説明

応募システム

【課題】応募内容を所定の用紙に手書きで記載し、光学読取装置に読み込ませるだけで、応募情報を送信することができ、記載した用紙は手元に残り、他人に個人情報を覗かれたり、盗まれたりする心配がない応募システムを提供する。
【解決手段】店舗内においてアンケートや、懸賞募集などに対する応募情報を応募情報記載用紙に記載して応募する応募システムであって、個人情報記載部を有し、項目別に情報記載エリアが定められた応募情報記載用紙と、応募情報記載用紙に記載された応募情報を光学的に読み取る光学読取センサ、制御部、情報格納部、データ送信部、スタンプ部、種別コード認識プログラム、イメージ処理プログラムおよび各種募集案件処理プログラムの少なくとも一つを有する応募情報読取装置と、応募情報読取装置に接続され少なくとも送信機能を備えた情報処理装置とを有する応募システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内においてアンケートや、懸賞募集などに対する応募情報を応募情報記載用紙に記載して応募する応募システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーなどの店舗内に応募箱が設置され、来店した顧客は、アンケートや、懸賞等の応募用紙に応募情報を記載して応募箱に投函している。
しかしながら、投函された応募情報が応募箱のまま盗難に遭ったり、箱から取り出されて盗み見されるケースが多発している。
個人情報保護法施行に伴いこれら盗難や、盗み見に対する対策が求められている。
【0003】
一方、応募,広告,価値発行および価値決済手法等を改善することにより、利用者等の利便性を高めて、各種店舗における商品等の販売促進を行うことができる店舗活用システムが提案されている。これは、利用者の属性に関する属性情報を入力するKIOSK端末と、所定の方法で受領された利用者に関する情報に基づいて、当該利用者が特定の行動を行う権利を有するか否かを判断するPOS端末と、このPOS端末にて利用者が上記行動を行う権利を有すると判断された場合に、当該権利を有する旨を、KIOSK端末を介して入力された属性情報に関連付けて所定領域に格納する懸賞管理サーバーを備えるというものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来のアンケートでは、高い信頼性のあるアンケートの収集を行うのは困難であったとして、信頼性の高いアンケートを無作為で収集するシステム、および、創作的なアンケートを簡便に実行するアンケート収集システムを提供するために、サーバから携帯端末用アンケート処理プログラムと、アンケート部品ファイル、属性別アンケートファイルなどを送信し、携帯端末でアンケート回答処理を実行させるシステムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−304562号公報
【特許文献2】特開2003−85326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術は、KIOSK端末、POS端末、ストアコンピュータ、応募者用センターサーバ、懸賞管理サーバ、商品券サーバおよび利用者端末をネットワークで接続したシステムで、このシステムを実行するための装置はいずれも、表示手段と入力手段によって店舗側が設定した項目を選択し属性情報をキー入力する仕組みになっており、顧客が記載した手書情報をそのまま送信するものではない。
また、特許文献2に記載のアンケート収集システムは、ネットワークを介して携帯端末からアンケート情報を収集するシステムになっている。
【0007】
そこで、本発明は、応募内容を所定の用紙に手書きで記載し、光学読取装置に読み込ませるだけで、応募情報を送信することができ、記載した用紙は手元に残り、他人に個人情報を覗かれたり、盗まれたりする心配がない応募システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題の目的を達成するために、本発明の応募システムの請求項1に記載の発明は、店舗内においてアンケートや、懸賞募集などに対する応募情報を応募情報記載用紙に記載して応募する応募システムであって、個人情報記載部を有し、項目別に情報記載エリアが定められた応募情報記載用紙と、応募情報記載用紙に記載された応募情報を光学的に読み取る光学読取センサ、制御部、情報格納部、データ送信部、スタンプ部、種別コード認識プログラム、イメージ処理プログラムおよび各種募集案件処理プログラムの少なくとも一つを有する応募情報読取装置と、応募情報読取装置に接続され少なくとも送信機能を備えた情報処理装置と、を有することを特徴とするものである
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、応募情報記載用紙には、募集案件の種別情報を含む情報が格納された一つ以上の光学読取コードが形成されたことを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、光学読取コードには、項目別情報記載エリアの応募情報記載用紙に対する位置関連情報が記録されたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の応募システムにおいて、応募情報読取装置で読取られた後の応募情報記載用紙には、読取済みのマークが形成され、記載者に返却されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
1)請求項1に記載のように、店舗内においてアンケートや、懸賞募集などに対する応募情報を応募情報記載用紙に記載して応募する応募システムであって、個人情報記載部を有し、項目別に情報記載エリアが定められた応募情報記載用紙と、応募情報記載用紙に記載された応募情報を光学的に読み取る光学読取センサ、制御部、情報格納部、データ送信部、スタンプ部、種別コード認識プログラム、イメージ処理プログラムおよび各種募集案件処理プログラムの少なくとも一つを有する応募情報読取装置と、応募情報読取装置に接続され少なくとも送信機能を備えた情報処理装置と、を有することによって、応募する側にとっては店舗内で応募用紙に応募用紙に記載したり、専用端末のキーを叩いて応募情報を入力したりする必要が無く、さらに、応募情報が安全に管理され、募集する側にとっては回収された応募情報の集約が容易になるというメリットがある。
2)また、請求項2および請求項3に記載のように、請求項1に記載の発明において、応募情報記載用紙には、募集案件の種別情報を含む情報が格納された一つ以上の光学読取コードが形成され、光学読取コードには項目別情報記載エリアの応募情報記載用紙に対する位置関連情報が記録されたたことによって、光学読取コードに用紙の種別情報やエリアを特定する情報などを格納することができ、読み取った記載情報を即座に編集することもできる。
3)また、請求項4に記載のように、請求項1〜3に記載の応募システムにおいて、応募情報読取装置で読取られた後の応募情報記載用紙には、読取済みのマークが形成され、記載者に返却されることによって、記載者は応募情報記載用紙を重複して読み取り装置に読み取らせることが無くなり、さらに自分が記載した応募情報の控えを手元に残すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明のについて説明する。
図1は、本発明の応募システムの装置および媒体構成について説明するための図,図2は、応募情報読取装置の機能について説明するためのブロック図,図3は、応募情報記載用紙の一例について説明するための図,図4は、応募情報記載用紙の他の一例について説明するための図,図5は、読取済みのマークについて説明するための図,図6は、応募手順の一例について説明するための図,である。
【0014】
図1を参照して、本発明の応募システムを構成する装置および媒体について説明する。
応募情報記載用紙3、応募情報記載用紙3から応募情報を読み取る応募情報読取装置1、および、応募情報読取装置1に接続された情報処理装置2で構成される。
【0015】
応募情報記載用紙3には、複数エリアに仕切られた応募情報記載欄が設けられており、また、光学読取コード31が(2箇所に)印刷されている。
光学読取コード31は、応募情報記載用紙3の先端に印刷されており、応募情報を記載した後で応募情報読取装置1に読み取らせる際に光学読み取りセンサによって最初に読み取られる。
光学読取コード31には、例えば、その用紙がアンケートに対する解答用紙なのか、懸賞に応募するための投票用紙なのかを区別するための応募情報記載用紙種別コードが組み込まれている。
二次元コードなど記録容量が大きな光学読取コードを使用した場合は、応募情報記載用紙種別コードのほかに応募情報を記載するエリアコードなどが組み込まれる。
【0016】
応募情報読取装置1は、店舗の規模によって複数台設置される装置で、前述の光学読取コード31を読み取るためのセンサーや、応募情報記載用紙3に記載された応募情報をイメージ的に読み取るための光学読取ヘッドが搭載されている。また、複数種の応募情報記載用紙を読み分けるためのプログラム,このプログラムによって読み取ったデータを一時記憶するための情報格納部、および、データ送受信部等を搭載し、読み取った応募情報をLANや、無線手段によって情報処理装置2に送信する。
上述の複数種の応募情報記載用紙を読み分けるためのプログラムや、このプログラムによって読み取られたデータを一時記憶するための情報格納部、さらに、これらのプログラムを制御する制御部などは、情報処理装置2に搭載することもできるが、本実施の形態では応募情報読取装置1に搭載することで説明する。
【0017】
情報処理装置2は、複数の応募情報読取装置に接続され、応募情報を収集するための装置である。情報処理装置2は、専用装置でもよいが、本実施形態では店舗内の各種の情報端末に接続され、情報を収集している装置である。
情報処理装置2によって収集された応募情報は、外部の収集関連会社に定期的に、または、リアルタイムで送信される。
また、情報処理装置2には、応募情報読取装置1、および、各種店舗内端末から収集された応募情報,顧客情報を格納する応募情報データファイル21が接続されている。
【0018】
図2を参照して、応募情報読取装置の機能について説明する。
応募情報読取装置1は、店舗の規模によって複数台設置される装置で、前述の光学読取コード31や、応募情報記載用紙3に記載された応募情報をイメージとして読み取るための光学読取センサ11を搭載している。
また、募集案件をコードや、項目別情報記載エリアコードなどの光学読取コードを読取って記載エリアを的確に把握し、記載された情報を読取る種別コード認識プログラム15や、記載された内容を読取ってそのままイメージ処理をするイメージ処理プログラム16や、懸賞の抽選処理等を行う募集案件処理プログラム17などのプログラムを記録したROMを搭載している。
また、これらプログラムを使って読み取ったデータを処理する制御部12,読み取ったイメージデータなどを一時保管するための情報格納部13、および、読み取った応募情報をLANや、無線手段によって情報処理装置に送信するデータ送受信部14を搭載している。
さらに、応募情報記載用紙30が重複して読み取られないようにするために、読取済みのマークをマークするスタンプ部18が応募情報読取装置の排出部に設けられている。
スタンプ部18は、スタンプでもプリンタでもよい。
【0019】
応募情報読取装置1は、読み取った応募情報をLANや、無線手段によって定期的に、または、リアルタイムで情報処理装置に送信する。
【0020】
図3を参照して、応募情報記載用紙の一例について説明する。
図3に示す応募情報記載用紙3「アンケート回答用紙301」の例は、別紙に記載されたアンケートに対し回答を記載する応募情報記載用紙の例である。
所定の応募情報記載エリアに応募情報を記載し、応募情報読取装置の給紙部にセットする。応募情報読取装置は、光学読み取りセンサによって、応募情報記載用紙3の先頭部分の光学読取コード31、または、32を読み取る。
光学読取コードは、バーコードでも二次元コードでもよい。
情報量が少ないバーコードの場合は、まず、応募情報記載用紙3のコード「301」を記録する。
応募情報読取装置の光学読取センサが光学読取コード31から応募情報記載用紙のコード「301」を読み取ると、応募情報読取装置の制御部は、種別コード認識プログラムによって「設問1」,「設問2」,「設問3」,「設問4」、および、「お名前、年齢、ご意見」を記載する項目別情報記載エリアの位置情報を読み出す。
制御部は、記載情報を読み取るタイミングを光学読取センサに伝え、前記タイミングで読み取られたイメージ情報にそれそれ項目別情報記載エリアコード(図示せず)を添付または貼付(以下、貼付という。)して前記情報格納部に格納する。
【0021】
項目別情報記載エリアの位置情報は、応募情報記載用紙のスタート位置(用紙の紙端)からの距離で割り出す。
例えば、設問1の回答エリアであれば「a」、設問2の回答エリアであれば「b」、お名前,年齢,ご意見記載エリアであれば「e」を給紙スピードとの関連から時間を割り出してそこに記載されているイメージ情報を読み取って収集する。左右位置の読み始めは応募情報記載用紙コードからプログラムによって決定する。
【0022】
また、光学読取コード31には、応募情報記載用紙種別コードのほかに、応募情報記載用紙3が正しい位置で読み取られたことを示すコードが含まれている。
光学読取コード32には、応募情報記載用紙3が逆方向に給紙されたことを示すコードが含まれている。
応募情報記載用紙3が逆方向に給紙された場合は、再度正しい方向で読み取りを行うよう応募情報読取装置から音声または文字で指示を出すようにしてもよいし、読取ったイメージ情報をプログラムによって天地左右を逆変換するようにしてもよい。
【0023】
また、図3の回答情報記載部分以外のエリアはドロップアウトカラーで印刷して光学読取センサの目からドロップアウトさせてもよい。
【0024】
図4を参照して、応募情報記載用紙の他の一例について説明する。
図4に示す応募情報記載用紙30「回答用紙302」の例は、投票を行うと抽選によって賞品が当たるという懸賞案件である。
第一候補から、第三候補まで投票できるようになっており、その三桁の番号を記載するようになっている。
応募情報読取装置は、回答1,2,3のエリアに記載された数字を読み取ってテキストデータに変換し、「お名前」,「ご住所」,「お電話番号」のエリアに記載された情報をイメージとして読み取り、応募情報記載用紙種別コードを貼付してファイルする。
【0025】
図5を参照して、読取済みのマークについて説明する。
一度読み取られた応募情報記載用紙30の光学読取マーク310の上には、図5に示すように、「読取済」のマーク4がスタンプ、または、印字部される。
読取済みのマーク4は、光学読取センサで読取り可能な色、例えば、墨色などでスタンプされる。
これは、応募情報記載用紙30が重複して読み取られないようにするためである。
読取済みのマーク4がスタンプされた応募情報記載用紙30が応募情報読取装置で給紙されると、光学読取コードが読取済みのマーク4によって邪魔されて読み取れず、応募情報読取装置の排出部から排出される。
「読取済」のマーク4のスタンプ位置は、光学読取コード310の上に限定されるものではない。
【0026】
図6を参照して、応募手順の一例について説明する。
募集側は、アンケート用紙や抽選用紙を、回答用紙である応募情報記載用紙と一緒に協力店舗に配布する(ステップ1:以下、S1という)。
応募側は、店舗内で以前から応募しようと考えていた募集案件に対する設問用紙と、応募情報記載用紙を選択する(S2)。
応募情報記載用紙に応募情報(回答情報等)を記載する(S3)。
店舗内に設置された応募情報読取装置で応募情報を記載した応募情報記載用紙を読み取らせる(S4)。
応募情報記載用紙は、応募情報読取装置によって所定の場所に応募情報記載済みのマークが形成され(S5)、記載者に返却される(S8)。
応募情報は、募集側に回収される(S6)。
応募情報は、応募情報を項目別に保管する(S7)。
【産業上の利用可能性】
【0027】
店舗内で実施される、アンケートや懸賞など一部に個人情報を記載する用紙の応募システムに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の応募システムの装置、および、媒体について説明するための図である。
【図2】応募情報読取装置の機能について説明するためのブロック図である。
【図3】応募情報記載用紙の一例について説明するための図である。
【図4】応募情報記載用紙の他の一例について説明するための図である。
【図5】読取済みのマークについて説明するための図である。
【図6】応募手順の一例について説明するための図である。
【符号の説明】
【0029】
1 応募情報読取装置
2 情報処理装置
3 応募情報記載用紙
4 読取済みのマーク
11 光学読取センサ
12 制御部
13 情報格納部
14 データ送受信部
15 種別コード認識プログラム
16 イメージ処理プログラム
17 各種募集案件処理プログラム
18 スタンプ部
31,32,310,320 光学読取コード


【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内においてアンケートや、懸賞募集などに対する応募情報を応募情報記載用紙に記載して応募する応募システムであって、
個人情報記載部を有し、項目別に情報記載エリアが定められた応募情報記載用紙と、
応募情報記載用紙に記載された応募情報を光学的に読み取る光学読取センサ、制御部、情報格納部、データ送信部、スタンプ部、種別コード認識プログラム、イメージ処理プログラムおよび各種募集案件処理プログラムの少なくとも一つを有する応募情報読取装置と、
応募情報読取装置に接続され少なくとも送信機能を備えた情報処理装置と、
を有することを特徴とする応募システム。
【請求項2】
請求項1に記載の応募システムにおいて、
応募情報記載用紙には、募集案件の種別情報を含む情報が格納された一つ以上の光学読取コードが形成されたことを特徴とする応募システム。
【請求項3】
請求項2に記載の応募システムにおいて、
光学読取コードには、項目別情報記載エリアの応募情報記載用紙に対する位置関連情報が記録されたことを特徴とする応募システム。
【請求項4】
請求項1〜3に記載の応募システムにおいて、
応募情報読取装置で読取られた後の応募情報記載用紙には、読取済みのマークが形成され、記載者に返却されることを特徴とする応募システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−260063(P2006−260063A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−75615(P2005−75615)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】