心室区画装置用の周辺シール
【課題】患者の心室を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画する区画装置で、心臓疾患、特にうっ血性心臓疾患を有する患者の治療に好適な装置に関する。
【解決手段】区画装置10は、隔膜11の周囲を患者の心室壁にシールするための外側に付勢された部材を備えた補強された隔膜を有する。実施例では、外側に付勢された部材は、隔膜を補強する伸張可能なフレームの隣接するリブの間に伸びる、伸張ストランド19である。他の実施例では、外側に付勢された部材は、心室内で血液等の体液に接触して膨張する発泡のような親水性部材である。補強された隔膜は、末端側に伸びる支持ステム23を備えた中央ハブ12を有する。ステムは、中心線軸から径方向に伸びるとともに共通平面に整列する端部を好ましくは有する複数の脚部を有する。中心線軸から径方向に伸びるポッドの端部は、柔軟なストラット及び/又はウェブで相互に連結される。
【解決手段】区画装置10は、隔膜11の周囲を患者の心室壁にシールするための外側に付勢された部材を備えた補強された隔膜を有する。実施例では、外側に付勢された部材は、隔膜を補強する伸張可能なフレームの隣接するリブの間に伸びる、伸張ストランド19である。他の実施例では、外側に付勢された部材は、心室内で血液等の体液に接触して膨張する発泡のような親水性部材である。補強された隔膜は、末端側に伸びる支持ステム23を備えた中央ハブ12を有する。ステムは、中心線軸から径方向に伸びるとともに共通平面に整列する端部を好ましくは有する複数の脚部を有する。中心線軸から径方向に伸びるポッドの端部は、柔軟なストラット及び/又はウェブで相互に連結される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心室区画装置、および心臓疾患を有する患者、特に、うっ血性心臓疾患(CHF)を有する患者の治療に上記装置を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
うっ血性心不全(心不全)は、心臓、特に左心室の肥大化が進行することが特徴であり、アメリカでは死亡及び身体障害の主要な原因である。アメリカだけで毎年、約550,000の新しい患者が発生する。患者の心臓が肥大すると、心臓は、各心拍で血液を効率的に送り出すことができない。そのうち、心臓は、ポンプとして機能しなくなり、十分な血液を体に供給できない程に肥大化する。健康な心臓でさえ、患者の左心室の血液の一定割合だけが、心臓の各鼓動の間に心室から、送り出され又は駆出される。一般に「駆出率(ejection fraction)」といわれる送出割合は、典型的には、健康な心臓で約60パーセントである。心不全の患者は、40%より低く、時にはもっと低い駆出率を有する。駆出率が低い結果、心不全の患者は、疲れやすく、激しい活動が要求される仕事をこなしたり、また、痛みを伴う気詰まりな体験をすることができない。さらに、心臓が肥大するため、僧帽弁のような心臓内の弁が、十分に閉じられなくなる。機能不全の僧帽弁のため、左心室から左心房へ血液が逆流し、心臓が血液を送り出す能力は更に低下する。
【0003】
心不全は、ウィルス感染、機能不全の心臓の弁(例えば、僧帽弁)、心臓壁の虚血状態、又はこれらの状態の組み合わせを含む種々の状態から起こる。長期の冠動脈の虚血及び閉塞は、心筋組織における心室の壁の部分的な壊死及び瘢痕組織の生成をもたらす。一旦、心筋の組織が死ぬと、収縮性が低下し(時には収縮しなくなり)、心臓のポンプの動作を最早なし得なくなる。それは、運動不全症又は運動不能症と言われる。病気が進行すると、障害が起きた心筋は、心臓が収縮している間、局所的に膨れ出て、血液を送り出す心臓の能力をさらに低下させ、駆出率をさらに低減させる。この場合、心臓壁はジスキネジア(dyskinetic)と言われる。心臓壁のジスキネジアの部分が、拡大し、終には動脈瘤を形成する。
【0004】
心不全を患う患者は、一般に、クラスI、II、III及びIVの4つのクラスに分けられる。早期の段階(クラスI及びII)では、現在では薬物療法が最も一般的な治療である。薬物療法は、病気の兆候を典型的に治療し、病気の進行を遅らせるであろうが、病気を治癒できない。現在、心不全のための永続的な治療は、心臓移植のみであるが、心臓移植の手技は、非常に危険であり、特に侵襲的で又高額であって、少しの割合の患者に施される。多くの患者の心臓は、多数の適格条件のいずれかを満たさないために、心臓移植に不適格とされ、さらに、適格とされた心不全の患者の条件を満たす移植のための十分な心臓を入手できない。
【0005】
代替的な心不全の治療を見つけるために、多くの努力がなされてきた。例えば、心臓の容積を減らすために、外科手術では心室壁の弱った部分を切開して取り除いてきた。この手技は、非常に侵襲的で、危険で又高額であって、一般的には、(心臓弁の取り替え又は冠状動脈のバイパスグラフトのような)他の手技と併せてなされるだけである。さらに、外科治療は、通常クラスIII及びIVの患者に施されるにすぎず、従って、薬物療法が奏効しない殆どの患者に選択されない。最後に、手技が失敗した場合、現在では緊急の心臓移植だけがとり得る選択となる。
【0006】
機械的な補助装置が、心不全を治療するための中間的な手技として発展してきた。そのような装置は、左心室を補助する装置及び全体的な人工心臓を含む。左心室補助装置は、左心室から動脈への血流を増加させるための機械的なポンプを含む。ジャービック心臓(Jarvik heart)のような全体的な人工心臓装置は、患者が移植のためのドナーの心臓を待つ間の一時的な手段としてのみ用いられる。
【0007】
近時、心臓の両心室の収縮を調整するために、心臓の両側に歩調をとるリード線を埋め込むことにより心不全の患者の心臓を治療することが進歩している。この技術により、血流力学的な振る舞いで改善が示され、右心室から患者の肺への駆出率及び左心室から患者の大動脈への駆出率が増加する。この手技は心不全の症状の改善に奏効しており、病気の進行を遅くするが、病気を止めることはできず、又心室の非同期を伴う患者に好ましいに過ぎない。
【0008】
心不全の治療のための他の試みとして、更なる有害な再構築を防ぐために、人口の弾力性のある敷物(elastic sock)のような弾性支持部を用いるものもある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、心室区画装置、および心臓疾患を有する患者、特に、うっ血性心臓疾患(CHF)を有する患者の治療に上記装置を用いる方法に関する。具体的に説明すると、その装置は、患者の心室を、第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画する。この区画によって、心室の全容積が減少し、患者の心臓壁の弱った組織に加わる負担を軽減し、結果的に、心臓が血液を送り出す量を改善する。また、装置は、患者の心臓拡張機能を改善する。
【0010】
本発明の特徴を具体化した区画装置は、患者の心室に固定されたときに、仕切られた心室の第1のセンサ的部分を形成する、窪んだ圧力を受ける表面を備えた補強された区画部材を有する。補強された区画部材は、上記圧力を受ける表面を形成する柔軟な隔膜を有する。上記区画部材は、好ましくは、複数のリブで形成された、径方向に伸張可能なフレーム部材で補強することが好ましい。上記伸張可能なフレームは、中央のハブに好ましくは固定された末端側端部と、自由な基端側端部を有する。上記リブの末端側端部は、中央のハブに好ましくは固定され、それにより、リブの自由な基端側端部は中央線軸から離れる方向に自分自身で容易に伸張する。上記リブの末端側端部は、ハブに回転可能に設けられ、また、外側に付勢されるかハブに固定される。上記リブは、好ましくは、超弾性NiTi合金等の材料で形成されており、それにより、搬送の際には中心軸に向けて収縮した状態に上記リブの自由基端部が圧縮され、患者の心室内で解放されたときに伸張された状態に展開するように、解放されたときは自分自身で伸張する。
【0011】
上記リブの自由基端部は、区画部材の周端を心臓の壁に固定するとともに区画部材を心室内に固定して所望の状態に心室を仕切るように、仕切られた心室を覆う組織に係合する、好ましくは貫入するように形成されている。組織に貫入する基端側の先端は、区画装置の中心線軸にほぼ直角の角度をもって表面組織に貫入するように構成されている。リブの組織に貫入する基端側の端部には、心臓の壁から当該先端が抜けるのを防止するかかりやフック等を設けてもよい。
【0012】
区画装置が伸張された状態にあるとき、伸張可能な部材、例えば、一つ又はそれ以上のストランドや膨張可能なパッドは、隔膜の外側縁又は周囲部で又はそれらの近くで、少なくとも一対の隣接するリブの間に伸びて、柔軟な隔膜周囲部に十分な圧力を加え、隔膜周囲と心臓壁の表面との間に適当なシールを形成する。一つの実施例では、一つ又は複数のストランドが隔膜のほぼ全周に伸びており、各対のリブの間にある隔膜の柔軟な周囲部分が心臓壁との間を効果的にシールする。伸張可能な一つ又は複数のストランドは、隔膜のフレキシブルな支持されていない部分の材料より固い材料で形成されえおり、区画装置のリブが少なくとも部分的に収縮状態にあるとき、外側に向かう伸張力を提供し、または、内側に向かった折り曲げや皺を防止する。適当なストランドは、ポリプロピレンの縫合糸又は超弾性NiTi合金ワイヤ等の材料から形成される。そのようなストランドは、通常、約0.005〜約0.03インチ(0.13〜0.76mm)の直径を有し、完全に伸張した状態には至らない状態で隔膜の周囲等の回りの環状位置に設けられると、必要な外側への伸張力を提供する。
【0013】
他の実施例では、膨張可能なパッドが隣接する対のリブの間に設けられており、それらのパッドは人の流体と接触すると膨張して上述のように外側に向かう伸張力又は推進力を生じ、隔壁装置のリブが少なくとも部分的に収縮した状態で、内側に向かう折り目や皺の形成を防止するように形成されている。適当な膨張材料には、コラーゲン、ゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリカプロラクトン、それらの混合物又は共重合体が含まれる。その他の適当な膨張可能な生体吸収性ポリマー材料も使用できる。膨張可能なパッドは、種々の治療用又は診断用の剤を送るように形成してもよい。
【0014】
伸張された状態のリブは、ハブから外側に傾斜しており、自由な基端部は外側に曲がっており、その結果、伸張されたフレームのリブに固定された隔膜は、トランペット形状の圧力を受ける表面を形成する。
【0015】
伸張された状態の隔膜は、中心線上で測定したとき、約10〜約160mm、好ましくは約25〜50mmの外形を有する。隔膜は、好ましくは、伸張されたポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のような柔軟な材料又は繊維で形成される。
【0016】
区画装置は、心室よりも大きな大きさに設計されており、心室内で展開されると、装置のリブが心室壁に対して外側に向かう力を加える。搬送するために区画装置を潰すと、外側に付勢されたストランドによって、内側にむかって折り目や皺を生じたりすることがないし、区画装置を心室内で展開するために伸張したときにもそのような折り目や皺が形成されることがない。
【0017】
本発明の特徴を具体化した一つの区画装置では、伸張ストランドの自由端部は互いに固定されるか又は区画装置に固定される。代わりに、他の装置デザインでは、伸張ストランドは十分に長く、その一端又は両端が患者から外に伸びており、そのために区画装置を容易に潰したり引き出したりできる。患者から伸び出ているストランドの自由端部を引くことによって、区画装置の伸張部、すなわち、リブや隔膜を閉じて該装置を潰すことができる。また、そのようにストランドを引くことで、潰された区画装置をガイドカテーテル又はその他の回収装置の内側ルーメンに引き込むことができる。
【0018】
補強された区画部材は、好ましくは、心室内で区画装置を支持するために、心臓壁の表面に向けて先端側に伸びるための所定の長さを有する支持部材又はステムを有する。支持部材は、複数(好ましくは少なくとも3つ)のポッド又は脚部を有する。これらの脚部は、心室壁表面の領域周辺で区画装置の力を分散して、心臓壁の組織(特に、心筋梗塞(MI)等の損傷した又は壊死した組織)が短期的又は長期的に損傷するのを防止する。支持部材のポッドは、半径方向に伸びており、好ましくは、ストラット又は平面に相互連結され、それにより、心室表面の伸張された領域に力を分散する。
【0019】
区画装置は、経皮的又は手術によって送られる。一つの特に好適な搬送カテーテルは、細長いシャフト、末端に区画装置を保持するシャフトの末端部に設けられた解放可能な固定装置、および末端部の基端側でシャフトの末端に設けられた膨張可能なバルーン等の膨張可能部材を有し、該バルーンは、圧力を受ける表面によって形成された窪みの内部を押して、区画装置の周囲部にある組織貫入先端部又は先端部材を心臓壁の組織に十分貫入させ、区画装置を所望の場所に保持して心室を効果的に仕切る。適当な搬送装置は、本件特許出願の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/913,608(出願日:2004年9月5日)に記載されている。
【0020】
本発明の特徴を具体化した区画装置は、比較的簡単に取り付けることができ、病気の心臓を治療して実質的に改善する。病気を患っている患者の心臓に正常な拡張と収縮運動を回復する。併せて、患者の心室から良好に血液が送り出される。本発明による以上の利点及びその他の利点は、本発明の以下の詳細な説明及び図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の特徴を具体化した区画装置の展開状態を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示す区画装置の平面図で、該区画装置の上面を表す。
【図3】図3は、図1に示す区画装置の底面図である。
【図4】図4は、図1に示す装置の外側に伸びるステムの非外傷性先端部の斜視図である。
【図5】図5は、図2に示す区画装置のハブの5−5線に沿った部分断面図である。
【図6】図6は、図5に示すハブの6−6線に沿った横断面図である。
【図7】図7は、図1に示す区画装置の周辺部における補強リブと隔膜の長手方向の部分断面図である。
【図8】図8は、図1,2に示す区画壁装置を乗せた搬送システムの概略部分断面図である。
【図9】図9は、図8の9−9線に沿った搬送装置の横断面図である。
【図10】図10は、図8に示す搬送装置のヘリカルコイルに固定された、図5に示すハブの部分断面図である。
【図11A】図11Aは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11B】図11Bは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11C】図11Cは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11D】図11Dは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11E】図11Eは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図12】図12は、患者の心室内で図11Eに示す装置を展開した平面図である。
【図13】図13は、図1に示す区画装置の平面図で、患者の心室内部で展開した後、伸張ストランドが無い状態を示す。
【図14】図14は、補強部材の周辺部で伸張ストランドの自由端部を引くことによって収縮された状態にある、図1,2の区画装置の一部を示す図である。
【図15】図15は、図14に示す収縮状態の装置を示す図で、そこでは区画装置を受け取りカテーテル内部に容易に引き込めるように、受け取りカテーテルの伸張した末端部に装置が引き込まれている状態を示す。
【図16】図16は図14に示す収縮状態の装置を示す図で、そこでは、装置が受け取りカテーテルの内側ルーメンに更に引き込まれている。
【図17】図17は、別の区画装置の平面図で、この装置は、隣接するリブの間に配置されて隣接するリブの間の隔膜を心臓壁に押し当てる膨張可能なパッドを有する。
【図18】図18は、隣接するリブの間に配置されて隣接するリブの間で隔膜を心臓の壁に押し当てる膨張可能パッドを有する別の区画装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から図4は、本発明の特徴を具体化した区画装置(隔壁装置、隔離装置)10を示す。区画装置10は、隔膜11、ハブ12(好ましくは、区画装置の中央に配置される。)、および径方向に伸張可能な補強フレーム13を有し、図1に示すように、フレーム13の基端側又は圧力側に取り付けられている。リブ14は、ハブ12に固定された末端15と、中心線軸から離れる方向に曲がる又は広がるように形作られた基端16を有する。自由な基端16の径方向への伸びにより、フレーム13に取り付けられた隔膜11が展開し、該隔膜11が受圧面となり、患者の区画された心室の生産的部分の一部を形成する。隔膜11の周縁18は、図示するようにギザギザをつけてもよい。
【0023】
連続した伸張ストランド19は、隔膜11の圧力側で該隔膜11の周方向に伸びており、隔膜の柔軟な材料の圧力側に圧力を加えて、心室の壁に対して隔膜の周囲を効果的にシールする。伸長ストランド19の端部20,21は、図2,3の区画装置から離れる方向に伸びている。端部20,21は、自由な状態のままで放置しておいてもよいし、例えば適当な接着剤または隔膜11で互いに連結してもよい。詳細には示さないが、米国特許出願(No.10/913,608、出願日2004年8月5日)で説明されているように、隔膜11は、リブ14の基端面に固定された基端層と、リブの末端面に固定された末端層を有する。
【0024】
図4,5に示すハブ12は、非外傷性の支持コンポーネント22に接続することが好ましい。支持コンポーネント22は、ステム23と、中心線軸から径方向外側に伸びる複数のポッドまたは脚部24を有する。脚部24の端部は、隣接する脚部の間に伸びるストラット25に固定されている。隣接する脚部24の間にウェブ状に伸びる面状の材料(図示せず)を設け、ストラット25とともに、またはストラット25に代わって、支持してもよい。図8,10に示すように、区画装置10を搬送カテーテルに取り付けるために、ステム23の内径部にはねじ部が設けられる。
六手もよい。
【0025】
図5に示すように、リブ14の末端15は、ハブ12の中に固定される。また、図6に示すように、ハブ12を非外傷性支持コンポーネント22に固定するように構成された、横断方向に配置されたコネクタバー26が、ハブ12の中に固定される。
【0026】
図5,6に示すように、ハブ12のコネクタバー26により、区画装置10は非外傷性支持コンポーネント22に固定され、患者の心室内で搬送システムから解放される。補強リブ14の末端15は、適当な方法でハブ12内に固定される、または、内側ルーメンを形成する表面に固定される、若しくは、ハブ12の壁の溝または穴に配置される。リブ14の末端は、図1,2に示すようにリブがそれに取り付けられた隔膜11以外のものによって拘束されていないとき、その自由な基端16が中心軸から所望の角度(約20度から約90度、好ましくは約50度から約80度)に拡張するように、形作られている。区画装置10の非拘束径は、区画装置の展開位置における心室の内径よりも大きくすべきである。その結果、心収縮期および心拡張期に、部分的に拡張されたリブ14によって心室の壁に外方向への力が加わり、弾性フレーム13が心臓壁の運動を増進する。
【0027】
図7は、曲線形状を有するリブ14の基端16を示す。基端16には、心室の壁に係合して好ましくは該壁に貫入して患者の心室内で区画装置10を展開位置に保持し、心室を生産的部分と非生産的部分に区画するように形成された鋭い先端部27が設けられている。
【0028】
図8から図10は、図1,2に示す区画装置10を患者の心室に搬送し、区画装置10を展開して心室を図11Aから11Eに示すように区画する、適当な搬送装置30を示す。搬送装置30は、ガイドカテーテル31と搬送カテーテル32を有する。
【0029】
ガイドカテーテル31は、基端34と末端35の間に伸びる内側ルーメン33を有する。ガイドカテーテル31の基端34に止血弁(図示せず)を設け、搬送カテーテル32の外側シャフト37の周囲をシールしてもよい。ガイドカテーテル31の基端34にあるフラッシュポート36は、内側ルーメン33と連通している。
【0030】
搬送カテーテル32は、基端にアダプタ38を備えた外側シャフト37を有する。アダプタ38は、シャフト37の内部に連通した基端インジェクションポート39を有する。図9に詳細に示すように、外側シャフト37は、その内部に配置された内側シャフト41を有する。内側シャフト41は、ウェブ43によって外側シャフト37の内面に固定されている。ウェブ43は、内側シャフトのほぼ全長に沿って伸びている。インジェクションポート39は、内側シャフト41と外側シャフト37の間の通路42に連通しており、ウェブ43によってその一部が形成されている。トルクシャフト44は、ハイポチュービング(hypotubing)(例えば、ステンレススチールまたは超弾性NiTiで形成されたもの)で形成することが好ましく、内側シャフト41の内側ルーメン45内に配置され、アダプタ38内部に固定された基端46を有する。バルーン膨張ポート47は、トルクシャフト44の内側ルーメン48に連通している。トルクシャフト44は、内側シャフト41の内側ルーメン45内に回転可能に配置されており、回転ノブ49に固定されている。ヘリカルコイルねじ50は、トルクシャフト44の末端51に固定されており、トルクシャフト44の基端46におけるトルクノブ49を回転するとねじ50が回転して区画装置10が容易に展開される。膨張可能なバルーン53の基端52は、トルクシャフトの末端51の基端側でトルクシャフト44の周りに接着剤で密封されて固定されている。バルーン53は、トルクシャフト44の内側ルーメン48に連通した内部55を有する。膨張流体は、トルクシャフト44の内側ルーメン48に連通したポート47を介して、バルーン内部55に送られる。バルーン53の末端56は、ヘリカルねじ50に接着剤で密封状態に固定される。バルーン53の基端52と末端56は、接着剤54,57で封止されており、バルーン53の内部55に送られる膨張流体の損失が防止されている。トルクシャフト44の末端51にある流体放出ポート58を介して膨張流体が送られることにより、バルーン53が膨張する。これにより、区画装置10の基端側表面に圧力が加わり、後述する図11Aから11Eに示すように、心室60の壁59に区画装置10が容易に固定される。
【0031】
図11Aに示すように、区画装置(コンポーネント)10は、ガイドカテーテル31と搬送カテーテル32を有する搬送装置30を通じて送られる。区画装置10は、第1の搬送形状に折り畳まれている。この状態で、区画装置10は、ガイドカテーテル31の内側ルーメン33内をスライドしながら送られるほどに十分に小さな横寸法を有する。通例、ガイドカテーテル31は、患者の脈管(脈管(例えば、大腿動脈)を通じて経皮的に所望の心室60まで導入および前進されている。区画装置10が設けられた搬送カテーテル32は、ガイドカテーテル31の内側ルーメン33を介して、区画装置10が展開できるようになるまで、ガイドカテーテル31の末端から該区画装置10が配置される心室60まで前進される。
【0032】
図11Bに示すように、ねじ50に設けられた区画装置10は、支持コンポーネント22が心臓の壁59と係合するまで、ガイドカテーテル32の内側ルーメン33の外に付勢される。ガイドカテーテル31が引き出され、その間、搬送カテーテル32は、リブ14の基端16がガイドカテーテルの末端35から出るまで、所定の場所に保持される。図11Cに示すように、リブ14の自由基端16が外側に膨張し、リブ14の鋭利な基端側先端27を、心臓壁59を覆う組織に押し付け、好ましくは貫入する。
【0033】
区画装置10が心室60内で展開され、また、好ましくは部分的にそこに固定されると、膨張流体がインフレーションポート58を介してトルクシャフト44の末端51に導入され、そこで流体はバルーン内部54に向けられてバルーン53を膨張する。膨張したバルーン53は、区画装置10の隔膜11の圧力を受ける面17を押圧し、それにより鋭利な基端側先端27が図11Dに示すように心臓壁59を覆う組織に押し込まれる。
【0034】
区画装置10が心室60内に適正に配置されると、トルクシャフト44のノブ49(図8を参照)が反時計回り方向に回転されて、搬送カテーテル32のヘリカルコイルねじ50がハブ12内に固定されたステム23から分離する。トルクシャフト44を反時計回り方向に回転すると、ヘリカルコイルねじ50が回転し、該ねじがハブ12内に固定された連結バー26の上に乗る。ヘリカルコイルねじ50が連結バー26から分離すると、ガイドカテーテル31と搬送カテーテル32を含む搬送装置30は患者から取り除くことができる。
【0035】
ガイドカテーテル31の基端34には、手術中に内側ルーメン33を介して治療用や診断用の流体またはその他の流体を注入するために、フラッシュポート36が設けてある。同様に、実質的に同様の目的から、アダプタ38の基端側のインジェクションポート39が、搬送カテーテル32の通路42に連通している。
【0036】
図11Eに示すように、患者の心室60内で区画装置10が展開することにより、該心室は主たる生産的部分又は動作部分61と別の本質的に非生産的部分62に分けられる。動作部分61はもとの心室60よりも小さく、改善された血液送り出し部分を形成し、血流を改善する。時間が経過すると、非生産的部分62は、まず血栓で満たされ、その後組織の成長によって満たされる。ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロタクトン、共重合物などの生体的に再吸収可能なフィラーを用いて非生産的部分62を最初に充填してもよい。フィラーは、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの適当な溶媒の状態で供給される。非反応性のフィラーと同様に、組織の成長または血栓を促進するその他の材料を非生産的部分62に配置してもよい。
【0037】
図12は、図11に示す展開された区画装置の上面図で、心室壁に対して角膜11のシールされた周辺部分を概略的に示し、図13の略図と比較されるべきである。図13は、ストランドがなく、周囲18に沿って折り曲げ部を有する区画装置を示し、そこでは心室60の壁59に対して有効なシールが得られない。
【0038】
区画装置10は、2004年8月5日に出願された、米国特許出願第10/913,608号に記載された方法で形成される。
【0039】
多孔性のePTFE材料が好ましいが、隔膜11は、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、およびハイトレル(Hytrel)等のポリエステルを含む生体適合性のポリマー材料で形成される。隔膜11は、患者の心臓内に配置された後に組織が進入して成長することができるように、小さな孔を有するものであってもよい。搬送カテーテル32とガイドカテーテル31は、PEEK(ポリエチレンテレケトン)、ポリカーボネート、PET、ナイロンなどの、適当な高強度ポリマー材料で形成される。網目状の合成シャフトも利用できる。
【0040】
図14から図16は、隔膜11の周囲から伸びている伸張ストランド19の端部20,21を引くことによって、区画装置10を壊して取り出す状態を示す。通常、区画装置10は、搬送カテーテル32に固定されるが、図面を簡略化するために搬送カテーテルは除かれている。図14において、区画装置10は、部分的に潰された状態を示している。図15は、部分的に潰された区画装置10を取り出しカテーテル64のフレア状末端63に引き込む状態を示している。図16は、完全に折り畳まれた区画装置10を更に取り出しカテーテル64に引き込む状態を示している。区画装置10は、取り出しカテーテル64の内側ルーメン65を介して装置を引くことによって取り出される。代わりに、区画装置と取り出しカテーテルを患者から一緒に取り出してもよい。
【0041】
区画装置を前進および配置しながら、該装置を患者の心室に適正に位置づけるために、一つまたは複数のリブ14の一部(例えば、末端側の部分)、またはハブ12、若しくはそれらの両方には、所望の場所にマーカーを設けておき、視覚、超音波、X線、またはその他の画像化手段または視覚化手段によって、マーカーを視覚的に認識できるようにしてもよい。放射線不透過性のマーカーは、例えば、ステンレススチール、プラチナ、金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀、ロジウム、ニッケル、ビスマス、その他の放射線不透過金属、合金、およびそれらの金属の酸化物で作られる。
【0042】
図17と図18は、本発明の特徴を具体的した他の形態を示し、その区画装置10には、隣接するリブ14の間に、隔膜11の周辺部の周りに、好ましくは親水性発泡材の膨張可能な部材70が設けてある。隔膜が展開した状態でこれらの膨張可能な部材が血液等の流体に接触すると、これら膨張可能な部材が膨張し、それにより隔膜11の周辺部分を患者の心臓壁に対してシールする。区画装置10の詳細は上述の実施例と実質的に同一であり、本実施例における要素には上記実施例における対応する要素と同一の符号が付してある。
【0043】
ここで説明しない限り、区画装置および搬送装置の種々のコンポーネントは通常それに用いられる材料および方法で形成される。
【0044】
本発明の特定の形態について説明したが、本発明は種々変形および改変可能である。また、本発明の実施例の個々の特徴は幾つかの図面に示されているが、本発明の一つの実施例の個々の特徴は他の実施例の幾つかのまたはすべての特徴と組み合わすことができる。したがって、本発明は、図示する特定の実施例に限定されるものでない。先行する技術と対比して、本発明は特許請求の範囲によってできるだけ広く定められるものである。
【0045】
本明細書において、要素、部材、コンポーネント、装置、セクション、部分、ステップ、手段、および類似の意味の用語は、特許請求の範囲の請求項が、「手段」の後に、特定の構造を記載することなく特定の機能のみを記載している場合、または、特定の行為を記載することなく特定の機能のみを記載している場合を除いて、米国特許法第112条第6パラグラフの規定が適用されることを主張しているものと理解すべきではない。したがって、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。本願明細書で言及したすべての特許および特許出願は、その言及によってその全体が本願に組み込まれるものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、心室区画装置、および心臓疾患を有する患者、特に、うっ血性心臓疾患(CHF)を有する患者の治療に上記装置を用いる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
うっ血性心不全(心不全)は、心臓、特に左心室の肥大化が進行することが特徴であり、アメリカでは死亡及び身体障害の主要な原因である。アメリカだけで毎年、約550,000の新しい患者が発生する。患者の心臓が肥大すると、心臓は、各心拍で血液を効率的に送り出すことができない。そのうち、心臓は、ポンプとして機能しなくなり、十分な血液を体に供給できない程に肥大化する。健康な心臓でさえ、患者の左心室の血液の一定割合だけが、心臓の各鼓動の間に心室から、送り出され又は駆出される。一般に「駆出率(ejection fraction)」といわれる送出割合は、典型的には、健康な心臓で約60パーセントである。心不全の患者は、40%より低く、時にはもっと低い駆出率を有する。駆出率が低い結果、心不全の患者は、疲れやすく、激しい活動が要求される仕事をこなしたり、また、痛みを伴う気詰まりな体験をすることができない。さらに、心臓が肥大するため、僧帽弁のような心臓内の弁が、十分に閉じられなくなる。機能不全の僧帽弁のため、左心室から左心房へ血液が逆流し、心臓が血液を送り出す能力は更に低下する。
【0003】
心不全は、ウィルス感染、機能不全の心臓の弁(例えば、僧帽弁)、心臓壁の虚血状態、又はこれらの状態の組み合わせを含む種々の状態から起こる。長期の冠動脈の虚血及び閉塞は、心筋組織における心室の壁の部分的な壊死及び瘢痕組織の生成をもたらす。一旦、心筋の組織が死ぬと、収縮性が低下し(時には収縮しなくなり)、心臓のポンプの動作を最早なし得なくなる。それは、運動不全症又は運動不能症と言われる。病気が進行すると、障害が起きた心筋は、心臓が収縮している間、局所的に膨れ出て、血液を送り出す心臓の能力をさらに低下させ、駆出率をさらに低減させる。この場合、心臓壁はジスキネジア(dyskinetic)と言われる。心臓壁のジスキネジアの部分が、拡大し、終には動脈瘤を形成する。
【0004】
心不全を患う患者は、一般に、クラスI、II、III及びIVの4つのクラスに分けられる。早期の段階(クラスI及びII)では、現在では薬物療法が最も一般的な治療である。薬物療法は、病気の兆候を典型的に治療し、病気の進行を遅らせるであろうが、病気を治癒できない。現在、心不全のための永続的な治療は、心臓移植のみであるが、心臓移植の手技は、非常に危険であり、特に侵襲的で又高額であって、少しの割合の患者に施される。多くの患者の心臓は、多数の適格条件のいずれかを満たさないために、心臓移植に不適格とされ、さらに、適格とされた心不全の患者の条件を満たす移植のための十分な心臓を入手できない。
【0005】
代替的な心不全の治療を見つけるために、多くの努力がなされてきた。例えば、心臓の容積を減らすために、外科手術では心室壁の弱った部分を切開して取り除いてきた。この手技は、非常に侵襲的で、危険で又高額であって、一般的には、(心臓弁の取り替え又は冠状動脈のバイパスグラフトのような)他の手技と併せてなされるだけである。さらに、外科治療は、通常クラスIII及びIVの患者に施されるにすぎず、従って、薬物療法が奏効しない殆どの患者に選択されない。最後に、手技が失敗した場合、現在では緊急の心臓移植だけがとり得る選択となる。
【0006】
機械的な補助装置が、心不全を治療するための中間的な手技として発展してきた。そのような装置は、左心室を補助する装置及び全体的な人工心臓を含む。左心室補助装置は、左心室から動脈への血流を増加させるための機械的なポンプを含む。ジャービック心臓(Jarvik heart)のような全体的な人工心臓装置は、患者が移植のためのドナーの心臓を待つ間の一時的な手段としてのみ用いられる。
【0007】
近時、心臓の両心室の収縮を調整するために、心臓の両側に歩調をとるリード線を埋め込むことにより心不全の患者の心臓を治療することが進歩している。この技術により、血流力学的な振る舞いで改善が示され、右心室から患者の肺への駆出率及び左心室から患者の大動脈への駆出率が増加する。この手技は心不全の症状の改善に奏効しており、病気の進行を遅くするが、病気を止めることはできず、又心室の非同期を伴う患者に好ましいに過ぎない。
【0008】
心不全の治療のための他の試みとして、更なる有害な再構築を防ぐために、人口の弾力性のある敷物(elastic sock)のような弾性支持部を用いるものもある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、心室区画装置、および心臓疾患を有する患者、特に、うっ血性心臓疾患(CHF)を有する患者の治療に上記装置を用いる方法に関する。具体的に説明すると、その装置は、患者の心室を、第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画する。この区画によって、心室の全容積が減少し、患者の心臓壁の弱った組織に加わる負担を軽減し、結果的に、心臓が血液を送り出す量を改善する。また、装置は、患者の心臓拡張機能を改善する。
【0010】
本発明の特徴を具体化した区画装置は、患者の心室に固定されたときに、仕切られた心室の第1のセンサ的部分を形成する、窪んだ圧力を受ける表面を備えた補強された区画部材を有する。補強された区画部材は、上記圧力を受ける表面を形成する柔軟な隔膜を有する。上記区画部材は、好ましくは、複数のリブで形成された、径方向に伸張可能なフレーム部材で補強することが好ましい。上記伸張可能なフレームは、中央のハブに好ましくは固定された末端側端部と、自由な基端側端部を有する。上記リブの末端側端部は、中央のハブに好ましくは固定され、それにより、リブの自由な基端側端部は中央線軸から離れる方向に自分自身で容易に伸張する。上記リブの末端側端部は、ハブに回転可能に設けられ、また、外側に付勢されるかハブに固定される。上記リブは、好ましくは、超弾性NiTi合金等の材料で形成されており、それにより、搬送の際には中心軸に向けて収縮した状態に上記リブの自由基端部が圧縮され、患者の心室内で解放されたときに伸張された状態に展開するように、解放されたときは自分自身で伸張する。
【0011】
上記リブの自由基端部は、区画部材の周端を心臓の壁に固定するとともに区画部材を心室内に固定して所望の状態に心室を仕切るように、仕切られた心室を覆う組織に係合する、好ましくは貫入するように形成されている。組織に貫入する基端側の先端は、区画装置の中心線軸にほぼ直角の角度をもって表面組織に貫入するように構成されている。リブの組織に貫入する基端側の端部には、心臓の壁から当該先端が抜けるのを防止するかかりやフック等を設けてもよい。
【0012】
区画装置が伸張された状態にあるとき、伸張可能な部材、例えば、一つ又はそれ以上のストランドや膨張可能なパッドは、隔膜の外側縁又は周囲部で又はそれらの近くで、少なくとも一対の隣接するリブの間に伸びて、柔軟な隔膜周囲部に十分な圧力を加え、隔膜周囲と心臓壁の表面との間に適当なシールを形成する。一つの実施例では、一つ又は複数のストランドが隔膜のほぼ全周に伸びており、各対のリブの間にある隔膜の柔軟な周囲部分が心臓壁との間を効果的にシールする。伸張可能な一つ又は複数のストランドは、隔膜のフレキシブルな支持されていない部分の材料より固い材料で形成されえおり、区画装置のリブが少なくとも部分的に収縮状態にあるとき、外側に向かう伸張力を提供し、または、内側に向かった折り曲げや皺を防止する。適当なストランドは、ポリプロピレンの縫合糸又は超弾性NiTi合金ワイヤ等の材料から形成される。そのようなストランドは、通常、約0.005〜約0.03インチ(0.13〜0.76mm)の直径を有し、完全に伸張した状態には至らない状態で隔膜の周囲等の回りの環状位置に設けられると、必要な外側への伸張力を提供する。
【0013】
他の実施例では、膨張可能なパッドが隣接する対のリブの間に設けられており、それらのパッドは人の流体と接触すると膨張して上述のように外側に向かう伸張力又は推進力を生じ、隔壁装置のリブが少なくとも部分的に収縮した状態で、内側に向かう折り目や皺の形成を防止するように形成されている。適当な膨張材料には、コラーゲン、ゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリカプロラクトン、それらの混合物又は共重合体が含まれる。その他の適当な膨張可能な生体吸収性ポリマー材料も使用できる。膨張可能なパッドは、種々の治療用又は診断用の剤を送るように形成してもよい。
【0014】
伸張された状態のリブは、ハブから外側に傾斜しており、自由な基端部は外側に曲がっており、その結果、伸張されたフレームのリブに固定された隔膜は、トランペット形状の圧力を受ける表面を形成する。
【0015】
伸張された状態の隔膜は、中心線上で測定したとき、約10〜約160mm、好ましくは約25〜50mmの外形を有する。隔膜は、好ましくは、伸張されたポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のような柔軟な材料又は繊維で形成される。
【0016】
区画装置は、心室よりも大きな大きさに設計されており、心室内で展開されると、装置のリブが心室壁に対して外側に向かう力を加える。搬送するために区画装置を潰すと、外側に付勢されたストランドによって、内側にむかって折り目や皺を生じたりすることがないし、区画装置を心室内で展開するために伸張したときにもそのような折り目や皺が形成されることがない。
【0017】
本発明の特徴を具体化した一つの区画装置では、伸張ストランドの自由端部は互いに固定されるか又は区画装置に固定される。代わりに、他の装置デザインでは、伸張ストランドは十分に長く、その一端又は両端が患者から外に伸びており、そのために区画装置を容易に潰したり引き出したりできる。患者から伸び出ているストランドの自由端部を引くことによって、区画装置の伸張部、すなわち、リブや隔膜を閉じて該装置を潰すことができる。また、そのようにストランドを引くことで、潰された区画装置をガイドカテーテル又はその他の回収装置の内側ルーメンに引き込むことができる。
【0018】
補強された区画部材は、好ましくは、心室内で区画装置を支持するために、心臓壁の表面に向けて先端側に伸びるための所定の長さを有する支持部材又はステムを有する。支持部材は、複数(好ましくは少なくとも3つ)のポッド又は脚部を有する。これらの脚部は、心室壁表面の領域周辺で区画装置の力を分散して、心臓壁の組織(特に、心筋梗塞(MI)等の損傷した又は壊死した組織)が短期的又は長期的に損傷するのを防止する。支持部材のポッドは、半径方向に伸びており、好ましくは、ストラット又は平面に相互連結され、それにより、心室表面の伸張された領域に力を分散する。
【0019】
区画装置は、経皮的又は手術によって送られる。一つの特に好適な搬送カテーテルは、細長いシャフト、末端に区画装置を保持するシャフトの末端部に設けられた解放可能な固定装置、および末端部の基端側でシャフトの末端に設けられた膨張可能なバルーン等の膨張可能部材を有し、該バルーンは、圧力を受ける表面によって形成された窪みの内部を押して、区画装置の周囲部にある組織貫入先端部又は先端部材を心臓壁の組織に十分貫入させ、区画装置を所望の場所に保持して心室を効果的に仕切る。適当な搬送装置は、本件特許出願の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/913,608(出願日:2004年9月5日)に記載されている。
【0020】
本発明の特徴を具体化した区画装置は、比較的簡単に取り付けることができ、病気の心臓を治療して実質的に改善する。病気を患っている患者の心臓に正常な拡張と収縮運動を回復する。併せて、患者の心室から良好に血液が送り出される。本発明による以上の利点及びその他の利点は、本発明の以下の詳細な説明及び図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は本発明の特徴を具体化した区画装置の展開状態を示す側面図である。
【図2】図2は、図1に示す区画装置の平面図で、該区画装置の上面を表す。
【図3】図3は、図1に示す区画装置の底面図である。
【図4】図4は、図1に示す装置の外側に伸びるステムの非外傷性先端部の斜視図である。
【図5】図5は、図2に示す区画装置のハブの5−5線に沿った部分断面図である。
【図6】図6は、図5に示すハブの6−6線に沿った横断面図である。
【図7】図7は、図1に示す区画装置の周辺部における補強リブと隔膜の長手方向の部分断面図である。
【図8】図8は、図1,2に示す区画壁装置を乗せた搬送システムの概略部分断面図である。
【図9】図9は、図8の9−9線に沿った搬送装置の横断面図である。
【図10】図10は、図8に示す搬送装置のヘリカルコイルに固定された、図5に示すハブの部分断面図である。
【図11A】図11Aは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11B】図11Bは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11C】図11Cは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11D】図11Dは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図11E】図11Eは、患者の左心室の図を示し、図8に示す搬送装置を用いて図1,2に示す区画部材を展開し、患者の心室(左心室)を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画した状態を示す。
【図12】図12は、患者の心室内で図11Eに示す装置を展開した平面図である。
【図13】図13は、図1に示す区画装置の平面図で、患者の心室内部で展開した後、伸張ストランドが無い状態を示す。
【図14】図14は、補強部材の周辺部で伸張ストランドの自由端部を引くことによって収縮された状態にある、図1,2の区画装置の一部を示す図である。
【図15】図15は、図14に示す収縮状態の装置を示す図で、そこでは区画装置を受け取りカテーテル内部に容易に引き込めるように、受け取りカテーテルの伸張した末端部に装置が引き込まれている状態を示す。
【図16】図16は図14に示す収縮状態の装置を示す図で、そこでは、装置が受け取りカテーテルの内側ルーメンに更に引き込まれている。
【図17】図17は、別の区画装置の平面図で、この装置は、隣接するリブの間に配置されて隣接するリブの間の隔膜を心臓壁に押し当てる膨張可能なパッドを有する。
【図18】図18は、隣接するリブの間に配置されて隣接するリブの間で隔膜を心臓の壁に押し当てる膨張可能パッドを有する別の区画装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から図4は、本発明の特徴を具体化した区画装置(隔壁装置、隔離装置)10を示す。区画装置10は、隔膜11、ハブ12(好ましくは、区画装置の中央に配置される。)、および径方向に伸張可能な補強フレーム13を有し、図1に示すように、フレーム13の基端側又は圧力側に取り付けられている。リブ14は、ハブ12に固定された末端15と、中心線軸から離れる方向に曲がる又は広がるように形作られた基端16を有する。自由な基端16の径方向への伸びにより、フレーム13に取り付けられた隔膜11が展開し、該隔膜11が受圧面となり、患者の区画された心室の生産的部分の一部を形成する。隔膜11の周縁18は、図示するようにギザギザをつけてもよい。
【0023】
連続した伸張ストランド19は、隔膜11の圧力側で該隔膜11の周方向に伸びており、隔膜の柔軟な材料の圧力側に圧力を加えて、心室の壁に対して隔膜の周囲を効果的にシールする。伸長ストランド19の端部20,21は、図2,3の区画装置から離れる方向に伸びている。端部20,21は、自由な状態のままで放置しておいてもよいし、例えば適当な接着剤または隔膜11で互いに連結してもよい。詳細には示さないが、米国特許出願(No.10/913,608、出願日2004年8月5日)で説明されているように、隔膜11は、リブ14の基端面に固定された基端層と、リブの末端面に固定された末端層を有する。
【0024】
図4,5に示すハブ12は、非外傷性の支持コンポーネント22に接続することが好ましい。支持コンポーネント22は、ステム23と、中心線軸から径方向外側に伸びる複数のポッドまたは脚部24を有する。脚部24の端部は、隣接する脚部の間に伸びるストラット25に固定されている。隣接する脚部24の間にウェブ状に伸びる面状の材料(図示せず)を設け、ストラット25とともに、またはストラット25に代わって、支持してもよい。図8,10に示すように、区画装置10を搬送カテーテルに取り付けるために、ステム23の内径部にはねじ部が設けられる。
六手もよい。
【0025】
図5に示すように、リブ14の末端15は、ハブ12の中に固定される。また、図6に示すように、ハブ12を非外傷性支持コンポーネント22に固定するように構成された、横断方向に配置されたコネクタバー26が、ハブ12の中に固定される。
【0026】
図5,6に示すように、ハブ12のコネクタバー26により、区画装置10は非外傷性支持コンポーネント22に固定され、患者の心室内で搬送システムから解放される。補強リブ14の末端15は、適当な方法でハブ12内に固定される、または、内側ルーメンを形成する表面に固定される、若しくは、ハブ12の壁の溝または穴に配置される。リブ14の末端は、図1,2に示すようにリブがそれに取り付けられた隔膜11以外のものによって拘束されていないとき、その自由な基端16が中心軸から所望の角度(約20度から約90度、好ましくは約50度から約80度)に拡張するように、形作られている。区画装置10の非拘束径は、区画装置の展開位置における心室の内径よりも大きくすべきである。その結果、心収縮期および心拡張期に、部分的に拡張されたリブ14によって心室の壁に外方向への力が加わり、弾性フレーム13が心臓壁の運動を増進する。
【0027】
図7は、曲線形状を有するリブ14の基端16を示す。基端16には、心室の壁に係合して好ましくは該壁に貫入して患者の心室内で区画装置10を展開位置に保持し、心室を生産的部分と非生産的部分に区画するように形成された鋭い先端部27が設けられている。
【0028】
図8から図10は、図1,2に示す区画装置10を患者の心室に搬送し、区画装置10を展開して心室を図11Aから11Eに示すように区画する、適当な搬送装置30を示す。搬送装置30は、ガイドカテーテル31と搬送カテーテル32を有する。
【0029】
ガイドカテーテル31は、基端34と末端35の間に伸びる内側ルーメン33を有する。ガイドカテーテル31の基端34に止血弁(図示せず)を設け、搬送カテーテル32の外側シャフト37の周囲をシールしてもよい。ガイドカテーテル31の基端34にあるフラッシュポート36は、内側ルーメン33と連通している。
【0030】
搬送カテーテル32は、基端にアダプタ38を備えた外側シャフト37を有する。アダプタ38は、シャフト37の内部に連通した基端インジェクションポート39を有する。図9に詳細に示すように、外側シャフト37は、その内部に配置された内側シャフト41を有する。内側シャフト41は、ウェブ43によって外側シャフト37の内面に固定されている。ウェブ43は、内側シャフトのほぼ全長に沿って伸びている。インジェクションポート39は、内側シャフト41と外側シャフト37の間の通路42に連通しており、ウェブ43によってその一部が形成されている。トルクシャフト44は、ハイポチュービング(hypotubing)(例えば、ステンレススチールまたは超弾性NiTiで形成されたもの)で形成することが好ましく、内側シャフト41の内側ルーメン45内に配置され、アダプタ38内部に固定された基端46を有する。バルーン膨張ポート47は、トルクシャフト44の内側ルーメン48に連通している。トルクシャフト44は、内側シャフト41の内側ルーメン45内に回転可能に配置されており、回転ノブ49に固定されている。ヘリカルコイルねじ50は、トルクシャフト44の末端51に固定されており、トルクシャフト44の基端46におけるトルクノブ49を回転するとねじ50が回転して区画装置10が容易に展開される。膨張可能なバルーン53の基端52は、トルクシャフトの末端51の基端側でトルクシャフト44の周りに接着剤で密封されて固定されている。バルーン53は、トルクシャフト44の内側ルーメン48に連通した内部55を有する。膨張流体は、トルクシャフト44の内側ルーメン48に連通したポート47を介して、バルーン内部55に送られる。バルーン53の末端56は、ヘリカルねじ50に接着剤で密封状態に固定される。バルーン53の基端52と末端56は、接着剤54,57で封止されており、バルーン53の内部55に送られる膨張流体の損失が防止されている。トルクシャフト44の末端51にある流体放出ポート58を介して膨張流体が送られることにより、バルーン53が膨張する。これにより、区画装置10の基端側表面に圧力が加わり、後述する図11Aから11Eに示すように、心室60の壁59に区画装置10が容易に固定される。
【0031】
図11Aに示すように、区画装置(コンポーネント)10は、ガイドカテーテル31と搬送カテーテル32を有する搬送装置30を通じて送られる。区画装置10は、第1の搬送形状に折り畳まれている。この状態で、区画装置10は、ガイドカテーテル31の内側ルーメン33内をスライドしながら送られるほどに十分に小さな横寸法を有する。通例、ガイドカテーテル31は、患者の脈管(脈管(例えば、大腿動脈)を通じて経皮的に所望の心室60まで導入および前進されている。区画装置10が設けられた搬送カテーテル32は、ガイドカテーテル31の内側ルーメン33を介して、区画装置10が展開できるようになるまで、ガイドカテーテル31の末端から該区画装置10が配置される心室60まで前進される。
【0032】
図11Bに示すように、ねじ50に設けられた区画装置10は、支持コンポーネント22が心臓の壁59と係合するまで、ガイドカテーテル32の内側ルーメン33の外に付勢される。ガイドカテーテル31が引き出され、その間、搬送カテーテル32は、リブ14の基端16がガイドカテーテルの末端35から出るまで、所定の場所に保持される。図11Cに示すように、リブ14の自由基端16が外側に膨張し、リブ14の鋭利な基端側先端27を、心臓壁59を覆う組織に押し付け、好ましくは貫入する。
【0033】
区画装置10が心室60内で展開され、また、好ましくは部分的にそこに固定されると、膨張流体がインフレーションポート58を介してトルクシャフト44の末端51に導入され、そこで流体はバルーン内部54に向けられてバルーン53を膨張する。膨張したバルーン53は、区画装置10の隔膜11の圧力を受ける面17を押圧し、それにより鋭利な基端側先端27が図11Dに示すように心臓壁59を覆う組織に押し込まれる。
【0034】
区画装置10が心室60内に適正に配置されると、トルクシャフト44のノブ49(図8を参照)が反時計回り方向に回転されて、搬送カテーテル32のヘリカルコイルねじ50がハブ12内に固定されたステム23から分離する。トルクシャフト44を反時計回り方向に回転すると、ヘリカルコイルねじ50が回転し、該ねじがハブ12内に固定された連結バー26の上に乗る。ヘリカルコイルねじ50が連結バー26から分離すると、ガイドカテーテル31と搬送カテーテル32を含む搬送装置30は患者から取り除くことができる。
【0035】
ガイドカテーテル31の基端34には、手術中に内側ルーメン33を介して治療用や診断用の流体またはその他の流体を注入するために、フラッシュポート36が設けてある。同様に、実質的に同様の目的から、アダプタ38の基端側のインジェクションポート39が、搬送カテーテル32の通路42に連通している。
【0036】
図11Eに示すように、患者の心室60内で区画装置10が展開することにより、該心室は主たる生産的部分又は動作部分61と別の本質的に非生産的部分62に分けられる。動作部分61はもとの心室60よりも小さく、改善された血液送り出し部分を形成し、血流を改善する。時間が経過すると、非生産的部分62は、まず血栓で満たされ、その後組織の成長によって満たされる。ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロタクトン、共重合物などの生体的に再吸収可能なフィラーを用いて非生産的部分62を最初に充填してもよい。フィラーは、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの適当な溶媒の状態で供給される。非反応性のフィラーと同様に、組織の成長または血栓を促進するその他の材料を非生産的部分62に配置してもよい。
【0037】
図12は、図11に示す展開された区画装置の上面図で、心室壁に対して角膜11のシールされた周辺部分を概略的に示し、図13の略図と比較されるべきである。図13は、ストランドがなく、周囲18に沿って折り曲げ部を有する区画装置を示し、そこでは心室60の壁59に対して有効なシールが得られない。
【0038】
区画装置10は、2004年8月5日に出願された、米国特許出願第10/913,608号に記載された方法で形成される。
【0039】
多孔性のePTFE材料が好ましいが、隔膜11は、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、およびハイトレル(Hytrel)等のポリエステルを含む生体適合性のポリマー材料で形成される。隔膜11は、患者の心臓内に配置された後に組織が進入して成長することができるように、小さな孔を有するものであってもよい。搬送カテーテル32とガイドカテーテル31は、PEEK(ポリエチレンテレケトン)、ポリカーボネート、PET、ナイロンなどの、適当な高強度ポリマー材料で形成される。網目状の合成シャフトも利用できる。
【0040】
図14から図16は、隔膜11の周囲から伸びている伸張ストランド19の端部20,21を引くことによって、区画装置10を壊して取り出す状態を示す。通常、区画装置10は、搬送カテーテル32に固定されるが、図面を簡略化するために搬送カテーテルは除かれている。図14において、区画装置10は、部分的に潰された状態を示している。図15は、部分的に潰された区画装置10を取り出しカテーテル64のフレア状末端63に引き込む状態を示している。図16は、完全に折り畳まれた区画装置10を更に取り出しカテーテル64に引き込む状態を示している。区画装置10は、取り出しカテーテル64の内側ルーメン65を介して装置を引くことによって取り出される。代わりに、区画装置と取り出しカテーテルを患者から一緒に取り出してもよい。
【0041】
区画装置を前進および配置しながら、該装置を患者の心室に適正に位置づけるために、一つまたは複数のリブ14の一部(例えば、末端側の部分)、またはハブ12、若しくはそれらの両方には、所望の場所にマーカーを設けておき、視覚、超音波、X線、またはその他の画像化手段または視覚化手段によって、マーカーを視覚的に認識できるようにしてもよい。放射線不透過性のマーカーは、例えば、ステンレススチール、プラチナ、金、イリジウム、タンタル、タングステン、銀、ロジウム、ニッケル、ビスマス、その他の放射線不透過金属、合金、およびそれらの金属の酸化物で作られる。
【0042】
図17と図18は、本発明の特徴を具体的した他の形態を示し、その区画装置10には、隣接するリブ14の間に、隔膜11の周辺部の周りに、好ましくは親水性発泡材の膨張可能な部材70が設けてある。隔膜が展開した状態でこれらの膨張可能な部材が血液等の流体に接触すると、これら膨張可能な部材が膨張し、それにより隔膜11の周辺部分を患者の心臓壁に対してシールする。区画装置10の詳細は上述の実施例と実質的に同一であり、本実施例における要素には上記実施例における対応する要素と同一の符号が付してある。
【0043】
ここで説明しない限り、区画装置および搬送装置の種々のコンポーネントは通常それに用いられる材料および方法で形成される。
【0044】
本発明の特定の形態について説明したが、本発明は種々変形および改変可能である。また、本発明の実施例の個々の特徴は幾つかの図面に示されているが、本発明の一つの実施例の個々の特徴は他の実施例の幾つかのまたはすべての特徴と組み合わすことができる。したがって、本発明は、図示する特定の実施例に限定されるものでない。先行する技術と対比して、本発明は特許請求の範囲によってできるだけ広く定められるものである。
【0045】
本明細書において、要素、部材、コンポーネント、装置、セクション、部分、ステップ、手段、および類似の意味の用語は、特許請求の範囲の請求項が、「手段」の後に、特定の構造を記載することなく特定の機能のみを記載している場合、または、特定の行為を記載することなく特定の機能のみを記載している場合を除いて、米国特許法第112条第6パラグラフの規定が適用されることを主張しているものと理解すべきではない。したがって、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。本願明細書で言及したすべての特許および特許出願は、その言及によってその全体が本願に組み込まれるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の心臓の心室を第1の生産的な部分と第2の非生産的な部分に区画することによって患者の心臓を治療する装置であって、
a.膨張し展開した形状にあるとき、窪みを形成する補強隔膜と、
b.少なくとも一つの外側に付勢された部材であって、上記隔膜の周囲部分に固定され、上記隔膜の周囲部分を、患者の心室の一部を形成する心室壁表面に対してシールする部材を有する装置。
【請求項2】
上記隔膜は、伸張可能なフレームで補強されている請求項1の装置。
【請求項3】
上記伸張可能なフレームは、固定された第1の端部と自由な第2の端部を有する、複数のリブで形成されている請求項2の装置。
【請求項4】
上記隔膜は、少なくとも一部が柔軟な材料で形成されている請求項1の装置。
【請求項5】
隣接する上記リブの間に伸びる上記フレキシブルな隔膜の周囲部分に、少なくとも一つの外側に付勢された部材が設けてある請求項3の装置。
【請求項6】
上記補強された隔膜は、上記リブの基端側表面に固定された第1の隔膜層を有する請求項3の装置。
【請求項7】
上記補強された隔膜は、上記リブの末端側表面に固定された第2の隔膜層を有する請求項6の装置。
【請求項8】
上記隔膜のほぼ全周囲部分のまわりに、外側に付勢された部材が伸びている請求項1の装置。
【請求項9】
上記少なくとも一つの外側に付勢された部材がストランドである請求項1の装置。
【請求項10】
上記ストランドが縫合材料で形成されている請求項9の装置。
【請求項11】
上記ストランドがポリプロピレンまたは超弾性NiTi合金で形成されている請求項9の装置。
【請求項12】
上記一つ又はそれ以上の外側に付勢された部材が、上記隔膜の周囲に設けられた膨張可能な部材である請求項1の装置。
【請求項13】
上記膨張可能な部材が生体吸収性材料で形成されている請求項12の装置。
【請求項14】
上記生体吸収性材料が、コラーゲン、ゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリカプロラクトン、それらの混合物又は共重合体からなる群から選択されたものである請求項13の装置。
【請求項15】
第1の外側に付勢された部材が、隣接するリブの第1の対の間に伸びており、第2の外側に付勢された部材が隣接するリブの第2の対の間に伸びている請求項1の装置。
【請求項16】
上記リブの第1の端部が中央のハブに固定されている請求項1の装置。
【請求項17】
上記リブの少なくとも一つの上記自由端部が、組織に貫入する固定要素を有する請求項3の装置。
【請求項18】
上記リブの少なくとも一つの上記自由端部は外側に曲げられている請求項3の装置。
【請求項19】
上記リブの上記外側に曲げられた自由な基端部は、上記区画装置の中心軸から45度を超えない角度で上記心室を覆う組織に貫入する先端部を有する請求項18の装置。
【請求項20】
上記リブの上記固定された末端部は、上記リブの基端部を中心線軸から外側に広げ、上記補強された区画装置を伸張し、上記患者の心室内で展開させるように構成されている請求項1の装置。
【請求項21】
上記第1の隔膜層は、圧力を受けるように構成されている請求項6の装置。
【請求項22】
上記第1の隔膜層は、中心線軸から約5mm〜約80mmの半径を有する圧力を受ける表面を有する請求項6の装置。
【請求項23】
上記第1の隔膜層は、上記中心線軸から約5mm〜約80mmの半径を有する圧力を受ける表面を有する請求項6の装置。
【請求項24】
上記伸張可能なフレームは約3〜約30のリブを有する請求項2の装置。
【請求項25】
上記伸張可能なフレームは約6〜約16のリブを有する請求項2の装置。
【請求項26】
上記伸張可能なフレームは自分自身で伸張する請求項2の装置。
【請求項27】
上記伸張可能フレームのリブは、体温でストレスを受けていない状態で、オーステナイト相にある超弾性NiTi合金で形成されている請求項26の装置。
【請求項28】
上記伸張可能なフレームのリブは、仕切られる患者の心室に搬送するために収縮した形状を有する請求項2の装置。
【請求項29】
上記伸張可能なフレームのリブは、少なくとも一部が、上記収縮した形状にあるとき、ストレスが維持されたマルテンサイト相にある請求項28の装置。
【請求項30】
上記伸張可能なフレームのリブは、上記患者の心室内で展開されているとき、少なくとも一部がオーステナイト相にある請求項28の装置。
【請求項31】
上記補強された隔膜のフレキシブルな材料は、少なくとも一部が伸張されたフッ素重合体で形成されている請求項4の装置。
【請求項32】
上記伸張されたフッ素重合体は、伸張されたポリテトラフルオロエチレンである請求項31の装置。
【請求項33】
上記伸張可能なフレームは中央ハブを有し、上記リブの上記第1の端部が上記中央ハブに固定されている請求項2の装置。
【請求項34】
上記中央ハブは、心室の非生産的部分を部分的に形成する心室壁の領域と係合する形状の非外傷性末端側先端を備えたステムを有する請求項33の装置。
【請求項35】
上記非外傷性末端側先端は、中心軸から径方向に伸びる少なくとも3つの脚部を有する請求項34の装置。
【請求項36】
上記非外傷性末端側先端は、相互にフレキシブルに連結された端部を有する請求項35の装置。
【請求項37】
上記脚部の端部は、ストラット又はウェブによってフレキシブルに相互に連結されている請求項36の装置。
【請求項38】
上記脚部の端部は実質的に同一の平面にある請求項36の装置。
【請求項39】
患者の心臓の心室を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画することによって患者の心臓を治療する装置であって、
a.伸張された展開状態で窪みを形成するとともに少なくとも一部が柔軟な材料で形成された補強隔膜と、
b.相互に連結された端部を備えた複数の径方向に伸びる脚部を有する、末端方向に伸びる支持ステムを有する装置。
【請求項40】
上記末端方向に伸びる支持ステムは、上記心室の第2の非生産的部分を部分的に形成している壁表面と非外傷的に係合するように構成された少なくとも3つの脚部を有する請求項39の装置。
【請求項41】
患者の心室を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画することによって、うっ血性の疾患を有する患者を治療する装置であって、
a.区画装置であって、中央のハブに固定された末端部と自由な外側に広がる基端部を有する複数のリブによって形成された伸張可能なフレームを有し、また、少なくとも一部が柔軟な材料で形成されて、伸張された展開状態で窪みを形成する圧力を受ける隔膜を有し、仕切られた患者の心室の第1の生産的部分を部分的に形成するものと、
b.上記隔膜の周囲に固定され、上記隔膜の周囲を上記心室の一部を形成する心室壁表面に対してシールする、外側に付勢された部材を有する装置。
【請求項42】
上記外側に付勢された部材が細長いストランドである請求項41の装置。
【請求項43】
上記ストランドが上記隔膜のほぼ全周に伸びている請求項41の装置。
【請求項44】
上記外側に付勢されたストランドが、上記伸張可能なフレームの隣接するリブの間に伸びている請求項41の装置。
【請求項45】
上記外側に付勢された部材が膨張部材である請求項41の装置。
【請求項46】
上記膨張可能部材が親水性である請求項45の装置。
【請求項47】
上記隔膜の柔軟な材料は、少なくとも一部が高分子繊維で形成されている請求項41の装置。
【請求項48】
上記隔膜の柔軟な材料は、少なくとも一部が伸張可能なフッ素重合体で形成されている請求項41の装置。
【請求項49】
上記伸張可能なフッ素重合体がポリテトラフルオロエチレンである請求項48の装置。
【請求項50】
患者の心臓機能を改善する、患者の心室のための区画装置であって、
a.中央のハブ部材と、
b.自由な外側に広がる基端と中央のハブ部材に固定された末端を有する複数のリブを備えた伸張可能なフレーム部材と、
c.上記伸張可能なフレームのリブに固定され、窪んだ圧力を受ける表面を形成する隔膜部材と、
d.上記中央のハブから径方向に伸び、柔軟に相互連結される端部を有する径方向に伸びる複数の脚部を備えた支持ステムを有する装置。
【請求項51】
上記末端側に伸びるステムは、上記心室の第2の非生産的部分の一部を形成する壁表面と非外傷的に係合するように構成された少なくとも3つの脚部を備えている請求項50の区画装置。
【請求項1】
患者の心臓の心室を第1の生産的な部分と第2の非生産的な部分に区画することによって患者の心臓を治療する装置であって、
a.膨張し展開した形状にあるとき、窪みを形成する補強隔膜と、
b.少なくとも一つの外側に付勢された部材であって、上記隔膜の周囲部分に固定され、上記隔膜の周囲部分を、患者の心室の一部を形成する心室壁表面に対してシールする部材を有する装置。
【請求項2】
上記隔膜は、伸張可能なフレームで補強されている請求項1の装置。
【請求項3】
上記伸張可能なフレームは、固定された第1の端部と自由な第2の端部を有する、複数のリブで形成されている請求項2の装置。
【請求項4】
上記隔膜は、少なくとも一部が柔軟な材料で形成されている請求項1の装置。
【請求項5】
隣接する上記リブの間に伸びる上記フレキシブルな隔膜の周囲部分に、少なくとも一つの外側に付勢された部材が設けてある請求項3の装置。
【請求項6】
上記補強された隔膜は、上記リブの基端側表面に固定された第1の隔膜層を有する請求項3の装置。
【請求項7】
上記補強された隔膜は、上記リブの末端側表面に固定された第2の隔膜層を有する請求項6の装置。
【請求項8】
上記隔膜のほぼ全周囲部分のまわりに、外側に付勢された部材が伸びている請求項1の装置。
【請求項9】
上記少なくとも一つの外側に付勢された部材がストランドである請求項1の装置。
【請求項10】
上記ストランドが縫合材料で形成されている請求項9の装置。
【請求項11】
上記ストランドがポリプロピレンまたは超弾性NiTi合金で形成されている請求項9の装置。
【請求項12】
上記一つ又はそれ以上の外側に付勢された部材が、上記隔膜の周囲に設けられた膨張可能な部材である請求項1の装置。
【請求項13】
上記膨張可能な部材が生体吸収性材料で形成されている請求項12の装置。
【請求項14】
上記生体吸収性材料が、コラーゲン、ゼラチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体、ポリカプロラクトン、それらの混合物又は共重合体からなる群から選択されたものである請求項13の装置。
【請求項15】
第1の外側に付勢された部材が、隣接するリブの第1の対の間に伸びており、第2の外側に付勢された部材が隣接するリブの第2の対の間に伸びている請求項1の装置。
【請求項16】
上記リブの第1の端部が中央のハブに固定されている請求項1の装置。
【請求項17】
上記リブの少なくとも一つの上記自由端部が、組織に貫入する固定要素を有する請求項3の装置。
【請求項18】
上記リブの少なくとも一つの上記自由端部は外側に曲げられている請求項3の装置。
【請求項19】
上記リブの上記外側に曲げられた自由な基端部は、上記区画装置の中心軸から45度を超えない角度で上記心室を覆う組織に貫入する先端部を有する請求項18の装置。
【請求項20】
上記リブの上記固定された末端部は、上記リブの基端部を中心線軸から外側に広げ、上記補強された区画装置を伸張し、上記患者の心室内で展開させるように構成されている請求項1の装置。
【請求項21】
上記第1の隔膜層は、圧力を受けるように構成されている請求項6の装置。
【請求項22】
上記第1の隔膜層は、中心線軸から約5mm〜約80mmの半径を有する圧力を受ける表面を有する請求項6の装置。
【請求項23】
上記第1の隔膜層は、上記中心線軸から約5mm〜約80mmの半径を有する圧力を受ける表面を有する請求項6の装置。
【請求項24】
上記伸張可能なフレームは約3〜約30のリブを有する請求項2の装置。
【請求項25】
上記伸張可能なフレームは約6〜約16のリブを有する請求項2の装置。
【請求項26】
上記伸張可能なフレームは自分自身で伸張する請求項2の装置。
【請求項27】
上記伸張可能フレームのリブは、体温でストレスを受けていない状態で、オーステナイト相にある超弾性NiTi合金で形成されている請求項26の装置。
【請求項28】
上記伸張可能なフレームのリブは、仕切られる患者の心室に搬送するために収縮した形状を有する請求項2の装置。
【請求項29】
上記伸張可能なフレームのリブは、少なくとも一部が、上記収縮した形状にあるとき、ストレスが維持されたマルテンサイト相にある請求項28の装置。
【請求項30】
上記伸張可能なフレームのリブは、上記患者の心室内で展開されているとき、少なくとも一部がオーステナイト相にある請求項28の装置。
【請求項31】
上記補強された隔膜のフレキシブルな材料は、少なくとも一部が伸張されたフッ素重合体で形成されている請求項4の装置。
【請求項32】
上記伸張されたフッ素重合体は、伸張されたポリテトラフルオロエチレンである請求項31の装置。
【請求項33】
上記伸張可能なフレームは中央ハブを有し、上記リブの上記第1の端部が上記中央ハブに固定されている請求項2の装置。
【請求項34】
上記中央ハブは、心室の非生産的部分を部分的に形成する心室壁の領域と係合する形状の非外傷性末端側先端を備えたステムを有する請求項33の装置。
【請求項35】
上記非外傷性末端側先端は、中心軸から径方向に伸びる少なくとも3つの脚部を有する請求項34の装置。
【請求項36】
上記非外傷性末端側先端は、相互にフレキシブルに連結された端部を有する請求項35の装置。
【請求項37】
上記脚部の端部は、ストラット又はウェブによってフレキシブルに相互に連結されている請求項36の装置。
【請求項38】
上記脚部の端部は実質的に同一の平面にある請求項36の装置。
【請求項39】
患者の心臓の心室を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画することによって患者の心臓を治療する装置であって、
a.伸張された展開状態で窪みを形成するとともに少なくとも一部が柔軟な材料で形成された補強隔膜と、
b.相互に連結された端部を備えた複数の径方向に伸びる脚部を有する、末端方向に伸びる支持ステムを有する装置。
【請求項40】
上記末端方向に伸びる支持ステムは、上記心室の第2の非生産的部分を部分的に形成している壁表面と非外傷的に係合するように構成された少なくとも3つの脚部を有する請求項39の装置。
【請求項41】
患者の心室を第1の生産的部分と第2の非生産的部分に区画することによって、うっ血性の疾患を有する患者を治療する装置であって、
a.区画装置であって、中央のハブに固定された末端部と自由な外側に広がる基端部を有する複数のリブによって形成された伸張可能なフレームを有し、また、少なくとも一部が柔軟な材料で形成されて、伸張された展開状態で窪みを形成する圧力を受ける隔膜を有し、仕切られた患者の心室の第1の生産的部分を部分的に形成するものと、
b.上記隔膜の周囲に固定され、上記隔膜の周囲を上記心室の一部を形成する心室壁表面に対してシールする、外側に付勢された部材を有する装置。
【請求項42】
上記外側に付勢された部材が細長いストランドである請求項41の装置。
【請求項43】
上記ストランドが上記隔膜のほぼ全周に伸びている請求項41の装置。
【請求項44】
上記外側に付勢されたストランドが、上記伸張可能なフレームの隣接するリブの間に伸びている請求項41の装置。
【請求項45】
上記外側に付勢された部材が膨張部材である請求項41の装置。
【請求項46】
上記膨張可能部材が親水性である請求項45の装置。
【請求項47】
上記隔膜の柔軟な材料は、少なくとも一部が高分子繊維で形成されている請求項41の装置。
【請求項48】
上記隔膜の柔軟な材料は、少なくとも一部が伸張可能なフッ素重合体で形成されている請求項41の装置。
【請求項49】
上記伸張可能なフッ素重合体がポリテトラフルオロエチレンである請求項48の装置。
【請求項50】
患者の心臓機能を改善する、患者の心室のための区画装置であって、
a.中央のハブ部材と、
b.自由な外側に広がる基端と中央のハブ部材に固定された末端を有する複数のリブを備えた伸張可能なフレーム部材と、
c.上記伸張可能なフレームのリブに固定され、窪んだ圧力を受ける表面を形成する隔膜部材と、
d.上記中央のハブから径方向に伸び、柔軟に相互連結される端部を有する径方向に伸びる複数の脚部を備えた支持ステムを有する装置。
【請求項51】
上記末端側に伸びるステムは、上記心室の第2の非生産的部分の一部を形成する壁表面と非外傷的に係合するように構成された少なくとも3つの脚部を備えている請求項50の区画装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−96040(P2012−96040A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−263931(P2011−263931)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【分割の表示】特願2008−515968(P2008−515968)の分割
【原出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(505040235)カーディオキネティックス・インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】CARDIOKINETIX, INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263931(P2011−263931)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【分割の表示】特願2008−515968(P2008−515968)の分割
【原出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(505040235)カーディオキネティックス・インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】CARDIOKINETIX, INC.
【Fターム(参考)】
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