説明

情報入力装置およびそれを備えた写真撮影プリント装置、制御プログラム、コンピュータ読取り可能な記録媒体

【課題】複数のタッチペンのそれぞれが複数の表示画面に割り当てられており、1つのタッチペンが故障した場合でも、利便性が損なわれない情報入力装置を実現する。
【解決手段】情報入力装置100は、複数の画像表示部上の任意の点を指定する複数のタッチペンと、上記複数の画像表示部のそれぞれに割り当てられており、画像表示部における所定の受付範囲内で、上記タッチペンによる上記任意の点の指定を受付ける複数の入力制御部とを備え、上記複数の入力制御部のそれぞれは、指定を受付けるタッチペンが定められており、上記タッチペンの故障を検出する故障検出部80と、特定のタッチペンの故障が検出されると、故障していないタッチペンからの指定を受付ける入力制御部の上記受付範囲を、特定のタッチペンからの指示を受付ける受付範囲の少なくとも一部を含むように変更する有効範囲設定部82とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、タッチペンやマウス等のポインティングデバイスによって入力される情報を入力する情報入力装置およびそれを備えた写真撮影プリント装置、制御プログラム、コンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、タッチペン等の入力ペンを備えた座標入力装置によって取得された座標位置に、ユーザによって選択された画像を、液晶パネル等の表示装置に表示させる情報入力装置が知られている。
【0003】
そして、上記情報入力装置を用いて、ユーザをカメラ等の撮影手段によって撮影し、当該撮影画像と、娯楽性を高めるためにユーザが入力ペン等によって入力したスタンプ画像や線画等の落書き画像とを合成して、この合成画像を印刷する写真撮影プリント装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
この上記写真撮影プリント装置において、ユーザが落書き画像を作成する際には、撮影画像が表示された表示画面上を、ユーザが上記タッチペンを用いて、なぞることにより落書き画像が形成される。
【0005】
また、近年の写真撮影プリント装置では、複数の表示画面に撮影画像が表示され、複数のユーザが、タッチペンをそれぞれ用いて、落書き画像を作成している。この場合、特定の複数の表示画面には、当該表示画面に入力できるタッチペンがそれぞれ定められており、定められていないタッチペンで上記表示画面に落書き画像を形成することはできない。
【0006】
このとき、タッチペンが故障している場合には、ユーザは、タッチペンを操作した場合であっても、落書き画像を作成することができない。つまり、タッチペンが故障した場合には、このタッチペンに対応している表示画面に対しては、他のタッチペンを用いても落書き画像を形成することはできない。
【0007】
そして、このタッチペンが故障しているか否かを検出する技術としては、例えば、特許文献3、4に開示されており、タッチペンが故障しているか否かを判断することはできる。
【特許文献1】特開2004−153613公報(公開日:2004年5月27日)
【特許文献2】特開2004−213221公報(公開日:2004年7月29日)
【特許文献3】特開2004−334488公報(公開日:2004年11月25日)
【特許文献4】特開2003−263274公報(公開日:2003年9月19日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の構成では、タッチペンの故障は検知できても、故障したタッチペンのみの入力が許可されている表示画面に対しては、落書き画像を作成することができないという問題を生じる。
【0009】
そして、このような問題は、特に写真撮影プリント装置の場合は顕著に現れる。具体的には、写真撮影プリント装置では、撮影した撮影画像に対して落書き等の画像描画を施した後、印刷されることが通常に行われるが、この場合、画像描画を行うことができないと、全ての処理が中断することになる。すなわち、撮影画像を得ることができる場合でも、画像編集を行うことができないために、印刷を行うことができなくなり、利用者が満足できる状態に装置を稼動させることができない。
【0010】
そして、従来の構成では、タッチペンの故障を検出しても、故障したタッチペンによる入力が許可されている表示画面はそのままの状態で放置されることになり、利便性が損なわれるという問題がある。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のタッチペンのそれぞれが複数の表示画面に割り当てられている情報入力装置において、1つのタッチペンが故障した場合でも、利便性を損なわれない情報入力装置および写真撮影プリント装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかる情報入力装置は、上記の課題を解決するために、複数の表示領域を有する表示装置における当該複数の表示領域上の任意の点を指定する複数の入力手段と、上記複数の表示領域のそれぞれに割り当てられているとともに、当該表示領域における所定の受付範囲内で、上記入力手段による上記任意の点の指定を受付ける複数の受付手段とを備え、上記複数の受付手段のそれぞれには、上記指定を受付ける入力手段が定められており、上記入力手段の故障を検出する検出手段と、上記検出手段によって特定の入力手段の故障が検出されると、上記故障した入力手段以外の故障していない入力手段からの指定を受付ける受付手段の上記受付範囲を、故障した入力手段からの指定を受付ける受付範囲の少なくとも一部を含むように変更する受付範囲変更手段とを備えることを特徴としている。
【0013】
上記複数の表示領域とは、異なる情報を表示することができる領域を示しており、例えば、表示装置が有する1つの表示画面を複数の領域に分割することにより得られるものであってもよく、物理的に異なる複数の表示画面(例えば、2つのモニターを並列に並べたもの)のそれぞれを表示領域としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、入力手段によって表示領域の任意の点が指定されると、上記受付手段は、上記表示領域における所定の受付範囲内で、上記入力手段による指定を受付ける。換言すると、当該受付手段には、当該入力手段による表示領域上の指定を受付ける受付範囲が予め定められている。また、上記受付手段は、複数の入力手段のうち、特定の入力手段からの指定のみを受付ける。
【0015】
そして、特定の入力手段が故障した場合には、受付範囲変更手段は、上記特定の入力手段以外の他の入力手段からの指定を受付ける受付手段の受付範囲を変更する。つまり、特定の入力手段が故障した場合には、受付範囲変更手段は、故障していない入力手段からの指定を受付ける受付手段(故障した入力手段からの指定を受付ける受付手段とは異なる受付手段)の受付範囲を変更する。
【0016】
そして、複数の入力手段のそれぞれが、複数の受付手段にそれぞれ割り当てられており、特定の入力手段が故障した場合には、他の入力手段の指定を受付ける受付手段の受付範囲を変更している。具体的には、受付範囲変更手段は、故障が検出された特定の入力手段からの指示を受付ける受付範囲の少なくとも一部を含むように、上記他の入力手段からの指定を受付ける受付手段の受付範囲を変更する。
【0017】
従って、故障した入力手段からの入力(指定)を受付ける受付手段の受付範囲に相当する領域を、他の入力手段による指定を受付けることができるように、故障していない入力手段による指定を受付ける受付手段の受付範囲を変更することができる。つまり、特定の入力手段が故障した場合でも、当該特定の入力手段に割り当てられている受付範囲に相当する領域を、他の入力手段を用いて指定することができる。
【0018】
これにより、特定の入力手段が故障したことにより、当該特定の入力手段のみの指定を受付ける受付手段と対応している表示領域に対して、情報の入力(指定)ができないという事態を防止することができる。
【0019】
なお、上記受付範囲は、上記表示領域内であればよく、例えば、表示領域の一部のみを受付範囲に設定してもよく、表示領域全てを受付範囲としてもよい。
【0020】
本発明にかかる情報入力装置において、上記入力手段は、スイッチを備えているとともに、上記受付手段は、当該スイッチのON/OFFによって上記指定の制御を行うタッチペンであってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、上記入力手段がスイッチを備えた入力手段であるので、表示領域の任意の点の指定を簡単に行うことができる。
【0022】
本発明にかかる写真撮影プリント装置は、上記課題を解決するために、上記情報入力装置と、複数の表示領域を有する表示装置と、撮影手段によって得られた撮影画像とともに、情報入力装置を介して入力された情報を上記複数の表示領域に表示する表示制御手段と、上記情報入力装置にて入力された画像と上記撮影画像とを合成する合成手段とを備えることを特徴としている。
【0023】
上記表示装置と情報入力装置とを用いて、ユーザは画像を作成することができる。具体的には、上記表示装置に撮影画像を表示して、その撮影画像に基づいて情報入力装置を用いて画像を作成している。そして、情報入力装置を介して入力された画像と撮影手段によって得られた撮影画像とを合成することにより、出力(印刷)すべき画像を生成することができる。
【0024】
上記の構成とすることにより、例えば、タッチペン等の入力手段を用いて表示領域に表示された撮影画像に対して落書きする際に、入力手段が故障した場合であっても、他の入力手段を用いて故障した入力手段の代わりに操作することができるので、利便性を向上させることができる。つまり、入力手段が故障しても、他の入力手段を用いて情報の入力を行うことができるので、写真撮影プリント装置を停止させてメンテナンスを行わなくても、利用者の所望する操作を行うことができる。
【0025】
本発明にかかる写真撮影プリント装置は、上記検出手段によって特定の入力手段の故障が検出されると、当該特定の入力手段が故障している旨を報知する報知手段を備えていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、入力手段が故障した場合に、報知することができるので、入力手段の故障を迅速に把握することができる。
【0027】
本発明にかかる写真撮影プリント装置において、表示制御手段は、上記受付範囲変更手段によって変更された受付範囲と同じ大きさになるように、上記表示領域における画像の表示範囲を変更する構成であってもよい。
【0028】
上記の構成によれば、上記入力手段を介して入力された情報が、変更された受付範囲となるように表示している。これにより、例えば、受付範囲が広がった場合でも、当該受付範囲に対応するように撮影画像と情報入力装置を介して入力された情報とを表示することができる。
【0029】
本発明にかかる写真撮影プリント装置において、上記表示制御手段は、上記故障した入力手段による指定を受付ける受付手段と対応付けられている表示領域に表示された情報を消去する構成であってもよい。
【0030】
上記の構成によれば、入力手段の故障を検出すると、当該故障した入力手段からの指定を受付ける受付手段と対応している表示領域に表示された画像を消去している。これにより、タッチペンが故障して、情報の入力ができなくなった場合に、上記表示画面の任意の点の指定を受付けることができない表示領域に表示された画像を消去しているので、利用者は、入力できないことを知ることができる。
【0031】
なお、上記情報入力装置および写真撮影プリント装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報入力装置および写真撮影プリント装置をコンピュータにて実現させる情報入力装置および写真撮影プリント装置の制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
本発明にかかる情報入力装置は、複数の表示領域を有する表示装置における当該複数の表示領域上の任意の点を指定する複数の入力手段と、上記複数の表示領域のそれぞれに割り当てられているとともに、当該表示領域における所定の受付範囲内で、上記入力手段による上記任意の点の指定を受付ける複数の受付手段とを備え、上記複数の受付手段のそれぞれは、上記指定を受付ける入力手段が定められており、上記入力手段の故障を検出する検出手段と、上記検出手段によって特定の入力手段の故障が検出されると、上記特定の入力手段以外の他の入力手段からの指定を受付ける受付手段の上記受付範囲を変更する受付範囲変更手段とを備える構成である。
【0033】
従って、故障した入力手段からの入力(指定)を受付ける受付手段の受付範囲に相当する領域を、他の入力手段による指定を受付けることができるように、故障していない入力手段による指定を受付ける受付手段の受付範囲を変更することができる。つまり、特定の入力手段が故障した場合でも、当該特定の入力手段に割り当てられている受付範囲に相当する領域を、他の入力手段を用いて指定することができる。
【0034】
これにより、特定の入力手段が故障したことにより、当該特定の入力手段のみの指定を受付ける受付手段と対応している表示領域に対して、情報の入力(指定)ができないという事態を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の一実施形態について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0036】
本実施の形態にかかる情報入力装置は、表示領域上の任意の点を指定することができる複数のタッチペンと、複数の表示領域のそれぞれに割り当てられているとともに、上記タッチペンによる情報の入力を所定の受付範囲で受付ける複数の受付手段と、タッチペンが故障したことを検出する検出手段とを備え、上記受付手段のそれぞれには、指定を受付ける入力手段が定められており、上記タッチペンが故障した場合には、故障したタッチペンと対応している受付手段以外の他の受付手段の受付範囲を変更する受付範囲変更手段を備える構成である。
【0037】
なお、以下の説明では、上記情報入力装置を一機能として備えた写真撮影プリント装置に関して説明する。
【0038】
本実施の形態に係る写真撮影プリント装置は、利用者の写真を撮影する機能(撮影機能)、撮影した写真に対して落書きなどの編集を利用者に行わせる機能(編集機能)、及び編集された画像をプリントする機能(プリント機能)を備えているものである。なお、これらの機能は全て必須であるものではなく、例えばプリント機能が省かれた構成とすることも可能である。
【0039】
(写真撮影プリント装置1の外観的構成)
まず、図2および図3を参照しながら、写真撮影プリント装置1の外観について説明する。図2は、本実施の形態に係る写真撮影プリント装置1の概略の構成を示す斜視図である。また、図3は、上記写真撮影プリント装置1の概略の構成を示す側面図である。図2、図3に示すように、写真撮影プリント装置1は、利用者を被写体として撮影するカメラユニット2(撮影部)を備える装置本体3と、被写体の背景となる背景カーテン4とが配備されている。なお、装置本体3から背景カーテン4までの周囲および上部は、外部からの光を遮断する遮光幕によって覆われる。これにより利用者の写真を撮影する撮影空間5が形成される。この写真撮影プリント装置1は撮影空間5にて編集処理も行われるものとするが、撮影空間5と編集処理を行う空間とが別々に設けられていてもかまわない。
【0040】
装置本体3には、カメラユニット2、タッチパネル6(画像表示部61)、硬貨投入口7、硬貨返却口8、撮影後のプリントが排出されるプリント排出口9が設けられている。また、装置本体3には、被写体を照明する照明装置10として、蛍光灯、ストロボランプ、反射板(これらは、装置本体3内に設置されているため、図示せず)、および拡散板11が配置されている。なお、照明装置10の構成は上記に限定されるものではなく、撮影に最適な光が被写体に照射されるようになっていればよい。また、タッチパネル6付近にはタッチペン12が設けられている。また、撮影空間5内には、スピーカ59(図示せず)が配備されている。
【0041】
また、写真撮影プリント装置1には、撮影空間5に利用者がいることを撮影空間5の外に向けて表示するためのランプ等が外側に設けられていてもかまわない。また、撮影空間5に荷物置スペースや荷物掛けフック等が設けられていると、利用者は荷物を視界内に入れることができるので、置き引きを防止することができる。なお、上記設置物の配置位置は図面のものに限定されない。
【0042】
タッチパネル6は、例えば液晶表示素子などのフラットパネルディスプレイやCRT(cathode ray tube)等の表示面にタッチセンサを設けて構成されている。このタッチパネル6には、撮影処理および編集処理における各種メッセージや画像などが表示される。具体的には、タッチパネル6には、デモ画面、オープニング画面、課金処理指示画面、撮影処理および編集処理における各種操作内容等のメッセージや画像、落書きなどの画像編集処理時における編集対象の画像および各種編集ツールなどが表示される。また、撮影時の動画像等が表示される。これにより、カメラユニット2に向かって撮影ポーズをとる利用者は、リアルタイムで自身の姿を視認することができ、自身のポーズを確認しながら、撮影処理を行うことができる。
【0043】
そして、タッチパネル6の近傍(図2ではタッチパネル6の左右)には、タッチペン12が備えられている。利用者は、このタッチペン12をタッチパネル6に接触させることによって、処理の進行に応じて表示されるボタンを選択したり、落書きなどの画像描画を行ったりすることが可能となる。ここで、図2に示すように、装置本体3には、タッチペン12が、2つ設置されていることにより、2人の利用者が同時に落書き処理などを入力することができる。
【0044】
そして、本実施の形態では、上記タッチペン12は複数(ここでは2本)設けられている。これらのタッチペン12を用いて、上記タッチパネル6を操作することにより、様々な処理を行うことができる。なお、上記タッチペン12については後述する。
【0045】
また、ここでは、一つのタッチパネル6を撮影処理用及び編集処理用として設けているが、それぞれ別に設けてもかまわない。
【0046】
硬貨投入口7は、利用者が料金として所定金額の硬貨を投入するための投入口である。硬貨返却口8は、釣り銭が生じた場合や、硬貨が投入された後でリセットされた場合に、硬貨を利用者に対して返却するための返却口である。また、装置本体3の内部には、利用者から徴収した硬貨を蓄積する硬貨容器(図示せず)が設けられている。
【0047】
プリント排出口9は、撮影処理および編集処理を終えた後に、後述のプリンタ35(出力手段)によって画像がプリントされた写真プリント紙42が排出される箇所である。
【0048】
上記背景カーテン4は、撮影の背景を演出するものである。なお、背景カーテン4は、切換可能に複数設けられていてもよい。つまり、撮影処理時において、撮影における背景を利用者の好みに応じて演出でききるよう、複数の背景カーテン4を切換えることができるようになっていてもよい。この場合、例えば様々な色、あるいは様々な絵柄や模様の背景カーテン4を背景となる位置に用意しておき、これらを切換えることによって、利用者の好みに応じた背景を演出することを可能とする。この背景カーテン4は、モータによって機械制御によって切換えることができる自動式(モータ式)となっていてもよいし、利用者が上げたりスライドさせたりすることによって切換えることができる手動式になっていてもよい。
【0049】
上記照明装置10を構成している蛍光灯(図示せず)は、撮影時の照明として機能するとともに、通常時の撮影空間5の照明としても機能する。具体的には、蛍光灯は、撮影時にカメラユニット2が撮影するライブビューにおける光量、つまり、利用者が撮影の構図やポーズを考えている期間の光量、を確保する。それとともに、例えば、「写りの良い写真がとれそう」という印象を利用者に与えるといったような、照明による撮影空間5の演出を行う。ここでは、蛍光灯は、装置本体3内において、カメラユニット2の両側に配備される。
【0050】
上記ストロボランプ(図示せず)は、撮影時の写真閃光灯として機能するものであり、装置本体3内において、カメラユニット2の両側に配備される。
【0051】
上記反射板(図示せず)は、蛍光灯やストロボランプからの光をその反射するよう機能するものであり、光を拡散板11の方向に導くように設置される。反射板は、反射面が、例えばステンレス等から構成され、形状としては、拡散板11に光を集められるような形状であればよい。
【0052】
上記拡散板11は、反射板にて反射された光を拡散して撮影空間5に出射するよう機能するものである。拡散板11は、例えば、薄い乳白色のアクリル板などによって構成されている。形状としては、本実施形態では、発光面が略平面状となっており、また、鉛直方向に長い長方形である。
【0053】
なお、必要に応じて、照明装置10からの光量を変化させたり、照明方向を変更したりしてもよい。
【0054】
スピーカ59は、利用者に対して各種操作上のガイダンス音声や効果音、BGM(back ground music)などを出力するものである。
【0055】
(写真撮影プリント装置1の機能的説明)
次に、上記写真撮影プリント装置1の機能的な構成について、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、上記写真撮影プリント装置1の概略の構成を示すブロック図である。同図に示すように、写真撮影プリント装置1は、前記したカメラユニット2、背景カーテン4、タッチパネル6、タッチペン12、スピーカ59及び照明装置10に加えて、制御装置20、記憶装置30、外部ディスクドライブ31、電源装置32、課金処理部33、IDタグリーダ/ライタ34、プリンタ35(画像出力部)、プリント紙ユニット40、駆動制御部50、画像合成部72、描画アプリケーション71、故障検出部80、通信部、RAM22、およびROM21を備えている。
【0056】
タッチパネル6は、静止画像、動画像、文字情報等を表示する画面である画像表示部61および、利用者の操作入力を受け付けて情報を取得する操作入力部73からなっている。操作入力部73は、利用者の操作入力の受け付けに供され、例えば、操作ボタンとしてタッチパネル6上に表示される。このように操作入力部73はタッチパネル6に表示されるように設けられていてもよいが、例えば、押しボタンとしてタッチパネル6外に設けられてもかまわない。
【0057】
上記制御装置20は、写真撮影プリント装置1内における上述した各種構成の動作を統括的に制御する。制御装置20は、上記ユーザからの入力および後述する描画アプリケーション71からの出力を制御する入出力ドライバ70を備えている。なお、上記入出力ドライバ70については後述する。
【0058】
そして、上記制御装置20は、例えばPC(Personal Computer)ベースのコンピュータによって構成される。そして、各種構成の動作制御は、制御プログラムをコンピュータに実行させることによって行われる。このプログラムは、例えばCD−ROMなどのリムーバブルメディア29に記録されているものを読み出して使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み出して使用する形態であってもよい。また、この制御装置20がインターネットなどの通信ネットワークに接続された構成とする場合、この通信ネットワークを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。
【0059】
上記記憶装置30は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置30によって構成されるものである。この記憶装置30に記憶される内容としては、上記した制御プログラム、OS(operating system)プログラム、およびその他各種プログラム、カメラユニット2における動作設定値、撮影した画像および編集した画像の画像データ等が挙げられる。カメラユニット2における動作設定値としては、装置出荷時やメンテナンス時等に設定されるホワイトバランスの値、撮影画像の明暗などを調整する際の画像処理に関する各種パラメータ値などが挙げられる。
【0060】
外部ディスクドライブ31は、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、DVD−RAMなどの外部ディスク(リムーバブルメディア29)を読み書きするドライブ装置である。外部ディスクドライブ31の代わりに、半導体メモリカードのリーダ/ライタなどを用いることもできる。なお、この外部ディスクドライブ31が、上記記憶装置30の代わりとして動作してもよい。
【0061】
上記電源装置32は、写真撮影プリント装置1内における上述した各種構成に対して電力供給を行うためのものである。
【0062】
上記課金処理部33は、硬化投入口からの代金投入、及び硬化返却口からの返却処理などを制御するものであり、利用者から徴収する課金に関する処理を行うものである。課金処理部33による課金状況に応じて、制御装置20が該当利用者に対する動作を制御する。
【0063】
上記IDタグリーダ/ライタ34及びプリンタ35は、プリント紙ユニット40を構成しており、このプリント紙ユニット40に対して、写真プリントの出力媒体となるプリント紙42(プリント媒体)及びIDタグ41がプリント紙ユニット40としてセットで納入されるようになっている。
【0064】
上記プリンタ35は、出力すべき画像データが制御装置20から送られてくると、その画像データに基づいてプリント紙42に印刷を行うものである。このプリンタ35としては、例えば昇華型プリンタ35が用いられる。なお、昇華型プリンタ35を用いる場合には、プリント紙42及びIDタグ41に加えて、昇華型用インクフィルムがセットとなって納入されることになる。
【0065】
上記IDタグリーダ/ライタ34は、IDタグ41に記録されている各種識別情報を読み出して制御装置20に出力する。IDタグ41は、メモリ機能を有するICチップなどによって構成されるものである。上記識別情報としては、固有ID、用紙枚数、用紙種類、及び、インク固有の色情報(インクフィルムがセットとなっている場合)などが挙げられる。
【0066】
上記制御装置20は、IDタグリーダ/ライタ34で読取った識別情報に基づいて、装着されたプリント紙42及びインクフィルムが、当該写真撮影プリント装置1において利用可能なものであるかを判定し、利用可能である場合にのみプリンタ35を動作可能とする。すなわち、写真撮影プリント装置1において指定されているプリント紙42及びインクフィルム以外は使用できないように設定されていることになる。
【0067】
また、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報に基づいて、プリント紙42を使用するごとに用紙枚数をカウントダウンしていくことによって、残りの用紙枚数を把握することが可能となる。よって、残りの用紙枚数が少なくなってきた際に、これを画像表示部61などによって警告するような構成としておけば、利用者の利用中に用紙切れを起こすというような不具合を回避することが可能となる。なお、用紙枚数をカウントする際には、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報も書き換えるようにする。これにより、用紙を使い切った場合には、IDタグ41に記録されている用紙枚数情報も0となり、このIDタグ41を無効にすることが可能となる。
【0068】
また、IDタグ41に記録されている用紙種類情報や、インク固有の色情報を読み出すことによって、これらを考慮して画像データの色成分などを補正することにより、その用紙やインクフィルムに的確な画像出力を行うことが可能となる。
【0069】
IDタグ41としては、無線によりデータ通信を行うことが可能な非接触型IDタグ41と、端子が設けられた接触型IDタグ41とがあり、IDタグリーダ/ライタ34としては、これらのどちらか一方あるいは両方に対応したものとなる。
【0070】
なお、上記の例では、IDタグ41を利用して利用可能なプリント紙42であるか否かを確認するようになっているが、これに限定するものではなく、例えば、プリント紙42及びインクフィルムを梱包する梱包材などにプリントされているバーコードなどを利用して確認するような構成としてもよい。また、上記のプリント紙42としては、通常の紙状媒体である紙状シートであってもよいし、粘着シート及び該粘着シールの粘着面に貼り付けられている剥離シートからなるシールシートであってもよい。
【0071】
上記通信部23は、外部装置と情報の送受を行うものである。具体的には、例えば、上記通信部23は、カメラユニット2を用いて撮影した撮影画像を、上記利用者の携帯電話に送信してもよい。
【0072】
ROM21は、制御装置20を動作させるために必要な情報を記憶しているものである。また、上記RAM22は、上記制御装置20が各種の制御を行う際に、一時的にデータを格納するものである。なお、上記RAM22は、後述する描画アプリケーション71が画像編集作業を行う際に必要なデータを一時的に格納するものもある。
【0073】
上記駆動制御部50は、写真撮影プリント装置1に備えられた、背景カーテン4、照明装置10、スピーカ59、およびカメラユニット2の駆動を制御するものである。具体的には、上記駆動制御部50は、背景カーテン4の駆動を制御するカーテン制御部52、照明装置10の駆動を制御する発光制御部53、スピーカ59の駆動を制御する音声出力部54、およびカメラユニット2の駆動を制御する撮像ユニット制御部55を備えている。そして、この駆動制御部50は、制御装置20からの命令に基づいて、上記各駆動装置を制御している。
【0074】
上記描画アプリケーション71は、操作入力部73の操作に基づいて画像が形成された画像形成レイヤー(以下、落書きレイヤーと称する)を作成するものである。具体的には、上記描画アプリケーション71は、利用者が、タッチペン12やタッチパネル6等を用いて、画像を形成する際に、画像の描画および消去を含む画像編集を行うものである。
【0075】
上記画像合成部72は、カメラユニット2にて撮影された撮影画像と上記落書きレイヤーとを含む複数のレイヤーを合成して合成画像を作成するものである。本実施の形態にかかる写真撮影プリント装置1では、図5に示すように、画像合成部72は、前景フレームを示す前景レイヤーと上記撮影画像を示す撮影画像レイヤーと、上記描画アプリケーション71によって作成された落書きレイヤーと、背景を示す背景レイヤーとを合成して、合成画像を作成している。そして、この合成画像が上記プリンタ35によって印刷されることになる。なお、上記背景レイヤーと落書きレイヤーとは同じものであってもよい。また、落書きレイヤーは、他のレイヤーを兼ねていてもよい。具体的には、落書きは前景レイヤーと落書きレイヤーとが同じもの(前景レイヤーに落書きを行うことになる)であってもよく、撮影画像レイヤーと落書きレイヤーとが同じものであってもよく、背景レイヤーと落書きレイヤーとが同じものであってもよい。
【0076】
上記故障検出部80は、タッチペン12が故障しているか否かを検出するものである。この故障検出部80は、タッチペン12を介して入力された信号を監視することで、当該タッチペン12が故障しているか否かを検出している。なお、上記故障検出部80は、例えば、タッチペン12に設けられていてもよい。
【0077】
(全体処理の流れ)
次に、上記写真撮影プリント装置1における撮影から印刷までの一連の処理の流れについて、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、ステップ1(以降、S1のように称する)において、課金処理部33は、利用者による硬貨の投入があるか否かを判定する。具体的には、課金処理部33は、利用者による硬貨投入口7から硬貨の投入があると判定すると(S1においてYES)、制御装置20を動作させる。そして次のS2に進む。一方、課金処理部33は、硬貨の投入がないと判断すると(S1においてNO)、硬貨の投入を待つ。すなわち、客待ち状態を維持する。なお、この客待ち状態では、例えば、タッチパネル6画面等を表示させておいてもよい。
【0078】
S2では、制御装置20が、駆動制御部50を制御して撮影処理を行う。この撮影処理では、背景カーテン4の選択や実際の撮影処理などが行われる。ここで、利用者は、画像表示部61に表示されるライブビュー画像を確認しながら、自分の立ち位置やポーズなどを考え、準備が整い次第、撮影開始指示を行うことによって撮影が行われる。
【0079】
そして、S3において、制御装置20は、S2における撮影開始からの経過時間が設定時間(ここでは、2分)を超えたか否かを判断する。そして、制御装置20は、上記経過時間が設定時間を超えていないと判断すると(S3においてNO)、S2における撮影処理を繰り返し行う。なお、ここでは、経過時間が2分をオーバーした場合に撮影処理の終了を行う設定になっているが、例えば、撮影枚数が累積限度なった場合や、利用者によって撮影処理の終了指示が出されることにより、撮影処理が終了されるようになっていてもよい。そして、制御装置20は、撮影処理によって生成した撮影画像を、記憶装置30に記憶する。
【0080】
S3において、制御装置20によって経過時間が2分を超えたと判断されると(S3においてYES)、処理はS4に進む。
【0081】
S4では、制御装置20が、描画アプリケーション71を制御して編集処理を行う。描画アプリケーション71は、記憶装置30から編集対象となる撮影画像、すなわち撮影処理によって作成された撮影画像を読み出し、画像表示部61に画像編集するための編集用画像を表示する。この編集用画像に対して利用者は、タッチペン12を用いて落書きなどの編集処理を行う。この編集用画像には、例えば、編集処理を行うためのツール類の選択領域が表示されてもよい。ツール類としては、例えば複数の種類からなるペンおよびその色、消しゴム、および複数のスタンプなどが挙げられる。
【0082】
また、編集対象となる編集用画像には、編集対象となる画像を選択するための選択画像が表示されてもよい。利用者は、タッチペン12によって選択画像をタッチすることによって、中央に編集対象として表示される画像を切換えることが可能となっていてもよい。なお、この選択画像は、上記の撮影処理において、複数回の撮影が行われた場合の各撮影時における画像に相当するものである。なお、描画アプリケーション71による画像編集処理については後述する。
【0083】
そして、S5において、制御装置20は、S4における編集開始からの経過時間が設定時間(ここでは、2分)を超えたか否かを判断する。そして、上記制御装置20が、上記経過時間が2分を超えていないと判断すると(S5においてNO)、S4に戻って編集処理を継続する。なお、ここでは、経過時間が2分をオーバーした場合に撮影処理の終了を行う設定になっているが、例えば、利用者によって編集処理の終了指示が出されることにより、編集処理が終了されるようになっていてもよい。この経過時間がある一定時間になった時点で、まだ編集処理が行われていない選択画像があれば、タッチパネル6に「落書き忘れ」の画像データがある旨の表示を行ってもよい。または、編集処理の時間を、編集処理を行う対象の画像数で割って各画像に与えられた時間とし、各画像に与えられた時間が経過する毎に「次の画像の落書きをしない?」といった催促を画像表示部61に表示させてもよい。上記のような表示により、利用者は、全ての画像に対して、編集処理忘れを防止することができる。また、利用者による編集処理の作業が終了すると、利用者の指示に基づいて、または自動的に、編集処理した各画像をどのような配置で、またどのような分割数で、プリント紙42に印刷するのかが決定されてもよい。
【0084】
S5において、制御装置20によって経過時間が2分を超えたと判断されると(S5においてYES)、制御装置20は、上記S4の編集処理にて利用者に作成された落書きレイヤーと撮影画像と背景レイヤーと前景レイヤーとを画像合成部72にて合成し、処理はS6に進む。
【0085】
S6では、制御装置20が、印刷処理を行う。具体的には、制御装置20は、画像合成部72にて合成された合成画像を、プリンタ35を動作させてプリント紙42に印刷する。そして、このプリント紙42がプリント排出口9から排出される。
【0086】
以上のシーケンスによって、写真撮影プリント装置1における一連の動作が終了する。
【0087】
(情報入力装置100)
ここで、上記写真撮影プリント装置1に設けられており、画像の編集作業を行う情報入力装置100について説明する。なお、以下の説明では、タッチペン12が2本(タッチペンA、B)設けられている例について説明するが、タッチペン12の本数は、2本に限定されるものではなく、複数本設けられていればよい。
【0088】
図1は、本実施の形態にかかる情報入力装置100の概略の構成を示すブロック図である。上記情報入力装置100は、入出力ドライバ70と描画アプリケーション71と故障検出部80と有効範囲設定部82と有効範囲記憶部81A、82Bとタッチペン12A、12Bを備えている。また、上記情報入力装置100は、必要に応じて、画像表示部61を備えていてもよい。
【0089】
上記入出力ドライバ70は、上記タッチペン12と描画アプリケーション71との間、および、画像表示部61と描画アプリケーション71との間の入出力信号を制御するものである。上記入出力ドライバ70は、入力制御部76A、76Bと出力制御部79A、79Bとを備えている。なお、以下の説明では、特に、AとBとを分ける必要があるもの以外については説明の便宜上AとBとを区別することなく記載する。
【0090】
上記入力制御部76は、操作入力部73(タッチペン12)からの操作を受付けて、描画アプリケーション71に送信するものである。そして、上記入力制御部76は、入力受付部77A、77Bと入力座標特定部78A、78Bとを有している。そして、入力制御部76のうち、入力制御部76Aは、タッチペン12Aの入力を受付けるものであり、入力制御部76Bは、タッチペン12Bの入力を受付けるものである。つまり、複数の入力制御部76のそれぞれは、特定の(予め定められた)タッチペン12の入力を受付けるものである。従って、タッチペン12の数と対応するだけの入力制御部76が設けられている。
【0091】
上記入力受付部77は、操作入力部73の操作を受付けるものである。そして、上記入力座標特定部78は、入力受付部77にて受付けた操作から、座標を特定するものである。上記操作入力部73は、ポインティングデバイスであり、上記入力座標特定部78は、ユーザによってポインティングデバイスの操作が行われた入力座標を特定するものである。つまり、上記入力制御部76は、ユーザが、上記ポインティングデバイスを用いて、画像表示部61上を操作する際に、当該画像表示部61の表示画面上での入力位置や座標を特定するものである。
【0092】
そして、タッチペン12Aの操作は、入力受付部77Aおよび入力座標特定部78Aを介して描画アプリケーション71に入力されることになる。また、そして、タッチペン12Bの操作は、入力受付部77Bおよび入力座標特定部78Bを介して描画アプリケーション71に入力されることになる。
【0093】
上記出力制御部79は、描画アプリケーション71から画像表示部61に対して出力される表示信号を制御するものである。また、画像表示部61は、描画アプリケーション71にて作成された画像情報を表示するものである。そして、タッチペン12Aの操作によって作成された画像は、出力制御部79Aを介して画像表示部61Aに表示される一方、タッチペン12Bの操作によって作成された画像は、出力制御部79Bを介して、画像表示部61Bに表示される。
【0094】
上記有効範囲記憶部81は、タッチペン12による入力(指定)を受付ける受付範囲(有効範囲)を記憶している。つまり、タッチペン12は、上記受付範囲外に情報の入力を行った場合には、入力制御部は当該入力を無効とみなす。具体的には、例えば、有効範囲記憶部81Aは、タッチペン12Aからの入力を有効と判断する有効範囲を示す座標が記憶されており、当該座標の範囲外に、タッチペン12Aからの入力があった場合には、入力制御部76Aは、上記タッチペン12Aの入力は無効であるとみなす。
【0095】
また、上記有効範囲記憶部81に記憶されており受付範囲は、タッチペン12の数だけ存在する。また、有効範囲記憶部81Aには、タッチペン12Aの有効範囲が記憶されており、有効範囲記憶部81Bには、タッチペン12Bの有効範囲が記憶されている。そして、通常には、上記タッチペン12Aの有効範囲とタッチペン12Bとの有効範囲は異なっており、例えば、タッチペン12Aを用いて、タッチペンBの有効範囲内に情報を入力しても、当該入力は無効とみなされる。
【0096】
有効範囲設定部82は、上記有効範囲記憶部81に記憶されている有効範囲を変更するものである。より具体的には、上記有効範囲設定部82は、上記故障検出部80からの指示に基づいて、所定の有効範囲記憶部81に記憶されている有効範囲を変更する。
【0097】
このように、本実施の形態では、通常時には、タッチペン12によって入力された画像は、当該タッチペンに関連付けられた画像表示部61のみに表示されることになる。より詳細には、通常時には、タッチペン12Bによって作成された画像が画像表示部61Aに表示されることはなく、また、タッチペン12Aによって作成された画像が画像表示部61Bに表示されることもないように、描画アプリケーション71および入出力ドライバ70が制御を行っている。このように、本実施の形態では、複数のタッチペン12における情報の入力は予め決められている画像表示部61に表示されることになる。
【0098】
ここで、上記タッチペン12について説明する。図7は、上記タッチペン12の概略の構成を示す斜視図である。
【0099】
上記タッチペン12は、画像表示部61の表面に設けられた入力受付部77と一対となって情報入力装置100を構成している。そして、上記タッチペン12の入力方式としては、例えば、電磁誘導方式および静電結合方式等が挙げられる。
【0100】
上記電磁誘導方式のタッチペン12は、内部にコイル等を含んで磁界を発生させるようになっており、タッチペンで上記画像表示部61の表面に設けられた入力受付部77をタッチすると、当該入力受付部77側でその電磁エネルギーを受け取り、当該タッチペン12によって指定(タッチ)された位置を検出している。
【0101】
また、静電結合方式のタッチペン12は、入力受付部77上のX方向およびY方向に走査する透明電極とタッチペン12との間の電位の変化によってタッチペン12の位置を検出している。
【0102】
これら、電磁誘導方式または静電結合方式のタッチペン12は、入力受付部77から所定の距離にある座標検出範囲に存在することで磁界の発生または電位の変化を検出し、タッチペン12が実際に入力受付部77に接していなくても、当該タッチペンの位置を検出することができる。
【0103】
そして、上記タッチペン12には、図7に示すように、筒状のケースの先端にペンスイッチ91を備えている。上記ペンスイッチ91は、上記筒状のケースの先端にバネまたはゴム等によって伸縮が可能な検出軸を備えており、タッチペン12で上記入力受付部77が設けられた画像表示部61等を押すと上記検出軸が縮む方向に動き、その結果ペンスイッチがONとなり、タッチペン12が押されたことを示す。一方、上記タッチペン12を画像表示部61等から離すとバネによる反発により検出軸が延び、その結果ペンスイッチがOFFとなる。そして、上記筒状のケース内部には図示しない制御基板を備え、上記ペンスイッチのONとOFFとを検出している。
【0104】
そして、上記タッチペン12は、上記ペンスイッチ91と反対端に、情報入力装置100本体の入力制御部76と接続されているケーブル92が設けられており、当該ケーブルを介して検出されたペンスイッチ91のON/OFFを示すペンスイッチ信号が入力制御部76に送信される。このようにして、上記入力制御部76は、上記ペンスイッチ信号と、入力座標特定部78とから、タッチペン12による情報の入力を検出することができる。
【0105】
また、本実施の形態では、入力座標特定部78は、タッチペン12から取得した座標が、有効範囲記憶部81に記憶されている受付範囲内であるか否かを判断し、上記座標が受付範囲内である場合のみ、当該座標情報を描画アプリケーション71に送信している。これにより、タッチペン12が上記受付範囲外で操作されていた場合には、上記入力制御部76は、上記操作を受付けない。
【0106】
また、本実施の形態では、図7に示すように、タッチペン12の本体部にユーザの操作を受付けるボタン90を備えている。そして、上記ボタン90に、単位画像の消去機能(消しゴム機能)が割り当てられている。そして、タッチペン12に備えられたボタン90をユーザが押すことで、消去操作が実行される。具体的には、上記タッチペン12に備えられたボタン90をユーザが押しながら、画像表示部61上に表示されている画像に当該タッチペン12を接触させることで、上記画像が消去される。なお、上記ボタン90に上記ペンスイッチ91の機能を割り当ててもよい。具体的には、例えば、タッチペン12の先端にペンスイッチ91が設けられていない場合、または、ペンスイッチ91が故障した場合に、上記ボタン90を押すことにより、ON状態つまり、情報の入力が可能な状態にしてもよい。つまり、上記入力制御部76は、上記ボタン90の押圧状態によって、ON状態とOFF状態とを判断してもよい。
【0107】
そして、本実施の形態では、通常時には、それぞれのタッチペン12A、12Bからの入力を受付ける受付範囲は、互いに異なっている。従って、異なるタッチペン12にて、入力を行っても上記入力は検知されない。
【0108】
一方、本実施の形態では、特定のタッチペン12が故障した場合には、入力制御部76による受付範囲を変更している。これについて以下に説明する。
【0109】
故障検出部80が、例えば、タッチペン12Aが故障したことを検出した場合、当該故障検出部80は、タッチペン12Aが故障した旨を有効範囲設定部82に通知する。なお、上記故障検出部80における故障の検出方法としては、例えば、ユーザによってタッチペン12が操作されていないにもかかわらず、連続して上記ペンスイッチ91のONになっている時間が所定時間以上である場合に故障していると判断すればよい。
【0110】
そして、上記故障検出部80からタッチペン12Aが故障している旨の通知を受信した有効範囲設定部82は、故障したタッチペン12A以外の他のタッチペン(ここでは、タッチペン12B)の受付範囲を変更する。具体的には、上記有効範囲設定部82は、有効範囲記憶部(ここでは、有効範囲記憶部81B)に格納されている上記受付範囲(タッチペン12Bの受付範囲)を変更する。より具体的には、上記有効範囲設定部82は、タッチペン12Bの受付範囲を、上記タッチペン12Aの受付範囲の一部が少なくとも含まれるように変更する。
【0111】
これにより、タッチペン12Aのみが情報の入力が可能であった受付範囲を、タッチペン12Bの操作により情報の入力を行うことを可能にしている。
【0112】
図8は、画像編集処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、タッチペン12Aが故障した場合について説明する。
【0113】
まず、ユーザは、タッチペン12を用いて、描画処理または消去処理を行う(S10)。具体的には、入力制御部76は、ユーザによるタッチペン12Aの操作を検出して、受付範囲内であると判断すると、その入力情報(座標)を描画アプリケーション71に通知する。そして、上記描画アプリケーション71は、上記入力情報に基づいて、上記落書きレイヤーを作成する。そして、作成された落書きレイヤーは、カメラユニット2によって撮影された撮影画像とともに、出力制御部79によって読み出され、画像表示部61に画像が表示される。
【0114】
また、消去処理を行う場合には、上記描画アプリケーション71は、入力制御部76から消去すべき領域に関する座標情報を取得して、上記落書きレイヤーに書き込まれている上記座標情報と対応する画像データを消去する。この、描画処理および消去処理は、ユーザによって切換えられる。
【0115】
次に、上記故障検出部80は、上記入力制御部76を常に監視しており、タッチペン12Aが操作されているか否かを判定する(S11)。つまり、ユーザがタッチペン12Aを操作している間、換言すると、入力座標特定部78によって特定されたタッチペン12Aの座標が常に変化している間は、ユーザによる操作が行われていると判断する。そして、上記タッチペン12Aの座標が一定時間変化していないと判断すると、故障検出部80は、ユーザはタッチペン12Aを用いて情報の入力を行っていないと判断する。
【0116】
次に、ステップS11にて、タッチペン12Aが操作されていないと判断する(S11にてNo)と、上記故障検出部80は、タッチペン12Aに設けられているペンスイッチ91がONになっているか否かを判断する(S12)。より具体的には、上記故障検出部80は、上記入力受付部77に入力されるペンスイッチ信号を監視しており、当該ペンスイッチ91がONになっているか否かを判断する。
【0117】
そして、上記ペンスイッチ91がONになっていると判断する(S12にてYes)と、上記故障検出部80は、図示しないタイマーによって、ペンスイッチ91のON状態の時間をカウントする。
【0118】
そして、故障検出部80は、上記ON状態が所定の時間(ここでは、5分)を超えたか否かを判断する(S13)。そして、上記ステップS13にて、上記ON状態が5分を経過したと判断すると、故障検出部80は、タッチペン12Aが故障していると判断する(S14)。そして、故障検出部80は、有効範囲設定部82に、タッチペン12(ここでは、タッチペン12A)が故障している旨を通知する。
【0119】
次に、故障検出部80からタッチペン12Aが故障している旨の通知を受信した有効範囲設定部82は、故障しているタッチペン12A以外のタッチペン(ここでは、タッチペン12B)の受付範囲を変更する(S15)。具体的には、有効範囲設定部82は、有効範囲記憶部81Bに格納されているタッチペン12Bの受付範囲を、上記タッチペン12Aの有効範囲を含むように変更する。そして、ユーザによって編集処理を終了するか否かの選択が行われ(S16)、まだ編集処理を終了する場合にはS10に戻る。
【0120】
なお、上記ステップS11において、タッチペン12Aが操作されていると判断する(S11にてYes)と、処理はステップS10に戻る。また、上記ステップS12において、ペンスイッチ91がONになっていないと判断する(S12にてNo)と、処理はステップS10に戻る。また、上記ステップS13において、ON状態が所定の時間を超えていないと判断すると、上記故障検出部80は、ユーザによってタッチペン12が操作されたか否かを判断する(S17)。具体的には、S11と同じ判断により、タッチペン12が操作されたか否かを判断する。そして、上記ステップS17にて、タッチペン12が操作されたと判断すると、処理はS10に戻り、操作されていないと判断するとステップS13の処理に戻る。
【0121】
このようにして、本実施の形態では、故障検出部80がタッチペンの故障を検出すると、有効範囲設定部82が故障したタッチペン以外のタッチペンからの情報の入力を受付けることができる受付範囲を変更している。
【0122】
次に、受付範囲を変更する変更処理を画像表示部61に表示される表示画面に基づいて説明する。
【0123】
図9(a)〜(c)は、上記変更処理が行われる際の画像表示部61とタッチペン12との関係を示す表示画面である。
【0124】
上記図9(a)は、タッチペン12が故障する前、すなわち、通常時におけるタッチペン12と表示画面との関係を示す図面である。図9(a)に示すように、画像表示部61には、2つの表示画面62A、62B(図1における画像表示部6161AB:表示領域)が示されている。そして、2本のタッチペン12のうち、タッチペン12Aのみが表示画面62Aに対して情報(画像)を入力でき、タッチペン12Bのみが表示画面62Bに対して情報を入力できる。具体的には、表示画面62Aにおけるユーザによって情報の入力が可能な受付範囲(座標)が、有効範囲記憶部81Aに記憶されており、タッチペン12Aの操作は、上記表示画面62A上のみを有効に設定している。換言すると、入力制御部76Aは、表示画面62A上におけるタッチペン12Aの操作を受付ける。また、タッチペン12Bについても同様である。
【0125】
従って、図9(a)に示すように、タッチペン12Aは、表示画面62Aのみに情報の入力が可能であり、タッチペン12Aを用いて表示画面62Bに情報の入力を行った場合には上記入力は無効と判断される。また、タッチペン12Bについても同様であり、タッチペン12Bは、表示画面62Bのみに情報の入力が可能であり、表示画面62Aに対しては情報の入力を行うことができない。
【0126】
次に、図9(b)は、タッチペン12Bが故障した場合におけるタッチペン12と表示画面との関係を示す図面である。図9(b)に示すように、故障検出部80が、タッチペン12Bの故障を検出した場合、有効範囲設定部82は、上記タッチペン12Aの受付範囲を変更する。これにより、タッチペン12Aは、表示画面62Bに対しても情報の入力を行うことができる。
【0127】
なお、上記の説明では、タッチペン12Aによって情報の入力が行える受付範囲を、表示画面62Bを含む領域に拡張した例について説明しているが、例えば、受付範囲とともに表示画面そのものを変更してもよい。
【0128】
図9(c)は、タッチペン12Bが故障した他の場合におけるタッチペン12と表示画面との関係を示す図面である。上記図9(c)に示すように、故障検出部80が、タッチペン12Bの故障を検出すると、表示画面および受付範囲を変更している。具体的には、故障したタッチペン12Bのみが情報の入力を行えるように設定されている表示画面62Bを消去して、タッチペン12Aのみが情報の入力を行えるように設定されている表示画面62Aだけを画像表示部61に拡大して表示してもよい。この場合における処理を以下に説明する。
【0129】
まず、故障検出部80からタッチペン12Bが故障した旨を受信した有効範囲設定部82は、故障していないタッチペン12Aの受付範囲とを変更する。この受付範囲の設定の仕方については、例えば、予め設定された受付範囲に設定すればよい。そして、有効範囲設定部82は、タッチペン12Aの受付範囲を変更するとともに、上記変更した受付範囲を描画アプリケーション71に通知する。上記受付範囲を受信した描画アプリケーション71は、当該受付範囲に基づいて画像表示部61に表示すべき画像を変更する。そして、図9(c)に示されるような、表示画面およびタッチペンの受付範囲が画像表示部61に表示される。
【0130】
以上のように、本実施の形態にかかる情報入力装置100は、複数の画像表示部61を有する表示装置における当該複数の画像表示部61上の任意の点を指定する複数のタッチペン12と、上記複数の画像表示部61のそれぞれに割り当てられているとともに、当該表示領域における所定の受付範囲内で、上記タッチペン12による上記任意の点の指定を受付ける複数の入力制御部76とを備え、上記複数の入力制御部76のそれぞれは、上記指定を受付けるタッチペン12が定められており、上記タッチペン12の故障を検出する故障検出部80と、上記故障検出部80によって特定のタッチペン12の故障が検出されると、上記特定のタッチペン12以外の他のタッチペン12からの指定を受付ける入力制御部76の上記受付範囲を、故障が検出された特定のタッチペン12からの指示を受付ける受付範囲の少なくとも一部を含むように、変更する有効範囲設定部82とを備える構成である。
【0131】
上記の構成によれば、タッチペン12によって表示領域の任意の点が指定されると、上記入力制御部76は、上記表示領域における所定の受付範囲内で、上記タッチペン12による指定を受付ける。換言すると、当該入力制御部76には、当該タッチペン12による表示領域上の指定を受付ける受付範囲が予め定められている。また、上記入力制御部76は、複数のタッチペン12のうち、特定のタッチペン12からの指定のみを受付ける。
【0132】
そして、特定のタッチペン12が故障した場合には、有効範囲設定部82は、上記特定のタッチペン12以外の他のタッチペン12からの指定を受付ける入力制御部76の受付範囲を変更する。つまり、特定のタッチペン12が故障した場合には、有効範囲設定部82は、故障していないタッチペン12からの指定を受付ける入力制御部76(故障したタッチペン12からの指定を受付ける入力制御部76とは異なる入力制御部76)の受付範囲を変更する。
【0133】
つまり、複数のタッチペン12のそれぞれが、複数の入力制御部76にそれぞれ割り当てられており、特定のタッチペン12が故障した場合には、他のタッチペン12の指定を受付ける入力制御部76の受付範囲を変更している。
【0134】
従って、故障したタッチペン12からの入力(指定)を受付ける入力制御部76の受付範囲に相当する領域を、他のタッチペン12による指定を受付けることができるように、故障していないタッチペン12による指定を受付ける入力制御部76の受付範囲を変更することができる。つまり、特定のタッチペン12が故障した場合でも、当該特定のタッチペン12に割り当てられている受付範囲に相当する領域を、他のタッチペン12を用いて指定することができる。
【0135】
これにより、特定のタッチペン12が故障したことにより、当該特定のタッチペン12のみの指定を受付ける入力制御部76と対応している表示領域に対して、情報の入力(指定)ができないという事態を防止することができる。
【0136】
なお、上記受付範囲は、上記画像表示部61内であればよく、例えば、画像表示部61の一部のみを受付範囲に設定してもよく、画像表示部61全てを受付範囲としてもよい。
【0137】
本実施の形態にかかる情報入力装置100において、上記タッチペン12は、スイッチを備えているとともに、上記入力制御部76は、当該スイッチのON/OFFによって上記指定の制御を行うタッチペンであってもよい。
【0138】
上記の構成によれば、上記タッチペン12がスイッチを備えたタッチペン12であるので、画像表示部61の任意の点の指定を簡単に行うことができる。
【0139】
本実施の形態にかかる情報入力装置100において、上記有効範囲設定部82は、故障が検出された特定のタッチペン12からの指示を受付ける受付範囲の少なくとも一部を含むように、上記他のタッチペン12による上記受付範囲を変更する構成であってもよい。
【0140】
上記の構成によれば、上記有効範囲設定部82は、故障していない他のタッチペン12によって指定可能な受付範囲を、故障したタッチペン12の入力(指定)を受付ける受付範囲が含まれるように変更している。これにより、故障したタッチペン12のみが指定可能であった受付範囲が設定されている画像表示部61に対して、他のタッチペン12による指定を可能にすることができる。
【0141】
本実施の形態にかかる写真撮影プリント装置1は、上記課題を解決するために、上記情報入力装置100と、複数の画像表示部61を有する表示装置と、カメラユニット2によって得られた撮影画像とともに、情報入力装置100を介して入力された情報を上記複数の画像表示部61に表示する出力制御部79と、上記情報入力装置100にて入力された画像と上記撮影画像とを合成する画像合成部72とを備えることを特徴としている。
【0142】
上記表示装置と情報入力装置100とを用いて、ユーザは画像を作成することができる。具体的には、上記表示装置に撮影画像を表示して、その撮影画像に基づいて情報入力装置100を用いて画像を作成している。そして、情報入力装置100を介して入力された画像とカメラユニット2によって得られた撮影画像とを合成することにより、出力(印刷)すべき画像を生成することができる。
【0143】
上記の構成とすることにより、例えば、タッチペン12を用いて画像表示部61に表示された撮影画像に対して落書きする際に、タッチペン12が故障した場合であっても、他のタッチペン12を用いて故障したタッチペン12の代わりに操作することができるので、利便性を向上させることができる。つまり、タッチペン12が故障しても、他のタッチペン12を用いて情報の入力を行うことができるので、写真撮影プリント装置1を停止させてメンテナンスを行わなくても、利用者の所望する操作を行うことができる。
【0144】
本実施の形態にかかる写真撮影プリント装置1は、上記故障検出部80によって特定のタッチペン12の故障が検出されると、当該特定のタッチペン12が故障している旨を報知するスピーカ59および/または画像表示部61を備えていてもよい。
【0145】
上記の構成によれば、タッチペン12が故障した場合に、報知することができるので、タッチペン12の故障を迅速に把握することができる。
【0146】
本実施の形態にかかる写真撮影プリント装置1において、出力制御部79は、上記有効範囲設定部82によって変更された受付範囲と同じ大きさになるように、上記画像表示部61における情報の表示範囲を変更する構成であってもよい。
【0147】
上記の構成によれば、上記タッチペン12を介して入力された情報が、変更された受付範囲となるように表示している。これにより、例えば、受付範囲が広がった場合でも、当該受付範囲に対応するように撮影画像と情報入力装置100を介して入力された情報とを表示することができる。
【0148】
なお、上記の説明では、入力手段としてタッチペン12を例に説明しているが、上記入力手段としては、例えば、タッチペン以外にも、例えば、マウス、およびトラックボール等が挙げられる。
【0149】
また、上記故障検出部80は、タッチペン12が故障したことを検出すると、描画アプリケーション71を動作させて、タッチペン12が故障している旨を画像表示部61に表示してもよい。また、上記の他にも、例えば、スピーカ59を動作させて、タッチペン12が故障している旨を報知してもよい。
【0150】
また、例えば、1つのモニタ(表示装置)に対して2つ(または複数)の表示領域(画像表示部61)を有しており、それぞれの表示領域に画像を表示する場合、1つのタッチペン12が故障すると、故障していないタッチペン12によって情報を入力する画面のみを表示するように出力制御部79は、描画アプリケーション71によって作成される画像を当該画像表示部61に表示させてもよい。
【0151】
また、例えば、1つのモニタに対して2つの表示領域を有し、それぞれに画像を表示する場合であって、一方の表示領域に情報を入力することができるタッチペン12が故障した場合、他方の表示領域に情報を入力することができるタッチペン12が、両方の表示領域に対して情報を入力できるよう、有効範囲設定部82が有効範囲記憶部81に記憶されている受付範囲を変更してもよい。
【0152】
また、2本以上のタッチペン12が情報入力装置100に備えられている場合、入力制御部76は、1本単位でタッチペン12のON/OFFの状態を切換えてもよい。つまり、入力制御部76によって、タッチペン12の物理的な故障の有無にかかわらず、タッチペン12からの入力を制御してもよい。
【0153】
また、カメラユニット2によって撮影された撮影画像に対して2つの情報入力装置100を用いて落書き(情報の入力)を行う場合、一方の情報入力装置100のタッチペン12が故障した場合には、残りの情報入力装置100だけが落書きを行えるように制御してもよい。
【0154】
また、タッチペン12が故障したことを検出した場合には、上記入力制御部は、例えば、ユーザの指の操作による情報の入力受付けるタッチパネルに切換えてもよい。
【0155】
また、タッチペン12にボタン90が設けられている場合であって、当該タッチペン12が故障した場合には、当該ボタン90に割り当てられている機能を表示領域に表示させて、他のタッチペン12の操作に基づいて上記機能が実現されるように設定してもよい。
【0156】
また、本実施の形態にかかる情報入力装置は、複数の表示領域を有する表示装置における当該複数の表示領域上の任意の点を指定する複数の入力手段と、上記複数の表示領域のそれぞれに割り当てられているとともに、当該表示領域における所定の受付範囲内で、上記入力手段による上記任意の点の指定を受付ける複数の受付手段とを備え、上記複数の受付手段のそれぞれには、上記指定を受付ける入力手段が定められており、上記入力手段の故障を検出する検出手段と、上記検出手段によって特定の入力手段の故障が検出されると、上記特定の入力手段以外の他の入力手段からの指定を受付ける受付手段の上記受付範囲を変更する受付範囲変更手段とを備え、上記受付範囲変更手段は、故障が検出された特定の入力手段からの指示を受付ける受付範囲の少なくとも一部を含むように、上記他の入力手段からの指定を受付ける受付手段の受付範囲を変更するものである構成であってもよい。
【0157】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0158】
最後に、写真撮影プリント装置1、および情報入力装置100の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0159】
すなわち、写真撮影プリント装置1、および情報入力装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである写真撮影プリント装置1、および情報入力装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読取り可能に記録した記録媒体を、上記写真撮影プリント装置1、および情報入力装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0160】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0161】
また、写真撮影プリント装置1、および情報入力装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0162】
このように本明細書において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能がソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、もしくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明にかかる情報入力装置は、タッチパネルやタッチペン等の座標入力装置により画像を描画する装置に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本実施の形態にかかる情報入力装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係る写真撮影プリント装置の概略の構成を示す斜視図である。
【図3】上記写真撮影プリント装置の概略の構成を示す側面図である。
【図4】上記写真撮影プリント装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図5】合成画像を構成しているレイヤーを示す図面である。
【図6】写真撮影プリント装置における撮影から印刷までの一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記タッチペンの概略の構成を示す斜視図である。
【図8】画像編集処理を説明するフローチャートである。
【図9】(a)〜(c)は、上記変更処理が行われる際の画像表示部とタッチペンとの関係を示す表示画面である。
【符号の説明】
【0165】
1 写真撮影プリント装置
2 カメラユニット(撮影手段)
6 タッチパネル
12A、12B タッチペン(入力手段)
20 制御装置
59 スピーカ(報知手段)
61A、61B 画像表示部(表示領域)(報知手段)
62A、62B 表示画面(表示領域)
70 入出力ドライバ
71 描画アプリケーション
72 画像合成部
73 操作入力部
76A、76B 入力制御部(受付手段)
77A、77B 入力受付部
78 入力座標特定部
78A、78B 入力座標特定部
79A、79B 出力制御部(表示制御手段)
80 故障検出部(検出手段)
81A、81B 有効範囲記憶部
82 有効範囲設定部(受付範囲変更手段)
90 ボタン
91 ペンスイッチ
92 ケーブル
100 情報入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示領域を有する表示装置における当該複数の表示領域上の任意の点を指定する複数の入力手段と、
上記複数の表示領域のそれぞれに割り当てられているとともに、当該表示領域における所定の受付範囲内で、上記入力手段による上記任意の点の指定を受付ける複数の受付手段とを備え、
上記複数の受付手段のそれぞれには、上記指定を受付ける入力手段が定められており、
上記入力手段の故障を検出する検出手段と、
上記検出手段によって特定の入力手段の故障が検出されると、上記故障した入力手段以外の故障していない入力手段からの指定を受付ける受付手段の上記受付範囲を、故障した入力手段からの指定を受付ける受付範囲の少なくとも一部を含むように変更する受付範囲変更手段とを備えることを特徴とする情報入力装置。
【請求項2】
上記入力手段は、スイッチを備えているとともに、上記受付手段は、当該スイッチのON/OFFによって上記指定の制御を行うタッチペンであることを特徴とする請求項1記載の情報入力装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか1項に記載の情報入力装置と、
複数の表示領域を有する表示装置と、
撮影手段によって得られた撮影画像とともに、情報入力装置を介して入力された情報を上記複数の表示領域に表示する表示制御手段と、
上記情報入力装置にて入力された画像と上記撮影画像とを合成する合成手段とを備えることを特徴とする写真撮影プリント装置。
【請求項4】
上記検出手段によって特定の入力手段の故障が検出されると、当該特定の入力手段が故障している旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項3記載の写真撮影プリント装置。
【請求項5】
表示制御手段は、上記受付範囲変更手段によって変更された受付範囲と同じ大きさになるように、上記表示領域における画像の表示範囲を変更するものであることを特徴とする請求項3記載の写真プリント装置。
【請求項6】
上記表示制御手段は、上記故障した入力手段による指定を受付ける受付手段と対応付けられている表示領域に表示された画像を消去することを特徴とする請求項3記載の写真プリント装置。
【請求項7】
請求項1または2のいずれか1項に記載の情報入力装置を動作させる情報入力装置の制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項8】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の写真撮影プリント装置を動作させる写真撮影プリント装置の制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項9】
請求項7または8に記載の制御プログラムを記録した、コンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−293434(P2006−293434A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109213(P2005−109213)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(304014372)オムロンエンタテインメント株式会社 (56)
【Fターム(参考)】