説明

心臓静脈系内に構造部材を形成するための方法、装置およびキット

種々の心臓の症状を治療するための離散密集体として、材料が心静脈に埋め込まれるか、または注入され得る。心臓の心静脈系の中に閉塞剤(100)を送達するために好適なカテーテル(10)は、閉塞が確立される場所において心静脈内に配置可能である、遠位端を含む。障壁(60)が、障壁に隣接する静脈を閉塞するために提供される。管腔(15)(所望であれば2つ以上の管腔が提供され得る)が、カテーテル管内に配置され、障壁を越えて静脈の中へ閉塞剤を送達するために、障壁を通過して、障壁の遠位にある開口(所望であれば2つ以上の開口が提供され得る)で終端し得る。内管(50)が、静脈に閉塞器を導入するために提供され、障壁と閉塞器との間で静脈区画を画定するために障壁から離間され得る。方法およびキットも検討される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/123,700号(2008年4月10日出願)の利益を主張し、この出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、生物における心臓の症状の治療に関し、より具体的には、生物における心臓の症状の治療のために心臓静脈系内に構造部材を形成するステップに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の説明)
心臓血管疾患(「CVD」)は、米国での主要な死因である。例えば、C.Lenfant,Fixing the Failing Heart,Circulation,Vol.95,1997,pages 771−772;American Heart Association,Heart and Stroke Statistical Update,2001;C.Lenfant,Cardiovascular Research:An NIH Perspective,Cardiovasc.Surg.,Vol.5,1997;pages 4−5;J.N.Cohn et al.,Report of the National Heart,Lung,and Blood Institute Special Emphasis Panel on Heart Failure Research,Circulation,Vol.95,1997,pages 766−770を参照されたい。
【0004】
心不全(「HF」)は、概して、典型的な兆候または症状を伴う心臓のポンプ機能の変化として定義される。心不全は、進行性疾患であり、それにより、臨床的に明白な有害事象の欠如にもかかわらず、患者の血行動態および症状の状態が経時的に悪化する。症状の悪化はしばしば、進行性左心室(「LV」)リモデリングを伴う。
【0005】
リモデリングの予防または逆転が、心筋症の治療において望ましいものとして出現している。心筋症は、例えば、虚血性、高血圧性、拡張型、肥大性、浸潤性、拘束性、ウイルス性、分娩後、弁膜、または特発性であってもよい、基礎病因にかかわらず、心筋の疾患の一般的用語である。心筋症は、典型的には、心不全をもたらす。
【0006】
現在、末期心不全の患者に対する最も効果的な治療は、心臓移植である。しかしながら、ドナー心臓の慢性的不足を考慮すると、心不全患者の寿命を向上させるために、代替策が必要とされる。また、移植は、より軽症型の疾患の患者にとっては、最も好適な治療選択肢ではない。他の治療アプローチは、血流を通した作用部位への薬剤の送達、および心機能を改善するための虚血性心筋への細胞の注入を含む。心筋内足場で心血管障害を治療するためのアプローチの例は、Leeらの名の下で2005年12月8日に公開され、「Material compositions and related systems and methods for treating cardiac conditions」と題された、特許文献1で開示されている。細胞移植および生体材料足場の使用を介して、損失または損傷した組織を修復することを概して目的としている、心臓治療のための組織工学アプローチも開示されている。このアプローチの一例は、LV機能を保存するために、心筋細胞を播種したアルギン酸ゲルを心外膜面に縫合するステップを伴う。別の治療アプローチは、負の左心室リモデリングを制限、停止、または逆転さえするための機械的外部制約の使用を伴う。1つの以前に開示された研究は、MI後のLV機能のLV拡張および悪化を予防するように外部支持を提供する意図された目的で、心外膜面にポリマーメッシュを縫合するステップを含んだ。非特許文献1を参照されたい。研究されている別の以前に開示されたデバイスは、心室の形状の変化および心腔直径の減少を提供するように張力下で心室を横断する開胸手技で埋め込まれる、複数の縫合糸を提供する。この経空洞縫合網は、心室の半径を減少させ、したがって、心室壁応力を低減することを目的とする。臨床研究中である別の以前に開示されたデバイスは、概して、心臓の周囲のジャケットとして埋め込まれ、開胸手術中に密着した嵌合を提供するように調整される、メッシュ構造である。ジャケットが心臓のさらなる拡大を抑えることが意図されている。例えば、非特許文献2および非特許文献3を参照されたい。研究されているさらに別のアプローチは、上記で説明されるものと同様の外部拘束デバイスとして、ニチノールメッシュを提供するが、超弾性システムは、収縮期の収縮を支援することを目的とし、概して、胸腔鏡で誘導された低侵襲送達を介した使用を対象としている。研究されているさらに別のシステムは、心室への別の外部拘束デバイスとして開胸手術中に埋め込まれる、剛性リングを含む。このリングは、心室壁応力を減少させ、半径を低減し、心室の形状を修正することによって、さらなる拡大を防止することを目的としている。上記で論議されるもののうちの1つ以上と同様のデバイスおよび方法の例は、「Acorn」、「Myocor」、「Paracor」、「Cardioclasp」、および「Hearten」を含む、種々の企業によって開示されている。Cardioclaspデバイスは、開示されている
心筋梗塞(「MI」)は、心臓の血液供給の一部が突然かつ激しく低減されるか、または断ち切られ、その酸素供給が奪われるため、心筋を死滅させる、医学的緊急事態である。心筋梗塞は、次第に心不全に進展する場合がある。梗塞領域の瘢痕組織形成および動脈瘤菲薄化がしばしば、心筋梗塞を生き延びた患者で発生する。心筋細胞の死は、残っている生存心筋の増加した壁応力につながる、負の左心室(LV)リモデリングをもたらすと考えられる。この過程は、LV拡張につながる、一連の分子、細胞、および生理学的反応をもたらす。負のLVリモデリングは、概して、心不全の進行にとっての独立誘因と見なされる。
【0007】
僧帽弁逆流(「MR」)は、収縮期中に左心室(LV)から右心房の中へ流動を引き起こす、僧帽弁の不全症である。一般的な原因は、僧帽弁脱出、虚血性乳頭筋機能不全、リウマチ熱、およびLV収縮機能障害および拡張に続発する環状拡張を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0271631号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Kelley ST,Malekan R,Gorman JH 3rd et al.,Restraining infarct expansion preserves left ventricle geometry and function after acute anteroapical infarction,Circulation 1999;99:135−42
【非特許文献2】Hani N.Sabbah,Reversal of Chronic Molecular and Cellular Abnormalities Due to Heart Failure by Passive Mechanical Ventricular Containment,Circ.Res.,Vol.93,2003,pages 1095−1101
【非特許文献3】Sharad Rastogi et al.,Reversal of Maladaptive Gene Program in Left Ventricular Myocardium of Dogs with Heart Failure Following Long−Term Therapy with the Acorn Cardiac Support Devide,Heart Failure Reviews,Vol.10,2005,pages 157−163
【非特許文献4】Abul Kashem et al.,CardioClasp:A New Passive Device to Re−Shape Cardiac Enlargement,ASAIO Journal,2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
心不全、動脈瘤菲薄化、および僧帽弁逆流の治療の進歩にもかかわらず、治療の速度、ならびに治療技法およびデバイスの複雑性および侵入性の低減のさらなる改善が望ましい。概して、改良型治療技法およびデバイスが、疾患の初期形態を含む、全ての形態の心筋症の治療に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の種々の実施形態のそれぞれは、上記で論議される必要性および欠点のうちの1つ以上を克服する。付加的な改良および利点が、本開示を検討すると当業者によって認識され得る。
【0012】
本発明の一実施形態は、心筋を帆去するために心静脈系の中で構造部材を形成する装置である。種々の側面では、装置は、カテーテル管を含み得る。カテーテル管は、遠位端、近位端、外面、および内面を画定し、内面は、管腔を画定する。装置は、障壁を含み得る。種々の側面では、障壁は、概して、カテーテル管の遠位端の周囲に配置される。障壁は、折り畳み位置と拡張位置との間で転換可能である。折り畳み位置の障壁は、静脈区画の中へ送達可能であり、拡張位置の障壁は、静脈区画を閉塞する。障壁は、閉塞剤が管腔を通って、障壁の遠位にある静脈区画の複数部分の中へ送達されることを可能にするように、カテーテル管と協働する。
【0013】
本発明の別の実施形態は、遠位端および近位端を有し、カテーテル本体内に縦方向に延在する注入液管腔を備える、細長いカテーテル本体と、その遠位端に近接したカテーテルの本体の周囲に、かつ注入液管腔の周囲に配置される障壁であって、心静脈内でのカテーテル本体の移動のための折り畳み位置と、カテーテル本体と協働して心静脈を閉塞するための拡張位置との間で制御可能に転換可能である、障壁と、障壁の遠位でカテーテル本体の中に配置される注入液ポートであって、注入液管腔は、注入液ポートと流体連通している、注入液ポートとを備える、心静脈内で閉塞を確立するためのカテーテルである。
【0014】
本発明の別の実施形態は、カテーテルの遠位端を心静脈内の部位まで前進させるための手段と、カテーテルと協働して、該部位において心静脈を閉塞するために、その遠位端付近でカテーテルの周囲に第1の静脈閉塞を確立するための手段と、第1の静脈閉塞に概して隣接する第2の静脈閉塞を該部位で形成するように、該部位において心静脈に閉塞剤を導入するための手段と、閉塞剤を導入するステップの後に、該部位からカテーテルの遠位端を引き抜くための手段とを備えている、心静脈内に閉塞を確立するためのカテーテルである。
【0015】
本発明の別の実施形態は、静脈区画の静脈区画近位端において、カテーテル管の遠位端の周囲に配置された障壁を折り畳み位置から拡張位置に転換することによって、静脈区画を閉塞するステップと、カテーテル管によって画定される管腔を通して、障壁の遠位にある静脈区画の中へ閉塞剤を送達するステップとを含む、心静脈系の中に構造部材を形成するための方法である。
【0016】
本発明の別の実施形態は、カテーテルの遠位端を心静脈内の部位まで前進させるための手段と、カテーテルと協働して、該部位において心静脈を閉塞するために、その遠位端に近接してカテーテルの周囲に第1の静脈閉塞を確立するステップと、第1の静脈閉塞に概して隣接する第2の静脈閉塞を該部位で形成するために、該部位において心静脈に閉塞剤を導入するステップと、閉塞剤導入ステップの後に、該部位からカテーテルの遠位端を引き抜くステップとを含む、心静脈の一区画内に閉塞を確立するための方法である。
【0017】
本発明の別の実施形態は、静脈内にカテーテル外管の遠位端を配置するステップと、カテーテルと協働して、拡張した障壁によって第1の場所における静脈を閉塞するために、その遠位端付近でカテーテル外管の周囲に配置される障壁を拡張するステップと、静脈内で、かつ障壁から離間して、カテーテル内管の遠位端を配置するステップであって、カテーテル内管の遠位端は、それに連結された閉塞器を有する、ステップと、第1の場所から離間した第2の場所において、拡張した閉塞器によって静脈を閉塞するために静脈内の閉塞器を拡張するステップと、第1の場所における拡張した障壁と、第2の場所における拡張した閉塞器との間で、カテーテルから静脈に閉塞剤を導入するステップと、内管の遠位端から拡張した閉塞器を解放するステップと、障壁を折り畳むステップと、静脈からカテーテルを引き抜くステップとを含む、心静脈内に閉塞を確立するための方法である。
【0018】
本発明の別の実施形態は、心静脈の一部内に配置される、第1の組成の第1の閉塞と、第1の閉塞に隣接して心静脈の一部内に配置される、第1の組成とは異なる第2の組成の第2の閉塞とを備える、病的状態の心臓を治療するための人工心臓であって、第1および第2の閉塞は、心臓に構造支持を提供するために本質的に固体状態である。
【0019】
本発明の別の実施形態は、種々の側面では、閉塞剤と、カテーテルとを含む、キットである。閉塞剤は、静脈区画内で液体状態から固体状態に凝固して、構造部材の少なくとも一部分を形成する。カテーテルは、カテーテル管と、障壁とを含む。カテーテル管は、近位端および遠位端を有し、管腔を画定する。障壁は、遠位端の周囲に配置され、障壁は、折り畳み位置と拡張位置との間で転換可能である。カテーテルは、静脈区画内に配置可能であり、カテーテルは、障壁の遠位にある静脈区画の複数部分の中へ閉塞剤を送達するように構成される。
【0020】
本発明の別の実施形態は、注射用閉塞剤供給源と、カテーテルとを備える、キットである。カテーテルは、細長いカテーテル本体と、連結器と、注入ポートとを備える。カテーテル本体は、遠位端および近位端を有し、カテーテル本体内で縦方向に延在する注入液管腔と、その遠位端に近接したカテーテルの本体の周囲に、かつ注入液管腔の周囲に配置される障壁であって、心静脈内でのカテーテル本体の移動のための折り畳み位置と、カテーテル本体と協働して心静脈を閉塞するための拡張位置との間で制御可能に転換可能である、障壁とを備える。連結器は、注入液管腔と流体連通しており、閉塞剤供給源は、第1の連結器に連結するために適合される。注入液ポートは、障壁の遠位でカテーテル本体の中に配置され、注入液管腔は、注入液ポートと流体連通している。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、以下の発明を実施するための形態から、および請求項から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、カテーテルの例示的実装を斜視図で図示する。
【図2A】図2Aは、第1の動作状態における図1のカテーテルの露出遠位部分を斜視図で図示する。
【図2B】図2Bは、第2の動作状態における図1のカテーテルの露出遠位部分を斜視図で図示する。
【図2C】図2Cは、第3の動作状態における図1のカテーテルの露出遠位部分を斜視図で図示する。
【図2D】図2Dは、図1のカテーテルの遠位部分を断面図で図示する。
【図2E】図2Eは、図1のカテーテルの遠位部分を断面図で図示する。
【図3】図3は、図1のカテーテルの遠位部分を断面図で図示する。
【図4A】図4Aは、配備の第1の状態のカテーテルの概略図である。
【図4B】図4Bは、配備の第2の状態のカテーテルの概略図である。
【図4C】図4Cは、配備の第3の状態のカテーテルの概略図である。
【図4D】図4Dは、配備の第4の状態のカテーテルの概略図である。
【図4E】図4Eは、配備の第5の状態のカテーテルの概略図である。
【図4F】図4Fは、配備の第6の状態のカテーテルの概略図である。
【図4G】図4Gは、配備の第7の状態のカテーテルの概略図である。
【図4H】図4Hは、配備の第8の状態のカテーテルの概略図である。
【図4I】図4Iは、配備の第9の状態のカテーテルの概略図である。
【図4J】図4Jは、配備の第10の状態のカテーテルの概略図である。
【図5】図5は、静脈中に存在する構造部材の一実施例を断面図で図示する。
【図6】図6は、静脈中に存在する構造部材の別の実施例を断面図で図示する。
【図7】図7は、静脈中に存在する構造部材のさらに別の実施例を断面図で図示する。
【図8A】図8Aは、折り畳み位置の障壁を有する、例示的カテーテルの遠位部分を断面図で図示する。
【図8B】図8Bは、拡張位置の障壁を伴う、図10Aのカテーテルを断面図で図示する。
【図9A】図9Aは、第1の動作状態におけるカテーテルの例示的実施形態の遠位部分を斜視図で図示する。
【図9B】図9Bは、第2の動作状態における図9Bのカテーテルを斜視図で図示する。
【0023】
図は、本発明の説明を促進するものである。本明細書で説明される種々の実装を形成するように図に示される、部品の番号、位置、関係、および寸法、ならびに、特定の力、重力、強度、流量、および同様の要件に一致する寸法および寸法比率が、本明細書で説明され、または、本特許を読むことにより当業者にとって理解可能である。種々の図で使用される場合、同じ数字が、同じまたは同様の部品を指定する。さらに、「最上部」、「底部」、「右」、「左」、「前方」、「後方」、「第1の」、「第2の」、「内側」、「外側」という用語、および同様の用語が使用される場合、用語は、図面に示される構造の配向を参照して理解され、理解を促進するために利用されるべきである。同様に、「近位」、「遠位」という用語、および同様の位置の用語が使用される時に、用語は、図面に示される構造を参照して理解され、理解を促進するために利用されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
急性および慢性の両方である、種々の有害な心臓の症状による、負の心臓リモデリングを予防、加減、停止、または逆転さえするために、心筋を補強するように構成される1つ以上の構造部材を形成するために、閉塞剤が、カテーテルによって心静脈系の1つ以上の選択された部分に送達され得る。本明細書で説明される装置および方法を使用して治療され得る心臓の症状は、心筋症、心筋梗塞、急性心筋梗塞、不整脈、弁閉鎖不全、うっ血性心不全、僧帽弁逆流、および他の心臓弁異常、他の心合併症、およびそれらの組み合わせを含み得る。本明細書で説明される方法を使用して心臓の症状を治療するためのキットも検討される。
【0025】
心筋は、心臓の外周の周囲に螺旋状に配設される心筋繊維の交絡束から成る。これらの心筋繊維は、冠循環を通して血液を受容する。冠動脈は、大動脈弁を越えて大動脈から分岐し、心筋繊維に血液を供給し、冠静脈は、冠状静脈洞を介して右心房に流入する。心筋には、冠動脈および静脈の極めて分散したシステムが十分に供給されている。典型的には、各冠動脈は、心臓の表面を巡るにつれて、略並行に流れる冠静脈を有する。これはまた、心筋に浸透し、心筋のより深部層に注ぐものを含む、主冠動脈のより小さい分岐にも概して当てはまる。小静脈などの小さい静脈は、より大きい心静脈に血液を戻す。したがって、心臓の静脈系網は、心筋の厚さの全体を通して分布し、動脈が存在するあらゆる場所に存在する。
【0026】
心静脈系の中の種々の部位において、材料が離散密集体として心静脈に埋め込まれるか、または注入され得、そこで、注入部位において静脈を閉塞するが、また、急性および慢性の両方である種々の有害な心臓の症状による、負の心臓リモデリングを予防、加減、停止、または逆転する目的で、または心臓の局所異常を治療する目的で、または両方の目的で、心筋を補強するために、静脈の中、また、小静脈、おそらく注入部位と流体連通している毛細血管の中にさえも分散する。そのような技法を使用して治療され得る、心臓の症状は、心筋症、心筋梗塞、急性心筋梗塞、不整脈、弁閉鎖不全、うっ血性心不全、僧帽弁逆流、および他の心臓弁異常、ならびに他の心合併症を含む。本明細書で説明される技法を使用して心臓の症状を治療するためのキットも検討される。例示的技法は、それを参照することにより、その全体で本明細書に組み込まれる、2008年10月30日公開の米国特許出願公報第US2008/0269720号(Sabbah、「Cardiac Repair,Resizing and Reshaping Using the Venous System of the Heart」)で説明されている。
【0027】
図1は、心臓の静脈系の中に閉塞剤を送達するために特に有利である、カテーテル10を示す。種々の側面では、閉塞剤は、構造部材を形成するように、カテーテル10によって種々の静脈区画の中に送達される。静脈区画は、種々の側面では、心静脈の大部分を含んでもよく、または、遠位部分、近位部分、または内側部分等の、心静脈のごく一部を含み得る。種々の側面では、閉塞剤は、心静脈内の一連の区画の中に配置され得、それにより、特定の心静脈内で一連の構造部材を形成する。閉塞剤は、種々の側面では、いくつかの心静脈内の静脈区画の中に配置され得、および、いくつかの心静脈のいくつかの区画内に配置され得る。
【0028】
心静脈系の1つ以上の静脈区画が、閉塞剤から形成された構造部材によって閉塞されるが、静脈区画の閉塞は、治療に不利ではない。静脈は、動脈よりも少ない平滑筋を伴うはるかに薄い壁を有する。静脈結合組織がエラスチン繊維よりかなり多くのコラーゲン繊維を含有するため、動脈に対して、静脈には弾性がほとんどない。また、静脈平滑筋には、固有筋原性緊張が少ししかない。したがって、閉塞静脈に近接した非閉塞静脈が容易に膨張して、静脈圧のわずかな上昇のみによって閉塞静脈区画400から迂回させられた追加量の血液を収容することができるように、静脈は、極めて膨張性であり、弾性収縮力が少ししかない。
【0029】
閉塞剤は、局所心臓異常、心臓全般、心室、または心房を治療するために構成される構造部材を形成するために、カテーテル10によって心静脈系の静脈区画の中に送達され得る。全般治療が所望される場合、閉塞剤が送達される部分を選択するために、マッピングが行われる必要はない。全般アプローチは、特に、心室に適用可能である。局所治療が所望される場合、心筋梗塞等の心疾患の部位が識別され得、局所心疾患を包含する心静脈系の静脈区画が選択され得る。閉塞剤は、構造部材を形成して、心房、特に、拡大した左心房を再成形および/または再形成する、および/または心房細動および/または他の心房関連症状の予防を支援するように、カテーテル10によって静脈区画の中に送達され得る。治療を必要とする薄壁領域または動脈瘤等の種々の心疾患を識別するための好適な技法は、MRI、心エコー図、および本開示を検討して当業者によって認識されるような他の撮像およびマッピングモダリティを含み得る。
【0030】
構造部材を形成するために閉塞剤が送達され得る、心静脈系の静脈区画を識別するステップは、経験的に行われ得る。代替として、所望であれば、コンピュータ支援選択が実践され得る。1つの技法では、左心室等の心臓の領域をモデル化するために、有限要素モデルシミュレーションが使用される。例えば、撮像またはマッピング技法を使用して、損傷壁領域の場所、程度、および厚さを含む、患者の左心室のパラメータが測定され、モデルに追加される。心静脈系の選択された静脈区画の中の構造部材の形成は、選択された区画に対応する境界要素における心外膜および心内膜メッシュ結節点の貫壁性座標を変化させるとともに、要素の収縮性を変化させることによって、シミュレートされ得る。選択された静脈区画は、構造部材の形成のために、閉塞剤を受容する心静脈系の最適な一式の静脈区画を識別するために、連続シミュレーションにわたって変更され得る。好適な有限要素モデルシミュレーションは、それを参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる、Samuel T.Wallらによる論文、Theoretical Impact of the Injection of Material Into the Myocardium:A Finite Element Model Simulation,in Circulation AHA 106.657270,November 27,2006に開示されている。
【0031】
いくつかの心臓の症状が1つの手技において治療され得る一方で、他の心臓の症状は、経時的に心静脈系の中への閉塞剤の連続送達によって治療され得る。例えば、いくつかの側面では、閉塞剤は、構造部材を形成するために、心静脈系の1つ以上の静脈区画の中に送達され得、追加構造部材を形成するために、心静脈系の追加静脈区画の中へ閉塞剤を送達する前に、効果が検討され得る。種々の側面では、構造部材を形成するための心静脈系の1つ以上の静脈区画の中への閉塞剤の送達は、以前の送達の有益な結果を微調整するように構成され得る。
【0032】
閉塞剤100(例えば、図4E−4Jおよび5−7)は、負の心臓リモデリングを予防、加減、停止、または逆転させるような方法で、心壁を支持するように心静脈系の複数部分内に剛性または半剛性構造部材500(例えば、図4Jおよび5−7)を形成するために好適である。好適な閉塞剤100は、低粘度の液体状態で心静脈系の1つ以上の静脈区画400の中に送達され得、心壁を支持するように剛性または半剛性固体状態(ゲルを含む)に凝固するものである。したがって、閉塞剤100は、液体状態および固体状態といった、少なくとも2つの状態の間で転換可能であり、液体状態から固体状態に凝固し得る。液体状態では、閉塞剤100は、静脈区画400の中へとカテーテル10の管腔15を通過し得、かつ静脈区画400の全体を通って流れ、静脈区画400を占有し得る。閉塞剤100は、液体状態から固体状態に凝固し得、固体状態では、閉塞剤100は、負の心臓リモデリングを予防、加減、停止、または逆転させるために、構造部材500の少なくとも一部分を形成して心筋を補強し得る。
【0033】
例示的閉塞剤100は、単独で、または2つ以上の組み合わせで、天然および合成ポリマー(人間に埋め込むための任意のFDA承認ポリマー)、フィブリン封止剤、アルギン酸塩、コラーゲン、糖類、ヒドロゲル、自己集合ペプチド、PLGA、PEG、凝固タンパク質ベースの封止剤、ヒアルロン酸、アルギン酸およびキトサンヒドロゲルおよびビーズ、共有結合ペプチドを伴うアルギン酸物質、キトサン物質で被覆されたアルギン酸ビーズ、自己集合ペプチド足場ヒドロゲル等を含む。好適な生体高分子物質は、NovaMatrix Unit of FMC Biopolymer Corporation(1735 Market Street,Philadelphia,PA 19103)、およびOmrix Biopharmaceuticals(630 5th Avenue,22nd Floor,New York,NY 10111)を含む、種々の商業的供給源から市販されている。この閉塞剤100の一覧は例示的であり、閉塞剤100は、選択された静脈区画400の中への送達時に支持構造を形成するために好適である、純度、調製時間、発現の容易性(粘度)、反応速度(硬化時間)、強度(破損までのエネルギー)、準拠性、水分摂取、破裂強度、組織付着、耐久性、分解速度等を有する、本質的に任意のFDA承認物質であってもよい。剛性、準拠性、および再吸収率等の閉塞剤100の種々の性質は、治療されている特定の症状に合わせられ得、かつ薬剤が送達される静脈区画400のサイズに合わせられ得る。
【0034】
閉塞剤100は、単独で、または2つ以上の組み合わせで、生細胞(例えば、筋細胞、線維芽細胞、線維細胞、または線維化誘導性血液前駆細胞、幹細胞、および筋細胞を含む)、成長因子(例えば、VEGF、FGF、およびHGF等の血管新生因子、化学誘引物質、幹細胞由来因子、およびTGF−bを含む)、幹細胞産物、ペプチド、タンパク質、遺伝子、軟骨細胞、不溶性分子、他の生体物質等を含む、他の治療物質の送達のためのプラットフォームとして機能し得る。
【0035】
カテーテル10は、種々の側面では、静脈区画400の中に閉塞剤100を送達するために使用され得、種々の側面では、静脈流の中の閉塞剤100の混入、および心臓の右心房の中への閉塞剤100の後続の運搬を防止するように構成され得る。カテーテル10の実装が、図1に図示されている。カテーテル10は、遠位端18および近位端16を有するカテーテル管12を含む。遠位端18は、閉塞剤100が送達される心静脈系の静脈区画400内に配置可能となるように構成される。管腔15は、カテーテル管12内に配置され、静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するように遠位端18の開口19で終端する。多成分閉塞剤が使用される場合、それぞれの開口の中で、または所望であれば開口と連通する混合チャンバの中で終端する、複数の管腔が提供され得る。障壁60は、カテーテル管12の遠位端18の周囲に円周方向に固定される。医師による静脈区画400への種々の身体通路を通した遠位端18のナビゲーションを容易にするために、種々の実装で、放射線不透過物質が遠位端18に近接して配置され得、遠位端18は、静脈区画400を含む種々の身体通路の損傷を回避するように非外傷性である。
【0036】
図1はまた、カテーテル管12の近位端16がハブ24で終端し得ることも示す。ハブ24およびカテーテル管12の隣接部分は、ねじりひずみを緩和するように構成される、ひずみ緩和26を含み得る。ハブ24は、とりわけ、それを通してガイドワイヤが挿入され、および/または引き抜かれ得、かつそれを通して液体状態の閉塞剤100を含む流体が1つ以上の管腔15に伝達され得る、特徴を含み得、ハブ24は、そうでなければ、本開示を検討して当業者によって理解されるように、概してカテーテル管12の近位端16と協働するように構成される。例えば、ハブ24は、カテーテル10によって画定される管腔15のうちの1つ以上を流体源に接続するために、ルアーロック型取付具等の連結部を有する、膨張ポート28を含み得る。種々の実装では、ハブ24は、ガイドワイヤポート32を含み得る。ガイドワイヤポート32は、患者の心静脈内の適所にカテーテル10を送達するためにカテーテル10が通過され得る、ガイドワイヤを受容するように、カテーテル10によって画定される1つ以上の管腔15のうちの1つと連通し得る。ガイドワイヤポート32は、管腔15およびガイドワイヤポート32を通る血液または他の流体の流れに抵抗しながら、ガイドワイヤが管腔15を横断し、その内側を摺動することを可能にする、止血弁を含み得る。
【0037】
図2A、2B、2C、2D、および2Eは、種々の動作状態におけるカテーテル10の複数部分の実装を図示する。このカテーテル10の図示された実装は、外管40および内管50として形成されるカテーテル管12を含む。外管40は、外管外面42および外管内面44を画定する。外管内面44は、流体を伝達するために、および/または概して外管の近位端46から外管の遠位端48まで内管50を伝達するために、概して外管の近位端46から外管の遠位端48まで通る、外側管腔45を画定する。
【0038】
外管40は、一連の材料で作られ得る。例えば、一実装では、外管40は、例えば、ステンレス鋼またはニチノール等の金属であってもよい。別の実装では、外管40は、とりわけ、ポリエチレン、ナイロン、ポリイミド等の1つ以上のポリマーで作ることができる。上記の材料等の材料の組み合わせも採用され得、材料は、外管40の長さに沿って変動され得る。材料および寸法は、概して、外管40の特性に基づいて縦方向剛性およびねじり剛性の所望のバランスを提供し、外管40が患者の静脈区画400内に配置されることを可能にするように選択される。
【0039】
図示されるように、障壁60は、概して外管の遠位端48に近接して外管外面42の周囲に円周方向に延在し、外管外面42と静脈内面404(図4A−4J参照)との間の血流を遮断する。障壁60は、図示されるように、障壁外面62および障壁内面64を画定し、障壁内面64は、障壁チャンバ65(図3)を画定する。障壁60は、例えば、とりわけ、ナイロン、PEEK、Pebaxを含む、種々の異なる材料で構成され得る。障壁外面62の複数部分は、障壁外面62と外管外面42との間の血流を制止するように、外管外面42と係合される。
【0040】
障壁60は、少なくとも、図2Aに図示されるような折り畳み位置67と図2Bに図示されるような拡張位置69との間で転換可能である。図示された実装では、外管40は、障壁を膨張/収縮するために、外管40の少なくとも一部分に沿って延在し、障壁60に/障壁60から流体を伝送する、障壁管腔245(図3)を画定する。障壁管腔245は、図2Dに図示されるように、流量断面を最大化するように三日月形を有する。他の実装では、障壁管腔245は、円形断面または他の断面形状を有し得、複数の障壁管腔を種々の実装で提供することができる。
【0041】
障壁60が折り畳み位置67にあると、外管の遠位端48が、概して静脈区画の近位端406(図4J)にあるように、外管40は、静脈区画400内に配置され得る。障壁60を拡張位置(拡張位置69が図3の図示された実装に示されている)に拡張するように、流体が障壁管腔245を介して、障壁ポート242(図3)を通して障壁チャンバ65の中へ伝達され得る。他の実装では、障壁60は、形状記憶合金への電流の印加等によって機械的に拡張され得、またはそうでなければ、本開示を検討して当業者によって認識可能な方法で、少なくとも折り畳み位置67と拡張位置69との間で転換可能となるように構成され得る。
【0042】
拡張位置69では、障壁外面62の複数部分は、概して、外管40を静脈内面404に固着するように、かつ近位方向に静脈内面404と外管外面42との間で血流が通ることを防止するように、静脈内面に対して偏向され得る。障壁60が拡張位置69にあると、外管40が引き抜かれ得るように静脈内面404から障壁外面62を解放するために、障壁60を折り畳み位置67に折り畳むように、流体が障壁チャンバ65から外管の外側管腔45の中へ伝達され得る。
【0043】
図2Aおよび2Bに図示されたカテーテル10の実装では、内管50は、外管40の外側管腔45内に摺動可能に受容され得る。内管50は、静脈区画400内に1つ以上の閉塞器70を据え付けるように構成される。図示されるように、内管50は、内管外面52および内管内面54を画定する。この実装では、内管内面54は、概して内管の近位端56から内管の遠位端58に流体を伝達するように、概して内管の近位端56から内管の遠位端58まで通る、内側管腔55を画定する。内管50は、例えば、ステンレス鋼、ニチノール、または、とりわけ、ポリエチレン、ナイロン、ポリイミド、あるはそれらの組み合わせ等の1つ以上のポリマー等の、種々の材料で作られ得る。材料は、概して、内管50が外側管腔45を通して前進させられ、引き抜かれることを可能にするように、および内側管腔55を通して、圧力を受け得る流体を伝達するように選択される。
【0044】
図示されるように、内管の遠位端58に概して近接する内管50の複数部分は、図2Bに図示されるように、外管の遠位端48における外側管腔45の末端によって画定される外側開口80から前方へ延在し得る。種々の実装では、医師による外管40および/または内管50の操作を容易にするために、放射線不透過物質が外管の遠位端48および/または内管の遠位端58に近接して配置され得る。外管の遠位端48および内管の遠位端58は、概して、外管の遠位端48および内管の遠位端58が医師によって適所にナビゲートされる際に、静脈区画および他の身体通路の損傷を回避するために、非外傷性となるように構成される。
【0045】
外管の近位端46および内管の近位端56は、概して、図2Bに図示されている。図示されるように、外管40および内管50を相互に対して操作するために、医師が、外管の近位端46より遠位にある外管40の複数部分、および内管の近位端56より遠位にある内管50の複数部分を把持し得るように、内管の近位端56は、外管の近位端46から近位に延在する。種々の実装では、外管の近位端46および内管の近位端56は、ハブ24と協働して、外管40および内管50が相互に対して操作されることを可能にし得る。
【0046】
閉塞器70が、図2Bおよび2Cに図示されるように、内管の遠位端58の上に取り外し可能に配置され得る。閉塞器70は、閉塞器外面72および閉塞器内面74を有するバルーンであってもよく、閉塞器チャンバ75は、閉塞器内面74(図3)によって定義され得る。例えば、ナイロン、ポリアミン、エチレン酢酸ビニル、オレフィン共重合体またはホモポリマー、ポリエチレン、ポリウレタン、ならびにポリマーおよび共重合体の種々の混合物を含む、多くの異なる準拠性または半準拠性材料が、バルーン閉塞器に好適である。例えば、ヒドロゲル、シリコーンおよびエポキシ、ならびにヒアルロン酸注射用充填剤、ヒトコラーゲン、およびヒトフィブリン封止剤等の種々の生体吸収性物質を含む、多くの異なる物質が、バルーン閉塞器を充填することによって拡張するために好適である。代替として、閉塞器70は、静脈の中へ解放されると自動的に拡張するコラーゲン等の好適なスポンジ材料で作られてもよく、そのような材料は当業者に公知である。
【0047】
閉塞器70がバルーン型閉塞器である場合は、少なくとも収縮位置77と拡張位置79との間で膨張可能であり得、内側管腔55は、収縮位置77から拡張位置79に閉塞器70を膨張させるために、閉塞器チャンバ75と流体的に連通して、閉塞器チャンバ75に流体を導入し得る。閉塞器70が収縮位置77にあるとき、閉塞器70は、外側管腔45を通して内管の遠位端58上を前進させられ得る。内管の遠位端58は、外側開口80から前方に延在させられ、静脈区画400内に閉塞器70を配置するように操作され得、流体は、図2B、2C、および3に図示されるように、収縮位置77から拡張位置79に閉塞器70を膨張させるように内側管腔55から閉塞器チャンバ75の中へ伝達され得る。いくつかの実装では、閉塞剤100は、閉塞器70を拡張位置79に膨張させるように閉塞器チャンバ75の中へ伝達され得る。図2Cに図示された拡張位置79では、閉塞器外面72の部分は、静脈区画400を通る血流を実質的に遮断するように、概して静脈内面に対して偏向され得る。
【0048】
図2Bおよび2Cに図示された閉塞器70は、収縮位置77および拡張位置79の両方において、略球形を有する。他の実装では、閉塞器70は、種々の形状で構成され得、形状は、収縮位置77と拡張位置との間で変動し得る。他の実装では、閉塞器は、収縮位置77から拡張位置に機械的に跳ねるように構成され得、または、本開示を検討して当業者によって認識可能な方法で、少なくとも収縮位置77と拡張位置79との間で変更可能となるように構成され得る。
【0049】
図2Cに図示されるように、内管50は、拡張位置79にある閉塞器70から断絶され得、内管の遠位端58は、外管の遠位端48に向かって少なくとも部分的に引抜かれ得る。次いで、閉塞剤100は、内管の遠位端58における内側管腔55の末端によって画定される、内側開口90を通して送達され得る。種々の実装では、閉塞剤100が内側開口90を通して送達される際に、内管50は、閉塞器70と外管の遠位端48との間で横断させられ得る。種々の他の実装では、それを通して内側管腔55から静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達することができる、内管の遠位端58の概して周囲に、複数の開口を配置することができる。種々の他の実装では、内管50は、完全に外側管腔45から引き抜かれ得、閉塞剤100は、例えば、外側管腔45を通して、外側開口80を通って静脈区画400の中へ送達され得る。
【0050】
図2Dは、三日月形の障壁管腔245を含む、障壁60の近位にあるカテーテル管12の断面を図示する。内管50は、外管内面44および内管外面52が流体の伝達のための環状管腔255を画定するように、外側管腔45内に配置される。
【0051】
図2Eは、障壁60の遠位にあるカテーテル管12の断面を図示する。三日月形の障壁管腔245は、この図に存在せず、障壁に近接する障壁ポート247で終端している(図3)。環状管腔255は、カテーテル管12の遠位端18まで延在し、カテーテル管12の遠位端を通して流体を伝達する。
【0052】
静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するカテーテル10の実装の動作が、概して、図4Aから4Jに図示されている。図4Aに図示されるように、カテーテル10は、外管の遠位端48を静脈区画400内の適所に配置するように、種々の身体通路を通してナビゲートされ得る。障壁60は、図4Aでは折り畳み位置67にあり、血液が外管外面42と静脈内面404との間に示された方向に流れ得る。
【0053】
図4Bでは、障壁60は、折り畳み位置67から拡張位置69に転換されている。障壁外面62の複数部分は、静脈を閉塞するように、および静脈区画400内で外管40を固着するように、静脈内面404に対して偏向し得る。
【0054】
図4Cに図示されるように、内管50は、外側管腔45内で、かつ外側開口80を通って静脈区画400に入れられる。収縮位置177の閉塞器170は、図示されるように、内管の遠位端58に固定される。
【0055】
図4Dに図示されるように、拡張状態の閉塞器170は、閉塞器外面、閉塞器内面174、および閉塞器チャンバ175を画定する。閉塞器170は、少なくとも収縮位置177(図4C)と拡張位置179との間で膨張するように動作可能である。内管50は、静脈区画400内に閉塞器170を配置するように操作され得る。種々の実装では、内管の遠位端58に近接する閉塞器170の複数部分および/または内管50の複数部分は、種々の放射線不透過物質で被覆されるか、または他の方法で医師による配置を容易にするように適合され得る。拡張位置179に膨張させられると、閉塞器170は、概して、静脈を閉塞するように、および静脈区画400内に閉塞器170を係止するように、静脈内面404に対して閉塞器外面の複数部分を偏向させられ得る。いくつかの実装では、閉塞器170を膨張させるように、ガスが閉塞器チャンバ175の中へ伝達され得る。他の実装では、閉塞器170を膨張させるように、生理食塩水等の液体が閉塞器チャンバ175の中へ伝達され得る。他の実装では、閉塞器170を膨張させるように、閉塞剤100が閉塞器チャンバ175の中へ伝達され得る。
【0056】
図4Cおよび4Dに図示されるように、収縮位置177の閉塞器170は、静脈区画400の静脈区画遠位端408に近接して配置され、次いで、閉塞器170は、静脈区画遠位端408において静脈区画400を概して閉塞するために、静脈内面404に係合するように拡張位置179に膨張させられる。次いで、図4Cに示されるように、環状管腔255(図2D)を通して引き抜かれることによって、血液が閉塞器170と障壁60との間の静脈区画400から除去され得る。他の実装(図示せず)では、内管50は、拡張位置179の閉塞器170から着脱され得、血液は、内側開口90(図2C)および内側管腔55を通して静脈区画400から引き抜かれることによって除去され得る。さらに他の実装(図示せず)では、閉塞器170は、外管の遠位端48に近接して配置され、静脈内面404に係合するように拡張位置179に膨張させられ、次いで、障壁60と静脈区画遠位端408との間の静脈区画400から血液を押し出すように静脈区画遠位端408へと押し進められ得る。さらに他の実装では、血液は、静脈区画400の中にとどまることが許可され得、閉塞剤100が導入され、静脈および小静脈に流入するにつれて、変位されて小静脈の中へ押し戻される。
【0057】
図4Eでは、閉塞剤100は、外側開口80(図2A)を通して静脈区画400の中へ送達される。閉塞器170および障壁60が、静脈区画400内で閉塞剤100を保持する一方で、閉塞剤100は、環状管腔255(図2E)を通過した後に外側開口80を通して静脈区画400に注入される。内管50は、図示された実装では、閉塞器170を静脈区画400に係止するように、閉塞器170に固定されたままでる。他の実装では、内管50は、閉塞器170から着脱され得、閉塞剤100は、内側開口90を通して、静脈区画400の中へと内側管腔55を通過させられ得る。他の実装では、内管50が閉塞器170から着脱された後、内管50は、外側管腔45から実質的に引き抜かれ、閉塞剤100は、外側開口80を通して静脈区画400に入れられる。さらに他の実装では、閉塞剤100は、閉塞器170が取り付けられた、または着脱された状態で、内管50の壁の1つ以上の開口を通して静脈区画400の中へと、内管50内の別の管腔を通過させられ得る。さらに他の実装では、多成分閉塞剤の別個の成分が、前述の技法の組み合わせを使用して導入され得る。
【0058】
図4Fに図示されるように、内管の遠位端58は、閉塞器170から着脱され、静脈区画400から引き抜かれる。種々の実装では、内管50は、外側管腔45から実質的または完全に引き抜かれ得る。障壁60は、静脈区画400の中で閉塞剤100を固定するように拡張位置69にとどまる。閉塞剤100は、液体状態であってもよく、固体状態に凝固し得、または概して固体状態に凝固させられ得る。
【0059】
図4Gに図示されるように、拡張位置69の障壁60を伴う外管の遠位端48は、いくぶん近位方向に引き抜かれる。図示されるように、閉塞剤100が静脈区画400に配置されたままとなるように、閉塞剤100は、少なくとも部分的に固体状態に凝固させられる。
【0060】
図4Hに図示されるように、内管50は、外側管腔45を通過させられ、外側開口80(図2A)から前方に延在する。図示されるように、閉塞器270は、内管の遠位端58(図2B)に固定される。閉塞器270は、閉塞器外面272、閉塞器内面274、および閉塞器チャンバ275を画定する。閉塞器270は、少なくとも収縮位置277と拡張位置279との間で膨張するように動作可能である。閉塞器270は、図4Hでは収縮位置77で図示されている。
【0061】
図4Iに図示されるように、閉塞器270は、静脈区画400内に閉塞剤100を保持するように拡張位置279に膨張させられる。図示されるように、拡張位置279の閉塞器270は、拡張されると、閉塞器外面272の複数部分が、閉塞剤100を圧縮するよう閉塞剤100に対して偏向されるように、配置される。閉塞器外面272の複数部分はまた、閉塞器270を適所に係止するように静脈内面404に対して偏向される。いくつかの実装では、閉塞器270を膨張させるように、ガスが閉塞器チャンバ275の中へ伝達され得る。他の実装では、閉塞器270を膨張させるように、生理食塩水等の液体が閉塞器チャンバ275の中へ伝達され得る。さらに他の実装では、閉塞器270を膨張させるように、閉塞剤100が閉塞器チャンバ275の中へ伝達され得る。
【0062】
図4Jは、内管の遠位端58が閉塞器270から着脱され、障壁60が折り畳み位置67に収縮させられ、内管50および外管40を含むカテーテル10が引き抜かれた後に、静脈区画400の中で閉塞器170と閉塞器270との間に間置された閉塞剤100を示す。閉塞器170および閉塞器270は、固体状態の閉塞剤100を静脈区画400に係止して、構造部材500を形成する。いくつかの実装では、閉塞器170、閉塞剤100、および閉塞器270が、静脈区画近位端406と静脈区画遠位端408との間の静脈区画400の中で略一体構造部材500を形成するように、閉塞剤100は、閉塞器外面172の複数部分および閉塞器外面272の複数部分に付着し得る。図示されるように、閉塞器270の複数部分は、構造部材近位端506を画定し、閉塞器170の複数部分は、構造部材遠位端508を画定する。
【0063】
図5は、閉塞剤100と組み合わせて閉塞器70を含む、構造部材500の実装を図示する。この実装では、閉塞器70は、構造部材遠位端508を画定し、固体状態の閉塞剤100の複数部分は、構造部材近位端506を画定する。
【0064】
図6は、固体状態の閉塞剤100の複数部分によって画定される構造部材遠位端508および構造部材近位端506とともに、閉塞剤100を含む構造部材500の別の実装を図示する。閉塞剤100が液体状態から固体状態に急速に凝固する実装では、閉塞器70は、閉塞剤100を静脈区画400内の適所に係止する必要がなくあり得る。
【0065】
図7に図示されるように、閉塞は、急速硬化または即硬性閉塞剤から、またはスポンジ等の材料によって形成され得る。例えば、急速硬化閉塞剤が使用される場合、カテーテル10は、内管50が延在させられた状態で配置され得る。しかしながら、障壁60および閉塞器70を提供する代わりに、流体状態から固体状態への急速凝固のために設計される閉塞剤101.1を分注するために、ポートが代用され得る。急速硬化閉塞剤101.1は、末端閉塞370および閉塞470を形成するように、ポートから静脈区画400の中へ分注され得、第2の閉塞剤100.2は、1次閉塞570を形成するように、末端閉塞370および470の間の静脈区画400の中に送達され得る。この実装での閉塞370、470、および570は、全て実質的に均一な固体である。種々の実装では、所望であれば、異なる種類の閉塞剤が、閉塞剤101.1および101.2に、かつ閉塞370および470を形成するためにも使用され得、種々の種類の閉塞剤100が特定の所望の治療効果を生じるように選択される。カテーテルで使用される材料は、硬化した閉塞剤とカテーテルとの間の結合を最小化して、カテーテルの引き抜きを可能にするように選択されるべきである。好適な急速硬化閉塞剤は、Angiotech Pharmaceuticals(Vancouver,British Columbia,Canada)およびBaxter Healthcare Corporation(Fremont,California)から入手可能である、CoSeal(登録商標)外科用封止剤である。
【0066】
図8Aおよび8Bは、障壁60の代替的実装162を有するカテーテル160を示す。図8Aは、折り畳み状態のカテーテル160のカテーテル管12の遠位端の周囲に配置された障壁162を示す。折り畳み状態であるとき、障壁162は、図8Aに図示されるように、静脈区画400の中に配置され得る。障壁162は、図8Bに図示されるように、静脈内面404に対して円周方向に障壁外面164の複数部分を偏向させるように、拡張状態に転換され得る。図8Bに図示されるように、拡張位置の障壁162は、静脈区画400を閉塞するように、隔壁の形態で、概して静脈区画を横断して配備される。液体状態の閉塞剤100が、カテーテル10の管腔15を通り、第1の開口部36および第2の開口部37を通って障壁162の遠位にある静脈区画400の中へ流れ得るように、第1の開口部36および第2の開口部37が拡張した障壁162に開口される。閉塞剤100が十分に凝固すると、障壁162は、この図示された実装では、収縮位置に転換され、カテーテル管12とともに静脈区画400から引き抜かれ得る。他の実装では、障壁162は、カテーテル管12の遠位端から解放され、カテーテル管12が引き抜かれた後に静脈区画の中にとどまるように設計され得る。例示的に、この実施例について、障壁162は、スポンジであり得る。他の実装では、障壁162は、静脈区画を閉塞するために、および障壁160の遠位にある静脈区画400の中への閉塞剤100の送達を可能にするために、概して遠位端に近接したカテーテル管12に取り付けられるように他の方法で構成され得る。
【0067】
心静脈系に閉塞剤を注入するための好適なカテーテル340が、種々の動作状態で図9Aおよび9Bに示されている。図9Aは、心静脈を通って前進させられることに好適な状態のカテーテル340を示し、図9Bは、閉塞剤が導入され得る、心静脈の一区画を画定するための配備状態のカテーテル340を示す。カテーテル340のこの図示された実装は、外管342と、内管350とを含む。外管342は、流体を伝達するため、および/または静脈の中へ内管350を伝達するための管腔346を画定する。外管342および内管350は、単独で、または組み合わせて、例えば、ステンレス鋼またはニチノール、ならびに、とりわけ、ポリエチレン、ナイロン、およびポリイミド等のポリマーを含む、種々の材料で作られ得る。
【0068】
カテーテル340は、図9Aでは折り畳まれ、図9Bでは拡張されて示される、拡張可能な障壁344を含む。障壁344は、概してその遠位端に近接した外管342の周囲に円周方向に延在し、静脈を通る血流を遮断する。障壁344は、例えば、とりわけ、ナイロン、PEEK、およびPebaxを含む、種々の異なる材料で構成され得る。外管342は、障壁344を膨張/収縮するために、障壁344へ/障壁344から流体を伝送する管腔(図示せず)を含む。障壁344がその折り畳み位置にあると、カテーテル340は、心静脈系内で所望に応じて移動させられ、配置され得る。カテーテル340が適正に配置されると、障壁344は、静脈壁に係合するように拡張され、それにより、カテーテル340の遠位端を安定させ、静脈を通る血流を遮断し、閉塞剤が導入される区画の一端を確立する。
【0069】
内管350は、障壁344と離間した関係で静脈内に閉塞器360を配置するために、管腔346内に摺動可能に受容される。内管350の遠位端に取り外し可能に配置される、閉塞器360は、折り畳み状態で外管342の管腔を通過させられ、外管342の遠位端から所望の距離で静脈を通して前進させられ、閉塞剤が導入される区画の他方の端を確立するために静脈壁に係合するよう拡張される。図9Bでは、配備されると略球形であるものとして示されているが、閉塞器360は、任意の所望の形状であり得る。
【0070】
内管350は、2つの管腔(図示せず)を含む。これらの管腔のうちの1つは、閉塞器360へ/閉塞器360から流体を伝達するためのものであり、その場合、閉塞器360は、膨張可能および解放可能となるように、または膨張可能および収縮可能となるように、または閉塞器360を機械的に解放するためのワイヤを含有するために設計され、その場合、スポンジ等の閉塞器が、解放時に拡張するように設計される。閉塞器が開放時に拡張するように設計される場合、解放機構が他方の管腔の中の閉塞剤注入液の圧力によって誘起されれば、解放ワイヤおよび関連管腔は排除され得る。他方の管腔は、流体を内管350上のポート352、354、および356(例示的に3つのポートが示されている)と連通させるためのものである。ポート352、354、および356は、閉塞器360と障壁344との間に閉塞剤を導入するためのものであり、所望であれば、量から血液を吸引するために使用され得る。
【0071】
心静脈系の所望の区画内に閉塞剤を配置するために、図9Aに示されるようなカテーテル340が、心静脈系内の所望の位置まで前進させられる。障壁344は、カテーテル340の遠位端を安定させるために、区画の一端を画定するために、および区画から心臓への血流を遮断するために拡張される。内管350は、外管342の遠位端から静脈の中へ所望の距離に前進させられ、閉塞器360は、区画の他方の端を画定するように拡張される。閉塞剤は、ポート352、354、および356を通して区画に導入される。閉塞剤は硬化させられ、内管350は、後退させられてカテーテル340から除去される。閉塞器360は、引き抜きのために折り畳まれてもよく、または閉塞剤の導入前に着脱され得、または内管350の後退が始まると自動的に着脱し得る。障壁344は、折り畳まれ、カテーテル340は、部位から除去される。随意で、カテーテル340が除去される前に、閉塞器360と同様の第2の閉塞器が、区画の他方の端に配置され得る。
【0072】
心静脈系の所望の区画内でのカテーテル340の遠位端の適正な配置を容易にするかまたは確認するために、放射線不透過物質が、外管342の遠位端および/または内管350の遠位端に近接して配置され得る。
【0073】
外管342および内管350の近位端(図示せず)は、カテーテル340の近位端から延在し、医師がカテーテル340によって果たされる種々の機能を制御することを可能にするように、ハンドル(図示せず)に接続される。
【0074】
心筋を補強するように静脈区画400の中に構造部材500を形成するための方法は、静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するステップを含み、閉塞剤100は、静脈区画400内で凝固し、それにより、構造部材500を形成する。1つ以上の静脈区画400を選択し、1つ以上の静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達し、それにより、1つ以上の静脈区画400内で構造部材500を形成することによって、特定の心臓の症状を治療するステップが、方法に含まれてもよい。カテーテル10は、静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するための1つ以上の管腔15を画定し得る。方法は、種々の実装では、静脈内に少なくとも1つの閉塞器70を配置し、それにより、静脈区画400を閉塞し、静脈区画400内で閉塞剤100を保持するステップを含み得る。カテーテル10を使用して少なくとも1つの閉塞器70を配置するステップが、方法に含まれてもよい。方法は、閉塞器170と閉塞器270との間の静脈区画400内に閉塞剤100を配置するステップを含み得る。方法の種々の実装は、閉塞器170と、閉塞剤100と、構造部材500を画定する閉塞器270とを含み得る。種々の側面では、閉塞剤100に治療物質を含むステップが、方法の一部であってもよい。
【0075】
カテーテル10の特定の実装によって、静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するステップは、以下の方式で続行し得る。方法は、種々の身体管腔を通してカテーテル10をナビゲートすることにより、静脈区画400内に外管の遠位端48を配置することによって開始され得る。障壁60(図4A−4I)を折り畳み位置67から拡張位置69に、または障壁162を折り畳み位置(図8A)から拡張位置169(図8B)に転換し、それにより、静脈内面404に対して障壁外面(62、164)を偏向させ、静脈を閉塞し、外管40を静脈区画400内の適所に固着するステップが、方法の一部であってもよい。方法は、内管50を外側管腔45に通過させ、外側開口80を通して静脈区画400の中へ内管の遠位端58を延在させるステップを含み得る。内管50を操作することによって静脈区画400内に閉塞器170を配置し、収縮位置177から拡張位置179に閉塞器170を膨張させることによって静脈内面404に対して閉塞器外面172の複数部分を偏向させ、それにより、静脈を閉塞し、閉塞器170を静脈区画400内の適所に係止するステップが、方法の一部であってもよい。
【0076】
方法は、静脈区画400から血液を除去するステップを含み得る。方法は、種々の側面では、収縮位置177から拡張位置179に閉塞器170を膨張させ、静脈区画400から血液を遠位に押すように、拡張位置の閉塞器170を遠位に押すステップを含み得る。種々の側面では、方法は、環状管腔255を通して、および/または内側管腔55を通して、静脈区画400から血液を引き抜くステップを含み得る。
【0077】
方法は、種々の側面では、環状管腔255を介して、外側開口80を通して静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するステップを含んでもよく、閉塞器170および障壁60は、静脈区画400内で閉塞剤100を保持する。他の側面では、方法は、閉塞器170から内管の遠位端58を着脱し、内側管腔55を介して、内側開口90を通して静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するステップを含み得る。さらに他の側面では、方法は、閉塞器170から内管50を着脱し、外側管腔45から内管50を引き抜き、外側管腔45を介して、外側開口80を通して静脈区画400の中へ閉塞剤100を送達するステップを含み得る。
【0078】
方法は、閉塞器170から内管の遠位端58を着脱するステップを含んでもよく、内管の遠位端58を引き抜くステップが方法に含まれてもよく、障壁60が拡張位置69にとどまり、それにより、静脈区画400の中で閉塞剤100を固定する。種々の側面では、内管50は、外側管腔45から実質的または完全に引き抜かれてもよい。
【0079】
方法は、拡張位置69の障壁60を伴って、いくぶん近位方向に外管の遠位端48を引き抜くことによって続行し得る。内管50を外側管腔45に通過させ、外側開口80から静脈区画400の中へ内管の遠位端58を前方に延在させるステップ、および内管の遠位端58に固定された閉塞器270を膨張させ、それにより、閉塞器170と閉塞器270との間で閉塞剤100を保持するステップが、種々の方法におけるステップであってもよい。閉塞器270を拡張することによって静脈区画400内で閉塞剤100を圧縮し、静脈内面404に対して閉塞器外面272の複数部分を偏向させることによって静脈区画400の中の適所に閉塞器270を係止するステップが、方法の一部であってもよい。方法は、閉塞器270から内管の遠位端58を着脱し、障壁60を折り畳み位置67に収縮し、内管50および外管40を含むカテーテル10を引き抜き、それにより、閉塞器170と閉塞器270との間に閉塞剤100を間置することによって静脈区画400の中に閉塞剤100を係止するステップを含み得る。
【0080】
カテーテル10および340、ならびにそれらを操作する方法の変化例では、内管50および350は、固定されるか、または外管40および342に対して極めて限定された運動を有し得る。例えば、カテーテル340(図9Aおよび9B)を参照すると、内管350の遠位端は、カテーテル340が心静脈を通して前進させられるために構成される時でさえも、外管342の遠位端にあるか、またはそこから突出し得る。外管342の遠位端から突出する場合、突出の量は、少なくてもよく、または、およそ閉塞される静脈区画の意図された長さであってもよい。拡張可能な障壁344および閉塞器360は、カテーテル340が心静脈を通して前進させられている間に折り畳まれる。カテーテル340が適正に配置されると、障壁344は、静脈壁に係合するように拡張され、それにより、カテーテル340の遠位端を安定させ、静脈を通る血流を遮断し、閉塞剤が導入される区画の一端を確立する。この変化例で、内管350が外管342に対して摺動可能である場合、閉塞器360が拡張される前に適正な区画の長さを確立するように、必要に応じて延長または後退させられ得る。この変化例で、内管350が外管342に対して固定される場合、閉塞器360は拡張され、それは障壁344の拡張と同時に行われ得るが、その必要はない。いずれにしても、閉塞器360を拡張することにより、閉塞剤が導入される区画の他方の端を確立する。閉塞を完成させるために、閉塞剤が導入され、内管350が閉塞器360から着脱されて、外管342の遠位端から突出するか、または完全または部分的に外管342に引き込まれたままとなり、障壁344が折り畳まれ、カテーテル340が除去される。
【0081】
本明細書で説明される種々の例示的実装は、本発明を例示するものである。これらの実装の変化例および修正が可能であり、実施形態の種々の要素の実用的な代案および同等物が検討される。以下の請求項で説明されるような本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書で開示される実装のこれらおよび他の変化例および修正が行われ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心静脈内に閉塞を確立するためのカテーテルであって、
遠位端および近位端を有し、カテーテル本体内に縦方向に延在する注入液管腔を備える、細長いカテーテル本体と、
該注入液管腔の該遠位端に近接した該カテーテルの本体の周囲に、および該注入液管腔の周囲に配置される障壁であって、該心静脈内における該カテーテル本体の移動のための折り畳み位置と、該カテーテル本体と協働して該心静脈を閉塞するための拡張位置との間で制御可能に転換可能である、障壁と、
該障壁の遠位に該カテーテル本体の中に配置される注入液ポートであって、該注入液管腔は、該注入液ポートと流体連通している、注入液ポートと
を備えている、カテーテル。
【請求項2】
前記カテーテル本体は、
外管であって、前記障壁は、該外管の遠位端に近接して該外管上に円周方向に配置される、外管と、
内管と
を備えており、
該内管の遠位端に配置される閉塞器であって、折り畳み位置と該心静脈を閉塞するための拡張位置との間で制御可能に転換可能である、閉塞器をさらに備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記内管は、前記外管から突出し、該外管の前記遠位端を越えて延在する遠位端を有し、
前記閉塞器は、前記心静脈内における前記カテーテル本体の移動に適応するための折り畳み位置と前記拡張位置との間で制御可能に転換可能である、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記内管は、前記外管の前記遠位端から突出し、その中での移動のために前記外管内で摺動可能に配置され、前記内管は、前記外管の前記遠位端を越えて延在する遠位端を有し、
前記閉塞器は、前記心静脈内における前記カテーテル本体の移動に適応するための折り畳み位置と、該心静脈を閉塞するための拡張位置との間で制御可能に転換可能である、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記内管は、前記外管内にその中における移動のために摺動可能に配置され、該内管は、該外管の前記遠位端を越えて延在する遠位端を有し、
該内管の該遠位端に配置される閉塞器であって、該内管と協働した該外管内での移動のための折り畳み位置と、該内管が該心静脈を閉塞するために該外管の該遠位端を越えて延在させられるときの拡張位置との間で制御可能に転換可能である、閉塞器とをさらに備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記閉塞器を前記内管に解放可能に連結するための連結器をさらに備えている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記閉塞器は、内部空間を画定する拡張可能な内壁を備え、
前記内管は、該閉塞器を前記拡張位置に膨張させるために、該閉塞器の該内部空間と流体連通している管腔を備えている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記閉塞器は、拡張可能なスポンジを備えている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記注入液ポートは、前記内管の前記遠位端に近接して配置され、
前記注入液管腔は、該内管内に含有される、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記注入液管腔と流体連通している閉塞剤供給源をさらに備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記カテーテル本体は、該カテーテル本体内に延在する追加注入液管腔を備え、前記障壁は、該追加注入液管腔の周囲に配置され、前記注入液ポートは、追加注入液管腔と流体連通している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記注入液管腔と流体連通している第1の閉塞剤成分の供給源と、前記追加注入液管腔と流体連通している第2の閉塞剤供給源とをさらに備えている、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記障壁の遠位で前記カテーテル本体の中に配置される、第1の追加注入液ポートをさらに備え、該カテーテル本体はさらに、該カテーテル本体内に縦方向に延在する第1の追加注入液管腔を備え、該障壁は、該第1の追加注入液管腔の周囲に配置され、該第1の追加注入液管腔は、該第1の追加注入液ポートと流体連通している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記注入液管腔と流体連通している第1の閉塞剤成分の供給源と、前記第1の追加注入液管腔と流体連通している第2の閉塞剤成分の供給源とをさらに備えている、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記障壁の遠位に前記カテーテル本体の中に配置される、第2の追加注入液ポートをさらに備え、該カテーテル本体はさらに、該カテーテル本体内に縦方向に延在する第2の追加注入液管腔をさらに備え、該障壁は、該第2の追加注入液管腔の周囲に配置され、該第2の追加注入液管腔は、該第2の追加注入液ポートと流体連通している、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記注入液ポートは、前記内管と前記外管との間に配置される環状開口を備えている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記注入液ポートは、前記内管の壁に配置される開口を備えている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記カテーテル本体は、
外管であって、前記障壁は、該外管の遠位端に近接して該外管上に円周方向に配置される、外管と、
該外管内にその中での移動のために摺動可能に配置される、内管であって、該外管の該遠位端を越えて延在可能である遠位端を有する、内管と
を備えており、
該内管の遠位端に解放可能に配置される、閉塞器であって、該内管と協働した該外管内での移動のための折り畳み位置と、該内管が前記心静脈を閉塞するために該外管の該遠位端を越えて延在させられるときの拡張位置との間で制御可能に転換可能である、閉塞器であって、内部空間を画定する拡張可能な内壁を備える、閉塞器と、
該閉塞器を該内管に解放可能に連結するための連結器と
をさらに備え、
該外管は、該障壁を該拡張位置まで膨張させ、該障壁を該折り畳み位置に収縮させるために、該障壁と流体連通している障壁管腔を備え、
該内管は、該閉塞器を該拡張位置に膨張させるために、該閉塞器内部空間と流体連通している閉塞器管腔を備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項19】
心静脈内に閉塞を確立するためのカテーテルであって、
カテーテルの遠位端を該心静脈内の部位まで前進させるための手段と、
該カテーテルと協働して、該部位において該心静脈を閉塞するために、その遠位端付近において該カテーテルの周囲に第1の静脈閉塞を確立するための手段と、
該第1の静脈閉塞に概して隣接する第2の静脈閉塞を該部位に形成するために、該部位において該心静脈に閉塞剤を導入するための手段と、
該閉塞剤を導入するステップの後に、該部位から該カテーテルの該遠位端を引き抜くための手段と
を備えている、カテーテル。
【請求項20】
前記カテーテルと協働して,心静脈区画を画定するために、該カテーテルの前記遠位端付近において、かつ前記第1の静脈閉塞から離間して、該カテーテルの周囲に第3の静脈閉塞を確立するための手段をさらに備え、前記導入する手段は、該第1および第3の静脈閉塞に概して隣接する前記第2の静脈閉塞を形成するために、該心静脈に前記閉塞剤を導入するための手段を備えている、請求項19に記載のカテーテル。
【請求項21】
心静脈の一区画内に閉塞を確立するための方法であって、
カテーテルの遠位端を該心静脈内の部位まで前進させるための手段と、
該カテーテルと協働して、該部位において該心静脈を閉塞するために、該カテーテルの遠位端に近接して該カテーテルの周囲に第1の静脈閉塞を確立することと、
該第1の静脈閉塞に概して隣接する第2の静脈閉塞を該部位において形成するために、該部位において該心静脈に閉塞剤を導入することと、
該閉塞剤導入ステップの後に、該部位から該カテーテルの該遠位端を引き抜くことと
を含む、方法。
【請求項22】
前記第1の静脈閉塞を確立するステップは、前記カテーテルの前記遠位端に近接して該カテーテルの周囲に円周方向に配置される、障壁を拡張することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の静脈閉塞を確立するステップは、前記カテーテルの前記遠位端に近接して該カテーテルの周囲に配置される閉塞を形成するために、該カテーテルから急速硬化閉塞剤を分注することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記導入するステップの前に、前記第1の静脈閉塞から離間した前記心静脈内の場所において、第3の静脈閉塞を確立することをさらに含み、
該導入するステップはさらに、該第1の静脈閉塞と該第3の静脈閉塞との間で該心静脈に該閉塞剤を導入することを含み、前記第2の静脈閉塞は、該第1および第3の静脈閉塞に概して隣接する、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第3の静脈閉塞を確立するステップは、
前記離間場所に流体拡張可能閉塞器を配置することと、
前記閉塞器を拡張し、前記静脈を閉塞するために、前記カテーテルから該閉塞器に流体を導入することと
を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第3の静脈閉塞を確立するステップは、前記静脈を閉塞するために、前記離間場所において、前記カテーテルの前記遠位端から自己拡張式閉塞器を解放することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記第3の静脈閉塞を確立するステップは、前記静脈を閉塞するために、前記離間場所において、前記カテーテルの前記遠位端から急速硬化閉塞剤を分注することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
心静脈内に閉塞を確立するための方法であって、
該静脈内にカテーテル外管の遠位端を配置することと、
前記カテーテルと協働して、拡張した障壁によって第1の場所における該静脈を閉塞するために、該カテーテル外管の該遠位端付近に該カテーテル外管の周囲に配置される障壁を拡張することと、
該静脈内に、かつ該障壁から離間して、カテーテル内管の遠位端を配置することであって、該カテーテル内管の該遠位端は、それに連結された閉塞器を有する、ことと、
該第1の場所から離間した第2の場所において、該拡張した閉塞器によって該静脈を閉塞するために該静脈内の該閉塞器を拡張することと、
該第1の場所における該拡張した障壁と、該第2の場所における該拡張した閉塞器との間において、該カテーテルから該静脈に閉塞剤を導入することと、
該内管の該遠位端から該拡張した閉塞器を解放することと、
該障壁を折り畳むことと、
該静脈から該カテーテルを引き抜くことと
を含む、方法。
【請求項29】
前記カテーテル内管を配置するステップは、前記カテーテル外管の管腔を通して前記静脈の中へ該カテーテル内管および前記閉塞器を前進させることを備え、
該カテーテルを引き抜くステップは、
該カテーテル外管を通して該カテーテル内管を引き抜くことと、
該静脈から該カテーテル外管を引き抜くことと
を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
病的状態の心臓を治療するための人工心臓であって、
心静脈の一部内に配置される、第1の組成の第1の閉塞と、
該第1の閉塞に隣接して該心静脈の一部内に配置される、該第1の組成とは異なる第2の組成の第2の閉塞と
を備え、
該第1および第2の閉塞は、該心臓に構造支持を提供するために本質的に固体状態である、人工心臓。
【請求項31】
前記第1の閉塞は、拡張した閉塞器であり、前記第2の閉塞は、閉塞剤から形成される、請求項30に記載の人工心臓。
【請求項32】
前記第1の閉塞は、急速硬化閉塞剤から形成され、前記第2の閉塞は、該急速硬化閉塞剤とは異なる閉塞剤から形成される、請求項30に記載の人工心臓。
【請求項33】
前記第2の閉塞に隣接して前記心静脈の一部内に配置される、前記第2の組成とは異なる第3の組成の第3の閉塞をさらに備え、
該第3の閉塞は、前記心臓に構造支持を提供するために本質的に固体状態である、請求項30に記載の人工心臓。
【請求項34】
前記第1の閉塞は、拡張した閉塞器を備え、前記第2の閉塞は、閉塞剤で形成され、前記第3の閉塞は、拡張した閉塞器を備える、請求項30に記載の人工心臓。
【請求項35】
前記第1の閉塞は、第1の急速硬化閉塞剤から形成され、前記第3の閉塞は、第2の急速硬化閉塞剤から形成され、前記第2の閉塞は、該第1および第2の急速硬化閉塞剤とは異なる閉塞剤で形成される、請求項30に記載の人工心臓。
【請求項36】
前記第1の急速硬化閉塞剤と第2の急速硬化閉塞剤とは、同一である、請求項35に記載の人工心臓。
【請求項37】
注射用閉塞剤供給源と、
カテーテルと
を備えている、キットであって、
該カテーテルは、
遠位端および近位端を有し、カテーテル本体内に縦方向に延在する注入液管腔と、該カテーテル本体の該遠位端に近接して該カテーテルの本体の周囲に、かつ該注入液管腔の周囲に配置される障壁とを備える、細長いカテーテル本体であって、該心静脈内における該カテーテル本体の移動のための折り畳み位置と、該カテーテル本体と協働して該心静脈を閉塞するための拡張位置との間で制御可能に転換可能である、障壁とを備える、細長いカテーテル本体と、
該注入液管腔と流体連通している連結器であって、該閉塞剤供給源は、該第1の連結器に連結するために適合される、連結器と、
該障壁の遠位において該カテーテル本体の中に配置される注入液ポートであって、該注入液管腔は、該注入液ポートと流体連通している、注入液ポートと
を備えている、キット。
【請求項38】
前記カテーテル本体は、
外管であって、前記障壁が該外管の遠位端に近接して該外管上に円周方向に配置される、外管と、
該外管内にその中での移動のために摺動可能に配置される、内管であって、該外管の該遠位端を越えて延在可能である遠位端を有する、内管と
をさらに備えており、
該内管の該遠位端に配置される閉塞器であって、折り畳み位置と、該内管が該心静脈を閉塞するために該外管の該遠位端を越えて延在させられるときの拡張位置との間で制御可能に転換可能である、閉塞器をさらに備えている、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
前記閉塞剤は、多成分剤であり、
前記供給源は、該多成分剤の第1の成分用の第1の供給源区画と、該多成分剤の第2の成分用の第2の供給源区画とを備え、
前記カテーテル本体は、
該カテーテル本体内に縦方向に延在する追加注入液管腔であって、前記障壁は、該追加注入液管腔の周囲に配置される、追加注入液管腔と、
該追加注入液管腔と流体連通している追加連結器であって、該第1の供給源区画は、該連結器に連結するために適合され、該第2の供給源部は、該追加連結器に連結するために適合される、追加連結器と
を備えており、
該追加注入液管腔は、前記注入液ポートと流体連通している、請求項37に記載のキット。
【請求項40】
前記閉塞剤は、多成分剤であり、
前記供給源は、該多成分剤の第1の成分用の第1の供給源区画と、該多成分剤の第2の成分用の第2の供給源区画とを備え、
前記カテーテル本体は、
該カテーテル本体内に縦方向に延在する追加注入液管腔であって、前記障壁は、該追加注入液管腔の周囲に配置される、追加注入液管腔と、
該追加注入液管腔と流体連通している追加連結器であって、該第1の供給源区画は、該連結器に連結するために適合され、該第2の供給源区画は、該追加連結器に連結するために適合される、追加連結器と、
該障壁の遠位に前記カテーテル本体の中に配置される追加注入液ポートであって、該追加注入液管腔は、前記注入液ポートと流体連通している、追加注入液ポートと
をさらに備えている、請求項37に記載のキット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2011−516204(P2011−516204A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504010(P2011−504010)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/002258
【国際公開番号】WO2009/126314
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(501092667)ヘンリー フォード ヘルス システム (8)
【Fターム(参考)】