患者位置決めアセンブリ用のロボット・アーム
ロボット式患者位置決めアセンブリが、患者治療台と患者治療台に連結されたロボット・アームを備える。ロボット・アームは、5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台を移動させるように構成される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2004年4月6日に出願された米国仮出願第60/560,318号の利益を主張する、2004年6月30日に出願の米国特許出願第10/881,315号の部分継続出願であり、それらは本明細書に参照によって組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態は、医療手術用の患者位置決めアセンブリの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のロボットは、組立て用の組立てラインでのように何度も繰り返しまったく同じことを行うように設計されている。これらのロボットは、特定の機能を行うために所与の動作を繰り返すようにプログラムされ、構成されている。ロボットは、しばしばより効率的に、またしばしば人間よりも精密に多くの機能を行うようになっている。
【0004】
一般的に従来のロボットは、1つ又は複数のロボット・アームを備える。これらのロボット・アームは、異なる自由度(DOF)での動作を容易にするのを助ける複数のセグメントを有している。従来のロボットの中には、対応するセグメントに連結された個別のステップ・モータを回転させることによってロボット・アームのセグメントを制御するように、コンピュータを使用するものもある。その他の設計は、アームのセグメントでの動きを行うために液圧又は空気圧を使用することができる。コンピュータはロボット・アームの精密な、繰返し可能な動作を可能にする。
【0005】
従来の選択的コンプライアンスを有する関節型ロボット・アーム(SCARA)のロボットは、4以下の自由度(DOF)で作動する。言い換えれば、これらのロボット・アームは、4以下の軸に沿って動くように設計されている。従来のロボット・アームに関しては、ピックアンドプレース式の機械へ適用したものが一般的である。ピックアンドプレース式の機械は、自動組立て、自動配置(automation placing)、プリント回路基板製造、集積回路のピックアンドプレーシング、及び機械加工、測定、試験、溶接などの小さな項目を含むその他の自動作業に使用される。これらのロボット・アームは、ロボット周辺装置、ロボット付属品、ロボット又はロボット式の工具、エンド・オブ・アーム(end of arm:EOA)ツーリング、又はエンド・オブ・アーム・デバイスとしても知られるエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、ロボット・グリッパ、プレス機器、塗装ガン、ブローランプ、ばり取り工具、アーク溶接ガン、ドリルなどの用具である。これらのエンドエフェクタは一般に、ロボット・アームの端部に配置され、上述の用途に使用される。1つの一般的なエンドエフェクタは、手を単純化したバージョンであり、それは異なる物体を把持し担持する。そのようなエンドエフェクタは一般に、3kg〜20kg(6.61〜44.09ポンド)の範囲の最大積載量を支持する。
【0006】
従来のロボットの中には、外部放射線治療などの用途において患者位置決め用に使用されてきたものもある。1つのそのような患者位置決めシステムは、Harvard Cyclotron Laboratoryの広いフィールド用のロボット・テーブル/チェアである。この設計は回転可能なプラットフォーム、空気パッド、、4つの独立に駆動される脚部をベースにした、固定された水平の陽子線治療室に使用される。別の患者位置決めシステムは、Harvard Cyclotron Laboratoryの陽子線で使用される放射線外科用の空間立体的なデバイス「Star」である。この「Star」の設計は、空気サスペンション・システムに基づくとともに、鉛直軸の周りでのベースとそれ自体の水平の主軸の周りの患者の二重回転に基づいている。
【0007】
別の患者位置決めシステムは、6DOFのパラレルリンク・ロボットと回転式プラットフォームに基づいた目や頭部の標的の治療用のロボット・チェアを使用する。別の例は、BostonのNortheast Protontherapy Centerのガントリー室用の患者位置決め装置に取り付けられたテーブルである。この特定の設計は、6DOFを有するリニアロボットに基づいている。しかし、この設計の6DOFは、少なくとも3つ(3)の線形軸を有する。これらの3つの線形軸によって、平行移動のみが容易になる。さらに、この設計によって、取り付けられたテーブルの動きに対して1DOFでの回転の動きのみが容易になる様子であり、さらにこのロボットは床、又は床下のピット内に取り付けられる。
本発明の実施形態は、添付図面の図に限定としてではなく例として示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の説明では、本実施形態の完全な理解を与えるために特定の構成要素、デバイス、方法の例などの多くの特定の詳細が明記される。しかし、これらの特定の詳細は本実施形態を実現するのに使用される必要はないことが当業者には明らかになるであろう。他の場合には、よく知られた材料又は方法は、本実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細には説明されていない。
【0009】
例えば治療用放射線処置システムを使用して治療用放射線処置の間に患者の位置を調整するためのロボット式患者位置決めアセンブリが説明される。ロボット式患者位置決めアセンブリは、3次元(3D)空間での患者治療台(例えばテーブル又は椅子)上の患者の動き、及び平行移動や回転運動での可撓性又は位置決めを犠牲にすることなく患者を高い位置に持ち上げ又は低い位置に降ろすことを容易にするトラック装着アセンブリを有する関節型ロボット・アームを備える。トラック装着アセンブリは、例えばコラムの鉛直な側面に鉛直に装着できる。
【0010】
ロボット・アームは、5DOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFでロボット・アームに取り付けられた患者治療台を位置決めすることができる。5つのDOFは、互いに直交するx、yの水平な座標軸に沿った平行移動に関する2つの回転軸、ならびにx、y、z軸のそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平なx、yの座標軸に垂直なz座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。1つの実施形態では、患者治療台と鉛直に装着されたロボット・アームは、およそ0から5ミリメートル(0から5mm)のたわみで、500ポンド(500lb)まで患者の荷重を支持可能にすることができる。
【0011】
別の実施形態では、ロボット・アームは、追加の回転のDOFを与えるためにショルダ・アセンブリとトラック装着アセンブリの間に装着された追加のプレート部材を備え、それによって全部で6つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFになる。6つのDOFは、互いに直交するx、y、zの座標軸に沿った平行移動に関する3つの回転軸、及びx、y、z軸の周りのそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平なx、yの座標軸に垂直なz座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0012】
図1は、治療用放射線処置の間にコンピュータ制御の下で患者の位置を調整するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態の概略ブロック図を示す。この実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、1)治療用放射線処置の間に、患者などの荷重を支持して位置決めする患者治療台103、2)治療室の3Dの作業空間又は動作領域内で5つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFで患者治療台の位置位置決めを行うロボット・アーム102を備える。図1の制御装置101は、ロボット・アーム102、センサ・システム104、ユーザ・インターフェース105、治療用放射線処置システム106、撮像システム107に接続される。ロボット・アーム102は、患者治療台103に連結されている。
【0013】
ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、患者治療台103の位置を検出するセンサ・システム104、ロボット・アーム102と患者作業台103の動作を制御する制御装置101、ユーザがロボット・アーム102と患者治療台103の動作を手動制御できるようにするユーザ・インターフェース・ユニット105、治療用放射線処置システム106をさらに備えている。制御装置101は、センサ・システム104から得たデータに基づいて治療室又はその他の所定の治療の座標系に対する患者治療台103の位置を計算するために、ロボット式患者位置決めアセンブリ100のセンサ・システム104とユーザ・インターフェース・ユニット105に動作的に連結できる。制御装置101は、治療手順全体を通して患者の解剖学的構造内の治療の標的が治療用放射線処置システム106の治療ビーム源に対して適切に位置合わせされたままになるような方式で、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を制御するようにも動作できる。制御装置101は、治療用放射線処置システム106を動作させるのに使用することもできる。1つの実施形態では、治療用放射線処置システム106は、米国カリフォルニア州のAccuray社によって開発されたCyberKnife(登録商標)システムなどの線形加速器(「線形加速器(linac)」を利用したフレームレス画像誘導式のロボット・ベースの治療用放射線処理システムでよい。あるいは、治療用放射線処置システム106は、ガントリー・ベースの(アイソセンタの)処理システム又はその他のタイプの医療手術システムでよい。制御装置101は、患者内部の治療の標的の1つ又は複数の治療前の走査を表す治療前の走査データを受ける治療用放射線処置システム106と通信することもできる。治療前の走査は、治療前の座標系に対する標的の位置と向きを示すことができる。制御装置101は、標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像を表す画像データを撮像システム107から受け取る。画像データは、治療の座標系に対する標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの位置又は向きに関する情報を含む。治療の座標系と治療前の座標系は、知られた変換パラメータによって関連付けられる。
【0014】
制御装置101は、1)標的の治療前の走査を表す治療前の走査データ、2)リアルタイム又はほぼリアルタイムの標的の画像を表すリアルタイム又はニアリアルタイムの画像データを受ける入力モジュールを備える。治療前の走査は、治療前の座標系に対する標的の位置と向きを示す。制御装置101のコマンドの下で撮像システム107によって撮影されるほぼリアルタイムの画像は、治療の座標系に対して治療の標的の位置と向きを示す。治療の座標系と治療前の座標系は、知られた変換パラメータによって関連付けられる。制御装置101は、治療前の走査データ、リアルタイム又はほぼリアルタイムのデータ、治療前の座標系と治療の座標系との間の変換パラメータを使用して、治療の座標系での治療の標的の位置と向きを計算するTLS(ターゲット・ロケーション・システム(target location system))処理ユニットを備える。制御装置101の処理ユニットは、治療用放射線の処置システム106のアイソセンタの位置と向きを計算することもできる。
【0015】
患者治療台103の位置を検出するロボット式患者位置決めアセンブリ100のセンサ・システム104は、レゾルバ・ベースのセンサ・システムである。あるいは、患者治療台103の動作を感知する、患者治療台103に取り付けられた慣性センサ、あるいは治療室若しくはその他の治療の座標系又は光学式エンコーダに対する患者治療台103の位置を検出するために治療室内に配置された赤外線の三角測量システム又はレーザ走査システム若しくは光学的な追跡システムなどの当業者によって知られたその他のセンサ・システムを使用できる。
【0016】
例示のレーザ走査システムは、患者治療台103の位置を決定するためにおよそ60x/秒で治療室を走査する。レーザ操作システムは、単一平面の走査、2平面の走査、又は多平面の走査を行うデバイスを含む。それに対応して、制御装置101を備えるロボット式患者位置決めアセンブリ100が常に、患者治療台103の位置を知りているように、制御装置101は、センサ・システム104から情報を受け、患者治療台103と治療用放射線処置システム106の位置を計算するようにされたソフトウェアをロードされている。制御装置101は、患者治療台103を治療用放射線処置システム106の治療用放射線源と自動的又は定期的に較正されるようにプログラムされる。別の実施形態では、センサ・システム104は、治療の座標系に対する患者治療台103の位置を追跡する磁気追跡システムを備える。磁気追跡システムは、患者治療台103に取り付けられた少なくとも1つのトランスデューサを備えることが好ましい。
【0017】
制御装置101は、治療の標的の位置を線形加速器システムのアイソセンタと比較することによって、治療の標的と患者の動きによって生じた線形加速器システムのアイソセンタとの位置のずれを検出し、治療の標的を治療用放射線処置システム106の放射線処置源に対して位置合わせするようにロボット式の患者位置決めアセンブリ100の補正動作を実行するための動作コマンド信号を生成するようにされている。
【0018】
別の実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作は、呼吸運動、患者の心臓の心拍運動、くしゃみ、咳、又はしゃっくり、患者の1つ又は複数の解剖学的な部分の筋肉の移動などの様々な動作に対応することができる。
【0019】
別の実施形態では、制御装置101を備えるロボット式患者位置決めアセンブリ100は、リアルタイム又はほぼリアルタイムの画像を治療前の画像と比較し、(ロボット・ベースの治療用放射線処置システムで)患者治療台103及び/又は治療用放射線処置システム106の放射線源を使用して患者を再び位置決めし、又は治療計画に対応するように患者治療台103と治療用放射線処置システム106の放射線源の位置を調整することによる組織の変形によって生じる可能性のある腫瘍のジオメトリの変化を検出し、それに対応するようになされることができる。
【0020】
制御装置101は、患者治療台103と信頼性のある通信インターフェースを確立し、維持するソフトウェアを有する。ソフトウェアは、患者治療台103に関して開発されたインターフェース仕様を使用する。制御装置101は、撮像システム107からの患者の位置と向きの情報を、患者治療台103の運動能力の自由度での動きの適切な単位に変換するソフトウェアをさらに備える。制御装置101は、患者を位置決めするロボット式患者位置決めアセンブリ100の動きを監視し、開始するために、ユーザ・インターフェース・ユニット105を治療用放射線処置システムのユーザ制御コンソールに供給するソフトウェアを備えることもできる。制御装置100は、患者治療台103の通信又はソフトウェア制御での誤差を検出し、報告し、処理するソフトウェアも備えることができる。
【0021】
制御装置101は、1つ又は複数のユーザが選択可能な機能を実行することによって、ユーザがロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作又は補正動作を対話式に制御可能にするために、ユーザ・インターフェース・ユニット105などの少なくとも1つのユーザ・インターフェース・ユニットを備えることができる。1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット105は、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット又は遠隔制御ユニットである。あるいは、ユーザ・インターフェース・ユニット105は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)である。
【0022】
制御装置101とロボット式患者位置決めアセンブリ100のその他の構成要素(例えば、ロボット・アーム102、患者治療台103、センサ・システム104、ユーザ・インターフェース105、治療用放射線処置システム106、撮像システム107など)との間の通信リンクは、信頼性があり、かつ適時の通信を維持するのに必要な帯域幅を有する無線リンク又は有線リンクである。
【0023】
1つの実施形態では、治療用放射線処置システム106は、CyberKnife(登録商標)放射線外科システムなどの放射線外科システムである。放射線外科システムは、関節型ロボット・アーム、治療用放射線を選択的に放射する関節型ロボット・アームの遠位端に装着された治療用放射線源、x線撮像システム107、制御装置を有するロボットを備えている。1つの実施形態では、治療用放射線源はx線線形加速器である。x線撮像システム107は、1つ又は複数の標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像を表す画像データを生成する。x線撮像システム107は、一対の診断x線源と一対のx線撮像検出器408(又はカメラ)を備え、それぞれの検出器は、関連するx線源の反対側に配置される。患者治療台103(又は治療テーブル)は、治療中に患者を支持し、撮像システム107の2つのx線カメラとその対応する診断x線源の間に配置できる。
【0024】
撮像システム107は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで治療の座標系での標的の位置と向きを示すx線画像を生成する。制御装置101は、それぞれが各固定された組の治療位置又はノードで、関連する線量率と線量時間を有する連続する所望のビーム経路からなる治療計画を生成するために、治療前の走査データCT(及び/又はMRIデータ、PETデータ、超音波走査データ、及び/又は蛍光透視画像データ)とユーザ入力に応答性に優れた治療計画及び送出ソフトウェアを含む。制御装置の指示に応答して、ロボット・アームは各ノードを通して連続的かつ順次にx線線形加速器を移動させ、方向づけをし、x線線形加速器は制御装置によって指示される必要な線量を送出する。治療前の走査データは、例えばCTスキャン・データ、MRIスキャン・データ、PETスキャン・データ、超音波スキャン・データ、及び/又は蛍光透視画像データを含む。
【0025】
患者の治療用放射線処置システム106で治療を行う前に、撮像システム107によって確立された基準系内での患者の位置と向きは、治療を計画するのに使用される画像を供給されたCT(あるいはMRI、PET又は蛍光透視)スキャナの基準系内で患者が有する位置と向きに適合するように調整されなければならない。1つの例示の実施形態では、この位置合わせは、5つ又は6つのすべての回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に対して1ミリメートルの10分の1及び1度の10分の1内で行われなければならない。
【0026】
ロボット・アーム102と患者治療台103は、画像誘導式のロボット・ベースの治療用放射線処置システム(及び、特にCyberKnife’s(登録商標)システム)に関連して本明細書に説明することができるが、ロボット・アーム102と患者治療台103は、ガントリー・ベースの(アイソセンタの)治療システムなどのその他のタイプのシステムにも使用することができる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、あるいは、例えば手術室(OR)テーブルとして、又はCTスキャニング又はMRIプロセスなどでの支持デバイスとしてのその他の医療用途に使用できることも理解されたい。
【0027】
図2Aは、5つの回転の自由度を有し、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを備えるロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す。図2Aのロボット式患者位置決めアセンブリは、リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、トラック・マウント・アセンブリ250、トラック260を有するロボット・アーム202、患者治療台103、コラム270を備える。患者治療台103は、ツール・ヨー関節、ツール・ピッチ関節、ツール・ロール関節を備えるリスト・アセンブリ220に回転可能に取り付けられている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節は、装着プレート211に連結され、その装着プレート211は、患者治療台103の底部に取り付けられている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節により、z軸、すなわち図2Aの軸6に沿ったヨー回転での患者治療台103の回転運動が容易になる。ツール・ピッチ関節は、ツール・ヨー関節に連結され、y軸、すなわち図2Aの軸5に沿ったピッチ回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。ツール・ロール関節は、ツール・ピッチ関節に連結され、x軸、すなわち図2Aの軸4に沿ったロール回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。
【0028】
エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結されている。エルボ・アセンブリ230は、3つの駆動シャフトと3つのモータを備えることができる。1つの実施形態では、本明細書で論じられるモータは、ステップ・モータである。あるいは、モータは、当業者によって知られるサーボ・モータ又はその他のモータである。第1の駆動シャフトは、ツール・ヨー関節と第1のモータに連結されている。第1のモータと駆動シャフトは、ヨー軸、すなわち軸6に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第2の駆動シャフトは、ツール・ピッチ関節と第2のモータに連結されている。第2のモータと駆動シャフトは、ピッチ軸、すなわち軸5に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第3の駆動シャフトは、ツール・ロール関節と第3のモータに連結されている。第3のモータと駆動シャフトは、ロール軸、すなわち軸4に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。1つの例示の実施形態では、エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結する遠位端部での直径が10インチ(10”)である。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、およそ3から20インチ(3”〜20”)の範囲の直径を有している。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、例えば長方形、卵形、又はその他の知られた形状などの円形とは別の形状を有することができ、エルボ・アセンブリ230は、その断面が3インチ(3”)から20インチ(20”)の間の最小の測定値を有している。
【0029】
ショルダ・アセンブリ240は、エルボ関節によってエルボ・アセンブリ230に、ショルダ関節によってトラック装着アセンブリ250に連結されている。エルボ関節は、エルボ・ギアボックスを備え、そのエルボ・ギアボックスは回転軸、すなわち図2Aの軸3でのロボット・アーム202のエルボ・アセンブリ230の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ関節は、ショルダ・ギアボックスを備え、そのショルダ・ギアボックスは回転軸、すなわち図2Aの軸2でのロボット・アーム202のエルボ・アセンブリ240の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ・アセンブリ240とエルボ・アセンブリ230のショルダ・ギアボックス及びエルボ・ギアボックスにより、例えば床と平行な(x、y)平面など、2次元水平面での患者治療台103の平行移動が容易になる。1つの実施形態では、エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスは、およそ200対1(200:1)の歯車減速比を有する。エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスの200:1の歯車減速比は、およそ0から60ミリメートル(0〜60mm)の範囲である患者治療台103でのたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にすることができる。例示の実施形態では、たわみ誤差261は、およそ0から5ミリメートル(0〜5mm)である。あるいは、歯車減速比は、およそ10対1(10:1)の歯車減速比からおよそ600対1(600:1)の歯車減速比の範囲を有している。500ポンド(500lb)までの患者の荷重を支持することに言及する場合、本明細書に説明された構造は安全基準を尊守するために患者の荷重の重量の4倍(4X)を支持できることに留意されたい。さらに、5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを使用して図示されるが、図2Fのたわみ誤差261は、本明細書に説明される6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度の別のロボット・アームの実施形態に適用される。
【0030】
1つの実施形態では、制御装置101、ロボット・アーム202のショルダ・ギアボックス及びエルボ・ギアボックス、トラック装着アセンブリ250、リスト・アセンブリ220は、ドイツ連邦共和国のKUKA Roboter GmbHによって製造された構成要素を備えることができる。
【0031】
トラック装着アセンブリ250は、トラック260とショルダ・アセンブリ240のショルダ関節に連結されている。トラック装着アセンブリ250とトラック260により、実質的に鉛直な、線形の軸、すなわち図2Aの軸1での患者治療台103の平行移動が容易になる。実質的に鉛直な、線形の軸(z)は、2次元水平面(x、y)に実質的に垂直である。1つの実施形態では、トラックは、例えばコラム270の鉛直側面に鉛直に装着されるなど、鉛直に向けることができる。コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の床、又は床下のピット内に固定又は装着できる。別の実施形態では、コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の天井に固定又は装着できる。あるいは、トラック260は、壁、台座、ブロック、又は基部構造などの当業者に知られたその他の構造に鉛直に装着できる。コラム270は、コラムの奥行き271とコラムの幅272を備える。1つの実施形態では、コラムの奥行き271は、少なくともおよそ10インチ(10”)であり、コラムの幅272は、少なくともおよそ15インチ(15”)である。1つの例示の実施形態では、コラムの奥行き271は、少なくともおよそ17インチ(17”)であり、コラムの幅272は、少なくともおよそ22インチ(22”)である。1つの実施形態では、コラム270は、少なくともおよそ800in4のx軸の周りの主慣性モーメントを有する。1つの例示の実施形態では、x軸の周りの主慣性モーメントは、およそ1200in4である。
【0032】
リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、トラック装着アセンブリ250、トラック260の上記に示した配置により、5つの回転の自由度と1つの平行移動の実質的に鉛直な、線形の自由度を使用して、患者治療台103の位置決めを行う。ロボット式患者位置決めアセンブリ100のロボット・アーム202の5つの回転、及び1つの平行移動の実質的に鉛直な、線形のDOFは、ロボット・アーム202の機械的な動作の範囲内の作業空間などの、所望の治療領域内の実質的に任意の場所に患者治療台103上の患者を位置決めすることができる。ロボット・アーム202は、患者治療台103を作業空間又は治療領域内での複数の位置にツール中心点(tool center position:TCP)又はアイソセンタを有するように位置決めすることができる。ロボット・アーム202は、下記に論じられるように特定の患者用の載せ/降ろす位置を設けることもできる。ロボット・アーム102は、5つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFに沿って患者治療台103の動作を容易にするように構成されている。1つの例示の実施形態では、5つのDOFは、互いに直交する、水平な座標軸(x、y)に沿った平行移動に関する2つの回転軸、及びx、y、z軸のそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平な座標軸(x、y)に実質的に垂直な(z)座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0033】
1つの実施形態では、ロボット・アーム202は、制御装置101からの方向に従って患者治療台103を移動させるための1つ又は複数の患者治療台の動作アクチュエータを備える。テーブル・インターフェース・モジュールにより、患者治療台103がセンサ・システム104、ロボット・アーム102のアクチュエータ、制御装置101、治療用放射線処置システム106、ユーザ・インターフェース105と連携できる。電子回路モジュールは、患者治療台103がロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作中に妨害物と衝突しないことを確実にするために、周囲の障害のモデルに対する患者治療台の位置を独立にチェックすることができる。
【0034】
図2Aの例示の実施形態では、患者治療台103は治療テーブルであるが、その他の実施形態では、(テーブル、椅子、又はベンチなどの)その他のタイプの支持デバイスが使用できる。
【0035】
図2Bは、装着プレートを備える患者治療台の1つの実施形態を示す。装着プレート211は、患者治療台103に連結されている。1つの実施形態では、装着プレート211は、偏心位置又は旋回点で患者治療台103に連結されている。1つの実施形態では、患者治療台103の長さ215はおよそ48インチから145インチ(48”〜145”)の範囲である。患者治療台103の幅214はおよそ10インチから45インチ(10”〜45”)の範囲である。1つの例示の実施形態では、長さ215はおよそ78インチであり、幅214はおよそ20インチ(20”)である。
【0036】
1つの実施形態では、偏心位置217は、およそ患者治療台103の長さ215に対して患者治療台103の一方の側面(例えば、患者のヘッド・レストを備える側面)からおよそ50から75インチ(50”〜75”)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、偏心位置217は、患者治療台103の長さ215に対して患者治療台103の一方の側面から50インチ(50”)である。1つの実施形態では、偏心位置217は、患者治療台103の中心位置216から偏心長さの距離212と偏心幅の距離218である。1つの実施形態では、偏心長さの距離212は、長さ215に対する中心位置216から患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にあり、偏心幅の距離218は、幅214に対する中心位置216から患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、偏心位置217は、患者治療台103の長さ215に対する中心位置216からおよそ21インチ(21”)であり、患者治療台103の幅214に対する中心位置216からおよそ4インチ(4”)である。言い換えれば、偏心長さの距離212は、21インチ(21”)であり偏心幅の距離218は4インチ(4”)である。別の実施形態では、偏心位置217は百分率によって表現でき、例えば偏心位置217は、患者治療台103の長さ215に対しておよそ50〜85%以内、及び患者治療台103の幅214に対しておよそ0〜50%以内に配置できる。あるいは、装着プレート211は、患者治療台103の長さ215及び幅214に対する中心位置216にある患者治療台103に連結されている。
【0037】
1つの実施形態では、患者治療台103は、およそ0.75インチから3インチの範囲の厚さ213を有する。1つの例示の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ213を有する。別の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ213、およそ77インチの長さ215、及びおよそ20インチの幅214を有する。
【0038】
図2Cは、患者治療台の1つの実施形態の断面図を示す。患者治療台103は、放射線透過性材料から作製できる。1つの実施形態では、患者治療台103は、表面材料256と本体材料257を備える。1つの例示の実施形態では、表面材料256は炭素繊維であり、本体材料257は発泡体である。あるいは、その他の放射線透過性材料は、表面及び本体の材料に使用できる。1つの実施形態では、表面材料256は、表面厚さ258を有する。表面厚さ258は、およそ0.02インチから0.12インチの範囲である。1つの例示の実施形態では、表面厚さは、およそ0.058インチである。
【0039】
図2Dは、装着プレート、傾斜センサ、加速度計、緩衝装置を備える患者治療台の1つの実施形態の図を示す。この実施形態では、緩衝装置219は、装着プレート211と患者治療台103に連結されている。緩衝装置219は、ゴム又はプラスチックなどの緩衝材料を含む。あるいは、緩衝装置219は、ばね型の要素などの振動を低減又は緩衝するための当分野で知られる別のデバイスである。
【0040】
傾斜センサ280は、患者治療台103に装着できる。傾斜センサ280は、患者治療台103の角度を検出する二軸傾斜センサである。傾斜センサ280は、制御装置101に連結され、1つ又は複数の軸に関する角度測定値などの患者治療台103の傾斜に関する情報を送るように構成されている。傾斜センサ280は、治療中に患者が患者治療台103から落下するのを防止することができる。傾斜センサ280は、患者が患者治療台103から落下しないように安心感を得られるようにすることもできる。傾斜センサ280により、治療中に患者が落下し又は不快になるのを防ぐためのレールなしに患者治療台103が動作できる。1つの実施形態では、傾斜センサ280は1軸の傾斜センサであり、1つ又は複数の傾斜センサがロール回転とピッチ回転での患者治療台103の傾斜を検出するように使用できる。別の実施形態では、傾斜センサ280は、患者治療台103のピッチ回転とロール回転の両方の傾斜角度に関する情報(例えば、角度測定値など)を検出し、それを制御装置101に送る2軸傾斜センサである。あるいは、3軸傾斜センサなどの当業者に知られたその他の傾斜センサを使用できる。傾斜センサ280は、患者治療台103のロール及び/又はピッチ角度が予め構成された角度に達したとき検出し、患者が落下するのを防止するために予め構成された角度を超えないように患者治療台103の動作を停止するように構成されている。1つの実施形態では、予め構成された角度は、およそ6から9度(6〜9°)の範囲である。1つの例示の実施形態では、予め構成された角度は7度(7°)である。あるいは、ロール軸又はピッチ軸の動作中に患者治療台103の動きが予め構成された角度を超えるのを防止するために、その他の特定の角度を使用できる。1つの実施形態では、傾斜センサ280は、カリフォルニア州San JoseのCrossbow社によって製造された構成要素を備えることができる。
【0041】
加速度計281を、患者治療台103に装着できる。加速度計281は、患者治療台103の加速度を検出する。加速度計281は、制御装置101に連結され、患者治療台103の加速度に関する情報を送るように構成されている。加速度計は、治療中に患者が患者治療台103から落下するのを防止することができる。1つの実施形態では、加速度計281は、カリフォルニア州San JoseのCrossbow社によって製造された構成要素を備えることができる。1つの実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、傾斜センサ280のみを備えることができる。あるいは、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、加速度計281のみを備えることができる。その他の実施形態の議論を不明瞭にしないために、その他の図には示されないが、緩衝装置219、加速度計281、傾斜センサ280は、本明細書に説明されるその他の実施形態で使用できることも留意されたい。
【0042】
図2Eは、トラック装着アセンブリの1つの実施形態を示す。トラック装着アセンブリ251は、図2Aのトラック260とショルダ・アセンブリ240に連結される。ロボット・アーム202のトラック装着アセンブリ250の構造と動作に対する本明細書の説明は、トラック装着アセンブリ251に適用されることに留意されたい。トラック装着アセンブリ251は、トラック装着カラー252とトラック装着プレート253とを備える。1つの実施形態では、トラック装着カラー252とトラック装着プレート253は、別々の構成要素である。あるいは、トラック装着カラー252とトラック装着プレート253は1つの一体化した片である。トラック装着カラー252は、前部高さ254と後部高さ255を有し、後部高さ255は、前部高さ254よりもトラックにより近くにある。1つの実施形態では、トラック装着カラー252の後部高さは少なくとも11インチ(11”)である。別の実施形態では、トラック装着カラー252は、トラック装着プレート253から最も遠い端部よりも高さが大きくなっているトラック装着プレート253に最も近い端部から、高さが先細りになっている。そのような実施形態では、トラック装着プレート253から最も遠い端部での前部高さ254は、少なくとも5インチ(5”)であり、トラック装着プレート253に最も近い端部での後部高さ255は、少なくとも11インチ(11”)である。
【0043】
1つの実施形態では、偏心位置217での装着プレート211に連結された患者治療台103は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。別の実施形態では、患者治療台103の厚さ213は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。あるいは、偏心位置217での装着プレート211への患者治療台103の連結、及び患者治療台の厚さ213の両方によって、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持が可能になる。患者治療台103及びロボット・アーム202は、500ポンドより大きな重量を支持できることに留意されたい。
【0044】
図3Aは、6つの回転の自由度と1つの実質的に水平な、線形の自由度を有するロボット・アームを有するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す。図3Aに示されるように、ロボット式患者位置決めアセンブリは、リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、プレート部材380、トラック・マウント・アセンブリ350、トラック360を有するロボット・アーム302、及び、患者治療台103(図3Aには示されない)を備える。上述のように、患者治療台103は、ツール・ヨー関節、ツール・ピッチ関節、ツール・ロール関節を備えるリスト・アセンブリ220に回転可能に取り付けれれている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節は装着プレート211に連結され、その装着プレート211は、患者治療台103の底部に連結されている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節により、ヨー軸、すなわち図3Aの軸6に沿ったヨー回転での患者治療台103の回転運動が行われる。ツール・ピッチ関節はツール・ヨー関節に連結され、ピッチ軸、すなわち図3Aの軸5に沿ったピッチ回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。ツール・ロール関節はツール・ピッチ関節に連結され、ロール軸、すなわち図3Aの軸4に沿ったロール回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。
【0045】
エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結されている。エルボ・アセンブリ230は、3つの駆動シャフトと3つのモータを備えている。第1の駆動シャフトは、ツール・ヨー関節と第1のモータに連結されている。第1のモータと駆動シャフトは、ヨー軸、すなわち図3Aの軸6に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第2の駆動シャフトは、ツール・ピッチ関節と第2のモータに連結されている。第2のモータと駆動シャフトは、ピッチ軸、すなわち図3Aの軸5に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第3の駆動シャフトは、ツール・ロール関節と第3のモータに連結されている。第3のモータと駆動シャフトは、ロール軸、すなわち図3Aの軸4に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。1つの例示の実施形態では、エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結する遠位端部での直径が10インチ(10”)である。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、およそ3から20インチ(3”〜20”)の直径を有している。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、例えば長方形、卵形、又はその他の知られた形状などの円形とは別の形状を有することができ、エルボ・アセンブリ230は、その断面が3インチ(3”)から20インチ(20”)の間の最小の測定値を有している。1つの実施形態では、患者治療台103に連結されたエルボ・アセンブリの10インチの直径は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。
【0046】
ショルダ・アセンブリ240は、エルボ関節によってエルボ・アセンブリ230に連結され、ショルダ関節によってトラック装着アセンブリ350に連結されている。エルボ関節はエルボ・ギアボックスを備え、そのエルボ・ギアボックスは回転軸、すなわち図3Aの軸3でのロボット・アームのエルボ・アセンブリ230の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ関節はショルダ・ギアボックスを備え、そのショルダ・ギアボックスは回転軸、すなわち図3Aの軸2でのロボット・アームのショルダ・アセンブリ240の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ・アセンブリ240、及びエルボ・アセンブリ230のショルダ・ギアボックスとエルボ・ギアボックスにより、例えば床と平行な(x、y)平面など、2次元水平面での患者治療台103の平行移動が容易になる。1つの実施形態では、エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスはおよそ200対1(200:1)の歯車減速比を有する。エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスの200:1の歯車減速比は、およそ0から60ミリメートル(0〜60mm)の範囲である患者治療台103でのたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にすることができる。1つの例示の実施形態では、たわみ誤差261は、およそ0から5ミリメートル(0〜5mm)である。あるいは、歯車減速比は、およそ10対1(10:1)の歯車減速比からおよそ600対1(600:1)の歯車減速比の範囲にある。
【0047】
プレート部材380は、ショルダ・アセンブリ240のショルダ関節に連結され、トラック装着アセンブリ350に回転可能に装着される。プレート部材はギアボックスを備え、そのギアボックスは回転軸、すなわち図3Aの軸1でのロボット・アームのプレート部材380の回転運動を駆動するように構成されている。プレート部材のギアボックスにより、床に実質的に平行な水平面での患者治療台103の平行移動が容易になる。1つの実施形態では、プレート部材380のギアボックスは、歯車減速比を有する。プレート部材380のギアボックスの歯車減速比は、およそ250対1からおよそ300対1(250:1〜300:1)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、プレート部材のギアボックスの歯車減速比はおよそ300:1である。
【0048】
1つの実施形態では、トラック装着アセンブリ350は、図2Eに対する上記の議論で明記したものと同様の寸法を有する。あるいは、その他の寸法が使用できる。
【0049】
1つの実施形態では、リスト、エルボ、ショルダのアセンブリ220、230、240と、ロボット・アーム302のプレート部材380は、ドイツ連邦共和国のKUKA Roboter GmbHによって製造された構成要素を備えることができる。
【0050】
トラック装着アセンブリ350は、トラック360とプレート部材380に連結されている。トラック装着アセンブリ350とトラック360により、実質的に水平な、線形の軸、すなわち図3Aの軸7での患者治療台103の平行移動が行われる。実質的に水平な、線形の軸(x、y)は、2次元鉛直面(z)に実質的に垂直である。トラック360は床に連結される。別の実施形態では、トラック360は、例えばコラム270の鉛直側面に鉛直に装着されるなど、鉛直に向けられてもよい。コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の床、又は床下のピット内に固定又は装着できる。別の実施形態では、コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の天井に固定又は装着できる。あるいは、トラック360は、壁、台座、ブロック、又は基部構造などの当業者に知られたその他の構造に鉛直に装着できる。
【0051】
リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、プレート部材380、トラック装着アセンブリ350、トラック360の上記に示した配置により、6つの回転の自由度と1つの平行移動の実質的に水平な、線形の自由度を使用して、患者治療台103の位置決めが行われる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100のロボット・アーム302の6つの回転、及び1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、ロボット・アーム302の機械的な動作の範囲内の作業空間などの、所望の治療領域内の実質的に任意の場所に患者治療台103上の患者を位置決めすることができる。ロボット・アーム302は、患者治療台103を作業空間又は治療領域内での複数の位置にツール中心点(TCP)を有するように位置決めすることができる。ロボット・アーム302は、特定の患者用の載せ/降ろす位置を設けることもできる。1つの実施形態では、6つのDOFは、互いに直交する座標軸(x、y、z)に沿った平行移動に関する3つの回転軸と、x、y、z軸の周りのそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に水平な、線形のDOFは、鉛直な座標軸(z)に実質的に垂直な座標軸(x、y)での実質的に水平な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0052】
1つの実施形態では、ロボット・アーム302は、制御装置101からの方向に従って患者治療台103を移動させるための1つ又は複数の患者治療台の動作アクチュエータを備える。テーブル・インターフェース・モジュールにより、患者治療台103は、センサ・システム104、ロボット・アーム302/102のアクチュエータ、制御装置101、治療用放射線処置システム106、ユーザ・インターフェース105と連携できる。電子回路モジュールは、患者治療台103がロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作中に妨害物と衝突しないことを確実にするために、周囲の障害のモデルに対する患者治療台の位置を独立にチェックすることができる。
【0053】
上述のように、患者治療台103は、少なくとも5つの回転の自由度、すなわち2つの平行移動の自由度(x、y軸)(それぞれ図2Aの軸2と3)、3つの回転の自由度(ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸)(図2Aの軸6、5、4)、及び1つの実質的に鉛直な、線形の自由度(実質的に鉛直な線形の軸)(図2Aの軸1)で動作することが可能である。あるいは、患者治療台103は、6つの自由度すべて、すなわち3つの平行移動の自由度(x、y、z軸)(それぞれ図3Aの軸3、2、1)に加え、3つの回転の自由度(ロール回転、ピッチ回転、ヨー回転)(図3Aのそれぞれ軸6、5、4)と、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度(実質的に鉛直な線形の軸)(図3Aの軸7)で動作することが可能である。制御装置101によって生成された動作コマンド信号は、様々な自由度でロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作を制御することができる。1つの実施形態では、処置システム106に対する患者治療台103の位置は、調和した動作を行うことができるように認識される。1つの例示の実施形態では、患者治療台103と処置システム106の両方は、一般の(又は「室の」)座標系を参照できる。
【0054】
図3Bは、図3Aのロボット・アームに連結された患者治療台の1つの実施形態を示す。ロボット・アーム302は、装着プレート211に連結されている。ロボット・アーム302は、トラック360に連結されている。この実施形態では、トラック360は床に装着され、トラック収容部370に収容されている。別の実施形態では、トラック360は、例えばコラム270の鉛直側面に鉛直に装着されるなど、鉛直に向けられている。上記に論じられたように、コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の床か天井、又は床下のピット内に固定又は装着できる。あるいは、トラック360は、壁、台座、ブロック、又は基部構造などの当業者に知られたその他の構造に鉛直に装着できる。図3Bのロボット・アーム302は、上記に論じたように、図3Aのロボット・アーム302を構成する部材とアセンブリを備えるが、これらの部材とアセンブリは、ロボット・アーム302や患者治療台103の連結の議論を不明瞭にしないために図3Bに対しては論じられない。
【0055】
図3Bでは、装着プレート211は、患者治療台103に連結されている。1つの実施形態では、装着プレート211は、偏心位置又は旋回点で患者治療台103に取り付けられる。1つの実施形態では、患者治療台103の長さ315はおよそ48インチから145インチ(48”〜145”)の範囲である。患者治療台103の幅314はおよそ10インチから45インチ(10”〜45”)の範囲である。1つの例示の実施形態では、長さ315はおよそ78インチであり、幅314はおよそ20インチ(20”)である。
【0056】
1つの実施形態では、偏心位置317は、およそ患者治療台103の長さ315に対して患者治療台103の一方の側面(例えば、患者のヘッド・レストを備える側面)からのおよそ50から75インチ(50”〜75”)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、偏心位置317は、患者治療台103の長さ315に対して患者治療台103の一方の側面から50インチ(50”)である。別の実施形態では、偏心位置317は、患者治療台103の中心位置316からの偏心長さの距離312と偏心幅の距離318である。1つの実施形態では、偏心長さの距離312は、長さ315に対する中心位置316からの患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にあり、偏心幅の距離318は、幅314に対する中心位置316からの患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にある。例示の実施形態では、偏心位置317は、患者治療台103の長さ315に対する中心位置316からおよそ25インチ(25”)であり、患者治療台103の幅314に対する中心位置316からおよそ4インチ(4”)である。言い換えれば、偏心長さの距離312は21インチ(21”)であり、偏心幅の距離318は4インチ(4”)である。別の実施形態では、偏心位置317は百分率によって表現でき、例えば偏心位置317は、患者治療台103の長さ315に対しておよそ50〜85%以内、及び患者治療台103の幅314に対しておよそ0〜50%以内に配置できる。あるいは、装着プレート211は、患者治療台103の長さ215及び幅214に対する中心位置216にある患者治療台103に連結されている。
【0057】
1つの実施形態では患者治療台103は、およそ0.75インチから3インチの範囲の厚さ313を有している。1つの例示の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ313を有する。1つの別の例示の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ313、およそ77インチの長さ315、およそ20インチの幅314を有する。図2Cの議論に関連して上記に論じられるように、患者治療台103は放射線透過性材料から作製できる。1つの実施形態では、患者治療台103は、表面材料256と本体材料257を備える。1つの例示の実施形態では、表面材料256は炭素繊維であり、本体材料257は発泡体である。あるいは、その他の放射線透過性材料が表面と本体の材料に使用できる。1つの実施形態では、表面材料256は、表面厚さ258を有する。表面厚さ258は、およそ0.02インチから0.12インチの範囲である。1つの例示の実施形態では、表面厚さは、およそ0.058インチである。
【0058】
1つの実施形態では、偏心位置317での装着プレート211に連結された患者治療台103は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。別の実施形態では、患者治療台103の厚さ313は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。あるいは、偏心位置317での装着プレート211への患者治療台103の連結、及び患者治療台の厚さ313の両方によって、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持が可能になる。患者治療台103及びロボット・アーム302は、500ポンドより大きな重量を支持できることに留意されたい。1つの実施形態では、患者治療台103及びロボット・アーム302は、静止した位置で、およそ2000ポンド(2000lb)までの患者の荷重を支持可能にすることができる。
【0059】
図4A、4Bは、5つの回転の自由度を有し、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット式患者位置決めアセンブリ100の例示の位置をロボット・ベースの線形加速器システム406と共に示す。図4A、4Bのロボット式患者位置決めアセンブリ100は、ロボット・アーム202、患者治療台103、装着プレート211、リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、トラック装着アセンブリ250、トラック260、コラム270、ロボット・アーム402を有するロボット・ベースの線形加速器システム406、及び撮像システム107のx線撮像源407を備える。例示の実施形態では、ロボット・ベースの線形加速器システム406は、CyberKnife(登録商標)放射線外科システム、又は別のロボット・ベースの線形加速システムである。図4Aのロボット式患者位置決めアセンブリ100は、荷重(例えば患者などの)を有する患者治療台103の例示の低い位置、又は載せ/降ろす位置を示す。1つの実施形態では、低い位置は、患者を載せ/降ろすする予めプログラムされた位置である。低い位置又は載せ/降ろす位置は、およそ床から16から20インチ(16”〜25”)の範囲にある。この実施形態では、患者は車椅子から患者治療台103に載せられる。あるいは、位置はユーザがユーザ・インターフェース105によって、ロボット・アーム202と患者治療台103を手動で制御することができる。
【0060】
図4Bのロボット式患者位置決めアセンブリ100は、患者治療台103の例示の高い又は「治療」位置を示す。この例示の実施形態では、高い又は「治療」位置は、患者を載せ/降ろすするための図4Aの低い位置よりも高い。1つの実施形態では、高い位置は、治療を始める前のデフォルト位置である。この「治療」位置は、制御装置101で予めプログラムでき、又はその代わりにユーザ・インターフェース105からユーザが手動制御することができる。
【0061】
1つの実施形態では、患者治療台103は、患者が患者治療台103を通して撮像できるように放射線透過性材料で作製できる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100と共に使用できる例示の撮像システム107、及びロボット・ベースの線形加速器システム406は、2つのx線撮像源407、それぞれのx線撮像源と関連付けられた電源、1つ又は2つの撮像検出器408、制御装置101を備える。x線撮像源407は、例えば約90度角度的に離れた状態で装着でき、治療標的(例えば患者内の腫瘍)を通して検出器408に向けられる。あるいは、それぞれのx線源によって照射される単一の大きな検出器が使用できる。単一の検出器の撮像システム107では、2つのx線源407が両方の画像を単一の検出器の表面上に保つために90度未満の角度で離れて配置させることもできる。
【0062】
画像の拡大を最小限に抑え、したがって検出器408に必要な寸法を最小限に抑えるために、検出器408は治療の標的の下、例えば床、患者治療台103、又は患者治療台103の下に配置でき、x線撮像源407は、治療の標的の上(例えば治療室の天井など)に配置できる。別の実施形態では、例えばx線撮像源407が治療の標的の下にあり、検出器408が治療の標的の上にあるように、x線撮像源407と検出器408の位置を逆にすることができる。別の実施形態では、治療用放射線処置システム106のガントリーの揺動が制限されていることにより、また拡大効果を低減するため、検出器408は、ガントリーが撮像システム107と干渉しない様式で配置できるようにしながら、それらが撮像する位置に移動し、治療用放射線処置システム106の治療用ビームの送出中にはそこを離れるように配置できる。
【0063】
検出器408は、患者の画像情報を生成し、それを制御装置101に送ることができる。制御装置101は、所望の治療位置に対して患者の位置を決定するためのすべての画像計算を行い、様々な自由度に関する補正を生成する。補正は、自動的に、患者を自動的に位置合わせするためにロボット式患者位置決めアセンブリ100に加えられ、かつ/又はロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409に対する患者の位置を自動的に調整するために制御装置101に送られ、かつ/又はユーザがロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409に対する患者の位置を手動で調整するためにユーザ・インターフェース・ユニット105に送られる。
【0064】
前述のように、制御装置101を備えるロボット式患者位置決めアセンブリ100は、センサ・システム104を介した患者治療台103の位置、及びリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像データを介した治療の標的の位置を知ることができ、また同時に線形加速器システムの位置を知り、治療の標的を治療用放射線処置システム106の放射線治療源に対して位置合わせするロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作を実行するための動作コマンド信号を生成することができる。治療用放射線処置システム106に関してロボット・ベースの線形加速器システム406を使用した1つの実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作は、ロボット・ベースの線形加速器システム406に対して使用可能な作業空間を最大にするような様式で、制御装置101を使用して治療用放射線処置システム106の治療x線源の動作と動的に調和できる。言い換えれば、制御装置101を使用して治療用放射線処置システム106の治療x線源の動作を動的に調和させることによって、(図4A、4Bに示されるように)例えば検出器408及び/又はx線撮像源407による障害のない、患者治療台103と治療用放射線処置システム106の向きと位置の数の増加から治療の標的の使用可能な数が増加する。この実施形態では、ロボット・ベースの線形加速器システム406の治療x線源のロボットが実行した動きは、治療x線源と患者治療台103の間の相対運動によって標的の領域全体にわたって所望の放射パターンの送出が確実になるように、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作によって補足される。
【0065】
1つの実施形態では、患者治療台103の動作及び治療用放射線処置システム106のx線線形加速器の動作の組合せは、治療用放射線処置システム106に対して使用可能な作業空間を最大限にするように動的に調和及び制御される。
【0066】
ロボット・アーム202は、作業空間又は治療領域内の複数の位置でツール中心点(TCP)又は治療の標的を有するように患者治療台103を位置決めすることができる。ロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アームは、作業空間又は治療領域内の複数の位置で線形加速器の治療用放射線源409のアイソセンタを位置決めすることもできる。しかし作業空間又は治療領域は、例えば、患者治療台103、治療用放射線源409、又は治療用放射線処置システム106の構成要素、撮像システム107、及び/又はロボット・アーム102に関連するそれらのロボット・アームのいずれかの間の衝突のおそれによって生じる障害、あるいはこれらの上述の構成要素のうちの任意のものを備えるロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409の放射線ビームの障害などの、位置決めの制約によって制限される可能性がある。例えば、x線撮像源407は、ロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409が、x線撮像源407が装着される場所に配置されるのを阻止する可能性があり、それは、ロボット・ベースの線形加速器システム406をそこに装着すると(例えば衝突の障害などの)衝突のおそれが生じることになるからである。同様に、ロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409は、(例えば衝突の障害などの)検出器408の配置のため患者治療台103の下に配置することができない。配置の制約の別の例は、例えば検出器408及び/又は(例えばビームの障害などの)x線撮像源407などのその他の構成要素による治療用放射線源409からの放射線ビームの障害である。
【0067】
1つの実施形態では、制御装置101は、患者治療台103とロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409の向きと位置を動的に調和させるために、ロボット・アームを使用した5つの回転の自由度と1つの平行の実質的に鉛直な、線形の自由度に沿った患者治療台と、ロボット・ベースの線形加速器システムのロボット・アームを使用した少なくとも5つの回転の自由度に沿ったロボット・ベースの線形加速器システムとを組み合わせて動的に動かすように構成されている。患者治療台と治療放射線源の間の動きの動的な調和は、ロボット・アームの機械的な動作の範囲内で治療の標的の数を増加させることができる。
【0068】
制御装置101は、ロボット・アームとロボット・ベースの線形加速器システムの機械的な動作の範囲内の配置の制約によって生じる以前に障害になった位置において治療の標的を形成するように、患者治療台103とロボット・ベースの線形加速器システムを位置決めするように構成されている。1つの実施形態では、以前に障害になった位置は、例えば、患者治療台103、治療用放射線源409、又はロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素に関連するそれらのロボット・アームのいずれかの間などの衝突のおそれの障害によって生じる可能性がある。あるいは、以前に障害になった位置は、治療用放射線源409の放射線ビームの、例えば、ロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素との障害によって生じる可能性がある。
【0069】
1つの実施形態では、患者の体を含む患者治療台103とロボット・ベースの線形加速器システム406のガントリー又はその他の移動部分との間での衝突のおそれを生じる可能性のある向き及び/又は位置に患者が配置されないことを確実にするために、衝突防止モデルを制御装置101に埋め込むことができる。
【0070】
図4Cは、従来の治療テーブルの第1の側面に装着されたロボット・ベースの放射線外科システムのロボット・アームを有する治療用放射線源の使用可能な表面領域全体のトップダウン図を示す。この実施形態では、治療用放射線源409が図4A、4Bに対して上記に説明されるように、ロボット・ベースの線形加速器システム406に連結されている。ロボット・ベースの線形加速器システム406は従来の治療テーブル401の一方の側面の床に装着されている。従来の治療台401は、床に装着された治療テーブルである。上述のように、治療用放射線源409は、ロボット・アーム402の機械的な動作の範囲内の3次元の作業空間に線形加速器システム406のロボット・アーム402(例えば関節型ロボット・アーム)を使用して配置できる。治療用放射線源409は、従来の治療テーブル401上の患者内の治療の標的から特定の距離にあるように配置できる。治療用放射線源409と患者の治療の標的との間の特定の距離は線源回転軸間距離(source axis distance:SAD)である。ロボット・ベースの放射線源409は、ロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アーム402を使用して3−D作業空間内に配置し向けることができるので、放射線源409は、SADに依存できる使用可能な表面領域全体404を有する。1つの実施形態では、SADが固定された数値である場合、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形状を有する。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が、使用できる。使用可能な表面領域全体404は、放射線源409(例えばx線線形加速器)が治療用放射線を患者内の治療の標的に放射するように配置できる位置又はノードを表す。使用可能な表面領域全体404は、上記に説明した位置決めの制約によって制限される可能性がある。
【0071】
1つの実施形態では、位置決めの制約は、治療テーブル又は台によって生じる可能性がある。1つの例示の実施形態では、位置決めの制約は、床に装着された従来の治療テーブルや、床に装着されたロボット・ベースの線形加速器システム406の障害による到達不可能な表面領域404を生じる可能性がある。あるいは、その他の障害によって、放射線源409が到達不可能な表面領域を有するようになる可能性がある。1つの実施形態では、到達不可能な表面領域404は、ロボット・ベースの線形加速器システム406が図4Cに示されるように、従来の治療テーブル401の一方の側面に装着されることによって生じる可能性がある。図4Cは、使用可能な表面領域全体404及び到達不可能な表面領域405の2次元の円形を含む。図4Cに2次元の円形として表されるが、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形の表面領域であることに留意されたい。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が使用できる。
【0072】
到達不可能な領域404は、図4Dに示されるような従来の治療テーブル401の反対側にロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アームを装着するだけでは解消できないことに留意されたい。図4Dは、従来の治療テーブル401の第2の側面に装着されたロボット・ベースの放射線外科システム406のロボット・アームを有する治療用放射線源409の使用可能な表面領域全体404のトップダウン図を示す。1つの実施形態では、到達不可能な表面領域405は、従来の治療テーブル401とロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アームとの障害によって残ったままである。言い換えれば、別の側面にロボット・ベースの放射線外科システムを装着するだけでは、到達不可能な領域405を生じる障害による位置決めの制約を克服することはできない。
【0073】
図4Eは、治療用放射線源と患者治療台の1つの実施形態の使用可能な表面領域全体のトップダウン図を示す。この実施形態では、治療用放射線源409が、図4A、4Bに対して上記に説明されるように、ロボット・ベースの線形加速器システム406に連結されている。この実施形態では、治療用放射線源409が、図4A、4Bに対して上記に説明されるように、ロボット・ベースの線形加速器システム406に連結されている。ロボット・ベースの線形加速器システム406は、患者治療台103の一方の側の床の定位置403aに装着されている。あるいは、ロボット・ベースの線形加速器システム406は、患者治療台103の反対の側の床に装着できる。患者治療台103は、ロボット・アーム202に連結されている。患者治療台103とロボット・アーム202の詳細はこれまでに本明細書に説明され、使用可能な表面領域全体404を増加させる議論を不明瞭にしないようにここでは繰り返されない。この実施形態では、患者治療台103とロボット・アーム202は鉛直に装着される。あるいは床又は天井に装着されたロボット・アームが使用できる。上述のように、治療用放射線源409は、ロボット・アーム402の機械的な動作の範囲内の3次元の作業空間に線形加速器システム406のロボット・アーム402(例えば関節型ロボット・アーム)を使用して配置できる。治療用放射線源409は、患者治療テーブル103上の患者の治療の標的から特定の距離SADにあるように配置できる。ロボット・ベースの放射線源409は、ロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アーム402を使用して3−D作業空間内に配置し向けることができるので、放射線源409は、SADに依存できる使用可能な表面領域全体404を有する。1つの実施形態では、SADが固定された数値である場合、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形状を有する。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が使用できる。
【0074】
使用可能な表面領域全体404は、放射線源409(例えばx線線形加速器)が治療用放射線を患者の治療の標的に放射するように配置できる位置又はノードを表すことができる。使用可能な表面領域全体404は、上記に説明した配置の制約によって制限される可能性がある。
【0075】
上述のように、位置決めの制約は、治療テーブル又は台によって生じる可能性がある。しかし、この実施形態では、患者治療台103とロボット・アーム202は、図4C、4Dに対して説明及び例示されたような到達不可能な領域405を排除するように位置決めされる。図4Eは、患者治療台403bのような患者治療台103の新しい位置を示す。この実施形態では患者治療台103の位置が位置403aから403bに移動している。言い換えれば、ロボット・アーム202に連結された患者治療台103は、治療用放射線源409が治療用放射線を患者の治療の標的に放射するために配置できる使用可能な表面領域全体404を増加できる。あるいは、その他の移動が、到達不可能な表面領域を排除し、図4Eの使用可能な表面領域全体404を増加させるために使用できる。
【0076】
図4Eは、使用可能な表面領域全体404の2次元の円形を含む。図4Cに2次元の円形として表されるが、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形の表面領域であることに留意されたい。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が使用できる。
【0077】
別の実施形態では、障害は、地面によって生じる可能性があり、したがって従来の治療テーブル401を使用する場合、障害によって、ほぼ球形の使用可能な領域の底部に到達不可能な表面領域が形成される。鉛直に装着されたロボット・アーム202と患者治療台103を使用することによって、患者治療台103は、第1の位置から第2のより高い位置に床から持ち上げることができ、それによって到達不可能な領域が排除され、使用可能な表面領域全体が増加する。あるいは、ロボット・アーム202と患者治療台103の動きを調和させることによって、例えば検出器408やx線撮像源407による障害などによるその他の到達不可能な表面領域を克服できる。
【0078】
図4Fは台に装着されるロボット・アームの別の実施形態を示す。この実施形態では、ロボット・アーム202は、台の拡張装着領域491で患者治療台103に装着される。拡張装着領域491は、図4Fに示される以外の患者治療台の周囲に沿った別の位置に配置することもできることに留意されたい。あるいは、患者治療台103が装着領域で十分な厚さ213(図2Bに示される)であるとき、ロボット・アーム202は、拡張装着領域491を使用せずに台の縁部側面496に直接的に装着できる。拡張装着領域491(又はその代わりに縁部側面496)にロボット・アーム202の装着することにより、ロボット・アームをすべての支持された治療位置の撮像視野から外すことができるようになる(90度の向きの位置の例が図4Gに関連して下記に説明される)。上記に論じたように、1つの実施形態では、患者治療台103は放射線透過性材料から構成される。しかし、ロボット・アーム202は、そのような放射線透過性材料から構成されなくてもよい。したがって、ロボット・アーム202は、透過して撮像できず、撮像システムに対して特定の位置に患者治療台103を移動させる場合に撮像の障害を生じる。
【0079】
図4Gは、撮像システムに関連して図4Fの台を装着するロボット・アームの1つの実施形態の側面図と平面図を示す。図4A、4Bに関連して上記に論じたように、ロボット式患者位置決めアセンブリ100と共に使用される撮像システムとロボット・ベースの線形加速器システム406は、2つのx線撮像源(供給源A及び供給源B)407と2つの撮像検出器(検出器A及び検出器B)408を備えている。図4A、4Bに示される検出器408に対する患者治療台103の向きでは、ロボット・アーム202は、検出器の撮像視野を干渉又は妨害する可能性がない。しかし、ロボット・アーム202が図4A、4Bの向きに対しておよそ90度で患者治療台103を向ける場合、ロボット・アーム202は、図4A、図4Bに示されるように装着されるとき特定の位置で撮像の障害を生じる可能性がある。図4Gは、図4A、4Bに示される台と検出器の構成に対して90度の位置で向けられた患者治療台を示す。例えば、この90度の向き(及びその他の向き)では、ロボット・アーム202に拡張装着領域491(又は縁部側面496への装着)を使用することにより、ロボット・アーム202を(例えば、x線撮像源407や撮像検出器408などの)撮像システムの撮像野495の実質的に外側に維持できる。
【0080】
図5は、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニットの1つの実施形態の概略図を示す。ユーザ・インターフェース・ユニット500は、ロボット制御の患者治療台103の少なくとも5つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFのコンピュータ制御を行うことができる。例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット500は、患者治療台103を、制御装置101、センサ・システム104、撮像システム107、ロボット・アーム102、治療用放射線処置システム106を含む治療システムの主要なワークステーションに接続できるイーサネット(登録商標)・バス・インターフェースと、ユーザがロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を対話式に制御する制御装置101と連携できるようにするユーザ・インターフェース・ユニット500などの少なくとも1つのユーザ・インターフェース・ユニット105と、治療システムのE−stop(非常停止)回路へのハードウェア・インターフェースとを備える。バス・インターフェースは、治療システムの主要なワークステーションに接続できるイーサネット・バス・インターフェースである。非常停止回路へのハードウェア・インターフェースは、いずれかの非常停止が作動したときロボット式患者位置決めアセンブリ100のコンピュータ制御の動作を無効にすることができる。
【0081】
非常停止機構は、ロボット式患者位置決めアセンブリ100のコンピュータ制御の動作を停止するように動作可能である。1つの実施形態では、「システム非常停止」は、任意かつすべての放射と任意かつすべての動作とを停止させることが可能な非常停止機構である。言い換えれば、「システム非常停止」は、少なくとも以下の、1)治療用放射線処置システム106の治療x線源による治療用x線ビームの生成、2)治療用放射線処置システム106の治療x線源及び/又はロボット・アームの任意の動作、3)ロボット・アーム102と患者治療台103の任意の動作、4)撮像システム107を停止させることができる。
【0082】
ユーザ・インターフェース・ユニット500により、ユーザ又はオペレータが1つ又は複数のユーザが選択可能な機能を実行することによって、ロボット・アーム102と患者治療台103の動作を制御することに対話式に参加することができる。1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット500は、遠隔操作ユニットである。あるいは、ユーザ・インターフェース・ユニットは、下記に説明するようなグラフィカル・ユーザ・インターフェース・ユニットである。これらのユーザが選択可能な機能は、それには限定されないが以下の、1)患者治療台103の位置の取得が開始できるように、ユーザが患者治療台103に電源投入できるようにする機能、2)標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像の取得が開始できるように、ユーザがx線撮像システム107を作動できるようにする機能、3)ユーザが患者治療台103を所望の様式で患者を患者治療台103の上に載せるのを容易にする、1つ又は複数の予めプログラムされた載せる位置に移動できるようにする機能、4)ユーザが患者治療台103をデフォルトの治療位置である、予めプログラムされた「治療」位置に移動できるようにする機能、5)リアルタイム又はほぼリアルタイムの画像からの情報に従って、標的の位置を調整するのに必要な患者治療台103の補正動作に対応する平行移動又は回転をユーザに表示する機能、6)ユーザが、平行移動と回転をそれぞれの平行移動と回転に関する予め特定された限界と比較できるようにする機能、7)ユーザが、1つ又は複数の予め特定された限界を変更することができるようにする機能、8)ユーザが、平行移動と回転を予め特定された限界の下に収まることを証明できるようにし、それに続いて治療の実施を開始するために治療用放射線処置システム106の治療x線源を作動させる機能を含むことができる。
【0083】
1つの例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット500は、ユーザにロボット・アーム102と患者治療台103の動作の遠隔制御機能を提供する(例えば、ハンドヘルド・ペンダントなどの)手持ち式遠隔操作ユニットである。図5のユーザ・インターフェース・ユニット500は、ハンドヘルド・ペンダントであり、それぞれ、これらのユーザが選択可能な機能と関連付けられたいくつかのボタン・アイコンを備えている。手持ち式遠隔制御ユニット500は、患者の位置を手動で統制するための制御、及びロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作に関連するステータス・インジケータを提供することができる。
【0084】
例示の実施形態では、手持ち式遠隔制御ユニット500は、6セットの軸動作制御スイッチ510A〜510F、3つの載せる位置スイッチ520A、520B、520C、さらに治療スイッチ530の動作スイッチを備える。軸動作制御スイッチは、押しボタンを介してそれぞれの自由度の双方向の手動制御を提供する。軸動作制御スイッチは、スイッチが押し下げられ、動作が無効にされる限り所望の方向に、所望の軸を移動させることができる(3つの回転軸、左/右(510A)後/前(510B)、下(足に向かって)/上(上に向かってt)(510C)、3つの回転軸、ロール左/右(510D)、頭部下げ/上げ(510E)、頭部左/右(510F))。載せスイッチ520A、520B、520Cはそれぞれ、動作が有効にされると、これ以上オペレータの動作なしに患者治療台103が最大限に後退し、最大限に下げられた載せる位置に自動的に移動させるプログラムされた動作を開始することができる。制御装置101は、1つ又は複数の予めプログラムされた載せる位置を有することができ、あるいはユーザは図6に示された手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500又はコンピュータ・インターフェース600を介して患者に対して載せる位置を手動で設定できる。制御装置101は、今後の治療に向けて特定の患者に関する載せる位置を記憶することができる。治療スイッチ530は、動作が有効にされると、患者治療台103を制御装置101によって定義され、患者治療台103に予めダウンロードされた位置に移動させるプログラムされた動作を開始することができる。
【0085】
遠隔制御ユニット500は、一対の動作有効スイッチ550を備えることもできる。片方又は両方のスイッチを押し下げると、すべての動作スイッチ(軸動作制御、載せる位置、及び治療)を有効にすることができ、いかなるテーブル非常停止スイッチも無視しないが、システム非常停止は、それがあれば、それを無視する。プログラムされた動作が行われている間に片方又は両方の有効スイッチを解放するとその動作を停止させることができる。
【0086】
遠隔制御ユニット500は、動作が有効にされ、かつ受け入れられたかどうかの表示を提供する発光ダイオード(LED)である一対のステータス・インジケータ540、542を備えている。例示の実施形態では、非常停止LED540は、システム非常停止がアサートされた場合に黄色であり、有効スイッチによって無視されたとき緑であり、システム非常停止がまったくアサートされない場合に切断された状態である。移動LED542は、スイッチが押され動作が有効になった場合に緑であり、プログラムされた動きが行われているとき点滅する緑であり、非常停止が作動したとき黄色である。
【0087】
遠隔制御ユニット500は、ユーザが記憶された場所にアクセスできるようにするGoToスイッチ(図示されない)を備えている。遠隔制御ユニット500は、例えばユーザに平行移動と回転を表示するための、又はユーザに情報的なメッセージを表示するための表示機能(図示されない)を有することもできる。遠隔制御ユニット500は、絶対及び相対位置の表示/入力モード(図示されない)を備えている。別の実施形態では、遠隔制御ユニット500は、患者治療台103の位置を検出することを開始するためのセンサ・システム104を作動させるスイッチを備えている。
【0088】
主要なCyberKnife(登録商標)ワークステーションのユーザ制御コンソールの1つ又は複数のユーザ・インターフェース画面によって、患者を位置決めするロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を、ユーザが点検し、開始し、対話式に制御できるようになる。図6は、主要なワークステーションの処理実施画面640に進んだユーザ・インターフェース画面600の例示の実施形態を示す。例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600はユーザに統合された患者治療台位置の表示、及び患者治療台の動作制御機能を提供する。ユーザ・インターフェース画面600は平行移動のみ、又は回転のみ、あるいは共に使用可能なすべての自由度を調整するためのサブ・オプションを提供する。
【0089】
1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600は、患者治療台103の位置を検出するためのセンサ・システム104をユーザが作動させることができるようにするボタン・アイコンを備える。
【0090】
例示の実施形態では、処理実施画面640の台位置合わせボタンがユーザ・インターフェース画面600を出すことができる。ユーザ・インターフェース画面600は、異なる機能を有するいくつかのフィールドを備えている。これらのフィールドは、制御装置101のTLSユニットによって戻されるロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作を最初に記入される平行移動と回転フィールドを有している。有効な患者治療台補正動作がまったく使用できない場合、これらのフィールドは空白のままにされる。平行移動と回転のフィールドは編集可能である。
【0091】
例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600は、移動ボタン610、「自動位置合わせ」ボタン320、「キャンセル」ボタン630を有する。「移動」ボタン610は、指示される平行移動と回転の量によって患者治療台103を移動させる。「回転付加」フィールドがチェックを付けられない場合、患者治療台103は、回転軸でのみ移動させられる。「自動位置合わせ」ボタン620は最初に、指示される平行移動と回転の量によって患者治療台103を移動させ、撮像システム107を通した画像の取得に移行し、予め特定された「自動位置合わせ限界」が充足されるまで自動的に患者治療台103の位置を補正する。これは、平行移動と回転が、予め特定された限界の下であり、又は指示された数の画像が撮影されたことを意味する。「自動位置合わせ限界」フィールドは、システム設定ファイルによって記入されるが編集することができる。「キャンセル」ボタン630は、患者位置合わせインターフェースに戻す。
【0092】
1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600は、撮像システム107によって生成された撮像ビームのx線の強度、エネルギー、時間;取得されるリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像の数;基準の選択と非選択;剛体のパラメータなどの撮像パラメータをユーザが調整できるようにするボタン・アイコンを備える。
【0093】
図7は、ロボット・アームを使用して患者治療台を位置決めする方法の1つの実施形態を示す。方法は、ロボット・アーム102に連結された患者治療台103を提供するステップ701と、ロボット・アーム102を使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台103を移動させるステップ702とを含む。1つの実施形態では、5つの回転の自由度は2つの水平の回転軸(図2Aの軸3及び2)(例えばx、y軸)と、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸(図2Aの軸6、5、4)を有する3つの回転軸とを含み、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度は、2つの水平な座標軸(例えばx、y軸)に実質的に垂直な座標軸(例えばz軸)での実質的に鉛直な線に沿った患者治療台の平行移動のための実質的に線形の軸を含む。
【0094】
別の実施形態では、ロボット・アーム102を使用して患者治療台103を位置決めする方法は、ロボット・アーム102に連結された患者治療台103を提供するステップと、ロボット・アーム102を使用して6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台103を移動させるステップとを含む。1つの実施形態では、6つの回転の自由度は、3つの回転軸(図3Aの軸3,2、1の)(例えばx、y、z軸)と、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸(図3Aの軸6、5、4)を有する3つの回転軸とを含み、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度は、2つの水平な座標軸(例えばx、y軸)に実質的に垂直な座標軸(例えばz軸)での実質的に鉛直な線に沿った患者治療台の平行移動のための実質的に線形の軸を含む。
【0095】
1つの実施形態では、方法は、患者治療台の荷重をおよそ0から5mm(0〜5mm)のたわみ誤差261内で500ポンド(500lb)まで支えるステップを含むことができる。あるいは、患者治療台の患者の荷重は、静止した位置で2000ポンド(2000lb)までである。
【0096】
方法はさらに、患者治療台の動作の範囲全体にわたって、患者治療台を回転軸のうちの1つに沿って移動させ、前記軸の別の1つに沿って患者治療台を移動させずに回転軸を移動させるステップを含む。方法は、5つ又は6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って、ロボット・アームと患者治療台を移動させる制御装置を提供するステップ含む。方法は、5つ及び6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、ロボット・アーム及び患者治療台を手動で移動させるための制御装置に接続されたユーザ・インターフェース・ユニットを提供するステップ含むこともできる。
【0097】
1つの実施形態では、ロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台を移動させるステップは、ロボット・アームのツール・ヨー関節を使用してヨー軸に沿って患者治療台を回転させるステップと、ロボット・アームのツール・ピッチ関節を使用してピッチ軸に沿って患者治療台を回転させるステップと、ロボット・アームのツール・ロール関節を使用してロール軸に沿って患者治療台を回転させるステップと、エルボ関節とショルダ関節を使用して2つの水平な回転軸に沿って患者治療台を回転するステップと、2つの水平な回転軸に垂直なトラックとトラック装着アセンブリを使用して実質的に鉛直な、線形の軸に沿って患者治療台を平行移動させるステップとを含む。別の実施形態では、患者治療台を移動させるステップは、追加のショルダ関節を使用して追加の平行移動軸に沿って患者治療台を回転するステップであって、それによって全部で6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形のDOFになるステップをさらに含む。6つのDOFは、互いに直交するx、y、z座標軸沿って平行移動させるための3つの回転軸を含み、かつx、y、z軸それぞれの周りのロール回転、ピッチ回転、ヨー回転運動のための3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平のx、y座標軸に垂直なz座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0098】
図8は、ロボット・アーム及びロボット・ベースの線形加速器システム406を使用して患者治療台を位置決めする方法の別の実施形態を示す。方法は、第1のロボット・アームに連結された患者治療台を提供するステップ、ステップ801と、第2のロボット・アームを使用してロボット・ベースの治療用放射線処置システムを提供するステップ、ステップ802と、第1のロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台を移動させるステップ、ステップ803と、ロボット・ベースの治療用放射線処置システムの第2のロボット・アームを使用して少なくとも5つの自由度に沿ってロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップ、ステップ804とを含むことができる。別の実施形態では、方法はロボット・ベースの治療用放射線処置システムとロボット・アームに連結された制御装置を提供するステップをさらに含む。
【0099】
1つの実施形態では、患者治療台とロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップは、制御装置を使用して患者治療台とロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源の向きと位置を動的に調和させるステップを含むことができる。患者治療台と治療用放射線源の向きと位置を動的に調和させるステップによって、ロボット・アームの機械的な動作の範囲内の治療の標的の数が増加する。別の実施形態では、患者治療台とロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップは、ロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源を患者治療台に配置された患者内の治療の標的に位置合わせするステップを含む。別の実施形態では、患者治療台とロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップは、ロボット・アームとロボット・ベースの線形加速システムの機械的な動作の範囲内で、以前に障害になった位置に治療の標的を形成するために、患者治療台と治療用放射線供給源を位置決めするステップをさらに含む。
【0100】
1つの実施形態では、以前に障害になった位置は、例えば患者治療台103、治療用放射線源409、又はロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素に関連するそれらのロボット・アームのいずれかのいずれかの間の衝突のおそれの障害によって生じる可能性がある。あるいは、以前に障害になった位置は、治療用放射線源409の放射線ビームの、ロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素との障害によって生じる可能性がある。
【0101】
動作の際には、患者の適切な治療位置は、治療計画のプロセスの一部として計算できる。治療計画が制御装置101にロードされる場合、およその治療位置が患者治療台103にダウンロードできる。オペレータは、患者治療台103に患者を位置決めし、任意の拘束デバイスを適用する。次いで、オペレータが手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500(図5に示される)の「治療」ボタンを押し、患者治療台103が自動的に移動して、その自由度のすべてを記憶された位置にする。あるいは、「治療」コマンドは、ユーザ・インターフェース画面600から出すこともできる。同時に動く軸の数は、電力の必要性が過剰でなく、患者が行われる同時の動きの数を快適に感じるのを確実にするための設計によって制限されてもよい。
【0102】
次いで、オペレータは、治療室を退出し、ワークステーション又は専用の制御パネルのユーザ・インターフェース画面600(図6に示される)を使用して、患者を所望の許容誤差内で位置合わせするようにシステムに命令することができる。ユーザ・インターフェース画面600は、使用者が位置合わせプロセス中に撮像する最大限のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像、及び位置決めと向きに関する所望の許容誤差などのパラメータを入力可能にすることもできる。ユーザ・インターフェース画面600は、それぞれの画像に関連付けられたエラーを表示可能にすることもできる。
【0103】
不足のない位置合わせが得られた後で、治療用放射線処置システム106に治療を開始するように命令する。治療の一部分として、患者が治療中に動くかどうか調べるために、リアルタイム又はほぼリアルタイムの画像が撮像システム107によって定期的に取得できる。患者が動いた場合、治療の実施は、自動的に又はオペレータによって手動で一時停止でき、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の適切な補正動作を行うことによって患者を再び位置合わせすることができる。治療の終了時に、オペレータは治療室に再び入り、患者を降ろすための載せ/降ろす位置に患者治療台103を戻すために、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500の「載せる位置」ボタンを使用する。あるいは、システムは、元の載せる位置を保つためのコマンドをユーザ・インターフェース画面600から発行することができる。
【0104】
1つの実施形態では、ロボット・アーム202又はロボット・アーム303の構成要素は、構成要素の外側にタッチセンサ材料を含む。別の実施形態では、構成要素の外側は、コンタクト・フォームよって被覆できる。あるいは、ロボット・アーム202又はロボット・アーム302の構成要素がオペレータの上に押しかかり、又はぶつかるのを防止するために、その他の材料が使用できる。オペレータにロボット・アームがぶつかり、又は押しかかるのを防止するための材料を使用してロボット・アーム202と302の外側を被覆することに関する議論を不明瞭にしないため、当業者に知られたタッチセンサ材料とコンタクト・フォームに関する特定の材料は含めなかった。
【0105】
以下は、上述のロボット式患者位置決めアセンブリの動作の別の実施形態のより詳細な説明である。
【0106】
第1の段階は、初期の患者設定段階である。この段階の間、患者が治療室に入る前に、治療計画のファイルがダウンロードされる。治療ファイルのダウンロードの間、患者治療台103の治療位置が制御装置101にダウンロードできる。患者治療台103の治療位置は、a)選択されたビーム経路用のデフォルトの患者治療台の位置、b)同じ計画が使用された前回の患者の治療位置のうちの1つである。患者が治療室に歩み入る前に、患者が患者治療台103に乗るのに快適な、予め定められた位置に患者治療台103を位置決めするように、手持ち式遠隔制御ユニット500の載せる位置ボタンのうちの1つを押す。次いで患者は、例えば熱可塑性マスク及び/又はその他の固定化デバイスを使用して固定される。
【0107】
手持ち式遠隔制御ユニット500の「治療」ボタンを、患者治療台103を通常の治療位置に配置するのに使用する。頭部又は身体の治療のために、又はこれが同じ計画を用いた、患者に対する第2又はそれに続く治療である場合、名目上の治療位置は、さらなる自動的な位置決めに適切なものであり、オペレータは、患者の自動的な位置決めのためにユーザ制御コンソールに取りかかることができる。そうでなければ、患者治療台103は、問題になる解剖学的な標的領域が撮像視野の内側にあるように、手持ち式遠隔制御ユニット500を使用してさらに手動で調整できる。次いでオペレータは、患者を自動的に位置決めするために、ユーザ・インターフェース画面600に移る。
【0108】
次の段階は、初期画像の取得段階である。この段階の間、オペレータは、ユーザ・インターフェース画面600(図6に示される)の患者位置合わせ画面の「取得」ボタンを使用して、画像を取得することができる。必要であれば、画像パラメータは、調整する必要がある可能性がある。これらのパラメータのうちのいくつかの例には、x線パラメータ、移動した、又はそうでなければ追跡が困難な基準の選択解除、剛体パラメータの調整がある。
【0109】
次の段階は、1回限りの患者治療台の位置合わせ段階である。使用者は、患者位置合わせ画面の「自動台」ボタンを選択する。これにより、制御装置101のTLSユニットから得られた初期補正を含むユーザ・インターフェース画面600の台調整インターフェース画面が出される。TLSからの初期補正は、編集可能である。「移動」ボタンは、ウインドウに示される修正の量によって患者治療台103を移動させる。所望の回転補正に対するオプションを使用することもできる。「自動位置合わせ」ボタンは、第1の補正を行い、自動的な位置合わせの完了に移る。
【0110】
次の段階は、患者治療台の自動的な位置合わせ段階である。台調整インターフェース画面の「自動位置合わせ」ボタンは、自動的な位置合わせを行うことができる。自動位置合わせは、台位置合わせインターフェースに初期補正を行うことによって開始することができ、以下の、自動位置合わせ段階で所望の数の画像が取得され、かつ/又は残る補正が自動位置合わせインターフェースに特定された限界の下に収まる、という条件のうちの1つを満たすまで追加の画像を撮影し、画像の補正を行うことに移行する。
【0111】
次の段階は、患者の再位置合わせ段階である。患者の再位置合わせは、システムが(オペレータの中断を含む)回復可能なエラーを生じ、システムがこの状態から再開する場合にいつでも入力することができる。患者の再位置合わせは、患者の位置合わせと同じ様式で処理できる。言い換えれば、初期の取得の後に、台位置合わせインターフェースの「自動位置合わせ」ボタンを使用してさらなる調整を自動的に行うことができる。
【0112】
最後の段階は処理実施段階である。処理実施は、患者治療台103への補正動作がロボット・アーム102と患者治療台103の平行移動と回転に関する予め特定された限界の下に収まる場合に開始される。ロボット式患者位置決めアセンブリ100の制御装置101にダウンロードされた補正動作は、平行移動と特定の組の回転を含むことができる。ロボットは、ノードに対する名目上の位置に移動することができ、特定の平行移動と回転によって補正され、次いで治療用放射線処置システム106のx線ビーム発生装置を有効にする。ノードに対する線量の送出の終了時には、治療用放射線処置システム106のロボットは、この名目上の位置で次のノードに移行することができる。
【0113】
制御装置101は、エラーの検出、報告、補正用のソフトウェアを備えている。この実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、「オペレータ中断」機能を備える。この機能は、画像の取得が進行中であり、標的の位置合わせ又は再位置合わせモードに戻る場合に、ユーザが画像の取得を停止できるようにする。ロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作が進行中であり、標的の位置合わせ/再位置合わせモードに戻る場合に、ユーザは、その動作を停止することもできる。「自動位置決め」モードが進行中である場合に、ユーザは、それに続く画像の取得及びロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を停止することもできる。
【0114】
1つの実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、TLS(ターゲット・ロケーティング・システム:target locating system)を処理する機能も備える。ソフトのアルゴリズム・エラー、及び/又はハードウェア・エラー非常停止などの該当するTLSエラーが報告される。エラーを認識した後、制御装置101は、位置合わせ又は再位置合わせの状態に戻ることができる。「自動位置合わせ」が進行中である場合に、ユーザは、それに続く画像の取得と、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を停止することができる。初期位置合わせの間、「患者領域外」エラーが無効にされるが、患者が領域内に入るまで「治療」ボタンを無効にすることができる。
【0115】
1つの実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、テーブル・インターフェース・エラーを処理する機能を備える。通信エラーなどのテーブル・インターフェース・エラーは、ユーザの認識を必要とするが、非常停止を作動しない、ソフト・エラーとして処理される。1つの実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、非常停止を処理する機能を備えることができる。1つの実施形態では、非常停止は、二重冗長機構を使用してロボット式患者位置決めアセンブリ100のコンピュータ制御の動作を停止させる。制御ソフトウェアは、いかなる動作コマンド信号をさらに生成するのを制止する。患者治療台の制御装置のハードウェアは、非常停止が作動するとき、患者治療台を移動させることを無効にできる。非常停止が作動した場合でも、患者治療台は、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500を使用して移動可能にすることができる。中断又は回復可能な非常停止からの再開の場合、非常停止はオペレータ・コンソールからのシステム・リセットによって解除でき、次いでオペレータ・コンソールは、患者の再位置合わせ状態に移る。この段階では、ユーザは、患者の位置を改善するために自動位置合わせを使用することができる。患者の再位置合わせ画面の「再開」ボタンは、処理実施の再開を有効にする。
【0116】
医療手術中に患者の配置と向きを位置決めする1つの実施形態には、患者治療台103を2つの水平な回転軸(x、y)(図2Aの軸2と3)と、3つの回転軸(ヨー、ピッチ、ロール)(図2Aの軸6、5、、4)に沿って位置決めするステップと、1つの実質的に鉛直な、線形の軸(z)(図2Aの軸1)に沿って患者治療台103を位置決めするステップが含まれる。
【0117】
医療手術中に患者の配置と向きを位置決めする別の実施形態には、患者治療台103を3つの回転軸(x、y、z)(図3Aの軸3、2と1)と、3つの回転軸(ヨー、ピッチ、ロール)(図3Aの軸6、5、、4)に沿って位置決めするステップと、患者治療台103を1つの実質的に鉛直な、線形の軸(z)(図3Aの軸7)に沿って患者治療台103を位置決めするステップが含まれる。
【0118】
1つの実施形態では、患者治療台103は、少なくとも2つの方向の載せる機構を設け、その載せる機構は動作の際に患者を水平の様式や鉛直の様式で乗せ又は降ろすことができる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、患者治療台103を備え、その患者治療台103は、鉛直に載せる様式では、例えば水平面に対しておよそ70度(70°)で、水平面に対して傾斜して配置できる。患者が患者治療台103に固定された後に、患者治療台103は患者を作業空間内の治療位置に位置決めできる。1つの実施形態では、患者治療台103の上面は、患者に専用のモールドを設けることができ、そのモールドは患者の湾曲に適合するようにカスタマイズすることができる。別の実施形態では、患者治療台103の一方の端部は、患者の足を鉛直に乗せる様式で支持するフット・プレートを設けることができる。別の実施形態では、患者治療台103は、椅子様の支持デバイスを設けることができ、患者治療台103は、患者を乗せ及び/又は降ろし、ならびに/あるいは治療するための着座位置を設けるようになされることができる。
【0119】
あるいは、患者治療台103は、図4Aに示されるような載せ/降ろす位置、着座の載せ/降ろす位置、特定の患者に便利なように設定されたその他の載せ/降ろす位置を設けることもできる。
【0120】
より多くの可撓性とより大きな患者治療台103の広がりを得るために、ロボット式患者位置決めアセンブリ100に例えば追加のアームなどのより回転可能な、及び/又は摺動可能な区域を加えることができることに留意されたい。あるいは、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、例えばエルボ・アセンブリとショルダ・アセンブリの両方の代わりにエルボ・アセンブリのみを備えるなどロボット式患者位置決めアセンブリ100よりも少ない区域しか備えないことも可能である。ロボット式患者位置決めアセンブリ100の平行移動と回転運動は、コンピュータ制御装置101によって手動及び/又は自動で制御できる。
【0121】
前述の明細書に、本発明の実施形態をその特定の例示の実施形態を参照して説明してきた。しかし、特許請求の範囲に明記する本実施形態のより広い趣旨及び範囲から逸脱せずにそこに様々な修正及び変更を行うことが明らかになるであろう。したがって、明細書及び図面は、限定の意味ではなく例示として見なすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】治療用放射線処置のロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態の概略ブロック図である。
【図2A】5つの回転の自由度を有し、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを備えるロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す図である。
【図2B】装着プレートを備える患者治療台の1つの実施形態の図である。
【図2C】患者治療台の1つの実施形態の断面図である。
【図2D】装着プレート、傾斜センサ、及び緩衝装置を備える患者治療台の1つの実施形態の図である。
【図2E】トラック装着アセンブリの1つの実施形態の図である。
【図2F】患者治療台のたわみ誤差及び鉛直に装着されたロボット・アームの1つの実施形態の図である。
【図3A】6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを有するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す図である。
【図3B】図3Aロボット・アームに連結された患者治療台の1つの実施形態の図である。
【図4A】ロボット・ベースの線形加速器と共に、5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの例示の位置の図である。
【図4B】ロボット・ベースの線形加速器と共に、5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット式患者位置決めアセンブリの別の例示の位置の図である。
【図4C】従来の治療テーブルの第1の側面に装着されたロボット・アームを有する治療用放射線源の使用可能な表面領域全体のトップダウン図である。
【図4D】従来の治療テーブルの第2の側面に装着されたロボット・アームを有する治療用放射線源の使用可能な表面領域全体のトップダウン図である。
【図4E】治療用放射線源及び患者治療台の1つの実施形態の使用可能な表面領域全体のトップダウン図である。
【図4F】台に装着されるロボット・アームの別の実施形態の図である。
【図4G】撮像システムに関連して図4Fの台に取り付けられるロボット・アームの1つの実施形態の側面及び平面図である。
【図5】手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニットの1つの実施形態の概略図である。
【図6】処理実施ディスプレイ・スクリーンの上に出されたユーザ・インターフェース・スクリーンの例示の実施形態の図である。
【図7】ロボット・アームを使用して患者治療台を位置決めする方法の1つの実施形態の図である。
【図8】ロボット・アーム及びロボット・ベースの線形加速器を使用して患者治療台を位置決めする方法の別の実施形態の図である。
【関連出願】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2004年4月6日に出願された米国仮出願第60/560,318号の利益を主張する、2004年6月30日に出願の米国特許出願第10/881,315号の部分継続出願であり、それらは本明細書に参照によって組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態は、医療手術用の患者位置決めアセンブリの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のロボットは、組立て用の組立てラインでのように何度も繰り返しまったく同じことを行うように設計されている。これらのロボットは、特定の機能を行うために所与の動作を繰り返すようにプログラムされ、構成されている。ロボットは、しばしばより効率的に、またしばしば人間よりも精密に多くの機能を行うようになっている。
【0004】
一般的に従来のロボットは、1つ又は複数のロボット・アームを備える。これらのロボット・アームは、異なる自由度(DOF)での動作を容易にするのを助ける複数のセグメントを有している。従来のロボットの中には、対応するセグメントに連結された個別のステップ・モータを回転させることによってロボット・アームのセグメントを制御するように、コンピュータを使用するものもある。その他の設計は、アームのセグメントでの動きを行うために液圧又は空気圧を使用することができる。コンピュータはロボット・アームの精密な、繰返し可能な動作を可能にする。
【0005】
従来の選択的コンプライアンスを有する関節型ロボット・アーム(SCARA)のロボットは、4以下の自由度(DOF)で作動する。言い換えれば、これらのロボット・アームは、4以下の軸に沿って動くように設計されている。従来のロボット・アームに関しては、ピックアンドプレース式の機械へ適用したものが一般的である。ピックアンドプレース式の機械は、自動組立て、自動配置(automation placing)、プリント回路基板製造、集積回路のピックアンドプレーシング、及び機械加工、測定、試験、溶接などの小さな項目を含むその他の自動作業に使用される。これらのロボット・アームは、ロボット周辺装置、ロボット付属品、ロボット又はロボット式の工具、エンド・オブ・アーム(end of arm:EOA)ツーリング、又はエンド・オブ・アーム・デバイスとしても知られるエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、ロボット・グリッパ、プレス機器、塗装ガン、ブローランプ、ばり取り工具、アーク溶接ガン、ドリルなどの用具である。これらのエンドエフェクタは一般に、ロボット・アームの端部に配置され、上述の用途に使用される。1つの一般的なエンドエフェクタは、手を単純化したバージョンであり、それは異なる物体を把持し担持する。そのようなエンドエフェクタは一般に、3kg〜20kg(6.61〜44.09ポンド)の範囲の最大積載量を支持する。
【0006】
従来のロボットの中には、外部放射線治療などの用途において患者位置決め用に使用されてきたものもある。1つのそのような患者位置決めシステムは、Harvard Cyclotron Laboratoryの広いフィールド用のロボット・テーブル/チェアである。この設計は回転可能なプラットフォーム、空気パッド、、4つの独立に駆動される脚部をベースにした、固定された水平の陽子線治療室に使用される。別の患者位置決めシステムは、Harvard Cyclotron Laboratoryの陽子線で使用される放射線外科用の空間立体的なデバイス「Star」である。この「Star」の設計は、空気サスペンション・システムに基づくとともに、鉛直軸の周りでのベースとそれ自体の水平の主軸の周りの患者の二重回転に基づいている。
【0007】
別の患者位置決めシステムは、6DOFのパラレルリンク・ロボットと回転式プラットフォームに基づいた目や頭部の標的の治療用のロボット・チェアを使用する。別の例は、BostonのNortheast Protontherapy Centerのガントリー室用の患者位置決め装置に取り付けられたテーブルである。この特定の設計は、6DOFを有するリニアロボットに基づいている。しかし、この設計の6DOFは、少なくとも3つ(3)の線形軸を有する。これらの3つの線形軸によって、平行移動のみが容易になる。さらに、この設計によって、取り付けられたテーブルの動きに対して1DOFでの回転の動きのみが容易になる様子であり、さらにこのロボットは床、又は床下のピット内に取り付けられる。
本発明の実施形態は、添付図面の図に限定としてではなく例として示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の説明では、本実施形態の完全な理解を与えるために特定の構成要素、デバイス、方法の例などの多くの特定の詳細が明記される。しかし、これらの特定の詳細は本実施形態を実現するのに使用される必要はないことが当業者には明らかになるであろう。他の場合には、よく知られた材料又は方法は、本実施形態を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細には説明されていない。
【0009】
例えば治療用放射線処置システムを使用して治療用放射線処置の間に患者の位置を調整するためのロボット式患者位置決めアセンブリが説明される。ロボット式患者位置決めアセンブリは、3次元(3D)空間での患者治療台(例えばテーブル又は椅子)上の患者の動き、及び平行移動や回転運動での可撓性又は位置決めを犠牲にすることなく患者を高い位置に持ち上げ又は低い位置に降ろすことを容易にするトラック装着アセンブリを有する関節型ロボット・アームを備える。トラック装着アセンブリは、例えばコラムの鉛直な側面に鉛直に装着できる。
【0010】
ロボット・アームは、5DOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFでロボット・アームに取り付けられた患者治療台を位置決めすることができる。5つのDOFは、互いに直交するx、yの水平な座標軸に沿った平行移動に関する2つの回転軸、ならびにx、y、z軸のそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平なx、yの座標軸に垂直なz座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。1つの実施形態では、患者治療台と鉛直に装着されたロボット・アームは、およそ0から5ミリメートル(0から5mm)のたわみで、500ポンド(500lb)まで患者の荷重を支持可能にすることができる。
【0011】
別の実施形態では、ロボット・アームは、追加の回転のDOFを与えるためにショルダ・アセンブリとトラック装着アセンブリの間に装着された追加のプレート部材を備え、それによって全部で6つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFになる。6つのDOFは、互いに直交するx、y、zの座標軸に沿った平行移動に関する3つの回転軸、及びx、y、z軸の周りのそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平なx、yの座標軸に垂直なz座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0012】
図1は、治療用放射線処置の間にコンピュータ制御の下で患者の位置を調整するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態の概略ブロック図を示す。この実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、1)治療用放射線処置の間に、患者などの荷重を支持して位置決めする患者治療台103、2)治療室の3Dの作業空間又は動作領域内で5つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFで患者治療台の位置位置決めを行うロボット・アーム102を備える。図1の制御装置101は、ロボット・アーム102、センサ・システム104、ユーザ・インターフェース105、治療用放射線処置システム106、撮像システム107に接続される。ロボット・アーム102は、患者治療台103に連結されている。
【0013】
ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、患者治療台103の位置を検出するセンサ・システム104、ロボット・アーム102と患者作業台103の動作を制御する制御装置101、ユーザがロボット・アーム102と患者治療台103の動作を手動制御できるようにするユーザ・インターフェース・ユニット105、治療用放射線処置システム106をさらに備えている。制御装置101は、センサ・システム104から得たデータに基づいて治療室又はその他の所定の治療の座標系に対する患者治療台103の位置を計算するために、ロボット式患者位置決めアセンブリ100のセンサ・システム104とユーザ・インターフェース・ユニット105に動作的に連結できる。制御装置101は、治療手順全体を通して患者の解剖学的構造内の治療の標的が治療用放射線処置システム106の治療ビーム源に対して適切に位置合わせされたままになるような方式で、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を制御するようにも動作できる。制御装置101は、治療用放射線処置システム106を動作させるのに使用することもできる。1つの実施形態では、治療用放射線処置システム106は、米国カリフォルニア州のAccuray社によって開発されたCyberKnife(登録商標)システムなどの線形加速器(「線形加速器(linac)」を利用したフレームレス画像誘導式のロボット・ベースの治療用放射線処理システムでよい。あるいは、治療用放射線処置システム106は、ガントリー・ベースの(アイソセンタの)処理システム又はその他のタイプの医療手術システムでよい。制御装置101は、患者内部の治療の標的の1つ又は複数の治療前の走査を表す治療前の走査データを受ける治療用放射線処置システム106と通信することもできる。治療前の走査は、治療前の座標系に対する標的の位置と向きを示すことができる。制御装置101は、標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像を表す画像データを撮像システム107から受け取る。画像データは、治療の座標系に対する標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの位置又は向きに関する情報を含む。治療の座標系と治療前の座標系は、知られた変換パラメータによって関連付けられる。
【0014】
制御装置101は、1)標的の治療前の走査を表す治療前の走査データ、2)リアルタイム又はほぼリアルタイムの標的の画像を表すリアルタイム又はニアリアルタイムの画像データを受ける入力モジュールを備える。治療前の走査は、治療前の座標系に対する標的の位置と向きを示す。制御装置101のコマンドの下で撮像システム107によって撮影されるほぼリアルタイムの画像は、治療の座標系に対して治療の標的の位置と向きを示す。治療の座標系と治療前の座標系は、知られた変換パラメータによって関連付けられる。制御装置101は、治療前の走査データ、リアルタイム又はほぼリアルタイムのデータ、治療前の座標系と治療の座標系との間の変換パラメータを使用して、治療の座標系での治療の標的の位置と向きを計算するTLS(ターゲット・ロケーション・システム(target location system))処理ユニットを備える。制御装置101の処理ユニットは、治療用放射線の処置システム106のアイソセンタの位置と向きを計算することもできる。
【0015】
患者治療台103の位置を検出するロボット式患者位置決めアセンブリ100のセンサ・システム104は、レゾルバ・ベースのセンサ・システムである。あるいは、患者治療台103の動作を感知する、患者治療台103に取り付けられた慣性センサ、あるいは治療室若しくはその他の治療の座標系又は光学式エンコーダに対する患者治療台103の位置を検出するために治療室内に配置された赤外線の三角測量システム又はレーザ走査システム若しくは光学的な追跡システムなどの当業者によって知られたその他のセンサ・システムを使用できる。
【0016】
例示のレーザ走査システムは、患者治療台103の位置を決定するためにおよそ60x/秒で治療室を走査する。レーザ操作システムは、単一平面の走査、2平面の走査、又は多平面の走査を行うデバイスを含む。それに対応して、制御装置101を備えるロボット式患者位置決めアセンブリ100が常に、患者治療台103の位置を知りているように、制御装置101は、センサ・システム104から情報を受け、患者治療台103と治療用放射線処置システム106の位置を計算するようにされたソフトウェアをロードされている。制御装置101は、患者治療台103を治療用放射線処置システム106の治療用放射線源と自動的又は定期的に較正されるようにプログラムされる。別の実施形態では、センサ・システム104は、治療の座標系に対する患者治療台103の位置を追跡する磁気追跡システムを備える。磁気追跡システムは、患者治療台103に取り付けられた少なくとも1つのトランスデューサを備えることが好ましい。
【0017】
制御装置101は、治療の標的の位置を線形加速器システムのアイソセンタと比較することによって、治療の標的と患者の動きによって生じた線形加速器システムのアイソセンタとの位置のずれを検出し、治療の標的を治療用放射線処置システム106の放射線処置源に対して位置合わせするようにロボット式の患者位置決めアセンブリ100の補正動作を実行するための動作コマンド信号を生成するようにされている。
【0018】
別の実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作は、呼吸運動、患者の心臓の心拍運動、くしゃみ、咳、又はしゃっくり、患者の1つ又は複数の解剖学的な部分の筋肉の移動などの様々な動作に対応することができる。
【0019】
別の実施形態では、制御装置101を備えるロボット式患者位置決めアセンブリ100は、リアルタイム又はほぼリアルタイムの画像を治療前の画像と比較し、(ロボット・ベースの治療用放射線処置システムで)患者治療台103及び/又は治療用放射線処置システム106の放射線源を使用して患者を再び位置決めし、又は治療計画に対応するように患者治療台103と治療用放射線処置システム106の放射線源の位置を調整することによる組織の変形によって生じる可能性のある腫瘍のジオメトリの変化を検出し、それに対応するようになされることができる。
【0020】
制御装置101は、患者治療台103と信頼性のある通信インターフェースを確立し、維持するソフトウェアを有する。ソフトウェアは、患者治療台103に関して開発されたインターフェース仕様を使用する。制御装置101は、撮像システム107からの患者の位置と向きの情報を、患者治療台103の運動能力の自由度での動きの適切な単位に変換するソフトウェアをさらに備える。制御装置101は、患者を位置決めするロボット式患者位置決めアセンブリ100の動きを監視し、開始するために、ユーザ・インターフェース・ユニット105を治療用放射線処置システムのユーザ制御コンソールに供給するソフトウェアを備えることもできる。制御装置100は、患者治療台103の通信又はソフトウェア制御での誤差を検出し、報告し、処理するソフトウェアも備えることができる。
【0021】
制御装置101は、1つ又は複数のユーザが選択可能な機能を実行することによって、ユーザがロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作又は補正動作を対話式に制御可能にするために、ユーザ・インターフェース・ユニット105などの少なくとも1つのユーザ・インターフェース・ユニットを備えることができる。1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット105は、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット又は遠隔制御ユニットである。あるいは、ユーザ・インターフェース・ユニット105は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)である。
【0022】
制御装置101とロボット式患者位置決めアセンブリ100のその他の構成要素(例えば、ロボット・アーム102、患者治療台103、センサ・システム104、ユーザ・インターフェース105、治療用放射線処置システム106、撮像システム107など)との間の通信リンクは、信頼性があり、かつ適時の通信を維持するのに必要な帯域幅を有する無線リンク又は有線リンクである。
【0023】
1つの実施形態では、治療用放射線処置システム106は、CyberKnife(登録商標)放射線外科システムなどの放射線外科システムである。放射線外科システムは、関節型ロボット・アーム、治療用放射線を選択的に放射する関節型ロボット・アームの遠位端に装着された治療用放射線源、x線撮像システム107、制御装置を有するロボットを備えている。1つの実施形態では、治療用放射線源はx線線形加速器である。x線撮像システム107は、1つ又は複数の標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像を表す画像データを生成する。x線撮像システム107は、一対の診断x線源と一対のx線撮像検出器408(又はカメラ)を備え、それぞれの検出器は、関連するx線源の反対側に配置される。患者治療台103(又は治療テーブル)は、治療中に患者を支持し、撮像システム107の2つのx線カメラとその対応する診断x線源の間に配置できる。
【0024】
撮像システム107は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで治療の座標系での標的の位置と向きを示すx線画像を生成する。制御装置101は、それぞれが各固定された組の治療位置又はノードで、関連する線量率と線量時間を有する連続する所望のビーム経路からなる治療計画を生成するために、治療前の走査データCT(及び/又はMRIデータ、PETデータ、超音波走査データ、及び/又は蛍光透視画像データ)とユーザ入力に応答性に優れた治療計画及び送出ソフトウェアを含む。制御装置の指示に応答して、ロボット・アームは各ノードを通して連続的かつ順次にx線線形加速器を移動させ、方向づけをし、x線線形加速器は制御装置によって指示される必要な線量を送出する。治療前の走査データは、例えばCTスキャン・データ、MRIスキャン・データ、PETスキャン・データ、超音波スキャン・データ、及び/又は蛍光透視画像データを含む。
【0025】
患者の治療用放射線処置システム106で治療を行う前に、撮像システム107によって確立された基準系内での患者の位置と向きは、治療を計画するのに使用される画像を供給されたCT(あるいはMRI、PET又は蛍光透視)スキャナの基準系内で患者が有する位置と向きに適合するように調整されなければならない。1つの例示の実施形態では、この位置合わせは、5つ又は6つのすべての回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に対して1ミリメートルの10分の1及び1度の10分の1内で行われなければならない。
【0026】
ロボット・アーム102と患者治療台103は、画像誘導式のロボット・ベースの治療用放射線処置システム(及び、特にCyberKnife’s(登録商標)システム)に関連して本明細書に説明することができるが、ロボット・アーム102と患者治療台103は、ガントリー・ベースの(アイソセンタの)治療システムなどのその他のタイプのシステムにも使用することができる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、あるいは、例えば手術室(OR)テーブルとして、又はCTスキャニング又はMRIプロセスなどでの支持デバイスとしてのその他の医療用途に使用できることも理解されたい。
【0027】
図2Aは、5つの回転の自由度を有し、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを備えるロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す。図2Aのロボット式患者位置決めアセンブリは、リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、トラック・マウント・アセンブリ250、トラック260を有するロボット・アーム202、患者治療台103、コラム270を備える。患者治療台103は、ツール・ヨー関節、ツール・ピッチ関節、ツール・ロール関節を備えるリスト・アセンブリ220に回転可能に取り付けられている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節は、装着プレート211に連結され、その装着プレート211は、患者治療台103の底部に取り付けられている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節により、z軸、すなわち図2Aの軸6に沿ったヨー回転での患者治療台103の回転運動が容易になる。ツール・ピッチ関節は、ツール・ヨー関節に連結され、y軸、すなわち図2Aの軸5に沿ったピッチ回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。ツール・ロール関節は、ツール・ピッチ関節に連結され、x軸、すなわち図2Aの軸4に沿ったロール回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。
【0028】
エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結されている。エルボ・アセンブリ230は、3つの駆動シャフトと3つのモータを備えることができる。1つの実施形態では、本明細書で論じられるモータは、ステップ・モータである。あるいは、モータは、当業者によって知られるサーボ・モータ又はその他のモータである。第1の駆動シャフトは、ツール・ヨー関節と第1のモータに連結されている。第1のモータと駆動シャフトは、ヨー軸、すなわち軸6に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第2の駆動シャフトは、ツール・ピッチ関節と第2のモータに連結されている。第2のモータと駆動シャフトは、ピッチ軸、すなわち軸5に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第3の駆動シャフトは、ツール・ロール関節と第3のモータに連結されている。第3のモータと駆動シャフトは、ロール軸、すなわち軸4に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。1つの例示の実施形態では、エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結する遠位端部での直径が10インチ(10”)である。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、およそ3から20インチ(3”〜20”)の範囲の直径を有している。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、例えば長方形、卵形、又はその他の知られた形状などの円形とは別の形状を有することができ、エルボ・アセンブリ230は、その断面が3インチ(3”)から20インチ(20”)の間の最小の測定値を有している。
【0029】
ショルダ・アセンブリ240は、エルボ関節によってエルボ・アセンブリ230に、ショルダ関節によってトラック装着アセンブリ250に連結されている。エルボ関節は、エルボ・ギアボックスを備え、そのエルボ・ギアボックスは回転軸、すなわち図2Aの軸3でのロボット・アーム202のエルボ・アセンブリ230の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ関節は、ショルダ・ギアボックスを備え、そのショルダ・ギアボックスは回転軸、すなわち図2Aの軸2でのロボット・アーム202のエルボ・アセンブリ240の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ・アセンブリ240とエルボ・アセンブリ230のショルダ・ギアボックス及びエルボ・ギアボックスにより、例えば床と平行な(x、y)平面など、2次元水平面での患者治療台103の平行移動が容易になる。1つの実施形態では、エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスは、およそ200対1(200:1)の歯車減速比を有する。エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスの200:1の歯車減速比は、およそ0から60ミリメートル(0〜60mm)の範囲である患者治療台103でのたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にすることができる。例示の実施形態では、たわみ誤差261は、およそ0から5ミリメートル(0〜5mm)である。あるいは、歯車減速比は、およそ10対1(10:1)の歯車減速比からおよそ600対1(600:1)の歯車減速比の範囲を有している。500ポンド(500lb)までの患者の荷重を支持することに言及する場合、本明細書に説明された構造は安全基準を尊守するために患者の荷重の重量の4倍(4X)を支持できることに留意されたい。さらに、5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを使用して図示されるが、図2Fのたわみ誤差261は、本明細書に説明される6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度の別のロボット・アームの実施形態に適用される。
【0030】
1つの実施形態では、制御装置101、ロボット・アーム202のショルダ・ギアボックス及びエルボ・ギアボックス、トラック装着アセンブリ250、リスト・アセンブリ220は、ドイツ連邦共和国のKUKA Roboter GmbHによって製造された構成要素を備えることができる。
【0031】
トラック装着アセンブリ250は、トラック260とショルダ・アセンブリ240のショルダ関節に連結されている。トラック装着アセンブリ250とトラック260により、実質的に鉛直な、線形の軸、すなわち図2Aの軸1での患者治療台103の平行移動が容易になる。実質的に鉛直な、線形の軸(z)は、2次元水平面(x、y)に実質的に垂直である。1つの実施形態では、トラックは、例えばコラム270の鉛直側面に鉛直に装着されるなど、鉛直に向けることができる。コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の床、又は床下のピット内に固定又は装着できる。別の実施形態では、コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の天井に固定又は装着できる。あるいは、トラック260は、壁、台座、ブロック、又は基部構造などの当業者に知られたその他の構造に鉛直に装着できる。コラム270は、コラムの奥行き271とコラムの幅272を備える。1つの実施形態では、コラムの奥行き271は、少なくともおよそ10インチ(10”)であり、コラムの幅272は、少なくともおよそ15インチ(15”)である。1つの例示の実施形態では、コラムの奥行き271は、少なくともおよそ17インチ(17”)であり、コラムの幅272は、少なくともおよそ22インチ(22”)である。1つの実施形態では、コラム270は、少なくともおよそ800in4のx軸の周りの主慣性モーメントを有する。1つの例示の実施形態では、x軸の周りの主慣性モーメントは、およそ1200in4である。
【0032】
リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、トラック装着アセンブリ250、トラック260の上記に示した配置により、5つの回転の自由度と1つの平行移動の実質的に鉛直な、線形の自由度を使用して、患者治療台103の位置決めを行う。ロボット式患者位置決めアセンブリ100のロボット・アーム202の5つの回転、及び1つの平行移動の実質的に鉛直な、線形のDOFは、ロボット・アーム202の機械的な動作の範囲内の作業空間などの、所望の治療領域内の実質的に任意の場所に患者治療台103上の患者を位置決めすることができる。ロボット・アーム202は、患者治療台103を作業空間又は治療領域内での複数の位置にツール中心点(tool center position:TCP)又はアイソセンタを有するように位置決めすることができる。ロボット・アーム202は、下記に論じられるように特定の患者用の載せ/降ろす位置を設けることもできる。ロボット・アーム102は、5つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFに沿って患者治療台103の動作を容易にするように構成されている。1つの例示の実施形態では、5つのDOFは、互いに直交する、水平な座標軸(x、y)に沿った平行移動に関する2つの回転軸、及びx、y、z軸のそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平な座標軸(x、y)に実質的に垂直な(z)座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0033】
1つの実施形態では、ロボット・アーム202は、制御装置101からの方向に従って患者治療台103を移動させるための1つ又は複数の患者治療台の動作アクチュエータを備える。テーブル・インターフェース・モジュールにより、患者治療台103がセンサ・システム104、ロボット・アーム102のアクチュエータ、制御装置101、治療用放射線処置システム106、ユーザ・インターフェース105と連携できる。電子回路モジュールは、患者治療台103がロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作中に妨害物と衝突しないことを確実にするために、周囲の障害のモデルに対する患者治療台の位置を独立にチェックすることができる。
【0034】
図2Aの例示の実施形態では、患者治療台103は治療テーブルであるが、その他の実施形態では、(テーブル、椅子、又はベンチなどの)その他のタイプの支持デバイスが使用できる。
【0035】
図2Bは、装着プレートを備える患者治療台の1つの実施形態を示す。装着プレート211は、患者治療台103に連結されている。1つの実施形態では、装着プレート211は、偏心位置又は旋回点で患者治療台103に連結されている。1つの実施形態では、患者治療台103の長さ215はおよそ48インチから145インチ(48”〜145”)の範囲である。患者治療台103の幅214はおよそ10インチから45インチ(10”〜45”)の範囲である。1つの例示の実施形態では、長さ215はおよそ78インチであり、幅214はおよそ20インチ(20”)である。
【0036】
1つの実施形態では、偏心位置217は、およそ患者治療台103の長さ215に対して患者治療台103の一方の側面(例えば、患者のヘッド・レストを備える側面)からおよそ50から75インチ(50”〜75”)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、偏心位置217は、患者治療台103の長さ215に対して患者治療台103の一方の側面から50インチ(50”)である。1つの実施形態では、偏心位置217は、患者治療台103の中心位置216から偏心長さの距離212と偏心幅の距離218である。1つの実施形態では、偏心長さの距離212は、長さ215に対する中心位置216から患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にあり、偏心幅の距離218は、幅214に対する中心位置216から患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、偏心位置217は、患者治療台103の長さ215に対する中心位置216からおよそ21インチ(21”)であり、患者治療台103の幅214に対する中心位置216からおよそ4インチ(4”)である。言い換えれば、偏心長さの距離212は、21インチ(21”)であり偏心幅の距離218は4インチ(4”)である。別の実施形態では、偏心位置217は百分率によって表現でき、例えば偏心位置217は、患者治療台103の長さ215に対しておよそ50〜85%以内、及び患者治療台103の幅214に対しておよそ0〜50%以内に配置できる。あるいは、装着プレート211は、患者治療台103の長さ215及び幅214に対する中心位置216にある患者治療台103に連結されている。
【0037】
1つの実施形態では、患者治療台103は、およそ0.75インチから3インチの範囲の厚さ213を有する。1つの例示の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ213を有する。別の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ213、およそ77インチの長さ215、及びおよそ20インチの幅214を有する。
【0038】
図2Cは、患者治療台の1つの実施形態の断面図を示す。患者治療台103は、放射線透過性材料から作製できる。1つの実施形態では、患者治療台103は、表面材料256と本体材料257を備える。1つの例示の実施形態では、表面材料256は炭素繊維であり、本体材料257は発泡体である。あるいは、その他の放射線透過性材料は、表面及び本体の材料に使用できる。1つの実施形態では、表面材料256は、表面厚さ258を有する。表面厚さ258は、およそ0.02インチから0.12インチの範囲である。1つの例示の実施形態では、表面厚さは、およそ0.058インチである。
【0039】
図2Dは、装着プレート、傾斜センサ、加速度計、緩衝装置を備える患者治療台の1つの実施形態の図を示す。この実施形態では、緩衝装置219は、装着プレート211と患者治療台103に連結されている。緩衝装置219は、ゴム又はプラスチックなどの緩衝材料を含む。あるいは、緩衝装置219は、ばね型の要素などの振動を低減又は緩衝するための当分野で知られる別のデバイスである。
【0040】
傾斜センサ280は、患者治療台103に装着できる。傾斜センサ280は、患者治療台103の角度を検出する二軸傾斜センサである。傾斜センサ280は、制御装置101に連結され、1つ又は複数の軸に関する角度測定値などの患者治療台103の傾斜に関する情報を送るように構成されている。傾斜センサ280は、治療中に患者が患者治療台103から落下するのを防止することができる。傾斜センサ280は、患者が患者治療台103から落下しないように安心感を得られるようにすることもできる。傾斜センサ280により、治療中に患者が落下し又は不快になるのを防ぐためのレールなしに患者治療台103が動作できる。1つの実施形態では、傾斜センサ280は1軸の傾斜センサであり、1つ又は複数の傾斜センサがロール回転とピッチ回転での患者治療台103の傾斜を検出するように使用できる。別の実施形態では、傾斜センサ280は、患者治療台103のピッチ回転とロール回転の両方の傾斜角度に関する情報(例えば、角度測定値など)を検出し、それを制御装置101に送る2軸傾斜センサである。あるいは、3軸傾斜センサなどの当業者に知られたその他の傾斜センサを使用できる。傾斜センサ280は、患者治療台103のロール及び/又はピッチ角度が予め構成された角度に達したとき検出し、患者が落下するのを防止するために予め構成された角度を超えないように患者治療台103の動作を停止するように構成されている。1つの実施形態では、予め構成された角度は、およそ6から9度(6〜9°)の範囲である。1つの例示の実施形態では、予め構成された角度は7度(7°)である。あるいは、ロール軸又はピッチ軸の動作中に患者治療台103の動きが予め構成された角度を超えるのを防止するために、その他の特定の角度を使用できる。1つの実施形態では、傾斜センサ280は、カリフォルニア州San JoseのCrossbow社によって製造された構成要素を備えることができる。
【0041】
加速度計281を、患者治療台103に装着できる。加速度計281は、患者治療台103の加速度を検出する。加速度計281は、制御装置101に連結され、患者治療台103の加速度に関する情報を送るように構成されている。加速度計は、治療中に患者が患者治療台103から落下するのを防止することができる。1つの実施形態では、加速度計281は、カリフォルニア州San JoseのCrossbow社によって製造された構成要素を備えることができる。1つの実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、傾斜センサ280のみを備えることができる。あるいは、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、加速度計281のみを備えることができる。その他の実施形態の議論を不明瞭にしないために、その他の図には示されないが、緩衝装置219、加速度計281、傾斜センサ280は、本明細書に説明されるその他の実施形態で使用できることも留意されたい。
【0042】
図2Eは、トラック装着アセンブリの1つの実施形態を示す。トラック装着アセンブリ251は、図2Aのトラック260とショルダ・アセンブリ240に連結される。ロボット・アーム202のトラック装着アセンブリ250の構造と動作に対する本明細書の説明は、トラック装着アセンブリ251に適用されることに留意されたい。トラック装着アセンブリ251は、トラック装着カラー252とトラック装着プレート253とを備える。1つの実施形態では、トラック装着カラー252とトラック装着プレート253は、別々の構成要素である。あるいは、トラック装着カラー252とトラック装着プレート253は1つの一体化した片である。トラック装着カラー252は、前部高さ254と後部高さ255を有し、後部高さ255は、前部高さ254よりもトラックにより近くにある。1つの実施形態では、トラック装着カラー252の後部高さは少なくとも11インチ(11”)である。別の実施形態では、トラック装着カラー252は、トラック装着プレート253から最も遠い端部よりも高さが大きくなっているトラック装着プレート253に最も近い端部から、高さが先細りになっている。そのような実施形態では、トラック装着プレート253から最も遠い端部での前部高さ254は、少なくとも5インチ(5”)であり、トラック装着プレート253に最も近い端部での後部高さ255は、少なくとも11インチ(11”)である。
【0043】
1つの実施形態では、偏心位置217での装着プレート211に連結された患者治療台103は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。別の実施形態では、患者治療台103の厚さ213は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。あるいは、偏心位置217での装着プレート211への患者治療台103の連結、及び患者治療台の厚さ213の両方によって、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持が可能になる。患者治療台103及びロボット・アーム202は、500ポンドより大きな重量を支持できることに留意されたい。
【0044】
図3Aは、6つの回転の自由度と1つの実質的に水平な、線形の自由度を有するロボット・アームを有するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す。図3Aに示されるように、ロボット式患者位置決めアセンブリは、リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、プレート部材380、トラック・マウント・アセンブリ350、トラック360を有するロボット・アーム302、及び、患者治療台103(図3Aには示されない)を備える。上述のように、患者治療台103は、ツール・ヨー関節、ツール・ピッチ関節、ツール・ロール関節を備えるリスト・アセンブリ220に回転可能に取り付けれれている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節は装着プレート211に連結され、その装着プレート211は、患者治療台103の底部に連結されている。リスト・アセンブリ220のツール・ヨー関節により、ヨー軸、すなわち図3Aの軸6に沿ったヨー回転での患者治療台103の回転運動が行われる。ツール・ピッチ関節はツール・ヨー関節に連結され、ピッチ軸、すなわち図3Aの軸5に沿ったピッチ回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。ツール・ロール関節はツール・ピッチ関節に連結され、ロール軸、すなわち図3Aの軸4に沿ったロール回転での患者治療台103の回転運動を行うことができる。
【0045】
エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結されている。エルボ・アセンブリ230は、3つの駆動シャフトと3つのモータを備えている。第1の駆動シャフトは、ツール・ヨー関節と第1のモータに連結されている。第1のモータと駆動シャフトは、ヨー軸、すなわち図3Aの軸6に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第2の駆動シャフトは、ツール・ピッチ関節と第2のモータに連結されている。第2のモータと駆動シャフトは、ピッチ軸、すなわち図3Aの軸5に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。第3の駆動シャフトは、ツール・ロール関節と第3のモータに連結されている。第3のモータと駆動シャフトは、ロール軸、すなわち図3Aの軸4に沿った患者治療台103の回転運動を駆動する。1つの例示の実施形態では、エルボ・アセンブリ230は、リスト・アセンブリ220のツール・ロール関節に連結する遠位端部での直径が10インチ(10”)である。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、およそ3から20インチ(3”〜20”)の直径を有している。あるいは、エルボ・アセンブリ230は、例えば長方形、卵形、又はその他の知られた形状などの円形とは別の形状を有することができ、エルボ・アセンブリ230は、その断面が3インチ(3”)から20インチ(20”)の間の最小の測定値を有している。1つの実施形態では、患者治療台103に連結されたエルボ・アセンブリの10インチの直径は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。
【0046】
ショルダ・アセンブリ240は、エルボ関節によってエルボ・アセンブリ230に連結され、ショルダ関節によってトラック装着アセンブリ350に連結されている。エルボ関節はエルボ・ギアボックスを備え、そのエルボ・ギアボックスは回転軸、すなわち図3Aの軸3でのロボット・アームのエルボ・アセンブリ230の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ関節はショルダ・ギアボックスを備え、そのショルダ・ギアボックスは回転軸、すなわち図3Aの軸2でのロボット・アームのショルダ・アセンブリ240の回転運動を駆動するように構成されている。ショルダ・アセンブリ240、及びエルボ・アセンブリ230のショルダ・ギアボックスとエルボ・ギアボックスにより、例えば床と平行な(x、y)平面など、2次元水平面での患者治療台103の平行移動が容易になる。1つの実施形態では、エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスはおよそ200対1(200:1)の歯車減速比を有する。エルボ・ギアボックスとショルダ・ギアボックスの200:1の歯車減速比は、およそ0から60ミリメートル(0〜60mm)の範囲である患者治療台103でのたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にすることができる。1つの例示の実施形態では、たわみ誤差261は、およそ0から5ミリメートル(0〜5mm)である。あるいは、歯車減速比は、およそ10対1(10:1)の歯車減速比からおよそ600対1(600:1)の歯車減速比の範囲にある。
【0047】
プレート部材380は、ショルダ・アセンブリ240のショルダ関節に連結され、トラック装着アセンブリ350に回転可能に装着される。プレート部材はギアボックスを備え、そのギアボックスは回転軸、すなわち図3Aの軸1でのロボット・アームのプレート部材380の回転運動を駆動するように構成されている。プレート部材のギアボックスにより、床に実質的に平行な水平面での患者治療台103の平行移動が容易になる。1つの実施形態では、プレート部材380のギアボックスは、歯車減速比を有する。プレート部材380のギアボックスの歯車減速比は、およそ250対1からおよそ300対1(250:1〜300:1)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、プレート部材のギアボックスの歯車減速比はおよそ300:1である。
【0048】
1つの実施形態では、トラック装着アセンブリ350は、図2Eに対する上記の議論で明記したものと同様の寸法を有する。あるいは、その他の寸法が使用できる。
【0049】
1つの実施形態では、リスト、エルボ、ショルダのアセンブリ220、230、240と、ロボット・アーム302のプレート部材380は、ドイツ連邦共和国のKUKA Roboter GmbHによって製造された構成要素を備えることができる。
【0050】
トラック装着アセンブリ350は、トラック360とプレート部材380に連結されている。トラック装着アセンブリ350とトラック360により、実質的に水平な、線形の軸、すなわち図3Aの軸7での患者治療台103の平行移動が行われる。実質的に水平な、線形の軸(x、y)は、2次元鉛直面(z)に実質的に垂直である。トラック360は床に連結される。別の実施形態では、トラック360は、例えばコラム270の鉛直側面に鉛直に装着されるなど、鉛直に向けられてもよい。コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の床、又は床下のピット内に固定又は装着できる。別の実施形態では、コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の天井に固定又は装着できる。あるいは、トラック360は、壁、台座、ブロック、又は基部構造などの当業者に知られたその他の構造に鉛直に装着できる。
【0051】
リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、プレート部材380、トラック装着アセンブリ350、トラック360の上記に示した配置により、6つの回転の自由度と1つの平行移動の実質的に水平な、線形の自由度を使用して、患者治療台103の位置決めが行われる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100のロボット・アーム302の6つの回転、及び1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、ロボット・アーム302の機械的な動作の範囲内の作業空間などの、所望の治療領域内の実質的に任意の場所に患者治療台103上の患者を位置決めすることができる。ロボット・アーム302は、患者治療台103を作業空間又は治療領域内での複数の位置にツール中心点(TCP)を有するように位置決めすることができる。ロボット・アーム302は、特定の患者用の載せ/降ろす位置を設けることもできる。1つの実施形態では、6つのDOFは、互いに直交する座標軸(x、y、z)に沿った平行移動に関する3つの回転軸と、x、y、z軸の周りのそれぞれロール、ピッチ、ヨーの回転運動に関する3つの回転軸を含む。1つの実質的に水平な、線形のDOFは、鉛直な座標軸(z)に実質的に垂直な座標軸(x、y)での実質的に水平な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0052】
1つの実施形態では、ロボット・アーム302は、制御装置101からの方向に従って患者治療台103を移動させるための1つ又は複数の患者治療台の動作アクチュエータを備える。テーブル・インターフェース・モジュールにより、患者治療台103は、センサ・システム104、ロボット・アーム302/102のアクチュエータ、制御装置101、治療用放射線処置システム106、ユーザ・インターフェース105と連携できる。電子回路モジュールは、患者治療台103がロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作中に妨害物と衝突しないことを確実にするために、周囲の障害のモデルに対する患者治療台の位置を独立にチェックすることができる。
【0053】
上述のように、患者治療台103は、少なくとも5つの回転の自由度、すなわち2つの平行移動の自由度(x、y軸)(それぞれ図2Aの軸2と3)、3つの回転の自由度(ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸)(図2Aの軸6、5、4)、及び1つの実質的に鉛直な、線形の自由度(実質的に鉛直な線形の軸)(図2Aの軸1)で動作することが可能である。あるいは、患者治療台103は、6つの自由度すべて、すなわち3つの平行移動の自由度(x、y、z軸)(それぞれ図3Aの軸3、2、1)に加え、3つの回転の自由度(ロール回転、ピッチ回転、ヨー回転)(図3Aのそれぞれ軸6、5、4)と、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度(実質的に鉛直な線形の軸)(図3Aの軸7)で動作することが可能である。制御装置101によって生成された動作コマンド信号は、様々な自由度でロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作を制御することができる。1つの実施形態では、処置システム106に対する患者治療台103の位置は、調和した動作を行うことができるように認識される。1つの例示の実施形態では、患者治療台103と処置システム106の両方は、一般の(又は「室の」)座標系を参照できる。
【0054】
図3Bは、図3Aのロボット・アームに連結された患者治療台の1つの実施形態を示す。ロボット・アーム302は、装着プレート211に連結されている。ロボット・アーム302は、トラック360に連結されている。この実施形態では、トラック360は床に装着され、トラック収容部370に収容されている。別の実施形態では、トラック360は、例えばコラム270の鉛直側面に鉛直に装着されるなど、鉛直に向けられている。上記に論じられたように、コラム270は、治療用放射線処置中の治療室の床か天井、又は床下のピット内に固定又は装着できる。あるいは、トラック360は、壁、台座、ブロック、又は基部構造などの当業者に知られたその他の構造に鉛直に装着できる。図3Bのロボット・アーム302は、上記に論じたように、図3Aのロボット・アーム302を構成する部材とアセンブリを備えるが、これらの部材とアセンブリは、ロボット・アーム302や患者治療台103の連結の議論を不明瞭にしないために図3Bに対しては論じられない。
【0055】
図3Bでは、装着プレート211は、患者治療台103に連結されている。1つの実施形態では、装着プレート211は、偏心位置又は旋回点で患者治療台103に取り付けられる。1つの実施形態では、患者治療台103の長さ315はおよそ48インチから145インチ(48”〜145”)の範囲である。患者治療台103の幅314はおよそ10インチから45インチ(10”〜45”)の範囲である。1つの例示の実施形態では、長さ315はおよそ78インチであり、幅314はおよそ20インチ(20”)である。
【0056】
1つの実施形態では、偏心位置317は、およそ患者治療台103の長さ315に対して患者治療台103の一方の側面(例えば、患者のヘッド・レストを備える側面)からのおよそ50から75インチ(50”〜75”)の範囲にある。1つの例示の実施形態では、偏心位置317は、患者治療台103の長さ315に対して患者治療台103の一方の側面から50インチ(50”)である。別の実施形態では、偏心位置317は、患者治療台103の中心位置316からの偏心長さの距離312と偏心幅の距離318である。1つの実施形態では、偏心長さの距離312は、長さ315に対する中心位置316からの患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にあり、偏心幅の距離318は、幅314に対する中心位置316からの患者治療台103の一方の側面への距離のおよそ0から90パーセント(0〜90%)の範囲にある。例示の実施形態では、偏心位置317は、患者治療台103の長さ315に対する中心位置316からおよそ25インチ(25”)であり、患者治療台103の幅314に対する中心位置316からおよそ4インチ(4”)である。言い換えれば、偏心長さの距離312は21インチ(21”)であり、偏心幅の距離318は4インチ(4”)である。別の実施形態では、偏心位置317は百分率によって表現でき、例えば偏心位置317は、患者治療台103の長さ315に対しておよそ50〜85%以内、及び患者治療台103の幅314に対しておよそ0〜50%以内に配置できる。あるいは、装着プレート211は、患者治療台103の長さ215及び幅214に対する中心位置216にある患者治療台103に連結されている。
【0057】
1つの実施形態では患者治療台103は、およそ0.75インチから3インチの範囲の厚さ313を有している。1つの例示の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ313を有する。1つの別の例示の実施形態では、患者治療台103は、およそ2.25インチの厚さ313、およそ77インチの長さ315、およそ20インチの幅314を有する。図2Cの議論に関連して上記に論じられるように、患者治療台103は放射線透過性材料から作製できる。1つの実施形態では、患者治療台103は、表面材料256と本体材料257を備える。1つの例示の実施形態では、表面材料256は炭素繊維であり、本体材料257は発泡体である。あるいは、その他の放射線透過性材料が表面と本体の材料に使用できる。1つの実施形態では、表面材料256は、表面厚さ258を有する。表面厚さ258は、およそ0.02インチから0.12インチの範囲である。1つの例示の実施形態では、表面厚さは、およそ0.058インチである。
【0058】
1つの実施形態では、偏心位置317での装着プレート211に連結された患者治療台103は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。別の実施形態では、患者治療台103の厚さ313は、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持を可能にする。あるいは、偏心位置317での装着プレート211への患者治療台103の連結、及び患者治療台の厚さ313の両方によって、患者治療台103のおよそ0から5ミリメートル(0〜5mm)のたわみ誤差261内で、500ポンドまでの患者の荷重の支持が可能になる。患者治療台103及びロボット・アーム302は、500ポンドより大きな重量を支持できることに留意されたい。1つの実施形態では、患者治療台103及びロボット・アーム302は、静止した位置で、およそ2000ポンド(2000lb)までの患者の荷重を支持可能にすることができる。
【0059】
図4A、4Bは、5つの回転の自由度を有し、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット式患者位置決めアセンブリ100の例示の位置をロボット・ベースの線形加速器システム406と共に示す。図4A、4Bのロボット式患者位置決めアセンブリ100は、ロボット・アーム202、患者治療台103、装着プレート211、リスト・アセンブリ220、エルボ・アセンブリ230、ショルダ・アセンブリ240、トラック装着アセンブリ250、トラック260、コラム270、ロボット・アーム402を有するロボット・ベースの線形加速器システム406、及び撮像システム107のx線撮像源407を備える。例示の実施形態では、ロボット・ベースの線形加速器システム406は、CyberKnife(登録商標)放射線外科システム、又は別のロボット・ベースの線形加速システムである。図4Aのロボット式患者位置決めアセンブリ100は、荷重(例えば患者などの)を有する患者治療台103の例示の低い位置、又は載せ/降ろす位置を示す。1つの実施形態では、低い位置は、患者を載せ/降ろすする予めプログラムされた位置である。低い位置又は載せ/降ろす位置は、およそ床から16から20インチ(16”〜25”)の範囲にある。この実施形態では、患者は車椅子から患者治療台103に載せられる。あるいは、位置はユーザがユーザ・インターフェース105によって、ロボット・アーム202と患者治療台103を手動で制御することができる。
【0060】
図4Bのロボット式患者位置決めアセンブリ100は、患者治療台103の例示の高い又は「治療」位置を示す。この例示の実施形態では、高い又は「治療」位置は、患者を載せ/降ろすするための図4Aの低い位置よりも高い。1つの実施形態では、高い位置は、治療を始める前のデフォルト位置である。この「治療」位置は、制御装置101で予めプログラムでき、又はその代わりにユーザ・インターフェース105からユーザが手動制御することができる。
【0061】
1つの実施形態では、患者治療台103は、患者が患者治療台103を通して撮像できるように放射線透過性材料で作製できる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100と共に使用できる例示の撮像システム107、及びロボット・ベースの線形加速器システム406は、2つのx線撮像源407、それぞれのx線撮像源と関連付けられた電源、1つ又は2つの撮像検出器408、制御装置101を備える。x線撮像源407は、例えば約90度角度的に離れた状態で装着でき、治療標的(例えば患者内の腫瘍)を通して検出器408に向けられる。あるいは、それぞれのx線源によって照射される単一の大きな検出器が使用できる。単一の検出器の撮像システム107では、2つのx線源407が両方の画像を単一の検出器の表面上に保つために90度未満の角度で離れて配置させることもできる。
【0062】
画像の拡大を最小限に抑え、したがって検出器408に必要な寸法を最小限に抑えるために、検出器408は治療の標的の下、例えば床、患者治療台103、又は患者治療台103の下に配置でき、x線撮像源407は、治療の標的の上(例えば治療室の天井など)に配置できる。別の実施形態では、例えばx線撮像源407が治療の標的の下にあり、検出器408が治療の標的の上にあるように、x線撮像源407と検出器408の位置を逆にすることができる。別の実施形態では、治療用放射線処置システム106のガントリーの揺動が制限されていることにより、また拡大効果を低減するため、検出器408は、ガントリーが撮像システム107と干渉しない様式で配置できるようにしながら、それらが撮像する位置に移動し、治療用放射線処置システム106の治療用ビームの送出中にはそこを離れるように配置できる。
【0063】
検出器408は、患者の画像情報を生成し、それを制御装置101に送ることができる。制御装置101は、所望の治療位置に対して患者の位置を決定するためのすべての画像計算を行い、様々な自由度に関する補正を生成する。補正は、自動的に、患者を自動的に位置合わせするためにロボット式患者位置決めアセンブリ100に加えられ、かつ/又はロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409に対する患者の位置を自動的に調整するために制御装置101に送られ、かつ/又はユーザがロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409に対する患者の位置を手動で調整するためにユーザ・インターフェース・ユニット105に送られる。
【0064】
前述のように、制御装置101を備えるロボット式患者位置決めアセンブリ100は、センサ・システム104を介した患者治療台103の位置、及びリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像データを介した治療の標的の位置を知ることができ、また同時に線形加速器システムの位置を知り、治療の標的を治療用放射線処置システム106の放射線治療源に対して位置合わせするロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作を実行するための動作コマンド信号を生成することができる。治療用放射線処置システム106に関してロボット・ベースの線形加速器システム406を使用した1つの実施形態では、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作は、ロボット・ベースの線形加速器システム406に対して使用可能な作業空間を最大にするような様式で、制御装置101を使用して治療用放射線処置システム106の治療x線源の動作と動的に調和できる。言い換えれば、制御装置101を使用して治療用放射線処置システム106の治療x線源の動作を動的に調和させることによって、(図4A、4Bに示されるように)例えば検出器408及び/又はx線撮像源407による障害のない、患者治療台103と治療用放射線処置システム106の向きと位置の数の増加から治療の標的の使用可能な数が増加する。この実施形態では、ロボット・ベースの線形加速器システム406の治療x線源のロボットが実行した動きは、治療x線源と患者治療台103の間の相対運動によって標的の領域全体にわたって所望の放射パターンの送出が確実になるように、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作によって補足される。
【0065】
1つの実施形態では、患者治療台103の動作及び治療用放射線処置システム106のx線線形加速器の動作の組合せは、治療用放射線処置システム106に対して使用可能な作業空間を最大限にするように動的に調和及び制御される。
【0066】
ロボット・アーム202は、作業空間又は治療領域内の複数の位置でツール中心点(TCP)又は治療の標的を有するように患者治療台103を位置決めすることができる。ロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アームは、作業空間又は治療領域内の複数の位置で線形加速器の治療用放射線源409のアイソセンタを位置決めすることもできる。しかし作業空間又は治療領域は、例えば、患者治療台103、治療用放射線源409、又は治療用放射線処置システム106の構成要素、撮像システム107、及び/又はロボット・アーム102に関連するそれらのロボット・アームのいずれかの間の衝突のおそれによって生じる障害、あるいはこれらの上述の構成要素のうちの任意のものを備えるロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409の放射線ビームの障害などの、位置決めの制約によって制限される可能性がある。例えば、x線撮像源407は、ロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409が、x線撮像源407が装着される場所に配置されるのを阻止する可能性があり、それは、ロボット・ベースの線形加速器システム406をそこに装着すると(例えば衝突の障害などの)衝突のおそれが生じることになるからである。同様に、ロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409は、(例えば衝突の障害などの)検出器408の配置のため患者治療台103の下に配置することができない。配置の制約の別の例は、例えば検出器408及び/又は(例えばビームの障害などの)x線撮像源407などのその他の構成要素による治療用放射線源409からの放射線ビームの障害である。
【0067】
1つの実施形態では、制御装置101は、患者治療台103とロボット・ベースの線形加速器システム406の治療用放射線源409の向きと位置を動的に調和させるために、ロボット・アームを使用した5つの回転の自由度と1つの平行の実質的に鉛直な、線形の自由度に沿った患者治療台と、ロボット・ベースの線形加速器システムのロボット・アームを使用した少なくとも5つの回転の自由度に沿ったロボット・ベースの線形加速器システムとを組み合わせて動的に動かすように構成されている。患者治療台と治療放射線源の間の動きの動的な調和は、ロボット・アームの機械的な動作の範囲内で治療の標的の数を増加させることができる。
【0068】
制御装置101は、ロボット・アームとロボット・ベースの線形加速器システムの機械的な動作の範囲内の配置の制約によって生じる以前に障害になった位置において治療の標的を形成するように、患者治療台103とロボット・ベースの線形加速器システムを位置決めするように構成されている。1つの実施形態では、以前に障害になった位置は、例えば、患者治療台103、治療用放射線源409、又はロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素に関連するそれらのロボット・アームのいずれかの間などの衝突のおそれの障害によって生じる可能性がある。あるいは、以前に障害になった位置は、治療用放射線源409の放射線ビームの、例えば、ロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素との障害によって生じる可能性がある。
【0069】
1つの実施形態では、患者の体を含む患者治療台103とロボット・ベースの線形加速器システム406のガントリー又はその他の移動部分との間での衝突のおそれを生じる可能性のある向き及び/又は位置に患者が配置されないことを確実にするために、衝突防止モデルを制御装置101に埋め込むことができる。
【0070】
図4Cは、従来の治療テーブルの第1の側面に装着されたロボット・ベースの放射線外科システムのロボット・アームを有する治療用放射線源の使用可能な表面領域全体のトップダウン図を示す。この実施形態では、治療用放射線源409が図4A、4Bに対して上記に説明されるように、ロボット・ベースの線形加速器システム406に連結されている。ロボット・ベースの線形加速器システム406は従来の治療テーブル401の一方の側面の床に装着されている。従来の治療台401は、床に装着された治療テーブルである。上述のように、治療用放射線源409は、ロボット・アーム402の機械的な動作の範囲内の3次元の作業空間に線形加速器システム406のロボット・アーム402(例えば関節型ロボット・アーム)を使用して配置できる。治療用放射線源409は、従来の治療テーブル401上の患者内の治療の標的から特定の距離にあるように配置できる。治療用放射線源409と患者の治療の標的との間の特定の距離は線源回転軸間距離(source axis distance:SAD)である。ロボット・ベースの放射線源409は、ロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アーム402を使用して3−D作業空間内に配置し向けることができるので、放射線源409は、SADに依存できる使用可能な表面領域全体404を有する。1つの実施形態では、SADが固定された数値である場合、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形状を有する。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が、使用できる。使用可能な表面領域全体404は、放射線源409(例えばx線線形加速器)が治療用放射線を患者内の治療の標的に放射するように配置できる位置又はノードを表す。使用可能な表面領域全体404は、上記に説明した位置決めの制約によって制限される可能性がある。
【0071】
1つの実施形態では、位置決めの制約は、治療テーブル又は台によって生じる可能性がある。1つの例示の実施形態では、位置決めの制約は、床に装着された従来の治療テーブルや、床に装着されたロボット・ベースの線形加速器システム406の障害による到達不可能な表面領域404を生じる可能性がある。あるいは、その他の障害によって、放射線源409が到達不可能な表面領域を有するようになる可能性がある。1つの実施形態では、到達不可能な表面領域404は、ロボット・ベースの線形加速器システム406が図4Cに示されるように、従来の治療テーブル401の一方の側面に装着されることによって生じる可能性がある。図4Cは、使用可能な表面領域全体404及び到達不可能な表面領域405の2次元の円形を含む。図4Cに2次元の円形として表されるが、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形の表面領域であることに留意されたい。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が使用できる。
【0072】
到達不可能な領域404は、図4Dに示されるような従来の治療テーブル401の反対側にロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アームを装着するだけでは解消できないことに留意されたい。図4Dは、従来の治療テーブル401の第2の側面に装着されたロボット・ベースの放射線外科システム406のロボット・アームを有する治療用放射線源409の使用可能な表面領域全体404のトップダウン図を示す。1つの実施形態では、到達不可能な表面領域405は、従来の治療テーブル401とロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アームとの障害によって残ったままである。言い換えれば、別の側面にロボット・ベースの放射線外科システムを装着するだけでは、到達不可能な領域405を生じる障害による位置決めの制約を克服することはできない。
【0073】
図4Eは、治療用放射線源と患者治療台の1つの実施形態の使用可能な表面領域全体のトップダウン図を示す。この実施形態では、治療用放射線源409が、図4A、4Bに対して上記に説明されるように、ロボット・ベースの線形加速器システム406に連結されている。この実施形態では、治療用放射線源409が、図4A、4Bに対して上記に説明されるように、ロボット・ベースの線形加速器システム406に連結されている。ロボット・ベースの線形加速器システム406は、患者治療台103の一方の側の床の定位置403aに装着されている。あるいは、ロボット・ベースの線形加速器システム406は、患者治療台103の反対の側の床に装着できる。患者治療台103は、ロボット・アーム202に連結されている。患者治療台103とロボット・アーム202の詳細はこれまでに本明細書に説明され、使用可能な表面領域全体404を増加させる議論を不明瞭にしないようにここでは繰り返されない。この実施形態では、患者治療台103とロボット・アーム202は鉛直に装着される。あるいは床又は天井に装着されたロボット・アームが使用できる。上述のように、治療用放射線源409は、ロボット・アーム402の機械的な動作の範囲内の3次元の作業空間に線形加速器システム406のロボット・アーム402(例えば関節型ロボット・アーム)を使用して配置できる。治療用放射線源409は、患者治療テーブル103上の患者の治療の標的から特定の距離SADにあるように配置できる。ロボット・ベースの放射線源409は、ロボット・ベースの線形加速器システム406のロボット・アーム402を使用して3−D作業空間内に配置し向けることができるので、放射線源409は、SADに依存できる使用可能な表面領域全体404を有する。1つの実施形態では、SADが固定された数値である場合、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形状を有する。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が使用できる。
【0074】
使用可能な表面領域全体404は、放射線源409(例えばx線線形加速器)が治療用放射線を患者の治療の標的に放射するように配置できる位置又はノードを表すことができる。使用可能な表面領域全体404は、上記に説明した配置の制約によって制限される可能性がある。
【0075】
上述のように、位置決めの制約は、治療テーブル又は台によって生じる可能性がある。しかし、この実施形態では、患者治療台103とロボット・アーム202は、図4C、4Dに対して説明及び例示されたような到達不可能な領域405を排除するように位置決めされる。図4Eは、患者治療台403bのような患者治療台103の新しい位置を示す。この実施形態では患者治療台103の位置が位置403aから403bに移動している。言い換えれば、ロボット・アーム202に連結された患者治療台103は、治療用放射線源409が治療用放射線を患者の治療の標的に放射するために配置できる使用可能な表面領域全体404を増加できる。あるいは、その他の移動が、到達不可能な表面領域を排除し、図4Eの使用可能な表面領域全体404を増加させるために使用できる。
【0076】
図4Eは、使用可能な表面領域全体404の2次元の円形を含む。図4Cに2次元の円形として表されるが、使用可能な表面領域全体404は、ほぼ球形の表面領域であることに留意されたい。あるいは、SADを変えることによって得られた異なる形状のその他の使用可能な表面領域が使用できる。
【0077】
別の実施形態では、障害は、地面によって生じる可能性があり、したがって従来の治療テーブル401を使用する場合、障害によって、ほぼ球形の使用可能な領域の底部に到達不可能な表面領域が形成される。鉛直に装着されたロボット・アーム202と患者治療台103を使用することによって、患者治療台103は、第1の位置から第2のより高い位置に床から持ち上げることができ、それによって到達不可能な領域が排除され、使用可能な表面領域全体が増加する。あるいは、ロボット・アーム202と患者治療台103の動きを調和させることによって、例えば検出器408やx線撮像源407による障害などによるその他の到達不可能な表面領域を克服できる。
【0078】
図4Fは台に装着されるロボット・アームの別の実施形態を示す。この実施形態では、ロボット・アーム202は、台の拡張装着領域491で患者治療台103に装着される。拡張装着領域491は、図4Fに示される以外の患者治療台の周囲に沿った別の位置に配置することもできることに留意されたい。あるいは、患者治療台103が装着領域で十分な厚さ213(図2Bに示される)であるとき、ロボット・アーム202は、拡張装着領域491を使用せずに台の縁部側面496に直接的に装着できる。拡張装着領域491(又はその代わりに縁部側面496)にロボット・アーム202の装着することにより、ロボット・アームをすべての支持された治療位置の撮像視野から外すことができるようになる(90度の向きの位置の例が図4Gに関連して下記に説明される)。上記に論じたように、1つの実施形態では、患者治療台103は放射線透過性材料から構成される。しかし、ロボット・アーム202は、そのような放射線透過性材料から構成されなくてもよい。したがって、ロボット・アーム202は、透過して撮像できず、撮像システムに対して特定の位置に患者治療台103を移動させる場合に撮像の障害を生じる。
【0079】
図4Gは、撮像システムに関連して図4Fの台を装着するロボット・アームの1つの実施形態の側面図と平面図を示す。図4A、4Bに関連して上記に論じたように、ロボット式患者位置決めアセンブリ100と共に使用される撮像システムとロボット・ベースの線形加速器システム406は、2つのx線撮像源(供給源A及び供給源B)407と2つの撮像検出器(検出器A及び検出器B)408を備えている。図4A、4Bに示される検出器408に対する患者治療台103の向きでは、ロボット・アーム202は、検出器の撮像視野を干渉又は妨害する可能性がない。しかし、ロボット・アーム202が図4A、4Bの向きに対しておよそ90度で患者治療台103を向ける場合、ロボット・アーム202は、図4A、図4Bに示されるように装着されるとき特定の位置で撮像の障害を生じる可能性がある。図4Gは、図4A、4Bに示される台と検出器の構成に対して90度の位置で向けられた患者治療台を示す。例えば、この90度の向き(及びその他の向き)では、ロボット・アーム202に拡張装着領域491(又は縁部側面496への装着)を使用することにより、ロボット・アーム202を(例えば、x線撮像源407や撮像検出器408などの)撮像システムの撮像野495の実質的に外側に維持できる。
【0080】
図5は、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニットの1つの実施形態の概略図を示す。ユーザ・インターフェース・ユニット500は、ロボット制御の患者治療台103の少なくとも5つの回転のDOFと1つの実質的に鉛直な、線形のDOFのコンピュータ制御を行うことができる。例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット500は、患者治療台103を、制御装置101、センサ・システム104、撮像システム107、ロボット・アーム102、治療用放射線処置システム106を含む治療システムの主要なワークステーションに接続できるイーサネット(登録商標)・バス・インターフェースと、ユーザがロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を対話式に制御する制御装置101と連携できるようにするユーザ・インターフェース・ユニット500などの少なくとも1つのユーザ・インターフェース・ユニット105と、治療システムのE−stop(非常停止)回路へのハードウェア・インターフェースとを備える。バス・インターフェースは、治療システムの主要なワークステーションに接続できるイーサネット・バス・インターフェースである。非常停止回路へのハードウェア・インターフェースは、いずれかの非常停止が作動したときロボット式患者位置決めアセンブリ100のコンピュータ制御の動作を無効にすることができる。
【0081】
非常停止機構は、ロボット式患者位置決めアセンブリ100のコンピュータ制御の動作を停止するように動作可能である。1つの実施形態では、「システム非常停止」は、任意かつすべての放射と任意かつすべての動作とを停止させることが可能な非常停止機構である。言い換えれば、「システム非常停止」は、少なくとも以下の、1)治療用放射線処置システム106の治療x線源による治療用x線ビームの生成、2)治療用放射線処置システム106の治療x線源及び/又はロボット・アームの任意の動作、3)ロボット・アーム102と患者治療台103の任意の動作、4)撮像システム107を停止させることができる。
【0082】
ユーザ・インターフェース・ユニット500により、ユーザ又はオペレータが1つ又は複数のユーザが選択可能な機能を実行することによって、ロボット・アーム102と患者治療台103の動作を制御することに対話式に参加することができる。1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット500は、遠隔操作ユニットである。あるいは、ユーザ・インターフェース・ユニットは、下記に説明するようなグラフィカル・ユーザ・インターフェース・ユニットである。これらのユーザが選択可能な機能は、それには限定されないが以下の、1)患者治療台103の位置の取得が開始できるように、ユーザが患者治療台103に電源投入できるようにする機能、2)標的のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像の取得が開始できるように、ユーザがx線撮像システム107を作動できるようにする機能、3)ユーザが患者治療台103を所望の様式で患者を患者治療台103の上に載せるのを容易にする、1つ又は複数の予めプログラムされた載せる位置に移動できるようにする機能、4)ユーザが患者治療台103をデフォルトの治療位置である、予めプログラムされた「治療」位置に移動できるようにする機能、5)リアルタイム又はほぼリアルタイムの画像からの情報に従って、標的の位置を調整するのに必要な患者治療台103の補正動作に対応する平行移動又は回転をユーザに表示する機能、6)ユーザが、平行移動と回転をそれぞれの平行移動と回転に関する予め特定された限界と比較できるようにする機能、7)ユーザが、1つ又は複数の予め特定された限界を変更することができるようにする機能、8)ユーザが、平行移動と回転を予め特定された限界の下に収まることを証明できるようにし、それに続いて治療の実施を開始するために治療用放射線処置システム106の治療x線源を作動させる機能を含むことができる。
【0083】
1つの例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース・ユニット500は、ユーザにロボット・アーム102と患者治療台103の動作の遠隔制御機能を提供する(例えば、ハンドヘルド・ペンダントなどの)手持ち式遠隔操作ユニットである。図5のユーザ・インターフェース・ユニット500は、ハンドヘルド・ペンダントであり、それぞれ、これらのユーザが選択可能な機能と関連付けられたいくつかのボタン・アイコンを備えている。手持ち式遠隔制御ユニット500は、患者の位置を手動で統制するための制御、及びロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作に関連するステータス・インジケータを提供することができる。
【0084】
例示の実施形態では、手持ち式遠隔制御ユニット500は、6セットの軸動作制御スイッチ510A〜510F、3つの載せる位置スイッチ520A、520B、520C、さらに治療スイッチ530の動作スイッチを備える。軸動作制御スイッチは、押しボタンを介してそれぞれの自由度の双方向の手動制御を提供する。軸動作制御スイッチは、スイッチが押し下げられ、動作が無効にされる限り所望の方向に、所望の軸を移動させることができる(3つの回転軸、左/右(510A)後/前(510B)、下(足に向かって)/上(上に向かってt)(510C)、3つの回転軸、ロール左/右(510D)、頭部下げ/上げ(510E)、頭部左/右(510F))。載せスイッチ520A、520B、520Cはそれぞれ、動作が有効にされると、これ以上オペレータの動作なしに患者治療台103が最大限に後退し、最大限に下げられた載せる位置に自動的に移動させるプログラムされた動作を開始することができる。制御装置101は、1つ又は複数の予めプログラムされた載せる位置を有することができ、あるいはユーザは図6に示された手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500又はコンピュータ・インターフェース600を介して患者に対して載せる位置を手動で設定できる。制御装置101は、今後の治療に向けて特定の患者に関する載せる位置を記憶することができる。治療スイッチ530は、動作が有効にされると、患者治療台103を制御装置101によって定義され、患者治療台103に予めダウンロードされた位置に移動させるプログラムされた動作を開始することができる。
【0085】
遠隔制御ユニット500は、一対の動作有効スイッチ550を備えることもできる。片方又は両方のスイッチを押し下げると、すべての動作スイッチ(軸動作制御、載せる位置、及び治療)を有効にすることができ、いかなるテーブル非常停止スイッチも無視しないが、システム非常停止は、それがあれば、それを無視する。プログラムされた動作が行われている間に片方又は両方の有効スイッチを解放するとその動作を停止させることができる。
【0086】
遠隔制御ユニット500は、動作が有効にされ、かつ受け入れられたかどうかの表示を提供する発光ダイオード(LED)である一対のステータス・インジケータ540、542を備えている。例示の実施形態では、非常停止LED540は、システム非常停止がアサートされた場合に黄色であり、有効スイッチによって無視されたとき緑であり、システム非常停止がまったくアサートされない場合に切断された状態である。移動LED542は、スイッチが押され動作が有効になった場合に緑であり、プログラムされた動きが行われているとき点滅する緑であり、非常停止が作動したとき黄色である。
【0087】
遠隔制御ユニット500は、ユーザが記憶された場所にアクセスできるようにするGoToスイッチ(図示されない)を備えている。遠隔制御ユニット500は、例えばユーザに平行移動と回転を表示するための、又はユーザに情報的なメッセージを表示するための表示機能(図示されない)を有することもできる。遠隔制御ユニット500は、絶対及び相対位置の表示/入力モード(図示されない)を備えている。別の実施形態では、遠隔制御ユニット500は、患者治療台103の位置を検出することを開始するためのセンサ・システム104を作動させるスイッチを備えている。
【0088】
主要なCyberKnife(登録商標)ワークステーションのユーザ制御コンソールの1つ又は複数のユーザ・インターフェース画面によって、患者を位置決めするロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を、ユーザが点検し、開始し、対話式に制御できるようになる。図6は、主要なワークステーションの処理実施画面640に進んだユーザ・インターフェース画面600の例示の実施形態を示す。例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600はユーザに統合された患者治療台位置の表示、及び患者治療台の動作制御機能を提供する。ユーザ・インターフェース画面600は平行移動のみ、又は回転のみ、あるいは共に使用可能なすべての自由度を調整するためのサブ・オプションを提供する。
【0089】
1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600は、患者治療台103の位置を検出するためのセンサ・システム104をユーザが作動させることができるようにするボタン・アイコンを備える。
【0090】
例示の実施形態では、処理実施画面640の台位置合わせボタンがユーザ・インターフェース画面600を出すことができる。ユーザ・インターフェース画面600は、異なる機能を有するいくつかのフィールドを備えている。これらのフィールドは、制御装置101のTLSユニットによって戻されるロボット式患者位置決めアセンブリ100の補正動作を最初に記入される平行移動と回転フィールドを有している。有効な患者治療台補正動作がまったく使用できない場合、これらのフィールドは空白のままにされる。平行移動と回転のフィールドは編集可能である。
【0091】
例示の実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600は、移動ボタン610、「自動位置合わせ」ボタン320、「キャンセル」ボタン630を有する。「移動」ボタン610は、指示される平行移動と回転の量によって患者治療台103を移動させる。「回転付加」フィールドがチェックを付けられない場合、患者治療台103は、回転軸でのみ移動させられる。「自動位置合わせ」ボタン620は最初に、指示される平行移動と回転の量によって患者治療台103を移動させ、撮像システム107を通した画像の取得に移行し、予め特定された「自動位置合わせ限界」が充足されるまで自動的に患者治療台103の位置を補正する。これは、平行移動と回転が、予め特定された限界の下であり、又は指示された数の画像が撮影されたことを意味する。「自動位置合わせ限界」フィールドは、システム設定ファイルによって記入されるが編集することができる。「キャンセル」ボタン630は、患者位置合わせインターフェースに戻す。
【0092】
1つの実施形態では、ユーザ・インターフェース画面600は、撮像システム107によって生成された撮像ビームのx線の強度、エネルギー、時間;取得されるリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像の数;基準の選択と非選択;剛体のパラメータなどの撮像パラメータをユーザが調整できるようにするボタン・アイコンを備える。
【0093】
図7は、ロボット・アームを使用して患者治療台を位置決めする方法の1つの実施形態を示す。方法は、ロボット・アーム102に連結された患者治療台103を提供するステップ701と、ロボット・アーム102を使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台103を移動させるステップ702とを含む。1つの実施形態では、5つの回転の自由度は2つの水平の回転軸(図2Aの軸3及び2)(例えばx、y軸)と、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸(図2Aの軸6、5、4)を有する3つの回転軸とを含み、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度は、2つの水平な座標軸(例えばx、y軸)に実質的に垂直な座標軸(例えばz軸)での実質的に鉛直な線に沿った患者治療台の平行移動のための実質的に線形の軸を含む。
【0094】
別の実施形態では、ロボット・アーム102を使用して患者治療台103を位置決めする方法は、ロボット・アーム102に連結された患者治療台103を提供するステップと、ロボット・アーム102を使用して6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台103を移動させるステップとを含む。1つの実施形態では、6つの回転の自由度は、3つの回転軸(図3Aの軸3,2、1の)(例えばx、y、z軸)と、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸(図3Aの軸6、5、4)を有する3つの回転軸とを含み、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度は、2つの水平な座標軸(例えばx、y軸)に実質的に垂直な座標軸(例えばz軸)での実質的に鉛直な線に沿った患者治療台の平行移動のための実質的に線形の軸を含む。
【0095】
1つの実施形態では、方法は、患者治療台の荷重をおよそ0から5mm(0〜5mm)のたわみ誤差261内で500ポンド(500lb)まで支えるステップを含むことができる。あるいは、患者治療台の患者の荷重は、静止した位置で2000ポンド(2000lb)までである。
【0096】
方法はさらに、患者治療台の動作の範囲全体にわたって、患者治療台を回転軸のうちの1つに沿って移動させ、前記軸の別の1つに沿って患者治療台を移動させずに回転軸を移動させるステップを含む。方法は、5つ又は6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って、ロボット・アームと患者治療台を移動させる制御装置を提供するステップ含む。方法は、5つ及び6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、ロボット・アーム及び患者治療台を手動で移動させるための制御装置に接続されたユーザ・インターフェース・ユニットを提供するステップ含むこともできる。
【0097】
1つの実施形態では、ロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台を移動させるステップは、ロボット・アームのツール・ヨー関節を使用してヨー軸に沿って患者治療台を回転させるステップと、ロボット・アームのツール・ピッチ関節を使用してピッチ軸に沿って患者治療台を回転させるステップと、ロボット・アームのツール・ロール関節を使用してロール軸に沿って患者治療台を回転させるステップと、エルボ関節とショルダ関節を使用して2つの水平な回転軸に沿って患者治療台を回転するステップと、2つの水平な回転軸に垂直なトラックとトラック装着アセンブリを使用して実質的に鉛直な、線形の軸に沿って患者治療台を平行移動させるステップとを含む。別の実施形態では、患者治療台を移動させるステップは、追加のショルダ関節を使用して追加の平行移動軸に沿って患者治療台を回転するステップであって、それによって全部で6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形のDOFになるステップをさらに含む。6つのDOFは、互いに直交するx、y、z座標軸沿って平行移動させるための3つの回転軸を含み、かつx、y、z軸それぞれの周りのロール回転、ピッチ回転、ヨー回転運動のための3つの回転軸を含む。1つの実質的に鉛直な、線形のDOFは、水平のx、y座標軸に垂直なz座標軸での実質的に鉛直な線に沿って平行移動するための実質的に線形の軸を含む。
【0098】
図8は、ロボット・アーム及びロボット・ベースの線形加速器システム406を使用して患者治療台を位置決めする方法の別の実施形態を示す。方法は、第1のロボット・アームに連結された患者治療台を提供するステップ、ステップ801と、第2のロボット・アームを使用してロボット・ベースの治療用放射線処置システムを提供するステップ、ステップ802と、第1のロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台を移動させるステップ、ステップ803と、ロボット・ベースの治療用放射線処置システムの第2のロボット・アームを使用して少なくとも5つの自由度に沿ってロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップ、ステップ804とを含むことができる。別の実施形態では、方法はロボット・ベースの治療用放射線処置システムとロボット・アームに連結された制御装置を提供するステップをさらに含む。
【0099】
1つの実施形態では、患者治療台とロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップは、制御装置を使用して患者治療台とロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源の向きと位置を動的に調和させるステップを含むことができる。患者治療台と治療用放射線源の向きと位置を動的に調和させるステップによって、ロボット・アームの機械的な動作の範囲内の治療の標的の数が増加する。別の実施形態では、患者治療台とロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップは、ロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源を患者治療台に配置された患者内の治療の標的に位置合わせするステップを含む。別の実施形態では、患者治療台とロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップは、ロボット・アームとロボット・ベースの線形加速システムの機械的な動作の範囲内で、以前に障害になった位置に治療の標的を形成するために、患者治療台と治療用放射線供給源を位置決めするステップをさらに含む。
【0100】
1つの実施形態では、以前に障害になった位置は、例えば患者治療台103、治療用放射線源409、又はロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素に関連するそれらのロボット・アームのいずれかのいずれかの間の衝突のおそれの障害によって生じる可能性がある。あるいは、以前に障害になった位置は、治療用放射線源409の放射線ビームの、ロボット・アーム202、患者治療台103、治療用放射線源409、x線撮像源407、検出器408、及び/又はロボット・ベースの線形加速器システム406のその他の構成要素との障害によって生じる可能性がある。
【0101】
動作の際には、患者の適切な治療位置は、治療計画のプロセスの一部として計算できる。治療計画が制御装置101にロードされる場合、およその治療位置が患者治療台103にダウンロードできる。オペレータは、患者治療台103に患者を位置決めし、任意の拘束デバイスを適用する。次いで、オペレータが手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500(図5に示される)の「治療」ボタンを押し、患者治療台103が自動的に移動して、その自由度のすべてを記憶された位置にする。あるいは、「治療」コマンドは、ユーザ・インターフェース画面600から出すこともできる。同時に動く軸の数は、電力の必要性が過剰でなく、患者が行われる同時の動きの数を快適に感じるのを確実にするための設計によって制限されてもよい。
【0102】
次いで、オペレータは、治療室を退出し、ワークステーション又は専用の制御パネルのユーザ・インターフェース画面600(図6に示される)を使用して、患者を所望の許容誤差内で位置合わせするようにシステムに命令することができる。ユーザ・インターフェース画面600は、使用者が位置合わせプロセス中に撮像する最大限のリアルタイム又はほぼリアルタイムの画像、及び位置決めと向きに関する所望の許容誤差などのパラメータを入力可能にすることもできる。ユーザ・インターフェース画面600は、それぞれの画像に関連付けられたエラーを表示可能にすることもできる。
【0103】
不足のない位置合わせが得られた後で、治療用放射線処置システム106に治療を開始するように命令する。治療の一部分として、患者が治療中に動くかどうか調べるために、リアルタイム又はほぼリアルタイムの画像が撮像システム107によって定期的に取得できる。患者が動いた場合、治療の実施は、自動的に又はオペレータによって手動で一時停止でき、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の適切な補正動作を行うことによって患者を再び位置合わせすることができる。治療の終了時に、オペレータは治療室に再び入り、患者を降ろすための載せ/降ろす位置に患者治療台103を戻すために、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500の「載せる位置」ボタンを使用する。あるいは、システムは、元の載せる位置を保つためのコマンドをユーザ・インターフェース画面600から発行することができる。
【0104】
1つの実施形態では、ロボット・アーム202又はロボット・アーム303の構成要素は、構成要素の外側にタッチセンサ材料を含む。別の実施形態では、構成要素の外側は、コンタクト・フォームよって被覆できる。あるいは、ロボット・アーム202又はロボット・アーム302の構成要素がオペレータの上に押しかかり、又はぶつかるのを防止するために、その他の材料が使用できる。オペレータにロボット・アームがぶつかり、又は押しかかるのを防止するための材料を使用してロボット・アーム202と302の外側を被覆することに関する議論を不明瞭にしないため、当業者に知られたタッチセンサ材料とコンタクト・フォームに関する特定の材料は含めなかった。
【0105】
以下は、上述のロボット式患者位置決めアセンブリの動作の別の実施形態のより詳細な説明である。
【0106】
第1の段階は、初期の患者設定段階である。この段階の間、患者が治療室に入る前に、治療計画のファイルがダウンロードされる。治療ファイルのダウンロードの間、患者治療台103の治療位置が制御装置101にダウンロードできる。患者治療台103の治療位置は、a)選択されたビーム経路用のデフォルトの患者治療台の位置、b)同じ計画が使用された前回の患者の治療位置のうちの1つである。患者が治療室に歩み入る前に、患者が患者治療台103に乗るのに快適な、予め定められた位置に患者治療台103を位置決めするように、手持ち式遠隔制御ユニット500の載せる位置ボタンのうちの1つを押す。次いで患者は、例えば熱可塑性マスク及び/又はその他の固定化デバイスを使用して固定される。
【0107】
手持ち式遠隔制御ユニット500の「治療」ボタンを、患者治療台103を通常の治療位置に配置するのに使用する。頭部又は身体の治療のために、又はこれが同じ計画を用いた、患者に対する第2又はそれに続く治療である場合、名目上の治療位置は、さらなる自動的な位置決めに適切なものであり、オペレータは、患者の自動的な位置決めのためにユーザ制御コンソールに取りかかることができる。そうでなければ、患者治療台103は、問題になる解剖学的な標的領域が撮像視野の内側にあるように、手持ち式遠隔制御ユニット500を使用してさらに手動で調整できる。次いでオペレータは、患者を自動的に位置決めするために、ユーザ・インターフェース画面600に移る。
【0108】
次の段階は、初期画像の取得段階である。この段階の間、オペレータは、ユーザ・インターフェース画面600(図6に示される)の患者位置合わせ画面の「取得」ボタンを使用して、画像を取得することができる。必要であれば、画像パラメータは、調整する必要がある可能性がある。これらのパラメータのうちのいくつかの例には、x線パラメータ、移動した、又はそうでなければ追跡が困難な基準の選択解除、剛体パラメータの調整がある。
【0109】
次の段階は、1回限りの患者治療台の位置合わせ段階である。使用者は、患者位置合わせ画面の「自動台」ボタンを選択する。これにより、制御装置101のTLSユニットから得られた初期補正を含むユーザ・インターフェース画面600の台調整インターフェース画面が出される。TLSからの初期補正は、編集可能である。「移動」ボタンは、ウインドウに示される修正の量によって患者治療台103を移動させる。所望の回転補正に対するオプションを使用することもできる。「自動位置合わせ」ボタンは、第1の補正を行い、自動的な位置合わせの完了に移る。
【0110】
次の段階は、患者治療台の自動的な位置合わせ段階である。台調整インターフェース画面の「自動位置合わせ」ボタンは、自動的な位置合わせを行うことができる。自動位置合わせは、台位置合わせインターフェースに初期補正を行うことによって開始することができ、以下の、自動位置合わせ段階で所望の数の画像が取得され、かつ/又は残る補正が自動位置合わせインターフェースに特定された限界の下に収まる、という条件のうちの1つを満たすまで追加の画像を撮影し、画像の補正を行うことに移行する。
【0111】
次の段階は、患者の再位置合わせ段階である。患者の再位置合わせは、システムが(オペレータの中断を含む)回復可能なエラーを生じ、システムがこの状態から再開する場合にいつでも入力することができる。患者の再位置合わせは、患者の位置合わせと同じ様式で処理できる。言い換えれば、初期の取得の後に、台位置合わせインターフェースの「自動位置合わせ」ボタンを使用してさらなる調整を自動的に行うことができる。
【0112】
最後の段階は処理実施段階である。処理実施は、患者治療台103への補正動作がロボット・アーム102と患者治療台103の平行移動と回転に関する予め特定された限界の下に収まる場合に開始される。ロボット式患者位置決めアセンブリ100の制御装置101にダウンロードされた補正動作は、平行移動と特定の組の回転を含むことができる。ロボットは、ノードに対する名目上の位置に移動することができ、特定の平行移動と回転によって補正され、次いで治療用放射線処置システム106のx線ビーム発生装置を有効にする。ノードに対する線量の送出の終了時には、治療用放射線処置システム106のロボットは、この名目上の位置で次のノードに移行することができる。
【0113】
制御装置101は、エラーの検出、報告、補正用のソフトウェアを備えている。この実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、「オペレータ中断」機能を備える。この機能は、画像の取得が進行中であり、標的の位置合わせ又は再位置合わせモードに戻る場合に、ユーザが画像の取得を停止できるようにする。ロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作が進行中であり、標的の位置合わせ/再位置合わせモードに戻る場合に、ユーザは、その動作を停止することもできる。「自動位置決め」モードが進行中である場合に、ユーザは、それに続く画像の取得及びロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を停止することもできる。
【0114】
1つの実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、TLS(ターゲット・ロケーティング・システム:target locating system)を処理する機能も備える。ソフトのアルゴリズム・エラー、及び/又はハードウェア・エラー非常停止などの該当するTLSエラーが報告される。エラーを認識した後、制御装置101は、位置合わせ又は再位置合わせの状態に戻ることができる。「自動位置合わせ」が進行中である場合に、ユーザは、それに続く画像の取得と、ロボット式患者位置決めアセンブリ100の動作を停止することができる。初期位置合わせの間、「患者領域外」エラーが無効にされるが、患者が領域内に入るまで「治療」ボタンを無効にすることができる。
【0115】
1つの実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、テーブル・インターフェース・エラーを処理する機能を備える。通信エラーなどのテーブル・インターフェース・エラーは、ユーザの認識を必要とするが、非常停止を作動しない、ソフト・エラーとして処理される。1つの実施形態では、エラー処理のソフトウェアは、非常停止を処理する機能を備えることができる。1つの実施形態では、非常停止は、二重冗長機構を使用してロボット式患者位置決めアセンブリ100のコンピュータ制御の動作を停止させる。制御ソフトウェアは、いかなる動作コマンド信号をさらに生成するのを制止する。患者治療台の制御装置のハードウェアは、非常停止が作動するとき、患者治療台を移動させることを無効にできる。非常停止が作動した場合でも、患者治療台は、手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニット500を使用して移動可能にすることができる。中断又は回復可能な非常停止からの再開の場合、非常停止はオペレータ・コンソールからのシステム・リセットによって解除でき、次いでオペレータ・コンソールは、患者の再位置合わせ状態に移る。この段階では、ユーザは、患者の位置を改善するために自動位置合わせを使用することができる。患者の再位置合わせ画面の「再開」ボタンは、処理実施の再開を有効にする。
【0116】
医療手術中に患者の配置と向きを位置決めする1つの実施形態には、患者治療台103を2つの水平な回転軸(x、y)(図2Aの軸2と3)と、3つの回転軸(ヨー、ピッチ、ロール)(図2Aの軸6、5、、4)に沿って位置決めするステップと、1つの実質的に鉛直な、線形の軸(z)(図2Aの軸1)に沿って患者治療台103を位置決めするステップが含まれる。
【0117】
医療手術中に患者の配置と向きを位置決めする別の実施形態には、患者治療台103を3つの回転軸(x、y、z)(図3Aの軸3、2と1)と、3つの回転軸(ヨー、ピッチ、ロール)(図3Aの軸6、5、、4)に沿って位置決めするステップと、患者治療台103を1つの実質的に鉛直な、線形の軸(z)(図3Aの軸7)に沿って患者治療台103を位置決めするステップが含まれる。
【0118】
1つの実施形態では、患者治療台103は、少なくとも2つの方向の載せる機構を設け、その載せる機構は動作の際に患者を水平の様式や鉛直の様式で乗せ又は降ろすことができる。ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、患者治療台103を備え、その患者治療台103は、鉛直に載せる様式では、例えば水平面に対しておよそ70度(70°)で、水平面に対して傾斜して配置できる。患者が患者治療台103に固定された後に、患者治療台103は患者を作業空間内の治療位置に位置決めできる。1つの実施形態では、患者治療台103の上面は、患者に専用のモールドを設けることができ、そのモールドは患者の湾曲に適合するようにカスタマイズすることができる。別の実施形態では、患者治療台103の一方の端部は、患者の足を鉛直に乗せる様式で支持するフット・プレートを設けることができる。別の実施形態では、患者治療台103は、椅子様の支持デバイスを設けることができ、患者治療台103は、患者を乗せ及び/又は降ろし、ならびに/あるいは治療するための着座位置を設けるようになされることができる。
【0119】
あるいは、患者治療台103は、図4Aに示されるような載せ/降ろす位置、着座の載せ/降ろす位置、特定の患者に便利なように設定されたその他の載せ/降ろす位置を設けることもできる。
【0120】
より多くの可撓性とより大きな患者治療台103の広がりを得るために、ロボット式患者位置決めアセンブリ100に例えば追加のアームなどのより回転可能な、及び/又は摺動可能な区域を加えることができることに留意されたい。あるいは、ロボット式患者位置決めアセンブリ100は、例えばエルボ・アセンブリとショルダ・アセンブリの両方の代わりにエルボ・アセンブリのみを備えるなどロボット式患者位置決めアセンブリ100よりも少ない区域しか備えないことも可能である。ロボット式患者位置決めアセンブリ100の平行移動と回転運動は、コンピュータ制御装置101によって手動及び/又は自動で制御できる。
【0121】
前述の明細書に、本発明の実施形態をその特定の例示の実施形態を参照して説明してきた。しかし、特許請求の範囲に明記する本実施形態のより広い趣旨及び範囲から逸脱せずにそこに様々な修正及び変更を行うことが明らかになるであろう。したがって、明細書及び図面は、限定の意味ではなく例示として見なすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】治療用放射線処置のロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態の概略ブロック図である。
【図2A】5つの回転の自由度を有し、1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを備えるロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す図である。
【図2B】装着プレートを備える患者治療台の1つの実施形態の図である。
【図2C】患者治療台の1つの実施形態の断面図である。
【図2D】装着プレート、傾斜センサ、及び緩衝装置を備える患者治療台の1つの実施形態の図である。
【図2E】トラック装着アセンブリの1つの実施形態の図である。
【図2F】患者治療台のたわみ誤差及び鉛直に装着されたロボット・アームの1つの実施形態の図である。
【図3A】6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット・アームを有するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの実施形態を示す図である。
【図3B】図3Aロボット・アームに連結された患者治療台の1つの実施形態の図である。
【図4A】ロボット・ベースの線形加速器と共に、5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット式患者位置決めアセンブリの1つの例示の位置の図である。
【図4B】ロボット・ベースの線形加速器と共に、5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度を有するロボット式患者位置決めアセンブリの別の例示の位置の図である。
【図4C】従来の治療テーブルの第1の側面に装着されたロボット・アームを有する治療用放射線源の使用可能な表面領域全体のトップダウン図である。
【図4D】従来の治療テーブルの第2の側面に装着されたロボット・アームを有する治療用放射線源の使用可能な表面領域全体のトップダウン図である。
【図4E】治療用放射線源及び患者治療台の1つの実施形態の使用可能な表面領域全体のトップダウン図である。
【図4F】台に装着されるロボット・アームの別の実施形態の図である。
【図4G】撮像システムに関連して図4Fの台に取り付けられるロボット・アームの1つの実施形態の側面及び平面図である。
【図5】手持ち式ユーザ・インターフェース・ユニットの1つの実施形態の概略図である。
【図6】処理実施ディスプレイ・スクリーンの上に出されたユーザ・インターフェース・スクリーンの例示の実施形態の図である。
【図7】ロボット・アームを使用して患者治療台を位置決めする方法の1つの実施形態の図である。
【図8】ロボット・アーム及びロボット・ベースの線形加速器を使用して患者治療台を位置決めする方法の別の実施形態の図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者治療台と、
前記患者治療台に連結されたロボット・アームとを備え、前記ロボット・アームが、前記患者治療台を5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って移動させるように構成された装置。
【請求項2】
前記患者治療台が、0.75インチから3インチの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記患者治療台が2.25インチの厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記患者治療台が放射線透過性材料から作製される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記患者治療台が表面材料及び本体材料を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記表面材料が、0.02インチから0.12インチの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記表面材料が0.058インチの厚さを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記表面材料が炭素繊維であり、前記本体材料が発泡体である、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記患者治療台と加速度計に連結された少なくとも1つの傾斜センサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ロボット・アームの外側に連結されたセンサ材料をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
偏心位置で前記ロボット・アームと前記患者治療台に連結された装着プレートをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記偏心位置が、
前記患者治療台の幅に対する中心位置から前記患者治療台の第1の側面への距離の0から90パーセントの範囲である偏心長さの距離と、
前記患者治療台の幅に対する中心位置から前記患者治療台の第2の側面への距離の0から90パーセントの範囲である偏心幅の距離とを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記偏心位置が、
21インチである偏心長さの距離と、
4インチである偏心幅の距離とを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記患者治療台の前記長さが、48インチから145インチの範囲にあり、前記患者治療台の前記幅が10インチから45インチの範囲にある、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記患者治療台の前記長さが、78インチであり、前記患者治療台の前記幅が21インチである、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装着プレート及び前記患者治療台に連結された緩衝材料を有する緩衝装置をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記治療台が前記治療台の側縁部に沿った配置された拡張装着領域を有し、前記ロボット・アームが前記拡張装着領域で前記患者治療台に連結された、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記緩衝材料がプラスチックを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記5つの自由度が、
互いに直交する水平な座標x、y軸に沿った前記患者治療台の平行移動のための2つの回転軸と、
x軸、y軸、z軸のそれぞれの周りのロール回転、ピッチ回転、ヨー回転運動のための3つの回転軸とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記1つの実質的に鉛直な、線形の自由度が、前記水平な座標x、y軸に実質的に垂直な前記z座標軸での実質的に鉛直な線に沿って前記患者治療台が平行移動するための実質的に線形の軸を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ロボット・アームが、
装着プレートに回転可能に装着されたリスト・アセンブリと、
前記リスト・アセンブリに連結されたエルボ・アセンブリと、
前記エルボ・アセンブリに連結されたショルダ・アセンブリと、
前記ロボット・アームの前記ショルダ・アセンブリに連結されたトラック装着アセンブリと、
前記トラック装着アセンブリに連結されたトラックとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記トラックが鉛直に向けられた、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記トラックがコラムの鉛直側面に連結された、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記コラムが、床及び天井のうちの少なくとも1つに装着された、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記トラックが壁に連結された、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記リスト・アセンブリが、
前記装着プレートに連結されたツール・ヨー関節と、
前記ツール・ヨー関節に連結されたツール・ピッチ関節と、
前記ツール・ピッチ関節に連結されたツール・ロール関節とを備える、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記ツール・ヨー関節が前記患者治療台をz軸に沿って回転するために連結され、前記ツール・ピッチ関節が前記患者治療台をy軸に沿って回転するために連結され、前記ツール・ロール関節が前記患者治療台をx軸に沿って回転するために連結される、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記エルボ・アセンブリが、
前記ツール・ヨー関節に連結された第1の駆動シャフトと、
前記第1の駆動シャフトに連結され、前記ロボット・アームの前記ツール・ヨー関節の回転運動を前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第1の回転軸で駆動するように構成された第1のモータと、
前記ツール・ピッチ関節に連結された第2の駆動シャフトと、
前記第2の駆動シャフトに連結され、前記ロボット・アームの前記ツール・ピッチ関節の回転運動を前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第2の回転軸で駆動するように構成された第2のモータと、
前記ツール・ロール関節に連結された第3の駆動シャフトと、
前記第3の駆動シャフトに連結され、前記ロボット・アームの前記ツール・ロール関節の回転運動を前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第3の回転軸で駆動するように構成された第3のモータとを備える、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記エルボ・アセンブリと前記ショルダ・アセンブリに連結されたエルボ関節であって、前記エルボ関節が、前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第4の回転軸で前記ロボット・アームのエルボ・アセンブリの回転運動を駆動するように構成されたエルボ・ギアボックスを備えるエルボ関節と、
前記ショルダ・アセンブリと前記トラック装着アセンブリに連結されたショルダ関節であって、前記ショルダ関節が、前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第5の回転軸で前記ロボット・アームの回転運動を駆動するように構成されたショルダ・ギアボックスを備えるショルダ関節とをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記エルボとショルダのギアボックスが、10対1(10:1)の歯車減速比から600対1(600:1)の歯車減速比の範囲の歯車減速比を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記エルボとショルダのギアボックスが、200対1の歯車減速比を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記エルボとショルダのギアボックスが、2次元の水平面で前記患者治療台を移動させるように構成された、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
前記トラックとトラック・アセンブリが、2次元の水平面に垂直な実質的に鉛直な、線形の平行移動で前記患者治療台を移動させるように構成された、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記トラック装着アセンブリが、後部高さと前部高さを有するトラック装着カラーを備え、前記後部高さが前記前部高さよりもトラックに近くなっている、請求項21に記載の装置。
【請求項35】
前記トラック・アセンブリの前記トラック装着カラーの前記後部高さが、少なくとも11インチである、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記トラック装着アセンブリが、前記トラックに最も近い第1の端部から、前記トラックから最も遠い第2の端部に高さが先細りになり、前記前部高さが少なくとも5インチである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ロボット・アームが前記患者治療台を追加の自由度に沿って移動させるように構成された、請求項21に記載の装置。
【請求項38】
前記5つの自由度及び前記追加の自由度が、
互いに直交するx、y、z座標軸に沿って平行移動するための3つの回転軸と、
x軸、y軸、z軸のそれぞれの周りのロール回転、ピッチ回転、ヨー回転のための3つの回転軸とを含む請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記1つの実質的に鉛直な、線形の自由度が、前記水平な座標x、y軸に実質的に垂直な前記z座標軸での実質的に鉛直な線に沿って前記患者治療台が平行移動するための実質的に線形の軸を含む、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記トラック装着アセンブリと前記ショルダ・アセンブリに回転可能に装着されたプレート部材と、
前記ショルダ・アセンブリと前記プレート部材に連結された第1のショルダ関節であって、前記ロボット・アームの前記6つの自由度の第5の回転軸を駆動するように構成された第1のショルダ・ギアボックスを備える第1のショルダ関節と、
前記プレート部材と前記トラック装着アセンブリに連結された第2のショルダ関節であって、前記ロボット・アームの前記6つの自由度の第6の回転軸を駆動するように構成された第2のショルダ・ギアボックスを備える第2のショルダ関節とをさらに備える、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記患者治療台に連結された装着プレートと、
前記装着プレートに連結された前記ロボット・アームのリスト・アセンブリであって、前記装着プレートが、偏心位置で前記患者治療台に連結され、前記患者治療台が2.25インチの厚さを有するリスト・アセンブリと、
トラックに連結されたトラック装着アセンブリであって、前記トラックに最も近い端部で少なくとも11インチの後部高さを有するトラック装着カラーを備え、前記ロボット・アームが0から5mmのたわみ誤差内で500ポンドまでの患者の荷重を支持するように構成されたトラック装着アセンブリとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
ロボット・アームに連結された患者治療台を提供するステップと、
ロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台を移動させるステップとを含む方法。
【請求項43】
前記5つの回転の自由度が、平行移動のための2つの回転軸と、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸を含む回転運動のための3つの回転軸とを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記患者治療台に連結された傾斜センサと前記患者治療台に連結された加速度計のうちの少なくとも1つを使用して、患者が前記患者治療台から落下するのを防止するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記ロボット・アームの外側に連結されたセンサ材料を提供するステップと、
前記センサ材料を使用して、前記ロボット・アームがオペレータにぶつかるのを防止するステップとさらに備える、請求項42に記載の装置。
【請求項46】
前記患者治療台に連結された装着プレートを提供するステップと、
前記装着プレートと前記患者治療台に連結され、前記患者治療台の振動を緩衝する緩衝装置を提供するステップとをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
0から5ミリメートルの前記ロボット・アームのたわみ誤差内で前記患者治療台の荷重を500ポンドまで支えるステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記患者治療台を前記5つの回転の自由度に沿って移動させずに、実質的に前記患者治療台の動作の範囲全体を通して前記実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を移動させるステップをさらに含む請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記患者治療台を移動させるステップが、
前記ロボット・アームのツール・ヨー関節を使用して前記z軸に沿って前記患者治療台を回転するステップと、
前記ロボット・アームのツール・ピッチ関節を使用して前記y軸に沿って患者治療台を回転するステップと、
前記ロボット・アームのツール・ロール関節を使用して前記x軸に沿って前記患者治療台を回転するステップと、
エルボ関節とショルダ関節を使用して前記2つの水平な回転軸に沿って前記患者治療台を回転するステップと、
前記2つの水平な回転軸に垂直なトラックとトラック装着アセンブリを使用して実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を平行移動させるステップとをさらに含む請求項43に記載の方法。
【請求項50】
追加のショルダ関節を使用して追加の平行移動軸に沿って前記患者治療台を回転するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
制御装置を提供するステップをさらに含み、前記制御装置は5つ及び6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、前記ロボット・アーム及び患者治療台を移動させる、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記制御装置に接続されたユーザ・インターフェースを提供するステップをさらに含み、前記ユーザ・インターフェース・ユニットが、前記制御装置は5つ及び6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、前記ロボット・アーム及び患者治療台を手動で移動させる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
患者治療台と、
偏心位置で前記患者治療台に連結された鉛直に装着されたロボット・アームとを備える装置。
【請求項54】
前記偏心位置が、
21インチである偏心長さの距離と、
4インチである偏心幅の距離とを有する、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記患者治療台が、0.75インチから3インチの範囲の厚さを有する、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記患者治療台が2.25インチの厚さを有する、請求項53に記載の装置。
【請求項57】
前記鉛直に装着されたロボット・アームが、少なくとも5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って移動するように構成された、請求項53に記載の装置。
【請求項58】
前記鉛直に装着されたロボット・アームがトラック装着アセンブリを有し、前記トラック装着アセンブリが、前記トラックに最も近い端部で少なくとも11インチの後部高さを有するトラック装着カラーを備える、請求項53に記載の装置。
【請求項59】
前記鉛直に装着されたロボット・アームが、0から5ミリメートルの前記ロボット・アームのたわみ誤差内のロボット・アームを使用して、前記患者治療台の患者の荷重を500ポンドまで支えるように構成された、請求項53に記載の装置。
【請求項60】
前記患者治療台に連結された傾斜センサをさらに備える、請求項53に記載の装置。
【請求項61】
前記鉛直に装着されたロボット・アームの外側に連結されたセンサ材料をさらに備える、請求項53に記載の装置。
【請求項62】
患者治療台と、
0から5ミリメートルの範囲の前記ロボット・アームのたわみ誤差内のロボット・アームを使用して、前記患者治療台の患者を500ポンドまで支える手段とを備える装置。
【請求項63】
平行移動のための2つの回転軸、及び回転運動のための3つの回転軸を含む5つの回転の自由度で前記患者治療台を位置決めする手段と、
実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を位置決めする手段とをさらに備える、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記患者治療台を前記5つの回転の自由度に沿って移動させずに、実質的に前記患者治療台の動作の範囲全体を通して前記実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を移動させる手段をさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
患者治療台と、
前記患者治療台に連結されたロボット・アームであって、前記患者治療台を5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って移動させるように構成されたロボット・アームと、
前記ロボット・アームに連結された制御装置と、
患者の複数の画像のスライスを生成するための前記制御装置に接続された撮像システムとを備える装置。
【請求項66】
前記制御装置に接続された治療用放射線処置システムであって、治療放射線源を前記患者治療台に配置された患者内の治療の標的に位置合わせするために、前記制御装置が、前記ロボット・アームと前記治療用放射線処置システムのうちの少なくとも1つの移動を制御するように構成された治療用放射線処置システムをさらに備える、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記治療用放射線処置システムがロボット・ベースの線形加速器システムである、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記治療放射線源と前記患者治療台の向きと位置が前記制御装置によって動的に調和される、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記制御装置が、前記ロボット・アームと前記ロボット・ベースの線形加速器システムの動作の機械的な範囲内の配置の制約によって生じる以前に障害になった位置での治療の標的を形成するように、前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記治療放射線源を位置決めするように構成される、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記位置決めの制約が、前記患者治療台と前記治療用放射線源に連結された前記ロボット・アームのうちの少なくとも1つが、前記治療台、前記治療用放射線源、x線撮像源、及び検出器のうちの少なくとも1つと衝突するおそれの障害のうちの少なくとも1つを含む、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記位置決めの制約が、前記治療線源の放射線ビームの、前記治療台、前記治療用放射線源、x線撮像源、及び検出器のうちの少なくとも1つとの障害を含む、請求項69に記載の装置。
【請求項72】
前記撮像システムが撮像視野を有するように構成され、前記ロボット・アームが前記患者治療台を移動させるとき、前記ロボット・アームを前記撮像システムの前記撮像野の外側に維持するために、前記ロボット・アームが拡張装着領域で前記患者治療台に連結される、請求項65に記載の装置。
【請求項73】
第1のロボット・アームに連結された患者治療台を提供するステップと、
第2のロボット・アームに連結されたロボット・ベースの線形加速器システムを提供するステップと、
前記第1のロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って前記患者治療台を移動させるステップとを含む方法。
【請求項74】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記第2のロボット・アームを使用して、少なくとも2つの自由度に沿って前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記第2のロボット・アームを使用して、5つの自由度に沿って前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムと前記ロボット・アームに接続された制御装置を提供するステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップが、前記制御装置を使用して前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源の向きと位置を動的に調和させるステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記患者治療台と前記治療用放射線供給源の前記向きと位置を動的に調和させるステップが、前記ロボット・アームの動作の機械的な範囲内で、前記治療用放射線源の使用可能な表面領域全体を増加させる、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップが、前記ロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源を前記患者治療台に配置された患者内の治療の標的と位置合わせするステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップが、前記ロボット・アームと前記ロボット・ベースの線形加速システムの機械的な動作の範囲内の位置決めの制約によって生じる以前に障害になった位置に治療の標的を形成するために、前記患者治療台と前記治療用放射線供給源を位置決めするステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記患者治療台と前記治療用放射線供給源の前記向きと位置を動的に調和させるステップが、前記位置決めの制約を回避するステップをさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記位置決めの制約が、x線撮像源、及び検出器のうちの少なくとも1つによる前記治療用放射線源の障害を含む、請求項81に記載の装置。
【請求項83】
撮像視野を有する撮像システムを提供するステップと、すべての支持された治療位置に対して前記撮像視野の実質的に外側に前記患者治療台を維持するステップとをさらに備える、請求項73に記載の方法。
【請求項1】
患者治療台と、
前記患者治療台に連結されたロボット・アームとを備え、前記ロボット・アームが、前記患者治療台を5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って移動させるように構成された装置。
【請求項2】
前記患者治療台が、0.75インチから3インチの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記患者治療台が2.25インチの厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記患者治療台が放射線透過性材料から作製される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記患者治療台が表面材料及び本体材料を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記表面材料が、0.02インチから0.12インチの範囲の厚さを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記表面材料が0.058インチの厚さを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記表面材料が炭素繊維であり、前記本体材料が発泡体である、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記患者治療台と加速度計に連結された少なくとも1つの傾斜センサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ロボット・アームの外側に連結されたセンサ材料をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
偏心位置で前記ロボット・アームと前記患者治療台に連結された装着プレートをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記偏心位置が、
前記患者治療台の幅に対する中心位置から前記患者治療台の第1の側面への距離の0から90パーセントの範囲である偏心長さの距離と、
前記患者治療台の幅に対する中心位置から前記患者治療台の第2の側面への距離の0から90パーセントの範囲である偏心幅の距離とを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記偏心位置が、
21インチである偏心長さの距離と、
4インチである偏心幅の距離とを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記患者治療台の前記長さが、48インチから145インチの範囲にあり、前記患者治療台の前記幅が10インチから45インチの範囲にある、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記患者治療台の前記長さが、78インチであり、前記患者治療台の前記幅が21インチである、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記装着プレート及び前記患者治療台に連結された緩衝材料を有する緩衝装置をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記治療台が前記治療台の側縁部に沿った配置された拡張装着領域を有し、前記ロボット・アームが前記拡張装着領域で前記患者治療台に連結された、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記緩衝材料がプラスチックを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記5つの自由度が、
互いに直交する水平な座標x、y軸に沿った前記患者治療台の平行移動のための2つの回転軸と、
x軸、y軸、z軸のそれぞれの周りのロール回転、ピッチ回転、ヨー回転運動のための3つの回転軸とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記1つの実質的に鉛直な、線形の自由度が、前記水平な座標x、y軸に実質的に垂直な前記z座標軸での実質的に鉛直な線に沿って前記患者治療台が平行移動するための実質的に線形の軸を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ロボット・アームが、
装着プレートに回転可能に装着されたリスト・アセンブリと、
前記リスト・アセンブリに連結されたエルボ・アセンブリと、
前記エルボ・アセンブリに連結されたショルダ・アセンブリと、
前記ロボット・アームの前記ショルダ・アセンブリに連結されたトラック装着アセンブリと、
前記トラック装着アセンブリに連結されたトラックとを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記トラックが鉛直に向けられた、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記トラックがコラムの鉛直側面に連結された、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記コラムが、床及び天井のうちの少なくとも1つに装着された、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記トラックが壁に連結された、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記リスト・アセンブリが、
前記装着プレートに連結されたツール・ヨー関節と、
前記ツール・ヨー関節に連結されたツール・ピッチ関節と、
前記ツール・ピッチ関節に連結されたツール・ロール関節とを備える、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記ツール・ヨー関節が前記患者治療台をz軸に沿って回転するために連結され、前記ツール・ピッチ関節が前記患者治療台をy軸に沿って回転するために連結され、前記ツール・ロール関節が前記患者治療台をx軸に沿って回転するために連結される、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記エルボ・アセンブリが、
前記ツール・ヨー関節に連結された第1の駆動シャフトと、
前記第1の駆動シャフトに連結され、前記ロボット・アームの前記ツール・ヨー関節の回転運動を前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第1の回転軸で駆動するように構成された第1のモータと、
前記ツール・ピッチ関節に連結された第2の駆動シャフトと、
前記第2の駆動シャフトに連結され、前記ロボット・アームの前記ツール・ピッチ関節の回転運動を前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第2の回転軸で駆動するように構成された第2のモータと、
前記ツール・ロール関節に連結された第3の駆動シャフトと、
前記第3の駆動シャフトに連結され、前記ロボット・アームの前記ツール・ロール関節の回転運動を前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第3の回転軸で駆動するように構成された第3のモータとを備える、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記エルボ・アセンブリと前記ショルダ・アセンブリに連結されたエルボ関節であって、前記エルボ関節が、前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第4の回転軸で前記ロボット・アームのエルボ・アセンブリの回転運動を駆動するように構成されたエルボ・ギアボックスを備えるエルボ関節と、
前記ショルダ・アセンブリと前記トラック装着アセンブリに連結されたショルダ関節であって、前記ショルダ関節が、前記ロボット・アームの前記5つの自由度の第5の回転軸で前記ロボット・アームの回転運動を駆動するように構成されたショルダ・ギアボックスを備えるショルダ関節とをさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記エルボとショルダのギアボックスが、10対1(10:1)の歯車減速比から600対1(600:1)の歯車減速比の範囲の歯車減速比を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記エルボとショルダのギアボックスが、200対1の歯車減速比を有する、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記エルボとショルダのギアボックスが、2次元の水平面で前記患者治療台を移動させるように構成された、請求項29に記載の装置。
【請求項33】
前記トラックとトラック・アセンブリが、2次元の水平面に垂直な実質的に鉛直な、線形の平行移動で前記患者治療台を移動させるように構成された、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記トラック装着アセンブリが、後部高さと前部高さを有するトラック装着カラーを備え、前記後部高さが前記前部高さよりもトラックに近くなっている、請求項21に記載の装置。
【請求項35】
前記トラック・アセンブリの前記トラック装着カラーの前記後部高さが、少なくとも11インチである、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記トラック装着アセンブリが、前記トラックに最も近い第1の端部から、前記トラックから最も遠い第2の端部に高さが先細りになり、前記前部高さが少なくとも5インチである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記ロボット・アームが前記患者治療台を追加の自由度に沿って移動させるように構成された、請求項21に記載の装置。
【請求項38】
前記5つの自由度及び前記追加の自由度が、
互いに直交するx、y、z座標軸に沿って平行移動するための3つの回転軸と、
x軸、y軸、z軸のそれぞれの周りのロール回転、ピッチ回転、ヨー回転のための3つの回転軸とを含む請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記1つの実質的に鉛直な、線形の自由度が、前記水平な座標x、y軸に実質的に垂直な前記z座標軸での実質的に鉛直な線に沿って前記患者治療台が平行移動するための実質的に線形の軸を含む、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記トラック装着アセンブリと前記ショルダ・アセンブリに回転可能に装着されたプレート部材と、
前記ショルダ・アセンブリと前記プレート部材に連結された第1のショルダ関節であって、前記ロボット・アームの前記6つの自由度の第5の回転軸を駆動するように構成された第1のショルダ・ギアボックスを備える第1のショルダ関節と、
前記プレート部材と前記トラック装着アセンブリに連結された第2のショルダ関節であって、前記ロボット・アームの前記6つの自由度の第6の回転軸を駆動するように構成された第2のショルダ・ギアボックスを備える第2のショルダ関節とをさらに備える、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記患者治療台に連結された装着プレートと、
前記装着プレートに連結された前記ロボット・アームのリスト・アセンブリであって、前記装着プレートが、偏心位置で前記患者治療台に連結され、前記患者治療台が2.25インチの厚さを有するリスト・アセンブリと、
トラックに連結されたトラック装着アセンブリであって、前記トラックに最も近い端部で少なくとも11インチの後部高さを有するトラック装着カラーを備え、前記ロボット・アームが0から5mmのたわみ誤差内で500ポンドまでの患者の荷重を支持するように構成されたトラック装着アセンブリとをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項42】
ロボット・アームに連結された患者治療台を提供するステップと、
ロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って患者治療台を移動させるステップとを含む方法。
【請求項43】
前記5つの回転の自由度が、平行移動のための2つの回転軸と、ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸を含む回転運動のための3つの回転軸とを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記患者治療台に連結された傾斜センサと前記患者治療台に連結された加速度計のうちの少なくとも1つを使用して、患者が前記患者治療台から落下するのを防止するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記ロボット・アームの外側に連結されたセンサ材料を提供するステップと、
前記センサ材料を使用して、前記ロボット・アームがオペレータにぶつかるのを防止するステップとさらに備える、請求項42に記載の装置。
【請求項46】
前記患者治療台に連結された装着プレートを提供するステップと、
前記装着プレートと前記患者治療台に連結され、前記患者治療台の振動を緩衝する緩衝装置を提供するステップとをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
0から5ミリメートルの前記ロボット・アームのたわみ誤差内で前記患者治療台の荷重を500ポンドまで支えるステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記患者治療台を前記5つの回転の自由度に沿って移動させずに、実質的に前記患者治療台の動作の範囲全体を通して前記実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を移動させるステップをさらに含む請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記患者治療台を移動させるステップが、
前記ロボット・アームのツール・ヨー関節を使用して前記z軸に沿って前記患者治療台を回転するステップと、
前記ロボット・アームのツール・ピッチ関節を使用して前記y軸に沿って患者治療台を回転するステップと、
前記ロボット・アームのツール・ロール関節を使用して前記x軸に沿って前記患者治療台を回転するステップと、
エルボ関節とショルダ関節を使用して前記2つの水平な回転軸に沿って前記患者治療台を回転するステップと、
前記2つの水平な回転軸に垂直なトラックとトラック装着アセンブリを使用して実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を平行移動させるステップとをさらに含む請求項43に記載の方法。
【請求項50】
追加のショルダ関節を使用して追加の平行移動軸に沿って前記患者治療台を回転するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
制御装置を提供するステップをさらに含み、前記制御装置は5つ及び6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、前記ロボット・アーム及び患者治療台を移動させる、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記制御装置に接続されたユーザ・インターフェースを提供するステップをさらに含み、前記ユーザ・インターフェース・ユニットが、前記制御装置は5つ及び6つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度のうちの少なくとも1つに沿って、前記ロボット・アーム及び患者治療台を手動で移動させる、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
患者治療台と、
偏心位置で前記患者治療台に連結された鉛直に装着されたロボット・アームとを備える装置。
【請求項54】
前記偏心位置が、
21インチである偏心長さの距離と、
4インチである偏心幅の距離とを有する、請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記患者治療台が、0.75インチから3インチの範囲の厚さを有する、請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記患者治療台が2.25インチの厚さを有する、請求項53に記載の装置。
【請求項57】
前記鉛直に装着されたロボット・アームが、少なくとも5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って移動するように構成された、請求項53に記載の装置。
【請求項58】
前記鉛直に装着されたロボット・アームがトラック装着アセンブリを有し、前記トラック装着アセンブリが、前記トラックに最も近い端部で少なくとも11インチの後部高さを有するトラック装着カラーを備える、請求項53に記載の装置。
【請求項59】
前記鉛直に装着されたロボット・アームが、0から5ミリメートルの前記ロボット・アームのたわみ誤差内のロボット・アームを使用して、前記患者治療台の患者の荷重を500ポンドまで支えるように構成された、請求項53に記載の装置。
【請求項60】
前記患者治療台に連結された傾斜センサをさらに備える、請求項53に記載の装置。
【請求項61】
前記鉛直に装着されたロボット・アームの外側に連結されたセンサ材料をさらに備える、請求項53に記載の装置。
【請求項62】
患者治療台と、
0から5ミリメートルの範囲の前記ロボット・アームのたわみ誤差内のロボット・アームを使用して、前記患者治療台の患者を500ポンドまで支える手段とを備える装置。
【請求項63】
平行移動のための2つの回転軸、及び回転運動のための3つの回転軸を含む5つの回転の自由度で前記患者治療台を位置決めする手段と、
実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を位置決めする手段とをさらに備える、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記患者治療台を前記5つの回転の自由度に沿って移動させずに、実質的に前記患者治療台の動作の範囲全体を通して前記実質的に鉛直な、線形の軸に沿って前記患者治療台を移動させる手段をさらに含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
患者治療台と、
前記患者治療台に連結されたロボット・アームであって、前記患者治療台を5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って移動させるように構成されたロボット・アームと、
前記ロボット・アームに連結された制御装置と、
患者の複数の画像のスライスを生成するための前記制御装置に接続された撮像システムとを備える装置。
【請求項66】
前記制御装置に接続された治療用放射線処置システムであって、治療放射線源を前記患者治療台に配置された患者内の治療の標的に位置合わせするために、前記制御装置が、前記ロボット・アームと前記治療用放射線処置システムのうちの少なくとも1つの移動を制御するように構成された治療用放射線処置システムをさらに備える、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記治療用放射線処置システムがロボット・ベースの線形加速器システムである、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記治療放射線源と前記患者治療台の向きと位置が前記制御装置によって動的に調和される、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記制御装置が、前記ロボット・アームと前記ロボット・ベースの線形加速器システムの動作の機械的な範囲内の配置の制約によって生じる以前に障害になった位置での治療の標的を形成するように、前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記治療放射線源を位置決めするように構成される、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記位置決めの制約が、前記患者治療台と前記治療用放射線源に連結された前記ロボット・アームのうちの少なくとも1つが、前記治療台、前記治療用放射線源、x線撮像源、及び検出器のうちの少なくとも1つと衝突するおそれの障害のうちの少なくとも1つを含む、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記位置決めの制約が、前記治療線源の放射線ビームの、前記治療台、前記治療用放射線源、x線撮像源、及び検出器のうちの少なくとも1つとの障害を含む、請求項69に記載の装置。
【請求項72】
前記撮像システムが撮像視野を有するように構成され、前記ロボット・アームが前記患者治療台を移動させるとき、前記ロボット・アームを前記撮像システムの前記撮像野の外側に維持するために、前記ロボット・アームが拡張装着領域で前記患者治療台に連結される、請求項65に記載の装置。
【請求項73】
第1のロボット・アームに連結された患者治療台を提供するステップと、
第2のロボット・アームに連結されたロボット・ベースの線形加速器システムを提供するステップと、
前記第1のロボット・アームを使用して5つの回転の自由度と1つの実質的に鉛直な、線形の自由度に沿って前記患者治療台を移動させるステップとを含む方法。
【請求項74】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記第2のロボット・アームを使用して、少なくとも2つの自由度に沿って前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムの前記第2のロボット・アームを使用して、5つの自由度に沿って前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記ロボット・ベースの線形加速器システムと前記ロボット・アームに接続された制御装置を提供するステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップが、前記制御装置を使用して前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源の向きと位置を動的に調和させるステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記患者治療台と前記治療用放射線供給源の前記向きと位置を動的に調和させるステップが、前記ロボット・アームの動作の機械的な範囲内で、前記治療用放射線源の使用可能な表面領域全体を増加させる、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップが、前記ロボット・ベースの線形加速システムの治療用放射線供給源を前記患者治療台に配置された患者内の治療の標的と位置合わせするステップをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記患者治療台と前記ロボット・ベースの線形加速器システムを移動させるステップが、前記ロボット・アームと前記ロボット・ベースの線形加速システムの機械的な動作の範囲内の位置決めの制約によって生じる以前に障害になった位置に治療の標的を形成するために、前記患者治療台と前記治療用放射線供給源を位置決めするステップをさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記患者治療台と前記治療用放射線供給源の前記向きと位置を動的に調和させるステップが、前記位置決めの制約を回避するステップをさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記位置決めの制約が、x線撮像源、及び検出器のうちの少なくとも1つによる前記治療用放射線源の障害を含む、請求項81に記載の装置。
【請求項83】
撮像視野を有する撮像システムを提供するステップと、すべての支持された治療位置に対して前記撮像視野の実質的に外側に前記患者治療台を維持するステップとをさらに備える、請求項73に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2008−539963(P2008−539963A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−511299(P2008−511299)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/018017
【国際公開番号】WO2006/124434
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(505005625)アキュレイ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/018017
【国際公開番号】WO2006/124434
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(505005625)アキュレイ・インコーポレーテッド (11)
【Fターム(参考)】
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