説明

心再同期療法のためのLV誘導配置を計画するシステム及び方法

【課題】処置の複雑さを小さくすると共に最適な再同期の結果を与えつつ、左室内での誘導について1又は複数の埋植位置を決定する。
【解決手段】超音波システム100が、患者の左室(LV)の各区画231〜246に関連付けされた患者検査データを記憶するメモリ122を含んでいる。患者検査データは、少なくとも第一の非同期性検査126と、第一の生存力検査132及び第一の局所機能検査144の少なくとも一方とを含んでいる。心再同期療法(CRT)誘導配置計画モジュール124が、区画231〜246の各々について患者検査データの少なくとも一部を比較する。出力装置が、区画の各々についての患者検査データの少なくとも一部の比較に基づいて、CRT処置時の患者のLVの区画231〜246の一つの内部へのLV誘導の配置のための少なくとも1箇所の位置を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、心再同期療法(CRT)に関し、さらに具体的には、CRT埋植処置に先立って左室(LV)の内部への誘導の配置位置を決定することに関する。
【背景技術】
【0002】
CRTは、鬱血性心不全を治療するのに用いられる装置療法である。小型の装置が患者の皮下に配置されて、患者の心臓に電気信号を送達する。CRTは典型的には、3本のペーシング誘導を要し、うち1本が冠静脈を通して左室に配置されるか、又は代替的には、外科的な心外配置によって配置される。誘導は典型的には、標準的な位置に配置される。場合によって、冠静脈の解剖学的構造のため誘導を標準的な位置に配置することが可能でない場合には、代替的な位置が選択される。各々の患者は、患者の心組織が生存力(viability)及び運動遅延に関わる固有の特性を有するような異なる病状を有する。従って、標準的な位置又は簡便な位置に基づいて左室に誘導を配置しても最善の結果を達成せず、誘導を再配置するために後続の処置を必要とする場合がある。また、配置部位における組織が非機能性であると、誘導が効果を奏さない場合もある。
【0003】
また他の場合には、誘導は、埋植処置時に左室の内部の1よりも多い位置に配置されることもある。心機能の測定値を処置時に比較するが、誘導は異なる位置に位置している。これにより、手術に必要な時間が長くなり、複雑さも増す。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0096523号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、処置の複雑さを小さくすると共に最適な再同期の結果を与えつつ、左室内での誘導について1又は複数の埋植位置を決定する必要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、超音波システムが、患者の左室(LV)の各区画に関連付けされた患者検査データを記憶するメモリを含んでいる。患者検査データは、少なくとも第一の非同期性検査と、第一の生存力検査及び第一の局所機能検査の少なくとも一方とを含んでいる。心再同期療法(CRT)誘導配置計画モジュールが、区画の各々について患者検査データの少なくとも一部を比較する。出力装置が、区画の各々についての患者検査データの少なくとも一部の比較に基づいて、CRT処置時の患者のLVの区画の一つの内部へのLV誘導の配置のための少なくとも1箇所の位置を示す。
【0006】
もう一つの実施形態では、CRT処置に先立って左室(LV)誘導の配置を勧告する方法が、患者に関連付けされた第一の非同期性検査を指定するステップを含んでいる。第一の非同期性検査は、患者のLVの内部の各々の区画に関する少なくとも遅延データを含んでいる。区画の各々に関する生存力データを含む第一の生存力検査、及び区画の各々に関する局所機能データを含む第一の局所機能検査の一方が指定される。各区画は、遅延データ、並びに生存力データ及び局所機能データの少なくとも一方に基づいて比較される。区画の少なくとも一つ、及びCRT処置時の患者のLVの内部へのLV誘導の配置に関する関連する勧告が出力される。
【0007】
さらにもう一つの実施形態では、機械読み取り可能な媒体(1又は複数)が命令を記録しており、これらの命令は、プロセッサ、表示器及びメモリを有するコンピュータに対し、CRT処置時のLV誘導の配置のためにLV区画を識別することを指令するように構成されている。LV区画は、遅延の程度及び生存力の程度に基づいて識別される。コンピュータ読み取り可能な媒体(1又は複数)はさらに、各LV区画の遅延の程度及び生存力の程度に基づいて出力を形成する命令を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以上の概要、及び以下の本発明の幾つかの実施形態の詳細な説明は、添付図面と共に精読するとさらに十分に理解されよう。各図が様々な実施形態の機能ブロックの図を示す範囲まででは、これらの機能ブロックはハードウェア・サーキットリの間の分割を必ずしも示さない。従って、例えば機能ブロックの1又は複数(例えばプロセッサ又はメモリ)が、単体のハードウェア(例えば汎用信号プロセッサ若しくはランダム・アクセス・メモリ、又はハードディスク等)として具現化されていてもよい。同様に、プログラムは、スタンド・アロン型のプログラムであってもよいし、オペレーティング・システムのサブルーチンとして組み入れられていてもよいし、インストールされたソフトウェア・パッケージ等として作用してもよい。様々な実施形態は、図面に示す構成及び手段に限定されないことを理解されたい。
【0009】
図1は、超音波システム100のブロック図を示す。超音波システム100は送波器102を含んでおり、送波器102は、プローブ106の内部のトランスデューサ素子104を駆動してパルス型の超音波信号を体内に放出する。超音波信号又は送波ビームは、血球又は筋肉組織のような体内の構造から後方散乱されて、エコー又は帰投ビームを発生し、これらのビームがトランスデューサ素子104に帰投する。帰投したエコーはトランスデューサ素子104によって変換されて電気エネルギに戻されて、受波器108によって受波される。受波された信号はビームフォーマ110を通過し、ビームフォーマ110はビーム形成(トランスデューサ素子信号を結合してビームの操舵及び集束を行なう)を行なってRF信号を出力する。次いで、RF信号はRFプロセッサ112を通過する。代替的には、RFプロセッサ112は、RF信号を復調してエコー信号表わすIQデータ対を形成する複素復調器(図示されていない)を含み得る。次いで、RF信号データ又はIQ信号データはRF/IQバッファ114へ直接回送されて、一時的に記憶される。
【0010】
利用者入力120を用いて、患者データ及び走査パラメータの入力を制御する、心再同期療法(CRT)誘導配置ツールを選択する、好ましい及び/又は最適な左室(LV)誘導配置を如何に表示するかを選択し且つ/又は変更する等を含めて超音波システム100の動作を制御することができ、また利用者入力120はマイクロフォン130を介して与えられる音声命令を用いることも含み得る。一組の利用者制御のような他の様々な実施形態が、超音波システム100を制御するように構成されることができ、また、例えばタッチ・スクリーン又はタッチ・パネルの一部として、並びに利用者が操作可能なスイッチ及びボタン等のような手動入力として設けられ得る。この一組の利用者制御は、手動操作型であっても音声操作型であってもよい。
【0011】
超音波システム100はまた、取得された超音波情報(すなわちRF信号データ又はIQデータ対)を処理して、表示器118での表示のための超音波情報のフレームを準備するプロセッサ116を含んでいる。プロセッサ116は、取得された超音波情報に対する複数の選択可能な超音波モダリティに応じて1又は複数の処理動作を実行するように構成されている。取得された超音波情報は、走査セッション時にエコー信号が受波されるのに伴って実時間で処理され得る。
【0012】
CRT処置に先立って、患者は典型的には、心機能を決定するために実行される多くの異なる処置を受けている。これらの処置は、他の診断検査又は常套的検査時等に予め取得されていてもよいし、又はCRT処置と共に用いるために特定的に実行されてもよい。例えば、心組織の非同期性又はタイミング、生存力、及び機能の程度を決定するツールが存在している。非同期性又は非同期性タイミングとは、同時に収縮しないLVの異なる区画を指す。典型的に測定される非同期性パラメータは、ピーク速度までの時間遅延である。もう一つの非同期性パラメータは、最小局所容積までの時間遅延である。生存力とは、筋肉が前回の梗塞のため損傷を受け又は壊死しているかも知れないときにLVの部分(又は区画)が生存しているか否か、及びどの程度機能しているかを指す。局所機能とは、区画の機能性の程度を指し、典型的には、区画の収縮能力、及び収縮、運動又は壁の肉厚化の程度を指す。
【0013】
これらの処置又は検査は典型的には、LVを16個、17個又は18個の区画のような多数の区画に分割するものであり、これらの区画には、心基部、中央レベル又は中央腔、及び心尖部のように左室の長軸に沿った位置に基づいて名付けることができ、また左室壁の名称(中隔、前中隔、前壁、側壁、後壁及び下方壁)によって典型的に与えられる円周位置に基づいて名付けることができる。データは2D、3D、4D及び/又は多重平面のデータ集合であってよく、従って如何なる特定のデータ集合又は取得の形式にも限定されない。データは、例えば心エコー撮影法走査、心MRI走査、SPECT走査(核医学を用いて取得されるもの)又はPET走査のような様々な手法を用いて取得され得る。
【0014】
超音波非同期性検査の一例は、組織同期撮像(TSI)であり、この検査は、組織ドプラ撮像を用いてピーク速度までの時間を自動測定するツールである。例えば、TSIは、2D/多重平面型の組織ドプラに基づく。各々の区画にミリ秒単位の数値が割り当てられ、最高の数が最大遅延を有する区画に関連付けされる。非同期性検査のもう一つの例は、四次元(4D)超音波撮像における心内膜境界検出に基づく最小局所容積までの時間を自動測定する局所容積法である。各々の非同期性検査は、例えばLV区画の各々に対して数値若しくは等級を割り当てることができ、又はピーク速度までの最大時間遅延から最小時間遅延までに基づいて各LV区画に等級を与えることができる。
【0015】
超音波生存力検査の一例は、負荷心エコー撮影法(例えば低用量ドブタミン負荷心エコー撮影法)である。他のモダリティからの実例としては、限定しないが、タリウム−SPECT(核医学を用いて取得されるもの)、FDG−PET及び心MRI(CMR)等がある。生存可能区画の画定は少なくとも部分的には、用いられている方法に依存する。負荷心エコー撮影法では、生存力は典型的には、負荷時の改善された壁運動として定義され、又は低用量では改善するが高用量では悪化する等のような二相応答として定義される。操作者は、壁運動を目視で推定し又は評点を与えて、局所機能レベルを区画に関連付けることができる。操作者は典型的には、区画を選択し、且つ/又は区画の各々に関連するデータを入力する。PETでは、流動と代謝との間の不一致を用いて生存力を評価することができる。例えば、FDG−PETを用いて代謝を定量化することができる一方、1又は複数の他のトレーサを用いて流動(灌流)を定量化することができる。
【0016】
幾つかの場合に、検査によって局所機能を推定することができる。自動機能撮像(AFI)のような定量的歪み撮像は、超音波画像におけるスペックル追跡に基づいて局所歪みを自動推定することができる。例えば、AFIは、心尖部スライスにおいて検出され得る2D画像解析に基づく。一実施形態では、局所機能検査は、休息状態においてAFIによって行なわれ得る。休息時に歪みが小さい又は反対符号を有するような区画は生存不能であり得、従ってLV誘導配置の第一の選択にはなり得ない。組織の変形を測定するMRIタグ手法のような他の歪み撮像を用いてもよい。ピーク収縮期歪みがゼロに近い又は通常とは反対の方向にある場合、及び例えばドブタミン注入又は身体運動によって加えられる負荷に応答しない場合には、区画は生存可能でない可能性が高い。他の自動型及び/又は操作者定義型の壁運動解析を用いてもよい。
【0017】
尚、他の非同期性検査、生存力検査及び局所機能検査を用いてよく、前述のモダリティに限定されないことを理解されたい。LV区画データはまた場合によっては、LV区画データを自動生成しない1又は複数の手順に基づいて手動で入力されてもよい。
【0018】
図1に戻り、CRT誘導配置計画モジュール124が、以前に取得されて処理された患者に特定的な非同期性データ及び生存力データ又は機能データに基づいてLV誘導の1又は複数の最適な又は勧告される配置又は位置を決定することができる。CRT誘導配置計画モジュール124は、ハードウェア若しくはソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして具現化され得る。CRT誘導配置計画モジュール124は患者に特定的なデータにアクセスし、これらのデータは、第一及び第二の非同期性検査126及び128、第一及び第二の生存力検査132及び134、並びに第一及び第二の局所機能検査144及び146の1又は複数のように超音波システム100のメモリ122に記憶され得る。CRT誘導配置計画モジュール124はまた、超音波システム100から遠隔に記憶されている患者データにアクセスすることもできる。例えば、システム100は、有線であっても無線であってもよい網142と相互接続されて、患者診断データは遠隔装置136に位置していてもよい。遠隔装置136は、サーバ、ワークステーション、又はもう一つの超音波システム(例えば図2のシステム10)、核医学、PET、CT及びMRI等のようなもう一つの診断イメージング・システムであってよい。単一の遠隔装置136が図示されているが、システム100は、1よりも多い遠隔装置から非同期性検査データ、生存力検査データ及び/又は局所機能検査データにアクセスし得ることを理解されたい。第三の非同期性検査138、第三の生存力検査140及び第三の機能検査148の1又は複数が遠隔装置136に記憶され得る。
【0019】
尚、システム100に関して議論される機能性は如何なる超音波システム形式にも限定されないことを理解されたい。例えば、システム100は、台車型システムに内蔵されていてもよいし、さらに小型の可搬型システムとして具現化されていてもよく、後者について図2において議論する。
【0020】
図2は、超音波データを取得するように構成されているプローブ12を有する小型超音波システム10を示す。本書で用いられる「小型」との用語は、超音波システムがハンド・ヘルド型装置である若しくは携帯型装置であるか、又は人間の手、ポケット、書類鞄の大きさのケース、若しくは背嚢として搬送されるように構成されていることを意味している。例えば、超音波システム100は、例えば、奥行き約2.5インチ、幅約14インチ、及び高さ約12インチの寸法を有する典型的なラップトップ型コンピュータの大きさを有する携帯型装置であってよい。超音波システム10はまた、重量が約10ポンドであり、従って操作者によって容易に携帯され得る。一体型の表示器14(例えば内部表示器)もまた設けられており、医用画像を表示するように構成されている。
【0021】
超音波データは、有線網又は無線網(又は例えばシリアル・ケーブル若しくはパラレル・ケーブル若しくはUSBポートを介した直接接続)26を介して外部装置24へ送られ得る。幾つかの実施形態では、外部装置24は表示器を有するコンピュータ又はワークステーションであってよい。代替的には、外部装置24は、携帯型超音波イメージング・システム10から画像データを受け取ることが可能であり、一体型表示器14よりも分解能が高い場合のある画像を表示し又は印刷することが可能な別個の外部表示器又はプリンタであってもよい。
【0022】
ユーザ・インタフェイス28(一体型表示器14を含み得る)が設けられて、操作者からの命令を受け取る。取得された画像データは、一体型表示器14に表示可能なものよりも高い分解能で取得され得る。
【0023】
もう一つの例として、超音波システム10はポケット・サイズ超音波システムであってよい。例として述べると、ポケット・サイズ超音波システムは幅約2インチ、長さ約4インチ、及び高さ約.5インチであり、3オンスよりも軽量であり得る。ポケット・サイズ超音波システムは、表示器、ユーザ・インタフェイス(すなわちキーボード)、及びプローブへの接続のための入出力(I/O)ポートを含み得る(全て図示されていない)。尚、異なる寸法、重量及び消費電力を有する小型超音波システムと関連して様々な実施形態が具現化され得ることを特記しておく。
【0024】
図3は、CRT埋植処置に先立ってLV誘導配置勧告を決定して与える方法を示す。CRT埋植処置に先立ってLV誘導配置勧告を知ることにより、処置の容易な計画及び準備が促進され得る。また、LV誘導についての1又は複数の最適な又は勧告される配置位置を予測することにより、CRTの成功率を高めることができる。
【0025】
一般的には、過去の結果から、誘導がピーク速度までの最大時間遅延を有するLV区画に配置されたときにCRTが最も有益になり得ることが判明している。しかしながら、LV区画が生存不能である場合には、ペーシングはこの区画に対しては殆ど又は全く効果がなく、従って心臓に対して所望の効果を奏しない。従って、高遅延又は何らかの測定可能な遅延レベルを有し、且つ生存可能である高い可能性を有する区画候補を識別することが望ましい。次いで、この情報を、CRT処置に先立つ操作者による容易な検討及び解析のために一つの表示に結合する。方法は主に図1のシステム100について記載されるが、CRT誘導配置計画モジュール124の機能性はまた、図2のシステム10、及び図1のワークステーション若しくは処理ステーション又は遠隔装置136のような遠隔システムにおいても提供され得ることを理解されたい。この方法はまた、他の形式の診断イメージング・システムでも用いられ得る。
【0026】
ブロック200では、操作者は、利用者入力120に設けられたボタン若しくはソフト・キーによってアクセスされる又は表示器118のメニューに表示されている等のプロトコル・メニューの選択を行なうことによりCRT誘導配置計画モジュール124を起動することができる。操作者はまた、一意の患者コード及び/又は患者名等によって患者を指定する。
【0027】
ブロック202では、CRT誘導配置計画モジュール124は、患者に関連付けされる非同期性検査を指定するように操作者にプロンプトを出すことができる。例えば、非同期性検査は、システム100のメモリ122に記憶されている第一及び第二の非同期性検査126及び128の一方であってよい(図1に示すようなもの)。この例では、第一及び第二の非同期性検査126及び128は、操作者が所望の検査を選択し得るように表示器118に表示され得る。非同期性検査はまた、遠隔装置136に記憶されている第三の非同期性検査138のようにシステム100から遠隔に記憶されていてもよい。この場合には、患者に関連付けされる検査を指定するために、操作者が遠隔装置136をブラウズしてもよいし、又は選択随意でCRT誘導配置計画モジュール124が、識別された及び/又は利用可能な網位置を検索してもよい。
【0028】
ブロック204では、CRT誘導配置計画モジュール124は、第一、第二及び第三の生存力検査132、134及び140の一つのような生存力検査、又は第一、第二及び第三の局所機能検査144、146及び148の一つのような局所機能検査を指定し且つ/又は選択するように操作者にプロンプトを出すことができる。以下の例では、利用者は第一の非同期性検査126及び第一の生存力検査132を指定し且つ/又は選択している。
【0029】
ブロック206では、CRT誘導配置計画モジュール124は第一の非同期性検査126及び第一の生存力検査132にアクセスして、LV内の区画の各々に関連付けされたデータを検索する。前述のように、非同期性検査、生存力検査及び局所機能検査の各々が、一定範囲内の数値からの一つの数値のような指標を区画の各々に割り当てる。この数は、特定の検査が測定しているパラメータに関連付けされた測定値又は程度を示す。尚、CRT誘導配置計画モジュール124は、各々の検査からの区画データの全てに一度にアクセスしてもよいし、方法実行時にわたって個別に各々の区画のデータにアクセスしてもよいことを理解されたい。例として述べると、生存力の程度は、評点分類された壁運動(正常区画の低運動性(hypokinetic)区画に対する比較等)の一つのレベルに関係付けられ、機能の程度は負のピーク心収縮期歪みの量に関係付けられ得る。FDG−PETでは、生存力の程度は流動と代謝との間の不一致度に関係付けられ得る。尚、異なるパラメータを用いて生存力及び/又は機能の程度を求め得ることを理解されたい。
【0030】
図4は、16区画に分割された一般的なブルズ・アイ・プロット230を示す。ブルズ・アイ・プロットは、LVの模式的な全体像である。前述のように、LVは、17個又は18個の区画(図示されていない)のように他の数の区画に分割されてもよい。区画の各々には番号が振られ、すなわち第一の区画231、第二の区画232、第三の区画233、第四の区画234、第五の区画235、第六の区画236、第七の区画237、第八の区画238、第九の区画239、第十の区画240、第十一の区画241、第十二の区画242、第十三の区画243、第十四の区画244、第十五の区画245及び第十六の区画246となっている。
【0031】
図3に戻り、ブロック208では、CRT誘導配置計画モジュール124は、第一の区画〜第十六の区画231〜246の各々について遅延値を比較して、ピーク速度までの最大時間遅延を有する第一の非同期性検査126内の区画を識別することができる。CRT誘導配置計画モジュール124は選択随意で、最大遅延から最小遅延まで第一の区画〜第十六の区画231〜246の順序を識別してもよいし、遅延を全く経ていない区画を識別してもよい。
【0032】
ブロック210では、CRT誘導配置計画モジュール124は、第一の生存力検査132にアクセスして、ブロック208において識別された区画が最小レベルの生存力又は機能を有するか否かを判定する。最小レベルの生存力は、例えば予め決められた生存力の程度又は操作者の選好に基づいていてよい。最小レベルの生存力又は機能が存在する場合には、方法はブロック212へ進み、CRT誘導配置計画モジュール124がピーク速度までの時間遅延を最小レベルの遅延と比較する。最小レベルの遅延は、ブロック210において遅延を殆ど又は全く有しないが最小レベルよりも高い生存力又は機能を有する区画が、相対的に大きい遅延を有する区画よりも好ましいと識別されないように、予め決められてよい。区画が遅延を殆ど又は全く有しない場合には、方法はブロック214へ進み、CRT誘導配置モジュールはこの特定の区画をLV誘導配置について最適未満区画と識別する。区画が少なくとも最小レベルの遅延を有する場合には、方法はブロック216へ進み、CRT誘導配置計画モジュール124はこの特定の区画をLV誘導配置に好ましい区画又は最適な区画と識別する。多くの場合に、区画の全てを検討することが望ましいので、方法はブロック214からもブロック216からもブロック218へ進む。ブロック218では、さらに区画を検討したい場合には、方法はブロック220へ進んで、ピーク速度までの時間遅延が次に最大である区画を識別する。区画を識別した後に、方法はブロック210へ戻る。
【0033】
ブロック210において、ブロック208で識別された区画が最小レベルの生存力又は機能を有しないとCRT誘導配置計画モジュール124が判定したら、方法はブロック222へ移り、CRT誘導配置計画モジュール124はこの区画を回避すべき区画と識別する。前述のように、生存可能でない区画にLV誘導を配置しても殆ど又は全く影響はない。次いで、方法はブロック222からブロック218へ移り、第一の区画〜第十六の区画231〜246のいずれかのものが検討及び/又は範疇分類のために残っているか否かを判定する。
【0034】
第一の区画〜第十六の区画231〜246の全てがCRT時のLV誘導の配置のために検討されたら、方法はブロック224へ移る。ブロック224では、CRT誘導配置計画モジュール124は、第一の区画〜第十六の区画231〜246の各々について勧告を決定することができる。一実施形態では、CRT誘導配置計画モジュール124は、第一の区画〜第十六の区画231〜246に個別に優先順位を付けて、区画の最も好ましい位置から最も好ましくない位置までを示すことができる。最小レベルの生存力を有しないあらゆる区画は、この区画の範囲内にLV誘導を配置すべきでないことが医師に分かるように示され得る。
【0035】
もう一つの実施形態では、CRT誘導配置計画モジュール124は、第一の区画〜第十六の区画231〜246を、「好ましい位置グループ」、「最適未満位置グループ」、及び「回避すべき位置グループ」のような1又は複数のグループに分割し、範疇分類し、並べ替え、又は他の場合には優先順位決定をすることができる。「回避すべき位置グループ」は、最小レベルの生存力に満たない生存力を有する区画を示すために用いられ得る。いずれの区画も生存可能な組織を有しない場合には、第一の区画〜第十六の区画231〜246の全てが「回避すべき位置グループ」の内部に示され得る。局所機能検査が用いられた場合のような幾つかの実施形態では、局所機能を有しない区画の1又は複数が生存可能な組織を有する場合があり、従って、CRTが依然有用な療法となり得る。
【0036】
第一の区画〜第十六の区画231〜246のいずれも「回避すべき位置グループ」として識別されない場合には、第一の区画〜第十六の区画231〜246の全てを生存可能な組織を有するとして示し、「好ましい位置グループ」又は「最適未満位置グループ」に入れることができる。選択随意で、遅延を有さず且つ生存可能な組織を有する区画は、異なるグループとして示され得る。これらの区画は、遅延の程度、生存力の程度及び/若しくは機能に基づいて「好ましい位置グループ」及び「最適未満位置グループ」に分割されてもよいし、又は各々のグループの内部で近似的に同数の区画を表示することに基づいて分割されてもよい。選択随意で、最適な配置が右室及び左室を隔てる壁である両室間中隔の区画に位置している場合には、出力は、CRTに比較して経費節減になるものとしてのみ右室ペーシングを実行すると有利であり得ることを示すことができる。
【0037】
勧告が検討済み区画の各々について決定されたら、ブロック226においてCRT誘導配置計画モジュール124は操作者用の出力又は視覚的表現を準備する。出力はまた、メモリ122に記憶され、患者のファイルに関連付けされ得る。視覚的表現は、ブルズ・アイ・プロット、サーフェス・モデル、第一の区画〜第十六の区画231〜246を対応する勧告と併せて示すリスト、出力と冠静脈の静脈造影像(venogram)との合成、チャート、及びスプレーッドシート等であってよい。
【0038】
図3に関する以上の議論では、第一の非同期性検査126及び第一の生存力検査132がLVを同数の区画に分割していることを仮定している。一実施形態では、CRT誘導配置計画モジュール124は、LVを同数の区画に分割した非同期性検査及び生存力検査を選択するように操作者にプロンプトを出すことができる。もう一つの実施形態では、図3の方法は、LVが異なる数の区画に分割されているときに区画の各々について勧告を決定することができる。この場合には、非同期性検査及び生存力検査における各区画が互いに対して初期的に相関付けされ、且つ/又はこれらの結果を互いに重ね合わせて表示することもできる。
【0039】
もう一つの実施形態では、CRT誘導配置計画モジュール124は、第一及び第二の非同期性検査126及び128、並びに第一及び第二の生存力検査132及び134の一方又は両方等のような多数の検査に基づいて、第一の区画〜第十六の区画231〜246の各々について勧告を決定することができる。用いられた検査の全てからの結果が同じであるときには、CRT誘導配置計画モジュール124は前述のような出力を形成することができる。しかしながら、結果が検査毎に異なる場合には、CRT誘導配置計画モジュール124はこれらの差に操作者を着目させるための付加的な出力を形成することができる。
【0040】
図5は、LVの16区画モデルのブルズ・アイ・プロット250を用いてCRTのためのLV誘導配置勧告を表示する一例を示す。図4のブルズ・アイ・プロット230を併せて参照すると、CRT誘導配置計画モジュール124は、異なる色、濃淡度、及びパターン又はテクスチャ等として区画のグループを示すことにより、第一の区画〜第十六の区画231〜246を「好ましい位置」、「最適未満位置」及び「回避すべき位置」にグループ分けすることができる。第三、第九及び第十の区画233、239及び240は、LV誘導配置に最適な位置又は好ましい位置にある区画を示す第一の色252として表示される。第二、第四、第五、第八、第十一及び第十三の区画232、234、235、238、241及び243は、LV誘導配置についての「最適未満位置」に位置する区画を示す第二の色254で表示される。第一、第六、第七、第十二、第十四、第十五及び第十六の区画231、236、237、242、244、245及び246は、「回避すべき位置」に位置する区画を示す第三の色256で表示され、従ってLV誘導は可能ならばこれらの区画には配置されるべきでない。
【0041】
図6は、CRTのためのLV誘導配置勧告を表示するために用いられ得る3Dサーフェス・モデル270を示す。この例では、第三、第四、第九、第十、第十四及び第十五の区画272、274、276、278、280及び282が示されている。区画のグループは各々、図5において議論したような異なる色、異なる濃淡値レベル若しくはパターン、又は図6に表示したような異なるパターン等によって示差的に示され得る。勧告290を表示指標292と関連付けする凡例288を設けてもよい。第三、第十及び第十五272、278及び282は、「好ましい位置」であってよく、モデル270の表面に沿ってパターンは用いずに示され得る。第四及び第十四の区画274及び280は、「最適未満位置」である区画を示す第一のパターン284によって示され得る。第九の区画276は、「回避すべき位置」である区画を示す第二のパターン286によって示され得る。
【0042】
また、チャート(図示されていない)を単独で又は図5及び図6の視覚的指標の一方と共に設けて、CRTLV誘導配置勧告を表示してもよい。このチャートは、LV誘導配置勧告を従えた第一の区画〜第十六の区画231〜246(及び適宜第十七又は第十八の区画)の各々をリスト表示し得る。代替的には、CRT誘導配置計画モジュール124は、前述のように各区画をグループにまとめてもよいし、最も最適であるものから最も最適でないものまで第一の区画〜第十六の区画231〜246をリスト表示してもよい。生存可能でない区画は、操作者がLVペーシング誘導をこの区画に配置すべきでないことに気付くように強調されてもよい。選択随意で、CRT誘導配置計画モジュール124はまた、適用可能な非同期性検査及び生存力検査又は機能検査から第一の区画〜第十六の区画231〜246の各々についての特定のデータをリスト化又は表示し得る。
【0043】
少なくとも一つの実施形態の技術的効果は、CRT埋植処置に先立ってLV誘導配置のために最適な区画候補又は好ましい区画候補を識別することにある。LVの内部の各区画が、非同期性検査、並びに生存力検査及び局所機能検査の一方のような患者の診断検査に基づいて自動的に評価される。これらの区画は、存在するならばいずれの区画が最適な又は好ましい結果を与えるかを識別するように評価される(例えば区画が生存可能であり、ピーク速度までの最大且つ/又は測定可能な時間遅延を有する等)。これらの区画は、好ましい位置、最適未満位置、又は回避すべき位置を識別する等のように、順序付け又はグループ分けされ得る。次いで、各々の区画についての結果は、リスト、ブルズ・アイ・プロット、3Dモデル又は他の視覚的指標等によって出力される。
【0044】
以上の記載は例示説明のためのものであって制限するものではないことを理解されたい。例えば、上述の実施形態(及び/又は各実施形態の各観点)を互いに組み合わせて用いることができる。加えて、本発明の範囲から逸脱せずに特定の状況又は材料を本発明の教示に合わせて適応構成する多くの改変を施してよい。本書に記載されている材料の寸法及び形式は、本発明のパラメータを定義するためのものであるが、限定的な実施形態ではなく、例示的な実施形態である。以上の記載を検討すれば、当業者には他の多くの実施形態は明らかであろう。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲に関連して、かかる特許請求の範囲が網羅する等価物の全範囲と共に決定されるものとする。特許請求の範囲では、「including包含する」等の用語は「comprising含む」の標準英語の等価物として、また「in whichこのとき」等の用語は「whereinここで」の標準英語の等価物として用いられている。さらに、特許請求の範囲では、「第一」「第二」及び「第三」等の用語は単にラベルとして用いられており、これらの用語の目的語に対して数値的要件を課すものではない。さらに、特許請求の範囲の制限は、「手段プラス機能(means-plus-function)」式で記載されている訳ではなく、かかる特許請求の範囲の制限が、さらに他の構造を含まない機能の言明を従えた「〜のための手段」との文言を明示的に用いていない限り、合衆国法典第35巻第112条第6パラグラフに基づいて解釈されるべきでない。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に従って形成される超音波システムのブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って形成される小型超音波システムを示す図である。
【図3】心再同期療法(CRT)埋植処置に先立って左室(LV)誘導配置勧告を決定して与える本発明の一実施形態による方法を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による16区画に分割された一般的なブルズ・アイ・プロットを示す図である。
【図5】CRTのためにLVの16区画モデルのブルズ・アイ・プロットを用いてLV誘導配置勧告を表示する本発明の一実施形態による一例を示す図である。
【図6】CRTのためのLV誘導配置勧告を表示するのに用いられ得る本発明の一実施形態による3Dサーフェス・モデルを示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10 小型超音波システム
12 プローブ
14 一体型表示器
24 外部装置
26 網
28 ユーザ・インタフェイス
100 超音波システム
102 送波器
104 トランスデューサ素子
106 プローブ
108 受波器
110 ビームフォーマ
112 RFプロセッサ
114 RF/IQバッファ
116 プロセッサ
118 表示器
120 利用者入力
122 メモリ
124 CRT誘導配置計画モジュール
126 第一の非同期性検査
128 第二の非同期性検査
130 マイクロフォン
132 第一の生存力検査
134 第二の生存力検査
136 遠隔装置
138 第三の非同期性検査
140 第三の生存力検査
142 網
144 第一の局所機能検査
146 第二の局所機能検査
148 第三の局所機能検査
200 CRT誘導配置ツールを起動する
202 非同期性検査を指定する
204 生存力検査又は局所機能検査を指定する
206 区画(1又は複数)に関連付けされる非同期性データ、及び生存力データ又は局所機能データを検索する
208 ピーク速度までの最大時間遅延によってLV区画を識別する
210 LV区画は最小レベルの生存力又は機能を有するか?
212 LV区画は最小レベルの遅延を有するか?
214 LV区画を最適未満区画として識別する
216 LV区画を最適な又は好ましい区画として識別する
218 他のLV区画を検討するか?
220 LV区画をピーク速度までの時間遅延が次に最大のものによって識別する
222 LV区画を回避すべき区画として識別する
224 各々の区画について勧告を決定する
226 視覚的表現を準備する
230 ブルズ・アイ・プロット
231 第一の区画
232 第二の区画
233 第三の区画
234 第四の区画
235 第五の区画
236 第六の区画
237 第七の区画
238 第八の区画
239 第九の区画
240 第十の区画
241 第十一の区画
242 第十二の区画
243 第十三の区画
244 第十四の区画
245 第十五の区画
246 第十六の区画
250 ブルズ・アイ・プロット
252 第一の色
254 第二の色
256 第三の色
270 3Dサーフェス・モデル
272 第三の区画
274 第四の区画
276 第九の区画
278 第十の区画
280 第十四の区画
282 第十五の区画
284 第一のパターン
286 第二のパターン
288 凡例
290 勧告
292 指標を表示する

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の左室(LV)の各区画231〜246に関連付けされており、少なくとも第一の非同期性検査126と、第一の生存力検査132及び第一の局所機能検査144の少なくとも一方とを含む患者検査データを記憶するメモリ122と、
前記区画231〜246の各々について前記患者検査データの少なくとも一部を比較する心再同期療法(CRT)誘導配置計画モジュール124と、
前記区画の各々についての前記患者検査データの前記少なくとも一部の前記比較に基づいて、CRT処置時の前記患者のLVの前記区画231〜246の一つの内部へのLV誘導の配置のための少なくとも1箇所の位置を示す出力装置と
を備えた超音波システム100。
【請求項2】
前記出力装置は、前記区画231〜246の少なくとも一つと前記少なくとも1箇所の位置との間の関連性を表示するリスト、チャート、ブルズ・アイ・プロット250及び3Dモデル270の少なくとも一つを表示する表示器118を含んでいる、請求項1に記載のシステム100。
【請求項3】
前記第一の非同期性検査126は、前記区画231〜246の各々をピーク速度までの時間遅延と関連付けるタイミング・データを含んでおり、前記CRT誘導配置計画モジュール124は、ピーク速度までの最大時間遅延を有する前記区画231〜246の範囲内から第一の区画を識別し、前記CRT誘導配置計画モジュールは、前記第一の区画が前記第一の生存力検査132及び前記第一の局所機能検査144にそれぞれ基づく最小レベルの生存力及び最小レベルの機能の少なくとも一方を上回るか否かを判定する、請求項1に記載のシステム100。
【請求項4】
前記CRT誘導配置計画モジュール124は、前記区画の各々を、好ましい位置、最適未満位置及び回避すべき位置の一つを含むグループと関連付け、前記出力装置は、前記好ましい位置にある前記区画231〜246を第一の指標により識別し、前記最適未満位置にある前記区画231〜246を第二の指標により識別し、前記回避すべき位置にある前記区画231〜246を第三の指標により識別し、前記第一、第二及び第三の指標は互いに対して異なっている、請求項1に記載のシステム100。
【請求項5】
前記CRT誘導配置計画モジュール124は、ピーク速度までの最大時間遅延を有する第一の区画を識別することをさらに含んでおり、前記CRT誘導配置計画モジュール124は、前記第一の区画の生存力レベルを最小レベルの生存力とさらに比較し210、前記出力装置は、前記第一の区画が前記最小レベルの生存力を上回るときに前記第一の区画216の内部に前記LV誘導を配置する勧告を出力し、前記第一の区画が前記最小レベルに満たない生存力を有するときに前記第一の区画222を回避する勧告を出力することをさらに含んでいる、請求項1に記載のシステム100。
【請求項6】
前記出力装置は、前記LVに基づくブルズ・アイ・プロット250を表示する表示器118を含んでおり、LV誘導の配置の前記少なくとも1箇所の位置は、前記区画を前記ブルズ・アイ・プロット250に異なる色252、254、256、異なる濃淡度、及び異なるパターン284、256の一つとして示すことを含んでいる、請求項1に記載のシステム100。
【請求項7】
心再同期療法(CRT)処置に先立って左室(LV)誘導の配置を勧告する方法であって、
患者に関連付けされており、該患者のLVの内部の各々の区画231〜246に関する少なくとも遅延データを含んでいる第一の非同期性検査126を指定するステップと、
前記区画231〜246の各々に関する生存力データを含む第一の生存力検査132、及び前記区画231〜246の各々に関する局所機能データを含む第一の局所機能検査144の一方を識別するステップと、
前記遅延データと、前記生存力データ及び前記局所機能データの少なくとも一方とに基づいて前記区画231〜246を比較するステップと、
前記区画231〜246の少なくとも一つ、及びCRT処置時の前記患者のLVの内部へのLV誘導の配置に関する関連する勧告を出力するステップと
を備えた方法。
【請求項8】
ピーク速度までの最大時間遅延を有する第一の区画を識別するステップ208と、
最小レベルの生存力を識別するステップと、
前記第一の区画の生存力レベルを前記最小レベルの生存力と比較するステップ210と
をさらに含んでいる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
最小レベルの生存力を識別するステップと、
前記区画の生存力レベルを前記最小レベルの生存力と比較する212ことにより生存不能区画を識別するステップと
をさらに含んでおり、前記関連する勧告は、前記生存不能区画をLV誘導配置について回避すべき区画として示すことをさらに含んでいる、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記区画231〜246をLV誘導配置について好ましい位置、LV誘導配置について最適未満位置及びLV誘導配置について回避すべき位置の少なくとも一つを含むグループに分割するステップと、
前記LVに基づくブルズ・アイ・プロット250、前記区画のリスト及び3Dモデル270の少なくとも一つを表示するステップであって、前記グループの各々の前記区画231〜246は示差的に示される、表示するステップと
をさらに含んでいる請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−289873(P2008−289873A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118048(P2008−118048)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】