説明

忘れ物防止装置

【課題】 複数の携帯すべき品物の忘れ物を防止する。
【解決手段】 チェックカード1や携帯電話機13の画面から構成される表示面には、物品名を表示する物品名表示欄6,22が複数設けられ、該各物品名表示欄6,22に対応して物品有無表示部8,25が設けらている。チェックカード1や携帯電話機13には、複数のICタグ7aを無接触で読み取るICタグリーダ3,15と、ICタグリーダ3,15の読み取ったICタグ7aの識別情報に基づき、物品有無表示部8を変化させるデータ処理手段が内蔵されている。携帯すべき品物に貼り付けられる非接触ICタグを含むICタグシール7が用意され、携帯すべき品物に貼り付けられたICタグ7aの情報をICタグリーダ3,15で読み取り、この読み取り結果を物品有無表示部8,25に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型ICタグを利用した忘れ物防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ICチップが搭載されたカード形、タグ形又はコイン形などの非接触型ICタグ装置は、豊富な情報量と高いセキュリティ性能を備えていることから、交通、流通及び情報通信等の分野で普及が進んでいる。なかでも、近年開発された非接触型ICタグ装置は、データ電送を無線で行うため、信頼性に優れ、同時に複数枚のデータ処理が可能などの特徴を有しているため注目を集めている。
【0003】
また外出、退社、通勤、通学、または忘れ物を防止する行動を行う場合に、複数の使用目的とする名称の確認を再確認するため、再確認した痕跡を残すことができるようにした確認ボードが知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−125490号公報(第1頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
旅行や会社の出張等において、複数の持ち物を携帯する場合、そのうちの幾つかをうっかりしてつい忘れてしまうことがある。
本発明は複数の携帯すべき品物の忘れ物を防止するため、携帯に便利な忘れ物防止装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、物品名を表示する物品名表示欄が複数設けられ、該各物品名表示欄に対応して物品有無表示部が設けられた表示面と、複数のICタグを無接触で読み取るICタグリーダと、前記ICタグリーダの読み取ったICタグの識別情報に基づき、前記物品有無表示部を変化させるデータ処理手段と、前記物品名表示欄に表示された物品ごとに用意され、携帯すべき品物に貼り付けられる非接触型のICタグを含むICタグシールとを備え、前記携帯すべき品物に貼り付けられたICタグの情報を前記ICタグリーダで読み取り、この読み取り結果を前記物品有無表示部に表示するようにしたものである。
また本発明における前記表示面は、携帯に適したカードの表面に形成され、該カードにバッテリーを有する前記ICタグリーダと前記データ処理手段を内蔵したことを特徴とするものである。
また本発明における前記表示面を携帯電話機のマイクロコンピュータに格納されたプログラムソフトにより前記携帯電話機の画面上に形成し、該プログラムソフトにより前記データ処理手段を構成するとともに、前記携帯電話機に前記ICタグリーダを内蔵又は接続したものである。
また本発明における前記表示面に表示された物品名表示欄は、予め所要の物品名が記入された記入済み欄と、所望の物品名を書き込むことができる書き込み欄とにより構成されているものである。
また本発明における前記物品有無表示部は、前記物品名表示欄ごとに設けられたランプにより構成され、該ランプを前記データ処理手段によりオンオフ駆動するようにしたものである。
また本発明における前記物品有無表示部は、前記携帯電話機のマイクロコンピュータに格納された物品有無表示プログラムソフトにより、携帯電話機の画面上で制御されるようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、旅行や会社などの出張を行う場合に、複数の携帯すべき品物の忘れ物を簡単に防止することができる。特に、非接触状態で作動するため、チェックカードや携帯電話機をいちいち携帯すべき品物に接触させる必要なく、カバンや箱の中にICタグを貼り付けた品物が収容されていれば、該ICタグからの情報によって前記チェックカードの表示面に存するランプが点灯することにより、忘れ物の有無を容易に確認することができる。たとえカバンの中に収容した品物が重なっていても複数の品物について確実に忘れ物の有無を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態である携帯型のチェックカードを示している。チェックカード1は、バッテリー2を内蔵し、内部にICチップから成るICタグリーダ3が取り付けられている。このチェックカード1は、携帯に便利なようにストラップ4が取り付けられている。
【0008】
前記チェックカード1の表面には、表示面1aを構成してあり、該表示面1aには枠で囲まれたチップシール貼り付け部5が規則的に複数配列表示され、各チップシール貼り付け部5の横には、それぞれ物品名表示欄6が設けられている。前記チップシール貼り付け部5には、非接触状態で作動するICタグ7aを有するICタグシール7が脱着自在に貼り付けられている。
【0009】
前記複数の物品名表示欄6は、予め基本的な物品名、例えば、運転免許証、定期券等が表示された基本物品名表示欄6aと、物品名が何も表示されておらず、ユーザーがインデックスシールなどによって所望の物品名を貼り付けて表示できるようにした物品名書き込み欄6bとが設けられている。前記各物品名表示欄6の横には、それぞれ物品有無表示部8が設けられている。
【0010】
前記物品有無表示部8は、それぞれオンオフスイッチ9と、発光ダイオードなどから成るランプ10を備え、各ランプ10は、図3に示すように、オンオフスイッチ9、ランプドライブ回路11を介してチェックカード1に内蔵された読取データ処理回路12に接続している。データ処理手段である前記読取データ処理回路12は、スイッチ9がオンの状態において、ICタグリーダ3が所定の非接触ICタグ7の情報を検出して読み取ると、ランプドライブ回路11を介して対応するランプ10を赤く点灯するように構成されている。前記読取データ処理回路12は、ICタグリーダ3の読み取ったICタグ7aの識別情報に基づき、前記物品有無表示部8を変化させるデータ処理手段を構成してある。
【0011】
各物品有無表示部8のそれぞれのオンオフスイッチ9のオンオフは、物品有無表示部8を指で押圧することにより、スイッチオン、スイッチオフのいずれかに設定できる圧力スイッチ構造となっている。なお、このスイッチオンオフ切換構造はどのような構造を採用しても良く、圧力スイッチ構造に特に限定されるものではない。前記ICタグリーダ3の無線によるICタグ読み取り範囲は、本実施形態では、半径1m程度に設定されている。
【0012】
次に、本実施形態の動作について説明する。
ユーザーは、常にカバンや衣服のポケットの中に携帯すべき必需品、例えば、運転免許証、定期券、パスポート、健康保険証などに、チェックカード1のこれらの品物と対応するチップシール貼り付け部5からICタグシール7を剥がして、該ICタグシール7をそれぞれの物品名表示欄6に貼り付ける。
【0013】
物品名表示欄6に記載した品物以外の品物を必需品、即ち、忘れ物を防止しようとする品物に加える場合には、例えば、手帳を必需品に加えたいときは、市販のインデックス粘着シール等に「手帳」と記入し、該粘着シールを物品名書き込み欄6bに脱着可能に貼り付け、該物品名書き込み欄6bの横のICタグシール7を剥がして、手帳に貼り付ける。
【0014】
各物品有無表示部8のオンオフスイッチ9は、初期状態ではオフの状態にあるため、ユーザーは、チップシール貼り付け部5からICタグシール7を剥がしたときに、空欄となったチップシール貼り付け部5の横に位置するの物品有無表示部8のオンオフスイッチ9をオンにする。
【0015】
上記した状態において、ICタグシール7を取り付けた必需品を、カバンや衣服のポケットに収納し、忘れ物を確認する場合には、チェックカード1を読み取りモードにし、チェックカード1をカバンや衣服に近づけると、チェックカード1に内蔵されたICタグリーダ3が、カバンの中や衣服のポケット内のICタグ7aの情報を読み取る。
【0016】
この読み取りデータは、読み取りデータ処理回路12に入力され、該処理回路12は読み取ったICタグ7aの識別情報に基づいて、対応する物品有無表示部8のランプ10を赤く点灯させる。之によって、忘れ物をしていないことを確認できる。
【0017】
また、必需品に付けられたICタグ7aが、ICタグリーダ1の読み取り範囲に存在しない場合には、そのICタグ7aに対応する物品有無表示部8のランプ10は赤く点灯しない。これによって、ユーザーは、忘れ物の有無を確認できる。即ち、忘れてはいけない品物が、カバンやポケットの中に入っていないとランプは点灯せず、忘れ物をした状態であることがわかる。
【0018】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4中、13は携帯電話機であり、これに内蔵されたマイクロコンピュータの記憶装置に物品有無表示プログラムソフト14が記録されている。また、携帯電話機13には、ICタグリーダ15が内蔵され、該ICタグリーダ15は、前記マイクロコンピュータに接続している。
【0019】
前記プログラムソフト14は、前記チェックカード1の表示面1aと同一のパターンを携帯電話機13の画面18に表示するための表示部16を備え、携帯電話機13の所要の画面切換スイッチを押すと、モード切換部17が動作し、携帯電話機13の画面18には、チェックカード1の表示面1aと同一のパターンを表示する表示部16が設定されている。
【0020】
携帯電話機13の画面18の表示面に表示されたパターン中の各欄の中、チェックカード1の物品名書き込み欄6bに対応する欄19は、画面編集処理部21の動作により、ユーザーが携帯電話機13のキー操作部20から所望の文字を記入、消去、訂正できるように設定されている。前記画面18の各欄19,22の横には、ICタグ有無表示23が表示され、該表示23はユーザーが前記画面編集処理部21を動作させて、タグマーク24の消去、記入を自由にキー操作部20の操作によって行うことができる。
【0021】
物品有無表示部8に対応する物品有無表示部25は、物品有無表示プログラムソフト14の、読み取りデータ取込部26からの読み取りデータに基づいて、制御部27によってランプに相当する検出表示28の色が例えば赤に変化し、物品を検出したことを表示するように構成されている。即ち、忘れ物をしていないことを確認したことになる。
【0022】
上記した構成において、予め、携帯電話機13の画面18の物品名表示欄22に対応するICタグを7aを含むICシール7を、この物品名表示欄22に表示された物品、例えば、運転免許証に貼り付け、該物品をカバンや衣服のポケットに収納する。物品名表示欄22に表示されていない物品については、その名称を、画面18の任意の書き込み欄19にキー操作部20を操作して入力し、その記入した任意の書き込み欄19に対応するICタグを含むICタグシール7を、物品に貼り付ける。
【0023】
該状態において、携帯電話機13を物品検出モードに切り換え、携帯電話機13をカバンや衣服のポケットの近辺に近づけると、携帯電話機13に内蔵された、あるいは、携帯電話機13に接続した、ICタグリーダ15がカバンの中やポケットの内部等のICタグ7aの情報を読み取る。
【0024】
この制御部27は、読み取ったICタグ7aの識別情報に基づいて、表示部16を制御し、画面18の該識別情報に対応する検出表示28を赤色に変化させ、検出表示28の横の物品名表示欄22に表示されている物品を検出したことを表示する。前記制御部27は、ICタグリーダの読み取ったICタグ7aの識別情報に基づき、物品有無表示部25を変化させるデータ処理手段を構成している。ユーザーは、携帯電話機13の画面18中の、各物品名表示欄22の横の検出表示28の色の変化により、忘れ物情報を得ることができ、それによって忘れ物を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るチェックカードの平面説明図である。
【図2】ICタグシールの説明図である。
【図3】本発明のハードウエア構成を示すブロック回路図である。
【図4】本発明の他の実施形態に使用される携帯電話機の平面図である。
【図5】物品有無表示プログラムソフトの機能ブロック説明図である。
【符号の説明】
【0026】
1 チェックカード
1a 表示面
2 バッテリー
3 ICタグリーダ
4 ストラップ
5 チップシール貼り付け部
6 物品名表示欄
6a 基本物品名表示欄
6b 物品名書き込み欄
7 ICタグシール
7a ICタグ
8 物品有無表示部
9 スイッチ
10 ランプ
11 ランプドライブ回路
12 読み取りデータ処理回路(データ処理手段)
13 携帯電話機
14 物品有無表示プログラムソフト
15 ICタグリーダ
16 表示部
17 モード切換部
18 画面
19 欄
20 キー操作部
21 画面編集処理部
22 物品名表示欄
23 ICタグ有無表示
24 タグマーク
25 物品有無表示部
26 読み取りデータ取込部
27 制御部(データ処理手段)
28 検出表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品名を表示する物品名表示欄が複数設けられ、該各物品名表示欄に対応して物品有無表示部が設けられた表示面と、複数のICタグを無接触で読み取るICタグリーダと、前記ICタグリーダの読み取ったICタグの識別情報に基づき、前記物品有無表示部を変化させるデータ処理手段と、前記物品名表示欄に表示された物品ごとに用意され、携帯すべき品物に貼り付けられるICタグを含むICタグシールとを備え、前記携帯すべき品物に貼り付けられたICタグの情報を前記ICタグリーダで読み取り、この読み取り結果を前記物品有無表示部に表示するようにしたことを特徴とする忘れ物防止装置。
【請求項2】
前記表示面は、携帯に適したカードの表面に形成され、該カードにバッテリーを有する前記ICタグリーダと前記データ処理手段を内蔵したことを特徴とする請求項1に記載の忘れ物防止装置。
【請求項3】
前記表示面を携帯電話機のマイクロコンピュータに格納されたプログラムソフトにより前記携帯電話機の画面上に形成し、該プログラムソフトにより前記データ処理手段を構成するとともに、前記携帯電話機に前記ICタグリーダを内蔵又は接続したことを特徴とする請求項1に記載の忘れ物防止装置。
【請求項4】
前記表示面に表示された物品名表示欄は、予め所要の物品名が記入された記入済み欄と、所望の物品名を書き込むことができる書き込み欄とより構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の忘れ物防止装置。
【請求項5】
前記物品有無表示部は、前記物品名表示欄ごとに設けられたランプにより構成され、該ランプを前記データ処理手段によりオンオフ駆動するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の忘れ物防止装置。
【請求項6】
前記物品有無表示部は、前記携帯電話機のマイクロコンピュータに格納された物品有無表示プログラムソフトにより、携帯電話機の画面上で制御されるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の忘れ物防止装置。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−23845(P2006−23845A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199617(P2004−199617)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(504259694)
【Fターム(参考)】