴出口を詰まらせてしまうことを予防することができる。
【0050】
微細水滴発生装置の運転停止時にクリーニングピンの大径部20が給水口または/および噴出口を密閉し、給水口または/および噴出口への水の浸入を抑制でき、給水口または/および噴出口における水の蒸発を抑制できるので、給水口に供給された水または/および噴出口に飛散した水が残留し、そこで蒸発して含有物が析出し、給水口または/および噴出口を詰まらせてしまうことを予防することができる。また、運転時には小径部21が給水口または/および噴出口に位置するので水または/および空気を流通させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の請求項1記載の微細水滴発生装置は、水を供給する給水手段と、空気を噴出する空気噴出手段を有し、給水手段から供給される水に対し、空気噴出手段から噴出される空気を衝突させることによって微細水を発生する水発生装置において、給水手段または空気噴出手段に付着した異物を除去するクリーニング手段を備えるものであり、給水手段としての給水ノズルまたは/および空気噴出手段としてのエアーノズルに付着した異物を除去するためのクリーニング手段が微細水滴発生装置内部に備えるため、使用者がノズルをとりはずしてクリーニング作業を行わなくても微細水滴発生装置に備えられたクリーニング手段が作動することによって給水ノズルまたは/およびエアーノズルのクリーニングが定期的に行われるので、安定した給水または安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0052】
また、本発明の請求項2記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1記載の発明に加え、クリーニング手段はセルフクリーニングであることを特徴とするものであり、微細水滴発生装置が自動でノズルのセルフクリーニング、自己洗浄、自己清掃、自己クリーニングを行うので使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0053】
また、本発明の請求項3記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1または2記載の発明に加え、本体と、水を貯留する水タンクを備え、クリーニング手段は水タンクの本体に装着する時または脱着する時に作動するようにしたものであり、使用者が水タンクを本体に装着または脱着する度にクリーニング手段が作動してクリーニングが行われることになるので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても定期的にクリーニングが行われ常に安定した水や空気が供給されるようにすることができる。
【0054】
また、本発明の請求項4記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項3記載の発明に加え、クリーニング手段が給水手段または空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、使用者が水タンクを装着または脱着する力を駆動力としてクリーニングピンを摺動させるものであり、使用者が水タンクを本体に装着または脱着する際、その水タンクの装脱着に使う使用者の力を駆動力としてクリーニングピンを摺動させて異物を除去するので、水タンクを脱着する度に定期的にクリーニングが行われることになり、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても常に安定した水または/および空気が供給されるようにすることができる。また、水タンクを装脱着するときの使用者の力を駆動力としてクリーニング手段が作動するので、他に駆動源を具備する必要を無くすことができる。
【0055】
また、本発明の請求項5記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1または2記載の発明に加え、微細水滴発生装置の運転スイッチの操作に連動してクリーニング手段が作動するようにしたものであり、使用者が装置の運転スイッチを操作する度にクリーニングが行われることになるので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行う必要がなく常に安定した水または/および空気が供給されるようにすることができる。
【0056】
また、本発明の請求項6記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項5記載の発明に加え、クリーニング手段が給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、クリーニングピンに駆動力を供給する駆動装置を備え、微細水滴発生装置の運転スイッチのオンオフに連動して駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動するようにしたものであり、使用者が装置の運転スイッチをオンオフする度に駆動装置が作動してクリーニングピンが摺動して異物を除去することができ、また、装置の使用直前、使用直後にクリーニングを行うことになるので、常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0057】
また、本発明の請求項7記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1または2記載の発明に加え、水を貯留する水タンクを備え、クリーニング手段は水タンクの水位に連動して作動するようにしたものであり、水タンクの水位が任意の水位より下回った際にクリーニングを行うので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0058】
また、本発明の請求項8記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項7記載の発明に加え、クリーニング手段が給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、水タンクの水位を検出する水位検出手段と、クリーニングピンに駆動力を供給する駆動装置を備え、水タンクの任意の水位を感知して駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動するものであり、水位検出手段が水タンクの水位の低下を感知すると駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動して異物を除去するので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても常に安定した水または空気が供給されるようにすることができる。
【0059】
また、本発明の請求項9記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1または2記載の発明に加え、空気噴出手段は空気を圧縮する空気圧縮装置を備え、クリーニング手段は空気圧縮手段によって圧縮された空気の圧力を駆動力として作動するものであり、空気圧縮装置を運転または停止する度にクリーニングが行われるので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても常に安定した給水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0060】
また、本発明の請求項10記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項9記載の発明に加え、クリーニング手段が給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、クリーニングピンを支持する支持部材を備え、クリーニングピンは支持部材に加えられた空気の圧力によって摺動するものであり、給水手段または/および空気噴出手段の内部表面に付着した異物を除去することができ、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても常に安定した給水または/および安定した空気の噴出を行うことができる。
【0061】
また、本発明の請求項11記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1乃至10のいずれかに記載の発明に加え、クリーニング手段が給水手段または空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、クリーニングピンが給水手段または/および空気噴出手段の内部で回転するものであり、クリーニングピンが給水手段または空気噴出手段の内部においてクリーニングピンの長軸を中心軸として回転して摺動することによって、給水手段または空気噴出手段の内部表面に付着した異物を除去することができ、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行わなくても常に安定した水または/および安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0062】
また、本発明の請求項12記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項11記載の発明に加え、クリーニングピンの少なくとも一部に多角柱部分を有し、多角柱部分を給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口に挿入できるようにしたものであり、クリーニングピンを回転させた際、多角柱部分の角の部分が異物の隙間もしくは異物と給水手段の内部表面または空気噴出手段の内部表面との隙間に食い込み、効率よくそれらを給水手段または空気噴出手段の外部へ掻きだすことができる。
【0063】
また、本発明の請求項13記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1乃至12のいずれかに記載の発明に加え、クリーニング手段が給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、運転時に前記クリーニングピンを給水手段または/および空気噴出手段から抜けないようにするものであり、運転中にクリーニングピンが給水口または/および噴出口から抜けないので、クリーニングピンが給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口に挿入される際、スムーズに給気口または/および噴出口に挿入され、クリーニングピンが給水手段または/および空気噴出手段の他の部位に衝突して損傷させることを予防することができる。
【0064】
また、本発明の請求項14記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項1乃至13記載の発明に加え、微細水滴発生装置の運転停止時に、給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口を密閉する密閉手段を備えるものであり、運転停止時に給水口または/および噴出口が密閉され、給水口または/および噴出口への水の浸入を抑制することにより給水口または/および噴出口における水の蒸発を抑制できるので、給水口に供給された水または/および噴出口に飛散した水が運転停止後に残留し、その水が蒸発して含有物が析出し、給水口または/および噴出口を詰まらせてしまうことを予防することができる。
【0065】
また、本発明の請求項15記載の微細水滴発生装置は、上記の請求項13または14記載の発明に加え、クリーニング手段が給水手段または空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、クリーニングピンは大径部および小径部にて構成し、運転停止時に大径部が給水手段の給水口または空気噴出手段の噴出口に位置し、運転時に給水口または噴出口に小径部が位置するように構成するものであり、微細水滴発生装置の運転停止時にクリーニングピンの大径部が給水口または/および噴出口を密閉し、給水口または/および噴出口への水の浸入を抑制でき、給水口または/および噴出口における水の蒸発を抑制できるので、給水口に供給された水または/および噴出口に飛散した水が残留し、そこで蒸発して含有物が析出し、給水口または/および噴出口を詰まらせてしまうことを予防することができる。また、運転時には小径部が給水口または/および噴出口に位置するので水または/および空気を流通させることができる。
【0066】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0067】
(実施の形態1)
図1に示すように、微細水滴発生装置1は、後述する水タンク受け部4、微細水滴発生部5、クリーニング手段6および水管7によって構成される本体2と、水を貯留する水タンク3によって構成されている。水タンク受け部4は水タンク3と嵌合するように形成されている。また、水管7は、水タンク受け部4とクリーニング手段6を連通するように配設されている。また、クリーニング手段6は、微細水滴発生部5および水管7と連通しており、微細水滴発生部5の上流に設けられている。微細水滴発生部5は、水を供給する給水手段と高速の空気流を噴出する空気噴出手段8によって構成され、給水手段より供給される水に高速の空気流を衝突させることにより微細水を発生することができる。また、微細水滴発生部5は、給水手段としての給水ノズル9を備えており、給水ノズル9はクリーニング手段6と接続されている。一方、空気噴出手段8は空気を圧縮する空気圧縮装置としてのエアーポンプ10と、エアーポンプ10と連通し空気を噴出するエアーノズル11によって構成されている。そして、微細水滴発生部5はエアーノズル11から空気を噴出する噴出口12の鉛直上方に給水ノズル9から水を給水する給水口13が位置し、給水口13から給水される水に対してエアーノズル11から噴出される高速の空気流が衝突し微細水を発生することができる。
【0068】
また、クリーニング手段6は、ステンレスなどの防錆加工のされた棒状金属からなる円柱状のクリーニングピン14と、クリーニングピン14が挿入された筒状のノズルガイド15と、クリーニングピン14を支持するための樹脂等からなる支持部材16と、支持部材16が回転する際に回転軸となる金属または樹脂によって形成された回転ピン部材17と、水タンク3から突起した複数個の当て部18と、支持部材16の一端が当て部18と衝突することによって支持部材16が回転する際、その回転方向と逆方向に向け支持部材16に弾性力を与えるばね部材19で構成されている。また、クリーニングピンは図2に示すように大径部20と小径部21にて構成されており、微細水滴発生装置1の運転時には小径部21が給水口13に位置し、運転停止時に大径部20が給水口13を密閉する密閉手段として作用するように配設されている。大径部20の直径は、給水ノズル9の内部を摺動でき、給水口13を密閉できる大きさであればよく、例えば給水口13の内径より0.5mm小さいものが望ましい。また、小径部21の直径は、小径部21が給水口13に位置する際に、小径部21と給水口13との隙間を水が流通できる程度の大きさであればよく、給水口13より1mm小さいものが望ましい。また、ノズルガイド15は、水管7および給水ノズル9と連通しており、ノズルガイド15内部を通って給水ノズル9に水が供給されるようになっている。さらに、支持部材16は、水タンク3を水タンク受け部4に装着または脱着する際、クリーニングピン14と接続される一端とは反対側の端に当て部18が衝突し、回転ピン部材17を軸にして回転できるように配設されている。また、支持部材16によって支持されるクリーニングピン14はノズルガイド15内部を通り、その一端が給水ノズル9の給水口13に挿入されるように配設されている。
【0069】
つぎに、本実施の形態におけるクリーニング手段6の動作を説明する。微細水滴発生装置1の本体2に水タンク3が装着されていない状態では、クリーニングピン14の大径部20が給水口13を密閉し、給水口13への水の浸入を防止している。使用者が微細水滴発生装置1の本体2に水タンク3を装着すると、水タンク3の当て部18が支持部材16に衝突し、支持部材16の一端を押し下げる。すると、支持部材16は回転ピン部材17を中心軸として回転し、クリーニングピン14が引き上げられて給水口13を摺動し、給水ノズル9に付着したスケール成分などの異物を除去する。また、当て部18は複数個具備されているので、使用者が水タンク3を本体2に装着すると上記の作用が複数回繰り返されることになる。また、当て部18は、本体2に水タンク3が完全に装着されるとクリーニングピン14が引き上げられた状態に維持されるように配設されている。このときクリーニングピン14は、水タンク3の装着時にその小径部21が給水口13に位置するので、給水口13と小径部21との隙間を水が流通するようになる。さらに、クリーニングピン14は給水ノズル9から抜けないように配設されているので、次回クリーニングが行われる際、クリーニングピン14はスムーズに給水口13に挿入され、挿入時にクリーニングピン14が給水ノズル9の他の部位と衝突し、その衝突部分を損傷させてしまうといった現象を予防することができる。一方、使用者が水タンク3を脱着すると、装着時と同様に当て部18と支持部材16が衝突して支持部材16が回転し、クリーニングピン14が給水口13の内部表面を摺動して付着した異物を除去する。そして、水タンク3が完全に脱着されると、クリーニングピン14の大径部20が給水口13を密閉するので、給水ノズルに残留した水が給水口13に浸入し、給水口13で蒸発してスケール成分などの含有物を析出し、給水口13を詰まらせてしまうという現象を予防することができる。
【0070】
このようにして、微細水滴発生装置1は使用者が水タンク3を装着する時や脱着する時に給水ノズル9をクリーニングするセルフクリーニングを行い給水口13に付着した異物を除去するので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行う必要がなく常に安定した給水が行われるようにすることができる。
【0071】
(実施の形態2)
図3は、クリーニング手段6が微細水滴発生装置1の運転スイッチの操作に連動するように構成した場合における断面概略図である。なお、上記した実施の形態1と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0072】
本発明の実施の形態2におけるクリーニング手段6は、給水ノズル9内部を摺動できるように配置されたクリーニングピン14と、クリーニングピン14が挿入された筒状のノズルガイド15と、クリーニングピン14を支持する支持部材16と、後述する作用を有し、ノズルガイド15と支持部材16の間に介設されたばね部材19と、電動機からなる駆動装置22と、駆動装置22と連結して回転し、複数個の突起を有するカム部材23と、微細水滴発生装置1に組み込まれ、駆動装置22と電気的に接続し、駆動装置22の回転停止時にカム部材23の突起部分の位置を任意に制御できる制御基板24と、制御基板24と電気的に接続された図示しない運転スイッチによって構成されている。また、ばね部材19は支持部材16が押し下げられるとその逆方向に向けて支持部材16に弾性力を加えるように配設されている。また、支持部材16は、カム部材23と接触しておりカム部材23の回転に伴い直線運動してクリーニングピン14が給水ノズル9を摺動するように配設されている。
【0073】
つぎに、本実施の形態におけるクリーニング手段6の動作を説明する。使用者が微細水滴発生装置1の運転スイッチをオフにすると、微細水滴発生装置1の制御基板24によって駆動装置22に電力が供給される。すると、駆動装置22が作動し、カム部材23が回転することにより突起が支持部材16を押し下げ、支持部材16と接続しているクリーニングピン14も押し下げられて給水ノズル9の給水口13を摺動し、スケール成分などの異物を除去し、セルフクリーニングをする。あらかじめ設定された回転数だけカム部材23が回転した後、カム部材23の突起部分が支持部材16を押し下げた状態で停止するように制御され、クリーニングピン14は最下点で停止する。このとき、クリーニングピン14の大径部20が給水口13を密閉するので、給水ノズル9に残留した水が給水口13に浸入し、給水口13で蒸発してスケール成分などの含有物を析出し、給水口13を詰まらせてしまうという現象を予防することができる。次に、使用者が微細水滴発生装置1の運転スイッチをオンにすると、駆動装置22に電力が供給される。すると、カム部材23が回転することによりスイッチをオフにした場合と同様の作用によってスケール成分などの異物を除去する。あらかじめ設定された回転数だけカム部材23が回転した後、カム部材23の突起していない部分と支持部材16が接触する位置で停止するように制御されるので、クリーニングピン14の小径部21が給水口13に位置し、水が流通できるようになる。
【0074】
このようにして、微細水滴発生装置1は使用者が微細水滴発生装置の運転スイッチを操作する度に給水ノズル9をクリーニングするセルフクリーニングを行い、給水口13に付着した異物を除去するので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行う必要がなく、常に安定した給水が行われるようにすることができる。
【0075】
なお、本実施の形態では駆動装置22を電動機としたが、カム部材23に回転作用を与えるものであればよく、これに限定されるものではない。
【0076】
(実施の形態3)
実施の形態2ではクリーニング手段6は微細水滴発生装置の運転スイッチの操作に連動するように構成したが、実施の形態3に示すように水タンク3の水位と連動するように構成することもできる。
【0077】
図4は、クリーニング手段6が水タンク3の水位と連動して作動するように構成した場合における断面概略図である。なお、実施の形態1または2と同一部分は同一符号を付し詳細な説明は省略する。
【0078】
本発明の実施の形態3におけるクリーニング手段6は、水タンク受け部4に設置され水位によって可動するフロート、フロートに組み込まれた永久磁石およびその永久磁石によって発生しフロートの位置に伴って変化する磁場の強さを感知する磁場センサーによって構成され、水タンクの水位の低下を感知する水位検出手段25と、給水ノズル9内部を摺動できるように配置されたクリーニングピン14と、クリーニングピン14が挿入された筒状のノズルガイド15と、クリーニングピン14を支持する支持部材16と、後述する作用を有し、ノズルガイド15と支持部材16の間に介設されたばね部材19と、電動機からなる駆動装置22と、駆動装置22と連結して回転し、複数個の突起を有するカム部材23と、微細水滴発生装置1に組み込まれ、水位検出手段25および駆動装置22と電気的に接続し、駆動装置22の回転停止時にカム部材23の突起部分の位置を任意に制御できる制御基板24によって構成されている。
【0079】
つぎに、本実施の形態におけるクリーニング手段6の動作を説明する。水位検出手段25が水タンク3の水位の低下を感知すると、微細水滴発生装置1に備えられた制御基板24によって駆動装置22に電力が供給される。すると、駆動装置22が作動し、カム部材23が回転することにより突起が支持部材16を押し下げ、支持部材16と接続しているクリーニングピン14も押し下げられて給水ノズル9の給水口13を摺動し、スケール成分などの異物を除去する。あらかじめ設定された回転数だけカム部材23が回転した後、カム部材23の突起部分が支持部材16を押し下げた状態で停止するように制御され、クリーニングピン14は最下点で停止する。このとき、クリーニングピン14の大径部20が給水口13を密閉するので、給水ノズル9に残留した水が給水口13に浸入し、給水口13で蒸発してスケール成分などの含有物を析出し、給水口13を詰まらせてしまう現象を予防することができる。次に、使用者が水タンク3に給水し、本体2に装着することによって水位検出手段25が水タンク3の水位の上昇を感知すると駆動装置22に電力が供給される。すると、カム部材23が回転することにより水位が低下した場合と同様の作用によってスケール成分などの異物を除去する。あらかじめ設定された回転数だけカム部材23が回転した後、カム部材23の突起していない部分と支持部材16が接触する位置で停止するように制御されるので、クリーニングピン14は最上点で停止する。このとき、クリーニングピン14の小径部21が給水口13に位置するので、給水される水は給水口13を流通することができる。
【0080】
このようにして、微細水滴発生装置1は水位検出手段25が水タンク3の水位の低下を感知する度に給水ノズル9をクリーニングするセルフクリーニングを行い、給水口13に付着した異物を除去するので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行う必要がなく、常に安定した給水が行われるようにすることができる。
【0081】
なお、本実施の形態では駆動装置22を電動機としたが、カム部材23に回転作用を与えるものであればよく、これに限定されるものではない。
【0082】
なお、本実施の形態では水位検出手段25を上記の構成としたが、水タンク3の水位を感知するという作用を有するものであればよく、これに限定されるものではない。
【0083】
(実施の形態4)
図5は、空気噴出手段8が空気を圧縮する空気圧縮装置を備え、クリーニング手段6が空気圧縮手段8によって圧縮された空気の圧力を駆動力として作動し、空気噴出手段8を構成するエアーノズル11内部に付着した異物を除去するように構成する場合における微細水滴発生装置の断面概略図である。なお、実施の形態1、2または3と同一部分は同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0084】
本発明の実施の形態4におけるクリーニング手段6は、エアーノズル11内部を摺動するように配置されたクリーニングピン14と、クリーニングピン14を支持する支持部材16と、後述する作用を有するばね部材19と、エアーノズル11と連通し嵌合する部分が形設され、さらにエアーポンプと連通するためのアダプター部分26が形設されたノズルガイド15によって構成されている。そしてノズルガイド15内部には、クリーニングピン14と、クリーニングピン14を支持しノズルガイド15に供給される空気の圧力によって可動するように配置された支持部材16と、支持部材16とノズルガイド15の内壁の間に介設され、ノズルガイド15に供給される空気の圧力に反する方向に力を発生して支持部材16を移動させるばね部材19が配設されている。
【0085】
つぎに、本実施の形態におけるクリーニング手段6の動作について説明する。微細水滴発生装置1の運転が停止しているとき、クリーニングピン14の大径部20は噴出口12を密閉している。使用者が微細水滴発生装置1の運転スイッチをオンにすると、空気圧縮手段としてのエアーポンプ10に電力が送られ、圧縮した空気をノズルガイド15に送り出す。すると、ノズルガイド15内部圧力が上昇し、ノズルガイド15の内部に配置している支持部材16に圧縮空気による圧力が加わり、ばね部材19が縮む方向に移動する。それによって、支持部材16と接続したクリーニングピン14がエアーノズル11内部を摺動し、エアーノズル11内部に付着した異物を除去することができる。そしてノズルガイド15内部の空気の圧力とばね部材19の弾性力がつりあい、クリーニングピン14の小径部21が噴出口12に位置してクリーニングピン14は静止する。このとき噴出口12とクリーニングピン14の間には十分な隙間ができ、エアーノズル11から空気が噴出するようになる。また、使用者が微細水滴発生装置1の運転スイッチをオフにし、エアーポンプ10に電力が供給されなくなると、ノズルガイド15内部の空気圧力が低下し、ばね部材19が伸びることによって支持部材16が移動し、支持部材16と接続されたクリーニングピン14がエアーノズル11内部を摺動し、エアーノズル11の内部に付着した異物を外部に排出する。その後、クリーニングピン14の大径部20が噴出口12を密閉する位置でクリーニングピン14は静止するので、外部から飛散した水が噴出口12に付着し、噴出口12で蒸発しその水が含有するスケール成分などの異物が析出し、噴出口12を詰まらせてしまう現象を予防することができる。
【0086】
また、クリーニング手段6の他の構成として、次に説明するような構成とすることもできる。図6に示すように、ノズルガイド15にはエアーポンプ10から圧縮された空気が送られるピン駆動アダプター27が取り付けられている。このピン駆動アダプター27の内部にクリーニングピン14を支持する支持部材16が配設されており、支持部材16とノズルガイド15の間にばね部材19が介設されている。また、ピン駆動アダプター27とエアーポンプ10を連通する配管には、この配管を開閉できる開閉弁28が介設されている。
【0087】
このような構成とした場合、エア−ポンプ10が作動し開閉弁28が開放状態になると、エアーポンプ10によってピン駆動アダプター27内部の空気圧が高まり、支持部材16がこの空気圧による力に押されて移動し、その際にクリーニングピン14がエアーノズル11の噴出口12を摺動し、エアーノズル11の内部に付着した異物を除去することができる。エアーポンプ10が停止すると、ピン駆動アダプター27内の空気圧が低下し、ばね部材19の弾性力により支持部材16が移動し、クリーニングピン14がエアーノズル11の噴出口12を摺動してエアーノズル11の内部に付着した異物を除去する。また、微細水滴発生装置1の運転を停止するときに、ピン駆動アダプター27内部の空気圧が高い状態で開閉弁28を閉鎖状態にし、クリーニングピン14の大径部20が噴出口12を密閉することによって、噴出口12への飛散した水の蒸発による異物の析出と、異物の析出による噴出口12の詰まりを予防することができる。
【0088】
このようにして、微細水滴発生装置1はエアーポンプ10の運転または停止する度にエアーノズル11をクリーニングするセルフクリーニングを行い、空気噴出手段に付着した異物を除去するようになるので、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行う必要がなく、常に安定した空気の噴出が行われるようにすることができる。
【0089】
なお、本実施の形態では微細水滴発生装置1の運転スイッチに連動してエアーポンプ10に供給される電力のオンオフを制御するようにしたが、微細水滴発生装置1の運転終了後にエアーポンプ10に供給する電力のオンオフをあらかじめ設定した回数だけ繰り返し、数回エアーノズル11内部をクリーニングピン14が摺動するようにしてもよい。これによって、クリーニングによる異物の除去効果をより高めることができる。
【0090】
また、本実施の形態1乃至4ではクリーニングピン14をクリーニングピン14の長軸方向に摺動させているが、長軸を中心軸として回転させ異物を除去するようにすることもできる。この場合、クリーニングピン14の一部を図7に示すように多角柱形状とすると多角柱部分の角の部分が異物の隙間もしくは異物と給水手段の内部表面または空気噴出手段の内部表面との隙間に食い込み、効率よくそれらを給水手段または空気噴出手段の外部へ掻きだすことができる。
【0091】
なお、図示していないが、楕円柱形状など、クリーニングピン14の最大太さよりも細い太さとなる部分を設けても、その最大太さ部分が上記した多角柱形状の場合と同様の作用効果を奏することにより効率よく異物を排出することができる。
【0092】
なお、図示していないが、クリーニングピン14にらせん状にリブを設け、ドリルの刃のような形状にしても上記した多角柱形状の場合と同様の作用効果を奏することにより効率よく異物を排出することができる。
【0093】
上記したようにクリーニングピン14が回転して給水ノズル9の内部またはエアーノズル11の内部を摺動する場合において、クリーニングピン14を回転させる駆動部分の構成を順に説明する。
【0094】
実施の形態1に述べたようにクリーニング手段6が水タンク3を装着する時または脱着する時に作動する場合においては、図8に示すように水タンク3に設けられた当て部18の形状をラックギア状にし、当て部18と支持部材16の間に図に示すような中間ギア29を間設し、支持部材16を図に示すようなピニオンギアとすることによって、使用者が水タンク3を装着または脱着する際にそれぞれのギアが噛み合って回転し、それによってクリーニングピン14が回転して給水ノズル9内部を摺動し、給水ノズル9内部に付着した異物を除去する。
【0095】
実施の形態2に述べたようにクリーニング手段6が微細水滴発生装置1の運転スイッチに連動して作動する場合および実施の形態3に述べたように水タンク3の水位に連動して作動する場合においては、図9に示すように駆動装置22とクリーニングピン14を支持する支持部材16とを直接接続することによって、図示しない微細水滴発生装置1の運転スイッチの操作に連動して駆動装置が運転してクリーニングピン14が回転し、給水ノズル9の内部に付着した異物を除去することができる。
【0096】
実施の形態4に述べたようにクリーニング手段6が空気圧縮手段によって圧縮された空気の圧力を駆動力として作動する場合においては、図10に示すようにノズルガイド15内部に配設された支持部材16を羽根車とすることによって、ノズルガイド15内部を流れる空気の力によってクリーニングピン14が回転してエアーノズル11内部に付着した異物を除去することができる。
【0097】
以上説明した内容は、本発明の実施における一形態に過ぎず、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0098】
例えば、上記した実施の形態1においてクリーニングピン14を回転させる場合、当て部18をラックギア状にし、当て部18と支持部材16の間に中間ギア29を間設し、支持部材16をピニオンギア状にしたが、当て部18の移動によってクリーニングピン14が回転する作用を有するものであれば同様の効果が得られるものであり、このような構成に限定されるものではない。
【0099】
なお、クリーニングピン14をステンレスなどの防錆加工された金属としたが、異物を削りとって外部へと除去できる程度の硬度と、水分による劣化に対する十分な耐性があればよく、例えばPPなどの樹脂によって形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、使用者がノズルを取り外してクリーニング作業を行う必要がなく、常に安定した給水または安定した空気の噴出が行われる微細水滴発生装置であるため、加湿器、浴室サウナ装置、洗浄機などの微細水を使用する幅広い装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施の形態1における微細水滴発生装置の構成を示す断面概略図
【図2】同クリーニングピン14の大径部20および小径部21の配置を示す概略図
【図3】本発明の実施の形態2における微細水滴発生装置の構成を示す断面概略図
【図4】本発明の実施の形態3における微細水滴発生装置の構成を示す断面概略図
【図5】本発明の実施の形態4における微細水滴発生装置の構成を示す断面概略図
【図6】同クリーニング手段6の他の構成を示す断面概略図
【図7】本発明の実施の形態1乃至4におけるクリーニングピン14の一部を多角柱形状とした場合を示す概略図
【図8】本発明の実施の形態1におけるクリーニング手段6において、クリーニングピン14を回転させる場合の構成を示す概略図
【図9】本発明の実施の形態2、3におけるクリーニングピン14を回転させる場合の構成を示す概略図
【図10】本発明の実施の形態4におけるクリーニングピン14を回転させる場合の構成を示す概略図
【符号の説明】
【0102】
1 微細水滴発生装置
2 本体
3 水タンク
4 水タンク受け部
5 微細水滴発生部
6 クリーニング手段
7 水管
8 空気噴出手段
9 給水ノズル
10 エアーポンプ
11 エアーノズル
12 噴出口
13 給水口
14 クリーニングピン
15 ノズルガイド
16 支持部材
17 回転ピン部材
18 当て部
19 ばね部材
20 大径部
21 小径部
22 駆動装置
23 カム部材
24 制御基板
25 水位検出手段
26 アダプター部分
27 ピン駆動アダプター
28 開閉弁
29 中間ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を供給する給水手段と、空気を噴出する空気噴出手段を有し、前記給水手段から供給される水に対し、前記空気噴出手段から噴出される空気を衝突させることによって微細水を発生する微細水滴発生装置において、前記給水手段または/および前記空気噴出手段に付着した異物を除去するクリーニング手段を備えることを特徴とする微細水滴発生装置。
【請求項2】
クリーニング手段は、セルフクリーニングであることを特徴とする請求項1記載の微細水滴発生装置。
【請求項3】
本体と、水を貯留する水タンクを備え、クリーニング手段は前記水タンクを前記本体に装着する時または脱着する時に作動することを特徴とする請求項1または2記載の微細水滴発生装置。
【請求項4】
クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、使用者が前記水タンクを装着または脱着する力を駆動力として前記クリーニングピンを摺動させることを特徴とする請求項3記載の微細水滴発生装置。
【請求項5】
微細水滴発生装置の運転スイッチの操作に連動して前記クリーニング手段が作動することを特徴とする請求項1または2記載の微細水滴発生装置。
【請求項6】
クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、前記クリーニングピンに駆動力を供給する駆動装置を備え、微細水滴発生装置の運転スイッチのオンオフに連動して前記駆動装置が作動し、前記クリーニングピンが摺動することを特徴とする請求項5記載の微細水滴発生装置。
【請求項7】
水を貯留する水タンクを備え、前記クリーニング手段は、前記水タンクの水位に連動して作動することを特徴とする請求項1または2記載の微細水滴発生装置。
【請求項8】
クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、水タンクの水位を検出する水位検出手段と、クリーニングピンに駆動力を供給する駆動装置を備え、前記水タンクの任意の水位を感知して前記駆動装置が作動し、クリーニングピンが摺動することを特徴とする請求項7記載の微細水滴発生装置。
【請求項9】
空気噴出手段は空気を圧縮する空気圧縮装置を備え、クリーニング手段は前記空気圧縮手段によって圧縮された空気の圧力を駆動力として作動することを特徴とする請求項1または2記載の微細水滴発生装置。
【請求項10】
クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンと、前記クリーニングピンを支持する支持部材を備え、前記クリーニングピンは、前記支持部材に加えられる空気の圧力によって摺動することを特徴とする請求項9記載の微細水滴発生装置。
【請求項11】
クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、前記クリーニングピンが前記給水手段または前記空気噴出手段内部で回転することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の微細水滴発生装置。
【請求項12】
クリーニングピンの少なくとも一部は多角柱部分を有し、前記多角柱部分は前記給水手段の給水口または/および前記空気噴出手段の噴出口に挿入できるようにすることを特徴とする請求項11に記載の微細水滴発生装置。
【請求項13】
クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、運転時に前記クリーニングピンを給水手段または空気噴出手段から抜けないようにすることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の微細水滴発生装置。
【請求項14】
微細水滴発生装置の運転停止時に、給水手段の給水口または/および空気噴出手段の噴出口を密閉する密閉手段を備えることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれかに記載の微細水滴発生装置。
【請求項15】
クリーニング手段は、給水手段または/および空気噴出手段の内部に摺動可能に配置されたクリーニングピンを備え、前記クリーニングピンは大径部および小径部にて構成し、運転停止時に前記大径部が前記給水手段の給水口または前記空気噴出手段の噴出口に位置し、運転時に前記給水口または前記噴出口に前記小径部が位置するように構成することを特徴とする請求項13または14に記載の微細水滴発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−23457(P2008−23457A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198968(P2006−198968)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】