応援用具
【課題】スポーツ観戦や野外活動において多目的使用が可能であって、容易に製作しつつ効果的な打音を発生することができ、安全に使用することが可能な応援用具を提供すること。
【解決手段】第一の方向に対して平行に複数回ジグザグ状に折り曲げて、第一の方向に対して垂直方向に1回折り曲げることで扇形状が形成され、扇形状に折り曲げられた状態ではなく広げられた状態とすることで、応援用の文字、図形、記号、模様又は色彩が付された面を外部に表示し、屋外で使用される敷物用の材質を有するシートからなることを特徴とする。
【解決手段】第一の方向に対して平行に複数回ジグザグ状に折り曲げて、第一の方向に対して垂直方向に1回折り曲げることで扇形状が形成され、扇形状に折り曲げられた状態ではなく広げられた状態とすることで、応援用の文字、図形、記号、模様又は色彩が付された面を外部に表示し、屋外で使用される敷物用の材質を有するシートからなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応援用具に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ観戦などで観衆が応援に使用する応援用具は、様々な種類があり、例えば、一方の手で把持して他方の手に叩くことで音を鳴らすことができるように、縦に2分割された所謂Vメガホンやプラスチック製の扇状の所謂ハリセン(張り扇)などがある。また、応援の際、観衆がチームで統一されたユニフォームを着用したり、マフラーを頭上に掲げたりなど一体感を出すこともある。
【0003】
特許文献1には、シート材をジグザグ状に折り曲げ、その端部に手で握る部分が設けられた野球などの応援用表示板に関する技術が開示されている。また、特許文献2には、厚紙で形成された応援用具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−248449号公報
【特許文献2】実用新案登録第3022916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スポーツ観戦において、プロチーム運営者やスタジアム運営者などの事業者が応援用具を提供する等して、応援をより盛り上げることは、事業運営において大事な要素の一つである。その際、応援用具は、多量かつ安価に提供できることが必要である。また、応援用具は、観衆が楽しみながら喜んで使用できるように、観衆にとって魅力的なものであることが望ましい。更に、応援用具を使用してスポーツ観戦する際、応援用具が周囲にいる人に接触する等して怪我を負わせることがないように、応援用具は安全性が確保されたものである必要がある。
【0006】
しかし、特許文献1や特許文献2に開示された技術では、部材点数が多かったり、一部分特別な形状を有していたりと複雑な構成を有しているため、多量かつ安価に提供することが困難である。
【0007】
また、特許文献1に開示された応援用表示板や特許文献2に開示された応援用具は、ジグザグに折り曲げたシート材の一端側を把持して扇状にされる。この構成では、一方の手で把持して他方の手に叩くことで効果的に音を鳴らすためには、縦方向に比べて横方向に長いシート材であって縦方向に平行な相当数の折り目が必要であった。そのため、応援用具を容易に製作することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示された応援用表示板はやや硬さのあるシート材を使用しているため、扇状に容易に製作することができないことに加えて、周囲にいる人に接触する等して怪我を負わせるおそれがあり、安全性を確保しにくいという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、スポーツ観戦や野外活動において多目的使用が可能であって、容易に製作しつつ効果的な打音を発生することができ、安全に使用することが可能な、新規かつ改良された応援用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第一の方向に対して平行に複数回ジグザグ状に折り曲げて、第一の方向に対して垂直方向に1回折り曲げることで扇形状が形成され、扇形状に折り曲げられた状態ではなく広げられた状態とすることで、応援用の文字、図形、記号、模様又は色彩が付された面を外部に表示し、屋外で使用される敷物用の材質を有するシートからなる応援用具が提供される。
【0011】
上記シートは、第一の方向に対して平行な第一の折り曲げ部分と、第一の方向に対して垂直な第二の折り曲げ部分とが形成され、折り曲げ形状が保持されてもよい。
【0012】
上記シートは、ポリエチレン製クロスであってもよい。また、上記シートは、表面にポリプロピレン製フィルムがラミネートされてもよい。
【0013】
上記シートは、正方形であってもよい。または、上記シートは、長方形であり、第一の方向は、シートの長辺方向に平行であってもよい。
【0014】
上記シートは、敷物として地面に対して追従容易な厚みを有し、突起物に接触したときに耐え得る突き刺し強度を有してもよい。
【0015】
上記シートは、第一の折り曲げ部分又は第二の折り曲げ部分に凹部が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スポーツ観戦や野外活動において多目的使用が可能であって、容易に製作しつつ効果的な打音を発生することができ、安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。
【図2】同実施形態に係る応援用具100の第一の使用状態を示す説明図である
【図3】同実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。
【図5】同実施形態に係る応援用具100を示す正面図である。
【図6】同実施形態に係る応援用具100を示す右側面図である。
【図7】同実施形態に係る応援用具100を示す平面図である。
【図8】図5のA−A’部分拡大図である。
【図9】同実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す斜視図である。
【図10】同実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す平面図である。
【図11】図10のB−B’部分拡大図である。
【図12】同実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す平面図である。
【図13】同実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す正面図である。
【図14】図13のC−C’部分拡大図である。
【図15】同実施形態に係る応援用具100の第二の畳んだ状態を示す平面図である。
【図16】同実施形態に係る応援用具100の第二の畳んだ状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[応援用具100の構成]
まず、本発明の一実施形態に係る応援用具100の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。図5は、本実施形態に係る応援用具100を示す正面図である。図6は、本実施形態に係る応援用具100を示す右側面図である。図7は、本実施形態に係る応援用具100を示す平面図である。図8は、図5のA−A’部分拡大図である。
【0020】
本実施形態に係る応援用具100は、シート102からなる。シート102は、屋外で使用される敷物(レジャーシート)用の材質を有する。
【0021】
シート102は、例えば合成樹脂製である。シート102は、フィルム単体、合成樹脂繊維(ヤーン)を織って生成されるクロス、又は不織布などである。シート102がクロスである場合、ヤーンは縦方向及び縦方向に対して垂直な横方向に配置される。また、ヤーンが複数本平行して構成される帯が、縦方向及び横方向に配置されることによって、格子模様を有するクロスが生成されてもよい。
【0022】
シート102の材質としては、様々な合成樹脂を用いることができる。シート102は、例えば、ポリエチレン製クロスである。シート102は、敷物(レジャーシート)として地面に対して追従容易な厚みを有する。また、シート102は、敷物(レジャーシート)として突起物に接触したときに耐え得る突き刺し強度を有する。更に、シート102が合成樹脂であれば、耐水性や耐候性に優れ、日除けや雨除けとしても使用することができる。
【0023】
シート102は、一面側又は両面側の表面に、応援用の文字、図形、記号、模様若しくは色彩又はこれらの結合が付されている。図1のシート102には、一例として動物の顔を表す図形150と、「Japan」からなる文字152が表示されている。
【0024】
また、シート102は、一面側又は両面側に樹脂被覆処理が施されてもよい。樹脂被覆処理としては、例えば基材表面にフィルムを貼るラミネート加工などがある。
【0025】
シート102は、例えば基材がポリエチレンクロス製のクロスであり、表面にポリプロピレン製フィルムがラミネートされたものを使用できる。基材としてポリエチレンクロス製のクロスを用い、更にフィルムを積層することで、シート102をポリエチレンクロス製のクロスのみとする場合に比べて、シート102が丈夫になる。その結果、応援用具100が後述するように打音を発生するために使用される場合に、よりはっきりとした、かつ大きな音量を出すことができる。
【0026】
シート102は、例えば長方形又は正方形である。図4〜図7に示す例では、シート102が正方形である場合について示した。
【0027】
シート102は、第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116を有する。
【0028】
第一折り曲げ部分112と第一折り曲げ部分114は、正方形又は長方形の対向する2辺に対して平行であり、複数形成される。ここで、正方形又は長方形の対向する2辺は、第一の方向の一例である。図4〜図7に示す例では、第一折り曲げ部分112、114は、シート102の端部102aと端部102bに平行である。第一折り曲げ部分112と第一折り曲げ部分114は、互いに反対の折り曲げ方向を有する。これにより、シート102は、シート102の端部102aと端部102bに対して平行に複数回折り曲げることができる。
【0029】
第二折り曲げ部分116は、第一折り曲げ部分112、114に対して垂直方向に、一つ形成される。図4〜図7に示す例では、第二折り曲げ部分116は、シート102の端部102cと端部102dに平行である。応援用具100は、第一折り曲げ部分112、114で複数回ジグザグ状に折り曲げられて、第二折り曲げ部分116で1回折り曲げられることで扇形状が形成される。
【0030】
第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116は、折り曲げ形状が保持され、シート102を広げても、図1のように山形形状が保持されている。従って、人が手で強く引っ張ったり、地面上で広げて物を載せたりしない限り、完全に平面状になることはない。また、シート102は、第一折り曲げ部分112、114や、第二折り曲げ部分116に凹部が予め形成されてもよい。これにより、応援用具100のユーザーは応援用具100を容易に畳んだ状態にすることができる。
【0031】
[応援用具100の使用方法]
次に、本実施形態に係る応援用具100の使用方法について説明する。
応援用具100は、平面状にして例えば応援の際の表示やレジャーシート、扇形状にして打音の発生に使用される。
【0032】
応援用具100は、上述したとおり、一面側又は両面側に文字、図形、記号、模様若しくは色彩又はこれらの結合が付されている。よって、図2に示すように、スタジアムなどにおいて、観客10が頭上等で応援用具100を広げて使用することで、応援用具に付された図形150、文字152等が競技場のフィールド側に向けられ、応援メッセージを表示することができる。複数の観客10が一斉に応援用具100を広げれば、更に応援を視覚上効果的に行うことができる。図2は、本実施形態に係る応援用具100の第一の使用状態を示す説明図である
【0033】
また、応援用具100は、レジャーシートと同一の材料で構成されている。従って、ユーザーは応援用具100を広げて使用することで、地面に敷く敷物として使用することもできる。応援用具100は、板紙や厚紙等と異なり、弾性を有し、突き刺し強度を有する素材であるため、地面に敷いてその上に人が座ったり立ったりなどしても、破損するおそれは少ない。
【0034】
更に、応援用具100は、広げられた状態から、第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116を用いて畳まれることで、図3や図9〜図11に示すように、扇形状に形成することができる。よって、図3に示すように、スタジアムなどにおいて、観客が扇形状の応援用具100の端部を一方の手20で把持して、他方の手に当該応援用具100を叩くことで、打音を発生させることができる。これによって、音響面からも応援を効果的に行うことができる。図3は、本実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す説明図である。
【0035】
ユーザーが第二折り曲げ部分116側の端部を把持することで、図9〜図11に示すように、第三折り曲げ部分120が生成される。そして、第二折り曲げ部分116と反対側が扇状に開いて保持される。図9は、本実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す斜視図である。図10は、本実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す平面図である。図11は、図10のB−B’部分拡大図である。
【0036】
次に、図12〜図16を参照して、応援用具100が広げられた状態から扇形状に移行する過程について説明する。
【0037】
図4〜図8に示した応援用具100が広げられた状態から、第一折り曲げ部分112、114の間隔を狭めると、応援用具100は、図12〜図14に示すような比較的緩やかに畳まれた状態に移行する。図12は、本実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す平面図である。図13は、本実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す正面図である。図14は、図13のC−C’部分拡大図である。
【0038】
そして、図12〜図14に示すような比較的緩やかに畳まれた状態から、更に第一折り曲げ部分112、114の間隔を狭めて、かつ第二折り曲げ部分116でシート102を二つに折ると、応援用具100は、図15、図16に示すような扇形状に移行する。即ち、図12〜図16に示す例では、応援用具100の端部102aが第二折り曲げ部分116を挟んで近接するように畳まれることで、応援用具100が扇形状に形成される。
【0039】
そして、ユーザーが第二折り曲げ部分116側の端部を把持することで、上述した通り、応援時に打音を発生するように使用することができる。詳細な説明は省略するが、上述した過程と反対の過程を行うことで、応援用具100は扇形状から広げられた状態に移行することができる。そして、ユーザーは、応援メッセージなどを視覚的に表示したり、レジャーシートとして使用したりすることができる。
【0040】
[応援用具100の製作方法]
次に、本実施形態に係る応援用具100の製作方法について説明する。
まず、広げた状態及び扇形状の両方について、使用時の大きさを考慮して、シート102の大きさを決定する。また、シート102の素材や詳細な仕様、シート102の表面に付する文字や図形などを決定する。そして、決定した大きさやデザインに基づいて、平面状のシート102を作製する。
【0041】
その後、シート102に第一折り曲げ部分112、114を形成する。このとき、シート102に折り曲げ形状が保持されるように比較的強い圧力又は適度な熱をシート102にかける。第一折り曲げ部分112と第一折り曲げ部分114は、互いに反対の折り曲げ方向となるように形成する。図4〜図7に示した例では、第一折り曲げ部分112、114の間隔が均等である場合について示した。このように、第一折り曲げ部分112、114の間隔は、均等であってもよいし、畳んだ状態で扇形状を保持することができれば、第一折り曲げ部分112、114の間隔は均等でなくてもよい。
【0042】
次に、シート102に第二折り曲げ部分116を形成する。図4〜図16に示す例では、第二折り曲げ部分116が端部102cと端部102dの中間部分にある場合について示した。第二折り曲げ部分116の位置は、端部102cと端部102dの中間部分であってもよいし、畳んだ状態で扇形状を保持することができれば、中間部分からずれた位置であってもよい。
【0043】
シート102は、板紙や厚紙のように硬い素材ではなく弾性を有するため、折り曲げ部分が保持されるように折り曲げ部分を形成することは困難である。しかし、一度折り曲げ部分を形成することができれば、シート102の塑性変形によってその折り曲げ部分は解消されにくく、畳んだり広げたりを繰り返し行うことが容易となる。以上の過程を経て、上述した応援用具100が製作される。
【0044】
以上、本実施形態の応援用具100の構成、使用方法、製造方法について説明した。以下では、本実施形態に係る応援用具100の効果について説明する。
【0045】
本実施形態の応援用具100は、シート102のみからなり、シート102に第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116が形成されるだけの構成である。この構成によって、応援用の表示や打音発生が可能となり、容易に応援用具100を製作することができる。従って、部材点数が多かったり、一部分特別な形状を有していたりと加工部分が多く必要な従来の応援用具に比べて、本実施形態の応援用具100は製作が容易であり、多量かつ安価にユーザーに提供できる。その結果、スポーツ観戦において、プロチーム運営者やスタジアム運営者などの事業者が応援用具100を提供しやすくなり、本実施形態の応援用具100は応援をより盛り上げるために活用しやすい。
【0046】
また、本実施形態の応援用具100は、屋外で使用される敷物(レジャーシート)用の材質を有する。従って、応援用の表示や打音発生として使用するだけでなく、レジャーシートと同様の使用をすることができる。例えば、ユーザーは応援用具100を広げて使用することで、地面に敷く敷物として使用することができる。応援用具100は、板紙や厚紙等と異なり、弾性を有し、突き刺し強度を有する素材であるため、地面に敷いてその上に人が座ったり立ったりなどしても、破損するおそれは少ない。また、板紙や厚紙のように硬い素材ではなく弾性を有するため、一度形成された第一折り曲げ部分112、114や第二折り曲げ部分116以外に折り目が付きにくく、扇形状以外に畳まれてしまうという問題が発生しにくい。更に、シート102は耐水性や耐候性に優れ、応援用具100は日除けや雨除けとしても使用することができる。
【0047】
また、シート102は、板紙や厚紙、プラスチック板などと比べて弾性、しなやかさを有する。そのため、板紙や厚紙、プラスチック板などと比べて、万一周囲にいる人に接触する等しても怪我を負わせにくく、人が大勢で込み合ったスタジアムの観客席などにおいて使用されても、応援用具100は安全性を確保できる。
【0048】
このように、応援用具100は、スポーツ観戦や野外活動において多目的使用が可能であり、ユーザーが楽しみながら喜んで使用でき、ユーザーにとって魅力的な製品として提供され得る。
【0049】
更に、本実施形態の応援用具100は、第二折り曲げ部分116で1回折られる構成を有する。従って、第二折り曲げ部分116に相当する折り曲げ部分を有さない従来の応援用具に比べて、複数の平行な折り曲げ部分(第一折り曲げ部分112、114)が少なくても、打音発生に効果的な扇形状を形成できる。即ち、従来の扇形状の応援用具では、一方の手で把持して他方の手に叩くことで効果的に音を鳴らすためには、縦方向に比べて横方向に長いシート材であって縦方向に平行な相当数の折り目が必要であった。
【0050】
一方、本実施形態の応援用具100は、横方向に長いシート102である必要はなく、正方形に近い形状を有するシート102であってもよい。本実施形態の応援用具100は、従来の応援用具に比べて、折り目が少なくてもよいため、応援用具100の製作が容易となる。また、子供が使用しやすいような比較的小型のものであっても、打音発生に効果的な扇形状を形成できる。また、応援用具100を広げた状態としたとき、正方形に近い形状を有することで、一方向に長い長方形形状の応援用具と比べて、今までにない従来と異なる視覚的な表示を実現することも可能となる。
【0051】
更に、従来の応援用具は短辺方向に平行な折り目としていたため、相当数の折り目が必要であった。一方、本実施形態の応援用具100は、第二折り曲げ部分116が形成されるため、本実施形態の応援用具100は、長辺方向に平行な複数の第一折り曲げ部分112、114を設けてもよい。その結果、従来に比べて折り目を減少させながらも、第二折り曲げ部分116で1回折り曲げられることで、結果的に折り曲げ数が多くなり、打音発生に効果的な扇形状を形成できる。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0053】
100 応援用具
102 シート
102a、102b、102c、102d 端部
112、114 第一折り曲げ部分
116 第二折り曲げ部分
120 第三折り曲げ部分
150 図形
152 文字
【技術分野】
【0001】
本発明は、応援用具に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ観戦などで観衆が応援に使用する応援用具は、様々な種類があり、例えば、一方の手で把持して他方の手に叩くことで音を鳴らすことができるように、縦に2分割された所謂Vメガホンやプラスチック製の扇状の所謂ハリセン(張り扇)などがある。また、応援の際、観衆がチームで統一されたユニフォームを着用したり、マフラーを頭上に掲げたりなど一体感を出すこともある。
【0003】
特許文献1には、シート材をジグザグ状に折り曲げ、その端部に手で握る部分が設けられた野球などの応援用表示板に関する技術が開示されている。また、特許文献2には、厚紙で形成された応援用具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−248449号公報
【特許文献2】実用新案登録第3022916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スポーツ観戦において、プロチーム運営者やスタジアム運営者などの事業者が応援用具を提供する等して、応援をより盛り上げることは、事業運営において大事な要素の一つである。その際、応援用具は、多量かつ安価に提供できることが必要である。また、応援用具は、観衆が楽しみながら喜んで使用できるように、観衆にとって魅力的なものであることが望ましい。更に、応援用具を使用してスポーツ観戦する際、応援用具が周囲にいる人に接触する等して怪我を負わせることがないように、応援用具は安全性が確保されたものである必要がある。
【0006】
しかし、特許文献1や特許文献2に開示された技術では、部材点数が多かったり、一部分特別な形状を有していたりと複雑な構成を有しているため、多量かつ安価に提供することが困難である。
【0007】
また、特許文献1に開示された応援用表示板や特許文献2に開示された応援用具は、ジグザグに折り曲げたシート材の一端側を把持して扇状にされる。この構成では、一方の手で把持して他方の手に叩くことで効果的に音を鳴らすためには、縦方向に比べて横方向に長いシート材であって縦方向に平行な相当数の折り目が必要であった。そのため、応援用具を容易に製作することができないという問題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示された応援用表示板はやや硬さのあるシート材を使用しているため、扇状に容易に製作することができないことに加えて、周囲にいる人に接触する等して怪我を負わせるおそれがあり、安全性を確保しにくいという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、スポーツ観戦や野外活動において多目的使用が可能であって、容易に製作しつつ効果的な打音を発生することができ、安全に使用することが可能な、新規かつ改良された応援用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第一の方向に対して平行に複数回ジグザグ状に折り曲げて、第一の方向に対して垂直方向に1回折り曲げることで扇形状が形成され、扇形状に折り曲げられた状態ではなく広げられた状態とすることで、応援用の文字、図形、記号、模様又は色彩が付された面を外部に表示し、屋外で使用される敷物用の材質を有するシートからなる応援用具が提供される。
【0011】
上記シートは、第一の方向に対して平行な第一の折り曲げ部分と、第一の方向に対して垂直な第二の折り曲げ部分とが形成され、折り曲げ形状が保持されてもよい。
【0012】
上記シートは、ポリエチレン製クロスであってもよい。また、上記シートは、表面にポリプロピレン製フィルムがラミネートされてもよい。
【0013】
上記シートは、正方形であってもよい。または、上記シートは、長方形であり、第一の方向は、シートの長辺方向に平行であってもよい。
【0014】
上記シートは、敷物として地面に対して追従容易な厚みを有し、突起物に接触したときに耐え得る突き刺し強度を有してもよい。
【0015】
上記シートは、第一の折り曲げ部分又は第二の折り曲げ部分に凹部が形成されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スポーツ観戦や野外活動において多目的使用が可能であって、容易に製作しつつ効果的な打音を発生することができ、安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。
【図2】同実施形態に係る応援用具100の第一の使用状態を示す説明図である
【図3】同実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す説明図である。
【図4】同実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。
【図5】同実施形態に係る応援用具100を示す正面図である。
【図6】同実施形態に係る応援用具100を示す右側面図である。
【図7】同実施形態に係る応援用具100を示す平面図である。
【図8】図5のA−A’部分拡大図である。
【図9】同実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す斜視図である。
【図10】同実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す平面図である。
【図11】図10のB−B’部分拡大図である。
【図12】同実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す平面図である。
【図13】同実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す正面図である。
【図14】図13のC−C’部分拡大図である。
【図15】同実施形態に係る応援用具100の第二の畳んだ状態を示す平面図である。
【図16】同実施形態に係る応援用具100の第二の畳んだ状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[応援用具100の構成]
まず、本発明の一実施形態に係る応援用具100の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る応援用具100を示す斜視図である。図5は、本実施形態に係る応援用具100を示す正面図である。図6は、本実施形態に係る応援用具100を示す右側面図である。図7は、本実施形態に係る応援用具100を示す平面図である。図8は、図5のA−A’部分拡大図である。
【0020】
本実施形態に係る応援用具100は、シート102からなる。シート102は、屋外で使用される敷物(レジャーシート)用の材質を有する。
【0021】
シート102は、例えば合成樹脂製である。シート102は、フィルム単体、合成樹脂繊維(ヤーン)を織って生成されるクロス、又は不織布などである。シート102がクロスである場合、ヤーンは縦方向及び縦方向に対して垂直な横方向に配置される。また、ヤーンが複数本平行して構成される帯が、縦方向及び横方向に配置されることによって、格子模様を有するクロスが生成されてもよい。
【0022】
シート102の材質としては、様々な合成樹脂を用いることができる。シート102は、例えば、ポリエチレン製クロスである。シート102は、敷物(レジャーシート)として地面に対して追従容易な厚みを有する。また、シート102は、敷物(レジャーシート)として突起物に接触したときに耐え得る突き刺し強度を有する。更に、シート102が合成樹脂であれば、耐水性や耐候性に優れ、日除けや雨除けとしても使用することができる。
【0023】
シート102は、一面側又は両面側の表面に、応援用の文字、図形、記号、模様若しくは色彩又はこれらの結合が付されている。図1のシート102には、一例として動物の顔を表す図形150と、「Japan」からなる文字152が表示されている。
【0024】
また、シート102は、一面側又は両面側に樹脂被覆処理が施されてもよい。樹脂被覆処理としては、例えば基材表面にフィルムを貼るラミネート加工などがある。
【0025】
シート102は、例えば基材がポリエチレンクロス製のクロスであり、表面にポリプロピレン製フィルムがラミネートされたものを使用できる。基材としてポリエチレンクロス製のクロスを用い、更にフィルムを積層することで、シート102をポリエチレンクロス製のクロスのみとする場合に比べて、シート102が丈夫になる。その結果、応援用具100が後述するように打音を発生するために使用される場合に、よりはっきりとした、かつ大きな音量を出すことができる。
【0026】
シート102は、例えば長方形又は正方形である。図4〜図7に示す例では、シート102が正方形である場合について示した。
【0027】
シート102は、第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116を有する。
【0028】
第一折り曲げ部分112と第一折り曲げ部分114は、正方形又は長方形の対向する2辺に対して平行であり、複数形成される。ここで、正方形又は長方形の対向する2辺は、第一の方向の一例である。図4〜図7に示す例では、第一折り曲げ部分112、114は、シート102の端部102aと端部102bに平行である。第一折り曲げ部分112と第一折り曲げ部分114は、互いに反対の折り曲げ方向を有する。これにより、シート102は、シート102の端部102aと端部102bに対して平行に複数回折り曲げることができる。
【0029】
第二折り曲げ部分116は、第一折り曲げ部分112、114に対して垂直方向に、一つ形成される。図4〜図7に示す例では、第二折り曲げ部分116は、シート102の端部102cと端部102dに平行である。応援用具100は、第一折り曲げ部分112、114で複数回ジグザグ状に折り曲げられて、第二折り曲げ部分116で1回折り曲げられることで扇形状が形成される。
【0030】
第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116は、折り曲げ形状が保持され、シート102を広げても、図1のように山形形状が保持されている。従って、人が手で強く引っ張ったり、地面上で広げて物を載せたりしない限り、完全に平面状になることはない。また、シート102は、第一折り曲げ部分112、114や、第二折り曲げ部分116に凹部が予め形成されてもよい。これにより、応援用具100のユーザーは応援用具100を容易に畳んだ状態にすることができる。
【0031】
[応援用具100の使用方法]
次に、本実施形態に係る応援用具100の使用方法について説明する。
応援用具100は、平面状にして例えば応援の際の表示やレジャーシート、扇形状にして打音の発生に使用される。
【0032】
応援用具100は、上述したとおり、一面側又は両面側に文字、図形、記号、模様若しくは色彩又はこれらの結合が付されている。よって、図2に示すように、スタジアムなどにおいて、観客10が頭上等で応援用具100を広げて使用することで、応援用具に付された図形150、文字152等が競技場のフィールド側に向けられ、応援メッセージを表示することができる。複数の観客10が一斉に応援用具100を広げれば、更に応援を視覚上効果的に行うことができる。図2は、本実施形態に係る応援用具100の第一の使用状態を示す説明図である
【0033】
また、応援用具100は、レジャーシートと同一の材料で構成されている。従って、ユーザーは応援用具100を広げて使用することで、地面に敷く敷物として使用することもできる。応援用具100は、板紙や厚紙等と異なり、弾性を有し、突き刺し強度を有する素材であるため、地面に敷いてその上に人が座ったり立ったりなどしても、破損するおそれは少ない。
【0034】
更に、応援用具100は、広げられた状態から、第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116を用いて畳まれることで、図3や図9〜図11に示すように、扇形状に形成することができる。よって、図3に示すように、スタジアムなどにおいて、観客が扇形状の応援用具100の端部を一方の手20で把持して、他方の手に当該応援用具100を叩くことで、打音を発生させることができる。これによって、音響面からも応援を効果的に行うことができる。図3は、本実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す説明図である。
【0035】
ユーザーが第二折り曲げ部分116側の端部を把持することで、図9〜図11に示すように、第三折り曲げ部分120が生成される。そして、第二折り曲げ部分116と反対側が扇状に開いて保持される。図9は、本実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す斜視図である。図10は、本実施形態に係る応援用具100の第二の使用状態を示す平面図である。図11は、図10のB−B’部分拡大図である。
【0036】
次に、図12〜図16を参照して、応援用具100が広げられた状態から扇形状に移行する過程について説明する。
【0037】
図4〜図8に示した応援用具100が広げられた状態から、第一折り曲げ部分112、114の間隔を狭めると、応援用具100は、図12〜図14に示すような比較的緩やかに畳まれた状態に移行する。図12は、本実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す平面図である。図13は、本実施形態に係る応援用具100の第一の畳んだ状態を示す正面図である。図14は、図13のC−C’部分拡大図である。
【0038】
そして、図12〜図14に示すような比較的緩やかに畳まれた状態から、更に第一折り曲げ部分112、114の間隔を狭めて、かつ第二折り曲げ部分116でシート102を二つに折ると、応援用具100は、図15、図16に示すような扇形状に移行する。即ち、図12〜図16に示す例では、応援用具100の端部102aが第二折り曲げ部分116を挟んで近接するように畳まれることで、応援用具100が扇形状に形成される。
【0039】
そして、ユーザーが第二折り曲げ部分116側の端部を把持することで、上述した通り、応援時に打音を発生するように使用することができる。詳細な説明は省略するが、上述した過程と反対の過程を行うことで、応援用具100は扇形状から広げられた状態に移行することができる。そして、ユーザーは、応援メッセージなどを視覚的に表示したり、レジャーシートとして使用したりすることができる。
【0040】
[応援用具100の製作方法]
次に、本実施形態に係る応援用具100の製作方法について説明する。
まず、広げた状態及び扇形状の両方について、使用時の大きさを考慮して、シート102の大きさを決定する。また、シート102の素材や詳細な仕様、シート102の表面に付する文字や図形などを決定する。そして、決定した大きさやデザインに基づいて、平面状のシート102を作製する。
【0041】
その後、シート102に第一折り曲げ部分112、114を形成する。このとき、シート102に折り曲げ形状が保持されるように比較的強い圧力又は適度な熱をシート102にかける。第一折り曲げ部分112と第一折り曲げ部分114は、互いに反対の折り曲げ方向となるように形成する。図4〜図7に示した例では、第一折り曲げ部分112、114の間隔が均等である場合について示した。このように、第一折り曲げ部分112、114の間隔は、均等であってもよいし、畳んだ状態で扇形状を保持することができれば、第一折り曲げ部分112、114の間隔は均等でなくてもよい。
【0042】
次に、シート102に第二折り曲げ部分116を形成する。図4〜図16に示す例では、第二折り曲げ部分116が端部102cと端部102dの中間部分にある場合について示した。第二折り曲げ部分116の位置は、端部102cと端部102dの中間部分であってもよいし、畳んだ状態で扇形状を保持することができれば、中間部分からずれた位置であってもよい。
【0043】
シート102は、板紙や厚紙のように硬い素材ではなく弾性を有するため、折り曲げ部分が保持されるように折り曲げ部分を形成することは困難である。しかし、一度折り曲げ部分を形成することができれば、シート102の塑性変形によってその折り曲げ部分は解消されにくく、畳んだり広げたりを繰り返し行うことが容易となる。以上の過程を経て、上述した応援用具100が製作される。
【0044】
以上、本実施形態の応援用具100の構成、使用方法、製造方法について説明した。以下では、本実施形態に係る応援用具100の効果について説明する。
【0045】
本実施形態の応援用具100は、シート102のみからなり、シート102に第一折り曲げ部分112、114と第二折り曲げ部分116が形成されるだけの構成である。この構成によって、応援用の表示や打音発生が可能となり、容易に応援用具100を製作することができる。従って、部材点数が多かったり、一部分特別な形状を有していたりと加工部分が多く必要な従来の応援用具に比べて、本実施形態の応援用具100は製作が容易であり、多量かつ安価にユーザーに提供できる。その結果、スポーツ観戦において、プロチーム運営者やスタジアム運営者などの事業者が応援用具100を提供しやすくなり、本実施形態の応援用具100は応援をより盛り上げるために活用しやすい。
【0046】
また、本実施形態の応援用具100は、屋外で使用される敷物(レジャーシート)用の材質を有する。従って、応援用の表示や打音発生として使用するだけでなく、レジャーシートと同様の使用をすることができる。例えば、ユーザーは応援用具100を広げて使用することで、地面に敷く敷物として使用することができる。応援用具100は、板紙や厚紙等と異なり、弾性を有し、突き刺し強度を有する素材であるため、地面に敷いてその上に人が座ったり立ったりなどしても、破損するおそれは少ない。また、板紙や厚紙のように硬い素材ではなく弾性を有するため、一度形成された第一折り曲げ部分112、114や第二折り曲げ部分116以外に折り目が付きにくく、扇形状以外に畳まれてしまうという問題が発生しにくい。更に、シート102は耐水性や耐候性に優れ、応援用具100は日除けや雨除けとしても使用することができる。
【0047】
また、シート102は、板紙や厚紙、プラスチック板などと比べて弾性、しなやかさを有する。そのため、板紙や厚紙、プラスチック板などと比べて、万一周囲にいる人に接触する等しても怪我を負わせにくく、人が大勢で込み合ったスタジアムの観客席などにおいて使用されても、応援用具100は安全性を確保できる。
【0048】
このように、応援用具100は、スポーツ観戦や野外活動において多目的使用が可能であり、ユーザーが楽しみながら喜んで使用でき、ユーザーにとって魅力的な製品として提供され得る。
【0049】
更に、本実施形態の応援用具100は、第二折り曲げ部分116で1回折られる構成を有する。従って、第二折り曲げ部分116に相当する折り曲げ部分を有さない従来の応援用具に比べて、複数の平行な折り曲げ部分(第一折り曲げ部分112、114)が少なくても、打音発生に効果的な扇形状を形成できる。即ち、従来の扇形状の応援用具では、一方の手で把持して他方の手に叩くことで効果的に音を鳴らすためには、縦方向に比べて横方向に長いシート材であって縦方向に平行な相当数の折り目が必要であった。
【0050】
一方、本実施形態の応援用具100は、横方向に長いシート102である必要はなく、正方形に近い形状を有するシート102であってもよい。本実施形態の応援用具100は、従来の応援用具に比べて、折り目が少なくてもよいため、応援用具100の製作が容易となる。また、子供が使用しやすいような比較的小型のものであっても、打音発生に効果的な扇形状を形成できる。また、応援用具100を広げた状態としたとき、正方形に近い形状を有することで、一方向に長い長方形形状の応援用具と比べて、今までにない従来と異なる視覚的な表示を実現することも可能となる。
【0051】
更に、従来の応援用具は短辺方向に平行な折り目としていたため、相当数の折り目が必要であった。一方、本実施形態の応援用具100は、第二折り曲げ部分116が形成されるため、本実施形態の応援用具100は、長辺方向に平行な複数の第一折り曲げ部分112、114を設けてもよい。その結果、従来に比べて折り目を減少させながらも、第二折り曲げ部分116で1回折り曲げられることで、結果的に折り曲げ数が多くなり、打音発生に効果的な扇形状を形成できる。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0053】
100 応援用具
102 シート
102a、102b、102c、102d 端部
112、114 第一折り曲げ部分
116 第二折り曲げ部分
120 第三折り曲げ部分
150 図形
152 文字
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の方向に対して平行に複数回ジグザグ状に折り曲げて、前記第一の方向に対して垂直方向に1回折り曲げることで扇形状が形成され、
前記扇形状に折り曲げられた状態ではなく広げられた状態とすることで、応援用の文字、図形、記号、模様又は色彩が付された面を外部に表示し、
屋外で使用される敷物用の材質を有するシートからなる、応援用具。
【請求項2】
前記シートは、
前記第一の方向に対して平行な第一の折り曲げ部分と、
前記第一の方向に対して垂直な第二の折り曲げ部分と
が形成され、折り曲げ形状が保持された、請求項1に記載の応援用具。
【請求項3】
前記シートは、ポリエチレン製クロスである、請求項1又は2に記載の応援用具。
【請求項4】
前記シートは、表面にポリプロピレン製フィルムがラミネートされている、請求項3に記載の応援用具。
【請求項5】
前記シートは、正方形である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の応援用具。
【請求項6】
前記シートは、長方形であり、
前記第一の方向は、前記シートの長辺方向に平行である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の応援用具。
【請求項7】
前記シートは、敷物として地面に対して追従容易な厚みを有し、突起物に接触したときに耐え得る突き刺し強度を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の応援用具。
【請求項8】
前記シートは、前記第一の折り曲げ部分又は前記第二の折り曲げ部分に凹部が形成されている、請求項2〜7のいずれか1項に記載の応援用具。
【請求項1】
第一の方向に対して平行に複数回ジグザグ状に折り曲げて、前記第一の方向に対して垂直方向に1回折り曲げることで扇形状が形成され、
前記扇形状に折り曲げられた状態ではなく広げられた状態とすることで、応援用の文字、図形、記号、模様又は色彩が付された面を外部に表示し、
屋外で使用される敷物用の材質を有するシートからなる、応援用具。
【請求項2】
前記シートは、
前記第一の方向に対して平行な第一の折り曲げ部分と、
前記第一の方向に対して垂直な第二の折り曲げ部分と
が形成され、折り曲げ形状が保持された、請求項1に記載の応援用具。
【請求項3】
前記シートは、ポリエチレン製クロスである、請求項1又は2に記載の応援用具。
【請求項4】
前記シートは、表面にポリプロピレン製フィルムがラミネートされている、請求項3に記載の応援用具。
【請求項5】
前記シートは、正方形である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の応援用具。
【請求項6】
前記シートは、長方形であり、
前記第一の方向は、前記シートの長辺方向に平行である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の応援用具。
【請求項7】
前記シートは、敷物として地面に対して追従容易な厚みを有し、突起物に接触したときに耐え得る突き刺し強度を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の応援用具。
【請求項8】
前記シートは、前記第一の折り曲げ部分又は前記第二の折り曲げ部分に凹部が形成されている、請求項2〜7のいずれか1項に記載の応援用具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−271651(P2010−271651A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125526(P2009−125526)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(506285242)ジョイ・プランニング株式会社 (2)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(506285242)ジョイ・プランニング株式会社 (2)
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