説明

急速溶解する生体適合性被覆物で被覆した医療用部材

【課題】医療用部材に一時的に保護特性、潤滑性、生理粘着性の少なくとも一つを与えるための、医療用部材上の被覆物を与え、且つ哺乳類の体液中で、短時間で溶解する被覆物を提供する。
【解決手段】生体適合性医療用被覆物を付着してなる医療用部材であって、該生体適合性医療用被覆物が、(i)アルギン酸、(ii)ヒアルロン酸及び/又は(iii)キトサン、の架橋していない、水溶性塩の少なくとも一つからなり、該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に容易に溶解可能であることを特徴とする医療用部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体適合性医療用被覆物を付着してなる医療用部材であって、該生体適合性医療用被覆物が、(i)アルギン酸、(ii)ヒアルロン酸及び/又は(iii)キトサン、の架橋していない、水溶性塩の少なくとも一つからなり、該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に容易に溶解可能であることを特徴とする医療用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
アルギン酸塩、キトサン及びヒアルロン酸塩のようなバイオポリマーが、創傷用の包帯のような局部的な用途に、又はステント又はカテーテルのような医療用部材への移植用として医療用部材を被覆するために、そして組織として又は生化学的なカプセル剤として使用することができる。そのような被覆物は医療用部材又はその他の基材に、所望の時間又は医療用部材の使用期限まで付着を維持するようにデザインされる。従来技術においては、バイオポリマー成分は、典型的には、二価イオン又は化学薬剤を使用して架橋されている。架橋剤は、被覆物が基材に適用されるとき又は被覆プロセスの別の工程で供給されるときに被覆処方に含まれていてもよい。架橋したバイオポリマー被覆物は、生理液又は他の水溶液環境と長い時間接触させて水和すると溶解可能なヒドロゲルを生成する。
【0003】
特許文献1は、医療用部材の無機質の表面を変性して、アルギネート(アルギン酸)溶液で被覆しそして架橋したアルカリ土類カチオンと反応してゲル化したアルギネート被覆物を形成した接着促進性表面を形成する医療用組み立て部品中の医療用部材を開示している。
【0004】
特許文献2は、自己担持シート又はシート無しの形態で形成しそして部分的に又は完全に外科用メッシュのような多孔質基材をカプセル化したイオン的に架橋したアルギネートヒドロゲルを開示している。架橋したバイオポリマーフィルムの分解はメッシュ内で織成長を促進することが述べられている。フィルムの場合、塩溶液中、室温で測定された分解時間が約72時間に達することを示している。
【0005】
特許文献3は、外科移植用メッシュがその特性を改善するために吸収可能な被覆物によって少なくとも部分的にはカプセル化されていることが好ましいと記載している。その被覆物、カバー又は層はゼラチン、デンプン、セルロース、アルギネート又はヒアルロン酸が基本的に使用されそして体内に残る異種物体の影響が出ないように、移植後48時間以内に体内に吸収されることが好ましい。
【0006】
上述の先行技術があるにも拘らず、医療用部材の表面を短時間晒すだけで溶解する被覆物がなお望まれている。
【特許文献1】USP2004/0057978
【特許文献2】WO03092754
【特許文献3】USP2004/0172048
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、器具又は医療用部材に一時的に保護特性、潤滑性、生理粘着性の少なくとも一つを与えるための、医療用部材、器具又は構造体上の被覆物を与え、且つ哺乳類の体液中で、短時間で完全に溶解する被覆物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、生体適合性医療用被覆物を付着してなる医療用部材であって、該生体適合性医療用被覆物が、(i)アルギン酸、(ii)ヒアルロン酸及び/又は(iii)キトサン、の架橋していない、水溶性塩の少なくとも一つからなり、該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に容易に溶解可能であることを特徴とする医療用部材に関する。
【0009】
本発明は、装置又は医療用部材に一時的に保護特性、潤滑性、生理粘着性の少なくとも一つを与えるための、医療用部材、器具又は構造体上の被覆物を与える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の生体適合性医療用被覆物を付着してなる医療用部材は、保護特性、潤滑性、生理粘着性の少なくとも一つを与えることができ、被覆した部材は柔軟でそして被覆物の破砕無しで切断することができ、且つその被覆物は、哺乳類の体液中で短時間(例えば1時間以内)で完全に溶解させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
器具及び医療用部材用途で使用するための溶解可能な被覆物は、水溶性で且つ潤滑性、潤滑の増大;部材のぎざぎざの、凸凹の、又は鋭い部分を遮蔽するか又は覆うための保護特性;部材を粘液性表面、組織及び器官に粘着させる生理粘着性を与える本発明の被覆物である。本発明のバイオポリマーはまた部材の挿入、配置、移動又は位置取りを容易にする。本発明の被覆物の溶解はそれから部材の永久配置、固定又は保持を可能にする。
【0012】
ここで使用するときは、用語“容易に溶解可能”とは、少なくとも一つの哺乳類、例えば、人間の体液中に、一般的には3時間以内、2.5時間以内、2.0時間以内、1.5時間以内、1.0時間以内、50分以内、40分以内、30分以内で完全に溶解する本発明の生体適合性被覆物を意味する。体液としては、所望なら血清、血漿、間隙液、尿、胃液が包含される。本発明の範囲に含まれる被覆物の溶解性を決定するために使用される代表的なモデル体液の例は0.9%NaCl溶液、ハンクのバランス塩溶液又は模擬胃液である。
【0013】
アルギネート(アルギン酸塩)は、1→4配糖体的に連結したβ−D−マンヌロン酸(M)とα−L−グルロン酸(G)モノマーの分岐していない二元コポリマー群である。二つのウロン酸モノマーの相対量とポリマー鎖に沿ったそれらの連続配列はアルギネートの起源に対応して広範囲に変化する。ウロン酸残基は、ポリマー鎖に沿ってブロックパターンで分布し、そこではG残基(G−ブロック)のホモポリマーブロック、M残基(M−ブロック)のホモポリマーブロックそしてM及びG単位(MG−ブロック)が共存する。分子量及び分子構成と一緒に、組成物及び連続構造体はアルギネートの性質と機能を決定する際のキーとなる特性である。本発明で使用されるアルギン酸塩は架橋されていない水溶性のものである。
【0014】
本発明で使用するのに適した水溶性アルギネートは、アルギン酸の共に架橋していないグルロン酸リッチで且つマンヌロン酸リッチの塩を含む。好ましいアルギン酸塩はアルギン酸ナトリウムであるが、アルギン酸カリウム及びマグネシウムも又使用できる。
【0015】
アルギネートの薬学動力学的研究は、シュードモナスアエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)(非特許文献1)から精製された[14C]放射線標識化したアルギネートの投薬を実施してきた。[14C]アルギネート100μgの丸薬の静脈(IV)注入によるマウスでの薬学動力学は2−コンパートメント(区画)モデルを示した。データは、初期には血液からアルギネートが急速に減少し(0から5時間)その後ゆっくりした減少(5から48時間)となることを示す。一次半減期(t1/2α)は約4時間、一方、二次半減期(t1/2β)は約22時間である。
【0016】
好ましいアルギネートは還元したエンドトキシン、良く特性化された非架橋のアルギン酸の水溶性塩である。そのようなアルギネートは商標名プロノーバ(PRONOVA)として市販されている。殺菌の停止がない無菌の被覆物のためには、殺菌したアルギン酸ナトリウムが好ましい。もしそのような減少したエンドトキシン含量のアルギネートがエンドトキシン含量に対する規定要求を満足するなら、そのような低エンドトキシンアルギネートは特に好ましい。減少したエンドトキシンとは、被覆物を調製するために使用されるアルギネートのエンドトキシン含量及び医療用部材のエンドトキシン含量が共に、例えば、米国FDAが推奨する移植可能な医療用部材のエンドトキシン含量を超えてはならないことを意味する。最近の調整ガイドラインは、部材が患者に対して350EU(5EU/kg)を超えて放散しないように定められている。
【0017】
キトサンは、β(1→4)形式で連結したD−グルコサミン(D−単位)とN−アセチルグルコサミン(A−単位)がランダムに分布して構成されている線状のポリサッカライドである。グルコサミンとN−アセチルグルコサミンの比率は脱アセチル化の度合いに関係している。脱アセチル化したモノマー(グルコサミン)はポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。キトサンは、プロトン化でき、それによってカチオン性バイオポリマーを生成する一級アミノ基をもっている。溶液中では、キトサン塩はグルコサミンの遊離アミノ基のプロトン化によって正電荷を運ぶ。負に帯電した表面の反応性はキトサンの正電荷密度の直接的な関数である。キトサンのカチオン的な性質はこのポリマーに生理粘着的な性質を与えている。
【0018】
キトサンは酵素リゾチームによって分解する。リゾチームは哺乳類の唾液、涙、血清及び間隙液中に存在する。キトサンの分解生成物はグルコサミンとN−アセチルグルコサミンである。これらの分解生成物は哺乳類に対して毒性がない。
【0019】
本発明で使用するのに適したキトサンは架橋していないキトサンの水溶性塩でありそして好ましくは減少したエンドトキシンで、良く特性化されたキトサン調製を含む。そのようなキトサンは商標名PROTASAN(プロタサン)として市販されている。減少したエンドトキシンとは、キトサン被覆物のエンドトキシン含量及び医療用部材のエンドトキシン含量が共に、推奨される移植可能な医療用部材のエンドトキシン限界を超えてはならないことを意味する。
【0020】
ヒアルロン酸塩(ヒアルロネート)は、交互にβ(1→3)及びβ(1→4)結合によってモノマー連結したグルクロン酸とN−アセチルグルコサミンから構成されている。ヒアルロネートは人間の皮膚、関節、及び多くの器官や組織の外部細胞マトリックスの主成分である。ヒアルロナン(ヒアルロン酸)の溶液は非常に粘凋で滑らかである。ヒアルロネートから構成されるフィルムを湿らせると、被覆物は非常に滑り易くなり、そしてヒアルロネートが架橋しない限りは時間をかけて溶解する。
【0021】
ヒアルロネートは酵素ヒアルロニダーゼによって分解する。哺乳類中ではヒアルロン化物は非常に高い回転速度をもっている。ヒアルロンナンの哺乳類血液流内の半減期は約5分である。ヒアルロニダーゼは組織及び細胞、血漿、生理滑液、及び尿中に存在する。
【0022】
本発明で使用されるヒアルロン酸塩は架橋していないそれらの水溶性塩である。
【0023】
アルギン酸、ヒアルロン酸及びキトサンの塩は100エンドトキシン単位/g以内のエンドトキシン含量をもつ。
【0024】
本発明の範囲内で被覆されるべき被覆医療用部材としては少なくとも一つの哺乳類の体液と接触することを意図する全ての部材、器具、構造体、等々を包含する。部材は、その露出表面を本発明の溶解可能なバイオポリマー被覆溶液で部分的に又は完全に被覆することによって調製される。例えば、これは部材を本発明のバイオポリマー被覆物溶液中に入れそれから過剰の溶液を部材から排出させることによってなされる。代わりに、被覆は、バイオポリマー被覆物溶液を部材又は部材表面と接触するようにさせるスプレー技術、浸漬技術及びその他の技術によって実施されてもよい。被覆物はそれから適切な雰囲気(低湿度、温度調節下、ダストフリー、そしてもし無菌工程が必要なら殺菌)中で乾燥される。
【0025】
バイオポリマー溶液を使用して被覆できる医療用部材の例としては、プラスチック及び金属製の管、プラスチック及び金属製のカテーテル、プラスチック及び金属製のカニューレ及び針又は針組み立て器具、クランプ、ピンセット、開創器、等々のような手術用器具、縫合糸、プラスチック製(ポリエチレンのような)細片、メッシュ及び吊り包帯がある。本発明の使い道は、提案された処方を使用して部分的又は完全に被覆できるものであれば、ここで特にリスト化していないその他の部材にまで対応できる。被覆の前に、所望によりバイオポリマー被覆物の付着を促進させるために、医療用部材の表面処理を実施することもできる。
【0026】
本発明においては、少なくとも露出表面被覆層が部材に留まらず部材から急速に溶離することが望ましい。この層は、例えば、手術用器具の無菌性を維持するために使用の前に、又は、例えば、被覆した医療用部材から溶解する前に縫合を可能にするために施術の後で取り除かれる。この層はまた、例えば、付着性又は潤滑性のような性質を得るために、使用前に活性化してもよい。本発明においては、溶解可能な被覆組成物は一般的には架橋成分(一般的には被覆物の溶解を遅くする欠点がある)を使用せず、そしてそれ故に、数分以内で被覆した部材から溶離する。溶解速度はバイオポリマー組成物を調節することによってコントロールされる。被覆物組成物の溶解速度は使用されるバイオポリマーの選択及び被覆物の設計によって適度にすることができる。例えば、高粘度、高分子量バイオポリマーは、低粘度、低分子量バイオポリマーよりもゆっくりと水和し溶解する。本発明の一態様においては、低粘度及び中粘度のアルギン酸ナトリウムの両方を組み合わせる。この目的は、低粘度のアルギン酸ナトリウムを最初に溶解させ、一方中粘度のアルギン酸ナトリウムにより溶解速度は遅く長くなる。代わりに、連続的な被覆を使用した医療用部材の被覆物、即ち、或る粘度/分子量をもつ本発明の一つのバイオポリマーで内部被覆し、次いで異なった粘度/分子量をもつ別のバイオポリマーで外部被覆することで、被覆物の溶解特性に影響を与えることができる。
【0027】
バイオポリマーの容積と濃度は被覆条件及び被覆されるべき部材に適合するように変化させる。最終のバイオポリマー濃度は、単一又は混合バイオポリマーの使用だけでなく、体液中のバイオポリマーの溶解性、被覆物の柔軟性、基材の被覆性(医療用部材、器具又は生体適合性構造体の表面特性、所望の厚み、等々に基づく)及び被覆した医療用部材が使用又は移植される宿主(患者)とのバイオポリマーの生体適合性のような被覆物の所望の性質に適合するように調節される。移植可能な部材への被覆の場合は、エンドトキシンレベルを減少させるために超純粋なバイオポリマーを選択すべきである。望まれる追加の性質としては、使用前の長期間に亘るバイオポリマーの安定性(貯蔵期限の増大)及び好ましくは化学的反応性なしで、溶解によって取り除かれるまでの医療用部材又はその表面への被覆物の付着性である。疑いを避けるために、特に断りのない限り、部材上の被覆物中の成分に対しては、ここで記載される全てのwt%は部材に適用した時点での被覆物基準のwt%である。
【0028】
抗生物質、例えば、ゲンタマイシン、バノマイシン及びその他の抗生処方物のようなその他の成分を含んでいてもよい。カルボキシメチルセルロース又は熟練した当業者に公知の他のセルロース誘導体及び/又はポリビニルアルコールのような付加的な粘度低下剤を添加してもよい。リドカイン又は熟練した当業者に公知のその他の薬剤のような麻酔剤を含んでいてもよい。銀のような一価の抗生物質カチオンを含んでいてもよい。
【0029】
可塑剤もまた所望の柔軟性を与えるために含んでいてもよい。そのような可塑剤としては、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール及び熟練した当業者に公知のその他の物質から選ばれる。可塑剤は溶液の20%を上限とする量で含まれる。可塑剤は、もし被覆物がもろい場合に使用される。そのようなもろさは、もしあまりに過度であれば、被覆物の破壊、剥離、破砕、フレーク化又はさもなければ崩壊に導く。他方では、或る状況において可塑剤量が多すぎると、被覆物の厚みを、所望値を超えて増大させる。可塑剤は、優先して充填すべきではなく、水溶性及び生体適合性であるべきである。選択された可塑剤はバイオポリマーの沈積、被覆物の柔軟性の喪失を引き起こさない、又はその他の有害な効果を生じないように、本発明のバイオポリマーと相互作用を起こさないようにすべきである。
【0030】
さらに、可塑剤の濃度と種類は変化させることができる。以下の実施例においては、被覆物中の最終濃度10%までのグリセロールは部材に適用されるときに使用した。しかしながら、この濃度は、最終の被覆物(乾燥された)の性質に適合するために変化させられ、或る場合には少ないグリセロール濃度が使用される。
【0031】
部材上での被覆物の乾燥方法としては、埃のない雰囲気下で空気乾燥するか、或いは乾燥器を使用して加速乾燥を行うことができる。しかしながら、バイオポリマーの性質により、乾燥条件は40から80℃を超えるべきではない。高温はバイオポリマーの分解につながり、ひいてはバイオポリマー被覆物の水和及び溶解能力に影響を与える。
【0032】
生体医療目的に使用されるためには、そのような被覆した医療用部材は最後に殺菌されなければならない。殺菌方法にはいくつかあり、殺菌の選択された方法は医療用部材の元の状態を確保するのに適していなければならない。バイオポリマー被覆物の使用を確保するためには、酸化エチレンを使用する殺菌が標準オートクレーブ処理に好ましい。電子線殺菌はガンマー線照射技術に好ましい。好ましい殺菌方法は、他の殺菌方法よりバイオポリマー被覆物の分解を起こすことが少ない。包装の前にアルコール水溶液を使用する殺菌は、アルコール中の水が被覆物の水和及び溶解を開始させるので避けるべきである。
【0033】
包装は被覆された医療用部材が殺菌された状態を維持しそして製品の保存期限の間、汚染を防ぐようにデザインすべきである。さらに、包装は、被覆物に有害となる恐れのある湿気の浸入を防止すべきである。
【0034】
本発明の部材は本発明の被覆物内に部分的又は完全に埋め込まれている部材をもっていてもよい。
【0035】
以下の方法は実施例の調製において使用された。
【0036】
粘度:見掛け粘度は、ブルックフィールド回転粘度計及びスピンドルNo.21を使用する小さなサンプルアダプター、又はスピンドルNo.00を使用するUL−アダプターを使用して20℃で決定された。プロタナールLFR5/60を除き、全てのバイオポリマーに対して、粘度は、重量を乾燥物質含量で補正して、1%(w/w)水溶液で検定した。プロタナールLFR5/60の粘度は10%水溶液中で検定した。
【0037】
エンドトキシン含量:カブトガニの血球抽出成分(limulus amebocyte lysate)(LAL)を用いた動力学的検定をエンドトキシン含量決定のために使用した。他の市販品も使用できるのであるが、バイオウイッテーカー(BioWhittaker)社製の動力学的QCL LALキットを使用した。
【0038】
グルロネート(グルロン酸塩)及びマンヌロネート(マンヌロン酸塩)の含量:アルギネートのG及びM含量はプロトン核磁気共鳴分光計(NMR)を使用して決定した。使用した方法はASTM F2259標準テスト方法に従っている。
【0039】
以下の手順は、別の記載がない限り、被覆したポリエチレン製メッシュ片調製のために使用した。メッシュ片をそのおのおのの末端部で接着テープを使用してガラス表面に付着させた。メッシュ片を引き伸ばすことはしないでガラス表面上に拡げ付着させた。バイオポリマーをメッシュ片上に注いでメッシュを被覆しそしてメッシュ片の側面も被覆した。溶液粘度はメッシュ片上に被覆物を保持させるのに充分なものであった。被覆したメッシュ片をそれから一昼夜乾燥した。もし望むなら、被覆工程を繰り返すことができ、それは下記に記載する実施例1から7のケースである。乾燥したバイオポリマーを被覆したポリエチレン製メッシュ片をガラス表面から取り除いた。
【0040】
本発明を特定の実施例を参照してさらに説明する。しかしながら、これらの実施例は例証を意図するものにすぎず、本発明はこれらの実施例に記載した条件、物質又は部材に限定されると見做してはならない。本明細書においては、全ての部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
【実施例1】
【0041】
下記の低エンドトキシンアルギネート水溶液処方を調製した:
(A)アルギネート水溶液処方を10%(v/v)のグリセロールと5%のグルロネートリッチのアルギン酸ナトリウムで調製した。プロノーバアップ(PRONOVA UP)LVGアルギン酸ナトリウム(175mPas(1%溶液)、<700EU/gエンドトキシン含量)25gを50mlのグリセロールを含む脱イオン水425ml中に溶解させた。
【0042】
(B)異なった分子量のブレンド物を使用してアルギネート水溶液処方を10%(v/v)のグリセロールと5%のグルロネートリッチのアルギン酸ナトリウムで調製した。プロノーバアップ(PRONOVA UP)LVGアルギン酸ナトリウム(79mPas(1%溶液)、69%グルロン酸、<100EU/gエンドトキシン含量)15g及びプロノーバアップ(PRONOVA UP)MVGアルギン酸ナトリウム(385mPas(1%溶液)、<500EU/gエンドトキシン含量)10gを50mlのグリセロールを添加した脱イオン水425ml中に溶解させた。
【0043】
(C)アルギネート水溶液処方を10%(v/v)のグリセロールと5%のマンヌロネートリッチの中粘度から低粘度のアルギン酸ナトリウムで調製した。プロノーバアップ(PRONOVA UP)LVMアルギン酸ナトリウム(135mPas(1%溶液)25gを50mlのグリセロールを含む脱イオン水425ml中に溶解させた。
【0044】
(D)異なった分子量のブレンド物を使用してアルギネート水溶液処方を10%(v/v)のグリセロールと5%のマンヌロネートリッチのアルギン酸ナトリウムで調製した。
【0045】
プロノーバアップ(PRONOVA UP)LVM(58%マンヌロン酸、27mPas(1%溶液)、130EU/gエンドトキシン含量)15g及びプロノーバアップ(PRONOVA UP)MVM(200mPas)10gを50mlのグリセロールを添加した脱イオン水425ml中に溶解させた。
【0046】
(E)アルギネート水溶液処方を、実施例1(A)からのグルロネートアルギネート(プロノーバアップLVG)及び実施例1(C)からのマンヌロネートアルギネート(プロノーバアップLMV)をボリューム比1:1で混合することによって調製した。
【0047】
(F)2.5%(w/v)のプロノーバアップMVGアルギン酸ナトリウム(385mPas(1%溶液)、72%グルロン酸、<500EU/gエンドトキシン含量)と2.5%(w/v)のプロノーバアップMVMアルギン酸ナトリウム(200mPas(1%溶液)、58%マンヌロン酸、<1500EU/gエンドトキシン含量)の等量を混合することによって調製した。この処方は又10%のグリセロールを含んでいた。
【0048】
それぞれの混合物をポリエチレン製メッシュ片に被覆するために使用した。メッシュ片はガラス表面に付着している。バイオポリマー混合物をメッシュ片上に注ぎメッシュを被覆しそしてメッシュ片の側面も被覆した。混合物の増大した粘度は溶液をメッシュ片上に保持させた。被覆したメッシュ片をそれから一昼夜空気乾燥した。もし望むなら、被覆工程を繰り返すことができる。乾燥したアルギネート被覆したポリエチレン製メッシュ片をガラス表面から取り除いた。被覆したメッシュ片は柔軟でそして被覆物の破砕無しで切断することができた。乾燥後の被覆物の厚みはおおよそ0.5mmで、メッシュ片はおおよそ0.3mmの厚みをもっていた。被覆したサンプルを、0.9%NaCl溶液1000mlを含むビーカー中に室温で置いた。マグネチックスターラー及び攪拌バーを使用して、約20rpmでゆっくり攪拌した。観察したところ、全てのバイオポリマー被覆物は30分以内で溶解した。
【実施例2】
【0049】
バイオポリマー被覆物はまた殺菌アルギン酸ナトリウムを使用して無菌条件下で製造することができる。下記のケースにおいては、ポリエチレン製メッシュ片は無菌条件下で下記のアルギネート溶液中に浸漬された。
【0050】
(A)殺菌アルギン酸ナトリウムの4%(w/v)溶液を0.25gのプロノーバSLG100(147mPas(1%溶液)、67%グルロン酸、<25EU/gエンドトキシン含量)を0.62mlの殺菌グリセロールと一緒に殺菌脱イオン水5.6ml中に溶解させて作った。
【0051】
(B)殺菌アルギン酸ナトリウムの4%(w/v)溶液を0.25gのプロノーバSLM100(230mPas(1%溶液)、57%マンヌロン酸、<25EU/gエンドトキシン含量)を0.62mlの殺菌グリセロールと一緒に殺菌脱イオン水5.6ml中に溶解させて作成した。
【0052】
得られた溶液を、無菌技術を使用してアルギネート溶液中にメッシュ片を浸すことによって殺菌ポリエチレンメッシュ片を被覆するために使用した。過剰な溶液をメッシュ片から取り去りそれからガラス表面上に置いた。メッシュ片を層流空気流フード中で一昼夜空気乾燥した。重量差によって、ポリエチレンメッシュ片のセンチメーター当たり0.03gのアルギネートが存在することがわかった。被覆したメッシュ片は柔軟でそして被覆物の破砕無しで切断することができた。
【実施例3】
【0053】
4%(w/w)の塩化キトサン(プロスタンアップCL214、81mPas(1%溶液)、95%脱酢酸化、<520EU/gエンドトキシン含量)及び10%グリセロールを含む水溶液処方を調製した。この溶液1.0gを実施例1で記載したようにメッシュ片の5cm
(5cmx1cm)に被覆するために使用した。被覆したメッシュ片をそれから室温で一昼夜空気乾燥した。被覆したメッシュ片は柔軟でそして被覆物の破砕無しで切断することができた。
【0054】
2.5cmの被覆サンプルを、酵素無しで25mlの室温調整模擬胃液を含むビーカー中に置いた。マグネチックスターラー及び攪拌バーを使用して、約20rpmでゆっくり攪拌した。観察したところ、全てのキトサン被覆物は30分以内で溶解した。模擬胃液は、米国薬局方に従って作られた;2.0gの塩化ナトリウム、7mlの塩酸及びミリQ−水(MQ−水)で合計容積1000mlである。
【実施例4】
【0055】
2.5%(w/w)のヒアルロン酸ナトリウム(HA)(薬局グレード80、Mw;1.08*10
kDa、<0.8EU/gエンドトキシン含量)及び10%グリセロールを含む水溶液を調製した。この溶液1.0gを実施例1で記載したようにメッシュ片の5cm
に被覆するために使用した。被覆したメッシュ片をそれから室温で一昼夜空気乾燥した。被覆したメッシュ片は柔軟でそして被覆物の破砕無しで切断することができた。
【0056】
5cmの被覆サンプルを、50mlの室温調整モデル生理食塩溶液(ハンクのバランス塩溶液、H8264、シグマ−アルドリッチケミーGmbH、スタインハイム、ドイツ)を含むビーカー中に置いた。溶解したヒアルロネートを攪拌しながら、時間の関数として定量化するために、その溶液から少量をピペットで秤量した。検定は非特許文献2に記載されているウロン酸の定量化決定方法に基づいて実施した。被覆に使用したのと同じHAの三つの対照溶液(100−、150−、及び200μg/ml)から標準曲線を作成した。計算に使用された式は上記の対照溶液とブランクに対する520nmにおける吸収から得られた(相関係数R
=0.99)。表1は、被覆物中のHAの合計量と比較した溶解したHA±1SDの計算量を示す。
【0057】
表1 モデル生理溶液中のHAから作成された被覆物の溶解速度
時間〔分〕 回収HA
±1 SD,〔%〕
5 12±1
10 16±0
15 25±9
20 33±6
30 47±15
45 84±1
60 102±4
75 102±3
この結果は、被覆物を調製するために使用されたHAが60分以内で100%回収されたことを示している。
【実施例5】
【0058】
アルギネート水溶液処方を10%のグリセロールと実施例1のサンプル(C)で使用したのと同じの5%(w/w)のマンヌロネートリッチのアルギン酸ナトリウム(プロノーバアップLVM、135mPas(1%溶液)で調製した。この溶液1.0gを実施例1で記載したようにメッシュ片の5cm
に被覆するために使用した。被覆したメッシュ片をそれから室温で一昼夜空気乾燥した。被覆したメッシュ片は柔軟でそして被覆物の破砕無しで切断することができた。
【0059】
溶解速度は実施例4で記載したようにして決定した。被覆に使用したのと同じHAの五つの対照溶液(50−、75−、100−、150−、及び200μg/ml)から標準曲線を作成した。計算に使用された式は上記の対照溶液とブランクに対する520nmにおける吸収から得られた(相関係数R
=0.99)。表2は、被覆物中のアルギネートの合計量と比較した溶解したアルギネート±1SDの計算量を示す。
【0060】
表2 モデル生理溶液中のアルギネートから作成された被覆物の溶解速度
時間〔分〕 回収アルギネート
±1 SD,〔%〕
5 14±0
10 33±0
15 53±1
20 77±2
30 103±0
45 103±2
60 102±5
この結果は、被覆物を調製するために使用されたアルギネートが30分以内で100%回収されたことを示している。
【実施例6】
【0061】
1.25%(w/w)のHA、2.5%(w/w)のアルギネート及び10%のグリセロールを含む水溶液を調製した。使用したHAとアルギネートはそれぞれ実施例4及び実施例5に示されたものと同じである。この溶液1.0gを実施例1で記載したようにメッシュ片の5cm
に被覆するために使用した。被覆したメッシュ片をそれから室温で一昼夜空気乾燥した。被覆したメッシュ片は柔軟でそして被覆物の破砕無しで切断することができた。
【0062】
2.5cmの被覆サンプルを、25mlの室温調整ハンク溶液を含むビーカー中に置いた。マグネチックスターラー及び攪拌バーを使用して、約20rpmでゆっくり攪拌した。観察したところ、全ての被覆物は60分以内で溶解した。
【実施例7】
【0063】
下記のアルギネート水溶液処方を調製した:
(A)アルギネート水溶液処方を10%(v/v)のグリセロールと5%のグルロネートリッチのアルギン酸ナトリウムで調製した。プロノーバアップLVGアルギン酸ナトリウム(79mPas(1%溶液)、69%グルロン酸、<100EU/gエンドトキシン含量)25gを50mlのグリセロールを含む脱イオン水425ml中に溶解させた。
【0064】
(B)アルギネート水溶液処方を10%(v/v)のグリセロールと5%のマンヌロネートリッチのアルギン酸ナトリウムで調製した。プロノーバアップLVMアルギン酸ナトリウム(135mPas(1%溶液))25gを50mlのグリセロールを含む脱イオン水425ml中に溶解させた。
【0065】
それぞれの混合物を実施例1で説明したように、ポリエチレン製メッシュ片に被覆するために使用した。アルギネート被覆したポリエチレン製メッシュ片に29.5kGyのガンマー線を照射した。ガンマー線を照射していない対照サンプルを保存した。被覆したポリエチレン製メッシュ片のガンマー線を照射したサンプルはガンマー線を照射していない対照サンプルと同じ柔軟性をもっていた。対照サンプル(照射していない)は透明であったのに対して、照射したサンプルのフィルムは透明だがかすかな黄味を帯びていた。
【0066】
フィルム被覆物は、0.5cmの被覆したメッシュ片を硫酸ナトリウム中に置いて溶解させた。得られた溶液はレーザー光散乱法粒子径測定器(SEC−MALS)を使用して分子量を測定するために直接使用した。ガンマー線照射していない対照サンプルの被覆物中アルギネートの重量平均分子量(Mw)は処方(A)及び(B)でそれぞれ120,000g/モルと150,000g/モルであり、一方、ガンマー線照射したアルギネートのMwは処方(A)及び(B)でそれぞれ50,000g/モルと60,000g/モルであった。
【0067】
本発明を詳細な説明と好ましい態様の実施例によって例証してきた。種々の形態の変形及び詳細は熟練した当業者の技術の範囲内である。それ故に、本発明は特許請求の範囲によって規定されるべきものであり、好ましい態様の実施例の記載によって規定されるべきではない。
【非特許文献1】Skaugrud,φ,et al.,Biomedical and pharmaceutical application of alginate and chitosan,Biotech.Genetic Eng.Rev.,16,23−40(1999)
【非特許文献2】Filisetti−Cozzi,T.M.C.C.andCarpita,N.C.,Anal.Biochem.,197,157−162(1991)
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、哺乳類の体液、例えば血清、血漿、間隙液、尿、胃液と接触する器具又は医療用部材に一時的に保護特性、潤滑性、生理粘着性の少なくとも一つを与え、且つその被覆物が体液中に短時間で完全に溶解するため、医療用部材、器具又は構造体上の被覆物として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体適合性医療用被覆物を付着してなる医療用部材であって、該生体適合性医療用被覆物が、(i)アルギン酸、(ii)ヒアルロン酸及び/又は(iii)キトサン、の架橋していない、水溶性塩の少なくとも一つからなり、該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に容易に溶解可能であることを特徴とする医療用部材。
【請求項2】
該被覆物がさらに可塑剤を含む請求項1記載の部材。
【請求項3】
アルギン酸の該水溶性塩がアルギン酸ナトリウムである請求項1又は2のいずれか一項に記載の部材。
【請求項4】
該アルギン酸ナトリウムが、100エンドトキシン単位/gより少ないエンドトキシン含量をもつ請求項3記載の部材。
【請求項5】
該被覆物が少なくとも一つの人の体液中に3時間以内で完全に溶解する請求項1から4のいずれか一項に記載の部材。
【請求項6】
該アルギン酸ナトリウムが被覆物の合計重量基準で1から10%の量で存在する請求項3から5のいずれか一項に記載の部材。
【請求項7】
該アルギン酸ナトリウムが組成物の合計重量基準で5%の量で存在する請求項6記載の部材。
【請求項8】
該水溶性塩が(i)低粘度のアルギン酸ナトリウム及び(ii)媒体又は高粘度のアルギン酸ナトリウムとの混合物からなる請求項1記載の部材。
【請求項9】
低粘度のアルギン酸ナトリウムが2から100mPasの20℃で測定した1%溶液粘度をもち、そして媒体又は高粘度のアルギン酸ナトリウムが100から500mPasの20℃で測定した1%溶液粘度をもつ請求項8記載の部材。
【請求項10】
0.5から20%の可塑剤を含む請求項8記載の部材。
【請求項11】
該アルギン酸塩がアルギン酸カリウム又はアルギン酸マグネシウムの少なくとも一つを含む請求項1記載の部材。
【請求項12】
該キトサン塩が塩化キトサンを含む請求項1記載の部材。
【請求項13】
塩化キトサンの濃度が組成物の合計重量基準で0.5から10%である請求項12記載の部材。
【請求項14】
該キトサン塩がグルタミン酸キトサンを含む請求項1記載の部材。
【請求項15】
グルタミン酸キトサンの濃度が組成物の合計重量基準で0.5から10%である請求項14記載の部材。
【請求項16】
0.5から20%の可塑剤を含む請求項13又は15記載の部材。
【請求項17】
該ヒアルロン酸塩がヒアルロン酸ナトリウムを含む請求項1又は2記載の部材。
【請求項18】
ヒアルロン酸ナトリウムの濃度が組成物の合計重量基準で0.5から5%である請求項17記載の部材。
【請求項19】
該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に1.0時間以内で完全に溶解する請求項1記載の部材。
【請求項20】
該塩がアルギン酸ナトリウムとキトサンの混合物を含む請求項1記載の部材。
【請求項21】
該水溶性塩がアルギン酸ナトリウムとヒアルロン酸ナトリウムの混合物からなる請求項1記載の部材。
【請求項22】
別のバイオポリマー被覆物の上に請求項1記載の少なくとも一つの被覆物を配することによって形成した部材。
【請求項23】
該アルギン酸塩、ヒアルロン酸塩及びキトサンが100エンドトキシン単位/gより少ないエンドトキシンレベルをもつ請求項1記載の部材。
【請求項24】
該キトサン塩が酢酸キトサンを含む請求項1記載の部材。
【請求項25】
該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に50分以内で完全に溶解する請求項1記載の部材。
【請求項26】
該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に40分以内で完全に溶解する請求項1記載の部材。
【請求項27】
該被覆物が少なくとも一つの哺乳類の体液中に30分以内で完全に溶解する請求項1記載の部材。
【請求項28】
該哺乳類の体液が、血清、血漿、間隙液、尿又は胃液の少なくとも一つである請求項1記載の部材。
【請求項29】
該部材が被覆物内に埋め込まれている請求項1記載の部材。
【請求項30】
該被覆物が、ガンマ線照射、電子線又は酸化エチレンで殺菌できる請求項1記載の部材。
【請求項31】
該被覆物が、哺乳類の移植部位へ局部的に投与できる少なくとも一つの薬用活性成分を含む請求項1記載の部材。

【公表番号】特表2009−513182(P2009−513182A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522843(P2008−522843)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/027425
【国際公開番号】WO2007/015761
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(504369661)エフエムシー バイオポリマー エイエス (14)
【Fターム(参考)】