情報システム、管理方法、およびプログラム
【課題】利用者が施設の駐車場に車両を駐車しておき、施設を利用する場合に、施設で受けるサービス、購入する商品等の代金との一括精算、割引精算などを受けられるようにする。
【解決手段】給電設備管理サーバは、給電設備から、給電設備の利用者を識別する利用者識別情報等を含む課金先情報を取得する課金先取得手段と、車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得手段と、課金先情報と電気料金の課金に係る情報とを支払い管理サーバに引き渡す手段と、を有する。また、支払い管理サーバは、商品またはサービスの対価とともに電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、給電設備管理サーバに支払い済みを通知する手段と、を有する。
【解決手段】給電設備管理サーバは、給電設備から、給電設備の利用者を識別する利用者識別情報等を含む課金先情報を取得する課金先取得手段と、車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得手段と、課金先情報と電気料金の課金に係る情報とを支払い管理サーバに引き渡す手段と、を有する。また、支払い管理サーバは、商品またはサービスの対価とともに電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、給電設備管理サーバに支払い済みを通知する手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体に搭載された蓄電装置へ給電される電力の料金管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
陸上輸送の分野においては、大気汚染や化石燃料の枯渇に対する懸念から、動力の一部またはすべてを電力に置き換えて走行する自動車の研究開発が盛んに行われている。このような自動車は、二次電池、コンデンサ等の蓄電装置を有し、種々の給電ポイントにおいて蓄電装置への充電が可能なものが想定されている。
【0003】
さらに、このような自動車に電力を供給する場合に、供給される電力の対価である電気料金の管理技術に関しては、様々なものが提案されている。例えば、車両を駐車場に入庫させるときに入庫時刻を記録した駐車券を発券し、さらにその駐車券に充電時間の算定情報を記録し、駐車料金と充電料金の精算を済ませると、車両の出庫を許可する駐車場装置が提案されている(特許文献1、請求項1参照)。
【0004】
また、充電時の認証作業を免許証などのIDカードで行い、家で充電を行った場合と、スーパー、百貨店、駐車場、ガソリンスタンドなどで充電を行った場合とで、電力会社の料金計算システム内で各世帯に一括して精算できるようなシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−312772号公報
【特許文献2】特開2009−129384号公報
【特許文献3】特開平6−318288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、利用者の日常生活、行動パターンと整合した料金の支払いシステムが確立されていなかった。例えば、利用者が施設の駐車場に車両を駐車しておき、施設を利用する場合に、施設で受けるサービス、購入する商品等の代金との一括精算、割引精算などの仕組みに対する配慮がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の手段を提案する。すなわち、本発明は、駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、給電設備管理サーバと通信し、給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバと、を備える情報システムとして例示できる。
【0008】
給電設備管理サーバは、給電設備から、給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、車両を特定する車両識別情報、および車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得手段と、車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得手段と、課金先情報と電気料金の課金に係る情報とを支払い管理サーバに引き渡す手段と、を有する。
【0009】
また、支払い管理サーバは、課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの購入に伴う対価を確定する手段と、課金先情報に対応する電気料金の課金に係
る情報を取得する手段と、商品またはサービスの対価とともに電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、給電設備管理サーバに支払い済みを通知する手段と、を有する。
【0010】
本情報システムによれば、支払い管理サーバは、課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの購入に伴う対価を確定する一方、課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得することができるので、利用者に対して、商品またはサービスの対価とともに電気料金を支払うように処理することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者が施設の駐車場に車両を駐車しておき、施設を利用する場合に、施設で受けるサービス、購入する商品等の代金との一括精算、割引精算など、利用者の日常生活、行動パターンと整合した料金の支払いの仕組みを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係るサーバ装置を含む給電システム全体の構成を示す図である。
【図2】施設の駐車場内で車両を駐車する駐車区画の構成を例示する図である。
【図3】実施例1に係る無線電力伝送装置101の構成を示す図である。
【図4】供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図5】利用者支払い方法テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図6】選択済み支払い方法テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図7】給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する図である。
【図8】レジ支払い管理処理のフローチャートを例示する図である。
【図9】出庫時の処理のフローチャートを例示する図である。
【図10】実施例2に係る供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図11】実施例2に係る給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する図である。
【図12】実施例2に係るレジ支払い管理処理のフローチャートを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、一実施形態に係る給電システムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本給電システムは実施形態の構成には限定されない。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明に係る給電システムおける料金管理技術の実施例1を図面に基づいて説明する。本実施形態では、主に無線電力伝送装置を備えることで、車載バッテリに対して磁界共鳴を用いた無線電力伝送によって充電を行う場合の料金管理について説明する。ただし、本料金管理技術は、無線電力伝送を用いて充電を行う方式の車両のための給電システムに限らず、バッテリからの電力を用いて駆動される車両のための給電システム全般に適用することが可能である。例えば、電力伝送ケーブルを介して給電装置と車載の充電ユニットとを有線で接続して充電するような方式を採用する給電システムについても、本発明は適用可能であるし、また、無線電力伝送についても、コイル間の電磁誘導を用いる方式や、磁界共鳴方式、マイクロ波伝送方式、等様々な伝送方式を採用した給電システムに適用可能である。さらに、給電対象は、バッテリのような二次電池に限定されることはなく、コンデンサを含む蓄電装置に給電する場合にも適用できる。
【0015】
<給電システム全体の構成>
図1は、実施例1に係るサーバ装置を含む給電システム全体の構成を示す図である。本給電システムは、施設管理サーバ2(支払い管理サーバに相当)と給電設備管理サーバ3
とを含むシステムとして例示できる。
【0016】
施設管理サーバ2は、利用者が施設で支払う利用料金、購入代金などを管理するサーバである。ここで、施設としては、スーパーマーケット、百貨店、ショッピングセンタ、その他の店舗、充電スタンド、テーマパーク、アミューズメント施設、遊園地、ゲームセンタ、映画館、劇場、コンサートホール、公園、動物園、水族館、体育館、プール、ジム、ホテルあるいは旅館などの宿泊施設、入浴施設、温泉施設、スキー場、ゴルフ場、病院、役所、高速道路のサービスエリア、一般道沿いの駐車休憩施設、空港、港、観光地の施設、その他駐車場を併設した施設全般を例示できる。施設管理サーバ2は、これらの施設において、利用者が施設を利用するときの料金、サービスを受けるときの料金、これらの施設で販売される商品の価格、支払い等を管理する。また、例えば、テーマパーク、アミューズメント施設、遊園地、映画館、劇場、コンサートホールなどで開催されるイベントで、利用者が事前にチケットを購入する場合には、施設管理サーバ2は、事前購入用の代金以外のサービス料金、買い物代金などを管理する。
【0017】
図1に示すように、費用の支払い窓口、例えば、店頭、カウンタ等に端末6が設置され、施設管理サーバ2に接続されている。ここで、端末6は、例えば、店頭のレジスタ、窓口、カウンタのパーソナルコンピュータ等であり、利用者からの料金の支払いを受け付ける。
【0018】
給電設備管理サーバ3は、施設に併設された給電設備を管理するサーバであり、給電設備による給電方式、規格、給電能力(急速充電の可否等)、設備の空き情報、予約情報などの管理、車両の駐車場への入庫検出、出庫の許可等を実行する。
【0019】
図1に示すように、車両は、バッテリ133を充電するための受電ユニット120を搭載しており、施設内の給電設備で充電を行うことができる。受電ユニット120は、無線通信手段により駐車場内の設備と通信し、駐車場への入庫、駐車場から出庫時に必要な情報を授受する。
【0020】
さらに、実施例1では、利用者が携帯電話5を携行している場合が多いことを想定している。例えば、利用者は、車両へ給電中の設備の識別情報情報(図2、図3の送電ユニット110など)、車両を識別する車両識別情報、および利用者を識別する利用者識別情報等を携帯電話5に保存し、施設管理サーバ2に接続される端末6に引き渡す。施設管理サーバ2は、端末6での利用者による施設利用料金、買い物代金等の支払いとともに、車両に給電された電力量に対する電気料金の支払いを受け付ける。その場合に、施設管理サーバ2は、利用者の携帯電話に保存された、送電ユニット110など識別情報、車両識別情報、利用者識別情報などを取得し、給電された車両の利用者と、施設の利用者とを結びつけ、費用を合算して精算する。
【0021】
なお、施設管理サーバ2と、給電設備管理サーバ3は、互いにネットワークを介して接続される。実施例1のネットワークにはインターネット、携帯電話網、専用回線、プライベートネットワーク、イントラネット等が相互に接続されたものを用いることが可能であり、具体的なネットワークとしては、施設管理サーバ2や給電設備管理サーバ3が互いに通信を行うのに適したネットワークが採用されることが好ましい。
【0022】
<駐車区画の構成>
図2に、施設の駐車場内で車両を駐車する駐車区画の構成を例示する。車両ごとの駐車区画には、無線電力伝送装置101の送電ユニット110が設置されている。車両は、送電ユニット110と電源ケーブルで接続された送電コイル115に、車両に内蔵された受電コイル125を対向させる位置に停止される。
【0023】
車両が、駐車区画に停止すると、送電ユニット110は、車両の入庫を検知し、給電処理を開始する。給電処理に際して、送電ユニット110は、例えば、ETC(Electronic
Toll Collection)車載機のDSRC(Dedicated Short-Range Communication) 通信装置から、車両を識別する車両識別情報と車両利用者の利用者識別情報を取得する。ここで、車両識別情報は、例えば、DSRC通信装置の装置番号である。また、車両識別情報は、ETCカード番号とともに、車載機のメモリに保持されている車両の番号でもよい。
【0024】
また、利用者識別情報は、ETC課金のためのETCのID(カード番号)でもよい。ただし、利用者識別情報は、例えば、利用者識別情報は、当該施設が利用者をユニークに識別するために発行した記号でもよい。例えば、施設がショッピングセンタの場合には、利用者識別情報は、ショッピング時のポイントサービスのための会員番号である。利用者識別情報として、施設の会員番号を用いる場合には、ETC車載機のメモリに事前に、会員番号を登録しておき、ETC車載機のDSRC通信装置によって、送電ユニット110に引き渡すようにすればよい。
【0025】
すると、送電ユニット110は、給電設備管理サーバ3または、施設管理サーバ2に、その利用者が、駐車場の送電ユニット110から給電を受ける場合の電力量に対する、選択可能な電気料金の支払い方法を問い合わせる。選択可能な料金の支払い方法は、利用者と施設との関係に応じて、種々の方式が存在し得る。送電ユニット110は、図示しないディスプレイ上に可能な支払い方法を表示し、ユーザの選択を受け付ける。支払い方法には、例えば、以下のものを例示できる。
(1)施設の利用料金、買い物の代金と合算して精算する。例えば、施設がショッピングセンタなどの場合には、買い物の代金支払いとともに、合算して精算する方法である。支払いは、クレジットカード(磁気カード、ICカード)の番号を指定、ICカード(携帯電話内蔵のICカードを含む)に格納された電子マネー、現金、プリペイドカード等による支払いとする。
(2)ETCの課金口座に課金する。この方法は、ETCによる高速道路通行料金、駐車場利用料金等と合算する方法である。
(3)駐車場からの出庫時に、例えば、駐車場の管理装置の端末にて支払う。支払いは現金またはプリペイドカードとする。
【0026】
利用者は、表示された支払い方法から、希望する支払い方法を選択する。送電ユニット110は、選択された支払い方法を給電設備管理サーバ3または、施設管理サーバ2に登録する。
【0027】
さらに、例えば、「電気料金を施設の利用料金、買い物の代金と合算して精算する」という選択肢が選択された場合には、送電ユニット110は、車両利用者の利用者識別情報、車両識別情報、駐車区画をユニークに識別する情報を利用者の携帯電話、または利用者のICカード等に保存する。なお、利用者が携帯電話5を用いて、バーコードなどの情報を読み取ることで、駐車区画をユニークに識別する情報を携帯電話5に保存するようにしてもよい。
【0028】
そして、送電ユニット110は、車両が移動できないようにロックした後、車両に給電を開始する。送電ユニット110は、利用者識別情報、車両識別情報、駐車区画をユニークに識別する情報などとともに、給電設備管理サーバ3を通じて、給電された電力量に相当する電気料金を施設管理サーバ2に伝達する。
【0029】
一方、利用者は、施設の利用料金、買い物の代金支払い時に、車両利用者の利用者識別情報、車両識別情報、駐車区画をユニークに識別する情報が保存された携帯電話、または
ICカード等を施設の端末6(店頭端末、レジスタ等)に提示する。すると、施設の端末6は、当該駐車区画において当該利用者識別情報で識別される利用者の当該車両識別情報で識別される車両に供給された電力量の課金のため情報(例えば、電力量、電量料金額など)を施設管理サーバ2から取得する。そして、施設の端末6は、電気料金を施設の利用料金、買い物の代金と合算して提示する。このとき、さらに、駐車料金を合算して提示してもよい。
【0030】
そして、端末6に現金で支払われたことのキー操作、クレジットカードによる支払い、ICカードの電子マネーによる支払い等の操作がなされた場合、施設の端末6は、施設管理サーバ2を通じて、給電設備管理サーバ3に、電気料金の支払い完了を報告する。
【0031】
すると、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110に、車両のロックを解除するように指令する。車両のロックは、例えば、利用者が支払った駐車料金等に応じて決定される。例えば、2時間分の駐車料金を支払った場合には、電気料金の支払い完了の報告から、2時間ロックを解除すればよい。ただし、駐車料金に換算可能なサービスポイントを利用者が有している場合には、サービスポイントに応じた時間だけロックを解除してもよい。なお、電気料金の支払い完了の報告から、所定期間経過した場合には、再度、車両がロックされるので、利用者は追加の駐車料金を支払うようにすればよい。
【0032】
また、施設の利用料金、買い物の代金支払い時に、車両のバッテリの給電が完了していない場合には、以下の対応を採ることができる。
(1)施設の利用料金、買い物の代金支払い時に充電を打ち切る。
(2)利用者が出庫するまでの時間を指定して、指定された時間までの供給電力量を予測し、事前に指定された時間までの電気料金の支払いを受ける。この場合、利用者は、指定した時間まで、あるいは、予測された電力量が供給されるまで待つことになる。
【0033】
<無線電力伝送装置の構成>
本実施形態では、車載バッテリ133に対する給電方法として、無線電力伝送が用いられる。図3は、実施例1に係る無線電力伝送装置101の構成を示す図である。無線電力伝送装置101は、大きく分けて送電ユニット110および受電ユニット120を備える。このうち、送電ユニット110は、車両が停止する位置(例えば、駐車スペース)の地面側に設けられ、送電コントローラ117、コンバータ113、送電アンプ114、送電コイル115、共振制御ユニット116、発振回路118、アンテナ111およびデータ送受信ユニット112を備える。ここで、送電コイル115は、例えば、駐車スペースの車止めを基準とした所定位置等、車両が停止した場合の位置合わせが容易な位置に、車両底面に設けられた受電コイル125に対向するように設けられることが好ましい。
【0034】
送電コントローラ117は、予め設定された送電用の設定内容、データ送受信ユニット112による受電ユニット120とのデータ送受信結果、および送電アンプ114から得られた送電電力モニタ結果にしたがって、発振回路118、共振制御ユニット116、コンバータ113を制御する。データ送受信ユニット112は、アンテナ111に接続された、無線通信のための通信インターフェースである。また、コンバータ113は、供給された交流または直流の電力を直流電流へ変換し、送電アンプ114へ送る。なお、コンバータ113による出力電圧は、送電コントローラ117によって制御される。また、送電アンプ114は、コンバータ113から送られた電力を、発振回路118から与えられた周波数で、送電コイル115へ入力する。ここで、発振回路118によって与えられる周波数は、送電コントローラ117によって制御される。
【0035】
共振制御ユニット116は、送電コントローラ117による指示にしたがって、送電コイル115に設けられたコンデンサ(キャパシタ)の容量を制御する等の方法で、送電ユ
ニット110の共振周波数を、受電ユニット120の共振周波数と一致するように制御する。また、発振回路118は、送電コントローラ117による指示にしたがって、送電コイル115へ発振される周波数を、共振周波数と一致するように制御する。即ち、本実施形態に係る送電ユニット110は、送電コントローラ117によって送電ユニット110の共振周波数と受電ユニット120の共振周波数が一致するように制御され、この共振周波数で送電されるように、発振回路118が制御されることで、磁界共鳴による無線電力伝送を可能とするものである。
【0036】
また、受電ユニット120は、車両に設けられ、受電コントローラ127、受電コイル125、共振制御ユニット126、整流回路128、DC/DC(直流/直流)コンバータ129、アンテナ121およびデータ送受信ユニット122を備える。ここで、受電コイル125は、車両底面の、地面に設置された送電ユニット110と対向する位置に設けられることが好ましい。また、受電ユニット120は、車載の充放電制御装置131を介して、車載バッテリ133やモータ132に接続される。なお、充放電制御装置131は、アクセル操作に応じて車載バッテリ133から車両駆動用の電力を放電させ、また、ブレーキが操作された場合には、モータ132によって発電された電力が車載バッテリ133に充電されるように制御される。
【0037】
受電コントローラ127は、予め設定された受電用の設定内容、データ送受信ユニット122による送電ユニット110とのデータ送受信結果、および整流回路128から得られた受電電力モニタ結果にしたがって、共振制御ユニット126、整流回路128およびDC/DCコンバータ129を制御する。データ送受信ユニット122は、アンテナ121に接続された、無線通信のための通信インターフェースである。また、受電コイル125には、送電コイル115との間の磁界共鳴によって電流が流れる。ここで、受電コントローラ127は、送電コイル115との間で磁界共鳴を発生させるために、受電コイル125の共振周波数が送電ユニット110と一致するように共振制御ユニット126を制御する。
【0038】
なお、受電コントローラ127が、ETCカード読み取り装置を有し、ETC車載機としての機能を提供してもよい。すなわち、受電コントローラ127が、ETCカード読み取り装置を介して、路側に置かれた送電ユニット110の送受信ユニット112を通じて、ETCカードのIDを送電ユニット110に伝達してもよい。ただし、受電コントローラ127、送受信ユニット122とは別個に、車両がETC車載機およびDSRC通信装置を備えるようにしてもよい。
【0039】
整流回路128(AC/DCコンバータ)およびDC/DCコンバータ129は、充放電制御側による取り出し電力を一定に保つことで、送電側の電圧変更による受電側の見かけの負荷抵抗の制御を可能とする。
【0040】
<管理されるデータのデータ構造>
図4に、給電設備管理サーバ3が有する供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する。供給電力管理テーブルは、送電ユニット識別情報、利用者識別情報、車両識別情報、供給電力量、充電状態、完了見込み時間、支払い済みフラグの各フィールドを有する。
【0041】
図4では、フィールドを示すフィールド名が示されている。供給電力管理テーブルは、図4に示すフィールド名のフィールドを含むレコードを有する。図4の各行がレコードに相当する。供給電力管理テーブルは、給電設備管理サーバ3のメモリに保存される。
【0042】
送電ユニット識別情報は、少なくとも当該施設の駐車場内で送電ユニット110をユニークに識別する情報である。例えば、送電ユニット識別情報は、送電ユニット110が設
置された駐車区画の通し番号と一致していてもよい。また、送電ユニット識別情報は、送電ユニットを個々に識別するために、施設で設定したコードでもよい。送電ユニット識別情報は、装置識別情報に相当する。
【0043】
利用者識別情報は、少なくとも施設内で利用者をユニークに識別する情報である。上述のように、利用者識別情報は、例えば、ETCカード番号、施設内での利用者の会員番号などである。
【0044】
また、車両識別情報は、例えば、DSRC通信装置の装置番号である。また、ETCカード番号とともに、車載機のメモリに保持されている車両の番号でもよい。
【0045】
供給電力量は、現在までに送電ユニット識別情報で指定される送電ユニット110から、利用者識別情報で指定される利用者の、車両識別情報で指定される車両に供給された電力量である。充電状態は、車両のバッテリの現在の充電状態である。充電状態は、例えば、満充電を100%としたときの電力量の割合で記述される。完了見込み時間は、充電完了までの見込み時間である。支払い済みフラグは、供給電力量に対する料金の支払いが完了したことを示すフラグである。
【0046】
図5に、給電設備管理サーバ3が利用者ごとに可能な支払い方法を判断するための利用者支払い方法テーブルのデータ構造を例示する。利用者支払い方法テーブルは、給電設備管理サーバ3のメモリに保存される。ただし、施設管理サーバ2が利用者支払い方法テーブルを管理し、保存し、給電設備管理サーバ3からの要求に応じて、施設管理サーバ2が利用者支払い方法テーブルの情報を給電設備管理サーバ3に引き渡すようにしてもよい。なお、給電設備管理サーバ3が利用者に可能な支払い方法を選択させる場合に、駐車場からの出庫時に、駐車場の管理装置の端末にて支払う方法は、すべての利用者に対して選択肢の一つとなる。また、施設の利用料金、買い物の代金と合算して精算する場合に、給電設備管理サーバ3は、利用者支払い方法テーブルを参照し、利用者が使用可能な手段を選択する。また、給電設備管理サーバ3は、利用者支払い方法テーブルを参照し、利用者がETC車載機を車両に搭載している場合には、ETCの課金口座に課金するという方法も、当該利用者が使用可能な方法とする。
【0047】
利用者支払い方法テーブルは、ETCの有無、クレジットカードの有無、ICカードの有無、携帯電話の有無の各フィールドを有している。図5においても、フィールドを示すフィールド名が示されている。利用者支払い方法テーブルは、図5に示すフィールド名のフィールドを含むレコードを有する。図5の各行がレコードに相当する。利用者支払い方法テーブルは、給電設備管理サーバ3のメモリに保存される。
【0048】
ETCの有無のフィールドには、利用者識別情報で指定される利用者が車両識別情報で識別される車両に、ETC車載機を有しているか否かが設定される。同様に、クレジットのカードの有無のフィールドには、利用者識別情報で指定される利用者がクレジットカードのサービスに加入しているか否かが指定される。同様に、ICカードの有無のフィールドには、利用者がICカードを保有いるか否かが指定される。同様に、携帯電話の有無のフィールドには、利用者が携帯電話を保有いるか否かが指定される。
【0049】
図6に、選択済み支払い方法テーブルのデータ構造を例示する。選択済み支払い方法テーブルは、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2に引き渡され、保存される。ただし、給電設備管理サーバ3が利用者支払い方法テーブルを管理し、保存し、施設管理サーバ2からの要求に応じて、給電設備管理サーバ3が選択済み支払い方法テーブルの情報を施設管理サーバ2に引き渡すようにしてもよい。
【0050】
図6のように、選択済み支払い方法テーブルは、利用者識別情報、車両識別情報、および、利用者の選択した支払い方法の各フィールドを有している。すなわち、選択済み支払い方法テーブルは、利用者識別情報で指定される利用者が、車両識別情報で指定される車両で、入庫したときに選択した支払方法を記憶する。
【0051】
<処理フロー>
図7に、給電設備管理サーバ3が実行する給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する。給電設備管理サーバ3のCPUは、メモリ上に展開されたコンピュータプログラム(第1のプログラムに相当)によって図7の処理を実行する。
【0052】
この処理では、給電設備管理サーバ3は、車両の入庫を検知する(S1)。例えば、車両が駐車区画に侵入したとき、受電ユニット120がアンテナ121およびデータ送受信ユニット122を通じて無線信号を発する。すると、駐車区画に設置された送電ユニット110がアンテナ111およびデータ送受信ユニット112を通じて、受電ユニット120からの無線信号を検知する。すなわち、送電ユニット110は、受電ユニット120からの無線信号を検知することで、入庫を確認する。受電ユニット120は、車両の入庫を検知すると、その旨を給電設備管理サーバ3に通知する。
【0053】
次に、給電設備管理サーバ3は、入庫した車両の車両識別情報と、利用者の利用者識別情報と、車両が駐車した位置の送電ユニット110を識別する情報を取得する(S2)。給電設備管理サーバ3のCPUは、課金先取得手段として、S2の処理を実行する。なお、実施例1では、送電ユニット110を識別する情報はなくても構わない。そこで、以下では、送電ユニット110を識別する情報は省略する。また、給電設備管理サーバ3は、入庫した車両の車両識別情報および利用者の利用者識別情報の少なくとも一方を取得するだけでもよい。要するに、少なくとも利用者または利用者の車両が特定できれば、施設利用時の種々の特典を受けることができるからである。
【0054】
実施例1では、例えば、送電ユニット110が受電ユニット120との通信により、車載された受電ユニット120が有する車両識別情報(DSRC通信装置の装置番号、車両番号等)、および利用者識別情報(ETCのID、施設の会員番号等)を取得する。そして、送電ユニット110が車両識別情報と利用者識別情報とを給電設備管理サーバ3に通知する。
【0055】
次に、給電設備管理サーバ3は、S2で取得した車両識別情報、および利用者識別情報を基に、利用者支払い方法テーブルを参照し、利用者が選択可能な精算方法を決定し、図示しない送電ユニット110のディスプレイに表示する。例えば、利用者が選択可能な精算方法の大項目には、初期値として、「施設の利用料金、買い物の代金と合算」と「駐車場からの出庫時に支払う」がある。さらに、利用者支払い方法テーブルにて、利用者が入庫した車両にETC車載機「あり」との指定されている場合には、さらに、「ETCの課金口座に課金する」が選択肢に追加される。
【0056】
また、以上のような大項目のうち、「施設の利用料金、買い物の代金と合算」と「駐車場からの出庫時に支払う」とについては、現金支払いの他に、給電設備管理サーバ3は、利用者支払い方法テーブルを参照し、クレジットカード、ICカードの電子マネー、携帯電話の電子マネー等のさらなる選択肢を表示する。
【0057】
次に、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110の操作部を介して、利用者の選択を受け付ける(S4)。送電ユニット110の操作部は、例えば、メニューの番号を指定する押しボタンでもよい。また、送電ユニット110の操作部は、ディスプレイのカーソルを移動するポインティングデバイスでもよい。また、送電ユニット110の操作部は、
ディスプレイ上の操作を検出するタッチパネルでもよい。
【0058】
次に、給電設備管理サーバ3は、利用者の選択結果が、レジ支払いか否かを判定する(S5)。利用者がレジ支払いを選択した場合、給電設備管理サーバ3は、精算方法(レジ支払い)を施設管理サーバ2へ通知する(S6)。さらに、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110のアンテナ111およびデータ送受信ユニット112を通じて、利用者識別情報、車両識別情報を携帯電話または利用者のICカードに転送する(S7)。給電設備管理サーバ3のCPUは、利用者が保持する携帯機器に課金先情報を伝達する手段として、S7の処理を実行する。
【0059】
そして、給電設備管理サーバ3は、利用者識別情報、車両識別情報を携帯電話または利用者のICカードへの転送にエラーがあったか否かを判定する(S8)。エラーがあった場合とは、利用者が携帯電話、ICカード等を携行していなかったために、利用者識別情報、車両識別情報を携帯電話または利用者のICカードへ転送できなかった場合、携帯電話の電源が十分でなく通信できなかった場合などである。
【0060】
S8の判定でエラーがあった場合には、給電設備管理サーバ3は、代替手段によって、利用者に利用者識別情報、車両識別情報を通知する(S9)。例えば、給電設備管理サーバ3は、駐車券に、利用者識別情報、車両識別情報を書き込み、紙媒体で通知すればよい。また、紙媒体(紙製のカードなど)、電子媒体(磁気カード、ICカードなど)を発行してもよい。ただし、利用者の携帯電話を使用した場合には、料金を割り引くようにしてもよい。
【0061】
次に、給電設備管理サーバ3は、給電処理を起動する(S10)。その後、給電処理が完了までの所定の時間間隔で、給電設備管理サーバ3は、車両のバッテリ133の充電状態を取得し、施設管理サーバ2に通知する(S11、S12)。そして、車両のバッテリ133の充電が完了すると、給電設備管理サーバ3は、処理を完了する。給電設備管理サーバ3は、課金情報取得手段および記課金先情報と課金に係る情報とを支払い管理サーバに引き渡す手段として、S12の処理を実行する。なお、図7のように、S11とS12の処理を繰り返し実行する代わりに、充電が完了したときに供給電力量または供給電力量に相当する電気料金を施設管理サーバ2に通知するようにしてもよい。また、充電が完了する前は、施設管理サーバ2からの問い合わせに応じて、車両のバッテリ133の充電状態を通知するようにしてもよい。
【0062】
図8に、施設管理サーバ2が実行するレジ支払い管理処理のフローチャートを例示する。施設管理サーバ2のCPUは、メモリ上に展開されたコンピュータプログラム(第2のプログラムに相当)によって図8の処理を実行する。
【0063】
この処理では、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3から利用者への給電電力に対する精算方法を受信する(S21)。そして、施設管理サーバ2は、利用者識別情報、車両識別情報、および精算方法をメモリ上の選択済み支払い方法テーブルに保存する(S22)。
【0064】
次に、施設管理サーバ2は、施設の利用に伴う利用料金を算出する(S23)。例えば、施設がショッピングセンタの場合には、施設管理サーバ2は、端末6から利用者の買い物代金を受け付け、合計金額を算出する。また、例えば、施設が美術館、映画館、テーマパークなどの場合には、端末6からの操作を受け付け、予約料金の支払い状況をメモリ上の管理テーブルを参照し、施設利用時に利用者に請求する料金を算出する。例えば、チケット購入によって、すでに料金が支払われている場合の延長料金、施設内で追加したオプション料金、その他の追加料金、事前支払いのない場合の施設の利用料金、買い物代金等
が計算される。
【0065】
次に、施設管理サーバ2は、携帯電話または利用者のICカードから利用者識別情報と車両識別情報とを取得する(S24)。施設管理サーバ2のCPUは、課金先情報に対応する商品またはサービスの購入に伴う対価を確定する手段として、S23およびS24の処理を実行する。また、施設管理サーバ2のCPUは、利用者が保持する携帯機器から課金先情報を取得する手段として、S24の処理を実行する。
【0066】
そして、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3から、その利用者識別情報で識別される利用者の車両識別情報で識別される車両への充電状態を取得する(S25)。そして、施設管理サーバ2は、充電が完了したか否かを判定する(S26)。施設管理サーバ2は、課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得する手段として、S25、S26の処理を実行する。また、施設管理サーバ2のCPUは、給電が完了したか否かを問い合わせる手段として、S25、S26の処理を実行する。
【0067】
さらに、充電が完了していない場合、施設管理サーバ2は、利用者に充電を打ち切るか否かの問い合わせを行う。そして、端末6に対する利用者またはオペレータからの応答にしたがい、充電を打ち切るか否かを判定する(S27)。施設管理サーバ2のCPUは、給電を停止するか否かの入力を受け付ける手段として、S27の処理を実行する。
【0068】
そして、充電を打ち切らない場合、施設管理サーバ2は、出庫時の充電量を予測する。例えば、施設管理サーバ2は、端末6を通じた利用者またはオペレータからの応答にしたがい、利用者の車両の出庫予定時刻を取得する。そして、施設管理サーバ2は、その出庫予定時刻における充電量の予測値を給電設備管理サーバ3に問い合わせる(S28)。ただし、施設管理サーバ2がその出庫予定時刻における充電量の予測値を算出してもよい。出庫予定時刻における充電量の予測値は、充電開始から現在のまでの充電時間、その充電時間での充電電力量の変化状況、および現在から出庫予定時刻までの充電時間により、実験式にしたがって算出すればよい。実験式は、充電時間と充電電力量との関係を示す一次、あるいは高次の近似式であり、例えば、予め、実験、実測等により求めておけばよい。
【0069】
ただし、出庫時刻から充電電力量を予測する代わりに、単純に、利用者またはオペレータが必要な充電量を指定してもよい。例えば、満充電を100パーセントとしたときの百分率で、充電量を指定してよい。また、現在の充電量から増加したい充電量を百分率(10%増加など)で指定してもよい。また、最低必要な電力量をkWhで指定してもよい。また、また、最低必要な電力量を車両の走行距離で指定してもよい。施設管理サーバ2または給電設備管理サーバ3が車両識別情報とともに、車両の特性情報(型式、重量など)を保持しておき、走行距離に必要な電力量を算出すればよい。
【0070】
次に、施設管理サーバ2は、電気料金を算出する(S29)。ただし、給電設備管理サーバ3が電気料金を算出し、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3による電気料金算出結果を取得するようにしてもよい。この意味で、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2へ引き渡される情報は、供給された電力量でもよいし、電力量に対する電気料金でもよい。そこで、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2へ引き渡される情報を課金に係る情報と呼ぶことにする。算出する電気料金は、S27−S28の処理によって定まり、例えば、充電完了までの電気料金、打ち切り時点までの電気料金、出庫時の予測充電量に対する電気料金のいずれかである。
【0071】
次に、施設管理サーバ2は、支払い方法、施設利用料金、買い物料金、および利用者が加入するポイント割引システムでの獲得ポイントによる割引率、あるいは、割引額を算出する(S30)。獲得ポイントによる割引を行う場合、施設管理サーバ2は、割引に対応
するポイントを減少させる。そして、施設管理サーバ2は、割引率あるいは割引額で割り引いた電気料金と、施設利用料金あるいは買い物料金との合計額を端末6のディスプレイに表示する。また、施設管理サーバ2のCPUは、割引額または割引率を適用した電気料金を表示する手段として、S30の処理を実行する。
【0072】
次に、施設管理サーバ2は、端末6を介してオペレータからの精算処理を受け付ける(S31)。精算は、例えば、現金による入金、ICカードまたは携帯電話の電子マネーによる入金、クレジットカードによる決済等である。そして、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3への精算完了報告、あるいは、充電続行の場合の充電目標値等を通知する(S32)。施設管理サーバ2のCPUは、支払い済みを通知する手段として、S32の処理を実行する。また、施設管理サーバ2のCPUは、給電停止条件を受けて、給電設備管理サーバに通知する手段として、S27、S28およびS32の処理を実行する。
【0073】
図9に、給電設備管理サーバ3が実行する出庫時の処理のフローチャートを例示する。この処理では、給電設備管理サーバ3は、精算完了報告と、充電続行の場合の目標充電電力量を受信する(S41)。そして、給電設備管理サーバ3は、メモリ上の選択済み支払い方法テーブルを参照し、精算方法が出庫時の支払いか否かを判定する(S42)。
【0074】
精算方法が出庫時の支払いの場合、給電設備管理サーバ3は、支払いを受け付ける(S43)。例えば、送電ユニット110の筐体に設けられた図示しない料金投入口から、現金を受け付ける。あるいは、給電設備管理サーバ3は、ICカード読み取り装置を介して、電子マネーの価値情報を取得してもよい。また、あるいは、給電設備管理サーバ3は、携帯電話のICカード読み取り装置を介して、電子マネーの価値情報を取得してもよい。
【0075】
一方、出庫時支払いでない場合、給電設備管理サーバ3は、精算済みか否かを判定する(S44)。精算済みでない場合、利用者が出庫時支払いを選択していなかったとしても、給電設備管理サーバ3は、出庫時の支払いを促す(S43)。一方、精算済みの場合、給電設備管理サーバ3は、充電済みの供給電力量に対する精算が完了しているか否かを判定する(S45)。充電済みの供給電力量に対する精算が完了してない場合、給電設備管理サーバ3は、目標充電電力までの充電が完了しているか否かを判定する(S46)。そして、給電設備管理サーバ3は、目標充電電力までの充電が完了するまで処理を継続する。
【0076】
そして、S43による支払いの完了、充電済み電力量での精算完了、または、目標充電電力までの支払いと充電の完了のいずれかの条件が満たされた場合、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110を通じて、車両のロックを解除する(S47)。
【0077】
以上述べたように、実施例1の料金管理技術によれば、利用者は、車両のバッテリ133への充電時の供給電力量と、施設利用料金あるいは買い物代金とを合算で精算できる。そのため、実施例1の料金管理技術によれば、給電設備管理サーバ3は、充電を受ける車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報を利用者の携帯する携帯電話に転送する。利用者は、携帯電話を施設の端末6に提示することにより、携帯電話に転送された車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報を端末6に入力する。ただし、端末6への入力は、施設のオペレータが行ってもよい。携帯電話を介した車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報の入力により、施設管理サーバ2は、施設利用者と車両に対する給電設備利用者とを結びつけることができる。したがって、駐車券のような紙媒体を発行する場合と比較して、ランニングコストを抑制した上で、駐車区画に駐車し、給電設備を利用する車両と利用者とを管理できる。例えば、利用者が携帯電話を携行していなかった場合、あるいは、携帯電話の二次電池に十分な電力がなかった場合に限定して、紙媒体などを発行すればよい。また、車両のバッテリ133に給電された電気料金と施設利
用料金とを合算して処理できるので、利用者としても、少ない手続で、電気料金と施設利用料金とを精算できる。また、施設側としては、施設利用料金、買い物代金、割引ポイント等による割引制度を活用し、利用者が施設を訪問するインセンティブを与えることができる。
【0078】
また、利用者としては、種々の支払い方法から、自身に都合のよい支払い方法で、かつ、割引制度を利用して、電気料金と施設利用料金とを精算できる。
【0079】
なお、以上の処理において、施設は、携帯電話が施設管理サーバ2から、充電を受ける車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報を受け取り、給電設備管理サーバ3に引き渡す処理を実行するようにするため、携帯電話用のアプリケーションを用意し、配布すればよい。例えば、当該施設専用のウェブサイトを設け、当該施設の利用者に、ネットワークを通じて、携帯電話にアプリケーションをダウンロードさせればよい。
【0080】
<変形例>
上記実施例1では、利用者は、施設に対して電気料金を支払う例を示した。しかし、例えば、給電設備の運営を電力会社が行う場合も同様に、実施例1の構成を適用できる。例えば、施設管理サーバ2は施設に運営され、一方、充電設備管理サーバ3を含めた給電設備は、電力会社が運営するようにすればよい。そして、利用者がレジ支払いを選択し、レジ支払いがなされた場合には、施設管理サーバ2から充電設備管理サーバ3(電力会社側)に対して、送金処理を実行するようにすればよい。
【0081】
また、上記実施例1では、電気料金、施設の利用料金、買い物代金等の支払いは、施設管理サーバ2で行うようにしたが、施設管理サーバ2に代えて、端末6が上記処理を実行するようにしてもよい。同様に、上記実施例1では、入庫の検知、利用者情報等の携帯電話5への引き渡し、発券、出庫時のロックの解除等を給電設備管理サーバ3が実行するようにしたが、給電設備管理サーバ3に代えて、送電ユニット110の送電コントローラ117が、上記処理を実行するようにしてもよい。
【実施例2】
【0082】
図10から図12を参照して、本発明に係る給電システムに係る料金管理技術の実施例2を図面に基づいて説明する。上記実施例1では、車両のバッテリ133への充電のための電気料金と施設利用料金あるいは買い物代金との合算のため、利用者識別情報、車両識別情報が利用者の携行する携帯電話に転送された。一方、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2に、給電中の車両と利用者を特定するため、利用者識別情報、車両識別情報が転送された。そして、端末6で、施設利用料金あるいは買い物代金と、電気料金とを合算する際に、利用者識別情報、車両識別情報を用いて、給電中の車両および利用者と、施設利用者(あるいは買い物客)とを結びつけ、合算処理を行った。
【0083】
しかし、利用者識別情報、車両識別情報を用いる代わりに、単純に、駐車区画を識別する情報、あるいは、送電ユニット110を識別する情報だけを用いるようにしてもよい。駐車区画を識別する情報、あるいは、送電ユニット110を識別する情報だけを用いることによって、利用者としては、個人情報を提供することなく、給電を受け、かつ、施設利用料金あるいは買い物代金と合算した電気料金の精算を行うことができる。施設側としては、車両がロックされているので、利用者識別情報、車両識別情報までも取得しなくても、電力の支払いを担保できる。
【0084】
実施例2の他の構成および作用は、実施例1と同様である。そこで、同一の構成要素については、実施例1と同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0085】
図10は、給電設備管理サーバ3が有する、実施例2に係る供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する。図10の例では、図4の場合と比較して、利用者識別情報、および車両識別情報がない。他のフィールドについては、図4と同様であるので、その説明を省略する。
【0086】
図11に、実施例2に係る給電設備管理サーバ3が実行する給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する。図11の処理は、図7の処理と比較して、S7Aの処理が相違する。すなわち、実施例2においては、給電設備管理サーバ3は、利用者識別情報、車両識別情報を利用者の携帯電話あるいはICカードに転送する代わりに、送電ユニット110を識別する送電ユニット識別情報を送信する。
【0087】
図12に、実施例2に係る施設管理サーバ2が実行するレジ支払い管理処理のフローチャートを例示する。図12の処理は、図8の処理と比較して、S24AおよびS30Aの処理が相違する。すなわち、実施例2においては、施設管理サーバ2は、利用者の携帯電話あるいはICカードから、送電ユニット識別情報を取得する。そして、施設管理サーバ2は、送電ユニット識別情報に基づいて、車両のバッテリ133の充電状態を取得する(S25)。以後、S30Aまでの処理は、図8と同様であるのでその説明を省略する。
【0088】
図12の処理では、施設管理サーバ2は、利用者識別情報を取得していないので、例えば、ポイント割引システムでの獲得ポイントを参照しないで、支払い方法、利用料金あるいは買い物代金による割引計算を実行する(S30A)。ただし、端末6に対して、利用者がポイント割引システムで発行されたカードなどを提示することで、獲得ポイントによる割引を受けられるようにしてもよい。少なくとも、利用者は、駐車区画を管理する給電設備サーバ3に対しては、ETC車載機を通じた利用者識別情報、および車両識別情報等の個人情報の提供をしなくてもよい。
【0089】
以上述べたように、実施例2の料金管理技術によれば、個人情報の安全性を高めた上で、車両のバッテリ133に対する給電を行い、さらに給電された電気料金と、施設利用料金あるいは買い物代金とを合算した精算ができる。
【0090】
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0091】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【符号の説明】
【0092】
2 施設管理サーバ
3 給電設備管理サーバ
5 携帯電話
6 端末
101 給電システム
120 受電ユニット
125 受電コイル
133 バッテリ
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体に搭載された蓄電装置へ給電される電力の料金管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
陸上輸送の分野においては、大気汚染や化石燃料の枯渇に対する懸念から、動力の一部またはすべてを電力に置き換えて走行する自動車の研究開発が盛んに行われている。このような自動車は、二次電池、コンデンサ等の蓄電装置を有し、種々の給電ポイントにおいて蓄電装置への充電が可能なものが想定されている。
【0003】
さらに、このような自動車に電力を供給する場合に、供給される電力の対価である電気料金の管理技術に関しては、様々なものが提案されている。例えば、車両を駐車場に入庫させるときに入庫時刻を記録した駐車券を発券し、さらにその駐車券に充電時間の算定情報を記録し、駐車料金と充電料金の精算を済ませると、車両の出庫を許可する駐車場装置が提案されている(特許文献1、請求項1参照)。
【0004】
また、充電時の認証作業を免許証などのIDカードで行い、家で充電を行った場合と、スーパー、百貨店、駐車場、ガソリンスタンドなどで充電を行った場合とで、電力会社の料金計算システム内で各世帯に一括して精算できるようなシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−312772号公報
【特許文献2】特開2009−129384号公報
【特許文献3】特開平6−318288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、利用者の日常生活、行動パターンと整合した料金の支払いシステムが確立されていなかった。例えば、利用者が施設の駐車場に車両を駐車しておき、施設を利用する場合に、施設で受けるサービス、購入する商品等の代金との一括精算、割引精算などの仕組みに対する配慮がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の手段を提案する。すなわち、本発明は、駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、給電設備管理サーバと通信し、給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバと、を備える情報システムとして例示できる。
【0008】
給電設備管理サーバは、給電設備から、給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、車両を特定する車両識別情報、および車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得手段と、車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得手段と、課金先情報と電気料金の課金に係る情報とを支払い管理サーバに引き渡す手段と、を有する。
【0009】
また、支払い管理サーバは、課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの購入に伴う対価を確定する手段と、課金先情報に対応する電気料金の課金に係
る情報を取得する手段と、商品またはサービスの対価とともに電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、給電設備管理サーバに支払い済みを通知する手段と、を有する。
【0010】
本情報システムによれば、支払い管理サーバは、課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの購入に伴う対価を確定する一方、課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得することができるので、利用者に対して、商品またはサービスの対価とともに電気料金を支払うように処理することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者が施設の駐車場に車両を駐車しておき、施設を利用する場合に、施設で受けるサービス、購入する商品等の代金との一括精算、割引精算など、利用者の日常生活、行動パターンと整合した料金の支払いの仕組みを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係るサーバ装置を含む給電システム全体の構成を示す図である。
【図2】施設の駐車場内で車両を駐車する駐車区画の構成を例示する図である。
【図3】実施例1に係る無線電力伝送装置101の構成を示す図である。
【図4】供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図5】利用者支払い方法テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図6】選択済み支払い方法テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図7】給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する図である。
【図8】レジ支払い管理処理のフローチャートを例示する図である。
【図9】出庫時の処理のフローチャートを例示する図である。
【図10】実施例2に係る供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する図である。
【図11】実施例2に係る給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する図である。
【図12】実施例2に係るレジ支払い管理処理のフローチャートを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、一実施形態に係る給電システムについて説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本給電システムは実施形態の構成には限定されない。
【実施例1】
【0014】
以下、本発明に係る給電システムおける料金管理技術の実施例1を図面に基づいて説明する。本実施形態では、主に無線電力伝送装置を備えることで、車載バッテリに対して磁界共鳴を用いた無線電力伝送によって充電を行う場合の料金管理について説明する。ただし、本料金管理技術は、無線電力伝送を用いて充電を行う方式の車両のための給電システムに限らず、バッテリからの電力を用いて駆動される車両のための給電システム全般に適用することが可能である。例えば、電力伝送ケーブルを介して給電装置と車載の充電ユニットとを有線で接続して充電するような方式を採用する給電システムについても、本発明は適用可能であるし、また、無線電力伝送についても、コイル間の電磁誘導を用いる方式や、磁界共鳴方式、マイクロ波伝送方式、等様々な伝送方式を採用した給電システムに適用可能である。さらに、給電対象は、バッテリのような二次電池に限定されることはなく、コンデンサを含む蓄電装置に給電する場合にも適用できる。
【0015】
<給電システム全体の構成>
図1は、実施例1に係るサーバ装置を含む給電システム全体の構成を示す図である。本給電システムは、施設管理サーバ2(支払い管理サーバに相当)と給電設備管理サーバ3
とを含むシステムとして例示できる。
【0016】
施設管理サーバ2は、利用者が施設で支払う利用料金、購入代金などを管理するサーバである。ここで、施設としては、スーパーマーケット、百貨店、ショッピングセンタ、その他の店舗、充電スタンド、テーマパーク、アミューズメント施設、遊園地、ゲームセンタ、映画館、劇場、コンサートホール、公園、動物園、水族館、体育館、プール、ジム、ホテルあるいは旅館などの宿泊施設、入浴施設、温泉施設、スキー場、ゴルフ場、病院、役所、高速道路のサービスエリア、一般道沿いの駐車休憩施設、空港、港、観光地の施設、その他駐車場を併設した施設全般を例示できる。施設管理サーバ2は、これらの施設において、利用者が施設を利用するときの料金、サービスを受けるときの料金、これらの施設で販売される商品の価格、支払い等を管理する。また、例えば、テーマパーク、アミューズメント施設、遊園地、映画館、劇場、コンサートホールなどで開催されるイベントで、利用者が事前にチケットを購入する場合には、施設管理サーバ2は、事前購入用の代金以外のサービス料金、買い物代金などを管理する。
【0017】
図1に示すように、費用の支払い窓口、例えば、店頭、カウンタ等に端末6が設置され、施設管理サーバ2に接続されている。ここで、端末6は、例えば、店頭のレジスタ、窓口、カウンタのパーソナルコンピュータ等であり、利用者からの料金の支払いを受け付ける。
【0018】
給電設備管理サーバ3は、施設に併設された給電設備を管理するサーバであり、給電設備による給電方式、規格、給電能力(急速充電の可否等)、設備の空き情報、予約情報などの管理、車両の駐車場への入庫検出、出庫の許可等を実行する。
【0019】
図1に示すように、車両は、バッテリ133を充電するための受電ユニット120を搭載しており、施設内の給電設備で充電を行うことができる。受電ユニット120は、無線通信手段により駐車場内の設備と通信し、駐車場への入庫、駐車場から出庫時に必要な情報を授受する。
【0020】
さらに、実施例1では、利用者が携帯電話5を携行している場合が多いことを想定している。例えば、利用者は、車両へ給電中の設備の識別情報情報(図2、図3の送電ユニット110など)、車両を識別する車両識別情報、および利用者を識別する利用者識別情報等を携帯電話5に保存し、施設管理サーバ2に接続される端末6に引き渡す。施設管理サーバ2は、端末6での利用者による施設利用料金、買い物代金等の支払いとともに、車両に給電された電力量に対する電気料金の支払いを受け付ける。その場合に、施設管理サーバ2は、利用者の携帯電話に保存された、送電ユニット110など識別情報、車両識別情報、利用者識別情報などを取得し、給電された車両の利用者と、施設の利用者とを結びつけ、費用を合算して精算する。
【0021】
なお、施設管理サーバ2と、給電設備管理サーバ3は、互いにネットワークを介して接続される。実施例1のネットワークにはインターネット、携帯電話網、専用回線、プライベートネットワーク、イントラネット等が相互に接続されたものを用いることが可能であり、具体的なネットワークとしては、施設管理サーバ2や給電設備管理サーバ3が互いに通信を行うのに適したネットワークが採用されることが好ましい。
【0022】
<駐車区画の構成>
図2に、施設の駐車場内で車両を駐車する駐車区画の構成を例示する。車両ごとの駐車区画には、無線電力伝送装置101の送電ユニット110が設置されている。車両は、送電ユニット110と電源ケーブルで接続された送電コイル115に、車両に内蔵された受電コイル125を対向させる位置に停止される。
【0023】
車両が、駐車区画に停止すると、送電ユニット110は、車両の入庫を検知し、給電処理を開始する。給電処理に際して、送電ユニット110は、例えば、ETC(Electronic
Toll Collection)車載機のDSRC(Dedicated Short-Range Communication) 通信装置から、車両を識別する車両識別情報と車両利用者の利用者識別情報を取得する。ここで、車両識別情報は、例えば、DSRC通信装置の装置番号である。また、車両識別情報は、ETCカード番号とともに、車載機のメモリに保持されている車両の番号でもよい。
【0024】
また、利用者識別情報は、ETC課金のためのETCのID(カード番号)でもよい。ただし、利用者識別情報は、例えば、利用者識別情報は、当該施設が利用者をユニークに識別するために発行した記号でもよい。例えば、施設がショッピングセンタの場合には、利用者識別情報は、ショッピング時のポイントサービスのための会員番号である。利用者識別情報として、施設の会員番号を用いる場合には、ETC車載機のメモリに事前に、会員番号を登録しておき、ETC車載機のDSRC通信装置によって、送電ユニット110に引き渡すようにすればよい。
【0025】
すると、送電ユニット110は、給電設備管理サーバ3または、施設管理サーバ2に、その利用者が、駐車場の送電ユニット110から給電を受ける場合の電力量に対する、選択可能な電気料金の支払い方法を問い合わせる。選択可能な料金の支払い方法は、利用者と施設との関係に応じて、種々の方式が存在し得る。送電ユニット110は、図示しないディスプレイ上に可能な支払い方法を表示し、ユーザの選択を受け付ける。支払い方法には、例えば、以下のものを例示できる。
(1)施設の利用料金、買い物の代金と合算して精算する。例えば、施設がショッピングセンタなどの場合には、買い物の代金支払いとともに、合算して精算する方法である。支払いは、クレジットカード(磁気カード、ICカード)の番号を指定、ICカード(携帯電話内蔵のICカードを含む)に格納された電子マネー、現金、プリペイドカード等による支払いとする。
(2)ETCの課金口座に課金する。この方法は、ETCによる高速道路通行料金、駐車場利用料金等と合算する方法である。
(3)駐車場からの出庫時に、例えば、駐車場の管理装置の端末にて支払う。支払いは現金またはプリペイドカードとする。
【0026】
利用者は、表示された支払い方法から、希望する支払い方法を選択する。送電ユニット110は、選択された支払い方法を給電設備管理サーバ3または、施設管理サーバ2に登録する。
【0027】
さらに、例えば、「電気料金を施設の利用料金、買い物の代金と合算して精算する」という選択肢が選択された場合には、送電ユニット110は、車両利用者の利用者識別情報、車両識別情報、駐車区画をユニークに識別する情報を利用者の携帯電話、または利用者のICカード等に保存する。なお、利用者が携帯電話5を用いて、バーコードなどの情報を読み取ることで、駐車区画をユニークに識別する情報を携帯電話5に保存するようにしてもよい。
【0028】
そして、送電ユニット110は、車両が移動できないようにロックした後、車両に給電を開始する。送電ユニット110は、利用者識別情報、車両識別情報、駐車区画をユニークに識別する情報などとともに、給電設備管理サーバ3を通じて、給電された電力量に相当する電気料金を施設管理サーバ2に伝達する。
【0029】
一方、利用者は、施設の利用料金、買い物の代金支払い時に、車両利用者の利用者識別情報、車両識別情報、駐車区画をユニークに識別する情報が保存された携帯電話、または
ICカード等を施設の端末6(店頭端末、レジスタ等)に提示する。すると、施設の端末6は、当該駐車区画において当該利用者識別情報で識別される利用者の当該車両識別情報で識別される車両に供給された電力量の課金のため情報(例えば、電力量、電量料金額など)を施設管理サーバ2から取得する。そして、施設の端末6は、電気料金を施設の利用料金、買い物の代金と合算して提示する。このとき、さらに、駐車料金を合算して提示してもよい。
【0030】
そして、端末6に現金で支払われたことのキー操作、クレジットカードによる支払い、ICカードの電子マネーによる支払い等の操作がなされた場合、施設の端末6は、施設管理サーバ2を通じて、給電設備管理サーバ3に、電気料金の支払い完了を報告する。
【0031】
すると、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110に、車両のロックを解除するように指令する。車両のロックは、例えば、利用者が支払った駐車料金等に応じて決定される。例えば、2時間分の駐車料金を支払った場合には、電気料金の支払い完了の報告から、2時間ロックを解除すればよい。ただし、駐車料金に換算可能なサービスポイントを利用者が有している場合には、サービスポイントに応じた時間だけロックを解除してもよい。なお、電気料金の支払い完了の報告から、所定期間経過した場合には、再度、車両がロックされるので、利用者は追加の駐車料金を支払うようにすればよい。
【0032】
また、施設の利用料金、買い物の代金支払い時に、車両のバッテリの給電が完了していない場合には、以下の対応を採ることができる。
(1)施設の利用料金、買い物の代金支払い時に充電を打ち切る。
(2)利用者が出庫するまでの時間を指定して、指定された時間までの供給電力量を予測し、事前に指定された時間までの電気料金の支払いを受ける。この場合、利用者は、指定した時間まで、あるいは、予測された電力量が供給されるまで待つことになる。
【0033】
<無線電力伝送装置の構成>
本実施形態では、車載バッテリ133に対する給電方法として、無線電力伝送が用いられる。図3は、実施例1に係る無線電力伝送装置101の構成を示す図である。無線電力伝送装置101は、大きく分けて送電ユニット110および受電ユニット120を備える。このうち、送電ユニット110は、車両が停止する位置(例えば、駐車スペース)の地面側に設けられ、送電コントローラ117、コンバータ113、送電アンプ114、送電コイル115、共振制御ユニット116、発振回路118、アンテナ111およびデータ送受信ユニット112を備える。ここで、送電コイル115は、例えば、駐車スペースの車止めを基準とした所定位置等、車両が停止した場合の位置合わせが容易な位置に、車両底面に設けられた受電コイル125に対向するように設けられることが好ましい。
【0034】
送電コントローラ117は、予め設定された送電用の設定内容、データ送受信ユニット112による受電ユニット120とのデータ送受信結果、および送電アンプ114から得られた送電電力モニタ結果にしたがって、発振回路118、共振制御ユニット116、コンバータ113を制御する。データ送受信ユニット112は、アンテナ111に接続された、無線通信のための通信インターフェースである。また、コンバータ113は、供給された交流または直流の電力を直流電流へ変換し、送電アンプ114へ送る。なお、コンバータ113による出力電圧は、送電コントローラ117によって制御される。また、送電アンプ114は、コンバータ113から送られた電力を、発振回路118から与えられた周波数で、送電コイル115へ入力する。ここで、発振回路118によって与えられる周波数は、送電コントローラ117によって制御される。
【0035】
共振制御ユニット116は、送電コントローラ117による指示にしたがって、送電コイル115に設けられたコンデンサ(キャパシタ)の容量を制御する等の方法で、送電ユ
ニット110の共振周波数を、受電ユニット120の共振周波数と一致するように制御する。また、発振回路118は、送電コントローラ117による指示にしたがって、送電コイル115へ発振される周波数を、共振周波数と一致するように制御する。即ち、本実施形態に係る送電ユニット110は、送電コントローラ117によって送電ユニット110の共振周波数と受電ユニット120の共振周波数が一致するように制御され、この共振周波数で送電されるように、発振回路118が制御されることで、磁界共鳴による無線電力伝送を可能とするものである。
【0036】
また、受電ユニット120は、車両に設けられ、受電コントローラ127、受電コイル125、共振制御ユニット126、整流回路128、DC/DC(直流/直流)コンバータ129、アンテナ121およびデータ送受信ユニット122を備える。ここで、受電コイル125は、車両底面の、地面に設置された送電ユニット110と対向する位置に設けられることが好ましい。また、受電ユニット120は、車載の充放電制御装置131を介して、車載バッテリ133やモータ132に接続される。なお、充放電制御装置131は、アクセル操作に応じて車載バッテリ133から車両駆動用の電力を放電させ、また、ブレーキが操作された場合には、モータ132によって発電された電力が車載バッテリ133に充電されるように制御される。
【0037】
受電コントローラ127は、予め設定された受電用の設定内容、データ送受信ユニット122による送電ユニット110とのデータ送受信結果、および整流回路128から得られた受電電力モニタ結果にしたがって、共振制御ユニット126、整流回路128およびDC/DCコンバータ129を制御する。データ送受信ユニット122は、アンテナ121に接続された、無線通信のための通信インターフェースである。また、受電コイル125には、送電コイル115との間の磁界共鳴によって電流が流れる。ここで、受電コントローラ127は、送電コイル115との間で磁界共鳴を発生させるために、受電コイル125の共振周波数が送電ユニット110と一致するように共振制御ユニット126を制御する。
【0038】
なお、受電コントローラ127が、ETCカード読み取り装置を有し、ETC車載機としての機能を提供してもよい。すなわち、受電コントローラ127が、ETCカード読み取り装置を介して、路側に置かれた送電ユニット110の送受信ユニット112を通じて、ETCカードのIDを送電ユニット110に伝達してもよい。ただし、受電コントローラ127、送受信ユニット122とは別個に、車両がETC車載機およびDSRC通信装置を備えるようにしてもよい。
【0039】
整流回路128(AC/DCコンバータ)およびDC/DCコンバータ129は、充放電制御側による取り出し電力を一定に保つことで、送電側の電圧変更による受電側の見かけの負荷抵抗の制御を可能とする。
【0040】
<管理されるデータのデータ構造>
図4に、給電設備管理サーバ3が有する供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する。供給電力管理テーブルは、送電ユニット識別情報、利用者識別情報、車両識別情報、供給電力量、充電状態、完了見込み時間、支払い済みフラグの各フィールドを有する。
【0041】
図4では、フィールドを示すフィールド名が示されている。供給電力管理テーブルは、図4に示すフィールド名のフィールドを含むレコードを有する。図4の各行がレコードに相当する。供給電力管理テーブルは、給電設備管理サーバ3のメモリに保存される。
【0042】
送電ユニット識別情報は、少なくとも当該施設の駐車場内で送電ユニット110をユニークに識別する情報である。例えば、送電ユニット識別情報は、送電ユニット110が設
置された駐車区画の通し番号と一致していてもよい。また、送電ユニット識別情報は、送電ユニットを個々に識別するために、施設で設定したコードでもよい。送電ユニット識別情報は、装置識別情報に相当する。
【0043】
利用者識別情報は、少なくとも施設内で利用者をユニークに識別する情報である。上述のように、利用者識別情報は、例えば、ETCカード番号、施設内での利用者の会員番号などである。
【0044】
また、車両識別情報は、例えば、DSRC通信装置の装置番号である。また、ETCカード番号とともに、車載機のメモリに保持されている車両の番号でもよい。
【0045】
供給電力量は、現在までに送電ユニット識別情報で指定される送電ユニット110から、利用者識別情報で指定される利用者の、車両識別情報で指定される車両に供給された電力量である。充電状態は、車両のバッテリの現在の充電状態である。充電状態は、例えば、満充電を100%としたときの電力量の割合で記述される。完了見込み時間は、充電完了までの見込み時間である。支払い済みフラグは、供給電力量に対する料金の支払いが完了したことを示すフラグである。
【0046】
図5に、給電設備管理サーバ3が利用者ごとに可能な支払い方法を判断するための利用者支払い方法テーブルのデータ構造を例示する。利用者支払い方法テーブルは、給電設備管理サーバ3のメモリに保存される。ただし、施設管理サーバ2が利用者支払い方法テーブルを管理し、保存し、給電設備管理サーバ3からの要求に応じて、施設管理サーバ2が利用者支払い方法テーブルの情報を給電設備管理サーバ3に引き渡すようにしてもよい。なお、給電設備管理サーバ3が利用者に可能な支払い方法を選択させる場合に、駐車場からの出庫時に、駐車場の管理装置の端末にて支払う方法は、すべての利用者に対して選択肢の一つとなる。また、施設の利用料金、買い物の代金と合算して精算する場合に、給電設備管理サーバ3は、利用者支払い方法テーブルを参照し、利用者が使用可能な手段を選択する。また、給電設備管理サーバ3は、利用者支払い方法テーブルを参照し、利用者がETC車載機を車両に搭載している場合には、ETCの課金口座に課金するという方法も、当該利用者が使用可能な方法とする。
【0047】
利用者支払い方法テーブルは、ETCの有無、クレジットカードの有無、ICカードの有無、携帯電話の有無の各フィールドを有している。図5においても、フィールドを示すフィールド名が示されている。利用者支払い方法テーブルは、図5に示すフィールド名のフィールドを含むレコードを有する。図5の各行がレコードに相当する。利用者支払い方法テーブルは、給電設備管理サーバ3のメモリに保存される。
【0048】
ETCの有無のフィールドには、利用者識別情報で指定される利用者が車両識別情報で識別される車両に、ETC車載機を有しているか否かが設定される。同様に、クレジットのカードの有無のフィールドには、利用者識別情報で指定される利用者がクレジットカードのサービスに加入しているか否かが指定される。同様に、ICカードの有無のフィールドには、利用者がICカードを保有いるか否かが指定される。同様に、携帯電話の有無のフィールドには、利用者が携帯電話を保有いるか否かが指定される。
【0049】
図6に、選択済み支払い方法テーブルのデータ構造を例示する。選択済み支払い方法テーブルは、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2に引き渡され、保存される。ただし、給電設備管理サーバ3が利用者支払い方法テーブルを管理し、保存し、施設管理サーバ2からの要求に応じて、給電設備管理サーバ3が選択済み支払い方法テーブルの情報を施設管理サーバ2に引き渡すようにしてもよい。
【0050】
図6のように、選択済み支払い方法テーブルは、利用者識別情報、車両識別情報、および、利用者の選択した支払い方法の各フィールドを有している。すなわち、選択済み支払い方法テーブルは、利用者識別情報で指定される利用者が、車両識別情報で指定される車両で、入庫したときに選択した支払方法を記憶する。
【0051】
<処理フロー>
図7に、給電設備管理サーバ3が実行する給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する。給電設備管理サーバ3のCPUは、メモリ上に展開されたコンピュータプログラム(第1のプログラムに相当)によって図7の処理を実行する。
【0052】
この処理では、給電設備管理サーバ3は、車両の入庫を検知する(S1)。例えば、車両が駐車区画に侵入したとき、受電ユニット120がアンテナ121およびデータ送受信ユニット122を通じて無線信号を発する。すると、駐車区画に設置された送電ユニット110がアンテナ111およびデータ送受信ユニット112を通じて、受電ユニット120からの無線信号を検知する。すなわち、送電ユニット110は、受電ユニット120からの無線信号を検知することで、入庫を確認する。受電ユニット120は、車両の入庫を検知すると、その旨を給電設備管理サーバ3に通知する。
【0053】
次に、給電設備管理サーバ3は、入庫した車両の車両識別情報と、利用者の利用者識別情報と、車両が駐車した位置の送電ユニット110を識別する情報を取得する(S2)。給電設備管理サーバ3のCPUは、課金先取得手段として、S2の処理を実行する。なお、実施例1では、送電ユニット110を識別する情報はなくても構わない。そこで、以下では、送電ユニット110を識別する情報は省略する。また、給電設備管理サーバ3は、入庫した車両の車両識別情報および利用者の利用者識別情報の少なくとも一方を取得するだけでもよい。要するに、少なくとも利用者または利用者の車両が特定できれば、施設利用時の種々の特典を受けることができるからである。
【0054】
実施例1では、例えば、送電ユニット110が受電ユニット120との通信により、車載された受電ユニット120が有する車両識別情報(DSRC通信装置の装置番号、車両番号等)、および利用者識別情報(ETCのID、施設の会員番号等)を取得する。そして、送電ユニット110が車両識別情報と利用者識別情報とを給電設備管理サーバ3に通知する。
【0055】
次に、給電設備管理サーバ3は、S2で取得した車両識別情報、および利用者識別情報を基に、利用者支払い方法テーブルを参照し、利用者が選択可能な精算方法を決定し、図示しない送電ユニット110のディスプレイに表示する。例えば、利用者が選択可能な精算方法の大項目には、初期値として、「施設の利用料金、買い物の代金と合算」と「駐車場からの出庫時に支払う」がある。さらに、利用者支払い方法テーブルにて、利用者が入庫した車両にETC車載機「あり」との指定されている場合には、さらに、「ETCの課金口座に課金する」が選択肢に追加される。
【0056】
また、以上のような大項目のうち、「施設の利用料金、買い物の代金と合算」と「駐車場からの出庫時に支払う」とについては、現金支払いの他に、給電設備管理サーバ3は、利用者支払い方法テーブルを参照し、クレジットカード、ICカードの電子マネー、携帯電話の電子マネー等のさらなる選択肢を表示する。
【0057】
次に、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110の操作部を介して、利用者の選択を受け付ける(S4)。送電ユニット110の操作部は、例えば、メニューの番号を指定する押しボタンでもよい。また、送電ユニット110の操作部は、ディスプレイのカーソルを移動するポインティングデバイスでもよい。また、送電ユニット110の操作部は、
ディスプレイ上の操作を検出するタッチパネルでもよい。
【0058】
次に、給電設備管理サーバ3は、利用者の選択結果が、レジ支払いか否かを判定する(S5)。利用者がレジ支払いを選択した場合、給電設備管理サーバ3は、精算方法(レジ支払い)を施設管理サーバ2へ通知する(S6)。さらに、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110のアンテナ111およびデータ送受信ユニット112を通じて、利用者識別情報、車両識別情報を携帯電話または利用者のICカードに転送する(S7)。給電設備管理サーバ3のCPUは、利用者が保持する携帯機器に課金先情報を伝達する手段として、S7の処理を実行する。
【0059】
そして、給電設備管理サーバ3は、利用者識別情報、車両識別情報を携帯電話または利用者のICカードへの転送にエラーがあったか否かを判定する(S8)。エラーがあった場合とは、利用者が携帯電話、ICカード等を携行していなかったために、利用者識別情報、車両識別情報を携帯電話または利用者のICカードへ転送できなかった場合、携帯電話の電源が十分でなく通信できなかった場合などである。
【0060】
S8の判定でエラーがあった場合には、給電設備管理サーバ3は、代替手段によって、利用者に利用者識別情報、車両識別情報を通知する(S9)。例えば、給電設備管理サーバ3は、駐車券に、利用者識別情報、車両識別情報を書き込み、紙媒体で通知すればよい。また、紙媒体(紙製のカードなど)、電子媒体(磁気カード、ICカードなど)を発行してもよい。ただし、利用者の携帯電話を使用した場合には、料金を割り引くようにしてもよい。
【0061】
次に、給電設備管理サーバ3は、給電処理を起動する(S10)。その後、給電処理が完了までの所定の時間間隔で、給電設備管理サーバ3は、車両のバッテリ133の充電状態を取得し、施設管理サーバ2に通知する(S11、S12)。そして、車両のバッテリ133の充電が完了すると、給電設備管理サーバ3は、処理を完了する。給電設備管理サーバ3は、課金情報取得手段および記課金先情報と課金に係る情報とを支払い管理サーバに引き渡す手段として、S12の処理を実行する。なお、図7のように、S11とS12の処理を繰り返し実行する代わりに、充電が完了したときに供給電力量または供給電力量に相当する電気料金を施設管理サーバ2に通知するようにしてもよい。また、充電が完了する前は、施設管理サーバ2からの問い合わせに応じて、車両のバッテリ133の充電状態を通知するようにしてもよい。
【0062】
図8に、施設管理サーバ2が実行するレジ支払い管理処理のフローチャートを例示する。施設管理サーバ2のCPUは、メモリ上に展開されたコンピュータプログラム(第2のプログラムに相当)によって図8の処理を実行する。
【0063】
この処理では、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3から利用者への給電電力に対する精算方法を受信する(S21)。そして、施設管理サーバ2は、利用者識別情報、車両識別情報、および精算方法をメモリ上の選択済み支払い方法テーブルに保存する(S22)。
【0064】
次に、施設管理サーバ2は、施設の利用に伴う利用料金を算出する(S23)。例えば、施設がショッピングセンタの場合には、施設管理サーバ2は、端末6から利用者の買い物代金を受け付け、合計金額を算出する。また、例えば、施設が美術館、映画館、テーマパークなどの場合には、端末6からの操作を受け付け、予約料金の支払い状況をメモリ上の管理テーブルを参照し、施設利用時に利用者に請求する料金を算出する。例えば、チケット購入によって、すでに料金が支払われている場合の延長料金、施設内で追加したオプション料金、その他の追加料金、事前支払いのない場合の施設の利用料金、買い物代金等
が計算される。
【0065】
次に、施設管理サーバ2は、携帯電話または利用者のICカードから利用者識別情報と車両識別情報とを取得する(S24)。施設管理サーバ2のCPUは、課金先情報に対応する商品またはサービスの購入に伴う対価を確定する手段として、S23およびS24の処理を実行する。また、施設管理サーバ2のCPUは、利用者が保持する携帯機器から課金先情報を取得する手段として、S24の処理を実行する。
【0066】
そして、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3から、その利用者識別情報で識別される利用者の車両識別情報で識別される車両への充電状態を取得する(S25)。そして、施設管理サーバ2は、充電が完了したか否かを判定する(S26)。施設管理サーバ2は、課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得する手段として、S25、S26の処理を実行する。また、施設管理サーバ2のCPUは、給電が完了したか否かを問い合わせる手段として、S25、S26の処理を実行する。
【0067】
さらに、充電が完了していない場合、施設管理サーバ2は、利用者に充電を打ち切るか否かの問い合わせを行う。そして、端末6に対する利用者またはオペレータからの応答にしたがい、充電を打ち切るか否かを判定する(S27)。施設管理サーバ2のCPUは、給電を停止するか否かの入力を受け付ける手段として、S27の処理を実行する。
【0068】
そして、充電を打ち切らない場合、施設管理サーバ2は、出庫時の充電量を予測する。例えば、施設管理サーバ2は、端末6を通じた利用者またはオペレータからの応答にしたがい、利用者の車両の出庫予定時刻を取得する。そして、施設管理サーバ2は、その出庫予定時刻における充電量の予測値を給電設備管理サーバ3に問い合わせる(S28)。ただし、施設管理サーバ2がその出庫予定時刻における充電量の予測値を算出してもよい。出庫予定時刻における充電量の予測値は、充電開始から現在のまでの充電時間、その充電時間での充電電力量の変化状況、および現在から出庫予定時刻までの充電時間により、実験式にしたがって算出すればよい。実験式は、充電時間と充電電力量との関係を示す一次、あるいは高次の近似式であり、例えば、予め、実験、実測等により求めておけばよい。
【0069】
ただし、出庫時刻から充電電力量を予測する代わりに、単純に、利用者またはオペレータが必要な充電量を指定してもよい。例えば、満充電を100パーセントとしたときの百分率で、充電量を指定してよい。また、現在の充電量から増加したい充電量を百分率(10%増加など)で指定してもよい。また、最低必要な電力量をkWhで指定してもよい。また、また、最低必要な電力量を車両の走行距離で指定してもよい。施設管理サーバ2または給電設備管理サーバ3が車両識別情報とともに、車両の特性情報(型式、重量など)を保持しておき、走行距離に必要な電力量を算出すればよい。
【0070】
次に、施設管理サーバ2は、電気料金を算出する(S29)。ただし、給電設備管理サーバ3が電気料金を算出し、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3による電気料金算出結果を取得するようにしてもよい。この意味で、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2へ引き渡される情報は、供給された電力量でもよいし、電力量に対する電気料金でもよい。そこで、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2へ引き渡される情報を課金に係る情報と呼ぶことにする。算出する電気料金は、S27−S28の処理によって定まり、例えば、充電完了までの電気料金、打ち切り時点までの電気料金、出庫時の予測充電量に対する電気料金のいずれかである。
【0071】
次に、施設管理サーバ2は、支払い方法、施設利用料金、買い物料金、および利用者が加入するポイント割引システムでの獲得ポイントによる割引率、あるいは、割引額を算出する(S30)。獲得ポイントによる割引を行う場合、施設管理サーバ2は、割引に対応
するポイントを減少させる。そして、施設管理サーバ2は、割引率あるいは割引額で割り引いた電気料金と、施設利用料金あるいは買い物料金との合計額を端末6のディスプレイに表示する。また、施設管理サーバ2のCPUは、割引額または割引率を適用した電気料金を表示する手段として、S30の処理を実行する。
【0072】
次に、施設管理サーバ2は、端末6を介してオペレータからの精算処理を受け付ける(S31)。精算は、例えば、現金による入金、ICカードまたは携帯電話の電子マネーによる入金、クレジットカードによる決済等である。そして、施設管理サーバ2は、給電設備管理サーバ3への精算完了報告、あるいは、充電続行の場合の充電目標値等を通知する(S32)。施設管理サーバ2のCPUは、支払い済みを通知する手段として、S32の処理を実行する。また、施設管理サーバ2のCPUは、給電停止条件を受けて、給電設備管理サーバに通知する手段として、S27、S28およびS32の処理を実行する。
【0073】
図9に、給電設備管理サーバ3が実行する出庫時の処理のフローチャートを例示する。この処理では、給電設備管理サーバ3は、精算完了報告と、充電続行の場合の目標充電電力量を受信する(S41)。そして、給電設備管理サーバ3は、メモリ上の選択済み支払い方法テーブルを参照し、精算方法が出庫時の支払いか否かを判定する(S42)。
【0074】
精算方法が出庫時の支払いの場合、給電設備管理サーバ3は、支払いを受け付ける(S43)。例えば、送電ユニット110の筐体に設けられた図示しない料金投入口から、現金を受け付ける。あるいは、給電設備管理サーバ3は、ICカード読み取り装置を介して、電子マネーの価値情報を取得してもよい。また、あるいは、給電設備管理サーバ3は、携帯電話のICカード読み取り装置を介して、電子マネーの価値情報を取得してもよい。
【0075】
一方、出庫時支払いでない場合、給電設備管理サーバ3は、精算済みか否かを判定する(S44)。精算済みでない場合、利用者が出庫時支払いを選択していなかったとしても、給電設備管理サーバ3は、出庫時の支払いを促す(S43)。一方、精算済みの場合、給電設備管理サーバ3は、充電済みの供給電力量に対する精算が完了しているか否かを判定する(S45)。充電済みの供給電力量に対する精算が完了してない場合、給電設備管理サーバ3は、目標充電電力までの充電が完了しているか否かを判定する(S46)。そして、給電設備管理サーバ3は、目標充電電力までの充電が完了するまで処理を継続する。
【0076】
そして、S43による支払いの完了、充電済み電力量での精算完了、または、目標充電電力までの支払いと充電の完了のいずれかの条件が満たされた場合、給電設備管理サーバ3は、送電ユニット110を通じて、車両のロックを解除する(S47)。
【0077】
以上述べたように、実施例1の料金管理技術によれば、利用者は、車両のバッテリ133への充電時の供給電力量と、施設利用料金あるいは買い物代金とを合算で精算できる。そのため、実施例1の料金管理技術によれば、給電設備管理サーバ3は、充電を受ける車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報を利用者の携帯する携帯電話に転送する。利用者は、携帯電話を施設の端末6に提示することにより、携帯電話に転送された車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報を端末6に入力する。ただし、端末6への入力は、施設のオペレータが行ってもよい。携帯電話を介した車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報の入力により、施設管理サーバ2は、施設利用者と車両に対する給電設備利用者とを結びつけることができる。したがって、駐車券のような紙媒体を発行する場合と比較して、ランニングコストを抑制した上で、駐車区画に駐車し、給電設備を利用する車両と利用者とを管理できる。例えば、利用者が携帯電話を携行していなかった場合、あるいは、携帯電話の二次電池に十分な電力がなかった場合に限定して、紙媒体などを発行すればよい。また、車両のバッテリ133に給電された電気料金と施設利
用料金とを合算して処理できるので、利用者としても、少ない手続で、電気料金と施設利用料金とを精算できる。また、施設側としては、施設利用料金、買い物代金、割引ポイント等による割引制度を活用し、利用者が施設を訪問するインセンティブを与えることができる。
【0078】
また、利用者としては、種々の支払い方法から、自身に都合のよい支払い方法で、かつ、割引制度を利用して、電気料金と施設利用料金とを精算できる。
【0079】
なお、以上の処理において、施設は、携帯電話が施設管理サーバ2から、充電を受ける車両の車両識別情報、車両の利用者の利用者識別情報を受け取り、給電設備管理サーバ3に引き渡す処理を実行するようにするため、携帯電話用のアプリケーションを用意し、配布すればよい。例えば、当該施設専用のウェブサイトを設け、当該施設の利用者に、ネットワークを通じて、携帯電話にアプリケーションをダウンロードさせればよい。
【0080】
<変形例>
上記実施例1では、利用者は、施設に対して電気料金を支払う例を示した。しかし、例えば、給電設備の運営を電力会社が行う場合も同様に、実施例1の構成を適用できる。例えば、施設管理サーバ2は施設に運営され、一方、充電設備管理サーバ3を含めた給電設備は、電力会社が運営するようにすればよい。そして、利用者がレジ支払いを選択し、レジ支払いがなされた場合には、施設管理サーバ2から充電設備管理サーバ3(電力会社側)に対して、送金処理を実行するようにすればよい。
【0081】
また、上記実施例1では、電気料金、施設の利用料金、買い物代金等の支払いは、施設管理サーバ2で行うようにしたが、施設管理サーバ2に代えて、端末6が上記処理を実行するようにしてもよい。同様に、上記実施例1では、入庫の検知、利用者情報等の携帯電話5への引き渡し、発券、出庫時のロックの解除等を給電設備管理サーバ3が実行するようにしたが、給電設備管理サーバ3に代えて、送電ユニット110の送電コントローラ117が、上記処理を実行するようにしてもよい。
【実施例2】
【0082】
図10から図12を参照して、本発明に係る給電システムに係る料金管理技術の実施例2を図面に基づいて説明する。上記実施例1では、車両のバッテリ133への充電のための電気料金と施設利用料金あるいは買い物代金との合算のため、利用者識別情報、車両識別情報が利用者の携行する携帯電話に転送された。一方、給電設備管理サーバ3から施設管理サーバ2に、給電中の車両と利用者を特定するため、利用者識別情報、車両識別情報が転送された。そして、端末6で、施設利用料金あるいは買い物代金と、電気料金とを合算する際に、利用者識別情報、車両識別情報を用いて、給電中の車両および利用者と、施設利用者(あるいは買い物客)とを結びつけ、合算処理を行った。
【0083】
しかし、利用者識別情報、車両識別情報を用いる代わりに、単純に、駐車区画を識別する情報、あるいは、送電ユニット110を識別する情報だけを用いるようにしてもよい。駐車区画を識別する情報、あるいは、送電ユニット110を識別する情報だけを用いることによって、利用者としては、個人情報を提供することなく、給電を受け、かつ、施設利用料金あるいは買い物代金と合算した電気料金の精算を行うことができる。施設側としては、車両がロックされているので、利用者識別情報、車両識別情報までも取得しなくても、電力の支払いを担保できる。
【0084】
実施例2の他の構成および作用は、実施例1と同様である。そこで、同一の構成要素については、実施例1と同様の符号を付して、その説明を省略する。
【0085】
図10は、給電設備管理サーバ3が有する、実施例2に係る供給電力管理テーブルのデータ構造を例示する。図10の例では、図4の場合と比較して、利用者識別情報、および車両識別情報がない。他のフィールドについては、図4と同様であるので、その説明を省略する。
【0086】
図11に、実施例2に係る給電設備管理サーバ3が実行する給電受付処理および給電管理処理のフローチャートを例示する。図11の処理は、図7の処理と比較して、S7Aの処理が相違する。すなわち、実施例2においては、給電設備管理サーバ3は、利用者識別情報、車両識別情報を利用者の携帯電話あるいはICカードに転送する代わりに、送電ユニット110を識別する送電ユニット識別情報を送信する。
【0087】
図12に、実施例2に係る施設管理サーバ2が実行するレジ支払い管理処理のフローチャートを例示する。図12の処理は、図8の処理と比較して、S24AおよびS30Aの処理が相違する。すなわち、実施例2においては、施設管理サーバ2は、利用者の携帯電話あるいはICカードから、送電ユニット識別情報を取得する。そして、施設管理サーバ2は、送電ユニット識別情報に基づいて、車両のバッテリ133の充電状態を取得する(S25)。以後、S30Aまでの処理は、図8と同様であるのでその説明を省略する。
【0088】
図12の処理では、施設管理サーバ2は、利用者識別情報を取得していないので、例えば、ポイント割引システムでの獲得ポイントを参照しないで、支払い方法、利用料金あるいは買い物代金による割引計算を実行する(S30A)。ただし、端末6に対して、利用者がポイント割引システムで発行されたカードなどを提示することで、獲得ポイントによる割引を受けられるようにしてもよい。少なくとも、利用者は、駐車区画を管理する給電設備サーバ3に対しては、ETC車載機を通じた利用者識別情報、および車両識別情報等の個人情報の提供をしなくてもよい。
【0089】
以上述べたように、実施例2の料金管理技術によれば、個人情報の安全性を高めた上で、車両のバッテリ133に対する給電を行い、さらに給電された電気料金と、施設利用料金あるいは買い物代金とを合算した精算ができる。
【0090】
《コンピュータが読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0091】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(リードオンリーメモリ)等がある。
【符号の説明】
【0092】
2 施設管理サーバ
3 給電設備管理サーバ
5 携帯電話
6 端末
101 給電システム
120 受電ユニット
125 受電コイル
133 バッテリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、
前記給電設備管理サーバと通信し、前記給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、前記車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバと、を備え、
前記給電設備管理サーバは、
前記給電設備から、前記給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、前記車両を特定する車両識別情報、および前記車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得手段と、
前記車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得手段と、
前記課金先情報と前記電気料金の課金に係る情報とを前記支払い管理サーバに引き渡す手段と、を有し、
前記支払い管理サーバは、
前記課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの購入に伴う対価を確定する手段と、
前記課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得する手段と、
前記商品またはサービスの対価とともに前記電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、前記給電設備管理サーバに支払い済みを通知する手段と、を有する情報システム。
【請求項2】
前記支払い管理サーバは、前記課金先情報の入力を受け付けたときに、前記給電設備管理サーバに給電が完了したか否かを問い合わせる手段と、
前記給電が完了していない場合に、給電を停止するか否かの入力を受け付ける手段と、
給電を停止しない場合に、給電の限度を示す給電停止条件を受け付けて、前記給電設備管理サーバに通知する手段と、をさらに有する請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記支払い管理サーバは、前記対価の支払いに伴う割引額または割引率を算出し、前記割引額または割引率を適用した電気料金を表示する手段をさらに備える請求項1または2に記載の情報システム。
【請求項4】
前記支払い管理サーバは、前記課金先情報が利用者識別情報を含む場合に、前記利用者識別情報で識別される利用者の過去の所定期間における対価の支払いに伴う割引額または割引率を算出し、前記割引額または割引率を適用した電気料金を表示する手段をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項5】
前記給電管理サーバは、前記利用者が保持する携帯機器に前記課金先情報を伝達する手段を有し、
前記支払い管理サーバは、前記利用者が保持する携帯機器から前記課金先情報を取得する手段を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項6】
駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、
前記給電設備管理サーバと通信し、前記給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、前記車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバと、を備え、
前記給電設備管理サーバは、
前記給電設備から、前記給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、前記車両を特定する車両識別情報、および前記車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得ステップと、
前記車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得ステップと、
前記課金先情報と前記電気料金の課金に係る情報とを前記支払い管理サーバに引き渡すステップと、を実行し、
前記支払い管理サーバは、
前記課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの対価を確定するステップと、
前記課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得するステップと、
前記商品またはサービスの対価とともに前記電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、前記給電設備管理サーバに支払い済みを通知するステップと、を実行する管理方法。
【請求項7】
駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、
前記給電設備管理サーバと通信し、前記給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、前記車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバとを機能させるコンピュータシステムのプログラムであり、
前記給電設備管理サーバに、
前記給電設備から、前記給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、前記車両を特定する車両識別情報、および前記車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得ステップと、
前記車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得ステップと、
前記課金先情報と前記電気料金の課金に係る情報とを前記支払い管理サーバに引き渡すステップと、を実行させる第1のプログラムと、
前記支払い管理サーバに、
前記課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの対価を確定するステップと、
前記課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得するステップと、
前記商品またはサービスの対価とともに前記電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、前記給電設備管理サーバに支払い済みを通知するステップと、を実行させる第2のプログラムと、を含むコンピュータシステムのプログラム。
【請求項1】
駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、
前記給電設備管理サーバと通信し、前記給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、前記車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバと、を備え、
前記給電設備管理サーバは、
前記給電設備から、前記給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、前記車両を特定する車両識別情報、および前記車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得手段と、
前記車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得手段と、
前記課金先情報と前記電気料金の課金に係る情報とを前記支払い管理サーバに引き渡す手段と、を有し、
前記支払い管理サーバは、
前記課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの購入に伴う対価を確定する手段と、
前記課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得する手段と、
前記商品またはサービスの対価とともに前記電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、前記給電設備管理サーバに支払い済みを通知する手段と、を有する情報システム。
【請求項2】
前記支払い管理サーバは、前記課金先情報の入力を受け付けたときに、前記給電設備管理サーバに給電が完了したか否かを問い合わせる手段と、
前記給電が完了していない場合に、給電を停止するか否かの入力を受け付ける手段と、
給電を停止しない場合に、給電の限度を示す給電停止条件を受け付けて、前記給電設備管理サーバに通知する手段と、をさらに有する請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記支払い管理サーバは、前記対価の支払いに伴う割引額または割引率を算出し、前記割引額または割引率を適用した電気料金を表示する手段をさらに備える請求項1または2に記載の情報システム。
【請求項4】
前記支払い管理サーバは、前記課金先情報が利用者識別情報を含む場合に、前記利用者識別情報で識別される利用者の過去の所定期間における対価の支払いに伴う割引額または割引率を算出し、前記割引額または割引率を適用した電気料金を表示する手段をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項5】
前記給電管理サーバは、前記利用者が保持する携帯機器に前記課金先情報を伝達する手段を有し、
前記支払い管理サーバは、前記利用者が保持する携帯機器から前記課金先情報を取得する手段を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の情報システム。
【請求項6】
駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、
前記給電設備管理サーバと通信し、前記給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、前記車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバと、を備え、
前記給電設備管理サーバは、
前記給電設備から、前記給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、前記車両を特定する車両識別情報、および前記車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得ステップと、
前記車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得ステップと、
前記課金先情報と前記電気料金の課金に係る情報とを前記支払い管理サーバに引き渡すステップと、を実行し、
前記支払い管理サーバは、
前記課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの対価を確定するステップと、
前記課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得するステップと、
前記商品またはサービスの対価とともに前記電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、前記給電設備管理サーバに支払い済みを通知するステップと、を実行する管理方法。
【請求項7】
駐車された車両に給電する給電設備を管理する給電設備管理サーバと、
前記給電設備管理サーバと通信し、前記給電に伴う電気料金の支払いを管理するとともに、前記車両の利用者が購入した商品または受けたサービスの対価の支払いを管理する支払い管理サーバとを機能させるコンピュータシステムのプログラムであり、
前記給電設備管理サーバに、
前記給電設備から、前記給電設備の利用者を識別する利用者識別情報、前記車両を特定する車両識別情報、および前記車両が給電を受けるときの給電装置を特定する装置識別情報の少なくとも一つを含む課金先情報を取得する課金先取得ステップと、
前記車両に給電した電気料金の課金に係る情報を取得する課金情報取得ステップと、
前記課金先情報と前記電気料金の課金に係る情報とを前記支払い管理サーバに引き渡すステップと、を実行させる第1のプログラムと、
前記支払い管理サーバに、
前記課金先情報に対応する利用者が購入した商品または受けたサービスの対価を確定するステップと、
前記課金先情報に対応する電気料金の課金に係る情報を取得するステップと、
前記商品またはサービスの対価とともに前記電気料金の課金に係る情報に該当する電気料金が支払い済み状態となったときに、前記給電設備管理サーバに支払い済みを通知するステップと、を実行させる第2のプログラムと、を含むコンピュータシステムのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−175399(P2011−175399A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38201(P2010−38201)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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