説明

情報処理システム、情報復旧制御方法、情報復旧プログラム、履歴保存プログラム及び情報保存プログラム

【課題】情報処理装置の記憶部にバックアップデータがない場合に、喪失データを復旧するために必要なデータの保存場所を検出する。
【解決手段】情報処理システム100Aは、ネットワークによって接続された情報復旧装置10Aと情報保存装置20Aと履歴保存装置30Aを備える。情報復旧装置10Aは、ファイルを情報保存装置20Aに送信する際に、そのファイルの履歴を作成し、履歴保存装置30Aに送信する。情報復旧装置10Aは、ファイルの検索指示を履歴保存装置30Aに送信する。履歴保存装置30Aは、元ファイル履歴321Aを検索し、検索対象のファイルが送信された情報保存装置20Aを検出した場合、その有無を情報保存装置20Aに問い合わせ、未検出の場合、その旨を検索指示をした情報復旧装置10Aに送信する。情報保存装置20Aは、問い合わせに対し、その有無を検索し、検索指示をした情報復旧装置10Aに応答を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喪失したデータを復旧するために必要なデータの保存場所を検出する機能を備えた情報処理システム、この情報処理システムにおける情報復旧制御方法、情報復旧プログラム、履歴保存プログラム及び情報保存プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードウェアの障害の発生、ソフトウェアのバグ、ユーザの誤操作、コンピュータウィルスの感染等によって喪失したデータを復旧するために、記憶装置を2重化したり、定期的にデータをバックアップすることが行われている。
【0003】
また、削除指示を受けても記憶容量が満杯になるまで記憶装置に情報を保存しておくことにより、誤操作によって消失したデータを復旧する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
また、作成する文書の内容を採取して、この文書を関連する業務に登録することによって、効率よく文書を検索する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−46597号公報
【特許文献2】特開平11−39320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、仮に、記憶装置を2重化しても、ユーザの誤動作によるデータの喪失を防ぐことはできない。また、定期的にバックアップする方法では、バックアップに時間がかかり、頻繁に実施することはできない。
さらに、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、記憶装置が故障した場合に、データを復旧することができない。
【0006】
このように、費用をかけてシステムを構築しても喪失したデータを完全に復旧することは難しい。また、バックアップに時間を掛けた場合には、情報処理装置を使用する際に制約を受けて、通常の業務に支障を生じるおそれがある。
そこで、費用や時間をかけずに、喪失したデータを暫定的に復旧することができるシステムに対する需要がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、情報処理装置の記憶部にバックアップされたデータがない場合に、喪失したデータを復旧するために必要なデータの保存場所を検出する機能を備えた情報処理システム、情報復旧制御方法、情報復旧プログラム、履歴保存プログラム及び情報保存プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の観点に係る情報処理システムは、
情報復旧装置と履歴保存装置と情報保存装置とがネットワークを介して接続され、情報を復旧する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記情報復旧装置は、
ファイルを前記情報保存装置へ送信するファイル送信手段と、
前記ファイル送信手段がファイルを送信する際に、該ファイルの履歴として送信元履歴を作成して、前記履歴保存装置へ送信する履歴作成送信手段と、
特定のファイルを検索する指示として検索指示を受け付け、前記履歴保存装置へ送信する検索指示手段と、
前記検索指示手段が送信した検索指示の応答を前記履歴保存装置と前記情報保存装置とから受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段によって受信された検索指示の応答を出力する出力手段とを備え、
前記履歴保存装置は、
前記履歴作成送信手段によって送信された送信元履歴を受信する履歴受信手段と、
前記履歴受信手段によって受信された送信元履歴をまとめて、元ファイル履歴として記憶する履歴記憶手段と、
前記検索指示手段によって送信された検索指示を受信する検索指示受信手段と、
前記検索指示受信手段によって検索指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶された元ファイル履歴の中を検索して、前記特定のファイルが送信された送信先の情報保存装置を検出する送信先検索手段と、
前記送信先検索手段により送信先の情報保存装置が検出されたことに応答して、該送信先の情報保存装置に前記特定のファイルの有無を照会し、送信先の情報保存装置が検出されなかったことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信手段に前記検索指示の応答として前記特定のファイルが無い旨を示す信号を送信するファイル照会手段とを備え、
前記情報保存装置は、
前記ファイル送信手段により送信されたファイルを受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信されたファイルを記憶する情報記憶手段と、
前記ファイル照会手段からの照会を受信したことに応答して、前記特定のファイルが前記情報記憶手段に記憶されているか否かを検索し、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信手段に前記検索指示の応答として前記特定のファイルの有無を示す信号を送信するファイル有無応答手段とを備える、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の観点に係る情報システムの情報復旧制御方法は、
情報復旧装置と履歴保存装置と情報保存装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムにおいて、
前記情報復旧装置が、ファイルを前記情報保存装置へ送信するファイル送信ステップと、
前記情報復旧装置が、前記ファイル送信ステップによりファイルを送信する際に、該ファイルの履歴として送信元履歴を作成して、前記履歴保存装置へ送信する履歴作成送信ステップと、
前記情報保存装置が、前記ファイル送信ステップにより送信されたファイルを受信する情報受信ステップと、
前記情報保存装置が、前記情報受信ステップにより受信されたファイルを情報記憶手段に記憶させる情報記憶ステップと、
前記履歴保存装置が、前記履歴作成送信ステップにより送信された送信元履歴を受信する履歴受信ステップと、
前記履歴保存装置が、前記履歴受信ステップにより受信された送信元履歴をまとめて、元ファイル履歴として履歴記憶手段に記憶させる履歴記憶ステップと、
前記情報復旧装置が、特定のファイルを検索する指示として検索指示を受け付け、前記履歴保存装置へ送信する検索指示ステップと、
前記履歴保存装置が、前記検索指示ステップによって送信された検索指示を受信する検索指示受信ステップと、
前記履歴保存装置が、前記検索指示受信ステップによって検索指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶された元ファイル履歴の中を検索して、前記特定のファイルが送信された送信先の情報保存装置を検出する送信先検索ステップと、
前記履歴保存装置が、前記送信先検索ステップにより送信先の情報保存装置が検出されたことに応答して、該送信先の情報保存装置に前記特定のファイルの有無を照会し、送信先の情報保存装置が検出されなかったことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧装置へ前記検索指示の応答として前記特定のファイルが無い旨を示す信号を送信するファイル照会ステップと、
前記情報保存装置が、前記ファイル照会ステップからの照会を受信したことに応答して、前記特定のファイルが前記情報記憶ステップに記憶されているか否かを検索し、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信ステップへ前記検索指示の応答として前記特定のファイルの有無を示す信号を送信するファイル有無応答ステップと、
前記情報復旧装置が、前記検索指示ステップによって送信した検索指示の応答を前記履歴保存装置と前記情報保存装置とから受信する応答受信ステップと、
前記情報復旧装置が、前記応答受信ステップによって受信された検索指示の応答を出力する出力ステップとを含む、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の観点に係る情報復旧プログラムは、
ネットワークを介して接続されたコンピュータを、
ファイルを情報保存用コンピュータへ送信するファイル送信手段と、
前記ファイル送信手段がファイルを送信する際に、該ファイルの履歴として送信元履歴を作成して、履歴保存用コンピュータへ送信する履歴作成送信手段と、
特定のファイルを検索する指示として検索指示を受け付け、前記履歴保存用コンピュータへ送信する検索指示手段と、
前記検索指示手段が送信した検索指示の応答を前記履歴保存用コンピュータと前記情報保存用コンピュータとから受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段によって受信された検索指示の応答を出力する出力手段と、して機能させる。
【0011】
本発明の第4の観点に係る履歴保存プログラムは、
ネットワークを介して接続されたコンピュータを、
情報復旧用コンピュータにより送信された送信元履歴を受信する履歴受信手段と、
前記履歴受信手段により受信された送信元履歴をまとめて、元ファイル履歴として記憶する履歴記憶手段と、
前記情報復旧用コンピュータによって送信された検索指示を受信する検索指示受信手段と、
前記検索指示受信手段によって検索指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶された元ファイル履歴の中を検索して、特定識別情報に対応した送信先の装置識別情報を検出する送信先検索手段と、
前記送信先検索手段により送信先の装置識別情報が検出されたことに応答して、該送信先の情報保存用コンピュータに前記特定識別情報によって識別されるファイルの有無を照会し、送信先の装置識別情報が検出できないことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧用コンピュータへ前記検索指示の応答としてファイルが無い旨を示す信号を送信するファイル照会手段として機能させる。
【0012】
本発明の第5の観点に係る情報保存プログラムは、
ネットワークを介して接続されたコンピュータを、
情報復旧用コンピュータにより送信されたファイルを受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信されたファイルを記憶する情報記憶手段と、
履歴保存用コンピュータからの照会を受信したことに応答して、特定のファイルが前記情報記憶手段に記憶されているか否かを検索し、検索指示を送信した前記情報復旧用コンピュータへ前記検索指示の応答として前記特定のファイルの有無を示す信号を送信するファイル有無応答手段と、して機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、情報処理装置の記憶部にバックアップされたデータがない場合に、喪失したデータを復旧するために必要なデータの保存場所を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】送信したファイル履歴のテーブルの一例を示す図である。
【図3】ファイルを送信する処理を示すフローチャートである。
【図4】ファイルを復旧する処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】操作したファイル履歴のテーブルの一例を示す図である。
【図7】ファイルを更新・削除する処理を示すフローチャートである。
【図8】ファイルを復旧する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図10】ファイルを復旧する処理を示すフローチャートである。
【図11】ハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図12】一つの情報処理装置が情報復旧装置と情報保存装置との機能を備える情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態に係る情報を検出する機能を備えた情報処理システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報を検出する機能を備えた情報処理システム100Aは、図1に示すように、ネットワークに接続された複数の情報復旧装置10Aと、複数の情報保存装置20Aと、履歴保存装置30Aとを備える。
【0017】
情報復旧装置10Aは、記憶部11と、ファイル履歴作成部12Aと、制御部13Aと、送受信部14Aと、操作部15と、表示部16とを備える。情報処理装置10Aは、例えば、ネットワークに接続されたパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、携帯電話等である。
【0018】
記憶部11は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等から構成される。
記憶部11は、文書、画像、音、図形等を内容とするファイル111や制御部13Aに実行させるためのプログラム等を記憶する。
【0019】
ファイル履歴作成部12Aは、記憶部11に記憶されているファイル111が情報保存装置20Aに送信される際に、図2に示すように、送信するファイルのファイルID(Identification)、文書名、ファイル名、操作者ID、送信元マシン名、送信種別、送信先マシン名、メールタイトル名、送信先アドレス等の履歴が記載された送信元履歴(図2の各行毎の情報)を作成する。
【0020】
図1に戻り、制御部13Aは、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、記憶部11に記憶されているプログラムに従って、ファイルを検出するための各処理をする。
【0021】
送受信部14Aは、無線送受信機、無線モデム、網終端装置及びこれらと接続するシリアルインターフェースまたはLAN(Local Area Network)インターフェース等によって構成され、ネットワークを介して、他の情報処理装置(情報保存装置20A又は履歴保存装置30A)とデータを送受信する。
【0022】
操作部15はキーボード及びマウス等のポインティングデバイス等によって構成される。操作部15は、ユーザによって入力された操作内容を受け付け、制御部13Aへ出力する。
表示部16は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)等から構成される。表示部16は、ファイル111の内容、ファイル111を検索する際の情報、ファイル111を復旧する際に必要な履歴情報等を表示する。
【0023】
情報復旧装置10Aは、次のように動作する。
【0024】
送受信部14Aは、制御部13Aの指示によってファイル111を情報保存装置20Aに送信する。その際に、送受信部14Aは、ファイル履歴作成部12Aによって出力された送信元履歴を履歴保存装置30Aに送信する。
【0025】
記憶部11に記憶されているファイル111が喪失すると、制御部13Aは、ファイル111を復旧するために必要なデータの保存場所を検索する指示と、ファイル111のファイル名、識別情報等のファイル111を識別する情報とが操作部15に入力されたことに応答して、特定のファイルを識別するための特定識別情報を判別する。
制御部13Aは、送受信部14Aを介して、判別した特定識別情報によって識別されるファイルの有無を検索する指示を履歴保存装置30Aに送信する。制御部13Aは、履歴保存装置30Aや情報保存装置20Aから検索する指示に対する応答が送受信部14Aによって受信されたことに応答して、検索したファイル111がある情報保存装置20Aの名前等を表示部16に表示させる。
【0026】
情報保存装置20Aは、図1に示すように、記憶部21と、ファイル履歴作成部22Aと、制御部23Aと、送受信部24Aとを備える。情報保存装置20Aは、例えば、ネットワークに接続されたメールサーバ・ファイルサーバ等のクライアントにサービスを提供する装置である。
【0027】
記憶部21は、情報復旧装置10Aの記憶部11と同様に構成され、情報復旧装置10Aから送信されたファイル211や受信ファイル履歴221、制御部23Aに実行させるファイル検索用のプログラム等を記憶している。
【0028】
ファイル履歴作成部22Aは、送受信部24Aによって受信されて、記憶部21に記憶されたファイル211の履歴を作成し、受信ファイル履歴221として記憶部21に出力する。
【0029】
制御部23Aは、情報復旧装置10Aの制御部13Aと同様に構成され、記憶部21に記憶されているプログラムによって、各処理を実行する。
【0030】
送受信部24Aは、情報復旧装置10Aの送受信部14Aと同様に構成され、他の情報処理装置(情報復旧装置10Aと履歴保存装置30A)とデータを送受信する。
【0031】
情報保存装置20Aは次のように動作する。
【0032】
送受信部24Aは、情報復旧装置10Aによって送信されたファイルを受信し、記憶部21に出力する。
また、送受信部24Aは、履歴保存装置30Aからのファイル有無の問い合わせを受信する。
制御部23Aは、ファイル有無の問い合わせが送受信部24Aによって受信されたことに応答して、受信ファイル履歴221の中を検索して、問い合わせがあったファイルが記憶部21に記憶されているか否かを判別して、判別された結果を送受信部24Aに出力する。送受信部24Aは、判別された結果を情報復旧装置10Aに送信する。
【0033】
履歴保存装置30Aは、図1に示すように、記憶部31と、制御部33Aと、送受信部34Aとを備える。
【0034】
記憶部31は、情報復旧装置10Aの記憶部11、情報保存装置20Aの記憶部21と同様に構成され、制御部33Aに実行させるファイル検索用のプログラム等を記憶している。
記憶部31は、送受信部34Aによって受信された送信元履歴(図2の各行毎の情報)を、受信された順に、図2に示すようなテーブルを作成し、元ファイル履歴321Aとして保存する。
元ファイル履歴321Aには、ファイルID、文書名、ファイル名、ファイルを操作した者のID、ファイルを送信した元のマシン名(情報復旧装置10A)、ファイルを送信した先のマシン名(情報保存装置20A)等の情報が含まれている。
【0035】
制御部33Aは、情報復旧装置10Aの制御部13A及び情報保存装置20Aの制御部23Aと同様に構成され、記憶部31に記憶されているプログラムによって、各処理を実行する。
【0036】
送受信部34Aは、情報復旧装置10Aの送受信部14A及び情報保存装置20Aの送受信部24Aと同様に構成され、他の情報処理装置(情報復旧装置10Aと情報保存装置20A)とデータを送受信する。
【0037】
履歴保存装置30Aは、次のように動作する。
【0038】
送受信部34Aは、情報復旧装置10Aによって送信された送信元履歴やファイルを検索する指示等を受信する。
制御部33Aは、ファイルを検索する指示が送受信部34Aによって受信されたことに応答して、記憶部31に記憶されている元ファイル履歴321Aの中を検索して、検索する指示をした情報復旧装置10Aがそのファイルを何れかの情報保存装置20Aに送信した履歴が有るか否かを検索する。
送信した履歴があることを判別すると、制御部33Aは、送受信部34Aを介して、そのファイルが送信された情報保存装置20Aにそのファイルの有無の問い合わせを送信する。送信した履歴がないことを判別すると、制御部33Aは、送受信部34Aを介して、検索する指示をした情報復旧装置10Aに、そのファイルが送信された情報保存装置20Aは無い旨を送信する。
【0039】
次に、本発明の第1の実施形態の処理を時間順に説明する。
まず、図3に示す、情報復旧装置10Aのファイル送信処理、履歴保存装置30Aの履歴保存処理1、情報保存装置20Aのファイル受信処理について説明する。
【0040】
情報復旧装置10Aのファイル送信処理について説明する。
制御部13Aは、記憶部11に記憶されている送信対象のファイル111のコピーを作成し、送信先の情報保存装置20Aのアドレス情報等を付して送受信部14Aに出力する(ステップS120)。送受信部14Aは、出力されたファイル111を送信先の情報保存装置20Aに送信する(ステップS121)。
ファイル履歴作成部12Aは、送信したファイル111の識別情報、送信先の情報保存装置20Aの識別情報等を含む送信元履歴(図2の各行毎の情報)を作成して、送受信部14Aに出力する。送受信部14Aは、出力された送信元履歴を履歴保存装置30Aに送信する(ステップS122)。
【0041】
情報保存装置20Aのファイル受信処理について説明する。
送受信部24Aは、情報復旧装置10Aの送受信部14Aによって送信されたファイル111を受信する(ステップS130)。制御部23Aは、受信されたファイル111をファイル211として記憶部21に記憶させる(ステップS131)。
ファイル履歴作成部22Aは、送受信部24Aによって受信されたファイル111が記憶部21に記憶された際に、ファイルID、送信元の情報復旧装置10Aの識別情報、受信時刻等の受信したファイルの情報等を含む受信ファイル履歴221を作成し、記憶部21に記憶させる(ステップS132)。
【0042】
履歴保存装置30Aのファイル受信処理について説明する。
送受信部34Aは、情報復旧装置10Aの送受信部14Aによって送信されたファイル111の送信元履歴を受信する(ステップS140)。制御部33Aは、図2に示すように、送受信部34Aによって受信された送信元履歴を記憶部31に記憶されている元ファイル履歴321Aに追加して保存する(ステップS141)。
【0043】
次に、図4に示す、情報復旧装置10Aのファイル検索処理、履歴保存装置30Aの送信先検索処理、情報保存装置20Aのファイル有無確認処理について説明する。
情報復旧装置10Aの操作部15を介して、利用者から検索する対象のファイル名、識別情報等が入力されると、制御部13Aは、入力された情報から特定のファイルを識別するための特定識別情報を判別する。
例えば、図2に示すように、文書名「会議資料」、ファイル名「予算.txt」等の情報が入力されると、制御部13Aは、ファイルのID「00002」を特定識別情報とする。
制御部13Aは、特定識別情報によって識別されるファイルを送信した情報保存装置20Aが有るか無いかの検索指示を送受信部14Aに出力する。送受信部14Aは、出力された検索指示を、履歴保存装置30Aに送信する(ステップS202)。
【0044】
履歴保存装置30Aの送受信部34Aは、情報復旧装置10Aの送受信部14Aによって送信された検索指示を受信する。制御部33Aは、記憶部31に記憶されている元ファイル履歴321Aの中を検索して、特定識別情報によって識別されるファイルが送信された情報保存装置20Aが有るか無いかを判別する(ステップS302)。
特定識別情報のファイルを送信した情報保存装置20Aが無いと判別した場合(ステップS302;NO)、制御部33Aは、送受信部34Aを介して、情報復旧装置10Aに特定識別情報によって識別されるファイルを送信した情報保存装置20Aが無い旨の応答を送信する(ステップS304)。
特定識別情報によって識別されるファイルを送信した情報保存装置20Aが有ると判別した場合(ステップS302;YES)、制御部33Aは、特定識別情報によって識別されるファイル有無の問い合わせをその情報保存装置20Aに送信する(ステップS305)。この問い合わせには、特定識別情報、検索指示をした情報復旧装置10Aの識別情報等が含まれる。
また、制御部33Aは、送受信部34Aを介して、問い合わせを送信した情報保存装置20Aの識別情報(問い合わせ)をファイルの検索指示を送信した情報復旧装置10Aに送信する(ステップS312)。
【0045】
情報保存装置20Aの送受信部24Aは、履歴保存装置30Aの送受信部34Aによって送信された問い合わせを受信する(ステップS251)。制御部23Aは、記憶部21に記憶されている受信ファイル履歴221の中を検索して、問い合わせに含まれている特定識別情報と一致する識別情報のファイルが有るか無いかを判別する(ステップS252)。
特定識別情報のファイルが記憶部31に無いと判別した場合(ステップS252;NO)、制御部23Aは、送受信部24Aを介して、特定識別情報によって識別されるファイルを送信した情報保存装置20Aが無い旨の応答を情報復旧装置10Aに送信する(ステップS253)。
特定識別情報のファイルが記憶部31に有ると判別した場合(ステップS252;YES)、制御部23Aは、送受信部24Aを介して、特定識別情報によって識別されるファイルが有る旨の応答を情報復旧装置10Aに送信する(ステップS254)。
【0046】
情報復旧装置10Aの送受信部14Aは、履歴保存装置30Aの送受信部34Aによって送信された問い合わせ先の情報を受信する(ステップS213)。制御部13Aは、問い合わせ先の情報を受信してから所定の時間(例えば、5分乃至10分)以内に問い合わせ先の情報保存装置20Aからの応答が送受信部14Aによって受信されるかを判別する(ステップS214)。所定の時間以内に応答を受信しなかった場合(ステップS214;NO)、制御部13Aは、所定の時間内に情報保存装置20Aから応答が無い旨と、問い合わせをした情報保存装置20Aの識別情報とを表示部16に表示させる(ステップS215)。
所定の時間以内に応答を受信した場合には(ステップS214;YES、ステップS204、ステップS205)、受信した応答毎に処理をする。特定識別情報によって識別されるファイルが無い旨の応答を送受信部14Aによって受信した場合(ステップS204)、制御部13Aは、復元可能なファイルが無い旨を表示部16に表示させる(ステップS205)。特定識別情報によって識別されるファイルが有る旨の応答を送受信部14Aによって受信した場合(ステップS206)、制御部13Aは、特定識別情報によって識別されるファイルが有る情報保存装置20Aの識別情報を表示部16に表示させる(ステップS211)。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の情報処理システム100Aによれば、他の情報保存装置20Aに送信したファイル111を操作ミスや記憶部11の不具合等により喪失したとしても、送信したファイルの履歴を別の装置である履歴保存装置30Aに保存することによって、送信したファイル111が送信先の情報保存装置20Aに有るか無いかを知ることができる。従って、喪失したファイル111が他の情報保存装置20Aに有る場合に、利用者は、表示された送信先の情報保存装置20Aからファイルをコピーしたり、ファイル211を転送してもらうことによりファイルを復元することができる。
また、履歴保存装置30Aが問い合わせを送信した情報保存装置20Aから所定の時間以内に応答がない場合、問い合わせ先が表示部16に表示されるので、利用者は、表示された情報保存装置20Aに直接問い合わせて、ファイルの有無を確認することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態にかかる情報処理システム100Bは、復元する対象のファイルを特定し、復元可能なファイルが他の装置に有る場合にそのファイルによって完全な復元が可能か不可能かを判別する。
【0049】
本実施形態に係る情報処理システム100Bは、図5に示すように、ネットワークに接続された複数の情報復旧装置10Bと、複数の情報保存装置20Bと、履歴保存装置30Bとを備える。
図1と図5の同一の構成要素には同一の符号が付されている。図1と図5の同一の構成要素についての説明は省略する。
【0050】
情報復旧装置10Bは、記憶部11と、ファイル履歴作成部12Bと、制御部13Bと、送受信部14Bと、操作部15と、表示部16と、更新履歴比較部17とを備える。
【0051】
ファイル履歴作成部12Bは、ファイル履歴作成部12Aの機能に加え、操作部15を介して、記憶部11に記憶されているファイル111が更新された際に、例えば図6の1行目(ファイルID「00007」)に示すように、更新や転送等の操作された内容、操作された時刻等をファイルIDに対応させた送信元履歴を作成して、送受信部14Bに出力する。ファイル履歴作成部12Bは、記憶部11に記憶されているファイル111が情報保存装置20Bに送信される際に、例えば図6の3行目(ファイルID「00002」)に示すように、第1の実施形態で作成した送信元履歴の内容に送信する時刻をさらに加えた送信元履歴を作成して、送受信部14Bに出力する。
【0052】
図5に戻り、制御部13Bは、制御部13Aの機能に加えて、検索する対象のファイルを特定するための処理をする。
【0053】
送受信部14Bは、送受信部14Aの機能に加えて、記憶部11に記憶されているファイル111が更新された際に、ファイル履歴作成部12Bによって出力された送信元履歴を履歴保存装置30Bに送信する。
送受信部14Bは、制御部13Bによって出力された検索するファイルの手掛かりの情報と候補検出指示とを履歴保存装置30Bに送信し、履歴保存装置30Bから候補検出指示の応答を受信する。
送受信部14Bは、履歴保存装置30Bによって元ファイル履歴321Bの中から検索対象のファイル111の履歴を抽出して作成された喪失ファイル履歴を受信する。また、送受信部14Bは、ファイル111が受信された後に、検索対象のファイル211が更新された履歴を受信ファイル履歴221の中から抽出して作成された復元ファイル履歴を情報保存装置20Bから受信する。
【0054】
更新履歴比較部17は、喪失ファイル履歴と復元ファイル履歴とが送受信部14Bによって受信されると、検索対象である特定識別情報によって識別されるファイルが送信された送信時刻と、情報復旧装置10Bによって操作された操作時刻と、情報保存装置20Bによって操作された操作時刻とを抽出して、これらの履歴情報の中でどの時刻が新しいかを比較する。
更新履歴比較部17は、送信時刻が最も新しい場合、完全復旧が可能と判別して、判別内容を表示部16に表示させる。それ以外の場合、送信後に情報復旧装置10Bのファイル111と情報保存装置20Bのファイル211との一方又は双方が更新されているので、更新履歴比較部17は、完全な復旧は不可能と判別して、判別内容を表示部16に表示させる。
【0055】
情報復旧装置10Bは、検索するファイルの候補を抽出する場合に、次のように動作する。
【0056】
操作部15は、ユーザによって、検索するファイルの手掛かりの情報と、検索するファイルの候補となり得る1つ又は複数のファイルID等を検出する候補検出指示とを受け付け、制御部13Bに出力する。制御部13Bは、検索するファイルの手掛かりの情報と候補検出指示とを送受信部14Bに出力する。送受信部14Bは、制御部13Bによって出力された検索するファイルの手掛かりの情報と候補検出指示とを履歴保存装置30Bに送信する。
【0057】
送受信部14Bは、履歴保存装置30Bから候補検出指示の応答を受信すると、制御部13Bに出力する。制御部13Bは、候補検出指示の応答に含まれている検索するファイルの候補となり得るファイルIDやファイル名等を表示部16に表示させる。
操作部15は、ユーザによって選択された検索する対象のファイルの情報を制御部13Bに出力する。以下第1の実施形態と同様に、制御部13Bは、選択されたファイルの特定識別情報に基づき、ファイルを検索する指示を送受信部14Bに出力する。送受信部14Bは、ファイルを検索する指示を履歴保存装置30Bに送信する。
【0058】
情報保存装置20Bは、図5に示すように、記憶部21と、ファイル履歴作成部22Bと、制御部23Bと、送受信部24Bと、操作部25と、表示部26とを備える。
【0059】
ファイル履歴作成部22Bは、ファイル履歴作成部22Aの機能に加えて、操作部25によってファイル211が操作された際に、ファイルIDに対応させて操作内容や操作時刻等を含む履歴情報を追加して、受信ファイル履歴221を更新する。
ファイル履歴作成部22Bは、制御部23Bによって検索対象のファイルが有ると判別された際に、受信ファイル履歴221の中からそのファイルの履歴情報を抽出して、復元ファイル履歴を作成して、送受信部24Bに出力する。
【0060】
制御部23Bは、制御部23Aの機能に加えて、検索対象のファイルが有ると判別した際に、そのファイルの復元ファイル履歴を送受信部24Bを介して、検索を指示した情報復旧装置10Bに送信する。
【0061】
送受信部24Bは、情報復旧装置10Bにファイルが有る旨の応答を送信する際に、ファイル履歴作成部22Bによって出力された復元ファイル履歴を併せて送信する。
操作部25は、情報復旧装置10Bの操作部15と同様に構成される。
表示部26は、情報復旧装置10Bの表示部16と同様に構成される。
【0062】
履歴保存装置30Bは、図5に示すように、記憶部31と、制御部33Bと、送受信部34Bとを備える。
【0063】
制御部33Bは、制御部33Aの機能に加えて、検索する特定識別情報のファイルの候補を選び出す手掛かりの情報に基づいて、記憶部31に記憶されている各情報復旧装置10B毎に作成された元ファイル履歴321Bの中を曖昧検索して、候補を選び出す処理をする。
例えば、手掛かりの情報がファイル名「**.xls」の場合、記憶部31に記憶されている元ファイル履歴321Bの中を検索して、図6に示した、ファイル名「得意先.xls」を検出する。
例えばまた、手掛かりの情報がファイル名「**.txt」の場合、記憶部31に記憶されている元ファイル履歴321Bの中を検索して、「帳簿.txt」、「予算.txt」、「住所録.txt」、「予定.txt」を検出する。
【0064】
制御部33Bは、送受信部34Bを介して、情報保存装置20Bに問い合わせを送信する際に、元ファイル履歴321Bの中からそのファイルの履歴情報を抽出して、喪失ファイル履歴を作成し、送受信部34Bに出力する。
【0065】
送受信部34Bは、送受信部34Aの機能に加え、情報復旧装置10Bの操作部15によって、ファイル111が更新された際に作成される送信元履歴を受信し、記憶部31に記憶されている情報復旧装置10B毎に作成された元ファイル履歴321Bに追加する。
送受信部34Bは、情報復旧装置10Bによって送信された検索するファイルの手掛かりの情報と候補検出指示とを受信して、その候補検出指示の応答を送信する。
送受信部34Bは、検索するファイルの問い合わせを情報保存装置20Bに送信する際に、情報復旧装置10Bにそのファイルの喪失ファイル履歴を送信する。
【0066】
次に、本発明の第2の実施形態の処理を時間順に説明する。
まず、図7に示す、情報復旧装置10Bの送信元ファイル更新・削除処理、履歴保存装置30Bの履歴保存処理2、情報保存装置20Bの受信先ファイル更新・削除処理について説明する。なお、図3と図7の同一の処理には同一の符号が付されている。図3と図7の同一の処理の説明は省略する。
【0067】
情報復旧装置10Bのファイル送信処理について説明する。
操作部15を介して、記憶部11に記憶されているファイル111が更新・削除される度に(ステップS100)、ファイル履歴作成部12Bは、操作内容と操作時刻とをファイルIDに対応させた元ファイル履歴を作成して送受信部14Bに出力する。
送受信部14Bは、出力された元ファイル履歴を履歴保存装置30Bに送信する(ステップS101)。
【0068】
履歴保存装置30Bの履歴保存処理について説明する。
送受信部34Bは、情報復旧装置10Bの送受信部14Bによって送信された送信元履歴を受信すると(ステップS140)、送信元履歴を記憶部31に記憶している元ファイル履歴321Bに追加登録する(ステップS141)。
【0069】
情報保存装置20Bのファイル送信処理について説明する。
例えば、操作部25からファイル211が更新・削除する操作が入力されたり、ファイル211が情報保存装置20Bから別の装置に転送された場合に、記憶部21に記憶されているファイル211は更新・削除される。記憶部21に記憶されているファイル211が更新・削除される度に(ステップS110)、ファイル履歴作成部22Bは、操作内容と操作時刻とをファイルIDに対応させた履歴情報を記憶部21に記憶している受信ファイル履歴221に追加登録する(ステップS111)。
【0070】
次に、図8に示す、情報復旧装置10Bの候補抽出・ファイル検索処理、履歴保存装置30Bの候補抽出・送信先検索処理、情報保存装置20Bのファイル有無・履歴応答処理について説明する。なお、図4と図8の同一の処理には同一の符号が付されている。図4と図8の同一の処理の説明は省略する。
【0071】
まず、情報復旧装置10Bと履歴保存装置30Bの候補抽出処理について説明する。
検索するファイルのファイルID等の特定識別情報が明確な場合(ステップS201;YES)は、第1の実施形態と同様に、制御部13Bは、特定識別情報を判別し、検索指示を送受信部14Bに出力する。送受信部14Bは、出力された検索指示を、履歴保存装置30Bに送信する(ステップS202)。
【0072】
検索するファイルが不明確な場合(ステップS201;NO)、検索するファイルの手掛かりの情報と、検索するファイルの候補となり得る1つ又は複数のファイルID等を検出する候補検出指示とが操作部15に入力された際に、制御部13Bは、検索するファイルの手掛かりの情報と候補検出指示とを送受信部14Bに出力する。送受信部14Bは、手掛かりの情報と候補検出指示とを履歴保存装置30Bに送信する(ステップS203)。
例えば、手掛かりの情報として、ファイルを送信した時間帯、ファイル名の特徴部分(「***.txt」)等がある。
【0073】
履歴保存装置30Bの送受信部34Bは、情報復旧装置10Bの送受信部14Bによって送信された手掛かりの情報と候補検出指示とを受信して、制御部33Bに出力する。制御部33Bは、手掛かりの情報に基づいて情報復旧装置10B毎の元ファイル履歴321Bの中を曖昧検索して、検索するファイルの候補を選び出して、送受信部34Bに出力する。送受信部34Bは、出力された検索するファイルの候補の情報を情報復旧装置10Bに送信する(ステップS301)。
例えば、手掛かりの情報が「***.txt」の場合、図6に示した元ファイル履歴321Bの中から、制御部33Bによって、ファイル名「帳簿.txt」「予算.txt」「住所録.txt」「予定.txt」が候補として抽出される。
【0074】
検索するファイルの候補の情報が、情報復旧装置10Bの送受信部14Bによって受信されると、制御部13Bは、その情報を表示部16に表示させる。操作部15を介して、表示された候補の中から検索する対象が選択されると、制御部13Bは、検索指示を送受信部14Bに出力する。送受信部14Bは、出力された検索指示、履歴保存装置30Bに送信する(ステップS202)。以下、第1の実施形態と同様に検索するファイルの検出処理がなされる。
【0075】
例えば、上述した図6の例において、「住所録.txt」が選択されると、制御部13Bは、ファイルID「00033」のファイルを検索する指示を履歴保存装置30Bに送信する。履歴保存装置30Bは、ファイル検索の指示を受信すると、元ファイル履歴321Bの中を検索し(ステップS302〜S304)、ファイルID「00033」をコピーした履歴のある送信先のマシンserver2(情報保存装置20B)に、コピーしたファイルが残っているか否かの問い合わせを送信する(ステップS305)。
【0076】
次に、情報復旧装置10Bが、情報保存装置20Bと履歴保存装置30Bとから履歴情報を取得して、完全な復旧が可能か、不完全な復旧が可能か、復旧不可能かの判別をする処理について説明する。
【0077】
履歴保存装置30Bの制御部33Bは、送受信部34Bを介して、情報保存装置20Bに問い合わせを送信する際に(ステップS305)、元ファイル履歴321Bの中からそのファイルの履歴情報を抽出して、喪失ファイル履歴を作成し、送受信部34Bに出力する。送受信部34Bは、検索するファイルの問い合わせを情報保存装置20Bに送信する際に、情報復旧装置10Bにそのファイルの喪失ファイル履歴を送信する(ステップS306)。
【0078】
情報保存装置20Bのファイル履歴作成部22Bは、制御部23Bによって検索対象のファイルが有ると判別された際に(ステップS252;YES)、受信ファイル履歴221の中からそのファイルの履歴情報を抽出して、復元ファイル履歴を作成して、送受信部24Bに出力する。送受信部24Bは、情報復旧装置10Bにファイルが有る旨の応答を送信する際に(ステップS254)、ファイル履歴作成部22Bによって出力された復元ファイル履歴を併せて送信する(ステップS255)。
【0079】
以下、情報復旧装置10Bが、所定の時間内に情報保存装置20Bからファイルが有る旨の応答を受信した場合について説明する(ステップS206、ステップS214;YES)。
情報復旧装置10Bの送受信部14Bは、履歴保存装置30Bの送受信部34Bによって送信された喪失ファイル履歴と、情報保存装置20Bの送受信部14Bによって送信されたファイルが有る旨の応答と(ステップS206)、そのファイルの復元ファイル履歴とを受信する(ステップS216)。送受信部14Bは、受信した喪失ファイル履歴と復元ファイル履歴とを記憶部11に記憶する。
制御部13Bは、記憶部11に記憶された喪失ファイル履歴と復元ファイル履歴との中を検索し、ファイル111を送信した時刻以降に、ファイル111又はファイル211を操作した履歴が有るか否かを判別する(ステップS208)。
【0080】
送信時刻以降にファイルを操作した履歴が無い場合(ステップS208;NO)、制御部13Bは、完全な復旧が可能であると判別し、その内容と検索対象のファイル211が有る情報保存装置20Bの場所やアドレス等の情報を表示部16に表示させる(ステップS209)。
例えば上述した図6の例において、ファイルID「00033」、ファイル名「住所録.txt」を情報復旧装置10Bからserver2(情報保存装置20B)にコピーした以降に、このファイルを更新した履歴情報が無いことから、制御部13Bは、完全な復旧が可能と判別して、完全な復旧が可能である旨と保存場所がserver2であることを表示部16に表示させる。
【0081】
送信時刻以降にファイルを操作した履歴が有る場合(ステップS208;YES)、制御部13Bは、完全な復旧が不可能であると判別し、その内容と検索対象のファイル211が有る情報保存装置20Bの場所やアドレス等の情報とを表示部16に表示させる(ステップS211)。
例えば上述した図6の例において、ファイルID「00051」、ファイル名「予定.txt」を情報復旧装置10Bからserver3(情報保存装置20B)にコピーした以降に、このファイルを更新した履歴情報が有ることから、制御部13Bは、完全な復旧が不可能と判別して、完全な復旧が不可能である旨と保存場所がserver3であることを表示部16に表示させる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100Bによれば、検索対象のファイルIDが正確に分からなくても、手掛かりとなる情報に基づいて、元ファイル履歴321Bの中を曖昧検索して、検索するファイルの候補となり得る1つ又は複数のファイルを検出することによって、検索対象のファイルを選び、特定することができる。
また、情報復旧装置10Bは、検索したファイルが有るか無いかの応答のみならず、検索したファイル111の履歴情報が記載された喪失ファイル履歴と、復元することが可能なファイル211が情報復旧装置10Bから情報保存装置20Bに送信された以降の履歴情報が記載された復元ファイル履歴とを受信して、ファイルを送信した時刻以降の履歴を判別することによって、情報保存装置20Bに保存されているファイル211を使用して喪失したファイル111を完全に復旧することができるか、不完全な復旧しかできないかを判別することができる。さらに、情報保存装置20Bからファイル211を取り寄せるだけでは、完全な復旧をすることができない場合であっても、情報復旧装置10Bが受信した喪失ファイル履歴と復元ファイル履歴とを参照しながら、利用者はファイルを復元することができる。
【0083】
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、送信時刻が最も新しい送信先の情報保存装置20Cから送信時刻順にファイル211の有無を問い合わせ、情報復旧装置10Cがファイル211を使用して復元又は暫定的な復元をするシステムについて説明する。
【0084】
本実施形態に係る情報処理システム100Cは、図9に示すように、ネットワークに接続された複数の情報復旧装置10Cと、複数の情報保存装置20Cと、履歴保存装置30Cとを備える。
図1と図5と図9の同一の構成要素には同一の符号が付されている。図1と図5と図9の同一の構成要素の説明は省略する。
【0085】
情報復旧装置10Cは、記憶部11と、ファイル履歴作成部12Bと、制御部13Cと、送受信部14Cと、操作部15と、表示部16と、更新履歴比較部17とを備える。
【0086】
制御部13Cは、制御部13Bの機能に加えて、検索したファイル111をファイル211によって完全に復旧することができると判別した際に、ファイル111をファイル211に置き換える。また、制御部13Cは、検索したファイル111をファイル211によって完全に復旧することができないと判別した際に、ファイル211と送信時刻以降の喪失ファイル履歴と復元ファイル履歴とを表示部16に表示させる。
送受信部14Cは、送受信部14Bの機能に加えて、情報保存装置20Cからファイルが有る旨の応答を受信する際に、併せてファイル211を受信して、記憶部11に記憶させる。
【0087】
情報保存装置20Cは、図9に示すように、記憶部21と、ファイル履歴作成部22Bと、制御部23Cと、送受信部24Cと、操作部25と、表示部26とを備える。
【0088】
制御部23Cは、制御部23Bの機能に加えて、ファイル有無の問い合わせに対する応答に、送信先として情報復旧装置10Cと履歴保存装置30Cとの情報を付して、送受信部24Cに出力する。また、制御部23Cは、情報復旧装置10Cに検索対象のファイルが有る旨の応答を送信する際に、記憶部21に記憶されている検索対象のファイル211を送受信部24Cに出力する。
【0089】
送受信部24Cは、出力されたファイル有無の問い合わせに対する応答を情報復旧装置10Cと履歴保存装置30Cとに送信する。また、送受信部24Cは、出力されたファイル211をファイルの検索を指示した情報復旧装置10Cに送信する。
【0090】
履歴保存装置30Cは、図9に示すように、記憶部31と、制御部33Cと、送受信部34Cとを備える。
【0091】
制御部33Cは、制御部33Bの機能に加えて、送受信部34Cによって特定識別情報によって識別されるファイル111の検索の指示が受信されると、元ファイル履歴321Bの中を検索して、情報復旧装置10Cからファイル111が送信された情報保存装置20Cが有るか否かを送信時刻が新しい順に検出する。制御部33Cは、送信時刻が新しい情報保存装置20Cから順にファイル有無の問い合わせを送信し、問い合わせる情報保存装置20Cが無くなるか、問い合わせを送信した情報保存装置20Cからファイルが有る旨の応答を受信するまで、ファイル有無を問い合わせる処理を繰り返す。問い合わせる情報保存装置20Cが無くなった場合に、制御部33Cは、検索対象の特定識別情報で識別されるファイルが無い旨の応答を、送受信部34Cを介して、検索指示をした情報復旧装置10Cに送信する。
【0092】
送受信部34Cは、情報保存装置20Cによって送信されたファイル有無の問い合わせに対する応答を受信する。
【0093】
次に、本発明の第3の実施形態の処理を時間順に説明する。
図10に示す、情報復旧装置10Cの候補抽出・ファイル復旧処理、履歴保存装置30Cの候補抽出・照会処理、情報保存装置20Cのファイル有無・送信処理について説明する。なお、図4と図8と図10の同一の処理には同一の符号が付されている。図4と図8と図10の同一の処理の説明は省略する。
【0094】
まず、送信時刻が最も新しい送信先の情報保存装置20Cから時刻順にファイル211の有無を問い合わせる照会処理について説明する。
情報復旧装置10Cと履歴保存装置30Cとによって、検索するファイルの候補を抽出するまでの処理及び、情報復旧装置10Cが履歴保存装置30Cにファイルの検索を指示する処理までは、第2の実施形態と同様である(ステップS201〜S203、S301)。
【0095】
制御部33Cは、記憶部31に記憶されている元ファイル履歴321Bの中を検索して、特定識別情報によって識別されるファイルが送信された情報保存装置20Cが有るか否かを判別する(ステップS302)。
特定識別情報のファイルが送信された情報保存装置20Cが無いと判別した場合(ステップS302;NO)、制御部33Cは、第1及び第2の実施形態と同様に処理をする。
特定識別情報によって識別されるファイルが送信された情報保存装置20Cが有ると判別した場合(ステップS302;YES)、制御部33Cは、ファイルが送信された情報保存装置20Cの情報を送信時刻が新しい順に検出する(ステップS303)。
制御部33Cは、特定識別情報によって識別されるファイルの有無の問い合わせを送信時刻が最も新しい情報保存装置20Cに送信する(ステップS305)。
【0096】
情報復旧装置20Cの送受信部24Cがファイル有無の問い合わせを受信すると(ステップS251)、第2の実施形態と同様に、制御部22Cは、特定識別情報によって識別されるファイルが残っているか否かを判別する(ステップS252)。
特定識別情報によって識別されるファイルが無いと判別した場合(ステップS252;NO)、制御部22Cは、送受信部24Cを介して、ファイルが無い旨の応答を履歴保存装置30Cへ送信する(ステップS253)。
特定識別情報のファイルが有る場合には(ステップS252;YES)、制御部22Cは、送受信部24Cを介して、情報復旧装置10Cと履歴保存装置30Cとにファイルが有る旨の応答を送信し(ステップS254)、特定識別情報の復元ファイル履歴を情報復旧装置10Cに送信する(ステップS255)。さらに、制御部22Cは、送受信部24Cを介して、記憶部21に記憶されているファイル211を情報復旧装置10Cに送信する(ステップS256)。
【0097】
履歴保存装置30Cの送受信部34Cが問い合わせを送信した情報保存装置20Cからファイルが有る旨の応答を受信すると(ステップS307)、制御部33Cは、照会処理を終了する。
履歴保存装置30Cの送受信部34Cが問い合わせを送信した情報保存装置20Cからファイルが無い旨の応答を受信すると(ステップS308)、制御部33Cは、送信時刻の順が次に新しい送信先の情報保存装置20Cが有るか否かを検索する(ステップS309)。
送信時刻の順が次に新しい情報保存装置20Cが無い場合には(ステップS309;NO)、制御部22Cは、送受信部24Cを介して、無い旨の応答を情報復旧装置10Cに送信する(ステップS304)。
送信時刻の順が次に新しい情報保存装置20Cが有る場合には(ステップS309;YES)、制御部22Cは、送受信部24Cを介して、次の履歴保存装置20Cにファイル有無の問い合わせを送信する(ステップS310)。
以後、送受信部24Cが問い合わせを送信した情報保存装置20Cからファイルが有る旨の応答を受けるか、又は、制御部22Cが送信時刻の順が次に新しい情報保存装置20Cを検出できなくなるまで、制御部33Cは、履歴保存装置30Cにファイルの有無を問い合わせる照会処理を繰り返す(ステップS311)。
制御部22Cが送信時刻の順が次に新しい情報保存装置20Cを検出できなくなると(ステップS311;NO)、制御部22Cは、送受信部24Cを介して、無い旨の応答を情報復旧装置10Cに送信する(ステップS304)。
【0098】
次に、情報復旧装置10Cがファイル211を使用して復元又は暫定的な復元をする方法について説明する。
【0099】
情報復旧装置10Cの送受信部14Cは、特定識別情報によって識別されるファイル211が有る場合に、情報保存装置20Cによって送信されたファイル211を受信する(ステップS207)。
制御部13Cは、喪失ファイル履歴と復元ファイル履歴との中を検索して、ファイル111を情報保存装置20Cに送信した時刻以降に、ファイル111及びファイル211の内容を更新した履歴が有るか無いかを判別する(ステップS208)。
【0100】
送信後にファイルの内容を更新した履歴が無い場合には(ステップS208;NO)、制御部14Cは、完全な復旧が可能であると判別し、完全な復旧が可能である旨と、ファイル211を送信した情報保存装置20Cの場所とを表示部16に表示させる(ステップS209)。さらに、制御部14Cは、送受信部14Cに受信されたファイル211を喪失したファイル111の代わりに置き換えることにより、ファイルを復旧する(ステップS210)。
【0101】
送信後にファイルの内容を更新した履歴が有る場合には(ステップS208;YES)、制御部14Cは、完全な復旧が不可能であると判別し、完全な復旧が不可能である旨と、ファイル211を送信した情報保存装置20Cの場所と、送信時刻以降の更新履歴とを表示部16に表示させる(ステップS211)。さらに、制御部14Cは、送受信部14Cに受信されたファイル211を喪失したファイル111の代わりに置き換え、送信時刻以降の更新履歴の情報を付加することにより、ファイルを条件付きの復旧する(ステップS212)。
【0102】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム100Cによれば、履歴保存装置30Cは、送信時刻が新しい順に複数の情報保存装置20Cに対して、検索するファイルが有るか否かを問い合わせるので、ファイル211を見つける可能性が高い。
また、情報復旧装置10Cは、受信したファイル211によって、喪失したファイル111を完全な復旧又は、条件付きの復旧をすることができる。さらに、条件付きの復旧をする際に、制御部13Cは、送信時刻以降の更新履歴の情報を表示部16に表示させるので、利用者は、履歴情報を基に、暫定的に復旧されたファイル111の信頼性を確認できる。
【0103】
なお、情報復旧装置10A、10B、10Cと、情報保存装置20A、20B、20Cと、履歴保存装置30A、30B、30Cとから構成され、情報を復旧する機能を備えた情報処理システム100A、100B、100Cの処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。
図11のコンピュータシステムは、例えば、制御部201と、主記憶部202と、外部記憶部203と、入力部204と、表示部205と、送信部206と、内部バス207を備えている。制御部201はCPU(Central Processing Unit)を含み、主記憶部202はRAM(Randam Access Memory)等を含む。制御部201は、主記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、情報を復旧する機能を備えた情報処理システム100A、100B、100Cを実現する。また、情報を復旧する処理を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、このコンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、情報を復旧する処理を実行する情報処理システムを構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置にこのコンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで情報処理システム100A、100B、100Cを構成してもよい。
【0104】
また、情報を復旧する機能を備えた情報処理システム100A、100B、100Cを、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合等には、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0105】
また、搬送波にプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS : Bulletin Board System)に情報処理システム100A、100B、100Cのプログラムを掲示し、ネットワークを介して、このプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、情報を復旧する処理を実行できるように構成してもよい。
【0106】
また、図12に示すように、情報復旧装置10A、B、Cと情報保存装置20A、B、Cとの機能を1つの情報復旧及び情報保存装置40が備えてもよい。
履歴保存装置30Dは、情報復旧及び情報保存装置40から受信した履歴を保存することにより、検索指示をした情報復旧及び情報保存装置40の履歴情報と送信先の情報復旧及び情報保存装置40の履歴情報とを検索することにより、特定識別情報によって識別されるファイルの有無を判別して、検索指示をした情報復旧及び情報保存装置40にその有無の応答をしてもよい。
【0107】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、請求項に記載されている発明や発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0108】
10A、10B、10C 情報復旧装置
11、21、31 記憶部
12A、12B、22A、22B ファイル履歴作成部
13A、13B、13C、23A、23B、23C、33A、33B、33C 制御部
14A、14B、14C、24A、24B、24C、34A、34B、34C 送受信部
15、25 操作部
16、26 表示部
17 更新履歴比較部
20A、20B、30C 情報保存装置
30A、30B、30C、30D 履歴保存装置
40 情報復旧及び情報保存装置
100A、100B、100C、100D 情報処理システム
111、211 ファイル
221 受信ファイル履歴
321A、321B 元ファイル履歴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報復旧装置と履歴保存装置と情報保存装置とがネットワークを介して接続され、情報を復旧する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記情報復旧装置は、
ファイルを前記情報保存装置へ送信するファイル送信手段と、
前記ファイル送信手段がファイルを送信する際に、該ファイルの履歴として送信元履歴を作成して、前記履歴保存装置へ送信する履歴作成送信手段と、
特定のファイルを検索する指示として検索指示を受け付け、前記履歴保存装置へ送信する検索指示手段と、
前記検索指示手段が送信した検索指示の応答を前記履歴保存装置と前記情報保存装置とから受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段によって受信された検索指示の応答を出力する出力手段とを備え、
前記履歴保存装置は、
前記履歴作成送信手段によって送信された送信元履歴を受信する履歴受信手段と、
前記履歴受信手段によって受信された送信元履歴をまとめて、元ファイル履歴として記憶する履歴記憶手段と、
前記検索指示手段によって送信された検索指示を受信する検索指示受信手段と、
前記検索指示受信手段によって検索指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶された元ファイル履歴の中を検索して、前記特定のファイルが送信された送信先の情報保存装置を検出する送信先検索手段と、
前記送信先検索手段により送信先の情報保存装置が検出されたことに応答して、該送信先の情報保存装置に前記特定のファイルの有無を照会し、送信先の情報保存装置が検出されなかったことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信手段に前記検索指示の応答として前記特定のファイルが無い旨を示す信号を送信するファイル照会手段とを備え、
前記情報保存装置は、
前記ファイル送信手段により送信されたファイルを受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信されたファイルを記憶する情報記憶手段と、
前記ファイル照会手段からの照会を受信したことに応答して、前記特定のファイルが前記情報記憶手段に記憶されているか否かを検索し、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信手段に前記検索指示の応答として前記特定のファイルの有無を示す信号を送信するファイル有無応答手段とを備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報復旧装置は、
前記履歴作成送信手段が、前記ファイル送信手段がファイルを送信する際に、該ファイルを識別するファイル識別情報と該ファイルを送信した送信先を示す情報保存装置を識別する装置識別情報とを対応させた送信元履歴を作成して、前記履歴保存装置へ送信し、
前記検索指示手段が、前記特定のファイルを識別するためのファイル識別情報を示す特定識別情報と該特定のファイルが前記情報保存装置に記憶されているか否かの検索を指示する検索指示を受け付け、前記履歴保存装置へ前記特定識別情報によって識別されるファイルの検索指示を送信し、
前記履歴保存装置は、
前記送信先検索手段が、前記検索指示受信手段によって検索指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶された元ファイル履歴の中から前記特定識別情報に対応した装置識別情報を検出し、
前記ファイル照会手段が、前記送信先検索手段により送信先の装置識別情報が検出されたことに応答して、該送信先の情報保存装置に特定識別情報によって識別されるファイルの有無を照会し、送信先の装置識別情報が検出できないことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信手段へ前記検索指示の応答としてファイルが無い旨を示す信号を送信し、
前記情報保存装置は、
前記ファイル有無応答手段が、前記ファイル照会手段からの照会を受けたことに応答して、前記特定識別情報によって識別されるファイルが前記情報記憶手段に記憶されているか否かを検出し、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信手段へ前記検索指示の応答として該特定識別情報によって識別されるファイルの有無を示す信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記情報復旧装置は、
前記履歴作成送信手段が、該情報復旧装置を示す装置識別情報を特定識別情報に対応させた前記送信元履歴を作成して、前記履歴保存装置へ送信し、
前記出力手段が、前記応答受信手段によってファイルが記憶されている旨を示す信号が受信されたことに応答して、前記ファイルが有る旨の信号と、前記ファイルが記憶されている情報保存装置を示す装置識別情報とを出力し、ファイルが無い旨を示す信号を受信したことに応答して、前記ファイルが無い旨の信号を出力し、
前記出力手段が出力した前記ファイルの有無と前記情報保存装置とを含む情報を表示する表示手段を備え、
前記履歴保存装置は、
前記送信先検出手段が、前記特定識別情報に基づいて、前記元ファイル履歴の中から前記ファイルが送信された情報保存装置を示す装置識別情報を検索し、
前記ファイル照会手段は、前記送信先検出手段によって送信先の情報保存装置を示す装置識別情報が検出されたことに応答して、前記ファイルが送信された情報保存装置へ、前記特定識別情報と前記情報復旧装置を示す装置識別情報とを含む照会をし、
前記情報保存装置は、
前記ファイル有無応答手段が、特定識別情報によって識別されるファイルが前記情報記憶手段に記憶されているか否かを検索し、受信した前記照会に含まれている装置識別情報によって識別される情報復旧装置の応答受信手段へ、前記検索指示の応答として前記特定識別情報によって識別されるファイルの有無を示す信号を送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記情報保存装置は、
前記情報記憶手段に記憶されたファイルを示すファイル識別情報を含む受信ファイル履歴を作成する受信ファイル履歴作成手段を備え、
前記情報記憶手段は、前記受信ファイル履歴作成手段によって作成された受信ファイル履歴をさらに記憶し、
前記ファイル有無応答手段は、前記特定識別情報が、前記情報記憶手段に記憶されている受信ファイル履歴中のファイルを示す何れかのファイル識別情報と一致するか否かを判別して、前記検索指示の応答としてファイルの有無を検出する信号を送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記履歴保存装置は、
前記ファイル照会手段が、前記送信先検出手段によって送信先の装置識別情報が検出されたことに応答して、前記元ファイル履歴の中から特定識別情報に対応した履歴の情報を選び出して、喪失ファイル履歴を作成し、検索を指示した前記情報復旧装置の応答受信手段へ当該喪失ファイル履歴を送信し、
前記情報保存装置は、
前記情報記憶手段に記憶されているファイルを操作する受信ファイル操作手段を備え、
前記受信ファイル履歴作成手段は、さらに前記受信ファイル操作手段によってファイルが操作された際に、特定識別情報によって識別されるファイルが操作された内容を示す受信ファイル操作内容と操作された時刻を示す操作時刻とを前記特定識別情報に対応させて前記受信ファイル履歴を更新し、
前記ファイル有無応答手段は、特定識別情報によって識別されるファイルが有る場合、前記受信ファイル履歴から特定識別情報によって識別されるファイルの履歴の情報を選び出し、復元ファイル履歴を作成して、前記情報復旧装置の応答受信手段に送信し、
前記情報復旧装置は、
ファイルが記憶される記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているファイルを操作する操作手段とを備え、
前記履歴作成送信手段は、前記ファイル送信手段がファイルを送信する際に、さらに前記ファイルが送信された時刻を示す送信時刻を特定識別情報に対応させた送信元履歴を作成し、さらに前記操作手段によってファイルが操作された際に、前記ファイルが操作された内容を示す送信元ファイル操作内容と、操作された時刻を示す送信元ファイル操作時刻とを前記特定識別情報に対応させた送信元履歴を作成して、前記履歴を前記履歴保存装置へ送信し、
前記応答受信手段は、前記履歴保存装置のファイル照会手段によって送信された喪失ファイル履歴と前記情報保存装置のファイル有無応答手段によって送信された復元ファイル履歴とをさらに受信し、
前記応答受信手段によって受信された前記喪失ファイル履歴中の前記特定識別情報に対応したファイルの送信時刻と、前記喪失ファイル履歴中の前記特定識別情報に対応した送信元ファイル操作時刻と、前記復元ファイル履歴中の前記特定識別情報に対応した受信ファイル操作時刻とを比較して、前記特定識別情報に対応したファイルの送信時刻が最も新しい時刻の場合、完全な復旧が可能と判別し、その他の場合、完全な復旧が不可能であると判別する復旧程度判定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記復旧程度判定手段が完全復旧可能と判別したことに応答して、完全復旧可能である旨を出力し、完全復旧が不可能と判別したことに応答して、完全復旧が不可能である旨と前記喪失ファイル履歴と前記復元ファイル履歴とをさらに出力する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報保存装置は、
前記ファイル有無応答手段によって特定識別情報によって識別されるファイルが有ると判別されたことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧装置へ前記特定識別情報によって識別されるファイルを送信する情報ファイル送信手段を備え、
前記情報復旧装置は、
前記特定識別情報によって識別されるファイルが有ることを示す信号と、前記復旧ファイル送信手段から送信された前記特定識別情報によって識別されるファイルとを受信する復元ファイル受信手段と、
前記復元ファイル受信手段によって受信されたファイルを前記記憶手段に記憶させ、前記特定識別情報によって識別される特定ファイルとして復旧するファイル復旧手段とを備える、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報復旧装置は、
前記検索指示手段が、前記特定のファイルを検索する手掛かりとなる情報と検索する前記特定のファイルの候補を選び出す指示として候補選出指示とを受け付けたことに応答して、前記手掛かりとなる情報と前記候補選出指示を前記履歴保存装置へ送信し、選択する候補として前記手掛かりとなる情報に対応したファイルを示すファイル識別情報を前記履歴保存装置から受信し、受信した選択する候補の前記ファイル識別情報の中から特定識別情報を選択して、ファイルの検索指示を送信し、
前記表示手段は、前記検索指示手段によって受信された前記選択する候補のファイル識別情報を表示し、
前記履歴保存装置は、
前記検索指示受信手段が、さらに前記検索指示手段から前記手掛かりとなる情報と前記候補選出指示をさらに受信し、
前記送信先検出手段が、前記検索指示受信手段によって候補選出指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶されている元ファイル履歴の中から前記手掛かりとなる情報を曖昧検索して、検索するファイルの候補を示すファイル識別情報を選出し、
前記ファイル照会手段は、前記送信先検出手段によって選出された前記選択する候補のファイル識別情報を前記情報復旧装置の検索指示手段に送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記履歴保存装置は、
前記送信先検出手段が、前記元ファイル履歴に記録されている前記特定識別情報のファイルが送信された複数の前記情報復旧装置の中から、前記送信時刻が最も新しい送信先の情報保存装置を最終送信先の情報保存装置として検出し、
前記ファイル照会手段が、前記送信先検出手段によって検出された前記最終転送先の情報保存装置に対して、前記特定識別情報のファイルの照会を送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報保存装置は、
前記ファイル有無応答手段が、前記履歴保存装置へ特定識別情報によって識別されるファイルの有無を示す信号をさらに送信し、
前記履歴保存装置は、
前記ファイル履歴受信手段が、前記情報保存装置によって送信されたファイルの有無を示す信号をさらに受信し、
前記送信先検出手段が、前記ファイル履歴受信手段によって検索指示が受信されたことに応答して、前記元ファイル履歴の中から前記特定識別情報によって識別されるファイルが送信された複数の前記情報復旧装置を送信時刻が新しい順に検索し、前記ファイル照会手段が、前記送信先検出手段によって検索された送信先の中から送信時刻が新しく且つ照会をしていない送信先の情報保存装置に前記ファイルの有無を照会し、前記ファイル履歴受信手段によって前記ファイルの有無を照会した情報保存装置からファイルが無い旨の応答を受信したことに応答して、照会した送信先の次に送信時刻が新しい送信先の情報保存装置に前記ファイルの有無を照会する、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
情報復旧装置と履歴保存装置と情報保存装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムにおいて、
前記情報復旧装置が、ファイルを前記情報保存装置へ送信するファイル送信ステップと、
前記情報復旧装置が、前記ファイル送信ステップによりファイルを送信する際に、該ファイルの履歴として送信元履歴を作成して、前記履歴保存装置へ送信する履歴作成送信ステップと、
前記情報保存装置が、前記ファイル送信ステップにより送信されたファイルを受信する情報受信ステップと、
前記情報保存装置が、前記情報受信ステップにより受信されたファイルを情報記憶手段に記憶させる情報記憶ステップと、
前記履歴保存装置が、前記履歴作成送信ステップにより送信された送信元履歴を受信する履歴受信ステップと、
前記履歴保存装置が、前記履歴受信ステップにより受信された送信元履歴をまとめて、元ファイル履歴として履歴記憶手段に記憶させる履歴記憶ステップと、
前記情報復旧装置が、特定のファイルを検索する指示として検索指示を受け付け、前記履歴保存装置へ送信する検索指示ステップと、
前記履歴保存装置が、前記検索指示ステップによって送信された検索指示を受信する検索指示受信ステップと、
前記履歴保存装置が、前記検索指示受信ステップによって検索指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶された元ファイル履歴の中を検索して、前記特定のファイルが送信された送信先の前記情報保存装置を検出する送信先検索ステップと、
前記履歴保存装置が、前記送信先検索ステップにより送信先の情報保存装置が検出されたことに応答して、該送信先の情報保存装置に前記特定のファイルの有無を照会し、送信先の情報保存装置が検出されなかったことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧装置へ前記検索指示の応答として前記特定のファイルが無い旨を示す信号を送信するファイル照会ステップと、
前記情報保存装置が、前記ファイル照会ステップからの照会を受信したことに応答して、前記特定のファイルが前記情報記憶ステップに記憶されているか否かを検索し、検索指示を送信した前記情報復旧装置の応答受信ステップへ前記検索指示の応答として前記特定のファイルの有無を示す信号を送信するファイル有無応答ステップと、
前記情報復旧装置が、前記検索指示ステップによって送信した検索指示の応答を前記履歴保存装置と前記情報保存装置とから受信する応答受信ステップと、
前記情報復旧装置が、前記応答受信ステップによって受信された検索指示の応答を出力する出力ステップとを含む、
ことを特徴とする情報システムの情報復旧制御方法。
【請求項11】
ネットワークを介して接続されたコンピュータを、
ファイルを情報保存用コンピュータへ送信するファイル送信手段と、
前記ファイル送信手段がファイルを送信する際に、該ファイルの履歴として送信元履歴を作成して、履歴保存用コンピュータへ送信する履歴作成送信手段と、
特定のファイルを検索する指示として検索指示を受け付け、前記履歴保存用コンピュータへ送信する検索指示手段と、
前記検索指示手段が送信した検索指示の応答を前記履歴保存用コンピュータと前記情報保存用コンピュータとから受信する応答受信手段と、
前記応答受信手段によって受信された検索指示の応答を出力する出力手段と、
して機能させるための、
情報復旧プログラム。
【請求項12】
ネットワークを介して接続されたコンピュータを、
情報復旧用コンピュータにより送信された送信元履歴を受信する履歴受信手段と、
前記履歴受信手段により受信された送信元履歴をまとめて、元ファイル履歴として記憶する履歴記憶手段と、
前記情報復旧用コンピュータによって送信された検索指示を受信する検索指示受信手段と、
前記検索指示受信手段によって検索指示が受信されたことに応答して、前記履歴記憶手段に記憶された元ファイル履歴の中を検索して、特定識別情報に対応した送信先の装置識別情報を検出する送信先検索手段と、
前記送信先検索手段により送信先の装置識別情報が検出されたことに応答して、該送信先の情報保存用コンピュータに前記特定識別情報によって識別されるファイルの有無を照会し、送信先の装置識別情報が検出できないことに応答して、検索指示を送信した前記情報復旧用コンピュータへ前記検索指示の応答としてファイルが無い旨を示す信号を送信するファイル照会手段と、
して機能させるための、
履歴保存プログラム。
【請求項13】
ネットワークを介して接続されたコンピュータを、
情報復旧用コンピュータにより送信されたファイルを受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信されたファイルを記憶する情報記憶手段と、
履歴保存用コンピュータからの照会を受信したことに応答して、特定のファイルが前記情報記憶手段に記憶されているか否かを検索し、検索指示を送信した前記情報復旧用コンピュータへ前記検索指示の応答として前記特定のファイルの有無を示す信号を送信するファイル有無応答手段と、
して機能させるための、
情報保存プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−231394(P2010−231394A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76850(P2009−76850)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】