説明

急速湯沸かし器およびその湯沸かし器を備える家庭電化製品

本発明は、水タンク(7)から重力によって給水を受ける沸騰チャンバを備えた飲料調製用家庭電化製品のための湯沸かし器(2)であって、前記チャンバは、底部、垂直隔壁および加熱手段(30)を備える。本発明によれば、垂直隔壁の面積はチャンバの底部の面積よりも広く、加熱手段(30)は、前記垂直隔壁に付加されたスクリーン印刷による電気抵抗(31)によって形成される。本発明は、上述のタイプの湯沸かし器を備える家庭電化製品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温水を生成するための湯沸かし器を備える家庭電化製品の一般技術分野に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、かかる湯沸かし器を備える飲料調製用の家庭電化製品に関する。
【背景技術】
【0003】
欧州特許出願公開第1076503号明細書により、加熱要素を受ける底部を有する沸騰チャンバを備える家庭電化製品用のボイラ型湯沸かし器を実現することが知られている。沸騰チャンバは、逆止弁を備えた管路を介して水タンクとつながれた入口を有する導水管を備える。沸騰チャンバは、先端が沸騰チャンバ底部に近接して配置された下部と、チャンバの外に露出した上部とを備える加熱水の立上がり排出管を備える。排出管は垂直であり、沸騰チャンバ内において前記チャンバの天井付近に開口部を有する。かかる湯沸かし器は、チャンバへの給水が水タンクから重力によって行われ、ポンプを必要としないため、経済的に実現できるという利点がある。しかし、底部の面積は限られており、強力な加熱要素を設置するための水との大きな熱交換面積を確保することはできない。そのため、加熱は緩慢となり、高温水の流れを得るまでの待ち時間は長く、高温水の生成量も少ない。さらに、加熱要素は熱的慣性が大きいため、サイクル途中で加熱を中止しても高温水が流れ続け、高温水を受ける容器があふれる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1076503号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の1つは、上述の不都合を改善し、家庭電化製品において高温水を迅速かつ大量に生成することができる湯沸かし器を提案することにある。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、家庭電化製品において、きわめて単純な設計を有し、経済的に実施することができる高温水生成のための湯沸かし器を提案することにある。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、家庭電化製品において、信頼性があり、完璧に安全に動作する高温水生成のための湯沸かし器を提案することにある。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、上述のタイプの湯沸かし器を備えた家庭電化製品を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、水タンクから重力によって給水を受ける沸騰チャンバを備える飲料調製用家庭電化製品のための湯沸かし器であって、チャンバは底部、垂直隔壁および加熱手段を有しており、垂直隔壁の面積はチャンバの底部の面積よりも広く、加熱手段は、垂直隔壁に付加されたスクリーン印刷による電気抵抗によって形成される湯沸かし器によって達成される。
【0010】
かかる湯沸かし器にあっては、加熱手段と水の間の熱交換面積は広く、高温水を迅速かつ大量に生成することが可能となる。
【0011】
スクリーン印刷による電気抵抗は、熱的慣性の小さい加熱手段を得ることを可能にするものであり、したがって湯沸かし器のきわめて迅速な発熱を得ることができる。さらに、サイクル途中でスクリーン印刷による電気抵抗の電源が切れると、高温水の生成は直ちに停止する。スクリーン印刷による電気抵抗の塗着は、垂直隔壁の表面に抵抗を均一に分布させることができ、それによってホットスポットを防ぐことができる。
【0012】
高温水を複数の小さなショットで生成するのに最適な延伸形の垂直な沸騰チャンバを得る。小さなショットを作り出すことで、少量ずつの高温水を継続的に生成することができ、それによって連続した流れに近い流れを得ることができる。
【0013】
重力によるチャンバへの給水は、ポンプのような高価な構成品の使用を回避するとともに、単純で経済的な設計を可能にする。可動部品を有するポンプや電磁弁のような電気的構成品がないため、きわめて信頼性の高い湯沸かし器を得ることができる。
【0014】
有利には、湯沸かし器は給水側に逆止弁を備え、沸騰チャンバは、下端が沸騰チャンバの底部に近接して配置された加熱水の排出用立上がり管が貫通する天井部を備え、立上がり管は、前記チャンバの天井部付近の沸騰チャンバ内に開口部を有する。
【0015】
この構成により、きわめて経済的な重力給水式の湯沸かし器を得ることができる。
【0016】
さらに、チャンバの垂直隔壁上にスクリーン印刷による電気抵抗を付加した構造により、沸騰開始時に隔壁の内面に蒸気を発生させることができる。発生した蒸気は、高温水をチャンバの中央へと押しやり、それによって立上がり管による高温水の吐出が促進される。
【0017】
有利には、立上がり管はチャンバの中央に配置される。
【0018】
好ましくは、チャンバは少なくとも1つの逆止弁を備える加熱水排出口を有する。
【0019】
チャンバ内の加熱水が立上がり管から吐出されると、チャンバ内に負圧が生じる。チャンバの出口の逆止弁が閉じ、給水側の逆止弁のみを通してきわめて迅速に補給が行われる。これにより、湯沸かし器の補給の際に加熱要素の電源を切ることなく、高温水生成サイクルを次々と繰り出していくことができる。この構成により、絶え間ない給電/切断サイクルに関連する規範的問題を回避することができる。
【0020】
有利には、スクリーン印刷による電気抵抗は、低位の第1のポイントと高位の第2のポイントの間で垂直隔壁上に広がり、チャンバは、低位の第1のポイントを通る第1の水平面と、高位の第2のポイントを通る第2の水平面との間で垂直隔壁内に包含される容積の少なくとも10パーセントの制限手段を有する。
【0021】
この構成は、加熱手段と水の間の熱交換面積を同一に保ちながら、加熱する水の体積を減らすことを可能にする。そうすることで、湯沸かし器によって小さなショットの水が生成され、それぞれのショットがきわめて迅速に繰り出されることで、高温水の流れは連続した流れに近いものとなる。
【0022】
好ましくは、チャンバは下部栓と上部栓を備え、少なくともその一方の栓は、チャンバの内側に向けて延びる突出部を有する。突出部は容積の制限手段を形成する。
【0023】
この構成は、容積の制限手段をきわめて経済的に実現することができる。
【0024】
有利には、下部栓は円錐形の突出部を備える。
【0025】
この構成は、湯沸かし器によって生成される水の温度を高くすることができる。
【0026】
本出願人は、湯沸かし器においては、水の温度がその体積全体で同じ速度で上昇するわけでないことを明らかにした。乱流にほとんど、または全くさらされることがなく、垂直隔壁に接していないゾーンが存在する。円錐形をなすこのゾーンは、立上がり管の足元に存在し、その立上がり管に沿って上方に延びる。下部栓の円錐形の突出部によって、あまり水温の上がらないこのゾーンは存在しなくなる。
【0027】
有利には、スクリーン印刷による電気抵抗は、低位の第1のポイントと高位の第2のポイントの間で垂直隔壁上に広がり、チャンバは、低位の第1のポイントを通る第1の水平面と、高位の第2のポイントを通る第2の水平面との間で垂直隔壁によって画定される容積の少なくとも10パーセントの増大手段を有する。
【0028】
この構成は、スクリーン印刷による電気抵抗および垂直隔壁に使用される材料、たとえば耐食性の金属材料の量を加熱手段との関係で最適化することを可能にする。
【0029】
好ましくは、チャンバは下部栓と上部栓を備え、前記栓の少なくとも一方はチャンバの外側に向けて延びる突出部を有しており、前記突出部は容積の増大手段を形成する。
【0030】
この構成は、チャンバの容積の増大手段をきわめて経済的に実現することができる。
【0031】
有利には、出口は、沸騰前に最初に立上がり管内にあった水とチャンバ内の水との分離手段に接続される。
【0032】
動作時には、立上がり管の中にある水の温度の上がり方は、チャンバの垂直隔壁と立上がり管の外側の間にある水よりも緩慢である。そのため、吐出時には、立上がり管の中にある水は沸騰には至っていない。この構成は、この体積部分の水をチャンバ内の沸騰したその他の体積部分の水から分離することで、沸騰温度に近い高温水の生成を可能にする。
【0033】
好ましくは、分離手段は、チャンバ内の水を排出するために出口に接続されたほぼ垂直な管路と、立上がり管内の水を排出するために出口を水タンクに接続する傾斜した管路とを備える。
【0034】
チャンバの高温水の吐出時には、沸騰初期に発生した圧力によって立上がり管内にある水はゆっくりと押され、次いで傾斜した管路の中を重力によって水タンクの方へ流れる。沸騰に至ると、チャンバ内の圧力は、それによって水が垂直な排出管内を通って高温水出口の方へ向かうのに十分な速度で立上がり管内を押し上げられるまでになる。そのため、この構成は、立上がり管内にある水とチャンバ内にある水との分離手段であって、実施するのにきわめて単純で、きわめて経済的な手段を実現することができる。
【0035】
有利には、出口は、水と蒸気の分離チャンバに接続される。
【0036】
この構成は、噴出を抑えて出口における高温水の穏やかな流れを得ることを可能にするとともに、管路から蒸気が放出されることで、水が確かに沸騰にまで至ったことをユーザーが視覚的に確認することを可能にする。
【0037】
好ましくは、分離チャンバは、蒸気排出管路を形成する区画を画定する内部隔壁および外部隔壁を少なくとも部分的に備える。
【0038】
この構成は、チャンバの隔壁の加熱に蒸気を活用することを可能にするものであり、それによって、湯沸かし器から出る高温水が冷めるのを防ぐことを可能にする。有利には、分離チャンバを形成するものとして選ばれる材料は、熱的慣性が小さいものであり、とりわけ薄手のプラスチックである。
【0039】
有利には、出湯口は高温水の流れの流量が制限されるように寸法が決定され、分離チャンバはバッファタンクの働きもする。
【0040】
この構成は、連続的な流れを得ることを可能にする。
【0041】
本発明はまた、上述したような湯沸かし器を備えた家庭電化製品にも関する。
【0042】
好ましくは、製品は高温水を供給する装置である。
【0043】
この構成は、高温水を迅速かつ大量に生成する給水器型の装置を得ることを可能にする。
【0044】
本発明は、何ら限定的でないものとして取り上げ、添付の図面で説明する実施形態について検討することによって、よりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の1つの具体的な実施形態による湯沸かし器の斜視図である。
【図2】図1に図示した湯沸かし器の断面図である。
【図3】図1に図示した湯沸かし器の加熱手段の平面展開図である。
【図4】図1に示した湯沸かし器の変形実施形態によるチャンバの断面図である。
【図5】図1に示した湯沸かし器の変形実施形態によるチャンバの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1および図2に示した実施形態では、湯沸かし器2は、垂直隔壁を形成する円筒形本体3を備える。本体3は沸騰チャンバ4を画定し、沸騰チャンバ4は、チャンバ4内への注水のために2つの入口11、12が開けられた下部栓10をその下端に備える。本体3は、チャンバ4内に導入された水を加熱するためのスクリーン印刷による電気抵抗31を含む加熱手段30を備える。円筒形本体3は、チャンバ4内に生成される高温水の抽出用に出口21が開けられた上部栓20をその上端に有する。出口21からは、高温水を押し出す働きをする蒸気も放出される。
【0047】
チャンバ4は、出口21に対して心合わせされ、チャンバ4の天井部を形成する上部栓20と一体をなす上端を有する加熱水の排出用立上がり管5を備える。立上がり管5の上端は、立上がり管5の内部とチャンバ4との連絡を確保する開口部6を有する。立上がり管5の下端は下部栓10に近接して配置される。
【0048】
チャンバ4は、配管8を介して水タンク7から重力によって給水を受ける。そのため、水タンク7の低位はチャンバ4の加熱手段30よりも上に位置する。
【0049】
下部栓10に開けられた入口11、12は、高温水が水タンク7に戻るのを防ぐための玉形逆止弁13、14をそれぞれ1つずつ備えている。
【0050】
上部栓20に開けられた出口21も、チャンバ4の補給が円滑に行われるように玉形逆止弁22を備えている。
【0051】
出口21は、垂直に配置された管路41によって延伸される。管路41の上端は、管路41と水タンク7をつなぐ傾斜した管路42と、管路41の中心線上に垂直に配置された排出管路43とに分かれる。排出管路43は、高温水と蒸気の分離チャンバ45内に開口する。
【0052】
分離チャンバ45は、丸みを帯びた形状の天井部46、垂直な内部隔壁47、外部隔壁57および傾斜した底部48を備える。排出管路43は、垂直な隔壁47の近傍に設けられ、天井部46の近くに開口する。傾斜した底部48は出湯口40を備える。分離チャンバ45は、垂直な内部隔壁47と天井部46の結合部に、分離チャンバ45の上部を蒸気排出管路49をなす環状空間とつなぐ開孔部60を有する。開孔部60は水平方向に配置されて、そらせ板を形成し、蒸気だけを通すようにする。天井部46、内部隔壁47、外部隔壁57および傾斜した底部48はプラスチック材料で製作され、約1ミリメートルの厚さを有する。
【0053】
上部栓20は、チャンバ4の外側に向けて延びる突出部23であって、各加熱サイクルで加熱される水の体積を増やすことができる突出部23を有する。
【0054】
図4に示す変形実施形態では、上部栓は突出部を有しておらず、下部栓10が、チャンバ内側に向けて延びる突出部50であって、チャンバの容積を制限することができる突出部50を有している。突出部50は円環状をなし、立上がり管を取り囲んで設けられる。突出部は、チャンバと立上がり管の下端とをつなぐ開口部52を下方に形成する垂直の切込み51を備える。
【0055】
図5に示す変形実施形態では、上部栓は突出部を有しておらず、下部栓10が、チャンバ内側に向けて延びる突出部50であって、チャンバの容積を制限することができる突出部50を有している。突出部50は円錐形をなし、立上がり管を取り囲んで設けられる。突出部は、チャンバと立上がり管の下端とをつなぐ少なくとも1つの流路53を下方に備える。流路の入口53は、チャンバの垂直な隔壁に近接して配置される。吐出の際には、水は、熱せられた垂直な隔壁沿いを通ることを強制される。
【0056】
図3は、円筒形本体3を加熱手段30とともに平面に展開したものである。スクリーン印刷による電気抵抗31は、円筒形本体3の垂直な隔壁の高さにわたって広がる2つのスクリーン印刷トラックの形で実現される。スクリーン印刷トラックは、エナメル材料層など、絶縁体である支持体の上に配置される。スクリーン印刷トラックは、操作手段(図示せず)との接続パッド32、33を有する。
【0057】
湯沸かし器2は、本体3の温度が指定温度を超えると電源を切るサーモスタット型の温度調節手段と、異常な過熱状態となったときに電源を切るヒューズ型の熱的保安手段とを備える(図示せず)。
【0058】
動作時、ユーザーは水タンク7にその準備のために必要な水を満たす。水は、入口11、12から玉形逆止弁13、14を通してチャンバ4内に入る。水位は、重力により、立上がり管5の下端まで上昇する。そこからさらに、水は、水タンク7内の水位がチャンバ4内の水位と均衡するに至るまで、開口部6を通して、次いで上部栓20に開けられた出口21を通してチャンバ4内の空気を追い出す。
【0059】
ユーザーは、スクリーン印刷による電気抵抗31の電源を操作して、3000W前後の加熱出力が得られるようにする。チャンバ4内の水が沸騰へと至り、本体3の隔壁に沿って蒸気が発生し始める。開口部6は、発生した蒸気の一部だけが放出されるようにして、ほかの部分は立上がり管5内で高温水を押す圧力を生じさせるように設計する。沸騰初期に発生した圧力は、立上がり管5内の水を、出口21、そして逆止弁22を通して、さらに管路41の中へゆっくりと押していく。水の速度は遅いため、その後、水は傾斜した管路42の中を重力によって水タンクの方へ流れる。沸騰に至ると、チャンバ4内で蒸気が突発的に増えることによって発生した圧力は、チャンバ4内に残る水がそれによって垂直な排出管43に至り、さらに高温水と蒸気の分離チャンバ45へと至るのに十分な速度で立上がり管内を押し上げられるまでになる。立上がり管5の直径は、立上がり管5内にある分の水が吐出初期に水タンク7の方に流れるように決定される。
【0060】
蒸気と混ざり合った状態で分離チャンバ45内に押し出された高温水の噴流は、丸みを帯びた天井部46によって傾斜した底部48の方に導かれる。蒸気は、開孔部60および蒸気排出管路49を通して放出される。高温水の一部は、排出管路43を通して高温水が吐出される速度よりも明らかに遅い速度で重力によって出湯口40から流れ出始め、一方、高温水のほかの部分は一時的に分離チャンバの下部にたまる。排出管43から吐出された高温水は、その全量が高温水生成サイクルの時間よりもわずかに短い時間内に出湯口40から流れ出る。
【0061】
排出管43を通してチャンバ4から高温水が吐出された後、チャンバ4内に残った蒸気が低温部位で即座に凝縮すると、それによって生じた負圧が逆止弁22を閉ざし、水タンク7内の水を逆止弁13、14を通してチャンバ4内に吸い込む。補給は非常に迅速に行われるため、その間も、スクリーン印刷による電気抵抗31が過熱するリスクなしに加熱は維持され、新たな高温水生成サイクルが始まる。生成された高温水が定量に達すると、ユーザーはスクリーン印刷による電気抵抗31の電源を切る。
【0062】
本発明はまた、湯沸かし器2を備えた給水器型の給湯装置にも関する。
【0063】
装置は、所定の体積の沸騰させた水を、それぞれがチャンバ4の容積にほぼ相当する単位体積で複数回連続して生成させて作り出すことによって供給しようとするものである。
【0064】
例として挙げれば、装置は、出湯口40の下に配置した約25clのカップまたは椀に入れるものとして、90°C超のある体積の高温水を供給する。チャンバ4は7clから10clの範囲の容積を持ち、湯沸かし器2はカップを満たすために生成サイクル3回分の高温水を供給する。スクリーン印刷による電気抵抗は、240Vで2500Wから3000Wまでの範囲の出力を有し、1回の高温水生成サイクルを行うための時間は10秒未満である。したがって、カップ1杯分の湯を供給するための合計時間は30秒未満である。
【0065】
当然のことながら、説明し、図示した実施形態はあくまでも例として挙げたものであり、本発明がそれらにいささかも限定されるものでないことは言うまでもない。各種要素の構成という観点や、技術的に等価のものによる置き換えなど、本発明の保護範囲から外れることのない変更はなお可能である。
【0066】
変形実施形態として、下部栓は、チャンバ外側に向かう突出部も備えることができよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部、垂直隔壁および加熱手段(30)を有する沸騰チャンバ(4)を備えた飲料調製用家庭電化製品のための湯沸かし器(2)であって、前記垂直隔壁の面積は前記チャンバ(4)の前記底部の面積よりも広く、前記加熱手段(30)は前記垂直隔壁に付加されたスクリーン印刷による電気抵抗(31)によって形成される湯沸かし器(2)において、
前記沸騰チャンバ(4)は水タンク(7)から重力によって給水を受け、前記湯沸かし器(2)は給水側に逆止弁(13、14)を備え、前記沸騰チャンバ(4)は下端が前記沸騰チャンバ(4)の前記底部に近接して配置された加熱水の排出用立上がり管(5)が貫通する天井部を備え、前記立上がり管(5)は前記チャンバの前記天井部付近の前記沸騰チャンバ(4)内に開口部(6)を有することを特徴とする湯沸かし器(2)。
【請求項2】
前記チャンバ(4)は少なくとも1つの逆止弁(22)を備える加熱水排出口(21)を有することを特徴とする請求項1に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項3】
前記スクリーン印刷による電気抵抗(31)は、低位の第1のポイント(A)と高位の第2のポイント(B)との間で前記垂直隔壁上に広がり、
前記チャンバ(4)は、前記低位の第1のポイントを通る第1の水平面と、前記高位の第2のポイントを通る第2の水平面との間で前記垂直隔壁の内部に含まれる容積の少なくとも10パーセントの制限手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項4】
前記チャンバ(4)は下部栓(10)と上部栓(20)とを備え、
前記栓の少なくとも一方は前記チャンバの内側に向けて延びる突出部(50)を有し、前記突出部(50)が容積の制限手段を形成することを特徴とする請求項3に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項5】
前記下部栓(10)は円錐形の突出部(50)を備えることを特徴とする請求項4に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項6】
前記スクリーン印刷による電気抵抗(31)は、低位の第1のポイント(A)と高位の第2のポイント(B)との間で前記垂直隔壁上に広がり、
前記チャンバ(4)は、前記低位の第1のポイントを通る第1の水平面と、前記高位の第2のポイントを通る第2の水平面との間で前記垂直隔壁によって画定される容積の少なくとも10パーセントの増大手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項7】
前記チャンバ(4)は下部栓(10)と上部栓(20)とを備え、
前記栓の少なくとも一方は前記チャンバの外側に向けて延びる突出部(23)を有しており、前記突出部(23)が体積の増大手段を形成することを特徴とする請求項6に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項8】
前記出口(21)は、沸騰前に最初に立上がり管(5)内にあった水と前記チャンバ(4)内の水との分離手段に接続されることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項9】
前記分離手段は、前記チャンバ(4)内の水を排出するために前記出口(21)に接続されたほぼ垂直な管路(41、43)と、前記立上がり管(5)内の水を排出するために前記出口(21)を前記水タンク(7)に接続する傾斜した管路(42)と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項10】
前記出口(21)が水と蒸気の分離チャンバ(45)とに接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項11】
前記分離チャンバ(45)は、蒸気排出管路(49)を形成する区画を画定する内部隔壁(47)および外部隔壁(57)を少なくとも部分的に備えることを特徴とする請求項10に記載の湯沸かし器(2)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の湯沸かし器(2)を備えることを特徴とする家庭電化製品。
【請求項13】
給湯装置であることを特徴とする請求項12に記載の家庭電化製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−519482(P2013−519482A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553369(P2012−553369)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050133
【国際公開番号】WO2011/098699
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(594034072)セブ ソシエテ アノニム (63)
【Fターム(参考)】