説明

患者を再位置決めする装置と方法

患者再位置決め装置10が、患者支持パネル20と、支持パネル20上で患者50を横方向に支持する少なくとも1対の横方向に調節可能な側方支持構造物30a,b,40a,bとを含んでいる。患者の身体50の反復可能な再位置決めを達成するために、各対の側方支持構造物30a,b,40a,bは、リンク機構によって連結され、これによって側方支持構造物30a,b,40a,bは、支持パネル20に支持された患者50の中心線を指示する支持パネル長手方向軸線A−Aにセンタリングされる。本発明により、また患者を再位置決めする方法も得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載された、患者の体位を再位置決めする装置と、請求項17の前文に記載された、放射線処置用の治療テーブル又は診断テーブル上で患者の体位を再位置決めする方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
放射線治療、外科手術いずれの場合も、実際の患部を十分に精確に突き止めることが、治療処置の成功にとって重要である。治療処置での患部の位置確定を誤る危険を最小化するため、体内の精確なターゲット位置は、診断装置、例えばX線装置、コンピュータ断層撮影装置(CT)、ガンマカメラ、核磁気共鳴ユニット(NMR又はMR)等によって確認される。責任ある医師は、処置すべきターゲット部位を診断画像の輪郭によって具体的に把握し、該画像が、手操作又はコンピュータ操作による方法によって処置計画の立案に使用される。次いで、治療措置、例えば放射線治療又は外科手術が、処置計画にしたがって行われる。
【0003】
ターゲット部位は、通常、患者の体内の深部に位置するので、患者は、特にターゲット部位は、診断処置時と同じ座標系内で精確に再位置きめできることが不可欠である。このことが特にガンの放射線治療の場合に重要なのは、標的となる腫瘍に対し数週間にわたって毎日小線量の放射線照射が反復されるからである。このため、毎回の治療時に患者の腫瘍が放射線治療装置の放射線照射域に対して精確に位置決めされることが重要である。また診断処置の場合も、患者の再位置決めは、特に異なる画像形態が使用され、患者についてのより多くの診断情報を得るために複数の画像が重ねられる場合、重要である。
【0004】
患者の身体を位置決めするための一つの普及している方法は、補助用の入れ墨針を有するか、又は有さないフェルトペンで、放射線治療を受ける身体部位の皮膚に印を付けるというものである。皮膚の印と処置室内の位置決めレーザビームとによって、治療者は、毎回の治療時に放射線照射テーブル上の正しい位置に患者を整合させることを試みる。この方法の欠点は、皮膚が弾力的であるために、骨格やターゲット部位に対して往々にしてかなり動くことがある点である。ターゲット部位に対する皮膚及び皮膚マークのこのような動きのため、毎回の治療時に腫瘍が確実に照射域内に位置するように、照射域に広い安全余裕域を設ける必要が生じる。
【0005】
照射域のこの寸法増大の結果、ガン以外の多量の正常組織が不必要に照射を受けることになる。これにより、体は高線量の放射線エネルギーを受けることになり、放射線治療の望ましくない副作用の危険が高くなる。必要以上に線量を照射することにより、特定区域、例えば放射線に高い感受性を有する臨界臓器又は臨界組織に近い区域では、治療効果にとって望ましいレベルまで総放射線量を高めることができない。診断、治療いずれの場合にも、より精確に再位置決めすることによって、位置の不正確さによる安全照射余裕域を削減し、正常組織への線量を低減し、所望とあればターゲット部位に高い線量を照射することが可能になる。これによって、また副作用の危険が低減され、かつ治療の成功の可能性が高まる。
【0006】
現在、患者の位置決めの偏差を低減するには、複数の設備や技術、例えば、マスク、締め付けブロック、ストラップ、プラスチック・シェル等のいわゆる固定装置を利用可能である。これらの固定装置は、診断装置、治療シミュレーター、放射線に対する影響が僅かな治療装置いずれとも一緒に使用可能でなければならない。この種の固定装置の問題点は、シェル内に横臥する患者、又は水平の処置テーブル上で、テーブルに取り付けられたマスク内へ引張りこまれる患者は、各処置時のたびに皮膚の伸びが異なり、その結果、皮膚のマークがターゲット部位に対する位置を維持できなくなる。各個の患者向きに注文生産されたより複雑な固定装置の場合は、横方向の再位置決めは改善されるが、ヒトの身体は事実上円筒形であるため、マスク内でまだかなりの回転運動が可能であり、このために精度が制限される。また注文品のマスクは、かなりの保管スペースを必要とし、かつ各患者が適合するマスクを常に確実に得られるようにするには、安全システムや何らかの確認システムが必要である。
【0007】
これらの問題の幾つかを克服する1装置が、米国特許第5,983,424号に開示されている。そこに提案されている装置は、非可とう性の直立パネル部材と、テーブル端部に配置された傾斜・搬送組み立て体とから成り、該組み立て体は、パネル部材と患者とを一緒に直立配位から横臥配位へ傾斜させ、双方をテーブル上の所定位置へ搬送する。
前記装置の設計と機能は、体位変更時には、皮膚は重力の影響を受けるという知見に基づいている。皮下脂肪が厚ければ厚いだけ、動きは大となる。また、患者のヒップその他の身体部分の運動を、現在の技術では再現するのは難しい。
このため、位置決めは、患者が直立位置に置かれたときに設定される。患者が衣服や靴なしで直立する場合、皮膚というコスチュームは、骨格に対して輪郭のはっきりした位置を占めるだろう。脚は所与の長さを有し、股関節は、床面に対し常に等しい位置を有しているだろう。皮膚は重力で伸びるだろうが、この伸びは、極端な体重減少がなければ、放射線治療期間中の各治療時に等しいはずである。
【0008】
患者は台板上に立ち、台板の後部が患者の背中の後ろの直立パネルに結合されている。患者が、最初に自然な直立姿勢をとると、皮膚は、位置決めレーザー光、又は、パネルに結合されかつ背後のパネルと身体との関係を指示する他の技術手段によって身体の適当な位置にマークが付けられる。パネルに対する身体の位置関係によって、毎回、体位が決定される。
種々の固定手段が、この場合、パネルに取り付けられており、建築用煉瓦のように、異なるレベルでパネルにスナップばめされ、位置決め後に除去されるか、又は診断、シミュレーション作業、放射線治療いずれかの間中、そのままにしておくこともできる。該固定手段は、位置決めマーク、横方向支持体、背中や頭部・頚部の曲線部の支持体、ストラップ、マスク、パネルに結合されたその他の固定部材を含むことができる。
【0009】
しかし、レーザーによりパネルに対する患者の位置決めを行う前記の処置は、どちらかといえば複雑で時間を食うが、同じことは、治療周期内の各治療時に確実に等しく位置決めするために、パネルに種々の固定手段を取り付ける作業にも当てはまる。更に、特定の患者用の支持装置を再構成するには、パネルに取り付けられる種々の部材各々の位置の複雑な説明が必要とされる。支持装置を有する全パネルを、各治療と治療との間、保管できれば説明は必要ないが、その場合には、各治療現場に多数の再位置決めパネルを保管せねばならず、そうしたことは、高くつく上に、不使用パネルの保管システムと保管スペースが必要である。異なる支持構造物を個別化するか、又は種々の寸法および形状で製造すれば、それらの支持構造物を効率的に保管し取り扱わねばならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、先行技術の1つ以上の欠点が克服された、患者の新しい再位置決め装置及び再位置決め方法を得ることである。この目的は、請求項1に定義した再位置決め装置と、請求項17に記載した方法とによって達成された。
前記装置及び方法の1つの利点は、再位置決め装置による患者の再位置決め処置が極めて簡単に可能な点である。それというのも、装置が、装置に対して同じ軸線に沿って患者を常に中央に位置させるからである。
別の利点は、1つの同じ再位置決め装置が、異なる支持構造物を適合させる時間を食うことなしに、広範囲の体長と体幅の事実上すべての患者の再位置決めに使用できる点である。
更に、この装置及び方法の別の利点は、異なる形状及び寸法の付加的支持構造物が事実上不要なことであり、これによって、各患者に適合する種類及び構成の固定部材を確実に使用するための保管スペース並びに確認システムが不要となる。
本発明の複数実施例は従属請求項に定義されている。
以下で図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1には、本発明による患者の再位置決め装置10の1実施例が示されている。既述のように、傾斜形式の再位置決め装置10は、他の先行技術による再位置決め装置と比較して多くの利点を有しているが、公知の装置は使用するのが面倒な点がある。
米国特許第5,983,424号に開示されている装置のように、本発明による再位置決め装置10は、患者支持パネル20と、少なくとも1対の横方向に(それぞれ破線B−B及びC−Cに沿って)調節可能な側方支持構造物30a,b,40a,bとを含み、該側方支持構造物によって、支持パネル20上の患者50の側部が支持される。しかし、患者50を支持パネル20の中央に迅速かつ確実に位置決めするために、各対の側方支持構造物30a,b,40a,bは、後述するリンク部材により連結されており、この結果、該支持構造物は、支持パネル20上に支持された患者50の中心線を表わす支持パネル長手方向軸線A−Aに自動的にセンタリングさせられる。
【0012】
患者の再現可能な中央位置決めを達成するために、各対の横方向調節可能な側方支持構造物30a,b,40a,bは、皮膚表面近くに骨格を有する身体区域、例えばヒップ区域や胸部区域等で患者を支えるように構成されている。側方支持構造物30a,b,40a,bのこのおおよその構成によって、大多数の患者は、後続する診断や治療の処置のために、装置上で十分精確に中央位置を占めることができる。
【0013】
図1に示した実施例は、2対の側方支持構造物30a,b,40a,bを有し、第1対30a,b(ヒップ支持体)はヒップ区域60のところで患者を支持するように構成され、第2対40a,b(胸部支持体)は、胸部70のところで患者を支持するように構成されている。体長に関して、より多くの患者に適応するように、側方支持構造物30a,b,40a,bは、少なくとも一方が、好ましくは双方が、図2の胸部支持体40a,bで示したように、長手方向に調節可能である。胸部支持体40a,bは、長手方向に可動の取り付け板80に取り付けられており、該取り付け基板は、図2の符号D及びEで示した位置間を可動である。また取り付け基板80は、患者が処置を受けるたびに同じ位置に配置できるように、幾つかの固定位置間を可動であるのが好ましい。
【0014】
再位置決め装置10が使用される診断設備又は治療設備の種類に応じて、再位置決め装置は、どのような適当な材料から成るものでもよい。しかし、主な使用領域は放射線による診断又は治療なので、再位置決め装置の上部区域に配置される事実上すべての部品は、放射線透過性材料で作るのが好ましい。しかし、診断画像又は治療を妨げない区域に配置される部材は、放射線不透過性であってもよい。放射線透過性材料を使用できない妨害的な部材を上部区域に有するのを避ける1つの手法は、該部材を上部区域の外部に、例えば足の区域に、又は足の区域の下に配置することである。それらの妨害部材は、主として側方支持構造物30a,b,40a,b用のリンク機構に関係するものだが、詳しくは後述する。
【0015】
図3は、再位置決め装置10と、側方支持構造物30a,bのセンタリング動作をリンクさせる二条ねじ90を含むリンク機構との断面を示している。二条ねじ90は駆動モータ100によって回転駆動され、側方支持構造物30a,bは、回転方向に応じて、ねじ切り部材110a,bにより別個に又は一緒に同期してセンタリング運動を行うように構成されている。言うまでもなく、側方支持構造物30a,b,40a,bのセンタリング運動と同じ結果が得られる幾つかの変更態様や変化形、例えば、歯車その他を介して逆方向で二条ねじを回転させる形式も存在する。更に、駆動モータ100は、例えば再位置決め装置10の足端部に配置し、長手方向の軸とアングル歯車とを介して二条ねじ90を駆動でき、これによって放射線不透過性材料製部材を再位置決め装置10の処置区域の外部に配置することができる。またリンク機構には、2つの別個のモータを使用して、各モータが各側方支持体の位置を制御するようにし、これらのモータを電気的に接続して回転を同期化し、支持体のセンタリング運動を得ることができる。
【実施例2】
【0016】
図4は、本発明による再位置決め装置10のリンク機構の別の形式を略示したものである。この場合、側方支持構造物30a,bは機械式のレバーシステム120によって連結されている。このレバーシステムによって連結された側方支持構造物30a,bにより生じる運動は、図2のB−B線で示されている。機械式のレバーシステム120は、レバー130a,bのみが再位置決め装置10の処置区域内へ延び、これによって、処置区域内の放射線不透過性材料の量を最小化できる。図4に見られるように、機械式レバーシステム120の他のすべての部品は、再位置決め装置10の末端に配置されている。
【0017】
レバー130a,bは、各々旋回軸140a,bのところに旋回可能に支持され、連結レバー150a,bによって互にセンタリングされ、連結されている。連結レバー150a,bは、スライダ170と軸180とを含むセンタリング兼ロック機構160によって旋回可能に結合されている。センタリング兼ロック機構160は、レバー130a,bが、各々連結レバー150a,bによって常に互いに確実にセンタリングされ、好ましくは1方向自動ロックシステムを備え、該ロックシステムは、ノーマル状態では側方支持構造物の外方への運動をロックする一方、患者を位置決めするための内方への運動は許容する。ロック機構160は、好ましくは解除ボタン等(図示せず)によって解除される。
あるいはまた、機械式レバーシステム120は、軸180を回転駆動するように構成された駆動モータによって制御でき、その場合、軸180及びスライダ170には、ねじ山が設けられる。
【0018】
以上に説明した実施例の場合、再位置決め装置10は、2対の支持構造物30a,b,40a,bを有するように示されているが、適当な数であれば何対の支持構造物を有していてもよい。1実施例では、1対の支持構造物(頭部支持)形式の頭部支持体を備えている。頭部を支持体で固定するさい確実に傾かないようにするために、各支持体は、患者の頭部の皮膚に付けた各マークに整合させ得る照準構造物を備えている。更に、必要とあれば付加的支持体を、より従来形式の補助支持体で補うことができ、また支持構造物は、必要とあれば、異なる形状及び/又は寸法の支持部材を備えることで、異なる患者に精密に適合できる。
患者支持パネル又はいずれかの支持構造物が、整合手段、例えば基準マーク、レーザー線、その他類似の手段等を有するようにして、異なる身体区域の皮膚マークに対し患者を回転させ、体位を調節することもできる。
【0019】
再位置決め装置10の患者支持パネル20には、診断画像内に見ることができる補助手段、例えば可視的な目盛付きスケール又はマーカー等を従来形式で取り付けるか、又は取り付け可能であり、そうすることによって、支持パネルをそれ自体の基準座標系により、診断および放射線治療を行う病院の設備に対し位置決めすることができる。
この支持パネルは、また電子素子、例えばトランシーバー、マグネット、光源等を取り付けることができ、該素子により、部屋や異なる種類の設備に対する位置、患者の位置、患者及びパネル又はパネル部材への照射域の位置を指示できる。
更に、1回の治療に2つ以上の支持パネル20を使用することができ、その場合には、一方の支持パネルは患者の背後に配置し、他方の支持パネル(図示せず)は、放射線治療に関連して患者の前部に取り付けられる付属部材を有している。
【0020】
これまで支持パネル20について述べたことは、平らなパネルにだけ当てはまるものではない。支持パネルは、患者の身体の輪郭に完全に適合したバケットシート様の形状にすることもでき、また診断装置又は治療装置の処置テーブルに組み込んでもよい。
支持構造物は、全処置期間中、装置上に配置され、患者を所定位置に保持することができ、患者を固定するのに役立つが、位置決め過程後に除去して、診断又は治療処置の間は別の固定手段を使用することもできる。更に、患者が各回の治療時に確実に一致した姿勢となるように、1体以上数体の側方支持構造物が圧力センサを備えることができ、該センサによって、支持構造物が患者に加える圧力が記録される。
更に、患者を目標位置に容易に位置調節できるように、患者支持パネルは低摩擦面を備えるか、又は患者の身体と患者支持パネル間の摩擦を低減する可動パネルを備えることにより、摩擦で位置決めが妨害されないようにすることができる。
【0021】
以上、本発明を傾斜式の患者再位置決め装置の形式で説明したが、本発明によるリンク式患者支持パネルは、患者の身体を反復的に位置決めする目的のあらゆる種類の患者再位置決め装置に使用できる。事実上水平の非傾斜式患者再位置決め装置の場合、患者支持パネルは、好ましくは低摩擦面又は既述のような可動パネルを備えている。
また、本発明は、本発明よる再位置決め装置10を使用して患者の再位置決めを行う方法を提供するものでもある。この方法は、次の段階を含んでいる。すなわち、
患者の背と、脇と、前部とを再位置決め装置10の患者支持パネルに対し配置する段階と、
支持パネル上の患者を、少なくとも1対の横方向調節可能な側方支持構造物を用いて横方向に再位置決めする段階とであり、該側方支持構造物は、自動的に支持パネルの長手軸線にセンタリングされるように連結され、患者は、各治療時に前記長手軸線を中央(中心)にして事実上等しい位置に確実に再位置決めされる。
【0022】
再位置決め装置10が長手方向の調節可能な支持構造物を備えている場合、該方法は、横方向の再位置決め段階の前に、次の付加的段階、すなわち、
個別に選択されたパラメータにしたがって、各対の側方支持構造物の長手方向位置を調節する段階を含んでいる。
患者支持パネル又は側方支持構造物30a,b,40a,bが、身体の異なる区域の皮膚マークに対し患者を回転調節するための整合手段を備えている場合、該方法は、次の付加的段階、すなわち、
皮膚のマークを整合手段と整合させることによって患者の回転を調節する段階を含んでいる。
患者再位置決め装置が傾斜式の場合、患者は患者支持パネル上に直立姿勢で位置せしめられるが、その場合、該方法は最後の段階、すなわち、
予め定められた位置に患者支持パネルを傾斜させる段階を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の1実施例の略示図。(実施例1)
【図2】図1の実施例に似た本発明の実施例の別の略示図で、幾つかの別の支持機構を示す図。(実施例2)
【図3】図1のB−B線に沿って切断した可能な一リンク機構の略示断面図。
【図4】別のリンク機構の略示図。
【符号の説明】
【0024】
10 再位置決め装置
20 患者支持パネル
30a,b;40a,b 側方支持構造物
50 患者
60 ヒップ区域
70 胸部区域
80 取り付け基材
90 二条ねじ
100 駆動モータ
110a,b ねじ部材
120 機械式レバーシステム
130a,b レバー
140a,b 旋回軸
150a,b 連結レバー
160 センタリング兼ロック機構
170 スライダ
180 軸
A−A 支持パネルの長手方向軸線
B−B 側方支持構造物の移動径路
C−C 側方支持構造物の移動径路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者再位置決め装置(10)であって、患者支持パネル(20)と、支持パネル(20)上に患者(50)を横方向に支持するための少なくとも1対の横方向に調節可能な側方支持構造物(30a,b,40a,b)とを含む形式のものにおいて、
各対の側方支持構造物(30a,b,40a,b)がリンク機構によって連結され、これによって、側方支持構造物(30a,b,40a,b)が、支持パネル(20)上に支持された患者(50)の中心線を表わす支持パネル長手方向軸線(A−A)に自動的にセンタリングされることを特徴とする、患者再位置決め装置。
【請求項2】
各対の横方向調節可能な側方支持構造物(30a,b,40a,b)が、皮膚表面近くに骨格を有する身体区域、例えばヒップ区域(60)、胸部区域(70)、頭部のところで患者を支持するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載された患者再位置決め装置。
【請求項3】
患者(50)のヒップ区域(60)を支持するように構成された第1対の側方支持構造物(30a,b)と、患者(50)の胸部区域(70)を支持するように構成された第2対の側方支持構造物(40a,b)とが含まれることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載された患者再位置決め装置。
【請求項4】
少なくとも1対の側方支持構造物(30a,b,40a,b)が長手方向に調節可能であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項5】
再位置決め装置の処置区域に配置された事実上すべての部品が放射線透過性であることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項6】
前記リンク機構が一方向自動ロックシステムを含むことを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項7】
前記リンク機構が駆動モータ(100)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項8】
前記リンク機構が二条ねじ(90)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項9】
前記リンク機構が電子式にリンクされた2基の駆動モータから成ることを特徴とする、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項10】
前記リンク機構が機械式レバーシステム(120)を含むことを特徴とする、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項11】
前記リンク機構が少なくとも1つの放射線不透過性部品を含み、該部品が再位置決め装置の処置区域の外部、例えば足支持部の下方に配置されることを特徴とする、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項12】
前記患者支持パネル及び/又は1体又は数体の側方支持構造物(30a,b,40a,b)が、患者の回転位置を調節するための整合手段を備えていることを特徴とする、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項13】
前記患者支持パネル(20)が、患者(50)を容易に目標位置につけるよう調節するために、低摩擦面又は可動パネルを備えていることを特徴とする、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項14】
1体又は数体の前記側方支持構造物(30a,b,40a,b)が、整合処置後に患者支持パネル(20)から除去できることを特徴とする、請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項15】
前記側方支持構造物(30a,b,40a,b)の少なくとも1体が圧力センサを備えていることを特徴とする、請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項16】
前記患者再位置決め装置が傾斜式であることを特徴とする、請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載された患者再位置決め装置。
【請求項17】
患者(50)を再位置決めする方法であって、
患者(50)の背と、脇と、前側を患者支持パネル(20)に対して配置する段階と、
横方向に調節可能な側方支持構造物(30a,b,40a,b)の少なくとも1体を使用して支持パネル(20)上の患者を横方向で再位置決めする段階とを含む形式のものにおいて、
前記側方支持構造物(30a,b,40a,b)が連結されることによって、前記構造物が、支持パネル(20)の長手軸線(A−A)に自動的にセンタリングされることで、患者(50)が、毎回、前記長手方向軸線(A−A)を中心線にして事実上等しい位置に再位置決めされることを特徴とする、患者を再位置決めする方法。
【請求項18】
前記横方向に再位置決めする段階の前に、前記側方支持構造物(30a,b,40a,b)の各対の長手方向位置を、個別に選択されたパラメータに応じて調節する段階が含まれる、請求項17に記載された方法。
【請求項19】
前記方法が、また回転整合手段を用いて患者(50)の回転姿勢を調節する段階を含む、請求項17又は請求項18に記載された方法。
【請求項20】
患者再位置決め装置が傾斜式であり、患者(50)が直立姿勢で患者支持パネル(20)上に配置され、前記方法が、患者支持パネル(20)を予め定められた位置まで傾斜させる最後の段階を含む、請求項17から請求項19までのいずれか1項に記載された方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−503865(P2007−503865A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524600(P2006−524600)
【出願日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001186
【国際公開番号】WO2005/020819
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(505457019)オンコログ メディカル キューエイ エイビー (2)
【Fターム(参考)】