説明

情報処理装置、サーバ装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】セキュリティを確保しつつ、他の装置との連携機能を簡易に設定する。
【解決手段】通信部及び制御部を有する情報処理装置が提供される。通信部は、第1のネットワーク及び第2のネットワークに接続可能である。制御部は、上記第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路を確立するとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とを上記サーバ装置へ送信して登録させ、上記第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して当該機器を識別する第2の機器識別情報を受信し、当該情報処理装置と上記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、当該受信された第2の機器識別情報と共に上記サーバ装置へ送信し、上記設定要求情報に対して上記機器から送信された応答情報を上記サーバ装置から受信するように上記通信部を制御可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、他の情報処理装置との間で通信が可能な情報処理装置、当該情報処理装置と通信可能なサーバ装置、上記情報処理装置における情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置が、ネットワークサービス(クラウド)を介して他の機器との連携を行う際には、ユーザが、サービスのアクセス権の管理に用いられているユーザID及びパスワードを、連携対象の全ての機器上で入力する方法が採られていた。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、情報処理装置Aから管理サーバへアカウント作成要求が送信されると、管理サーバへのアクセス用のユーザID及びパスワードが発行され、他の情報処理装置Bから管理サーバへ、上記ユーザID及びパスワードを用いたグループ登録要求が送信され、認証を経てグループ登録処理がなされることが記載されている。
【0004】
このような手法は、既にサービス上にユーザアカウントとしてユーザID及びパスワードが設定されており、利用する機器がキーボードなどの入力手段を備え、また、機器またはサービスへのアクセスがユーザによる操作を契機にして行われる場合には自然な手法といえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−304849号公報(段落[0108]等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、昨今のネットワークサービス/クラウドコンピューティングの普及や、PC以外のネットワーク機能を備えた機器の普及により、上記手法は必ずしも適切な方法ではなくなってきた。
【0007】
例えば、ネットワーク機能を持ち機器間連携が可能な機器でありながらも、キーボード等の入力手段を持たない機器(例えばデジタルフォトフレームやヘルスケア機器等)も普及している。これらの機器では、ユーザは、ごく少数のボタンや仮想キーボードによりユーザID及びパスワードを入力する必要があり、使い勝手の点で問題がある。
【0008】
また、ユーザが多くの機器を連携させて利用したい場合、全ての機器にユーザID及びパスワードを入力する必要があり、ユーザへの負担が大きいという問題もある。この点、ユーザに頻繁にユーザID及びパスワードを入力させないために、各機器について1度だけユーザID及びパスワードをユーザに入力させ、機器上に記録しておく方式も提案されて用いられている。しかし、この方式では、ユーザID及びパスワードが複数の機器上に平文に変換可能な形で存在することになり、システム全体のセキュリティレベルが大きく低下してしまうという問題がある。
【0009】
本技術は以上のような事情に鑑みて提案されるものであり、本技術の目的は、セキュリティを確保しつつ、他の装置との連携機能を簡易に設定することが可能な情報処理装置、サーバ装置、情報処理方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本技術の一形態に係る情報処理装置は、通信部及び制御部を有する。上記通信部は、第1のネットワーク及び第2のネットワークに接続可能である。上記制御部は、上記第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路を確立するとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とを上記サーバ装置へ送信して登録させるように上記通信部を制御可能である。また制御部は、上記第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して当該機器を識別する第2の機器識別情報を受信するように上記通信部を制御可能である。また制御部は、当該情報処理装置と上記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、当該受信された第2の機器識別情報と共に上記サーバ装置へ送信するように上記通信部を制御可能である。さらに制御部は、上記設定要求情報に対して上記機器から送信された応答情報を上記サーバ装置から受信するように上記通信部を制御可能である。
【0011】
これにより情報処理装置は、セキュリティを確保しつつ、他の機器との連携機能を簡易に設定することができる。上記関連付けが設定された後は、情報処理装置は、上記安全な通信路及びサーバ装置を経由して、機器と自由に通信を行うことが可能となる。
【0012】
上記情報処理装置は、表示部と、上記ユーザの操作を受け付ける操作受付部とをさらに有してもよい。この場合上記制御部は、上記検索された少なくとも1つの機器を示す情報を表示するように上記表示部を制御可能である。また制御部は、上記表示された情報から上記設定要求情報の送信対象となる機器を選択する操作が受け付けられた場合に、上記設定要求情報を送信するように上記通信部を制御可能である。さらに制御部は、上記応答情報が受信された場合に、上記選択された機器を示す情報の表示態様を変化させるように上記表示部を制御可能である。
【0013】
これにより情報処理装置は、ユーザに関連付け設定対象の機器を表示部上で選択させるという簡易な手法で、サーバ装置を介して機器へ設定要求情報を送信できる。また情報処理装置は、応答情報が受信された場合には、機器を示す情報の表示態様を変更することで、関連付け設定が完了したことをユーザに容易に把握させることができる。
【0014】
上記制御部は、上記機器との関連付けの種別を示す複数の種別情報を表示するように上記表示部を制御可能である。また上記表示された複数の種別情報から1つの種別情報を選択する操作が受け付けられた場合に、上記選択された種別情報と共に上記設定要求情報を送信するように上記通信部を制御可能である。
【0015】
これにより情報処理装置は、種別と併せて機器との関連付けを設定することができる。ここで種別とは、例えばアクセス権限のレベル等であるが、これに限られない。
【0016】
上記制御部は、上記検索された少なくとも1つの機器を示すオブジェクトを表示する第1の領域と、上記関連付けの種別ごとに設けられた第2の領域とを表示するように上記表示部を制御可能である。また制御部は、上記第1の領域に表示されたオブジェクトを上記第2の領域へドラッグアンドドロップする操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域に対応する種別を示す種別情報と共に上記設定要求情報を送信するように上記通信部を制御可能である。
【0017】
これにより情報処理装置は、第1の領域から第2の領域へのドラッグアンドドロップという簡易な操作で、関連付けの種別をユーザに指定させることができる。
【0018】
上記制御部は、上記関連付けの設定がなされた機器が、上記第1及び第2のネットワーク以外の第3のネットワークに接続されている場合に、当該機器に、上記第3のネットワークに接続された他の機器を検索して当該他の機器の識別情報を返信するよう要求する検索要求情報を送信するように上記通信部を制御可能である。また制御部は、上記検索要求情報に応じて上記機器から送信された他の機器の機器識別情報を受信するように上記通信部を制御可能である。さらに制御部は、当該情報処理装置と上記他の機器との関連付けの設定を当該他の機器へ要求する設定要求情報を、上記受信された他の機器の機器識別情報と共に、上記サーバ装置へ送信するように上記通信部を制御可能である。
情報処理装置。
【0019】
これにより情報処理装置は、自身が属するネットワークとは異なるネットワークに、既に関連付けが設定済みの機器が存在する場合には、当該機器を介して、異なるネットワーク内の他の機器との関連付けを行うことができる。
【0020】
上記サーバ装置は、上記第1及び第2のネットワーク以外の第3のネットワークに接続された他の機器から、当該他の機器の位置情報及び当該他の機器の機器識別情報を受信して記憶していてもよい。この場合上記制御部は、上記位置情報で示される位置の近傍の機器を検索する検索要求情報を上記サーバ装置へ送信するように上記通信部を制御可能である。また制御部は、上記検索要求情報に応答して上記サーバ装置から送信された、上記位置の近傍の機器の機器識別情報を受信するように上記通信部を制御可能である。さらに制御部は、当該情報処理装置と上記位置の近傍の機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、上記受信された機器識別情報と共に、上記サーバ装置へ送信するように上記通信部を制御可能である。
【0021】
これにより情報処理装置は、位置情報を指定することで、自身が属するネットワーク内に限らず、あらゆる機器の関連付け設定を行うことができる。
【0022】
本技術の他の形態に係るサーバ装置は、通信部及び制御部を有する。上記通信部は、第1のネットワークに接続可能である。上記制御部は、上記第1のネットワークに接続された情報処理装置との間で安全な通信路を確立するとともに、上記情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、上記情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とを上記情報処理装置から受信して登録するように上記通信部を制御可能である。また制御部は、上記情報処理装置が、上記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して取得した、当該機器を識別する第2の機器識別情報と共に、上記情報処理装置と上記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を上記情報処理装置から受信するように上記通信部を制御可能である。さらに制御部は、上記受信された設定要求情報を上記機器へ送信し、上記設定要求情報に対して上記機器から送信された応答情報を受信し、上記受信された応答情報を上記情報処理装置へ送信するように上記通信部を制御可能である。
【0023】
本技術の他の形態に係る情報処理方法は、情報処理装置における情報処理方法である。当該方法では、第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路が確立されるとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とがサーバ装置へ送信されて登録される。上記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器が検索されて当該機器を識別する第2の機器識別情報が受信される。当該情報処理装置と上記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報が、当該受信された第2の機器識別情報と共に上記サーバ装置へ送信される。上記設定要求情報に対して上記機器から送信された応答情報が上記サーバ装置から受信される。
【0024】
本技術の他の形態に係るプログラムは、情報処理装置に、登録ステップと、第1の受信ステップと、送信ステップと、第2の受信ステップとを実行させる。上記登録ステップでは、第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路が確立されるとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とがサーバ装置へ送信され登録される。上記第1の受信ステップでは、上記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器が検索されて当該機器を識別する第2の機器識別情報が受信される。上記送信ステップでは、当該情報処理装置と上記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報が、当該受信された第2の機器識別情報と共に上記サーバ装置へ送信される。上記第2の受信ステップでは、上記設定要求情報に対して上記機器から送信された応答情報が上記サーバ装置から受信される。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本技術によれば、セキュリティを確保しつつ、他の装置との連携機能を簡易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本技術の第1実施形態における機器間関連付けシステムの概要を示した図である。
【図2】第1実施形態におけるサーバ、ユーザ側機器及び設定対象機器の各ハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】ユーザとユーザ側機器との関連付けが完了した場合に生成されるエントリの例を示した図である。
【図4】登録済み機器(ユーザ側機器)を用いた関連付け設定機構のユーザインタフェースの例を示した図である。
【図5】上記関連付け設定処理におけるユーザ側機器の処理フローを示した図である。
【図6】上記関連付け設定処理におけるサーバの処理フローを示した図である。
【図7】上記関連付け設定処理における設定対象機器の処理フローを示した図である。
【図8】ユーザ側機器と設定対象機器の関連付けが完了した場合に生成されるエントリの例を示した図である。
【図9】複数種類の関連付けタイプが用いられる場合のユーザインタフェースの一例を示した図である。
【図10】複数種類の関連付けタイプが用いられる場合のユーザインタフェースの他の例を示した図である。
【図11】ユーザ側機器と設定対象機器のタイプ別の関連付けが完了した場合に生成されるエントリの例を示した図である。
【図12】第2実施形態におけるシステムを構成する機器の各ハードウェア構成を示すブロック図である。
【図13】第3実施形態におけるシステムを構成する機器の各ハードウェア構成を示すブロック図である。
【図14】第4実施形態におけるシステムの概要を示した図である。
【図15】第4実施形態におけるリモート検索リクエスト機構を用いた関連付け設定処理におけるユーザインタフェースの例を示した図である。
【図16】第4実施形態におけるユーザ側機器の処理フローを示した図である。
【図17】第4実施形態における設定対象機器の処理フローを示した図である。
【図18】第5実施形態におけるシステムの概要を示した図である。
【図19】第5実施形態における設定対象機器の処理フローを示した図である。
【図20】第5実施形態におけるサーバの処理フローを示した図である。
【図21】第5実施形態におけるユーザ側機器の処理フローを示した図である。
【図22】第6実施形態におけるシステムの概要を示した図である。
【図23】第7実施形態におけるユーザ側機器の処理フローを示した図である。
【図24】第7実施形態における設定対象機器の処理フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0028】
<第1実施形態>
まず、本技術の第1実施形態を説明する。
【0029】
[ネットワークの概要]
図1は、本技術の第1の実施形態における機器間関連付けシステムの概要を示した図である。同図に示すように、このシステムは、サーバ100と、ユーザ側機器200と、設定対象機器300とを有する。
【0030】
サーバ100は、例えばインターネット等の広域ネットワーク5上に設けられており、ユーザ側機器200及び設定対象機器300と通信を行うことが可能である。詳細は後述するが、本実施形態において、サーバ100は、ユーザ側機器200と安全な通信路を確保した上で、当該ユーザ側機器200とそのユーザの関連付けを登録する。その上でサーバ100は、上記安全な通信路を介して、ユーザ側機器200と設定対象機器300との間の関連付け設定に関するやり取りを仲介する。
【0031】
ユーザ側機器200及び設定対象機器300としては、例えばスマートフォン、携帯電話機、タブレットPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯型AVプレイヤー、電子ブック、デジタルフォトフレーム、テレビジョン装置(TV)、PVR(Personal video recorder)、ノートブック型PC、デスクトップ型PC、HDD(Hard Disk Drive)装置、カムコーダ、デジタルカメラ、ゲーム機器、プロジェクター、ヘルスケア機器、家庭用電気製品等、あらゆる情報処理装置があげられる。
【0032】
ユーザ側機器200は、ユーザの操作対象となる機器である。同図では、一例としてスマートフォンが描かれている。設定対象機器300は、上記ユーザがユーザ側機器200との連携(関連付け)を希望する機器である。同図では、一例としてデジタルフォトフレームが描かれている。同図では、設定対象機器300を一台のみ図示しているが、設定対象機器300は複数台存在しうる。
【0033】
ユーザ側機器200は、上記安全な通信路を用いて、サーバ100を介して設定対象機器300へ関連付け設定要求を送信し、設定対象機器300は当該設定要求に対して許可/不許可を応答する。
【0034】
ユーザ側機器200と設定対象機器300とは、例えば同じ家の中のホームネットワーク(LAN)10に接続されており、例えばWiFi(Wireless Fidelity)やDHCP−IP(Digital Transmission Content Protection over Internet Protocol)等の規格に準じた通信が可能である。両者は、上記DHCP−IPによりネットワーク設定を自動的に取得し、サーバ100と上記広域ネットワーク5を介して接続可能とされている。
【0035】
以下の説明では、ユーザ側機器200と設定対象機器300とを区別せずに単に「機器」と称する場合もある。
【0036】
[各装置のハードウェア構成]
図2は、上記サーバ100、ユーザ側機器200及び設定対象機器300の各ハードウェア構成を示すブロック図である。
【0037】
(サーバのハードウェア構成)
同図に示すように、サーバ100は、制御部(CPU)11、デバイス情報管理部12、ユーザ情報管理部13、ユーザ/デバイス関連付け管理部14、通信部15、メッセージ受信部16、メッセージ送信部17及びセキュリティ管理部18を有する。これらのほか、サーバ100は、OSその他のソフトウェア(アプリケーション)や各種データを記憶する記憶部(HDD、不揮発メモリ等)を有する。
【0038】
制御部11は、サーバ100内の各ブロックを制御し、ユーザ側機器200と設定対象機器300間でのメッセージのやり取りを仲介するとともに、サーバ100に送られたメッセージを対応するブロックに送信し、データベースのアクセスなどの処理を行う。
【0039】
デバイス情報管理部12は、ユーザ側機器200及びそれに対する関連付けが設定された設定対象機器300の名称等の設定情報をデータベースとして管理する。
【0040】
ユーザ情報管理部13は、ユーザIDやパスワードなどのユーザに関する情報をデータベースとして管理する。
【0041】
ユーザ/デバイス関連付け管理部14は、ユーザとユーザ側機器200及び設定対象機器300との関連付け情報を管理する。ユーザと各機器との関連付けの種類としてOwner/Family/Friend/Guestがあり、ユーザ/デバイス関連付け管理部14は、関連付け情報エントリとして、ユーザ/機器/関連付けの種類の組を保持する。
【0042】
通信部15は、ユーザ側機器200及び設定対象機器300からの接続を受け付ける。また通信部15は、ユーザ側機器200との接続開始時に認証処理を実行する。すなわち通信部15は、ユーザ側機器200が正規のものであるかを確認するために、ユーザ側機器200から送られるデバイス証明書を確認するとともに、サーバ100が正規のものであると主張するために、ユーザ側機器200へサーバ証明書を送付する。認証処理が行われた後は、通信部15は、以後の暗号化通信で使うために鍵交換処理や、デバイスIDの取得を行う。これにより通信部15は、以後デバイスIDを元に接続を選択して通信を行う機能を提供する。
【0043】
メッセージ受信部16は、通信部15を介して受信したメッセージを順に保持し、制御部11に提供する。
【0044】
メッセージ送信部17は、制御部11から送られたメッセージを順に保持し、通信部15を介して、宛先となる機器に送付する。
【0045】
セキュリティ管理部18は、本実施形態に係るシステムのセキュリティに関わる情報を管理する。またセキュリティ管理部18は、上記サーバ証明書を保持する。
【0046】
(ユーザ側機器のハードウェア構成)
同図に示すように、ユーザ側機器200は、制御部21、通信部22、メッセージ受信部23、メッセージ送信部24、ユーザID/パスワード入力部25、デバイス検索部26、デバイス一覧表示/選択部27、セキュリティ管理部28、ユーザ情報管理部29及びデバイスID生成部30を有する。これらのほか、ユーザ側機器200は、OSその他のソフトウェア(アプリケーション)や各種データを記憶する記憶部(HDD、不揮発メモリ等)を有する。本実施形態において関連付け設定処理を実行するアプリケーションを、以下「関連付け設定アプリケーション」とも称する。
【0047】
制御部21は、ユーザ側機器200内の各ブロックを制御し、機器間の関連付け設定におけるユーザ側機器としての機能を実現する。
【0048】
通信部22は、サーバ100との接続を行う。通信部22は、接続開始時に、上述した認証処理を行う。すなわち、通信部22は、ユーザ側機器200が正規のものであることを示すために、デバイス証明書を送付するとともに、サーバ100が正規のものであることを確認するためにサーバ100から送られるサーバ証明書を受け取る。認証処理が行われた後は、通信部22は、以後の暗号化通信で使うために鍵交換処理や、デバイスIDの送付を行う。これにより通信部22は、以後デバイスIDを元にサーバとの通信を行う機能を提供する。
【0049】
メッセージ受信部23は、サーバ100から受信したメッセージを順に保持し、制御部21に提供する。
【0050】
メッセージ送信部24は、制御部21から送られたメッセージを順に保持し、通信部22を介してサーバ100に送付する。
【0051】
ユーザID/パスワード入力部25は、ユーザ側機器200が、機器間の関連付け設定機能を用いるための基点となる登録済み機器となるために、ユーザID/パスワードの入力を行う機能を提供する。すなわち、ユーザID/パスワード入力部25は、例えばキーボード、タッチパネル等の操作受付部である。
【0052】
デバイス検索部26は、機器間の関連付け設定対象となる機器の一覧を表示するために、デバイスを検索する機能を提供する。本実施形態においては、デバイス検索部26は、デバイス検索の手段として、UPnP DA(Universal Plug and Play Device Architecture)のSSDP(Simple Service Discovery Protocol)機能を利用する。SSDPでは、各デバイスはUPnPを用いて、デバイスの機能を記述したDeviceDescriptionをネットワーク上にアドバタイズする。他のデバイスはこれを受信することにより、個々のデバイスがどのような機能を提供するかについての情報を取得する。本実施形態では、各機器はSSDPを用いてデバイスIDをアドバタイズし、これをもとにデバイスリストを取得する。
【0053】
デバイス一覧表示/選択部27は、デバイス検索部26によって取得したデバイスリストに基づき、ユーザに簡単設定の対象とできるデバイスの一覧を表示し、また、この中から対象となるデバイスをユーザが指定できる機能を提供する。当該デバイス一覧表示/選択部27は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro Luminescence Display)等であり、タッチパネルと一体化されていても構わない。
【0054】
セキュリティ管理部28は、本実施形態に係るシステムのセキュリティに関わる情報を管理する。またセキュリティ管理部18は、上記デバイス証明書を保持する。
【0055】
ユーザ情報管理部29は、機器間の関連付け設定によって得られるユーザ情報を管理する。関連付け設定が行われていない状態では、機器はどのユーザにも関連付けられてないため、本ブロックにはユーザ情報は存在しない。
【0056】
デバイスID生成部30は、機器を一意に指定できるデバイスIDを生成する。本実施形態においては、デバイスID生成部30は、通信部22上のMACアドレスを元にデバイスIDを生成することにより一意性を保証する。
【0057】
(設定対象機器のハードウェア構成)
同図に示すように、設定対象機器300は、制御部31、通信部32、メッセージ受信部33、メッセージ送信部34、デバイス検索サーバ部35、関連付け設定要求表示/確認部36、セキュリティ管理部37、ユーザ情報管理部38及びデバイスID生成部39を有する。これらのほか、設定対象機器300は、OSその他のソフトウェア(アプリケーション)や各種データを記憶する記憶部(HDD、不揮発メモリ等)を有する。
【0058】
制御部31は、設定対象機器300内の各ブロックを制御し、機器間の関連付け設定の対象機器としての機能を実現する。
【0059】
デバイス検索サーバ部35は、デバイス検索のためのサーバ機能を提供する。本実施形態においては、デバイス検索サーバ部35は、SSDPサーバの機能を利用して、デバイスIDをアドバタイズする。
【0060】
関連付け設定要求表示/確認部36は、サーバ100を経由して、ユーザ側機器200から送られた関連付け設定要求について、許可してよいかどうかをユーザに確認するためのメッセージを表示するとともに、ユーザから確認を得る機能を提供する。当該メッセージは、例えば、「○○さんから関連付け設定要求がきました。許可しますか?」等であるが、これに限られない。
【0061】
ユーザ情報管理部38は、関連付け設定によって得られるユーザ情報を管理する。簡単設定が行われていない状態では、機器はどのユーザにも関連付けられてないため、本ブロックにはユーザ情報は存在しない。
【0062】
通信部32、メッセージ受信部33、メッセージ送信部34、セキュリティ管理部37、デバイスID生成部39については、上記ユーザ側機器200が有するものと同様の機能を有する。
【0063】
上記各ブロックの少なくとも一部は、ソフトウェアで実現されてもよい。
【0064】
[システムの動作]
次に、以上のように構成されたサーバ100、ユーザ側機器200及び設定対象機器300の動作について説明する。以下では、各機器の制御部を動作主体として説明がなされるが、これらの動作は、各機器のその他のブロック及びソフトウェア(アプリケーション)と協働して実行される。
【0065】
(動作の概要)
上記図1の例では、ユーザは、ユーザ側機器200としてスマートフォンを有しており、設定対象機器300として、新たにネットワーク接続機能を有するフォトフレームを購入して、電源を入れた状態が示されている。両者は、上記WiFiネットワーク接続機能及びDHCP−IPによりネットワーク設定を自動で取得し、サーバ100とのネットワーク接続を完了しているものとする。
【0066】
(セキュリティ機構)
ユーザ側機器200は、ネットワーク機能が有効になると、まずサーバ100との接続処理を行い、次にセキュリティを確保するために、サーバ100との間で安全な通信路を確立する。
【0067】
まずサーバ100は、予め埋め込まれている上記サーバ証明書をユーザ側機器200に送信し、ユーザ側機器200はその署名を検証することによりサーバ100の認証を行う。当該認証において問題がなければ、ユーザ側機器200は、デバイス証明書をサーバ100に送信し、サーバ100はその署名を検証することによりユーザ側機器200の認証を行う。当該認証でも問題がなければ、サーバ100とユーザ側機器200は、両者間で鍵交換処理を行い、以後の通信の暗号化に用いる共通鍵の共有処理を行う。それ以後は、この共通鍵を用いてセキュアな通信を行えるようになる(安全な通信路の確立)。
【0068】
このように、サーバ100及びユーザ側機器200に予め埋め込まれている証明書を利用することにより、ユーザID/パスワードに依存することなく、安全な通信路を確立することができる。すなわち本実施形態では、デバイスベースでセキュリティ機構が構築される。
【0069】
上記の認証/鍵交換アルゴリズムには、様々な方法が提案されており、どのような方式を用いてもよいが、本実施形態においては、サーバ証明書/クライアント証明書付きのSSL/TLSが用いられる。
【0070】
以後の全ての通信は、この安全な通信路上で行われる。通信をサーバ100が仲介することにより、各機器は、デバイスIDをあて先として指定して各機器間で安全かつ自由にメッセージのやり取りを行うことができる。
【0071】
(ユーザ側機器でのユーザと機器との関連付けの登録)
機器間の関連付け設定機構を利用する前に、ユーザは最低1つの機器について、ユーザ/機器の関連付け設定(登録)を行う必要がある。本実施形態においては、サーバ100のユーザ情報管理部13に予めユーザIDとパスワードに関する情報が保持されているものとする。ユーザは、ユーザ側機器200(例えばスマートフォン)上で、ユーザIDとパスワードを入力することによりユーザの認証を行い、このユーザとユーザ側機器200との関連付けを行う。これにより、サーバ100のユーザ/デバイス関連付け管理部14には、図3のようなエントリが生成される。同図に示すように、当該エントリには、ユーザID、デバイスID及び関連付けの種別の各項目が記録される。ユーザとユーザ側機器200との関連付けにおいては、関連付けの種別は"Owner"となる。同様にユーザ側機器200上のユーザ情報管理部29には、ユーザIDが記録される。
【0072】
(登録済みデバイスを用いた関連付け設定機構)
図4は、上記登録済み機器(ユーザ側機器200)を用いた関連付け設定機構のユーザインタフェースの例を示した図である。また図5、図6、図7は、関連付け設定処理におけるユーザ側機器200、サーバ100、設定対象機器300の各処理フローを示した図である。
【0073】
図4に示すように、ユーザ側機器200(スマートフォン)上でユーザが関連付け設定アプリケーションを起動すると、ユーザ側機器200の制御部21は、デバイス検索を行って近傍(ホームネットワーク10内)のデバイス一覧をデバイス一覧表示/選択部27に表示する(図5のステップ53)。デバイス一覧は、例えば各機器を示す画像情報(アイコン)により表示される(図4参照)。
【0074】
このデバイス検索において、制御部21は近傍の機器のデバイスIDのリストを取得する(図5のステップ51)。サーバ100には、それぞれの機器を示すイメージデータや、予め設定されたデバイスの名称(「パパのTV」、「リビングのPC」等)の個々の機器の情報が記録されている。制御部21は、これらの情報を、サーバ100に別途問い合わせメッセージを送付することにより取得する(図5のステップ52)。
【0075】
表示されたデバイス一覧の中に、ユーザが関連付け設定を行いたいデバイスがあれば、ユーザはこれを選択して関連付け設定処理の開始を制御部21に指示する(図5のステップ54)。デバイス一覧表示/選択部27がタッチパネルと一体とされている場合、当該選択は、例えばタッチペンやユーザの指によるタッチ、上記画像をタッチペンや指により囲う操作等により行われる(図4参照)。
【0076】
次に、制御部21は、上記選択された機器宛の関連付け設定要求を生成して、それを当該サーバ100へ送信する(図5のステップ55)。当該関連付け設定要求には、設定対象機器300のデバイスIDが含まれる。
【0077】
サーバ100の制御部11は、関連付け設定要求を受信すると(図6のステップ61)、宛先のデバイスIDにしたがってそれを設定対象機器300(例えばデジタルフォトフレーム)へ転送する(図6のステップ62)。
【0078】
設定対象機器300の制御部31は、上記関連付け設定要求を受信すると(図7のステップ71)、それに基づいて、ユーザに確認を求めるためのメッセージを、関連付け設定要求表示/確認部36に表示する(図7のステップ72、73)。当該メッセージとしては、例えば、「○○さんから関連付け設定要求を受信しました。許可しますか?」といったものが考えられる(図4参照)。
【0079】
ユーザが、例えばデジタルフォトフレームに設けられたボタン等を操作して許可を与えると(図7のステップ74のYes)、制御部31は、要求元のユーザ側機器200のユーザ情報を元に、ユーザ情報管理部38にユーザIDを保存する(図7のステップ75)。
【0080】
そして制御部31は、設定対象機器300制御部31は、上記関連付け設定要求を生成したユーザ側機器200のデバイスIDを宛先として指定した関連付け設定応答を生成し、それをサーバ100へ送信する(図7のステップ76)。
【0081】
サーバ100の制御部11は、当該関連付け設定応答を受信すると(図6のステップ63)、キャプチャーが許可されていると、それが関連付け設定を許可する応答であるか否かを判断する(図6のステップ64)。
【0082】
上記応答が許可である場合(ステップ64のYes)、制御部11は、ユーザ/デバイス関連付け管理部14に、対応するエントリを生成する(図6のステップ65)。図8は、当該エントリの例を示した図である。同図に示すように、上記図3と比較して、同一のユーザIDに対して、新たに設定対象機器300であるデジタルフォトフレームが関連付け設定されていることが分かる。
【0083】
一方、上記応答が拒否である場合(ステップ64のNo)、制御部11は、その旨をユーザ側機器200へ通知する(図6のステップ66)。
【0084】
上記応答が許可である場合、制御部11は、宛先として指定されているデバイスIDに従って、関連付け設定応答をユーザ側機器200へ転送する(図6のステップ67)。
【0085】
ユーザ側機器200の制御部21は、上記関連付け設定応答を受信すると(図5のステップ56)、当該応答が許可であるか拒否であるかを判断する(図5のステップ57)。
【0086】
上記応答が許可である場合(ステップ57のYes)、制御部21は、デバイス一覧表示/選択部27において、上記ステップ53で表示したデバイス一覧を更新して、上記選択された設定対象機器300を登録済デバイスとして表示しなおす(図5のステップ58)。例えば、当該登録済みデバイスを示す画像が枠で囲まれたり、当該画像の色が変更されたりする(図4参照)。登録済みデバイスを示す手法は、当該枠や色の変更以外にも、あらゆる表示態様の変化により実行され得る。
【0087】
一方、上記応答が拒否である場合(ステップ57のNo)、制御部21は、その旨をデバイス一覧表示/選択部27に表示する(図5のステップ59)。
【0088】
以上により、セキュリティレベルを確保しつつ、最小限のユーザID/パスワードの入力で、サーバ/デバイス連携及びデバイス間連携のためのユーザと機器の関連付け設定を行うことが可能となる。
【0089】
以上の説明では、ユーザ/デバイスの関連付けのタイプは「owner」の1種類だけであったが、上述のように、複数の種類の関連付けタイプも設定されうる。図9は、Owner/Family/Friend/Guestの4種類の関連付けタイプが用いられる場合のユーザインタフェースの例を示した図である。
【0090】
同図(A)に示すように、ユーザ側機器200のデバイス一覧表示/選択部27には、上記検索デバイス一覧において、設定対象機器300の画像情報が選択された場合に、上記4種類の関連付けタイプが表示される。ユーザが、この4種類のタイプから1つを選択すると、ユーザ側機器200の制御部21は、当該タイプを指定した関連付け設定要求を送信する。
【0091】
一方、同図(B)に示すように、上記タイプを指定された関連付け設定要求を、サーバ100を介して受信した設定対象機器300の制御部は、その旨を関連付け設定要求表示/確認部36に表示する。
【0092】
このように、ユーザ側機器200は、機器とユーザの関連付けにタイプを設けることで、例えば、ある対象ユーザは設定変更を含め全ての機能へのアクセスを許可し、別の対象ユーザには、設定変更を除くデータの書き込みを伴うアクセスを許し、また別のユーザにはデータの表示のみを許すなどの細かな設定を可能にできる。
【0093】
図10は、上記Owner/Family/Friend/Guestの4種類の関連付けタイプが用いられる場合の、ユーザ側機器200におけるユーザインタフェースの他の例を示した図である。
【0094】
同図(A)に示すように、上記デバイス検索により検索された近傍の機器は、デバイス一覧表示/選択部27の上部の領域101に表示されている。ここで、既に関連付け設定が登録済みの機器の画像は枠で囲まれて強調表示されており、また当該画像と共に登録ユーザタイプも表示される。
【0095】
また、既に登録済みの機器については、その画像が、上記領域101の下部の領域102において、タイプごとに表示される。これらの登録済みの機器のうち、上記デバイス検索により検索された機器の画像は枠で囲まれて強調表示されている。
【0096】
この状態から、ユーザが、領域101に表示されている関連付け設定を登録したい機器の画像を、タッチペンや指で、領域102内の所望のタイプの位置へドラッグアンドドロップすると、そのタイプを指定された関連付け設定要求が、当該対象機器へ送信される。
【0097】
そして、上記関連付け設定要求を許可する関連付け設定応答が受信されると、同図(B)に示すように、領域101及び領域102の双方において画像が更新される。すなわち、ユーザが未登録の機器の画像を領域101から領域102のOwnerの位置へドラッグアンドドロップした場合、上記許可応答により、領域101において未登録であった機器の画像が登録済みとして枠で囲まれて協調表示される。また、領域102において、Ownerの位置に上記ドラッグアンドドロップ対象の画像が表示され、かつ、近傍に存在する機器として枠で囲まれて強調表示される。
【0098】
図11は、タイプが指定されて関連付け設定が登録された場合のユーザ/デバイス関連付け情報エントリの例を示した図である。同図に示すように、Owner権限を有するユーザ側機器(スマートフォン)のユーザのユーザIDに対して、ある設定対象機器300(デジタルフォトフレーム)のユーザはGuest権限で関連付け設定されており、また別の設定対象機器300(TV)のユーザはFriend権限で関連付け設定されている。
【0099】
<第2実施形態>
次に、本技術の第2実施形態を説明する。
【0100】
図12は、本実施形態におけるサーバ100、ユーザ側機器200及び設定対象機器300の各ハードウェア構成を示したブロック図である。同図において、上記第1実施形態と同様の機能を有するブロックには同一の符号が付されている。
【0101】
上記第1実施形態では、機器間の関連付け設定処理は、ユーザ側機器200から設定対象機器300へ関連付け設定要求が送信されることで行われたが、本実施形態では、それが設定対象機器300からのリクエストで実行される。
【0102】
そのため、同図に示すように、設定対象機器300は、デバイス検索を行うデバイス検索部95と、デバイス一覧を表示してユーザからの選択を受け付けるデバイス一覧表示/選択部96を有する。これに対応して、ユーザ側機器200は、デバイス検索サーバ部91と、関連付け設定要求表示/確認部92を有する。
【0103】
ユーザが、デバイス一覧に表示された機器の画像から、設定の元としたい登録済の機器(ユーザ側機器200)を選択することで、関連付け設定要求がサーバ100を介してユーザ側機器200へ送信される。ユーザ側機器200において当該関連付け設定要求に対する許可応答がなされることで、上記第1実施形態と同様に関連付け設定が実行される。
【0104】
<第3実施形態>
次に、本技術の第3実施形態を説明する。
【0105】
本実施形態では、上述の各実施形態におけるユーザ側機器200と設定対象機器300との区別を廃止し、どの機器からもユーザの初期登録/関連付け設定操作を行えるようにされている。したがって、各機器(機器400A及び400B)は、上述の各実施形態においてユーザ側機器200及び設定対象機器300の双方が有していたブロックを有している。
【0106】
これにより、機器毎の機能が予め設定されていないため、ユーザは機器間の関連付け設定を柔軟に行うことができる。
【0107】
<第4実施形態>
次に、本技術の第4実施形態を説明する。
【0108】
上述の各実施形態においては、ユーザ側機器200または設定対象機器300は、デバイス検索のために、ローカルネットワーク上のSSDPなどによるデバイス/サービスディスカバリ機構のみを用いた。しかし、この場合、ユーザ側機器200または設定対象機器300は、登録済デバイスの近傍にあるデバイスだけしか登録対象とすることができない。
【0109】
そこで、本実施形態においては、リモートデバイス検索リクエスト機構を用いることとしている。図14は、本実施形態におけるシステムの概要を示した図である。
【0110】
例えば、ユーザが、以前に、ユーザ側機器200(例えばスマートフォン)を携帯しておじいちゃんの家に出かけた際に、その家のネットワークを用いたデバイス検索機構により検索された設定対象機器300と、当該ユーザ側機器200(例えばデジタルフォトフレーム)とが既に関連付け設定登録されているものとする。
【0111】
この場合、ユーザ側機器200は、当該設定対象機器300に対しては、ユーザ側機器200がどこに存在していても、サーバ100を経由してメッセージを送信することが可能である。そこで、同図に示すように、ユーザ側機器200は、上記登録済みの設定対象機器300(フォトフレーム)に対して、その近傍のデバイスを検索してデバイス一覧を送信するようにリクエストを送信する。
【0112】
これにより、ユーザ側機器200は、おじいちゃんの家で新たに購入された他の設定対象機器500(例えばTV)も、デバイス検索により見つけることができるようになり、上記各実施形態における設定対象機器300と同様に、関連付け設定の対象とすることができる。
【0113】
図15は、このリモート検索リクエスト機構を用いた関連付け設定処理におけるユーザインタフェースの例を示した図である。同図では、基本的に上記図10と同様のユーザインタフェースが採用されている。また図16及び図17は、当該関連付け設定処理におけるユーザ側機器200と、既に登録済みの設定対象機器300の各処理のフローを示した図である。
【0114】
図15(A)に示すように、ユーザ側機器200のユーザが、デバイス一覧表示/選択部27の領域102に表示された登録済み機器から、おじいちゃんの家のTVを選択したとする(図16のステップ161)。
【0115】
そうすると、図15(B)に示すように、選択されたおじいちゃんの家のTVの詳細情報と、当該TVの近傍におけるデバイス検索を指示するボタンが表示される。
【0116】
上記ボタンがユーザにより押下されると、ユーザ側機器200から、上記選択されたTV(登録済みの設定対象機器300)に対して、デバイス検索リクエストメッセージが送信される(図16のステップ162)。
【0117】
上記TVは、他の機器からのリクエストを待ち(図17のステップ)、上記デバイス検索リクエストを受信すると(図17のステップ172のYes)、その近傍(ホームネットワーク10内)でデバイス検索を実行する(図17のステップ173)。
【0118】
そして、TVは、上記デバイス検索の結果としてデバイスリストを取得し、当該デバイスリストを含む、上記デバイス検索リクエストに対するレスポンスメッセージを生成する(図17のステップ174)。
【0119】
そしてTVは、上記生成したレスポンスメッセージをユーザ側機器200へ送信する(図17のステップ175)。
【0120】
上記ユーザ側機器200は、上記レスポンスメッセージによりデバイスリストを受信すると(図16のステップ163)、図15(C)に示すように、領域101に、おじいちゃんの家のTVの近傍の機器の一覧を表示する(図16のステップ164)。ユーザが、当該領域101から、関連付け設定を登録したい機器の画像を選択することで、上述の各実施形態と同様の関連付け設定処理が実行される。
【0121】
<第5実施形態>
次に、本技術の第5実施形態を説明する。
【0122】
上記第4の実施形態では、ユーザ側機器200が、登録済のデバイス(設定対象機器300)を介して近傍のデバイスを検索することも可能となったが、これはあくまでネットワークトポロジにそった形でのデバイス検索にすぎない。
【0123】
実際の環境では、ネットワークトポロジや利用するネットワークの種類に関わらず、よりユーザに分かりやすい形での検索が望まれる場合がある。例えば、ユーザが、位置情報に基づいて、指定した位置の近傍にあるデバイスを検索したいケースなどが該当する。
【0124】
そこで、本実施形態では、このような場合に対応するために、クラウド上のサーバ100に、デバイス検索のための機能が設けられる。また、当該サーバ100とは別個にデバイス検索用のサーバが設けられても構わない。
【0125】
図18は、この場合のシステムの概要を示した図である。また図19は、本実施形態における設定対象機器300の処理フローを示した図であり、図20は、本実施形態におけるサーバ100の処理フローを示した図であり、図21は、本実施形態におけるユーザ側機器200の処理フローを示した図である。図18に示すように、サーバ100は、各機器(設定対象機器300)の位置情報及びデバイス情報/サービス情報を保存するためのデータベース110を有する。
【0126】
図18に示すように、設定対象機器300は、自身のデバイス情報及びサービス情報をサーバ100へ送信する(図19のステップ191)。ここでデバイス情報は例えばデバイスIDであり、サービス情報は例えばサービス名("VideoStreaming"等)である。
【0127】
また設定対象機器300は、自身の位置情報を取得し、それをサーバ100へ送信する(図19のステップ192)。当該位置情報の取得には、例えば設定対象機器300が有するGPSセンサ(図示せず)が取得可能な位置情報や、通信部32が取得可能な無線LANのアクセスポイント情報または電界強度情報(例えばPlaceEngine等)等が用いられる。
【0128】
その後、設定対象機器300は、自身の位置情報を一定時間毎に取得し(図19のステップ193)、当該位置情報に変化があったと判断した場合、変化後の位置情報をサーバ100へ通知して更新する(図19のステップ194、195)。
【0129】
サーバ100は、他の機器からのリクエストを待機し(図20のステップ201)、リクエストを受信すると、当該リクエストが、設定対象機器300からの上記デバイス情報/サービス情報の通知か否かを判断する(図20のステップ202)。
【0130】
上記リクエストがデバイス情報/サービス情報の通知であった場合(ステップ202のYes)、サーバ100は、当該デバイス情報及びサービス情報を上記データベース110へ保存する(図20のステップ203)。
【0131】
またサーバ100は、上記リクエストがデバイス情報/サービス情報の通知でないと判断した場合(ステップ202のNo)、当該リクエストが、設定対象機器300からの位置情報の通知であるか否かを判断する(図20のステップ204)。
【0132】
上記リクエストが位置情報の通知であると判断した場合(ステップ204のYes)、サーバ100は、当該位置情報を上記データベース110へ保存する(図20のステップ205)。
【0133】
一方、ユーザ側機器200は、上記デバイス一覧表示/選択部27に地図を表示し(図21のステップ211)、ユーザから、当該地図上での任意の位置の選択を受け付ける(図21のステップ212)。当該地図は例えばインターネット上からその都度ダウンロードされたものである。
【0134】
そしてユーザ側機器200は、上記選択された位置に基づいて、当該位置の近傍のデバイスの検索を要求するデバイス検索要求を生成して、それをサーバ100へ送信する(図21のステップ213)。ここで、当該デバイス検索要求には、上記選択された位置を示す位置情報が含まれるが、上記選択された位置からの距離を指定する情報が含まれてもよい。また当該デバイス検索要求には、上記選択された位置に近い順に最大いくつのデバイスを検索するか(リストに最大いくつのデバイスを含めるか)を指定する情報が含まれてもよい。
【0135】
サーバ100は、受信したリクエストが、ユーザ側機器200からの、位置情報によるデバイス検索要求であると判断した場合(図20のステップ206のYes)、当該デバイス検索要求に含まれる位置情報に基に、上記データベース110を検索する。そしてサーバ100は、当該検索結果を基に、上記位置情報が示す位置の近傍に存在するデバイスのデバイスIDを含むデバイスリストを作成してユーザ側機器200へ送信する(図20のステップ207)。
【0136】
ユーザ側機器200は、上記デバイスリストを受信すると(図21のステップ214)、それを上記デバイス一覧表示/選択部27に表示する(図21のステップ215)。
【0137】
上記デバイスリストを受信した後は、ユーザ側機器200は、上記デバイスIDを用いて、ユーザの所望の機器に関連付け設定要求を送信して関連付け処理を実行することができる。
【0138】
以上の処理により、ユーザ側機器200は、ネットワークトポロジの制約を受けずにデバイスを検索し、検索された機器との関連付け設定処理を実行することができる。ここで、上記第3実施形態で説明したように、ユーザ側機器200と設定対象機器300の区別はなくてもよい。
【0139】
<第6実施形態>
次に、本技術の第6実施形態を説明する。
【0140】
図22は、本実施形態における関連付け設定システムの概要を示した図である。
【0141】
上述の各実施形態で説明したように、ユーザ側機器200は、他の機器(設定対象機器300)のデバイスIDのみ分かれば、上述した関連付け設定機構により他の機器を関連付けて、自由にデバイス連携を行う環境を実現することができる。当該デバイスIDは、必ずしも、デバイス検索操作によって見つけられる必要があるわけではない。ユーザが明示的に、何らかの手段でデバイスIDを取得した上で、これを関連付け設定に用いれば、さらに柔軟な設定機構を実現される。
【0142】
そこで本実施形態のシステムでは、同図に示すように、デバイスIDが機器間で電子メールによりやり取りされることとしている。
【0143】
同図に示すように、ユーザ側機器200(例えばスマートフォン)のユーザは、まず自分の家で当該ユーザ側機器200を用いたローカルデバイス検索により、周辺の機器(例えばTV500)のデバイスIDを取得する(同図(1))。
【0144】
そして当該ユーザは、取得したデバイスID(またはそのリスト)を、電子メールに添付する形で、友人の機器(PC600)へ送付する(同図(2))。ここで、ユーザが、自身のデバイスIDを友人へ知らせる場合には、当然ながら上記デバイス検索は必要ない。
【0145】
上記メールを受信した友人は、取得した設定対象機器(例えばTV500)のデバイスIDを元に、サーバ100を介して、関連付け設定要求を送信する(同図(3))。
【0146】
このような処理により、友人のPC600から、ユーザの自宅のTV500へのアクセスができるようになり、例えば、PC600からビデオコンテンツをストリーミングして、ユーザと友人とでそれを同時に視聴するようなことも可能となる。
【0147】
上記ではメールによりデバイスIDがやり取りされたが、同様に、WebサーバやSNS(Social Networking Service)、BLOG、Twitter(商標)等の他のツールやサービスを介して、デバイスIDがやり取りされてもよい。例えば、ユーザが自分の家の機器のデバイスIDのリストをSNS上にアップロードし、これを友人に公開することにより、友人に自分の家にある機器へのアクセス権を与えることができる。
【0148】
<第7実施形態>
次に、本技術の第8実施形態を説明する。
【0149】
上記第1実施形態では、ユーザ側機器200から、ユーザ/デバイスの関連付けのタイプ(例えば4種類)が指定されて関連付け設定要求が送信された場合、設定対象機器300は、当該タイプについては、そのタイプを許可するか否かしか選択できなかった。
【0150】
しかし、例えばユーザ側機器200がユーザタイプ「owner」で関連付け設定要求を送った場合、このリクエストの許可を求める通知を見た設定対象機器300のユーザが、ユーザタイプ「owner」は許可できないが、「guest」としてアクセスしてくれるのなら許可できるというような場合もある。
【0151】
このような場合、ユーザ側機器200のユーザが「owner」「family」「friend」「guest」といった順でユーザタイプを変更して、順次リクエストを送信することもできる。しかしこの場合、設定対象機器300のユーザは、「owner」「family」「friend」をそれぞれ指定したリクエストを拒否した後、「guest」を指定したリクエストを許可することになる。これでは双方のユーザにとって使い勝手が悪い。
【0152】
そこで本実施形態では、双方のユーザの操作を簡単にするために、設定対象機器300のユーザが、関連付け設定応答に、許可可能なユーザタイプのリストを付加することができるようにしている。
【0153】
図23は、本実施形態におけるユーザ側機器200の処理フローを示した図であり、図24は、本実施形態における設定対象機器300の処理フローを示した図である。
【0154】
まずユーザ側機器200は、設定対象機器300へ、ユーザタイプを指定した関連付け設定要求をサーバ100を介して送信する(図23のステップ231)。
【0155】
一方、設定対象機器300では、設定対象機器300のユーザが許可可能なユーザタイプに関する情報を記憶しておく。そして、設定対象機器300は、上記関連付け設定要求を受信すると(図24のステップ241)、当該要求で指定されたユーザタイプが、上記許可可能なユーザタイプと一致するか否かを判断する(図24のステップ242)。
【0156】
上記要求で指定されたユーザタイプが、上記許可可能なユーザタイプと一致すると判断した場合(ステップ242のYes)、設定対象機器300は、要求元のユーザ側機器200のユーザ情報を元に、そのユーザIDを上記ユーザ情報管理部38へ保存する(ステップ246)。そして設定対象機器300は、関連付け設定要求を許可する応答を、サーバ100を介してユーザ側機器200へ送信する(図24のステップ247)。
【0157】
上記ステップ242で、上記要求で指定されたユーザタイプが、上記許可可能なユーザタイプと一致しないと判断した場合(No)、設定対象機器300は、当該要求に対する許可をユーザに求めるため、関連付け設定要求表示/確認部36に、図9(B)で示したようなメッセージを表示する(図24のステップ243)。また当該メッセージと共に、設定対象機器300は、関連付け設定要求表示/確認部36に、例えば、「許可」、「他のユーザタイプなら許可」、「拒否」といった選択肢に対応したボタンを表示する(図24のステップ244)。
【0158】
ユーザにより上記「許可」ボタンが選択された場合(ステップ245のYes)、設定対象機器300は、ユーザ側機器200のユーザIDを保存し、関連付け設定要求を許可する応答を送信する(図24のステップ246、247)。
【0159】
ユーザにより上記「拒否」ボタンが選択された場合(ステップ248のNo)、設定対象機器300は、その旨の応答を送信する(図24のステップ247)。
【0160】
ユーザにより上記「他のユーザタイプなら許可」ボタンが選択された場合(ステップ248のYes)、設定対象機器300は、関連付け設定要求表示/確認部36に、許可可能なユーザタイプを選択させる画面を表示する。
【0161】
そして設定対象機器300は、当該画面で選択されたユーザタイプに基づいて、許可可能リクエスト情報を生成して、それを有効期限付きで上記ユーザ情報管理部38へ保存する(図24のステップ249)。当該許可可能リクエスト情報には、リクエスト送信元のユーザID及びデバイスID並びに許可可能なユーザタイプのリストが含まれる。
【0162】
そして設定対象機器300は、上記生成された許可可能リクエスト情報と共に、関連付け設定応答を送信する(図24のステップ247)。
【0163】
一方、ユーザ側機器200は、上記関連付け設定応答を受信すると(図23のステップ232)、それが、関連付け設定要求を許可するものであるか否かを判断する(図23のステップ234)。
【0164】
上記応答が許可であると判断した場合(ステップ234のYes)、ユーザ側機器200は、上記デバイス一覧表示/選択部27において、設定対象機器300の画像を登録済みに変更する(図23のステップ235)。
【0165】
上記応答が拒否であると判断した場合(ステップ234のNo)、ユーザ側機器200は、当該応答に、上記許可可能ユーザタイプリストが含まれるか否かを判断する(図23のステップ236)。
【0166】
当該応答に、上記許可可能ユーザタイプリストが含まれると判断した場合(ステップ236のYes)、ユーザ側機器200は、当該リストをデバイス一覧表示/選択部27に表示する(図23のステップ237)。
【0167】
そしてユーザ側機器200は、当該表示されたリスト上において、ユーザから、ユーザタイプの選択を受け付け(図23のステップ238)、当該ユーザタイプを指定した関連付け設定要求を改めて送信する(図23のステップ231)。
【0168】
当該応答に、上記許可可能ユーザタイプリストが含まれていないと判断した場合(ステップ236のNo)、ユーザ側機器200は、要求が拒否された旨をデバイス一覧表示/選択部27に表示する(図23のステップ239)。
【0169】
以上の処理により、ユーザ側機器200と設定対象機器300との間で、ユーザタイプをネゴシエーションにより決定することができる。
【0170】
[まとめ]
以上説明したように、本技術によれば、セキュリティレベルを確保しつつ、最小限のユーザID/パスワードの入力で、サーバと機器との連携並びに機器間の連携のためのユーザとデバイスとの関連付け設定を行うことができる。
【0171】
最近ではスマートフォン等の携帯端末が普及し、個人を特定する情報と強力な通信機能を持ったデバイスを、誰もが常時携帯している世界を想定することができるようになってきた。このような環境において本技術を用いることにより、ユーザは、自分の端末を持ち歩いて、気の向くままに他の機器との関連付け設定要求を送信することで、あたかも自分をサポートしてくれる仲間を増やしていくような感覚で、必要な機器の関連付け設定を行うことができるようになる。これまでは、関連付けの設定が難しいがために機器間の連携機能を利用することができなかったユーザでも、本技術により当該連携機能を利用することができるようになる。
【0172】
また、家庭内での機器間の設定のみならず、親戚や友人の家にある機器、あるいは、街頭にある機器の設定まで、あらゆる機器が統一的に扱われるようになることで、自由なクラウド/デバイス連携及びデバイス間連携のためのインフラとなる環境が実現される。
【0173】
クラウド環境においては、従来のようなブラウザを介したアクセスを基本としたサービスに変わって、世の中にあるどのような機器からでも利用でき、かつ、多数の機器を組み合わせて動作させることでユーザに利便性を提供する高度なサービスが提供される段階に進みつつある。このような環境下においては、本技術の利用価値は大変高いものと考えられる。
【0174】
[変形例]
本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0175】
上述の各実施形態では、サーバ100を介して各機器が通信を行い、ユーザ/デバイスの関連付け情報をサーバ100に保存する形態が用いられた。しかし、例えばサーバ100との接続ができない場合等に、一時的な設定を行うために、サーバ100を介さずに、機器間で直接メッセージのやり取りを行うことにより関連付け設定が行われてもよい。
【0176】
上述の各実施形態においては、関連付け設定機構を行うためのベースとして、デバイスベースのセキュリティ機構を前提とされたが、特にセキュリティ上の懸念がない場合や、他の手段によりセキュリティが確保される場合においては、デバイスベースのセキュリティ機構が利用されなくてもよい。
【0177】
上述の各実施形態においては、デバイスIDに対応するイメージデータや、デバイス名等の情報はサーバ100上に保持されていたが、これらは別のサーバ上に保持されていてもよく、またユーザ側機器200や設定対象機器300が予め保持していてもよい。
【0178】
上記各実施形態においては、関連付け設定要求を受信した設定対象機器300は、それを表示してユーザに許可を求めていた。しかし、例えばTVのように、表示機能だけを有し、誰が用いても構わない機器においては、ユーザに要求を許可するか否かを確認することなく、常に許可するように設定されていても構わない。
【0179】
上述の実施形態1〜7の構成は、互いに矛盾しない限り、どのように態様で組み合わされても構わない。
【0180】
上述の各実施形態においては、ユーザ側機器200の例としてスマートフォン、設定対象機器300の例としてデジタルフォトフレームが示されたが、もちろん、各機器の種別はそれらに限られない。すなわち、携帯電話機、タブレットPC、PDA、携帯型AVプレイヤー、電子ブック、デジタルフォトフレーム、TV、PVR、ノートブック型PC、デスクトップ型PC、HDD装置、カムコーダ、デジタルカメラ、ゲーム機器、プロジェクター、ヘルスケア機器、家庭用電気製品等、あらゆる情報処理装置が本技術の対象となり得る。
【0181】
[その他]
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)情報処理装置であって、
第1のネットワーク及び第2のネットワークに接続可能な通信部と、
前記第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路を確立するとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とを前記サーバ装置へ送信して登録させ、
前記第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して当該機器を識別する第2の機器識別情報を受信し、
当該情報処理装置と前記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、当該受信された第2の機器識別情報と共に前記サーバ装置へ送信し、
前記設定要求情報に対して前記機器から送信された応答情報を前記サーバ装置から受信する
ように前記通信部を制御可能な制御部と
を具備する情報処理装置。
(2)上記(1)に記載の情報処理装置であって、
表示部と、
前記ユーザの操作を受け付ける操作受付部と
をさらに具備し、
前記制御部は、
前記検索された少なくとも1つの機器を示す情報を表示するように前記表示部を制御可能であり、
前記表示された情報から前記設定要求情報の送信対象となる機器を選択する操作が受け付けられた場合に、前記設定要求情報を送信するように前記通信部を制御可能であり、
前記応答情報が受信された場合に、前記選択された機器を示す情報の表示態様を変化させるように前記表示部を制御可能である
情報処理装置。
(3)上記(2)に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記機器との関連付けの種別を示す複数の種別情報を表示するように前記表示部を制御可能であり、
前記表示された複数の種別情報から1つの種別情報を選択する操作が受け付けられた場合に、前記選択された種別情報と共に前記設定要求情報を送信するように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
(4)上記(3)に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記検索された少なくとも1つの機器を示すオブジェクトを表示する第1の領域と、前記関連付けの種別ごとに設けられた第2の領域とを表示するように前記表示部を制御可能であり、
前記第1の領域に表示されたオブジェクトを前記第2の領域へドラッグアンドドロップする操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域に対応する種別を示す種別情報と共に前記設定要求情報を送信するように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
(5)上記(1)から(4)のうちいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記関連付けの設定がなされた機器が、前記第1及び第2のネットワーク以外の第3のネットワークに接続されている場合に、当該機器に、前記第3のネットワークに接続された他の機器を検索して当該他の機器の識別情報を返信するよう要求する検索要求情報を送信し、
前記検索要求情報に応じて前記機器から送信された他の機器の機器識別情報を受信し、
当該情報処理装置と前記他の機器との関連付けの設定を当該他の機器へ要求する設定要求情報を、前記受信された他の機器の機器識別情報と共に、前記サーバ装置へ送信する
ように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
(6)上記(1)から(5)のうちいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記サーバ装置は、前記第1及び第2のネットワーク以外の第3のネットワークに接続された他の機器から、当該他の機器の位置情報及び当該他の機器の機器識別情報を受信して記憶しており、
前記制御部は、
前記位置情報で示される位置の近傍の機器を検索する検索要求情報を前記サーバ装置へ送信し、
前記検索要求情報に応答して前記サーバ装置から送信された、前記位置の近傍の機器の機器識別情報を受信し、
当該情報処理装置と前記位置の近傍の機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、前記受信された機器識別情報と共に、前記サーバ装置へ送信する
ように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
【符号の説明】
【0182】
5…広域ネットワーク
10…ホームネットワーク
11、21、31…制御部
15、22、32…通信部
16、23、33…メッセージ受信部
17、24、34…メッセージ送信部
26、95…デバイス検索部
18、28、37…セキュリティ管理部
30、39…デバイスID生成部
100…サーバ
101、102…領域
110…データベース
200…ユーザ側機器
300、500…設定対象機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
第1のネットワーク及び第2のネットワークに接続可能な通信部と、
前記第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路を確立するとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とを前記サーバ装置へ送信して登録させ、
前記第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して当該機器を識別する第2の機器識別情報を受信し、
当該情報処理装置と前記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、当該受信された第2の機器識別情報と共に前記サーバ装置へ送信し、
前記設定要求情報に対して前記機器から送信された応答情報を前記サーバ装置から受信する
ように前記通信部を制御可能な制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
表示部と、
前記ユーザの操作を受け付ける操作受付部と
をさらに具備し、
前記制御部は、
前記検索された少なくとも1つの機器を示す情報を表示するように前記表示部を制御可能であり、
前記表示された情報から前記設定要求情報の送信対象となる機器を選択する操作が受け付けられた場合に、前記設定要求情報を送信するように前記通信部を制御可能であり、
前記応答情報が受信された場合に、前記選択された機器を示す情報の表示態様を変化させるように前記表示部を制御可能である
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記機器との関連付けの種別を示す複数の種別情報を表示するように前記表示部を制御可能であり、
前記表示された複数の種別情報から1つの種別情報を選択する操作が受け付けられた場合に、前記選択された種別情報と共に前記設定要求情報を送信するように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記検索された少なくとも1つの機器を示すオブジェクトを表示する第1の領域と、前記関連付けの種別ごとに設けられた第2の領域とを表示するように前記表示部を制御可能であり、
前記第1の領域に表示されたオブジェクトを前記第2の領域へドラッグアンドドロップする操作が受け付けられた場合に、当該第2の領域に対応する種別を示す種別情報と共に前記設定要求情報を送信するように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記関連付けの設定がなされた機器が、前記第1及び第2のネットワーク以外の第3のネットワークに接続されている場合に、当該機器に、前記第3のネットワークに接続された他の機器を検索して当該他の機器の識別情報を返信するよう要求する検索要求情報を送信し、
前記検索要求情報に応じて前記機器から送信された他の機器の機器識別情報を受信し、
当該情報処理装置と前記他の機器との関連付けの設定を当該他の機器へ要求する設定要求情報を、前記受信された他の機器の機器識別情報と共に、前記サーバ装置へ送信する
ように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記サーバ装置は、前記第1及び第2のネットワーク以外の第3のネットワークに接続された他の機器から、当該他の機器の位置情報及び当該他の機器の機器識別情報を受信して記憶しており、
前記制御部は、
前記位置情報で示される位置の近傍の機器を検索する検索要求情報を前記サーバ装置へ送信し、
前記検索要求情報に応答して前記サーバ装置から送信された、前記位置の近傍の機器の機器識別情報を受信し、
当該情報処理装置と前記位置の近傍の機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、前記受信された機器識別情報と共に、前記サーバ装置へ送信する
ように前記通信部を制御可能である
情報処理装置。
【請求項7】
第1のネットワークに接続可能な通信部と、
前記第1のネットワークに接続された情報処理装置との間で安全な通信路を確立するとともに、前記情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、前記情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とを前記情報処理装置から受信して登録し、
前記情報処理装置が、前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して取得した、当該機器を識別する第2の機器識別情報と共に、前記情報処理装置と前記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を前記情報処理装置から受信し、
前記受信された設定要求情報を前記機器へ送信し、
前記設定要求情報に対して前記機器から送信された応答情報を受信し、
前記受信された応答情報を前記情報処理装置へ送信する
ように前記通信部を制御可能な制御部と
を具備するサーバ装置。
【請求項8】
情報処理装置における情報処理方法であって、
第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路を確立するとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とをサーバ装置へ送信して登録させ、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して当該機器を識別する第2の機器識別情報を受信し、
当該情報処理装置と前記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、当該受信された第2の機器識別情報と共に前記サーバ装置へ送信し、
前記設定要求情報に対して前記機器から送信された応答情報を前記サーバ装置から受信する
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置に、
第1のネットワークに接続されたサーバ装置との間で安全な通信路を確立するとともに、当該情報処理装置のユーザを識別するユーザ識別情報と、当該情報処理装置を識別する第1の機器識別情報とをサーバ装置へ送信して登録させるステップと、
前記第1のネットワークとは異なる第2のネットワークに接続された少なくとも1つの機器を検索して当該機器を識別する第2の機器識別情報を受信するステップと、
当該情報処理装置と前記機器との関連付けの設定を当該機器へ要求する設定要求情報を、当該受信された第2の機器識別情報と共に前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記設定要求情報に対して前記機器から送信された応答情報を前記サーバ装置から受信するステップと
を実行させるプログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図23】
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【図24】
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【図1】
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【図10】
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【図14】
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【図15】
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【図18】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−3661(P2013−3661A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131293(P2011−131293)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】