説明

情報シート

【課題】 書籍全体にわたって2次元コードを再印刷することなく2次元コードに対応する音声ファイルを読み出して発音するデジタル音声デバイスを実現している。
【解決手段】複数の2次元コードが印刷された実質的に透明な一枚のシートを書籍の上におき透けて見える印刷物の吹き出し部分2箇所を、ドットコードを読めるデジタル音声デバイスで触れると、吹き出し部分に対応した文章がデジタル音声デバイスから発音されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2次元コードが配置されている透明シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙面上の微細な2次元コードを印刷物の中に埋め込んで、その2次元コードを光学センサにより読み取り、2次元コードに対応する音声ファイルを読み出して発音するデジタル音声デバイスがある。このような方式において、印刷物と2次元コードは、同一紙面上に印刷されていた。 したがって、そのために、ひとつの書籍をこの方式にする場合、書籍全体にわたって2次元コードを再印刷する必要があった。
【特許文献1】特開2004−166177
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来品の特徴は以下のような問題を生じていた。すなわち印刷物と2次元コードは、同一紙面上に印刷されていた。 したがって、そのために、ひとつの書籍をこの方式にする場合、書籍全体にわたって2次元コードを再印刷する必要があった。
【0004】
本発明は書籍全体にわたって2次元コードを再印刷することなく2次元コードに対応する音声ファイルを読み出して発音するデジタル音声デバイスを実現するための書籍の上においてその機能を実現する“情報シート”を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
複数の2次元コードが印刷された実質的に透明な一枚のシートを書籍の上におき透けて見える印刷物の吹き出し部分2箇所を、ドットコードを読めるデジタル音声デバイスで触れると、吹き出し部分に対応した文章がデジタル音声デバイスから発音されるようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、書籍を再印刷することなく書籍全体にわたってこの方式に対応できるようにしたものあり、以下、実施例により具体的に説明する。1枚のシートから複数の印刷物に対応した音声ファイル読み出しと発音がデジタル音声デバイスで可能になる。このため、1枚のシートを栞のように書籍に付属させ、目的の印刷ページの上にセットして発音用シートとして利用する ことができる。このようにしれば、一冊の書籍を再印刷することなく、デジタル音声デバイス対応書籍にすることができる。必要な手間は、コンピュータプログラムによるデジタル音声デバイスへの音声割付のみであるため、従来の方式に比べ、格段に簡単にデジタル音声デバイス対応書籍が実現できる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
発明の実施形態を実施例にもとずき説明する。
【実施例1】
【0008】
本発明では、複数の2次元コードが印刷された実質的に透明な一枚のシートを用いる。2次元コードは、2次元コードを印刷した透明シートを印刷物の上においた場合、文字や画像といった印刷物が、人間が違和感を感じることなく、透明シートを通 して見られるようにしてある。これを実現するために、2次元コードとして微細ドットコードを用いた(図1)。このコードは、直径0.03mm程度のドットで構成され、ドット部分の面積は他の部分に比べ10分の1以下であるため、透明プラスチックシートなどに印刷した場合、シート全体にわたって90%以上の光透過性が実現できるために、人間にとって実質上、透視シートと見ることができる。
実施例では、1つの2次元コードの占有面積は0.5mm×0.5mm=0.025mm2である。これを2次元に10×10=100個並べ、占有面積5mm×5mm=25mm2の2次元コード集合体とし、ことなるコード情報を有する2次元コード集合体をマトリックス状に配置した(図2)。たとえば、A4版(210mm× 300mm)全体にこれを配置すると、42×60=2520種類の2次元コードを一枚のシートに配置することができる。
このシートは、図3のように印刷物の上に置いて利用する。図3の例では、このシートを印刷物の上に置いて、透けて見える印刷物の吹き出し部分2箇所を、ドットコードを読めるデジタル音声デバイスで触れると、吹き出し部分に対応した文章がデジタル音声デバイスから発音される。シート上の吹き出し部分に相当する位置にある2次元コードの全てに、その吹き出し部分の文章の音声を対応させる操作は、あらかじめコンピュータ上でプログラム操作により行い、デジタル音声デバイス内にその情報を入力しておく。このようなことで、図3の印刷物との対応が可能であるが、複数の印刷物を1つのシートで読み出すためには、相当する印刷物の認識情報が必要である。たとえば、図3の例では、印刷物のページ番号を利用する。ページ番号の情報は、デジタル音声デバイスにて吹き出し部分に触れる前に、シート上のページ番号選択部分に触れることで可能である。図3の例の場合、「1」「2」「3」の順に触れると123ページであることが認識される。なお、図3の例では、印刷物とシートの大きさを同一にし、両者の4隅をあわせることで、両者の位置あわせを行うようにしてある。両社のサイズが異なる場合などでは、両者にそれぞれ何らかのあわせマークを設け、それらを一致させるようにしてもよい。
【実施例2】
【0009】
上記実施例においては、2次元コードとして黒色のドットコードを用いる例について述べた。デジタル音声デバイスが、可視光の波長以外の波長を検出可能な場合は、可視光 では透明で可視光以外の波長領域で不透明なインクでドットコードを印刷することが できる。そのようにすれば、シートの透明度が向上する。
【実施例3】
【0010】
可視光で透明なインクで2次元コードを印刷する場合、2次元コードとして印刷面積が小さいドットコードを使わなくてもよい。一例として、QRコードを用いることができる。たとえば5mm角の異なる領域に、それぞれひとつのQRコードを印刷すれば、 上記実施例で示したものと同じ2520通りの情報コードをA4用紙の面積にマトリックス状に配置できる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
英語雑誌などに適用し、もともとの印刷に手を加えることなく2次元コードに対応する音声ファイルを読み出して発音するデジタル音声デバイスを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】書籍に利用されたドットマトリックスコード。
【図2】本発明の透明ドットマトリックスシート
【図3】本発明の透明ドットマトリックスシートを書籍に重ねて使用する例。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の目と物体の間に置いて使用するシートであって、物体上の文字や画像を人間が実質的に違和感なく見ることが可能で、かつ、複数の2次元コードが配置されていることを特徴とする情報シート。
【請求項2】
2次元コードが微細かつ光遮断面積が小さい印刷物により実現された特許請求項1の情報シート。
【請求項3】
2次元コードが可視光を透過するインクを用いて印刷された特許請求項1の情報シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−176080(P2009−176080A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14447(P2008−14447)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(305044970)
【Fターム(参考)】