説明

情報処理装置、クライアントサーバシステム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体

【課題】より効果的にWebアクセスに制限をかける情報処理装置、クライアントサーバシステム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】ネットワーク上のサーバ装置と、該サーバ装置に対して処理要求を送信し且つ前記サーバ装置から該処理要求に応じた処理応答を受信するクライアント装置との間で通信を中継する情報処理装置であって、前記クライアント装置から中継受信した処理要求から、キーワードを検出するキーワード検出手段と、前記サーバ装置から中継受信した該処理要求に応じた処理応答から、アクセス履歴情報を抽出する履歴情報抽出手段と、前記キーワードと前記アクセス履歴情報とを関連づけて記録する履歴記録手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、クライアントサーバシステム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットが普及し、会社のPCからWebにアクセスし情報を取得することが一般的に行われるようになってきた。しかしながら、仕事中に趣味のWebサーバをアクセスするケースも増えており問題になっている。
【0003】
一部では、Proxyサーバにフィルタの機能を持たせて、特定のURL(Uniform Resource Locator)に対してアクセスできないようにして対策しているケースも見られるが、これらの対策を行うためには費用などの問題もあって、小規模の組織では導入するのは容易ではない。
【0004】
また、URLによるフィルタでは、一部の有害サイトは効率的に阻止できても、一般のサイトの閲覧をフィルタするのは難しい。なぜなら、一般のサイトで内容に問題が無いとしても、アクセスしている本人が業務でアクセスしているのか、それとも単に興味があってアクセスしているのか判断が難しいからである。
【0005】
このようなWebアクセスに制限をかける技術には、例えば以下に挙げられるものがある。
【0006】
特許文献1には、予め登録しておいたキーワードに該当するWebページのデータを非表示情報に置き換えて、ユーザに見せないようにする技術が開示されている。また、特許文献2には、監視用のPCを設け、アクセスを監視し、個別の監視ポリシーでアクセスの許可・禁止を制御仕様とする技術が開示されている。また、特許文献3には、HTTPの技術を使ってアクセス制限をするという技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006―185250号公報
【特許文献2】特開2006―99429号公報
【特許文献3】特開2005―78517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のWebアクセスに制限をかける技術を用いてもなお、例えば会社の資産の私的利用などを効果的に制限できていないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みて、この問題を解決するために発明されたものであり、より効果的にWebアクセスに制限をかける情報処理装置、クライアントサーバシステム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明における情報処理装置は、ネットワーク上のサーバ装置と、該サーバ装置に対して処理要求を送信し且つ前記サーバ装置から該処理要求に応じた処理応答を受信するクライアント装置との間で通信を中継する情報処理装置であって、前記クライアント装置から中継受信した処理要求から、キーワードを検出するキーワード検出手段と、前記サーバ装置から中継受信した該処理要求に応じた処理応答から、アクセス履歴情報を抽出する履歴情報抽出手段と、前記キーワードと前記アクセス履歴情報とを関連づけて記録する履歴記録手段とを有するように構成することができる。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記キーワード検出手段は、前記クライアント装置から中継受信した所定の検索キーワードに基づく検索要求から、前記所定の検索キーワードを前記キーワードとして検出し、前記履歴情報抽出手段は、前記サーバ装置から中継受信した該検索要求に応じた検索結果から、該検索結果の所在を示すURL情報を前記アクセス履歴情報として抽出するように構成することができる。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、本発明における情報処理装置は、前記クライアント装置から所定のURLに対する処理要求を中継受信した場合に、前記所定のURLが前記履歴記録手段に記録されている否かを判定するURL情報判定手段と、前記URL情報判定手段により記録されていると判定されると、前記処理要求に応じて前記サーバ装置から中継受信した処理応答に、タグデータを付加するタグデータ付加手段とをさらに有するように構成することができる。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明における情報処理装置は、前記クライアント装置から所定の印刷データの印刷要求を受信した場合に、受信した印刷データに付加されたタグデータに応じて、印刷可否を判定する印刷可否判定手段と、前記印刷可否判定手段により印刷が可能であると判定されると、前記印刷要求に基づく印刷出力を行う印刷制御手段とをさらに有するように構成することができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、本発明における情報処理装置は、印刷を禁止するための印刷禁止タグデータを予め保持するタグデータ保持手段をさらに有し、前記印刷可否判定手段は、前記クライアント装置から受信した印刷データに付加されたタグデータが前記タグデータ保持手段により保持されている場合、該印刷要求に基づく印刷出力を中止するように構成することができる。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記タグデータ付加手段は、前記処理応答において予め指定した間隔でタグデータを付加するように構成することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記タグデータ付加手段は、前記処理応答において前記検索キーワードが現れる箇所に前記タグデータを付加するように構成することができる。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、本発明における情報処理装置は、前記キーワード検出手段により検出されたキーワードが予め指定された許可キーワード又は禁止キーワードに一致するとき、前記クライアント装置から中継受信した処理要求を前記サーバ装置に対して転送する動作を許可又は禁止する中継制御手段をさらに有するように構成することができる。
【0017】
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記中継制御手段は、前記キーワード検出手段により検出されたキーワードが、予め指定された禁止キーワードに一致するとき、さらに、前記クライアント装置をWebアクセス禁止リストに登録するように構成することができる。
【0018】
また、上記の目的を達成するために、本発明における情報処理装置は、当該情報処理装置とネットワークを介して接続され、許可キーワード又は禁止キーワードを保持する外部装置から、前記許可キーワード又は禁止キーワードを取得する動作制御用キーワード取得手段と、取得した前記許可キーワード又は禁止キーワードを登録する動作制御用キーワード登録手段とをさらに有するように構成することができる。
【0019】
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記処理要求、前記処理応答は、それぞれHTTPプロトコルを用いたHTTP要求、HTTP応答であるように構成することができる。
【0020】
また、上記の目的を達成するために、本発明におけるクライアントサーバシステムは、ネットワーク上のサーバ装置に対して処理要求を送信し且つ前記サーバ装置から該処理要求に応じた処理応答を受信するクライアント装置と、該クライアント装置と前記サーバ装置の間で通信を中継する中継サーバ装置を有するクライアントサーバシステムであって、前記中継サーバ装置は、前記クライアント装置から中継受信した処理要求から、キーワードを検出するキーワード検出手段と、前記サーバ装置から中継受信した該処理要求に応じた処理応答から、アクセス履歴情報を抽出する履歴情報抽出手段と、前記キーワードと前記アクセス履歴情報とを関連づけて記録する履歴記録手段とを有するように構成することができる。
【0021】
また、上記の目的を達成するために、本発明における前記キーワード検出手段は、前記クライアント装置から中継受信した所定の検索キーワードに基づく検索要求から、前記所定の検索キーワードを前記キーワードとして検出し、前記履歴情報抽出手段は、前記サーバ装置から中継受信した該検索要求に応じた検索結果から、該検索結果の所在を示すURL情報を前記アクセス履歴情報として抽出するように構成することができる。
【0022】
また、上記の目的を達成するために、本発明における情報処理方法は、ネットワーク上のサーバ装置と、該サーバ装置に対して処理要求を送信し且つ前記サーバ装置から該処理要求に応じた処理応答を受信するクライアント装置との間で通信を中継する情報処理装置における情報処理方法であって、前記クライアント装置から中継受信した処理要求から、キーワードを検出するキーワード検出工程と、前記サーバ装置から中継受信した該処理要求に応じた処理応答から、アクセス履歴情報を抽出する履歴情報抽出工程と、前記キーワードと前記アクセス履歴情報とを関連づけて記録する履歴記録工程とを有するように構成することができる。
【0023】
また、上記の目的を達成するために、本発明における情報処理プログラムは、コンピュータに、上記の情報処理方法を実現させるための情報処理プログラムであるように構成することができる。
【0024】
また、上記の目的を達成するために、本発明における記録媒体は、上記の情報処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体ように構成することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、より効果的にWebアクセスに制限をかける情報処理装置、クライアントサーバシステム、情報処理方法、情報処理プログラム及び記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。なお、以降に示す各実施形態では、本発明を情報処理装置の一例である複写機能を備えた複写装置に適用した場合を例に説明を行うが、この場合に限らないものとする。
【0027】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜10を用いて説明する。
【0028】
(システム概要)
図1は、本発明におけるWebアクセス履歴記録システムの概要を示す図である。図1において、Webアクセス履歴記録システム1は、LAN等のネットワークを介して接続されたPC(クライアント)10及び複写装置(サーバ)20と、ルータ40を介して接続されたインターネット等の外部ネットワーク上のWebサーバ30等により構成される。
【0029】
PC10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えた一般的なコンピュータ装置である。
【0030】
複写装置20は、複写機能を備えた情報処理装置である。
【0031】
Webサーバ30は、PC10等のクライアント装置に対してWebサービスを提供する一般的なサーバ装置であるが、この場合に限らない。検索サービスを提供する検索サーバであってもよい。
【0032】
ルータ40は、PC10及び複写装置20と外部ネットワーク(図1ではインターネット)とを中継する機器である。
【0033】
以上のシステム構成により、本発明におけるWebアクセス履歴記録システム1では、ルータ4にてアクセス制限が設定される。図1の例では、ルータ4では、IPアドレスが192.168.0.11からのアクセスは許可し、192.168.0.12からのアクセスは拒否するように設定されている。
【0034】
このとき、例えばPC10がHTTPプロトコルでWebサーバ30にアクセスしようとした場合、そのリクエスト(HTTP要求)をルータ40に直接転送した場合には外部ネットワークへのアクセスは拒否される。一方、アクセスが許可された複写装置20を経由するとHTTPプロトコルでWebサーバ30へのアクセスが可能になる。
このように、複写装置20をPC10の代理サーバとして構成することで安価にアクセス制御を提供することができる。
【0035】
(機能構成)
図2は、実施形態1に係るWebアクセス履歴記録システムの機能構成例を示す図である。図2では、図1のPC10及び複写装置20で構成されるクライアントサーバシステムの機能構成の一例を示している。
【0036】
図2において、PC10は、HTTP要求生成部101、HTTP要求送信部102、HTTP応答受信部103、(HTTP応答)表示部104を有する。また、複写装置20は、HTTP要求受信部201、HTTP要求解析部202、HTTP要求転送部203、HTTP応答受信部204、HTTP応答解析部205、HTTP応答転送部206、解析結果(履歴)格納部251を有する。
【0037】
HTTP要求生成部101は、例えばPC10上で動作するWebブラウザ上で入力された情報(例えばWebサーバ30を特定するURL情報)に基づき、HTTP要求を生成する。
【0038】
HTTP要求送信部102は、HTTP要求生成部101で生成されたHTTP要求を代理サーバとしての複写装置20に対して送信する。
【0039】
HTTP応答受信部103は、後述のHTTP応答転送部206から転送されたHTTP応答を受信する。表示部104は、当該PC10の表示装置などに対して画面表示を行う。ここでは、特にHTTP応答受信部103により受信したHTTP応答で示される内容を画面表示する。
【0040】
HTTP要求受信部201は、PC10(HTTP要求送信部102)からHTTP要求を中継受信する。
【0041】
HTTP要求解析部202は、HTTP要求受信部201により中継受信したHTTP要求を解析する。例えばHTTP要求から所定のキーワードを検出するキーワード検出手段である。なお、解析結果(検出されたキーワードなど)は後述する解析結果(履歴)格納部251に格納される。
【0042】
HTTP要求転送部203は、HTTP要求解析部202により解析されたHTTP要求を要求先の装置(例えばルータ40を介してネットワーク接続されたWebサーバ30)に転送する。
【0043】
HTTP応答受信部204は、前述したHTTP要求転送部203により転送されたHTTP要求に応じて要求先の装置(例えばルータ40を介してネットワーク接続されたWebサーバ30)で生成されたHTTP応答を中継受信する。
【0044】
HTTP応答解析部205は、HTTP応答受信部204により中継受信したHTTP応答を解析する。例えばHTTP応答からWebアクセスの履歴情報を抽出する履歴情報抽出手段である。なお、解析結果(Webアクセスの履歴情報など)は後述する解析結果(履歴)格納部251に格納される。
【0045】
HTTP応答転送部206は、HTTP応答解析部205により解析されたHTTP応答をPC10に対して転送する。
【0046】
解析結果(履歴)格納部251は、前述したHTTP要求解析部202及びHTTP応答解析部205により解析された解析結果(例えばキーワード、Webアクセスの履歴情報など)を格納する履歴情報格納手段である。
【0047】
以上の機能の構成により、本実施形態1におけるPC10及び複写装置20で構成されるクライアントサーバシステムでは、複写装置20が、ネットワーク上のWebサーバ30と、Webサーバ30に対してHTTP要求を送信し且つWebサーバ30から該HTTP要求に応じたHTTP応答を受信するPC10との間で通信を中継している。
【0048】
(動作例1)
図3は、実施形態1に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例1を示す図である。
【0049】
ここでは、当該システムの第1の動作例として、PC10がHTTP要求を生成して(図3のステップS1)、該HTTP要求に基づくHTTP応答を受信して表示する(図3のステップS9)までの動作を例に説明を行う。なお、生成されるHTTP要求は、所定の検索キーワードに基づく検索要求であり、Webサーバ30は検索要求に応じた検索結果を提供する検索サーバであるものとして説明する。
【0050】
まず、PC10は、HTTP要求を生成する(S1)。ここではPC10上で動作するWebブラウザ上で、所定の検索キーワード及びWebサーバ30を特定するURLが入力される。そうすると、HTTP要求生成部101は、入力された情報に基づき、HTTP要求(HTTP要求データ)を生成する。図4にHTTP要求データの一例を示す。図4では、検索キーワードが「security」であり、URLが「http://www.xxx.co.jp」である場合のHTTP要求を示している。
【0051】
次に、PC10は、複写装置20に対してHTTP要求を送信する(S2)。ここでは、HTTP要求送信部102は、ステップS1で生成されたHTTP要求をHTTP要求受信部201に対して送信する。
【0052】
ステップS3へ移って、HTTP要求を受信した複写装置20は、HTTP要求からキーワードを検出して保存する(S3)。ここでは、HTTP要求解析部202は、ステップS2で中継受信したHTTP要求からキーワード(ここでは検索キーワード)を検出する。さらに、解析結果格納部251に格納(保存)する。
【0053】
続いてステップS4へ移って、複写装置20は、Webサーバ30に対してHTTP要求を転送する(S4)。ここでは、HTTP要求転送部203は、ステップS2で中継受信したHTTP要求を、ルータ40を介してWebサーバ30に対して転送する。
【0054】
ステップS5へ移って、HTTP要求を受信したWebサーバ30は、HTTP要求に基づきHTTP応答を生成する(S5)。ここでは、Webサーバ30がHTTP要求を解析してHTTP要求(検索キーワード)に応じたHTTP応答(検索結果のURLのリスト)を生成する。図5は、HTTP応答データの一例である。図5では、検索キーワード「security」に基づいて検索を行った検索結果のURLのリスト(<a href="http://www.xxx.com/japan/security/default.mspx">が示されている。
【0055】
続いてステップS6へ移って、Webサーバ30は、ステップS5で生成したHTTP応答を複写装置20に対して送信する(S6)。ここでは、HTTP応答受信部204が、Webサーバ30から送信されたHTTP応答を中継受信する。
【0056】
ステップS7へ移って、HTTP応答を中継受信した複写装置20は、受信したHTTP応答からURLを抽出して保存する(S7)。ここでは、HTTP応答解析部205は、ステップS6で受信したHTTP回答を解析して検索結果の所在を示すURL情報(ここでは、<a href="http://www.xxx.com/japan/security/default.mspx">)を抽出する。さらに、解析結果格納部251に格納(保存)する。なお、URL情報を格納する際には、ステップS3で格納したキーワードとURL情報とを関連づけて記録する。これにより、図6に示すように、複写装置20の解析結果格納部251にはキーワードとURL情報とが関連づけられて格納される。図6は、実施形態1の動作例1に係るWebアクセス履歴記録システムを説明するための図である。
【0057】
なお、ステップS7では、Webサーバ30が一般的なWebサーバである場合には、Webアクセスの履歴情報を抽出して保存してもよいものとする。この場合にも同様にキーワードとWebアクセスの履歴情報とを関連づけて格納する。
【0058】
続いてステップS8へ移って、複写装置20は、PC10に対してHTTP応答を転送する(S8)。ここでは、HTTP回答転送部206は、ステップS6で中継受信したHTTP回答をHTTP回答受信部103に対して転送する。
【0059】
ステップS9へ移って、HTTP応答を受信したPC10は、HTTP応答を解析(表示)する(S9)。ここでは、表示部104は、ステップS8で受信したHTTP回答に基づいて、検索結果のURLのリストを画面表示する。
【0060】
以上で示される処理により、動作例1では、複写装置20は、PC10から中継受信したHTTP要求からキーワードを検出し(図3のステップS3)、Webサーバ30から中継受信した該HTTP要求に応じたHTTP応答から検索結果の所在を示すURL情報(又はWebアクセスの履歴情報)を抽出し、抽出したキーワードとURL情報(又はWebアクセスの履歴情報)とを関連づけて記録する(図3のステップS7)動作を行う。そのため、ユーザが検索で得たURL情報を記録することが可能になる。また、ユーザが入力した検索キーワードと検索結果のURLを関連づけることにより、個々のURLに対するユーザの興味を評価可能にすることができる。
【0061】
(動作例2)
図7は、実施形態1に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例2を示す図である。ここでは、図6のように、予め複写装置20にはキーワードとURL情報が関連づけて記録されているものとする。このとき、PC10がHTTP要求を生成して(図7のステップS1)、該HTTP要求に基づくHTTP応答を受信して表示する(図7のステップS9)までの動作を例に説明を行う。なお、ここで生成されるHTTP要求は、Webサーバ30のURLに対するアクセス要求であり、Webサーバ30は一般的なWebサーバであるものとして説明する。
【0062】
まず、PC10は、HTTP要求を生成する(S11)。ここでは、まず、PC10上で動作するWebブラウザ上に表示された例えば検索結果のURL情報の内のWebサーバ30のURLがユーザにより指定される。HTTP要求生成部101は、指定された情報に基づき、HTTP要求(HTTP要求データ)を生成する。図8にHTTP要求データの一例を示す。図8では、所定のURL「http://www.xxx.co.jp」に対して画面取得要求を行う際のHTTP要求を示している。
【0063】
次に、PC10は、複写装置20に対してHTTP要求を送信する(S12)。ここでは、HTTP要求送信部102は、ステップS11で生成されたHTTP要求をHTTP要求受信部201に対して送信する。
【0064】
ステップS13へ移って、HTTP要求を中継受信した複写装置20は、HTTP要求からキーワードを検出して照合する(S13)。ここでは、HTTP要求解析部202は、ステップS12で中継受信したHTTP要求からキーワード(ここではURL)を検出し、さらに、検出したキーワード(URL)を解析結果格納部251に格納(保存)されたURL情報と照合する。
【0065】
ステップS14へ移って、複写装置20は、ステップS13で検出されたキーワード(ここではURL)を評価する(S14)。ここでは、HTTP要求解析部202は、ステップS13での照合結果、検出したキーワード(URL)と一致するURL情報が解析結果格納部251に記録されているか否かを評価する。記録されていると評価(判定)すると、後述するステップS19に係る処理を行う。
【0066】
続いてステップS15へ移って、複写装置20は、Webサーバ30に対してHTTP要求を転送する(S15)。ここでは、HTTP要求転送部203は、ステップS12で中継受信したHTTP要求を、ルータ40を介してWebサーバ30に対して転送する。
【0067】
ステップS16へ移って、HTTP要求を受信したWebサーバ30は、HTTP要求に基づきHTTP応答を生成する(S16)。ここでは、Webサーバ30がHTTP要求を解析してHTTP要求に応じたHTTP応答を生成する。
【0068】
続いてステップS17へ移って、Webサーバ30は、ステップS5で生成したHTTP応答を複写装置20に対して送信する(S17)。ここでは、HTTP応答受信部204が、Webサーバ30から送信されたHTTP応答を中継受信する。
【0069】
ステップS18へ移って、HTTP応答を受信した複写装置20は、受信したHTTP応答からURLを抽出して保存する(S18)。ここでは、HTTP応答解析部205は、ステップS17で受信したHTTP回答を解析してWebアクセス履歴の情報を抽出する。さらに、解析結果格納部251に格納(保存)する。なお、Webアクセス履歴の情報を格納する際には、ステップS13で抽出したキーワードと関連づけて記録する。
【0070】
ステップS19へ移って、前述したステップS14で記録されていると評価した場合には、複写装置20は、ステップS17で受信したHTTP応答に警告タグ等のタグデータを挿入(付加)する(S19)。ここでは、HTTP応答解析部205は、キーワードが特定の用語を含む場合にWebサーバ30から送信されたHTTP応答に任意のHTMLタグデータ(例えば、<img border="0" src="./warning.gif" width="100" height="50" alt="warning">等の警告タグデータ)を挿入する。これにより、後にこのHTTP応答がPC10上に画面表示される際に注意を喚起することが可能になる。以降、画面表示されるHTTP応答データ、即ちWebページ、の例について図9及び図10を用いて説明する。
【0071】
図9は、実施形態1の動作例2に係るHTTP応答データの一例である。図9では、予め指定した間隔でタグデータが挿入されている。そのため、例えば画面表示されたWebページを印刷する際に、ユーザはタグデータを目印にして印刷する範囲を指定すること等が可能になる。
【0072】
従来、一つのWebページが長い場合でも通常印刷する場合は全部印刷してしまい、複数ページ印刷してしまうことがある。しかし、本当に必要なのはその一部ということも少なくない。このような場合、タグを目印に印刷することで必要な部分のみ印刷することが可能になる。HTMLコンテンツの途中に一定の間隔でタグを挿入する。ユーザはPC10上でWebページを確認すると共に、印刷する場合に付加されたタグを指定することで印刷の範囲を指定できるように構成する。この例の場合、タグ2とタグ3との間にキーワードがあり、印刷時にタグを入力させる画面を表示するように構成し、ユーザがタグ2とタグ3を指定することで、ユーザがほしい部分のデータを印刷することもできる。
【0073】
図10は、実施形態1の動作例2に係るHTTP応答データの別の例である。図10では、キーワードが現れる箇所(又はその近傍)にタグデータが挿入されている。そのため、例えば画面表示されたWebページから、ユーザはタグデータを目印にしてキーワードの発見をすることが容易になる。
【0074】
図7に戻り、ステップS20へ移って、複写装置20は、PC10に対してHTTP応答を転送する(S20)。ここでは、HTTP回答転送部206は、ステップS17で中継受信したHTTP回答をHTTP回答受信部103に対して転送する。
【0075】
ステップS21へ移って、HTTP応答を受信したPC10は、HTTP応答を解析(表示)する(S21)。ここでは、表示部104は、ステップS20で受信したHTTP回答に基づいて画面表示を行う。特にステップS19でタグデータが挿入された場合には、挿入されたタグデータに対応する例えば警告画像等の画面も表示される。
【0076】
以上で示される処理により、動作例2に係るWebアクセス履歴記録システムでは、複写装置20は、PC10から中継受信したWebサーバ30に対するHTTP要求に、解析結果格納部251に格納された情報と一致する情報がある場合、所定のタグデータを挿入する。
【0077】
そのため、ユーザが入力したキーワード(ここではURL)を評価し、その結果に対して適切なタグデータを挿入することで、ユーザに注意を喚起することが可能になる。例えば禁止語を含むキーワードで検索されたURLに対しては、禁止語を含むことを警告することで、不正アクセスを抑止する利点がある。また、ユーザが入力した検索キーワードからWebの利用目的を推測しサーバへのアクセスを制限することができるようにしている。
【0078】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態について図11〜14を用いて説明する。なお、実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムのシステム概要は前述した実施形態1(図1参照)と同様であるとしてここでは説明を省略する。
【0079】
(機能構成)
図11は、実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの機能構成例を示す図である。図11では、図1のPC10及び複写装置20で構成されるクライアントサーバシステムの機能構成の一例を示している。
【0080】
なお、図11に示す機能構成は、PC10が印刷指示入力部111、印刷制御部112、印刷指示送信部113を有し、複写装置20が印刷指示受信部211、印刷制御部212、印刷履歴格納部252を有する点が前述した実施形態1に係る機能構成と異なるので、ここでは、これらの各部について説明を行う。
【0081】
印刷指示入力部111は、印刷指示を入力する。例えばPC10上で動作するWebブラウザ上で表示された画面の印刷指示をユーザの操作等により入力する。
【0082】
印刷制御部112は、印刷指示入力部111により入力された印刷指示に基づいて複写装置20に送信すべき印刷命令(及び印刷データ)の作成等印刷に係る制御を行う。例えばプリンタドライバなどである。
【0083】
印刷命令送信部113は、印刷制御部112により生成された印刷命令を複写装置20に対して送信する。
【0084】
印刷命令受信部211は、PC10から印刷命令を受信する。
【0085】
印刷制御部212は、印刷命令受信部211により受信した印刷命令に基づき、当該複写装置20が備える複写機能を用いて印刷出力を行う等印刷に係る制御を行う。
【0086】
印刷履歴格納部252は、印刷制御部212により印刷出力が行われた場合の印刷履歴(例えば印刷するデータが所定のWebページである場合には該WebページのURLの履歴など)を格納する。
【0087】
以上の機能の構成により、PC10及び複写装置20で構成されるクライアントサーバシステムでは、前述の実施形態1に加えて、さらに、複写装置20は、PC10から受信した印刷命令に基づき印刷処理を行う。
【0088】
(動作例1)
図12は、実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例1を示す図である。ここでは、当該システムの第1の動作例として、PC10が表示装置上に表示されたWebページを印刷する印刷命令を生成して複写装置20に送信し、複写装置20が受信した印刷命令に基づき印刷を行う動作を例に説明を行う。
【0089】
まず、PC10は、印刷指示を入力する(S31)。ここではPC10上で動作するWebブラウザ上に表示されたWebページの印刷指示がユーザ操作等により入力される。そうすると、印刷指示入力部111は、印刷指示を入力する。
【0090】
続いてステップS32へ移って、PC10は、印刷対象データに警告タグデータがあるか否かを判定する(S32)。ここでは、印刷制御部112は、印刷対象データであるWebページのデータを印刷対象データとして取得し、取得した印刷対象データに警告タグデータが含まれているか否かを判定する。
【0091】
ステップS32において警告タグデータがある場合(S32、YES)、ステップS33へ移って、PC10は、警告表示を行い(S33)、その後印刷中止する(S34)。
【0092】
ステップS32において警告タグデータがない場合(S32、NO)、ステップS35へ移って、PC10は、印刷指示及び印刷対象データに基づき生成した印刷命令を複写装置20に対して送信する(S35)。続いてステップS36へ移って、印刷命令を受信した複写装置20は、印刷を実行し(S36)、印刷履歴を保存する(S37)。
【0093】
以上に示される処理により、PC10が表示装置上に表示されたWebページを印刷する印刷命令を生成して複写装置20に送信し、複写装置20が受信した印刷命令に基づき印刷を行う。
【0094】
ここで、ステップS32に係る処理により、PC10は印刷対象データに複写装置20で挿入された警告タグデータなどのHTMLタグデータが存在した場合には印刷しないように評価している。これにより、不要な印刷を抑制することができる。
【0095】
(動作例2)
図13は、実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例2を示す図である。ここでは、当該システムの第2の動作例として、前述の動作例1に加えて、PC10が印刷命令を複写装置20に送信する際に、印刷命令と共に送信する印刷データに印刷しようとしているWebページのURLを付加する動作の例について説明する。
【0096】
なお、予め複写装置20の印刷履歴格納部252には過去に印刷したURLの履歴情報が保存されるように構成する。このとき、印刷時に印刷データに付加したURLと印刷履歴格納部252に格納されたURLの履歴情報とを照合し、一致した場合には過去に印刷済であるとしてユーザに対して警告を発行するように構成する。
【0097】
まず、PC10は、印刷指示を入力する(S41)。ここではPC10上で動作するWebブラウザ上に表示されたWebページの印刷指示がユーザ操作等により入力される。そうすると、印刷指示入力部111は、印刷指示を入力する。
【0098】
続いてステップS42へ移って、PC10は、印刷データにURLを付加する(S42)。ここでは、印刷制御部112は、Webページのデータを印刷対象データとして取得し、取得した印刷対象データに当該WebページのURLを付加した印刷データを生成する。
【0099】
ステップS43へ移って、PC10は、印刷指示等に基づき生成した印刷命令を複写装置20に対して送信する(S43)。続いてステップS44へ移って、印刷命令を受信した複写装置20は、ステップS42で印刷データに付加されたURLが過去の印刷履歴にないか否かを判定する(S44)。ここでは、印刷制御部212が、受信した印刷データに付加されたURLと印刷履歴格納部252に格納されたURLの履歴情報とを照合することにより判定する。
【0100】
ステップS44において、過去の印刷履歴にない場合(S44、YES)、ステップS45へ移って、印刷命令を受信した複写装置20は、印刷を実行し(S45)、印刷履歴を保存する(S46)。
【0101】
ステップS44において、過去の印刷履歴にある場合(S44、NO)、ステップS47へ移って、複写装置20は、警告を促す表示指示などをPC10に対して行い(S47)、
ステップS48へ移って、PC10は、警告表示を行い(S48)、その後印刷中止する(S49)。
【0102】
以上に示される処理により、複写装置20は、印刷時に印刷データに付加したURLと印刷履歴格納部252に格納されたURLの履歴情報とを照合し、一致した場合にはユーザに対して警告を発行する動作を行っている。そのため、過去に印刷したURLと同じURLのページを印刷しようとした場合にユーザに警告して不要な印刷を抑止することができる。
【0103】
(動作例3)
図14は、実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例3を示す図である。ここでは、当該システムの第3の動作例として、前述した図9のように予め指定した間隔でタグデータが挿入されているWebページを印刷する場合に、印刷の範囲の指定をタグデータの指定により行う動作の例について説明する。
【0104】
まず、PC10は、印刷指示を入力する(S51)。ここではPC10上で動作するWebブラウザ上に表示されたWebページの印刷指示がユーザ操作等により入力される。そうすると、印刷指示入力部111は、印刷指示を入力する。
【0105】
次にステップS52へ移って、PC10は、印刷領域指示画面を表示する(S52)。ここでは、表示部104は、印刷領域をタグなどにより指定する指示入力を促す画面を表示する。図9の例では、タグ2とタグ3の間にキーワードがあり、ユーザがタグ2とタグ3を指定することができる。
【0106】
続いてステップS53へ移って、PC10は、印刷領域指示が未入力か否かを判定する(S53)。ここでは、印刷指示入力部111は、ステップS52で表示された印刷領域指示画面上でユーザにより印刷領域の指示入力がされたか否かを判定する。
【0107】
ステップS53において、未入力の場合(S53、YES)、ステップS53へ戻って、PC10は入力を待つ。ステップS53において、入力された場合(S53、NO)、ステップS54へ移って、PC10は、印刷指示等に基づいて生成した印刷命令を複写装置20に対して送信する(S54)。
【0108】
ステップS55へ移って、印刷命令を受信した複写装置20は、印刷を実行し(S55)、印刷履歴を保存する(S56)。
【0109】
以上に示される処理により、複写装置20は、図9のように予め指定した間隔でタグデータが挿入されているWebページを印刷する場合に、印刷の範囲の指定をタグデータの指定により行う。
【0110】
そのため、タグデータ(タグ)を目印に印刷することで必要な部分のみ印刷することが可能になり、Webページの印刷において省資源化などを実現することができる。
【0111】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について図15〜17を用いて説明する。なお、実施形態3に係るWebアクセス履歴記録システムのシステム概要は前述した実施形態1(図1参照)と同様であるとしてここでは説明を省略する。
【0112】
(機能構成)
図15は、実施形態3に係るWebアクセス履歴記録システムの機能構成例を示す図である。図15では、図1におけるPC10及び複写装置20で構成されるクライアントサーバシステムの機能構成の例について説明する。
【0113】
なお、図15に示す機能構成は、複写装置20がアクセス制御情報格納部253を有する点が前述した実施形態2に係る機能構成と異なるので、ここでは、アクセス制御情報格納部253について説明を行う。
【0114】
アクセス制御情報格納部253は、Webアクセスを制御するアクセス制御情報を格納する。アクセス制御情報とは、例えば許可キーワード、禁止キーワード、禁止クライアントリストなどである。許可キーワードは、Webアクセスを許可するキーワード、禁止キーワードは、Webアクセスを禁止するキーワード、禁止クライアントリストは、Webアクセスを禁止するPC10等のクライアント装置のリストである。
【0115】
以上の機能の構成により、PC10及び複写装置20で構成されるクライアントサーバシステムでは、前述の実施形態2に加えて、さらに、複写装置20は、PC10から受信したHTTP要求から検出したキーワードと、アクセス制御情報格納部253に格納されたアクセス制御情報等とを照合してWebアクセスを制御する。
【0116】
図16は、実施形態3に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例を示す図である。
【0117】
ここでは、当該システムの動作例として、複写装置20がPC10から受信したHTTP要求から検出したキーワードに応じて、Webアクセスを制御する動作を例に説明を行う。
【0118】
なお、HTTP要求から検出したキーワードとは、ここでは検索要求から検出した検索キーワードであるものとして説明する。また、図17に示すように、予めアクセス制御情報格納部253には、許可キーワード、禁止キーワードが格納されているものとする。図17は、実施形態3の動作例に係るWebアクセス履歴記録システムを説明するための図である。
【0119】
まず、PC10は、HTTP要求を生成する(S61)。ここではPC10上で動作するWebブラウザ上で、所定の検索キーワード及びWebサーバ30を特定するURLが入力される。そうすると、HTTP要求生成部101は、入力された情報に基づき、HTTP要求(HTTP要求データ)を生成する。
【0120】
次に、PC10は、複写装置20に対してHTTP要求を送信する(S62)。ここでは、HTTP要求送信部102は、ステップS61で生成されたHTTP要求をHTTP要求受信部201に対して送信する。
【0121】
ステップS63へ移って、HTTP要求を受信した複写装置20は、HTTP要求からキーワードを検出して照合する(S63)。ここでは、HTTP要求解析部202は、ステップS62で中継受信したHTTP要求からキーワード(ここでは検索キーワード)を検出する。さらに、検出したキーワードと、アクセス制御情報格納部253に格納された許可キーワード又は禁止キーワードと照合する。
【0122】
ステップS64へ移って、複写装置20は、ステップS63で検出されたキーワードは許可されたものであるか否かを判定する(S64)。ここでは、HTTP要求解析部202は、ステップS63での照合結果、検索キーワード(URL)と一致する許可キーワードがあるか否かを評価する。なお、検索キーワードと一致する禁止キーワードがないか否かを評価することもできる。
【0123】
ステップS64において、許可されたものである場合(S64、YES)、ステップS65へ移る。また、ステップS64において許可されたものでない場合(S64、NO)、ステップS71へ移る。
【0124】
ステップS65へ移った場合、複写装置20は、Webサーバ30に対してHTTP要求を転送する(S65)。ここでは、HTTP要求転送部203は、ステップS62で中継受信したHTTP要求を、ルータ40を介してWebサーバ30に対して転送する。
【0125】
ステップS66へ移って、HTTP要求を受信したWebサーバ30は、HTTP要求に基づきHTTP応答を生成する(S66)。ここでは、Webサーバ30がHTTP要求を解析してHTTP要求(検索キーワード)に応じたHTTP応答(検索結果のURLのリスト)を生成する。
【0126】
続いてステップS67へ移って、Webサーバ30は、ステップS66で生成したHTTP応答を複写装置20に対して送信する(S67)。ここでは、HTTP応答受信部204が、Webサーバ30から送信されたHTTP応答を中継受信する。
【0127】
ステップS68へ移って、HTTP応答を中継受信した複写装置20は、受信したHTTP応答からURLを抽出して保存する(S68)。ここでは、HTTP応答解析部205は、ステップS67で受信したHTTP回答を解析して検索結果の所在を示すURL情報を抽出する。さらに、解析結果格納部251に格納(保存)する。なお、URL情報を格納する際には、ステップS63で格納したキーワードとURL情報とを関連づけて記録する。
【0128】
続いてステップS69へ移って、複写装置20は、PC10に対してHTTP応答を転送する(S69)。ここでは、HTTP回答転送部206は、ステップS67で中継受信したHTTP回答をHTTP回答受信部103に対して転送する。
【0129】
ステップS70へ移って、HTTP応答を受信したPC10は、HTTP応答を解析(表示)する(S70)。ここでは、表示部104は、ステップS8で受信したHTTP回答に基づいて、検索結果のURLのリストを画面表示する。
【0130】
ステップS71へ移った場合、複写装置20は、PC10に対してアクセス中止の旨を送信する(S71)。ここでは、HTTP回答転送部206は、アクセス中止の警告画面を表示する旨の指示などをPC10に対して送信する。
【0131】
ステップS72へ移って、アクセス中止の旨を受信したPC10は、警告表示を行い(S72)、その後アクセス中止(破棄)する(S73)。
【0132】
以上で示される処理により、複写装置20は、PC10から受信したHTTP要求から検出したキーワードに応じて、Webアクセスを制御する動作を行う。そのため、許可キーワード又は禁止キーワードを用いて不要なアクセスを抑止することができる。
【0133】
なお、アクセス制御情報格納部253に格納される許可キーワード又は禁止キーワードについて以下に補足する。
【0134】
図17に示すように、禁止キーワードに従って検索されたURLは禁止URLとして保存されるように構成することもできる。このとき、PC10から禁止キーワードで取得されたURLでアクセスしようとした場合、複写装置20においてキーワードと照合が行われ、もし、一致した場合は検索を実行できないように構成する。
【0135】
同様に、許可キーワードに従って検索されたURLは許可URLとして保存されるように構成することもできる。このとき、PC10から検索結果のURLで所定のサーバへのアクセスを行った場合、アクセス許可の記録があるURLのみアクセスが可能なように構成することもできる。
【0136】
また、このようなアクセス制御情報格納部253に格納される禁止キーワード又は許可キーワードは、インターネット等のネットワークのサーバから自動的にダウンロードするように構成することもできる。これにより、禁止キーワードをインターネット上のサーバから自動で構成することでキーワードの入力を容易にすることができる。一般的にインターネット上の情報は変化が早く、ユーザの興味もそれにつれて変化する。これをサーバの管理者が逐次設定するのは大変であるが、インターネット上のサーバからダウンロードすることで管理が容易になる。特に、インターネット上の検索キーワードのランクを公表しているようなサイトを参照することで設定はより容易になる。
【0137】
また、禁止キーワードで検索されたURLでアクセスした場合は、アクセスを破棄するとともに、そのPCを複写装置20のアクセス制御情報格納部253の(アクセス)禁止クライアントリストに登録し、その後同一のPCからのWebアクセスを一定時間禁止するように構成することもできる。
【0138】
(まとめ)
本発明における情報処理装置、情報処理装置が上記の各機能を実現する情報処理方法、コンピュータに、該情報処理方法を実現させるための情報処理プログラム、該情報処理プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体によれば、より効果的にWebアクセスに制限をかけることができる。
【0139】
なお、上記の説明においては、各装置間で通信されるデータは、HTTPプロトコルを用いたHTTP要求、HTTP応答であったが、この場合に限らないものとする。その他の処理要求、処理応答であってもよい。
【0140】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記各実施形態にあげたその他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】本発明におけるWebアクセス履歴記録システムの概要を示す図である。
【図2】実施形態1に係るWebアクセス履歴記録システムの機能構成例を示す図である。
【図3】実施形態1に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例1を示す図である。
【図4】実施形態1の動作例1に係るHTTP要求データの一例である。
【図5】実施形態1の動作例1に係るHTTP応答データの一例である。
【図6】実施形態1の動作例1に係るWebアクセス履歴記録システムを説明するための図である。
【図7】実施形態1に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例2を示す図である。
【図8】実施形態1の動作例2に係るHTTP要求データの一例である。
【図9】実施形態1の動作例2に係るHTTP応答データの一例である。
【図10】実施形態1の動作例2に係るHTTP応答データの別の例である。
【図11】実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの機能構成例を示す図である。
【図12】実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例1を示す図である。
【図13】実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例2を示す図である。
【図14】実施形態2に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例3を示す図である。
【図15】実施形態3に係るWebアクセス履歴記録システムの機能構成例を示す図である。
【図16】実施形態3に係るWebアクセス履歴記録システムの動作例を示す図である。
【図17】実施形態3の動作例に係るWebアクセス履歴記録システムを説明するための図である。
【符号の説明】
【0142】
1 Webアクセス履歴記録システム
10 PC(クライアント)
20 複写装置(サーバ)
101 HTTP要求生成部
102 HTTP要求送信部
103 HTTP応答受信部
104 (HTTP応答)表示部
111 印刷指示入力部
112 印刷制御部
113 印刷指示送信部
201 HTTP要求受信部
202 HTTP要求解析部
203 HTTP要求転送部
204 HTTP応答受信部
205 HTTP応答解析部
206 HTTP応答転送部
211 印刷指示受信部
212 印刷制御部
251 解析結果(履歴)格納部
252 印刷履歴格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサーバ装置と、該サーバ装置に対して処理要求を送信し且つ前記サーバ装置から該処理要求に応じた処理応答を受信するクライアント装置との間で通信を中継する情報処理装置であって、
前記クライアント装置から中継受信した処理要求から、キーワードを検出するキーワード検出手段と、
前記サーバ装置から中継受信した該処理要求に応じた処理応答から、アクセス履歴情報を抽出する履歴情報抽出手段と、
前記キーワードと前記アクセス履歴情報とを関連づけて記録する履歴記録手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記キーワード検出手段は、前記クライアント装置から中継受信した所定の検索キーワードに基づく検索要求から、前記所定の検索キーワードを前記キーワードとして検出し、
前記履歴情報抽出手段は、前記サーバ装置から中継受信した該検索要求に応じた検索結果から、該検索結果の所在を示すURL情報を前記アクセス履歴情報として抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記クライアント装置から所定のURLに対する処理要求を中継受信した場合に、前記所定のURLが前記履歴記録手段に記録されている否かを判定するURL情報判定手段と、
前記URL情報判定手段により記録されていると判定されると、前記処理要求に応じて前記サーバ装置から中継受信した処理応答に、タグデータを付加するタグデータ付加手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記クライアント装置から所定の印刷データの印刷要求を受信した場合に、受信した印刷データに付加されたタグデータに応じて、印刷可否を判定する印刷可否判定手段と、
前記印刷可否判定手段により印刷が可能であると判定されると、前記印刷要求に基づく印刷出力を行う印刷制御手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
印刷を禁止するための印刷禁止タグデータを予め保持するタグデータ保持手段をさらに有し、
前記印刷可否判定手段は、前記クライアント装置から受信した印刷データに付加されたタグデータが前記タグデータ保持手段により保持されている場合、該印刷要求に基づく印刷出力を中止することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記タグデータ付加手段は、前記処理応答において予め指定した間隔でタグデータを付加することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記タグデータ付加手段は、前記処理応答において前記検索キーワードが現れる箇所に前記タグデータを付加することを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記キーワード検出手段により検出されたキーワードが予め指定された許可キーワード又は禁止キーワードに一致するとき、前記クライアント装置から中継受信した処理要求を前記サーバ装置に対して転送する動作を許可又は禁止する中継制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記中継制御手段は、前記キーワード検出手段により検出されたキーワードが、予め指定された禁止キーワードに一致するとき、さらに、前記クライアント装置をWebアクセス禁止リストに登録することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
当該情報処理装置とネットワークを介して接続され、許可キーワード又は禁止キーワードを保持する外部装置から、前記許可キーワード又は禁止キーワードを取得する動作制御用キーワード取得手段と、
取得した前記許可キーワード又は禁止キーワードを登録する動作制御用キーワード登録手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記処理要求、前記処理応答は、それぞれHTTPプロトコルを用いたHTTP要求、HTTP応答であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ネットワーク上のサーバ装置に対して処理要求を送信し且つ前記サーバ装置から該処理要求に応じた処理応答を受信するクライアント装置と、該クライアント装置と前記サーバ装置の間で通信を中継する中継サーバ装置を有するクライアントサーバシステムであって、
前記中継サーバ装置は、
前記クライアント装置から中継受信した処理要求から、キーワードを検出するキーワード検出手段と、
前記サーバ装置から中継受信した該処理要求に応じた処理応答から、アクセス履歴情報を抽出する履歴情報抽出手段と、
前記キーワードと前記アクセス履歴情報とを関連づけて記録する履歴記録手段と、
を有することを特徴とするクライアントサーバシステム。
【請求項13】
前記キーワード検出手段は、前記クライアント装置から中継受信した所定の検索キーワードに基づく検索要求から、前記所定の検索キーワードを前記キーワードとして検出し、
前記履歴情報抽出手段は、前記サーバ装置から中継受信した該検索要求に応じた検索結果から、該検索結果の所在を示すURL情報を前記アクセス履歴情報として抽出することを特徴とする請求項12に記載のクライアントサーバシステム。
【請求項14】
ネットワーク上のサーバ装置と、該サーバ装置に対して処理要求を送信し且つ前記サーバ装置から該処理要求に応じた処理応答を受信するクライアント装置との間で通信を中継する情報処理装置における情報処理方法であって、
前記クライアント装置から中継受信した処理要求から、キーワードを検出するキーワード検出工程と、
前記サーバ装置から中継受信した該処理要求に応じた処理応答から、アクセス履歴情報を抽出する履歴情報抽出工程と、
前記キーワードと前記アクセス履歴情報とを関連づけて記録する履歴記録工程と、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、請求項14に記載の情報処理方法を実現させるための情報処理プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−70297(P2009−70297A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240096(P2007−240096)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】