説明

情報カード管理装置

【課題】積層状態で収容されている大量の情報カードに対して一括して正確に通信可能であり、簡易な装置構成を有する情報カード管理装置を提供する。
【解決手段】情報カード管理装置1は、導線の少なくとも一部が切断されたコイルおよびコイルと共振回路を形成するコンデンサを有する情報カード10を管理する情報カード管理装置であって、複数の情報カード10を積層して収容し、情報カード10の取出用開口部9aを有する収容カセット9と、収容カセット9の取出用開口部9aに近接して設けられ、情報カード10を積層した場合に情報カード10と通信可能となる周波数の電磁波を発するアンテナ2と、収容カセット9に収容された情報カード10のうち取り出し対象である情報カードを取出用開口部に移動させる載置台11および駆動部13と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報カードを管理する情報カード管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触で識別情報を通信する情報カードを用いた通信システムの需要が増加している。このような情報カードは、一般的に、アンテナとして機能するコイルと、コイルとともに共振回路を形成するコンデンサと、識別情報を記憶するメモリを有して情報カードの通信を制御するICチップとを備える(たとえば、特許文献1参照)。この情報カードを送受信用の電磁波を発するリーダライタに近接すると、情報カードでは、コイルとコンデンサとが共振し、誘導起電力が生じてコイルに誘導電流が流れる。この結果、情報カードでは、ICチップが動作し、アンテナとして機能するコイルを介して、メモリに記憶された識別情報をリーダライタに送信する。このように、情報カードとリーダライタとの間では、リーダライタと情報カードのコイルとの電磁結合によって通信が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−34725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の情報カードでは、複数の情報カードが重なり合った場合、各情報カード内のコイルが相互に干渉してしまい、正確に通信処理を行えなかった。このため、従来の情報カードを積層した状態で収容する管理装置の場合、供給数と排出数とをカウントして収容数を算出したり、情報カード全体の重量や寸法を計測したりすることにより、情報カードの収容数を間接的に求めていた。しかしながら、このように間接的に情報カードの収容数を求める方法では、情報カードを100枚単位で大量に収容する場合、数量カウントの精度や各個体のばらつきが大きく影響し、正しい収容数を求めることができなかった。
【0005】
また、光センサを用いて情報カードの収容数を計測する方法もあるものの、光センサ自体を移動させるスペースを確保しなければならないという問題があった。また、情報カードの収容数をカメラ撮影によって一括して認識する方法もあるものの、画像処理装置を備える必要があるため、装置構成が複雑化するという問題があった。
【0006】
そして、従来の情報カードでは積層した状態で通信処理を行うことができないことから、情報カードの個別認証が必要な場合にはバーコードを併用する方法もあるものの、バーコードリーダを移動させるスペースを確保しなければならず、装置構成が複雑化するという問題があった。
【0007】
また、積層した状態でも通信可能である情報カードを用いた場合であっても、一回の通信処理で一括して処理可能な数量は限られていた。たとえば100枚以上の大量の情報カードが積層した状態で収容されている場合には、数量を限定して複数回処理したり、リーダのアンテナを移動させたりする必要があり、全ての情報カードに対して一括処理を行うことはできなかった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、積層状態で収容されている大量の情報カードに対して一括して正確に通信可能であり、簡易な装置構成を有する情報カード管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる情報カード管理装置は、導線の少なくとも一部が切断された第1のコイルおよび前記第1のコイルと共振回路を形成する第1のコンデンサを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部を有する収容容器と、前記収容容器の取出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードを積層した場合に前記情報カードと通信可能となる周波数の電磁波を発するアンテナと、前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、導線の少なくとも一部が切断された第1のコイルおよび前記第1のコイルと共振回路を形成する第1のコンデンサを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部と、前記情報カードの積層方向に沿って開口して前記情報カードの側面の少なくとも一部を露出させる露出用開口部とを有する収容容器と、前記収容容器の露出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードを積層した場合に前記情報カードと通信可能となる周波数の電磁波を発するアンテナと、前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、第2のコイルおよび前記第2のコイルと共振回路を形成する第2のコンデンサを有する補助カードをさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、前記第1のコイルは、前記情報カードが複数積層された場合に、前記アンテナから発せられる電磁波の周波数で通信可能となる自己インダクタンスを有することを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、前記移動機構は、積層した複数の前記情報カードを載置する載置台と、前記載置台を移動させる移動手段と、を備え、前記補助カードは、前記載置台に取り付けられることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、ループ状に配索される導線によって形成され、前記ループ状をなす主配索パターンの一部または全体に亘って分散され、前記主配索パターンと比較して巻回形状が小さくなるように前記導線により形成された巻線パターンを有するコイルと、前記コイルと共振回路を形成するコンデンサとを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部と、前記情報カードの積層方向に沿って開口して前記情報カードの側面の少なくとも一部を露出させる露出用開口部とを有する収容容器と、前記収容容器の露出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードと通信可能である周波数の電磁波を発するアンテナと、前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、導線を巻回して形成されるコイルと、前記コイルと共振回路を形成するコンデンサと、前記コイルに直列に接続されるとともに場所的に集中したインダクタンスを有して前記共振回路のインダクタンスを主として形成する集中定数型インダクタとを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部と、前記情報カードの積層方向に沿って開口して前記情報カードの側面の少なくとも一部を露出させる露出用開口部とを有する収容容器と、前記収容容器の露出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードと通信可能である周波数の電磁波を発するアンテナと、前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、第2のコイルおよび前記第2のコイルと共振回路を形成する第2のコンデンサを有する補助カードをさらに備えたことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、前記収容容器は、金属製であることを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかる情報カード管理装置は、前記アンテナと前記情報カードとの通信をもとに前記情報カードの情報を読み取る読取装置をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる情報カード管理装置によれば、積層しても通信可能な情報カードを用い、この情報カードと通信するアンテナを最適な位置に設けることによって、簡易な装置構成なままで、積層状態で収容されている大量の情報カードに対して一括して正確な通信処理を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる情報カード管理装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示す収容カセットの斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す情報カードの概略構成を示す図である。
【図4】図4は、図1に示す補助カードの概略構成を示す図である。
【図5】図5は、図1に示す情報カード管理装置における情報カードの管理方法を説明する図である。
【図6】図6は、図1に示す収容カセットおよびアンテナの他の構成を示す模式図である。
【図7】図7は、実施の形態2にかかる情報カード管理装置の概略構成を示す模式図である。
【図8】図8は、図7に示す収容カセットの斜視図である。
【図9】図9は、図7に示す情報カード管理装置における情報カードの管理方法を説明する図である。
【図10】図10は、実施の形態1,2における情報カードの他の概略構成を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態3にかかる情報カード管理装置の概略構成を示す模式図である。
【図12】図12は、図11に示す情報カードの概要構成を示す図である。
【図13】図13は、実施の形態3における情報カードの他の概略構成を示す図である。
【図14】図14は、実施の形態3における情報カードの他の概略構成を示す図である。
【図15】図15は、実施の形態3にかかる情報カード管理装置の他の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面とともに詳細に説明する。なお、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0022】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる情報カード管理装置について説明する。図1は、本実施の形態1にかかる情報カード管理装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態1にかかる情報カード管理装置1は、非接触で識別情報等を通信するほぼ同形の複数の情報カード10を積層した状態で収容している。
【0023】
情報カード管理装置1は、複数のアンテナ2、アンテナ切り替え部3、リーダライタ部4、制御部5、入力部6、出力部7、記憶部8、複数の収容カセット9、複数の載置台11および複数の駆動部13を備える。アンテナ2、載置台11および駆動部13は、各収容カセット9に対応してそれぞれ設けられる。
【0024】
アンテナ2は、情報カード10を積層した場合に情報カード10と通信可能となる周波数の電磁波を発し、情報カード10と情報の送受信を行う。アンテナ2は、それぞれ対応する収容カセット9内の情報カード10に対して電磁波を発する。
【0025】
アンテナ切り替え部3は、内部に切り替えスイッチを有し、各アンテナ2とリーダライタ部4との接続切り替えを行う。複数のアンテナ2のうちアンテナ切り替え部3の切り替えスイッチによってリーダライタ部4と接続されたアンテナ2が所定周波数の電磁波を発する。
【0026】
リーダライタ部4は、接続されたアンテナ2による通信結果をもとに情報カード10との間で送受信した情報を処理する。リーダライタ部4は、アンチコリジョン機能を有し、複数の情報カードとの間で一括して情報を送受信する。リーダライタ部4は、たとえば、アンテナ2が発する所定周波数の電磁波強度の時間的変化をもとに各情報カード10との間で送受信する情報を取得する。
【0027】
制御部5は、情報カード管理装置1の各構成部位を制御する。制御部5は、アンテナ切り替え部3に通信対象のアンテナ2に接続を切り替えさせる。入力部6は、情報カード10の管理に関する各種情報の入力を受け付ける。出力部7は、リーダライタ部4によって処理された情報等を出力する。記憶部8は、情報カード10から送信されリーダライタ部4によって処理された識別情報等を含む各種情報を記憶する。
【0028】
収容カセット9(収容容器)は、複数の情報カード10を積層して収容する。一つの収容カセット9には、たとえば、100枚以上の情報カード10が積層された状態で収容される。図2に示すように、収容カセット9は、複数の情報カード10が収容できるように収容スペース9cが設けられた箱型形状をしており、上面、下面および側面の一部が開口した構成を有する。上面の開口は、情報カード10が取り出される取出用開口部9aとして機能する。各アンテナ2は、それぞれ対応する収容カセット9の取出用開口部9aに近接して設けられる。なお、収容カセット9の側面に開口部を設けない場合には、アンテナ2の位置から収容カセット9内部を見た場合に収容カセット9自体がループ状になり、電磁誘導によってアンテナ2の磁界と反対方向に磁界を発生させ、通信障害を起こすため、側面には、図2のように開口部を設ける必要がある。なお、この側面の開口部は、開口していれば足りるため、図2に示す間隔よりも狭い開口であってもよい。
【0029】
情報カード10は、図3に示すように、導線を巻回して形成されアンテナとして機能するコイル14と、コイル14と並列に接続され、コイル14と共振回路を形成するコンデンサ16と、情報カード10が送受信する情報を制御するICチップ17とを備える。コイル14およびコンデンサ16は、接続部18a,18bにおいて接続する。コイル14およびコンデンサ16は、このコイル14とコンデンサ16とによって形成される共振回路の共振周波数とほぼ同じ周波数の電磁波を受信したときに共振して誘導電流を発生し、ICチップ17に起電力を供給する。ICチップ17は、送信情報に応じた搬送波をコイル14に送信するとともに、電磁波を受信し、受信した電磁波を対応する情報に変換する送受信部17aと、受信したアンテナ2からの情報に応答して送信する情報およびメモリ17cに記憶する情報を制御する制御部17bと、識別情報等の各種情報を格納するメモリ17cとを備える。
【0030】
コイル14には、コイル14を形成する導線の少なくとも一部を切断した切断部15が形成される。切断部15は、所定回数(図3に示す例では5回)巻かれたコイル14の導線から、たとえば10mmの長さを切断されることによって形成される。したがって、情報カード10では、導線が切断されていない場合と比較して、コイル14のインダクタンスの値が小さくなっている。
【0031】
コイル14とコンデンサ16とが形成する共振回路の共振周波数は、コイル14のインダクタンスの値とコンデンサ16の容量の値とによって定められる。情報カード10単体では、コイル14のインダクタンスの値が小さく、アンテナ2が発する電磁波の周波数と共振回路の共振周波数が異なるため、アンテナ2との間で通信することができない場合がある。
【0032】
これに対し、積層する情報カード10の数量が増加するにともない、各情報カード10のコイル14の自己インダクタンスは、重なりあった他の情報カード10のコイル14との間の相互干渉によって、みかけ上増加する。そして、情報カード10が所定数以上積層された場合、各情報カード10のコイル14の自己インダクタンスは、このコイル14とコンデンサ16とで形成する共振回路の共振周波数を、アンテナ2から発せられる電磁波の周波数に等しくさせるインダクタンスにまで増加する。言い換えると、情報カード10のコイル14は、情報カード10が複数積層された場合に、アンテナ2から発せられる電磁波の周波数で通信可能となる自己インダクタンスを有する。
【0033】
この結果、情報カード10が所定数量以上積層した場合に各情報カード10における共振回路の共振周波数がアンテナ2による周波数と一致して、情報カード10とアンテナ2との間の通信が可能になる。たとえば、情報カード10が厚さ3mmである場合には、15枚以上の情報カード10が積層するとアンテナ2との間で通信可能となり、100枚以上の情報カード10が積層した場合であっても支障なく正確に通信可能である(詳細は、本出願人によって出願された特願2003−285884を参照)。
【0034】
そして、図1に示すように、収容カセット9内には、下面の開口部9bに対応させて載置台11が設けられる。この載置台11は、たとえば樹脂製であり、載置台11の上面には、積層した複数の情報カード10が載置される。
【0035】
駆動部13は、載置台11を上下に昇降移動させる機能を有し、この載置台11を昇降させることによって、収容カセット9に収容された情報カード10のうち一番上の情報カード10を、上面の取出用開口部9aまで移動する。載置台11および駆動部13は、取り出し対象である情報カード10を収容カセット9の取出用開口部9aに移動させる移動機構として機能する。
【0036】
駆動部13は、たとえば、制御部5の制御のもとで載置台11を昇降させるモータである。収容カセット9の取出用開口部9a近傍に、最上層の情報カード10の位置を検出するセンサが設けられており、制御部5は、このセンサの検出結果をもとにモータを制御する。なお、駆動部13に代えて、たとえば、載置台11を上方に付勢するバネ部材を用いることもできる。バネ部材は、載置台11上の載置物の重量に応じて載置台11の高さを変動させる。このバネ部材の付勢力は、単体の情報カード10が載置台11上に載置しているときに、少なくともアンテナ2から発せられた電磁波が到達可能である高さに情報カード10を持ち上げた状態を保持できる力である。
【0037】
そして、載置台11上の情報カード10が所定数未満であっても情報カード10とアンテナ2との間の通信を可能にするために、載置台11の内部には補助カード12が取り付けられている。
【0038】
この補助カード12は、図4に示すように、所定回数巻回されることによって形成されたコイル14aと、このコイル14aと共振回路を形成するコンデンサ16aとを備える。なお、コイル14aおよびコンデンサ16aは、接続部18a,18bにおいて接続する。情報カード10のコイル14は、補助カード12が近傍に配置されたときも、この補助カード12のコイル14aとの間の相互干渉によって、自己インダクタンスが増加する。すなわち、情報カード10のコイル14は、補助カード12が近接して配置された場合も、アンテナ2から発せられる電磁波の周波数で通信可能となる自己インダクタンスを有するといえる。言い換えると、補助カード12は、情報カード10に近接することによって、情報カード10が所定数未満しか積層していない場合でも情報カード10の共振回路の共振周波数がアンテナ2から発せられる電磁波の周波数と一致するように、情報カード10のコイル14の自己インダクタンスを増加させる働きを有する。たとえば、情報カード10単体で配置される場合のコイル14のインダクタンスが2μHに設定された場合、補助カード12のコイル14aのインダクタンスは約5μHに設定される。
【0039】
この情報カード管理装置1において情報カード10の管理を開始するには、図5(1)に示すように、まず、情報カード管理装置1から取り出した収容カセット9内に管理対象の情報カード10を積層する。そして、矢印Y2のように、この収容カセット9を情報カード管理装置1内部にセットする。この場合、アンテナ2が収容カセット9にぶつからないように矢印Y1のように持ち上げてから、収容カセット9を情報カード管理装置1内にセットする。そして、図5(2)の矢印Y3に示すように、アンテナ2がもとの位置に戻ってから、制御部5は、リーダライタ部4にこの収容カセット9の全情報カード10に対する通信処理を指示する。この結果、アンテナ2から電磁波が発せられ、この収容カセット9内の全情報カード10に対する通信処理が行われる。
【0040】
その後、図5(3)および図5(4)の矢印Y4,Y6のように、収容カセット9の取出用開口部9aを介して、最上層の情報カード10から順に取り出される。これにともない、駆動部13は、取り出された情報カード10の枚数に応じた高さまで矢印Y5,Y7のように載置台11を上昇させて、最上層の情報カード10が取出用開口部9aに近接するように情報カード10を移動させる。この間、リーダライタ部4の指示によって、アンテナ2から電磁波が発せられ、全情報カード10に対する通信処理が行われる。なお、情報カード10の取り出しは、手動でもよいし、取出し装置を設けて自動的に行えるようにしてもよい。
【0041】
このように、実施の形態1にかかる情報カード管理装置1においては、所定枚数以上積層することによって通信が可能になる情報カード10を用いることによって、積層枚数が100枚以上であっても一括して正確な通信処理が可能である。
【0042】
さらに、情報カード管理装置1においては、情報カード10を載置する載置台11に補助カード12を設けている。この結果、情報カード管理装置1では、情報カード10の積層枚数が所定枚数以下である場合にも、情報カード10に常に近接する補助カード12によって情報カード10のコイル14の自己インダクタンスが増加して情報カード10の共振回路の共振周波数がアンテナ2から発せられる電磁波の周波数と一致するため、正確に通信可能である。
【0043】
また、載置台11および駆動部13による情報カード10の移動先である取出用開口部9a近傍にアンテナ2を設けて、情報カード10の取出し処理ごとに最上層の情報カード10とアンテナ2とが近接する構成としているため、アンテナ2を別個に移動させるための移動スペースおよび移動機構を設ける必要がなく、装置構成を簡易化することができる。
【0044】
また、情報カード管理装置1では、収容カセット9の材料を選択することによって、通信精度をさらに高めることができる。実際に、各種材料で形成した収容カセット9ごとに通信可能枚数を比較した。
【0045】
非磁性材料である樹脂材料あるいは高透磁率材料であるフェライトを用いて収容カセット9を形成した場合には、収容した125枚の情報カード10のうち115枚の情報を読み取ることができた。さらに、金属材料を用いて収容カセット9を形成した場合には、収容した125枚の情報カード10全ての情報を読み取ることができた。収容カセット9を金属で形成した場合には、収容カセット9内部に発せられた電磁波のうち内部側面にぶつかった電磁波が、金属製の収容カセット9を透過せずそのまま収容カセット9内部に戻ることから、各情報カード10に到達する電磁波の強度損失を減らせたものと考えられる。
【0046】
したがって、本実施の形態1では、収容カセット9を金属製とすることによって、さらに通信精度を高めることができる。なお、収容カセット9を形成する金属としては、鉄、アルミニウム、耐食鋼、真鍮などを用いることができる。
【0047】
なお、取出用開口部は、収容カセット9の上面ではなく下面に設けられていてもよい。この場合には、補助カード12は、最上層の情報カード10に近接した位置であればよい。また、取出用開口部を収容カセット9の下面に設けた場合であって、情報カード10排出時に情報カード10自体の重さで載置台が自動的に降下する構成である場合には、駆動部13を削除することも可能である。
【0048】
また、載置台11および駆動部13の移動処理によって情報カード10とアンテナ2との距離を適切に保持できるため、情報カード10のコイル14の巻き数や形状によっては、情報カード10が1枚だけ載置されている場合であっても補助カード12無しで通信が可能となる場合もある。このような場合には補助カード12を必ずしも設ける必要はない。
【0049】
また、情報カード管理装置1では、載置台11内に補助カード12を設けた場合を例に説明したが、補助カードは情報カード10に近接していれば足りるため、図6のように、載置台11aにではなく、収容カセット19の側面に補助カード12aを設けてもよい。この場合、補助カード12aのコイルの巻き数および形状は、収容カセット9内に収容される情報カード10の自己インダクタンスを増加させることができるように適宜設定すればよい。また、収容カセット19が金属製の場合には、補助カード12aと収容カセット19内の情報カード10とが近接できるように、収容カセット19の側面のうち補助カード12aと情報カード10との間の側面に開口9dを設ければよい。
【0050】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、収容カセットの側面にアンテナを配置する場合について説明する。図7は、本実施の形態2にかかる情報カード管理装置の概略構成を示す模式図である。
【0051】
図7に示すように、実施の形態2にかかる情報カード管理装置21では、収容カセット29内部に積層した複数の情報カード10を収容し、この収容カセット29の側面にアンテナ22が設けられる。
【0052】
収容カセット29は、図8に示すように、内部の収容スペース29c、上面の取出用開口部29aおよび下面の開口部29bに加えて、側面に、情報カードの積層方向に沿って開口して内部に収容した全情報カード10の側面の少なくとも一部を露出させる露出用開口部29dを有する。
【0053】
図7に示すように、情報カード管理装置21においては、この収容カセット29側面の露出用開口部29dに近接して、アンテナ22が設けられている。このアンテナ22は、収容カセット29内部の全情報カード10に電磁波が到達するように構成される。なお、収容カセット29は、通信精度を高めるために、収容カセット9と同様に金属製であることが望ましい。
【0054】
この情報カード管理装置21において情報カード10の管理を開始するには、図9(1)に示すように、まず、情報カード管理装置21から取り出した各収容カセット29内に管理対象の情報カード10を積層する。そして、図9(1)の矢印Y22および図9(2)に示すように、この収容カセット29を情報カード管理装置21内部にセットする。そして、露出用開口部29dを介してアンテナ22から電磁波が発せられ、この収容カセット29内の全情報カード10に対する通信処理が行われる。
【0055】
その後、図9(3)および図9(4)の矢印Y24,Y26のように、収容カセット29の取出用開口部29aを介して、最上層の情報カード10から順に取り出される。これにともない、駆動部13は、取り出された情報カード10の枚数に応じた高さまで矢印Y25,Y27のように載置台11を上昇させて、最上層の情報カード10が取出用開口部29aに近接するように情報カード10を移動させる。この間、アンテナ22から電磁波が発せられ、全情報カード10に対する通信処理が行われる。
【0056】
この実施の形態2のように、収容カセット29の側面にアンテナ22を設ける場合には、アンテナ22の設置位置に対応させて収容カセット29の側面に露出用開口部29dを設け、アンテナ22からの電磁波が全情報カード10に確実に到達するようにすればよい。実施の形態2にかかる情報カード管理装置21では、露出用開口部29dを介して各情報カード10とアンテナ22とが常に安定して近接するため、通信精度のさらなる向上を実現できる。
【0057】
なお、取出用開口部は、収容カセット29の上面ではなく下面に設けられていてもよく、補助カード12は、載置台11に設けるほか、最上層の情報カード10に近接した位置に設けてもよい。また、取出用開口部を収容カセット29の下面に設けた場合であって、情報カード10排出時に情報カード10自体の重さで載置台が自動的に降下する構成である場合には、駆動部13を削除することも可能である。
【0058】
また、本実施の形態2では、アンテナ22は、情報カード10全てに安定して近接できるため、情報カード10のコイル14の巻き数や形状によっては、情報カード10が1枚だけ載置されている場合であっても補助カード12無しで通信が可能となる場合もある。このような場合には補助カード12を必ずしも設ける必要はない。
【0059】
また、本実施の形態1,2では、図10に示すように、コイル14の切断部15にスイッチ14bを設けた情報カード10aを用いてもよい。所定枚数以上の情報カード10aを情報カード管理装置1,21に収容する場合には、収容カセット9,29への収容前に各情報カード10aのスイッチ14bをオフ状態にすればよい。また、この情報カード10aを1枚ごとに読み取る場合には、スイッチ14bをオン状態として、コイル14の自己インダクタンスを大きくすればよい。なお、スイッチ14bには、光スイッチ、磁気スイッチ、機械式スイッチ、感温スイッチ、または、所定の静電容量が近接した場合にオン状態となる静電容量式のスイッチなどを適用することができる(詳細は、本出願人によって出願された特願2003−299320参照)。
【0060】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、積層した状態で通信可能である他の構成の情報カードを管理する情報カード管理装置について説明する。図11は、本実施の形態3にかかる情報カード管理装置の概略構成を示す模式図である。
【0061】
図11に示すように、本実施の形態3にかかる情報カード管理装置31は、積層した状態で通信可能である情報カード10bを収容する。そして、情報カード管理装置31は、図7に示す情報カード管理装置21と比して、載置台11から補助カード12を削除した載置台11aを備える。
【0062】
次に、情報カード10bについて説明する。図12は、図11に示す情報カード10bの概要構成を示す図である。図12に示す情報カード10bは、情報カード10におけるコイル14に代えて、主配索パターン32と複数の巻線パターン34とを同一の導線によって形成してなるコイル30を有する。主配索パターン32は、導線を巻回したパターンで形成され、所望の大きさでループ状に配索されて、両端の接続部18a,18bで共振回路を形成するコンデンサ36と電気的に接続する。
【0063】
巻線パターン34は、例えば主配索パターン32が配索される同一平面上で、主配索パターン32の内周側の6箇所に分散させて渦巻き形状に形成されたものである。ここで、巻線パターン34の渦巻き形状からなる巻回形状は、主配索パターン32の大きさと比較して十分小さくなるように形成されている。
【0064】
コイル30のインダクタンスは、主配索パターン32が有する自己インダクタンスと各巻線パターン34が有する自己インダクタンスとの総和となる。ただし、コイル30では、各巻線パターン34が有する自己インダクタンス分、主配索パターン32が有すべき自己インダクタンスの値を小さくすることができ、これによって、主配索パターン32を鎖交する磁束による相互インダクタンスを小さくできる。このため、情報カード10bにおいては、同一形状の主配索パターンで構成されて同等の自己インダクタンスを有する一般的なコイルアンテナに比較すると、情報カード10b同士が積層された場合に生ずる相互インダクタンスの値を十分に小さくすることができる(詳細は、本出願人によって出願された特願2007−321267参照)。
【0065】
したがって、情報カード10bでは、相互作用の影響が激減するため、複数を積層した状態でも通信が可能であり、実施の形態1と同様に、大量に積層させた場合であっても一括して正確な通信処理が可能である。
【0066】
また、実施の形態3では、露出用開口部29dを介して、各情報カード10bと、情報カード10bと通信可能である周波数の電磁波を発するアンテナ22とが常に安定して近接する構成とするため、アンテナを別個に移動させるための移動スペースおよび移動機構を設ける必要がなく、装置構成を簡易化することができる。
【0067】
また、実施の形態3においても同様に、収容カセット29を金属製とした場合には、アンテナ22から発せられた電磁波の強度損失を抑えることができるため、高い通信精度を実現できる。
【0068】
なお、実施の形態3にかかる情報カード管理装置31においては、図12に示す情報カード10bに限らず、本出願人によって出願された特願2007−321267に示した各構成の情報カードを収容可能である。すなわち、ループ状に配索される導線によって形成され、ループ状をなす主配索パターンの一部または全体に亘って分散され、主配索パターンと比較して巻回形状が小さくなるように導線により形成された巻線パターンを有するコイルと、コイルに共振回路を形成するコンデンサとを有する情報カードを収容可能である。
【0069】
また、情報カード管理装置31は、図13の情報カード10cまたは図14の情報カード10dも収容可能である。図13に示す情報カード10cは、コンデンサ46およびICチップ17に加え、導線を巻回して形成されたコイル44と、コイル44に直列に接続されたディスクリート回路部品であるチップコイル40とを有する。また、図14に示す情報カード10dは、チップコイル40に代えて小型コイル40aを有する。このチップコイル40および小型コイル40aは、場所的に集中したインダクタンスを有し、アンテナ22と通信可能である共振周波数での共振を共振回路に生じさせる集中定数型インダクタである。チップコイル40および小型コイル40aは、共振回路のインダクタンスを主として形成する。
【0070】
情報カード10c,10dでは、コイル間の相互干渉がほとんど発生しない集中定数型インダクタであるチップコイル40または小型コイル40aを用いていることから、チップコイル40または小型コイル40aに共振回路の主たるインダクタンスを持たせることができる。この結果、情報カード10c,10dでは、チップコイル40または小型コイル40aよりも相互干渉が起こりやすいコイル44の導線の巻き数を、単体の多数巻コイルよりも少なくすることができるため、単体の多数巻コイルを用いる場合と比較してコイル間の相互干渉が発生しにくい。したがって、情報カード10c,10dでは、複数が積層した場合であっても情報カード10c,10d間でほとんど相互干渉が発生しないため、大量に積層させた場合であっても情報カード10bを用いた場合と同様に一括して正確な通信処理が可能である(詳細は、本出願人によって出願された特願2004−250545参照)。
【0071】
また、実施の形態3においても、実施の形態1,2と同様に、図15に示す情報カード管理装置31aのように、補助カード12を設けた載置台11を用いて、情報カード10b〜10dのコイルの自己インダクタンスを増加させて、アンテナ22との通信をさらに円滑化してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1,21,31 情報カード管理装置
2,22 アンテナ
3 アンテナ切り替え部
4 リーダライタ部
5 制御部
6 入力部
7 出力部
8 記憶部
9,19,29 収容カセット
10,10a〜10d 情報カード
11,11a 載置台
12,12a 補助カード
13 駆動部
14,14a,30,44 コイル
14b スイッチ
15 切断部
16,16b,36,46 コンデンサ
17 ICチップ
32 主配索パターン
34 巻線パターン
40 チップコイル
40a 小型コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線の少なくとも一部が切断された第1のコイルおよび前記第1のコイルと共振回路を形成する第1のコンデンサを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、
複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部を有する収容容器と、
前記収容容器の取出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードを積層した場合に前記情報カードと通信可能となる周波数の電磁波を発するアンテナと、
前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、
を備えたことを特徴とする情報カード管理装置。
【請求項2】
導線の少なくとも一部が切断された第1のコイルおよび前記第1のコイルと共振回路を形成する第1のコンデンサを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、
複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部と、前記情報カードの積層方向に沿って開口して前記情報カードの側面の少なくとも一部を露出させる露出用開口部とを有する収容容器と、
前記収容容器の露出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードを積層した場合に前記情報カードと通信可能となる周波数の電磁波を発するアンテナと、
前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、
を備えたことを特徴とする情報カード管理装置。
【請求項3】
第2のコイルおよび前記第2のコイルと共振回路を形成する第2のコンデンサを有する補助カードをさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の情報カード管理装置。
【請求項4】
前記第1のコイルは、前記情報カードが複数積層された場合に、前記アンテナから発せられる電磁波の周波数で通信可能となる自己インダクタンスを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報カード管理装置。
【請求項5】
前記移動機構は、
積層した複数の前記情報カードを載置する載置台と、
前記載置台を移動させる移動手段と、
を備え、
前記補助カードは、前記載置台に取り付けられることを特徴とする請求項3または4に記載の情報カード管理装置。
【請求項6】
ループ状に配索される導線によって形成され、前記ループ状をなす主配索パターンの一部または全体に亘って分散され、前記主配索パターンと比較して巻回形状が小さくなるように前記導線により形成された巻線パターンを有するコイルと、前記コイルと共振回路を形成するコンデンサとを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、
複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部と、前記情報カードの積層方向に沿って開口して前記情報カードの側面の少なくとも一部を露出させる露出用開口部とを有する収容容器と、
前記収容容器の露出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードと通信可能である周波数の電磁波を発するアンテナと、
前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、
を備えたことを特徴とする情報カード管理装置。
【請求項7】
導線を巻回して形成されるコイルと、前記コイルと共振回路を形成するコンデンサと、前記コイルに直列に接続されるとともに場所的に集中したインダクタンスを有して前記共振回路のインダクタンスを主として形成する集中定数型インダクタとを有する情報カードを管理する情報カード管理装置であって、
複数の前記情報カードを積層して収容し、前記情報カードの取出用開口部と、前記情報カードの積層方向に沿って開口して前記情報カードの側面の少なくとも一部を露出させる露出用開口部とを有する収容容器と、
前記収容容器の露出用開口部に近接して設けられ、前記情報カードと通信可能である周波数の電磁波を発するアンテナと、
前記収容容器に収容された情報カードのうち取り出し対象である情報カードを前記取出用開口部に移動させる移動機構と、
を備えたことを特徴とする情報カード管理装置。
【請求項8】
第2のコイルおよび前記第2のコイルと共振回路を形成する第2のコンデンサを有する補助カードをさらに備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の情報カード管理装置。
【請求項9】
前記収容容器は、金属製であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の情報カード管理装置。
【請求項10】
前記アンテナと前記情報カードとの通信をもとに前記情報カードの情報を読み取る読取装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の情報カード管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−14644(P2012−14644A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153250(P2010−153250)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】