説明

情報処理システムおよび管理方法

【課題】ユーザの管理範囲毎に画像形成装置の動作設定を管理し、ユーザの管理範囲内で画像形成装置に適用される動作設定を、この管理範囲外の画像形成装置であってユーザが利用する画像形成装置に自動で適用する情報処理システムを提供する。
【解決手段】設定値管理サービス310が、自身が管理する第1の管理範囲に属する画像形成装置に適用する第1動作設定情報と、第2の管理範囲に属する画像形成装置に適用する第2動作設定情報を保持する。設定値管理サービス310が、第2動作設定情報を用い、第2の管理範囲に対応するユーザが第1の管理範囲に属する画像形成装置を利用する際に適用される第3動作設定情報を生成する。設定値管理サービス310が、第2の管理範囲のユーザが利用する第1の管理範囲に属する画像形成装置から動作設定情報の取得要求を受付け、画像形成装置に対応する第3動作設定情報を返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンフィグデータを記憶手段に記憶する画像形成装置が提案されている。このコンフィグデータは、画像形成装置の動作を切り替える設定情報(動作設定情報)である。コンフィグデータは、各画像形成装置が備える記憶手段に記憶されているので、全ての画像形成装置のコンフィグデータを変更するためには、画像形成装置の台数分だけコンフィグデータの変更設定を行う必要がある。画像形成装置の台数分だけコンフィグデータの変更設定を行う手間を省くために、ある情報処理装置から複数の画像形成装置に対してコンフィグデータの一括設定を行う技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、初期設定操作が行われた複数の画像形成装置が、サーバからシステム初期設定情報をダウンロードして、初期設定内容に反映する画像形成システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−130838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の画像形成装置を、管理装置が、ネットワークを介して、当該複数の画像形成装置のユーザに対応するテナント単位で管理する情報処理システムが考えられる。ここで、ユーザが、自分が属するテナント内の画像形成装置ではなく、例えば出先のコンビニエンスストアや事業所等の、自分が属するテナントとは異なる他のテナント内の画像形成装置を利用して印刷出力させたい場合がある。そして、このような場合に、ユーザが、セキュリティ強度を高めるためなどの理由により、自社で定めている設定で画像形成装置を利用したいことが想定される。
【0006】
しかし、従来は、テナントを跨いでのコンフィグデータの利用は想定されていなかった。従って、従来、ユーザが、自身が属するテナント以外のテナント内の画像形成装置を利用する場合には、ユーザ自身が、利用する画像形成装置のコンフィグデータを設定する必要があり、ユーザにとって不便である。
【0007】
また、上記管理装置を操作して画像形成装置のコンフィグデータを管理する管理者にとって、当該管理装置が管理対象としないテナントに属するユーザが当該管理装置が管理する画像形成装置の設定変更を行うことは望ましくない。
【0008】
本発明は、ユーザの管理範囲毎に画像形成装置の動作設定を管理し、ユーザの管理範囲内で画像形成装置に適用される動作設定を、この管理範囲外の画像形成装置であってユーザが利用する画像形成装置に自動で適用する情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理システムは、画像形成装置の動作を切り替える動作設定情報を管理する管理装置と、予め設定されたユーザの管理範囲毎に前記管理装置に管理される画像形成装置とを備える情報処理システムである。前記画像形成装置は、前記画像形成装置が備える機器の構成情報と該画像形成装置を利用するユーザの管理範囲に関する情報とを含む、該画像形成装置に対応する動作設定情報の取得要求を、ネットワークを介して前記管理装置に対して送信する要求手段と、前記管理装置から前記動作設定情報の取得要求への応答として該動作設定情報を取得する取得手段とを備える。また、前記管理装置は、前記管理装置が管理する前記管理範囲である第1の管理範囲に属する画像形成装置に適用される第1動作設定情報を保持する第1の保持手段と、第2の管理範囲に属する画像形成装置に共通に適用される第2動作設定情報を保持する第2の保持手段と、前記第2動作設定情報を用いて、前記第2の管理範囲に対応するユーザが前記第1の管理範囲に属する画像形成装置を利用する際の該画像形成装置に適用する第3動作設定情報を生成し、該第3動作設定情報と前記第2の管理範囲に関する情報と前記ユーザが利用する画像形成装置が備える機器の構成情報との対応情報を含む情報を装置情報として記憶手段に記憶する生成手段と、前記第2の管理範囲に対応するユーザが利用する前記第1の管理範囲に属する画像形成装置から、前記ネットワークを介して、前記動作設定情報の取得要求を受け付ける要求受け付け手段と、前記受け付けられた前記動作設定情報の取得要求が含む、前記ユーザが利用する前記第1の管理範囲に属する画像形成装置が備える機器の構成情報と該ユーザに対応する第2の管理範囲に関する情報と、前記記憶手段に記憶された装置情報とに基づいて、該画像形成装置に対応する前記第3動作設定情報を取得して該画像形成装置に対して送信する情報送信手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報処理システムによれば、ユーザの管理範囲内で画像形成装置に適用される動作設定を、この管理範囲外の画像形成装置であってユーザが利用する画像形成装置に自動で適用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態の全体構成例を示す図である。
【図2】情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】情報処理システムの機能ブロック図の一例である。
【図4】実コンフィグデータの一例を示す図である。
【図5】実機器構成データの一例を示す図である。
【図6】仮想デバイスの一例を示す図である。
【図7】機種別設定値スキーマの一例を示す図である。
【図8】テナント用コンフィグデータの一例を示す図である。
【図9】外部テナント用コンフィグデータの一例を示す図である。
【図10】外部利用テナントデータの一例を示す図である。
【図11】テナント用コンフィグデータの更新処理を説明するフローチャートの一例である。
【図12】画像形成装置が仮想コンフィグデータを取得する処理を説明するフローチャートある。
【図13】外部利用テナントデータの更新処理を説明するフローチャートである。
【図14】仮想コンフィグデータの生成処理を説明するフローチャートである。
【図15】画像形成装置が仮想コンフィグデータを取得する処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本実施形態の情報処理システムについて説明する。まず、本実施形態において用いる用語の定義を行う。コンフィグデータとは、画像形成装置の動作を切り替えるデータ(動作設定情報)である。例えば、コピージョブの面付けのデフォルト値などが該当する。コピージョブの面付けのデフォルト値が「1 in 1」に設定されていれば、コピーを行った結果、用紙一枚に1ページが印刷される。コピージョブの面付けのデフォルト値が「2 in 1」に設定されていれば、コピーを行った結果、用紙一枚に2ページが印刷される。
【0013】
機器構成データとは、画像形成装置が備える機器の構成を示すデータである。機器構成データは、例えば、画像形成装置がファクスユニットを装着しているかを示す。機器構成データは、画像形成装置の機種を一意に識別するための機種コード、動作しているファームウェアバージョンなどを含む。
【0014】
機種別設定値スキーマとは、画像形成装置が特定の機種で保持するコンフィグデータのスキーマを定義するデータである。スキーマとは、コンフィグデータについての規約や位置づけを定義するデータである。機種別設定値スキーマは、例えば、コンフィグデータ各々の設定値識別子、デフォルト値、値域、データが有効になるための条件を含む。本実施形態においては、機種によって保持するコンフィグデータには差分があり、設定値スキーマを機種別に用意する運用であることを前提とする。
【0015】
仮想デバイスとは、サーバコンピュータ群が保持する実デバイスのデータ群である。具体的には、仮想デバイスは、少なくとも機器構成データ、コンフィグデータを含む。テナントとは、ユーザが画像形成装置の管理を委託する委託者の単位である。つまり、テナントは、ユーザの管理範囲である。テナント識別子とは、テナントを一意に識別するための識別子である。例えば、ある会社が後述する図1に示すユーザ環境100にある画像形成装置101A、101B、101Cの管理を委託した場合を想定する。その場合、ユーザ環境100に対応するテナント識別子が1つ割り当てられ、画像形成装置101A、101B、101Cは、そのテナントに属する画像形成装置であると認識され、管理される。
【0016】
仮想デバイスに含まれるデータと、実デバイスが保持するデータと、テナント専用のデータとを区別するために、以下のように定義する。仮想デバイスに含まれる機器構成データを仮想機器構成データ、コンフィグデータを仮想コンフィグデータと呼ぶ。実デバイスが保持する機器構成データを実機器構成データ、コンフィグデータを実コンフィグデータと呼ぶ。テナント内の画像形成装置で共通に利用されるコンフィグデータをテナント用コンフィグデータと呼ぶ。また、外部のテナントに属する画像形成装置で共通に利用されるコンフィグデータを外部テナント用コンフィグデータと呼ぶ。
【0017】
以下に図面を参照して、本実施形態の情報処理システムを説明する。まず、一つのテナントに閉じたコンフィグデータの利用について説明する。一つのテナントに閉じたコンフィグデータの利用は、ユーザが、自身が属するテナント内の画像形成装置を利用する際に、当該画像形成装置が、ネットワークを介して当該画像形成装置に対応するコンフィグデータを取得して適用することである。
【0018】
図1は、本実施形態の全体構成例を示す図である。図1に示す情報処理システムは、ユーザ環境100、サーバコンピュータ群105、サービスマン環境110、画像形成装置のベンダ環境120を備える。ユーザ環境100乃至画像形成装置のベンダ環境120は、インターネット104を介して互いに通信する。インターネット104は、公衆回線上のデジタル通信が可能なネットワークである。
【0019】
ユーザ環境100は、画像形成装置のユーザが当該画像形成装置の操作を実行する環境である。ユーザ環境100は、画像形成装置101A、101B、101C、端末装置102Aを備える。画像形成装置101A、101B、101Cは、本実施形態の画像形成装置である。ネットワーク106は、ユーザ環境100においてデジタル通信が可能なネットワークである。画像形成装置101A乃至101Cは、ネットワーク106を介してインターネット104にアクセス可能である。端末装置102Aは、ユーザ環境100のユーザが操作可能なコンピュータである。端末装置102Aも、ネットワーク106を介してインターネット104にアクセス可能である。
【0020】
サービスマン環境110は、サービスマンが端末装置102Bを使って画像形成装置の管理を行う環境である。サービスマン環境110は、端末装置102Bを備える。端末装置102Bは、画像形成装置101A、101B、101Cを管理するサービスマンが操作するコンピュータである。端末装置102Bは、インターネット104にアクセス可能である。
【0021】
画像形成装置のベンダ環境120は、画像形成装置を生産するベンダの管理担当者が、画像形成装置の管理に必要なデータのメンテナンスを行う環境である。画像形成装置のベンダ環境120は、端末装置102Cを備える。端末装置102Cは、画像形成装置のベンダに所属する管理担当者が操作するコンピュータである。端末装置102Cは、インターネット104にアクセス可能である。
【0022】
サーバコンピュータ群105は、画像形成装置のコンフィグデータを管理する設定値管理サービス310(図3を参照)を提供するサーバ群である。サーバコンピュータ群105は、複数のテナントに対して、インターネット104を介してサービスを提供する。本実施形態において、サーバコンピュータ群105が提供する設定値管理サービス310は、画像形成装置のコンフィグデータを管理する管理装置として機能する。設定値管理サービス310は、予め設定された管理範囲であるテナントに対応付けて、画像形成装置を管理する。つまり、設定値管理サービス310は、画像形成装置を上記管理範囲毎に管理する。なお、以下の説明では、画像形成装置101A、101B、101Cを画像形成装置101とも記述する。また、端末装置102B、102Cを端末装置102とも記述する。
【0023】
図2は、本実施形態の情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。サーバコンピュータ群105は、サーバコンピュータ210Aとサーバコンピュータ210Bとを備える。サーバコンピュータ210Bは、サーバコンピュータ210Aと同様の構成を備える。サーバコンピュータ210Aとサーバコンピュータ210Bとは、ネットワーク220を通じて通信する。
【0024】
サーバコンピュータ210Aは、内部バス216に接続されたCPU201C乃至ネットワーク通信装置207Cを備える。また、画像形成装置101は、内部バス211Aに接続されたCPU201A乃至209を備える。また、端末装置102は、内部バス211Bに接続されたCPU201B乃至ネットワーク通信装置207Bを備える。
【0025】
以下の説明では、CPU201A、201B、201CをCPU201とも記述する。また、不揮発性メモリ202A、202B、202Cを不揮発性メモリ202とも記述する。また、揮発性メモリ203A、203B、203Cを揮発性メモリ203とも記述する。また、補助記憶装置204A、204B、204Cを補助記憶装置204とも記述する。また、ディスプレイ205A、205Bをディスプレイ205とも記述する。また、入力装置206A、206Bを入力装置206とも記述する。また、ネットワーク通信装置207A、207Bをネットワーク通信装置207とも記述する。また、内部バス211A、211Bを内部バス211とも記述する。
【0026】
CPU(Central Processing Unit)201は、プログラムの実行や、様々な処理の制御を行う。不揮発性メモリ202は、ROM(Read Only Memory)を備える。不揮発性メモリ202には、機器の起動処理において初期段階に必要なプログラムやデータが格納されている。揮発性メモリ203は、RAM(Random Access Memory)を備える。揮発性メモリ203は、プログラム、データの一時的な格納場所として利用される。
【0027】
補助記憶装置204は、ハードディスクやRAMドライブ等の大容量記憶装置である。補助記憶装置204は、大容量データの保管、プログラムの実行コードの保持を行う。補助記憶装置204は、揮発性メモリ203よりも長時間保持する必要があるデータを記憶する。ディスプレイ205は、情報の表示処理を行って、情報を利用者に通知する。なお、本実施形態において、利用者とは、ユーザとサービスマンである。
【0028】
入力装置206は、利用者の選択指示を受け付け、内部バス211を介してプログラムに伝達する。ネットワーク通信装置207は、外部装置とネットワークを介して通信する装置である。ファクスユニット208は、画像形成装置101が形成した画像データか、または補助記憶装置204Aに記憶された画像データを、ネットワーク106を介して外部装置に送信するハードウェアユニットである。ファクスユニット208は、オプションであり、画像形成装置101がファクスユニット208を備えていなくてもよい。プリンタエンジン209は、画像形成装置101が形成した画像データか、または補助記憶装置204Aに記憶された画像データを紙媒体に印刷する。
【0029】
図3は、本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図の一例である。図3に示す情報処理システムは、画像形成装置101と、設定値管理サービス310とを備える。画像形成装置101と設定値管理サービス310とは、インターネット104を介して通信する。本実施形態の管理方法は、図3に示す情報処理システムが備える機能によって実現される。
【0030】
画像形成装置101は、実コンフィグデータ保持部301、実コンフィグデータ更新部302、仮想コンフィグデータ受信部303、実機器構成データ収集部304、テナント識別子保持部305を備える。また、画像形成装置101は、実機器構成データ通知部306、ユーザテナント識別子受付部307を備える。
【0031】
実コンフィグデータ保持部301は、画像形成装置のコンフィグデータを保持する。具体的には、実コンフィグデータ保持部301は、補助記憶装置204Aにコンフィグデータを記憶して管理する。画像形成装置は、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータに基づいて、動作の振る舞いを切り替える。
【0032】
実コンフィグデータ更新部302は、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータを更新する。具体的には、実コンフィグデータ更新部302は、仮想コンフィグデータ受信部303が取得した仮想コンフィグデータで、実コンフィグデータを更新する。この実コンフィグデータが、画像形成装置101に適用される。すなわち、実コンフィグデータ更新部302は、仮想コンフィグデータ受信部303が取得した仮想コンフィグデータを画像形成装置101に適用する適用手段として機能する。
【0033】
仮想コンフィグデータ受信部303は、設定値管理サービス310が備える仮想コンフィグデータ取得部320から、仮想コンフィグデータを取得する。仮想コンフィグデータ受信部303は、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータに設定されているアドレスを用いて、仮想コンフィグデータ取得部320を呼び出す。
【0034】
図4は、実コンフィグデータの一例を示す図である。図4(A)は、デバイス識別子が010001である画像形成装置の実コンフィグデータである。図4(B)は、デバイス識別子が010002である画像形成装置の実コンフィグデータである。図4(C)は、デバイス識別子が020001である画像形成装置の実コンフィグデータである。デバイス識別子は、画像形成装置を一意に識別する識別情報である。
【0035】
実コンフィグデータは、設定値識別子702と値703といったデータ項目を有する。設定値識別子702は、設定項目を一意に識別する識別子である。値703は、設定項目の値である。図4に示す例では、”device_settings.cloud_address”の値(アドレス)として、http://ddd.com/configが設定されている。このアドレスは、画像形成装置101に対してコンフィグデータを配信する設定値管理サービスとして設定された設定値管理サービスのアドレスである。従って、上述した仮想コンフィグデータ受信部303は、このアドレスに対してアクセスする。
【0036】
なお、仮想コンフィグデータは、図4に示す実コンフィグデータと同様のデータ構成を有する。従って、図4に示す実コンフィグデータを、適宜、仮想コンフィグデータとして説明する。
【0037】
図3に戻って、実機器構成データ収集部304は、画像形成装置101の機器構成データ(実機器構成データ)を収集する。
【0038】
図5は、実機器構成データの一例を示す図である。図5(A)、(B)、(C)は、それぞれ異なる画像形成装置の実機器構成データである。実機器構成データは、データ種別602と値603といったデータ項目を有する。データ種別602は、実機器構成データが含むデータの種別である。データ種別602には、機種を識別するための機種コードや、ファームウェアバージョン、デバイスを識別するためのデバイス識別子等が設定される。値603は、当該データの値である。値603には、データ種別に対応する値(例えば、デバイス識別子の値や、ファクスユニットの有無等)が設定される。なお、仮想機器構成データは、実機器構成データと同様のデータ構成を有する。従って、図5に示す実機器構成データを、適宜、仮想機器構成データとして説明する。
【0039】
図3に戻って、テナント識別子保持部305は、画像形成装置101が属するテナントの識別子であるテナント識別子を保持する。テナント識別子は、画像形成装置101の初期設置時に設定され、電源が切られても失われることがないように補助記憶装置204Aに記憶される。
【0040】
実機器構成データ通知部306は、実機器構成データ収集部304が収集した実機器構成データと、テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子とを、設定値管理サービス310の実機器構成データ受信部318に対して通知する。具体的には、実機器構成データ通知部306は、実機器構成データとテナント識別子とを含むコンフィグデータ生成要求を実機器構成データ受信部318に送信する。コンフィグデータ生成要求は、画像形成装置101に対応する仮想コンフィグデータの生成を求める要求(動作設定生成要求)である。ユーザテナント識別子受付部307は、ユーザからのユーザテナント識別子の入力を受け付ける。ユーザテナント識別子は、ユーザが属するテナントの識別子である。
【0041】
設定値管理サービス310は、仮想デバイス保持部311、機種別設定値スキーマ保持部312、機種別設定値スキーマ更新部313、テナント用コンフィグデータ保持部314、テナント用コンフィグデータ更新部315を備える。また、設定値管理サービス310は、仮想コンフィグデータ生成部316、仮想コンフィグデータ更新部317、実機器構成データ受信部318、仮想機器構成データ更新部319を備える。また、設定値管理サービス310は、仮想コンフィグデータ取得部320、仮想コンフィグデータ閲覧部321、仮想コンフィグデータ更新確認部322を備える。また、設定値管理サービス310は、外部テナント用コンフィグデータ保持部331、外部テナント用コンフィグデータ更新部332、外部利用テナントデータ保持部333、外部利用テナントデータ更新部334を備える。
【0042】
仮想デバイス保持部311は、仮想デバイスを保持する。仮想デバイスは、少なくとも、仮想機器構成データと、仮想コンフィグデータと、デバイス識別子と、テナント識別子と、外部利用テナント識別子とを含む。仮想デバイス保持部311は、仮想デバイスを補助記憶装置204Cに記憶して管理する。
【0043】
図6は、仮想デバイスの一例を示す図である。図6に示す仮想デバイスは、デバイス識別子802、テナント識別子803、外部利用テナント識別子804、仮想機器構成データ805、仮想コンフィグデータ806、通知フラグ807を有する。デバイス識別子802は、仮想デバイスを一意に識別する識別情報である。デバイス識別子802は、当該仮想デバイスに対応する画像形成装置101を一意に識別する識別情報に相当する。デバイス識別子802は、画像形成装置101が設定値管理サービス310に対して通知する機器構成データに含まれている。
【0044】
テナント識別子803は、仮想デバイスに対応する画像形成装置101が属するテナントを一意に識別する識別情報である。外部利用テナント識別子804は、利用テナントを一意に識別する識別情報である。
【0045】
図6に示す仮想デバイスのレコード(一行分のデータ)のうち、外部利用テナント識別子804にデータが設定されたレコードが含むテナント識別子803は、被利用テナントを一意に識別する識別子である。被利用テナントは、外部のテナントに所属しているユーザに対してデバイスを提供する側のテナントである。また、このレコードにおいてテナント識別子803に対応付けられている外部利用テナント識別子804は、利用テナントを一意に識別する識別子である。利用テナントは、被利用テナントからデバイスの提供を受ける側のテナントである。つまり、利用テナントは、被利用テナントとは異なる他のテナントであって、当該仮想デバイスのレコードが含むデバイス識別子が示す画像形成装置101の利用を許可されているユーザが属するテナントである。
【0046】
仮想機器構成データ805は、仮想機器構成データを一意に識別する識別情報である。仮想機器構成データは、仮想デバイスに対応する画像形成装置101の機器構成データ(実機器構成データ)に対応する。仮想コンフィグデータ806は、仮想コンフィグデータを一意に識別する識別情報である。仮想コンフィグデータは、仮想デバイスに対応する画像形成装置101のコンフィグデータ(実コンフィグデータ)に対応する。
【0047】
通知フラグ807は、画像形成装置に対して仮想コンフィグデータ806を通知済み、未通知のいずれであるかを示す。通知フラグ807に設定された「未」は、画像形成装置に対して仮想コンフィグデータ806を未通知であることを示す。通知フラグ807に設定された「済」は、画像形成装置に対して仮想コンフィグデータ806を通知済みであることを示す。
【0048】
図3に戻って、機種別設定値スキーマ保持部312は、機種別設定値スキーマを保持する。画像形成装置の各機種に対応して1つの機種別設定値スキーマが用意される。
【0049】
図7は、機種別設定値スキーマの一例を示す図である。図7(A)は、機種コードが0x01の機種に対応する機種別設定値スキーマである。図7(B)は、機種コードが0x02の機種に対応する機種別設定値スキーマである。機種別設定値スキーマは、設定値識別子402、デフォルト値403、値域404、条件405といったデータ項目を有する。
【0050】
設定値識別子402は、設定項目を一意に識別する識別情報である。例えば、「copy_settings.nup」は、コピー設定の面付けに関する設定項目を示す。設定値識別子402が同じであることは、違う機種であっても設定項目が同じであることを示す。デフォルト値403は、当該機種におけるデフォルト設定値である。値域404は、当該機種において設定し得る範囲の定義である。例えば、「copy_settings.nup」の値域404を参照すると、当該機種において、コピー設定として「1 in 1,2 in 1,4 in 1」の3種類から選択できることを示す。
【0051】
条件405は、当該機種において設定値を利用するために必要な条件の定義である。「fax_settings.received_print」という設定項目に対応する条件405には、「ファクスユニット」が設定されている。従って、この設定項目の設定値は、ファクスユニットの装着が確認できた場合のみ有効となる。
【0052】
図3に戻って、機種別設定値スキーマ更新部313は、機種別設定値スキーマ保持部312が保持する機種別設定値スキーマを更新する。例えば、新しい機種を画像形成装置のベンダが発表した場合には、ベンダの管理責任者の指示によって、新しい機種に対応する機種別設定値スキーマが登録される。また、設定項目に変更があった場合に、機種別設定値スキーマ更新部313は、機種別設定値スキーマを更新する。
【0053】
テナント用コンフィグデータ保持部314は、テナントが画像形成装置に対して設定したいコンフィグデータを保持する。具体的には、テナント用コンフィグデータ保持部314は、設定値管理サービス310が管理する第1の管理範囲に属する画像形成装置101に適用されるテナント用コンフィグデータ(第1動作設定情報)を保持する第1の保持手段として機能する。
【0054】
図8は、テナント用コンフィグデータの一例を示す図である。テナント用コンフィグデータは、設定値識別子502と値503といったデータ項目を有する。設定値識別子502は、図7に示す機種別設定値スキーマが含む設定値識別子402と同様である。値503は、テナントが所望する共通設定の値である。「copy_settings.nup」には、「2 in 1」が設定されている。これは、テナントが保持する画像形成装置全てに「2 in 1」が設定されることを所望していることを示す。
【0055】
図3に戻って、テナント用コンフィグデータ更新部315は、テナント用コンフィグデータ保持部314が保持するテナント用コンフィグデータを更新する。テナントが保持する画像形成装置の管理を行うサービスマンの操作に従って、サービスマン環境110にある端末装置102Bが、テナント用コンフィグデータの更新指示を行う。テナント用コンフィグデータ更新部315は、この更新指示に従って、テナント用コンフィグデータを更新する。なお、サービスマンは、端末装置102B内で動作するウェブブラウザに表示される設定画面上で操作する。
【0056】
仮想コンフィグデータ生成部316は、機種別設定値スキーマと、テナント用コンフィグデータと、仮想機器構成データとに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する。まず、仮想コンフィグデータ生成部316は、仮想デバイス保持部311から、図5(A)に示す仮想機器構成データを取得する。
【0057】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、取得した仮想機器構成データが含む機種コードを参照し、画像形成装置の機種を特定する。図5(A)に示す仮想機器構成データを例にとると、機種コードに対応する値として0x01が設定されている。従って、仮想コンフィグデータ生成部316は、画像形成装置の機種として、機種コードが0x01の機種を特定する。
【0058】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、特定した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを、機種別設定値スキーマ保持部312から取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、例えば、機種コードが0x01に合致する、図7(A)に示す機種別設定値スキーマを取得する。
【0059】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、取得した機種別設定値スキーマに定義された設定値を、仮想コンフィグデータのベースとする。図7(A)に示す機種別設定値スキーマを例にとると、仮想コンフィグデータ生成部316は、「copy_settings.nup」乃至「box_settings.server_address」の5つの設定項目に対応する設定値をベースとする。
【0060】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータ保持部314から、図8に示すテナント用コンフィグデータを取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まるかを判断する。
【0061】
図8に示すテナント用コンフィグデータと図7(A)に示す機種別設定値スキーマとを例にとって説明する。テナント用コンフィグデータが含む「copy_settings.nup」という設定項目の値(設定値)は「2 in 1」である。一方、機種別設定値スキーマに定義された、当該設定項目に対応する値域は、「1 in 1,2 in
1,4 in 1」である。従って、テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まっている。
【0062】
テナント用コンフィグデータが含む「device_settings.sleep_time」という設定項目の値(設定値)は「10秒」である。一方、機種別設定値スキーマに定義された、当該設定項目に対応する値域は、「1分、10分、1時間」である。従って、テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まらない。テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まらない場合、仮想コンフィグデータ生成部316は、機種別設定値スキーマに定義されたデフォルト値を取得する。この例では、「10分」というデフォルト値を取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、取得したデフォルト値を、仮想コンフィグデータにおける、当該設定項目の設定値として用いる。
【0063】
テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まっている場合、仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータが含む設定値を、仮想コンフィグデータの当該設定項目に対応する設定値とする。
【0064】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、仮想機器構成データが、機種別設定値スキーマに定義された条件を満たすかを判断する。図7(A)に示す機種別設定値スキーマを参照すると、「copy_settings.nup」に対応する条件は特にない。従って、図5(A)に示す仮想機器構成データは、「copy_settings.nup」に対応する条件を満たす。
【0065】
しかし、「fax_settings.received_print」に対応する条件は「ファクスユニット」であるのに対し、仮想機器構成データが含む「ファクスユニット」の値として「なし」が設定されている。従って、仮想機器構成データは、当該設定項目に対応する条件を満たさない。
【0066】
仮想機器構成データが機種別設定値スキーマに定義された条件を満たさない場合、仮想コンフィグデータ生成部316は、機種別設定値スキーマに定義されたデフォルト値403を取得する。この例では、仮想コンフィグデータ生成部316は、「fax_settings.received_print」に対応するデフォルト値である「OFF」を取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、取得したデフォルト値を、仮想コンフィグデータにおける、当該設定項目の設定値として用いる。
【0067】
図3に戻って、仮想コンフィグデータ更新部317は、仮想コンフィグデータ生成部316が生成した仮想コンフィグデータで、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータを更新する。
【0068】
具体的には、仮想コンフィグデータ更新部317は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、生成した仮想コンフィグデータに対応するデバイス識別子を持つ仮想デバイスを取得する。そして、仮想コンフィグデータ更新部317は、取得した仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータを、生成した仮想コンフィグデータで更新する。
【0069】
仮想コンフィグデータ更新部317は、さらに、仮想デバイスの通知フラグ807が「済」である場合、「未」に設定する。通知フラグ807が「未」に設定されていることは、画像形成装置に対応する仮想コンフィグデータの変更があり、画像形成装置は新しい仮想コンフィグデータを参照する必要があることを意味する。実機器構成データ受信部318は、画像形成装置101が備える実機器構成データ通知部306から、機器構成データ(図5)と、テナント識別子とを受信する。
【0070】
仮想機器構成データ更新部319は、実機器構成データ受信部318が受信した機器構成データで、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスが有する仮想機器構成データを更新する。具体的には、仮想機器構成データ更新部319は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、実機器構成データ受信部318が受信した機器構成データに設定されたデバイス識別子を持つ仮想デバイスを取得する。そして、仮想機器構成データ更新部319は、取得した仮想デバイスが有する仮想機器構成データを、実機器構成データ受信部318が受信した機器構成データで更新する。
【0071】
仮想コンフィグデータ取得部320は、インターネット104を介して、画像形成装置101が備える仮想コンフィグデータ受信部303から仮想コンフィグデータの取得要求を受け取り、仮想デバイス保持部311から仮想コンフィグデータを取得する。
【0072】
仮想コンフィグデータの取得要求は、少なくとも仮想デバイスを特定するデバイス識別子を含んでいる。従って、仮想コンフィグデータ取得部320は、仮想コンフィグデータの取得要求が含むデバイス識別子を持つ仮想デバイスを探索する。仮想コンフィグデータ取得部320は、探索された仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータを取得する。そして、仮想コンフィグデータ取得部320は、インターネット104を介して、取得した仮想コンフィグデータを要求元すなわち仮想コンフィグデータ受信部303に渡す。
【0073】
仮想コンフィグデータ閲覧部321は、インターネット104を介して、外部装置からコンフィグデータの閲覧要求を受ける。コンフィグデータの閲覧要求は、HTTPプロトコル上の要求である。仮想コンフィグデータ閲覧部321は、閲覧要求に対応する仮想コンフィグデータを取得し、取得した仮想コンフィグデータの閲覧用のHTMLページを生成して要求元に返す。
【0074】
仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータが更新されているかを確認する。具体的には、画像形成装置101が備える仮想コンフィグデータ受信部303が、インターネット104を介して、仮想コンフィグデータ更新確認部322に対して該画像形成装置101のデバイス識別子を送信する。仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、受信したデバイス識別子に一致する仮想デバイスを探索する。仮想コンフィグデータ更新確認部322は、探索された仮想デバイスの通知フラグ807を参照する。
【0075】
通知フラグ807が「未」である場合、仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータの更新があったと判断する。通知フラグ807が「済」である場合、仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータの更新はないと判断する。仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータが更新されているか否かを仮想コンフィグデータ受信部303に返す。そして、仮想コンフィグデータが更新されていることを確認した仮想コンフィグデータ受信部303が、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ取得部320に対して、コンフィグデータの取得要求を行う。
【0076】
仮想コンフィグデータ更新確認部322が、仮想コンフィグデータ更新部317によって仮想コンフィグデータが更新されたことを契機として、仮想コンフィグデータが更新されているかを確認するようにしてもよい。そして、仮想コンフィグデータ更新確認部322が仮想コンフィグデータが更新されていることを確認した場合に、仮想コンフィグデータ取得部320が、コンフィグデータを取得し、画像形成装置101の仮想コンフィグデータに送信するようにしてもよい。
【0077】
外部テナント用コンフィグデータ保持部331は、外部テナント用コンフィグデータを保持する。すなわち、外部テナント用コンフィグデータ保持部331は、設定値管理サービス310が管理する第2の管理範囲に属する画像形成装置101に共通に適用される第2動作設定情報を保持する第2の保持手段として機能する。外部テナント用コンフィグデータ更新部332は、被利用テナントの管理者または利用テナントの管理者が操作する端末装置102から外部利用テナント用コンフィグデータの更新要求を受け取る。そして、外部テナント用コンフィグデータ更新部332は、受け取った更新要求に従って、外部テナント用コンフィグデータ保持部331が保持する外部テナント用コンフィグデータを更新する。
【0078】
図9は、外部テナント用コンフィグデータの一例を示す図である。図9(A)は、ある外部のテナントに属する画像形成装置に共通して利用される外部テナント用コンフィグデータを示す。図9(B)は、他の外部のテナントに属する画像形成装置に共通して利用される外部テナント用コンフィグデータを示す。外部テナント用コンフィグデータは、この外部テナント用コンフィグデータを利用するテナントすなわち利用テナントの識別子(利用テナント識別子)と、被利用テナントの識別子(被利用テナント識別子)とに対応付けられている。
【0079】
外部テナント用コンフィグデータは、設定値識別子1202と値1103といったデータ項目を有する。設定値識別子1202は、図8に示すテナント用コンフィグデータが含む設定値識別子502と同様である。値1103は、外部のテナントに属する画像形成装置で共通に利用される設定の値である。
【0080】
外部利用テナントデータ保持部333は、外部利用テナントデータを保持する。外部利用テナントデータは、被利用テナントと、当該被利用テナントの利用を許可された利用テナントとの対応情報である。
【0081】
図10は、外部利用テナントデータの一例を示す図である。外部利用テナントデータは、被利用テナント識別子1102と利用テナント識別子1103といったデータ項目を有する。被利用テナント識別子1102は、被利用テナントを一意に識別する識別情報である。利用テナント識別子1103は、当該被利用テナントの利用を許可された利用テナントを一意に識別する識別情報である。すなわち、外部利用テナントデータ保持部333は、許可テナント情報が予め記憶された許可テナント記憶手段として機能する。許可テナント情報は、設定値管理サービス310が管理する被利用テナントの識別情報と、設定値管理サービス310が該被利用テナントに属する画像形成装置101の利用を許可するユーザに対応するテナント(利用テナント)の識別情報との対応情報である。
【0082】
図3に戻って、外部利用テナントデータ更新部334は、被利用テナントの管理者が操作する端末装置102から外部利用テナントデータの更新要求を受け取る。そして、外部利用テナントデータ更新部334は、受け取った更新要求に従って、外部利用テナントデータ保持部333が保持する外部利用テナントデータを更新する。
【0083】
図11は、テナント用コンフィグデータの更新処理を説明するフローチャートの一例である。この例では、管理者ユーザが、端末装置102Aを用いて、テナント用コンフィグデータを更新する。フローチャートの各ステップの処理を実現するプログラムは、不揮発性メモリ202C、揮発性メモリ203C、補助記憶装置204Cのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Cにより実行される。
【0084】
まず、テナント用コンフィグデータ更新部315が、端末装置102Aから送信された、テナント用コンフィグデータの更新要求を検知する(ステップS901)。次に、テナント用コンフィグデータ更新部315が、テナント用コンフィグデータ保持部314に対して、テナント用コンフィグデータの更新要求に対応するテナント用コンフィグデータが登録済みであるか確認する(ステップS902)。テナント用コンフィグデータの更新要求に対応するテナント用コンフィグデータが登録済みである場合は、ステップS907に進む。テナント用コンフィグデータの更新要求に対応するテナント用コンフィグデータが登録済みでない場合は、ステップS903に進む。
【0085】
ステップS903において、テナント用コンフィグデータ更新部315が、テナントが保持する仮想デバイスを仮想デバイス保持部311から取得する。テナント用コンフィグデータ更新部315が、取得した仮想デバイスが含む仮想機器構成データを取得する。そして、テナント用コンフィグデータ更新部315が、取得した仮想機器構成データが含む機種コードを取得する(ステップS903)。
【0086】
次に、テナント用コンフィグデータ更新部315が、取得した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS904)。続いて、テナント用コンフィグデータ更新部315が、ステップS904において取得した機種別設定値スキーマの少なくとも1つが持つ設定項目をリストアップする(ステップS905)。そして、テナント用コンフィグデータ更新部315が、ステップS905においてリストアップした設定項目を持つ、空のテナント用コンフィグデータを生成して(ステップS906)、ステップS907に進む。
【0087】
ステップS907において、テナント用コンフィグデータ更新部315が、テナント用コンフィグデータの具体的な更新指示を検知する(ステップS907)。そして、テナント用コンフィグデータ更新部315が、ステップ907において検知した更新指示に基づいて、テナント用コンフィグデータを更新する(ステップS908)。テナント用コンフィグデータ保持部314は、更新されたテナント用コンフィグデータを記憶する。
【0088】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、テナント用コンフィグデータが更新されたことを検知する(ステップS909)。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスから、更新が検知されたテナント用コンフィグデータのテナント識別子に合致する仮想デバイスを探索する。探索された仮想デバイスに対して順次処理を行うため、仮想コンフィグデータ生成部316は、1つの仮想デバイスを取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、仮想デバイスを取得できたかを判断する(ステップS910)。全ての仮想デバイスに対して順次処理が行われ、次の仮想デバイスを取得できない場合には、処理を終了する。仮想コンフィグデータ生成部316が、次の仮想デバイスを取得できた場合は、ステップS911に進む。
【0089】
ステップS911において、仮想コンフィグデータ生成部316が、処理対象の仮想デバイスから仮想機器構成データを取得する(ステップS911)。続いて、仮想コンフィグデータ生成部316が、ステップS911において取得された仮想機器構成データから機種コードを取得する。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、取得した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS912)。
【0090】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想機器構成データと、機種別設定値スキーマと、テナント用コンフィグデータとに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する(ステップS913)。そして、仮想コンフィグデータ更新部317が、生成された仮想コンフィグデータを仮想デバイスに登録して(ステップS914)、ステップS910に戻る。ステップS914の処理によって、更新されたテナント用コンフィグデータが仮想デバイスに反映される。
【0091】
図11を参照した説明から、テナント用コンフィグデータ更新部315は、テナント用コンフィグデータが更新されたことを契機として、以下の処理を実行する。テナント用コンフィグデータ更新部315は、更新されたテナント用コンフィグデータを用いて、第1の管理範囲に対応するユーザが第1の管理範囲に属する画像形成装置101を利用する際の該画像形成装置101に適用する仮想コンフィグデータを生成する。仮想コンフィグデータ更新部317は、仮想コンフィグデータと第1の管理範囲に関する情報(テナント識別子)と第1の管理範囲に属する画像形成装置が備える機器の構成情報(仮想機器構成データ)との対応情報を含む仮想デバイスを記憶手段に記憶する。
【0092】
図12は、画像形成装置が仮想コンフィグデータを取得する処理を説明するフローチャートの一例である。図12を参照して説明する処理は、一つのテナントに閉じたコンフィグデータの利用に対応する。図12のステップS1001乃至S1007のステップは、画像形成装置において実行される。これらのステップを実行するためのプログラムは、不揮発性メモリ202A、揮発性メモリ203A、補助記憶装置204Aのいずれかの記憶部に記憶され、CPU201Aにより実行される。また、ステップS1051乃至S1058は、サーバコンピュータ群105において実行される。これらのステップを実行するためのプログラムは、不揮発性メモリ202C、揮発性メモリ203C、補助記憶装置204Cのいずれかの記憶部に記憶され、CPU201Cにより実行される。
【0093】
まず、画像形成装置101の実機器構成データ通知部306が、画像形成装置101の電源ONを検知する(ステップS1001)。続いて、実機器構成データ収集部304が、機器構成データを収集する(ステップS1002)。
【0094】
次に、実機器構成データ通知部306が、画像形成装置101が備える機器の構成情報の変更があるかを判断する構成変更判断手段として機能する。具体的には、実機器構成データ通知部306が、ステップ1002で収集した実機器構成データに基づいて、設定値管理サービス310に対して未通知である実機器構成データの変更があるかを判断する(ステップS1003)。
【0095】
未通知である実機器構成データの変更があった場合は、ステップS1005に進む。未通知である実機器構成データの変更がない場合は、ステップS1004に進む。新規デバイス設置時は、ステップS1005に進むことになる。
【0096】
ステップ1004において、仮想コンフィグデータ受信部303が、デバイスが最新の仮想コンフィグデータを取得済みか、すなわち、仮想コンフィグデータが更新されているかを判断する(ステップS1004)。具体的には、仮想コンフィグデータ受信部303は、インターネット104を介して、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ更新確認部322に対して、仮想コンフィグデータが更新されているかを確認する。仮想コンフィグデータ受信部303は、上記確認結果に基づいて、仮想コンフィグデータが更新されているかを判断する。仮想コンフィグデータが更新されていない場合は、処理を終了する。仮想コンフィグデータが更新されている場合は、ステップS1007に進む。
【0097】
ステップ1005において、実機器構成データ通知部306が、実機器構成データとテナント識別子とを含むコンフィグデータ生成要求を設定値管理サービス310に通知する(ステップS1005)。すなわち、実機器構成データ通知部306は、画像形成装置101が備える機器の構成情報と該画像形成装置101を利用するユーザの管理範囲に関する情報(テナント識別子)とを含むコンフィグデータ生成要求を送信する要求手段として機能する。通知先のアドレスは、実コンフィグデータ保持部301が保持しているアドレスである。
【0098】
設定値管理サービス310は、ステップ1051において、上記通知を検知して処理を行う。設定値管理サービス310が実行する処理についての詳細は後述する。
【0099】
次に、仮想コンフィグデータ受信部303が、仮想コンフィグデータの更新が完了するまで処理の実行を待ち合わせる(ステップS1006)。続いて、仮想コンフィグデータ受信部303が、設定値管理サービス310から仮想コンフィグデータを受信する。すなわち、仮想コンフィグデータ受信部303は、以下の処理を実行する取得手段として機能する。仮想コンフィグデータ受信部303は、コンフィグデータ生成要求に応じて仮想コンフィグデータを生成(更新)した設定値管理サービス310から、コンフィグデータ生成要求への応答として、画像形成装置101に対応する動作設定情報を取得する。そして、仮想コンフィグデータ更新部317が、受信された仮想コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する(ステップS1007)。実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持部301によって記憶される。
【0100】
ステップ1051において、設定値管理サービス310の実機器構成データ受信部318が、画像形成装置101から実機器構成データとテナント識別子とを含むコンフィグデータ生成要求を受け付ける(ステップS1051)。
【0101】
次に、仮想機器構成データ更新部319が、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、S1051で受信したコンフィグデータ生成要求が含む実機器構成データとテナント識別子とに合致する仮想デバイスを検索する(ステップS1054)。合致する仮想デバイスが検索された場合は、ステップS1054に進む。合致する仮想デバイスが検索されなかった場合は、ステップ1053に進む。新規デバイス設置時など、画像形成装置が初めて設定値管理サービス310と通信を行った時には、仮想デバイスを検索できない場合がある。従って、この場合はステップS1053に進む。
【0102】
ステップS1053において、仮想機器構成データ更新部319が、空の仮想デバイスを生成して(ステップS1053)、ステップS1054に進む。続いて、仮想機器構成データ更新部319が、S1052において検索された仮想デバイスの仮想機器構成データを、ステップS1051において受信したコンフィグデータ生成要求が含む実機器構成データで更新する(ステップS1054)。また、仮想機器構成データ更新部319は、ステップS1053において生成された仮想デバイスの仮想機器構成データとして、ステップS1051において受信したコンフィグデータ生成要求が含む実機器構成データを設定する。これにより、画像形成装置101に対応する仮想デバイスが更新される。
【0103】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、ステップS1056において更新された仮想機器構成データから機種コードを取得する。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、取得した機種コードに該当する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS1055)。
【0104】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、テナント用コンフィグデータを取得する(ステップS1056)。具体的には、仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータ保持部314が保持するテナント用コンフィグデータから、ステップS1051において受信されたテナント識別子に対応するテナント用コンフィグデータを取得する。
【0105】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想機器構成データ、機種別設定値スキーマ、テナント用コンフィグデータに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する(ステップS1057)。ステップ1057の処理は、図11のステップS913の処理と同様である。すなわち、仮想コンフィグデータ生成部316は、コンフィグデータ生成要求が含む構成情報(機器構成データ)に基づいて画像形成装置101に対応するコンフィグデータを生成する。
【0106】
次に、仮想コンフィグデータ更新部317が、生成された仮想コンフィグデータを、該当する仮想デバイスに登録、更新する(ステップS1058)。ステップS1058においては、さらに、仮想コンフィグデータ取得部320が、生成された仮想コンフィグデータを画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信部303に対して送信する。
【0107】
次に、複数のテナントを跨いだコンフィグデータの利用について説明する。複数のテナントを跨いだコンフィグデータの利用は、ユーザが、自身が属するテナントとは異なる他のテナント内の画像形成装置を利用する際、画像形成装置が設定値管理サービス310から画像形成装置に対応するコンフィグデータを取得し適用することである。以下の説明においては、被利用テナント内の画像形成装置を利用テナントに属するユーザが利用することを、被利用テナントの利用と記述する。
【0108】
複数のテナントを跨いだコンフィグデータの利用は、以下の手順で実行される。まず、被利用テナントと利用テナントとが信頼関係を結ぶ。具体的には、設定値管理サービス310が、利用テナントの管理者または被利用テナントの管理者が操作する端末装置102からの要求にしたがって、外部利用テナントデータを設定(更新)する。外部利用テナントデータの更新処理については、図13を参照して後述する。
【0109】
次に、設定値管理サービス310が、外部テナント用コンフィグデータと仮想デバイスとを用いて、被利用テナントに属する画像形成装置に対応する仮想コンフィグデータを生成する。本実施形態においては、設定値管理サービス310は、外部テナント用コンフィグデータを利用テナントに属する情報として管理する。そして、設定値管理サービス310は、外部テナント用コンフィグデータを用いて、仮想コンフィグデータを生成し、生成した仮想コンフィグデータで仮想デバイスを更新する。外部テナント用コンフィグデータを用いた仮想コンフィグデータの生成処理については、図14を参照して後述する。
【0110】
最後に、画像形成装置が、設定値管理サービス310から仮想コンフィグデータを取得し、取得した仮想コンフィグデータを用いて画像形成装置の実コンフィグデータを更新する。本実施形態では、利用テナントに属するユーザが被利用テナントに属する画像形成装置を利用する際に、自動的に仮想コンフィグデータの取得と実コンフィグデータの更新が行われる。
【0111】
図13は、外部利用テナントデータの更新処理を説明するフローチャートの一例である。まず、被利用テナントの管理者または利用テナントの管理者が操作する端末装置102が、設定値管理サービス310に対して、外部利用テナントデータの更新要求を行う。この更新要求は、更新を求める利用テナントの識別子(利用テナント識別子)と、被利用テナントの識別子(被利用テナント識別子)とを含む。そして、外部利用テナントデータ更新部334が、外部利用テナントデータの更新要求を検知する(ステップS1301)。
【0112】
次に、外部利用テナントデータ更新部334が、外部利用テナントデータの更新要求が、被利用テナントの新規登録を求める要求であるかを判断する(ステップS1302)。外部利用テナントデータの更新要求が、被利用テナントの新規登録を求める要求でない場合は、ステップS1304に進む。
【0113】
外部利用テナントデータの更新要求が、被利用テナントの新規登録を求める要求である場合は、外部利用テナントデータ更新部334が、外部利用テナントデータ保持部333が保持する外部利用テナントデータを更新する(ステップS1303)。具体的には、外部利用テナントデータ更新部334が、図10に示す外部利用テナントデータに、外部利用テナントデータの更新要求が含む被利用テナント識別子とテナント識別子とに対応するレコードを追加する。
【0114】
ステップS1304において、外部利用テナントデータ更新部334が、外部利用テナントデータの更新要求が、登録済みの被利用テナントに対する利用申請であるかを判断する(ステップS1304)。登録済みの被利用テナントは、外部利用テナントデータが含む被利用テナント識別子に対応する被利用テナントである。外部利用テナントデータの更新要求が、当該被利用テナントに対する利用申請でない場合は、処理を終了する。
【0115】
外部利用テナントデータの更新要求が、当該被利用テナントに対する利用申請である場合、外部利用テナントデータ更新部334が、被利用テナントに対して、利用申請があったことを通知する(ステップS1305)。具体的には、外部利用テナントデータ更新部334が、被利用テナントの管理者を宛先としたEメールを送信する。このEメールは、例えば、利用テナントから利用申請があったことと、この利用申請への応答として、利用を許可するか、または拒否するかを示す回答を促す内容である。
【0116】
次に、外部利用テナントデータ更新部334が、被利用テナントから利用申請の回答を受信したかを判断する(ステップS1306)。回答の内容は、許可または却下である。外部利用テナントデータ更新部334が、被利用テナントから利用申請の回答を受信していない場合は、ステップS1306に戻る。外部利用テナントデータ更新部334が、被利用テナントから利用申請の回答を受信した場合は、ステップS1307に進む。
【0117】
ステップ1307において、外部利用テナントデータ更新部334が、被利用テナントから受信した回答の内容が許可であるかを判断する(ステップS1307)。被利用テナントから受信した回答の内容が許可でなく却下である場合は、ステップS1309に進む。被利用テナントから受信した回答の内容が許可である場合は、ステップS1308に進む。
【0118】
ステップS1308において、外部利用テナントデータ更新部334が、外部利用テナントデータを更新する(ステップS1308)。例えば、外部利用テナントデータ更新部334は、外部利用テナントデータのレコードのうち、外部利用テナントデータの更新要求が含む被利用テナント識別子に対応するレコードであって、利用テナント識別子が設定されていないレコードを特定する。そして、外部利用テナントデータ更新部334は、特定したレコードに、外部利用テナントデータの更新要求が含む利用テナント識別子を設定する。
【0119】
次に、外部利用テナントデータ更新部334が、利用テナントに対して、利用申請の結果を通知する(ステップS1309)。具体的には、外部利用テナントデータ更新部334が、利用テナントの管理者を宛先としたEメールを送信する。このEメールは、例えば、利用申請が許可または却下されたことを通知する内容を含む。また、このEメールは、利用申請が許可された場合には、外部テナント用コンフィグデータの更新要求を促す内容を含む。
【0120】
図14は、仮想コンフィグデータの生成処理を説明するフローチャートの一例である。まず、利用テナントの管理者の操作にしたがって、端末装置102が、設定値管理サービス310に対して外部テナント用コンフィグデータの更新要求を送信する。外部テナント用コンフィグデータの更新要求は、利用テナント識別子と被利用テナント識別子との対応情報を含む。この利用テナント識別子は、利用テナントすなわち更新要求の送信元のユーザに対応するテナントの識別子である。また、被利用テナント識別子は、該ユーザが利用する画像形成装置101が属するテナント(被利用テナント)の識別子である。また、外部テナント用コンフィグデータの更新要求は、更新対象とする外部テナント用コンフィグデータを特定する情報を含む。続いて、設定値管理サービス310が備える外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、外部テナント用コンフィグデータの更新要求を検知する(ステップS1401)。
【0121】
次に、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、利用テナントに利用権限があるかを判断する。この例では、外部テナント用コンフィグデータ更新部332は、利用テナントの管理者に外部テナント用コンフィグデータを更新する権限があるかを判断する(ステップS1402)。具体的には、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、外部利用テナントデータのレコードのうち、外部テナント用コンフィグデータの更新要求が含む利用テナント識別子と被利用テナント識別子とに対応するレコードがあるかを判断する。
【0122】
外部テナント用コンフィグデータの更新要求が含む利用テナント識別子と被利用テナント識別子とに対応するレコードがある場合、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、当該管理者に外部テナント用コンフィグデータを更新する権限があると判断する。そして、処理がステップS1403に進む。外部テナント用コンフィグデータの更新要求が含む利用テナント識別子と被利用テナント識別子とに対応するレコードがない場合、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、当該管理者に外部テナント用コンフィグデータを更新する権限がないと判断する。そして、処理が終了する。
【0123】
ステップS1403において、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、外部テナント用コンフィグデータの更新要求が含む、更新対象とする外部テナント用コンフィグデータを特定する情報を取得する。そして、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、取得した情報に基づいて、外部テナント用コンフィグデータが登録済みであるかを判断する(ステップS1403)。具体的には、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、外部テナント用コンフィグデータ保持部331が保持する外部テナント用コンフィグデータに、更新対象とする外部テナント用コンフィグデータがあるかを判断する。
【0124】
外部テナント用コンフィグデータに、更新対象とする外部テナント用コンフィグデータがある場合、外部テナント用コンフィグデータ更新部332は外部テナント用コンフィグデータが登録済みであると判断する。そして、処理がステップS1408に進む。外部テナント用コンフィグデータに、更新対象とする外部テナント用コンフィグデータがない場合、外部テナント用コンフィグデータ更新部332は外部テナント用コンフィグデータが登録済みでないと判断する。そして、処理がステップS1404に進む。
【0125】
ステップS1404において、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、外部テナント用コンフィグデータの更新要求に対応する被利用テナントに紐付いている仮想デバイスを仮想デバイス保持部311から取得する。外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、取得した仮想デバイスが含む仮想機器構成データを取得する。そして、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、取得した仮想機器構成データが含む機種コードを取得する(ステップS1404)。
【0126】
次に、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、取得した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS1405)。続いて、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、ステップS1405において取得した機種別設定値スキーマの少なくとも1つが持つ設定項目をリストアップする(ステップS1406)。そして、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、ステップS1406においてリストアップした設定項目を持つ、空の外部テナント用コンフィグデータを生成して(ステップS1407)、ステップS1408に進む。
【0127】
ステップS1408において、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、外部テナント用コンフィグデータの具体的な更新指示を検知する(ステップS1408)。そして、外部テナント用コンフィグデータ更新部332が、ステップ1408において検知した更新指示に基づいて、外部テナント用コンフィグデータを更新する(ステップS1409)。すなわち、外部テナント用コンフィグデータ更新部332は、外部テナント用コンフィグデータの更新要求を受け付けたことを契機として、外部テナント用コンフィグデータを更新する。外部テナント用コンフィグデータ保持部331は、更新された外部テナント用コンフィグデータを記憶する。
【0128】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、外部テナント用コンフィグデータが更新されたことを検知する(ステップS1410)。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスから、更新が検知された外部テナント用コンフィグデータのテナント識別子に合致する仮想デバイスを探索する。探索された仮想デバイスに対して順次処理を行うため、仮想コンフィグデータ生成部316は、1つの仮想デバイスを取得する。仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想デバイスを取得できたかを判断する(ステップS1411)。全ての仮想デバイスに対して順次処理が行われ、次の仮想デバイスを取得できない場合には、処理を終了する。仮想コンフィグデータ生成部316が、次の仮想デバイスを取得できた場合は、ステップS1412に進む。
【0129】
ステップS1412において、仮想コンフィグデータ生成部316が、処理対象の仮想デバイスから仮想機器構成データを取得する(ステップS1412)。続いて、仮想コンフィグデータ生成部316が、ステップS1412において取得された仮想機器構成データから機種コードを取得する。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、取得した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS1413)。
【0130】
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想機器構成データと、機種別設定値スキーマと、外部テナント用コンフィグデータとに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する(ステップS1414)。生成された仮想コンフィグデータは、第3動作設定情報として機能する。ステップS1414における仮想コンフィグデータの生成処理は、図11のステップS913における、テナント用コンフィグデータを用いた仮想コンフィグデータの生成処理と同様の方法によって実行される。続いて、仮想コンフィグデータ更新部317が、生成された仮想コンフィグデータを仮想デバイスに登録して(ステップS1415)、ステップS1411に戻る。
【0131】
上記説明から、外部テナント用コンフィグデータ更新部332は、外部テナント用コンフィグデータの更新要求が含む利用テナント識別子と被利用テナント識別子との対応情報が外部利用テナントデータと合致する場合、外部テナント用コンフィグデータを更新する。
【0132】
また、外部テナント用コンフィグデータ更新部332、仮想コンフィグデータ生成部316および仮想コンフィグデータ更新部317は、以下の処理を実行する生成手段として機能する。仮想コンフィグデータ生成部316は、外部テナント用コンフィグデータを用いて、第2の管理範囲に対応するユーザが第1の管理範囲に属する画像形成装置を利用する際の該画像形成装置に適用する仮想コンフィグデータを生成する(ステップS1414を参照)。
【0133】
つまり、仮想コンフィグデータ生成部316は、外部テナント用コンフィグデータと、仮想機器構成データと、機種別設定値スキーマとに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する。この仮想機器構成データは、利用テナントに対応するユーザが利用する画像形成装置が属する被利用テナントに対応付けられている仮想デバイスに含まれる。また、この機種別設定値スキーマは、予め記憶手段に記憶された、仮想機器構成データが示す機種に応じた動作設定に関する条件を示す情報である。
【0134】
そして、仮想コンフィグデータ更新部317が、生成された仮想コンフィグデータに対応する仮想デバイスのレコードを生成して登録(記憶手段に記憶)する(ステップS1415を参照)。この仮想デバイスのレコードは、少なくとも仮想コンフィグデータと利用テナント識別子と仮想機器構成データとの対応情報を含む装置情報である。
【0135】
なお、図11を参照して説明したテナント用コンフィグデータの更新処理を実行するテナント用コンフィグデータ更新部315は、上記生成手段の一部として機能する。そして、当該テナント用コンフィグデータ更新部315が生成する仮想コンフィグデータ(図11のS913)は、第4動作設定情報である。
【0136】
図15は、画像形成装置が仮想コンフィグデータを取得する処理を説明するフローチャートの一例である。図15を参照して説明する処理は、複数のテナントに跨がったコンフィグデータの利用に対応する。
【0137】
まず、画像形成装置101のユーザテナント識別子受付部307が、当該画像形成装置101を利用するユーザが操作する端末装置101から、ユーザテナント識別子の入力を受け付ける(ステップS1501)。続いて、実機器構成データ通知部306が、テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子のうち、ステップ1501において受け付けられたユーザテナント識別子と合致するテナント識別子があるかを判断する(ステップS1502)。この例では、テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子は、被利用テナント(第1の管理範囲)を示す(被利用テナント識別子である)。また、ユーザテナント識別子は、利用テナント(第2の管理範囲)を示す(利用テナント識別子である)。
【0138】
テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子のうち、ユーザテナント識別子と合致するテナント識別子がある場合は、処理を終了する。この場合は、ユーザは、当該ユーザに対応するテナントに属する画像形成装置101を利用しようとしていることを意味するからである。
【0139】
テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子のうち、ユーザテナント識別子と合致するテナント識別子がない場合は、ステップS1503に進む。この場合は、ユーザは、当該ユーザに対応するテナントに属しない画像形成装置101を利用しようとしていることを意味するからである。この場合は、ユーザテナント識別子は、利用テナント識別子として機能する。テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子は、被利用テナント識別子として機能する。
【0140】
画像形成装置101が、以下のようにしてユーザテナント識別子を取得し、取得したユーザテナント識別子を用いて上記ステップS1502における判断処理を実行するようにしてもよい。画像形成装置101が、ユーザテナント識別子をユーザの認証情報に関連付けて予め管理しておく。ユーザが画像形成装置101にログインした時に、画像形成装置101が、ユーザが用いた認証情報を用いて認証処理を行う。そして、画像形成装置101が、認証情報に関連付くユーザテナント識別子を取得する。
【0141】
ステップS1503において、実機器構成データ収集部304が、実機器構成データを収集する(ステップS1503)。実機器構成データ通知部306が、実機器構成データとユーザテナント識別子と被利用テナント識別子(テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子)とを含むコンフィグデータ生成要求を設定値管理サービス310に通知する(ステップS1504)。通知先のアドレスは、実コンフィグデータ保持部301が保持しているアドレスである。
【0142】
設定値管理サービス310は、ステップ1551において、上記通知を検知して処理を行う。設定値管理サービス310が実行する処理についての詳細は後述する。
【0143】
仮想コンフィグデータ受信部303が、仮想コンフィグデータの更新が完了するまで処理の実行を待ち合わせる(ステップS1505)。続いて、仮想コンフィグデータ受信部303が、設定値管理サービス310から仮想コンフィグデータを受信する。すなわち、仮想コンフィグデータ受信部303は、コンフィグデータ生成要求に応じて仮想コンフィグデータを生成(更新)した設定値管理サービス310から、画像形成装置101に対応する動作設定情報を取得する取得手段として機能する。そして、仮想コンフィグデータ更新部317が、受信された仮想コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する(ステップS1507)。実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持部301によって記憶される。
【0144】
ステップ1051において、設定値管理サービス310の実機器構成データ受信部318が、画像形成装置101からコンフィグデータ生成要求を受け付ける要求受け付け手段として機能する(ステップS1551)。具体的には、実機器構成データ受信部318は、利用テナントに対応するユーザが利用する被利用テナントに属する画像形成装置から、インターネット104を介して、コンフィグデータ生成要求を受け付ける。そして、実機器構成データ受信部318が、外部利用テナントデータを参照して、コンフィグデータ生成要求が含むユーザテナント識別子が示すテナントに利用権限があるかを判断する(ステップS1552)。具体的には、実機器構成データ受信部318が、外部利用テナントデータのレコードのうち、コンフィグデータ生成要求が含むユーザテナント識別子および被利用テナント識別子に対応するレコードがあるかを判断する。
【0145】
外部利用テナントデータのレコードのうち、コンフィグデータ生成要求が含むユーザテナント識別子および被利用テナント識別子に対応するレコードがない場合、実機器構成データ受信部318は、ユーザテナント識別子が示すテナントに利用権限がないと判断する。そして、実機器構成データ受信部318が、エラーが発生したことを画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信部303に対して通知する(ステップS1553)。
【0146】
外部利用テナントデータのレコードのうち、コンフィグデータ生成要求が含むユーザテナント識別子および被利用テナント識別子に対応するレコードがある場合、実機器構成データ受信部318は、ユーザテナント識別子が示すテナントに利用権限があると判断する。そして処理がステップS1554に進む。
【0147】
ステップS1554において、仮想機器構成データ更新部319が、S1551において受信したコンフィグデータ生成要求が含む実機器構成データと被利用テナント識別子とユーザテナント識別子とに対応する仮想デバイスを探索し、探索が成功したかを判断する。この実機器構成データは、ユーザが利用する第1の管理範囲(被利用テナント)に属する画像形成装置101が備える機器の構成情報である。画像形成装置101が初めて設定値管理サービス310と通信を行った場合には、仮想デバイスが探索できない。したがって、この場合には、処理がステップS1555に進み、仮想機器構成データ更新部319が、空の仮想デバイスを生成して(ステップS1555)、ステップS1556に進む。
【0148】
ステップS1554において仮想デバイスの探索が成功した場合、仮想コンフィグデータ取得部320が、探索された仮想デバイスの仮想コンフィグデータを取得し、画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信部303に送信する(ステップS1556)。
【0149】
図15を参照した説明から、仮想機器構成データ更新部319および仮想コンフィグデータ取得部320は、以下の処理を実行する情報送信手段として機能する。すなわち、情報送信手段は、コンフィグデータ生成要求が含む、実機器構成データと被利用テナント識別子と仮想デバイスとに基づいて、ユーザが利用する画像形成装置101に対応する仮想コンフィグデータを取得する(図15のステップS1554、S1556)。そして、情報送信手段は、取得した仮想コンフィグデータを画像形成装置101に対して送信する(S1556)。
【0150】
次に、他の実施形態について説明する。図14を参照して説明した処理では、外部テナント用コンフィグデータが更新されたことをトリガとして、仮想コンフィグデータ生成部316が仮想コンフィグデータを生成している。しかし、仮想コンフィグデータ生成部316が、画像形成装置のユーザ利用が開始されたことをトリガにして仮想コンフィグデータを生成するようにしてもよい。具体的には、設定値管理サービス310が、図14のステップ1410以降の処理を省略し、図15のステップ1554の処理の次に図14のステップ1412乃至ステップ1415の処理を実行する。
【0151】
すなわち、仮想コンフィグデータ生成部316は、実機器構成データ受信部318がコンフィグデータ生成要求を受け付けたことを契機として、以下の処理を実行する。仮想コンフィグデータ生成部316は、外部テナント用コンフィグデータを用いて、該コンフィグデータ生成要求の送信元の画像形成装置101に対応する仮想コンフィグデータを生成する。そして、仮想コンフィグデータ取得部320が、生成された仮想コンフィグデータを当該画像形成装置101に対して送信する。なお、設定値管理サービス310が、画像形成装置のユーザ利用が終了したことを検知して、生成した仮想コンフィグデータを削除するようにしてもよい。
【0152】
実コンフィグデータ更新部302が、図15のステップ1507で取得した仮想コンフィグデータを、揮発性メモリ203Aに一時的に記憶し、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータを不揮発性メモリ202Bに退避するようにしてもよい。そして、実コンフィグデータ更新部302が、画像形成装置のユーザ利用が終了したことを検知して、以下の処理を実行するようにしてもよい。実コンフィグデータ更新部302は、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータすなわちユーザ利用のための実コンフィグデータを不揮発性メモリ202Bに退避させていた実コンフィグデータに戻す。すなわち、実コンフィグデータ更新部302は、ユーザによる画像形成装置101の利用が完了したことを契機として、該画像形成装置101に適用する動作設定情報を該画像形成装置101の利用前に該画像形成装置101に適用されていた動作設定情報に戻す。
【0153】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0154】
101 画像形成装置
102 端末装置
105 サーバコンピュータ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の動作を切り替える動作設定情報を管理する管理装置と、予め設定されたユーザの管理範囲毎に前記管理装置に管理される画像形成装置とを備える情報処理システムであって、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置が備える機器の構成情報と該画像形成装置を利用するユーザの管理範囲に関する情報とを含む、該画像形成装置に対応する動作設定情報の取得要求を、ネットワークを介して前記管理装置に対して送信する要求手段と、
前記管理装置から前記動作設定情報の取得要求への応答として該動作設定情報を取得する取得手段とを備え、
前記管理装置は、
前記管理装置が管理する前記管理範囲である第1の管理範囲に属する画像形成装置に適用される第1動作設定情報を保持する第1の保持手段と、
第2の管理範囲に属する画像形成装置に共通に適用される第2動作設定情報を保持する第2の保持手段と、
前記第2動作設定情報を用いて、前記第2の管理範囲に対応するユーザが前記第1の管理範囲に属する画像形成装置を利用する際の該画像形成装置に適用する第3動作設定情報を生成し、該第3動作設定情報と前記第2の管理範囲に関する情報と前記ユーザが利用する画像形成装置が備える機器の構成情報との対応情報を含む情報を装置情報として記憶手段に記憶する生成手段と、
前記第2の管理範囲に対応するユーザが利用する前記第1の管理範囲に属する画像形成装置から、前記ネットワークを介して、前記動作設定情報の取得要求を受け付ける要求受け付け手段と、
前記受け付けられた前記動作設定情報の取得要求が含む、前記ユーザが利用する前記第1の管理範囲に属する画像形成装置が備える機器の構成情報と該ユーザに対応する第2の管理範囲に関する情報と、前記記憶手段に記憶された装置情報とに基づいて、該画像形成装置に対応する前記第3動作設定情報を取得して該画像形成装置に対して送信する情報送信手段とを備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記管理装置が備える前記生成手段は、前記第2動作設定情報の更新要求を受け付けたことを契機として、該第2動作設定情報を更新するとともに、第2動作設定情報を用いて前記第3動作設定情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記管理装置が備える前記生成手段は、
前記要求受け付け手段が前記動作設定情報の取得要求を受け付けたことを契機として、前記第2動作設定情報を用いて、該取得要求の送信元の画像形成装置に対応する前記第3動作設定情報を生成し、
前記管理装置が備える前記情報送信手段は、前記生成された第3動作設定情報を前記動作設定情報の取得要求に対応する画像形成装置に対して送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、
前記取得手段が取得した前記動作設定情報を該画像形成装置に適用する適用手段を備え、
前記適用手段は、前記ユーザによる該画像形成装置の利用が完了したことを契機として、該画像形成装置に適用する動作設定情報を該画像形成装置の利用前に該画像形成装置に適用されていた動作設定情報に戻す
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記管理装置が備える前記生成手段は、さらに、
前記第1動作設定情報が更新されたことを契機として、該更新された第1動作設定情報を用いて、前記第1の管理範囲に対応するユーザが前記第1の管理範囲に属する画像形成装置を利用する際の該画像形成装置に適用する第4動作設定情報を生成し、
前記第4動作設定情報と前記第1の管理範囲に関する情報と前記第1の管理範囲に属する画像形成装置が備える機器の構成情報との対応情報を含む前記装置情報を前記記憶手段に記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
該管理装置が管理する前記第1の管理範囲の識別情報と、該管理装置が該第1の管理範囲に属する画像形成装置の利用を許可するユーザに対応する前記第2の管理範囲の識別情報との対応情報とが許可テナント情報として予め記憶された許可テナント記憶手段を備え、
前記第2動作設定情報の更新要求は、該更新要求の送信元のユーザに対応する管理範囲の識別情報と該ユーザが利用する画像形成装置が属する前記第1の管理範囲の識別情報との対応情報を含み、
前記生成手段は、前記第2動作設定情報の更新要求が含む対応情報が前記許可テナント記憶手段に記憶された許可テナント情報と合致する場合に、該第2動作設定情報を更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記管理装置が備える前記生成手段は、
前記第2動作設定情報と、第2の管理範囲に対応するユーザが利用する画像形成装置が属する前記第1の管理範囲に対応付けられている前記装置情報が含む機器の構成情報と、予め記憶手段に記憶された、該機器の構成情報が示す機種に応じた動作設定に関する条件を示す情報とに基づいて、前記第3動作設定情報を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
画像形成装置の動作を切り替える動作設定情報を管理する管理装置と、予め設定されたユーザの管理範囲毎に前記管理装置に管理される画像形成装置とを備える情報処理システムにおける、前記動作設定情報の管理方法であって、
前記管理装置が、前記管理装置が管理する前記管理範囲である第1の管理範囲に属する画像形成装置に適用される第1動作設定情報を保持する工程と、
前記管理装置が、第2の管理範囲に属する画像形成装置に共通に適用される第2動作設定情報を保持する工程と、
前記管理装置が、前記第2動作設定情報を用いて、前記第2の管理範囲に対応するユーザが前記第1の管理範囲に属する画像形成装置を利用する際の該画像形成装置に適用する第3動作設定情報を生成し、該第3動作設定情報と前記第2の管理範囲に関する情報と前記画像形成装置が備える機器の構成情報との対応情報を含む情報を装置情報として記憶手段に記憶する工程と、
前記第1の管理範囲に属する画像形成装置が、該画像形成装置が備える機器の構成情報と該画像形成装置を利用するユーザに対応する前記第2の管理範囲に関する情報とを含む、該画像形成装置に対応する動作設定情報の取得要求を、ネットワークを介して前記管理装置に対して送信する工程と、
前記管理装置が、前記第2の管理範囲に対応するユーザが利用する前記第1の管理範囲に属する画像形成装置から、前記ネットワークを介して、前記動作設定情報の取得要求を受け付ける工程と、
前記管理装置が、前記受け付けられた前記動作設定情報の取得要求が含む、前記ユーザが利用する前記第1の管理範囲に属する画像形成装置が備える機器の構成情報と該ユーザに対応する第2の管理範囲に関する情報と、前記記憶手段に記憶された装置情報とに基づいて、該画像形成装置に対応する前記第3動作設定情報を取得して該画像形成装置に対して送信する工程とを有する
ことを特徴とする管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−89094(P2013−89094A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230251(P2011−230251)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】