説明

情報保存方法、情報復元方法および画像処理装置

【課題】保存する情報量によらず、携帯機器から取得した情報の保存、その情報の携帯機器への復元を、高いセキュリティを確保しつつ容易に行なうことができる情報保存方法、情報復元方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】通信可能に接続された携帯機器から情報を取得して保存する画像処理装置の情報保存方法であって、携帯機器に保存されている情報を取得して記憶装置に記憶する記憶ステップと、記憶装置に記憶した情報に携帯機器からアクセスする為のアクセス情報191を作成する作成ステップと、少なくともアクセス情報191を印刷する印刷ステップとを備えたことにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報保存方法、情報復元方法および画像処理装置に係り、特に携帯機器から取得した情報を保存する情報保存方法、携帯機器に情報を復元する情報復元方法、情報保存方法と情報復元方法とを利用する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の携帯機器は保存しておける情報量が年々増加している。例えば携帯機器には、電話帳データ,画像データ,メールデータ,音楽データ等の情報を保存しておくことができる。このように、携帯機器に保存しておける情報量の増加に伴い、携帯機器には重要な情報が保存されるようになっている。
【0003】
したがって、従来の携帯機器では保存している情報をバックアップすることが良く行われている。携帯機器に保存しておける情報量が少ない場合は、手書きでメモを取ることでバックアップを行なうことができる。また、携帯機器に保存しておける情報量が多い場合は、USB等で接続されたパソコン等が備える大容量記憶装置に転送することでバックアップを行なうことができる。
【0004】
しかしながら、メモによるバックアップは情報量が多い場合に対応できず、又、他人が容易に読むことができるという問題があった。一方、パソコン等によるバックアップはパソコン自体の盗難やウィルス等による情報読み出しの危険があり、又、バックアップを行ったパソコンとUSB等で接続しなければリストアを行なうことができないという問題があった。
【0005】
上記問題に対応する技術内容として、例えば特許文献1には携帯機器に保存されている情報を二次元バーコードに変換してバックアップを行なうことが開示されている。
【特許文献1】特開2005−33477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1の技術内容では、バックアップを行なう情報量が多くなると、二次元バーコードで表せる情報量に限界があるため、現実的でないという問題があった。従来の携帯機器では、バックアップを行なう情報量が多い場合に、上記問題に対応することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、保存する情報量によらず、携帯機器から取得した情報の保存、その情報の携帯機器への復元を、高いセキュリティを確保しつつ容易に行なうことができる情報保存方法、情報復元方法および画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、通信可能に接続された携帯機器から情報を取得して保存する画像処理装置の情報保存方法であって、前記携帯機器に保存されている情報を取得して記憶装置に記憶する記憶ステップと、前記記憶装置に記憶した情報に前記携帯機器からアクセスする為のアクセス情報を作成する作成ステップと、少なくとも前記アクセス情報を印刷する印刷ステップとを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、通信可能に接続された携帯機器から取得した情報を前記携帯機器に復元する画像処理装置の情報復元方法であって、前記携帯機器から取得して記憶装置に記憶している情報にアクセスする為のアクセス情報を読み取る読取ステップと、前記アクセス情報が表す情報を前記記憶装置から取得して前記携帯機器に復元する復元ステップとを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、通信可能に接続された携帯機器から情報を取得して保存し、その情報を要求に基づき前記携帯機器に復元する画像処理装置であって、前記携帯機器に保存されている情報を取得して記憶装置に記憶する手段と、前記記憶装置に記憶した情報に前記携帯機器からアクセスする為のアクセス情報を作成する手段と、少なくとも前記アクセス情報を印刷する手段と、印刷された前記アクセス情報を読み取る読取手段と、前記アクセス情報が表す情報を前記記憶装置から取得して、前記携帯機器に復元する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、保存する情報量によらず、携帯機器から取得した情報の保存、その情報の携帯機器への復元を、高いセキュリティを確保しつつ容易に行なうことができる情報保存方法、情報復元方法および画像処理装置を提供可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明していく。なお、本実施例では画像処理装置の一例として複合機(MFP)を例に説明していくが、画像に関する情報を処理する如何なる装置又は機器であってもよい。
【0014】
画像処理装置とは、プリンタ装置,コピー装置,ファクシミリ装置,スキャナ装置,又は前述した各装置の機能の一部又は全部を1つの筐体内に収納した複合機など、画像に関する情報を処理する装置又は機器である。例えば特開2002−84383号公報にはプリンタ,コピー,ファクシミリおよびスキャナなどの各装置の機能を1つの筐体内に収納した複合機が記載されている。
【0015】
複合機は、1つの筐体内に表示部,印刷部及び撮像部などを設けると共に、プリンタ装置,コピー装置,ファクシミリ装置,スキャナ装置にそれぞれ対応するアプリケーションを設け、アプリケーションの切り替えによって、プリンタ装置,コピー装置,ファクシミリ装置,スキャナ装置として動作する。
【0016】
図1は、本発明による複合機を含むシステムの一実施例の構成図である。図1のシステムは、複合機1及び携帯機器2が、赤外線通信装置,Bluetooth通信装置又はシリアル通信装置等の通信装置3を介して通信可能に接続されている。携帯機器2は、携帯電話,個人向け携帯情報端末(PDA)等、ユーザが何らかの情報を保存しておける機器である。
【0017】
また、図1の複合機1は、制御部11,表示部12,アプリケーション管理部13,送信処理部14,キー操作部15,大容量記憶装置16,外部I/F17,バーコード処理部18,暗号処理部19,印刷処理部20,スキャン処理部21を含む構成である。複合機1を構成する各ブロックの詳細は、後述する。
【0018】
図1のシステムでは、携帯機器2の情報をバックアップする機能,携帯機器2へ情報をリストアする機能,情報のバックアップ及びリストアで使用するアプリケーションを携帯機器2へダウンロードする機能が設けられている。
【0019】
携帯機器2の情報をバックアップする機能,携帯機器2へ情報をリストアする機能,情報のバックアップ及びリストアで使用するアプリケーションを携帯機器2へダウンロードする機能により、図1のシステムでは携帯機器2から情報を取得して複合機1又は複合機1以外の外部のサーバ装置に保存し、その情報を必要なときに携帯機器2へリストアすることができる。
【0020】
具体的に、複合機1は保存した情報にアクセス情報としてのURLを付与し、そのURLを二次元バーコードに変換して紙等の媒体に印刷する。ここでは、URLが情報の記憶場所と情報の取得方法とを表している。印刷された二次元バーコードは、人間が見ても判読不能である。
【0021】
また、携帯機器2へ情報をリストアしたいとき、ユーザは紙等の媒体に印刷された二次元バーコードを複合機1に読み取らせる。複合機1は二次元バーコードを復号してURLを取得する。複合機1はURLが表す情報を取得して携帯機器2へリストアできる。
【0022】
以下、携帯機器2の情報をバックアップする機能,携帯機器2へ情報をリストアする機能,情報のバックアップ及びリストアで使用するアプリケーションを携帯機器2へダウンロードする機能の詳細を順次説明する。
【0023】
(携帯機器2の情報をバックアップする機能)
図2は携帯機器の情報をバックアップする機能の一例のシーケンス図である。図3及び図4は携帯機器の情報をバックアップする機能の一例の画面遷移図である。なお、図2のシーケンス図は複合機1と携帯機器2との通信準備が整ったあとの処理を表している。
【0024】
ユーザがキー操作部15からスキャナを選択すると、表示部12は携帯機器ボタン101を含む画面100を表示する。ユーザが携帯機器ボタン101を押下すると、表示部12は反転表示された携帯機器ボタン111を含む画面110を表示する。また、ステップS1に進み、キー操作部15は携帯機器利用要求を制御部11に対して行なう。
【0025】
ステップS2に進み、制御部11は外部I/F17及び通信装置3を介して携帯機器2に機器接続確認を行なう。この際のインタフェースには、赤外線やBluetoothなどの無線通信、或いはシリアル通信ケーブルによる有線通信を利用できる。ステップS3に進み、携帯機器2は制御部11に機器接続確認応答を行なう。この機器接続確認応答には例えば携帯機器2の機器番号が含まれる。
【0026】
ステップS4に進み、制御部11は携帯機器2との接続が完了したと判定し、表示部12へ携帯機器接続確認を通知する。表示部12は、携帯機器2との接続が完了した旨,携帯機器2の機器番号,バックアップボタン121,リストアボタン122及びアプリ登録ボタン123を含む画面120を表示する。
【0027】
ユーザがバックアップボタン121を押下すると、表示部12は反転表示されたバックアップボタン131を含む画面130を表示する。また、ステップS5に進み、キー操作部15はバックアップ要求を制御部11に対して行なう。ステップS6に進み、制御部11は携帯機器2にデータ取得要求を行なう。ステップS7に進み、制御部11は携帯機器2に保存されている情報としてのデータを携帯機器2から取得する。
【0028】
ステップS8に進み、制御部11は携帯機器2から取得したデータを例えば大容量記憶装置16に一時保管する。このとき、制御部11は携帯機器2から取得したデータを電話帳データ,画像データ,メールデータ,音楽データ等の情報の種類毎に分類しておくことが望ましい。携帯機器2から取得したデータを情報の種類毎に分類しておくことで、携帯機器2へ情報をリストアするとき、複合機1はリストアする情報の種類をユーザに選択させることができるようになる。
【0029】
ステップS9に進み、制御部11は表示部12へ保管先要求を行なう。なお、ステップS5〜S9の間、表示部12は、携帯機器2からデータの取得中である旨を含む画面140を表示する。
【0030】
制御部11から保管先要求を受けると、表示部12は保管先を選択する為のフォルダボタン151,サーバーAボタン152,サーバーBボタン153を含む画面150を表示する。ユーザは、画面150からデータの保管先を選択できる。画面150からデータの保管先が選択されると、キー操作部15はステップS10に進み、保管先を制御部11に通知する。例えばユーザがフォルダボタン151を押下すると、キー操作部15は制御部11に保管先としてフォルダを通知する。
【0031】
ステップS11に進み、制御部11は表示部12へ暗号鍵要求を行なう。制御部11から暗号鍵要求を受けると、表示部12は暗号鍵を入力する為の入力欄161を含む画面160を表示する。ユーザは、画面160の入力欄161から暗号鍵を入力できる。ユーザが暗号鍵を入力欄161に入力したあとOKボタン162を押下すると、表示部12は反転表示されたOKボタン171を含む画面170を表示する。
【0032】
また、ステップS12に進み、キー操作部15は入力された暗号鍵を制御部11に送信する。ステップS13に進み、制御部11はユーザにより入力された暗号鍵を例えば大容量記憶装置16に一時保管する。ステップS14に進み、制御部11は大容量記憶装置16に一時保管した携帯機器2から取得したデータおよび暗号鍵を読み出す。ステップS15に進み、制御部11はステップS14で取得したデータおよび暗号鍵を暗号処理部19に送信し、暗号化要求を行なう。
【0033】
暗号処理部19は受信した暗号鍵を用いてデータの暗号化を行う。ステップS16に進み、暗号処理部19は暗号化したデータ(暗号化データ)を制御部11に送信する。ステップS17に進み、制御部11は受信した暗号化データを大容量記憶装置16に一時保管する。ステップS18に進み、制御部11は一時保管した暗号化データを読み出す。
【0034】
保管先としてフォルダが選択されている場合、制御部11はステップS19に進み、保管先として選択されているフォルダに暗号化データを保存する。一方、保管先として複合機1以外の外部のサーバ装置(サーバーA又はサーバーB)が選択されている場合、制御部11はステップS20に進み、暗号化データを送信処理部14に送信し、保管先として選択されているサーバ装置への送信を要求する。なお、暗号化データは暗号化されているため、複合機1と外部のサーバ装置との間を転送されているときに盗聴などの被害を受けない。
【0035】
送信処理部14は、保管先として選択されているサーバ装置に暗号化データを送信したあと、ステップS21に進み、サーバー送信完了を制御部11に通知する。ステップS22に進み、制御部11は保管先に保存された暗号化データにアクセスする為のURLを生成する。そして、制御部11はステップS22で生成したURLをバーコード処理部18により二次元バーコードデータへ変換する。
【0036】
ステップS23に進み、制御部11はURLから変換された二次元バーコードデータを印刷処理部20に送信し、預かり証印刷を要求する。印刷処理部20は、受信した二次元バーコードデータを利用して、図5の預かり証を印刷する。なお、ステップS12〜S23の間、表示部12は、預かり証を印刷している旨を含む画面180を表示する。
【0037】
図5は、印刷された預かり証の一例のイメージ図である。図5の預かり証190は保管先に保存された暗号化データにアクセスする為のURLが、二次元バーコードの一例であるQRコード191に変換されて印刷されている。預かり証190は、情報をバックアップしたユーザに渡される。そして、ステップS24に進み、印刷処理部20は預かり証印刷完了を制御部11に通知する。
【0038】
以上、本発明による複合機1は、携帯機器2の情報を選択された保管先にバックアップすると共に、バックアップした情報にアクセスする為のアクセス情報(URLから変換された2次元バーコード等)を含む預かり証を印刷できる。
【0039】
(携帯機器2へ情報をリストアする機能)
図6は携帯機器へ情報をリストアする機能の一例のシーケンス図である。図7及び図8は携帯機器へ情報をリストアする機能の一例の画面遷移図である。なお、図6のシーケンス図は複合機1と携帯機器2との通信準備が整ったあとの処理を表している。ステップS101〜S104の処理は、図2のステップS1〜S4の処理と同様であり、説明を省略する。
【0040】
画面220が表示されているとき、ユーザがリストアボタン221を押下すると、表示部12は反転表示されたリストアボタン231を含む画面230を表示する。また、ステップS105に進み、キー操作部15はリストア要求を制御部11に対して行なう。この後、表示部12は預かり証をスキャナにセットしてスタートボタンを押す旨を含む画面240を表示する。
【0041】
リストア要求を受けると、制御部11はステップS106に進み、スキャン処理部21にスキャン要求を行なう。ユーザが預かり証をスキャナ装置にセットしてスタートボタンを押下すると、スキャン処理部21は預かり証からスキャンデータを読み取る。ステップS107に進み、スキャン処理部21は制御部11にスキャンデータを送信する。
【0042】
ステップS108に進み、制御部11はスキャンデータをバーコード処理部18に送信してバーコードデコード要求を行なう。バーコード処理部18はスキャンデータに含まれる二次元バーコードの一例であるQRコード191をデコードし、保管先に保存された暗号化データにアクセスする為のURLを取得する。バーコード処理部18はステップS109に進み、取得したURLを制御部11に送信する。
【0043】
ステップS110に進み、制御部11は受信したURLから暗号化データが保存されている保管先を解析する。保管先がフォルダである場合、制御部11はステップS111に進み、保管先であるフォルダから暗号化データを取得する。一方、保管先が複合機1以外の外部のサーバ装置(サーバーA又はサーバーB)である場合、制御部11はステップS112に進み、サーバー保管データ取得要求を送信処理部14に行なう。すると、送信処理部14は保管先である複合機1以外の外部のサーバ装置からサーバー保管データとしての暗号化データを取得する。ステップS113に進み、制御部11は送信処理部14から暗号化データを取得する。
【0044】
なお、暗号化データは暗号化されているため、複合機1と外部のサーバ装置との間を転送されるときに盗聴などの被害を受けない。暗号化データを取得したあと、制御部11はステップS114に進み、取得した暗号化データを例えば大容量記憶装置16に一時保管する。
【0045】
ステップS115に進み、制御部11は表示部12へ暗号鍵要求を行なう。制御部11から暗号鍵要求を受けると、表示部12は暗号鍵を入力する為の入力欄251を含む画面250を表示する。ユーザは画面250の入力欄251から暗号鍵を入力できる。ユーザが暗号鍵を入力欄251に入力したあとOKボタン252を押下すると、表示部12は反転表示されたOKボタン261を含む画面260を表示する。
【0046】
また、ステップS116に進み、キー操作部15は入力された暗号鍵を制御部11に送信する。ステップS117に進み、制御部11はユーザにより入力された暗号鍵を例えば大容量記憶装置16に一時保管する。ステップS118に進み、制御部11は大容量記憶装置16に一時保管した暗号化データおよび暗号鍵を読み出す。そして、制御部11はステップS119に進み、ステップS118で取得した暗号化データおよび暗号鍵を暗号処理部19に送信し、復号要求を行なう。
【0047】
暗号処理部19は、受信した暗号鍵を用いてデータの復号を行う。ステップS120に進み、暗号処理部19は復号したデータ(復号データ)を制御部11に送信する。ステップS121に進み、制御部11はステップS120で受信した復号データを大容量記憶装置16に一時保管する。
【0048】
ステップS122に進み、制御部11は表示部12にデータ選択要求を行なう。データ選択要求を受けると、表示部12はリストアする情報の種類をユーザに選択させる画面270を表示する。画面270は、リストアする情報の種類として電話帳データを選択する電話帳ボタン271,画像データを選択する画像ボタン272,メールデータを選択するメールボタン273,音楽データを選択する音楽ボタン274を含む。
【0049】
ユーザは、画面270からリストアする情報の種類を選択できる。画面270からリストアする情報の種類が選択されると、キー操作部15はステップS123に進み、リストアする情報の種類を表す選択リストを制御部11に通知する。例えばユーザが電話帳ボタン271及び音楽ボタン274を選択してスタートボタンを押下すると、表示部12は反転表示された電話帳ボタン281及び音楽ボタン282を含む画面280を表示する。ステップS124に進み、制御部11はキー操作部15から受信した選択リストに応じてリストアする情報の種類を選択し、その種類の情報を大容量記憶装置16から取得する。
【0050】
ステップS125に進み、制御部11は大容量記憶装置16から取得した情報を携帯機器2に送信する。携帯機器2は制御部11から受信した情報をリストアする。ステップS126に進み、携帯機器2はデータ送信完了を制御部11に通知して処理を終了する。なお、ステップS123〜S126の間、表示部12はデータを携帯機器2に送信している旨を含む画面290を表示する。
【0051】
以上、本発明による複合機1は、バックアップした情報にアクセスする為のアクセス情報を預かり証から読み取り、そのアクセス情報が表す保管先から情報を取得して携帯機器2へリストアできる。
【0052】
(アプリケーションを携帯機器2へダウンロードする機能)
図9は、アプリケーションを携帯機器へダウンロードする機能の一例のシーケンス図である。図10はアプリケーションを携帯機器へダウンロードする機能の一例の画面遷移図である。携帯機器2の情報をバックアップするとき、或いは携帯機器2へ情報をリストアするときには、携帯機器2側に専用のアプリケーションが必要となる。ここでは、携帯機器2の情報をバックアップするとき、或いは携帯機器2へ情報をリストアするときに利用する専用のアプリケーションを携帯機器2へダウンロードする機能について説明する。
【0053】
なお、図9のシーケンス図は複合機1と携帯機器2との通信準備が整ったあとの処理を表している。ステップS201〜S203の処理は、図2のステップS1〜S3の処理と同様であり、説明を省略する。
【0054】
ステップS204に進み、制御部11は機器接続確認応答に含まれる機器番号(機種情報)を例えば大容量記憶装置16に一時保管する。その後、ステップS205に進み、制御部11は携帯機器2との接続が完了したと判定し、表示部12へ携帯機器接続確認を通知する。
【0055】
表示部12は、携帯機器2との接続が完了した旨,携帯機器2の機器番号,バックアップボタン321,リストアボタン322及びアプリ登録ボタン323を含む画面320を表示する。
【0056】
ユーザがアプリ登録ボタン323を押下すると、表示部12は反転表示されたアプリ登録ボタン331を含む画面330を表示する。また、ステップS206に進み、キー操作部15はアプリケーションダウンロード要求を制御部11に対して行なう。ステップS207に進み、制御部11はステップS204で一時保管した機器番号(機種情報)を読み出し、接続されている携帯機器2の種類を判別する。これは、携帯機器2の種類により適応するアプリケーションが異なる為である。ステップS208に進み、制御部11は判別した携帯機器2の種類に適応するアプリケーションを受信する。
【0057】
判別した携帯機器2の種類に適応するアプリケーションを受信すると、制御部11は携帯機器2へアプリケーションをダウンロードする旨,OKボタン341,取消しボタン342を含む画面340を表示部12に表示させる。
【0058】
ユーザがOKボタン341を押下すると、制御部11はステップS209に進み、携帯機器2の種類に適応するアプリケーションを携帯機器2へデータ送信することで携帯機器2へダウンロードする。ステップS210に進み、携帯機器2はデータ送信完了を制御部11に通知して処理を終了する。
【0059】
以上、本発明による複合機1は、携帯機器2の情報をバックアップするとき、或いは携帯機器2へ情報をリストアするときに必要なアプリケーションを、携帯機器2の種類に適応するように選択してダウンロードすることができる。
【0060】
本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による複合機を含むシステムの一実施例の構成図である。
【図2】携帯機器の情報をバックアップする機能の一例のシーケンス図である。
【図3】携帯機器の情報をバックアップする機能の一例の画面遷移図(1/2)である。
【図4】携帯機器の情報をバックアップする機能の一例の画面遷移図(2/2)である。
【図5】印刷された預かり証の一例のイメージ図である。
【図6】携帯機器へ情報をリストアする機能の一例のシーケンス図である。
【図7】携帯機器へ情報をリストアする機能の一例の画面遷移図(1/2)である。
【図8】携帯機器へ情報をリストアする機能の一例の画面遷移図(2/2)である。
【図9】アプリケーションを携帯機器へダウンロードする機能の一例のシーケンス図である。
【図10】アプリケーションを携帯機器へダウンロードする機能の一例の画面遷移図である。
【符号の説明】
【0062】
1 複合機
2 携帯機器
3 通信装置
11 制御部
12 表示部
13 アプリケーション管理部13
14 送信処理部
15 キー操作部
16 大容量記憶装置
17 外部I/F
18 バーコード処理部
19 暗号処理部
20 印刷処理部
21 スキャン処理部
190 預かり証
191 QRコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信可能に接続された携帯機器から情報を取得して保存する画像処理装置の情報保存方法であって、
前記携帯機器に保存されている情報を取得して記憶装置に記憶する記憶ステップと、
前記記憶装置に記憶した情報に前記携帯機器からアクセスする為のアクセス情報を作成する作成ステップと、
少なくとも前記アクセス情報を印刷する印刷ステップと
を備えた情報保存方法。
【請求項2】
前記作成ステップは、前記情報の記憶場所と前記情報の取得方法とを表す前記アクセス情報を作成することを特徴とする請求項1記載の情報保存方法。
【請求項3】
通信可能に接続された携帯機器から取得した情報を前記携帯機器に復元する画像処理装置の情報復元方法であって、
前記携帯機器から取得して記憶装置に記憶している情報にアクセスする為のアクセス情報を読み取る読取ステップと、
前記アクセス情報が表す情報を前記記憶装置から取得して前記携帯機器に復元する復元ステップと
を備えた情報復元方法。
【請求項4】
前記復元ステップは、前記アクセス情報が表す情報のうち前記携帯機器に復元する情報の種類をユーザに選択させるステップと、
前記アクセス情報が表す情報のうち前記ユーザにより選択された種類の情報を前記携帯機器に復元するステップと
を備えた請求項3記載の情報復元方法。
【請求項5】
前記読取ステップは、前記情報の記憶場所と前記情報の取得方法とを表す前記アクセス情報を読み取ることを特徴とする請求項3又は4記載の情報復元方法。
【請求項6】
通信可能に接続された携帯機器から情報を取得して保存し、その情報を要求に基づき前記携帯機器に復元する画像処理装置であって、
前記携帯機器に保存されている情報を取得して記憶装置に記憶する手段と、
前記記憶装置に記憶した情報に前記携帯機器からアクセスする為のアクセス情報を作成する手段と、
少なくとも前記アクセス情報を印刷する手段と、
印刷された前記アクセス情報を読み取る読取手段と、
前記アクセス情報が表す情報を前記記憶装置から取得して、前記携帯機器に復元する手段と
を備えた画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−180736(P2007−180736A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374937(P2005−374937)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】