説明

情報処理装置、その画像表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム

【課題】情報提供者が複数のモニタを使用して被情報提供者に情報を提供する場合に、情報提供者の使い勝手を良くすることが可能な情報処理装置を提供すること
【解決手段】第1及び第2モニタに接続された情報処理装置であって、前記第2モニタに画像を表示する第1表示制御手段と、前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する第2表示制御手段と、入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する判定手段と、前記判定手段で判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する第3表示制御手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、その画像表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マルチモニタシステムでは、メインのモニタを有するパーソナルコンピュータ装置(以下「PC」と称する)に、プロジェクタ等の外部のモニタを接続し、それぞれに同一又は異なる画像を表示する方法が採用される場合が多い。
【0003】
プレゼンテーションの場面では、例えば、ホワイトボードに表示される資料の一部が小さい場合に、当該資料の一部をホワイトボードに大きく表示したい場合がある。ここで、マイクロソフト社のウィンドウズ(登録商標)には、拡大鏡の機能があり、拡大鏡を利用することも考えられる。
【0004】
しかしながら、多くの拡大鏡は資料の上に拡大ウィンドウとして表示されるため、拡大鏡の下に資料が隠れてしまう。発表者は、常に資料の全体を見てプレゼンテーションを行いたい場合が多く、資料の一部が隠れてしまうと、スムーズにプレゼンテーションを行うことができない場合がある。すなわち、発表者は、隠れている部分に何が記載(表示)されていたか分からなくなり、効率的にプレゼンテーションを行うことができなくなってしまう。また、プレゼンテーションに限らず他の用途でも、情報提供者は画像全体を見ながら、被情報提供者に画像の一部を拡大して表示したい場合がある。さらに、画像の一部を拡大したい場合に限らず、画像が不鮮明であるものを鮮明に表示したい場合等があり、情報提供者が複数のモニタを使用して被情報提供者に情報を提供する場合に、使い勝手の良いマルチモニタシステムが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−50653号公報
【特許文献2】特開2009−169452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、情報提供者が複数のモニタを使用して被情報提供者に情報を提供する場合に、情報提供者の使い勝手を良くすることが可能な情報処理装置、その画像表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1及び第2モニタに接続された情報処理装置であって、前記第2モニタに画像を表示する第1表示制御手段と、前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する第2表示制御手段と、入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する判定手段と、前記判定手段で判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する第3表示制御手段と、前記検出部で検出された入力位置を含む領域の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する第3表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第2モニタはプロジェクタ装置であることが望ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記画像処理は、拡大処理であることが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記画像処理は、コントラスト強調であることが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1及び第2モニタには、拡張デスクトップ環境下で画像が表示されることが望ましい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1及び第2モニタに接続された情報処理装置のプレゼンテーション方法であって、前記第2モニタに画像を表示する工程と、前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する工程と、入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する工程と、前記判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は第1及び第2モニタに接続された情報処理装置に搭載されたプログラムであって、前記第2モニタに画像を表示する工程と、前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する工程と、入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する工程と、前記判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる情報処理装置によれば、情報提供者が複数のモニタを使用して被情報提供者に情報を提供する場合に、使い勝手の良い情報処理装置を提供することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本実施の形態に係るマルチモニタシステムの外観構成例を示す図である。
【図2】図2は、コンピュータのブロック構成例を示す図である。
【図3】図3は、マルチモニタシステムの画像表示に関する機能構成を説明するための図である。
【図4】マルチモニタ(拡張デスクトップ)の環境設定を行うための画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、第1モニタと第2モニタの表示例を説明するための図である。
【図6】図6は、第1モニタと第2モニタの表示例を説明するための図である。
【図7】図7は、第1モニタと第2モニタの表示例を説明するための図である。
【図8】図8は、第1モニタと第2モニタの表示例を説明するための図である。
【図9】図9は、第1モニタと第2モニタの表示例を説明するための図である。
【図10】図10は、実施の形態2に係るマルチモニタシステムの外観構成例を示す図である。
【図11】図11は、実施の形態2に係るマルチモニタシステムの画像表示に関する機能構成を説明するための図である。
【図12】図12は、第1モニタと第2モニタの表示例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本実施の形態に係る情報処理装置、その画像表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを適用したコンピュータシステムの実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの又は実質的に同一のものが含まれる。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。したがって、本発明の装置、方法、及びプログラムの実施の形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施の形態の一例を示すものであって、本明細書の特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施の形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、又は他の方法、部品、モジュール、材料でも本発明を実現できることが理解できる。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係るマルチモニタシステムの外観構成例を示す図である。図1に示すように、マルチモニタシステム1は、内蔵モニタである第1モニタM1及びポインティングデバイスであるマウス21を備え、マルチモニタ機能(拡張デスクトップ機能)を有するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)2と、PC2に接続されている外部モニタである、第2モニタM2とで構成されている。PC2は、例えば、ノート型PCで構成することができる。第1モニタM1は、例えば、液晶表示ディスプレイで構成することができる。第2モニタM2は、例えば、プロジェクタ3と、ホワイトボード4とで構成されるプロジェクタ装置で構成することができる。
【0018】
PC2は、プロジェクタ3とビデオケーブル5で接続され、プレゼンテーションで使用する表示情報に応じたビデオ信号を送出する。プロジェクタ3は、PC2から入力されるビデオ信号に応じた画像をホワイトボード4に投影する。
【0019】
上記構成のマルチモニタシステム1では、発表者は第1モニタM1に表示される画像を見ながらプレゼンテーションを行い、聴講者は第2モニタM2に表示される画像を見ながらプレゼンテーションを聴講する。マルチモニタシステム1は、第2モニタM2に表示する画像と同じ画像を第1モニタM1に表示する。発表者が第2モニタM2に表示されている画像の一部を拡大して聴講者に見せたい場合は、第1モニタM1に表示されている画像の対応する部分をマウス21で選択する。マルチモニタシステム1は、選択された画像の拡大画像を第2モニタM2だけに表示する。これにより、発表者は、第1モニタM1に表示される資料の全体を見てプレゼンテーションを行うことができ、効率的にプレゼンテーションを行うことができる。
【0020】
図2は、図1のノート型PC2のブロック構成例を示す図である。図2に示すように、ノート型PC2は、CPU(Central Processing Unit)22と、メモリ23と、HDD(Hard Disk Device)24と、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)ドライブ25と、入出力I/F26とを備える。入出力I/F26には、キーボード27と、トラックポイント28と、第1モニタM1とが接続される。また、入出力I/F26には、マウス21と、第2モニタM2とが接続される。
【0021】
CPU22は、HDD24に格納されたOS31によりPC2全体の制御を行うとともに、HDD24に格納された各種のプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。メモリ23は、ROM、キャッシュメモリ、RAM等で構成されており、BIOS(Basic Input/Output System:基本入出力システム)やデータ等を格納する領域と、CPU22の実行プログラムの読み込み領域として、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能領域とを備えている。
【0022】
HDD24は、例えば、Windows(登録商標)7、vista、XP等のPC20全体の制御を行うためのOS31、ユーティリティ・プログラム32、周辺機器類をハードウェア操作するためのデバイス・ドライバ33、特定業務に向けられたアプリケーション・プログラム34A〜E等を記憶する機能を有する。OS31は、マルチモニタ機能(拡張デスクトップ機能)をサポートする。デバイス・ドライバ33は、第1〜第2モニタM1〜M2の表示制御や、マウス21,キーボード27,トラックポイント28等の入力デバイスの制御を行う。
【0023】
アプリケーション・プログラム34Aは、プレゼンテーション用のアプリケーション・プログラムである。アプリケーション・プログラム34Bは、文書作成・編集用のアプリケーション・プログラムである。アプリケーション・プログラム34Cは表計算用のアプリケーション・プログラムである。アプリケーション・プログラム34Dは、電子メールの授受用のアプリケーション・プログラムである。アプリケーション・プログラム34Eは、ウェブページの閲覧用のアプリケーション・プログラムである。
【0024】
HDD24に記憶するプログラムは、例えば、CD−ROM29からCD−ROMドライブ25を介してインストールすることができる。HDD24にインストールされたOS31、ユーティリティ・プログラム32、デバイス・ドライバ33、及びアプリケーション・プログラム34A〜Eは、メモリ23に読み込まれ、CPU21によって実行される。アプリケーション・プログラム34A〜E、ユーティリティ・プログラム32、及びデバイス・ドライバ33の間のデータ又はコマンドの送受信には、OS31が介在する。
【0025】
トラックポイント28は内蔵のポインティングデバイスであり、マウス21は外付けのポインティングデバイスである。以下、ポインティングデバイスとしてマウス21を例に説明する。
【0026】
図3は、上記マルチモニタシステム1の画像表示に関する機能構成を説明するための図である。図4は、マルチモニタ(拡張デスクトップ)の環境設定を行うための画面の一例を示している。図5〜図9は、第1モニタM1と第2モニタM2の表示例を説明するための図である。
【0027】
図3において、アプリケーション・プログラム34Aは、マルチモニタ機能を使用してプレゼンテーションを行う場合に、発表者が効率的にプレゼンテーションを行うためのプレゼンテーション用のアプリケーションである。アプリケーション・プログラム34Aは、第2モニタM2に表示される画像と同じ画像を第1モニタM1に表示させるビューア(viewer)機能41と、入力操作に応じて、画像が表示されている第1モニタの画面内での処理対象領域を判定し、判定した処理対象領域内の画像を拡大し、拡大画像を第2モニタM2のみに表示させる拡大機能42とを備えている。アプリケーション・プログラム34Aは、第2〜第3表示制御手段及び判定手段の一部として機能する。アプリケーション・プログラム34Bは、文書や画像の作成・編集用のアプリケーションであり、第1表示制御手段の一部として機能する。
【0028】
OS31は、PC2の基本的な動作を制御しているものであり、各種資源を管理し、例えば、アプリケーション・プログラム34A〜Eが発生した命令を、デバイス・ドライバ33やBIOSに伝える。OS31は、マルチタスク機能及びマルチウィンドウ機能を有し、アプリケーション・プログラムの実行コンテキスト(あるアプリケーション・プログラムが利用しているレジスタセットやメインメモリイメージ、ファイルハンドルなど)やGUIの部品などのソフトウェア資源の管理も行うようになされている。
【0029】
OS31は、マルチモニタの環境設定を行い、拡張デスクトップを実現する。例えば、図4に示すマルチモニタの環境設定画面において、ユーザは、マルチモニタに使用するモニタの配置及びその解像度を設定可能となっている。OS31は、設定された配置及び解像度でモニタの画面を仮想的に接続して、拡張デスクトップを実現する。同図に示す例では、第1モニタM1の画面の右辺と第2モニタM2の画面の左辺を仮想的に接続して、拡張デスクトップを実現する。第1モニタM1と第2モニタM2間では、マウスカーソルCA、アイコン、及びWindow等が移動可能である。以下の説明では、図4に示すような拡張デスクトップが設定されたものとして説明する。
【0030】
つぎに、上記図3を参照して、マルチモニタシステム1の処理手順の概略の一例を説明する。まず、アプリケーション・プログラム34Bは、プレゼンテーション用の画像を、OS31を介して第2モニタM2に表示させる(ステップS1)。アプリケーション・プログラム34A(ビューワ機能41)は、第2モニタM2に表示されている画像をOS31から取得する(ステップS2)。アプリケーション・プログラム34A(ビューワ機能41)は、OS31に対して、取得した画像(第2モニタM2に表示されている画像)を第1モニタM1に表示するように指示し、これに応じて、OS31は、当該画像を第1モニタM1に表示する(ステップS3)。
【0031】
発表者により、マウスカーソルCAによって第1モニタM1で画像の一部が選択(指定)されると、アプリケーション・プログラム34A(拡大機能42)は、OS31から選択された画像を取得する(ステップS5)。アプリケーション・プログラム34A(拡大機能42)は、取得した画像(選択された画像)を拡大するようにOS31に要求し、これに応じて、OS31は選択された画像を拡大する(ステップS6)。アプリケーション・プログラム34A(拡大機能42)は、OS31に、第2モニタM2に拡大した画像を表示するように要求し、これに応じて、OS31は第2モニタM2に、拡大した画像を表示する(ステップS7)。
【0032】
なお、アプリケーション・プログラム34A(拡大機能42)は、マウスカーソルCAで指定される座標(1点)を取得し、選択されたマウスカーソルの位置p(x、y)を中心として、その周辺の画像(M×N)ドットを処理対象領域としてキャプチャーし、キャプチャーした(M×N)ドットのイメージを、E(但し、E>1)倍に拡大し、拡大したE×(M×N)ドットの拡大表示ウィンドウを、第2モニタM1の対応する位置に表示することにしてもよい。また、アプリケーション・プログラム34A(拡大機能42)は、マウスカーソルCAで指定される領域(例えば、矩形の領域)を処理対象領域として、その画像(M×N)ドットをキャプチャーしてもよい。すなわち、拡大処理される処理対象領域の指定方法は如何なる方法でもよく、マウスカーソルCAの移動に伴って処理対象領域を移動させてもよい。
【0033】
つぎに、図5〜図9を参照して、第1モニタM1と第2モニタM2の具体的な表示例を説明する。図5に示すように、第1モニタM1には、アプリケーション・プログラム34A、34C、34D、34Eのアイコンが表示されており、第2モニタM2には、アプリケーション・プログラム34Bのアイコンが表示されているものとする。
【0034】
第2モニタM1に表示されるアプリケーション・プログラム34BのアイコンをマウスカーソルCAで選択(例えば、マウス21のダブルクリック)してアプリケーション・プログラム34Bを起動させ、図6に示すように、第2モニタM2にプレゼンテーション用の画像を表示する(上記図3のステップS1)。そして、第1モニタM1に表示されるアプリケーション・プログラム34AのアイコンをマウスカーソルCAで選択して、アプリケーション121を起動させると、図7に示すように、第2モニタM2に表示されている画像が第1モニタM1に表示される(上記図3のステップS2,S3)。
【0035】
次に、図8に示すように、第1モニタM1に表示されている画像のうち、発表者が聴講者に拡大して示したい部分をマウスカーソルカーソルCAで選択する(上記図3のステップS4)。選択された画像は拡大され、図9に示すように、その拡大画像のウィンドウW1が第2モニタM2にのみその対応する位置に表示される(上記図3のステップS5〜S7)。
【0036】
このように、発表者が第2モニタM2に表示されている画像の一部を拡大して聴講者に見せたい場合は、第1モニタM1に表示されている画像の対応する部分をマウス21により選択し、選択された画像の拡大画像を第2モニタM2だけに表示することとしたので、発表者は、第1モニタM1に表示される画像の全体を見てプレゼンテーションを行うことができ、効率的にプレゼンテーションを行うことができる。
【0037】
なお、上記実施の形態では、画像処理として、選択した画像の拡大処理を行うこととしたが、本発明の画像処理はこれに限られるものではなく、画像の縮小処理、回転処理、コントラスト調整、明るさ調整、色調調整等を行うことにしてもよく、また、これらを組み合わせて実施することにしてもよい。例えば、画像が大きすぎて縮小して表示したい場合は縮小処理を行い、また、画像が反転して表示されて見にくい場合は回転処理を行うことにしてもよい。
【0038】
なお、ここでは、プレゼンテーションを行う場合について説明したが、用途はプレゼンテーションに限られるものではなく、例えば、医療用途の場合には、医者が患者へ病状を説明する場面において、例えば、モニタM2に表示される病巣が小さい場合に、病巣近傍をモニタM2に大きく表示することにしてもよい。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1モニタM1及び第2モニタM2に接続されたノートPC2であって、前記第2モニタに画像を表示する工程と、前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する工程と、入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する工程と、前記判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する工程とを含んでいるので、情報提供者が複数のモニタを使用して被情報提供者に情報を提供する場合に、情報提供者の使い勝手を良くすることが可能になる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、第2モニタM2はプロジェクタ装置であることとしたので、プロジェクタ装置を使用して情報提供を行う場合に有用である。
【0041】
また、画像処理として拡大処理を行うこととしたので、被情報提供者に画像を拡大して表示することが可能となる。
【0042】
(実施の形態2)
実施の形態2では、本実施の形態に係るマルチモニタシステムを医療用途に適用した例を説明する。ここでは、一例として、医師が患者にレントゲン画像を見せる場合を説明する。実施の形態2において、実施の形態1と同様な点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0043】
図10は、実施の形態2に係るマルチモニタシステムの外観構成例を示す図である。図10に示すように、第2モニタM2は、大型の液晶ディスプレイであるモニタ装置で構成されている。ここでは、医者がPC2を操作し、患者が第2モニタM2を見る場合を想定する。
【0044】
図11は、実施の形態2に係るマルチモニタシステム1の画像表示に関する機能構成を説明するための図である。図12は、第1モニタM1と第2モニタM2の表示例を説明するための図である。
【0045】
図11において、アプリケーション・プログラム34Aは、図3の拡大機能43の替わりに、コントラスト調整機能43を備えている。コントラスト調整機能43は、入力操作に応じて、画像が表示されている第1モニタの画面内での処理対象領域を判定し、判定した処理対象領域内の画像のコントラストを強調し、コントラスト強調画像を第2モニタM2のみに表示させる機能である。
【0046】
つぎに、上記図11を参照して、マルチモニタシステム1の処理手順の概略の一例を説明する。まず、アプリケーション・プログラム34Bは、レントゲン画像を、OS31を介して第2モニタM2に表示させる(ステップS11)。アプリケーション・プログラム34A(ビューワ機能41)は、第2モニタM2に表示されている画像をOS31から取得する(ステップS12)。アプリケーション・プログラム34A(ビューワ機能41)は、OS31に対して、取得した画像(第2モニタM2に表示されている画像)を第1モニタM1に表示するように指示し、これに応じて、OS31は、当該画像を第1モニタM1に表示する(ステップS13)。
【0047】
医師により、マウスカーソルCAによって第1モニタM1で画像の一部が選択(指定)されると、アプリケーション・プログラム34A(コントラスト調整機能43)は、OS31から選択された画像を取得する(ステップS15)。アプリケーション・プログラム34A(コントラスト調整機能43)は、取得した画像(選択された画像)のコントラストを強調するようにOS31に要求し、これに応じて、OS31は選択された画像のコントラストを強調する(ステップS16)。アプリケーション・プログラム34A(コントラスト調整機能43)は、OS31に、第2モニタM2にコントラスト強調した画像を表示するように要求し、これに応じて、OS31は第2モニタM2に、コントラスト強調した画像を表示する(ステップS17)。
【0048】
つぎに、図12を参照して、第1モニタM1と第2モニタM2の具体的な表示例を説明する。第1モニタM1と第2モニタM2に同じレントゲン画像が表示されている状態で、第1モニタM1に表示されているレントゲン画像のうち、医師が患者にコントラストを強調して示したい部分をマウスカーソルカーソルCAで選択すると(上記図11のステップS14)、選択された画像のコントラストが強調され、そのコントラスト強調画像のウィンドウW2が第2モニタM2にのみその対応する位置に表示される(上記図11のステップS15〜S17)。例えば、医者が患者へ病状を説明する場面において、第2モニタM2に表示されている病巣がはっきりしない場合に、病巣近傍をコントラスト強調して第2モニタM2に表示することにしてもよい。このように、医療の場に於いては効果的なインフォームドコンセントを行うことが可能となる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、情報処理装置として、ノート型PCを例示して説明したが、本発明に係る情報処理装置は、ノート型PCに限られるものではなく、デスクトップPC、PDA、携帯電話、デジタルカメラ等の各種の情報処理装置に適用可能である。また、第1モニタはノートPCのディスプレイに限られるものではなく、外付けのディスプレイを使用することにしてもよい。また、第2モニタとしてプロジェクタ装置の替わりにディスプレイを使用することにしてもよい。また、マウスについて説明したが、位置入力が可能なポインティングデバイスはマウスに限られるものではなく、トラックボール、タブレット、タッチパッド等を使用することにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る情報処理装置、その画像表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムはプレゼンテーションを行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0051】
1 マルチモニタシステム
2 パーソナルコンピュータ(PC)
3 プロジェクタ
4 ホワイトボード
5 ビデオケーブル
21 マウス
22 CPU
23 メモリ
24 HDD
25 CD−ROMドライブ
26 入出力インターフェース
27 キーボード
28 トラックポイント
29 CD−ROM
31 OS
32 ユーティリティ・プログラム
33 デバイス・ドライバ
34A〜E アプリケーション・プログラム
41 ビューア機能
42 拡大機能
43 コントラスト強調機能
M1 第1モニタ
M2 第2モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2モニタに接続された情報処理装置であって、
前記第2モニタに画像を表示する第1表示制御手段と、
前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する第2表示制御手段と、
入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する判定手段と、
前記判定手段で判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する第3表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2モニタはプロジェクタ装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像処理は、拡大処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像処理は、コントラスト強調であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1及び第2モニタには、拡張デスクトップ環境下で画像が表示されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
第1及び第2モニタに接続された情報処理装置の画像表示方法であって、
前記第2モニタに画像を表示する工程と、
前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する工程と、
入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する工程と、
前記判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する工程と、
を含む情報処理装置の画像表示方法。
【請求項7】
第1及び第2モニタに接続された情報処理装置に搭載されたプログラムであって、
前記第2モニタに画像を表示する工程と、
前記第2モニタに表示される画像と同じ画像を前記第1モニタに表示する工程と、
入力操作に応じて、前記画像が表示されている前記第1モニタの画面内での処理対象領域を判定する工程と、
前記判定された処理対象領域内の画像を画像処理し、画像処理後の画像を前記第2モニタのみに表示する工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータが実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−61411(P2013−61411A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198511(P2011−198511)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【Fターム(参考)】