説明

情報処理装置、伝票発行装置およびプリンタ制御プログラム

【課題】 外字登録不要ながら、プリンタがフォントを有さない文字を印刷可能とする。
【解決手段】 情報処理装置100は、文字を取得する取得手段1と、表示用の文字情報を記憶する記憶手段4と、前記取得手段1により取得した文字が、印刷部200が記憶している文字か否かを検知する検知手段1と、前記検知手段1により前記印刷部200が記憶していない文字であると検知すると、前記記憶手段4が記憶する表示用の文字情報から印刷用の文字情報を生成する生成手段1と、前記生成手段1により生成された印刷用の文字情報を前記印刷部200へ出力する出力手段1,16とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、伝票発行装置およびプリンタ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
伝票発行装置などのような情報処理装置は、伝票画像のような画像を作成し、当該画像を印刷するようにプリンタに要求する。
【0003】
プリンタの多くは、JIS(Japanese industrial standard)第1水準やJIS第2水準などの基本的な文字のフォントを内蔵する。そこで上記のような情報処理装置では、文字の印刷に当たってはプリンタに内蔵されたフォントを使用することが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−4559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プリンタがフォントを有していない文字を印刷しようとする画像に含まれる場合に、当該文字を印字させるためには、情報処理装置にプリンタ用のフォントを外字として登録しておき、このフォントをプリンタに送ることが必要であった。
【0006】
このような事情から、外字の登録を不要としながら、プリンタがフォントを有していない文字の印刷を行えることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報処理装置は、文字を取得する取得手段と、表示用の文字情報を記憶する記憶手段と、前記取得手段により取得した文字が、印刷部が記憶している文字か否かを検知する検知手段と、前記検知手段により前記印刷部が記憶していない文字であると検知すると、前記記憶手段が記憶する表示用の文字情報から印刷用の文字情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された印刷用の文字情報を前記印刷部へ出力する出力手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態に係る伝票発行装置の要部構成を示すブロック図。
【図2】図1中の補助記憶ユニットに記憶され得る情報を示す図。
【図3】伝票発行に拘わる複数の機能を選択的に動作させるための図1中のCPUによる制御処理のフローチャート。
【図4】メニュー画面の一例を示す図。
【図5】図1中のCPUによる見積書発行処理のフローチャート。
【図6】見積書入力画面の初期画面の一例を示す図。
【図7】文字列の入力を反映して更新された見積書入力画像の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下実施の形態の一例を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、情報処理装置として伝票発行装置を例に説明する。
【0010】
図1は本実施形態に係る伝票発行装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0011】
伝票発行装置100は、CPU(central processing unit)1、ROM(read-only memory)2、RAM(random-access memory)3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、表示デバイス6、表示コントローラ7、タッチセンサ8、タッチセンサコントローラ9、キーボード10、キーボードコントローラ11、スキャナ12、スキャナコントローラ13、可搬媒体ドライブ14、ドライブコントローラ15、プリンタインタフェイス16および通信デバイス17を含む。これらの各部のうちのCPU1、ROM2、RAM3、補助記憶ユニット4、時計ユニット5、表示コントローラ7、タッチセンサコントローラ9、キーボードコントローラ11、スキャナコントローラ13、ドライブコントローラ15、プリンタインタフェイス16および通信デバイス17は、システムバス18にそれぞれ接続されている。
【0012】
CPU1は、ROM2、RAM3および補助記憶ユニット4に記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェアおよびアプリケーションプログラムが記述されたファイルに基づいて、伝票発行装置100としての各種の動作を実現するべく各部を制御する。
【0013】
ROM2は、上記のオペレーティングシステムが記述されたファイルを記憶する。ROM2は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムが記述されたファイルを記憶する場合もある。またROM2は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合も有る。
【0014】
RAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM3は、CPU1が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。RAM3は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムが記述されたファイルを記憶する場合もある。
【0015】
補助記憶ユニット4は、例えばハードディスクドライブやSSD(solid state drive)などであり、CPU1が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU1での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット4は、上記のミドルウェアやアプリケーションプログラムが記述されたファイルを記憶する場合もある。具体的には例えば図2に示すように、アプリケーションファイル41、アプリデータファイル42、表示用フォントファイル43、定義ファイル44および外字フォント45が記憶され得る。
【0016】
アプリケーションファイル41は、アプリケーションプログラムが記述されたコンピュータファイルである。アプリケーションファイル41としては、それぞれ異なる伝票を発行するための複数の機能にそれぞれ関するものや、上記の複数の機能の選択的に動作させるための制御に関するものなどを含んだ複数のファイルが補助記憶ユニット4に記憶され得る。
【0017】
アプリデータファイル42は、アプリケーションファイル41に記述されたアプリケーションプログラムに基づく処理のために使用するデータや、当該処理に際して取得または生成されたデータなどを適宜に含んだコンピュータファイである。アプリデータファイル42は、複数が補助記憶ユニット4に記憶され得る。
【0018】
表示用フォントファイル43は、表示デバイス6での文字表示のために利用されるフォントが記述されたコンピュータファイルである。
【0019】
定義ファイル44は、外字として印字するべき文字の文字コードが記述されたコンピュータファイルである。典型的には定義ファイル44には、「EAA5−FCF4」のように文字コードの範囲(以下、外字範囲と称する)が記述され、当該外字範囲内の文字コードに対応する文字が外字として印字するべき文字とされる。もちろん定義ファイルには、個別の文字コードが記述されても良いし、文字コードの範囲と個別の文字コードとがそれぞれ記述されても良い。また定義ファイルには、互いに離散した複数の範囲が記述されても良い。定義ファイル44は、操作者による指示に応じてCPU1が書き換えることが可能である。すなわち外字範囲は操作者が任意に設定することができる。
【0020】
外字フォント45は、外字として印字するべき文字のフォントである。この外字フォント45は、後述するように必要に応じて生成され、補助記憶ユニット4には一時的に記憶される。すなわち補助記憶ユニット4は、外字フォント45のためのバッファとして利用される。
【0021】
なお、アプリケーションファイルがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶される場合、伝票発行装置100の譲渡は、一般的にアプリケーションファイルがRAM3または補助記憶ユニット4に記憶された状態にて行われる。しかし、伝票発行装置100をアプリケーションファイルの少なくとも一部がRAM3に記憶されない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいは通信ネットワーク300を介して上記のアプリケーションファイルを譲渡され、このアプリケーションファイルが上記の別途に譲渡された伝票発行装置100のRAM3または補助記憶ユニット4に書き込まれても良い。
【0022】
時計ユニット5は、定常的に計時動作を行い、日付および時刻を表した日時情報を生成する。
【0023】
表示デバイス6は、例えばLCD(liquid crystal display)であり、CPU1の制御の下に任意の画像を表示可能である。表示デバイス6は、操作者に対して提示するべき各種の情報を表した画像を表示するために利用される。
【0024】
表示コントローラ7は、CPU1の制御の下に表示デバイス6の動作を制御する。
【0025】
タッチセンサ8は、表示デバイス6の表示面に重ねて配置され、表示デバイス6の表示面に対して指やタッチペンなどによるタッチがなされた場合に、そのタッチ位置を検知し、そのタッチ位置に応じた検知信号を出力する。具体的にはタッチセンサ8は、表示デバイス6の表示面にほぼ匹敵する検知範囲を有する。そしたタッチセンサ8は、検知範囲内にマトリクス状に設定された多数の検知位置のそれぞれに応じた検知信号を出力する。
【0026】
タッチセンサコントローラ9は、CPU1の制御の下にタッチセンサ8の動作を制御するとともに、タッチセンサ8が出力する検知信号を座標情報に変換し、この座標情報をRAM3に書き込む。
【0027】
キーボード10は、多数のキーと、これら多数のキーの押下をそれぞれ検出するスイッチとを含む。キーボード10は、キーが押下されたことに応じて、そのキーに応じたコマンドを出力する。キーボード10としては、例えばOADG(the PC open architecture developers' group)に準拠した日本語キーボードなどを用いることができる。
【0028】
キーボードコントローラ11は、CPU1の制御の下にキーボード10の動作を制御するとともに、キーボード10が出力したコマンドをRAM3に書き込む。
【0029】
スキャナ12は、プリンタ200により画像がプリントされたのちにプリント用紙に形成されている画像を読み取り、その画像を表した画像データ(以下、スキャンデータと称する)を出力する。なお、スキャナ12が読み取る画像は、プリンタ200によりプリント用紙にプリントされた画像の他に、プリント用紙に予め形成されていた罫線などの画像を含むこともある。
【0030】
スキャナコントローラ13は、CPU1の制御の下にスキャナ12の動作を制御するとともに、スキャナ12が出力したスキャンデータをRAM3に書き込む。
【0031】
可搬媒体ドライブ14は、上記のようなリムーバブルな記録媒体の少なくともいずれか1つに対応している。そして可搬媒体ドライブ14は、そのような対応する記憶媒体に記憶されているプログラムやデータを読み出す。可搬媒体ドライブ14は、記憶媒体に対してデータを書き込み可能なものであっても良い。
【0032】
ドライブコントローラ15は、CPU1の制御の下に可搬媒体ドライブ14の動作を制御する。
【0033】
プリンタインタフェイス16は、CPU1の制御の下にプリンタ200へと印刷データを送信する。プリンタインタフェイス16はまた、プリンタ200から送信されたコマンドを受信してRAM2に書き込む。なお、プリンタ200は、伝票発行装置100から送られた印刷データに基づいてプリント用紙に対して画像を印刷する。プリンタ200としては、ドットインパクトプリンタ、レーザプリンタ、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタなどの様々なタイプのプリンタを適宜に使用できる。ただし、プリント用紙として複写伝票用紙を使用する場合には、ドットインパクトプリンタを適用することが望ましい。
【0034】
通信デバイス17は、通信ネットワーク300を介して別の装置と通信する。通信ネットワークは、例えばLAN(local area network)やインターネットなどである。
【0035】
ところで、アプリケーションファイルに記述されたアプリケーションプログラムに基づいた処理を実行することによってCPU1は、次のような各種の処理手段として機能する。上記の処理手段の1つは、伝票へ記載する記載情報をタッチセンサ8やキーボード10を利用して入力する。上記の処理手段の1つは、表示用フォントファイル43に記述されたフォントに基づいて印刷用の外字フォントを生成する。上記の処理手段の1つは、伝票に含めるべき文字列を取得する。上記の処理手段の1つは、上記の取得された文字列に含まれる複数の文字を表示用フォントでそれぞれ表す表示画像を生成する。上記の処理手段の1つは、後述するようにして印刷データを生成する。上記の処理手段の1つは、定義ファイルを操作者による指示に応じて変更する。
【0036】
次に以上のように構成された伝票発行装置の動作について説明する。
【0037】
図3は伝票発行に拘わる複数の機能を選択的に動作させるためのCPU1による制御処理のフローチャートである。
【0038】
伝票発行装置100が起動されると、CPU1は図3に示す制御処理の実行を開始する。
【0039】
ステップSa1においてCPU1は、伝票発行装置100の構成要素のうちの一部の動作状態を初期化する。
【0040】
ステップSa2においてCPU1は、メニュー画面の表示を開始するように表示コントローラ7に指示する。この指示に応じて表示コントローラ7は、メニュー画面を表示するように表示デバイス6を制御する。
【0041】
図4はメニュー画面の一例を示す図である。
【0042】
図4に示すようにメニュー画面には、利用可能な機能のリストLと終了要求を行うためのボタンB1とが配置されている。
【0043】
ステップSa3においてCPU1は、メニュー画面におけるユーザの操作が行われるのを待ち受ける。そして、例えばリストLに示された機能のいずれかをタッチするなどの操作により実行する機能を指定する操作がユーザによりなされたならば(ステップSa3の機能指定)、CPU1はテップSa4へ進む。
【0044】
ステップSa4においてCPU1は、指定された機能に応じたアプリケーション処理を起動する。具体的には、図4に示したメニュー画面において「1.見積書」という文字列が表示されている領域に操作者が触れたならば、CPU1は見積書を発行する機能についてのアプリケーションプログラムを記述したアプリケーションファイルを補助記憶ユニット4に記憶された複数のアプリケーションファイル41の中から選択し、そのアプリケーションファイル41に記述されたアプリケーションプログラムに応じた見積書発行処理を起動する。
【0045】
図5はCPU1による見積書発行処理のフローチャートである。
【0046】
ステップSb1においてCPU1は、見積書入力画面の表示を開始するように表示コントローラ7に指示する。この指示に応じて表示コントローラ7は、見積書入力画面の初期画面を表示するように表示デバイス6を制御する。
【0047】
図6は見積書入力画面の初期画面の一例を示す図である。
【0048】
図6に示すように見積書入力画面には、それぞれ文字列を入力するための複数の入力欄(図6中の空白で示される欄)およびボタンB2,B3が配置されている。ボタンB2は、見積書入力を締めて見積書を示した伝票の印刷を要求するためのボタンである。ボタンB3は、終了要求を行うためのボタンである。
【0049】
ステップSb2においてCPU1は、見積書入力画面におけるユーザの操作が行われるのを待ち受ける。そして、複数の入力欄のいずれかをタッチするなどの操作により入力欄の指定がなされたならば(ステップSb2の入力欄指定)、CPU1はステップSb3へ進む。
【0050】
さて、入力欄を指定したのちに操作者は、例えばキーボード10を操作して、当該指定した入力欄に挿入するべき文字列を入力する。文字列を入力するようにキーボード10が操作された場合、キーボードコントローラ11がキーボード10での操作内容を解析し、入力された文字列を判定してRAM3に書き込む。
【0051】
そこでステップSb3においてCPU1は、上記のようにRAM3に書き込まれた文字列を読み出すことによって文字列を取得する。
【0052】
ステップSb4においてCPU1は、上記の取得した文字列をステップSb2で指定された入力欄に関連付けて補助記憶ユニット4に保存する。なお、このような文字列と入力欄とを関連付けて示すデータの集合を含むコンピュータファイルとして今回の見積書発行処理に関するアプリデータファイル42が生成される。なお、このアプリデータファイル42には、見積書入力画面の初期画面に示されるような罫線や文字列の一部をそれぞれ表すデータを含む場合もある。
【0053】
ステップSb5においてCPU1は、ステップSb3で取得した文字列をステップSb2で指定された入力欄内に表すように見積書入力画像を更新する。そしてこののちにCPU1はステップSb2に戻る。
【0054】
図7は文字列の入力を反映して更新された見積書入力画像の一例を示す図である。
【0055】
図7では、入力欄F1に「2010-03-01」なる第1の文字列が入力され、さらに入力欄F2に以下に示すような第2の文字列が入力されたのちにおける見積書入力画像を示している。なお、第1および第2の文字列はいずれも、表示用フォントファイル43に記述されたフォントを用いて表される。
【表1】

【0056】
見積書に記載すべき全ての文字列を入力し終えたならば操作者は、ボタンB2をタッチするなどして見積書入力の締めを要求する。このように締めを要求する操作が行われたならば(ステップSb2の締め要求)、CPU1はステップSb6へ進む。
【0057】
ステップSb6においてCPU1は、印刷開始コマンドをプリンタインタフェイス16を介してプリンタ200へ送信する。
【0058】
ステップSb7においてCPU1は、今回の見積書発行処理に関するアプリデータファイルに含まれたデータのうちの印刷の対象となる要素データの1つを補助記憶ユニット4から取得する。なおこのときにCPU1は、文字列に含まれる文字を表す文字コードのそれぞれを1つの要素データとして扱う。
【0059】
ステップSb8においてCPU1は、ステップSb7で取得した要素データが文字コードであるか否かを確認する。そして要素データが例えば罫線データなどであって文字コードではなかった場合(ステップSb8のNO)、CPU1はステップSb9へ進む。
【0060】
ステップSb9においてCPU1は、要素データに応じた印刷コマンドをプリンタインタフェイス16を介してプリンタ200へ送信する。この印刷コマンドを受けるとプリンタ200は、そのコマンドに応じた印刷動作を行う。
【0061】
一方、要素データが文字コードであった場合(ステップSb9のYES)、その文字コードが外字範囲内であるか否かを定義ファイル44を参照して確認する。そして外字範囲内ではないならば(ステップSb10のNO)、CPU1はステップSb11へ進む。例えば、「東」なる文字の文字コードは「456C」である。定義ファイル44に記述された外字範囲が「EAA5−FCF4」であるならば、CPU1は「東」なる文字については外字範囲内ではないと判定する。
【0062】
ステップSb11においてCPU1は、文字コードに対応する文字をプリンタ200に内蔵されたフォントを使用して印字することを要求するための印字コマンド(以下、通常印字コマンドと称する)を、プリンタインタフェイス16を介してプリンタ200へ送信する。この通常印字コマンドを受けるとプリンタ200は、文字コードに対応する文字をプリンタ200に内蔵されたフォントを使用して印字する。
【0063】
さて、文字コードが外字範囲内であった場合(ステップSb10のYES)、CPU1はステップSb12へ進む。例えば、第2の文字列における2文字目の文字コードは「FA67」である。定義ファイル44に記述された外字範囲が「EAA5−FCF4」であるならば、CPU1は第2の文字列における2文字目ついては外字範囲内であると判定する。
【0064】
ステップSb12においてCPU1は、文字コードに対応した表示用フォントに基づいて、プリンタ200での印字に適した外字フォントを補助記憶ユニット4中に生成する。プリンタ200がESC/Pエミュレーションのプリンタである場合、外字フォントは例えば24ドット×24ドットのビットマップフォントとする。
【0065】
ステップSb13においてCPU1は、上記のように生成した外字フォントを含み、この外字フォントを使用して印字することを要求するための印字コマンド(以下、外字印字コマンドと称する)を、プリンタインタフェイス16を介してプリンタ200へ送信する。この外字印字コマンドを受けると、そこに含まれた外字フォントを使用して文字を印字する。
【0066】
ステップSb9、ステップSb11およびステップSb13のいずれかにおいてコマンドを送信したのちにCPU1は、ステップSb14に進む。
【0067】
ステップSb14においてCPU1は、印刷が完了したか否かを確認する。そして印刷が完了していなければ(ステップSb14のNO)、CPU1はステップSb7以降の処理を繰り返す。
【0068】
そして印刷が完了したならば(ステップSb14のYES)、CPU1はステップSb15へ進む。
【0069】
ステップSb15においてCPU1は、印刷終了コマンドをプリンタインタフェイス16を介してプリンタ200へ送信する。かくしてCPU1は、通常印字コマンドおよび外字印字コマンドと、文字以外の要素に関する印刷コマンドとを印刷開始コマンドと印刷終了コマンドとの間に含んだ印刷データを生成し、プリンタ200へ送信する。
【0070】
そして印刷終了コマンドを送信し終えたならばCPU1は、CPU1はステップSb1以降の処理を繰り返す。
【0071】
見積書入力画面が表示されている状態において、ボタンB3をタッチするなどして見積書発行の終了を要求する操作を操作者が行ったならば(ステップSb2の終了要求)、CPU1は図5に示す見積書発行処理を終了する。
【0072】
さてCPU1は図3に示す制御処理において、ステップSa4にてアプリケーション処理を起動したのちにはステップSa5へ進む。
【0073】
ステップSa5においてCPU1は、上記の起動したアプリケーション処理が終了したか否かを確認する。そしてアプリケーション処理が終了していなければ(ステップSa5のNO)、CPU1はステップSa5を繰り返す。すなわちCPU1は、ステップSa5においてアプリケーション処理が終了するのを待ち受ける。
【0074】
そしてアプリケーション処理が終了したことを確認したならば(ステップSa5のYES)、CPU1はステップSa1以降の処理を繰り返す。
【0075】
メニュー画面が表示されている状態において、ボタンB1をタッチするなどして終了を要求する操作を操作者が行ったならば(ステップSa3の終了要求)、CPU1はステップSa6へ進む。
【0076】
ステップSa6においてCPU1は、伝票発行装置100の構成要素のうちの一部の動作を停止させるなどの終了処理を行った上で、図3に示す制御処理を終了する。
【0077】
以上のように本実施形態の伝票発行装置100によれば、外字範囲として定められた範囲の文字については、表示用フォントに基づいて印刷用の外字フォントが自動的に生成されて、この外字フォントの印字がプリンタ200に対して要求される。従って、プリンタ200にフォントが内蔵されていない文字を、そのフォントの外字登録を操作者が行わなくともプリンタ200に印字させることができる。
【0078】
ところで、伝票発行装置100には複数の機種のプリンタ200のいずれかを任意に接続可能であるが、これらの複数の機種のプリンタ200の一部は、他の機種とフォントを内蔵している文字の範囲が異なる場合がある。しかしながら伝票発行装置100では、外字範囲を操作者が任意に設定可能であるから、上記のような複数の機種のプリンタ200のいずれにも適応することが可能である。
【0079】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0080】
上記実施形態においては、印刷制御のためのプログラム(印刷制御プログラム)が伝票作成のためのアプリケーションプログラム(伝票作成プログラム)に含まれる例を示している。しかしながら、印刷制御プログラムは、伝票作成プログラムとは別のプログラムとして、すなわちプリンタドライバプログラムなどとして実現されても良い。
【0081】
プリンタで印刷するための文字を含んだ画像を生成するものであれば、伝票作成装置以外の如何なる情報処理装置においても上記の実施形態と同様な実施が可能である。
【0082】
上記実施形態においてプリンタ200に送信している各種のコマンドをRAM3または補助記憶ユニット4に蓄積しておき、それらの集合としての印刷データを一括してプリンタ200へ送信しても良い。
【0083】
また、プリンタと情報処理装置とは、一体であっても、別体であっても構わない。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4…補助記憶ユニット、5…時計ユニット、6…表示デバイス、7…表示コントローラ、8…タッチセンサ、9…タッチセンサコントローラ、10…キーボード、11…キーボードコントローラ、12…スキャナ、13…スキャナコントローラ、14…可搬媒体ドライブ、15…ドライブコントローラ、16…プリンタインタフェイス、17…通信デバイス、18…システムバス、100…伝票発行装置、200…プリンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字を取得する取得手段と、
表示用の文字情報を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得した文字が、印刷部が記憶している文字か否かを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記印刷部が記憶していない文字であると検知すると、前記記憶手段が記憶する表示用の文字情報から印刷用の文字情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された印刷用の文字情報を前記印刷部へ出力する出力手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記印刷部が記憶している文字と記憶していない文字とを区別するための区別情報を記憶する手段と、
前記区別情報を操作者による指示に応じて変更する変更手段とをさらに有し、
前記検知手段は、前記取得手段により取得した文字が、印刷部が記憶している文字か否かを、前記区別情報に基づいて検知する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記印刷部は前記記憶手段が記憶する表示用の文字情報とはドット数が異なる文字を印刷可能なドットプリンタであり、
前記生成手段は、前記記憶手段が記憶する表示用の文字情報を前記印刷部が印刷可能なドット数に変換して前記印刷用の文字情報を生成する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検知手段により前記印刷部が記憶している文字であると検知された文字については前記印字部が記憶している文字の印刷を要求する第1のコマンドを、また前記検知手段により前記印刷部が記憶していない文字であると検知された文字については前記生成手段により生成された印刷用の文字情報を含むとともに当該印刷用の文字情報に基づく文字の印刷を要求する第2のコマンドをそれぞれ含んだ印刷データを生成する手段をさらに有し、
前記出力手段は、前記印刷データを前記印刷部へ出力する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
文字を取得する取得手段と、
表示用の文字情報を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得された文字を前記記憶手段に記憶された表示用の文字情報に基づいて表す文字画像をベース画像に合成した伝票画像を生成する伝票生成手段と、
前記伝票画像に表された文字が、印刷部が記憶している文字か否かを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記印刷部が記憶していない文字であると検知すると、前記記憶手段が記憶する表示用の文字情報から印刷用の文字情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された印刷用の文字情報を前記印刷部へ出力する出力手段と、
を有する伝票発行装置。
【請求項6】
表示用の文字情報を記憶する記憶手段にアクセス可能なコンピュータを、
文字を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した文字が、印刷部が記憶している文字か否かを検知する検知手段と、
前記検知手段により前記印刷部が記憶していない文字であると検知すると、前記記憶手段が記憶する表示用の文字情報から印刷用の文字情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された印刷用の文字情報を前記印刷部へ出力する出力手段と、
して機能させるプリンタ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−22642(P2012−22642A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162196(P2010−162196)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】