説明

微量栄養素サプリメント

少なくとも2種の個別の服用単位を包含する微量栄養素サプリメントであって、該個別の服用単位は、混合または同時投与によって負の相互作用を生じることが知られるか証明されている栄養サプリメント、ビタミンサプリメントまたはミネラルサプリメントを相互に物理的に分離しており、且つあらかじめ定めた時間間隔で摂取するよう設計されていることを特徴とする微量栄養素サプリメント。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマルチビタミン、ミネラル、脂肪酸、アミノ酸、植物抽出物などの成分を含有する微量栄養素サプリメントに関する。
【背景技術】
【0002】
微量栄養素組成物は一般的に、特定の医学的問題に対する治療用製剤や一般的な栄養サプリメントなどの、食事補助剤(dietary aids)として摂取される。微量栄養素は、「正常なまたは向上した代謝機能の維持に必須または有用であるが、体内で通常は合成されないか十分な量が合成されないために、体外から供給せねばならない物質」として広く定義することができる。
【0003】
個人の貧しい食習慣や他の要因を考慮すると、疲労や病気を防いだり、細胞の維持と発生を最適化するために、微量栄養素組成物の役割が重要であることが明らかになった。これは特に、ストレスの多いライフスタイルを送る個人や妊娠中の女性や肉体運動量の多い人の場合にあてはまる。さらに、多くの薬剤、いくつかの慢性疾患(例えば、慢性関節リューマチ)、ある種の癌治療とアルコール中毒症はすべて、1種以上の微量栄養素の欠乏に至り得る。
【0004】
予防可能な病気(米国における総医療費の70%もがこれに充てられると推計される)の大部分が、食事を微量栄養素で補うことにより容易に予防できることも示唆されている。医療費が大幅に削減できることに加えて、このような微量栄養素補給の他の利点としては、生活の質が向上すること、寿命が延びること、生産性が増加することが挙げられる。有効な疾病予防に必要なレベルのサプリメントは、最も健康的な食事によってさえ得ることができない(Bendich, Adrianne, et al. Potential health economic benefits of vitamin supplementation. Western Journal of Medicine, Vol. 166, May 1997, pp. 306-12)。
【0005】
微量栄養素は妊娠中や授乳中の女性に特に重要であり、発育中の胎児と母親に栄養素を適切に供給することができる。疲労や病気を防いだり、細胞の維持と発生を最適化する上で、微量栄養素組成物の役割が重要であることが明らかになった。
【0006】
しかしながら、多くの微量栄養素サプリメントは、異なる栄養素の間の相互作用(nutrient-nutrient interactions)という潜在的な問題を有する。このようなサプリメントに存在する1つの栄養素、または過剰に存在する1つの栄養素が他の1つの栄養素と相互作用し、その吸収に悪影響を与えることがある。例えば、鉄分は、亜鉛の吸収を阻害し、またその逆も同様であることが報告されており(Hambridge et al., Obstet. Gvnecol. 4: 593-596, 1987)、亜鉛は、銅の吸収を阻害することが報告されており(Festa et al., Am. J. Clin. Nutr. 41: 285-292, 1985)、カルシウムは、鉄分と亜鉛の吸収に干渉することが報告されており(Seligman et al., Obstet. Gynecol. 61: 356-362, 1983)、そして、タンパク質サプリメントは尿によるカルシウム損失を増加させることが報告されており(Allen et al., Am. J. Clin. Nutr. 32: 741-749. 1979)、また、ビタミンB6の必要量を増加させることも報告されている(National Research Council(米国研究審議会), Recommended Dietary Allowances(栄養所要量), 10th ed., Natl. Acad. Press, Washington, D. C. 1989)。鉄分および銅は、混合すると葉酸とビタミンB12を分解することも知られている。
【0007】
マルチビタミンと栄養補助剤についての従来技術では、病気によって消耗したり分解される栄養素の用量を増やすことで、このような問題をしばしば回避してきた。実際、多種の栄養素を大量に使用するという傾向があった。多くの栄養素、特に金属化合物の過剰摂取は有毒な場合があり、病気を予防するよりむしろ病気を引き起こす結果になりかねないので、このような従来行われてきたやり方は危険をともなう。1つの注目すべき例が鉄分である。
【0008】
鉄欠乏性貧血は、母体での赤血球細胞数の増加、胎児と胎盤(特に、妊娠期間の中期と後期(second and third trimesters))による要求および出産時の失血のために、妊娠期間における主要な危険要素である。したがって、鉄欠乏症の予防は最も重要である。従来のサプリメントの問題は、サプリメントに含まれる鉄分は、実際にはわずかしか血流に吸収されないということである。この問題に対処する公知の方法は、鉄分の用量を増やすというものであるが、これは、便秘、空腹時に摂取した際の吐き気、そして金属味などの問題が起きる(Solvell L. ; Oral iron therapy. Side effects. “Iron Deficiency : Pathogenesis, Clinical Aspects, Therapy(鉄分欠乏症:病因論、臨床的側面、治療)”L Hallberg, HG Harwerth および A Vannotti 編: London, Academic Press, 1970, pp. 573-583)。
【0009】
他の1つの重要な微量栄養素は葉酸である。葉酸が下記の病気を予防するのに重要な役割を果たす可能性があることが研究により明らかになった:ある種の癌(例えば、Stolzenberg-Solomon, Rachael Z., et al. Dietary and other methyl-group availability factors and pancreatic cancer risk in a cohort of male smokers. American Journal of Epidemiology, Vol. 153, 2001年4月1日, pp. 680-87)、心臓病(Loria, Catherine M., et al. Serum folate and cardiovascular disease mortality among US men and women. Archives of Internal Medicine, Vol. 160, 2000年11月27日, pp. 3258-62)、うつ病(Alpert, Jonathan E. and Fava, Maurizio. Nutrition and depression: the role of folate. Nutrition Reviews, Vol. 55, 1997年5月, pp. 145-49)。また、栄養サプリメントとして妊娠前と妊娠中に葉酸を摂取することにより、胎児の病気、例えば脊椎披裂、口唇裂や口蓋裂などの危険度が大幅に減少することが十分に立証されている。鉄不耐症(iron intolerance)のために葉酸を含有するサプリメントの使用を中止すると、葉酸による利点は失われる。
【0010】
したがって、微量栄養素サプリメント中に存在する多くの成分の重要性は誇張ではない。
【0011】
従来技術では、米国特許No. 5,932,624は、葉酸およびビタミンB12を含有し、ビタミンB12と葉酸を壊すことが知られるいくつかの酸化防止剤、例えば植物化学物質、ある種のビタミンとミネラル(例えば、鉄分と銅)を含有しないビタミンサプリメントを開示している。しかしながら、このビタミンサプリメントは、共吸収の問題を回避しようとして、例えば鉄分と銅といった重要な成分を含まない不完全な製品を提供するものである。
【0012】
米国特許No. 5,976,568は、種々のマルチビタミンを例示しており、これらのマルチビタミンのうちいくつかは、一日に2回摂取すべきものとなっている。しかしながら、朝用と夜用の錠剤の成分は同一である。一日に2回摂取することの目的は、明らかに、一日で消費されたと考えられる成分を再度供給するためである。この従来技術で提案されるマルチビタミン組成物の他の1つの欠点は、一回の服用単位に多くの競合栄養素、例えば鉄分、カルシウムと亜鉛が存在することである。
【0013】
マルチビタミンと栄養素サプリメントの推奨された使用法に応じない患者がいることとしばしば関連する問題としては、錠剤のサイズが大きいことに関係するものがある。例えば、妊娠中の女性の場合は、ときどき吐き気を催すため、また、医薬品を避けるという妊娠中の女性の正常な本能のために、現在のマルチビタミンや栄養補助剤の大きさや外観から、それらの摂取を中止するにいたることがしばしば起きる。
【0014】
公開されたカナダ国特許出願No. 2,258,868は、わずかに小さい錠剤を調製する試みを開示している。この錠剤組成物は、通常の大きさより小さいものでありながら、高濃度のカルシウム(クエン酸カルシウム)および鉄分(カルボニル鉄)を提供すると記載されている。クエン酸カルシウムは鉄分、亜鉛とマグネシウムの吸収を増加させ、従来のカルシウムサプリメントより溶解性が高く、吸収性がよくそして許容性の高いものであるということが記載されている。一方、カルボニル鉄は、第一鉄塩よりも鉄分含量が高いと記載されている。ウルトラデンス(登録商標)クエン酸カルシウムおよびカルボニル鉄の使用により、この製剤を許容可能な大きさの錠剤に圧縮することが可能になる。
【0015】
カナダ国特許出願No. 2,144,751と米国特許No. 5,494,678は、妊娠中の女性のためのマルチビタミンとミネラルのサプリメントを開示している。鉄成分は硫酸第一鉄で、薬学的に許容されるフィルム形成材で被覆されていると記載されている。この被覆により、硫酸第一鉄が腸で放出されるので、鉄分と二価のカチオン、例えばカルシウム(サプリメント中にも含まれる)との間の相互作用が明らかに最小になり、これにより鉄分の生物学的利用率が向上すると記載されている。したがって、共吸収の問題は、異なる成分の吸収が生体の異なる部位で起こるように製剤すべきであることを示唆することにより対処されている。
【0016】
米国特許No. 4,431,634は、マルチミネラルを包含する出産前用の食事サプリメントを開示し、鉄分の生物学的利用率を最大にすると記載されている。これは、明らかに、服用単位あたりのサプリメント中のカルシウム化合物の量を300mg以下に維持し、且つマグネシウム化合物の量を75mg以下に維持することで達成されている。
【0017】
微量栄養素サプリメントを改善するための上述のような従来の努力にも関わらず、従来技術の微量栄養素組成物の欠点を克服した微量栄養素組成物を開発する必要が未だに存在する。
【0018】
本発明の微量栄養素サプリメントは、混合成分に関連する同時吸収による有害な問題を回避するものである。
【0019】
本発明の微量栄養素サプリメントは、従来技術の服用単位と比べて、いくぶん小さく、口に合う服用単位を提供しようとするものでもある。
【0020】
好ましい態様においては、本発明の微量栄養素サプリメントは、妊娠期間を通して、胎児の発育と母体の健康の両方に有益であることが見出された最適な栄養成分とその最適量を提供する。
【0021】
本発明の微量栄養素サプリメントは、患者が自発的に、ある成分は摂取し、そして特定の成分(例えば鉄分)によって生じる不耐症や副作用に苦しむ場合には、他の成分は摂取しないことができるように、複数の異なる服用単位の形態の錠剤成分を提供することも可能とした。
【0022】
本発明はこのような要求を満たすものである。
【0023】
本願のPCT出願英文明細書およびその請求の範囲で使用した「a」および「an」は、「1種以上」を示す。特に、「対象物を1種」使用した組成物または方法を請求する請求項で用いる、「包含する」(comprising)、「有する」(having)やその他のオープンランゲージは、「1種以上の対象物」を用いることができることを示す。
【0024】
発明の概要
一般的に述べると、本発明はあらかじめ定めた時間間隔で摂取するよう設計された少なくとも2種の服用単位を包含することを特徴とする、微量栄養素サプリメントを提供する。
【0025】
好ましい態様においては、複数の微量栄養素、例えば、同時投与すると吸収競合を生じることが知られるか証明されているビタミンおよびミネラルのサプリメントを、個別の服用単位として調製し、そして、吸収の減少と共吸収の問題が最小となるように、時間間隔を置いて投与する。
【0026】
さらに好ましい態様においては、さらなる微量栄養素、例えば、有害な副作用(例えば、鉄分サプリメントの場合の便秘)を生じる可能性が知られているビタミンおよびミネラルのサプリメントを、上記複数の服用単位とは異なる個別の服用単位にまとめることができる。したがって、本発明により、患者は本発明における服用単位の一方の摂取を一時的に中止し、本発明における他方の服用単位の摂取を継続することができる。全体的な効果は、サプリメントの使用を完全に中止することを避け、それによって、副作用と関係しない重要な成分の摂取中止を避けることである。
【0027】
さらに好ましい態様においては、本発明の微量栄養素サプリメントは、妊娠中の女性に用いるものであり、妊娠前、妊娠中、そして妊娠期間後(分娩後)に、胎児の発育と母体の健康の両方に有益であることが見出された任意の栄養成分とその任意の量を提供する。
【0028】
本発明は、複数の異なる種類の服用単位と共に、該服用単位を時間間隔を置いて摂取することに関する指示書を包含するキットの形態の微量栄養素サプリメントも提供する。
【0029】
好ましい態様の説明
本発明を具体的で好ましい態様により説明する。
【0030】
最も好ましい態様においては、本発明は、時間間隔を置いて摂取する2種の個別の服用単位の形態の微量栄養素サプリメントを開示する。理想的には、時間間隔は12時間であるが、4時間という短い時間間隔でもよい。
【0031】
2種の個別の服用単位、および推奨されるそれらの服用時間間隔は、当然のことながら当業者の周知技術であり、変更可能である。2種の個別の服用単位、および推奨されるそれらの服用時間間隔の第一の目的は、既に知られている、または結果として起こるビタミン同士、ビタミンとミネラル、およびミネラル同士の有害な副作用を最小限に抑えることである。
【0032】
2種の個別の服用単位を用いることのさらなる利点は、患者にとって、ある種類の服用単位の摂取を続けながら、望ましくない副作用をもたらす別の種類の服用単位の摂取を中断できることである。
【0033】
2種の個別の服用単位を用いることのさらなる利点は、メーカーにとって、患者の口に合わない大型の服用単位に比べ患者がより受け入れやすい、より小型で飲み易い服用単位を製造できることである。メーカーがより小型の服用単位を製造できることは、単に一日分の服用量を2つの服用単位に分割するだけでなく、成分同士の相互作用を減少させることにもつながる。この成分同士の相互作用のために、メーカーは不良吸収される成分を大量に使用しなければならなかったのであるが、この点が改善される。
【0034】
より具体的には、本発明の最も好ましい態様において、カルシウムと鉄分を異なる個別の服用単位に含ませることにより、カルシウムと鉄分が互いの吸収を妨げ合うという周知の傾向を回避する。
【0035】
また本発明の最も好ましい態様の1つにおいては、葉酸と鉄分を異なる個別の服用単位に含ませることにより、葉酸含有服用単位の摂取を続けながら、鉄分含有服用単位の摂取を中断できるようにする。
【0036】
また本発明の最も好ましい態様の1つにおいては、本発明の微量栄養素サプリメント中の亜鉛含有量を減少させることにより、鉄分の生物学的利用率がさらに高められる。
【0037】
さらに、本明細書に開示する微量栄養素サプリメントは鉄分とビタミンCの量比(「鉄分:ビタミンC」量比)が1:3.4と高めであるため、鉄分の生物学的利用率がさらに高められる。
【0038】
本発明の最も好ましく有利な態様の1つにおいては、本発明の微量栄養素サプリメントは、第1服用単位の朝の経口摂取と、第2服用単位の夜の経口摂取を推奨する投与指示書と共に提供される。本発明の最も好ましい態様の1つにおいては、葉酸成分が夜用服用単位に、鉄分が朝用服用単位に含まれる。患者が鉄分の摂取により便秘になった場合、葉酸成分を含む重要な夜用服用単位の摂取を続けながら、朝用服用単位の摂取を中断することができる。葉酸がある種の癌、心臓疾患、うつ病に対する予防作用を示したり、ある種の先天性異常を予防したりする潜在力を有することを考慮すると、患者が十分な量の葉酸を体内に保持することは実に興味深い。
【0039】
このように本発明は、時間間隔を置いて摂取される個別の服用単位を包含する微量栄養素サプリメント製剤を提供する。1つの服用単位を朝に摂取し、別の服用単位を夜に摂取することが最も有利である。従って、午前用製剤と午後用製剤では成分が異なることになる。それぞれの製剤の内容は、従来の単位型製剤に係る問題点を最小限に抑えつつ、最適な栄養成分を最適な投与量で提供することを目的としたものである。
【0040】
本発明の好ましい態様の1つにおいては、本発明の微量栄養素サプリメントは以下の組成:プロビタミンA(β−カロチン)、ビタミンE(dl−α−酢酸トコフェロール)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンB1(チアミン一硝酸)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシンアミド)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)、ビタミンB5パントテン酸(パントテン酸カルシウム)、マグネシウム(酸化マグネシウム)、ヨウ素(ヨウ化カリウム)、鉄分(フマル酸第一鉄)、銅(酸化第二銅)、亜鉛(酸化亜鉛)および薬学的に許容される賦形剤を含む午前用服用単位組成物を包含し、
【0041】
さらに以下の組成:ビタミンD3(コレカルシフェロール)、ビタミンB12(シアノコバラミン)、葉酸、カルシウム(炭酸カルシウム)および薬学的に許容される賦形剤を含む午後用服用単位組成物を包含することを特徴とする。
【0042】
最良の形態における様々な好ましい成分についての説明
【0043】
好ましい成分の量について述べる場合は、形態に拘らず純物質の量として記載する。例えば、カルシウムまたは鉄分の量について述べる場合は、炭酸カルシウムやフマル酸第一鉄の量ではなく、カルシウム元素や鉄元素について述べるものとする。なお所定量のカルシウム元素や鉄元素を含む適量の炭酸カルシウムやフマル酸第一鉄が用いられるものと理解されたい。
【0044】
本明細書全体において、「約」という語を付した量にはプラスとマイナスに20重量%の変動がありうるものと理解されたい。
【0045】
β−カロチンまたはプロビタミンAは、ビタミンAの前駆体である。β−カロチンは、いくつかのビタミン、ミネラルや抗酸化物質と互乗作用すると考えられる強力な抗酸化物質である。本発明の微量栄養素製剤に含まれるβ−カロチンの量は約250〜5000IUであり、最も好ましくは約2700IUである。
【0046】
ビタミンB1(チアミン一硝酸)は、炭水化物の代謝に重要な役割を担う必須水溶性B群ビタミンである。ビタミンB1は、中枢神経系における高頻度インパルスの伝達にも重要である。本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミンB1の量は約0.5〜10mgであり、最も好ましくは約3.0mgである。
【0047】
ビタミンB2(リボフラビン)は、DNA合成のみならず、組織の修復と生長に必要な必須水溶性B群ビタミンである。ビタミンB2は、栄養素の代謝も補助する。本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミンB2の量は約0.5〜10mgであり、最も好ましくは約3.4mgである。
【0048】
ビタミンB3(ナイアシンアミド)は、ビタミンであるナイアシンのアミド型であり、補酵素IとIIの必須成分である。補酵素IとIIは広範にわたる酵素系で見られ、炭水化物の嫌気性酸化反応に関与するものである。本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミンB3の量は約2〜50mgであり、最も好ましくは約20.0mgである。
【0049】
ビタミンB6(塩酸ピリドキシン)は、ピリドキシン、ピリドキサル、ピリドキサル−5−リン酸、ピリドキサミンおよびピリドキサミン−5−リン酸からなるビタミン群の総称である。これらビタミンはタンパク質とアミノ酸の代謝に重要であり、ヘモグロビンの合成に必要である。本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミンB6の量は約2〜100mgであり、最も好ましくは約10.0mgである。
【0050】
ビタミンB12(シアノコバラミン)は、必須水溶性B群ビタミンであり、本発明の微量栄養素製剤に含まれる量は約2〜50μgであり、最も好ましくは約12.0μgである。
【0051】
葉酸は、健康な細胞の構築を助ける水溶性B群ビタミンである。葉酸はRNAとDNAの合成に必要である。本発明の微量栄養素製剤に含まれる葉酸の量は約0.1〜10mgであり、最も好ましくは約1.1mgである。葉酸は水溶性であるため体内から容易に排出されるので、例えば、胎児の神経管異常の防止を補助するためには、毎日摂取しなければならない。急速に生長が進行する時期、例えば妊娠中や胎児発生時には、体が必要とするこのビタミンの量が増加する。十分な量の葉酸を体内に保持する患者では、ある種の癌や心臓病のみならずうつ病の危険度まで下げることができる。近年、米国公衆衛生局は400μgの葉酸を毎日摂取することを推奨している。
【0052】
ビタミンB5パントテン酸(パントテン酸カルシウム)は、タンパク質、脂肪および炭水化物の代謝において積極的な役割を担う水溶性ビタミンである。パントテン酸は、ステロール、ホルモン、ポルフィリンおよびアセチルコリンの合成にも関与する。本発明の微量栄養素製剤に含まれるパントテン酸の量は約0.5〜20mgであり、最も好ましくは約5.0mgである。
【0053】
いくつかのB群ビタミンの薬学的に許容される形態としては、チアミン一硝酸やチアミン塩酸、ナイアシンやナイアシンアミド、および塩酸ピリドキシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
ビタミンC(アスコルビン酸)は、抗酸化物質として機能する必須水溶性ビタミンである。ビタミンCは、コラーゲンの生成と維持に重要であり、傷の治癒を促進する。ビタミンCは基礎代謝率と体温を調節するホルモンの生成にも重要である。本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミンC(アスコルビン酸)の量は約10〜1000mgであり、最も好ましくは約120.0mgである。アスコルビン酸の薬学的に許容される塩としては、アスコルビン酸ナトリウムとアスコルビン酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
ビタミンD3(コレカルシフェロール)は、カルシウムとリンの正常血中濃度の維持を主な生物学的機能とする必須脂溶性ビタミンである。本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミンD3の量は、ビタミンD3(コレカルシフェロール)として約10〜1000IU、最も好ましくは約250.0IUである。本発明の製剤で使用するビタミンD3としては、コレカルシフェロールの前駆体となるすべての形態のビタミンDが挙げられる。
【0056】
ビタミンE(dl−α−酢酸トコフェロール)は、脂質膜を酸化から守る抗酸化物質として機能する脂溶性ビタミンである。本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミンE(dl−α−酢酸トコフェロール)の量は約1〜500IUであり、最も好ましくは約30IUである。製剤中のビタミンEはα−、β−、γ−またはδ−トコフェロールでもよく、これらの混合物や、dl−α−酢酸トコフェロールやα−酢酸トコフェロールなどの異性体でもよい。ビタミンEの塩としては、酢酸塩やコハク酸塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
カルシウム(炭酸カルシウム)は、適切な骨形成と維持のみならず、種々の代謝機能に必要である。カルシウムは、神経インパルスの伝達、筋肉の収縮と弛緩、血液凝固、細胞膜の形成と機能、ビタミンB12の吸収にも関与する。女性は、妊娠期間中はカルシウム摂取量を大幅に増加することが推奨される。本発明の微量栄養素製剤に含まれるカルシウムの量は約10〜1500mg、最も好ましくは約300.0mgであり、必要なカルシウム量と等しくなるような適切な量の炭酸カルシウムが含まれている。炭酸カルシウムは胃酸によって溶解する。補助的なカルシウムの摂取は、骨格系に有益である。
【0058】
鉄分(フマル酸第一鉄)は、ヘモグロビンやミオグロビンを介した体中の組織への酸素運搬において重要な働きをする必須ミネラルである。本発明の微量栄養素製剤に含まれる鉄分はフマル酸第一鉄であり、その量は鉄元素として約2〜300mg、最も好ましくは約35mgである。
【0059】
マグネシウム(酸化マグネシウム)は、様々な生物機構に必須のミネラルである。本発明の微量栄養素製剤に含まれるマグネシウムは酸化マグネシウムであり、その量は約5〜200mg、最も好ましくは約50mgである。マグネシウムは、酸化物や硫酸塩などの種々の形態で本発明の微量栄養素製剤に加えることができる。
【0060】
亜鉛(酸化亜鉛)は、細胞増殖、組織再生および創傷治癒に必須の微量ミネラルである。亜鉛は生体中の様々な酵素機能に必要であり、免疫機構やインシュリン代謝の調節も補助する。本発明の微量栄養素製剤に含まれる亜鉛は酸化亜鉛であり、その量は約1〜50mg、最も好ましくは約15mgである。亜鉛は、金属亜鉛のみならず、酸化物、リン酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、グルコン酸塩などの種々の形態で本発明の微量栄養素製剤に加えることができる。
【0061】
(酸化第一銅)は、赤血球形成に必須の微量ミネラルである。本発明の微量栄養素製剤に含まれる銅は約0.5〜10mgであり、最も好ましくは約2.0mgである。銅は、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酸化物、水酸化物、ヨウ化物、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、クエン酸塩などの種々の形態で本発明の微量栄養素製剤に加えることができる。
【0062】
ヨウ素(ヨウ化カリウム)は、甲状腺が正常に機能するために必須である。本発明の微量栄養素製剤に含まれるヨウ素はカリウム塩であり、ヨウ素の量は約0.05〜1mg、最も好ましくは約0.15mgである。
【0063】
本発明の微量栄養素製剤に含まれるビタミン、ミネラルや他の栄養補助成分は、ヒトへの使用が認められている食品グレードのものである(米国薬局方を参照)。これらは当業者に知られている種々の業者から入手可能である。
【0064】
さらに、上述した成分と干渉しない限り、他の微量栄養素を本発明の微量栄養素製剤に加えることもできる。このような微量栄養素としては、ビタミンA、ビタミンK、脂肪酸(リノレン酸、リノレイン酸やオメガ−3脂肪酸など)、リン、セレニウム、ホウ素、ビオチン、コリン、イノシトール、クロム、モリブデン、コバルト、フッ素、マンガン、ニッケル、カリウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
本発明の微量栄養素製剤は上述した有効成分を含有することが好ましく、更に有効成分ではない賦形剤(例えば、充填剤やバインダー)、崩壊剤、潤滑剤、シリカ流動調節剤(silica flow conditioner)や安定化剤を含有してもよい。
【0066】
崩壊剤は、錠剤の溶解を補助するために本発明の製剤に加える。崩壊剤は当業界で周知であり、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(低置換)、微結晶セルロース、粉末セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、次亜硫酸ナトリウム、エダタミル二ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、架橋ポリビニルピロリジン、アルファ化デンプン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプンナトリウムおよび微結晶セルロースが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい崩壊剤は、ナトリウムクロスカラメロースであり、本製剤の服用単位には約2〜100mg、好ましくは約30〜40mgが含まれる。
【0067】
潤滑剤は、製剤の圧縮を補助するために本発明の製剤に加える。潤滑剤は当業界で周知であり、ステアリン酸カルシウム、キャノーラ油、グリセリンパルミトステアリン酸、水素添加植物油(I型)、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、ポロクサマー(poloxamer)、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸フマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛、グリセリンベハペート(glyceryl behapate)、ラウリル硫酸マグネシウム、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム/酢酸ナトリウム(混合物)、およびD,L−ロイシンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムであり、本発明の午前用マルチビタミン製剤には約1〜20mg、最も好ましくは約3〜4mgが含まれる。
【0068】
充填剤やバインダーも当業界で周知である。本発明の製剤に加えることができるものとしては、アカシアガム、アルギン酸、第二リン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン、デキストラン(dextrates)、ショ糖、チローゼ、アルファ化デンプン、硫酸カルシウム、アミロース、グリシン、ベントナイト、マルトース、ソルビトール、エチルセルロース、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二ナトリウム、ピロ亜硫酸二ナトリウム、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ブドウ糖、グアーガム、液状ブドウ糖、圧縮糖(compressible sugar)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリレート、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、微結晶セルロース、デンプンおよびゼインが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好ましい充填剤やバインダーは微結晶セルロースとデンプンである。本発明の朝用服用単位に含まれる微結晶セルロースとデンプンの量は10〜500mgであり、それぞれの最も好ましい量は約180mgと約55mgである。
【0069】
上記以外にも、薬学の分野で知られている種々の薬学的に許容される打錠用添加剤(充填剤やバインダー)、潤滑剤、崩壊剤、シリカ流動調節剤や安定化剤を、本発明の微量栄養素製剤の調剤と打錠の際に用いることができる(例えば、“Remington: The Science and Practice of Pharmacy(レミントンの薬学の科学と実際)”、“Handbook of Pharmaceutical Excipients(医薬剤用賦形剤の手引き)”や、Kibbeの“Handbook of Pharmaceutical Excipients(医薬用賦形剤の手引き)”を参照)。本願明細書で使用しているように、「薬学的に許容される」とは、望ましくない副作用、例えば、炎症、毒性、アレルギー反応、を生じることなくヒトに対して用いることができることを意味する。
【実施例1】
【0070】
朝用服用単位の中核(core)組成の一例を以下に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
夜用服用単位の中核組成の一例を以下に示す。
【0073】
【表2】

【0074】
投与キット
図1に参照する。本発明の製品は、このように種類によって仕分けした個別の服用単位を含有する投与キットとして有利に販売することができる。図1は、ある所定時刻に摂取すべき一揃え[12]の第1服用単位と、別の所定時刻に摂取すべき一揃え[14]の第2服用単位を有する、1週間分の本発明のサプリメントのブリスター包装品[10]である。5個のブリスター包装品を1箱にまとめ(図示しない)、1ヶ月分のパックとして販売することが好ましい。このような服用単位のパックは、30日分の服用単位として7日用ブリスター包装品を4個と2日用ブリスター包装品を1個含有することが更に好ましい。
【0075】
妊娠中の女性または妊娠を望んでいる女性、理想的には妊娠が予想される女性は、本発明のマルチビタミンとミネラルのサプリメントの摂取を少なくとも妊娠の3ヶ月前から開始し、その後の全妊娠期間と分娩後最低3ヶ月間は服用を継続することができる。
【0076】
再び図1に参照するが、ブリスター包装品には、患者が朝用の服用単位と夜用の服用単位とを区別するための視覚的手段[16]と[18]も含まれる。このような手段としては、例えば、朝用であれ夜用であれ、同じ種類の服用単位からなる特定の一揃えを囲むカラーコードや図が挙げられる。
【0077】
ブリスター包装品の別の利点は、微量栄養補助成分の多くが好ましくない臭気を有することに関する。ブリスター包装品とすることで、各錠剤が個別のブリスター容器に密閉されるので、臭気の発散が大幅に抑制される。
【0078】
本発明の製剤の中核は、所望の耐摩耗性、美的外観、外部仕上げや溶出プロファイルを達成するように被覆されることが好ましい。腸溶性被覆、密封被覆(seal coat)やカラーコートを用いることができる。被覆は、薬学に従事する当業者に周知の錠剤被覆方法、例えば、パンコーティングやスプレー被覆、によって達成することができる。
【0079】
最も好ましい態様においては、本発明の朝用の服用単位は、スプレー被覆によるオパドライピンク(Opadry PinkTM)被覆と、接着を防止するためのカルナウバロウによるツヤ出し磨きを施したものである。より好ましい態様においては、夜用の服用単位は、スプレー被覆によるオパドライブルー(Opadry BlueTM)被覆と、カルナウバロウによるツヤ出し磨きを施したものである。
【0080】
好ましい態様において本発明は経口製剤の形態であるが、他の服用単位や投与方法、例えば、舌下投与用、直腸投与用、静脈注射用や局所投与用の形態、も用いることができることを理解されたい。
【0081】
上記で本発明の好ましい態様をもって本発明を説明したが、添付の請求の範囲で定義した発明の精神や本質から逸脱することなく、これを改変することが可能である。
【0082】
本発明の一般的な説明に続いて、本発明の好ましい態様の1例を示す添付の図面について簡単に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は本発明のキットの1例の透視図を示し、より具体的には、所定の時刻に摂取するための一揃えの第一服用単位と他の時刻に摂取するための一揃えの第二服用単位とを有する本発明のサプリメントの一週間分の個々のブリスター容器を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種の個別の服用単位を包含する微量栄養素サプリメントであって、該個別の服用単位は、混合または同時投与によって負の相互作用を生じることが知られるか証明されている少なくとも2種の微量栄養素を相互に物理的に分離しており、且つあらかじめ定めた時間間隔で摂取するよう設計されていることを特徴とする微量栄養素サプリメント。
【請求項2】
該時間間隔が少なくとも4時間であることを特徴とする、請求項1に記載の微量栄養素サプリメント。
【請求項3】
該時間間隔が8〜12時間であることを特徴とする、請求項1に記載の微量栄養素サプリメント。
【請求項4】
有害な副作用を生じる可能性が知られているさらなる微量栄養素を、該少なくとも2種の服用単位とは異なる個別の服用単位にまとめてあることを特徴とする、請求項1に記載の微量栄養素サプリメント。
【請求項5】
鉄分が第1の服用単位によって実質的に提供され、カルシウムが第2の服用単位によって実質的に提供されることを特徴とする、請求項1に記載の微量栄養素サプリメント。
【請求項6】
第1服用単位と第2服用単位を包含する微量栄養素サプリメントであって、該第1服用単位は下記(a)〜(m):
(a)約250〜約5000IUのβ−カロチン、
(b)約0.5〜約10mgのビタミンB1、好ましくはチアミン一硝酸、
(c)約0.5〜約10mgのビタミンB2、好ましくはリボフラビン、
(d)約2〜約50mgのビタミンB3、好ましくはナイアシンアミド、
(e)約2〜約100mgのビタミンB6、好ましくは塩酸ピリドキシン、
(f)約0.5〜約20mgのパントテン酸、好ましくはパントテン酸カルシウム、
(g)約10〜約1000mgのビタミンC、好ましくはアスコルビン酸、
(h)約1〜約500IUのビタミンE、好ましくはdl−α−酢酸トコフェロール、
(i)約2〜約300mgの鉄分、好ましくはフマル酸第一鉄、
(j)約1〜約50mgの亜鉛、好ましくは酸化亜鉛、
(k)約0.5〜約10mgの銅、好ましくは酸化第二銅、
(l)約5〜約200mgのマグネシウム、好ましくは酸化マグネシウム、および
(m)約0.05〜約1mgのヨウ素、好ましくはヨウ化カリウム
を包含し、そして、
該第2服用単位は下記(a)〜(d):
(a)約10〜約1000IUのビタミンD3、好ましくはコレカルシフェロール、
(b)約2〜約50μgのビタミンB12、好ましくはシアノコバラミン、
(c)約0.1〜約10mgの葉酸、および
(d)約10〜約1500mgのカルシウム、好ましくは炭酸カルシウム
を包含することを特徴とする微量栄養素サプリメント。
【請求項7】
該第1服用単位は下記(a)〜(m):
(a)約2700IUのβ−カロチン、
(b)約3mgのビタミンB1に相当する量のチアミン一硝酸、
(c)約3.4mgのビタミンB2に相当する量のリボフラビン、
(d)約20mgのビタミンB3に相当する量のナイアシンアミド、
(e)約10mgのビタミンB6に相当する量の塩酸ピリドキシン、
(f)約5mgのパントテン酸に相当する量のパントテン酸カルシウム、
(g)約120mgのビタミンCに相当する量のアスコルビン酸、
(h)約30IUのビタミンEに相当する量のdl−α−酢酸トコフェロール、
(i)約35mgの鉄分に相当する量のフマル酸第一鉄、
(j)約15mgの亜鉛に相当する量の酸化亜鉛、
(k)約2mgの銅に相当する量の酸化第二銅、
(l)約50mgのマグネシウムに相当する量の酸化マグネシウム、および
(m)約0.15mgのヨウ素に相当する量のヨウ化カリウム
を包含し、そして、
該第2服用単位は下記(a)〜(d):
(a)約250IUのビタミンD3に相当する量のコレカルシフェロール、
(b)約12μgのビタミンB12に相当する量のシアノコバラミン、
(c)約1.1mgの葉酸、および
(d)約300mgのカルシウムに相当する量の炭酸カルシウム
を包含することを特徴とする、請求項6に記載の微量栄養素サプリメント。
【請求項8】
治療に有効な量の請求項1の微量栄養素サプリメントを、該微量栄養素を必要とする患者に投与することを包含する、微量栄養素欠乏症の治療または予防のための方法。
【請求項9】
微量栄養素サプリメントの投与キットであって、
服用単位の入ったブリスター容器を金属箔で密閉してなるブリスター包装品を複数個包含し、該複数のブリスター包装品は、第1服用単位の入った一揃えのブリスター容器と第2服用単位の入った一揃えのブリスター容器を含み、
第1服用単位と第2服用単位の摂取が推奨される時刻に関する情報を含む投与指示書をさらに包含することを特徴とするキット。
【請求項10】
該第1服用単位と該第2服用単位とが互いに色で区別されていることを特徴とする、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
該第1服用単位がピンク色で区別されており、ピンク色の服用単位の朝の経口摂取を推奨する記載が該投与指示書に含まれることを特徴とする、請求項10に記載のキット。
【請求項12】
該第2服用単位が青色で区別されており、青色の服用単位の夜の経口摂取を推奨する記載が該投与指示書に含まれることを特徴とする、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
ピンク色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器が、一週間の日数に相当する7個のブリスター容器からなることを特徴とする、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
青色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器が、一週間の日数に相当する7個のブリスター容器からなることを特徴とする、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
該一揃えのブリスター容器は、1週間分のピンク色の服用単位と1週間分の青色の服用単位とを内包するブリスター容器保持シートとして提供され、ピンク色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器と青色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器は、それぞれブリスター容器保持シートの別の区画に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
該キットが、ピンク色の服用単位と青色の服用単位を約1ヶ月分提供するのに必要な複数のブリスター容器保持シートを含有する箱の形態であることを特徴とする、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
少なくとも2種の個別の服用単位を包含する、出産前と分娩後の使用に適した妊娠期間用微量栄養素サプリメントであって、該個別の服用単位は、混合または同時投与によって負の相互作用を生じることが知られるか証明されている少なくとも2種の微量栄養素を相互に物理的に分離しており、且つあらかじめ定めた時間間隔で摂取するよう設計されていることを特徴とする微量栄養素サプリメント。
【請求項18】
該時間間隔が少なくとも4時間であることを特徴とする、請求項17に記載の妊娠期間用微量栄養素サプリメント。
【請求項19】
該時間間隔が8〜12時間であることを特徴とする、請求項17に記載の妊娠期間用微量栄養素サプリメント。
【請求項20】
有害な副作用を生じる可能性が知られているさらなる微量栄養補助成分を、該少なくとも2種の服用単位とは異なる個別の服用単位にまとめてあることを特徴とする、請求項17に記載の妊娠期間用微量栄養素サプリメント。
【請求項21】
鉄分が第1の服用単位によって実質的に提供され、カルシウムが第2の服用単位によって実質的に提供されることを特徴とする、請求項17に記載の妊娠期間用微量栄養素サプリメント。
【請求項22】
第1服用単位と第2服用単位を包含する、出産前と分娩後の使用に適した妊娠期間用微量栄養素サプリメントであって、該第1服用単位は下記(a)〜(m):
(a)約250〜約5000IUのβ−カロチン、
(b)約0.5〜約10mgのビタミンB1、好ましくはチアミン一硝酸、
(c)約0.5〜約10mgのビタミンB2、好ましくはリボフラビン、
(d)約2〜約50mgのビタミンB3、好ましくはナイアシンアミド、
(e)約2〜約100mgのビタミンB6、好ましくは塩酸ピリドキシン、
(f)約0.5〜約20mgのパントテン酸、好ましくはパントテン酸カルシウム、
(g)約10〜約1000mgのビタミンC、好ましくはアスコルビン酸、
(h)約1〜約500IUのビタミンE、好ましくはdl−α−酢酸トコフェロール、
(i)約2〜約300mgの鉄分、好ましくはフマル酸第一鉄、
(j)約1〜約50mgの亜鉛、好ましくは酸化亜鉛、
(k)約0.5〜約10mgの銅、好ましくは酸化第二銅、
(l)約5〜約200mgのマグネシウム、好ましくは酸化マグネシウム、および
(m)約0.05〜約1mgのヨウ素、好ましくはヨウ化カリウム
を包含し、そして、
該第2服用単位は下記(a)〜(d):
(a)約10〜約1000IUのビタミンD3、好ましくはコレカルシフェロール、
(b)約2〜約50μgのビタミンB12、好ましくはシアノコバラミン、
(c)約0.1〜約10mgの葉酸、および
(d)約10〜約1500mgのカルシウム、好ましくは炭酸カルシウム
を包含することを特徴とする妊娠期間用微量栄養素サプリメント。
【請求項23】
該第1服用単位は下記(a)〜(m):
(a)約2700IUのβ−カロチン、
(b)約3mgのビタミンB1に相当する量のチアミン一硝酸、
(c)約3.4mgのビタミンB2に相当する量のリボフラビン、
(d)約20mgのビタミンB3に相当する量のナイアシンアミド、
(e)約10mgのビタミンB6に相当する量の塩酸ピリドキシン、
(f)約5mgのパントテン酸に相当する量のパントテン酸カルシウム、
(g)約120mgのビタミンCに相当する量のアスコルビン酸、
(h)約30IUのビタミンEに相当する量のdl−α−酢酸トコフェロール、
(i)約35mgの鉄分に相当する量のフマル酸第一鉄、
(j)約15mgの亜鉛に相当する量の酸化亜鉛、
(k)約2mgの銅に相当する量の酸化第二銅、
(l)約50mgのマグネシウムに相当する量の酸化マグネシウム、および
(m)約0.15mgのヨウ素に相当する量のヨウ化カリウム
を包含し、そして、
該第2服用単位は下記(a)〜(d):
(a)約250IUのビタミンD3に相当する量のコレカルシフェロール、
(b)約12μgのビタミンB12に相当する量のシアノコバラミン、
(c)約1.1mgの葉酸、および
(d)約300mgのカルシウムに相当する量の炭酸カルシウム
を包含することを特徴とする、請求項22に記載の妊娠期間用微量栄養素サプリメント。
【請求項24】
治療に有効な量の請求項17の妊娠期間用微量栄養素サプリメントを、該微量栄養素を必要とする妊娠中の女性に投与することを包含する、微量栄養素欠乏症の治療または予防のための方法。
【請求項25】
出産前と分娩後用微量栄養素サプリメントの投与キットであって、
服用単位の入ったブリスター容器を金属箔で密閉してなるブリスター包装品を複数個包含し、該複数のブリスター包装品は、第1服用単位の入った一揃えのブリスター容器と第2服用単位の入った一揃えのブリスター容器を含み、
第1服用単位と第2服用単位の摂取が推奨される時刻に関する情報を含む投与指示書をさらに包含することを特徴とするキット。
【請求項26】
該第1服用単位と該第2服用単位とが互いに色で区別されていることを特徴とする、請求項25に記載のキット。
【請求項27】
該第1服用単位がピンク色で区別されており、ピンク色の服用単位の朝の経口摂取を推奨する記載が該投与指示書に含まれることを特徴とする、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
該第2服用単位が青色で区別されており、青色の服用単位の夜の経口摂取を推奨する記載が該投与指示書に含まれることを特徴とする、請求項27に記載のキット。
【請求項29】
ピンク色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器が、一週間の日数に相当する7個のブリスター容器からなることを特徴とする、請求項28に記載のキット。
【請求項30】
青色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器が、一週間の日数に相当する7個のブリスター容器からなることを特徴とする、請求項29に記載のキット。
【請求項31】
該一揃えのブリスター容器は、1週間分のピンク色の服用単位と1週間分の青色の服用単位とを内包するブリスター容器保持シートとして提供され、ピンク色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器と青色の服用単位の入った一揃えのブリスター容器は、それぞれブリスター容器保持シートの別の区画に配置されていることを特徴とする、請求項30に記載のキット。
【請求項32】
該キットが、ピンク色の服用単位と青色の服用単位を約1ヶ月分提供するのに必要な複数のブリスター容器保持シートを含有する箱の形態であることを特徴とする、請求項31に記載のキット。

【図1】
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【公表番号】特表2007−533607(P2007−533607A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523499(P2006−523499)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【国際出願番号】PCT/CA2004/001533
【国際公開番号】WO2005/018652
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(502240065)デュシェネ インク (3)
【Fターム(参考)】