説明

性能強化層を有する複合膜

【課題】 性能強化層を有する複合膜を提供する。
【解決手段】 複合膜は、表面を有するろ過膜と、ろ過膜の表面上の層とを含む。この層は、アンモニム塩又はアンモニウム塩前駆物質と架橋結合したポリ(エチレングリコール)部分を含んだポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、硬化させてろ過膜上の性能強化層を形成することができるコーティング組成物、並びにそれらを作成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精密ろ過(MF)、限外ろ過(UF)、ナノろ過(NF)、及び逆浸透(RO)などの膜技術は、エネルギー効率が良く、費用効率が高く、操作が簡単であるために、浄水のために広く用いられている。しかし、多くの市販の膜は、例えば、無機塩、乳化油滴、及び天然有機物質のような汚染物質に曝されると、大幅な透過流束の低下をこうむる。水中のこれらの汚染物質は膜表面上に付着し及び/又は膜の細孔をふさぐ可能性があり、これが膜を汚染してその有用寿命を短くする。
【0003】
この汚染問題に対処するための現在の手法には、供給水の前処理、膜管の定期的減圧、流れ反転、及び膜表面から汚染膜を除去するための洗浄剤の使用が含まれる。これらの方法はエネルギー及び/又は付加的な化学薬品を必要とし、生産的な膜稼働時間を減らし、これが直接に稼働費用の増加をもたらす。
【0004】
汚染抵抗性材料で膜の表面を修飾することは、場合により膜の有用寿命を延ばし稼働費用を減らすことができる別の手法である。例えば、ナノ粒子、酵素、及びエポキシ化合物のような材料は、多少の汚染抵抗性を示すが、長時間の膜稼働時間にわたって膜を通しての大きな透過水流束を維持する高透水性の防汚材料を開発する必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
4級アンモニウム塩は抗菌性を有し、またポリ(エチレングリコール)(PEG)は有機又はバイオ汚染を減らすのに用いられている。単官能性PEG及び架橋性4級アンモニウム化合物の共重合体ブラシを表面に接合(graft)したUF及びMF膜はある程度の抗菌性及び防汚特性を示した。しかし、膜にブラシを接合するには、膜表面から重合を開始するための多重反応ステップが必要であり、このことにより、表面接合技術が有効なのは、狭い範囲の特定の膜に限定される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、本開示は、ろ過膜上にコーティングし硬化させてろ過膜上に層を形成することができる親水性官能性化合物を含むコーティング組成物に関する。この層を含む複合膜は、それらに限定されないが、改善された抗菌性、及び/又は有機若しくは生体物質による汚染に対する改善された抵抗性を含む強化された性能を有することができる。
【0007】
コーティング組成物は、重合可能親水性化合物、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含む重合可能化合物、及び、随意の溶媒、好ましくは水を含む。特定の実施形態においてコーティング組成物は、放射硬化性、特に紫外線(UV)硬化性であり、膜上に層を形成する。
【0008】
本発明の一態様は、表面を有するろ過膜、及びろ過膜の表面上の層を含む複合膜を示す。この層は、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質と架橋結合したポリ(エチレングリコール)部分を含む。
【0009】
本発明の別の態様は、複合膜を作成する方法を示す。この方法は、コーティング組成物をろ過膜の表面に塗布するステップを含み、ここでコーティング組成物は、1つ又は複数の重合可能官能基を含む親水性化合物(A)と、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含有する重合可能化合物(B)とを含む。次にコーティング組成物を硬化させて膜上に層を形成する。
【0010】
コーティング組成物の硬化層は、好ましい実施形態においては、その重量の何倍もの捕捉水を保持する高水和ポリマーゲル(本明細書ではヒドロゲルと記す)であるが、非常に高い吸水率及び透水率を示す。ヒドロゲル層の吸水率及び透水率は、重合可能親水性化合物とアンモニウム塩を含有する重合可能化合物との間の構成比を操作することによるばかりでなく、コーティング組成物中の含水量を変えることによっても容易に制御することができる。
【0011】
幾つかの実施形態において、これらの超吸水性ヒドロゲル層は、複合膜構造体内の抗菌性及び防汚コーティングとして多くの利点を有する。例えば、好ましいヒドロゲルはコーティング組成物中の極性化合物から生じるものであり、この極性化合物が硬化ヒドロゲル内の有機又は乳化油汚染を減らすことができる。
【0012】
好ましいヒドロゲル層は、2つの異なるモノマーから作成することができ、それらモノマーの各々は、例えばタンパク質抵抗性及び抗菌性のような特定の性質を有するヒドロゲル層をもたらすように設計することができる。これら2つの機能の相乗効果はバイオ汚染を防ぐのに非常に効果的であり得る。
【0013】
幾つかの実施形態において、汚染を減らすように膜にコーティングする場合、複合膜は初期の透過水流束の低下をこうむるが、ヒドロゲル層の高透水率は初期透過流束低下を最少にし、長い稼働時間にわたり高い透過水流束を維持する。
【0014】
本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明において記載される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】PEGDA及びRNHClの重合前混合物に加えた含水量に対する自立型膜の純水吸水率のプロットである。
【図2】複合膜の断面構造である。
【図3】ヒドロゲルでコーティングされた膜、無コーティングPSF支持膜、及び市販の限外ろ過膜に対する、油/水エマルジョンのクロスフローろ過試験に関する、透過流束対時間のプロットである。
【図4】複合膜及び無コーティングPSF膜を用いたタンパク質供給溶液のクロスフローろ過における、透過流束対時間のプロットである。
【図5】無コーティングPSF膜、ヒドロゲル2180でコーティングされた膜、及びヒドロゲル1180でコーティングされた膜の透過流束回復指数のプロットであり、Pw,0=汚染実験前に測定された純水吸水率、及びPw,f=汚染実験後に測定された純水吸水率である。
【図6】複合膜の断面SEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
一態様において本発明は、ろ過膜の表面に塗布することができるコーティング組成物に関する。このコーティング組成物は、重合可能親水性化合物、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含む重合可能化合物、及び随意の溶媒を含む。特定の実施形態においてコーティング組成物は、放射硬化性、特に紫外(UV)硬化性であり、膜上に層を形成する。好ましい実施形態において硬化層は、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質と架橋結合したポリ(エチレングリコール)部分を含む。
【0017】
コーティング組成物中の重合可能親水性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの組合せから選択することができる。好ましい重合可能親水性化合物は、種々様々な重合可能官能基を含むことができるが、(メタ)アクリル官能性(ここで「(メタ)アクリル」又は「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートを意味する)を有する化合物が特に有用であることが見出されている。
【0018】
重合可能親水性化合物の(メタ)アクリル官能基は、種々様々な親水性有機構造体に基づくものとすることができるコア構造基に結合する。特に好ましい重合可能親水性化合物はポリ(エチレングリコール)(PEG)の誘導体である。
【0019】
コーティング組成物中の重合可能親水性化合物は、1つ又は複数の(メタ)アクリル官能性モノマー、オリゴマー又はポリマーを含むことが好ましく、それらは多官能性であることが好ましい。適切な(メタ)アクリル官能性親水性モノマーの例としては、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなどが挙げられる。
【0020】
多官能性ポリエチレングリコール(PEG)(メタ)アクリレートモノマー、好ましくはPEGジアクリレート(本明細書では一般にPEGDAと記す)及びジメタクリレートは、コーティング組成物中で多くの有益な性質を有することが見出されている。
【0021】
好ましいPEGDAモノマーは、約150乃至約10000、好ましくは約150乃至約5000、より好ましくは約150乃至約1000の分子量(M)を有する。
【0022】
アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含有する重合可能化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの混合物から選択することができるが、一般的に式[(RNR]を有し、ここで、
Rは重合可能親水性化合物の官能基と重合可能な任意の官能基であり、
Nは窒素であり、
〜Rは、同じでも異なってもよいが、水素又はアルキルであり、Xはハロゲン化物、好ましくはClである。
【0023】
アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含む化合物上の官能基Rは(メタ)アクリレート官能性を有することが好ましい。アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を有する適切なモノマーの例としては、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、及び、ジメチルアミノエチルメタクリレート−塩化メチルなどが挙げられる。
【0024】
コーティング組成物中の、重合可能親水性モノマーと、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含む重合可能モノマーとの間の重量比は、重合(硬化)反応生成物の架橋密度を制御するために広範囲に変化させることができる。例えば、以下でより詳しく論じるように、PEGDAのような(メタ)アクリル官能性モノマーと、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含む架橋性官能性モノマーとの間の重量比は、典型的には、約1:1から約3:1までとすることができる。コーティング組成物中のPEGDAに対する[(RNR]の相対比が増加するにつれて架橋密度は減少する。その結果、現在得られる証拠は、反応生成物の吸水能(吸水率)が増加することを示す。
【0025】
コーティング組成物はまた溶媒を含むことが好ましく、その溶媒は重合前混合物に加えて反応物を溶解させること、及び/又は硬化反応生成物の架橋密度を制御することができる。高含水量の反応生成物としてヒドロゲル層をもたらすためには、水性溶媒が好ましく、水が特に好ましい。コーティング組成物中の溶媒の量は広範囲に変化させることができるが、コーティング組成物の全重量に基づいて50wt%乃至80wt%の量が、優れた吸水能を有する硬化ヒドロゲル生成物をもたらすことが見出されている。
【0026】
コーティング組成物は放射硬化性であることが好ましく、可視光線、電子ビーム、熱開始、又はカチオン開始により硬化して自立型膜又は層を形成することができる。好ましい実施形態において、コーティング組成物は紫外(「UV」)線硬化性であり、重合可能親水性化合物、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含む重合可能化合物、随意の溶媒、及び光開始剤を含む。光開始剤は、コーティング組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.1wt%乃至約10wt%の量で存在する。
【0027】
コーティング組成物中で(メタ)アクリレート官能基を有する官能性コモノマーと共に用いるのに特に適した光開始剤は、アルファ開裂型光開始剤及び水素引抜き型光開始剤である。光開始剤は、光化学開始反応を助長する共開始剤又は光開始剤共力剤のような他の薬剤を含むことができる。適切なアルファ開裂型光開始剤には、アルファ−ジエトキシアセトフェノン(DEAP)、ジメトキシフェニルアセトフェノン(ニューヨーク州アーズリーのチバ社(Ciba Corp.)からIRGACURE651の商品名で市販の)、ヒドロキシシクロ−ヘキシルフェニルケトン(チバ社からIRGACURE184の商品名で市販の)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ社からDAROCUR1173の商品名で市販の)、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの25:75の混合物(チバ社からIRGACURE1700の商品名で市販の)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンと2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシドの50:50混合物(TPO、チバ社からDAROCUR4265の商品名で市販の)、フォスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル(チバ社からIRGACURE819及びIRGACURE819DWの商品名で市販の)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド(ニュージャージー州マウントオリーブのBASF社から商品名LUCIRINで市販の)、70%のオリゴ2−ヒドロキシ−2−メチル−4−(1−メチルビニル)フェニルプロパン−1−オンと30%の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの混合物(ペンシルバニア州エクストンのサルトマ(Sartomer)社から商品名KIP100で市販の)、及びチバ社から商品名TINOCUREで市販の化合物のような芳香族ケトンが含まれる。適切な水素引抜き型光開始剤には、ベンゾフェノン、置換ベンゾフェノン(Fratelli−Lamberti社製、ペンシルバニア州エクストンのサルトマ社から販売される商品名ESCACURE TZTで入手可能なものなど)、及びキサントン、チオキサントン、ミヒラーケトン、ベンジル、キノンのような他のジアリールケトン、並びに上記の全ての化合物の置換誘導体が含まれる。好ましい光開始剤には、DAROCUR1173、KIP100、ベンゾフェノン、IRGACURE184及びTINOCUREが含まれる。
【0028】
好ましい光開始剤には、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、ベンゾイルベンゾエート、フェニルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アルファ,アルファ−ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシシクロ−ヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキシド、及びそれらの組合せが含まれる。
【0029】
コーティング組成物はろ過膜の主表面上に塗布し、硬化させてその上に性能強化層を形成することができる。好ましい実施形態において、性能強化層は、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質と架橋結合したポリ(エチレングリコール)部分を含む。
【0030】
適切なろ過膜には、それらに限定されないが、精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、逆浸透(RO)膜又は順浸透膜が含まれる。結果として得られる複合膜は随意に、例えば、不織ポリエステル・ウェブのような裏当て材でさらに支持することができる。幾つかの実施形態において、裏当て材は約120μmの厚さを有する。
【0031】
コーティング組成物には、随意にフィラー、粘度調整剤などをさらに含めて、組成物の処理を促進すること、及び/又は他の点でその特性を調整することができる。例えば、コーティング組成物をより粘稠にして、基材の表面に通常のコーティング技術を用いてコーティングできるようにするために、適切な粘度をもたらすのに十分な量の、例えばポリ(エチレンオキシド)のような高分子量の材料を加えることができる。さらに、配合物の粘度を増すために、コーティングの前に配合物の部分的UV硬化を行うことができる。
【0032】
コーティング組成物は、例えば、スプレー、ペイント、ロールコーティング、ブラッシング、ファンコーティング、カーテンコーティング、拡散、エアーナイフコーティング、金型コーティング、真空コーティング、スピンコーティング、電着、及びディッピングを含む様々な方法により、ろ過膜に塗布することができる。
【0033】
コーティングの厚さは用途によって変化することになり、より薄いコーティング層は複合膜の透過水流束を増加させることができる。典型的には、コーティングは、約50nm乃至約5μm、好ましくは約50nm乃至約2μm、より好ましくは約50nm乃至500nmの乾燥厚を有することになる。しかし、より厚い又はより薄いコーティングもまた、例えば、複合膜の所望の透過水流束、吸水率、及び阻止特性に応じて企図される。
【0034】
本発明はまた、コーティング組成物を基材、例えばろ過膜などに塗布するステップと、コーティング組成物を硬化させる(例えば、コーティング組成物をUV光のような放射に曝すことにより)ステップとを含むコーティングの方法を提供する。好ましいコーティングは、コーティングを約200nm乃至約800nmの範囲の波長を有する放射に曝すことによって硬化させる。好ましいコーティングは、紫外又は可視光により硬化させるように設計されるものであり、好ましくは約200mJ/cm乃至約1000mJ/cmに曝され、より好ましくは約500mJ/cm乃至約800mJ/cmに曝される。
【0035】
以下の実施例において示すように、複合膜の防汚染抵抗性は無コーティングの膜に比べて著しく強化される。
【0036】
本発明は、ここで以下の非限定的な実施例に関連してさらに説明する。
【実施例】
【0037】
自立型膜の調製
ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(Mw:700、ミズーリー州セントルイスのアルドリッチ社、以後PEGDAと記す)、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩(99%、アルドリッチ社、以後一般的にRNHClと記す)、D.I.水、及び1%(w/w)の水溶性光開始剤(2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を窒素グローブボックス内で混合して一晩撹拌した。ポリ(エチレングリコール)ジアクリレートと2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩の間の重量比は1:1から3:1まで変化させ、そして含水量も50%(w/w)から80%(w/w)まで変化させて、UV硬化ヒドロゲル膜の架橋密度を制御した。
【0038】
この混合溶液を、テフロン膜で覆われ、スペーサで隔てられた2枚の石英板の間に挟んだ。次に溶液を365nmUV光に9mW/cmで90秒間曝して重合させた。このプロセスによって得られた架橋膜を大量の脱イオン水中に保存した。
【0039】
吸水率(S)は乾燥膜(W)と湿った膜(W)の重量を測定して、式S=(W−W)/W×100により計算した。透水率は撹拌式限外ろ過セルにより10psiで測定し、分子量カットオフ(MWCO)は、モル質量が200乃至35,000の標準ポリエチレングリコールの0.5%溶液をろ過することにより測定した。種々の配合物により調製したヒドロゲル膜の吸水率、透水率及びMWCOは図1及び表1にまとめてある。
【0040】
吸水率は、重合前混合物中のPEGDAとRNHClの間の構成比並びに含水量に依存して165%から900%まで変化した。PEGDAに対するRNHClの相対比、並びに含水量が増加するにつれて、膜の架橋密度が減少した。その結果、膜の吸水能(吸水率)が増加した。
【0041】
重量比2:1のPEGDAとRNHCl、並びに種々の量の水により合成した自立型膜の透水率及びMWCOは表1にまとめてある。MWCOは膜に関するダルトン単位のサイズ表示であり、膜により90%が阻止される基準のポリエチレングリコールの分子量である。
【表1】

【0042】
非常に高い透水率値(196L μm m−2h−1atm−1)が80%(w/w)の水をPEGDAとRNHClの重合前混合物(重量比2:1)に加えて調製した膜において観測された。これらの膜のMWCO値(6kDa以下)は有機又はバイオ汚染物を阻止するのに十分に適当であり、この膜は膜の内部汚染(膜の内部孔を汚染物でふさぐ)を著しく減らすことができることを示している。
【0043】
複合膜の調製及び防汚効率の評価
複合膜を作成するために、PEGDA、RNHCl、水、及び光開始剤の重合前混合物に高分子量のポリ(エチレンオキシド)(Mn=1,000,000g/mol)を加えて、コーティング溶液の粘度を増加させた。PSF支持膜をグリセロールとメタノールの混合溶媒(15%グルセロール)中に浸して上面上のあらゆる塵埃を除去し、コーティングの前に空気中で乾燥した。
【0044】
この粘稠の重合前混合物を乾燥PSF支持膜の上面上に、コーティングロッドを有するガードコ(Gardco)自動ドローンダウン(drawdown)マシーンを用いて塗布し(サイズ:0、コーティング速度:2.5cm/s)、UV硬化させた。
【0045】
これらのヒドロゲル膜の防汚効率を評価するために、複合膜(ヒドロゲル材料でコーティングした膜、図2)、無コーティングのPSF支持膜、及びカルフォルニア州オーシャンサイドのセプロ(Sepro)膜社からの市販の限外ろ過膜の分離性能を、クロスフローろ過システムを用い、油及びタンパク質のような標的汚染物を含む人工の供給水を用いて調べた。
【0046】
図3は、透過水流束を、油−水エマルジョンのクロスフローろ過における稼働時間の関数として示す。PEGDAとRNHClの重合前混合物に70%(w/w)及び80%(w/w)の水を加えてコーティング層を調製した2つの複合膜を試験した。PEGDAとRNHClの間の重量比は2:1に固定し、両方のコーティング材料は、図3において、それぞれ「ヒドロゲル2170」及び「ヒドロゲル2180」のように示した。
【0047】
無コーティング膜の透過水流束は2時間以内著しく低下し、これは重度の油汚染を示す(図3)。市販の限界ろ過膜もまた油汚染による透過流束の長時間にわたる減少を示した(図3)。しかし、両方のヒドロゲルでコーティングされた膜は1時間後には殆ど透過流束の変化を示さず、長時間にわたり非常に高い透過水流束(ヒドロゲル2180に対して約80LMH及びヒドロゲル2170に対して約55LMH、図3)を維持した。2つのコーティングされた膜の間の透過流束の差は、ヒドロゲル材料の透水率の差(重合前混合物中の高含水量が結果の膜の高透水率を生じる)によるものである。
【0048】
図4は、ヒドロゲルでコーティングされた膜のバイオ汚染抵抗性を無コーティングPSF膜と比較して示す。「ヒドロゲル1180」及び「ヒドロゲル2180」で示した2つの複合膜を無コーティングPSF膜に対比して試験し、透過水流束をタンパク質(ウシ血清アルブミン、BSA)供給溶液のクロスフローろ過における稼働時間の関数としてモニターした。
【0049】
「ヒドロゲル1180」及び「ヒドロゲル2180」は、PEGDAとRNHClの重量比がそれぞれ1:1及び2:1の重合前混合物中に80%(w/w)の水を含むコーティング組成物を表す。無コーティングPSF膜は20分以内にタンパク質汚染による著しい透過流束低下を示した(図4)。しかし両方のヒドロゲルでコーティングされた複合膜は、負に帯電したBSA(BSAの等電点は4.7付近)と強く相互作用し得る正に帯電したアンモニウム部分をコーティング層が有するにもかかわらず、標的タンパク質BSAに対して優れた汚染抵抗性を示した(長時間にわたり透過流束が減少しない)。
【0050】
この結果は、コーティング層のPEGDA成分がさらに有効にタンパク質付着を阻止することを示す。ヒドロゲル2180を用いて調製した複合膜の絶対透過水流束は、ヒドロゲル1180を用いて調製した複合膜の透過流束よりも僅かに大きかったが、これはコーティング層の吸水率及び透水率の傾向とは逆である(ヒドロゲル1180はヒドロゲル2180(673%)よりも大きな吸水率(871%)を示す)。これは、ヒドロゲル2180の表面に比べてヒドロゲル1180表面上のより高い電荷密度によるもので、これが負に帯電したBSAの相対的に高い表面付着をもたらしたものと思われる。両方の複合膜はまた、むき出しのPSF膜に比べて不可逆汚染を減らし、汚染実験後のより良好な透過流束回復をもたらした(図5)。
【0051】
ヒドロゲル・コーティング材料はタンパク質阻止においても付加的な利点をもたらした。複合膜は、無コーティングPSF膜(0%阻止率)に比べて標的タンパク質BSAに対する非常に高い阻止率(97%を上回るBSA阻止率)を示した。これは、ヒドロゲル・コーティング材料の低いMWCO(約6.0kDa)に比べて無コーティングPSFの高いMWCO値(100kDa)によるものと思われる。BSAのMwは67kDaである。
【0052】
調製実施例
実施例1:ヒドロゲル2170
1gのポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(Mw:700、アルドリッチ)、0.5gの2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩(99%、アルドリッチ)、3.5gのD.I.水及び0.015gの水溶性光開始剤(2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を窒素グローブボックス内で混合し、一晩撹拌した。自立型膜、複合膜の調製、及び膜の特性評価は前述と同じ方法で行った。
【0053】
膜の吸水率、透水率、及びMWCOは、それぞれ362%、72.3 L μm m−2h−1atm−1、及び2.7kDaであった。
【0054】
実施例2:ヒドロゲル2180
0.67gのポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(Mw:700、アルドリッチ)、0.33gの2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩(99%、アルドリッチ)、4gのD.I.水及び0.01gの水溶性光開始剤(2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を窒素グローブボックス内で混合し、一晩撹拌した。自立型膜、複合膜の調製、及び膜の特性評価は前述と同じ方法で行った。
【0055】
吸水率、透水率、及びMWCOは、それぞれ673%、196.38 L μm m−2h−1atm−1、及び6.0kDaであった。
【0056】
図6は複合膜の断面SEM像を示し、ヒドロゲル・コーティング層の厚さは乾燥状態で凡そ500nmである。
【0057】
実施例3:ヒドロゲル1180
0.5gのポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(Mw:700、アルドリッチ)、0.5gの2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩(99%、アルドリッチ)、4gのD.I.水及び0.01gの水溶性光開始剤(2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を窒素グローブボックス内で混合し、一晩撹拌した。自立型膜、複合膜の調製、及び膜の特性評価は前述と同じ方法で行った。この膜の吸水率は871%であった。
【0058】
実施例4:ヒドロゲル3180
0.75gのポリ(エチレングリコール)ジアクリレート(Mw:700、アルドリッチ)、0.25gの2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩(99%、アルドリッチ)、4gのD.I.水及び0.01gの水溶性光開始剤(2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を窒素グローブボックス内で混合し、一晩撹拌した。自立型膜、複合膜の調製、及び膜の特性評価は前述と同じ方法で行った。この膜の吸水率は475%であった。
【0059】
実施例5:ヒドロゲル2170及び2180により調製した複合膜の防汚効率の評価
ヒドロゲルでコーティングされた複合膜(2170及び2180)の透過流束をモニターするために、市販のクロスフローろ過システムを用いて、油/水エマルジョンのクロスフローろ過を行った。油/水エマルジョンは、植物油/界面活性剤(9:1)を3Lの脱イオン水と混合して調製した(油の濃度:1500ppm)。クロスフローろ過は25℃で行い、クロスフロー速度は100psiにおいて0.35Gal/minであった。透過流束はコンピュータに接続した直示天秤で記録した。
【0060】
ヒドロゲル2170及び2180でコーティングされた複合膜は、20時間を超える間非常に大きく且つ一定の透過流束(ヒドロゲル2170に対して55LMH及びヒドロゲル2180に対して80LMH)を示したが、一方無コーティングPSF膜は2時間後に重度の透過流束低下を示した。これらのデータは図3にプロットしてある。
【0061】
実施例6:ヒドロゲル2180及び1180により調製した複合膜のバイオ汚染抵抗性の評価
ヒドロゲル2180及び1180でコーティングされた複合膜の透過流束をモニターするために、市販のクロスフローろ過システムを用いて、タンパク質供給溶液のクロスフローろ過を行った。タンパク質供給溶液は、5gのウシ血清アルブミン(BSA)を、0.1Mリン酸緩衝剤を含む5Lの脱イオン水(pH=7.4)に溶解させて調製した。クロスフローろ過は25℃で行い、クロスフロー速度は30psiにおいて0.8L/minであった。透過流束はコンピュータに接続した直示天秤で記録した。
【0062】
ヒドロゲル2180及び1180でコーティングされた複合膜は、60分間非常に一定不変の透過流束(ヒドロゲル2180に対して75LMH及びヒドロゲル1180に対して45LMH)を示したが、一方無コーティングPSF膜は20分後に重度の透過流束低下を示した(150LMHから40LMH未満まで)。これらのデータは図4にプロットしてある。
【0063】
ヒドロゲル2180及び1180でコーティングされた複合膜はまた、高いBSA阻止率(ヒドロゲル2180に対して97.0%及びヒドロゲル1180に対して97.6%)を示したが、一方無コーティングPSF膜は0%のBSA阻止率を示した。
【0064】
実施例7:ヒドロゲル2180及び1180により調製した複合膜の不可逆バイオ汚染の決定(透過流束回復)
不可逆タンパク質汚染は、複合膜(ヒドロゲル2180及び1180でコーティングされた)の汚染実験の前後の純水透水率を比較することにより決定した。汚染実験の前に、膜の純水透過流束(Pw,0)を、汚染実験を行ったのと同じ圧力及びクロスフロー速度(30psi及び0.8L/min)において決定した。次に、実施例6で説明したようにタンパク質供給溶液を用いて、その膜に対する汚染実験を60分間行った。汚染実験の後、クロスフロー・システムを脱イオン水で少なくとも3回洗い流し、その後全部で30分間、水をシステムの中を循環させて洗浄した。汚染後の純水透過流束(Pw,f)を洗浄サイクル後に記録した。次にPw,fをPw,0で割ることにより透過水流速の回復指数を計算した。
【0065】
ヒドロゲル2180及び1180でコーティングされた複合膜は、無コーティングのPSF膜(0.07)に比べてより高い透過流束回復指数(それぞれ、0.50及び0.58)を示したが、これはコーティング材料が膜表面上の不可逆バイオ汚染を減少させることを示す。これらのデータは図5にプロットしてある。
【0066】
実施例8:ヒドロゲル3180、2180、及び1180により調製した複合膜についてのタンパク質付着実験
タンパク質付着実験は、標識付きのウシ血清アルブミン(BSA)の蛍光分析を用いて行った。ヒドロゲル3180、ヒドロゲル2180、及びヒドロゲル1180により調製した複合膜の平坦シートから直径2.5cm(1インチ)のサンプルを切り取った。
【0067】
この円形サンプルを、3.5cmの有効表面積を有するデッドエンド型セル(米国カリフォルニア州ダブリンのアドバンテックMFS社の#UHP25)の内部に配置し、脱イオン水で数回洗浄した。次にR−NHS標識付きBSA溶液(脱イオン水中0.1mg/mL)をセルに加えた。10分後、タンパク質溶液を傾斜除去し、膜表面を脱イオン水で繰り返し洗浄した。
【0068】
次いで膜を風乾し、蛍光顕微鏡(米国イリノイ州バノックバーンのライカ社のDM IRBE)又は蛍光プレートリーダー(スイス、マンネドルフのテカン社のサファイアII)を用いて蛍光強度の試験を行った。複合膜について測定した蛍光強度を、むき出しのPSF膜について測定した強度で規格化した。
【0069】
ヒドロゲル3180、ヒドロゲル2180、及びヒドロゲル1180により調製した複合膜の規格化蛍光強度値はそれぞれ0.26、0.85、及び1.5であった。この結果は、むき出しのPSF限外ろ過膜に比べて、ヒドロゲル3180及びヒドロゲル2180がタンパク質付着に対する遥かに大きな抵抗性を有し、一方ヒドロゲル1180は高密度の正電荷のためにより多くのタンパク質を付着する(BSAは中性pHにおいて負に帯電するタンパク質)ことを示す。
【0070】
本明細書で説明した吸水率、透水率、及びタンパク質付着の実験に基づいて、ヒドロゲル2180が、長時間の間、最少のバイオ汚染で最大透過水流束を維持する最良のコーティング組成物であると考えられる。
【0071】
本発明の種々の実施形態を説明した。これら及び他の実施形態は添付の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面を有するろ過膜と、
前記ろ過膜の前記表面上の層と、
を含み、
前記層はアンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質と架橋結合したポリ(エチレングリコール)部分を含んだポリマーを含む、
複合膜。
【請求項2】
前記ろ過膜は、精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、逆浸透(RO)膜、順浸透(FO)膜、及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項1に記載の複合膜。
【請求項3】
前記層は、50nm乃至5μmの乾燥厚を有する、請求項1に記載の複合膜。
【請求項4】
複合膜を作成する方法であって、
コーティング組成物をろ過膜の表面に塗布するステップを含み、
前記コーティング組成物は、
一つ又は複数の重合可能官能基を有する親水性化合物(A)と、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を含む重合可能化合物(B)とを含み、
前記方法はさらに、
前記組成物を硬化させて前記膜の上の層を形成するステップを含む
方法。
【請求項5】
前記化合物(A)は、1つ又は複数の(メタ)アクリル官能基を有するモノマーを含み、
前記化合物(B)は、式[(RNR]を有するモノマーを含み、
前記式中、
Rは(メタ)アクリル官能基であり、
Nは窒素であり、
〜Rは同じでも異なっても良く、水素又はアルキルとすることができ、
Xはハロゲンである、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の(メタ)アクリル官能基を有する前記化合物(A)の、前記式[(RNR]を有する前記化合物(B)に対する重量比は1:1から3:1までである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記化合物(A)は、PEGメタクリレート、PEGアクリレート、PEGジアクリレート、PEGジメタクリレート、又はPEGジエポキシドのうちの少なくとも1つから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物(A)はPEGジアクリレートである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記化合物(B)は、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート−塩化メチル、及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記コーティング組成物は溶媒をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記溶媒は水である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記水は、前記コーティング組成物の50wt%乃至80w%を構成する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コーティング組成物は光開始剤をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記コーティング組成物はUV光で硬化される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
精密ろ過(MF)膜、限外ろ過(UF)膜、ナノろ過(NF)膜、逆浸透(RO)膜、順浸透(FO)膜、及びそれらの組合せから成る群から選択されるろ過膜と、
前記膜の上の層と
を含み、
前記層は、一つ又は複数の重合可能官能基を含む親水性化合物(A)と、アンモニウム塩又はアンモニウム塩前駆物質を包含する重合可能化合物(B)との、硬化反応生成物を含む、
複合膜。
【請求項16】
前記化合物(A)は、1つ又は複数の(メタ)アクリル官能基を含み、
前記化合物(B)は、式[(RNR]を含み、
前記式中、
Rは(メタ)アクリル官能基であり、
Nは窒素であり、
〜Rは同じでも異なっても良く、水素又はアルキルとすることができ、
Xはハロゲンである、
請求項15に記載の複合膜。
【請求項17】
前記化合物(A)は、PEGメタクリレート、PEGアクリレート、PEGジアクリレート、PEGジメタクリレート及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項16に記載の複合膜。
【請求項18】
前記化合物(A)はPEGジアクリレートである、請求項17に記載の複合膜。
【請求項19】
前記化合物(B)は、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート−塩化メチル、及びそれらの組合せから成る群から選択される、請求項16に記載の複合膜。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−110553(P2011−110553A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247450(P2010−247450)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】