説明

情報再生装置、情報再生方法、情報再生プログラムおよび情報再生プログラムを格納した記録媒体

【課題】OSDの操作性を向上させた情報再生装置、情報再生方法、情報再生プログラムおよび情報再生プログラムを格納した記録媒体を提供する。
【解決手段】光ディスク13に記録されたメタデータに含まれるPiP表示の水平座標と垂直座標とスケールと、表示装置11のタッチパネル11aにタッチした入力位置情報と、を取得し、入力位置情報が主映像情報、副映像情報、字幕情報のどの情報が表示されている領域をタッチしたかを判別して当該領域に関連する操作のOSDを生成して、当該領域の左上を原点とした位置に生成したOSDを表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記録された映像などを再生して表示する情報再生装置、情報再生方法、情報再生プログラムおよび情報再生プログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、記録媒体に記録された映像などのコンテンツを再生する再生装置などにおいて、再生されているコンテンツの字幕のON/OFF切り替えや、ピクチャ・イン・ピクチャ(以下PiPとする)などで表示されている副映像などの操作は、当該装置がコンテンツを表示している画面にOSD(On Screen Display)を表示させて行われることがある。
【0003】
この種のOSDは、従来、当該装置が予め定めた位置に表示して、ユーザは、所望の機能のボタンやアイコンなどを選択することで操作を行っていた。
【0004】
OSDによる操作の例として字幕を消去する操作について図1を参照して説明する。
【0005】
まず、図1(a)に示すように、コンテンツが表示されている画面100に字幕101が表示されている際に、画面をタッチまたはリモコンなどの操作によって図1(b)に示すようにOSD102を表示させる。図1(b)では字幕を消去する機能のボタンが表示されていないので「次ページ」ボタンを選択し、図1(c)の画面に移行させる。図1(c)では「字幕ON/OFF」とのボタンが表示されているので、このボタンを選択すると、図1(d)のように字幕が消去される。
【0006】
つまり、図1のようにOSD102の操作内容に関係無く予め装置の定めたボタンやアイコンが予め定めた位置に表示されるために、所望の操作に対応するボタンやアイコンを選択するのに時間がかかったり操作が煩雑になってしまうので、対象機能に対するOSDが分かりにくく、操作性が良くないという問題があった。
【0007】
ここで、特許文献1には記録媒体に記録されているメニューボタンに対応したOSDを表示する情報再生装置が記載されている。
【特許文献1】特開2002−152641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された情報再生装置は、記録媒体に記録されているメニューボタンなどの操作情報に対応したOSDを表示するものであり、上述したような記録媒体に記録されていない操作(字幕を消すなど)に対するOSDの操作性を向上させるものではない。
【0009】
そこで、本発明は、操作したい対象機能のOSDをより分かりやすく操作性を向上させた情報再生装置、情報再生方法、情報再生プログラムおよび情報再生プログラムを格納した記録媒体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の情報再生装置は、複数のストリームから構成されたコンテンツが記録された記録媒体と、前記記録媒体から前記コンテンツを読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段が読み取った前記コンテンツを再生する再生手段と、前記再生手段が再生した前記コンテンツを前記複数のストリームごとに領域を設けて画面上に表示する表示手段と、を備えた情報再生装置において、前記表示手段が表示する画面上の任意の位置を指示する指示手段と、前記指示手段が指示した位置および前記読み取り手段が読み取った前記ストリーム内に含まれる該ストリームを前記表示手段に表示するための位置情報から前記複数のストリームごとの領域のうちどの領域が指示されたか特定する指示領域特定手段と、前記表示手段に前記指示領域特定手段が特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示させるOSD表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項8に記載の情報再生方法は、複数のストリームから構成されたコンテンツが記録された記録媒体から前記コンテンツを読み取り、読み取った前記コンテンツを再生して、再生した前記コンテンツを前記複数のストリームごとに領域を設けて画面上に表示する情報再生方法において、画面上の指示された位置および読み取った前記ストリーム内に含まれる該ストリームを表示するための位置情報から前記複数のストリームごとの領域のうちどの領域を指示したか特定して、特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示することを特徴としている。
【0012】
請求項9に記載の情報再生プログラムは、複数のストリームから構成されたコンテンツが記録された記録媒体と、前記記録媒体から前記コンテンツを読み取る読み取り手段と、前記再生手段が再生した前記コンテンツを前記複数のストリームごとに領域を設けて画面上に表示する表示手段と、を備えた情報再生装置のコンピュータを、前記読み取り手段が読み取った前記コンテンツを再生する再生手段として機能させる情報再生プログラムにおいて、前記表示手段が表示する画面上の任意の位置を指示する指示手段と、前記指示手段が指示した位置および前記読み取り手段が読み取った前記ストリーム内に含まれる該ストリームを前記表示手段に表示するための位置情報から前記複数のストリームごとの領域のうちどの領域が指示されたか特定する指示領域特定手段と、前記表示手段に前記指示領域特定手段が特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示させるOSD表示手段と、して前記コンピュータを機能させることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報再生装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報再生装置は、指示手段で指示した画面上の位置と読み取り手段が読み取ったストリーム内に含まれる該ストリームを表示手段に表示するための位置情報から画面上の複数のストリームごとの領域のうちどの領域を指示したか指示領域特定手段で特定して、その特定した領域に関連する機能のOSDをOSD表示手段が表示手段に表示させているので、対象機能に対するOSDを即座に表示することができる。そのため、例えば字幕が表示されている領域を指示した際には、字幕に関するOSDを即座に表示させることができるので、OSDの操作性を向上させることができる。
【0014】
また、OSD表示手段が、特定手段が特定した領域に少なくとも一部が重なるように前記OSDを表示させてもよい。このようにすることにより、指示手段が指示した領域に関するOSDを当該領域近傍に確実に表示させることができるので直感的な操作をすることができ操作性を向上させることができる。
【0015】
また、OSD表示手段が、位置情報に含まれる座標情報に基づいてOSDを表示する位置を決定してもよい。このようにすることにより、位置情報を利用してOSDの表示位置を決定することができ、OSD表示位置の決定処理を簡素化することができる。さらに、当該領域が移動してもOSDは位置情報の座標情報に基づいているために当該領域に追従して移動させることができる。
【0016】
また、複数のストリームが1つの主ストリームと1つ以上の副ストリームとから構成され、副ストリームが主ストリーム上に重ねて表示されるように位置情報が記録されていてもよい。このようにすることにより、表示手段の画面全体に主ストリームを表示させて、その主ストリーム上に字幕などの主ストリームを補助する情報を表示させることができる。
【0017】
また、位置情報が、メタデータで構成されていてもよい。このようにすることにより、コンテンツデータ全体を検索する必要が無く容易に位置情報を取得することができる。
【0018】
また、指示手段が、表示手段上に重ねられたタッチパネルで構成されていてもよい。このようにすることにより、画面に直接タッチすることで、OSDで操作したい領域を指示することができるので、より直感的に操作することができる。
【0019】
また、指示手段が、表示手段の画面上にポインタを表示させるポインタ表示手段と、ポインタを移動させる移動手段と、で構成されていてもよい。このようにすることにより、ポインタを移動手段で移動させてOSDで操作したい領域を指示することができるので、より直感的に操作することができる。
【0020】
また、本発明の一実施形態にかかる情報再生方法は、指示した画面上の位置と読み取ったストリーム内に含まれる該ストリームを表示するための位置情報から画面上の複数のストリームごとの領域のうちどの領域を指示したか特定して、その特定した領域に関連する機能のOSDをOSD表示手段が表示しているので、対象機能に対するOSDを即座に表示することができる。そのため、例えば字幕が表示されている領域を指示した際には、字幕に関するOSDを即座に表示させることができるので、OSDの操作性を向上させることができる。
【0021】
また、本発明の一実施形態にかかる情報再生プログラムは、指示手段で指示した表示手段が表示した画面上の位置と読み取り手段が読み取ったストリーム内に含まれる該ストリームを表示手段に表示するための位置情報から画面上の複数のストリームごとの領域のうちどの領域を指示したか指示領域特定手段で特定して、その特定した領域に関連する機能のOSDをOSD表示手段が表示手段に表示させているので、対象機能に対するOSDを即座に表示することができる。そのため、例えば字幕が表示されている領域を指示した際には、字幕に関するOSDを即座に表示させることができるので、OSDの操作性を向上させることができる。
【0022】
また、上述した情報再生プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、情報再生プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例】
【0023】
本発明の一実施例にかかる情報再生装置としての光ディスク再生装置1を図2乃至図7を参照して説明する。光ディスク再生装置1は、図2に示すようにディスクモータ2と、光ピックアップ3と、RFアンプ4と、サーボ信号処理部5と、ドライバ6と、音声/映像信号処理部7と、メモリ8と、DAコンバータ9と、マイクロコンピュータ10と、表示装置11と、を備えている。
【0024】
ディスクモータ2は、光ディスク再生装置1にセットされた光ディスク13を回転させるためのモータであり、スピンドルモータなどで構成されている。
【0025】
読み取り手段としての光ピックアップ3は、光ディスク13に照射するレーザ光を発生させるレーザダイオードや、光ディスク13上にレーザダイオードからのレーザ光を集光するための対物レンズ、ドライバ6からの信号によりフォーカス方向やトラッキング方向に対物レンズを駆動するためのアクチュエータおよび光ディスク13から反射された反射光を受けるフォトダイオードや、レーザ光を対物レンズへ導いたり、反射光を受光器へ導く光学系などを備え、フォトダイオードの出力から光ディスク13に記録されている映像や音楽などのコンテンツデータを含むRF信号やフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号などを生成しRFアンプ4へ出力する。
【0026】
RFアンプ4は、光ピックアップ3から入力される信号を所定の値に増幅し、サーボ信号処理部5へ出力する。
【0027】
サーボ信号処理部5は、RFアンプ4から入力されるフォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号などの制御信号を基に光ピックアップ3のアクチュエータを駆動させてフォーカスおよびトラッキングの制御などを行い光ディスク13に記録された情報を正確に読めるようにする。また、光ディスク13に記録された映像や音楽などのコンテンツデータを含むRF信号をアナログ/デジタル変換して音声/映像信号処理部7へ出力する。
【0028】
ドライバ6は、サーボ信号処理部5から入力された信号からディスクモータ2および光ピックアップ3のアクチュエータなどへの駆動信号を生成し出力する。
【0029】
再生手段としての音声/映像信号処理部7は、サーボ信号処理部5から入力された信号にエラー訂正などを行った後復調や復号を行いメモリ8へ出力する。そしてマイクロコンピュータ10からの要求に従って所定のデータをメモリ8から読み出してDAコンバータ9へ出力する。
【0030】
メモリ8は、音声/映像信号処理部7で再生された映像や音声などのデータを所定量(数秒ないし十秒程度)一時的に格納するためのメモリであり、半導体メモリで構成される。
【0031】
DAコンバータ9は、メモリ8に格納されたデータが入力され、そのデジタル信号であるデータをアナログ信号に変換する。変換された映像信号は表示装置11へ出力し音声信号は音声出力端子12から出力する。
【0032】
指示領域特定手段、OSD表示手段としてのマイクロコンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを内蔵し、光ディスク13の挿入や排出、再生や停止などの各操作における光ディスク再生装置1全体の制御など行い、本実施例においては光ディスク13から読み取った位置情報と表示装置11上のタッチパネル11aに触れた位置の座標情報とに基づいて表示するOSDの種類と描画(表示)する位置を算出し表示装置11に表示させている。
【0033】
表示手段としての表示装置11は、再生された映像信号を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイで構成される。表示装置11は、マイクロコンピュータ10からの制御によりOSDを表示している映像信号上に重ねて表示する。また、表示装置11は、表面に指示手段としてのタッチパネル11aが設けられている(表面上に重ねられている)。そしてこのタッチパネル11a上の任意の位置に操作者が指などで触れることでOSDを表示させて操作することができる。
【0034】
次に、本実施例で用いられている光ディスク13のデータ構造について図3および図4を参照して説明する。
【0035】
図3は、光ディスク13のデータ構造例を示す図である。光ディスク13は、複数のストリームとしての主映像情報、副映像情報、字幕情報が少なくとも記録されている。すなわち、主映像情報、副映像情報、字幕情報の複数のストリームからコンテンツが構成されている。主映像情報は表示装置11の画面全体に表示される映像に関する情報、副映像情報は主映像にPiPなどで重ねて表示される映像に関する情報、字幕情報は主映像に重ねて表示される字幕に関する情報がそれぞれ含まれている。また、各情報(図3では副映像情報を例としている)は、当該情報を表示するための水平座標と垂直座標およびスケール(大きさ)並びにAV(Audio Visual)データなどが含まれている。主映像情報や字幕情報も副映像情報と同様である。但し、字幕情報ではAV(Audio Visual)データに代わり字幕で表示されるテキストや画像などのデータが含まれている。
【0036】
図4は、光ディスク13のファイルシステムの例を示す図である。図3に示したファイルシステムはディレクトリ構造を有している。
【0037】
まず図4(a)に示すように、このファイルシステムにおいて、rootの下にはメインディレクトリが用意され、そのディレクトリに、インデックスファイルと、ナビゲーションオブジェクトファイルと、プレイリストファイル等が格納されている。
【0038】
インデックスファイルは、光ディスク再生装置1において再生可能なデータファイルを再生するメニューに関する情報を含む。光ディスク再生装置1は、例えば、再生可能なデータファイルに含まれるコンテンツを全て再生する、特定のチャプタのみ再生する、繰り返し再生する、初期メニューを表示するなどの内容の項目を含む再生メニュー画面をインデックスファイルに基づいて、表示装置11に表示させる。
【0039】
ナビゲーションオブジェクトファイルは、光ディスク再生装置1において再生可能なデータファイルに含まれているプレイリストの再生を制御するコマンドを含むナビゲーションオブジェクトを含み、例えば、光ディスク再生装置1は、このファイルシステムに含まれているナビゲーションオブジェクトの中から1つを選択して、実行することにより、コンテンツを再生させることができる。
【0040】
そして、図4(b)に示すように、プレイリストファイルには、プレイリストとプレイリスト拡張情報とが少なくとも含まれている。プレイリストは、AVデータの再生区間の集まりである。つまり、再生区間の 開始点(開始アドレス)と終了点(終了アドレス)のペアが少なくとも1つ以上含まれている。
【0041】
プレイリスト拡張情報は、データブロックの開始アドレスとデータブロックとを少なくとも含んでいる。
【0042】
データブロックは、PiPのメタデータを少なくとも含んでいる。PiPのメタデータは、表示手段に表示するための位置情報としてのPiP表示の水平座標と垂直座標とスケールを示す情報を少なくとも含んでいる。
【0043】
PiP表示の水平座標と垂直座標は当該情報を表示する位置の起点の水平座標と垂直座標を示している。すなわち、特許請求の範囲の座標情報に相当する。スケールはその表示領域の大きさを示す。
【0044】
本実施例では、マイクロコンピュータ10が、上述したPiPのメタデータに含まれるPiP表示の水平座標、垂直座標およびスケールと、表示装置11のタッチパネル11aにタッチした入力位置の情報と、を取得し、入力位置の情報が主映像情報、副映像情報、字幕情報のどの情報が表示されている領域をタッチしたかを判別して当該領域に関連する操作のOSDを生成して、当該領域の左上(PiP表示の水平座標と垂直座標)を原点とした位置に生成したOSDを表示させる。以上の動作を詳細に説明したフローチャートを図5に示す。
【0045】
まず、ステップS1において、副映像情報を表示する旨の指令がなされたか否かを判定し、表示する旨の指令がなされた場合(YESの場合)は副映像を表示中であるフラグをメモリ8に記憶させてステップS2に進む。副映像情報を表示する旨の指令には、例えばタッチパネル11a等による副映像情報を表示する旨の操作や、光ディスク13から読み取ったデータに基づく副映像情報の表示指令等がある。表示する旨の指令がなさない場合(NOの場合)は本ステップで待機する。
【0046】
次に、ステップS2において、副映像情報のメタデータ(水平座標、垂直座標、スケール)を光ディスク13から取得してステップS3に進む。
【0047】
次に、ステップS3において、表示装置11のタッチパネル11aにタッチした位置(水平座標、垂直座標)を表示装置11から取得してステップS4に進む。
【0048】
次に、ステップS4において、ステップS3で取得した表示装置11のタッチパネル11aにタッチした位置がステップS2で取得したメタデータが示す副映像の表示領域内であるか否かを判断し、副映像の表示領域内である場合(YESの場合)はステップS5に進み、副映像の表示領域内でない場合(NOの場合)は終了する。すなわち、指示手段が指示した位置および読み取り手段が読み取ったストリーム内に含まれる該ストリームを表示手段に表示するための位置情報から複数のストリームごとの領域のうちどの領域が指示されたか特定している。
【0049】
次に、ステップS5において、副映像情報を操作するためのOSDをメタデータの水平座標、垂直座標を原点として描画する(表示装置11に表示させる)。例えば図6で説明すると、主映像情報を20、副映像情報を21、副映像情報21の水平座標、垂直座標を(x、y)として、主映像情報20が表示装置11の画面全体に表示され、副映像情報21がPiPで主映像情報20上に重ねて表示されている場合に、この(x、y)をOSD22の原点(左上)として描画する。なお、図5では、副映像情報の場合で説明したが字幕の場合も同様である。すなわち、表示手段に指示領域特定手段が特定した領域に少なくとも一部が重なるように関連する機能のOSDを表示させている。また、位置情報に含まれる座標情報に基づいてOSDを表示する位置を決定している。
【0050】
なお、図5のフローチャートでは、OSDの表示位置を、副映像情報などが表示される表示領域の左上に表示させるようにしていたが、OSDが表示装置11の表示領域外にはみ出す場合は、表示領域内に収まるようにスライドさせればよい。つまり、OSDをスライドさせて副映像情報などが表示されている領域に少なくとも一部が重なるように表示されるようにすればよい。
【0051】
本実施例において主映像情報の領域が指示(タッチ)された場合、主映像情報の原点となる画面左上にOSDを表示すればよいが、もし、副映像情報や字幕情報の表示領域と重なる場合は、重ならない位置まで横方向や下方向或いは斜め方向にスライドさせて表示すればよい。
【0052】
本実施例によれば、光ディスク13に記録されたメタデータに含まれるPiP表示の水平座標と垂直座標とスケールと、表示装置11のタッチパネル11aにタッチした入力位置情報と、を取得し、入力位置情報が主映像情報、副映像情報、字幕情報のどの情報が表示されている領域をタッチしたかを判別して当該領域に関連する操作のOSDを生成して、当該領域の左上を原点とした位置に生成したOSDを表示させているので、対象機能に対するOSDを即座に表示することができる。例えば字幕が表示されている領域を指示した際には、字幕に関するOSDを当該領域近傍に確実に表示させることができるために、直感的に操作することができOSDの操作性を向上させることができる。
【0053】
また、OSDを当該領域の左上を原点とした位置に表示させているので、光ディスク13に記録されているメタデータを利用してOSDの表示位置を決定することができ、OSD表示位置の決定処理を簡素化することができる。さらに、図7に示すように当該領域が移動しても追従して移動させることが容易にできる。図7の場合、副映像21の水平座標、垂直座標が(x、y)から(x´、y´)へ移動したとしてもOSD22は(x´、y´)を原点としているので追従が容易である。
【0054】
また、コンテンツが主映像情報と副映像情報および字幕情報から構成され、副映像情報と字幕情報が主映像情報上に重ねて表示されるように位置情報が記録されているので、表示装置11の画面全体に表示されている主映像情報上に字幕情報などの主映像情報を補助する情報を表示させることができる。
【0055】
また、水平座標、垂直座標やスケールがメタデータとして記録されているので、データの検索が容易となる。
【0056】
また、メタデータに副映像情報や字幕情報などの情報を表示するか否かを設定する情報を含んでいるので、初期状態において副映像情報や字幕などを画面上に表示するか否かを設定することができる。
【0057】
また、表示装置11にタッチパネルを備えているので、画面に直接タッチすることで、OSDで操作したい領域を指示することができるので、より直感的に操作することができる。
【0058】
なお、表示装置に11にタッチパネルを備える代わりに表示装置11の画面上にポインタを表示させて、リモコンや本体の操作部などに設けた十字キーや方向キーなどを操作することでマイクロコンピュータ10がポインタを移動させて、OSDを表示させる領域を指定してもよい。つまり、表示装置11をポインタ表示手段、マイクロコンピュータ10を移動手段としてこの2つで指示手段を構成している。この場合、音声/映像信号処理部7の機能もマイクロコンピュータ10上で実行するコンピュータプログラムとすることで、本発明を情報再生プログラムとして構成することが容易となる。
【0059】
また、上述した実施例では主画像情報に副画像情報を重ねて表示されていたが、画面を主画像領域と副画像領域に分割して表示してもよい。勿論字幕情報についても同様である。また、副画像情報と字幕情報を同時に表示してもよい。この場合、各々の情報を表示中であるフラグを参照することで対応するOSDを表示することができる。
【0060】
また、上述した実施例は記録媒体として光ディスクで説明したが、ハードディスクや半導体メモリなどの記録媒体でも、図3や図4で説明したようなデータ構造やファイルシステムを用いることができれば本発明を適用することができる。
【0061】
前述した実施例によれば、以下の光ディスク再生装置1、情報再生方法および情報再生プログラムが得られる。
【0062】
(付記1)主映像情報、副映像情報、字幕情報から構成されたコンテンツが記録された光ディスク13と、光ディスク13からコンテンツを読み取る光ピックアップ3と、光ピックアップ3が読み取ったコンテンツを再生する音声/映像信号処理部7と、音声/映像信号処理部7が再生したコンテンツを主映像情報、副映像情報、字幕情報ごとに領域を設けて画面上に表示する表示装置11と、を備えた光ディスク再生装置1において、
表示装置11が表示する画面上の任意の位置を指示するタッチパネル11aと、
タッチパネル11aが指示した位置および光ピックアップ3が読み取った主映像情報、副映像情報、字幕情報内に含まれるそれぞれの情報を表示装置11に表示するためのメタデータから主映像情報、副映像情報、字幕情報ごとの領域のうちどの領域を指示したか特定するマイクロコンピュータ10と、
表示装置11に特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示させるマイクロコンピュータ10と、
を備えたことを特徴とする光ディスク再生装置1。
【0063】
この光ディスク再生装置1によれば、対象機能に対するOSDを即座に表示することができる。そのため、例えば字幕が表示されている領域を指示した際には、字幕に関するOSDを即座に表示させることができるので、OSDの操作性を向上させることができる。
【0064】
(付記2)主映像情報、副映像情報、字幕情報から構成されたコンテンツが記録された光ディスク13からコンテンツを読み取り、読み取ったコンテンツを再生して、再生したコンテンツを主映像情報、副映像情報、字幕情報ごとに領域を設けて画面上に表示する情報再生方法において、
表示する画面上の指示された位置および読み取った主映像情報、副映像情報、字幕情報内に含まれるそれぞれの情報を表示するためのメタデータから主映像情報、副映像情報、字幕情報ごとの領域のうちどの領域を指示したか特定して、特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示することを特徴とする情報再生方法。
【0065】
この情報再生方法によれば、対象機能に対するOSDを即座に表示することができる。そのため、例えば字幕が表示されている領域を指示した際には、字幕に関するOSDを即座に表示させることができるので、OSDの操作性を向上させることができる。
【0066】
(付記3)主映像情報、副映像情報、字幕情報から構成されたコンテンツが記録された光ディスク13と、光ディスク13からコンテンツを読み取る光ピックアップ3と、再生されたコンテンツを主映像情報、副映像情報、字幕情報ごとに領域を設けて画面上に表示する表示装置11と、を備えた光ディスク再生装置1のコンピュータを、光ピックアップ3が読み取ったコンテンツを再生する音声/映像信号処理部7として機能させる情報再生プログラムにおいて、
表示装置11が表示する画面上の任意の位置を指示するマイクロコンピュータ10と、
マイクロコンピュータ10が指示した位置および光ピックアップ3が読み取った主映像情報、副映像情報、字幕情報内に含まれるそれぞれの情報を表示装置11に表示するためのメタデータから主映像情報、副映像情報、字幕情報ごとの領域のうちどの領域を指示したか特定するマイクロコンピュータ10と、
表示装置11に特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示させるマイクロコンピュータ10と、
してコンピュータを機能させることを特徴とする情報再生プログラム。
【0067】
この情報再生プログラムによれば、対象機能に対するOSDを即座に表示することができる。そのため、例えば字幕が表示されている領域を指示した際には、字幕に関するOSDを即座に表示させることができるので、OSDの操作性を向上させることができる。
【0068】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】従来のOSD表示の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例にかかる光ディスク再生装置のブロック図である。
【図3】図2に示された光ディスクのデータ構造の説明図である。
【図4】図2に示された光ディスクのファイルシステムの説明図である。
【図5】図2に示された光ディスク再生装置のOSD表示動作を示したフローチャートである。
【図6】図2に示された光ディスク再生装置のピクチャ・イン・ピクチャ表示時のOSD表示を示す説明図である。
【図7】図6に示したピクチャ・イン・ピクチャが移動した際のOSD表示を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
1 光ディスク再生装置(情報再生装置)
3 光ピックアップ(読み取り手段)
7 音声/映像信号処理部(再生手段)
10 マイクロコンピュータ(指示領域特定手段、OSD表示手段、指示手段、移動手段)
11 表示装置(表示手段、指示手段、ポインタ表示手段)
11a タッチパネル(指示手段)
13 光ディスク(記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストリームから構成されたコンテンツが記録された記録媒体と、前記記録媒体から前記コンテンツを読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段が読み取った前記コンテンツを再生する再生手段と、前記再生手段が再生した前記コンテンツを前記複数のストリームごとに領域を設けて画面上に表示する表示手段と、を備えた情報再生装置において、
前記表示手段が表示する画面上の任意の位置を指示する指示手段と、
前記指示手段が指示した位置および前記読み取り手段が読み取った前記ストリーム内に含まれる該ストリームを前記表示手段に表示するための位置情報から前記複数のストリームごとの領域のうちどの領域が指示されたか特定する指示領域特定手段と、
前記表示手段に前記指示領域特定手段が特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示させるOSD表示手段と、
を備えたことを特徴とする情報再生装置。
【請求項2】
前記OSD表示手段が、前記特定手段が特定した領域に少なくとも一部が重なるように前記OSDを表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報再生装置。
【請求項3】
前記OSD表示手段が、前記位置情報に含まれる座標情報に基づいて前記OSDを表示する位置を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報再生装置。
【請求項4】
前記複数のストリームが1つの主ストリームと1つ以上の副ストリームとから構成され、前記副ストリームが前記主ストリーム上に重ねて表示されるように前記位置情報が記録されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の情報再生装置。
【請求項5】
前記位置情報が、メタデータで構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の情報再生装置。
【請求項6】
前記指示手段が、前記表示手段上に重ねられたタッチパネルで構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記指示手段が、前記表示手段の画面上にポインタを表示させるポインタ表示手段と、前記ポインタを移動させる移動手段と、で構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の情報再生装置。
【請求項8】
複数のストリームから構成されたコンテンツが記録された記録媒体から前記コンテンツを読み取り、読み取った前記コンテンツを再生して、再生した前記コンテンツを前記複数のストリームごとに領域を設けて画面上に表示する情報再生方法において、
画面上の指示された位置および読み取った前記ストリーム内に含まれる該ストリームを表示するための位置情報から前記複数のストリームごとの領域のうちどの領域を指示したか特定して、特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示することを特徴とする情報再生方法。
【請求項9】
複数のストリームから構成されたコンテンツが記録された記録媒体と、前記記録媒体から前記コンテンツを読み取る読み取り手段と、前記再生手段が再生した前記コンテンツを前記複数のストリームごとに領域を設けて画面上に表示する表示手段と、を備えた情報再生装置のコンピュータを、前記読み取り手段が読み取った前記コンテンツを再生する再生手段として機能させる情報再生プログラムにおいて、
前記表示手段が表示する画面上の任意の位置を指示する指示手段と、
前記指示手段が指示した位置および前記読み取り手段が読み取った前記ストリーム内に含まれる該ストリームを前記表示手段に表示するための位置情報から前記複数のストリームごとの領域のうちどの領域が指示されたか特定する指示領域特定手段と、
前記表示手段に前記指示領域特定手段が特定した領域に関連する機能のOSD(On Screen Display)を表示させるOSD表示手段と、
して前記コンピュータを機能させることを特徴とする情報再生プログラム。
【請求項10】
請求項10に記載の情報再生プログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−87661(P2010−87661A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252229(P2008−252229)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】