説明

情報処理装置、サーバ装置、グループ生成システム、グループ生成方法及びプログラム

【課題】近隣の情報処理装置との間で容易にグループを形成し当該グループ内で容易にデータを交換させること。
【解決手段】携帯端末A及び携帯端末Bは、ハローメッセージによりそれぞれのIDをブロードキャストによりやり取りし、近隣機器リストを生成し、携帯端末Aは、携帯端末Bとの間でのグループの生成を要求するため、携帯端末BのIDを含めたグループリクエストをサーバ20へ送信するとともに、携帯端末Bへ招待状を送信する。携帯端末Bにおいて招待状に対する同意がなされ、グループ参加可能時間内に携帯端末Bからサーバ20へグループリクエストが送信されると、携帯端末Bのグループ参加が確定し、それを示すグループ化通知が携帯端末A及びBへ送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の情報処理装置との間でグループを生成することが可能な情報処理装置、当該情報処理装置におけるグループ生成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の普及や、TransferJet(登録商標)に代表される近接無線通信技術の向上により、例えばイベント会場やパーティ会場等、多くのユーザが集まる場所において、ユーザは、大容量のデータを携帯端末等の情報処理装置間で交換することが可能となっている。
【0003】
また下記非特許文献1のように、どこでも気軽にプロフィールを交換するツールとして「ポーケン」が存在する。このポーケンは、固有のIDを記憶した携帯型のガジェットであり、ユーザのポーケンが他のユーザのポーケンとタッチされると、互いのIDが無線通信により交換される仕組みとなっている。
【0004】
また下記特許文献1には、コンテンツ視聴装置から送信された視聴情報要求に基づいて同一のグループに属するユーザを選別し、選別されたユーザに対応する視聴情報を当該コンテンツ視聴装置に送信するサーバに係る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−124606号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ポーケン、インターネット<URL:http://poken.jp/ja/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のTransferJetやポーケンの技術においては、ユーザは互いのデータを交換するために、その都度明示的に機器をかざす行為が必要となるため、不特定多数のユーザをグループ化して当該グループ内のユーザ間でデータ交換を行うには不便である。
【0008】
また上記特許文献1に記載の技術では、コンテンツ視聴装置間でデータを共有するには必ずサーバを介する必要があり、近隣の機器同士で即座にデータを交換する用途には不向きである。
【0009】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、近隣の情報処理装置との間で容易にグループを形成し当該グループ内で容易にデータを交換させることが可能な情報処理装置、サーバ装置、グループ生成システム、グループ生成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、通信部と制御部とを有する。上記通信部は、ネットワーク上のサーバ装置及び他の情報処理装置と通信する。上記制御部は、所定の無線通信範囲内で、当該情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージをブロードキャストするとともに、上記他の情報処理装置からブロードキャストされた、当該他の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージを受信するように上記通信部を制御する。また制御部は、上記受信された第2のメッセージを基に、上記第1の識別情報及び上記第2の識別情報を含み、上記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージを上記サーバ装置へ送信するように上記通信部を制御する。また制御部は、上記グループへの参加を要求する第4のメッセージを上記他の情報処理装置へ送信するように上記通信部を制御する。さらに制御部は、上記送信された第4のメッセージに応答して上記他の情報処理装置から上記サーバ装置へ送信された、上記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して上記サーバ装置から送信された、上記グループの生成完了を通知する通知情報を受信するように上記通信部を制御する。
【0011】
この構成により情報処理装置は、所定の無線通信範囲内に存在する他の情報処理装置から受信した第2の識別情報と、自らの第1の識別情報とを、第3のメッセージに含めてサーバ装置へグループ生成要求を送信するだけで、当該情報処理装置と他の情報処理装置とを容易にグルーピングすることができる。当該グルーピングにより、情報処理装置と他の情報処理装置との間のアクセスが認証されたこととなり、その後は両者の間で自由なデータの授受が可能となる。
【0012】
上記制御部は、当該情報処理装置の識別情報と、上記第1のメッセージがブロードキャストされる日時のタイムスタンプ情報とを組み合わせて上記第1の識別情報を生成してもよい。
【0013】
これにより情報処理装置は、第1の識別情報にタイムスタンプ情報を含ませることで、当該第1の識別情報をパスワード(キー)として機能させ、自身がその場に存在することを証明し、なりすましを防ぐことができる。
【0014】
上記制御部は、上記第3のメッセージが上記サーバ装置に受信されてから、上記他の情報処理装置からの上記第5のメッセージに上記サーバ装置が応答するまでの制限時間を設定可能であってもよい。
【0015】
これにより情報処理装置は、グループへの参加に制限時間を設けることで、悪意のユーザが不正にグループに参加することを極力防ぐことができる。
【0016】
この場合、上記制御部は、上記設定された制限時間を延長し、または、上記設定時間の経過後に新たな制限時間を設定するための第6のメッセージを上記サーバ装置へ送信するように上記通信部を制御してもよい。
【0017】
これにより情報処理装置は、制限時間の延長または新たな制限時間の設定を行うことで、不正なグループ参加を極力防ぎながらも、善意のユーザを柔軟にグループに参加させることができる。
【0018】
本発明の他の形態に係るサーバ装置は、通信部と制御部とを有する。上記通信部は、第1の情報処理装置及び第2の情報処理装置と通信する。上記制御部は、上記第1の情報処理装置から、当該第1の情報処理装置を識別する第1の識別情報と、上記第2の情報処理装置を識別する第2の識別情報とを含み、当該第1の情報処理装置と当該第2の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第1のメッセージを受信するように上記通信部を制御する。また制御部は、上記第2の情報処理装置から、上記グループへの参加を要求する第2のメッセージを受信し、上記第1の情報処理装置及び上記第2の情報処理装置へ、上記グループの生成完了を通知する通知情報を送信するように上記通信部を制御する。
【0019】
本発明の他の形態に係るグループ生成システムは、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置と、サーバ装置とを有する。
【0020】
上記第1の情報処理装置は、第1の通信部と、第1の制御部とを有する。上記第1の通信部は、上記サーバ装置及び上記第2の情報処理装置と通信する。上記第1の制御部は、所定の無線通信範囲内で、当該第1の情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージをブロードキャストするとともに、上記第2の情報処理装置からブロードキャストされた、当該第2の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージを受信するように上記第1の通信部を制御する。また第1の制御部は、上記受信された第2のメッセージを基に、上記第1の識別情報及び上記第2の識別情報を含み、上記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージを上記サーバ装置へ送信するように上記第1の通信部を制御する。また第1の制御部は、上記グループへの参加を要求する第4のメッセージを上記第2の情報処理装置へ送信するように上記第1の通信部を制御する。さらに第1の制御部は、上記送信された第4のメッセージに応答して上記第2の情報処理装置から上記サーバ装置へ送信された、上記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して上記サーバ装置から送信された、上記グループの生成完了を通知する通知情報を受信するように上記第1の通信部を制御する。
【0021】
上記第2の情報処理装置は、第2の通信部と、第2の制御部とを有する。上記第2の通信部は、上記サーバ装置及び上記第1の情報処理装置と通信する。上記第2の制御部は、上記無線通信範囲内で、上記第1のメッセージを受信するとともに、上記第2のメッセージをブロードキャストするように上記第2の通信部を制御する。また第2の制御部は、上記第1の情報処理装置から上記第4のメッセージを受信し、上記第4のメッセージに応答して上記サーバ装置へ上記第5のメッセージを送信し、上記サーバ装置から上記通知情報を受信するように上記第2の通信部を制御する。
【0022】
上記サーバ装置は、第3の通信部と、第3の制御部とを有する。上記第3の通信部は、上記第1の情報処理装置及び上記第2の情報処理装置と通信する。上記第3の制御部は、上記第1の情報処理装置から上記第3のメッセージを受信し、上記第2の情報処理装置から上記第5のメッセージを受信し、上記第1の情報処理装置及び上記第2の情報処理装置へ上記通知情報を送信するように上記第3の通信部を制御する。
【0023】
本発明のまた別の形態に係るグループ生成方法は、情報処理装置におけるグループ生成方法である。当該グループ生成方法は、所定の無線通信範囲内で、当該情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージをブロードキャストするとともに、上記他の情報処理装置からブロードキャストされた、当該他の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージを受信することを含む。上記受信された第2のメッセージを基に、上記第1の識別情報及び上記第2の識別情報を含み、上記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージが上記サーバ装置へ送信される。さらに、上記グループへの参加を要求する第4のメッセージが上記他の情報処理装置へ送信され、上記送信された第4のメッセージに応答して上記他の情報処理装置から上記サーバ装置へ送信された、上記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して上記サーバ装置から送信された、上記グループの生成完了を通知する通知情報が受信される。
【0024】
本発明のさらに別の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、送受信ステップと、第1の送信ステップと、第2の送信ステップと、受信ステップとを実行させる。上記送受信ステップでは、所定の無線通信範囲内で、当該情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージがブロードキャストされるとともに、上記他の情報処理装置からブロードキャストされた、当該他の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージが受信される。上記第1の送信ステップでは、上記受信された第2のメッセージを基に、上記第1の識別情報及び上記第2の識別情報を含み、上記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージが上記サーバ装置へ送信される。上記第2の送信ステップでは、上記グループへの参加を要求する第4のメッセージが上記他の情報処理装置へ送信される。上記受信ステップでは、上記送信された第4のメッセージに応答して上記他の情報処理装置から上記サーバ装置へ送信された、上記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して上記サーバ装置から送信された、上記グループの生成完了を通知する通知情報が受信される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、近隣の情報処理装置との間で容易にグループを形成し当該グループ内で容易にデータを交換させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るグループ生成システムの概要を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るサーバのハードウェア構成を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る携帯端末のソフトウェア構成を示した図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るサーバのソフトウェア構成を示した図である。
【図6】本発明の一実施形態において、各携帯端末がグループ化されるまでの各端末及びサーバ間のメッセージのやり取りを示したシーケンス図である。
【図7】本発明の一実施形態において、各携帯端末で生成される近隣機器リストの例を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態において、招待状を受信した携帯端末が表示するグループ招待画面の例を示した図である。
【図9】本発明の一実施形態においてやり取りされるメッセージのフォーマットを示した図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るサーバが生成・管理するグループリストの例を示した図である。
【図11】本発明の一実施形態におけるグループ生成処理における携帯端末の動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態におけるグループ生成処理におけるサーバの動作の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態において、携帯端末Aと携帯端末Bとでグループが生成された後、新たに携帯端末Cへグループへの参加が促され、当該参加が成功した場合のメッセージのやり取りを示すシーケンス図である。
【図14】本発明の一実施形態において、携帯端末Aと携帯端末Bとでグループが生成された後、新たに携帯端末Cへグループへの参加が促されたものの、当該参加が失敗した場合のメッセージのやり取りを示すシーケンス図である。
【図15】本発明の一実施形態において携帯端末に表示されるグループ化通知画面の例を示した図である。
【図16】本発明の変形例においてグループ参加可能時間経過後にグループ参加可能時間が再設定される場合の携帯端末の動作の流れを示したフローチャートである。
【図17】本発明の変形例においてグループ参加可能時間経過後にグループ参加可能時間が再設定される場合の各携帯端末及びサーバ間のメッセージのやり取りを示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0028】
[システムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るグループ生成システムの概要を示す図である。同図に示すように、このグループ生成システムは、複数の携帯端末10(10a〜10c、以下、携帯端末A〜Cとも称する)とサーバ20とから構成される。もちろん、携帯端末10の数は3つに限られるものではない。携帯端末とは、例えば携帯電話機、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型AVプレイヤー、電子ブック、電子辞書等である。サーバ20は、インターネット上、または所定のLAN(Local Area Network)上に存在する。
【0029】
各携帯端末10は、例えばイベント会場やパーティ会場等、多くのユーザが集まる場所において、各ユーザに携帯されているものである。
【0030】
各携帯端末10同士は、例えばWi-Fi(登録商標)(IEEE 802.11)、Bluetooth(登録商標)(IEEE 802.15.1)、ZigBee(登録商標)(IEEE 802.15.4)等の無線通信規格に準じて、無線到達範囲W内で、アクセスポイントを用いることなく、直接無線通信を行うことができる。また各携帯端末10は、アクセスポイントを介した上記無線通信や有線通信により上記サーバ20と接続することが可能である。
【0031】
本実施形態において、各携帯端末10は、他の携帯端末10及び上記サーバ20と所定のデータをやりとりすることで、無線到達範囲内において他の携帯端末10との間でグループGを生成することができる。同図では、携帯端末Aと携帯端末Bとがグルーピングされている様子が示されている。当該グループ生成処理の詳細については後述する。
【0032】
[携帯端末のハードウェア構成]
図2は、上記各携帯端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0033】
この携帯端末10は、CPU11、RAM12、フラッシュメモリ13、ディスプレイ14、タッチパネル15、通信部16、外部I/F(インタフェース)17、キー/スイッチ部18及びスピーカ19を有する。
【0034】
CPU11は、携帯端末10の各ブロックと信号をやり取りして各種演算を行い、後述するグループ生成処理等、携帯端末10で実行される処理を統括的に制御する。
【0035】
RAM12は、CPU11の作業領域として用いられ、CPU11が上記グループ生成処理において扱う各種データや、当該グループ生成処理を実行するためのアプリケーション等のプログラムを一時的に格納する。
【0036】
フラッシュメモリ13は、例えばNAND型のものであり、グループ生成処理に必要なデータ、動画や音楽等のコンテンツ、CPU11が実行する制御プログラム及び上記アプリケーション等の各種プログラムを記憶する。またフラッシュメモリ13は、上記アプリケーションが実行される際には、その実行に必要な各種データを上記RAM12へ読み出す。当該各種プログラムは、例えばメモリカード(図示せず)等の他の記録媒体に記憶されていても構わない。また携帯端末10は、当該フラッシュメモリ13に代わる、または追加の記憶装置として、HDD(Hard Disk Drive)を有していてもよい。
【0037】
ディスプレイ14は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-Luminescence Display)であり、後述するように、グループ生成処理を実行するアプリケーションの画面や各種メッセージを表示する。またディスプレイ14はタッチパネル15と一体的に設けられている。タッチパネル15は、上記グループ生成処理の過程やコンテンツのやり取り等において必要なユーザのタッチ操作を検出し、CPU11へ伝える。タッチパネル15の動作方式としては、例えば抵抗被膜方式や静電容量方式が用いられるが、電磁誘導方式、マトリクススイッチ方式、表面弾性波方式、赤外線方式等のその他の方式が用いられてもよい。
【0038】
通信部16は、例えば上記Wi-Fi(登録商標)(IEEE 802.11)、Bluetooth(登録商標)(IEEE 802.15.1)、ZigBee(登録商標)(IEEE 802.15.4)等の無線通信規格に準じた無線通信モジュールである。また携帯端末10は当該無線通信モジュールとは別に、イーサネット(登録商標)等の有線通信によりサーバ20と接続するためのNIC(Network Interface Card)を有していてもよい。
【0039】
外部I/F(インタフェース)17は、例えばUSB(Universal Serial Bus)やHDMI(High-Definition Multimedia Interface)等の各種規格に準じて、メモリカード等の外部機器と接続し、データのやり取りを行う。
【0040】
キー/スイッチ部18は、例えば電源スイッチ、ショートカットキー等、特にタッチパネル15では入力できないユーザの操作等を受け付け、入力信号をCPU11へ伝える。
【0041】
スピーカ19は、上記フラッシュメモリ13等に記憶された、または通信部16、外部I/F17等から入力されたコンテンツ等の音声信号を出力する。
【0042】
[サーバのハードウェア構成]
図3は、本発明の一実施形態に係るサーバ20のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、サーバ20は、CPU21、ROM22(Read Only Memory)、RAM23、入出力インタフェース25、及び、これらを互いに接続するバス24を備える。
【0043】
CPU21は、必要に応じてRAM23等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらサーバ20の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM22は、CPU21に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM23は、CPU21の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0044】
入出力インタフェース25には、表示部26、入力部27、記憶部28、通信部29等が接続される。
【0045】
表示部26は、例えばLCD、OELD、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。当該表示部26は、サーバ20に内蔵されていてもよいし、サーバ20に外部接続されていてもよい。
【0046】
入力部27は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の操作装置である。入力部27がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは表示部26と一体となり得る。
【0047】
記憶部28は、例えばHDDや、フラッシュメモリ、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部28には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。特に本実施形態では、記憶部28には、携帯端末10間のグループ生成処理を制御するためのアプリケーション等のプログラムも記憶される。
【0048】
通信部29は、上記携帯端末10が有するものと同様の無線通信モジュールや、インターネットやLANに有線接続するためのNIC等である。
【0049】
[携帯端末のソフトウェア構成]
図4は、上記携帯端末10が有するソフトウェアの機能ブロックを示した図である。同図に示すように、携帯端末10は、ユーザインタフェース部41、アプリケーション部42、サーバ通信部45、無線通信部46を有する。
【0050】
ユーザインタフェース部41は、ディスプレイ14に、各種操作画面等のユーザインタフェースを表示するとともに、携帯端末10のユーザによる上記タッチパネル15やキー/スイッチ部18に対する操作を検出して、それをアプリケーション部42へ伝える。
【0051】
アプリケーション部42は、ID交換機能43及び招待状送受信機能44を有する。42アプリケーション部42は、これら機能を用いて、携帯端末10を識別するIDや、他の携帯端末10(のユーザ)をグループに招待するための招待状等、様々なタイプのメッセージを、ユニキャストまたはブロードキャストにより送受信する。
【0052】
サーバ通信部45は、上記通信部16と協働して、インターネット上またはLAN上のサーバ20との無線または有線による通信を制御する。無線通信部46は、上記通信部16と協働して、他の携帯端末10との間の上記各無線通信規格に準じた無線通信を制御する。
【0053】
[サーバのソフトウェア構成]
図5は、上記サーバ20が有するソフトウェアの機能ブロックを示した図である。同図に示すように、サーバ20は、アプリケーション部51、端末通信部55及びデータベース56を有する。
【0054】
アプリケーション部51は、タイマー機能52、データ管理機能53及びグルーピング制御機能54を有する。タイマー機能52は、後述するグループ参加可能時間を管理する。データ管理機能53は、データベース56に記憶されている、後述するグループリスト等のデータを管理する。グルーピング制御機能54は、上記タイマー機能52及びデータ管理機能53を用いながら、各携帯端末10によるグループの生成処理、グループへの追加処理、タイマーの延長や再設定等の処理を制御する。
【0055】
端末通信部55は、上記通信部29と協働して、各携帯端末10との間の無線または有線による通信処理を制御する。
【0056】
データベース56は、上記グループリスト等、携帯端末10間のグループ生成処理に必要なデータを記憶する。
【0057】
[グループ生成処理の詳細]
次に、以上のように構成されたグループ生成システムにおける各携帯端末10及びサーバ20の動作について説明する。以降の説明においては、携帯端末10のCPU11及びサーバ20のCPU21を主な動作主体として説明するが、この動作はCPU11、CPU21の制御下において実行される上記各ソフトウェアと協働して行われる。
【0058】
図6は、本実施形態において、各携帯端末10がグループ化されるまでの各端末及びサーバ20間のメッセージのやり取りを示したシーケンス図である。同図では、携帯端末A及びBがグループ化される様子が示されるが、もちろん、3つ以上の携帯端末間でデータがやり取りされそれらがグループ化されてもよい。
【0059】
同図に示すように、各携帯端末10(A及びB)のCPU11は、定期的にハローメッセージを無線によりブロードキャストすることで、近隣機器(携帯端末10)に自身の存在を知らせる(ステップ61、62)。
【0060】
このハローメッセージには、送信元機器のIPアドレスや送信先機器のIPアドレスとしてのブロードキャストアドレスの他、各携帯端末A及びBを一意に特定できるIDが含まれる。このIDは、例えば、各携帯端末のMACアドレスやその他のユーザIDと、ハローメッセージ送信時(生成時)におけるタイムスタンプ等を組み合わせたものである。ID中に、タイムスタンプのようなランダム性のある文字列が挿入されることで、IDは、その場(例えばイベント会場やパーティ会場等)にいるユーザしか知りえない情報となる。したがってIDは、パスワード(暗号キー)としての機能も発揮することができる。
【0061】
上記ハローメッセージを受信した各携帯端末10のCPU11は、ハローメッセージに記載されたIDや送信元機器の情報を元に、近隣機器リストを生成する。図7は、当該近隣機器リストの例を示した図である。
【0062】
同図に示すように、メッセージの送信元の携帯端末の機器名、ID、グループの親か否かを示すフラグ、メッセージの最終受信時刻が含まれる。上述したように、IDは、MACアドレスとタイムスタンプとが組み合わされたものである。メッセージの送信元の携帯端末がグループの親であるか否かを示すフラグは、送信元の携帯端末が、後述する招待状を送信した端末であるか否かによって、0か1で示される。ハローメッセージの送受信の段階では、招待状は送受信されておらず、グループの親は決まっていないため、当該フラグは全て0となる。
【0063】
図6に戻り、続いて、いずれかの携帯端末10(同図では携帯端末A)のCPU11は、サーバ20へ、他の携帯端末10(同図では携帯端末B)との間でグループの生成を要求するためのメッセージとして、グループリクエストを送信する(ステップ63)。当該グループリクエストには、送信元の携帯端末AのIDと、グループを生成する相手となる携帯端末BのIDとが含まれる。
【0064】
より詳細には、当該グループリクエストは、ID−Aを有する携帯端末Aのグループの生成要求と、当該グループのメンバーとしての、ID−Bを有する携帯端末Bのグループへの追加要求(ID−AのグループへのID−Bの登録要求)とを兼ねたものである。しかし、当該グループの作成要求とグループへの追加要求とが分離されて、まずグループの作成要求のみ送信され、その後しばらくしてからグループへの追加要求が送信されても構わない。
【0065】
続いて、サーバ20のCPU21は、上記携帯端末Aからグループリクエストを受信すると、要求されたグループを生成する。具体的には、サーバ20のCPU21は、受信したグループリクエストに記載された、グループのメンバーとなる携帯端末のID等をグループリスト(後述)に登録するとともに、タイマーにより、上記グループリクエストの受信時刻からの経過時間(以下、グループ年齢と称する)のカウントを開始する。サーバ20のCPU21は、グループを生成すると、それを知らせるメッセージとして、グループ生成通知を携帯端末Aへ返す(ステップ64)。
【0066】
続いて、グループ生成通知を受信した携帯端末10(同図では携帯端末A)のCPU11は、グループ生成対象の携帯端末10(同図では携帯端末B)に対して、グループへの参加を要求するメッセージとしての招待状を送信する(ステップ65)。
【0067】
招待状を受信した携帯端末BのCPU11は、それを元に、グループ招待画面をディスプレイ14に表示する。図8は、当該グループ招待画面91には、グループへ招待されていることを示すメッセージ及び当該グループへの参加に同意するための同意ボタン92が表示される。
【0068】
上記同意ボタン92がユーザの指Fにより押下(タッチ)されると、携帯端末BのCPU11は、当該グループへの参加を要求するためのメッセージとしてグループリクエストをサーバ20へ送信する(ステップ66)。
【0069】
サーバ20は、上記携帯端末Bからグループリクエストを受信すると、上記携帯端末Aからのグループリクエストの受信時からカウントされているグループ年齢が、所定の制限時間(グループ参加可能時間と称する)を越えているか否かを判断する。グループ参加可能時間は例えば10分とされるが、これに限られない。当該グループ参加可能時間は、例えばサーバ20において予め所定時間に定められていてもよいし、グループ主催者である携帯端末10が設定可能であってもよい。この場合、携帯端末10は、上記サーバ20へ送信されるグループリクエストにグループ参加可能時間も含めてもよい。
【0070】
上記グループ年齢がグループ参加可能時間を越えていない場合には、サーバ20のCPU21は、携帯端末A及び携帯端末Bのグループ参加成功を通知するメッセージとしてグループ化通知を携帯端末A及び携帯端末Bへ送信する(ステップ67、68)。またCPU21は、グループ年齢がグループ参加可能時間を越えていた場合には、携帯端末Bのグループ参加失敗を通知するグループ化通知を携帯端末A及び携帯端末Bへ送信する(ステップ67、68)。
【0071】
以上の処理によりグループが生成されると、そのグループ内の携帯端末10同士は認証がなされた状態となるため、各携帯端末10のユーザは、例えば動画、静止画、音声等の任意のデータを各携帯端末10間で無線により自由にやり取りすることが可能となる。
【0072】
図9は、本実施形態において上述の各メッセージの送受信に用いられるフォーマットを示した図である。同図に示すように、当該フォーマットは、メッセージタイプ、機器タイプ、送信元アドレス、送信先アドレス、親アドレス、日付/時間、ID、メッセージ等の各フィールドを有する。
【0073】
上述のハローメッセージにおいては、メッセージタイプは「ハロー」、送信元アドレスは携帯端末Aのアドレス、送信先アドレスはブロードキャストアドレス、その他のフィールドは未使用となる。
【0074】
上述の招待状においては、メッセージタイプは「招待状」、機器タイプは「グループ主催者」、送信元アドレスと親アドレスは携帯端末Aのアドレス、送信先アドレスは携帯端末Bのアドレスであり、メッセージフィールドには必要に応じて何らかのコメントを含む。当該コメントは携帯端末Aのユーザがタッチパネル15を介して入力可能であってもよい。
【0075】
上述の携帯端末Aからサーバ20へ送信されるグループリクエストにおいては、メッセージタイプは「グループリクエスト」、機器タイプは「グループ主催者」、送信元アドレスは携帯端末Aのアドレス、送信先アドレスはサーバ20のアドレス、親アドレスは携帯端末Aのアドレス、ID1は携帯端末AのID、ID2は携帯端末BのIDである。
【0076】
上述の携帯端末Bからサーバ20へ送信されるグループリクエストにおいては、メッセージタイプは「グループリクエスト」、機器タイプは「グループ参加者」、送信元アドレスは携帯端末Bのアドレス、送信先アドレスはサーバ20のアドレス、親アドレスは携帯端末Aのアドレス、ID1は携帯端末AのID、ID2は携帯端末BのIDである。
【0077】
上述のグループ化通知においては、メッセージタイプは、上記グループ年齢がグループ参加可能時間を越えたか否かに応じて、「グループ参加成功」または「グループ参加失敗」、機器タイプは「グループ管理者」、送信元アドレスはサーバ20のアドレス、送信先アドレスは携帯端末A及び携帯端末Bのアドレス、親アドレスは携帯端末Aのアドレス、ID1は携帯端末AのID、ID2は携帯端末BのIDである。
【0078】
図10は、グループ生成時に上記サーバ20が生成・管理するグループリストの例を示した図である。同図に示すように、グループリストには、グループ名、参加機器ID、親機器ID、グループ年齢の各フィールドを有する。同図の例では、携帯端末Aにより、携帯端末B及び携帯端末Cを参加者とするグループが生成され、また携帯端末Dにより、携帯端末Eを参加者とするグループが生成されていることが示されている。サーバ20は、グループリクエストが受信され新たな参加者がグループに参加する度に当該グループリストを更新する。
【0079】
図11は、上述したグループ生成処理における携帯端末10の動作の流れを示すフローチャートである。
【0080】
同図に示すように、携帯端末10のCPU11は、メッセージを受信すると(ステップ101のYes)、そのメッセージがハローメッセージか否かを判断する(ステップ102)。
【0081】
受信したメッセージがハローメッセージであると判断した場合(Yes)、CPU11は、当該ハローメッセージに記載された送信元の携帯端末の情報を上記近隣機器リストに登録する(ステップ103)。
【0082】
受信したメッセージがハローメッセージではないと判断した場合(No)、CPU11は、そのメッセージがグループ化通知であるか否かを判断する(ステップ104)。
【0083】
受信したメッセージがグループ化通知であると判断した場合(Yes)、CPU11は、当該メッセージ(他の携帯端末10との間でグループが生成された旨)をディスプレイ14に表示し、当該メッセージを保存する(ステップ105)。
【0084】
受信したメッセージがグループ化通知ではないと判断した場合(No)、CPU11は、そのメッセージが招待状であるか否かを判断する(ステップ106)。
【0085】
受信したメッセージが招待状であると判断した場合(Yes)、CPU11は、上記図8で示したグループ招待画面を表示する(ステップ107)。
【0086】
続いてCPU11は、上記グループ招待画面において同意ボタンが押下されたか否かを判断し(ステップ108)、押下されたと判断された場合には、サーバ20へ上記グループリクエストを送信する(ステップ109)。
【0087】
上記ステップ106において、メッセージが招待状ではないと判断された場合(No)及び上記ステップ108において同意ボタンが(例えば所定時間内に)押下されなかった場合(No)、CPU11はステップ101へ戻り、新たなメッセージを待つ。
【0088】
図12は、上述したグループ生成処理におけるサーバ20の動作の流れを示すフローチャートである。
【0089】
同図に示すように、サーバ20のCPU21は、メッセージを受信すると(ステップ11)、それがグループリクエストであるか否かを判断する(ステップ112)。
【0090】
受信したメッセージがグループリクエストであると判断した場合(Yes)、CPU21は、その送信元が親機器(グループ主催者)であるか否かを判断する(ステップ113)。
【0091】
送信元が親機器であると判断した場合(Yes)、CPU21は、上記グループリストを生成し(ステップ114)、当該親機器へ、上記グループ生成通知を送信する(ステップ115)。
【0092】
送信元が親機器でない(子機器)であると判断した場合(No)、CPU21は、上記グループリクエストの受信時刻における上記グループ年齢が上記グループ参加可能時間を越えているか否かを判断する(ステップ116)。
【0093】
グループ年齢がグループ参加可能時間を越えていないと判断した場合(No)、CPU21は、グループリクエストの送信元の携帯端末10をグループに含めるように上記グループリストを更新する(ステップ117)。そしてCPU21は、グループ参加成功を示す上記グループ化通知を当該グループの参加者である各携帯端末10へ送信する(ステップ118)。
【0094】
グループ年齢がグループ参加可能時間を越えていると判断した場合(Yes)、CPU21は、グループ参加失敗を示すグループ化通知を各携帯端末10へ送信する(ステップ119)。
【0095】
図13は、上記図6で示した処理により携帯端末Aと携帯端末Bとでグループが生成された後、新たに携帯端末Cへグループへの参加が促され、当該参加が成功した場合のメッセージのやり取りを示すシーケンス図である。
【0096】
同図に示すように、ステップ131〜ステップ138の処理は、上記図6のステップ61〜ステップ68で示した処理と同様である。
【0097】
その後、例えば携帯端末Cが、携帯端末A及び携帯端末Bの無線到達範囲Wに新たに入ってきたり、当該無線到達範囲内で携帯端末Cの電源が投入されたりした場合、当該携帯端末Cと携帯端末A及び携帯端末Bの各CPU11はそれぞれハローメッセージを送受信する(ステップ139〜142)。これにより携帯端末Cにおいて新たな近隣機器リストが生成されるとともに、携帯端末A及び携帯端末Bにおいて近隣機器リストに携帯端末Cが追加される。
【0098】
続いて、親である携帯端末AのCPU11は、携帯端末Cへ上記招待状を送信する(ステップ143)。
【0099】
上記招待状を受信した携帯端末Cにおいて、同意ボタンが押下された場合、上記グループリクエストがサーバ20へ送信される(ステップ144)。この場合のグループリクエストには、携帯端末A、携帯端末B及び携帯端末Cの各IDが含まれている。ここで送信されるIDは、グループ参加のみを目的とするならば、送信元の携帯端末CのIDと、親である携帯端末AのIDのみで十分であるが、携帯端末BのIDも含まれることで、携帯端末Cのユーザが、携帯端末A及び携帯端末Bの各ユーザと同じ場所に実際に存在していることが証明される。
【0100】
上記グループリクエストを受信したサーバ20は、その時点でのグループ年齢が上記グループ参加可能時間を越えていない場合、携帯端末Cを新たにグループに参加させるべくグループリストを更新し、携帯端末A、携帯端末B及び携帯端末Cへ、携帯端末Cのグループ参加成功を通知するグループ化通知を送信する(ステップ145〜ステップ147)。
【0101】
図15は、グループ化通知を受信した場合に携帯端末Cのディスプレイ14に表示されるグループ化通知画面の例を示している。同図に示すように、当該グループ化通知画面71では、誰のグループに参加したか、グループのメンバーは誰であるかが表示される。当該グループ化通知画面71は、ユーザがOKボタン72を押下すると消去される。
【0102】
図14は、上記図6で示した処理により携帯端末Aと携帯端末Bとでグループが生成された後、新たに携帯端末Cへグループへの参加が促されたものの、当該参加が失敗した場合のメッセージのやり取りを示すシーケンス図である。
【0103】
同図に示すように、ステップ151〜ステップ158の処理は、上記図6のステップ61〜ステップ68及び上記図13のステップ131〜ステップ138で示した処理と同様である。またステップ159〜ステップ164の処理は、図13のステップ139〜ステップ144で示した処理と同様である。
【0104】
上記グループリクエストを受信したサーバ20は、その時点でのグループ年齢が上記グループ参加可能時間を越えていた場合、携帯端末Cのグループ参加失敗を通知するグループ化通知を携帯端末A、携帯端末B及び携帯端末Cへ送信する(ステップ165〜ステップ167)。
【0105】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、各携帯端末10は、無線通信範囲内に存在する他の携帯端末10からハローメッセージにより受信したIDと、自らのIDとを、グループリクエストに含めてサーバ20へ送信するだけで、その携帯端末10と他の携帯端末10とを容易にグルーピングすることができる。当該グルーピングにより、各携帯端末10間のアクセスが認証されたこととなり、その後は各端末間で自由なデータの授受が可能となる。
【0106】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0107】
上述の実施形態においては、グループ参加可能時間を経過してから子の携帯端末10からグループリクエストがサーバ20へ送信された場合、当該携帯端末10はグループに参加することができなかった。しかし、このような場合に、親または子の携帯端末10からの要求に応じて、再度グループ参加可能時間が設定可能とされてもよい。図16は、この場合の親の携帯端末10の動作の流れを示したフローチャートであり、図17は、この場合の各携帯端末10及びサーバ20間のメッセージの流れを示したシーケンス図である。
【0108】
図16に示すように、親である携帯端末10のCPU11は、他の携帯端末10のグループ参加失敗を通知するグループ化通知を受信すると(ステップ171)、当該携帯端末10のユーザからグループ参加可能時間の再設定の指示があったか否かを判断する(ステップ172)。この指示は、例えば携帯端末10のユーザが、ディスプレイ14に表示される、グループ参加可能時間の再設定のためのユーザインタフェースを介して入力される。
【0109】
上記グループ参加可能時間の再設定の指示があったと判断した場合(Yes)、CPU11は、グループ参加可能時間の再設定を要求するメッセージをサーバ20へ送信する(図16のステップ173、図17のステップ182)。
【0110】
続いて、サーバから上記再設定の完了を通知するメッセージを受信した場合(図16のステップ174のYes、図17のステップ183)、CPU11は、グループ参加に失敗した携帯端末10へ再度招待状を送信する(図16のステップ175、図17のステップ184)。
【0111】
また、上記ステップ172において、当該親である携帯端末10のユーザからグループ参加可能時間の再設定指示がない場合、CPU11は、他の携帯端末10(グループへの参加に失敗した携帯端末10)からグループ参加可能時間の再設定要求を受信したか否かを判断する(ステップ176)。
【0112】
当該再設定要求を受信した場合(図16のステップ176のYes、図17のステップ181)、CPU11は、当該再設定要求を承認するか否かをユーザに選択させる承認画面をディスプレイ14に表示する(ステップ177)。
【0113】
上記承認画面において再設定の承認の入力があった場合(ステップ178のYes)、CPU11は、グループ参加可能時間の再設定を要求するメッセージをサーバ20へ送信し(図16のステップ173、図17のステップ182)、その後は上述のステップ173〜ステップ175の処理を行う。
【0114】
以上の処理により、携帯端末10は、グループ参加可能時間の再設定を行うことで、不正なグループ参加を極力防ぎながらも、善意の他の携帯端末10のユーザを柔軟にグループに参加させることができる。
【0115】
ここで携帯端末10は、グループ参加可能時間の経過後ではなく、経過前であっても、上述と同様の処理により、グループ参加可能時間の延長を行うことも可能である。
【0116】
上述の実施形態においては、グループ参加可能時間は例えば10分とされたが、これは各携帯端末の使用状況に応じて適宜変更され得る。例えば個人宅等、無線到達範囲内の機器が極めて限られている状況においては、ある程度セキュリティが確保されていることから、数ヶ月もしくはさらに長い期間のグループ参加可能時間が設定されてもよい。
【0117】
上述の実施形態においては、各携帯端末10はそれぞれ異なるユーザに保有されている例が示されたが、本発明は、例えば、一人のユーザが保有する複数の機器をグルーピングする場合にも適用可能である。その場合、当該ユーザが複数の機器を操作できるような状況下では、上記グループ参加可能時間は、例えば30秒等、極めて短い時間に設定されても構わない。
【0118】
上述の実施形態において、サーバ20は、グループ年齢のカウントを、グループ主催者(親)からグループリクエストを受信した時点から開始していたが、それに代えて、最初のグループ参加者からグループリクエストを受信した時点から開始してもよい。
【0119】
上述の実施形態においては、携帯端末Aからサーバ20へグループリクエストが送信された後に携帯端末Aから携帯端末Bへ招待状が送信されたが、この順番は逆でも構わない。
【0120】
上述の各実施形態においては、本発明が携帯端末に適用された例が説明されたが、本発明は、例えばノート型PC、デスクトップ型PC、タブレット型PC等のPCや、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、テレビジョン装置、ゲーム機器、カーナビゲーション装置、記録再生装置等、携帯型/据置型の区別を問わず、他のあらゆる情報処理装置にも同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0121】
W…無線到達範囲
G…グループ
10(10A、10B、10C)…携帯端末
10…他の携帯端末
11、21…CPU
12、23…RAM
13…フラッシュメモリ
14…ディスプレイ
15…タッチパネル
16、29…通信部
20…サーバ
28…記憶部
41…ユーザインタフェース部
42…アプリケーション部
43…ID交換機能
44…招待状送受信機能
45…サーバ通信部
46…無線通信部
51…アプリケーション部
52…タイマー機能
53…データ管理機能
54…グルーピング制御機能
55…端末通信部
56…データベース
71…グループ化通知画面
91…グループ招待画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
ネットワーク上のサーバ装置及び他の情報処理装置と通信する通信部と、
所定の無線通信範囲内で、当該情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージをブロードキャストするとともに、前記他の情報処理装置からブロードキャストされた、当該他の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージを受信し、
前記受信された第2のメッセージを基に、前記第1の識別情報及び前記第2の識別情報を含み、前記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージを前記サーバ装置へ送信し、
前記グループへの参加を要求する第4のメッセージを前記他の情報処理装置へ送信し、
前記送信された第4のメッセージに応答して前記他の情報処理装置から前記サーバ装置へ送信された、前記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して前記サーバ装置から送信された、前記グループの生成完了を通知する通知情報を受信する
ように前記通信部を制御する制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、当該情報処理装置の識別情報と、前記第1のメッセージがブロードキャストされる日時のタイムスタンプ情報とを組み合わせて前記第1の識別情報を生成する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第3のメッセージが前記サーバ装置に受信されてから、前記他の情報処理装置からの前記第5のメッセージに前記サーバ装置が応答するまでの制限時間を設定可能である
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記設定された制限時間を延長し、または、前記設定時間の経過後に新たな制限時間を設定するための第6のメッセージを前記サーバ装置へ送信するように前記通信部を制御する
情報処理装置。
【請求項5】
第1の情報処理装置及び第2の情報処理装置と通信する通信部と、
前記第1の情報処理装置から、当該第1の情報処理装置を識別する第1の識別情報と、前記第2の情報処理装置を識別する第2の識別情報とを含み、当該第1の情報処理装置と当該第2の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第1のメッセージを受信し、
前記第2の情報処理装置から、前記グループへの参加を要求する第2のメッセージを受信し、
前記第1の情報処理装置及び前記第2の情報処理装置へ、前記グループの生成完了を通知する通知情報を送信する
ように前記通信部を制御する制御部と
を具備するサーバ装置。
【請求項6】
第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置と、サーバ装置とを具備するグループ生成システムであって、
前記第1の情報処理装置は、
前記サーバ装置及び前記第2の情報処理装置と通信する第1の通信部と、
所定の無線通信範囲内で、当該第1の情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージをブロードキャストするとともに、前記第2の情報処理装置からブロードキャストされた、当該第2の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージを受信し、
前記受信された第2のメッセージを基に、前記第1の識別情報及び前記第2の識別情報を含み、前記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージを前記サーバ装置へ送信し、
前記グループへの参加を要求する第4のメッセージを前記第2の情報処理装置へ送信し、
前記送信された第4のメッセージに応答して前記第2の情報処理装置から前記サーバ装置へ送信された、前記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して前記サーバ装置から送信された、前記グループの生成完了を通知する通知情報を受信する
ように前記第1の通信部を制御する第1の制御部とを有し、
前記第2の情報処理装置は、
前記サーバ装置及び前記第1の情報処理装置と通信する第2の通信部と、
前記無線通信範囲内で、前記第1のメッセージを受信するとともに、前記第2のメッセージをブロードキャストし、
前記第1の情報処理装置から前記第4のメッセージを受信し、
前記第4のメッセージに応答して前記サーバ装置へ前記第5のメッセージを送信し、
前記サーバ装置から前記通知情報を受信する
ように前記第2の通信部を制御する第2の制御部とを有し、
前記サーバ装置は、
前記第1の情報処理装置及び前記第2の情報処理装置と通信する第3の通信部と、
前記第1の情報処理装置から前記第3のメッセージを受信し、
前記第2の情報処理装置から前記第5のメッセージを受信し、
前記第1の情報処理装置及び前記第2の情報処理装置へ前記通知情報を送信する
ように前記第3の通信部を制御する第3の制御部とを有する
グループ生成システム。
【請求項7】
情報処理装置におけるグループ生成方法であって、
所定の無線通信範囲内で、当該情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージをブロードキャストするとともに、前記他の情報処理装置からブロードキャストされた、当該他の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージを受信し、
前記受信された第2のメッセージを基に、前記第1の識別情報及び前記第2の識別情報を含み、前記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージを前記サーバ装置へ送信し、
前記グループへの参加を要求する第4のメッセージを前記他の情報処理装置へ送信し、
前記送信された第4のメッセージに応答して前記他の情報処理装置から前記サーバ装置へ送信された、前記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して前記サーバ装置から送信された、前記グループの生成完了を通知する通知情報を受信する
グループ生成方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
所定の無線通信範囲内で、当該情報処理装置を識別する第1の識別情報を含む第1のメッセージをブロードキャストするとともに、前記他の情報処理装置からブロードキャストされた、当該他の情報処理装置を識別する第2の識別情報を含む第2のメッセージを受信するステップと、
前記受信された第2のメッセージを基に、前記第1の識別情報及び前記第2の識別情報を含み、前記他の情報処理装置との間で任意のデータ授受を可能とするためのグループの生成を要求する第3のメッセージを前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記グループへの参加を要求する第4のメッセージを前記他の情報処理装置へ送信するステップと、
前記送信された第4のメッセージに応答して前記他の情報処理装置から前記サーバ装置へ送信された、前記グループへの参加を要求する第5のメッセージに応答して前記サーバ装置から送信された、前記グループの生成完了を通知する通知情報を受信するステップと
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−124753(P2012−124753A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274580(P2010−274580)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】