急速固化材料用の複数コンポーネントスプレーガン
複数コンポーネントスプレーガン(1)は発泡材料、ポリ尿素その他の急速固化材料を噴霧するように設計されている。この目的のために、ガン(1)は最小の工具で容易に使用できるように設計されている。たとえば、サイドシールカートリッジ(18)及び(20)は、保持リング(9)を取り外して、それらのカートリッジを流体ハウジング(11)からから引き抜くことによって、工具を使用せずに着脱可能である。カートリッジ(18)及び(20)は容易に分解して清掃できる。同様に、流体ハウジング(11)はロックリング(7)を手で回すことによってハンドル/本体(1)から取り外すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
この出願は2002年10月22日に出願された米国特許出願第60/420,085号、2003年1月21日に出願された米国特許出願第60/441,575号及び2003年4月10日に出願された米国特許出願第60/462,124号の利益を主張している。
【0002】
背景技術
急速固化材料に使用するための複数コンポーネントスプレーガンは、発泡材料及びそれに類似した材料を塗布するのに一般的である。そのような塗布装置は、一般に、そうした材料の塗布に有効であるけれども、それらの装置は扱いにくいことが多く、また、分解及び清掃のために多くの工具や労力を要する。
【発明の開示】
【0003】
発明の開示
複数コンポーネントスプレーガンは発泡材料その他の急速固化材料を噴霧するように設計されている。この目的のために、空気パージバージョンのガンは、最小の工具で容易に使用できるように設計されている。たとえば、サイドシールカートリッジは、保持リングを取り外して、それらのカートリッジをコイン又はドライバを用いて流体ハウジングからから引き抜くことによって、工具を使用せずに着脱可能である。カートリッジは容易に分解して清掃できる。
【0004】
同様に、流体ハウジングは、ロックリングを(手で)回すことによって、ハンドルから取り外すことができる。分解せずに保管するためには、ガンの中へグリースを直接注入することができる。グリースはパージ空気によって混合チャンバ内に分散される。混合チャンバ及びピストンは1/8回転結合(1/8 turn connection)を用いて容易に分離できる。本体内の照準空気通路(sight air passages)の列は機械加工が容易であり、塞がれれば、屋外での使用を容易にする。
【0005】
衝撃孔の清掃は流体を空気に曝すことなく行うことができる。サイドシールカートリッジアセンブリのシール面及び混合チャンバの対応面は優れた耐久性をもたらす金属間シールを形成する硬化された金属材料、たとえば、440Cステンレス鋼などで形成される。
【0006】
機械式パージバージョンのガンにおいては、空気キャップに一対のホーンが設けられている。ホーンは、衝撃チャンバリテーナ上の平坦部の寸法と一致するように離間されており、リテーナが別の工具を使用せずに着脱できるようになっている。
【0007】
従来の代表的なパージガンはバルブロッド(valving rod)をシールするための二組の流体シールを有している。メインシールは通常は締まりばめで、デルリンA−F(Delrin A-F)であり、調節不能である。フロントシールも締まりばめで、UHMWPEで形成され、これも調節不能である。メインシールが摩耗すると、ガンはそのフロント部から流体の「漏出(spit)」を起こし、チップを詰まらせる。シールは一般に同じ速度で摩耗するので、ガンが漏出を起こすと、ユーザーは両方のシールを交換する。
【0008】
衝撃チャンバは第1及び第2の離間した環状チャンバをその周縁に形成し、第1及び第2の組の通路が前記チャンバをその内部通路と連通させている。第1及び第2の組の通路は、同一の軸方向位置において、内部通路へはいり、未混合材料を生成し得るリードラグ状態(lead-lag situation)を防止する。
【0009】
パージロッド用の容易な調節機構が設けられている。容易な調節は、ナットドライバその他の類似した工具を用いて、ガンのリア部でパージロッドを回すことによって行うことができる。パージロッドはピストンにねじ係合されており、一方、ピストンはボア内及びピストン上の相補的な平坦部によってガン本体に対して回転しないようになっている。
【0010】
この発明のこれら及びその他の目的及び利点は添付の図面を参照してなされる以下の記載から一層十分に明らかになるであろう。なお、図面においては、各図面を通して、同一の参照符号は同一又は類似の部材を参照している。
【0011】
発明を実施するための最良の形態
この発明の空気パージスプレーガンは、一般に、番号100で参照され、図1、2及び7にその全体が示されている。ガン100はガン本体1を有する。図2に見られるように、空気通路1aは全て機械加工及び保守の容易化のために視野方向に形成される。ピストン15が取り外されると、それぞれの通路の全体の長さが見え、ドリルビットを用いて容易に清掃することができる。
【0012】
解除可能なピストンストップ28が設けられており、それは、安全ロック4を用いて(押圧及び回転によって)駆動できる。O−リング24及びスプリング30がそれらの間に配置されている。リアシリンダキャップ5がガン本体1のリア部にねじ係合されており、O−リングシール14によってシールされている。一つのピストン15がガン本体1の内部1c(これらは、相対回転を防止するために、相補的な平坦部15a及び1bを有している)にスライドしており、突出したシャフト15aを有している。シール用のO−リング16及び17が設けられている。
【0013】
混合チャンバ19は直径を挟んで相互に対向するように配置された二つの衝撃孔19aを有している。混合チャンバ19は、また、流体ハウジング11に対する角度方向を維持する二つの平坦な側部を有している。混合チャンバ19は、また、その後端部に結合フランジ19cを有している。これは、ピストン突出シャフト15aとの間に1/8回転の押圧及び回転係合(差込継手に類似)を形成するためのものである。サイドシールカートリッジアセンブリ18及び20が、O−リング20dの摩擦ばめ(friction fit)及び保持リング9による半径方向保持の組み合わせによって、流体ハウジング11内に係合され保持されている。
【0014】
保持リング9は、また、混合チャンバ19のフロント部にねじ係合している空気キャップ10を保持している。ロックリング7はリング27によって流体ハウジング11のリア端部に保持されている。シール機能はシール10a、23及び21によって与えられている。この流体チャンバ取付配置によれば、樹脂又はイソ(イソシアネート)流体を大気に暴露することなく、流体セクションを本体から取り外すことができる。大気への暴露はイソの結晶化をもたらす。
【0015】
サイドシールカートリッジアセンブリ18及び20はカートリッジハウジング18a及び20a、スプリング18b及び20b、シール18c及び20c及びO−リング18d、20d、18e及び20eから構成されている。サイドシールカートリッジアセンブリ18及び20のシール面及び混合チャンバ19の対応面は硬化された金属材料、たとえば、440Cステンレス鋼などで形成される。
【0016】
マニホールドアセンブリ12はマニホールドハウジング12a、流体バルブ12b、プラグ12c、ボルト12d及びスイベル12e及び12fから構成されている。流体バルブ12bのそれぞれには六角形のヘッド部を有するワンピースのステム12hが設けられている。ヘッド部には他端部にねじ係合されたシール12iが設けられており、制御される材料の流体流れを開放可能に遮断するようになっている。マニホールド12はボルト12d及びシール用O−リング12gによって流体ハウジング11に取り付けられている。
【0017】
流体ハウジング11の二つのサイドにはチェックバルブ26が配置されている。各チェックバルブ26はハウジング26a、ねじ26b、カーバイドボール26c、スクリーン26d、スプリング26e及びO−リング26f及び26gから構成されている。留意すべきは、流体はスクリーンを通して十分に流れ、従来技術のガンで発生したような流体圧によるスクリーン26dの崩壊が起こらないことである。
【0018】
トリガ13がピン6及びねじ29によって本体1に取り付けられている。トリガ13のリア部は本体1内にあるスプールバルブ32に対して(作業者の操作によって)選択的に接触する。スプールバルブ32には三つのO−リング24、スプリング31及び空気バルブプラグ2が取り付けられている。空気バルブプラグ2はそれに続く空気急速遮断部材35によって後方支持されている。O−リング24はこのガンにおける全てのO−リングと同等のものであり、溶剤耐性を有しているため、(流体部分だけでなく)ガン全体を溶剤中に浸漬して洗浄することができる。また、マフラー22及びプラグ33がガン本体1の底部に設けられている。空気バルブ遮断部材35及びプラグ33は、作業者の必要に応じて、後部又は底部から空気を流入させるために、交換することができる。
【0019】
グリース注入用管継手25が流体ハウジングに設けられており、パージ空気通路8aに接続している。これにより、混合チャンバ19内の流体通路及びガンのフロント端部をグリースで満たすことができる。(グリースはパージ空気と混ざり合って、固化及び結晶化を防止する。)このような注入により、スプレーガンは完全に洗浄された状態で一晩保管することができる。同様に、空気キャップ10はチップ19aのフロント部の周囲の空気を直接取り除いて、そこへの蓄積を防止することができる。
【0020】
機械式パージバージョンのガン40においては、空気キャップ110には一対のホーン110Aが設けられている。これらのホーンは衝撃チャンバリテーナ142の平坦部142Aの寸法に対応するように離間されており、リテーナを別の工具を使用せずに着脱できるようになっている。
【0021】
衝撃チャンバ144は第1及び第2の離間した環状チャンバ146A及び146Bをその周縁に形成し、第1及び第2の組の通路144A及び144Bが前記環状チャンバ146A及び146Bをその内部通路144Cとそれぞれ連通させている。第1及び第2の組の通路144A及び144Bは、同一の軸方向位置において、内部通路144Cへはいり、未混合材料を生成し得るリードラグ状態を防止する。示されているように、このような結果をもたらすために、第1の組の通路144Aは軸方向に対して傾斜しており、第2の組の通路144Bは半径方向であり、軸に対して直角である。
【0022】
パージロッド148用の容易な調節機構が設けられている。容易な調節は、ナットドライバその他の類似した工具を用いて、ガンのリア部でパージロッドのリア端部148Aを回すことによって行うことができる。ワンピースのパージロッドはピストン115にねじ係合されており、一方、ピストン115はボア内及びピストン上の相補的な平坦部(それぞれ、101A及び115Aで示されている)によってガン本体101に対して回転しないようになっている。
【0023】
この発明の調節可能なパッキン154は、チップリテーナ150によって所定の位置に保持されており(チップリテーナ150はチップ152も保持している)、ユーザがフロントシールを適合させる(snug-up)ことによって、漏出を防止できるようになっている。この調節性によって、ユーザはメインパッキンを交換することなく少なくとも一日の作業を終えることができる。
【0024】
機械式パージガンの作業者は、多くの場合、空気流を調節したりチップを交換したりするときには、ガンを安全に起動させなくてはならない。安全装置158は全ての条件下で容易に操作できなくてはならない。ガンは、多くの場合、発泡材料又はポリ尿素(polyurea)の上塗りで被覆されており、安全な起動を困難にしている。ポリエチレンで形成された安全スリーブ156は、上塗りで被覆されている場合であっても、安全装置158が自由に動くようにしている。これは図15及び16に示されている。発泡材料又はポリ尿素はポリエチレンにくっつかない。安全アクチュエータ160上への蓄積がある場合には、安全装置158が起動されるときに、ポリエチレンが上塗りを落とす。
【0025】
発明の精神及び添付の特許請求の範囲によって限定された発明の範囲を逸脱することなく種々の変更及び修正が可能であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の空気パージ形態の斜視図である。
【図2】この発明の部分破断図であり、図1と同じ角度から見た図である。
【図3】この発明のフロント部の部分分解図である。
【図4】この発明のサイドシールカートリッジの部分分解図である。
【図5】流体ハウジングに対する混合チャンバのアセンブリを示す図である。
【図6】ガン本体から取り外された流体ハウジングを示す図である。
【図7】この発明の分解図である。
【図8】この発明の機械式パージ形態の断面図である。
【図9】図8の機械式パージ形態のフロント斜視図であり、衝撃チャンバリテーナから取り外されて逆向きにされた空気キャップを示す図である。
【図10】図8の機械式パージ形態の衝撃チャンバの正面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】図10の12−12線断面図である。
【図13】パッキン配置の部分分解斜視図である。
【図14】パッキン配置の部分分解側面図である。
【図15】安全配置の部分分解斜視図である。
【図16】安全配置の部分分解側面図である。
【図17】図8の機械式パージ形態の部分破断図である。
【技術分野】
【0001】
技術分野
この出願は2002年10月22日に出願された米国特許出願第60/420,085号、2003年1月21日に出願された米国特許出願第60/441,575号及び2003年4月10日に出願された米国特許出願第60/462,124号の利益を主張している。
【0002】
背景技術
急速固化材料に使用するための複数コンポーネントスプレーガンは、発泡材料及びそれに類似した材料を塗布するのに一般的である。そのような塗布装置は、一般に、そうした材料の塗布に有効であるけれども、それらの装置は扱いにくいことが多く、また、分解及び清掃のために多くの工具や労力を要する。
【発明の開示】
【0003】
発明の開示
複数コンポーネントスプレーガンは発泡材料その他の急速固化材料を噴霧するように設計されている。この目的のために、空気パージバージョンのガンは、最小の工具で容易に使用できるように設計されている。たとえば、サイドシールカートリッジは、保持リングを取り外して、それらのカートリッジをコイン又はドライバを用いて流体ハウジングからから引き抜くことによって、工具を使用せずに着脱可能である。カートリッジは容易に分解して清掃できる。
【0004】
同様に、流体ハウジングは、ロックリングを(手で)回すことによって、ハンドルから取り外すことができる。分解せずに保管するためには、ガンの中へグリースを直接注入することができる。グリースはパージ空気によって混合チャンバ内に分散される。混合チャンバ及びピストンは1/8回転結合(1/8 turn connection)を用いて容易に分離できる。本体内の照準空気通路(sight air passages)の列は機械加工が容易であり、塞がれれば、屋外での使用を容易にする。
【0005】
衝撃孔の清掃は流体を空気に曝すことなく行うことができる。サイドシールカートリッジアセンブリのシール面及び混合チャンバの対応面は優れた耐久性をもたらす金属間シールを形成する硬化された金属材料、たとえば、440Cステンレス鋼などで形成される。
【0006】
機械式パージバージョンのガンにおいては、空気キャップに一対のホーンが設けられている。ホーンは、衝撃チャンバリテーナ上の平坦部の寸法と一致するように離間されており、リテーナが別の工具を使用せずに着脱できるようになっている。
【0007】
従来の代表的なパージガンはバルブロッド(valving rod)をシールするための二組の流体シールを有している。メインシールは通常は締まりばめで、デルリンA−F(Delrin A-F)であり、調節不能である。フロントシールも締まりばめで、UHMWPEで形成され、これも調節不能である。メインシールが摩耗すると、ガンはそのフロント部から流体の「漏出(spit)」を起こし、チップを詰まらせる。シールは一般に同じ速度で摩耗するので、ガンが漏出を起こすと、ユーザーは両方のシールを交換する。
【0008】
衝撃チャンバは第1及び第2の離間した環状チャンバをその周縁に形成し、第1及び第2の組の通路が前記チャンバをその内部通路と連通させている。第1及び第2の組の通路は、同一の軸方向位置において、内部通路へはいり、未混合材料を生成し得るリードラグ状態(lead-lag situation)を防止する。
【0009】
パージロッド用の容易な調節機構が設けられている。容易な調節は、ナットドライバその他の類似した工具を用いて、ガンのリア部でパージロッドを回すことによって行うことができる。パージロッドはピストンにねじ係合されており、一方、ピストンはボア内及びピストン上の相補的な平坦部によってガン本体に対して回転しないようになっている。
【0010】
この発明のこれら及びその他の目的及び利点は添付の図面を参照してなされる以下の記載から一層十分に明らかになるであろう。なお、図面においては、各図面を通して、同一の参照符号は同一又は類似の部材を参照している。
【0011】
発明を実施するための最良の形態
この発明の空気パージスプレーガンは、一般に、番号100で参照され、図1、2及び7にその全体が示されている。ガン100はガン本体1を有する。図2に見られるように、空気通路1aは全て機械加工及び保守の容易化のために視野方向に形成される。ピストン15が取り外されると、それぞれの通路の全体の長さが見え、ドリルビットを用いて容易に清掃することができる。
【0012】
解除可能なピストンストップ28が設けられており、それは、安全ロック4を用いて(押圧及び回転によって)駆動できる。O−リング24及びスプリング30がそれらの間に配置されている。リアシリンダキャップ5がガン本体1のリア部にねじ係合されており、O−リングシール14によってシールされている。一つのピストン15がガン本体1の内部1c(これらは、相対回転を防止するために、相補的な平坦部15a及び1bを有している)にスライドしており、突出したシャフト15aを有している。シール用のO−リング16及び17が設けられている。
【0013】
混合チャンバ19は直径を挟んで相互に対向するように配置された二つの衝撃孔19aを有している。混合チャンバ19は、また、流体ハウジング11に対する角度方向を維持する二つの平坦な側部を有している。混合チャンバ19は、また、その後端部に結合フランジ19cを有している。これは、ピストン突出シャフト15aとの間に1/8回転の押圧及び回転係合(差込継手に類似)を形成するためのものである。サイドシールカートリッジアセンブリ18及び20が、O−リング20dの摩擦ばめ(friction fit)及び保持リング9による半径方向保持の組み合わせによって、流体ハウジング11内に係合され保持されている。
【0014】
保持リング9は、また、混合チャンバ19のフロント部にねじ係合している空気キャップ10を保持している。ロックリング7はリング27によって流体ハウジング11のリア端部に保持されている。シール機能はシール10a、23及び21によって与えられている。この流体チャンバ取付配置によれば、樹脂又はイソ(イソシアネート)流体を大気に暴露することなく、流体セクションを本体から取り外すことができる。大気への暴露はイソの結晶化をもたらす。
【0015】
サイドシールカートリッジアセンブリ18及び20はカートリッジハウジング18a及び20a、スプリング18b及び20b、シール18c及び20c及びO−リング18d、20d、18e及び20eから構成されている。サイドシールカートリッジアセンブリ18及び20のシール面及び混合チャンバ19の対応面は硬化された金属材料、たとえば、440Cステンレス鋼などで形成される。
【0016】
マニホールドアセンブリ12はマニホールドハウジング12a、流体バルブ12b、プラグ12c、ボルト12d及びスイベル12e及び12fから構成されている。流体バルブ12bのそれぞれには六角形のヘッド部を有するワンピースのステム12hが設けられている。ヘッド部には他端部にねじ係合されたシール12iが設けられており、制御される材料の流体流れを開放可能に遮断するようになっている。マニホールド12はボルト12d及びシール用O−リング12gによって流体ハウジング11に取り付けられている。
【0017】
流体ハウジング11の二つのサイドにはチェックバルブ26が配置されている。各チェックバルブ26はハウジング26a、ねじ26b、カーバイドボール26c、スクリーン26d、スプリング26e及びO−リング26f及び26gから構成されている。留意すべきは、流体はスクリーンを通して十分に流れ、従来技術のガンで発生したような流体圧によるスクリーン26dの崩壊が起こらないことである。
【0018】
トリガ13がピン6及びねじ29によって本体1に取り付けられている。トリガ13のリア部は本体1内にあるスプールバルブ32に対して(作業者の操作によって)選択的に接触する。スプールバルブ32には三つのO−リング24、スプリング31及び空気バルブプラグ2が取り付けられている。空気バルブプラグ2はそれに続く空気急速遮断部材35によって後方支持されている。O−リング24はこのガンにおける全てのO−リングと同等のものであり、溶剤耐性を有しているため、(流体部分だけでなく)ガン全体を溶剤中に浸漬して洗浄することができる。また、マフラー22及びプラグ33がガン本体1の底部に設けられている。空気バルブ遮断部材35及びプラグ33は、作業者の必要に応じて、後部又は底部から空気を流入させるために、交換することができる。
【0019】
グリース注入用管継手25が流体ハウジングに設けられており、パージ空気通路8aに接続している。これにより、混合チャンバ19内の流体通路及びガンのフロント端部をグリースで満たすことができる。(グリースはパージ空気と混ざり合って、固化及び結晶化を防止する。)このような注入により、スプレーガンは完全に洗浄された状態で一晩保管することができる。同様に、空気キャップ10はチップ19aのフロント部の周囲の空気を直接取り除いて、そこへの蓄積を防止することができる。
【0020】
機械式パージバージョンのガン40においては、空気キャップ110には一対のホーン110Aが設けられている。これらのホーンは衝撃チャンバリテーナ142の平坦部142Aの寸法に対応するように離間されており、リテーナを別の工具を使用せずに着脱できるようになっている。
【0021】
衝撃チャンバ144は第1及び第2の離間した環状チャンバ146A及び146Bをその周縁に形成し、第1及び第2の組の通路144A及び144Bが前記環状チャンバ146A及び146Bをその内部通路144Cとそれぞれ連通させている。第1及び第2の組の通路144A及び144Bは、同一の軸方向位置において、内部通路144Cへはいり、未混合材料を生成し得るリードラグ状態を防止する。示されているように、このような結果をもたらすために、第1の組の通路144Aは軸方向に対して傾斜しており、第2の組の通路144Bは半径方向であり、軸に対して直角である。
【0022】
パージロッド148用の容易な調節機構が設けられている。容易な調節は、ナットドライバその他の類似した工具を用いて、ガンのリア部でパージロッドのリア端部148Aを回すことによって行うことができる。ワンピースのパージロッドはピストン115にねじ係合されており、一方、ピストン115はボア内及びピストン上の相補的な平坦部(それぞれ、101A及び115Aで示されている)によってガン本体101に対して回転しないようになっている。
【0023】
この発明の調節可能なパッキン154は、チップリテーナ150によって所定の位置に保持されており(チップリテーナ150はチップ152も保持している)、ユーザがフロントシールを適合させる(snug-up)ことによって、漏出を防止できるようになっている。この調節性によって、ユーザはメインパッキンを交換することなく少なくとも一日の作業を終えることができる。
【0024】
機械式パージガンの作業者は、多くの場合、空気流を調節したりチップを交換したりするときには、ガンを安全に起動させなくてはならない。安全装置158は全ての条件下で容易に操作できなくてはならない。ガンは、多くの場合、発泡材料又はポリ尿素(polyurea)の上塗りで被覆されており、安全な起動を困難にしている。ポリエチレンで形成された安全スリーブ156は、上塗りで被覆されている場合であっても、安全装置158が自由に動くようにしている。これは図15及び16に示されている。発泡材料又はポリ尿素はポリエチレンにくっつかない。安全アクチュエータ160上への蓄積がある場合には、安全装置158が起動されるときに、ポリエチレンが上塗りを落とす。
【0025】
発明の精神及び添付の特許請求の範囲によって限定された発明の範囲を逸脱することなく種々の変更及び修正が可能であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の空気パージ形態の斜視図である。
【図2】この発明の部分破断図であり、図1と同じ角度から見た図である。
【図3】この発明のフロント部の部分分解図である。
【図4】この発明のサイドシールカートリッジの部分分解図である。
【図5】流体ハウジングに対する混合チャンバのアセンブリを示す図である。
【図6】ガン本体から取り外された流体ハウジングを示す図である。
【図7】この発明の分解図である。
【図8】この発明の機械式パージ形態の断面図である。
【図9】図8の機械式パージ形態のフロント斜視図であり、衝撃チャンバリテーナから取り外されて逆向きにされた空気キャップを示す図である。
【図10】図8の機械式パージ形態の衝撃チャンバの正面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【図12】図10の12−12線断面図である。
【図13】パッキン配置の部分分解斜視図である。
【図14】パッキン配置の部分分解側面図である。
【図15】安全配置の部分分解斜視図である。
【図16】安全配置の部分分解側面図である。
【図17】図8の機械式パージ形態の部分破断図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
ガン本体と、
空気キャップと、
前記ガンハウジングに着脱可能に取り付けられた流体ハウジングと、
第1及び第2のシールカートリッジと、
を有し、前記流体ハウジングは前記空気キャップをねじ係合によって受容するためのねじ面と、前記ねじ面における一般に対向した第1及び第2の半径方向ポートとを有し、
第1及び第2のシールカートリッジは摩擦及び前記空気キャップによって前記ポート内に保持されているスプレーガン。
【請求項2】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
第1及び第2の部材を有する押圧及び回転コネクタと、
ガン本体と、
混合チャンバを有する流体ハウジングと、
ロックリングと、
を有し、前記ガン本体はその中にスライド可能に配置されたピストンを有し、前記ピストン上には前記コネクタの第1の部材が配置され、
混合チャンバはその中にスライド可能に配置されるとともに前記流体ハウジングから後方へ延び、前記混合チャンバ上には前記コネクタの第2の部材が配置され、
ロックリングは前記ガン本体とねじ係合するように前記流体ハウジング上に配置され、前記ロックリングを回すとともに前記コネクタを回すことによって、前記流体ハウジング及び前記ガン本体が工具を使わずに分離できるようになっており、それによって、前記流体セクションが前記複数コンポーネント材料を大気に暴露させることなく前記ガン本体から取り外せるようになっているスプレーガン。
【請求項3】
前記ガン本体内にある空気バルブと、
前記ガン本体の内部にある通路内に配置されたピストンと、
前記空気バルブと前記内部とを連結する複数の空気通路と、
をさらに有し、前記通路のそれぞれはまっすぐであり、前記ガン本体の外側から視野方向にアクセス可能である請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項4】
前記空気バルブはたった三つのシールで前記ガン本体に係合している請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項5】
前記空気バルブは前記ガン本体内のマフラーに連結されている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項6】
前記流体ハウジングに着脱可能に取り付けられた流体マニホールドをさらに有し、前記流体マニホールドはO−リングによって流体ハウジングに対してシールされている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項7】
流体マニホールドをさらに有し、前記流体マニホールドは本体と、複数コンポーネント材料の第1及び第2の要素に接続するための第1及び第2のバルブとを有し、前記第1及び第2のバルブのそれぞれが、
ワンピースのステムと、
前記マニホールドの本体に対してシール係合するシールと、
を有し、ステムはヘッド部を有し、開位置又は閉位置への操作ができるようになっている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項8】
前記流体ハウジングに配置された混合チャンバをさらに有し、前記混合チャンバはチップと、前記チップに空気を導くためのクリーンオフ空気通路とを有している請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項9】
前記流体ハウジング内に配置された混合チャンバと、
前記流体ハウジング内に配置されたパージ空気通路と、
前記流体ハウジング内にあるグリース注入用管継手と、
を有し、グリース注入用管継手は前記パージ空気通路に連結され、保護材料を受容できるようになっている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項10】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
ガン本体と、
前記ガン本体内にあるピストンと、
前記ガン本体に取り付けられた流体ハウジングと、
前記ピストンから前記流体ハウジングを通って延びるパージロッドと、
混合モジュールと、
を有し、前記混合モジュール内には前記パージロッドが軸に沿って挿通されており、前記混合モジュールは複数コンポーネント材料の第1及び第2の要素に接続するための第1及び第2の組の流体通路を有し、前記通路のそれぞれは前記パージロッドに隣接する内側端部と、外側端部とを有し、前記通路の内側端部は前記軸に直交するほぼ同一の面内に配置されており、前記第1及び第2の組の通路の外側端部は前記軸に直交する異なる面内に配置されているスプレーガン。
【請求項11】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
ガン本体と、
前記ガン本体内にあるピストンと、
前記ガン本体に取り付けられた流体ハウジングと、
前記ピストンから前記流体ハウジングを通って延びるパージロッドと、
前記流体ハウジング内に配置された混合モジュールと、
保持リングと、
前記流体ハウジングにねじ係合によって取り付けられた空気キャップと、
を有し、前記混合モジュール内には前記パージロッドが軸に沿って挿通されており、
前記保持リングは前記混合モジュールを着脱可能に保持するために前記流体ハウジングに対してねじ係合によって取り付けられ、
前記空気キャップは前記空気キャップが取り外されたときに前記保持リングに係合させるためのラグを有し、前記保持リングを締め付けたり緩めたりすることができるようになっているスプレーガン。
【請求項12】
前記ガン本体内にある空気バルブと、
前記ガン本体の内部にある通路内に配置されたピストンと、
前記空気バルブと前記内部とを連結する複数の空気通路と、
をさらに有し、前記通路のそれぞれはまっすぐであり、前記ガン本体の外側から視野方向にアクセス可能である請求項11記載のスプレーガン。
【請求項13】
前記空気バルブはたった三つのシールで前記ガン本体に係合している請求項11に記載のスプレーガン。
【請求項14】
前記空気バルブは前記ガン本体内のマフラーに連結されている請求項11に記載のスプレーガン。
【請求項15】
前記流体ハウジングに着脱可能に取り付けられた流体マニホールドをさらに有し、前記流体マニホールドはO−リングによって流体ハウジングに対してシールされている請求項11に記載のスプレーガン。
【請求項1】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
ガン本体と、
空気キャップと、
前記ガンハウジングに着脱可能に取り付けられた流体ハウジングと、
第1及び第2のシールカートリッジと、
を有し、前記流体ハウジングは前記空気キャップをねじ係合によって受容するためのねじ面と、前記ねじ面における一般に対向した第1及び第2の半径方向ポートとを有し、
第1及び第2のシールカートリッジは摩擦及び前記空気キャップによって前記ポート内に保持されているスプレーガン。
【請求項2】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
第1及び第2の部材を有する押圧及び回転コネクタと、
ガン本体と、
混合チャンバを有する流体ハウジングと、
ロックリングと、
を有し、前記ガン本体はその中にスライド可能に配置されたピストンを有し、前記ピストン上には前記コネクタの第1の部材が配置され、
混合チャンバはその中にスライド可能に配置されるとともに前記流体ハウジングから後方へ延び、前記混合チャンバ上には前記コネクタの第2の部材が配置され、
ロックリングは前記ガン本体とねじ係合するように前記流体ハウジング上に配置され、前記ロックリングを回すとともに前記コネクタを回すことによって、前記流体ハウジング及び前記ガン本体が工具を使わずに分離できるようになっており、それによって、前記流体セクションが前記複数コンポーネント材料を大気に暴露させることなく前記ガン本体から取り外せるようになっているスプレーガン。
【請求項3】
前記ガン本体内にある空気バルブと、
前記ガン本体の内部にある通路内に配置されたピストンと、
前記空気バルブと前記内部とを連結する複数の空気通路と、
をさらに有し、前記通路のそれぞれはまっすぐであり、前記ガン本体の外側から視野方向にアクセス可能である請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項4】
前記空気バルブはたった三つのシールで前記ガン本体に係合している請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項5】
前記空気バルブは前記ガン本体内のマフラーに連結されている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項6】
前記流体ハウジングに着脱可能に取り付けられた流体マニホールドをさらに有し、前記流体マニホールドはO−リングによって流体ハウジングに対してシールされている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項7】
流体マニホールドをさらに有し、前記流体マニホールドは本体と、複数コンポーネント材料の第1及び第2の要素に接続するための第1及び第2のバルブとを有し、前記第1及び第2のバルブのそれぞれが、
ワンピースのステムと、
前記マニホールドの本体に対してシール係合するシールと、
を有し、ステムはヘッド部を有し、開位置又は閉位置への操作ができるようになっている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項8】
前記流体ハウジングに配置された混合チャンバをさらに有し、前記混合チャンバはチップと、前記チップに空気を導くためのクリーンオフ空気通路とを有している請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項9】
前記流体ハウジング内に配置された混合チャンバと、
前記流体ハウジング内に配置されたパージ空気通路と、
前記流体ハウジング内にあるグリース注入用管継手と、
を有し、グリース注入用管継手は前記パージ空気通路に連結され、保護材料を受容できるようになっている請求項1に記載のスプレーガン。
【請求項10】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
ガン本体と、
前記ガン本体内にあるピストンと、
前記ガン本体に取り付けられた流体ハウジングと、
前記ピストンから前記流体ハウジングを通って延びるパージロッドと、
混合モジュールと、
を有し、前記混合モジュール内には前記パージロッドが軸に沿って挿通されており、前記混合モジュールは複数コンポーネント材料の第1及び第2の要素に接続するための第1及び第2の組の流体通路を有し、前記通路のそれぞれは前記パージロッドに隣接する内側端部と、外側端部とを有し、前記通路の内側端部は前記軸に直交するほぼ同一の面内に配置されており、前記第1及び第2の組の通路の外側端部は前記軸に直交する異なる面内に配置されているスプレーガン。
【請求項11】
急速固化複数コンポーネント材料用のスプレーガンであって、前記スプレーガンが、
ガン本体と、
前記ガン本体内にあるピストンと、
前記ガン本体に取り付けられた流体ハウジングと、
前記ピストンから前記流体ハウジングを通って延びるパージロッドと、
前記流体ハウジング内に配置された混合モジュールと、
保持リングと、
前記流体ハウジングにねじ係合によって取り付けられた空気キャップと、
を有し、前記混合モジュール内には前記パージロッドが軸に沿って挿通されており、
前記保持リングは前記混合モジュールを着脱可能に保持するために前記流体ハウジングに対してねじ係合によって取り付けられ、
前記空気キャップは前記空気キャップが取り外されたときに前記保持リングに係合させるためのラグを有し、前記保持リングを締め付けたり緩めたりすることができるようになっているスプレーガン。
【請求項12】
前記ガン本体内にある空気バルブと、
前記ガン本体の内部にある通路内に配置されたピストンと、
前記空気バルブと前記内部とを連結する複数の空気通路と、
をさらに有し、前記通路のそれぞれはまっすぐであり、前記ガン本体の外側から視野方向にアクセス可能である請求項11記載のスプレーガン。
【請求項13】
前記空気バルブはたった三つのシールで前記ガン本体に係合している請求項11に記載のスプレーガン。
【請求項14】
前記空気バルブは前記ガン本体内のマフラーに連結されている請求項11に記載のスプレーガン。
【請求項15】
前記流体ハウジングに着脱可能に取り付けられた流体マニホールドをさらに有し、前記流体マニホールドはO−リングによって流体ハウジングに対してシールされている請求項11に記載のスプレーガン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2006−511343(P2006−511343A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501645(P2005−501645)
【出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/033422
【国際公開番号】WO2004/037429
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(502070613)グラコ ミネソタ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/033422
【国際公開番号】WO2004/037429
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(502070613)グラコ ミネソタ インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]